JP2013204278A - サイホン式取水システム、抜気部接続継手および通水開始方法 - Google Patents

サイホン式取水システム、抜気部接続継手および通水開始方法 Download PDF

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Abstract

【構成】 サイホン式取水システム10は、堤体100を跨いで敷設されるサイホン管12を含む。サイホン管12の堤体頂部管路12bの管頂には、サイホン管12内の空気を吸引する抜気装置40が接続される。また、サイホン式取水システム10は、給水側管路12cに対して呼び水を優先的に注水するための注水部48を備える。サイホン起動時には、注水ポンプ60を用いて注水部48から給水側管路12cに対して呼び水を優先的に注水して、給水側管路12cを満水状態とした後、抜気装置40を用いて水源側管路12aに呼び水を吸引して、サイホン管12全体を満水状態にする。
【効果】 サイホン管の水源側管路に逆止弁を設ける必要がなく、サイホン起動時にサイホン管内を効率的に満水状態にすることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明はサイホン式取水システム、抜気部接続継手および通水開始方法に関し、特にたとえば、堤体を挟んで位置する水源から給水先に対して水を供給する、サイホン式取水システム、抜気部接続継手および通水開始方法に関する。
従来のサイホン式取水システムの一例が特許文献1および2に開示されている。特許文献1のサイホン式取水装置では、サイホン管の最高地点に気泡捕捉室が設けられ、その気泡捕捉室には、サイホン管より小径の補助サイホン管が接続されている。サイホンを引き起こす起動時(通水時)には、サイホン管の給水側管路と水源側管路とに設けられた遮断弁のそれぞれを閉じた後、注水ポンプを用いて、気泡捕捉室の上端に接続された注水管からサイホン管内に呼び水を注水し、サイホン管内を満水状態にするようにしている。
また、特許文献2のサイホン式表層水取水装置では、取水管の水源側端部に接続される取水筒内に逆止弁が設けられている。通水時には、取水管の給水側管路に設けられた取水弁を閉じた後、注水ポンプを用いて、取水管の天端部分に設けられる呼び水注水弁から取水管内に呼び水を注水し、取水管内を満水状態にするようにしている。この際、取水管の水源側では、取水筒内の逆止弁が機能して呼び水の漏れが防止される。
特開2001−45889号公報 [A01G 25/00] 実用新案登録第3094175号公報 [E02B 7/20]
サイホン式取水システムにおける通水時には、先ず、サイホン管内に呼び水を充満させる必要がある。注水ポンプを用いてサイホン管内に呼び水を注水する場合には、注水した呼び水が排出されてしまわないようにするため、特許文献1および2の技術のように、サイホン管の水源側管路に逆止弁(仕切弁)またはその代替物が設けられる。しかしながら、サイホン管の水源側管路に設けられる逆止弁は、基本的に呼び水を注水する通水時のみに機能するものであり、通常の給水時には、水の流れの抵抗となって圧力損失の原因となってしまう。また、逆止弁を設けると、そのメンテナンスも必要となるので、サイホン管の水源側管路に対しては、逆止弁を設けない方が好ましい。
一方、真空ポンプを用いてサイホン管内に呼び水を吸引する方法であれば、水源側のサイホン管に逆止弁を設ける必要はない。しかしながら、真空ポンプを用いてサイホン管内の全体を満水状態にしようとすると、時間がかかり、効率が悪い。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、サイホン式取水システム、抜気部接続継手および通水開始方法を提供することである。
この発明の他の目的は、サイホン管の水源側管路に逆止弁を設ける必要がなく、かつ効率的にサイホンによる給水を開始できる、サイホン式取水システム、抜気部接続継手および通水開始方法を提供することである。
