JP2013206480A - 再生装置およびその動作方法 - Google Patents

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Yasuo Mutsuro
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Abstract

【課題】高密度記録のディスクの再生データを再生する再生装置のPLL回路の動作安定性を改善する一方、高密度記録のディスクの最短周期読み出し信号に応答して最尤復号回路から正常な復号信号を生成する。
【解決手段】A/D変換器14はディスクのRF信号をデジタル信号に変換して、第1オフセット低減回路15にディスクからの最小マーク長の最短周期信号とロングマーク長のロングマーク信号を含む再生信号が供給され、回路15は最短周期信号に応答せずロングマークの再生信号の第1DCオフセットを低減する。PLL回路16は回路15からのA/D変換デジタル信号に応答して同期タイミングを生成して、第2オフセット低減回路17はロングマークの再生信号には応答せず最短周期信号の第2DCオフセットを低減する。最尤復号回路18は、回路15、17で第1DCオフセットと第2DCオフセットが低減された再生信号の最尤検出を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、再生装置およびその動作方法に関し、特に高密度記録のディスクの再生データを再生する再生装置のPLL回路の動作安定性を改善する一方、高密度記録のディスクの最短周期読み出し信号に応答して最尤復号回路から正常な復号信号を生成するのに有効な技術に関するものである。
CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blue-ray Disc)等の光ディスクの記録再生装置では、光ピックアップから放射されるレーザ光を光ディスクの記録面に照射して、その反射光を光ピックアップによって検出して、アナログ再生信号(以下、RF信号と言う)が生成される。RF信号に各ディスクの仕様によって決定されたデジタル信号処理が実行され、光ディスクの記録再生データの生成が可能である。一方、BD等では高密度記録が実現されているので、BD等の光ディスクから読み出されるRF信号が微弱となっている。
更にBD等の光ディスクの記録品質を高めるには、記録マークの形状、特にエッジ位置を正確に制御する必要があり、マークを記録するレーザ光のパワーを精密に制御する必要がある。その理由は、記録時に記録パワーの誤差または光ディスクの記憶媒体の感度の誤差が発生している場合には、この記録情報を読み出すと、再生波形に誤差等が発生して、再生性能が劣化するためである。
下記特許文献1には、最尤検出を使用して情報記憶媒体から読み出される再生信号を復号する情報信号再生装置に、A/D変換器の出力の最短周期信号のDCレベルと最尤検出器の複数の基準レベルの中央の基準レベルとが一致するようにオフセット補正を実行するオフセット補正器を使用することが記載されている。このオフセット補正器の出力には検出された再生信号のアシンメトリ量に基づいて非線形変換によりアシンメトリを減少するアシンメトリ補正器の入力が接続され、アシンメトリ補正器の出力に最尤検出回路の入力とPLL回路の入力とが接続され、誤差検出器の二入力は最尤検出回路の入力と出力に接続され、誤差検出器の誤差出力によりオフセット補正器はオフセット補正を実行するものである。
下記特許文献2には、情報再生装置のA/D変換器の出力に光ディスクの媒体の欠陥等に起因する波形変動を検出する欠陥判別器と再生信号に含まれる最短周期信号のDCレベルを振幅基準ゼロに合わせるようにオフセット補正するオフセット補正器とを接続することが記載されている。通常再生時には、オフセット補正器は、ビタビ検出器の出力の2値化検出データとビタビ検出器の入力(等化器の出力)との間の誤差信号の平均値がゼロとなるようにレベル補正動作を実行して、欠陥判別器が欠陥を検出した場合には、オフセット補正器は、1次のHPF動作を実行するとしている。
下記特許文献3には、光ディスク再生装置のA/D変換器の出力と位相同期制御回路の入力との間に高域のオフセット変動分を補正する第1のオフセット補正回路を接続して、第1のオフセット回路の出力にデジタル適応イコライザの入力を接続して、デジタル適応イコライザの出力とデータ復調回路の入力との間に残留したオフセット変動分を補正する第2のオフセット補正回路を接続することが記載されている。
下記非特許文献1には、BDXLと呼ばれるBD(Blue-ray Disc)の拡張規格が記載されている。この拡張規格によると、従来のBD(Blue-ray Disc)が1層(SL:Single Layer)〜2層(DL:Dual Layer)の記録層であったのに対して、BDXLでは1層当たりの記録容量を高密度化し、3層(TL:Triple Layer)および4層(QL:Quadruple Layer)の記録構造によってデータを記録することが可能とされている。従来のBDが1層で25キガバイトの容量と2層で50キガバイトの容量とを持っていたのに対して、BDXLの追記型(ライトワンス型)の3層タイプでは1層当たり33ギガバイトで3層100キガバイト、4層タイプでは1層当たり32ギガバイトで4層128キガバイトまでのデータが記録可能となっている。尚、BDXLの拡張規格は、BDA(Blue-ray Disc Association)によって規格化されたものである。
更に下記非特許文献1には、書き込み可能なBD(Blue-ray Disc)には、ディスクに書き込み可能なマークの最小長さ(2T)とその1.5倍の長さ3Tと2倍の長さ4Tの変調光学パルスのトレインにより書き込み可能なBD(Blue-ray Disc)が照射されことによって、それぞれのコード長に対応する記録マークがディスクに形成されることが記載されている。尚、Tは、チャネルビット長と呼ばれるものである。
また更に下記非特許文献1には、1層(SL)または2層(DL)の記録層を有する従来のBD(Blue-ray Disc)の最小マーク長が149nmであるのに対して、3層(TL)および4層(QL)の記録層を有するBDXLでの最小マーク長は112nmおよび117nmと小さなものであることが記載されている。
特開2007−59018号 公報 特開2008−181617号 公報 特開2006−216187号 公報
White Paper Blu−ray DiscTM Format, 1.B Physical Format Specifications for BD−R, 5th Edition, October, 2010,http://www.blu−raydisc.com/Assets/Downloadablefile/BD−R_physical_specifications−18326.pdf#search=’BDXL_imSLE’[平成24年01月12日検索]
本発明者等は本発明に先立ち、BDXLと呼ばれるBD(Blue-ray Disc)の拡張規格に準拠した光ディスクの記録再生が可能な記録再生装置に搭載される半導体集積回路の研究・開発に従事した。従って、BDXLと呼ばれるBDの拡張規格によって、従来の規格と比較して記憶容量が増大される一方、最小マーク長すなわち最短周期が従来のBD(Blue-ray Disc)よりも短くなるものとなった。
更に従来のBD(Blue-ray Disc)と比較してBDXLと呼ばれるBD(Blue-ray Disc)の拡張規格に準拠した光ディスクの記録再生時には、最小長さ2Tよりも長い長さ3Tまたは4Tを有する記録マークの読み出し信号の振幅と比較して最小マーク長2Tの読み出し信号すなわち最短周期読み出し信号の信号振幅が小さくなると言う問題が本発明に先立った本発明者等による検討により明らかされた。
また更に、最小長さ2Tよりも長い長さ3Tまたは4Tを有する記録マークの読み出し信号の正振幅のピークと負振幅のピークとの間の中央のDCレベルは比較的安定であるのに対して、最小マーク長2Tの読み出し信号すなわち最短周期読み出し信号の正振幅のピークと負振幅のピークとの間の中央のDCレベルは不安定であると言う問題も本発明に先立った本発明者等による検討により明らかされた。
その結果、最短周期読み出し信号の不安定なDCレベルは同期タイミングを生成するPLL回路でのゼロクロス検出を不可能とするため、ゼロクロス検出によるPLL回路での同期タイミング生成が不可能となると言う問題を生じるものであった。従って、最短周期読み出し信号に応答してPLL回路から生成される再生データの位相補償の精度が極めて低く、PRML方式の読み出し信号処理を実行するビタビ復号器により構成された最尤復号回路から正常な復号信号が生成されないと言う問題を生じるものであった。
一方、上記特許文献1に記載されたオフセット補正方法と上記特許文献2に記載されたレベル補正動作では、上述した問題を解消することは全く不可能なものであった。
更に上記特許文献3に記載されたオフセット補正方法では、第1のオフセット補正回路による高域のオフセット変動の補正動作によって位相同期制御回路(PLL回路)の動作が高域のジッタ成分によって影響され、PLL回路の同期タイミング生成動作が不安定となると言う問題が本発明に先立った本発明者等による検討により明らかされた。
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等による検討の結果、なされたものである。
従って、本発明の目的とするところは、高密度記録のディスクの再生データを再生する再生装置のPLL回路の動作安定性を改善する一方、高密度記録のディスクの最短周期読み出し信号に応答して最尤復号回路から正常な復号信号を生成することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な実施の形態による再生装置は、A/D変換器(14)と、フェーズ・ロックド・ループ回路(16)と、最尤復号回路(18)と、第1オフセット低減回路(15)と、第2オフセット低減回路(17)とを具備する。
前記A/D変換器(14)は、情報記録媒体のディスク(11)の回転により前記ディスクからピックアップ(12)により読み出されるRF信号をデジタル信号に変換する。
前記第1オフセット低減回路(15)には、前記A/D変換器(14)を介して前記ディスク(11)から読み出される再生信号が供給される。前記再生信号は、最小マーク長の最短周期信号と前記最小マーク長よりも長いロングマーク長のロングマーク信号から構成される。
前記第1オフセット低減回路(15)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマークの再生信号のオフセットである第1DCオフセットを低減する。
前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)は、前記第1オフセット低減回路(15)を介して供給される前記A/D変換器(14)の前記デジタル信号である前記ロングマーク信号に応答して、同期タイミングを生成する。
前記第2オフセット低減回路(17)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号のオフセットである第2DCオフセットを低減する。
