JP2013199759A - シャワーフック - Google Patents

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崇宏 須藤
Makoto Ishihara
誠 石原
Hideki Kunieda
秀樹 国枝
Yukinaga Nomura
幸永 野村
Kazumasa Kimura
和正 木村
Atsunori Yamada
篤則 山田
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Abstract

【課題】
ハンドシャワーの使用時に湯温が低下した残留水を使用者が不意に浴びてしまうおそれを確実かつ簡便な手段により減少させることのできるシャワーフックを提供すること。
【解決手段】
シャワーフック1(感温部)を、シャワーヘッド4からの吐水の熱が伝達されるように構成されるとともに、吐水の温度により変色する可逆性熱変色性材料により構成した。また、シャワーヘッド4のシャワーフェイス5を壁面2側に向けて係止可能な係止部20を設けた。本体10の背面側において吐水を流下させることが可能な流通部を設けた。シャワーフック1(感温部)はフック8bにより壁面2との間に挟持固定されるように構成した。
【選択図】 図6

Description

本発明は浴室に設置されて、ハンドシャワーのシャワーヘッドを係止するシャワーフックに関する。
従来、浴室内の壁面などにはフックが配設されており、浴室内に別途備えられたハンドシャワーのシャワーヘッドは、未使用時には、このフックに固定することができるように構成されている。そしてハンドシャワーの未使用時以外にも、シャワーヘッドを把持することなく洗髪や身体にシャワーを浴びたい場合には、このフックにシャワーヘッドを固定して使用者自身に向けてシャワー散水を行うこともできるように構成されている。
ところでシャワー水栓に限らず、温水で吐水していた場合であっても、吐水をいったん停止し一定の時間が経過すると、水栓内部や配管内に残留している温水の温度が低下し、この残留水の温度は温度調節ハンドルによって設定された温度よりもかなり低くなってしまう。このため、シャワーヘッドをフックに固定したまま吐水を再開した場合に、温度の下がってしまった残留する冷水を身体に浴びてしまう恐れなどがあった。このため、このような吐水停止時に発生する冷えた残留水を使用者が浴びないようにするために、残留水を排出するように構成された水栓などが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−24232公報(図1)
前述したような従来の水栓では、残留水を排出するための排出管など配管や弁装置を別途追加する必要があり、コストが嵩む。また、一定量の残留水が排出されるので冷水の一部をあらかじめ除くことはできるが、吐水再開時の湯温が適温まで上昇しているかどうかについて、例えば、身体に浴びる前に使用者が手で湯温を確認するなど、なお、注意を要するという問題があった。また、このように使用者が手などで実際に湯温を確認しない場合には、吐水を再開して吐水が確実に適温となったと推測できる所定以上の時間を経過してから吐水を浴びるなどの対処を要するため、不必要な吐水をそのまま捨てることとなりがちであり省資源対策に反することともなっていた。
本発明は上記した従来技術の問題点を解消するものであり、ハンドシャワーの使用時に湯温が低下した残留水を使用者が不意に浴びてしまうおそれを確実かつ簡便な手段により減少させることのできるシャワーフックを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明の第一の手段のシャワーフックは、浴室の壁面などの取付部に固定されてハンドシャワーのシャワーヘッドを着脱自在に固定可能なシャワーフックであって、本体と前記シャワーヘッドを係止可能な係止部が備えられ、前記シャワーヘッドからの吐水の熱が伝達されるように構成されるとともに、吐水の温度により変色する可逆性熱変色性材料を有する感温部が備えられたことを特徴とするシャワーフックである。
シャワーフックは、吐水の温度により変色する可逆性熱変色性材料を有する感温部を備えることにより、シャワーフェイスからの吐水温度が一定以上となったか否かについて、変色により明確に判別することができる。例えば感温部の変色温度域を38℃〜40℃程度となるように構成することにより、吐水が適切な温度まで上昇したか否かについて、使用者は目視により確実に確認することができる。このような確認の後にハンドシャワーからの吐水を浴びるようにすることができる。また、感温部の可逆性熱変色性材料は公知の種々のものを用いることができる。
