JP2013197829A - 無線通信装置、及び無線通信装置において実行されるプログラム - Google Patents

無線通信装置、及び無線通信装置において実行されるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】TCP/IP_ACKの送信スループットを向上させる処理部を備えた無線通信装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】無線部を用いて無線基地局へ無線信号を送信する上りリンクに対する処理と無線部を用いて無線基地局から無線信号を受信する下りリンクに対する処理とを所定の実行スケジュールに基づいて時分割で実行する通信制御プロセッサを備えた無線通信装置300であって、上位層を実行する上位プロセッサ400からの上りリンクに対する入力である上り信号のデータ量を測定し、測定したデータ量に基づいて、上り信号が上位層における送達確認を示すデータを含むかどうかを判定し、送達確認を示すデータを含むと判定した場合、上りリンクに対する処理の実行順位を上げるように時分割の実行スケジュールを変更し、上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を無線部に送信させる無線通信装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信装置、及び無線通信装置において実行されるプログラムに関する。
現在、携帯電話システムや無線LAN(Local Area Network)などの無線通信システムが広く利用されている。このような無線通信システムでは、例えば、通話サービス以外にも動画像の配信サービスなど種々のサービスが提供されている。また、端末装置においても、フィーチャーフォン以外にもスマートフォンなどが利用されるようになってきている。このような無線通信システムでは、例えば、TCP/IPプロトコルによるTCP/IPパケットが送受信されて、インターネットへの接続などが容易に行い得るようになってきている。
例えば、端末装置では、インターネットへ接続し、ファイルや動画像などのダウンロードを行う場合がある。TCP/IPプロトコルが利用される場合、例えば、送信側が端末装置においてデータが正しく受信されたかを確認しながらダウンロードが行われる。この場合、端末装置は、規定のデータを誤りなく受信できたとき、送達確認信号としてTCP/IP_ACKを送信側に送信する。これにより、例えば、送信側は端末装置においてデータが正しく受信されたことを確認することができる。このようなことから、TCP/IPプロトコルは送達確認型プロトコルと呼ばれる場合もある。
ただし、TCP/IPパケットの生成はトランスポート層において行われ、トランスポート層より下位にあるL2層やL1層などではTCP/IPパケットの識別などは行われない。従って、L2層やL1層などではTCPヘッダに含まれるTCP/IP_ACKの識別子の判別なども行われない。
他方、データの送達確認については、L1層、L2層それぞれでも行われる。例えば、L1層ではHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)による送達確認信号(例えばHARQ_ACK)、L2層ではRLC(Radio Link Control)プロトコルによる送達確認信号(例えばRCL_ACK)がそれぞれ利用され、各層において送達確認が行われる。
例えば、下り通信リンクを利用してデータが送信される場合、端末装置はHARQ_ACKを送信側(例えば無線基地局)に送信することで、送信側ではL1層における送達確認を行うことができる。また、端末装置はRLC_ACKを送信側(例えば、無線基地局より上位にあるRNC(Radio Network Controller))に送信することで、送信側においてL2層における送達確認を行うことができる。そして、端末装置はTCP/IP_ACKを送信側(例えば、RNCより上位にあるサーバなど)に送信することで送信側ではトランスポート層の送達確認を行うことができる。このように、例えば、L1層、L2層、トランスポート層において送達確認がそれぞれ行われことができ、送信側では、TCP/IP_ACKを受信して初めて次のデータを端末装置に向けて送信することができる。
このようなTCP/IPプロトコルの送達確認に関する技術として、例えば以下のようなものがある。すなわち、基地局は上位局からTCP/IPパケットを受信し、TCP/IPパケットの最後の情報ビットを検出したとき、優先割当情報を移動端末に送信する。そして、移動端末はTCP/IPパケットのACKを基地局に送信するため、優先割当情報と上り回線割当要求とを基地局に送信する。基地局は、優先割当情報を受信したとき移動端末の上り回線優先度を高くして上り回線割当スケジュールを調整することで、無線システムのスループットの最大限の向上を図るようにしたものがある(特許文献1)。
また、上述した無線信号の送受信処理に係る一部の機能の制御をDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサでのファームウェア処理により実行する技術が提案されている(特許文献2)。このようなファームウェア処理を実行する演算部では、上述した無線信号の送受信処理に係る複数のタスクが時分割で実行される。
特開2007−266753号公報 特開2004−21884号公報
