JP2013199461A - 1−ブタノールの合成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオマスなどの熱化学ガス化反応で得られる原料ガスを用いて1−ブタノールを効率よく合成する1−ブタノールの製造方法を提供する。
【解決手段】バイオマスを原料とし、熱化学的ガス化反応により得られる一酸化炭素と水素を含む原料ガスをエタノール合成触媒に接触させて効率よくエタノールを生成する反応工程と、得られるエタノールを1−ブタノール変換触媒に接触して効率よく1−ブタノールに変換する反応工程からなる1−ブタノールの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマスなどの熱化学的ガス化反応で得られる一酸化炭素と水素を含む原料ガスを用いてエタノール合成触媒に接触させて効率よくエタノールを生成する反応工程と、得られるエタノールを触媒に接触して効率よく1−ブタノールに変換する反応工程と、からなる1−ブタノールの製造方法に関する。
地球温暖化対策としてバイオマス利用が注目されている。バイオマスとは、エネルギー源又は工業原料として利用することのできる生物体(例えば農業生産物又は副産物、木材、植物等やそれらバイオマスから製造された産業廃棄物)をいい、太陽エネルギー、空気、水、土壌等の作用により生成されるので、カーボンニュートラルであり、かつ無限に再生可能な資源である。
その中でも、近年、バイオ燃料、特にバイオブタノールが注目されている。1−ブタノールはエタノールに比べて水との親和性が低く、また発熱量がよりガソリンに近いといった性質をもっており、既存のガソリン用のパイプラインやガソリンエンジンがそのまま使えるといった利点がありバイオ燃料として有望である。
現行の1−ブタノールの製造プロセスとしては、バイオマスの発酵法での1−ブタノール製造が検討されるが、生産速度や変換率において技術課題があり、大規模な製造法としては確立されていない。また、工業用溶剤として繊維、農薬や医薬の有機合成原料となる1−ブタノールは、従来ナフサを原料とするエチレンやプロピレンのカルボニル化反応などの石油化学的合成法によって製造されてきた。しかし、近年の原油の高騰によりナフサ価格の著しい上昇が起り、加えて脱石油にむけての原料転換の必要性が生じている。
従来のバイオマスをバイオブタノールに転換する方法としては、大豆、トウモロコシなどの食料バイオマスを発酵法や水熱分解法でブタノールに変換する方法が提案されている。前者の発酵法は、糖分とでんぷん質しか原料とならず1−ブタノールへの変換効率が数%以下であり、加えて発酵時間を要するので大型で大容量の発酵タンクを設置する必要があり、後者の水熱分解法では高温・高圧工程においてブタノールは数%以下の低収率となり、高コストといった技術的及び経済的な問題がある。
また、セルロースやリグニンを多く含む杉木材、サトウキビの絞り粕(バガス)や稲わらなどの非食料バイオマスを用いた場合には、供給したバイオマスの残渣物が多く発生し、醗酵法でのバイオマス原料の利用率が低く、1−ブタノールの製造法としては経済的また技術的に実用化には困難な問題がある。
一方、実用化に向けた開発が進むバイオマスの熱化学的ガス化技術では、バイオマス基準で50〜75%のガス化変換効率で、一酸化炭素、水素、メタン、エタン、エチレン、二酸化炭素を含む原料ガスが生成され、1−ブタノールの製造原料として利用が期待される。
また、天然ガスや石炭のガス化技術により、工業規模で一酸化炭素と水素を主成分とする同様な組成からなる原料ガスが、大規模に、経済的に製造されており、1−ブタノールの製造原料として利用が期待される。
このため、天然ガスやコークス炉ガス(COG)などから豊富で且つ安価に入手可能な一酸化炭素及び水素の混合ガス(合成ガス)より1−ブタノールを製造する方法が種々検討されている。たとえば、一酸化炭素と水素の混合ガスを含む原料ガスを用いて、鉄、コバルトやルテニウムを主成分とし、マンガン、チタン、ジルコニウムなどの金属もしくは金属酸化物などを助触媒とした触媒の存在下に反応させて、ナフサ、炭化水素油及び高級アルコールを製造するフィッシャー・トロプシュ(FT)合成方法は公知である(非特許文献1、2)。
しかしながら、かかるFT合成法によると、例えば、一酸化炭素と水素を含む原料ガスの反応でC1〜C20の低級炭化水素のガス及び油に加えて、相当するC1〜C20のアルコールが幅広く生成する。従来のFT触媒においては1−ブタノールの生成選択率は、消費される一酸化炭素基準で10%以下であり、また1−ブタノールの生成速度(空時収率)は5〜12g/Kg‐cat/hである。このため、1−ブタノールの工業的製造法として経済的に完成された技術となっていないのが実情である。
