JP2013207626A - ネットワークにおける動的階層化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】災害時等に起こるトラフィックの急激な増加に対応できるネットワークにおける動的階層化方法を提供する。
【解決手段】モバイルアドホックネットワークの自律分散クラスタリングのようにネットワークを複数のクラスタに分割して管理し、階層型ルーティングによってデータ通信を行う。クラスタの分割や結合は、トラフィック量によって行う。送信元ノードから経路構築要求が発生した場合、階層型ルーティングHi-AODV によってクラスタ間の経路構築を行う。定期的に送信される制御パケットによりリアルタイムにトラフィック情報を取得・管理し、クラスタヘッドがトラフィックが高いと判断した場合には動的にクラスタを分割・結合させる。これにより、クラスタヘッドの負荷を分散させ、スループット低下を防ぐ。
【選択図】図2

Description

本発明は、急激なトラフィック増減に対応できるネットワークにおける動的階層化方法に関する。
無線メッシュネットワーク(非特許文献1)はノードをメッシュ状に結び無線のバックボーンを構築するネットワークである。無線技術が低コスト化し、無線通信装置はメッシュノードとして複数の無線通信をサポートできるようになり、クライアントアクセス、双方向サービスなどの機能が提供できるようになっている。
無線メッシュネットワーク例えばモバイルアドホックネットワーク(Mobile Ad-hoc NETwork:以下MANETと略称する)は、基地局や固定網に依存せず、移動端末(以下ノードという)を構成要素とする自律分散形のネットワークであり、ノードがバケツリレー的に(マルチホップで)データ転送を行う。MANET環境において、ノードの移動を効率的に管理し、データパケットの到達性能を向上させるプロトコルとして、自律分散クラスタリングと自律分散クラスタリングを用いた階層ルーティングHi-AODV(Ad hoc On-demand Distance Vector アドホックオンデマンド距離ベクトル、非特許文献2、非特許文献3)が提案されている。Hi-AODVは自律分散クラスタリングで構成したクラスタの集合にAODV を適用した階層ルーティングである。自律分散クラスタリングは大規模なネットワークをクラスタと呼ばれる複数の小さなサブネットワークに分け、クラスタヘッドと呼ばれる管理ノードが各クラスタ管理する手法である。このように、ネットワークを複数のクラスタに分けて階層化することにより、制御パケットの削減など効率的なルーティングを行うことができる。このような階層化手法は無線メッシュネットワークにも適用可能である。
またアドホックネットワークにおいては、クラスタを適正な形状に構成できる通信方法も知られている(特許文献1)。
特開2006−186446号公報
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スマートフォンやタブレット端末などで高帯域を要するサービスを利用するユーザが増加しており、ノードに流れるトラフィックが増加している。さらに、Internet of Things(モノのインターネット、非特許文献4)に代表されるモノ(センサ、無線タグ等)とモノとの通信の増加や災害時の基地局の故障や安否確認の連絡の集中(非特許文献5)により、急激なトラフィック上昇が起こる可能性があり、ノードに流れるトラフィックの予想は困難である。このような環境において階層化手法を用いた場合、常に同じ大きさのクラスタで運用すると、トラフィックの増加が起こるとクラスタヘッドの負荷が高くなる。その結果、クラスタヘッドでパケットロスを起こしスループットの低下につながる。
特許文献1に記載の通信方法は、地理的な形状を考慮し、丸みを帯びたクラスタ形状とし、ゲートウェイ数の削減を目的とするものであり、急激なトラフィック増への対応を目的としたものとは異なる。
本発明は、自律分散クラスタリングの考え方を用いてネットワークを複数のクラスタに分割して管理し、クラスタ内を流れるトラフィックによってクラスタを動的に変える方法を提案するものである。本発明方法では、定期的に送信される制御パケットによりリアルタイムにトラフィック情報を取得・管理する。そして、クラスタヘッドがトラフィックが高いと判断した場合には動的にクラスタを分割・結合させる。それにより、クラスタヘッドの負荷を分散させ、スループット低下を防ぐ。