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および捕捉説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、堤体を挟んで位置する水源から給水先に対して水を供給するサイホン式取水システムであって、堤体を跨いで水源から給水先に延びるサイホン管、サイホン管の給水側管路に設けられる仕切弁、サイホン管の堤体頂部管路の管頂部から空気を吸引する抜気装置、およびサイホン起動時にサイホン管の給水側管路に対して呼び水を優先的に注水するための注水部を備える、サイホン式取水システムである。
第1の発明では、サイホン式取水システム(10)は、サイホンの原理を利用して水を搬送するシステムであり、堤体(100)を跨いで水源(102)から給水先(106)に延びるサイホン管(12)を含む。サイホン管の給水側管路(12c)には、サイホンを起動する際にサイホン管を下流側で止水するための仕切弁(16)が設けられ、サイホン管の堤体頂部管路(12b)の管頂部には、サイホン管内の空気を抜き取るための抜気装置(38,40)が接続される。また、サイホン式取水システムは、サイホン起動時にサイホン管の給水側管路に対して呼び水を優先的に注水するための注水部(48,62)を備える。この注水部には、注水管(58)を介して注水ポンプ(60)が接続される。
このようなサイホン式取水システムにおいてサイホンを起動させる際には、注水ポンプを用いて注水部からサイホン管の給水側管路に対して呼び水を優先的に注水して、サイホン管の給水側管路を満水状態とした後、抜気装置を用いてサイホン管の水源側管路(12a)に呼び水を吸引して、サイホン管全体を満水状態にする。
第1の発明によれば、サイホン管の水源側管路に逆止弁を設ける必要がなく、サイホン起動時にサイホン管内を効率的に満水状態にすることができる。逆止弁が不要となることによって、逆止弁の設置コストや整備コストを低減できる上、サイホン管内の圧力損失を低減できるので、サイホン機能を向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、注水部は、サイホン管の給水側管路に設けられる分岐管を含む。
第2の発明では、注水部(48)は、たとえばサドル継手を用いて形成され、サイホン管(12)の給水側管路(12c)に設けられる。注水部が給水側管路に設けられるので、呼び水は給水側管路に対して優先的に注水される。
第3の発明は、第1の発明に従属し、サイホン管の堤体頂部管路に設けられる、給水側管路に向かって鋭角に合流する分岐管を含む。
第3の発明では、注水部(62)は、サイホン管(12)の堤体頂部管路(12b)に設けられる。この注水部は、給水側管路(12c)に向かって鋭角に、つまり傾斜角度を持ってサイホン管の堤体頂部管路に合流する。注水部が給水側管路に向かって鋭角に合流するので、呼び水は給水側管路に対して優先的に注水される。
第3の発明によれば、サイホン管の堤体頂部管路(つまり水平部分)に注水部を設けながらも、給水側管路に対して優先的に呼び水を注水できる。注水部を堤体頂部管路に設けることによって、注水部の設置作業およびメンテナンスが容易となり、作業の安全性も向上する。また、注水部に接続する注水管の配管作業も容易となり、その配管長さも短くすることもできる。
第4の発明は、第1ないし第3のいずれかの発明に従属し、サイホン管の堤体頂部管路の管頂部に接続される気体捕捉タンクを備え、抜気装置は、気体捕捉タンクに接続される。
第4の発明では、サイホン管(12)の堤体頂部管路(12b)の管頂部には、サイホン管内で発生する空気を捕捉して一時的に溜めておくための気体捕捉タンク(24)が接続され、この気体捕捉タンクに対して抜気装置(38,40)が接続される。
第5の発明は、第4の発明に従属し、気体捕捉タンクは、抜気部接続継手を介してサイホン管の堤体頂部管路に設けられ、給水側管路に向かって鋭角に合流する分岐管は、抜気部接続継手に形成される。
第5の発明では、気体補足タンク(24)は、抜気部接続継手(22)を用いてサイホン管(12)の堤体頂部管路(12b)に接続される。そして、注水部(62)は、抜気部接続継手に一体的に形成される。
