JP2013199886A - エンジンの排気還流装置 - Google Patents

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啓壮 武田
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弓記也 加藤
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Abstract

【課題】EGR通路に直列に設けられた第1EGR弁及び第2EGR弁それぞれの開閉異常を診断すると共に、その診断時に吸気負圧の低下を抑えること。
【解決手段】EGR通路17と、EGR通路17に設けられた第1EGR弁18及び第2EGR弁19とを備える。第1EGR弁18は第2EGR弁19より下流に配置される。電子制御装置(ECU)61は、エンジン減速時に、第1EGR弁18を閉弁させると共に第2EGR弁19を微少開度に開弁させてから、第1EGR弁18を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧センサ66で検出される吸気圧力の差に基づき第1EGR弁18の異常を判断する。ECU61は、エンジン減速時に、第1EGR弁18を微少開度に開弁させると共に第2EGR弁19を閉弁させてから、第2EGR弁19を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧センサ66で検出される吸気圧力の差に基づき第2EGR弁19の異常を判断する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、エンジンから排気通路へ排出される排気の一部を吸気通路へ流してエンジンへ還流させるエンジンの排気還流装置に関する。
従来、この種の技術が、例えば、自動車用エンジンにおいて採用されている。排気還流装置(Exhaust Gas Recirculation(EGR)装置)は、エンジンの燃焼室から排気通路へ排出される燃焼後の排気の一部をEGR通路を介して吸気通路へ導き、吸気通路を流れる吸気と混合させて燃焼室へ還流させるようになっている。EGR通路を流れるEGRガスは、EGR通路に設けられるEGR弁により調節されるようになっている。このEGRによって、主として排気中の窒素酸化物(NOx)を低減させることができ、エンジンの部分負荷時における燃費向上を図ることができる。
エンジンの排気は、酸素が含まれていないか酸素が希薄な状態にある。従って、EGRにより排気の一部を吸気と混ぜることで、吸気中の酸素濃度が低下する。このため、燃焼室では、酸素濃度が低い状態で燃料が燃焼することから、燃焼時のピーク温度が低下し、NOxの発生を抑制することができる。ガソリンエンジンでは、EGRにより吸気中の酸素含有量を増加させることなく、スロットルバルブをある程度閉じた状態においても、エンジンのポンピングロスを低減することができる。
ここで、近時は、エンジンの更なる燃費向上を図るために、エンジンの全運転領域でEGRを行うことが考えられ、大量EGRを実現することが求められている。大量EGRを実現するためには、従前の技術に対し、EGR通路の内径を拡大したり、EGR弁の弁体や弁座の流路開口面積を大きくしたりする必要がある。
また、下記の特許文献1〜3には、EGRの制御性を向上させるために、EGR通路に2つのEGR弁を直列に設けたEGR装置が開示されている。例えば、特許文献1に記載のEGR装置は、EGR通路に直列に設けられた2つのEGR弁の一方がアクチュエータにより駆動されるポペット弁により構成され、他方がアクチュエータにより駆動されるバタフライ弁により構成され、バタフライ弁がポペット弁よりも下流側に配置される。また、EGR通路を流れるEGRの要求流量に基づいてポペット弁とバタフライ弁とを制御するための制御手段を備え、制御手段は、EGRの要求流量が所定流量より少ない場合、ポペット弁を所定の開弁位置で固定させ、バタフライ弁を要求流量に応じた開度に作動させるようになっている。この構成により、ポペット弁で全閉時の密閉性を確保し、バタフライ弁で微量な要求流量に適した開度を実現してEGR流量を適切に調節するようにしている。
一方、下記の特許文献4には、EGR装置の故障(異常)を診断するための技術が開示されている。この技術では、EGR通路に設けられたEGR弁を、エンジンの減速中に一時的に開閉させ、その開閉前後の吸気圧の変動が設定範囲内にあるか否かを検出し、その検出結果に基づいてEGR弁を含むEGR系が異常であるか否かを判断するようになっている。
特開2006−329039号公報 特開2000−345923号公報 特開昭63−198766号公報 特開平2−9937号公報
ところで、特許文献1に記載の2つのEGR弁を備えたEGR装置を大量EGRに対応させることが考えられ、EGR通路の流路径を拡げたり、EGR弁の弁体や弁座を大型化したりすることが考えられる。また、このEGR装置の2つのEGR弁についても異常を診断することが必要になる。
しかしながら、特許文献4に記載の技術では、2つのEGR弁を備えたEGR装置について異常を診断することができなかった。また、大量EGRに対応させたEGR装置につき、EGR弁が開いたまま異常(開異常)となった場合には、大量のEGRガスが吸気通路へ流れ、エンジンの減速中に吸気負圧が大気圧側へ大きく低下することになる。このため、減速燃料カットからの復帰時には、エンジンの出力トルクが急増してトルクショックが起きるおそれがある。このトルクショックを避けるためには、吸気負圧が十分に大きくなってから燃料を復帰させることが必要になるが、その場合は新たに復帰遅れ(もたつき)が発生する懸念がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁のうち下流に配置された第1排気還流弁の開閉異常を診断すると共に、その診断時に吸気負圧の低下を抑えることを可能としたエンジンの排気還流装置を提供することにある。この発明の第2の目的は、排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁のうち上流に配置された第2排気還流弁の開閉異常を診断すると共に、その診断時に吸気負圧の低下を抑えることを可能としたエンジンの排気還流装置を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンの燃焼室から排気通路へ排出される排気の一部を吸気通路へ流して燃焼室へ還流させる排気還流通路と、排気還流通路における排気流量を調節するために排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁とを備えたエンジンの排気還流装置において、排気還流通路において第1排気還流弁が第2排気還流弁よりも下流に配置されることと、吸気通路における排気還流通路から排気が流れる部分にて吸気圧力を検出するための吸気圧力検出手段と、検出される吸気圧力に基づいて第1排気還流弁の異常を診断するための異常診断手段とを備え、異常診断手段は、エンジンの減速時に、第1排気還流弁を閉弁させると共に第2排気還流弁を微少開度に開弁させてから、第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて第1排気還流弁が異常であるか否かを判断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、第1排気還流弁の異常を診断するために、異常診断手段が、エンジンの減速時に、第1排気還流弁を閉弁させると共に第2排気還流弁を微少開度に開弁させてから、第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて第1排気還流弁が異常であるか否かを判断する。従って、第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させる前後で検出される吸気圧力の差が、例えば、所定値よりも大きくなる場合は、第1排気還流弁が正常に開弁したとして、第1排気還流弁が正常であると判断できる。また、その吸気圧力の差が、例えば、所定値以下となる場合は、第1排気還流弁が正常に開弁しなかったとして、第1排気還流弁が異常であると判断できる。また、第1排気還流弁の異常を診断する際には、第2排気還流弁を微少開度に開弁させているだけなので、排気還流通路を通じて吸気通路へ大量の排気が流れることがない。