本発明に係るネットワークにおける動的階層化方法において、ネットワークは複数のクラスタに分割され、1つのクラスタには、該クラスタを管理する1つクラスタヘッドが存在し、該クラスタヘッドは、該クラスタヘッドから定期的にクラスタメンバにブロードキャストされ、受信したクラスタメンバは下流ノードにこれを転送するメンバパケットと、前記クラスタの、前記メンバパケットを受信した葉ノードから、前記クラスタヘッドへ向けて、上流ノードへ送信するメンバ確認応答パケットと、からなる制御パケットにて制御され、前記メンバパケットMEP を受信した各ノードは前記メンバパケットの送信元ノードを親としてツリーを構築し、前記クラスタ内の各メンバは、常に自身の時間当たりの通過データパケット量を記録し、前記クラスタ内の記録した時間当たりの通過パケット量が前記メンバ確認応答パケットに記載され、自身のノード情報とともに前記メンバ確認応答パケット送信ごとのデータとして定期的に前記クラスタヘッドに送られ、他のクラスタと隣接するノードであるゲートウェイは、自身の情報に加えて隣接するクラスタのノード情報及びトラフィック情報を前記メンバ確認応答パケットに載せて送信し、前記クラスタヘッドは前記クラスタメンバからの前記メンバ確認応答パケットをもとに、クラスタメンバリストを生成し、前記クラスタを管理し、各メンバの通過パケット量を集め、その和を前記クラスタ内の総トラフィックとし、前記クラスタヘッドは定期的にクラスタ内の総トラフィックを確認し、あらかじめ設定された閾値の上限を超えた場合はクラスタを分割し、設定した閾値の下限を下回った場合は、隣接するクラスタのトラフィック情報を確認したのち、所定の条件を満たしていれば隣接クラスタと結合を行うことを特徴とするものである。
また前記クラスタヘッドは、前記クラスタ内の任意のノード を分割後の新しいクラスタヘッド候補に指定するパケット RNCPを送信し、該RNCP を受信した前記任意のノード がクラスタヘッド候補になり、該ノードは、自身のノードID を付加したパケットCNCP を周囲のノードに送信し、クラスタ内の他のノードは、早く受信したクラスタID 変更パケットに含まれているノードID を自分のクラスタID と設定し、クラスタの分割を完了することを特徴とするものである。
また、前記クラスタ内のトラフィックが半分になるようにクラスタを分割するために、前記クラスタ内の各メンバまでのホップ数の平均の1/2 となるノードをクラスタヘッド候補とし、かつこの条件を満たすノードが複数あった場合は、求めたホップ数のノードの中で隣接クラスタリストを多く知っているノードを新クラスタヘッド候補とすることを特徴とするものである。
また、前記クラスタ内の総トラフィックが閾値の下限 以下の場合、隣接クラスタリストを確認し、隣接クラスタのクラスタ内総トラフィックを確認し、自身のクラスタ内のトラフィックと隣接クラスタ内総トラフィックの和が閾値の上限を超えていなければ、クラスタ内トラフィックが最も小さいクラスタと結合し、かつ、クラスタ分割後に経路構築される前に再結合を起こすのを防ぐために、分割が起こったクラスタは一定時間結合をしないことを特徴とするものである。
シミュレーション実験によりトラフィックが高い環境で固定の階層ルーティングと比較を行った結果、データ到達率の向上とドロップパケット量の削減を確認した。また、負荷分散の評価値としてクラスタ通過時のクラスタ通過パケット量の減少を確認した。
本発明の実施形態にかかる制御パケットによるクラスタ構築を説明するための図であり、(a)はクラスタヘッドによる制御パケット送信を示す図、(b)はクラスタメンバからの制御パケット送信を示す図である。 同実施形態におけるRNCPとCNCPを用いた分割動作を説明するための図である。 実験フィールドを示す図である。 時間ごとのSDペア数を示す曲線図である。 時間ごとのクラスタヘッドのドロップパケット量を示す波形図である。 バッファリング時のドロップパケット量を示すグラフである。 評価用パケットのデータ到達率を示すグラフである。 評価用パケットのクラスタヘッド通過時の通過パケット量を示すグラフである。
以下、自律分散クラスタリングと階層ルーティングHi-AODVを例にとって説明する。
自律分散クラスタリング
