以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る中央監視システム10の機能構成を示すブロック図である。本実施形態では、中央監視システム10がビルの監視に利用される場合を例に説明する。
図1に示す中央監視システム10は、中央監視サーバ11、ゲートウェイ12、リモートステーション盤13、設備機器14−1〜14−3、センサ15−1〜15−3、プラグアンドプレイセンサ16、モニタ17、WEBサーバ18、通信部19及び受信側装置110を具備する。
中央監視サーバ11は、上位の通信ネットワーク(以下、上位ネットワークと称する)を介してゲートウェイ12及びWEBサーバ18と接続する。WEBサーバ18は、通信部19によりインターネット100と接続しており、インターネット100に接続している受信側装置110と接続可能である。なお、通信部19は、有線ネットワーク又は無線ネットワークによりインターネット100と接続する。ゲートウェイ12は、下位の通信ネットワーク(以下、下位ネットワークと称する)を介してリモートステーション盤13と接続する。上位及び下位ネットワークの通信プロトコルには、例えば、独自プロトコル、インターネットプロトコル又はLonWorks等のプロトコルが用いられる。リモートステーション盤13は、制御ケーブルを介して設備機器14−1〜14−3と接続する。また、リモートステーション盤13は、通信ケーブルを介してプラグアンドプレイセンサ16と接続する。プラグアンドプレイセンサ16は、通信ケーブルを介してセンサ15−1〜15−3と接続する。
設備機器14−1〜14−3は、ビルに配設される、例えば、パッケージ空調機及び照明等の機器である。設備機器14−1〜14−3は、リモートステーション盤13から制御ケーブルを介して制御信号が供給された場合、供給された制御信号に応じた動作を実行する。
設備機器14−1〜14−3には、センサ15−1〜15−3がそれぞれ取り付けられる。設備機器14−1〜14−3には、自機が正常に駆動することが可能な温度範囲等の初期情報が予め登録されている。設備機器14−1〜14−3は、センサが自機に取り付けられる際、又は、自機に取り付けられるセンサの初期設定の際に、登録されている初期情報をセンサへ出力する。なお、初期情報は、デジタル形式又はアナログ形式で設備機器14−1〜14−3に登録されている。設備機器14−1〜14−3は、初期情報がデジタル形式で登録されている場合、初期情報をデジタル信号としてセンサへ出力する。また、設備機器14−1〜14−3は、初期情報がアナログ形式で登録されている場合、初期情報をアナログ信号としてセンサへ出力する。
センサ15−1〜15−3は、IDチップを備える。IDチップには、自センサが取り付けられる設備機器の種類を特定可能な固有情報がデジタル形式で予め記録されている。固有情報とは、例えば、製品名、メーカー名、メーカーアドレス、製造番号、形番、シリアル番号、配設地、耐用年数、計測範囲、感度、温度、係数、電気のインタフェース等である。
センサ15−1〜15−3は、IEEE1451.4等に準拠した方式で、IDチップに記録されている固有情報を、通信ケーブルを介してプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。また、センサ15−1〜15−3は、固有情報と共に、設備機器14−1〜14−3から出力された初期情報もプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。また、センサ15−1〜15−3は、固有情報及び初期情報と共に自センサの識別情報もプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。
センサ15−1〜15−3が、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力するタイミングとしては、例えば以下の四つが挙げられる。すなわち、既存の設備機器に新たなセンサを取り付ける場合であって、設備機器へのセンサの取り付けが完了し、センサが通信ケーブルに接続された場合に、センサ15−1〜15−3は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。また、新たに配設される設備機器に既存のセンサを取り付ける場合であって、設備機器へのセンサの取り付けが完了し、センサが通信ケーブルに再び接続された場合に、センサ15−1〜15−3は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。また、新たに配設される設備機器に新たなセンサを取り付ける場合であって、設備機器へのセンサの取り付けが完了し、センサが通信ケーブルに接続された場合に、センサ15−1〜15−3は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。また、中央監視サーバ11からプラグアンドプレイセンサ16を介して供給される送信要求信号を受けた場合、センサ15−1〜15−3は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。