特開2007−266753号公報に記載された技術は、優先割当情報が上り通信リンクと下り通信リンクにおいて送信される。従って、優先割当情報が送信される分だけ、有限の無線リソース(例えば時間と周波数)においてデータが送信されるリソースが少なくなり、優先割当情報が送信されない場合と比較して、上り通信リンクと下り通信リンクともにスループットが低下する。
また、上述したTCP/IPプロトコルによる送達確認の場合、端末装置がTCP/IP_ACKを送信する際に、TCP/IP_ACKの送信に時間がかかり、アプリケーション層を含む全体のスループットがL1層よりも低下する問題もある。特開2004−21884号公報に記載されるような時分割で複数のタスクを実行するプロセッサにより無線処理に係る機能の一部を制御する技術では、端末装置が備えるプロセッサのタスクスケジュールにおいて下り通信リンクに対する処理が上り通信リンクに対する処理よりも優先されるため、上述のTCP/IP_ACKの送信遅延による問題が顕著となる。以下この問題について説明する。
代表的なEthernet(登録商標)型LANでは、TCP/IPプロトコルでは、MTU(Maximum Transmission Unit)1500octの場合、2×1460オクテッドの下りデータ(MSS、Maximum Segment Size 最大値)に対して端末装置は1つのTCP/IP_ACKを送信する。L1層におけるデータは、LTE(Long Term Evolution)やHSDPA+(High Speed Downlink Packet Access+)などの通信方式とそのカテゴリにより変化するが、RLCパケット(例えばヘッダ含めると1502オクテッド)を数個〜数十個まとめて1つのトランスポートブロックとして送信されることができる。これにより、例えば、LTEのカテゴリ4などでは、下り通信リンクにおいて150Mbpsなどのスループットを実現することができる。
上述したように、端末装置は、例えば2×1460オクテッドのデータごとに、TCP/IP_ACKを送信する。従って、送信側の装置から1つのトンラスポートブロックを受信した場合(例えば150Mbps)、端末装置はこの1つのトランスポートブロックに含まれる複数個のTCPパケットデータに対して複数個のTCP/IP_ACKを送信しようとする。しかし、端末装置が備えるベースバンド処理部のプロセッサは、ダウンリンクの信号処理とアップリンクの信号処理とを時分割で実行しているため、ダウンリンクの信号処理のタスクを実行している間、TCP/IP_ACKを含む送信データは送信バッファに滞留する。しかも、端末装置において動画像データなど大量のデータをダウンロードする場合、ダウンリンクの信号処理のタスク実行を他の処理よりも優先する。そのため、ダウンロードされるデータが大量になるほど、送信すべきTCP/IP_ACKの個数が増加するにもかかわらず、端末装置においてダウンリンクの信号処理の実行が優先されることにより、送信バッファにおけるTCP/IP_ACKの滞留時間が長くなる。なお、ベースバンド処理部において時分割で実行されるアップリンクの信号処理及びダウンリンクの信号処理には、例えば、アプリケーションCPUとのインタフェースの部分の処理、及びRF部とのインタフェース部分の処理などを含んでもよい。
一方、送信側の装置は、スライディングウィンドウ方式などのウィンドウ制御によるTCPパケットの送信処理を行う場合、ウィンドウサイズに達するまで、送達確認であるTCP/IP_ACKの受信を待たずにTCPパケットを送信することができる。これにより、大量のデータを送信する場合のスループット向上と送達確認による信頼性向上との調和を図っている。しかし、送達確認を待たずに送信したデータ量がウィンドウサイズに達すると、送信したデータに対する送達確認であるTCP/IP_ACKが受信されるまで、送信側の装置はTCPパケットの送信を待機する。しかも、端末装置においてダウンリンクの信号処理が優先される結果、送信側の装置ではTCP/IP_ACKの受信に遅延が生じる。そのため、送信側の装置において送達確認待ちのデータがバッファに滞留する時間が長くなり、送達確認を待たずに送信できるデータ量が抑制される。すなわち、ウィンドウサイズ分のデータ量を連続して送信するためには、送達確認を待たずに送信したデータ量分の送達確認を示すTCP/IP_ACKの受信を待つことになる。例えば、送達確認を待たずに送信した複数のデータに対する複数個のTCP/IP_ACKの一部又は全部を受信したとき、ウィンドウサイズ分の次のデータを送信する。
従って、L1層においては、例えば送信側は150Mbpsのデータを送信できるにも拘わらず、トランスポート層においては、TCP/IP_ACKの遅延によるスループットがL1層よりも低下することになる。このため、更に上位層であるアプリケーション層を含めた全体のスループットは、送達確認を実施しない場合のL1層のスループットよりも低下する。
そこで、本発明の目的は、TCP/IP_ACKの送信スループットを向上させるベースバンド処理部を備えた無線通信装置、及び無線通信装置において実行されるプログラムを提供することにある。
