JP2013205305A - 流体取扱装置、流体取扱方法および流体取扱システム - Google Patents
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Abstract
【課題】外部に大掛かりな装置を設置することなく、流路内の液体を分断することができる流体取扱装置を提供すること。
【解決手段】流体取扱装置100は、毛管現象により流体が移動可能な第1の流路130と、外部に連通している第2の流路132と、第1の流路130と第2の流路132とを連通する第1の連絡部134と、第1の流路130に2箇所で連通し、毛管現象により流体が移動可能な迂回流路140〜148と、空気溜まり部150と、迂回流路140〜148と空気溜まり部150とを連通する空気排出流路152とを有する。第1の迂回流路140は、流体が第3の連絡部148へ到達する前に第1の連絡部134に到達するように形成されている。第2の迂回流路142は、第1の流路130、第1の迂回流路140および第3の迂回流路144よりも毛管引力が強い。空気溜まり部150は、貫通孔220を形成できるように形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】流体取扱装置100は、毛管現象により流体が移動可能な第1の流路130と、外部に連通している第2の流路132と、第1の流路130と第2の流路132とを連通する第1の連絡部134と、第1の流路130に2箇所で連通し、毛管現象により流体が移動可能な迂回流路140〜148と、空気溜まり部150と、迂回流路140〜148と空気溜まり部150とを連通する空気排出流路152とを有する。第1の迂回流路140は、流体が第3の連絡部148へ到達する前に第1の連絡部134に到達するように形成されている。第2の迂回流路142は、第1の流路130、第1の迂回流路140および第3の迂回流路144よりも毛管引力が強い。空気溜まり部150は、貫通孔220を形成できるように形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、液体試料の分析や処理などに用いられる流体取扱装置および流体取扱方法、ならびに前記流体取扱装置を有する流体取扱システムに関する。
近年、タンパク質や核酸などの微量な物質の分析を高精度かつ高速に行うために、マイクロ流路チップが使用されている。マイクロ流路チップは、試薬および試料の量が少なくてよいという利点を有しており、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途での使用が期待されている。
マイクロ流路チップを用いた処理を自動化するために、流路内の液体を制御するための機構を設けたマイクロ流路チップが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、ダイヤフラム弁構造のマイクロバルブを有するマイクロ流路チップが開示されている。このマイクロ流路チップでは、第1の流路の近傍に第2の流路が形成されている。第2の流路内の流体の圧力が高まると、第1の流路と第2の流路との間に位置する第1の流路の壁(ダイヤフラム)が第1の流路を塞ぐように変形する。したがって、第2の流路内の流体の圧力を調整することで、第1の流路内の流体の流れを制御することができる。
特許文献2には、所定量の液体を量り取る機構を有するマイクロ流路チップが開示されている。このマイクロ流路チップには、流路と、2つの気体通路(第1の気体通路および第2の気体通路)が形成されている。2つの気体通路は、それぞれ気体透過部を通して流路に接続されている。また、流路内において、第2の気体通路との接続部は、第1の気体通路との接続部よりも、流路の一方の端部(第1の端部)側に配置されている。第1の気体通路を減圧して流路内を減圧すると、流路の第1の端部から流路内に液体が導入される。次いで、第2の気体通路から流路内に気体を導入すると、流路内において、第2の気体通路との接続部と第1の端部との間に存在する液体は、流路外に排出される。その結果、流路内において、第1の気体通路との接続部と、第2の気体通路との接続部との間に存在する所定量の液体を量り取ることができる。
しかしながら、特許文献1,2に記載のマイクロ流路チップには、装置の大型化という問題がある。
すなわち、特許文献1に記載のマイクロ流路チップでは、第2の流路内の流体の圧力を制御するためには、ポンプなどの外部装置が必要である。同様に、特許文献2に記載のマイクロ流路チップでも、第1の気体通路および第2の気体通路内の気体の圧力を制御するためには、ポンプなどの外部装置が必要である。したがって、これらのマイクロ流路チップを使用する自動分析装置を作製した場合、装置が大型化してしまうのである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、外部に大掛かりな装置を設置することなく、流路内の流体を分断することができる流体取扱装置および流体取扱方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記流体取扱装置を有する流体取扱システムを提供することも目的とする。
本発明の流体取扱装置は、第1の端部および第2の端部を有し、毛管現象により流体が移動可能な第1の流路と、外部に連通している第2の流路と、前記第1の流路の第2の端部と前記第2の流路とを連通し、かつ前記第2の流路の断面積よりも小さい断面積を有する第1の連絡部と、前記第1の流路に少なくとも2箇所で連通し、毛管現象により流体が移動可能な迂回流路と、空気溜まり部と、前記迂回流路と前記空気溜まり部とを連通する、空気排出流路と、を有し、前記迂回流路は、前記第1の流路に連通する第1の迂回流路と、前記第1の迂回流路に連通する第2の迂回流路と、前記第2の迂回流路に連通する第3の迂回流路と、前記第3の迂回流路と前記第1の流路とを連通する第2の連絡部と、前記第2の迂回流路または前記第3の迂回流路と前記空気排出流路とを連通する第3の連絡部と、を含み、前記第1の流路において、前記第1の迂回流路との接続部は、前記第2の連絡部との接続部よりも第1の端部側に位置し、前記第1の迂回流路は、前記第1の流路において前記第1の迂回流路との接続部に到達した流体が、前記第1の迂回流路を通って前記第3の連絡部へ到達する前に、前記第1の流路を通って前記第2の連絡部に到達するように形成され、前記第2の迂回流路は、前記第1の流路、前記第1の迂回流路および前記第3の迂回流路よりも毛管引力が強く、前記第2の連絡部の断面積は、前記第3の迂回流路の断面積よりも小さく、かつ前記第2の迂回流路の断面積よりも大きく、前記第3の連絡部の断面積は、前記空気排出流路の断面積よりも小さく、前記空気溜まり部は、前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成できるように形成されている、構成を採る。