上記第1の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、エンジンの燃焼室から排気通路へ排出される排気の一部を吸気通路へ流して燃焼室へ還流させる排気還流通路と、排気還流通路における排気流量を調節するために排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁とを備えたエンジンの排気還流装置において、排気還流通路において第1排気還流弁が第2排気還流弁よりも下流に配置されることと、第1排気還流弁がポペット弁により構成され、第2排気還流弁がバタフライ弁により構成され、バタフライ弁は、閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができることと、吸気通路における排気還流通路から排気が流れる部分にて吸気圧力を検出するための吸気圧力検出手段と、検出される吸気圧力に基づいて第1排気還流弁の異常を診断するための異常診断手段とを備え、異常診断手段は、エンジンの減速時に、第1排気還流弁及び第2排気還流弁を閉弁させてから、第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて第1排気還流弁が異常であるか否かを判断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、第1排気還流弁の異常を診断するために、異常診断手段が、エンジンの減速時に、ポペット弁よりなる第1排気還流弁及びバタフライ弁よりなり閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができる第2排気還流弁を閉弁させてから、第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて第1排気還流弁が異常であるか否かを判断する。従って、第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させる前後で検出される吸気圧力の差が、例えば、所定値よりも大きくなる場合は、第1排気還流弁が正常に開弁したとして、第1排気還流弁が正常であると判断できる。また、その吸気圧力の差が、例えば、所定値以下となる場合は、第1排気還流弁が正常に開弁しなかったとして、第1排気還流弁が異常であると判断できる。また、第1排気還流弁の異常を診断する際には、閉弁状態の第2排気還流弁にてボアと間に微少隙間ができるだけなので、排気還流通路を通じて吸気通路へ大量の排気が流れることがない。
上記第1の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、異常診断手段は、吸気圧力の差が第1の所定値より大きい場合に第1排気還流弁が正常であると判断し、吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、第1排気還流弁の閉弁時に検出される吸気圧力が第2の所定値より小さい場合に第1排気還流弁が閉弁したままの閉異常であると判断し、前記吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、前記第1排気還流弁の開弁時に検出される吸気圧力が第3の所定値(前記第2の所定値より大きい値)より大きい場合に前記第1排気還流弁が開弁したままの開異常であると判断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、異常診断手段により、第1排気還流弁の正常又は異常が判断され、異常については開異常と閉異常が区別される。
上記第2の目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、エンジンの燃焼室から排気通路へ排出される排気の一部を吸気通路へ流して燃焼室へ還流させる排気還流通路と、排気還流通路における排気流量を調節するために排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁とを備えたエンジンの排気還流装置において、排気還流通路において第1排気還流弁が第2排気還流弁よりも下流に配置されることと、吸気通路における排気還流通路から排気が流れる部分にて吸気圧力を検出するための吸気圧力検出手段と、検出される吸気圧力に基づいて第2排気還流弁の異常を診断するための異常診断手段とを備え、異常診断手段は、エンジンの減速時に、第1排気還流弁を微少開度に開弁させると共に第2排気還流弁を閉弁させてから、第2排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて第2排気還流弁が異常であるか否かを判断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、第2排気還流弁の異常を診断するために、異常診断手段が、エンジンの減速時に、第1排気還流弁を微少開度に開弁させると共に第2排気還流弁を閉弁させてから、第2排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて第2排気還流弁が異常であるか否かを判断する。従って、第2排気還流弁を閉弁状態から開弁させる前後で検出される吸気圧力の差が、例えば、所定値よりも大きくなる場合は、第2排気還流弁が正常に開弁したとして、第2排気還流弁が正常であると判断できる。また、その吸気圧力の差が、例えば、所定値以下となる場合は、第2排気還流弁が正常に開弁しなかったとして、第2排気還流弁が異常であると判断できる。また、第2排気還流弁の異常を診断する際には、第1排気還流弁を微少開度に開弁させているだけなので、排気還流通路を通じて吸気通路へ大量の排気が流れることがない。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、第1排気還流弁がポペット弁により構成され、第2排気還流弁がバタフライ弁により構成され、バタフライ弁は、閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項4に記載の発明と同等の作用が得られる。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、異常診断手段は、吸気圧力の差が第1の所定値より大きい場合に第2排気還流弁が正常であると判断し、吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、第1排気還流弁の閉弁時に検出される吸気圧力が第2の所定値より小さい場合に第2排気還流弁が閉弁したままの閉異常であると判断し、吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、第1排気還流弁の開弁時に検出される吸気圧力が第3の所定値(第2の所定値より大きい値)より大きい場合に第2排気還流弁が開弁したままの開異常であると判断することを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項4又は5に記載の発明の作用に加え、異常診断手段により、第2排気還流弁の正常又は異常が判断され、異常については開異常と閉異常が区別される。
請求項1に記載の発明によれば、排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁のうち下流に配置された第1排気還流弁の開閉異常を診断することができると共に、その診断時に吸気負圧の低下を抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、排気還流通路に直列に設けられたポペット弁よりなる第1排気還流弁及びバタフライ弁よりなる第2排気還流弁のうち下流に配置された第1排気還流弁の開閉異常を診断することができると共に、その診断時に吸気負圧の低下を抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、第1排気還流弁の異常をより厳密に診断することができる。
請求項4に記載の発明によれば、排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁のうち上流に配置された第2排気還流弁の開閉異常を診断することができると共に、その診断時に吸気負圧の低下を抑えることができる。
請求項5に記載の発明によれば、排気還流通路に直列に設けられたポペット弁よりなる第1排気還流弁及びバタフライ弁よりなる第2排気還流弁のうち上流に配置された第2排気還流弁の開閉異常を診断することができると共に、その診断時に吸気負圧の低下を抑えることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明の効果に加え、第2排気還流弁の異常をより厳密に診断することができる。
第1実施形態に係り、エンジンの排気還流装置(EGR装置)を含む過給機付エンジンシステムを示す概略構成図。 同実施形態に係り、EGR通路の一部であって第1EGR弁と第2EGR弁が設けられる部分を拡大して示す断面図。 同実施形態に係り、通常のEGR制御の処理内容の一例を示すフローチャート。 同実施形態に係り、第1EGR弁の異常診断制御の処理内容の一例を示すフローチャート。 同実施形態に係り、第2EGR弁の異常診断制御の処理内容の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係り、EGR通路の一部であって第1EGR弁と第2EGR弁が設けられる部分を拡大して示す断面図。 同実施形態に係り、第1EGR弁の異常診断制御の処理内容の一例を示すフローチャート。 第3実施形態に係り、エンジンの排気還流装置(EGR装置)を含む過給機付エンジンシステムを示す概略構成図。 第4実施形態に係り、EGR通路の一部であって第1EGR弁と第2EGR弁が設けられる部分を拡大して示す断面図。
