JP2013205362A - 大腸癌マーカー、および予後の予測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた精度で大腸癌の予後を予測することができる大腸癌マーカー、およびこの大腸癌マーカーを用いて大腸癌の予後を予測する予測方法を提供すること。
【解決手段】本発明の大腸癌マーカーは、外科的切除後大腸癌における大腸癌患者の予後の予測に用いられ、大腸癌細胞に発現したHS6ST2タンパク質である。また、本発明の予後の予測方法は、大腸癌患者の外科的切除後の大腸癌細胞におけるHS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する検査工程と、前記検査工程の検査結果に基づいて、前記大腸癌患者の予後を予測する予測工程とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の大腸癌マーカーは、外科的切除後大腸癌における大腸癌患者の予後の予測に用いられ、大腸癌細胞に発現したHS6ST2タンパク質である。また、本発明の予後の予測方法は、大腸癌患者の外科的切除後の大腸癌細胞におけるHS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する検査工程と、前記検査工程の検査結果に基づいて、前記大腸癌患者の予後を予測する予測工程とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、大腸癌マーカー、および予後の予測方法に関する。
近年、大腸癌による死亡者が、増加している。
大腸癌による死亡者は、全ての癌による死亡者のうち男性においては第4番目、女性においては第2番目に多い癌である(1999年度癌死統計)。
大腸癌による死亡者は、全ての癌による死亡者のうち男性においては第4番目、女性においては第2番目に多い癌である(1999年度癌死統計)。
また、2015年の癌患者推計では、男女ともに第1位になると推計されており、二次的な予防、すなわち大腸癌患者の予後の予測を含めた総合的な大腸癌対策が求められている。
癌治療において、寛解率を向上させるための1つの要因として、重要で早期に癌を発見し、早期に治療を開始することが求められるが、癌の有無を検査する検査方法として、癌の存在に起因して発現するタンパク質や遺伝子をマーカーとして検出する方法が知られおり、大腸癌についても、このようなマーカーに関する報告がなされている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、これとは異なるマーカーの利用方法として、患者の予後を予測し、この予測結果に基づいて、術後の治療方針を決定することも挙げられるが、大腸癌の発現に関連し、かつ大腸癌の予後の予測に使用することができるマーカーは知られていなかった。
本発明の目的は、優れた精度で大腸癌の予後を予測することができる大腸癌マーカー、およびこの大腸癌マーカーを用いて大腸癌の予後を予測する予測方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)に記載の本発明により達成される。
(1) 外科的切除後大腸癌における大腸癌患者の予後の予測に用いられ、
大腸癌細胞に発現したHS6ST2タンパク質であることを特徴とする大腸癌マーカー。
(1) 外科的切除後大腸癌における大腸癌患者の予後の予測に用いられ、
大腸癌細胞に発現したHS6ST2タンパク質であることを特徴とする大腸癌マーカー。
(2) 前記HS6ST2タンパク質は、前記大腸癌細胞の細胞質内に発現する上記(1)に記載の大腸癌マーカー。
(3) 大腸癌患者の外科的切除後の大腸癌細胞におけるHS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する検査工程と、
前記検査工程の検査結果に基づいて、前記大腸癌患者の予後を予測する予測工程とを有することを特徴とする予後の予測方法。
前記検査工程の検査結果に基づいて、前記大腸癌患者の予後を予測する予測工程とを有することを特徴とする予後の予測方法。
(4) 前記検査工程において、前記HS6ST2タンパク質を特異的に認識する抗HS6ST2抗体を用いた免疫学的方法により、前記HS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する上記(3)に記載の予後の予測方法。