一態様は、無線部を用いて無線基地局へ無線信号を送信する上りリンクに対する処理と前記無線部を用いて無線基地局から無線信号を受信する下りリンクに対する処理とを所定の実行スケジュールに基づいて時分割で実行する通信制御プロセッサを備えた無線通信装置であって、前記通信制御プロセッサは、前記通信制御プロセッサが実行する通信装置よりも上位層を実行する上位プロセッサからの前記上りリンクに対する入力である上り信号のデータ量を測定し、前記測定したデータ量に基づいて、前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むかどうかを判定し、前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むと判定した場合、前記上りリンクに対する処理の実行順位を上げるように前記時分割の実行スケジュールを変更し、前記変更後の時分割の実行スケジュールに基づいて実行される上りリンクに対する処理により、前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を前記無線部に送信させる。
TCP/IP_ACKの送信スループットを向上させるベースバンド処理部を備えた無線通信装置、及び無線通信装置において実行されるプログラムを提供することができる。
図1は移動端末装置の構成例を表わす図である。 図2は通信システムの構成例を表わす図である。 図3はNodeB、移動機、及びクライアントPCの構成例をそれぞれ表わす図である。 図4はデータフローの例を表わす図である。 図5(A)から図5(H)はデータフォーマットの例をそれぞれ表わす図である。 図6は無線通信方式のカテゴリとその最大スループットなどの例を表わす図である。 図7(A)及びと図7(B)は判定処理の動作例をそれぞれ表わすフローチャートである。 図8は判定処理の動作例を表わすフローチャートである。 図9(A)及び図9(B)はバッファメモリにおけるメモリ領域の例をそれぞれ表わす図である。 図10は移動機における動作例を表わす図フローチャートである。 図11(A)から図11(D)はデータの推移例をそれぞれ表わす図である。 図12(A)から図12(C)はTCP/IPデータの推移例をそれぞれ表わす図である。 図13はNodeB、移動機、及びクライアントPCの構成例をそれぞれ表わす図である。 図14は移動機の構成例を表わす図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施の形態]
最初に第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における移動端末装置300の構成例を表わす図である。移動端末装置300は無線基地局装置と無線通信を行うことができ、信号を無線基地局装置に送信し、無線基地局から送信された信号を受信する。例えば、移動端末装置300から無線基地局装置に信号が送信される通信リンクを上りリンク、無線基地局装置から端末装置300に信号が送信される通信リンクを下りリンクと称する場合がある。なお、移動端末装置300は無線通信装置の一例であり、無線基地局装置も無線通信装置の一例でもある。
移動端末装置300は、上位プロセッサ350、通信制御プロセッサ360、無線部370、ミキサ375、及びアンテナ376を備える。
上位プロセッサ350は、アプリケーション351と上位層の処理352の各機能ブロックを含む。アプリケーション351と上位層の処理352は、例えば、上位プロセッサ350においてそれぞれ実行される機能ブロックである。上位プロセッサ350は、図示しないROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを読み出して、図示しないRAM(Random Access Memory)にロードし、ロードした当該プログラムを実行することで、アプリケーション351と上位層の処理352などの機能ブロックを実行(又は実現)することができる。
アプリケーション351は、例えば、電子メールの送受信を行ったり、ホームページを閲覧するためのブラウジング機能などを行ったりする機能ブロックである。上位プロセッサ350は、アプリケーション351において様々なアプリケーションを実行する。
上位層の処理352は、例えば、TCP/IPプロトコルに従うデータを生成し、当該データを通信制御プロセッサ360を介して無線基地局装置に送信したり、通信プロセッサ制御部360を介して受信した当該データを受け取る。上位層の処理352は、例えば、無線基地局装置から送信された下り信号に対する送達確認を示すデータ(例えば、TCP/IP_ACKなどのデータ)を生成し、上り信号に含めて通信制御プロセッサ360に出力する。上位層の処理352は、上り信号に送達確認を示すデータを含めて通信制御プロセッサ360に出力することもできるし、送達確認を示すデータを含めずに上り信号を通信制御プロセッサ360に出力することもできる。上位層の処理352は、所定のタイミングで、送達確認を示すデータを生成し、上り信号に含めて送信することができる。
通信制御プロセッサ360は、無線部370を用いて無線基地局装置へ無線信号を送信する上りリンクに対する処理365と、無線部370を用いて無線基地局から無線信号を受信する下りリンクに対する処理366と、を所定の実行スケジュールに基づいて時分割で実行する。移動端末装置300では、実行スケジュールに基づいて、上りリンクと下りリンクに対する無線信号の処理を時分割で実行している。
また、通信制御プロセッサ360は、例えば、UL−MACデータやDL−MACデータ、DL−RLCデータなどのデータを生成してこれらのデータを無線基地局装置との間で交換することができる。UL−MACデータなどの詳細については第2の実施の形態において説明する。
通信制御プロセッサ360は、上り信号の流量測定361、上り信号の種別測定362、実行スケジュールの変更363、実行スケジュールに基づく制御364、上りリンクに対する処理365、及び下りリンクに対する処理366の各機能ブロックを含む。例えば、通信制御プロセッサ360は、図示しないROMに記憶されたプログラムを読み出し、これをRAMにロードし、ロードした当該プログラムを実行することで、これらの機能ブロックを実行(又は実現)することができる。