本発明の流体取扱方法は、上記の流体取扱装置を使用して流体を取り扱う方法であって、前記第1の端部から、前記第1の流路および前記第1の迂回流路内に流体を導入するステップと、前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成して、前記第1の迂回流路内の前記流体を毛管現象により第2の迂回流路内に移動させるステップと、前記第2の迂回流路内の前記流体を毛管現象により前記第3の迂回流路側に移動させて、前記第3の迂回流路内の空気の一部を前記第1の流路内に導入するステップと、を含む。
本発明の流体取扱システムは、上記の流体取扱装置と、前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成するバルブ開放部とを有する。
本発明によれば、外部に大掛かりな装置を設置することなく、流路内に気体を導入して流路内の流体を分断することができる。したがって、本発明によれば、流路内の流体の一部を量り取ったり、流路内において液液界面を形成している2種類の流体を分離したりすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明の流体取扱装置の代表例として、マイクロ流路チップについて説明する。
なお、本明細書において、「フィルム」とは、薄い平板状の部材を意味する。たとえば、「樹脂フィルム」には、樹脂薄膜(フィルム)だけでなく、樹脂薄板も含まれる。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明の一実施の形態に係るマイクロ流路チップ100と、マイクロ流路チップ100を有する流体取扱システム300について説明する。
実施の形態1では、本発明の一実施の形態に係るマイクロ流路チップ100と、マイクロ流路チップ100を有する流体取扱システム300について説明する。
[マイクロ流路チップの構成]
図1は、実施の形態1のマイクロ流路チップ100の構成を示す図である。図1Aは、マイクロ流路チップ100の平面図であり、図1Bは、図1Aに示されるB−B線の断面図であり、図1Cは、図1Aに示されるC−C線の断面図である。
図1は、実施の形態1のマイクロ流路チップ100の構成を示す図である。図1Aは、マイクロ流路チップ100の平面図であり、図1Bは、図1Aに示されるB−B線の断面図であり、図1Cは、図1Aに示されるC−C線の断面図である。
図2は、マイクロ流路チップ100のチップ本体110の構成を示す図である。図2Aは、チップ本体110の平面図であり、図2Bは、図2Aに示されるB−B線の断面図であり、図2Cは、図2Aに示されるC−C線の断面図である。
図3は、マイクロ流路チップ100の樹脂フィルム120の構成を示す図である。図3Aは、樹脂フィルム120の平面図であり、図3Bは、図3Aに示されるB−B線の断面図である。
図4は、マイクロ流路チップ100の部分拡大平面図である。
図1A〜図1Cに示されるように、マイクロ流路チップ100は、2つの有底の凹部(第1の凹部160および第2の凹部162)および1つの密閉空間(空気溜まり部150)を有する板状のデバイスである。第1の凹部160および第2の凹部162は、流路(第1の流路130、第2の流路132および第1の連絡部134を含む)により互いに連通している。
また、マイクロ流路チップ100は、迂回流路(第1の迂回流路140、第2の迂回流路142、第3の迂回流路144、第2の連絡部146および第3の連絡部148を含む)を有する。迂回流路は、2箇所で第1の流路130に連通している。空気溜まり部150は、空気排出流路152を介して迂回流路(第3の連絡部148)に連通している。後述するように、空気溜まり部150は、空気溜まり部150と外部とを連通する貫通孔を形成できるように形成されている。
図1A〜図1Cに示されるように、マイクロチップ100は、チップ本体(基板)110および樹脂フィルム120を有する。
チップ本体110は、透明な略矩形の樹脂基板である。チップ本体110には、2つの貫通孔112a,112bおよび1つの有底の凹部114が形成されている(図2A〜図2C参照)。2つの貫通孔112a,112bは、樹脂フィルム120により一方の開口部が閉塞されることで、それぞれ有底の凹部(第1の凹部160および第2の凹部162)となる(図1B参照)。また、凹部114は、樹脂フィルム120により開口部が閉塞されることで、密閉空間(空気溜まり部150)となる(図1C参照)。
貫通孔112a,112bおよび凹部114の形状は、特に限定されないが、例えば略円柱状である。チップ本体110の厚さは、特に限定されないが、例えば1mm〜10mmである。また、貫通孔112a,112bの直径は、特に限定されないが、例えば2mm程度である。凹部114の直径は、特に限定されないが、例えば1mm程度である。
チップ本体110の樹脂フィルム120側の面には、貫通孔112aと貫通孔112bを接続する溝116a〜116cが形成されている。これらの溝116a〜116cは、樹脂フィルム120により開口部が閉塞されることで、第1の凹部160と第2の凹部162とを接続する流路(第1の流路130、第2の流路132および第1の連絡部134)となる(図1B参照)。
また、チップ本体110の樹脂フィルム120側の面には、溝116aと2箇所で接続された溝116d〜116hも形成されている。これらの溝116d〜116hは、樹脂フィルム120により開口部が閉塞されることで、迂回流路(第1の迂回流路140、第2の迂回流路142、第3の迂回流路144、第2の連絡部146および第3の連絡部148)となる(図1C参照)。
さらに、チップ本体110の樹脂フィルム120側の面には、溝116hと凹部114とを接続する溝116iも形成されている。この溝116iは、樹脂フィルム120により開口部が閉塞されることで、空気排出流路152となる(図1C参照)。