(5) 前記免疫学的方法は、免疫組織化学法である上記(4)に記載の予後の予測方法。
(6) 前記予測工程において、前記大腸癌細胞の細胞質内に前記HS6ST2タンパク質が認められなかったときに陰性とし、前記細胞質内に前記HS6ST2タンパク質が認められる前記大腸癌細胞が全体の25%未満であったときに一部陽性とし、前記細胞質内に前記HS6ST2タンパク質が認められる前記大腸癌細胞が全体の25%以上であったときに陽性とする上記(5)に記載の予後の予測方法。
(7) 前記予測工程において、前記陰性と判定された前記大腸癌患者を予後良好として予測し、前記一部陽性または前記陽性と判定された前記大腸癌患者を予後不良として予測する上記(6)に記載の予後の予測方法。
本発明の大腸癌マーカーによれば、優れた精度で大腸癌の予後を予測することができる。
したがって、かかる大腸癌マーカーを用いた予後の予測方法により、優れた精度で大腸癌の予後を予測することができ、さらに、その予測結果に基づいて、術後の治療方針を決定することができる。
以下、本発明の大腸癌マーカー、および予後の予測方法について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<大腸癌マーカー>
プロテオグリカンは、糖鎖(グリコサミノグリカン)とタンパク質とが共有結合してできる糖タンパク質である。
プロテオグリカンは、糖鎖(グリコサミノグリカン)とタンパク質とが共有結合してできる糖タンパク質である。
グリコサミノグリカンには、コンドロイチン硫酸、デルタマン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸等が知られている。これらの中で、ヘパラン硫酸が結合したプロテオグリカンは、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(heparan sulfate proteoglycan; HSPG)と呼ばれ、細胞膜上に発現するものとしてシンデカン(syndecan)、グリピカン(glypican)等が知られ、基底膜(basement membrane)に分泌されるものとしてパーレカン(perlecan)、アグリン(agrin)等が知られている。
ヘパラン硫酸は、マウスにおいては肺や腎臓で多く発現し、骨格筋、肝臓、皮膚、脳では発現が少ないことが報告されている。
また、HSPGは、増殖因子の活性に影響し、細胞の増殖や分化に関わっていることが知られ、例えば、fibroblast growth factor、heparin-binding epidermal growth factor-like growth factor、amphiregulinは、ヘパラン硫酸と結合しながら、各増殖因子の受容体を介して細胞内にシグナルを伝達することが報告されている。さらに、HSPGは、各種癌において、癌細胞の増殖や転移に関与していることが報告されている。
以上のようなヘパラン硫酸において、このものを構成するグルコサミンの6−0位に硫酸基を付加する酵素として、Heparan sulfate 6-0-sulfotransferase 2(HS6ST2タンパク質)が知られている。
HS6ST2タンパク質は、II型膜タンパク質であり、細胞内のゴルジに存在して、酵素として機能するものであり、さらに、細胞内ばかりでなく細胞外に分泌されることが示唆されている。なお、細胞外に分泌されたHS6ST2タンパク質は、硫酸基のドナーである3'-phosphoadenosine 5'-phosphsulfateが血中では速やかに分解されるため、細胞外では酵素として機能しないと推察されている。
このようなHS6ST2タンパク質は、その立体構造を解明するまでは至っていないが、6糖鎖以下のヘパラン硫酸の部分配列を認識し結合すると考えられている。なお、細胞外に分泌されたHS6ST2タンパク質も、細胞膜上のヘパラン硫酸に結合し得ると考えられる。
このHS6ST2タンパク質に、本発明者は着目し、まず、ヒトの正常組織において、このHS6ST2タンパク質が何れの組織で発現しているかについて検査した。その結果、胃、小腸、大腸(結腸)、肝臓、腎臓、副腎、気道、乳腺、卵巣、子宮および皮膚において発現し、大脳、小脳、心臓、食道、膵臓、肺、脾臓、リンパ節、前立腺、精巣、骨格筋、横紋筋および脂肪おいて発現しておらず、このことから、ヒトの正常組織のうち、消化器系の組織の細胞内において高確率にHS6ST2タンパク質が発現していることが判ってきた。