また、天然ガスやバイオマスのガス化熱化学分解反応で得られる一酸化炭素と水素の混合ガス(合成ガス)を用いて銅及び酸化亜鉛に鉄、コバルトなどの金属を添加する触媒や、硫化モリブデンにアルカリ金属担持触媒の存在下、10‐40MPaの高圧・350‐450℃の高温での反応で、C1〜C6アルコールが生成することも知られているが、消費CO基準の1−ブタノールの選択率は10%以下であり、生成速度は3〜5g/Kg‐cat/hである。こちらも実用化には技術的及び経済性のうえで問題がある(非特許文献3)。
バイオマスのガス化熱化学分解反応で得られる一酸化炭素と水素を含む原料ガスからエタノールを含む炭素数2の含酸素化合物を製造することを目的として、ロジウム、マンガン、スカンジウム、鉄、イリジウムなどを添加した触媒が提案されているが(例えば、特許文献4、5、6など)、いずれの方法もアセトアルデヒド、酢酸又はエタノールからなるC2含酸素化合物を主生成物とするものであり、1−ブタノールは全く生成しないか、生成してもその収率、選択性などは著しく低いという欠点を有している。
藤元薫、ペトロテック、24、113(2001) 「バイオマスリファイナリー触媒技術の新展開」(監修市川 勝)、シーエムシー出版(2010) V.Subramani,and S.K.Ganwal,Energy&Fuel,22,814〜839(2008) 特開昭51−080807 特開昭56−008334 特願2009−504311
以上述べた如く、一酸化炭素及び水素を含む原料ガスを用いて1−ブタノールを効率よく、かつ経済的に製造する方法は提供されていない。これに対し、本発明者は、一酸化炭素及び水素を含有する原料ガスより、1−ブタノールの効率的な合成方法を発明し開示するものである。
課題を解決する手段
多数の触媒金属の組合せ試験につぎ鋭意検討を重ねた結果、
ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒の存在下での反応工程と、(1)燐酸カルシウム及び/又は燐酸ストロンチウムを担体担持してなる触媒、(2)酸化マグネシウムとリチウム、チタン及び/又はジルコニウムを担体担持してなる触媒、のいずれかによる反応工程とを組み合せることにより予期し得ない効果が発現し、一酸化炭素と水素を含む原料ガスから1−ブタノールがより好適な収量と選択率で合成することを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明は上述した如く、ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/又はイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒の存在下で一酸化炭素及び水素とを含む原料ガスを反応させてエタノールを効率よく生成する工程と、上記(1)(2)のいずれかの触媒の存在下、前工程で得られるエタノールを反応させて1−ブタノールを生成する工程とからなる1−ブタノールの製造方法を提供するものである。
以下、本発明を順次詳述する。
本発明において用いられる触媒は前述の如く、ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒と、前記(1)及びあるいは(2)のいずれか触媒からなる担体担持触媒を主たる構成成分とする。
これらの触媒は各々別途あるいは同時にあるいは逐次的に構成成分を含浸担持調製することが出来るがその効果を限定するものではない。使用に際しては、混合あるいはロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒のいずれかの触媒を上層に、前記(1)(2)のいずれかの触媒を下層に充填して使用することができる。
触媒の調製に際しては通常、担体担持の金属触媒において行われている如く、担体上に触媒金属成分を分散させて用いる。
本発明方法において用いられるロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒は、金属を使用する場合に用いられる一般的な担持法に従って調製することができる。例えば含浸法、浸漬法、イオン交換法、共沈法、混練法等によって調製できる。
前記触媒を構成する成分であるロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムにおいて触媒調製のために使用できる原料化合物としては、塩化物、臭化物等のハロゲン化物、水酸化物塩、硝酸塩、炭酸塩等の無機塩、酢酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトナート塩、エチレンジアミン酢酸塩等の有機酸塩又はキレート化合物、カルボニル化合物、アンミン錯体、金属アルコキジド化合物、アルキル金属化合物等、通常貴金属触媒を調製する際に用いられる化合物を使用することができる。
助触媒として:使用される亜鉛及び銅に使用できる原料化合物としては、ハロゲン化物、ハロゲン酸塩、硝酸塩、炭酸塩等の無機酸塩、水酸化物、ギ酸塩、酢酸塩、蓚酸塩等の有機酸塩を使用することができる。