チップ本体110を構成する樹脂の種類は、特に限定されず、公知の樹脂から適宜選択されうる。チップ本体110を構成する樹脂の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレンなどが含まれる。
樹脂フィルム120は、チップ本体110の一方の面に接合された、透明な略矩形の樹脂フィルムである(図3Aおよび図3B参照)。たとえば、樹脂フィルム120は、熱圧着によりチップ本体110に接合されている。前述の通り、樹脂フィルム120は、チップ本体110に形成された貫通孔112a,112b、凹部114および溝116a〜116iの開口部を閉塞している。
樹脂フィルム120の厚さは、特に限定されないが、凹部114の開口部を閉塞している部位(空気溜まり部150の壁面を構成する部位)に、空気溜まり部150と外部とを連通する貫通孔を形成できる厚さが好ましい。このようにすることで、任意のタイミングで、空気溜まり部150と外部とを連通する貫通孔を形成することができる。たとえば、樹脂フィルム120の厚さは、20μm程度である。
樹脂フィルム120を構成する樹脂の種類は、特に限定されず、公知の樹脂から適宜選択されうる。樹脂フィルム120を構成する樹脂の例は、チップ本体110を構成する樹脂の例と同じである。チップ本体110と樹脂フィルム120との密着性を向上させる観点からは、樹脂フィルム120を構成する樹脂は、チップ本体110を構成する樹脂と同一であることが好ましい。
図4に示されるように、第1の流路130および第2の流路132は、第1の連絡部134を介して互いに連通している。本明細書では、第1の流路130の2つの端部のうち、第1の凹部160側の端部を第1の端部と称し、第1の連絡部134側の端部を第2の端部と称する。また、第2の流路132は、第2の凹部162を介して外部に連通している。
第1の流路130および第1の連絡部134は、いずれも毛管現象により流体(液体)が移動可能な管である。第1の流路130の断面積および断面形状は、その内部を液体が毛管現象により移動可能であれば特に限定されない。たとえば、第1の流路130の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が100μm程度の略矩形である。なお、本明細書において、「流路の断面」とは、流体(液体または気体)が流れる方向に直交する流路の断面を意味する。
これに対し、第1の連絡部134の断面積は、第2の流路132の断面積より十分に小さい。より具体的には、第1の連絡部134と第2の流路132との接続部において、流路の断面積が急激に変化するように、第1の連絡部134の断面積を第2の流路132の断面積よりも小さくする。このようにすることで、第1の連絡部134内の液体が、自らの表面張力により第2の流路132に進入することができなくなる。すなわち、第1の連絡部134と第2の流路132との接続部が、バルブとして機能する。たとえば、第2の流路132の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が100μm程度の略矩形であり、第1の連絡部134の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が20μm程度の略矩形である。
前述の通り、第1の迂回流路140、第2の迂回流路142、第3の迂回流路144、第2の連絡部146および第3の連絡部148は、迂回流路を構成する。この迂回流路は、毛管現象により流体(液体)が移動可能な管であり、第1の流路130と少なくとも2箇所で連通している。
第1の迂回流路140、第2の迂回流路142、第3の迂回流路144および第2の連絡部146は、この順番で互いに接続されており、1本の流路を構成する。第1の流路130には、第1の迂回流路140および第2の連絡部146が接続されている。第1の流路130において、第1の迂回流路140との接続部は、第2の連絡部146との接続部よりも第1の端部側(第1の凹部160側)に位置する。第1の流路130において、第2の連絡部146との接続部は、第1の流路130内において液体210を分断すべき位置に形成されている(図5B参照)。一方、第3の連絡部148は、第2の迂回流路142に接続されている。
第1の迂回流路140は、第1の流路130および第2の迂回流路142に連通している。第1の迂回流路140は、毛管現象により流体(液体)が移動可能な管である。第1の迂回流路140の断面積および断面形状は、その内部を液体が毛管現象により移動可能であれば特に限定されない。たとえば、第1の迂回流路140の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が60μm程度の略矩形である。一方で、第1の迂回流路140は、次の条件を満たすように形成される。
後述するように、第1の凹部160から第1の流路130内に液体210を導入した場合、第1の流路130内の液体210は、第1の流路130内を第2の端部に向かって進みつつ、第1の迂回流路140内にも進む(図5A参照)。第1の流路130内において、液体210が、第1の迂回流路140との接続部のみを塞いだ場合(第2の連絡部146との接続部を塞いでない場合)は、迂回流路内の空気は第2の凹部162から外部に排出されうる。この場合は、第1の迂回流路140内の液体210は、第2の迂回流路142に向かって移動することができる。一方で、第1の流路130内において、液体210が、第1の迂回流路140を経由する液体210よりも先に、第2の連絡部146との接続部を塞いだ場合は、迂回流路内の空気を外部に排出することはできなくなる。この場合は、第1の迂回流路140内の液体210は、第2の迂回流路142に向かって移動することができなくなる。図5Aに示されるように、第1の流路130内の液体210が、第2の連絡部146へ到達するよりも先に、第1の迂回流路140内の液体210が第3の連絡部148へ到達しないように、第1の迂回流路140は形成される。この状態では、第1の流路130内の液体210が第2の連絡部146を満たした時点で、第1の迂回流路140内に流入した液体210の流動端から第3の迂回流路144の第2の連絡部146側端部に至るまでの領域に気体(空気)が閉じ込められ、第1の迂回流路140内に流入した液体210は、それより先(第2の連絡部146方向)への移動を制限される。