そして、これらの中でも、本発明者は、大腸に着目し、健常者の大腸ではなく、大腸癌患者の大腸(大腸細胞)におけるHS6ST2タンパク質の発現について検査した。その結果、大腸癌患者では、HS6ST2タンパク質の発現が認められない陰性例、細胞質の一部において選択的にHS6ST2タンパク質の発現が認められる一部陽性例、細胞質の全体においてHS6ST2タンパク質の発現が認められる陽性例の3群に分類できることが判った。
そこで、陰性例を陰性群とし、一部陽性例と陽性例とを陽性群とする二群に分類したところ、陽性群において死亡割合が高く、さらに、これら二群間における術後生存期間を解析した結果、陽性群が予後不良となる傾向を示す結果が得られることを見出した。
すなわち、本発明者は、外科的切除後の大腸(大腸癌)におけるHS6ST2タンパク質の発現の有無を検査することで、その大腸癌患者の予後を予測することができることを見出し、本発明を完成するに至った。このように大腸癌患者におけるHS6ST2タンパク質の発現の検査により、その予後を予測することができるようになるため、その予想結果に基づいて、その大腸癌患者に応じた、治療方針を決定することができる。すなわち、HS6ST2タンパク質を、外科的切除大腸癌における予後の予測を行え得る大腸癌マーカーとして用いることができる。
<予後の予測方法>
大腸癌患者におけるHS6ST2タンパク質の発現の検査に基づく、その予後の予測(本発明の予後の予測方法)は、例えば、以下のようにして行うことができる。
大腸癌患者におけるHS6ST2タンパク質の発現の検査に基づく、その予後の予測(本発明の予後の予測方法)は、例えば、以下のようにして行うことができる。
すなわち、本発明の予後の予測方法は、大腸癌患者の外科的切除後の大腸(大腸癌細胞)におけるHS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する検査工程と、この検査結果に基づいて、大腸癌患者の予後を予測する予測工程とを有している。
[1]まず、大腸癌患者の外科的切除後の大腸(大腸癌)におけるHS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する(検査工程)。
本工程において、HS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する方法、すなわち、大腸細胞中におけるHS6ST2タンパク質の検出方法としては、特に限定されないが、HS6ST2タンパク質を特異的に認識する抗HS6ST2抗体を用いた免疫学的方法により検出する方法が好ましく用いられる。
免疫学的方法としては、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)法、エンザイムイムノアッセイ(EIA)法、蛍光イムノアッセイ(FIA)法、発光イムノアッセイ(LIA)法、免疫沈降(IP)法、免疫比濁(TIA)法、ウエスタンブロット(WB)法、免疫拡散(SRID)法および免疫組織化学(IHC;免疫染色)法等が挙げられ、これらの中でも、免疫組織化学法を用いるのが好ましい。免疫組織化学法は、外科的切除後の大腸(大腸癌)から得られた細胞を固定化した切片上で、HS6ST2タンパク質を検出することができるため、細胞内におけるHS6ST2タンパク質を直接的に観察することができることから好ましく用いられる。
また、抗HS6ST2抗体としては、例えば、WO2010/074049号公報に記載のものを用いることができる。
なお、免疫組織化学法を用いた場合、HS6ST2タンパク質を認識した抗HS6ST2抗体を可視化する必要があるが、この可視化する方法としては、特に限定されず、例えば、オートラジオグラフィー法、金コロイド法、蛍光抗体法および酵素抗体法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[2]次に、検査工程における検査結果に基づいて、大腸癌患者の予後を予測する(予測工程)。
ここで、検査工程において、HS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する方法として、免疫組織化学法を用いた場合、本明細書中では、以下の基準に基づいて、陰性、一部陽性または陽性と判定することとした。