第5の発明によれば、抜気部接続継手に注水部を一体的に形成しているので、注水管を接続するための注水管接続継手を別途設ける必要がなくなる。したがって、部材数および設置の手間を削減でき、材料コストおよび施工コストを縮減できる。
第6の発明は、サイホン式取水システムにおいて、サイホン管の堤体頂部管路に抜気部を接続するために用いられる抜気部接続継手であって、両端部が堤体頂部管路と接続される継手本体、継手本体の管頂から垂直方向に分岐する接続部、および継手本体に対して鋭角に合流する注水部を備える、抜気部接続継手である。
第6の発明では、抜気部接続継手(22)は、継手本体(28)を備え、サイホン管(12)の堤体頂部管路(12b)に対して気体補足タンク(24)などの抜気部を接続するために用いられる。継手本体は、両端部(26)がサイホン管の堤体頂部管路と接続されて堤体頂部管路の一部となる。継手本体には、管頂から垂直方向に分岐する接続部(32)が形成されると共に、継手本体の管軸方向に対して鋭角に設けられる注水部(62)が形成される。この抜気部接続継手をサイホン管の堤体頂部管路に設置する際には、注水部がサイホン管の給水側管路(12c)に向かって鋭角に合流するように設置される。そして、注水部には、注水管(58)を介して注水ポンプ(60)が接続される。
第6の発明によれば、サイホン管の堤体頂部管路に注水部を設けながらも、サイホン管の給水側管路に対して優先的に呼び水を注水できるサイホン式取水システムを構築できる。また、サイホン式取水システムに対して、注水管を接続するための注水管接続継手を別途設ける必要がなくなるので、部材数および設置の手間を削減でき、材料コストおよび施工コストを縮減できる。
第7の発明は、サイホン式取水システムにおいて、サイホンを起動させて通水を開始する通水開始方法であって、注水ポンプを用いてサイホン管の給水側管路に対して呼び水を優先的に注水して、給水側管路を満水状態とした後、サイホン管の堤体頂部管路に接続される抜気装置を用いてサイホン管の水源側管路に呼び水を吸引して、サイホン管全体を満水状態にする、通水開始方法である。
第7の発明では、サイホン式システム(10)においてサイホンを起動させる際に、つまりサイホン管(12)内に呼び水を充満させる際に、先ず、注水ポンプ(60)を用いてサイホン管の給水側管路(12c)に対して呼び水を優先的に注水して、給水側管路を満水状態とする。その後、サイホン管の堤体頂部管路(12b)に接続される抜気装置(40)を作動させ、サイホン管の水源側管路に対して呼び水を吸引して、サイホン管全体を満水状態にする。
第7の発明によれば、サイホン管の水源側管路に逆止弁を設ける必要がなく、サイホン起動時にサイホン管内を効率的に満水状態にすることができる。逆止弁が不要となることによって、逆止弁の設置コストや整備コストを低減できる上、サイホン管内の圧力損失を低減できるので、サイホン機能を向上させることができる。
この発明によれば、サイホン管の水源側管路に逆止弁を設ける必要がなく、サイホン起動時にサイホン管内を効率的に満水状態にすることができる。逆止弁が不要となることによって、逆止弁の設置コストや整備コストを低減できる上、サイホン管内の圧力損失を低減できるので、サイホン機能を向上させることができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明のサイホン式取水システムの一実施例を示す側面図である。 図1のサイホン式取水システムを示す平面図である。 図1のサイホン式取水システムの気体捕捉タンク部分を拡大して示す部分拡大図である。 図1のサイホン式取水システムの注水部部分を拡大して示す部分拡大図である。 この発明のサイホン式取水システムの他の実施例を示す側面図である。 図5のサイホン式取水システムを示す平面図である。 図5のサイホン式取水システムの気体捕捉タンク部分を拡大して示す部分拡大図である。 図5のサイホン式取水システムが備える抜気部接続継手を示す正面図である。 図8の抜気部接続継手を示す平面図である。 図8の抜気部接続継手を示す左側面図である。 抜気部接続継手の他の一例を示す正面図である。 図11の抜気部接続継手を示す平面図である。 図11の抜気部接続継手を示す左側面図である。 この発明のサイホン式取水システムのさらに他の実施例の気体捕捉タンク部分および注水部部分を拡大して示す部分拡大図である。