<第1実施形態>
以下、本発明におけるエンジンの排気還流装置を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態におけるエンジンの排気還流装置(EGR装置)を含む過給機付エンジンシステムを概略構成図により示す。このエンジンシステムは、レシプロタイプのエンジン1を備える。エンジン1の吸気ポート2には、吸気通路3が接続され、排気ポート4には、排気通路5が接続される。吸気通路3の入口には、エアクリーナ6が設けられる。エアクリーナ6より下流の吸気通路3には、排気通路5との間に吸気通路3における吸気を昇圧させるための過給機7が設けられる。
過給機7は、吸気通路3に配置されたコンプレッサ8と、排気通路5に配置されたタービン9と、コンプレッサ8とタービン9を一体回転可能に連結する回転軸10とを含む。過給機7は、排気通路5を流れる排気によりタービン9を回転させて回転軸10を介してコンプレッサ8を一体的に回転させることにより、吸気通路3における吸気を昇圧させる、すなわち過給を行うようになっている。
過給機7に隣接して排気通路5には、タービン9を迂回する排気バイパス通路11が設けられる。この排気バイパス通路11には、ウェイストゲートバルブ12が設けられる。ウェイストゲートバルブ12により排気バイパス通路11を流れる排気が調節されることにより、タービン9に供給される排気流量が調節され、タービン9及びコンプレッサ8の回転速度が調節され、過給機7による過給圧が調節されるようになっている。
吸気通路3において、過給機7のコンプレッサ8とエンジン1との間には、インタークーラ13が設けられる。このインタークーラ13は、コンプレッサ8により昇圧されて高温となった吸気を適温に冷却するためのものである。インタークーラ13とエンジン1との間の吸気通路3には、サージタンク3aが設けられる。また、インタークーラ13の下流側であってサージタンク3aの上流側には、スロットルバルブ14が設けられる。このスロットルバルブ14は、運転者によるアクセルペダル(図示略)の操作に応じて開度が調節されるように構成される。また、タービン9の下流側の排気通路5には、排気を浄化するための排気触媒としての触媒コンバータ15が設けられる。
この実施形態において、大量EGRを実現するためのEGR装置は、エンジン1の燃焼室16から排気通路5へ排出される排気の一部を吸気通路3へ流して燃焼室16へ還流させる排気還流通路(EGR通路)17と、EGR通路17における排気流量(EGR流量)を調節するためにEGR通路17に直列に設けられた第1排気還流弁(第1EGR弁)18及び第2排気還流弁(第2EGR弁)19とを備える。EGR通路17は、タービン9の上流側の排気通路5と、サージタンク3aとの間に設けられる。すなわち、排気通路5を流れる排気の一部をEGRガスとしてEGR通路17を通じて吸気通路3へ流して燃焼室16へ還流させるために、EGR通路17の出口17aが、スロットルバルブ14の下流側にてサージタンク3aに接続される。また、EGR通路17の入口17bは、タービン9の上流側における排気通路5に接続される。
EGR通路17の入口17bの近傍には、EGRガスを浄化するためのEGR用触媒コンバータ20が設けられる。また、EGR用触媒コンバータ20より下流のEGR通路17には、同通路17を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ21が設けられる。この実施形態で、第1EGR弁18と第2EGR弁19は、EGRクーラ21より下流のEGR通路17に配置される。この実施形態では、EGR通路17において、第1EGR弁18が第2EGR弁19よりも下流に配置される。
図2に、EGR通路17の一部であって第1EGR弁18と第2EGR弁19が設けられる部分を拡大して断面図により示す。図1、図2に示すように、第1EGR弁18は、ポペット弁により、かつ、電動弁により構成される。すなわち、第1EGR弁18は、ステップモータ31により駆動される弁体32を備える。弁体32は、略円錐形状をなし、EGR通路17に設けられた弁座33に着座可能に設けられる。ステップモータ31は直進的に往復運動(ストローク運動)可能に構成された出力軸34を備え、その出力軸34の先端に弁体32が固定される。出力軸34は軸受35を介してEGR通路17及びハウジング(図示略)に支持される。そして、ステップモータ31の出力軸34をストローク運動させることにより、弁座33に対する弁体32の開度が調節されるようになっている。第1EGR弁18の出力軸34は、弁体32が弁座33に着座する全閉状態から、弁体32が軸受35に当接する全開状態までの間で所定のストロークL1だけストローク運動可能に設けられる。この実施形態では、大量EGRを実現するために、従前の技術に比べて弁座33の開口面積が拡大されている。それに合わせて、弁体32が大型化されている。
図1、図2に示すように、第2EGR弁19は、バタフライ弁により構成されると共に、電動弁により構成される。すなわち、第2EGR弁19は、EGR通路17を貫通して回動可能に設けられた弁軸42と、EGR通路17の中にて弁軸42上に固定された円板状の弁体43と、弁体43を駆動させるための駆動機構を構成するステップモータ51とを備える。図2に示すように、直進的にストローク運動可能に構成されたステップモータ51の出力軸52は、リンク53を介して弁軸42に連結される。そして、ステップモータ51の出力軸52をストローク運動させることにより、弁体43の開度が調節されるようになっている。
この実施形態では、図2に示すように、ステップモータ51の出力軸52が最下端位置まで押し出された状態では、第2EGR弁19の弁体43がリンク53及び弁軸42を介して全閉位置に配置される。この実施形態で、弁体43は、閉弁状態(全閉状態)でEGR通路17のボアとの間に所定の微少隙間ができるようになっている。この出力軸52が最上端位置まで引き戻されることにより、第2EGR弁19の弁体43は全開位置に配置されることになる。しかし、この実施形態では、出力軸52上の所定の位置にストッパ54が設けられ、そのストッパ54がステップモータ51のハウジング下端に係合可能に設けられる。このストッパ54は、第2EGR弁19の弁体43の最大開度を、図2に2点鎖線で示すように、全開よりも小さい所定の小開度A1(例えば、全開に対する30%の開度)に規制するように構成される。このように、第2EGR弁19は、所定の小開度A1を最大開度として、その小開度A1から全閉までの間で開度可変に構成される。また、この実施形態では、ステップモータ51を制御して出力軸52のストローク運動を制御することにより、第2EGR弁19の弁体43の開度を所定の小開度A1から全閉までの間で連続的に可変に構成される。この実施形態では、第2EGR弁19の所定の小開度A1により第1EGR弁18による最大EGR流量を確保できるように、第2EGR弁19の弁体43とEGR通路17の寸法が設定される。
この実施形態では、過給機7を備えたエンジン1の全運転領域にてEGRを実行可能とするために、第1EGR弁18による最大EGR流量が比較的大流量となるように設定される。そのために、第1EGR弁18の全開時における弁体32の開口ストロークが、図2に2点鎖線で示すように比較的大きく設定される。
ここで、ポペット弁である第1EGR弁18とバタフライ弁である第2EGR弁19の特性を比較する。全開時の最大EGR流量については、第2EGR弁19の方が多い。全開から全閉への応答速度については、第2EGR弁19の方が速い。EGR流量の制御性について、低流量域では第1EGR弁18の方が良く、高流量域では第2EGR弁19の方が良い。そこで、第1EGR弁18と第2EGR弁19の双方を制御することにより、低流量域ではEGR流量を徐々に変化させ、高流量域ではEGR流量を急激に変化させるように設定することができる。流量特性については、第1EGR弁18の開弁時の面積特性は、開度に対して曲線的に大きくなり、第2EGR弁19の開弁時の面積特性は、開度に対して直線的に大きくなる。
この実施形態において、エンジン1には、燃焼室16に燃料を噴射供給するためのインジェクタ22が設けられる。インジェクタ22には、燃料タンク(図示略)から燃料が供給されるようになっている。また、吸気通路3におけるEGR通路17からEGRガスが流れる部分であるサージタンク3aには、吸気圧力PMを検出するための吸気圧力検出手段としての吸気圧センサ66が設けられる。
