JP2013198251A - Dc/dcコンバータとその出力電圧安定化方法 - Google Patents
Dc/dcコンバータとその出力電圧安定化方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】出力電圧の安定度を改善する。
【解決手段】DC/DCコンバータの演算処理回路において、A/Dコンバータ10からの入力電圧データを読み込み(S1)、その入力電圧データの値からPWM制御のオン時間を求め(S2)、このオン時間をPWM回路に出力する(S3)。続いて、A/Dコンバータ10のサンプリングタイミングとして、オン時間からオフセット期間を引いた値を求め(S4)、A/Dコンバータ10に指示する(S5)。上記ステップS1〜S5の工程を繰り返すことにより、出力電圧の安定化が図られる。
【選択図】図1
【解決手段】DC/DCコンバータの演算処理回路において、A/Dコンバータ10からの入力電圧データを読み込み(S1)、その入力電圧データの値からPWM制御のオン時間を求め(S2)、このオン時間をPWM回路に出力する(S3)。続いて、A/Dコンバータ10のサンプリングタイミングとして、オン時間からオフセット期間を引いた値を求め(S4)、A/Dコンバータ10に指示する(S5)。上記ステップS1〜S5の工程を繰り返すことにより、出力電圧の安定化が図られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、CPU用電源のような高速応答、小型、電圧高安定度が要求される電源に利用されるDC/DCコンバータとその出力電圧安定化方法に関する。
従来のデジタル制御方式によるDC/DCコンバータにあっては、A/Dコンバータのサンプリングタイミングについて特に言及した文献は無いが、スイッチングがオンしたタイミングに、または、オンした後一定期間後にサンプリングする方式が一般的である。これは、非特許文献1に示されるADCPC0レジスタのTRGSRC1のレジスタでPWMレジスタを選択し、TRIGxレジスタに任意の値を入れることにより容易に設定できるためである。
通常、A/Dコンバータのサンプリングタイミングは、スイッチングノイズの影響を避けるため、オンした後一定期間後に設定する。一方、DC/DCコンバータの制御方法はPWM(パルス幅変調)方式が一般的であり、入力変動、負荷変動に応じてオン時間が変化する。ところが、スイッチングオン時間開始から一定の時間でサンプリングする従来の方式では、オン時間が変動した場合、サンプリング後に出力電圧変動が発生することになる。この電圧変動はサンプリングの偏差となるため、電圧の安定度が低下してしまう。
これを避けるため、オンする直前に電圧をサンプリングする方式も考えられるが、サンプリング後に演算処理して次の周期のパルス幅を出すまでの時間が不足するため、演算処理結果が次の次でしか反映されずに、応答が遅くなってしまう。
http://ww1.microchip.com/downloads/cn/DeviceDoc/cn546546.pdf,Microchips社、dsPIC33FJ06GS101/X02 および dsPIC33FJ16GSX02/X04 データシート高性能16ビットデジタルシグナルコントローラ,249頁(ADCPC0レジスタのTRGSRC1のレジスタでPWMレジスタを選択)、214頁(TRIGxレジスタ)
以上述べたように、従来のデジタル制御方式によるDC/DCコンバータは、一般的にPWM方式が採用され、入力変動、負荷変動に応じてオン時間が変化するが、オンした後一定期間後にサンプリングタイミングを設定しているため、オン時間の変動に際して、A/Dコンバータのサンプリング後に出力電圧の変動が発生した場合に、この電圧変動がサンプリングの偏差となり、出力電圧の安定度が低下してしまうという問題があった。
本実施形態は上記の課題に鑑みてなされたもので、A/Dコンバータのサンプリングタイミングを適切に制御して出力電圧変動を抑圧することができ、これによって演算処理時間を確保しつつ出力電圧の安定度を改善することのできるDC/DCコンバータ及びその出力電圧安定化方法を提供することを目的とする。
本実施形態によれば、直流電圧を断続出力し、前記断続出力を整流平滑して負荷に出力し、前記負荷への出力電圧からモニタ電圧を検出し、前記モニタ電圧を指示タイミングでサンプリングしてモニタ電圧データに変換し、前記モニタ電圧データに基づいて前記断続出力のオン時間と前記サンプリングのタイミングを演算し、前記演算されたオン時間に基づいて前記断続出力の制御を行うDC/DCコンバータに適用され、前記断続出力に対するオン時間の変化に応じて前記サンプリングのタイミングを決定することを特徴とするものである。
