JP2013205061A - 体表ガス中の活性酸素測定装置及び測定方法 - Google Patents

体表ガス中の活性酸素測定装置及び測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 体内活性酸素の測定は、従来から行なわれており種々の方法がある。しかしながら、これらの従来法では、装置が高価かつ大型であったり、スピントラップ剤による煩雑な前処理を必要とするなどの欠点がある。更に、採血が必要であるかプローブを穿刺して生体内に入れて血液等の体液に接触させる必要があるなど観血的または侵襲的な手法である。そこで、本発明は非侵襲的かつ簡便に生体内の活性酸素量を推定する方法を提供する。
【解決手段】 レーザー光源、サンプリングした体表ガスが導入され、そこにレーザー光を照射する反応室、レーザー光によって発生した光子信号を検知増幅する光電子増倍管、レーザー誘起蛍光信号解析システムを有するものであって、該反応室は測定時体表に直接密着させるための開口部を有する装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は体表ガス中の活性酸素測定装置及び測定方法に関するものである。
体内における活性酸素の発生は、近時の研究により人体に大きな影響を与えることが判明してきている。活性酸素自体は人体において必然的に発生するものであり、発生をゼロにすることはできない。活性酸素はその反応性の高さにより、細胞等に損傷を与え、種々の病気や老化の原因となる。
この活性酸素の発生量は個人により、また運動や食生活、その他によって異なるものである。そこで、この活性酸素量を測定し、健康状態、その他種々の病気の有無や状況の判断指標とすることが望ましい。
この体内活性酸素の測定は、従来から行なわれており、周知の電子スピン共鳴法(ESR)、活性酸素と反応して光を発する化学物質を添加して発光量から活性酸素量を計測する方法(特許文献1)、蛍光を利用した方法(特許文献2及び3)、活性酸素を捕捉するために錯体を用いる方法(特許文献4及び5)、生体内に穿刺し血液等の体液に接触させて測定する方法(特許文献6)などが考案され特許出願もされている。
また間接的な方法として水素水摂取後の呼気水素計測によるヒト全身の活性酸素種推定法も考案されている(特許文献7)
しかしながら、これらの従来法では、ESRはスペクトルから活性酸素種の同定ができ、強度から濃度の測定ができる反面、装置が高価かつ大型であるために導入が容易ではない。また、寿命の短い活性酸素を固定するためにスピントラップ剤による煩雑な前処理を必要とするなどの欠点がある。その他、発光や蛍光を利用した活性酸素計測手法においても、試薬の反応の場が液体を原則としているために、採血が必要であるかプローブを穿刺して生体内に入れて血液等の体液に接触させる必要があるなど観血的または侵襲的な手法である。
更に、これらの方法は、活性酸素との反応生成物を観測するものであり、直接活性酸素を測定するものではなかった。
また、体表ガスの1つである皮膚ガスには活性酸素が含まれていることが種々の実験により判明した。この活性酸素が体内活性酸素と相関関係があると想像されるが、完全に実験で確かめたものではない。ここでいう皮膚ガスとは、人の皮膚から放出される気体である。
体表ガスの測定は従来から行なわれている。例えば、特許文献8には皮膚ガスの収集装置と測定装置が記載されている。しかし、このような方法では、活性酸素のような微量成分は検出できない。
WO03/038429 特開平10−332667 WO2005/103282 WO2004/074828 WO03/054536 特開2002−055078 特開2010−235771 特開2002−195919
そこで、本発明は非侵襲的かつ簡便に体表ガスの活性酸素量を測定する方法を提供する。それによって生体内の活性酸素量を求める(推定する)ことが可能である。