また、本発明の第二の手段のシャワーフックは、前記した第一の手段のシャワーフックにおいて、前記シャワーヘッドのシャワーフェイスを前記取付部側に向けて係止可能な係止部が備えられたことを特徴とするシャワーフックである。
シャワーフックの係止部は、シャワーフェイスを取付部側に向けて係止可能に構成されているので、吐水が使用者側に向けて飛び散る恐れを少なくすることができる。よって、吐水が適切な温度に上昇するまではシャワーヘッドを取付け部側に向けて係止したままにしておくことができ、温度が低下した残留水が使用者にかかる恐れをより低減させることができる。
また、本発明の第三の手段のシャワーフックは、前記した第一の手段又は第二の手段のシャワーフックにおいて、前記取付部と、前記取付部にねじ止めされた既設のフックとの間に挟持固定される挟持固定部が備えられたことを特徴とするシャワーフックである。
ほとんどの浴室の壁面などの取付部には、シャワーヘッドを係止固定することのできるようにフックが既設されている。本発明のシャワーフックでは上記のような挟持固定部を備えることにより、既にねじ止めされている既設のフックのみを用いて壁面などの取付部に固定することができる。また、新たに取付部へねじ止めする必要がなく取付部側への加工も必要が無い。具体的な取り付け方法は、いったん既設のフックのねじを緩めて取り外し、挟持固定部を挟むような態様で既設のシャワーフックとともに再度ねじ止めすることが考えられる。
また、本発明の第四の手段のシャワーフックは、前記した第一の手段から第三の手段のいずれかのシャワーフックにおいて、前記係止部に、前記シャワーヘッドを、前記シャーフェイス面に対して垂直な方向において嵌合固定可能な嵌合部が設けられていることを特徴とするシャワーフックである。
本発明のシャワーフックでは、嵌合部によって、吐水の反動によりシャワーヘッドが振動したりシャワーフックから脱落しないように構成されている。また、嵌合部は、例えばシャワーヘッドをシャワーフックの上方からスライド嵌合するように構成し、シャワーヘッドの前後方向においてはシャワーヘッドを規制するように抑制するように形成するものを例示することができる。
また、本発明の第五の手段のシャワーフックは、前記した第一の手段から第四の手段のいずれかのシャワーフックにおいて、前記係止部に、前記シャワーフェイスの外周部の少なくとも一部を被覆する被覆壁部が設けられたことを特徴とするシャワーフックである。
シャワーフックは、このような被覆壁部を設けることにより、シャワーヘッド側方への吐水の飛び散りを減少させることができる。すなわち、シャワーヘッドを係止した状態における冷水の飛び散りを減少させることができる。
また、本発明の第六の手段のシャワーフックは、前記した第一の手段から第五の手段のいずれかのシャワーフックにおいて、前記本体の前記取付部側において吐水を流下させることが可能な流通部が備えられていることを特徴とするシャワーフックである。
シャワーフックは、本体の背面側において吐水を流下させることにより、正面方向、すなわち使用者方向への吐水の飛び散りを極力抑えることができる。
また、本発明の第七の手段のシャワーフックは、前記した第六の手段のシャワーフックにおいて、前記感温部は前記流通部に露呈され、前記感温部に対応する前記シャワーフックの前記本体の正面側の部位が透明な材質によって形成されていることを特徴とするシャワーフックである。
シャワーヘッドからの吐水が流される流通部がシャワーフック本体の背面側に設けられている場合、吐水による感温部の変色が背面側にのみ生ずるなど、感温部の変色を確認し難いが、本発明のシャワーフックによれば、本体の背面側に配設されている感温部を、本体の正面側から透視できるので、使用者が、目視により吐水の温度上昇を把握することをより確実に行うことができる。