プラグアンドプレイセンサ16は、センサ15−1〜15−3から供給される固有情報、初期情報及び識別情報を参照し、センサ15−1〜15−3それぞれについてのインタフェースIDを生成する。プラグアンドプレイセンサ16は、生成したインタフェースIDを通信ケーブルを介してリモートステーション盤13へ出力する。
図2は、第1の実施形態に係るプラグアンドプレイセンサ16の機能構成を示すブロック図である。図2に示すプラグアンドプレイセンサ16は、アンプ161、トランスジューサ162、CPU(Central Processing Unit)163、インタフェース部164及び出力部165を備える。
設備機器14−1〜14−3から出力される初期情報がアナログ信号である場合、センサ15−1〜15−3からは初期情報がアナログ信号でプラグアンドプレイセンサ16に供給される。プラグアンドプレイセンサ16は、センサ15−1〜15−3からアナログ信号を受信した場合、受信したアナログ信号の信号強度をアンプ161で増幅する。トランスジューサ162は、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号をCPU163へ出力する。
CPU163は、EEPROM(Electrically EPROM)を備える。CPU163は、センサ15−1〜15−3からデジタル形式で供給される固有情報及び識別情報をEEPROM上に保存する。また、CPU163は、設備機器14−1〜14−3から初期情報がデジタル信号で供給される場合、供給された初期情報をEEPROM上に保存する。また、CPU163は、設備機器14−1〜14−3から初期情報がアナログ信号で供給される場合、トランスジューサ162でデジタル形式に変換された初期情報をEEPROM上に保存する。
CPU163は、EEPROM上に保存される固有情報、初期情報及び識別情報に基づいて、IEEE1451.4等に準拠した形式のインタフェースIDをセンサ15−1〜15−3毎に生成する。
インタフェース部164は、リモートステーション盤13とのインタフェースとなるものである。インタフェース部164は、CPU163で生成されたセンサ15−1〜15−3毎のインタフェースIDを、通信ケーブルを介してリモートステーション盤13へ出力する。
出力部165は、中央監視サーバ11からプラグアンドプレイセンサ16を介して送信要求信号が供給された場合、供給された送信要求信号を、送信要求信号により指定されるセンサへ出力する。
リモートステーション盤13は、例えば、設備機器14−1〜14−3の保守等の際に、設備機器14−1〜14−3に対する制御信号が入力される。リモートステーション盤13は、入力された制御信号を、制御ケーブルを介して、設備機器14−1〜14−3へ出力する。
リモートステーション盤13は、下位ネットワークにより、ゲートウェイ12と接続する。リモートステーション盤13は、プラグアンドプレイセンサ16から供給されるインタフェースIDを、下位ネットワークを介してゲートウェイ12へ出力する。
ゲートウェイ12は、上位ネットワークと下位ネットワークとを接続するハードウェア又はソフトウェアである。具体的には、ゲートウェイ12は、上位ネットワークから供給されるデータのフォーマット、アドレス及びプロトコルを、下位ネットワークに準じたものに変換し、変換したデータを下位ネットワークを介してリモートステーション盤13へ出力する。また、ゲートウェイ12は、下位ネットワークを介してリモートステーション盤13から供給されるインタフェースIDのフォーマット、アドレス及びプロトコルを、上位ネットワークに準じたものに変換し、変換したインタフェースIDを上位ネットワークを介して中央監視サーバ11へ出力する。
中央監視サーバ11は、ゲートウェイ12から供給されるインタフェースIDを、中央監視サーバ11が備えるデータベース111へ登録する。データベース111には、ビル内において設備機器14−1〜14−3が設置される位置情報が予め登録されており、中央監視サーバ11は、データベース111に登録されている位置情報とインタフェースIDとを関連付けて登録する。中央監視サーバ11は、WEBサーバ18及び通信部19を介してインターネット100へ接続し、データベース111に登録したインタフェースIDを、インターネット100に接続する受信側装置110へ出力する。