前記最尤復号回路(18)は、前記第1オフセット低減回路(15)と前記第2オフセット低減回路(17)とによりそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された前記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行するように構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、本発明によれば、高密度記録のディスクの再生データを再生する再生装置のPLL回路の動作安定性を改善する一方、高密度記録のディスクの最短周期読み出し信号に応答して最尤復号回路から正常な復号信号を生成することができる。
本発明の実施の形態1による再生装置の構成を示す図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置の第1オフセット低減回路15の構成を示す図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置のPLL回路16の構成を示す図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置の第2オフセット低減回路17の構成を示す図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置の補正量算出回路19の構成を示す図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置の動作を説明する図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置により処理されるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の正振幅のピークと負振幅のピークとの間の中央のDCレベルと最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の正振幅のピークと負振幅のピークとの間の中央のDCレベルとが一致した理想的な状態を示す図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置を使用することによってBDXL規格に準拠した光ディスク11から読み出されて処理されるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の正負振幅ピーク間の中央のDCレベルと最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の正負振幅ピーク間の中央のDCレベルとが不一致となる現実的な状態を示す図である。 図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置の第1オフセット低減回路15とPLL回路16とによって処理された最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号とマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号とを含む再生信号901の波形を示す図である。 本発明の実施の形態2による再生装置の構成を示す図である。 図10に示した本発明の実施の形態2による記録再生装置のPLL回路16の構成を示す図である。 図10に示した本発明の実施の形態2による記録再生装置のPLL回路16の他の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3による再生装置の構成を示す図である。 図13に示した本発明の実施の形態3による記録再生装置において、第1オフセット低減回路15を内蔵するPLL回路16の構成を示す図である。
1.実施の形態の概要
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号は、それが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態による再生装置は、A/D変換器(14)と、フェーズ・ロックド・ループ回路(16)と、最尤復号回路(18)と、第1オフセット低減回路(15)と、第2オフセット低減回路(17)とを具備する。
前記A/D変換器(14)は、情報記録媒体のディスク(11)の回転により前記ディスクからピックアップ(12)により読み出されるRF信号をデジタル信号に変換するものである。
前記第1オフセット低減回路(15)には、前記A/D変換器(14)を介して前記ディスク(11)から読み出される再生信号が供給される。前記再生信号は、最小マーク長の最短周期信号と前記最小マーク長よりも長いロングマーク長のロングマーク信号から構成される。
前記第1オフセット低減回路(15)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号のオフセットである第1DCオフセットを低減するものである。
前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)は、前記第1オフセット低減回路(15)を介して供給される前記A/D変換器(14)の前記デジタル信号である前記ロングマーク信号に応答して、同期タイミングを生成するものである。
前記第2オフセット低減回路(17)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号のオフセットである第2DCオフセットを低減するものである。
前記最尤復号回路(18)は、前記第1オフセット低減回路(15)と前記第2オフセット低減回路(17)とによりそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された前記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行するように構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
前記実施の形態によれば、高密度記録のディスクの再生データを再生する再生装置のPLL回路の動作安定性を改善する一方、高密度記録のディスクの最短周期読み出し信号に応答して最尤復号回路から正常な復号信号を生成することができる。
好適な実施の形態では、前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)は、位相制御回路(161)と位相比較回路(162)と位相誤差平均化回路(164)とを含む。
前記位相制御回路(161)は、前記第1オフセット低減回路(15)を介して供給される前記A/D変換器(14)の前記デジタル信号と前記位相誤差平均化回路(164)の出力から生成されるサンプリング位相制御情報とに応答して前記デジタル信号のゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データを含む複数のサンプリング再生データを生成するものである。
前記位相比較回路(162)は、前記位相制御回路(161)から生成される前記デジタル信号のゼロクロスの前後の前記2個のサンプリング再生データの平均値を算出することにより当該平均値を位相誤差情報として生成するものである。
前記位相誤差平均化回路(164)は、前記位相比較回路(162)の出力から生成される前記位相誤差情報に応答して前記サンプリング位相制御情報を生成することを特徴とするものである(図3参照)。
他の好適な実施の形態では、前記第1オフセット低減回路(15)は、第1信号判別回路(152)と第1ローパスフィルタ(153)と第1減算器(154)とを含むものである。
前記第1信号判別回路(152)は、前記第1オフセット低減回路(15)の入力端子に前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号の存在を検出することによってロングマーク検出信号を生成するものである。
前記第1ローパスフィルタ(153)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号と前記第1信号判別回路(152)の出力から生成される前記ロングマーク検出信号とに応答することで、前記ロングマーク信号のオフセットである前記第1DCオフセットを生成するものである。
前記第1減算器(154)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号と前記第1ローパスフィルタ(153)の出力から生成される前記第1DCオフセットとに応答することで、前記ロングマーク信号の前記第1DCオフセットが低減された前記ロングマーク信号の第1AC成分を生成するように構成されたことを特徴とするものである(図2参照)。
更に他の好適な実施の形態による再生装置は、前記第2オフセット低減回路(17)に接続された補正量算出回路(19)を更に具備する。
前記補正量算出回路(19)は、第2信号判別回路(191〜195)と第2ローパスフィルタ(198)とを含むものである。
前記第2信号判別回路(191〜195)は、前記補正量算出回路(19)に供給される前記最小マーク長の前記最短周期信号の存在を検出することによって最短周期検出信号を生成するものである。
前記第2ローパスフィルタ(198)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号と前記第2信号判別回路(191〜195)の出力から生成される前記最短周期検出信号とに応答することで、前記最短周期信号のオフセットである前記第2DCオフセットを生成するものである。
前記第2オフセット低減回路(17)は、第2減算器(171)を含むものである。
前記第2減算器(171)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号と前記補正量算出回路(19)の前記第2ローパスフィルタ(198)の出力から生成される前記第2DCオフセットとに応答することで、前記最短周期信号の前記第2DCオフセットが低減された前記最短周期信号の第2AC成分を生成するように構成されたことを特徴とするものである(図4、図5参照)。
より好適な実施の形態では、前記補正量算出回路(19)の前記第2信号判別回路(191〜195)は、前記最尤復号回路(18)の出力から生成される復号信号を監視することにより前記最小マーク長の前記最短周期信号の前記存在を検出することを特徴とするものである(図1、図5参照)。
他のより好適な実施の形態では、前記最尤復号回路(18)は、PRML方式の読み出し信号処理を実行するビタビ復号器により構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
更に他のより好適な実施の形態による再生装置は、前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)と前記最尤復号回路(18)と前記第1オフセット低減回路(15)と前記第2オフセット低減回路(17)とに接続されたコントローラ(20)を更に具備する。
前記コントローラ(20)は第1所定レベルを有する第1イネーブル信号を前記第1オフセット低減回路(15)に供給するものであり、前記第1オフセット低減回路(15)は前記第1イネーブル信号に応答することにより前記ロングマーク信号の前記第1DCオフセットを低減するものである。
前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)は、前記第1オフセット低減回路(15)によって前記第1DCオフセットが低減された前記ロングマーク信号の前記第1AC成分に関して、ロック動作を実行するものである。