上り信号の流量測定361は、通信制御プロセッサ360が実行する通信階層よりも上位層の機能ブロックを実行する上位プロセッサ350からの上りリンクに対する入力である上り信号のデータ量を測定する。上り信号の流量測定361は、測定した上り信号のデータ量を上り信号の種別測定362に出力する。
上り信号の種別測定362は、測定したデータ量に基づいて、上り信号が上位層における送達確認を示すデータを含むかどうかを判定する。例えば、上り信号の種別測定362は、データ量が所定サイズのデータ量であるかどうか、あるいは所定サイズのデータ量を有するデータを単位時間カウントした回数が所定回数に達したかどうか、などにより判定することができる。
実行スケジュールの変更363は、上り信号の種別測定362において上り信号が上位層における送達確認を示すデータを含むと判定した場合、上りリンクに対する処理365の実行順位を上げるように時分割の実行スケジュールを変更する。
実行スケジュールに基づく制御364は、上りリンクに対する処理365と下りリンクに対する処理366に対して、実行スケジュールに基づく制御を行う。実行スケジュールは、例えば、上りリンクに対する処理365と下りリンクに対する処理366とが時分割に行われるスケジュールである。
実行スケジュールに基づく制御364は、上りリンクに対する処理365に対して、変更後の時分割の実行スケジュールに基づいて実行される下りリンクに対する処理366により、上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を無線部370に送信させるよう指示する。
上りリンクに対する処理365は、実行スケジュールに基づく制御364からの指示に従って、上り信号に対する処理を行うことができ、処理後の信号を無線部370に出力する。上り信号に対する処理は、例えば、誤り訂正符号化処理や変調処理などである。
下りリンクに対する処理366は、実行スケジュールに基づく制御364からの指示に従って、下り信号に対する処理を行うことができ、処理後の信号を上位プロセッサ350に出力する。下り信号に対する処理は、例えば、復調処理や誤り訂正復号化処理などである。
無線部370は、上り信号に対して周波数変換処理などを施して無線信号に変換し、変換後の無線信号をミキサ375とアンテナ376を介して、無線基地局装置に送信する。また、無線部370は、アンテナ376とミキサ375を介して受信した無線信号に対して周波数変換処理などを施してベースバンド信号に変換し、通信制御プロセッサ360に出力する。
このように、移動端末装置300の通信制御プロセッサ360において、上位層における送達確認を示すデータを含むと判定した場合、上りリンクに対する処理365の実行順序を上げるように時分割の実行スケジュールを変更する。この変更により、移動端末装置300は、上りリンクに対する処理365の実行順序が下りリンクに対する処理366よりも上がるため、送達確認を示すデータを含む信号を、下りリンクに対する処理366よりも優先して送信することができる。
よって、移動端末装置300では、上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を、下り信号よりも優先して送信することができ、優先して送信しない場合と比較して、当該上り信号の送信スループットを向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。最初に本第2の実施の形態における通信システムの構成例を説明し、次に通信システムに含まれる移動機の構成例などを説明し、最後に移動機における動作例について説明することにする。
<通信システムの構成例>
図2は本第2の実施の形態における通信システム10の構成例を表わす図である。通信システム10では例えば無線区間と有線区間とを含み、移動機(又は、移動端末装置であり、以下においては「移動機」と称する場合がある)300はモバイルブロードバンドシステム200を介してサーバ100との間でデータを送受信する。
また、クライアントパーソナルコンピュータ(以下、「クライアントPC」と称する場合がある)400は移動機300と接続されている。クライアントPC400は、移動機300及びモバイルブロードバンドシステム200を介して、サーバ100との間で、TCP/IPプロトコルによるTCP/IPパケットを送受信する。TCP/IP_ACKは、例えば、TCP/IPプロトコルによる送達確認信号であり、クライアントPC400から移動機300、モバイルブロードバンドシステム200を介してサーバ100に送信される。
通信システム10は、サーバ100、モバイルブロードバンドシステム200、移動機300、及びクライアントPC400とを備える。なお、移動機300内部にクライアントPC400に相当する機能、例えばTCP/IPパケットを処理する処理部を含む場合は、クライアントPC400はなくてもよい。
サーバ100は、例えば、ファイルデータや動画像データなどを保持することができる。サーバ100は、クライアントPC400や移動機300からの指示に基づいて、モバイルブロードバンドシステム200を介して、これらのデータを移動機300やクライアントPC400に送信する。また、サーバ100は、TCP/IPプロトコルによるTCP/IPパケットデータ(以下、「TCP/IPデータ」と称する場合がある)を生成したり、送受信したりすることができる。例えば、サーバ100は、ファイルデータや動画像データなどをTCP/IPデータにパケット化するなどしてデータを送信する。このため、サーバ100には、TCP/IPデータに対する処理を行うTCP/IP処理部を備えるようにしてもよい。サーバ100は、例えば、インターネットを介してモバイルブロードバンドシステム200と接続されてもよい。