上記の金属化合物を水、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエン等の単独または混合溶媒に溶解し、その溶液に担体を加え浸漬し、溶媒を留去し、乾燥し、必要とあれば加熱、ガス処理等の処理を行い、担体に金属化合物を担持する。
前記触媒の担体担持の手法としては原料化合物を同一溶媒に同時に溶解した混合溶液を作り、担体に同時に担持する方法、各成分を逐次的に担持する方法、あるいは各成分を担体担持後不活性ガスあるいは水素雰囲気下において還元、熱処理等の処理を行いながら逐次的、段階的に担持する方法などの各手法を用いることができる。
その他の調製法、例えば担体のイオン交換能を利用したイオン交換によって金属を担持する方法、共沈法によって触媒を調製する方法なども本発明方法に用いられる触媒の調製手法として採用できる。
上述の手法によって調製された触媒は通常還元処理を行うことにより活性化し、次いで反応に供せられる。還元を行うには水素を含有する気体により昇温下で行うことが簡便であって好ましい。この際還元温度として、ロジウムの還元される温度、即ち100℃程度の温度条件下でも還元処理ができるが、好ましくは200℃〜600℃の温度下で還元処理を行う。
この際触媒の各成分の分散を十分に行わせる目的で低温より徐々に、あるいは段階的に昇温しながら水素還元を行ってもよい。また還元剤を用いて、化学的に還元を行うこともできる。たとえば一酸化炭素と水素を用いる場合や、ヒドラジン、水素化ホウ素化合物、水素化アルミニウム化合物などの還元剤を用いた還元処理を行ってもよい。
本発明において用いられる担体は、好ましくは、比表面積10〜1000m/g、細孔径10Å以上を有するものであれば通常担体として知られているものを使用することができる。具体的な担体としては、シリカ、各種の珪酸塩、アルミナ、活性炭、各種金属の酸化物(例えば酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム(マグネシア)など)、ZSM−5やMCM−22などのゼオライト、FSM−16などのメソ多孔質材やモレキューラーシープ、ケイソウ土などがあげられるが、シリカ系の担体が好ましい。
上記ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/又はイリジウムからなる触媒における各構成成分の比率は以下の様である。
ロジウムと担体に対する比率は、担体(シリカやジルコニア)の比表面積(20〜300m/g)を考慮して、重量比で0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%である。
シリカ担持の触媒では、ロジウムに対するマンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムの原子比率は、0.01〜1、好ましくは0.05〜0.6の範囲である。
以下に含浸法を例にとり前記触媒(1)及び(2)の調製法を説明する。
触媒(1)に代表される燐酸カルシウム及び/又は燐酸ストロンチウム化合物の製造方法は特に限定されるものではなく、水熱合成法、乾式固相反応法、湿式沈殿反応法等の公知の合成方法を採用することができる。また、燐酸カルシウム及び/又は燐酸ストロンチウム化合物の作製時に、Ca1−xSr/Pの(x=0〜1)モル比を適宜変動させることができる。例えば、NaOHで塩基性にした燐酸塩(NHHPO,あるいはPの水溶液(濃度0.01〜2M)、好ましくは(0.05〜0.5M)とCa及びあるいはSr塩(Ca(NO4HO,Sr(NO4HO)の水溶液(濃度0.01〜3M)、好ましくは(0.08〜0.8M)を混合し、できた懸濁液をオートクレーブに入れて35〜300℃、好ましくは、80〜150℃、圧力1×10〜1×10Pa程度、好ましくは、1×10〜2×10Paで水熱処理し、洗浄、乾燥後600℃焼成して使用する。触媒の組成及び目的に応じ、触媒合成に用いるストロンチウム塩とリン酸塩の仕込み量を、Ca及びあるいはSrとPのモル比(Ca1−xSr/P(x=0〜1))が1.5〜1.8、好ましくは1.6〜1.7になるよう調整して使用する。
前記に記載のCa、Sr塩としてCa(NO及びSr(NO、燐酸塩として燐酸水素アンモニウム、(NHHPO、五酸化二燐Pが挙げられる。燐酸カルシウム及びあるいは燐酸ストロンチウム化合物のCa及びあるいはSr/Pのモル比の制御はCa、Sr塩とリン酸塩の調合比で行うか、合成時に加えるアルカリの濃度を調整することにより行なう。例えば前記Ca(NO及びSr(NO)2、Pを出発物質として用いる場合、アルカリ濃度をPH=9〜11において、アパタイト構造触媒が生成し、通常は水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリを用いてアルカリ濃度を調整する。