この実施形態では、エンジン1の運転状態に応じて第1EGR弁18と第2EGR弁19の双方を制御するために、第1EGR弁18のステップモータ31と第2EGR弁19のステップモータ51のそれぞれが電子制御装置(ECU)61により制御されるようになっている。ECU61は、中央処理装置(CPU)と、所定の制御プログラム等を予め記憶したり、CPUの演算結果等を一時的に記憶したりする各種メモリと、これら各部と接続される外部入力回路及び外部出力回路とを備え、本発明の異常診断手段に相当する。外部出力回路にはインジェクタ22及び各ステップモータ31,51が接続される。外部入力回路には、吸気圧センサ66をはじめエンジン1の運転状態を検出するための各種センサ(図示略)が接続され、エンジン1の運転状態に係る各種エンジン信号が入力されるようになっている。ここで、エンジン1の運転状態を示す各種エンジン信号として、吸気圧力PM、エンジン回転速度NE、エンジン負荷KL、スロットル開度TA及びエンジン冷却水温度THW等に係る各種センサの検出信号が含まれる。
次に、上記のように構成したEGR装置につき、ECU61が実行するEGR制御の処理内容について説明する。図3に、通常のEGR制御の処理内容の一例をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、先ず、ステップ100で、ECU61は、エンジン1の運転状態を示す各種エンジン信号を取り込む。
次に、ステップ110で、ECU61は、EGRオン条件が成立したか否かを判断する。すなわち、エンジン1の運転状態がEGRを行うべき状態であるか否かを判断する。この判断結果が否定である場合、EGRを行わないために、ECU61は、処理をステップ190へ移行する。
そして、ECU61は、ステップ190で、ステップモータ51を制御することにより、第2EGR弁19を全閉に制御すると共に、ステップ195で、ステップモータ31を制御することにより、第1EGR弁18を全閉に制御する。
一方、ステップ110の判断結果が肯定である場合、EGRを行うために、ECU61は、処理をステップ120へ移行する。そして、ステップ120で、ECU61は、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLを取り込む。
次に、ステップ130で、ECU61は、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷KLに応じたEGRの要求流量Qegrを求める。すなわち、ECU61は、エンジン1の運転状態に応じた要求流量Qegrを求める。ECU61は、この処理を、予め設定された関数データである要求流量マップ(図示略)を参照して行う。
次に、ステップ140で、ECU61は、EGRの要求流量Qegrに応じた第2EGR弁19の目標絞り開度TDegr2を求める。この目標絞り開度TDegr2は、第2EGR弁19の最大開度である上記した小開度A1(30%)と、それよりも小さい開度とを含む。ECU61は、この処理を、予め設定された関数データである開度マップ(図示略)を参照して行う。ここで、第2EGR弁19の目標絞り開度TDegr2は、要求流量Qegrが小さくなるに連れて、段階的に小さくなるように設定される。この目標絞り開度TDegr2として、例えば「30%、15%、10%、5%」の開度を当てはめることができる。
次に、ステップ150で、ECU61は、第2EGR弁19の目標絞り開度TDegr2に応じた第1EGR弁18の目標開度Tegr1を求める。ECU61は、この処理を、予め設定された関数データである開度マップ(図示略)を参照して行う。
次に、ステップ160で、ECU61は、ステップモータ51を制御することにより、第2EGR弁19を目標絞り開度TDegr2に固定する。
次に、ステップ170で、ECU61は、ステップモータ31を制御することにより、第1EGR弁18を目標開度Tegr1に制御する。
そして、ステップ180で、ECU61は、エンジン1の運転状態が第1EGR弁18の大開度域からのエンジン急減速であるか否かを判断する。「大開度域」として、例えば「全開を100%とする60%以上の開度」を当てはめることができる。この判断結果が否定である場合、ECU61は、ステップ100の処理へ戻る。この判断結果が肯定である場合、EGRを直ちに停止するために、ECU61は処理をステップ190へ移行し、上記したステップ190及びステップ195の処理を実行する。
上記したEGR制御によれば、ECU61は、エンジン1の運転状態に応じて第1EGR弁18及び第2EGR弁19を制御するようになっている。
次に、上記したEGR装置の異常診断制御について説明する。図4に、第1EGR弁18の異常を診断するための異常診断制御の処理内容の一例をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、先ず、ステップ200で、ECU61は、エンジン1の運転状態を示す各種エンジン信号を取り込む。
次に、ステップ201で、ECU61は、現状がエンジン1の減速時の燃料カット(減速F/C)であり、かつ、EGR診断条件の成立時であるか否かを判断する。EGR診断条件として、例えば、吸気圧センサ66が正常に機能していることを挙げることができる。この判断結果が否定となる場合、ECU61は、処理をステップ200へ戻す。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、第1EGR弁18の診断を行うために、処理をステップ202へ移行する。
そして、ステップ202で、ECU61は、ステップモータ31を制御することにより、第1EGR弁18を全閉に閉弁制御すると共にステップモータ51を制御することにより、第2EGR弁19を全閉に閉弁制御する。ここで、ポペット弁よりなる第1EGR弁18の弁体32は、閉弁状態(全閉状態)において弁座33との密閉性がよく、バタフライ弁よりなる第2EGR弁19は、閉弁状態(全閉状態)においてEGR通路17のボアと弁体43との間に所定の微少隙間ができることになる。
次に、ステップ203で、ECU61は、吸気圧センサ66の検出信号に基づき、第1EGR弁18が開弁される前(閉弁状態)の吸気圧力(開弁前吸気圧力)PMc1を取り込む。ここで、第1EGR弁18が正常に閉弁(全閉)された場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、エンジン1の減速時にサージタンク3aで発生する吸気負圧の値となり得る。これに対し、第1EGR弁18が正常に閉弁(全閉)されず開弁したままの開異常である場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、EGR通路17の上流側から第2EGR弁19の微少隙間を通じて作用する排気圧力の影響を受けた、閉弁正常時の吸気負圧の値よりも絶対値の高い値となり得る。
次に、ステップ204で、ECU61は、ステップモータ31を制御することにより、第1EGR弁18を開弁制御する。一例として、ECU61は、第1EGR弁18を、全開状態まで開弁させることができる。
次に、ステップ205で、ECU61は、吸気圧センサ66の検出信号に基づき、第1EGR弁18が開弁された後の吸気圧力(開弁後吸気圧力)PMo1を取り込む。ここで、第1EGR弁18が正常に開弁(全開)された場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、EGR通路17の上流側から第2EGR弁19の微少隙間を通じて作用する排気圧力の影響を受けた、閉弁正常時の吸気負圧の値よりも絶対値の高い値となり得る。これに対し、第1EGR弁18が正常に開弁(全開)されず閉弁(全閉)したままの閉異常である場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、エンジン1の減速時にサージタンク3aで発生する吸気負圧の値となり得る。
次に、ステップ206で、ECU61は、第1EGR弁18を閉弁状態から開弁させる前後で検出される吸気圧力の差(閉開吸気圧力差)ΔPM1を求める。ECU61は、開弁後吸気圧力PMo1から開弁前吸気圧力PMc1を減算することによりこの閉開吸気圧力差ΔPM1を求める。
その後、ステップ207で、ECU61は、閉開吸気圧力差ΔPM1が第1の所定値C1よりも大きいか否かを判断する。ここで、第1の所定値C1は、第1EGR弁18が正常に動作し、開弁前吸気圧力PMc1及び開弁後吸気圧力PMo1が適正に検出された場合の開弁後吸気圧力PMo1と開弁前吸気圧力PMc1との吸気圧力差であって、最低限の吸気圧力差を意味する。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、ステップ208で、第1EGR弁18を正常と判断する。ECU61は、この正常判断の結果をメモリに記憶しておくことができる。
一方、ステップ207の判断結果が否定となる場合、ECU61は、ステップ209で、開弁前吸気圧力PMc1が第2の所定値D1より小さいか否かを判断する。ここで、第2の所定値D1は、第1EGR弁18が閉異常となる場合のサージタンク3aにおける吸気負圧であって、最大限の値を意味する。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、ステップ210で、第1EGR弁18を閉異常と判断する。ECU61は、この閉異常判断の結果をメモリに記憶しておくことができる。