前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)は、前記ロック動作を完了すると、PLLロック検出信号を前記コントローラ(20)に供給するものである。
前記コントローラ(20)は、前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)から供給される前記PLLロック検出信号と前記第1最尤検出の実行により前記最尤復号回路(18)の前記出力から供給される前記ロングマーク信号に関する前記復号信号とに応答して、第2所定レベルを有する第2イネーブル信号を前記第2オフセット低減回路(17)に供給するものである。
前記第2オフセット低減回路(17)は、前記第2イネーブル信号に応答することにより前記最短周期信号の前記第2DCオフセットを低減するものである。
前記最尤復号回路(18)は、前記第1イネーブル信号に応答した前記第1オフセット低減回路(15)と前記第2イネーブル信号に応答した前記第2オフセット低減回路(17)とによりそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された前記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行することを特徴とするものである。
別のより好適な実施の形態では、前記A/D変換器(14)と前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)と前記最尤復号回路(18)と前記第1オフセット低減回路(15)と前記第2オフセット低減回路(17)と前記コントローラ(20)とは、再生半導体集積回路(1)の半導体チップに集積化されることを特徴とするものである(図1参照)。
具体的な実施の形態では、前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)は、前記第1オフセット低減回路(15)を内蔵することを特徴とするものである(図13、図14参照)。
最も具体的な実施の形態では、前記A/D変換器(14)と前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)と前記最尤復号回路(18)と前記第1オフセット低減回路(15)と前記第2オフセット低減回路(17)とは、ブルーレイディスクの拡張規格に準拠した前記ディスク(11)から読み出される前記RF信号の信号処理を実行するように構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態は、A/D変換器(14)と、フェーズ・ロックド・ループ回路(16)と、最尤復号回路(18)と、第1オフセット低減回路(15)と、第2オフセット低減回路(17)とを具備する再生装置の動作方法である。
前記A/D変換器(14)は、情報記録媒体のディスク(11)の回転により前記ディスクからピックアップ(12)により読み出されるRF信号をデジタル信号に変換するものである。
前記第1オフセット低減回路(15)には、前記A/D変換器(14)を介して前記ディスク(11)から読み出される最小マーク長の最短周期信号と前記最小マーク長よりも長いロングマーク長のロングマーク信号とが供給されるものである。
前記第1オフセット低減回路(15)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号のオフセットである第1DCオフセットを低減するものである。
前記フェーズ・ロックド・ループ回路(16)は、前記第1オフセット低減回路(15)を介して供給される前記A/D変換器(14)の前記デジタル信号である前記ロングマーク信号に応答して、同期タイミングを生成するものである。
前記第2オフセット低減回路(17)は、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記ロングマーク信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器(14)を介して供給される前記最短周期信号のオフセットである第2DCオフセットを低減するものである。
前記最尤復号回路(18)は、前記第1オフセット低減回路(15)と前記第2オフセット低減回路(17)とによりそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された前記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行するように構成されたことを特徴とするものである(図1参照)。
前記実施の形態によれば、高密度記録のディスクの再生データを再生する再生装置のPLL回路の動作安定性を改善する一方、高密度記録のディスクの最短周期読み出し信号に応答して最尤復号回路から正常な復号信号を生成することができる。
2.実施の形態の詳細
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
《記録再生装置の構成》
図1は、本発明の実施の形態1による再生装置の構成を示す図である。
図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置は、上述のBDXL規格に準拠する光ディスク11の通常記録動作と通常再生動作とを実行可能な記録再生装置として構成されたものである。
すなわち、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置は、光ピックアップ12、スピンドルモータ13、A/D変換器14、第1オフセット低減回路15、フェーズ・ロックド・ループ(PLL)回路16、第2オフセット低減回路17、最尤復号回路18、補正量算出回路19、コントローラ20を含んでいる。
光ピックアップ12は、光ディスク11の情報記録のためのレーザ光を照射するとともに光ディスク11の情報再生のためのレーザ光を照射する半導体レーザを含む。スピンドルモータ13は、光ディスク11の情報記録および情報再生のために光ディスク11を回転駆動する。
サンプリング・クロック(図示せず)に応答してA/D変換器14は、光ディスク11から光ピックアップ12により読み出されたアナログ信号であるRF信号をデジタル信号に変換する。
第1オフセット低減回路15は、A/D変換器14のデジタル出力信号中に含まれるDCオフセット成分をキャンセルする機能を有するものである。
《第1オフセット低減回路》
特に、第1オフセット低減回路15は、BDXL規格に準拠した3層(TL)または4層(QL)の記録層で112nmまたは117nmの長さの最小マーク長2Tの微小振幅再生信号に関してはDCオフセットキャンセル動作を実質的に停止する一方、最小マーク長2Tの1.5倍の3Tとその2倍の4Tのロングマークの大振幅再生信号に関してはDCオフセットキャンセル動作を実行するように構成されたものである。
図2は、図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置の第1オフセット低減回路15の構成を示す図である。
図2に示すように、第1オフセット低減回路15は、遅延回路151と、信号長判別回路152と、ローパスフィルタ(LPF)により構成された移動平均算出回路153と、減算器154とにより構成されている。遅延回路151は信号長判別回路152および移動平均算出回路153の信号遅延時間と略等しい信号遅延時間を有することによって、減算器154の加算入力端子+に供給される信号の遅延時間と減算器154の減算入力端子−に供給される信号の遅延時間とが整合されることが可能となる。
信号長判別回路152はその入力端子に供給されるA/D変換器14のデジタル出力信号に含まれるディスク再生信号のデジタル振幅が所定のしきい値以上であることを判別することにより、BDXL規格に準拠した最小マーク長2Tよりも長いマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号を検出する機能を有するものである。従って、信号長判別回路152がBDXL規格に準拠したロングマークの大振幅再生信号を検出した場合にはハイレベルの出力信号が移動平均算出回路153に供給されて、移動平均算出回路153からローパスフィルタ(LPF)出力信号が生成される。それと反対に、信号長判別回路152がBDXL規格に準拠した最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号を検出した場合にはローレベルの出力信号が移動平均算出回路153に供給されて、移動平均算出回路153からローパスフィルタ(LPF)出力信号が生成されなくなる。
第1オフセット低減回路15の入力端子にA/D変換器14から生成されるデジタル出力信号のマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給される場合を、想定する。この場合には、減算器154の加算入力端子+には遅延回路151を介してマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給され、減算器154の減算入力端子−には信号長判別回路152と移動平均算出回路153とを介してマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号のローパスフィルタ(LPF)出力信号が供給される。一方、移動平均算出回路153から生成されるローパスフィルタ(LPF)出力信号はマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号のDCレベルを示すので、第1オフセット低減回路15の減算器154の出力端子からロングマークの大振幅再生信号のDC成分がキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号のAC成分が生成されPLL回路16に供給される。
また第1オフセット低減回路15の入力端子にA/D変換器14から生成されるデジタル出力信号の最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号が供給される場合を、想定する。この場合には、減算器154の加算入力端子+に遅延回路151を介して最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号が供給されるのに対して、減算器154の減算入力端子−には信号長判別回路152と移動平均算出回路153とを介して最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のローパスフィルタ(LPF)出力信号が供給されないものとなる。その結果、第1オフセット低減回路15の減算器154の出力端子からは最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分に最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のAC成分が重畳された最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号が生成され、PLL回路16に供給される。
《PLL回路》