本発明は上記のように、シャワーヘッドからの吐水の熱が伝達されるように構成されるとともに、吐水の温度により変色する可逆性熱変色性材料を有する感温部が備えられており、吐水の温度が一定以上となったか否かについて、変色により明確に判別することができるので、使用者が誤って冷水を浴びることが無い。また、所定の温度に達したかを明確に判別できるので、所定の温度の温水になれば直ちに身体等に浴びることができるかを把握できるので、使用者が温水を無駄にすることを少なくすることもできる。また、特に第三の手段のシャワーフックでは、既設の別のシャワーフックを利用することにより、取付部等に別途加工を要せず、設置コストを低減することもできる。また第四の手段のシャワーフックでは取付部への固定をより確実にすることもできる。また第五の手段のシャワーフックではシャワーヘッドを係止した状態における吐水の飛び散りも減少させることにより、使用者に与える不快感をより一層減少させることができる。また特に第六の手段のシャワーフックでは係止状態での吐水を本体の背面側に流下させることができるので、吐水の飛び散りをより一層低減でき、使用者に与える不快感をより一層減少させることができる。また第七の手段のシャワーフックでは本体の背面側に流通部を設けた場合でも、感温部の変色を確実に把握することができ、流通部を背面側にしたことにより吐水の飛び散りを抑えつつも、吐水の温度変化を確実に把握することもできる。
本発明のシャワーフックの正面側の斜視図である。 シャワーフェイスを背面側に向けてシャワーヘッドを係止した状態の図1のシャワーフック周辺の斜視図である。 図1のシャワーフックの背面側の斜視図である。 シャワーフェイスを正面側に向けてシャワーヘッドを係止した状態の図1のシャワーフックの正面側の斜視図である。 シャワーフェイスを正面側に向けてシャワーヘッドを係止した状態の図1のシャワーフック周辺の斜視図である。 シャワーフェイスを背面側に向けてシャワーヘッドを係止した状態の図1のシャワーフックの正面側の斜視図である。
次に、本発明の実施の形態を図を参考にして詳細に説明する。図2に示されるように、本発明のシャワーフック1は、浴室の壁面2に設置固定され、シャワーヘッド4を着脱自在に係止固定可能に設けられたものである。なお、壁面2は第一の手段に示す「取付部」の一例である。シャワーヘッド4は、一端側に湯水混合水栓(図示省略)が接続されたシャワーホース7が接続されており、必要に応じて使用者が把持部4aを把持して任意の位置において吐水を可能とするハンドシャワーである。取付部2には、大型の鏡3が設置されている。この鏡3の左側の上下2か所において、既設のフック8a、8bが設置されており、このフック8a、8bに対してシャワーヘッド4を係止したまま吐水を行うことができるように構成されている。具体的にはフック8a、8bはそれぞれ、図5等にも示されるように、上方のフック8aは主に使用者が立って使用し、全身にシャワーフェイス5からの吐水を浴びる際にシャワーヘッド4を係止するために用いられる。下方のフック8bは主に使用者が座ったり屈んだりして使用し、洗髪の際などにシャワーフェイス5からの吐水を浴びる際にシャワーヘッド4を係止するために用いられるとともに、シャワーフェイス5からの吐水を行なわない場合に係止しておくために多く用いられる。本シャワーフック1は、取付部2とフック8bとで挟持固定されて壁面2に設置固定されている。
ついでシャワーフック1の詳細について説明する。図1に示されるように、シャワーフック1は、全体としては、本体10が縦長の薄い板状に形成され、この本体10の上端に係止部20が正面側に向けて突設されるように備えられている。そして、本例では、シャワーフック1は全体が可逆性熱変色性樹脂材料で形成されている。そして、シャワーヘッド4からの吐水の熱が伝達されて、およそ38℃〜40℃の範囲以上において赤色に、これより低い温度では水色に可逆的に変色するように構成されている。本例ではシャワーフック1全体が「感温部」を構成することになる。
本体10は、平面視において中央付近が正面側に盛り上がるように湾曲して形成されており、図3にも示されるように、この本体10の背面側の部位が、吐水が流下される流通部40を構成している。図1に示されるように、本体10の正面側下端には、その正面側から背面側に向けて凹設された凹部12が備えられている。凹部12の下部は下方に向けて開口されている。図4に示されるように、この凹部12はフック8bの正面視外形のうち上面及び両側面とほぼ同形状となるようにその正面視内形が形成されており、凹部12がフック8bにほぼ嵌合するように設けられている。なお、凹部12の内形はフック8bの形状に応じて適宜変更することができる。しかしながらフック8bとシャワーフック1とががたつき少なく固定されるためには、本例のように凹部12がフック8bにほぼ嵌合するように凹部12の内形を形成することが望ましい。