以上のような現状に鑑み本発明者等は、鋭意研究の結果本発明活性酸素測定装置及び方法を完成したものであり、その特徴とするところは、装置にあっては、レーザー光源、サンプリングした体表ガスが導入され、そこにレーザー光を照射する反応室、レーザー光によって発生した光子信号を検知増幅する光電子増倍管及びレーザー誘起蛍光信号解析システムを有するものであって、該反応室は測定時体表に直接密着させるための開口部を有する点にあり、また他の態様装置では、置にあっては、レーザー光源、標準ガスが導入可能な体表ガスサンプリング室、サンプリングした体表ガスが導入され、そこにレーザー光を照射する反応室、レーザー光によって発生した光子信号を検知増幅する光電子増倍管及びレーザー誘起蛍光信号解析システムを有するものであって、該サンプリング室は測定時、体表に直接密着されるか人体の一部を挿入して用いるものであり、該反応室にはサンプリング室から体表ガスを反応室に吸引するための吸引装置が接続されている点にあり、方法にあっては、体表ガスをサンプリングし、該サンプリングガスを反応室に導き、該反応室内においてレーザー光を照射し、発生する光子を測定し、それによって定量する点にある。
本発明装置及び方法は、その微量成分測定において、レーザー誘起蛍光法(LIF)を使用するものである。よって、その原理を簡単に説明する。
ここで、活性酸素としてOHラジカルを測定するとする。
まず、OHラジカルにレーザー光が照射されると、そのエネルギーを吸収し励起状態に遷移する。そして、0.7マイクロ秒程度の寿命の後、光を放出しエネルギーを失う。この放出された光を検出して測定するものである。これが、レーザー分光法でよく用いられるレーザー誘起蛍光法という検出手法であり、分子の検出感度は通常の質量分析法などに比べ数万倍高い。
本発明でいう体表ガスは、前記したとおり皮膚、その他眼球結膜、唇、爪など体の一部から放出されるガスをいう。
本発明でいう活性酸素は、前記したOHラジカル(ヒドロシキラジカル)だけでなく、スーパーオキシド、過酸化水素等一般的に活性酸素と呼ばれるものを含む。
まず最初請求項1に記載の発明について、その語句の意味から説明する。
レーザー光源は通常のパルスレーザーでよく、波長は検出する活性酸素の種類によって選択すればよい。ヒドロキシラジカルの場合、周知のように約308nmである。このレーザー光が強すぎると、散乱光による迷光や多光子過程により不要な分子が生成しノイズが発生する。また、弱すぎると十分な信号強度が得られない。よって、レーザー光を適度な強度に調整する必要がある。
ここでは、50〜100μJ程度が好適である。この調整には、光量調整フィルターを用いるのがよい。
また、レーザー光の波長分解能は、通常の色素レーザーの発振で得られる波長分解能があれば十分である。例えば、0.1〜0.5cm-1程度で十分である。後述する実施例では、0.2cm-1のものを使用した。
反応室は、導入された体表ガス中の活性酸素にレーザー光が照射されるチャンバーである。この反応室には、体表ガスを取り込むための開口部が設けられている。この開口部は、測定時に体表と密着できる構造になっている。例えば、開口部の周囲に弾性体のパッキンが設けられているもの、開口の形状が腕の局面に沿った形状のもの、その他である。
この反応室には、反応距離を増やすためのミラーを設けてもよい。これは請求項2の発明も同様である。
光電子増倍管は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、電流増幅機能をも有するものである。通常のレーザー誘起蛍光法で使用するもの等でよい。また、増倍管の前に偏向フィルターを設けてもよい。反応室出側から光電子増倍管までは検出部ともいうべき部分である。この光電子増倍管は、一分子計測が可能なものが望ましい。この光電子増倍管からの信号は直接又は増幅器を介してフォトカウンターにより計測する。
フォトカウンターは、十分に速い応答速度を有するものが望ましい。例えば、分解能が100〜500MHz程度である。実験で用いたものは、300MHzであった。
レーザー誘起蛍光信号解析システムは、前記光電子増倍管からの電気エネルギー(電気信号)を解析(濃度変換その他)し、記憶し、可視化するものでコンピューターで行なうものである。これも通常のレーザー誘起蛍光法で用いるものでよい。
請求項1記載の発明は、反応室を直接体表に当てて測定するものであって、被検者は腕等を出すだけでよい。反応室が直接サンプリングするため、装置が簡単である。測定は反応室を体表に当てて、装置をスタートさせるだけである。
次に請求項2に記載の発明について説明する。特別に説明しない限り、同一の用語は請求項1と同様である。
本発明でいう標準ガスとは、アルゴン等のイナートガス、高純度空気、その他活性酸素と反応しない気体をいう。