また、中央監視サーバ11は、増減確認部112をさらに備える。増減確認部112は、予め設定した周期でセンサ15−1〜15−3へ、送信要求としてのパルス信号を送信する。増減確認部112から出力された送信要求信号は、ゲートウェイ12、リモートステーション盤13及びプラグアンドプレイセンサ16を介してセンサ15−1〜15−3へ伝送される。センサ15−1〜15−3は、送信要求信号を受信すると、プラグアンドプレイセンサ16へ固有情報、初期情報及び識別情報を出力する。プラグアンドプレイセンサ16は、受信した固有情報、初期情報及び識別情報に基づいてセンサ15−1〜15−3のインタフェースIDを生成し、生成したインタフェースIDを、リモートステーション盤13及びゲートウェイ12を介して中央監視サーバ11へ出力する。中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDをデータベース111に登録する。
センサ15−1〜15−3のいずれかが設備機器の交換等のため、オフラインとなっている場合、オフラインとなっているセンサからは送信要求信号に応じた固有情報、初期情報及び識別情報が出力されない。増減確認部112は、登録されているセンサのうちインタフェースIDが返信されないセンサがある場合、そのセンサが設置されていた位置情報をモニタ17上で区別可能なようにする。増減確認部112は、オフラインの状態が予め設定された期間以上維持された場合、そのセンサについてのインタフェースIDをデータベース111から削除する。
データベース111に登録されるセンサ15−1〜15−3のうち、いずれかがオフラインとなり、オフラインとなったセンサが設置されていた位置について新たなインタフェースIDを受信した場合、中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを、比較可能なように、例えば並列してモニタ17に表示させる。また、中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを比較し、受信したインタフェースIDに含まれる設定値が、オフラインとなったセンサのインタフェースIDに含まれる設定値から逸脱しているか否かを判断する。設定値が逸脱している場合、中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDにエラーフラグを付加し、このインタフェースIDが中央監視システム10上で有効化されないようにする。また、設定値が逸脱していない場合、中央監視サーバ11は、データベース111において、オフラインとなったセンサが設置されていた位置と、受信したインタフェースIDとを関連付けて登録する。
例えば、センサ15−1〜15−3毎のインタフェースIDがデータベース111に登録された状態で、設備機器14−1が新たな設備機器に交換される場合を説明する。設備機器14−1を新たな設備機器に交換する際、センサ15−1はオフラインとなる。このとき、増減確認部112により、センサ15−1が設置されていた位置がモニタ17上で区別されて表示される。設備機器14−1の交換が終了し、センサ15−1が設置されていた位置についての新たなインタフェースIDを受信した場合、中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDと、センサ15−1についてのインタフェースIDとを、モニタ17に表示させる。中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDと、センサ15−1についてのインタフェースIDとを比較し、受信したインタフェースIDに含まれる設定値が、センサ15−1についてのインタフェースIDに含まれる設定値に対して逸脱しているか否かを判断する。設定値が逸脱している場合、例えば、正常に駆動することが可能な温度範囲が交換前の設備機器に対して大幅に異なるような場合、中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDにエラーフラグを付加し、このインタフェースIDが中央監視システム10上で有効化されないようにする。また、設定値が逸脱していない場合、中央監視サーバ11は、データベース111において、センサ15−1が設置されていた位置と、受信したインタフェースIDとを関連付けて登録する。
また、中央監視サーバ11は、設備機器の設置後経過年数が、登録されているインタフェースIDに含まれる耐用年数を超えた場合、耐用年数を超えたインタフェースIDに交換が必要なことを示す交換フラグを付加する。中央監視サーバ11は、交換フラグを付加したインタフェースIDに基づいて、新たな設備機器を受信側装置110に対して手配する。受信側装置110は、この手配に応じて、設備機器の図面及び取扱説明書等を自動的に中央監視サーバ11へ送信するようにしても良い。