図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置のPLL回路16は第1オフセット低減回路15から供給されるマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号に応答して同期タイミング生成のためのPLLロック動作を実行する一方、最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号には実質的に非応答となり同期タイミング生成のためのPLLロック動作を停止するようにロックレンジが設定されたものである。
従って、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置によれば、同期タイミング生成のためのPLL回路16のゼロクロス検出が不可能な程度にDCレベルの不安定な最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号に関してPLL回路16のPLLロック動作が停止されるものである。更に図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置によれば、同期タイミング生成のためのPLL回路16のゼロクロス検出が可能な程度に第1オフセット低減回路15によってマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号のDC成分が確実にキャンセルされて、マーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号に関してPLL回路16のPLLロック動作が実行されるものである。
その結果、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置によれば、上述のBDXL規格に準拠する光ディスク11の再生データを生成する際の同期タイミング生成のためのPLL回路16の動作安定性を改善することが可能となる。
図3は、図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置のPLL回路16の構成を示す図である。
図3に示したように、PLL回路16は、位相制御回路161と位相比較回路162と位相誤差増幅回路163と位相誤差平均化回路164とにより構成されている。
位相制御回路161の入力端子には第1オフセット低減回路15からDC成分が確実にキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給され、位相制御回路161はその制御端子に供給される位相誤差平均化回路164の出力からのサンプリング位相制御情報に応答する。従って、位相制御回路161の出力端子からは、ゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データの絶対値が略等しくなるように位相補償された多数のサンプリング再生データが生成される。ここで言うゼロクロスとは、文字通りゼロレベルをクロスすることを意味するのではなくて、連続する2個のサンプリング再生データの線分がサンプリング再生データの中心値を意味するゼロレベルとクロスすることを意味するものである。
位相比較回路162は位相制御回路161から供給される多数のサンプリング再生データからゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データの平均値を算出して、この平均値を位相誤差情報として位相誤差増幅回路163の入力端子に供給する。
位相誤差増幅回路163は位相比較回路162により算出されたゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データの平均値である位相誤差情報を増幅して、位相誤差増幅回路163の出力端子からの位相誤差増幅出力信号が位相誤差平均化回路164の入力端子に供給される。
PLL回路16の閉ループフィルタとして機能する位相誤差平均化回路164は位相誤差増幅回路163の位相誤差増幅出力信号の平均値を算出して、この平均値をサンプリング位相制御情報として位相制御回路161の制御端子に供給する。
従って、PLL回路16の位相制御回路161の入力端子に第1オフセット低減回路15からDC成分が確実にキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給される状態では、PLL回路16はゼロレベル検出による同期タイミング生成(PLLロック)を確実に実行することによってPLL回路16は位相補償された多数のサンプリング再生データを生成することが可能となる。
これと反対に、PLL回路16の位相制御回路161の入力端子に第1オフセット低減回路15からDC成分がキャンセルされない最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号が供給される状態では、PLL回路16はアンロック状態となり、最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号に応答した位相補償されていない非同期の多数のサンプリング再生データを生成するものとなる。
《第2オフセット低減回路と補正量算出回路》
図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置の第2オフセット低減回路17と補正量算出回路19とは、PLL回路16の出力から最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号に応答した位相補償されていない非同期の多数のサンプリング再生データが生成される場合に、最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分をキャンセルする機能を有したものである。
すなわち、補正量算出回路19は、最尤復号回路18の出力端子の復号信号を監視することによって最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の存在を検出して、更にその存在が検出された最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分を検出する機能を有するものである。
従って、補正量算出回路19の出力端子から生成される最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分はDC成分補正量として第2オフセット低減回路17に供給されるので、第2オフセット低減回路17はその出力端子から最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分がキャンセルされた最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のAC成分を生成する。
その結果、PRML方式の読み出し信号処理を実行するビタビ復号器により構成された最尤復号回路18の入力端子にはDC成分が確実にキャンセルされた最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のAC成分が供給されるので、ビタビ復号器により構成された最尤復号回路18の最尤検出の検出性能を向上することが可能である。尚、PRMLは、パーシャル・レスポンス・マキシマム・ライクリィフッド(PRML:Partial- Response- Maximum- Likelihood)を意味するものである。
一方、PLL回路16の出力からマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が生成される場合には、もう既に第1オフセット低減回路15の出力端子からロングマークの大振幅再生信号のDC成分がキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号のAC成分が生成されPLL回路16に供給されている。従って、このような場合には、DC成分のキャンセル動作が停止され信号通過状態の第2オフセット低減回路17を介してPLL回路16の出力から第1オフセット低減回路15によりDC成分がキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が、ビタビ復号器により構成された最尤復号回路18の入力端子に供給されるものである。
図4は、図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置の第2オフセット低減回路17の構成を示す図である。
図4に示すように、第2オフセット低減回路17は、PLL回路16の出力に接続された加算入力端子+と補正量算出回路19の出力に接続された減算入力端子−と最尤復号回路18の入力に接続された出力端子とを有する減算器171によって構成される。
PLL回路16の出力から最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号に応答した位相補償されていない非同期の多数のサンプリング再生データが生成される場合には、PLL回路16から供給される最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分が減算器171により補正量算出回路19から供給されるDC成分補正量によってキャンセルされるものである。
PLL回路16の出力からマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が生成される場合には、減算器171の減算入力端子−に補正量算出回路19から供給されるDC成分補正量がゼロとなるので、第2オフセット低減回路17のDC成分のキャンセル動作が停止されて信号通過状態となる。
図5は、図1に示した本発明の実施の形態1による再生装置の補正量算出回路19の構成を示す図である。
図5に示すように、補正量算出回路19は、4個のフリップフロップ(FF)191、192、193、194と、最短周期信号検出回路195と、遅延回路196と、スイッチ197と、ローパスフィルタ(LPF)198とによって構成される。4個のフリップフロップ(FF)191、192、193、194は直列接続され、第1番目のフリップフロップ(FF1)191の入力端子は最尤復号回路18の出力端子に接続される。また第1番目のフリップフロップ(FF1)191の出力端子は第2番目のフリップフロップ(FF2)192の入力端子に接続され、第2番目のフリップフロップ(FF2)192の出力端子は第3番目のフリップフロップ(FF3)193の入力端子に接続される。第3番目のフリップフロップ(FF3)193の出力端子は第4番目のフリップフロップ(FF4)194の入力端子に接続され、第4番目のフリップフロップ(FF4)194の出力端子は最短周期信号検出回路195の入力端子に接続される。また更に第1番目のフリップフロップ(FF1)191の入力端子と第2番目のフリップフロップ(FF2)192の入力端子と第3番目のフリップフロップ(FF3)193の入力端子と第4番目のフリップフロップ(FF4)194の入力端子とは、最短周期信号検出回路195の複数の入力端子に接続される。