体表ガスサンプリング室とは、人体がアクセス可能(接触又は挿入可能)なもので大気開放口、標準ガス導入口、後述する反応室との連絡口を有するチャンバーである。大きさとしては指が入る程度のものから平面視30cm×30cm程度のものまで可能である。大きいものは腹や背に密着させて使用できる。
この体表ガスサンプリング室は、活性酸素と反応しないものが望ましい。即ち、金属では活性酸素と直ちに反応し活性酸素が消滅する可能性があるためである。よって、活性酸素との反応性がほとんどないテフロン(登録商標)等の合成樹脂で内部をコーティングすることが好ましい。勿論、全体を合成樹脂製にしてもよい。
体表ガスサンプリング室は、体表から放出されたガスを集めるチャンバーであり、ここから後述する反応室へ送られる。構造としては、体表と接触密着できるか又は体の一部が挿入できる開口、標準ガスが導入される標準ガス入口、反応室へ繋がる送出口が設けられている。
また、危険防止の観点から、体表留置付近にはメッシュ状の網を設けることや、誤挿入防止用のシャッター等を設けてもよい。
標準ガスの導入方法はどのような方法でもよいが、ボンベから圧力調整弁を介してサンプリング室に導入するのが簡単である。導入する圧は低くてよく、大気が流入しない程度の圧があればよい。限定はしないが、例えば、100〜500mm水柱程度である。
この標準ガスは、測定中に大気の流入を防止するだけでなく、前回の測定の体表ガスをパージし、前回の体表ガスとの混合を防止するためと、サンプリング室内の体表ガス以外のガスに活性酸素が含まれないようにするためにも用いられるものである。
測定の1例を示すと、測定開始前、手をサンプリング室に入れ、標準ガスを流し始め、且つ、後述する吸引ポンプを稼動し、数分放置し,体表ガスが装置内に充満したのち測定を開始する等である。勿論、稼動の順は自由である。
請求項2の発明の反応室は、サンプリング室から導入された体表ガス中の活性酸素にレーザー光が照射されるチャンバーである。サンプリングガスが導入され、それが排出される排出口があり、レーザー光が通過する構造となっている。
また、レーザー光の通過路や活性酸素から放出された光の通過路には 光バッフルを設けるのがよい。
この反応室の排出口は、反応室のガスを吸引するための吸引ポンプと接続されている。この吸引力によって、サンプリング室から反応室へガスが導入されるとも言える。また、このポンプの吸引によって、不純物である大気を吸引しないようにする。即ち、前記した標準ガスがサンプリング室に導入される量以上に吸引しないようにするということである。これも流量調整弁等で簡単にできる。
手等の体表ガス放出部から、この反応室のレーザー光通過部分との間で、活性酸素が何らかの反応で消滅すると誤差になることは明らかである。勿論、そのような反応が起こらないように標準ガスを使用したり、各壁面を合成樹脂コーティングする等のことが考えられるが、基本的にこの距離が短ければその可能性が減少することも当然のことである。また、体表放散による拡散希釈もある。よって、その距離をできるだけ短くするように装置を設計することも重要である。例えば、体表表面から、1cm以内のところをレーザー光が通過する等である。
勿論、レーザー光による人体への影響があるため、人体(指等)はレーザー光の通過路には入れることができない構造にする等である。
また、レーザー散乱によるバックグラウンドが問題になるため、反応室等の寸法とレーザー光強度を調整しながらS/Nの改善を図ることもよい。これらのことは請求項1の装置も同様である。
以上説明した本発明には次のような効果がある。
(1) 非侵襲で、体表ガスの活性酸素が測定できる。
(2) 検出にレーザー誘起蛍光法を用いているため、活性酸素の検出感度がフェムトmol/min/m2、時間分解能100msecが可能になる。これは、従来の体表ガス測定装置では不可能な数値である。
(3) 体表から放出される活性酸素が超高感度・簡便・迅速かつ安全に検出できることとなり、それも1〜10分以内で可能である。
(4) 種々の酸化ストレス疾患に関連する未病の予防や早期診断・早期治療,治療効果判定などを健診や外来,ベッドサイドなどの医療現場で幅広く利用可能となる。
(5) 非侵襲的に活性酸素を直接計測可能にすることにより、従来活性酸素により化学的修飾を受けた代謝産物から間接的にみていた酸化ストレスマーカに代わり、その根源となる活性酸素のその場計測による健康診断が可能になる。