図1および図2を参照して、この発明の一実施例であるサイホン式取水システム(以下、単に「システム」という。)10は、堤体100を挟んで位置する貯水池などの水源102から反対側の圃場104のパイプライン等(給水先)106に対して、サイホンの原理を利用して水を搬送するシステムであり、堤体100を跨いで敷設されるサイホン管12を備える。
サイホン管12は、水源側管路12a、堤体頂部管路12bおよび給水側管路12cを含み、ポリエチレン等の合成樹脂製や金属製の管などを適宜接続することによって配管される。ここで、堤体頂部管路12bとは、堤体100の頂部平坦部分に配管される管路である。また、水源側管路12aとは、堤体頂部管路12bより水源102側に配管される管路であり、具体的には、取水口14から水源102側の傾斜部上端に至るまでの管路である。さらに、給水側管路12cとは、堤体頂部管路12bより給水先106側に配管される管路であり、具体的には、給水先106側の傾斜部上端からサイホン仕切弁16に至るまでの管路である。サイホン管12の径は、取水規模に応じて適宜設定され、たとえば50−300mmφである。
水源側管路12aの上流部分は、フレキシブル管となっており、その上流端である取水口14には、取水フロート20が設けられる。取水フロート20は、水源102の表面付近の比較的温度が高い水を取水するためのものであり、水源102の水位の変動に合わせて取水口14を上下動させる。
堤体頂部管路12bには、抜気部接続継手22を介して気体捕捉タンク24が接続される(詳細は図3参照)。気体捕捉タンク24は、サイホン管12内で発生する空気(気体)を捕捉して一時的に溜めておくものである。抜気部接続継手22は、堤体頂部管路12bに抜気部を設けるための継手であり、この実施例では、両端部26が堤体頂部管路12bと接続されて堤体頂部管路12bの一部となる継手本体28と、継手本体28の管頂から垂直方向に分岐して、上端部30が気体捕捉タンク24と接続される接続部32とを備えるT字継手である。また、継手本体28の両端部26は、電気融着受口であり、接続部32の上端部32は、フランジである。
気体捕捉タンク24の下部には、サイホンを起動する際の注水時にサイホン管12内の空気を排出する注水時排気弁34が設けられる。また、気体捕捉タンク24の頂部には、抜気チューブ36を介して抜気フロート38が接続される。抜気フロート38は、気体捕捉タンク24内(延いてはサイホン管12内)の空気を抜き取るためのものであり、抜気装置40を備えている。抜気装置40としては、公知の真空ポンプを用いるとよく、たとえば、特開2006−283733号公報に開示される気液混合物吸込装置を好適に用いることができる。さらに、気体捕捉タンク24には、気体捕捉タンク24内の水位を検知する水位検知器42が設けられており、水位検知器42には、ケーブル44を介して制御盤46および抜気フロート38が接続される。水位検知器42が検出した気体捕捉タンク24内の水位データは、制御盤46に送信される。制御盤46は、気体補足タンク24内の水位が設定値以下になると(つまり気体補足タンク24内に空気が溜まった状態になると)、抜気フロート38の抜気装置40を作動させて、気体補足タンク24内の空気を自動的に抜き取る。
給水側管路12cの下流端には、サイホン仕切弁16を介して灌水用のパイプライン106が接続される。サイホン仕切弁16は、サイホンを起動する際にサイホン管12の下流端を止水して、注水した呼び水をサイホン管12内に留めておくための仕切弁である。また、給水側管路12cの上流部には、サイホンを起動する際に呼び水をサイホン管12内に注水するための分岐管である注水部48が設けられる。この実施例では、注水部48は、給水側管路12cの外面に融着されるサドル部50と、サドル部50の外面から立ち上がる分岐部52と、分岐部52の外面から側方に突出する注水管接続部54とを備えるEFサドル継手によって形成される(詳細は図4参照)。この注水部48(注水管接続部54)には、注水管56および注水バルブ58を介して注水ポンプ60が接続される。注水管56の径は、たとえば30−80mmφである。なお、注水部48の態様は、注水管56を接続できる態様であれば特に限定されず、注水部48を設ける位置も、給水側管路12cであれば特に限定されない。