自律分散クラスタリングは、MANET環境において、ネットワークを複数のサブネットワークに分割して管理する方法である。各サブネットワークをクラスタと呼ぶ。一つのクラスタのノード数を制限するために、下限値L と上限値U をあらかじめ設定している。これらの設定値は、クラスタ同士の結合や分割を行う際にクラスタ内のメンバ数の閾値として使用される。各クラスタはクラスタを管理する一つのクラスタヘッドと複数のクラスタメンバで構成され、クラスタヘッドのノードID がそのクラスタのクラスタID となる。このとき、クラスタのすべてのノードは同じクラスタIDを持つノード同士で連結されるように維持される。自律分散クラスタリングは、クラスタ同士が重ならないという特徴を持つ。
クラスタヘッドとクラスタメンバによる制御パケットの送信例を図1 に示す。クラスタヘッドCはクラスタメンバ(○印で示すノード)の情報を効率よく収集するために、図1(a) のように制御パケットをクラスタ内にブロードキャストする。ブロードキャストとは、クラスタ内の全てのノードに対して情報を発信することを指す。制御パケットによって自身を根とするツリーを構成する。そして、クラスタヘッドCは図1(b) のようにメンバからの制御パケットによってメンバ情報を収集する。自身のクラスタID と異なるクラスタID を持つノードと隣接しているノードをゲートウェイと呼ぶ。また、異なるクラスタのゲートウェイが相互に通信範囲内に存在しているとき、クラスタ間が隣接していると呼ぶ。クラスタメンバ数が下限L 未満となった場合、隣接クラスタのいずれかと結合を行う。また、クラスタメンバ数が上限U を超えた場合は、自クラスタを二分割する。
データパケット送信時、送信元ノードと宛先ノードが同じクラスタに属している場合、クラスタヘッドCを根とするツリーを用いてデータパケットの転送を行う。自律分散クラスタリングでは、クラスタヘッドCがクラスタ全体を集中管理するため、その他のクラスタメンバの負荷を軽減できる。
階層ルーティングHi-AODV
階層ルーティングHi-AODV は、クラスタによって分割されたネットワークにおいて、クラスタ内ルーティングとクラスタ間ルーティングを行う。クラスタ内ルーティングではクラスタヘッドベースツリーを用いて行う。クラスタ間ルーティングではクラスタを1つの仮想ノードとみなしてAODV の概念に基づいたルーティングを行う。Hi-AODVにおけるクラスタ内ルーティングではノードがデータパケットを送信する際、データパケットはクラスタヘッドベースツリーを基にクラスタヘッドまで送信される。クラスタヘッドがデータパケットを受信した場合、自身の持つクラスタメンバリストから宛先ノードを検索し、宛先ノードがクラスタ内にいる場合はそのノードヘ向けてデータパケットを送信する。宛先ノードがクラスタメンバリストに存在しない場合はデータパケットをバッファし、クラスタ間ルーティングの処理を実行する。Hi-AODVにおけるクラスタ間ルーティングではクラスタを一つの仮想ノードとみなしてRREQ(Route REQuest) とRREP(Route REPly)により経路構築を行う。クラスタ間ルーティングに用いるための経路表は各クラスタのクラスタヘッドのみが管理し、経路の探索・維持はクラスタ単位で行う。また、制御パケットの処理はクラスタヘッドのみが行い、他のノードは転送のみを行うことでルーティングによるオーバヘッドを抑えることができる。しかし、クラスタ内のトラフィックが増えた場合、クラスタヘッドの負荷が高くなるという問題がある。
クラスタ内トラフィックが増加してもクラスタヘッドの負荷が高くならないよう、トラフィック量に応じて動的にクラスタの大きさを変える方法が用いられる。この方法では、MANET の自律分散クラスタリングのようにネットワークを複数のクラスタに分割して管理し、階層型ルーティングによってデータ通信を行う。クラスタの分割や結合は、MANET 環境の自律分散クラスタリングではノード数の上限U と下限L を用いて行われていたが、本発明方法では急激なトラフィックの増減に対応するためトラフィック量によって行う。そして、送信元ノードから経路構築要求が発生した場合、階層型ルーティングHi-AODV によってクラスタ間の経路構築を行う。以下、 クラスタ構築とトラフィック情報の収集、クラスタの分割、結合、データパケットの転送について順に説明する。
クラスタ構築とトラフィック情報の収集