上記条件を満たすように第1の迂回流路140を形成する手段は、特に限定されない。たとえば、本実施の形態のマイクロ流路チップ100では、第1の迂回流路140に、流体の移動速度を低下させるための凸部または凹部(高さ10〜15μm程度)が形成されている。また、上記条件を満たすため、第1の迂回流路140を長くしたり、第1の迂回流路140の内部表面の性質を調整したりしてもよい。
第2の迂回流路142は、第1の迂回流路140、第3の迂回流路144および第3の連絡部148に連通している。第2の迂回流路142は、毛管現象により流体(液体)が移動可能な管である。第2の迂回流路142の断面形状は、特に限定されない。一方で、第2の迂回流路142は、第1の流路130、第1の迂回流路140および第3の迂回流路144よりも毛管引力が強いことが必要である。後述するように、ラプラス圧を利用して第1の流路130内に気泡を形成するためである(図5B参照)。第2の迂回流路142の毛管引力の強さは、第2の迂回流路142の断面積や、第2の迂回流路142の内部表面の性質などによって決まる。たとえば、第2の迂回流路142の断面積を小さくしたり、第2の迂回流路142の内部表面の濡れ性を向上させたりすることで、第2の迂回流路142の毛管引力を強くすることができる。たとえば、第2の迂回流路142の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が20μm程度の略矩形である。
第3の迂回流路144は、第2の迂回流路142および第2の連絡部146に連通している。第3の迂回流路144は、毛管現象により流体(液体)が移動可能な管である。第3の迂回流路144の断面積および断面形状は、その内部を液体が毛管現象により移動可能であれば特に限定されない。たとえば、第1の迂回流路140の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が100μm程度の略矩形である。
第2の連絡部146は、第3の迂回流路144および第1の流路130に連通している。前述の通り、第1の流路130において、第2の連絡部146との接続部は、第1の流路130内において液体210を分断すべき位置に形成されている。第2の連絡部146は、毛管現象により流体(液体)が移動可能な管である。第2の連絡部146の断面形状は、特に限定されない。一方で、第2の連絡部146の断面積は、第3の迂回流路144の断面積よりも小さく、かつ第2の迂回流路142の断面積よりも大きいことが必要である。第2の連絡部146の断面積を第3の迂回流路144の断面積よりも小さくすることで、第1の流路130内を移動する液体が第3の迂回流路144内に進入することを防止できる。また、第2の連絡部146の断面積を第2の迂回流路142の断面積よりも大きくすることで、第1の迂回流路140および第2の迂回流路142内の液体を逆流させることなく第2の連絡部146に向かって移動させることができる。たとえば、第2の連絡部146の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が60μm程度の略矩形である。
第3の連絡部148は、第2の迂回流路142および空気排出流路152に連通している。第3の連絡部148は、毛管現象により流体(液体)が移動可能な管である。第3の連絡部148の断面積は、空気排出流路152の断面積より十分に小さい。より具体的には、第3の連絡部148と空気排出流路152との接続部において、流路の断面積が急激に変化するように、第3の連絡部148の断面積を空気排出流路152の断面積よりも小さくする。このようにすることで、第3の連絡部148内の液体が、自らの表面張力により空気排出流路152に進入することができなくなる。すなわち、第3の連絡部148と空気排出流路152との接続部が、バルブとして機能する。たとえば、空気排出流路152の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が100μm程度の略矩形であり、第3の連絡部148の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が20μm程度の略矩形である。なお、第3の連絡部148は、第2の迂回流路142ではなく、第3の迂回流路144に連通していてもよい。
また、図4に示されるように、空気溜まり部150は、空気排出流路152を介して第2の迂回流路142にのみ連通している密閉空間である。ここで「密閉空間」とは、外部と直接連通していない空間を意味する。したがって、第1の迂回流路140内の空気は、第2の凹部162からは外部に排出されうるが、空気溜まり部150からは外部に排出されない。
空気溜まり部150と外部との間に位置する樹脂フィルム120は、空気溜まり部150と外部とを連通する貫通孔を形成されうる。樹脂フィルム120に貫通孔を形成した場合、第1の迂回流路140内の空気は、空気溜まり部150からも外部に排出されうる。
本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、例えば、図2A〜図2Cに示されるチップ本体110と図3Aおよび図3Bに示される樹脂フィルム120とを接合することで製造されうる。
[マイクロ流路チップの使用方法]
次に、本実施の形態のマイクロ流路チップ100の使用方法について、図5を参照して説明する。図5Aおよび図5Bは、マイクロ流路チップ100の使用態様を説明するためのマイクロ流路チップ100の部分拡大平面図である。
次に、本実施の形態のマイクロ流路チップ100の使用方法について、図5を参照して説明する。図5Aおよび図5Bは、マイクロ流路チップ100の使用態様を説明するためのマイクロ流路チップ100の部分拡大平面図である。
まず、図5Aに示されるように、第1の凹部160に試薬や液体試料などの液体210を提供することで、第1の流路130内に液体210を導入する。第1の流路130内の液体210は、毛管現象により第1の端部(第1の凹部160)側から第2の端部(第1の連絡部134)側に向けて第1の流路130および第1の連絡部134内を進み、第1の連絡部134と第2の流路132の接続部に到達する。前述の通り、第1の連絡部134と第2の流路132との接続部はバルブとして機能するため、液体210は、第2の流路132内に進むことはできない。