一方、ステップ209の判断結果が否定となる場合、ECU61は、ステップ211で、開弁後吸気圧力PMo1が第3の所定値E1(第2の所定値D1より大きい値)より大きいか否かを判断する。ここで、第3の所定値E1は、第1EGR弁18が開異常となる場合のサージタンク3aにおける吸気圧力であって、最低限の値を意味する。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、ステップ212で、第1EGR弁18を開異常と判断する。ECU61は、この開異常判断の結果をメモリに記憶しておくことができる。
一方、ステップ211の判断結果が否定となる場合、ECU61は、ステップ213で、第1EGR弁18の開異常の判断を保留する。
上記した第1EGR弁18の異常診断制御によれば、ECU61は、エンジン1の減速時に、ポペット弁よりなる第1EGR弁18を閉弁(全閉)させると共に、閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができるバタフライ弁よりなる第2EGR弁19を閉弁(全閉)させてから、第1EGR弁18を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧センサ66により検出される吸気圧力PMの差に基づいて第1EGR弁18が異常(開異常又は閉異常)であるか、正常であるかを判断するようになっている。
次に、第2EGR弁19の異常診断制御について説明する。図5に、第2EGR弁19の異常を診断するための異常診断制御の処理内容の一例をフローチャートにより示す。
処理がこのルーチンへ移行すると、先ず、ステップ300で、ECU61は、エンジン1の運転状態を示す各種エンジン信号を取り込む。
次に、ステップ301で、ECU61は、現状がエンジン1の減速時の燃料カット(減速F/C)であり、かつ、EGR診断条件の成立時であるか否かを判断する。EGR診断条件として、例えば、吸気圧センサ66が正常に機能していることを挙げることができる。この判断結果が否定となる場合、ECU61は、処理をステップ300へ戻す。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、処理をステップ302へ移行する。
次に、ステップ302で、ECU61は、第1EGR弁18が正常であるか否かを判断する。ECU61は、この判断をメモリに記憶されている第1EGR弁18に係る診断データに基づいて行うことができる。この判断結果が否定となる場合、ECU61は、ステップ311で、ステップモータ31,51を制御することにより、第1EGR弁18及び第2EGR弁19を強制的に閉弁させる。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、第2EGR弁19の診断を行うために、処理をステップ303へ移行する。
そして、ステップ303で、ECU61は、ステップモータ51を制御することにより、第2EGR弁19を全閉に閉弁制御する。ここで、バタフライ弁よりなる第2EGR弁19は、閉弁状態(全閉状態)においてEGR通路17のボアと弁体43との間に所定の微少隙間ができることになる。
次に、ステップ304で、ECU61は、ステップモータ31を制御することにより、第1EGR弁18を微少開度である所定の診断開度まで開弁する。ここで、「診断開度」は、第2EGR弁19の微少隙間によるEGRガス漏れ流量よりも僅かに所定流量だけ多い流量を許容できる第1EGR弁18の開度に相当する。
次に、ステップ305で、ECU61は、吸気圧センサ66の検出信号に基づき、第2EGR弁19が開弁される前(閉弁状態)の吸気圧力(開弁前吸気圧力)PMc2を取り込む。ここで、第2EGR弁19が正常に閉弁(全閉)された場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、エンジン1の減速時にサージタンク3aで発生する第1EGR弁18の閉弁正常時の吸気負圧の値よりも、EGR通路17の上流側から第2EGR弁19の微少隙間を通じて作用する排気圧力の影響を受けた絶対値の高い値となり得る。これに対し、第2EGR弁19が正常に閉弁(全閉)されず開弁したままの開異常である場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、EGR通路17の上流側から第1EGR弁18の診断開度を通じて作用する排気圧力の影響を受けた、第2EGR弁19の閉弁正常時の吸気負圧の値よりも絶対値の高い値となり得る。
次に、ステップ306で、ECU61は、ステップモータ51を制御することにより、第2EGR弁19を開弁制御する。一例として、ECU61は、第2EGR弁19を、最大開度である小開度A1まで開弁させることができる。
次に、ステップ307で、ECU61は、吸気圧センサ66の検出信号に基づき、第2EGR弁19が開弁された後の吸気圧力(開弁後吸気圧力)PMo2を取り込む。ここで、第2EGR弁19が正常に開弁(全開)された場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、EGR通路17の上流側から第1EGR弁18の診断開度を通じて作用する排気圧力の影響を受けた、吸気負圧の値よりも絶対値の高い値となり得る。これに対し、第2EGR弁19が正常に開弁(全開)されず閉弁(全閉)したままの閉異常である場合には、吸気圧センサ66で検出される吸気圧力PMは、EGR通路17の上流側から第2EGR弁19の微少隙間を通じて作用する排気圧力の影響を受けた、吸気負圧の値よりも絶対値の高い値となり得る。
次に、ステップ308で、ECU61は、第2EGR弁19を閉弁状態から開弁させる前後で検出される吸気圧力の差(閉開吸気圧力差)ΔPM2を求める。ECU61は、開弁後吸気圧力PMo2から開弁前吸気圧力PMc2を減算することによりこの閉開吸気圧力差ΔPM2を求める。
その後、ステップ309で、ECU61は、閉開吸気圧力差ΔPM2が第1の所定値G1よりも大きいか否かを判断する。ここで、第1の所定値G1は、第2EGR弁19が正常に動作し、開弁前吸気圧力PMc1及び開弁後吸気圧力PMo1が適正に検出された場合の開弁後吸気圧力PMo2と開弁前吸気圧力PMc2との吸気圧力差であって、最低限の吸気圧力差を意味する。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、ステップ310で、第2EGR弁19を正常と判断する。ECU61は、この正常判断の結果をメモリに記憶しておくことができる。
一方、ステップ309の判断結果が否定となる場合、ECU61は、ステップ312で、開弁前吸気圧力PMc2が第2の所定値H1より小さいか否かを判断する。ここで、第2の所定値H1は、第2EGR弁19が閉異常となる場合のサージタンク3aにおける吸気圧力であって、最大限の値を意味する。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、ステップ313で、第2EGR弁19を閉異常と判断する。ECU61は、この閉異常判断の結果をメモリに記憶しておくことができる。
一方、ステップ312の判断結果が否定となる場合、ECU61は、ステップ314で、開弁後吸気圧力PMo2が第3の所定値J1(第2の所定値H1より大きい値)より大きいか否かを判断する。ここで、第3の所定値J1は、第2EGR弁19が開異常となる場合のサージタンク3aにおける吸気圧力であって、最低限の値を意味する。この判断結果が肯定となる場合、ECU61は、ステップ315で、第2EGR弁19を開異常と判断する。ECU61は、この開異常判断の結果をメモリに記憶しておくことができる。
一方、ステップ314の判断結果が否定となる場合、ECU61は、ステップ316で、第2EGR弁19の開異常の判断を保留する。
上記した第2EGR弁19の異常診断制御によれば、ECU61は、エンジン1の減速時に、ポペット弁よりなる第1EGR弁18を所定の診断開度に開弁させると共に、微少隙間ができるバタフライ弁よりなる第2EGR弁19を閉弁させてから、第2EGR弁19を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧センサ66により検出される吸気圧力PMの差に基づいて第2EGR弁19が異常(開異常又は閉異常)であるか、正常であるかを判断するようになっている。
以上説明したこの実施形態におけるEGR装置によれば、エンジン1の運転時であって過給機7の非作動時に、第1EGR弁18と第2EGR弁19が共に開いているときは、スロットルバルブ14より下流のサージタンク3aで発生する負圧がEGR通路17の出口17aに作用し、排気通路5を流れる排気の一部がEGRガスとして、EGR用触媒コンバータ20、EGR通路17及びEGRクーラ21を通じてサージタンク3aへ引き込まれる。このため、過給機7の非作動時に、EGR通路17を通じて適量のEGRガスを吸気通路3へ流して燃焼室16へ還流させることがきる。このとき、EGR通路17におけるEGR流量は、第1EGR弁18と第2EGR弁19の開度を適宜制御することで任意に調節することができる。