本発明方法におけるクラスタの管理とトラフィック情報の取得は、クラスタメンバパケット(MEP:cluster MEmber Packet) とクラスタメンバ確認応答パケット(MAP:cluster Member Acknowledge Packet) と呼ばれる制御パケットを用いて行う。クラスタヘッドは、定期的にクラスタ内の各メンバにMEP をブロードキャストする。MEP を受信した各ノードはMEP の送信元ノードを親としてツリーを構築する。クラスタ内の各メンバは、常に自身の時間当たりの通過データパケット量を記録する。そして、クラスタ内の記録した時間当たりの通過パケット量はMAP に記載され、自身のノード情報とともにMAP 送信ごとのデータとして定期的にクラスタヘッドに送られる。このとき、他のクラスタと隣接するノードであるゲートウェイは、自身の情報に加えて隣接するクラスタのノード情報やトラフィック情報もMAPに載せて送信する。クラスタヘッドはクラスタメンバからのMAPをもとに、クラスタメンバリストを生成し、クラスタを管理する。そして、各メンバの通過パケット量を集め、その和をクラスタ内の総トラフィックと定義する。
分割と結合
クラスタヘッドは定期的にクラスタ内の総トラフィックを確認し、あらかじめ設定しておいた閾値の上限Uを超えた場合はクラスタを分割する。設定した閾値の下限L を下回った場合は、隣接するクラスタのトラフィック情報を確認したのち、条件を満たしていれば隣接クラスタと結合を行う。
分割
クラスタヘッドが集めるクラスタ内のトラフィック情報が閾値の上限U を超えた場合、クラスタを分割する。分割の手順を図2 に示す。分割の際、クラスタヘッドAはクラスタ内のノードB を分割後の新しいクラスタヘッド候補に指定し、 図2(a) に示すようにRNCP(Recommendation for NEw Cluster head Packet) と呼ばれるパケットを送信する。そして、RNCP を受信したノードB はクラスタヘッド候補になる。そして、クラスタヘッドAと新しくクラスタヘッド候補となったノードBは、自身のノードID を付加したCNCP(Candidate New Cluster Packet) を図2(b)に示すように周囲のノードに送信する。クラスタ内の他のノードは、早く受信したクラスタID 変更パケットに含まれているノードID を自分のクラスタID と設定し、クラスタの分割が完了する。
分割時のクラスタヘッド候補の決め方は次のとおりである。なるべくクラスタ内のトラフィックが半分になるようにクラスタを分割するのが望ましい。そのために、クラスタ内の各メンバまでのホップ数の平均の1/2 とする方法を用いる。条件を満たすノードが複数あった場合は、求めたホップ数のノードの中で隣接クラスタリストを多く知っているノードを新クラスタヘッド候補とする。
結合
クラスタ内の総トラフィックが閾値の下限L 以下の場合、隣接クラスタリストを確認し、隣接クラスタのクラスタ内総トラフィックを確認する。自身のクラスタ内のトラフィックと隣接クラスタ内総トラフィックの和が閾値の上限U を超えていなければ、クラスタ内
トラフィックが最も小さいクラスタと結合する。また、クラスタ分割後に経路構築される前に再結合を起こすのを防ぐために、分割が起こったクラスタは一定時間結合をしない。
データパケットの転送
データパケットの転送は、クラスタリングに基づいたHi-AODVを用いて行う。クラスタ間通信もHi-AODVのクラスタ間通信のように、クラスタを1つの仮想ノードとみなしてRREQ を用いてAODV の概念に基づいたルーティングを行う。クラスタの分割や結合により、経路上のクラスタID が変化した場合、経路切断が起こる。その場合は、RREQ により経路探索を行う。
シミュレーション実験
シミュレーション実験により本発明方法の性能を評価する。本発明方法とクラスタの分割と結合を行わない階層型ルーティング(以下、従来法と呼ぶ) において、SD ペア数の増加によりバックグラウンドのトラフィックを変えてシミュレーションを行い比較する。実験においてネットワーク内のトラフィックが急激に増加する想定として、ある一か所のトラフィックが増加するように送信間隔を短くしたSD ペアを複数用意し、これをバックグラウンドのSD ペアとする。バックグラウンドのSD ペア以外に、評価用SD ペアを用意する。到着データパケットが通過するクラスタヘッドの負荷を評価するため、クラスタヘッドを通過するたびに、単位時間当たりの通過パケット量をそのパケットに記録していく。この記録した通過パケット量の合計を、宛先ノードに届いたパケット数で割ったものをクラスタヘッドの通過データパケット量として用いる。評価項目は、データパケットをバッファリングする際にバッファ容量が最大の時に起こるドロップパケット数、評価用SD ペアのデータ到達率、評価用SD ペアの到着データパケットに対するクラスタヘッドの通過パケット量である。