以上のように、第1の実施形態では、センサ15−1〜15−3は、取り付けられる予定の設備機器についての固有情報を予め記録している。センサ15−1〜15−3は、例えば、設備機器14−1〜14−3に取り付けられた場合、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。プラグアンドプレイセンサ16は、固有情報、初期情報及び識別情報をインタフェースIDに変換し、変換したインタフェースIDを下位ネットワーク及び上位ネットワークを介して中央監視サーバ11へ出力する。そして、中央監視サーバ11は、供給されたインタフェースIDをデータベース111に登録するようにしている。これにより、センサ15−1〜15−3の設定情報が自動的に中央監視サーバ11のデータベース111に登録され、センサ15−1〜15−3と中央監視サーバ11とのインタオペラビリティが確立されることになる。
したがって、第1の実施形態に係る中央監視システム10によれば、ヒューマンミスを防止しつつ、センサ15−1〜15−3の設定情報を中央監視サーバ11のデータベース111へ登録することができる。また、中央監視システム10は、ヒューマンミスを防止しつつ、センサ15−1〜15−3の設定情報を中央監視サーバ11のデータベース111へ自動的に登録することが可能であるため、ビル管理作業の効率化を図ることができる。
また、第1の実施形態では、センサ15−1〜15−3は、センサが交換された場合、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。プラグアンドプレイセンサ16は、新たに受信したこれらの情報に基づいてインタフェースIDビットを生成し、生成したインタフェースIDを中央監視サーバ11へ出力する。中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを比較し、交換後のセンサについての設定情報の決定ミス及び交換後のセンサの不具合があるか否かを判断する。このように、中央監視サーバ11は、センサの設定情報を一元管理することで、交換後のセンサについての設定情報の決定ミス及び交換後のセンサの不具合を自動的に検出することが可能となる。これにより、中央監視システム10は、ヒューマンミスを防止しつつ、ビル管理作業の効率化を図ることが可能となる。
また、第1の実施形態では、センサ15−1〜15−3は、設備機器が交換された場合、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ16へ出力する。プラグアンドプレイセンサ16は、新たに受信したこれらの情報に基づいてインタフェースIDを生成し、生成したインタフェースIDを中央監視サーバ11へ出力する。中央監視サーバ11は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを比較し、交換後の設備機器の選定ミス及び設備機器の不具合があるか否かを判断する。このように、中央監視サーバ11は、センサの設定情報を一元管理することで、交換後の設備機器の選定ミス及び設備機器の不具合が自動的に検出されることになる。これにより、中央監視システム10は、ヒューマンミスを防止しつつ、ビル管理作業の効率化を図ることが可能となる。
また、第1の実施形態では、中央監視サーバ11は、設備機器の設置後経過年数が、登録されているインタフェースIDに含まれる耐用年数を超えた場合、耐用年数を超えたインタフェースIDに交換フラグを付加するようにしている。これにより、設備機器の交換時期が自動的に判断されるため、中央監視システム10は、ビル管理作業の効率化を図ることが可能となる。
また、第1の実施形態では、中央監視サーバ11は、交換フラグが付加されたインタフェースIDに基づいて、受信側装置110に対して新たな設備機器を自動的に手配するようにしている。これにより、中央監視システム10の操作者は、自らユニットの手配をする必要がなくなるため、中央監視システム10は、ビル管理作業の効率化を図ることが可能となる。
また、第1の実施形態では、中央監視サーバ11は、増減確認部112を備え、センサの増減を自動的に確認するようにしている。これにより、中央監視システム10の操作者は、自らセンサの増減を確認する必要がないため、中央監視システム10は、ビル管理作業の効率化を図ることが可能となる。
なお、第1の実施形態では、センサ15−1〜15−3とプラグアンドプレイセンサ16とが通信ケーブルにより接続されている場合を例に説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、センサ15−1〜15−3と、プラグアンドプレイセンサ16とは、無線により通信を行うようにしても構わない。