一方、エンジン1の運転時であって過給機7の作動時に、第1EGR弁18と第2EGR弁19が共に開いているときは、排気通路5における過給排気圧がEGR通路17の入口17bに作用し、排気通路5を流れる排気の一部が、EGRガスとして、EGR用触媒コンバータ20、EGR通路17及びEGRクーラ21を通じてサージタンク3aへ押し込まれる。このため、過給機7の作動時に、EGR通路17を通じて適量のEGRガスを吸気通路3へ流して燃焼室16へ還流させることがきる。このとき、EGR通路17におけるEGR流量は、第1EGR弁18と第2EGR弁19の開度を適宜制御することで任意に調節することができる。
この実施形態によれば、第1EGR弁18が全開から全閉までの間で開度可変に構成され、第2EGR弁19の最大開度が全開よりも小さい所定の小開度A1に規制される。従って、エンジン1が急減速となって、第1EGR弁18が大開度(例えば、全開)から、第2EGR弁19が最大開度(所定の小開度A1)から、それぞれ全閉へ向けて制御されるときには、第1EGR弁18よりも第2EGR弁19の方が速く全閉となり得る。
この実施形態によれば、EGRの要求流量Qegrが所定流量Q1より少ない小流量となる場合に、EGR通路17におけるEGR流量を調節するために、第1EGR弁18と第2EGR弁19の双方がEGR61により制御される。すなわち、バタフライ弁により構成されると共に所定の最大開度(小開度A1)から全閉までの間で開度可変に構成される第2EGR弁19が、EGRの要求流量Qegrに応じた、最大開度(小開度A1)又はそれよりも小さい所定の目標絞り開度TDegr2に固定される。また、ポペット弁により構成されると共に全開から全閉までの間で開度可変に構成される第1EGR弁18が、要求流量Qegrに応じた(目標絞り開度TDegr2にも応じた。)目標開度Tegr1に制御される。従って、EGR通路17におけるEGR流量は、第2EGR弁19が最大開度(小開度A1)又はそれよりも小さい所定の目標絞り開度TDegr2に固定されることで、要求流量Qegrの小流量域では比較的小流量に絞られるので、第1EGR弁18の単位開度当たりの流量変化が小さくなる。このため、EGRの要求流量Qegrが少ない小流量となる領域において、EGR流量を精密に調節することができる。また、第1EGR弁18が密閉性のあるポペット弁により構成されるので、第2EGR弁19を目標絞り開度TDegr2に固定した状態において、第1EGR弁18を全閉にすることでEGRの流れを漏れなく遮断することができる。
また、この実施形態によれば、EGRの要求流量Qegrが多い大流量となる領域においても、EGR流量を好適に調節することができる。よって、この実施形態では、小流量域から大流量域までのEGRの要求流量Qegrに応じたEGR流量を応答性よく好適に調節することができる。
上記したように、この実施形態では、EGR通路17に直列に設けられた第1EGR弁18及び第2EGR弁19を使用してEGR通路17における大量EGRを精度良く調節することができる。また、エンジン1の急減速時には、大量EGRを速やかに遮断(EGRカット)することができる。このため、大量EGRの停止遅れによるエンジン1の減速失火を回避することができる。加えて、第2EGR弁19を速やかに全閉とするために、その駆動機構として従来使用されてきたステップモータ51を使用しているだけなので、その駆動機構の大型化や駆動力の増強を抑制することができる。
この実施形態では、第2EGR弁19を所定の小開度A1とし、第1EGR弁18を全開とすることで、第1EGR弁18による最大EGR流量がEGR通路17における最大EGR流量として確保される。このため、第1EGR弁18が有する流量特性を最大限に発揮させて大量EGRを制御することができる。
この実施形態によれば、第1EGR弁18がポペット弁により構成されるので、ポペット弁の流量特性が反映される。例えば、一般的には、ポペット弁は、バタフライ弁に比べて流量特性が開度に対して徐々に変化する。このため、第2EGR弁19が開いているときに、第1EGR弁18の開弁を制御することで、EGR通路17におけるEGR流量を徐々に変化させて調節することができる。
一方、この実施形態によれば、第2EGR弁19がバタフライ弁により構成されるので、バタフライ弁の流量特性が反映される。例えば、一般的には、バタフライ弁は、ポペット弁に比べて調節可能な最大流量が大きく、全閉から全開又は全開から全閉への応答速度も速い。また、バタフライ弁の全閉状態では、ボアとの間に微少隙間があることから、その上流側と下流側の圧力の差が緩和される。このため、第2EGR弁19を最大開度から全閉へ閉弁させるときには、弁体43を速やかに閉弁させてEGR通路17におけるEGRの流れを速やかに遮断することができる。また、第2EGR弁19を全閉状態から最大開度へ開弁させるときには、弁体43を速やかに開弁させることができる。このため、EGR通路17に作用する排気圧力がピークとなるタイミングでも、その開弁開始時に第2EGR弁19にかかる負荷を軽減することができ、ステップモータ51に要求される駆動力を抑制することができる。この意味で、第2EGR弁19のステップモータ51の耐久性及び信頼性を向上させることができる。
この実施形態では、第1EGR弁18及び第2EGR弁19がそれぞれ電動弁により構成されるので、第1EGR弁18及び第2EGR弁19には、電動弁による制御性が反映される。すなわち、第1EGR弁18と第2EGR弁19の双方の開度をステップモータ31,51により連続的に可変とすることができる。このため、EGR通路17におけるEGR流量をより精密に制御することができる。また、第2EGR弁19の開閉応答性を高めることができる。更に、第1EGR弁18と第2EGR弁19の双方を制御することで、主として第1EGR弁18により大量のEGR流量を徐々に変化させて調節することができると共に、主として第2EGR弁19によりEGRの開始と停止を速やかに行うことができる。
この実施形態では、EGR通路17において第1EGR弁18が第2EGR弁19よりも下流に配置されるので、上流側の第2EGR弁19が全閉となった後は、下流側の第1EGR弁18が排気の影響を受け難くなる。このため、EGRの停止中には、第1EGR弁18を排気から保護することができる。
更に、この実施形態では、第1EGR弁18の異常を診断するために、ECU61が、エンジン1の減速時に、ポペット弁よりなる第1EGR弁18及びバタフライ弁よりなり閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができる第2EGR弁19を閉弁させてから、第1EGR弁18を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧センサ66により検出される吸気圧力PMの差、すなわち閉開吸気圧力差ΔPM1に基づいて第1EGR弁18が異常であるか否かを判断する。従って、第1EGR弁18を閉弁状態から開弁させる前後で検出される閉開吸気圧力差ΔPM1が、第1の所定値C1よりも大きくなる場合は、第1EGR弁18が正常に開弁したとして、第1EGR弁18が正常であると判断できる。また、その閉開吸気圧力差ΔPM1が、第1の所定値C1以下となる場合は、第1EGR弁18が正常に開弁しなかったとして、第1EGR弁18が異常であると判断できる。また、第1EGR弁18の異常を診断する際には、閉弁状態の第2EGR弁19にて弁体43とボアと間に微少隙間ができるだけなので、EGR通路17を通じて吸気通路3へ大量のEGRガスが流れることがない。このため、EGR通路17に直列に設けられた第1EGR弁18及び第2EGR弁19のうち下流に配置された第1EGR弁18の開閉異常を適正に診断することができ、その診断時に吸気通路3における吸気負圧の低下を抑えることができる。この結果、エンジン1の減速燃料カットからの復帰時には、エンジン1の出力トルクが急増してトルクショックが起きることを防止することができる。更に、減速燃料カットからの復帰遅れ(もたつき)を発生させながらトルクショックを回避する必要もない。
また、この実施形態では、ECU61により、第1EGR弁18の正常又は異常が判断され、異常については開異常と閉異常が区別される。このため、第1EGR弁18の異常をより厳密に診断することができる。この結果、第1EGR弁18が開異常であると判断された場合には、例えば、第2EGR弁19を閉弁状態のままとすることで、不要なEGRの流れを極力遮断するという異常回避の処置をとることができる。