図5に示した最短周期信号検出回路195の下部には、BDXL規格に準拠した最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の4種類の5ビットパターンPattern0〜Pattern3が示されている。この4種類の5ビットパターンPattern0〜Pattern3においては、その他のビットの信号レベルと相違する同一信号レベルの2ビット・トレインが最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号を示すものである。
最短周期信号検出回路195は直列接続された4個のフリップフロップ(FF)191、192、193、194から供給される5ビット・トレインを監視することによって、最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の存在を検出するものである。すなわち、5ビット・トレインが上述した4種類の5ビットパターンのいずれの場合においても、ハイレベルの最短周期信号検出信号が最短周期信号検出回路195から生成されスイッチ197の制御端子に供給され、スイッチ197はオン状態に制御される。遅延回路196の遅延時間は、最尤復号回路18の遅延時間と4個の直列接続のフリップフロップ(FF)191、192、193、194の遅延時間と最短周期信号検出回路195の遅延時間との合計遅延時間と略等しく設定されたものである。その結果、スイッチ197の信号入力端子に第2オフセット低減回路17の出力端子から遅延回路196を介して供給される再生読み出し信号の遅延時間とスイッチ197の制御端子に最短周期信号検出回路195の出力端子から供給される最短周期信号検出信号の遅延時間とを整合することが可能となる。
従って、最短周期信号検出回路195による最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の存在の検出結果に応答して最短周期信号検出回路195から供給されるハイレベルの最短周期信号検出信号によりスイッチ197はオン状態に制御されるので、第2オフセット低減回路17の出力から生成される最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号はスイッチ197を介してローパスフィルタ(LPF)198の入力に供給される。その結果、図5に示した補正量算出回路19のローパスフィルタ(LPF)198の出力端子から、その存在が検出された最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分が生成されるものである。従って、このように生成される最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のDC成分が図4に示した第2オフセット低減回路17の減算器171の減算入力端子−に供給されることによって、PLL回路16の出力端子から減算器171の加算入力端子+に供給される最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号との減算が実行される。その結果、図4に示した第2オフセット低減回路17の減算器171の出力端子からDC成分が確実にキャンセルされた最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号のAC成分が生成され最尤復号回路18の入力端子に供給されることが可能となる。
図4に示した第2オフセット低減回路17にPLL回路16の出力からマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給される場合には、最尤復号回路18の出力端子から図5に示した補正量算出回路19に供給される復号信号は図5に示した4種類の5ビットパターンPattern0〜Pattern3のいずれとも一致しないものとなる。その結果、図5に示した補正量算出回路19では、最短周期信号検出回路195から生成されるローレベルの出力信号によってスイッチ197はオフ状態に制御され、補正量算出回路19のローパスフィルタ(LPF)198の出力端子のDC成分はゼロレベルとなる。
従って、図4の第2オフセット低減回路17の減算器171の減算入力端子−に補正量算出回路19から供給されるDC成分補正量がゼロとなるので、第2オフセット低減回路17のDC成分のキャンセル動作が停止されて信号通過状態となる。
以上の結果により、PRML方式の読み出し信号処理を実行するビタビ復号器により構成された最尤復号回路18の入力端子には、ロングマーク信号のオフセットである第1DCオフセットと最短周期信号のオフセットである第2DCオフセットとがそれぞれ確実にキャンセルされたロングマーク信号と最短周期信号の再生信号のAC成分が供給される。その結果、ビタビ復号器によって構成された最尤復号回路18の最尤検出の検出性能を向上することが可能である。
《コントローラおよび記録再生装置の動作》
図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置において、コントローラ20にはPLL回路16からPLLロック検出信号と最尤復号回路18から復号信号とが供給される。更に、図1では図示されてはいないが、コントローラ20には再生開始コマンド信号も図1に示した記録再生装置の操作パネルから供給される。また更に、コントローラ20から第1オフセット低減回路15と第2オフセット低減回路17とに、第1イネーブル信号と第2イネーブル信号とがそれぞれ供給される。
図6は、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置の動作を説明する図である。
図6のステップ60の開始動作は、図1に示した記録再生装置の操作パネルから再生開始コマンド信号がコントローラ20に供給されることによって開始される。
次のステップ61においては、コントローラ20は、ステップ60の再生開始コマンド信号に応答して、ハイレベルの第1イネーブル信号を第1オフセット低減回路15に供給する。
その次のステップ62においては、第1オフセット低減回路15は、ハイレベルの第1イネーブル信号に応答して、図2を参照して説明したように、マーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号に関してDC成分を低減(キャンセル)する。
その次のステップ63においては、ステップ62においてDC成分が低減されたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号に関してPLL回路16はPLLロック動作を実行する。
その次のステップ64においては、ステップ63におけるPLL回路16によるマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号に関するPLLロック動作が完了したか否かとマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号に関して最尤復号回路18の出力端子から復号信号が生成されたか否かがコントローラ20によって判別される。コントローラ20による判別結果が「NO」の場合には、ステップ63の処理に戻され、コントローラ20による判別結果が「YES」の場合には、次のステップ65に移行する。
その次のステップ65においては、「YES」の判別結果に応答して、コントローラ20はハイレベルの第2イネーブル信号を第2オフセット低減回路17に供給する。
その次のステップ66においては、第2オフセット低減回路17と補正量算出回路19とは、ハイレベルの第2イネーブル信号に応答して、図4と図5とを参照して説明したように、最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号に関してDC成分を低減(キャンセル)する。
その次のステップ67においては、ステップ62、66においてロングマーク信号の第1DCオフセットと最短周期信号の第2DCオフセットとがそれぞれ低減されたロングマーク信号と最短周期信号の再生信号のAC成分に関して最尤復号回路18は最尤検出を実行する。
BDXL規格に準拠した光ディスク11の全記録情報に関して上述したステップ61乃至ステップ67の処理が完了すると、コントローラ20はステップ68の終了動作により図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置を構成する全ての電子装置の動作を停止する。すなわち、コントローラ20はステップ68の終了動作により図1の記録再生装置を構成する光ピックアップ12、スピンドルモータ13、A/D変換器14、第1オフセット低減回路15、PLL回路16、第2オフセット低減回路17、最尤復号回路18、補正量算出回路19の全ての動作を停止するものである。
尚、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置では、A/D変換器14、第1オフセット低減回路15、PLL回路16、第2オフセット低減回路17、最尤復号回路18、補正量算出回路19、コントローラ20は、記録再生半導体集積回路1の半導体チップに集積化されたものである。
図7は、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置により処理されるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の正振幅のピークと負振幅のピークとの間の中央のDCレベルと最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の正振幅のピークと負振幅のピークとの間の中央のDCレベルとが一致した理想的な状態を示す図である。
すなわち、図7に示す理想的な状態では、マーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号のDCレベルと最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号のDCレベルとは、略同一のDCレベルLDCに一致したものとなっている。
従って、図7に示した理想的な状態では、マーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の波形部分でも最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号の波形部分でも、PLL回路16のゼロクロス検出による同期タイミング生成が可能なものである。
図8は、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置を使用することによってBDXL規格に準拠した光ディスク11から読み出されて処理されるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の正負振幅ピーク間の中央のDCレベルと最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号の正負振幅ピーク間の中央のDCレベルとが不一致となる現実的な状態を示す図である。
すなわち、図8に示す現実的な状態では、マーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号のDCレベルは理想的なDCレベルLDCに一致する比較的安定したものとなっているに対して、最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号のDCレベルは理想的なDCレベルLDCよりも低い低DCレベルLDCLまたは理想的なDCレベルLDCよりも高い高DCレベルLDCHとなると言う不安定なものとなっている。