なお、サーバ100からクライアントPC400への方向を下り方向(又は下り通信リンク)、クライアントPC400からサーバ100への方向を上り方向(又は上り通信リンク)と適宜称する場合もある。さらに、下り方向に流れるデータを下りデータ、上り方向に流れるデータを上りデータと適宜称する場合もある。
モバイルブロードバンドシステム200は、例えば、移動機300との間でデータなどを送受信できるようにするためのインタフェースの役割を果たす。モバイルブロードバンドシステム200は、コアネットワーク(以下において、「コアNW」と称する場合がある)210、RNC(Radio Network Controller、無線基地局制御装置と呼ばれる場合もある)220−1,220−2、NodeB(無線基地局装置と呼ばれる場合もある)230−1〜230−3とを備える。
なお、図2に示すモバイルブロードバンドシステム200おいて、2台のRNC220−1,220−2と、3台のNodeB230−1〜230−3の例を表わしているがこれは一例であり、RNC220−1,220−2は、1台又は3台以上あってもよい。また、1台のRNC220−1に対して3台以上のNodeB230−1〜230−3が接続されてもよい。
コアNW210は、サーバ100とRNC220−1,220−2とを接続するネットワークである。コアNW210には、例えば、TCP/IPデータが流れる。
RNC220−1,220−2は、配下に接続された1又は複数のNodeB230−1〜230−3を制御することができる。RNC220−1,220−2は、例えば、移動機300に対する発着信に関する制御や、ハンドオーバに関する制御などを行う。なお、RNC220−1,220−2は、コアNW210を介してサーバ100から受信したTCP/IPデータをRLC(Radio Link Control)プロトコルによるRLCパケットデータ(以下、「RLCデータ」と称する場合がある)にパケット化してNodeB230−1〜230−3にそれぞれ送信することができる。また、RNC220−1,220−2は、NodeB230−1〜230−3から受信したRLCデータをTCP/IPデータにパケット化して、サーバ100に送信することができる。RNC220−1,220−2は、例えば、RLCデータとTCP/IPデータの変換を行うことができるようにするため、RLC処理部を備えるようにしてもよい。RNC220−1,220−2の構成例は後述する。
NodeB230−1〜230−3は、RNC220−1,220−2から受信したRLCデータを無線信号に変換して移動機300に送信し、移動機300から受信した無線信号をRLCデータに変換してRNC220−1,220−2にそれぞれ送信する。NodeB230−1〜230−3の構成例については後述する。
移動機300は、NodeB230−1〜230−3から送信された無線信号を受信し、無線信号から送信データを抽出し、受信データとしてクライアントPC400に送信する。その際、移動機300は、受信データをクライアントPC400に送信できる所定形式のデータに変換してクライアントPC400に送信することができる。また、移動機300は、クライアントPC400から送信された所定形式のデータを受信し、無線信号としてNodeB230−1〜230−3に送信する。
なお、移動機300は、データ領域に上りデータが含まれず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータをクライアントPC400から受け取ったことを検出したとき、上りデータの送信を下りデータの受信よりも優先するように設定することができる。これにより、移動機300は、設定前と比較して、より多くのTCP/IP_ACKをサーバ100に送信することができるようになる。そして、サーバ100では、設定前と比較して、TCP/IP_ACKの受信回数が多くなり、TCP/IP_ACK対象となるデータの次のデータを早く送信することができ、アプリケーション層を含む全体のスループットの向上を図ることができる。移動機300の構成例については後述する。
なお、図5(B)にTCP/IPデータのフォーマット例を表わしているが、以下においては、データ領域とヘッダ領域を含む1つのTCP/IPパケットをTCP/IPデータと適宜称する場合がある。
クライアントPC400は、例えば、TCP/IPデータに対する処理を行い、サーバ100から送信されて移動機300から受信した下りデータに対して、正しく受信できたときはTCP/IP_ACKを移動機300に送信する。この場合、クライアントPC400は、TCP/IP_ACKをTCP/IPデータに含めて送信することができる。クライアントPC400は、このような処理を行うことができるようにするため、TCP/IP処理部を備えるようにしてもよい。クライアントPC400の構成例については後述する。
<移動機300などの構成例>
次に、移動機300などの構成例について説明する。図3は、NodeB230と、移動機300、及びクライアントPC400の各構成例をそれぞれ表わす図である。図3に示すクライアントPC400は、例えば、移動機300内、或いはクライアントPC400内のアプリケーション(APL)として表わすこともでき、そのため、図3においては「APL」と表わされている。