続いて、システム10においてサイホンを起動させて通水を開始する方法(つまりサイホン管12内に呼び水を充満させる方法)について説明する。先ず、サイホン管12の下流端に位置するサイホン仕切弁16を閉じ、気体捕捉タンク24に設けられる注水時排気弁34を開く。次に、注水管56に設けられる注水バルブ58を開き、注水ポンプ60を起動させて水源102の水を汲み上げ、注水部48からサイホン管12内に呼び水として注水する。この際、注水部48が給水側管路12cに設けられているので、呼び水は、給水側管路12cから優先的に充満されることとなる。そして、注水時排気弁34から水が出てくるのが確認されたら、つまり給水側管路12cが満水状態となったら、注水ポンプ60を停止し、注水バルブ58および注水時排気弁34を閉じる。
次に、制御盤46の電源を入れ、制御盤46を運転状態にする。この時点では、気体補足タンク24内は、空気が充満しており所定水位以下であるため、抜気フロート38の抜気装置40が作動され、気体補足タンク24内の空気が抜気される。これにより、気体補足タンク24内およびサイホン管12内が減圧状態となり、水源102から水源側管路12a内に対して呼び水が吸い上げられる。この際、給水側管路12cは既に満水状態であるので、抜気装置40によって水源側管路12aに対して容易に水を吸い上げることができる。その後、気体補足タンク24内が満水状態になったことが確認されたら、つまりサイホン管12内全体が満水状態となったら、サイホン仕切弁16を開く。これにより、サイホンの原理による通水が開始される。
このように、システム10では、注水ポンプ60を用いてサイホン管12の給水側管路12cを先に満水状態とした後、抜気フロート38の抜気装置40を用いて水源側管路12a内に水源102から呼び水を吸引して、サイホン管12内全体を満水状態にする。このため、水源側管路12aに逆止弁を設けることなく、サイホン管12全体を効率的に満水状態とすることができる。また、システム10では、サイホン管12の水源側管路12a内に呼び水を注水する際には、気体捕捉タンク24内に溜まった空気を抜き取るための抜気装置40を用いているので、サイホン起動時にサイホン管12内に呼び水を吸い込むための真空ポンプ等を別途設置する必要がない。
ここで、注水ポンプ60と抜気装置40とを組み合わせてサイホン管12内に呼び水を充満させる場合でも、従来のサイホン式取水システムのように、堤体頂部管路12bの管頂から鉛直方向に呼び水を注水すると、注水した呼び水は、水源側管路12aおよび給水側管路12cの双方に流れる。このため、給水側管路12cに呼び水を充満するのに時間がかかってしまう上、水源側管路12aに流入した呼び水は、取水口14から外部に排出されてしまうので無駄が生じる。この点、システム10では、給水側管路12cから優先的に呼び水が注水されるので、給水側管路12cを速やかに満水状態とすることができ、注水の無駄も生じ難い。なお、本願発明において、給水側管路12cを満水状態とした後とは、厳密な意味での満水ではなく、本願発明の作用効果を奏しうる範囲で、ほぼ満水に近い状態も含む概念として使用している。
この実施例によれば、サイホン管12の水源側管路12aに逆止弁を設ける必要がなく、かつ効率的にサイホンによる給水を開始することができる。逆止弁が不要となることにより、逆止弁の設置コストや整備コストを低減できる。また、サイホン管12内の圧力損失を低減できるので、サイホン機能を向上させることができる。
図5−図7には、この発明の他の実施例であるシステム10を示す。図5に示す実施例は、簡単に言うと、給水側管路12cに注水部48を設ける代わりに、堤体頂部管路12bに注水部62を設けながらも給水側管路12cに対して優先的に呼び水を注水できる構成を有するものである。なお、これ以外の基本的構成に関しては、図5に示す実施例は、図1に示す実施例とほぼ同じであるので、共通する部分については同じ番号を付し、重複する説明は省略する。