図3は、センサ15−4とプラグアンドプレイセンサ16とが無線通信を行う場合の、センサ15−4とプラグアンドプレイセンサ16との構成を示す模式図である。
設備機器14−4に取り付けられるセンサ15−4には、空気電池151が取り付けられる。空気電池151は、電力が蓄積される蓄電部と、空気と接触すると蓄電部に蓄積された電力の供給を開始する給電部とを備える。給電部は、センサの納入時には、空気に接触しないように、シールで密封されている。シールは、センサ15−4の初期設定時等に剥がされる。給電部は、シールが剥がされて空気と接触すると、蓄電部に蓄積される電力をセンサ15−4へ供給する。センサ15−4は、アンテナ152を備える。センサ15−4は、電力が供給されると、固有情報、初期情報及び識別情報を無線信号へ変換し、変換した無線信号をアンテナ152からプラグアンドプレイセンサ16へ送信する。
プラグアンドプレイセンサ16は、センサ15−4から送信された無線信号をアンテナ165により受信する。プラグアンドプレイセンサ16は、受信した無線信号を中間周波数帯の信号へ変換し、変換した信号に対して図2で説明した処理を行う。
これにより、中央監視サーバ11は、センサ15−4が通信ケーブルに接続されていなくても、センサ15−4についてのインタフェースIDを取得することが可能となる。つまり、中央監視サーバ11は、設備機器14−4を実際に動作させる前に、センサ15−4についてのインタフェースIDを取得することが可能となる。また、中央監視サーバ11は、設備機器14−4を実際に動作させる前に、登録済みのインタフェースIDと、センサ15−4についてのインタフェースIDとを比較し、設備機器14−4及びセンサ15−4についての不具合を検出することが可能となる。このため、設備機器14−4を実際に動作させる前に、部品交換に間違いがないかを事前に確認することが可能となる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る中央監視システム20の機能構成を示すブロック図である。本実施形態では、中央監視システム20が変電所の監視に利用される場合を例に説明する。
図4に示す中央監視システム20は、中央監視サーバ21、ゲートウェイ22、GIS(Gas Insulated Switch:ガス遮断器)制御盤23−1,23−2、GIS24−1,24−2、センサ25−1,25−2、モニタ17、WEBサーバ18、通信部19及び受信側装置110を具備する。図4において、図1と共通する部分には同じ符号を付して示す。
中央監視サーバ21は、上位ネットワークを介してゲートウェイ22及びWEBサーバ18と接続する。ゲートウェイ22は、下位ネットワークを介して、GIS制御盤23−1,23−2と接続する。上位及び下位ネットワークの通信プロトコルには、例えば、独自プロトコル、インターネットプロトコル又はLonWorks等のプロトコルが用いられる。GIS制御盤23−1,23−2は、制御ケーブルを介してGIS24−1,24−2とそれぞれ接続する。また、GIS制御盤23−1,23−2は、通信ケーブルを介して、GIS24−1,24−2に取り付けられるセンサ25−1,25−2とそれぞれ接続する。なお、GIS制御盤23−1,23−2の動作はそれぞれ同様であるため、以下ではGIS制御盤23−1を例に説明する。また、GIS24−1,24−2の動作はそれぞれ同様であるため、以下ではGIS24−1を例に説明する。また、センサ25−1、25−2の動作はそれぞれ同様であるため、以下ではセンサ25−1を例に説明する。
GIS制御盤23−1は、保護・制御部231−1及びプラグアンドプレイセンサ232−1を備える。保護・制御部231−1は、GIS24−1に備えられるガス圧センサ241−1及び遮断器機構箱242−1と制御ケーブルを介して接続する。
保護・制御部231−1は、例えば、ガス圧センサ241−1及び遮断器機構箱242−1の保守等の際に、ガス圧センサ241−1及び遮断器機構箱242−1に対する制御信号が入力される。保護・制御部231−1は、入力された制御信号を、制御ケーブルを介して、ガス圧センサ241−1及び遮断器機構箱242−1へ出力する。ガス圧センサ241−1及び遮断器機構箱242−1は、保護・制御部231−1から制御ケーブルを介して制御信号が供給された場合、供給された制御信号に応じた動作を実行する。
GIS24−1内には、ガス圧センサ241−1及び遮断器機構箱242−1の他、ガスの遮断に必要なユニットが複数設置されている。GIS24−1内に設置されるユニットには、センサ25−1がそれぞれ取り付けられる。プラグアンドプレイセンサ232−1は、通信ケーブルを介してセンサ25−1と接続する。