また、図5Aに示されるように、第1の流路130内の液体210の一部は、毛管現象により第1の迂回流路140内にも進む。しかしながら、空気溜まり部150は外部に連通しておらず、第1の迂回流路140内の空気が外部に排出されないため、空気溜まり部150は液体210の移動を止めるためのストップバルブとして機能する。このため、液体210は、第1の迂回流路140の途中までしか進むことができない。同様の理由により、第1の流路130内の液体210は、第2の連絡部146を介して第3の迂回流路144内に進むこともできない。
このように、第1の凹部160に液体210を提供することで、第1の流路130の全体および第1の迂回流路140の一部に液体210を導入することができる。
次いで、図5Bに示されるように、空気溜まり部150と外部との間に位置する樹脂フィルム120に貫通孔220を形成することで、第1の迂回流路140内の空気を空気溜まり部150から排出できるようにする。その結果、第1の迂回流路140内の液体210は、毛管現象により第2の迂回流路142内に進む。
前述の通り、第2の迂回流路142の断面積は、第1の流路130の断面積よりも小さい。したがって、液体210が第2の迂回流路142内に進んだ時点において、第1の流路130内におけるラプラス圧と、第2の迂回流路142内におけるラプラス圧とを比較すると、第2の迂回流路142内におけるラプラス圧の方が大きい。このため、第2の迂回流路142内の液体210は、第2の迂回流路142および第3の迂回流路144内の空気を第2の連絡部146を介して第1の流路130内に押し出しながら、第2の迂回流路142内を進む。その結果、第1の流路130内には気泡230が形成され、第1の流路130内の液体210は気泡230により分断される。
樹脂フィルム120に貫通孔220を形成する方法は、特に限定されない。たとえば、樹脂フィルム120に針を刺したり、レーザ光を照射したり、加熱することで、樹脂フィルム120に貫通孔220を形成することができる。樹脂フィルム120を加熱して貫通孔220を形成する場合は、図6に示されるように、樹脂フィルム120の上に加熱部170を形成してもよい。加熱部170は、樹脂フィルム120の空気溜まり部150側の面に形成されてもよいし、外部側の面に形成されてもよい。いずれの場合であっても、加熱部170に電流を流すことで、樹脂フィルム120に貫通孔220を形成することができる。
以上の手順により、第1の流路130内の液体210を分断して、所定量の液体210を量り取ることができる。
[効果]
本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、空気溜まり部150と外部との間に位置する樹脂フィルム120に貫通孔220を形成することで、第1の流路130内の液体210を分断して、量り取ることができる。このように、本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、外部に大掛かりな装置を設置することなく、第1の流路130内の液体210を量り取ることができる。
本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、空気溜まり部150と外部との間に位置する樹脂フィルム120に貫通孔220を形成することで、第1の流路130内の液体210を分断して、量り取ることができる。このように、本実施の形態のマイクロ流路チップ100は、外部に大掛かりな装置を設置することなく、第1の流路130内の液体210を量り取ることができる。
なお、これまでの説明では、液体210を分断する機構(迂回流路および空気溜まり部150を含む)が1つ形成されたマイクロ流路チップ100について説明したが、マイクロ流路チップ100内の液体210を分断する機構の数はこれに限定されない。すなわち、マイクロ流路チップ100内には、液体210を分断する機構が複数形成されていてもよい。
[流体取扱システムの構成]
次に、本発明の流体取扱システムの代表例として、上記のマイクロ流路チップ100を有する流体取扱システム300について説明する。
次に、本発明の流体取扱システムの代表例として、上記のマイクロ流路チップ100を有する流体取扱システム300について説明する。
図7は、本実施の形態の流体取扱システム300の構成を示す平面図である。また、図8は、図7に示されるA−A線の断面図である。平面視したときの流体取扱システム300の外径は、例えば60〜70mm程度である。
図9は、流体取扱システム300の駆動部ホルダ310の構成を示す図である。図9Aは、駆動部ホルダ310の平面図であり、図9Bは、図9Aに示されるB−B線の断面図である。
図10および図11は、流体取扱システム300のコーデッドプレート320の構成を示す図である。図10Aは、コーデッドプレート320の平面図であり、図10Bは、図10Aに示されるB−B線の断面図である。図11Aは、図10Aに破線で示される領域Aの拡大平面図であり、図11Bは、図11Aに示されるB−B線の断面図であり、図11Cは、図11Aに示されるC−C線の断面図であり、図11Dは、図11Aに示されるD−D線の断面図である。
図12は、流体取扱システム300の第1のピンホルダ330の構成を示す図である。図12Aは、第1のピンホルダ330の平面図であり、図12Bは、図12Aに示されるB−B線の断面図である。
図13は、流体取扱システム300の第2のピンホルダ340の構成を示す図である。図13Aは、第2のピンホルダ340の平面図であり、図13Bは、図13Aに示されるB−B線の断面図である。
図14は、流体取扱システム300の第3のピンホルダ350の構成を示す図である。図14Aは、第3のピンホルダ350の平面図であり、図14Bは、図14Aに示されるB−B線の断面図である。
図15は、流体取扱システム300のチップホルダ360の構成を示す図である。図15Aは、チップホルダ360の平面図であり、図15Bは、図15Aに示されるB−B線の断面図である。
図7および図8に示されるように、本実施の形態の流体取扱システム300は、駆動部ホルダ310、コーデッドプレート320、第1のピンホルダ330、第2のピンホルダ340、第3のピンホルダ350、チップホルダ360、駆動部370および複数のピン380a〜380eを有する。流体取扱システム300は、チップホルダ360に形成された凹部にマイクロ流路チップ100を差し込んだ状態で使用される。