従って、図8に示す現実的な状態では、安定な同一のDCレベルLDCをゼロレベルとするPLL回路16でのゼロクロス検出は、DCレベルが比較的安定であるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号に関しては可能であるが、DCレベルが不安定である最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号に関しては不可能であることが理解される。
すなわち、図8に示した現実的な状態では、DCレベルが比較的安定であるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の波形部分ではPLL回路16のゼロクロス検出による同期タイミング生成が可能であるが、DCレベルが不安定である最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号の波形部分ではPLL回路16のゼロクロス検出による同期タイミング生成が不可能なものである。
従って、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置においては、DCレベルが不安定である最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号の波形部分では、第1オフセット低減回路15のDC成分キャンセル動作は停止され、PLL回路16のゼロクロス検出による同期タイミング生成(ロック動作)も停止される。更にこの状態で最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号に応答してアンロック状態のPLL回路16から生成される位相補償されていない非同期のサンプリング再生データに関して、第2オフセット低減回路17と補正量算出回路19とはDC成分のキャンセル動作を実行するものである。また更に、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置においては、DCレベルが比較的安定であるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の波形部分では、第1オフセット低減回路15のDC成分キャンセル動作が実行され、PLL回路16のゼロクロス検出による同期タイミング生成(ロック動作)も実行される。更にこの状態では第2オフセット低減回路17と補正量算出回路19とはDC成分のキャンセル動作が停止されるので、信号通過状態の第2オフセット低減回路17を介してPLL回路16の出力端子から第1オフセット低減回路15によってDC成分がキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が最尤復号回路18の入力端子に供給される。その結果、最尤復号回路18による再生信号の最尤検出の検出性能の向上が可能となる。
図9は、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置の第1オフセット低減回路15とPLL回路16とによって処理された最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号とマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号とを含む再生信号901の波形を示す図である。
尚、図9では、再生信号901の大きな黒丸は、アンロック状態もしくはロック状態のPLL回路16の出力端子から生成されるサンプリング再生データを示すものである。
図9に示した図1の記録再生装置の第1オフセット低減回路15とPLL回路16とによって処理された再生信号901の波形の前半部分は、DCレベルが不安定な最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号の部分である。再生信号901の波形の前半部分の最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号も、理想的には破線波形902に示すように、ゼロレベルとクロスするゼロクロスを行うものである。しかしながら、光ディスク11がBDXL規格に準拠する高記録密度のディスクである場合には、円弧905の内部の実線波形901に示すように現実的な状態での最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号は、ゼロレベルとクロスするゼロクロスを行うことが不可能なものとなる。
このような状況で、図2に示す第1オフセット低減回路15の信号長判別回路152はA/D変換器14の出力のディスク再生信号のデジタル振幅が所定のしきい値である第1のしきい値903と第2のしきい値904の範囲外に変化しないことを判別して、BDXL規格に準拠した最小マーク長2Tの小振幅再生信号の最短周期読み出し信号が再生信号901の波形の前半部分に供給されていることを検出する。第1オフセット低減回路15の信号長判別回路152によるこの検出結果に応答して、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置においては、第1オフセット低減回路15のDC成分キャンセル動作は停止され、PLL回路16のゼロクロス検出による同期タイミング生成(ロック動作)も停止される。
図9に示した図1の記録再生装置の第1オフセット低減回路15とPLL回路16とによって処理された再生信号901の波形の中間部分と後半部分とは、DCレベルが比較的に安定であるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号の部分である。再生信号901の波形の中間部分と後半部分におけるマーク長3Tのロングマークの大振幅再生信号は、ゼロレベルとクロスするゼロクロスを確実に行うものである。
すなわち、図9において、黒丸906、907、908はゼロクロス点を示し、黒丸909、911、913はゼロクロス点906、907、908の直前のPLL回路16によるサンプリング再生データを示し、黒丸910、912、914はゼロクロス点906、907、908の直後のPLL回路16によるサンプリング再生データを示すものである。
このような状況で、図2に示す第1オフセット低減回路15の信号長判別回路152はA/D変換器14の出力のディスク再生信号のデジタル振幅が所定のしきい値である第1のしきい値903と第2のしきい値904の範囲外に変化することを判別して、BDXL規格に準拠したマーク長3T又は4Tのロングマークの大振幅再生信号が再生信号901の波形の中間部分と後半部分とに供給されていることを検出する。その結果、第1オフセット低減回路15の信号長判別回路152によるこの検出結果に応答して、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置においては、第1オフセット低減回路15のDC成分キャンセル動作が実行され、PLL回路16のゼロクロス検出による同期タイミング生成(ロック動作)も実行される。
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2による再生装置の構成を示す図である。
図10に示す本発明の実施の形態2による記録再生装置が図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置と相違するのは、PLL回路16がA/D変換器14に供給されるサンプリング・クロックを形成する点であり、その他の点は同一である。
すなわち、図10に示した本発明の実施の形態2による記録再生装置では、図1に示した本発明の実施の形態1と同様にPLL回路16の入力端子に第1オフセット低減回路15からDC成分がキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給されるので、PLL回路16はマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号に応答して同期タイミング生成のためのPLLロック動作を実行する。
更に、図10に示した本発明の実施の形態2による記録再生装置では、図1に示した本発明の実施の形態1と同様にPLL回路16の位相制御回路161の入力端子に第1オフセット低減回路15からDC成分がキャンセルされない最小マーク長2Tの最短周期読み出し信号が供給される状態において、PLL回路16はアンロック状態となる。その結果、PLL回路16はロングマークの大振幅再生信号に応答して同期タイミングを生成して、A/D変換器14のサンプリング・クロックとして同期タイミングをA/D変換器14に供給する。
図11は、図10に示した本発明の実施の形態2による記録再生装置のPLL回路16の構成を示す図である。
図11に示すように、PLL回路16は、位相比較回路162と位相誤差増幅回路163と位相誤差平均化回路164と発振器165により構成されている。
位相比較回路162の入力端子には第1オフセット低減回路15からDC成分が確実にキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給され、A/D変換器14は発振器165から生成されるサンプリング・クロックに応答する。その結果、A/D変換器14の出力端子からは、ゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データの絶対値が略等しくなるように位相補償された多数のサンプリング再生データが生成される。
位相比較回路162はA/D変換器14から第1オフセット低減回路15を介して供給される多数のサンプリング再生データからゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データの平均値を算出して、この平均値を位相誤差情報として位相誤差増幅回路163の入力端子に供給する。
位相誤差増幅回路163は位相比較回路162により算出されたゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データの平均値である位相誤差情報を増幅して、位相誤差増幅回路163の出力端子からの位相誤差増幅出力信号が位相誤差平均化回路164の入力端子に供給される。
PLL回路16の閉ループフィルタとして機能する位相誤差平均化回路164は位相誤差増幅回路163の位相誤差増幅出力信号の平均値を算出して、この平均値をサンプリング位相制御情報として発振器165の制御端子に供給する。従って、発振器165からA/D変換器14に供給されるサンプリング・クロックの位相は、マーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号のゼロレベル検出によって検出される位相と同期するものとなる。
図12は、図10に示した本発明の実施の形態2による記録再生装置のPLL回路16の他の構成を示す図である。
図12に示すように、PLL回路16は、位相比較回路162と位相誤差平均化回路164とD/A変換器166と電圧制御発振器165により構成されている。