GIS24−1に設置されるユニットには、自ユニットが正常に駆動することが可能な温度範囲等の初期情報が予め登録されている。ユニットは、センサが自ユニットに取り付けられる際、又は、自ユニットに取り付けられるセンサの初期設定の際に、登録されている初期情報をセンサへ出力する。なお、初期情報は、デジタル形式又はアナログ形式で登録されている。ユニットは、初期情報がデジタル形式で登録されている場合、初期情報をデジタル信号としてセンサへ出力する。また、ユニットは、初期情報がアナログ形式で登録されている場合、初期情報をアナログ信号としてセンサへ出力する。
センサ25−1は、IDチップを備える。IDチップには、自センサが取り付けられるユニットについての、製品名、メーカー名、メーカーアドレス、製造番号、形番、シリアル番号、配設地、耐用年数、計測範囲、感度、温度、係数、電気のインタフェース等の固有情報がデジタル形式で予め記録されている。
センサ25−1は、IEEE1451.4等に準拠した方式で、IDチップに記録されている固有情報を、通信ケーブルを介してプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。また、センサ25−1は、固有情報と共に、ユニットから出力された初期情報もプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。また、センサ25−1は、固有情報及び初期情報と共に自センサの識別情報もプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。
センサ25−1が、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力するタイミングとしては、例えば以下の四つが挙げられる。すなわち、既存のユニットに新たなセンサを取り付ける場合であって、ユニットへのセンサの取り付けが完了し、センサが通信ケーブルに接続された場合に、センサ25−1は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。また、新たに設置されるユニットに既存のセンサを取り付ける場合であって、ユニットへのセンサの取り付けが完了し、センサが通信ケーブルに再び接続された場合に、センサ25−1は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。また、新たに設置されるユニットに新たなセンサを取り付ける場合であって、ユニットへのセンサの取り付けが完了し、センサが通信ケーブルに接続された場合に、センサ25−1は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。また、中央監視サーバ21からプラグアンドプレイセンサ232−1を介して供給される送信要求信号を受けた場合、センサ25−1は、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。
プラグアンドプレイセンサ232−1は、センサ25−1から供給される固有情報、初期情報及び識別情報を参照し、ユニット毎に取り付けられたセンサ25−1それぞれについてのインタフェースIDを生成する。プラグアンドプレイセンサ232−1は、生成したインタフェースIDを下位ネットワークを介してゲートウェイ22へ出力する。
ゲートウェイ22は、上位ネットワークと下位ネットワークとを接続するハードウェア又はソフトウェアである。具体的には、ゲートウェイ22は、上位ネットワークから供給されるデータのフォーマット、アドレス及びプロトコルを、下位ネットワークに準じたものに変換し、変換したデータを下位ネットワークを介してGIS制御盤23−1,23−2へ出力する。また、ゲートウェイ22は、下位ネットワークを介してGIS制御盤23−1,23−2から供給されるインタフェースIDのフォーマット、アドレス及びプロトコルを、上位ネットワークに準じたものに変換し、変換したインタフェースIDを上位ネットワークを介して中央監視サーバ21へ出力する。
中央監視サーバ21は、ゲートウェイ22から供給されるインタフェースIDを、中央監視サーバ21が備えるデータベース211へ登録する。データベース211には、GIS24−1,24−2内においてユニットが設置される位置情報が予め登録されており、中央監視サーバ21は、データベース211に登録されている位置情報とインタフェースIDとを関連付けて登録する。中央監視サーバ21は、WEBサーバ18及び通信部19を介してインターネット100へ接続し、データベース211に登録したインタフェースIDを、インターネット100に接続する受信側装置110へ出力する。