本発明において触媒として使用される燐酸カルシウム及び/又は燐酸ストロンチウム化合物はシリカ、アルミナ、ジルコニアや酸化マグネシウムのような担体に担持させて用いても良い。
触媒(2)に代表されるマグネシア(MgO)の複合金属触媒は以下のように調整される。市販の水酸化マグネシウムあるいは酸化マグネシウムに温水中で適当量の水酸化リチウム、チタン酸アンモニウム塩、及び硝酸ジルコニウム塩を加えて攪拌、洗浄、乾燥後、電気炉で500〜650℃で6時間加熱してペレット状触媒(表面積35−68m/g)を調整する。
燐酸カルシウム及びあるいは燐酸ストロンチウム化合物を主成分として含む触媒(1)あるいは酸化マグネシウムを主成分として含む触媒(2)を用いて、1−ブタノールを製造するには、一酸化炭素と水素を含む原料ガスを、ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒を充填する反応器(I)に接触反応して効率よく生成するエタノールを気液分離器及び膜分離器で濃縮分離して、原料ガスあるいは窒素ガスにエタノールを希釈して供給する。
エタノール濃度は5−25%体積比で、反応器(II)に充填する触媒(1)及びあるいは(2)と接触させて反応を行うが、エタノール濃度は10−20%体積比が好ましい。前記(1)及び/又は(2)の触媒層の温度は200〜400℃である。1−ブタノールの転化率と選択率を高くするためには、250〜350℃が好ましい。温度を200℃以上とすることにより、エタノールの転化率が高められ、350℃以下とすることにより、副反応(例えば、高級アルコールや炭化水素等の生成)を抑制し、1−ブタノールを高選択率で生成することができる。
本発明の触媒(1)及び/又は(2)を接触させて得られる生成物から膜分離器及びあるいは蒸留器を用いて1−ブタノールを高濃度で取り出すことが出来る。分離回収されるエタノールは、前記のエタノール合成反応器に連結する気液分離器に導入し循環利用されて、1−ブタノールの収率はさらに高くなる。
本発明は、例えば固定床の流通式反応装置に適用することができる。すなわち反応器内に上記(1)あるいは(2)の触媒の上に、上記ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/又はイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒を充填するか、前記触媒のうちの一つと(1)あるいは(2)の触媒を混合して充填し、原料ガスを送入して反応を行わせる。生成物は分離し、未反応の原料ガスは必要に応じて精製したのちに循環再使用することも可能である。
場合により、上記ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/又はイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒を上段に充填して、前記原料ガスは、一酸化炭素に対する水素の割合H/COがモル比で1.5以上の組成で、1−5MPa、250−350℃において前記エタノール合成反応の工程を行い、下段に(1)あるいは(2)触媒を充填して250−350℃で実施する。上段及び下段の触媒層の反応圧力、反応温度は、原料ガス組成との関係より適宜選択される。
また本発明は流動床式あるいはスラリー触媒式反応装置にも適用できる。すなわち、原料ガスと、上記ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒を混合、攪拌・流動化した触媒を同伴させて反応を行わせることもできる。
更に本発明はドデカンやセタンなどの炭化水素媒体あるいはポリエチレングリコールなどの極性媒体中にロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/又はイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒を分散させ、一酸化炭素と水素を含む原料ガスを送入し攪拌して反応を行うことからなる液相不均一反応器あるいはスラリー床反応器にも適用できる。
反応圧力は、常圧(すなわち0kg/cmゲージ)でも当該目的化合物を高選択率・高収率で製造できるのであるが、空時収率を高める目的で加圧下において反応を行うことができる。従って反応圧力としては0kg/cmゲージ〜350kg/cmゲージ好ましくは10kg/cmゲージから50kg/cmゲージの圧力下で行う。
反応温度は150℃〜450℃、好ましくは250℃〜350℃である。反応温度が高い場合には、C4以外のメタンを含む低級炭化水素の副生量が増加するため原料ガスの送入速度を増大する場合や、水素、一酸化炭素の組成比を変える方法がある。従って、空間送度(原料ガス送入量/触媒容量)は標準状態(0℃、1気圧)換算で10h−1〜10−1の範囲より、反応圧力、反応温度、原料ガス組成との関係より適宜選択される。