また、図1及び図3に示されるように、シャワーフック1の凹部12の正面視背面側の挟持固定部14には、上下に2か所のねじ挿通孔16a、16bが開設されている。ねじ挿通孔16a、16bは、フック8bを壁面2にねじ止めするねじ(図示省略)がそれぞれ挿通可能な内径・間隔に形成されており、フック8bが、壁面2との間に挟持固定部14を挟み込むようにしてねじにより壁面2にねじ止めされることにより、挟持固定部14を堅固に壁面2に固定することができるように構成されている。より具体的には、ねじ止めされることにより、フック8bの背面側が凹部12にはまり込むようにして、挟持固定部14が、フック8bの背面側によって壁面2に押し付けられるようにして挟持固定される。なお、例えばフック8bのねじを避けるような別の形状の挟持固定部とし、ねじによる挟持固定部の固定をすることなく、単にフック8bにより壁面2との間において挟持固定部を挟持させるのみとすることもできる。また、フック8bとシャワーフック1とを一体化した形状とする他のシャワーフックとすることもできる。この場合には本発明のシャワーフックは、図4及び図6に示されるフック8bのようなシャワーヘッド4の基端部を係止固定できる部位を備えることになる。
ついで係止部20について説明する。図1、図4及び図6等に示されるように、係止部20は、円弧状に湾曲された右被覆壁部22及び左被覆壁部24が設けられ、これらの右被覆壁部22と左被覆壁部24との上下の端部の間にそれぞれ上部切欠き26及び下部切欠き28が備えられており、切欠きを有する円筒に近い全体形状に形成されている。また、この係止部20は、本体10の上端から本体10の正面側やや斜め上に向かって突設されている。
上部切欠き26の幅は、係止されるシャワーヘッド4のヘッド部4b幅よりも僅かに大きく形成されている。一方、下部切欠き28の幅はシャワーヘッド4の把持部4aよりも僅かに大きく形成されている。よって、シャワーヘッド4を、シャワーフェイス5は上にシャワーホース7は下にして、かつ、シャワーフェイス5はシャワーフック1の背面方向に向けて、係止部20の上方から係止部20内にスライドさせていくと、シャワーヘッド4の把持部4aが下部切欠き28内に挿通されるとともにシャワーヘッド4のヘッド部4bは右被覆壁部22の下端及び左被覆壁部24の下端により下方向へのスライドが規制され、これによりシャワーヘッド4のヘッド部4bは係止部20の下方向において係止される。
また、図4及び図6に示されるように、右被覆壁部22及び左被覆壁部24の先端部22a、24aのそれぞれは、シャワーヘッド4のヘッド部4bが係止部20に係止された状態において、ヘッド部4bがシャワーフック1の正面方向に移動しないようシャワーフェイス5の外周部6に当接して規制するように、係止部20の正面視中央に向けてそれぞれ傾斜して形成されている。すなわち、右被覆壁部22及び左被覆壁部24は、先端部22a、24a側において中心に向けて傾斜され、右被覆壁部22及び左被覆壁部24全体として「すり鉢」状に形成されている。このようにして、シャワーヘッド4のヘッド部4bは係止部20の前後方向のいずれにおいても嵌合状態で係止される。これらの先端部22a、24aが第四の手段に言う「嵌合部」を構成する。前述のように、先端部22a、24aが中心に向けて傾斜されるようにして「嵌合部」を構成し、シャワーヘッド4のヘッド部4bが前方に移動するおそれはない。また、後方への移動もしないように嵌合されている。よって、特に吐水を開始した際に吐水の反動によりシャワーヘッド4が前方に飛び出たりするおそれを軽減することができる。以上のように、シャワーヘッド4がシャワーフック1の背面方向にシャワーフェイス5を向けて係止部20に係止された際には、上方にのみシャワーヘッド4を抜くことができることになる。また、係止部20の前後方向においてヘッド部4bを嵌合することにより、シャワーヘッド4を係止部20に係止した状態で吐水を開始しても、シャワーヘッド4が、吐水の反動で係止部20から脱落したり係止部20内で振動したりする恐れを低減することができる。また、右被覆壁部22及び左被覆壁部24が、シャワーフェイス5の外周部6を被覆することができるので、シャワーフェイス5をシャワーフック1の背面方向に向けてシャワーヘッド4を係止部20に係止した際に、シャワーヘッド4の側方への吐水の飛び散りを減少させることができる。