また、図3においてNodeB230の構成例も表わされている。図2では複数のNodeB230−1〜230−3について表わされているが、いずれも同一構成のため以下においてはとくに断らない限りNodeB230と称することにする。RNC220−1,220−2についてもとくに断らない限りRNC220と称することにする。
NodeB230は、MAC処理部231とPH部232とを備える。
MAC処理部231は、RNC220から送信されたRLCデータをMAC(Media Access Protocol)プロトコルのMACパケットデータ(以下、「MACデータ」と称する場合がある。)にパケット化するなどしてMACデータに変換し、PH部232に出力する。また、MAC処理部231は、PH部232から出力されたMACデータをRLCデータにパケット化するなどしてRLCデータに変換し、RNC220に出力する。MACデータとRLCデータのフォーマット例は後述する。
PH部232は、MAC処理部231から出力されたMACデータを無線信号に変換して移動機300に送信し、また、移動機300から送信されたデータを受信してMACデータに変換してMAC処理部231に出力する。この場合、PH部232は、MACデータをL1データに変換し、L1データを無線信号に変換して送信することができる。また、PH部232は、受信した無線信号からL1データを抽出し、L1データをMACデータに変換することもできる。PH部232は、このような変換や抽出などを行うことができるようにするため、L1処理部やRF部を備えるようにしてもよい。L1データのフォーマット例は後述する。
移動機300は、PH部301、DL−MAC処理部302、DL−RLC処理部303、DL−PDCP処理部304、DL−フロー制御部305、DL−IF部306、UL−IF部307、UL−フロー制御部308、UL−PDCP処理部309、UL−RLC処理部310、UL−MAC処理部311、UL−PH部312を備える。移動機300は、さらに、流量測定部320、通信制御プロセッサ(以下、「通信プロセッサ」と称する場合がある)321、UL優先フラグメモリ322、バッファメモリ制御部323、バッファメモリ324とを備える。
図3の移動機300の構成例において、DL−MAC処理部302からDL−IF部306までの各ブロックは下りデータに対する処理をそれぞれ行うブロックである。また、UL−IF部307からUL−MAC部311までの各ブロックは上りデータに対する処理をそれぞれ行うブロックである。
なお、第1の実施の形態における移動端末装置300の構成例(例えば図1)において、通信制御プロセッサ360は、例えば、DL−MAC処理部302からDL−IF部306、UL−IF部307からUL−MAC処理部311、流量測定部320、通信制御プロセッサ321、UL優先フラグメモリ322、バッファメモリ制御部323、バッファメモリ324に対応する。また、第1の実施の形態における無線部370とミキサ375、及びアンテナ376は、例えば、第2の実施の形態におけるPH部301に対応する。
PH部301は、NodeB230から送信された無線信号を受信し、無線信号からL1データを抽出し、さらに、L1データからトランスポートブロックに含まれるデータを抽出し、DL−MAC処理部302に出力する。また、PH部301は、UL−MAC処理部311から出力された、トランスポートブロック単位のデータに対して、CRCを付加するなどしてL1データに変換する。そして、PH部301はL1データを無線信号に変換して、NodeB230に送信する。PH部301では、このような抽出や変換などを行うことができるよう、L1処理部とRF処理部などを備えるようにしてもよい。なお、このような変換についての詳細は後述する。
DL−MAC処理部302は、PH部301から出力されたトランスポートブロックに含まれるデータをMACデータにパケット化するなどしてMACデータに変換し、MACデータをDL−RLC処理部303に出力する。このような変換についての詳細は後述する。
DL−RLC処理部303は、DL−MAC処理部302から出力されたMACデータをRLCデータにパケット化するなどしてRLCデータに変換し、DL−PDCP処理部304に出力する。この変換についても後述する。
DL−PDCP処理部304は、DL−RLC処理部303から出力されたRLCデータをPDCP(Packet Data Convergence Protocol)によるPDCPパケットデータ(以下、「PDCPデータ」と称する場合がある。)にパケット化するなどPDCPデータに変換する。この変換の詳細についても後述する。DL−PDCP処理部304は、変換後のPDCPデータをDL−フロー制御部305に出力する。
DL−フロー制御部305は、例えば、DL−フロー制御部305に入力または出力されるデータを監視し、フロー制御条件に基づいて、UL−フロー制御部308と共に上りデータの送信や下りデータの受信など制御する。フロー制御条件は、例えば、下りデータの受信を上りデータの送信よりも優先するなど、上りデータと下りデータの送信に関する条件を表わしている。例えば、DL−フロー制御部305は、下りデータのデータ量が閾値以下になったり、なくなったりするとその旨の信号をUL−フロー制御部308に出力し、UL−フロー制御部308は、その旨の信号を受け取ることで上りデータの送信を開始することもできる。