位相比較回路162の入力端子には第1オフセット低減回路15からDC成分が確実にキャンセルされたマーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号が供給され、A/D変換器14は電圧制御発振器165から生成されるサンプリング・クロックに応答する。その結果、A/D変換器14の出力端子からは、ゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データの絶対値が略等しくなるように位相補償された多数のサンプリング再生データが生成される。
位相比較回路162は、A/D変換器14から供給される第1オフセット低減回路15を介して多数のサンプリング再生データからゼロクロスの位相と電圧制御発振器165から生成されるサンプリング・クロックの位相との間の位相誤差情報を生成して位相誤差平均化回路164の入力端子に供給する。
PLL回路16の閉ループフィルタとして機能する位相誤差平均化回路164は位相比較回路162からの位相誤差出力信号の平均値を算出して、この平均値がD/A変換器166のデジタル入力端子に供給され、D/A変換器166のアナログ出力電圧が電圧制御発振器165の制御入力端子に供給される。その結果、電圧制御発振器165からA/D変換器14に供給されるサンプリング・クロックの位相は、マーク長3Tおよび4Tのロングマークの大振幅再生信号のゼロレベル検出によって検出される位相と同期するものとなる。
更に、図10に示した本発明の実施の形態2による記録再生装置では、図1に示した本発明の実施の形態1と同様にビタビ復号器で構成された最尤復号回路18の入力端子に第1オフセット低減回路15と第2オフセット低減回路16によってDC成分が確実にキャンセルされた再生信号のAC成分が供給されるので、最尤復号回路18の最尤検出の検出性能を向上することが可能である。
[実施の形態3]
図13は、本発明の実施の形態3による再生装置の構成を示す図である。
図13に示す本発明の実施の形態3による記録再生装置が図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置と相違するのは、PLL回路16が第1オフセット低減回路15を内蔵する点であり、その他の点は同一である。
すなわち、図13に示した本発明の実施の形態3による記録再生装置のPLL回路16は、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置で説明した第1オフセット低減回路15を内蔵したものである。
図14は、図13に示した本発明の実施の形態3による記録再生装置において、第1オフセット低減回路15を内蔵するPLL回路16の構成を示す図である。
すなわち、図14に示すように、本発明の実施の形態3によるPLL回路16は、図3に示した本発明の実施の形態1によるPLL回路16と比較すると、位相制御回路161の出力端子と位相比較回路162の入力端子との間に第1オフセット低減回路15が追加されたものである。更に、図14に示す本発明の実施の形態3によるPLL回路16に追加された第1オフセット低減回路15は、図2で説明したように、遅延回路151と信号長判別回路152と移動平均算出回路153と減算器154とによって構成されたものである。
図13と図14に示した本発明の実施の形態3による記録再生装置の動作は、図1に示した本発明の実施の形態1による記録再生装置の動作と同一であるので、その説明は省略する。
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明は、記録再生装置に着脱可能なリムーバブル型ディスクであるCD、DVD、BD等の光ディスクにのみ限定されるものではなく、記録再生装置に固定された着脱不可能なハードディスク等の固定ディスクの記録再生装置に適用することも可能である。
1…記録再生半導体集積回路
11…光ディスク
12…光ピックアップ
13…スピンドルモータ
14…A/D変換器
15…第1オフセット回路
16…PLL回路
17…第2オフセット回路
18…最尤復号回路
19…補正量算出回路
20…コントローラ

Claims (20)

  1. A/D変換器と、フェーズ・ロックド・ループ回路と、最尤復号回路と、第1オフセット低減回路と、第2オフセット低減回路とを具備してなる再生装置であって、
    前記A/D変換器は、情報記録媒体のディスクの回転により前記ディスクからピックアップにより読み出されるRF信号をデジタル信号に変換するものであり、
    前記第1オフセット低減回路には、前記A/D変換器を介して前記ディスクから読み出される最小マーク長の最短周期信号と前記最小マーク長よりも長いロングマーク長のロングマーク信号とを含む再生信号が供給されるように構成され、
    前記第1オフセット低減回路は、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号のオフセットである第1DCオフセットを低減するものであり、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、前記第1オフセット低減回路を介して供給される前記A/D変換器の前記デジタル信号である前記ロングマーク信号に応答して、同期タイミングを生成するものであり、
    前記第2オフセット低減回路は、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号には実質的に応答しないように構成されるのに対して、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号のオフセットである第2DCオフセットを低減するものであり、
    前記最尤復号回路は、前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路とによってそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された前記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行するように構成される
    ことを特徴とする再生装置。
  2. 請求項1において、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、位相制御回路と位相比較回路と位相誤差平均化回路とを含み、
    前記位相制御回路は、前記第1オフセット低減回路を介して供給される前記A/D変換器の前記デジタル信号と前記位相誤差平均化回路の出力から生成されるサンプリング位相制御情報とに応答して前記デジタル信号のゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データを含む複数のサンプリング再生データを生成するものであり、
    前記位相比較回路は、前記位相制御回路から生成される前記デジタル信号のゼロクロスの前後の前記2個のサンプリング再生データの平均値を算出することにより当該平均値を位相誤差情報として生成するものであり、
    前記位相誤差平均化回路は、前記位相比較回路の出力から生成される前記位相誤差情報に応答して前記サンプリング位相制御情報を生成するものである
    ことを特徴とする再生装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1オフセット低減回路は、第1信号判別回路と第1ローパスフィルタと第1減算器とを含むものであり、
    前記第1信号判別回路は、前記第1オフセット低減回路の入力端子に前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号の存在を検出することによってロングマーク検出信号を生成するものであり、
    前記第1ローパスフィルタは、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号と前記第1信号判別回路の出力から生成される前記ロングマーク検出信号とに応答することで、前記ロングマーク信号のオフセットである前記第1DCオフセットを生成するものであり、
    前記第1減算器は、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号と前記第1ローパスフィルタの出力から生成される前記第1DCオフセットとに応答することで、前記ロングマーク信号の前記第1DCオフセットが低減された前記ロングマーク信号の第1AC成分を生成するように構成される
    ことを特徴とする再生装置。
  4. 請求項3において、
    前記再生装置は、前記第2オフセット低減回路に接続された補正量算出回路を更に具備し、
    前記補正量算出回路は、第2信号判別回路と第2ローパスフィルタとを含むものであり、
    前記第2信号判別回路は、前記補正量算出回路に供給される前記最小マーク長の前記最短周期信号の存在を検出することによって最短周期検出信号を生成するものであり、
    前記第2ローパスフィルタは、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号と前記第2信号判別回路の出力から生成される前記最短周期検出信号とに応答することで、前記最短周期信号のオフセットである前記第2DCオフセットを生成するものであり、
    前記第2オフセット低減回路は、第2減算器を含むものであり、
    前記第2減算器は、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号と前記補正量算出回路の前記第2ローパスフィルタの出力から生成される前記第2DCオフセットとに応答することで、前記最短周期信号の前記第2DCオフセットが低減された前記最短周期信号の第2AC成分を生成するように構成される
    ことを特徴とする再生装置。
  5. 請求項4において、
    前記補正量算出回路の前記第2信号判別回路は、前記最尤復号回路の出力から生成される復号信号を監視することにより前記最小マーク長の前記最短周期信号の前記存在を検出するものである
    ことを特徴とする再生装置。
  6. 請求項5において、
    前記最尤復号回路は、PRML方式の読み出し信号処理を実行するビタビ復号器により構成される
    ことを特徴とする再生装置。
  7. 請求項6において、
    前記再生装置は、前記フェーズ・ロックド・ループ回路と前記最尤復号回路と前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路とに接続されたコントローラを更に具備し、
    前記コントローラは第1所定レベルを有する第1イネーブル信号を前記第1オフセット低減回路に供給するものであり、前記第1オフセット低減回路は前記第1イネーブル信号に応答することにより前記ロングマーク信号の前記第1DCオフセットを低減するものであり、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、前記第1オフセット低減回路によって前記第1DCオフセットが低減された前記ロングマーク信号の前記第1AC成分に関して、ロック動作を実行するものであり、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、前記ロック動作を完了すると、PLLロック検出信号を前記コントローラに供給するものであり、
    前記コントローラは、前記フェーズ・ロックド・ループ回路から供給される前記PLLロック検出信号と前記最尤検出の実行により前記最尤復号回路の前記出力から供給される前記復号信号とに応答して、第2所定レベルを有する第2イネーブル信号を前記第2オフセット低減回路に供給するものであり、