以下、図面を参照して本実施形態に係る目標追跡システムを説明する。
図1は本実施形態に係るデジタル制御方式によるDC/DCコンバータの構成を示すブロック回路図である。
図1において、直流電圧源1から与えられる入力電圧VINは、FETまたはトランジスタ等による第1及び第2のスイッチ素子2,3それぞれのオン・オフによって、ダイオード4に逆バイアスとして周期的に与えられる。このダイオード4に断続的に発生する電圧はインダクタ5及びキャパシタ(容量C0 )6による平滑回路によって平滑され、直流電圧VOUTとなって負荷回路(インピーダンスR0 )9に出力される。
ここで、上記平滑回路の出力ラインには、抵抗7,8による電圧モニタ回路が接続されている。この電圧モニタ回路で得られたモニタ電圧はA/D(アナログ/デジタル)コンバータ10に送られる。このA/Dコンバータ10は入力モニタ電圧を後段の演算処理回路11から指示されるサンプリングタイミングでサンプリングしデジタルデータに変換するもので、これによって得られたモニタ電圧データは演算処理回路11に送られる。
この演算処理回路11は、上記モニタ電圧データから、安定化出力を得るための最適なPWM制御信号を生成する。このPWM制御信号はPWM回路12に送られる。このPWM回路12は、上記スイッチ素子2,3を駆動する駆動回路13,14にPWM制御信号に基づくオン・オフ指令信号を与えるもので、駆動回路13,14はそれぞれオン・オフ指令の発生タイミングでスイッチ素子2,3のオン期間、オフ期間を決定し駆動する。
尚、上記DC/DCコンバータは、降圧型コンバータに本実施形態を適用した場合の構成であるが、昇圧型、昇降圧型、フォワード、プッシュプル、フルブリッジ等、PWM制御可能な方式のコンバータであれば、適用可能である。
図2は図1に示すDC/DCコンバータの演算処理回路11における処理手順を示すフローチャートである。まず、A/Dコンバータ10からの入力電圧データを読み込み(ステップS1)、その入力電圧データの値について各種パラメータに基づく演算処理を実行し、PWM制御のオン時間を求める(ステップS2)、このオン時間をPWM回路12に出力する(ステップS3)。尚、ステップS2の演算処理にはPID(比例・積分・微分)制御、PI(比例・積分)制御等の各種方式があるが、その方式は特にこだわらない。
続いて、A/Dコンバータ10のサンプリングタイミングとして、オン時間からオフセット期間を引いた値を求め(ステップS4)、A/Dコンバータ10に指示する(ステップS5)。これは、スイッチングノイズの影響を避けるためであり、若干のオフセット期間をtoffsetとして設定し、オン時間からオフセット期間を引いた値をA/Dコンバータ10のサンプリングタイミングとしている。オフセット期間を引かなくても問題がなければ、オン時間=A/Dコンバータ10のサンプリングタイミングとしてもかまわず、この場合はこの工程がなくてもかまわない。
上記ステップS1〜S5の工程を繰り返すことにより、電圧の安定化が図られる。この1連の動作中に割り込み等のその他の処理が入ってもかまわない。
図3に従来構成によるDC/DCコンバータと本実施形態の構成によるDC/DCコンバータそれぞれの出力電圧波形とサンプルタイミングの関係を表す図を示し、両者を比較説明する。
図3(a)は従来構成によるDC/DCコンバータの出力電圧とサンプリングタイミングの関係を示すもので、図中t1,t2はスイッチングオン時間開始から一定の時間でサンプリングする従来の方式である。
t1 =t2 =(const.) …(1)
この構成において、オン時間が変動した場合、サンプリング後に出力電圧変動ΔVが発生する。ΔVは概略下式で表される。
ΔV=IOUT ×Δt/COUT …(2)
ここで、IOUTは出力電流、COUTはDC/DCコンバータの出力コンデンサ容量、Δtはあるスイッチング周期の中のオン時間をTON1とし、次のスイッチング周期のオン時間をTON2としたときに、
Δt=TON2 −TON1 …(3)
で表される時間変化量である。この電圧変動がサンプリングの偏差となり、電圧の安定度が低下してしまう。
t1 =t2 =(const.) …(1)