DL−IF部306は、DL−フロー制御部305から出力されたPDCPデータを所定形式のデータに変換してクライアントPC400に送信する。所定形式のデータを以下においては「IFデータ」と適宜称する場合がある。IFデータのフォーマット例については後述する。
UL−IF部307は、クライアントPC400から送信されたIFデータを受信し、IFデータからPDCPデータにパケット化するなどしてPDCPデータに変換し、UL−フロー制御部308に出力する。
UL−フロー制御部308は、例えば、上述したようにフロー制御条件に従って、UL−PDCP処理部309に出力する上りデータ量を制御する。
UL−PDCP処理部309は、UL−フロー制御部308から出力されたPDCPデータを、RLCデータにパケット化するなどしてRLCデータに変換する。UL−PDCP処理部309は、変換後のRLCデータをUL−RLC処理部310に出力する。
UL−RLC処理部310は、UL−PDCP処理部309から出力されたRLCデータをMACデータにパケット化するなどしてMACデータに変換し、UL−MAC処理部311に出力する。
UL−MAC処理部311は、UL−RLC処理部310から出力されたMACデータを無線信号のトランスポートブロックごとにブロック化し、ブロック化された送信データをPH部301に出力する。
流量測定部320は、UL−IF部307から出力されるIFデータに対して、当該データに含まれるTCP/IPデータのデータサイズを測定する。また、流量測定部320は、単位時間に出力されるTCP/IPデータのデータ数も測定することができる。IFデータにはTCP/IPデータが含まれている。このことから、流量測定部320は、UL−IF部307から出力されたIFデータから、TCP/IPデータのデータサイズとデータ数とを測定することができる。なお、測定の詳細については後述する。
通信プロセッサ321は、流量測定部320から出力されるTCP/IPデータのデータサイズとデータ数とに基づいて、判定処理を行う。判定処理は、例えば、UL−IF部307から出力されるデータについて、データ領域に上りデータ(例えばユーザデータ)が含まれず、TCPヘッダにTCP/IP_ACKが含まれているTCP/IPデータであるか否かを判定する。そして、通信プロセッサ321は、UL−IF部307から出力されたデータについてこのようなTCP/IPデータであると判定したとき、UL優先モードへの設定を行うようにする。この場合、通信プロセッサ321は、UL優先モードへの設定が行われることを示すフラグをUL優先フラグメモリ322に記憶することができる。判定処理の詳細などは後述する。
なお、通信プロセッサ321は、例えば、DL−MAC処理部302からDL−IF部306、及びUL−IF部307からUL−MAC処理部311に接続されて、各部におけるデータの変換などを指示することができる。上述した、DL−フロー制御部305とUL−フロー制御部308におけるフロー制御条件なども通信プロセッサ321は内部などに保持し、DL−フロー制御部305とUL−フロー制御部308などに対して、データの流量の制御を指示することもできる。
UL優先フラグメモリ322は、UL優先モードが設定されることを示すフラグ(以下、「UL優先フラグ」と称する場合がある。)を記憶することができる。例えば、上述した判定条件を満たさないとき、通信プロセッサ321は、UL優先フラグを消去することができる。例えば、UL優先フラグメモリ322にUL優先フラグが記憶されていないときは、DL優先モードであることを表わしている。DL優先モードの詳細は後述する。
バッファメモリ制御部323は、例えば、通信プロセッサ321からの指示により、UL−IF部307から出力されたIFデータをバッファメモリ324に記憶する。また、バッファメモリ制御部323は、例えば、通信プロセッサ321からの指示により、バッファメモリ324に記憶されたIFデータをバッファメモリ324から読み出して通信プロセッサ321に出力する。この場合、例えば、通信プロセッサ321は読み出したIFデータをUL−IF部307に出力することができる。
バッファメモリ324は、例えば、バッファメモリ制御部323の制御により、UL−IF部307から出力されたIFデータを記憶する。バッファメモリ324に記憶されるデータの形式は、IFデータに限らず、PDCPデータやMACデータなどでもよい。なお、バッファメモリ324は、DL−IF部306から出力される下りデータも記憶することができる。
例えば、上りデータについては、NodeB230でスケジューリングされた時間において移動機300がNodeB230に送信できるようにするため、バッファメモリ324に上りデータが記憶される。また、下りデータについては、例えば、DL−IF部306に入力されたデータを一定量記憶し、IFデータとして出力できるようにするためバッファメモリ324に記憶される。あるいは、各MAC処理部302,311や各RLC処理部303,310、各PDCP処理部304,309、UL−フロー制御部308などでMACデータやRLCデータ、PDCPデータなどにパケット化するためにデータをバッファメモリ324に記憶することもできる。
次にクライアントPC400の構成例について説明する。クライアントPC400は、IF部401、フロー制御部402、及びTCP/IP処理部403とを備える。
なお、第1の実施の形態における上位プロセッサ350は、例えば、本第2の実施の形態におけるクライアントPC400に対応する。