駆動部ホルダ310は、駆動部370およびその他の部材を支持する支持部材である(図8参照)。駆動部ホルダ310の中央部には、駆動部370を設置するための凹部が形成されている。また、駆動部ホルダ310の外周部には、第3のピンホルダ350の凸部が嵌合しうる溝が形成されている(図9B参照)。
駆動部370は、駆動部ホルダ310の凹部内に配置されている。駆動部370は、回転軸372を所定の速度で回転させることで、流体取扱システム300を動作させる。後述するように、回転軸372には、第1のピンホルダ330および第2のピンホルダ340が固定されている。駆動部370の回転軸372が回転すると、第1のピンホルダ330、第2のピンホルダ340、第3のピンホルダ350、チップホルダ360、複数のピン380a〜380eおよびマイクロ流路チップ100が一体となって回転する。たとえば、駆動部370は、電動機(モーター)やぜんまいばねなどである。
コーデッドプレート320は、駆動部ホルダ310の上に配置されており、第3のピンホルダ350により固定されている。コーデッドプレート320は回転軸372に固定されておらず、回転軸372が回転しても、コーデッドプレート320は回転しない。
コーデッドプレート320の表面には、5本の円周状の溝322a〜322eが形成されている(図10Aおよび図10B参照)。円周状の溝322a〜322eの中心は、いずれも回転軸372の中心と一致している。
溝322a〜322eには、凸部324が形成されている(図11A〜図11D参照)。後述するように、凸部324は、流体取扱システム300の動作内容を規定する。すなわち、コーデッドプレート320の溝322a〜322eには、流体取扱システム300の動作内容を規定する情報が書き込まれている。
第1のピンホルダ330および第2のピンホルダ340は、コーデッドプレート320の上に配置される。一方、第3のピンホルダ350は、コーデッドプレート320、第1のピンホルダ330および第2のピンホルダ340の側面に配置される。第1のピンホルダ330、第2のピンホルダ340および第3のピンホルダ350は、図示しないねじにより互いに固定されている。また、互いに固定された第1のピンホルダ330および第2のピンホルダ340は、回転軸372に固定されている。したがって、回転軸372が回転すると、第1のピンホルダ330、第2のピンホルダ340および第3のピンホルダ350が一体となって回転する。
第1のピンホルダ330には、ピン380a〜380eを収容するための貫通孔332a〜332eが形成されている(図12A参照)。同様に、第2のピンホルダ340にも、ピン380a〜380eを収容するための貫通孔342a〜342eが形成されている(図13A参照)。第1のピンホルダ330および第2のピンホルダ340を回転軸372に固定した場合、貫通孔332aおよび貫通孔342aは、合わせて一つのピン収容部382aを形成する(図8参照)。同様に、貫通孔332b〜332eおよび貫通孔342b〜342eも、それぞれピン収容部382b〜382eを形成する。このようにして形成されるピン収容部382a〜382eは、それぞれ、コーデッドプレート320の溝322a〜322eの上に位置する。
ピン380a〜380eは、それぞれ、ピン収容部382a〜382e内に収容されている(図8参照)。ピン380a〜380eの下端は、それぞれ、コーデッドプレート320の溝322a〜322eの底面に接触している。また、ピン380a〜380eの上端は、それぞれマイクロ流路チップ100の樹脂フィルム120(空気溜まり部150の壁面を構成する部分)に対向している。ピン380a〜380eの上端の形状は、針状である。
チップホルダ360は、第1のピンホルダ330および第2のピンホルダ340の上に固定されている。チップホルダ360の第2のピンホルダ340側の面には、マイクロ流路チップ100を差し込むための凹部が形成されている(図15参照)。
[流体取扱システムの動作]
次に、本実施の形態の流体取扱システム300の動作について、図16を参照して説明する。図16は、流体取扱システム300の動作を説明するための流体取扱システム300の部分拡大断面図である。
次に、本実施の形態の流体取扱システム300の動作について、図16を参照して説明する。図16は、流体取扱システム300の動作を説明するための流体取扱システム300の部分拡大断面図である。
駆動部370が所定の速度で回転軸372を回転させると、第1のピンホルダ330、第2のピンホルダ340、第3のピンホルダ350、チップホルダ360、ピン380a〜380eおよびマイクロ流路チップ100は、一体となって回転する。一方、コーデッドプレート320は回転しない。したがって、ピン380a〜380eは、それぞれ、コーデッドプレート320の溝322a〜322eをなぞるように移動する。
図16Aに示されるように、溝322a〜322eが通常の深さの場合、ピン380a〜380eの上端は、マイクロ流路チップ100の樹脂フィルム120には接触しない。一方、図16Bに示されるように、溝322a〜322eの凸部324の上にピン380a〜380eの下端が乗り上げた場合、ピン380a〜380eの上端は、マイクロ流路チップ100の樹脂フィルム120を押圧する。これにより、樹脂フィルム120に貫通孔220が形成され、第1の迂回流路140内の液体210は、毛管現象により第2の迂回流路142に向かって移動する。
以上のように、本実施の形態の流体取扱システム300では、コーデッドプレート320の溝322a〜322eに形成された凸部324のパターンに従って、ピン380a〜380eが自動的にマイクロ流路チップ100の樹脂フィルム120に貫通孔220を形成する。これにより、コーデッドプレート320の溝322a〜322eに形成された凸部324のパターンに従って、マイクロ流路チップ100の第1の流路130内の液体210の一部が自動的に量り取られる。
[効果]
本実施の形態の流体取扱システム300は、マイクロ流路チップ100内に設けた機構を利用して、第1の流路130内の液体の一部を自動的に量り取ることができる。本実施の形態の流体取扱システム300は、ポンプなどの大掛かりな装置を必要としないため、容易に小型化することができる。