また、図1及び図3に示されるように、係止部20の奥端には、下方寄りのみを開口する開口部30を備えた壁部32が設けられている。シャワーヘッド4が係止部20に係止されたシャワーフェイス5をシャワーフック1の背面方向に向けて吐水を開始すると、シャワーフェイス5からの吐水はこの壁部32に当たり、壁面2に直接吐水が当たることによる騒音を防止することができる。また、壁部32は中央がやや窪んで凹設されており、壁部32に当たった吐水を、後述する流通部40の左右方向における中央付近に集めることができるように構成されている。
ついで流通部40について説明する。図3に示されるように、流通部40は本体10の背面側に備えられている。シャワーヘッド4が、シャワーフェイス5をシャワーフック1の背面方向に向けて係止部20に係止された際には、シャワーヘッド4からの吐水はこの流通部40内を流下する。なお、流通部40内において、流通部40の左右方向の中央付近に向けて吐水を集めるためのリブなどを設けることとしても良い。また、本体10の背面側の両側端と凹部12の左右両側端との間には、流通部40から流下してきた湯水をシャワーフック1外に排出する排出口42a、42bがそれぞれ形成されている。このように、シャワーヘッド4からの吐水は、流通部40を流下して排出口42a、42bから排出されるので開口部30から流下される吐水は、本体10の正面側に飛び散ることがなく、流通部40内を流下する湯水が周囲へ飛び散るおそれを低減することができる。
以上のように構成されたシャワーフック1は次のように使用することができる。図4及び図5に示されるように、シャワーヘッド4の未使用時及びシャワーヘッド4から吐水される湯水が十分な温度の湯水となっているなどの場合には、シャワーフェイス5を使用者側に向けて、シャワーヘッド4をフック8bに係止しておけば良い。また、同様に、上方のフック8aに係止しておいても良い。一方、吐水開始時の冷水を浴びることを避けるためには、図2及び図6に示されるように、まずはシャワーフェイス5を使用者側と反対方向、すなわち壁面2側に向けてシャワーヘッド4をフック8bに係止しておく。所定以上の温度に温まっていないシャワーフック1全体は、可逆性熱変色性樹脂材料で形成されているため、この時点では水色となっている。この状態からシャワーヘッド4からの吐水を開始すると、係止部20奥の壁部32に当たった湯水は開口部30から流通部40に流下される。吐水の温度が十分に上昇し、この吐水により流通部40が38℃〜40℃程度に温まると、「感温部」の一部である流通部40は可逆性熱変色性樹脂材料で構成されているため、赤色に変色する。すなわちこの時点で、吐水の温度が十分に上昇していることになる。使用者はシャワーフック1の赤色への変色を待ってシャワーヘッド4を把持して使用すれば、吐水の温度を実際に手で触って確認することなく使用でき、意図せずに冷水を浴びてしまう恐れを減少させることができる。
本発明の実施の形態は前述のように構成されているが、本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、前述の例では、シャワーフック1全体が可逆性熱変色性樹脂材料で構成されているが、例えば、ABS樹脂製等のシャワーフックの表面に可逆性熱変色性塗料を塗布することとしても良い。
また、シャワーフック1の流通部40を本体10の背面側にしたために吐水による変色を認識し難い場合には、前述の実施の形態と異なる下記のような構成を取ることができる。例えば、流通部40の下方寄りにおいて、本体10の正面側を吐水が流下して本体10の正面側において吐水の温度変化による変色が的確になされ使用者に変色を認識させ易いようにするために、流通部40の下方寄りにおいて、本体10の正面側に吐水を導く導水孔などを開設することとしても良い。この場合などにおいては、導水孔より下方の本体10の正面側の表面に可逆性熱変色性材料を塗布したシールなどを貼ることとしても良い。また、この場合において、シールなどの感温部を、吐水があたたまったことを示す文字など(例えば「温」)として表示させるように形成しても良い。また、流通部40から本体10の正面側にかけて貫通された貫通孔と、流通部40に露呈されるとともに貫通孔に挿嵌された伝熱部材とが備えられ、感温部は、本体10の正面側に露呈されるとともに伝熱部材に接触した状態で固定されているものとすることもできる。具体的には、流通部40を流下する吐水から伝熱する金属板を本体10の正面側に露呈させ、この金属板に接触するようにして本体10の正面側に露呈させた感温部(可逆性熱変色性樹脂部品や可逆性熱変色性材料を塗布したシールなど)を設け、本体10の正面側において変色を明示させるものでも良い。このような金属板は、本体10の裏表に貫通する孔をあけて取り付けても良い。また、感温部は流通部40に露呈され、感温部に対応するシャワーフック1の本体10の正面側の部位が透明な材質によって形成されているものとすることもできる。具体的には、感温部を流通部40内において露呈させ、感温部に対応するシャワーフック1の本体10の正面側の部位において少なくとも透明な材質とすることにより、本体10の背面側にある感温部を視認しやすくできる。また、前述の例において、使用者が目視できる排出口42a、42bの下方近傍に、排出される吐水を受けて変色可能な感温部を設けても良い。
