JP2013204096A - ピン型ヒートシンク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板10と、基板10の表面から立設させた多数のピン2とを有すると共に、鍛造により一体的に成形してなるピン型ヒートシンク1である。化学成分組成が、Si:0.2%(質量%、以下同じ)以上1.0%以下、Mg:0.4%以上1.0%以下、Fe:0.35%以下を含有し、残部が不可避的不純物と98%以上のアルミニウムからなる。耐力が120MPa以上であり、室温における導電率が50IACS%以上である。
【選択図】図1
Description
化学成分組成が、Si:0.2%(質量%、以下同じ)以上1.0%以下、Mg:0.4%以上1.0%以下、Fe:0.35%以下を含有し、残部が不可避的不純物と98%以上のアルミニウムからなり、
耐力が120MPa以上であり、
室温における導電率が50IACS%以上であることを特徴とするピン型ヒートシンク(請求項1)。
上記化学成分組成を有する素材を450〜550℃に加熱して熱間鍛造して上記ピン型ヒートシンクを形成し、
上記熱間鍛造後に、少なくとも300℃〜50℃の間の冷却速度が0.2〜20℃/秒となるように上記ピン型ヒートシンクを室温まで冷却し、
その後、該ピン型ヒートシンクを170℃〜210℃の温度に1〜10時間保持する人工時効処理を行うことを特徴とするピン型ヒートシンクの製造方法にある(請求項2)。
まず、Si含有量は、0.2%以上1.0%以下である。
Siは、Mgと共にMg−Si系析出物を生成させ強度向上に寄与する。そのため、Si含有量を0.2%以上とする。一方、Si含有量が多すぎると導電率の低下を招いてしまう。そのため、Si含有量は1.0%以下とする。
Mgは、SIと共にMg−Si系析出物を生成させ強度向上に寄与する。そのため、Mg含有量を0.4%以上とする。一方、Mg含有量が多すぎると導電率の低下を招いてしまう。そのため、Mg含有量は1.0%以下とする。
Feは、多く含有しすぎると導電性の低下につながる。そのため、Feを含有したとしても、0.35%以下とする。なお、Feは0%でもよいが、不可避的な不純物として含有されやすく、一般的には0%とすることは困難である。
すなわち、上記ピンの軸方向に直交する断面の断面積が0.5mm2以上4mm2以下であり、上記ピンの上記基板表面からの高さが3mm以上11mm以下であり、上記ピンの上記基板上での配置密度が100mm2当たり5本以上であり、上記ピン同士の最近接距離は0.5mm以上であり、上記ピンの上記基板上での総表面積は4000mm2以上25000mm2以下である構成とすることができる。
上記ピン型ヒートシンク及びその製造方法にかかる実施例につき、図1〜図3を用いて説明する。
本例では、表1に示す化学成分組成からなるアルミニウム材を用いて、ピン型ヒートシンク1を作製した。ピン型ヒートシンク1は、図1〜図3に示すごとく、基板10と、基板10の表面から立設させた多数のピン2とを有し、鍛造により一体的に成形してなるものである。
次に、この鍛造用ブロックを500℃に加熱すると共に、鍛造金型を150℃に加熱し、フリクションプレスにより熱間鍛造した。
・基板10のサイズ:厚みt=8mm、幅W=140mm、長さL=160mm
・ピン2の軸方向に直交する断面の断面積:3.14mm2(半径=1mm)
・ピン2の軸方向に直交する断面の形状:円形
・ピン2の基板10表面からの高さ:8mm
・ピン2の基板10上での配置密度:10.4本/cm2
・ピン2同士の最近接距離:1mm
・ピン2の基板10上での総表面積:77750mm2
・ピン2同士の最近接距離方向を結んでできる四角形格子の格子角部の角度:直角
・基板10の長手方向に対する上記四角形格子の傾斜角度:45度
その後、バリ取りを行い、さらにスケール除去のためにショットブラストを行った。
その後、基板10におけるピン2を配置した面とは反対側の面を約5mm面削し、さらにピン2のある面のピンフィン領域以外の面を軽く面削仕上げすることで、最終厚さ3mm、幅140mm、長さ160mmの基板10上に、8mm高さのピン2が図1のように配置された形状とした。
このように、本例のピン型ヒートシンク1は、鍛造によって容易に製造することができ、かつ、熱伝導性を大きく損なうことなく、変形が生じにくい比較的高強度の非常に優れたものといえる。
本例では、表2に示すごとく、化学成分組成の異なる11種類の試験材を準備し、これらを実施例1と同様の製造方法によって製造し、その特性を評価した。その結果を表3に示す。
試験材7は、Si含有量が高くなり、Al含有量が98%を下回った関係から導電率が低い結果となった。
試験材9は、Mg含有量が高くなり、Al含有量が98%を下回った関係から導電率が低い結果となった。
試験材11は、個々の添加元素は適量であるが、その合計含有量が比較的多く、Al含有量が98%を下回った関係から導電率が低い結果となった。
本例では、実施例1と同じ表1に示す化学成分組成のアルミニウム材からなる素材を用い、表4に示すごとく製造条件を変えて12種類の試験材(試験材12〜23)を作製した。
なお、熱間鍛造温度が550℃超えの条件は、アルミニウム材の溶融が始まるので実施しなかった。また、熱間鍛造後の冷却においては、冷却速度が20℃/秒超えの強制冷却(シャワーあるいは水没)は、材料が歪むため実施しなかった。また、人工時効時間10時間超えは、強度上昇が望めず、生産コストがかかるだけなので実施しなかった。
試験材20は、熱間鍛造後の冷却速度が遅すぎることに起因して耐力値が低くなり、切削加工後の変形が観察された。
試験材22は、人工時効処理時の処理時間が短すぎることに起因して耐力値が低くなり、切削加工後の変形が観察された。
10 基板
2 ピン
Claims (2)
- 基板と該基板の表面から立設させた多数のピンとを有すると共に、鍛造により一体的に成形してなるピン型ヒートシンクであって、
化学成分組成が、Si:0.2%(質量%、以下同じ)以上1.0%以下、Mg:0.4%以上1.0%以下、Fe:0.35%以下を含有し、残部が不可避的不純物と98%以上のアルミニウムからなり、
耐力が120MPa以上であり、
室温における導電率が50IACS%以上であることを特徴とするピン型ヒートシンク。 - 請求項1に記載のピン型ヒートシンクを製造する方法であって、
上記化学成分組成を有する素材を450〜550℃に加熱して熱間鍛造して上記ピン型ヒートシンクを形成し、
上記熱間鍛造後に、少なくとも300℃〜50℃の間の冷却速度が0.2〜20℃/秒となるように上記ピン型ヒートシンクを室温まで冷却し、
その後、該ピン型ヒートシンクを170℃〜210℃の温度に1〜10時間保持する人工時効処理を行うことを特徴とするピン型ヒートシンクの製造方法。
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JP2017119290A (ja) * | 2015-12-28 | 2017-07-06 | 昭和電工株式会社 | ヒートシンク鍛造用素材、ヒートシンク鍛造用素材の製造方法、及びヒーシンクの製造方法 |
JP2020033609A (ja) * | 2018-08-30 | 2020-03-05 | 昭和電工株式会社 | Al−Mg―Si系合金板 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3170440U (ja) * | 2011-07-05 | 2011-09-15 | タイワ工業株式会社 | 鍛造品 |
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