また、中央監視サーバ21は、増減確認部212をさらに備える。増減確認部212は、予め設定した周期でセンサ25−1,25−2へ、送信要求としてのパルス信号を送信する。増減確認部212から出力された送信要求信号は、ゲートウェイ22及びプラグアンドプレイセンサ232−1,232−2を介してセンサ25−1,25−2へ伝送される。センサ25−1,25−2は、送信要求信号を受信すると、プラグアンドプレイセンサ232−1,232−2へ固有情報、初期情報及び識別情報を出力する。
センサ25−1,25−2のいずれかが設備機器の交換等のため、オフラインとなっている場合、オフラインとあっているセンサからは送信要求信号に応じた固有情報、初期情報及び識別情報が出力されない。増減確認部212は、登録されているセンサのうちインタフェースIDが返信されないセンサがある場合、そのセンサが設置されていた位置情報をモニタ17上で区別可能なようにする。増減確認部212は、オフラインの状態が予め設定された期間以上維持された場合、そのセンサについてのインタフェースIDをデータベース211から削除する。
データベース211に登録されるセンサ25−1、25−2のうち、いずれかがオフラインとなり、オフラインとなったセンサが設置されていた位置について新たなインタフェースIDを受信した場合、中央監視サーバ21は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを、比較可能なように、例えば並列してモニタ17に表示させる。また、中央監視サーバ21は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを比較し、受信したインタフェースIDに含まれる設定値が、オフラインとなったセンサのインタフェースIDに含まれる設定値から逸脱しているか否かを判断する。設定値が逸脱している場合、中央監視サーバ21は、受信したインタフェースIDにエラーフラグを付加し、このインタフェースIDが中央監視システム20上で有効化されないようにする。また、設定値が逸脱していない場合、中央監視サーバ21は、データベース211において、オフラインとなったセンサが設置されていた位置と、受信したインタフェースIDとを関連付けて登録する。
例えば、センサ25−1、25−2についてのインタフェースIDがデータベース211に登録された状態で、GIS24−1に設置されるユニットのいずれかが交換される場合を説明する。GIS24−1に設置されるユニットのいずれかを新たなユニットに交換する際、センサ25−1のいずれかはオフラインとなる。このとき、増減確認部212により、オフラインとなったセンサ25−1が設置されていた位置がモニタ17上で区別されて表示される。ユニットの交換が終了し、センサ25−1が設置されていた位置についての新たなインタフェースIDを受信した場合、中央監視サーバ21は、受信したインタフェースIDと、センサ25−1についてのインタフェースIDとを、モニタ17に表示させる。中央監視サーバ21は、受信したインタフェースIDと、センサ25−1についてのインタフェースIDとを比較し、受信したインタフェースIDに含まれる設定値が、センサ25−1についてのインタフェースIDに含まれる設定値に対して逸脱しているか否かを判断する。設定値が逸脱している場合、例えば、正常に駆動することが可能な温度範囲が交換前のユニットに対して大幅に異なるような場合、中央監視サーバ21は、通知されたインタフェースIDにエラーフラグを付加し、そのインタフェースIDが中央監視システム20上で有効化されないようにする。また、設定値が逸脱していない場合、中央監視サーバ21は、データベース211において、センサ25−1が設置されていた位置と、受信したインタフェースIDとを関連付けて登録する。
また、中央監視サーバ21は、GIS24−1,24−2内のユニットの設置後経過年数が、登録されているインタフェースIDに含まれる耐用年数を超えた場合、耐用年数を超えたインタフェースIDに交換フラグを付加する。中央監視サーバ21は、交換フラグを付加したインタフェースIDに基づいて、新たなユニットを受信側装置110に対して手配する。
以上のように、第2の実施形態では、センサ25−1,25−2は、取り付けられる予定のユニットについての固有情報を予め記録している。センサ25−1は、例えば、GIS24−1内のユニットに取り付けられた場合、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1へ出力する。プラグアンドプレイセンサ232−1は、固有情報、初期情報及び識別情報をインタフェースIDに変換し、変換したインタフェースIDを下位ネットワーク及び上位ネットワークを介して中央監視サーバ21へ出力する。そして、中央監視サーバ21は、供給されたインタフェースIDをデータベース211に登録するようにしている。これにより、センサ25−1,25−2の設定情報が自動的に中央監視サーバ21のデータベース211に登録されることになる。