本実施の形態の流体取扱システム300は、マイクロ流路チップ100内に設けた機構を利用して、第1の流路130内の液体の一部を自動的に量り取ることができる。本実施の形態の流体取扱システム300は、ポンプなどの大掛かりな装置を必要としないため、容易に小型化することができる。
なお、マイクロ流路チップ100の空気溜まり部150内に加熱部170が配置されている場合(図6参照)、流体取扱システム300は、加熱部170に電流を流すことで、樹脂フィルム120に貫通孔220を形成してもよい。すなわち、流体取扱システム300に設けられるバルブ開放部は、マイクロ流路チップ100の樹脂フィルム120にピンを押圧することで貫通孔220を形成してもよいし、樹脂フィルム120を加熱することで貫通孔220を形成してもよい。
また、これまでの説明では、コーデッドプレート320の溝322a〜322eに形成された凸部324を利用してピン380a〜380eを操作する例について説明したが、ピン380a〜380eを操作する方法はこれに限定されない。たとえば、板バネやソレノイドアクチュエータ、空圧シリンダなどを用いてピン380a〜380eを操作してもよい。
(実施の形態2)
[マイクロ流路チップの構成]
図17および図18は、本発明の実施の形態2のマイクロ流路チップ400の構成を示す図である。図17Aは、マイクロ流路チップ400の平面図であり、図17Bは、図17Aに示されるB−B線の断面図である。また、図18は、マイクロ流路チップ400の部分拡大平面図である。
[マイクロ流路チップの構成]
図17および図18は、本発明の実施の形態2のマイクロ流路チップ400の構成を示す図である。図17Aは、マイクロ流路チップ400の平面図であり、図17Bは、図17Aに示されるB−B線の断面図である。また、図18は、マイクロ流路チップ400の部分拡大平面図である。
実施の形態2のマイクロ流路チップ400は、実施の形態1のマイクロ流路チップ100と同様に、チップ本体110および樹脂フィルム120により形成されている(図17B参照)。なお、図1〜図4に示される実施の形態1のマイクロ流路チップ100と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図17Aおよび図17Bに示されるように、マイクロ流路チップ400は、3つの有底の凹部(第1の凹部160、第3の凹部460および第4の凹部462)および1つの密閉空間(空気溜まり部150)を有する板状のデバイスである。
第3の凹部460および第4の凹部462は、第2の流路432により互いに連通している。第3の凹部460は、第2の流路432の第1の端部に形成されており、第4の凹部462は、第2の端部に形成されている。
図18に示されるように、第1の流路130および第2の流路432は、第1の連絡部134により互いに連通している。第1の連絡部134および第2の連絡部146は、いずれも第1の流路130の第2の端部に接続されている。
第2の流路432は、毛管現象により流体(液体)が移動可能な管である。第2の流路432の断面積および断面形状は、その内部を液体が毛管現象により移動可能であれば特に限定されない。たとえば、第2の流路432の断面形状は、一辺の長さ(幅および深さ)が100μm程度の略矩形である。
[マイクロ流路チップの使用方法]
次に、本実施の形態のマイクロ流路チップ400の使用方法について、図19を参照して説明する。図19Aおよび図19Bは、マイクロ流路チップ400の使用態様を説明するためのマイクロ流路チップ400の部分拡大平面図である。
次に、本実施の形態のマイクロ流路チップ400の使用方法について、図19を参照して説明する。図19Aおよび図19Bは、マイクロ流路チップ400の使用態様を説明するためのマイクロ流路チップ400の部分拡大平面図である。
まず、図19Aに示されるように、第1の凹部160に第1の液体210を提供することで、第1の流路130内に第1の液体210を導入する。次いで、第3の凹部460に第2の液体240を提供することで、第2の流路432内に第2の液体240を導入する。
第1の凹部160内の第1の液体210は、実施の形態1で説明したように、毛管現象により第1の流路130内を進み、第1の連絡部134に到達する。しかしながら、第1の連絡部134と第2の流路432との接続部はバルブとして機能するため、第1の液体210は、第2の流路432内に進むことはできない。一方、第3の凹部460内の第2の液体240は、毛管現象により第2の流路432内を進み、第4の凹部462に到達する。最終的には、第1の連絡部134と第2の流路432との接続部において、第1の液体210と第2の液体240の液液界面が形成される。
次いで、図19Bに示されるように、空気溜まり部150と外部との間に位置する樹脂フィルム120に貫通孔220を形成することで、第1の迂回流路140内の空気を空気溜まり部150から排出できるようにする。その結果、第1の迂回流路130内の第1の液体210は、毛管現象により第2の迂回流路142に移動し、第3の迂回流路144内の空気が第1の流路130内に押し出される。最終的には、第1の流路130と第1の連絡部134との接続部において、第1の液体210と第2の液体240との間に気泡230が形成される。
以上の手順により、液液界面を形成する第1の液体210と第2の液体240とを任意のタイミングで分離させることができる。
[効果]
本実施の形態のマイクロ流路チップ400は、液液界面を形成する第1の液体210と第2の液体240とを任意のタイミングで分離させることができる。
本実施の形態のマイクロ流路チップ400は、液液界面を形成する第1の液体210と第2の液体240とを任意のタイミングで分離させることができる。
たとえば、本実施の形態のマイクロ流路チップ400では、抗体を担持させた磁気ビーズを用いて、反応工程と洗浄工程を連続して行うことが可能である。具体的には、1)第1の流路130内の第1の液体210中で抗原を抗体に結合させ、2)第1の液体210と第2の液体240の液液界面を形成し、3)磁石を用いて磁気ビーズを第1の連絡部134を通して第2の流路432内の第2の液体240中に移動させ、4)第1の液体210と第2の液体240との間に気泡を形成し、5)第2の液体240で磁気ビーズを洗浄することができる。