天然ガス、石炭及びバイオマスの熱化学的分解反応で生成する原料ガスの組成は、主として一酸化炭素と水素を含有しているガスであって、メタン、エタン、エチレン、プロパンなどの低級炭化水素、二酸化炭素や水などを含有することがある。
バイオマスの熱化学ガス化反応で得られる一酸化炭素と水素を含むバイオマスガスを原料ガスとして用いることができる。原料ガス中の水素と一酸化炭素の混合比率は、水素/一酸化炭素(容積比)で0.1〜5、好ましくは1.5〜3である。
バイオマスを原料とし、発酵法では適用が困難なセルロース系バイオマスである杉木材、草木ソルガム、バガス(サトウキビや甜菜の絞りかす)、稲わら等や、産業廃棄バイオマスである建築木材、古紙、パルプや上下水の乾燥汚泥、畜産糞尿など広く未利用のバイオマス原料が利用できる。一般的に、バイオマスのガス化反応装置であって、ガス化炉本体と、ガス化炉本体に連結されて、当該ガス化炉本体内へバイオマスを供給する供給手段と、前記ガス化炉本体の加熱手段により600〜1000℃の高温水蒸気をバイオマス粉体と熱化学反応を行うことにより、バイオマスから高収率で生成される。加えて、生成する原料ガス中のH/CO体積比を1〜3に保持するにはバイオマスを0.01〜5mm径の粉体にし、水蒸気温度を800℃以上の高温にすることが好ましい。
バイオマスのガス化炉で生成する一酸化炭素と水素を含む原料ガスに混入する硫化水素、COS、CHSHなどの含硫黄成分やアンモニア、NOxなどの含窒素成分などを分離・精製するガス精製装置で処理した原料ガスを1〜5MPaに昇圧して反応温度250〜350℃で、触媒と接触反応してエタノールを効率よく合成することができる。
図1に示すように、ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/あるいはイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒を充填する触媒反応器に連結する気液分離器でエタノールなどの液状生成物と分離された未変換の一酸化炭素と水素及び副生するメタンやエタンなどの低級炭化水素をNiあるいはRu触媒を充填する改質処理装置で水素と一酸化炭素を原料ガスに改質処理した後、触媒反応器に循環供給することで前工程でのエタノールの収率を向上できる。
前記の触媒を充填する反応器での実施試験では、COと水素の混合ガスに体積比5−25%のメタン、エタン、エチレンやCOをそれぞれ含む原料ガスと非含有ガス(COとHの混合ガス(合成ガス))と比べて同じ反応条件においてエタノールの生成活性が5−12%ほど向上するとともに触媒性能の安定性が改良される試験結果が得られており、後段工程での触媒(1)及び/又は(2)を充填する反応器での1−ブタノールの生成活性は2〜10%ほど向上する結果が得られている。
以下実施例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、これらの例は本発明の理解を容易にするためにあえて同一反応条件で示すものであり、本発明はこれにより何ら限定されるものでないことは言うまでもない。
(Rh触媒1の調整)
シリカ担体(グレースダビソン社製Davicat ♯57表面積185m/g)に、ロジウム、マンガン、リチウム、ジルコニウムを各金属原子比で1:0.3:0.3:0.06及び1:0.25:0.15:0.5となるそれぞれの塩化物のエタノール水溶液に含浸した後に、水素と窒素ガス(1:4体積比)混合ガス気流下で100℃まで1時間昇温し、2時間保持し、400℃まで2時間昇温して2時間保持して室温に降温において活性化処理して、担体シリカに対して3%重量比のロジウムとマンガン、リチウム、スカンジウムを担持した触媒RhMn0.3Li0.3Zr0.06触媒及びRhMn0.25Li0.15Zr0.50触媒を調製した。
(Cu/ZnO助触媒の調製)
シリカ担体(表面積265m/g)に、銅Cuと亜鉛Znを各金属原子比で1:0.8となるそれぞれの硝酸塩のエタノール水溶液に含浸した後に、水素と窒素ガス(1:2体積比)混合ガス気流下で100℃まで1時間昇温し、2時間保持し、400℃まで2時間昇温して2時間保持して室温に降温において活性化処理して、シリカ担体に銅と酸化亜鉛を担持したCu/ZnO助触媒を調製した。
(Ca10−xSr(PO触媒(1)の調製)
燐ン酸カルシウム及びあるいは燐酸ストロンチウム化合物の作製時にCa10−xSr/Pの(x=0〜1)モル比を適宜変動させることができる。1MのNaOH水溶液70mLに燐酸水素アンモニウム塩(NHHPO,0.40mol/lを室温で溶解させ、Ca+Sr/Pが1.67となるように硝酸カルシウムCa(NO4HO 0.48mol/l及び硝酸ストロンチウムSr(NO4HO 0.12mol/lを溶解させた水溶液を加えて沈殿物を得た。得られた懸濁液をテフロン内張りオートクレーブに入れて80℃で15時間攪拌して水熱合成を行った。オートクレーブから取り出して遠心分離、水洗いし、140℃で乾燥して600℃2h焼成を行なってCaSr(PO触媒(表面積45m/g)を調製した。また、1MのNaOH水溶液70mLに燐酸水素アンモニウム塩0.40mol/lを室温で溶解させた溶液に硝酸カルシウム0.60mol/l,あるいは0.48mol/lと硝酸ストロンチウムSr(NO 0.12mol/lを溶解させた各水溶液を加える以外は同様な条件で、Ca10(PO(表面積38m/g)及びCaSr(PO触媒(表面積48m/g)を調整した。