したがって、第2の実施形態に係る中央監視システム20によれば、ヒューマンミスを防止しつつ、センサ25−1,25−2の設定情報を中央監視サーバ21のデータベース211へ登録することができる。また、中央監視システム20は、ヒューマンミスを防止しつつ、センサ25−1,25−2の設定情報を中央監視サーバ21のデータベース211へ自動的に登録することが可能であるため、変電所の管理作業の効率化を図ることができる。
また、第2の実施形態では、センサ25−1,25−2は、センサが交換された場合、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1,232−2へ出力する。プラグアンドプレイセンサ232−1,232−2は、新たに受信したこれらの情報に基づいてインタフェースIDを生成し、生成したインタフェースIDを中央監視サーバ21へ出力する。中央監視サーバ21は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを比較し、交換後のセンサについての設定情報の決定ミス及び交換後のセンサの不具合があるか否かを判断する。このように、中央監視サーバ21は、センサの設定情報を一元管理することで、交換後のセンサについての設定情報の決定ミス及び交換後のセンサの不具合を自動的に検出することが可能となる。これにより、中央監視システム20は、ヒューマンミスを防止しつつ、変電所の管理作業の効率化を図ることが可能となる。
また、第2の実施形態では、センサ25−1,25−2は、GIS24−1,24−2内のユニットが交換された場合、固有情報、初期情報及び識別情報をプラグアンドプレイセンサ232−1,232−2へ出力する。プラグアンドプレイセンサ232−1,232−2は、新たに受信したこれらの情報に基づいてインタフェースIDを生成し、生成したインタフェースIDを中央監視サーバ21へ出力する。中央監視サーバ21は、受信したインタフェースIDと、オフラインとなったセンサのインタフェースIDとを比較し、交換後のユニットの選定ミス及びユニットの不具合があるか否かを判断する。このように、中央監視サーバ21は、センサの設定情報を一元管理することで、交換後のユニットの選定ミス及びユニットの不具合が自動的に検出されることになる。これにより、中央監視システム20は、ヒューマンミスを防止しつつ、変電所の管理作業の効率化を図ることが可能となる。
なお、従来の中央監視システムにおいては、変電所においては主回路が負荷へ送電している状態でユニットの設定作業する場合、現状のセンサの運用状況の確認漏れが起きれば、センサを設定変更すると開閉器装置を誤って開放してしまうこともあり、誤作動等の不具合につながる可能性もある。これに対し、第2の実施形態に係る中央監視システム20によれば、センサ25−1,25−2の運用状況の確認漏れを自動的に防止することが可能となるため、誤作動等の不都合を防止することが可能となる。
また、第2の実施形態では、中央監視サーバ21は、GIS24−1,24−2内のユニットの設置後経過年数が、登録されているインタフェースIDに含まれる耐用年数を超えた場合、耐用年数を超えたインタフェースIDに交換フラグを付加するようにしている。これにより、GIS24−1,24−2内のユニットの交換時期が自動的に判断されるため、中央監視システム20は、変電所の管理作業の効率化を図ることが可能となる。
また、第2の実施形態では、中央監視サーバ21は、交換フラグが付加されたインタフェースIDに基づいて、受信側装置110に対して新たなユニットを自動的に手配するようにしている。これにより、中央監視システム20の操作者は、自らユニットの手配をする必要がなくなるため、中央監視システム10は、ビル管理作業の効率化を図ることが可能となる。
また、第2の実施形態では、中央監視サーバ21は、増減確認部212を備え、センサの増減を自動的に確認するようにしている。これにより、中央監視システム20の操作者は、自らセンサの増減を確認する必要がないため、中央監視システム20は、ビル管理作業の効率化を図ることが可能となる。
なお、第2の実施形態では、センサ25−1,25−2とプラグアンドプレイセンサ232−1,232−2とが通信ケーブルにより接続されている場合を例に説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、センサ25−1,25−2と、プラグアンドプレイセンサ232−1,232−2とは、図3に示すように、無線により通信を行うようにしても構わない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。