実験環境
シミュレーション実験における環境パラメータを表1に示す。通信帯域は11[Mbps] とし、ネットワーク内のパケットロスを評価するため、パケットの衝突による損失は起こらない環境でシミュレーションを行った。本発明方法の閾値である通過データパケット量は上限U 250 [Kbyte] と下限L 50 [Kbyte] とし、従来法のクラスタサイズの閾値を上限U 20、下限L 10 とした。クラスタ構成が安定した後は、下限値を超えた値に固定されると考えられる。メッシュネットワークにおいて、バックグラウンドのトラフィックが増加した場合を想定する。トラフィックの増加は時間ごとにCBR の送受信ペア数を増加させることによって行う。
Figure 2013207626
実験に用いたフィールドを図3 に示す。図3 上の丸はノード、塗りつぶされているノードは送信元ノードと宛先ノードを示している。このフィールド上にノードを格子状に配置している。データ転送中のSD ペア数を図4 に示す。SD ペア数は、ケース1 とケース2 の2 通り行った。評価用SD ペアを5 つ通信とし、常にデータパケットを転送する。時間が経過するにつれてバックグラウンドのデータ転送中のSD ペア数を増加又は減少させていく。図4 に示すSD ペア数は、バックグラウンドSD ペア数と評価用パケットSD ペア数の合計を示している。CBRの送信間隔は、バックグラウンドSD ペアは0.1[s]、評価用SD ペアは0.25[S] とした。
実験結果と考察
バッファリング時のドロップパケット量
ケース1 の場合の時間ごとのクラスタヘッドのドロップパケット量を図5 に、ケース1、2 の場合の全ノードの総ドロップパケット量を図6 に示す。SD ペアがケース1 の場合より、ケース2 の場合のほうがドロップパケット量が削減できることが分かる。また、時間ごとのドロップパケット量をみると、本発明方法によるグラフでは、115 秒前後にドロップパケット量が増加しているが、その後は従来法よりドロップパケット量が削減されているのが分かる。これはトラフィック増加時にクラスタを分割したため、一時的に経路構築完了までにバッファからパケットがあふれたため、ドロップパケット量が増加したものと考えられる。しかし、その後は本発明方法による効果により、ドロップパケット量が削減できたと考えられる。図6 に示すように、全体のドロップパケット量も削減されている。ケース2のSD ペア数が多い場合の方が本発明方法の効果が大きいといえる。
データ到達率
データ到達率が下がる原因としては、電波の干渉やバッファサイズが最大値の時にデータパケットをバッファリングしようとした場合に起こるバッファあふれが考えられる。本発明では、電波の干渉によるパケットの損失が起こらない環境で実験を行ったため、バッファあふれがデータ到達率にもっとも影響を与えたものと考えられる。
評価用パケットのデータ到達率を図7 に示す。本発明方法の方が、データパケット到達率がケース1 の場合約8 %、ケース2 の場合約23 %向上している。これは、図6 に示すようにドロップパケット量の削減がデータ到達率向上につながったためと考えられる。
クラスタヘッド通過時の通過パケット量
クラスタヘッドの負荷の評価として、クラスタヘッドを通過するパケット量が少ない方が複数のクラスタに分散して転送されていると評価できる。クラスタヘッド通過時の通過パケット量を図8 に示す。本発明方法のグラフのほうがデータ到達率は高いがクラスタヘッド通過時の通過パケット量が少ないため、動的にクラスタサイズを調節しクラスタヘッドへの負荷が分散できているといえる。ケース1 とケース2 の場合においてあまり数値に差がない。これは高負荷時にはMEP、MAPが届かない場合があるためツリーの構築ができなくなり通過パケット量も増加しなかったためと考えられる。
以上のように、本発明では、特に無線メッシュネットワークにおいて、バックグラウンドのトラフィックが増加した場合に、動的にクラスタの大きさを変えてクラスタヘッドの負荷を下げる動的階層化手法を採用したものであり、シミュレーション実験の結果、データ到達率の向上とドロップパケット量の削減を確認し、また負荷分散の評価値としてクラスタ通過時のクラスタ通過パケット量の減少を確認した。