この構成において、オン時間が変動した場合、サンプリング後に出力電圧変動ΔVが発生する。ΔVは概略下式で表される。
ΔV=IOUT ×Δt/COUT …(2)
ここで、IOUTは出力電流、COUTはDC/DCコンバータの出力コンデンサ容量、Δtはあるスイッチング周期の中のオン時間をTON1とし、次のスイッチング周期のオン時間をTON2としたときに、
Δt=TON2 −TON1 …(3)
で表される時間変化量である。この電圧変動がサンプリングの偏差となり、電圧の安定度が低下してしまう。
図3(b)は本実施形態の構成によるDC/DCコンバータの出力電圧波形とサンプルタイミングの関係を表す図を示す。図3(b)のように、常に出力電圧VOUTの最大値付近をモニタするため、基本的にオン期間間隔の時間変化量Δtが発生しない。よって、出力電圧変動ΔVも発生しないので、高精度の電圧安定度が得られる。
以上より、本実施形態のDC/DCコンバータによれば、A/Dコンバータ10のサンプリングタイミングをパルス幅に応じて可変し、出力電圧変動ΔVをゼロにすることができ、これによって演算処理時間を確保しつつ電圧安定度を改善することができる。
尚、上記実施形態はそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせでもよい。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…直流電圧源、2,3…スイッチ素子、4…ダイオード、5…インダクタ、6…キャパシタ、7,8…抵抗、9…負荷回路、10…A/Dコンバータ、11…演算回路、12…PWM回路、13,14…駆動回路。
Claims (4)
- 直流電圧を断続出力するスイッチング手段と、
前記スイッチング手段の断続出力を整流平滑して負荷に出力する整流平滑手段と、
前記負荷への出力電圧からモニタ電圧を検出する電圧検出手段と、
前記モニタ電圧を指示タイミングでサンプリングしてモニタ電圧データに変換する変換手段と、
前記モニタ電圧データに基づいて前記スイッチング手段のオン時間と前記変換手段のサンプリングタイミングを演算する演算手段と、
前記演算手段で演算されたオン時間に基づいて前記スイッチング手段をスイッチング駆動する駆動手段と
を具備し、
前記演算手段は、前記スイッチング手段に対するオン時間の変化に応じて前記サンプリングタイミングを決定することを特徴とするDC/DCコンバータ。 - 前記演算手段は、前記スイッチング手段に対するオン時間と同時、又は予め決められたオフセット時間を引いて前記サンプリングタイミングを決定することを特徴とする請求項1記載のDC/DCコンバータ。
- 直流電圧を断続出力し、前記断続出力を整流平滑して負荷に出力し、前記負荷への出力電圧からモニタ電圧を検出し、前記モニタ電圧を指示タイミングでサンプリングしてモニタ電圧データに変換し、前記モニタ電圧データに基づいて前記断続出力のオン時間と前記サンプリングのタイミングを演算し、前記演算されたオン時間に基づいて前記断続出力の制御を行うDC/DCコンバータに適用され、
前記断続出力に対するオン時間の変化に応じて前記サンプリングのタイミングを決定することを特徴とするDC/DCコンバータの出力電圧安定化方法。 - 前記演算は、前記オン時間と同時、又は予め決められたオフセット時間を引いて前記サンプリングタイミングを決定することを特徴とする請求項3記載のDC/DCコンバータの出力電圧安定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012061796A JP2013198251A (ja) | 2012-03-19 | 2012-03-19 | Dc/dcコンバータとその出力電圧安定化方法 |
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JP (1) | JP2013198251A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016059218A (ja) * | 2014-09-11 | 2016-04-21 | 矢崎総業株式会社 | スイッチング電源 |
-
2012
- 2012-03-19 JP JP2012061796A patent/JP2013198251A/ja active Pending
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