(原料ガスの供給と反応試験)
本実施例1において、時間当たり杉木粉10Kgを浮遊外熱式ガス化炉に投入して900℃加熱水蒸気と熱化学分解反応により原料ガス(CO(25%)、H2(50%)、メタン(10%)、エタン(3%)、エチレン(2%)CO2(8%):体積比)を毎時15Nm3流量、(H/CO比=2)で製造した。PSAガス精製装置を用いて脱硫等のガス精製を行った後、原料ガスを30気圧、流量30L/分、280℃において、シリカ担持RhMn0.3Li0.3Zr0.06触媒及びRhMn0.25Li0.15Zr0.50触媒をそれぞれ200mLとCu/ZnO助触媒200mLを混合して充填したチタン製反応器Aに導入して反応を行った。反応器(I)に連結する気液分離器とゼオライト膜分離器でエタノールを濃縮分離して触媒CaSr(PO200mLを充填する反応器(II)に導入して1.6kPa,エタノール濃度18.5%、320℃で反応を行って1−ブタノールが高い収量と選択率で得られた。結果を表1に示した。
(Rh触媒2の調製)
シリカ担体(表面積265m/g)に、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)、マグネシウム(Mg)、イリジウム(Ir)、リチウム(Li)を各金属原子比で1:0.16:0.05:0.16:0.3及び1:0.03:0.2:0.05:0.6なるそれぞれRh,Sc,Mg,Ir,Li塩化物のエタノール水溶液に含浸した後に、溶媒を除き、水素が窒素(1:3体積比)の混合ガス気流下で150℃まで1時間昇温し、2時間保持し、450℃まで2時間昇温して2時間保持して室温に降温において活性化処理して、シリカ担体に4%重量比ロジウムにスカンジウム、イリジウム、リチウムとパラジウムを担持したRhSc0.16Mg0.05Li0.16Ir0.30触媒及びRhSc0.03Mg0.2Li0.05Ir0.6触媒を調製した。
(マグネシア金属担持触媒(2)の調製)
市販の水酸化マグネシウム20gにそれぞれ水酸化リチウム2g、チタン酸アンモニウム塩(NHTiO 2.3g、及びモリブデン酸アンモニウム塩(NHMo 2.8gを加えて電気炉で500〜650℃で6時間焼成してペレット状触媒Ti/MgO(表面積32m/g)及びLiZr/MgO(表面積38.5m/g)を調整した。
(原料ガスの供給と反応試験)
バイオマスとして稲わら毎時5Kgを用いた以外は実施例1と同様なバイオマスのガス化改質炉でガス化温度900℃において高温水蒸気ガス化反応により原料ガスを製造した。原料ガスの体積組成はCO(25%)、H2(50%)メタン(10%)、エタン(3%)、エチレン(2%)、CO2(8%))ガス精製処理を行なって得られた原料ガスをシリカ担持RhScIrMgLi(原子比1:0.16:0.05:0.16:0.3及び1:0.03:0.2:0.05:0.6)からなるシリカ担持触媒3及び4各々200mLを上層部にまた実施例1で調製したCu/ZnO助触媒200mLを充填するチタン製反応器(I)を用いて、原料ガス50気圧、275℃、SV=6000/hで接触反応を行った。反応器に連結する気液分離器とゼオライト膜分離器でエタノールを濃縮分離して触媒Ti及びLiMo担持MgO触媒200mLを充填する反応器(II)に導入してエタノール濃度16.8%,流量12L/分、350℃で反応を行って1−ブタノールが高い収量と選択率で得られた。結果を表2に示した。
(Rh触媒3の調製)
酸化ジルコニウム(表面積32m/g)に、ロジウム、セリウム、鉄及びリチウムを、酸化ジルコニウム重量当り3%、10%、3%及び6%(金属重量比)をそれぞれRhCl,Ce(NO,FeCl,LiClをエタノール水溶液に含浸担持した後に、空気雰囲気下で650℃20時間焼成した。その後、水素と窒素ガス(1:4体積比)混合ガス気流下で100℃まで1時間昇温し、2時間保持し、400℃まで2時間昇温して2時間保持して室温に降温において活性化処理して、ジルコニア担体にロジウム、セリウム、鉄とリチウムを担持したRhCeFeLi/ZrO触媒を調製した。
(Rh触媒4の調製)