    前記第2オフセット低減回路は、前記第2イネーブル信号に応答することにより前記最短周期信号の前記第2DCオフセットを低減するものであり、
    前記最尤復号回路は、前記第1イネーブル信号に応答した前記第1オフセット低減回路と前記第2イネーブル信号に応答した前記第2オフセット低減回路とによりそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された前記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行する
    ことを特徴とする再生装置。
  8. 請求項7において、
    前記A/D変換器と前記フェーズ・ロックド・ループ回路と前記最尤復号回路と前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路と前記コントローラとは、再生半導体集積回路の半導体チップに集積化される
    ことを特徴とする再生装置。
  9. 請求項8において、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、前記第1オフセット低減回路を内蔵する
    ことを特徴とする再生装置。
  10. 請求項8において、
    前記A/D変換器と前記フェーズ・ロックド・ループ回路と前記最尤復号回路と前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路とは、ブルーレイディスクの拡張規格に準拠した前記ディスクから読み出される前記RF信号の信号処理を実行するように構成される
    ことを特徴とする再生装置。
  11. A/D変換器と、フェーズ・ロックド・ループ回路と、最尤復号回路と、第1オフセット低減回路と、第2オフセット低減回路とを具備する再生装置の動作方法であって、
    前記A/D変換器を使用して、情報記録媒体のディスクの回転により前記ディスクからピックアップにより読み出されるRF信号をデジタル信号に変換するステップと、
    前記第1オフセット低減回路に、前記A/D変換器を介して前記ディスクから読み出される最小マーク長の最短周期信号と前記最小マーク長よりも長いロングマーク長のロングマーク信号とを含む再生信号を供給するステップと、
    前記第1オフセット低減回路を使用して、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号には前記第1オフセット低減回路を実質的に応答させない一方、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号の第1DCオフセットを低減するステップと、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路を使用して、前記第1オフセット低減回路を介して供給される前記A/D変換器の前記デジタル信号である前記ロングマーク信号に応答して、同期タイミングを生成するステップと、
    前記第2オフセット低減回路を使用して、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号には前記第2オフセット低減回路を実質的に応答させない一方、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号の第2DCオフセットを低減するステップと、
    前記最尤復号回路を使用して、前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路によってそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行するステップとを有する
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  12. 請求項11において、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、位相制御回路と位相比較回路と位相誤差平均化回路とを含み、
    前記位相制御回路は、前記第1オフセット低減回路を介して供給される前記A/D変換器の前記デジタル信号と前記位相誤差平均化回路の出力から生成されるサンプリング位相制御情報とに応答して前記デジタル信号のゼロクロスの前後の2個のサンプリング再生データを含む複数のサンプリング再生データを生成するものであり、
    前記位相比較回路は、前記位相制御回路から生成される前記デジタル信号のゼロクロスの前後の前記2個のサンプリング再生データの平均値を算出することにより当該平均値を位相誤差情報として生成するものであり、
    前記位相誤差平均化回路は、前記位相比較回路の出力から生成される前記位相誤差情報に応答して前記サンプリング位相制御情報を生成するものである
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  13. 請求項12において、
    前記第1オフセット低減回路は、第1信号判別回路と第1ローパスフィルタと第1減算器とを含むものであり、
    前記第1信号判別回路は、前記第1オフセット低減回路の入力端子に前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号の存在を検出することによってロングマーク検出信号を生成するものであり、
    前記第1ローパスフィルタは、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号と前記第1信号判別回路の出力から生成される前記ロングマーク検出信号とに応答することで、前記ロングマーク信号の前記第1DCオフセットを生成するものであり、
    前記第1減算器は、前記A/D変換器を介して供給される前記ロングマーク信号と前記第1ローパスフィルタの出力から生成される前記第1DCオフセットとに応答することで、前記ロングマーク信号の前記第1DCオフセットが低減された前記ロングマーク信号の第1AC成分を生成するように構成される
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  14. 請求項13において、
    前記再生装置は、前記第2オフセット低減回路に接続された補正量算出回路を更に具備し、
    前記補正量算出回路は、第2信号判別回路と第2ローパスフィルタとを含むものであり、
    前記第2信号判別回路は、前記補正量算出回路に供給される前記最小マーク長の前記最短周期信号の存在を検出することによって最短周期検出信号を生成するものであり、
    前記第2ローパスフィルタは、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号と前記第2信号判別回路の出力から生成される前記最短周期検出信号とに応答することで、前記最短周期信号のオフセットである前記第2DCオフセットを生成するものであり、
    前記第2オフセット低減回路は、第2減算器を含むものであり、
    前記第2減算器は、前記A/D変換器を介して供給される前記最短周期信号と前記補正量算出回路の前記第2ローパスフィルタの出力から生成される前記第2DCオフセットとに応答することで、前記最短周期信号の前記第2DCオフセットが低減された前記最短周期信号の第2AC成分を生成するように構成される
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  15. 請求項14において、
    前記補正量算出回路の前記第2信号判別回路は、前記最尤復号回路の出力から生成される復号信号を監視することにより前記最小マーク長の前記最短周期信号の前記存在を検出するものである
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  16. 請求項15において、
    前記最尤復号回路は、PRML方式の読み出し信号処理を実行するビタビ復号器により構成される
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  17. 請求項16において、
    前記再生装置は、前記フェーズ・ロックド・ループ回路と前記最尤復号回路と前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路とに接続されたコントローラを更に具備し、
    前記コントローラは第1所定レベルを有する第1イネーブル信号を前記第1オフセット低減回路に供給するものであり、前記第1オフセット低減回路は前記第1イネーブル信号に応答することにより前記ロングマーク信号の前記第1DCオフセットを低減するものであり、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、前記第1オフセット低減回路によって前記第1DCオフセットが低減された前記ロングマーク信号の前記第1AC成分に関して、ロック動作を実行するものであり、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、前記ロック動作を完了すると、PLLロック検出信号を前記コントローラに供給するものであり、
    前記コントローラは、前記フェーズ・ロックド・ループ回路から供給される前記PLLロック検出信号と前記最尤検出の実行により前記最尤復号回路の前記出力から供給される前記復号信号とに応答して、第2所定レベルを有する第2イネーブル信号を前記第2オフセット低減回路に供給するものであり、
    前記第2オフセット低減回路は、前記第2イネーブル信号に応答することにより前記最短周期信号の前記第2DCオフセットを低減するものであり、
    前記最尤復号回路は、前記第1イネーブル信号に応答した前記第1オフセット低減回路と前記第2イネーブル信号に応答した前記第2オフセット低減回路とによりそれぞれ前記第1DCオフセットと前記第2DCオフセットとが低減された前記ロングマーク信号と前記最短周期信号とを含む前記再生信号の最尤検出を実行する
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  18. 請求項17において、
    前記A/D変換器と前記フェーズ・ロックド・ループ回路と前記最尤復号回路と前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路と前記コントローラとは、再生半導体集積回路の半導体チップに集積化される
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  19. 請求項18において、
    前記フェーズ・ロックド・ループ回路は、前記第1オフセット低減回路を内蔵する
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
  20. 請求項18において、
    前記A/D変換器と前記フェーズ・ロックド・ループ回路と前記最尤復号回路と前記第1オフセット低減回路と前記第2オフセット低減回路とは、ブルーレイディスクの拡張規格に準拠した前記ディスクから読み出される前記RF信号の信号処理を実行するように構成される
    ことを特徴とする再生装置の動作方法。
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