加えて、この実施形態では、第2EGR弁19の異常を診断するために、ECU61が、エンジン1の減速時に、ポペット弁よりなる第1EGR弁18を微少開度としての診断開度に開弁させると共に、バタフライ弁よりなり閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができる第2EGR弁19を閉弁させてから、第2EGR弁19を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で吸気圧センサ66により検出される吸気圧力PMの差、すなわち閉開吸気圧力差ΔPM2に基づいて第2EGR弁19が異常であるか否かを判断する。従って、第2EGR弁19を閉弁状態から開弁させる前後で検出される閉開吸気圧力差ΔPM2が、第1の所定値G1よりも大きくなる場合は、第2EGR弁19が正常に開弁したとして、第2EGR弁19が正常であると判断できる。また、その吸気圧力の差が、第1の所定値G1以下となる場合は、第2EGR弁19が正常に開弁しなかったとして、第2EGR弁19が異常であると判断できる。更に、第2EGR弁19の異常を診断する際には、第1EGR弁18を微少開度に開弁させると共に第2EGR弁19に微少隙間ができているだけなので、EGR通路17を通じて吸気通路3へ大量のEGRガスが流れることがない。このため、EGR通路17に直列に設けられた第1EGR弁18及び第2EGR弁19のうち上流に配置された第2EGR弁19の開閉異常を適正に診断することができ、その診断時に吸気通路3における吸気負圧の低下を抑えることができる。この結果、エンジン1の減速燃料カットからの復帰時には、エンジン1の出力トルクが急増してトルクショックが起きることを防止することができる。また、減速燃料カットからの復帰遅れ(もたつき)を発生させながらトルクショックを回避する必要もない。
また、この実施形態では、ECU61により、第2EGR弁19の正常又は異常が判断され、異常については開異常と閉異常が区別される。このため、第2EGR弁19の異常をより厳密に診断することができる。この結果、第2EGR弁19が開異常であると判断した場合には、例えば、第1EGR弁18を閉弁さあせることで、不要なEGRの流れを遮断するという異常回避の処置をとることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明におけるエンジンの排気還流装置を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に説明する各実施形態において前記第1実施形態と同等の構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
図6に、EGR通路17の一部であって第1EGR弁18と第2EGR弁19が設けられる部分を拡大して断面図により示す。図6に示すように、この実施形態では、第2EGR弁19がポペット弁により構成される点で第1実施形態と異なる。すなわち、第2EGR弁19のステップモータ51の出力軸52は、軸受57を介してEGR通路17及びハウジング等に支持される。出力軸52の下端には平板状の弁体58が固定され、その弁体58がEGR通路17に設けられた弁座59に着座可能に設けられる。この実施形態では、第1EGR弁18を構成する弁体32及び弁座33が、第2EGR弁19を構成する弁体58及び弁座59よりも相対的に小型に形成される。
この実施形態では、第1EGR弁18の出力軸34が、全閉状態から全開状態までの間で所定のストロークL1だけストローク運動可能に設けられる。これに対し、第2EGR弁19は、その最大開度が全開よりも小さい所定の小開度A1により設定される。すなわち、ステップモータ51の出力軸52は、弁体58が弁座59に着座する全閉状態から、弁体58が軸受57に当接する所定の小開度A1までの間で所定のストロークL2だけストローク運動可能に設けられる。ステップモータ51が本来有する出力軸52の運動可能なストロークは、ストロークL2よりも大きいのであるが、この実施形態では、弁体58の最大開度を所定の小開度A1に設定するために、軸受57を軸方向に長くし、その下端に弁体58が早めに当接することで出力軸52のストローク運動を最大量よりも小さいストロークL2に規制するようにしている。また、この実施形態では、第1EGR弁18による最大EGR流量を確保するために、第2EGR弁19の弁座59の開口面積が比較的大きく形成されると共に、弁体58が比較的大面積に形成される。この実施形態では、第1EGR弁18の出力軸34に係るストロークL1よりも第2EGR弁19の出力軸52に係るストロークL2の方が明らかに小さくなるように設定される。
第2EGR弁19がバタフライ弁に代わってポペット弁により構成されることで、EGR装置の異常診断制御について、以下の点が異なる。図7に、第1EGR弁18の異常を診断するための異常診断制御の処理内容の一例をフローチャートにより示す。
図7に示すように、このフローチャートでは、ステップ222を除き、ステップ200からステップ213の処理内容が、図4に示すフローチャートの処理内容と基本的に同じとなっている。ただし、ステップ207,209,211に示す第1の所定値C1、第2の所定値D1及び第3の所定値E1に当てはめられる具体的な値については、第1実施形態のそれと異なる場合がある。
図7に示すフローチャートでは、ステップ202で、ECU61が、第1EGR弁18及び第2EGR弁19を閉弁制御した後、ステップ222で、ECU61は、ステップモータ51を制御することにより、第2EGR弁19を微少開度としての診断開度まで開弁する。これにより、第1EGR弁18の異常を診断するために、第2EGR弁19の下流側にわずかに排気圧力が作用するようになっている。
また、この実施形態で、第2EGR弁19の異常を診断するための異常診断制御の処理内容については、図5に示すフローチャートの処理内容と基本的に同じである。ただし、この実施形態において、図5のフローチャートのステップ309,312,314に示す第1の所定値G1、第2の所定値H1及び第3の所定値J1に当てはめられる具体的な値については、第1実施形態のそれと異なる場合がある。
従って、この実施形態でも、通常のEGR制御及びEGR装置の異常診断制御について、第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、この実施形態のEGR装置によれば、第2EGR弁19がステップモータ51により駆動されるポペット弁により構成されるので、第1実施形態で弁体43とロッド46との間に設けられたリンク45を省略することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明におけるエンジンの排気還流装置を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図8に、この実施形態におけるEGR装置を含む過給機付エンジンシステムを概略構成図により示す。図8に示すように、この実施形態では、EGR装置の配置の点で第1実施形態と構成が異なる。すなわち、この実施形態で、EGR通路17は、その入口17bが触媒コンバータ15より下流の排気通路5に接続され、その出口17aが過給機7のコンプレッサ8より上流の吸気通路3に接続される。その他の構成については、第1実施形態のそれと同じである。
従って、この実施形態によれば、エンジン1の運転時であって、過給機7の作動時に第1EGR弁18と第2EGR弁19が共に開いているときは、過給吸気圧による負圧が、コンプレッサ8より上流の吸気通路3にてEGR通路17の出口17aに作用し、触媒コンバータ15より下流の排気通路5に流れる排気の一部がEGR通路17、EGRクーラ21、第2EGR弁19及び第1EGR弁18を介して吸気通路3へ引き込まれる。ここで、高過給域であっても触媒コンバータ15の下流側では、触媒コンバータ15が抵抗となって排気圧力がある程度低減される。このため、高過給域までEGR通路17に過給吸気圧による負圧を作用させてEGRを行うことができる。また、触媒コンバータ15で浄化される排気ガスの一部がEGR通路17に導入されるので、第1実施形態と比較して、EGR通路17からEGR用触媒コンバータ20を省略することができる。この実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態のそれと同じである。
<第4実施形態>
次に、本発明におけるエンジンの排気還流装置を具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図9に、この実施形態におけるEGR通路17の一部であって第1EGR弁18と第2EGR弁19が設けられる部分を拡大して断面図により示す。図9に示すように、この実施形態では、第2EGR弁19の構成の点で第1実施形態と構成が異なる。すなわち、第1実施形態では、バタフライ弁より構成される第2EGR弁19をステップモータ51により駆動するように構成したが、この実施形態では、図9に示すように、第2EGR弁19をダイヤフラムアクチュエータ41により駆動するように構成している。ダイヤフラムアクチュエータ41は、ハウジング44と、リンク45を介して弁軸42に連結されたロッド46と、ロッド46の基端に連結されたダイヤフラム47と、ダイヤフラム47により区画された負圧室48と、負圧室48に設けられてダイヤフラム47を付勢するスプリング49とを備える。負圧室48に負圧が導入されない状態では、ダイヤフラム47がスプリング49により押されてロッド46が最下端位置に配置される。この状態では、リンク45及び弁軸42を介して弁体43がEGR通路17を全閉とする位置(全閉位置)に配置される。一方、負圧室48に負圧が導入されることにより、ダイヤフラム47とロッド46がスプリング49に抗して引かれて変位し、ロッド46が最上端位置へと移動する。この状態では、リンク45及び弁軸42を介して弁体43がEGR通路17を全開とする位置(全開位置)へ配置されることになる。