すなわち、大腸癌細胞において細胞質内にHS6ST2タンパク質が認められなかったときに「陰性」とし、細胞質内にHS6ST2タンパク質が認められる大腸癌細胞が全体の25%未満であったときに「一部陽性」とし、さらに細胞質内にHS6ST2タンパク質が認められる大腸癌細胞が全体の25%以上であったときに「陽性」とした。
そして、陰性であった大腸癌患者(陰性群)を、予後良好として予測し、一部陽性または陽性であった大腸癌患者(陽性群)を、予後不良として予測する。
このように、本発明によれば、HS6ST2タンパク質の発現の有無の検査結果に基づいて、大腸癌患者の予後を予測することができるため、その予測結果に基づいて、術後の治療方針を決定することができる。
以上、本発明の大腸癌マーカー、および予後の予測方法を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の予後の予測方法には、必要に応じて任意の工程が追加されてもよい。
例えば、本発明の予後の予測方法には、必要に応じて任意の工程が追加されてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1. 対象症例
近畿大学病院外科において、2005年に外科的切除された大腸癌患者102例を対象とした。なお、本明細書に記載の実験は、全ての対象患者から文書でインフォームドコンセントを得ている。
1. 対象症例
近畿大学病院外科において、2005年に外科的切除された大腸癌患者102例を対象とした。なお、本明細書に記載の実験は、全ての対象患者から文書でインフォームドコンセントを得ている。
2. 大腸癌細胞の染色方法
(1)パラフィン包埋
まず、各症例における外科的切除した大腸癌組織を、それぞれ、パラフィン包埋して、ダイヤモンドカッターで切片を作製、スライドガラス上に組織切片を貼りつけた。
(1)パラフィン包埋
まず、各症例における外科的切除した大腸癌組織を、それぞれ、パラフィン包埋して、ダイヤモンドカッターで切片を作製、スライドガラス上に組織切片を貼りつけた。
(2)脱パラフィン
次に、スライドガラス上に貼り付けられた組織切片を、キシレン槽に5分間浸漬を3回繰り返した。次いで、無水アルコール槽、95%アルコール槽、80%アルコール槽、70%アルコール槽に、それぞれ5分間ずつ順に浸した。その後、スライドグラスを水道水で洗浄しアルコール成分を除去した後、イオン交換水に入れた。
次に、スライドガラス上に貼り付けられた組織切片を、キシレン槽に5分間浸漬を3回繰り返した。次いで、無水アルコール槽、95%アルコール槽、80%アルコール槽、70%アルコール槽に、それぞれ5分間ずつ順に浸した。その後、スライドグラスを水道水で洗浄しアルコール成分を除去した後、イオン交換水に入れた。
(3)賦活化
次に、スライドグラスを120℃で20分間オートクレーブ処理し、賦活化した。
次に、スライドグラスを120℃で20分間オートクレーブ処理し、賦活化した。
(4)過酸化水素処理
次に、スライドガラスを水平な場所に置き、0.3%の酸化水素水を充分量滴下して組織切片全体を覆った。次いで、室温で30分間インキュベートした後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)でリンスし、さらに、スライドをPBSの入った洗浄槽に2分間静置した。
次に、スライドガラスを水平な場所に置き、0.3%の酸化水素水を充分量滴下して組織切片全体を覆った。次いで、室温で30分間インキュベートした後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)でリンスし、さらに、スライドをPBSの入った洗浄槽に2分間静置した。
(5)ブロッキング
次に、5%牛血清アルブミン溶液にスライドガラスを10分間浸漬し、ブロッキングした。
次に、5%牛血清アルブミン溶液にスライドガラスを10分間浸漬し、ブロッキングした。
(6)一次抗体反応
次に、ビオチン化抗HS6ST2抗体溶液を、スライドグラスの上に滴下し、これにより切片全体を覆った。次いで、4℃で一晩(12−16時間)インキュベートした後、PBSでリンスし、さらに、スライドガラスをPBSの入った洗浄槽に2分間静置した。
次に、ビオチン化抗HS6ST2抗体溶液を、スライドグラスの上に滴下し、これにより切片全体を覆った。次いで、4℃で一晩(12−16時間)インキュベートした後、PBSでリンスし、さらに、スライドガラスをPBSの入った洗浄槽に2分間静置した。
(7)抗体検出