シリカ担体(表面積265m/g)に、ロジウム(Rh)、ランタニウム(La)及びバナジウム(V)を担体に対して各金属重量%比で1.5:2.6:1.6及び2.5:5.0:2.5になるようにRh、La及びV化合物塩(RhCl,La(NO及びVCl溶液を用いて逐次含浸担持を行なった。まず、RhとLa塩をシリカ担体に溶液から同時含浸で担持後、溶媒を除き、乾燥した後600℃で焼成を行い、それにVCl5溶液を逐次担持して乾燥、焼成後に10%希釈した水素ガス気流下で150℃まで1時間昇温し、2時間保持し、450℃まで2時間昇温して2時間保持して室温に降温において活性化処理して、シリカ担体に1.5%重量比ロジウムにランタニウム、及びバナジウムを逐次担持したRh(1.5)−La(2.6)/V(1.6)/SiO触媒を調整した。
同様な手順でシリカ担体にRhClとCe(NO3)を同時含浸して乾燥、600℃焼成にを行なったRh−Ce/SiO2にZrC14とVClをエタノール水溶液から逐次担持して2.5%重量比ロジウム、セリウム及びジルコニウム及びバナジウムを逐次担持したRh(2.5)−Ce(5.0)/Zr(1.5)−V(1.0)触媒を調製した。
実施例3において、実施例1と同様に杉木材ペレット毎時10Kgを用いてガス化改質温度950℃で得られる原料ガス(CO(25%)、H2(53%)、メタン(7%)、エタン(3%)、CO2(12%):体積比))を用いてRhCeFeLi/ZrO2触媒、及びRh(1.5)−La(2.6)/V(1.6)/SiO2触媒及び2.5%重量比ロジウムにセリウム、ジルコニウム及びバナジウムを逐次担持したRh(2.5)−Ce(5.0)/Zr(1.5)−V(1.0)触媒100mLとCuZn助触媒100mLを混合充填したTi反応器(I)で25気圧270〜290℃とSV=6000/hにおいて接触反応を行った。
実施例1で調製したCaSr(PO触媒(表面積48m/g)及びCa10(PO(表面積38m/g)をそれぞれ反応器(II)に充填した。連結する気液分離器とゼオライト膜分離器でエタノールを濃縮分離して、エタノール濃度16.7%、300〜350℃で反応を行って1−ブタノールが高い収量と選択率で得られた。結果を表3に示した。
(比較実施例)
実施例1−7においてバイオマスのガス化で得られた原料ガスの代わりに99.9%COと99.999%水素の混合ガス(合成ガスH/CO=2)を用いた以外は同様な条件で行った試験結果を表1に示した。この比較試験結果1−1と1−7において、メタン(10%)、エタン(3%)、エチレン(2%)及びCO2(8%)(体積比)を一酸化炭素と水素の混合ガスに加えて含む原料ガスを用いた反応(実施例1−1)は、一酸化炭素と水素との混合ガスを用いた場合(実施例1−7)に比べて1−ブタノールの生成活性が15%向上することが示された。
実施例1−1と同様に、実施例1−5においてRhMnLiZr(1)触媒とCuZn触媒を混合充填した反応器(I)を280℃に、CaSr(PO触媒を充填する反応器(II)を25℃に設定して原料ガスと反応した場合にはCO転化率17.6%、エタノールが主成分に得られ、また、実施例1−6において、反応器(I)を25℃に、反応器(II)を300℃に設定した場合には、CO転化率=0%であった。また、実施例1−5及び1−6のいずれにおいても1−ブタノールの生成は得られなかった。
P=3.0MPa,T=H/CO=1.7,SV=9000h−1ガス化炉温度850℃で得られた原料ガスの体積組成は,27%CO,46%H,10%メタン、3%エタン、2%エチレン、9%CO2であった。
Figure 2013199461
1)CO転化率(%)=[消費されたCOモル]/[流通COモル]×100
2)1−ブタノール(1−BuOH)選択率(%)=4×[1−BuOHモル]/[[消費COモル]×100
ブチルアルデヒド(PrCHO)選択率=4×[PrCHOモル]/[[消費COモル]×100
エタノール(EtOH)選択率(%)=2×[エタノール+酢酸エチルのエチル基モル]/[消費COモル]×100
アセトアルデヒド(AcH)選択率(%)=2×[AcHモル]/[消費COモル]×100
メタン選択率(%)=[CH4モル]/[消費COモル]×100
その他:エチレン、エタン、プロピレン、1−ヘキサノール、1−オクタノールなど(ND=計測限界以下)
3)実施例1−7 P=3.0Mpa,T=300℃,H/CO=1.7,SV=9000h−1
原料ガスとして99.9%CO及び99.999%H2を用いた。その他の反応条件は実施例1と同様である。
4)RhMnLiZr(1):RhMn0.3Li0.3Zr0.06触媒
RhMnLiZr(2):RhMn0.25Li0.15Zr0.50触媒。
5)実施例1−5におけるCO転化率=16.8%生成物中のエタノール、アセトアルデヒド、酢酸エチル、メタン及びC2〜C3炭化水素の選択率(CO基準)は、76%、2%、1%、20%及び3%であった。
P=5.0MPa,T=H/CO=2.0,SV=9000h−1
ガス化炉温度900℃で得られた原料ガスの体積組成は25%CO、50%H2,10%メタン、3%エタン、2%エチレン8%CO2であった。
Figure 2013199461
1)CO転化率(%)=[消費されたCOモル]/[流通COモル]×100