上記1)〜5)の工程における磁気ビーズの操作は、磁石を備えた流体取扱システム300を用いることによって、自動的に行うことができる。すなわち、コーデッドプレート320の穴部326、第1のピンホルダ330の溝部334および第2のピンホルダ340の溝部344に磁石を係合させ、第2のピンホルダ340の溝部344の形状などにより1)〜5)の工程に合わせて磁石の動きを予め規定しておくことで、磁気ビーズの操作を自動的に行うことができる。
本発明の流体取扱装置は、例えば、科学分野や医学分野などにおいて使用されるマイクロチップまたはマイクロ流路チップとして有用である。また、本発明の流体取扱システムは、例えば、微量な物質の分析を高精度かつ高速に行うシステムとして有用である。
100,400 マイクロ流路チップ
110 チップ本体
112a,112b 貫通孔
114 凹部
116a〜116i 溝
120 樹脂フィルム
130 第1の流路
132,432 第2の流路
134 第1の連絡部
140 第1の迂回流路
142 第2の迂回流路
144 第3の迂回流路
146 第2の連絡部
148 第3の連絡部
150 空気溜まり部
152 空気排出流路
160 第1の凹部
162 第2の凹部
170 加熱部
210 (第1の)液体
220 貫通孔
230 気泡
240 第2の液体
300 流体取扱システム
310 駆動部ホルダ
320 コーデッドプレート
322a〜322e 溝
324 凸部
326 穴部
330 第1のピンホルダ
332a〜332e 貫通孔
334 溝部
340 第2のピンホルダ
342a〜342e 貫通孔
344 溝部
350 第3のピンホルダ
360 チップホルダ
370 駆動部
372 回転軸
380a〜380e ピン
382a〜382e ピン収容部
460 第3の凹部
462 第4の凹部
110 チップ本体
112a,112b 貫通孔
114 凹部
116a〜116i 溝
120 樹脂フィルム
130 第1の流路
132,432 第2の流路
134 第1の連絡部
140 第1の迂回流路
142 第2の迂回流路
144 第3の迂回流路
146 第2の連絡部
148 第3の連絡部
150 空気溜まり部
152 空気排出流路
160 第1の凹部
162 第2の凹部
170 加熱部
210 (第1の)液体
220 貫通孔
230 気泡
240 第2の液体
300 流体取扱システム
310 駆動部ホルダ
320 コーデッドプレート
322a〜322e 溝
324 凸部
326 穴部
330 第1のピンホルダ
332a〜332e 貫通孔
334 溝部
340 第2のピンホルダ
342a〜342e 貫通孔
344 溝部
350 第3のピンホルダ
360 チップホルダ
370 駆動部
372 回転軸
380a〜380e ピン
382a〜382e ピン収容部
460 第3の凹部
462 第4の凹部
Claims (8)
- 第1の端部および第2の端部を有し、毛管現象により流体が移動可能な第1の流路と、
外部に連通している第2の流路と、
前記第1の流路の第2の端部と前記第2の流路とを連通し、かつ前記第2の流路の断面積よりも小さい断面積を有する第1の連絡部と、
前記第1の流路に少なくとも2箇所で連通し、毛管現象により流体が移動可能な迂回流路と、
空気溜まり部と、
前記迂回流路と前記空気溜まり部とを連通する、空気排出流路と、を有し、
前記迂回流路は、前記第1の流路に連通する第1の迂回流路と、前記第1の迂回流路に連通する第2の迂回流路と、前記第2の迂回流路に連通する第3の迂回流路と、前記第3の迂回流路と前記第1の流路とを連通する第2の連絡部と、前記第2の迂回流路または前記第3の迂回流路と前記空気排出流路とを連通する第3の連絡部と、を含み、
前記第1の流路において、前記第1の迂回流路との接続部は、前記第2の連絡部との接続部よりも第1の端部側に位置し、
前記第1の迂回流路は、前記第1の流路において前記第1の迂回流路との接続部に到達した流体が、前記第1の迂回流路を通って前記第3の連絡部へ到達する前に、前記第1の流路を通って前記第2の連絡部に到達するように形成され、
前記第2の迂回流路は、前記第1の流路、前記第1の迂回流路および前記第3の迂回流路よりも毛管引力が強く、
前記第2の連絡部の断面積は、前記第3の迂回流路の断面積よりも小さく、かつ前記第2の迂回流路の断面積よりも大きく、
前記第3の連絡部の断面積は、前記空気排出流路の断面積よりも小さく、
前記空気溜まり部は、前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成できるように形成されている、
流体取扱装置。 - 前記第1の迂回流路には、前記流体の移動速度を低下させるための凸部または凹部が形成されている、請求項1に記載の流体取扱装置。
- 前記空気溜まり部と外部とを隔てる壁の少なくとも一部は、樹脂フィルムである、請求項1に記載の流体取扱装置。
- 前記樹脂フィルム上に、前記樹脂フィルムに前記貫通孔を形成するための加熱部をさらに有する、請求項3に記載の流体取扱装置。
- 請求項1に記載の流体取扱装置を使用して流体を取り扱う方法であって、
前記第1の端部から、前記第1の流路および前記第1の迂回流路内に流体を導入するステップと、
前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成して、前記第1の迂回流路内の前記流体を毛管現象により第2の迂回流路内に移動させるステップと、
前記第2の迂回流路内の前記流体を毛管現象により前記第3の迂回流路側に移動させて、前記第3の迂回流路内の空気の一部を前記第1の流路内に導入するステップと、
を含む、流体取扱方法。 - 前記空気溜まり部と外部とを隔てる壁の少なくとも一部は、樹脂フィルムであり、
前記樹脂フィルムに針を刺して、前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成する、
請求項5に記載の流体取扱方法。 - 前記空気溜まり部と外部とを隔てる壁の少なくとも一部は、樹脂フィルムであり、
前記樹脂フィルムを加熱して、前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成する、
請求項5に記載の流体取扱方法。 - 請求項1に記載の流体取扱装置と、
前記空気溜まり部と外部とを連通する貫通孔を形成するバルブ開放部と、
を有する、流体取扱システム。
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