図5−図7を参照して、サイホン管12の堤体頂部管路12bには、抜気部接続継手22を介して気体捕捉タンク24が接続される。抜気部接続継手22は、図8−図10に示すように、両端部26が堤体頂部管路12bと接続されて堤体頂部管路12bの一部となる継手本体28と、継手本体28の管頂から垂直方向に分岐して、上端部30が気体捕捉タンク24と接続される接続部32とを備える。また、抜気部接続継手22の継手本体28には、サイホンを起動する際に呼び水をサイホン管12内に注水するための分岐管である注水部62が設けられる。注水部62は、その先端部が注水管56と接続される差口形状または受口形状とされ、継手本体28と平行に延びた後、給水側管路12cに向かって鋭角に継手本体28と合流する。すなわち、注水部62は、堤体頂部管路12bに対して傾斜角度を持って合流する。
この際、注水部62が継手本体28と合流する角度は、管軸に対して45°以下であることが好ましい。これは、注水部62からサイホン管12内に流入する呼び水が、給水側管路12cに向かってスムーズに流れるようにするためである。また、注水部62が継手本体28と合流する周方向位置は、継手本体28の管頂を避けることが好ましい。これは、サイホン管12内に発生した気体が注水部48に溜まるのを避けるためである。なお、注水部62が継手本体28と合流する軸方向位置は、特に限定されず、継手本体28の上流側部分で合流させてもよいし、下流側部分で合流させてもよい。
図5に示す実施例では、注水部62を堤体頂部管路12bに対して鋭角に合流させているので、サイホン起動時に注水部62を介して注水管56から供給される呼び水は、下流側に流れるようになる。このため、給水側管路12cに対して優先的に呼び水が注水され、給水側管路12cを速やかに満水状態とすることができる。
図5に示す実施例によれば、堤体頂部管路12b(つまり水平部分)に注水部62を設けながらも、給水側管路12cに対して優先的に呼び水を注水できる。注水部62を堤体頂部管路12bに設けることによって、給水側管路12cの傾斜部分に注水部62を設けることと比較して、注水部62の設置作業およびメンテナンスが容易となり、作業の安全性も向上する。また、注水管56の配管作業も容易となり、配管長さを短くすることもできる。さらに、注水部62が抜気部接続継手22の継手本体28と合流する周方向位置を、継手本体28の管頂位置より低くしたので、サイホン管12内に発生した気体が注水部62に溜まることを防止でき、サイホン状態の長期的維持が可能となる。
また、図5に示す実施例では、抜気部接続継手22に対して注水部62を設けている、つまり気体捕捉タンク24等の抜気部をサイホン管12に接続するための抜気部接続継手(気体補足タンク接続継手)と、注水管56をサイホン管12に接続するための注水管接続継手とを一体化しているので、注水管接続継手を別途設ける必要がなくなり、部材数および設置の手間を削減でき、材料コストおよび施工コストを縮減できる。
なお、上述の各実施例では、抜気部接続継手22の継手本体28の両端部26を電気融着受口とし、接続部32の上端部32をフランジとしたが、これに限定されない。継手本体28とサイホン管12との接続および接続部32と気体捕捉タンク24との接続には、その材質や大きさ等に応じて適宜の接続方法を採用するとよく、たとえばメカ接合、フランジ接合、融着接合および接着接合などを採用できる。なお、接続部32と気体捕捉タンク24との接続は、着脱可能であるフランジ接合が好ましい。
一例として、注水部62を有する抜気部接続継手22の変形例を図11−図13に示す。図11に示す抜気部接続継手22では、継手本体28の両端部26がフランジとされる。また、注水部62の先端部は受口形状となっており、注水部62は、継手本体28の下流側部分で合流される。