次に、VECTASTAIN Elite ABC Kit(VECOR社製、「PK-6100」)を用いて、ビオチン化抗HS6ST2抗体をペルオキシダーゼで標識した。次いで、ペルオキシダーゼ染色用DAB kitを用いてビオチン化抗HS6ST2抗体を染色した。
次に、VECTASTAIN Elite ABC Kit(VECOR社製、「PK-6100」)を用いて、ビオチン化抗HS6ST2抗体をペルオキシダーゼで標識した。次いで、ペルオキシダーゼ染色用DAB kitを用いてビオチン化抗HS6ST2抗体を染色した。
(8)ヘマトシリン染色
次に、Mayer'sヘマトキシリンをアプライして組織切片を覆い、その後、5分間染色した後に、蒸留水でリンスした。
次に、Mayer'sヘマトキシリンをアプライして組織切片を覆い、その後、5分間染色した後に、蒸留水でリンスした。
(9)脱水、封入
次に、グリセロールゼラチンを用いて組織切片(検体)をマウントした後、光学顕微鏡観察を行った。
次に、グリセロールゼラチンを用いて組織切片(検体)をマウントした後、光学顕微鏡観察を行った。
3. 検体の判定方法
各症例の光学顕微鏡観察した検体について、それぞれ、大腸癌細胞において細胞質内に染色が認められなかったときに「陰性」と判定し、細胞質内に染色が認められる大腸癌細胞が全体の25%未満であったときに「一部陽性」と判定し、さらに細胞質内に染色が認められる大腸癌細胞が全体の25%以上であったときに「陽性」と判定した。
各症例の光学顕微鏡観察した検体について、それぞれ、大腸癌細胞において細胞質内に染色が認められなかったときに「陰性」と判定し、細胞質内に染色が認められる大腸癌細胞が全体の25%未満であったときに「一部陽性」と判定し、さらに細胞質内に染色が認められる大腸癌細胞が全体の25%以上であったときに「陽性」と判定した。
その結果、大腸癌患者102例中、陰性、一部陽性および陽性と判定された患者は、それぞれ、表1に示す通りとなった。
なお、陰性、一部陽性および陽性と判定した検体の一例を図1に示した。
なお、陰性、一部陽性および陽性と判定した検体の一例を図1に示した。
4. 予後の判定
陰性と判定された患者を陰性群とし、一部陽性または陽性と判定された患者を陽性群とする2群に分けて、これら各群における予後を調査した。その結果を、表2に示す。
陰性と判定された患者を陰性群とし、一部陽性または陽性と判定された患者を陽性群とする2群に分けて、これら各群における予後を調査した。その結果を、表2に示す。
追跡不能であった20例を除く81例について、陰性群および陽性群の生存曲線を描き、Logrank検定にて2群間の有意差を検討した。その結果を図2に示す。P値が0.097であったが、陽性群の生存曲線は明らかに陰性群を上回っており、細胞質内にHS6ST2タンパク質が発現すると予後不良となる結果であった。
Claims (7)
- 外科的切除後大腸癌における大腸癌患者の予後の予測に用いられ、
大腸癌細胞に発現したHS6ST2タンパク質であることを特徴とする大腸癌マーカー。 - 前記HS6ST2タンパク質は、前記大腸癌細胞の細胞質内に発現する請求項1に記載の大腸癌マーカー。
- 大腸癌患者の外科的切除後の大腸癌細胞におけるHS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する検査工程と、
前記検査工程の検査結果に基づいて、前記大腸癌患者の予後を予測する予測工程とを有することを特徴とする予後の予測方法。 - 前記検査工程において、前記HS6ST2タンパク質を特異的に認識する抗HS6ST2抗体を用いた免疫学的方法により、前記HS6ST2タンパク質の発現の有無を検査する請求項3に記載の予後の予測方法。
- 前記免疫学的方法は、免疫組織化学法である請求項4に記載の予後の予測方法。
- 前記予測工程において、前記大腸癌細胞の細胞質内に前記HS6ST2タンパク質が認められなかったときに陰性とし、前記細胞質内に前記HS6ST2タンパク質が認められる前記大腸癌細胞が全体の25%未満であったときに一部陽性とし、前記細胞質内に前記HS6ST2タンパク質が認められる前記大腸癌細胞が全体の25%以上であったときに陽性とする請求項5に記載の予後の予測方法。
- 前記予測工程において、前記陰性と判定された前記大腸癌患者を予後良好として予測し、前記一部陽性または前記陽性と判定された前記大腸癌患者を予後不良として予測する請求項6に記載の予後の予測方法。
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