(6) 体表の活性酸素測定による厳密な臨床的意義付けは、本システムが臨床普及した段階での大規模臨床試験を待たなければならないが、本開発装置による臨床データが蓄積されることにより、活性酸素が関与する種々の生活習慣病(肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症、がんなど)、アレルギー性疾患・感染症・免疫性疾患などのきわめて多くの疾患の早期診断とそれを活用した早期予防・治療効果の判定が可能となる。
(7) 脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などに伴う虚血性再灌流性障害は臨床的にきわめて重要な克服すべき課題であり、活性酸素生成のモニタリングや治療効果の判定に応用可能になれば救急救命をはじめとした種々の臨床現場にも活用できる可能性がある。
(8) 健康の維持増進を目的とする栄養摂取・身体活動・睡眠・余暇など生活習慣の指導・管理指標としても活用できる。
(9) さらに運動に伴うラジカル生成量からスポーツ医学分野や健康維持のための運動処方が可能となる。
(10) 超小型安価な製品化が可能になれば,在宅でもできる自己診断機器として発展できる可能性がある。
(11) システム構成のうち、サンプリング室の形状・大きさを変えることにより、被検体は体表のみならず、ヒトの全身のみならず有機・無機・生命体の表面から放出されるガス中の活性酸素種の検知も可能である。
本発明装置の1例の概略断面図である。 本発明装置の他の例の概略断面図である。 本発明装置を用いて測定した体表ガスのスペクトラムのグラフである。 本発明装置を用いて測定した体表ガスの他のスペクトラムのグラフである。 本発明装置を用いて測定した体表ガスのLIF信号強度のグラフである。
以下図面に示す実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、発明をこれに限定するものではない。
図1は、請求項1に記載の本発明装置1の1例を示す概略断面図である。
装置1は、反応室2、レーザー光源(図示せず)、検出部3、コンピューター4及び電源5から構成されている。反応室2には、レーザー光源からのレーザー光が通過する貫通孔6が設けられ、その貫通孔6を含むように光通過管7が取り付けられている。この検出部3には、偏光フィルター8と光電子増倍管9が設けられている。光通過管7や検出部3は光が通過する部分であり、ここには光バッフル10を設けている。また、安全のためレーザー光が外に漏れないようにするダンパー20が設けられている。
この反応室2には、測定時体表に直接密着させるための開口部11があり、その周囲は弾性体(ゴム)で構成されている。この図は、腕12にこの開口部11を押し当てているところである。
測定は、この図の状態で少し待ち(1〜5分程度)、レーザー光源やその他の装置をスタートさせるだけでよい。
図2は、請求項2に記載の発明の1例を示す断面図である。図1と同じものは原則として同じ番号を付している。
体表ガスサンプリング室13には、手を挿入する開口14、標準ガスを導入する標準ガス入口15、及び反応室2に繋がる送出口16が設けられている。この体表ガスサンプリング室13の内壁はテフロン(登録商標)コーティングされている。
標準ガス(ここでは高純度空気)は、ガスボンベ17から、減圧弁18及び流量調整弁19を通りサンプリング室13に導入される。送出口16は反応室2に接続している。反応室2は、図1と同様レーザー光源(図示せず)からのレーザー光が通過する貫通孔6が設けられ、その貫通孔6を含むように光通過管10が取り付けられている。また、安全のためレーザー光が外に漏れないようにするダンパー20が設けられている。
反応室2には、検出部3が接続されている。図1と同様この検出部3には、偏光フィルター8と光電子増倍管9が設けられている。光通過管7や検出部3は光が通過する部分であり、ここには光バッフル10を設けている。
この検出部3にはガスを吸引する吸引ポンプ21が、流量調整弁22を介して接続されている。光電子増倍管9には電源5が接続され、からコンピューター4へ信号配線が接続されている。
測定方法は、まず被検者の手をサンプリング室13に挿入し(標準ガスの導入後でもよい)、次いで標準ガスをサンプリング室13に導入する。吸引ポンプ20を稼動し(最初から稼動していてもよい)、数分経過(時間は限定しない)、計測を開始するだけでよい。データの解析やグラフ化、その他はコンピューター4によって行なわれる。