また、シャワーヘッド4のシャワーフェイス5がシャワーフック1の正面方向に向いた状態において、シャワーフェイス5の手前側を覆うように左右両側から突設された感温部を備えるものなども可能である。例えば、このような感温部をゴムなどとともに形成し、シャワーヘッド4を係止する場合には、この感温部を左右に押し開くようにして奥側にシャワーヘッド4を押し込み係止する。係止された状態では、シャワーフェイス5からの吐水は前方の感温部に当たり使用者側への吐水が制限される一方、吐水が所定の温度以上となれば変色する。感温部の面積を大きくとるなど吐水のほとんどを遮ることができる形状にすれば、シャワーフェイス5が正面方向を向いて係止されていても、吐水の飛び散りを最小限に抑えることができる。そして、吐水が所定の温度になったことを示すように感温部が変色した後に、感温部を再び押し開いてシャワーヘッド4を取り外して使用すればよい。
また、前述して明示した以外の技術的思想としては以下のものがある。例えば、前記した第一の手段から第三の手段のいずれかのシャワーフックにおいて、前記挟持固定部に、前記取付部に対してねじ止めして固定するためのねじ挿通孔が備えられたことを特徴とするシャワーフックである。ねじ挿通孔を備えて取付部に対してねじ止め可能に構成することにより、本シャワーフックをより堅固に取付部に固定することができる。
本発明は、種々のハンドシャワーを係止するためのシャワーフックとして広く利用することができる。
1;シャワーフック(感温部)、2;壁面、3;鏡、4;シャワーヘッド、4a;把持部、4b;ヘッド部、5;シャワーフェイス、6;外周部、7;シャワーホース、8a,8b;フック、10;本体、12;凹部、14;挟持固定部、16a,16b;ねじ挿通孔、20;係止部、22;右被覆壁部、22a;先端部、24;左被覆壁部、24a;先端部、26;上部切欠き、28;下部切欠き、30;開口部、32;壁部、40;流通部、42a,42b;排出口。

Claims (7)

  1. 浴室の壁面などの取付部に固定されてハンドシャワーのシャワーヘッドを着脱自在に固定可能なシャワーフックであって、
    本体と、前記シャワーヘッドを係止可能な係止部が備えられ、前記シャワーヘッドからの吐水の熱が伝達されるように構成されるとともに、吐水の温度により変色する可逆性熱変色性材料を有する感温部が備えられたことを特徴とするシャワーフック。
  2. 前記シャワーヘッドのシャワーフェイスを前記取付部側に向けて係止可能な係止部が備えられたことを特徴とする請求項1に記載のシャワーフック。
  3. 前記取付部と、前記取付部にねじ止めされた既設のフックとの間に挟持固定される挟持固定部が備えられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシャワーフック。
  4. 前記係止部に、前記シャワーヘッドを、前記シャワーフェイス面に対して垂直な方向において嵌合固定可能な嵌合部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシャワーフック。
  5. 前記係止部に、前記シャワーフェイスの外周部の少なくとも一部を被覆する被覆壁部が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のシャワーフック。
  6. 前記本体の前記取付部側において吐水を流下させることが可能な流通部が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のシャワーフック。
  7. 前記感温部は前記流通部に露呈され、前記感温部に対応する前記シャワーフックの前記本体の正面側の部位が透明な材質によって形成されていることを特徴とする請求項6に記載のシャワーフック。

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