また、図5に示す実施例では、抜気部接続継手22に対して注水部62を設けたが、これに限定されない。図14に示すように、気体捕捉タンク24等の抜気部をサイホン管12に接続するための抜気部接続継手22と、注水管56をサイホン管12に接続するための注水管接続継手64とを別々に、サイホン管12の堤体頂部管路12bに設けることもできる。たとえば、注水管継手64は、両端部66が電気融着受口であるソケット状の継手本体68を備える。そして、注水部64が、継手本体68の管頂位置より低い位置において、給水側管路12cに向かって鋭角に継手本体68と合流する。
図14に示す実施例においても、サイホン起動時に注水管56から供給される呼び水が下流側に流れるため、給水側管路12cに対して優先的に呼び水が注水され、給水側管路12cを速やかに満水状態とすることができる。つまり、堤体頂部管路12bに注水部62を設けながらも、給水側管路12cに対して優先的に呼び水を注水できるので、注水部62の設置作業およびメンテナンスが容易となり、作業の安全性も向上する。また、注水管56の配管作業も容易となり、配管長さを短くすることもできる。
さらに、上述の各実施例では、堤体頂部管路12の管頂に設けられる空気を吸引するための抜気部に対して気体捕捉タンク24を設けているが、堤体頂部管路12の抜気部には、必ずしもタンク形状のものを設ける必要はない。たとえば、抜気部接続継手22の接続部32に対して、抜気フロート38に繋がる抜気チューブ36を直接接続することもできる。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …サイホン式取水システム
12,12a,12b,12c …サイホン管
14 …取水口
16 …サイホン仕切弁
20 …取水フロート
22 …抜気部接続継手
24 …気体捕捉タンク
38 …抜気フロート
40 …抜気装置
48,62 …注水部
60 …注水ポンプ
100 …堤体
102 …水源
106 …パイプライン(給水先)

Claims (7)

  1. 堤体を挟んで位置する水源から給水先に対して水を供給するサイホン式取水システムであって、
    前記堤体を跨いで前記水源から前記給水先に延びるサイホン管、
    前記サイホン管の給水側管路に設けられる仕切弁、
    前記サイホン管の堤体頂部管路の管頂部から空気を吸引する抜気装置、および
    サイホン起動時に、前記サイホン管の給水側管路に対して呼び水を優先的に注水するための注水部を備える、サイホン式取水システム。
  2. 前記注水部は、前記サイホン管の給水側管路に設けられる分岐管を含む、請求項1記載のサイホン式取水システム。
  3. 前記注水部は、前記サイホン管の堤体頂部管路に設けられる、前記給水側管路に向かって鋭角に合流する分岐管を含む、請求項1記載のサイホン式取水システム。
  4. 前記サイホン管の堤体頂部管路の管頂部に接続される気体捕捉タンクを備え、
    前記抜気装置は、前記気体捕捉タンクに接続される、請求項1ないし3のいずれかに記載のサイホン式取水システム。
  5. 前記気体捕捉タンクは、抜気部接続継手を介して前記サイホン管の堤体頂部管路に設けられ、
    前記給水側管路に向かって鋭角に合流する分岐管は、前記抜気部接続継手に形成される、請求項4記載のサイホン式取水システム。
  6. サイホン式取水システムにおいて、サイホン管の堤体頂部管路に抜気部を接続するために用いられる抜気部接続継手であって、
    両端部が前記堤体頂部管路と接続される継手本体、
    前記継手本体の管頂から垂直方向に分岐する接続部、および
    前記継手本体に対して鋭角に合流する注水部を備える、抜気部接続継手。
  7. サイホン式取水システムにおいて、サイホンを起動させて通水を開始する通水開始方法であって、
    注水ポンプを用いてサイホン管の給水側管路に対して呼び水を優先的に注水して、前記給水側管路を満水状態とした後、前記サイホン管の堤体頂部管路に接続される抜気装置を用いて前記サイホン管の水源側管路に呼び水を吸引して、前記サイホン管全体を満水状態にする、通水開始方法。
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