図2のシステムを用いてレーザー波長を変化させた場合の手掌から放出される体表ガスのスペクトラムを測定した。測定は各波長で500ショットの積算を行い、20回の繰り返しで、全体で10000ショットの平均をプロットした。500ショットごとにバックグラウンドの信号を測定し、その差分をプロットすることで手掌から放出されている体表ガスの同定を試みた。その結果を図3に示す。図中の実線はシミュレーションにより得られたものであり、ピークの位置から、この成分はヒドロキシラジカルのOH(A2Σ←X2Π)遷移におけるQ1(1)の回転線に相当することが分かった。
本システムを用いて被験者3名の手掌ヒドロキシルラジカル計測を行った結果を図4に示した.ブランク5分→手掌(10分)→ブランク5分→手掌(10分)→ブランク5分の順に実施した。ブランクは遮光用布地をカバーした状態、手掌はサンプリング室に手を挿入した状態である。手を挿入すると明らかにLIF信号が再現性よく上昇することが分かる。
ビタミンCとビタミンEは強力な抗酸化剤である。ビタミンCはスーパーオキサイド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルなどほぼ全ての活性酸素種を消去する作用があり、ビタミンEはヒドロキシラジカルに対して強力な消去作用がある。本発明装置を用いてそれらの体表から放出されるヒドロキシルラジカルを消去するか否かを検討した。下記の実験は3日以上の間隔を空けて行った。
本発明装置を用いて予め内服前の手掌ヒドロキシルラジカルを計測した。計測終了後直ちにビタミンC2g含有の水溶液50mLを服用した後、同様の計測を2時間後に実施した。手掌LIFカウント/バックグラウンドカウントの比率は、内服前が1.16±0.04(平均±標準偏差、以下同様)であったのが、ビタミンC内服後は1.03±0.03と統計的に有意に低下した(危険率p=0.009)。図5(a)に示す。
同様にして、内服前の手掌ヒドロキシルラジカル計測を行い、次いでビタミンE(100mgカプセル)3カプセル+水50mLを内服後、2時間後に同様の実験を実施した。LIFの手掌カウント/バックグラウンドカウントの比率は、内服前が1.14±0.09であったのが、ビタミンC内服後は1.00±0.04となり統計的に有意に低下した(危険率p=0.013)。図5(b)に示す。
以上のように本発明システムを用いることで体表からヒドロキシルラジカルが放出されていることを証明できた。
1 本発明装置
2 反応室
3 検出部
4 コンピューター
5 電源
6 貫通孔
7 光通過管
8 偏光フィルター
9 光電子増倍管
10 光バッフル
11 開口部
12 腕
13 体表ガスサンプリング室
14 開口
15 標準ガス入口
16 送出口
17 ガスボンベ
18 減圧弁
19 流量調製弁
20 ダンパー
21 吸引ポンプ
22 流量調整弁

Claims (5)

  1. レーザー光源、サンプリングした体表ガスが導入され、そこにレーザー光を照射する反応室、レーザー光によって発生した光子信号を検知増幅する光電子増倍管及びレーザー誘起蛍光信号解析システムを有するものであって、該反応室は測定時体表に直接密着させるための開口部を有することを特徴とする体表ガス中の活性酸素測定装置。
  2. レーザー光源、標準ガスが導入可能な体表ガスサンプリング室、サンプリングした体表ガスが導入され、そこにレーザー光を照射する反応室、レーザー光によって発生した光子信号を検知増幅する光電子増倍管及びレーザー誘起蛍光信号解析システムを有するものであって、該サンプリング室は測定時、体表に直接密着されるか人体の一部を挿入して用いるものであり、該反応室にはサンプリング室から体表ガスを反応室に吸引するための吸引装置が接続されていることを特徴とする体表ガス中の活性酸素測定装置。
  3. 該反応室に反応の距離を増やすためのミラーを備えるものである請求項1または2記載の体表ガス中の活性酸素測定装置。
  4. 該体表ガスサンプリング室は、合成樹脂製であるか、又はその内壁の一部又は全部が合成樹脂コーティングされているものである請求項2または3記載の体表ガス中の活性酸素測定装置。
  5. 体表ガスをサンプリングし、該サンプリングガスを反応室に導き、該反応室内においてレーザー光を照射し、発生する光子を測定し、それによって定量することを特徴とする体表ガス中の活性酸素の測定方法。
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