2)1−ブタノール(1−BuOH)選択率(%)=4×[1−BuOHモル]/[[消費COモル]×100
ブチルアルデヒド(PrCHO)選択率(%)=4×[PrCHOモル]/[[消費COモル]×100
エタノール(EtOH)選択率(%)=2×[エタノール+酢酸エチルのエチル基モル]/[消費COモル]×100
アセトアルデヒド(AcH)選択率(%)=2×[AcHモル]/[消費COモル]×100
メタン選択率(%)=[CH4モル]/[消費COモル]×100
その他:エチレン、エタン、プロピレン、1−ヘキサノール、1−オクタノールなど
3)RhScMgIr(1):RhSc0.16Mg0.05Li0.06Ir0.30触媒
RhScMgIr(2):RhSc0.03Mg0.2Li0.05Ir0.6触媒
P=2.5MPa,H2/CO=2.1,SV=6000h−1
ガス化炉温度950℃で得られた原料ガスの体積組成は、25%CO、53%H,7%メタン、3%エタン、12%COであった。
Figure 2013199461
Figure 2013199461
1)CO転化率(%)=[消費されたCOモル]/[流通COモル]X100
2)1−ブタノール(1−BuOH)選択率(%)=4×[1−BuOHモル]/[[消費COモル]×100
ブチルアルデヒド(PrCHO)選択率=4×[PrCHOモル]/[[消費COモル]×100
エタノール(EtOH)選択率(%)=2×[エタノール+酢酸エチルのエチル基モル]/[消費COモル]×100
アセトアルデヒド(AcH)選択率(%)=2×[AcHモル]/[消費COモル]×100
メタン選択率(%)=[CH4モル]/[消費COモル]×100
その他:エチレン、エタン、プロピレン、1−ヘキサノール、1−オクタノールなど
バイオマスのガス化で得られる原料ガスを用いる1−ブタノールの製造工程のフロー図である。
1 バイオマス投入口
2 加熱水蒸気(スチーム)投入口
3 バイオマスガス化炉
4 気液分離器(a,b)
5 リサイクル・原料ガス昇圧器(a,b)
6 エタノール合成触媒反応器
7 粗エタノール取り出し口
8 膜分離器
9 1−ブタノール変換触媒反応器
10 蒸留・膜分離器
11 1−ブタノール取り出し口

Claims (6)

  1. 天然ガス、石炭又はバイオマスを原料として熱化学的ガス化反応により得られる一酸化炭素と水素を含む原料ガスを用いて、ロジウム、マンガン、ジルコニウム、スカンジウム、ランタニウム、セリウム、バナジウム、鉄、リチウム及び/又はイリジウムからなる触媒と銅及び亜鉛からなる助触媒の存在下で反応させてエタノールを合成する工程と、この工程で得られるエタノールを、(1)カルシウム、ストロンチウム及びリンからなる触媒、あるいは(2)酸化マグネシウム、チタン、モリブデン及び/又はリチウムからなる触媒、のいずれかの存在下で反応させて1−ブタノールに変換する工程とからなることを特徴とする1−ブタノールの製造方法
  2. バイオマスの熱化学的ガス化反応によって得られる一酸化炭素、水素、メタン、エタン、エチレン及び炭酸ガスを含むバイオマス由来原料ガスを用いることを特徴とする請求項1に記載される1−ブタノールの製造方法
  3. 前記原料ガスは、一酸化炭素と水素の他に二酸化炭素と低級炭化水素を合わせて体積比で5%乃至25%含む組成で、前記エタノール合成の工程が実行されることを特徴とする請求項1及び2に記載の1−ブタノールの製造方法
  4. 前記原料ガスは、一酸化炭素に対する水素の割合H/COがモル比で1.5以上の組成で、1乃至5MPa,250乃至350℃において前記エタノール合成反応の工程が実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の1−ブタノールの製造方法
  5. 請求項1に記載の触媒(1)及び/又は(2)に、前記エタノール合成の工程で得られるエタノールを250乃至350℃で接触させて1−ブタノールへの変換反応の工程が実行されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の1−ブタノールの製造方法
  6. 請求項1に記載のエタノール合成触媒の存在下で一酸化炭素と水素を含む原料ガスからエタノールを合成する工程に続いて、その反応生成物から気液分離器及び膜分離器を用いてエタノールを分離する工程と、分離されたエタノールを前記請求項1に記載の触媒(1)及び/又は(2)の存在下で反応させて1−ブタノールに変換する工程に引き続いて、その反応生成物から蒸留・膜分離器を用いて1−ブタノールを分離回収する工程と、残留するエタノールを前記エタノール合成の工程に直結する気液分離器に還流させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の1−ブタノールの製造方法
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