本発明は、バックボーンのように空間的かつ時間的に変動しながら大量のトラフィックが流れるネットワークに有効に働く。対象とするネットワークは、有線、無線、モバイル等幅広い。アドホックネットワークにも適用可能である。例えば、火事、地震、台風、津波等の災害時にトラフィックが急激に上昇する場合の通信確保の手段として使用できる。また、ネットワークを利用したイベント等の開催によりトラフィックが急激に上昇する場合にも使用できる。ネットワークを流れるトラフィックの種類は問わないが、児童・高齢者の見守り情報の収集、捜索・救出・緊急誘導・被害情報の収集、交通事故・渋滞情報の交換等の損失が許されない重要な情報が流れるネットワークにおいて特に有効である。
C,A,B クラスタヘッド

Claims (4)

  1. ネットワークが複数のクラスタに分割され、1つのクラスタには、該クラスタを管理する1つクラスタヘッドが存在し、該クラスタヘッドは、
    該クラスタヘッドから定期的にクラスタメンバにブロードキャストされ、受信したクラスタメンバが下流ノードにこれを転送するメンバパケットと、
    前記クラスタの、前記メンバパケットを受信した葉ノードから、前記クラスタヘッドへ向けて、上流ノードへ送信するメンバ確認応答パケットと、からなる制御パケットにて制御され、
    前記メンバパケット を受信した各ノードは前記メンバパケットの送信元ノードを親としてツリーを構築し、
    前記クラスタ内の各メンバは、常に自身の時間当たりの通過データパケット量を記録し、
    前記クラスタ内の記録した時間当たりの通過パケット量が前記メンバ確認応答パケットに記載され、自身のノード情報とともに前記メンバ確認応答パケット送信ごとのデータとして定期的にクラスタヘッドに送られ、
    他のクラスタと隣接するノードであるゲートウェイは、自身の情報に加えて隣接するクラスタのノード情報及びトラフィック情報を前記メンバ確認応答パケットに載せて送信し、
    前記クラスタヘッドは前記クラスタメンバからの前記メンバ確認応答パケットをもとに、クラスタメンバリストを生成し、前記クラスタを管理し、各メンバの通過パケット量を集め、その和をクラスタ内の総トラフィックとし、
    前記クラスタヘッドは定期的に前記クラスタ内の総トラフィックを確認し、あらかじめ設定された閾値の上限を超えた場合は前記クラスタを分割し、
    設定した閾値の下限を下回った場合は、隣接するクラスタのトラフィック情報を確認したのち、所定の条件を満たしていれば隣接クラスタと結合を行う
    ことを特徴とするネットワークにおける動的階層化方法
  2. 前記クラスタヘッドは前記クラスタ内の任意のノード を分割後の新しいクラスタヘッド候補に指定するパケット RNCPを送信し、
    該RNCP を受信した前記任意のノード がクラスタヘッド候補になり、該ノードは、自身のノードID を付加したパケットCNCPを周囲のノードに送信し、
    クラスタ内の他のノードは、早く受信したクラスタID 変更パケットに含まれているノードID を自分のクラスタID と設定し、クラスタの分割を完了することを特徴とする請求項1記載のネットワークにおける動的階層化方法
  3. 前記クラスタ内のトラフィックが半分になるようにクラスタを分割するために、前記クラスタ内の各メンバまでのホップ数の平均の1/2 となるノードをクラスタヘッド候補とし、かつこの条件を満たすノードが複数あった場合は、求めたホップ数のノードの中で隣接クラスタリストを多く知っているノードを新クラスタヘッド候補とすることを特徴とする請求項2記載のネットワークにおける動的階層化方法
  4. 前記クラスタ内の総トラフィックが閾値の下限以下の場合、隣接クラスタリストを確認し、隣接クラスタのクラスタ内総トラフィックを確認し、
    自身のクラスタ内のトラフィックと隣接クラスタ内総トラフィックの和が閾値の上限 を超えていなければ、クラスタ内トラフィックが最も小さいクラスタと結合し、
    かつ、クラスタ分割後に経路構築される前に再結合を起こすことを防ぐために、分割が起こったクラスタは一定時間結合をしないことを特徴とする請求項1記載のネットワークにおける動的階層化方法
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