この実施形態では、図9に示すように、ロッド46上の所定の位置にストッパ50が設けられ、そのストッパ50がハウジング44に係合可能に設けられる。このストッパ50は、第2EGR弁19の弁体43の最大開度を、全開よりも小さい所定の小開度A1(例えば、全開に対する30%の開度)に規制するように構成される。このように、第2EGR弁19は、所定の小開度A1から全閉までの間で開度可変に構成される。そして、この実施形態では、第2EGR弁19の所定の小開度A1により第1EGR弁18による最大排気流量(最大EGR流量)を確保できるように弁体43とEGR通路17の寸法が設定される。また、ダイヤフラムアクチュエータ41の負圧室48への負圧の導入を制御するために、ECU61は、所定のバキューム・スイッチング・バルブ(VSV)を制御するように構成される。その他の構成については、第1実施形態のそれと基本的に同じである。
従って、この実施形態でもEGR制御とEGR装置の異常診断制御について第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜に変更して以下のように実施することもできる。
(1)前記各実施形態では、本発明のEGR装置を過給機7を備えたエンジン1に具体化したが、本発明のEGR装置を過給機を備えていないエンジンに具体化することもできる。
(2)前記第1実施形態では、第1EGR弁18をポペット弁により構成し、第2EGR弁19をバタフライ弁により構成したが、これとは逆に、第1EGR弁をバタフライ弁により構成し、第2EGR弁をポペット弁により構成することもできる。
この発明は、例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジンにかかわらず車両用エンジンに利用することができる。
1 エンジン
3 吸気通路
3a サージタンク
5 排気通路
16 燃焼室
17 EGR通路(排気還流通路)
17a 出口
17b 入口
18 第1EGR弁(第1排気還流弁)
19 第2EGR弁(第2排気還流弁)
31 ステップモータ
32 弁体
33 弁座
34 出力軸
41 ダイヤフラムアクチュエータ
42 弁軸
43 弁体
51 ステップモータ
52 出力軸
58 弁体
59 弁座
61 ECU(異常診断手段)
66 吸気圧センサ(吸気圧力検出手段)
PM 吸気圧力
ΔPM1 閉開吸気圧力差
ΔPM2 閉開吸気圧力差
PMc1 開弁前吸気圧力
PMo1 開弁後吸気圧力
PMc2 開弁前吸気圧力
PMo2 開弁後吸気圧力
C1 第1の所定値
D1 第2の所定値
E1 第3の所定値
G1 第1の所定値
H1 第2の所定値
J1 第3の所定値

Claims (6)

  1. エンジンの燃焼室から排気通路へ排出される排気の一部を吸気通路へ流して前記燃焼室へ還流させる排気還流通路と、前記排気還流通路における排気流量を調節するために前記排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁とを備えたエンジンの排気還流装置において、
    前記排気還流通路において前記第1排気還流弁が前記第2排気還流弁よりも下流に配置されることと、
    前記吸気通路における前記排気還流通路から排気が流れる部分にて吸気圧力を検出するための吸気圧力検出手段と、
    前記検出される吸気圧力に基づいて前記第1排気還流弁の異常を診断するための異常診断手段と
    を備え、前記異常診断手段は、前記エンジンの減速時に、前記第1排気還流弁を閉弁させると共に前記第2排気還流弁を微少開度に開弁させてから、前記第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で前記吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて前記第1排気還流弁が異常であるか否かを判断することを特徴とするエンジンの排気還流装置。
  2. エンジンの燃焼室から排気通路へ排出される排気の一部を吸気通路へ流して前記燃焼室へ還流させる排気還流通路と、前記排気還流通路における排気流量を調節するために前記排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁とを備えたエンジンの排気還流装置において、
    前記排気還流通路において前記第1排気還流弁が前記第2排気還流弁よりも下流に配置されることと、
    前記第1排気還流弁がポペット弁により構成され、前記第2排気還流弁がバタフライ弁により構成され、前記バタフライ弁は、閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができることと、
    前記吸気通路における前記排気還流通路から排気が流れる部分にて吸気圧力を検出するための吸気圧力検出手段と、
    前記検出される吸気圧力に基づいて前記第1排気還流弁の異常を診断するための異常診断手段と
    を備え、前記異常診断手段は、前記エンジンの減速時に、前記第1排気還流弁及び前記第2排気還流弁を閉弁させてから、前記第1排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で前記吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて前記第1排気還流弁が異常であるか否かを判断することを特徴とするエンジンの排気還流装置。
  3. 前記異常診断手段は、前記吸気圧力の差が第1の所定値より大きい場合に前記第1排気還流弁が正常であると判断し、前記吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、前記第1排気還流弁の閉弁時に検出される吸気圧力が第2の所定値より小さい場合に前記第1排気還流弁が閉弁したままの閉異常であると判断し、前記吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、前記第1排気還流弁の開弁時に検出される吸気圧力が第3の所定値(前記第2の所定値より大きい値)より大きい場合に前記第1排気還流弁が開弁したままの開異常であると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの排気還流装置。
  4. エンジンの燃焼室から排気通路へ排出される排気の一部を吸気通路へ流して前記燃焼室へ還流させる排気還流通路と、前記排気還流通路における排気流量を調節するために前記排気還流通路に直列に設けられた第1排気還流弁及び第2排気還流弁とを備えたエンジンの排気還流装置において、
    前記排気還流通路において前記第1排気還流弁が前記第2排気還流弁よりも下流に配置されることと、
    前記吸気通路における前記排気還流通路から排気が流れる部分にて吸気圧力を検出するための吸気圧力検出手段と、
    前記検出される吸気圧力に基づいて前記第2排気還流弁の異常を診断するための異常診断手段と
    を備え、前記異常診断手段は、前記エンジンの減速時に、前記第1排気還流弁を微少開度に開弁させると共に前記第2排気還流弁を閉弁させてから、前記第2排気還流弁を閉弁状態から開弁させてその開弁の前後で前記吸気圧力検出手段により検出される吸気圧力の差に基づいて前記第2排気還流弁が異常であるか否かを判断することを特徴とするエンジンの排気還流装置。
  5. 前記第1排気還流弁がポペット弁により構成され、前記第2排気還流弁がバタフライ弁により構成され、前記バタフライ弁は、閉弁状態でボアとの間に微少隙間ができることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの排気還流装置。
  6. 前記異常診断手段は、前記吸気圧力の差が第1の所定値より大きい場合に前記第2排気還流弁が正常であると判断し、前記吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、前記第1排気還流弁の閉弁時に検出される吸気圧力が第2の所定値より小さい場合に前記第2排気還流弁が閉弁したままの閉異常であると判断し、前記吸気圧力の差が第1の所定値以下で、かつ、前記第1排気還流弁の開弁時に検出される吸気圧力が第3の所定値(前記第2の所定値より大きい値)より大きい場合に前記第2排気還流弁が開弁したままの開異常であると判断することを特徴とする請求項4又は5に記載のエンジンの排気還流装置。
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