IF部401は、移動機300から送信されたIFデータを受信し、IFデータをTCP/IPデータにパケット化するなどしてTCP/IPデータに変換し、フロー制御部402に出力する。また、IF部401は、フロー制御部402から出力されたTCP/IPデータをIFデータに変換して、移動機300に送信する。
フロー制御部402は、例えば、移動機300におけるDL−フロー制御部305とUL−フロー制御部308と同様に、TCP/IP処理部403に出力したり、移動機300に送信したりするデータの流量を制御する。
TCP/IP処理部403は、フロー制御部402から出力されたTCP/IPデータに対して誤り訂正処理などの処理を行う。例えば、TCP/IP処理部403は、受信したTCP/IPデータに対して、誤りなく受信できたときはTCP/IP_ACKを生成する。例えば、TCP/IP処理部403は、2×1460オクテッドの受信データに対して、1個のTCP/IP_ACKを生成することができる。TCP/IP処理部403は、TCP/IPパケットデータのうち、TCPヘッダにTCP/IP_ACKを挿入して、フロー制御部402に出力する。
<データの流れと各データの構成例>
次に、通信システム10においてサーバ100とクライアントPC400間で送受信されるデータのフローと、各データのフォーマット例について説明する。図4はデータフローの例を表わし、図5(A)から図5(H)はデータのフォーマット例を表わす図である。
図4では、サーバ100からクライアントPC400へ下りデータが送信されている様子を表わし、クライアントPC400からは下りデータに対するTCP/IP_ACK、又はTCP/IP_ACKを含む上り送信データが送信される様子を表わしている。以下において、サーバ100からクライアントPC400にデータが送信され、そのデータに対してTCP/IP_ACKがサーバ100に返信されるまでのフローについて説明する。
なお、図4において、サーバ100とクライアントPC400とが直接下りデータとTCP/ACKとを送受信している様子を表わしているが、説明を容易にするためであって、実際にはRF部315,234を介して送受信される。RLCデータ(RLC_POLとRLC_ACK)やHARQ制御用の下りデータ、ACK(HARQ_ACK)についても、RF部234,315を介して送受信される。
また、図4においては、NodeB230のPH部232(例えば図3)には、L1処理部233とRF部234を備え、移動機300のPH部301(例えば図3)にもRF部315とL1処理部312を備える例を示している。更に、RNC220は、RLC処理部221を備える例も示される。
以下、図4の動作例について説明する。最初に、サーバ100は、ファイルデータや動画像データなどのデータを送信する(S1)。例えば、サーバ100はクライアントPC400から指示を受け取り、この指示に基づいてデータを送信することができる。サーバ100は、例えば、下りデータをTCP/IPデータにパケット化して送信することができる。
図5(A)は送信データ、図5(B)はTCP/IPデータのフォーマット例をそれぞれ表わしている。TCP/IPデータは、例えば、40オクテッドのヘッダ領域と最大1460オクテッドのデータ領域とを有する。サーバ100は、例えば、任意のサイズの送信データを、1460オクテッドごとに区切り、その1つ1つをデータ領域とし、データ領域に40オクテッドのヘッダ領域を付加することで1パケット分のTCP/IPデータを生成することができる。また、図5(C)はTCP/IPデータのヘッダ領域のフォーマット例を表わしており、例えば、40オクテッドのヘッダ領域に対して、20オクテッドのTCPヘッダと、20オクテッドのIPヘッダの各領域を有する。
図4に戻り、TCP/IPデータは、コアNW210を介してRNC220に送信される。RNC220のRLC処理部221は、TCP/IPデータをRLCデータにパケット化するなどしてRLCデータに変換し、RLCデータをNodeB230に送信する(S2)。
図5(F)は、RLCデータのフォーマット例を表わしている。1パケット分のRLCデータは、例えば、最大1500オクテッドのTCP/IPデータを含むデータ領域と、2オクテッドのRLCヘッダ領域とを有している。RLC処理部221は、例えば、TCP/IPデータをデータ領域に含むようにし、データ領域に2オクテッドのRLCヘッダを付加することで、最大1502オクテッドのRLCデータに変換することができる。
図4に戻り、NodeB230のMAC処理部231は、受信したRLCデータをMACデータにパケット化するなどしてMACデータに変換し、MACデータをL1処理部233に出力する(S3)。
図5(G)はMACデータのフォーマット例を表わしている。MAC処理部231は、例えば、最大1502オクテッドのRLCデータを複数個まとめて、まとめたRLCデータに対しMACヘッダを付加することで、1パケット分のMACデータに変換することができる。1パケット分のMACデータに含まれるRLCデータのパケット数は、例えば、LTEやHSDPA+などの通信方式の種別と、カテゴリに基づく。図6は通信方式の種別とカテゴリとの各組み合わせにおいて、帯域幅と最大スループット、TCP/IP_ACKの量などの表わしたものである。図6に示すように、LTEのカテゴリとHSDPAのカテゴリとにより、帯域幅や最大スループットなどが異なるものとなっており、最大スループット(或いは移動機300とNodeB230との間の通信速度)などよって、1パケットのMACデータに含まれるRLCデータのパケット数などが決定される。
図4に戻り、L1処理部233は、MACデータをL1データに変換して、RF部234に出力する(S4)。
図5(H)はL1データのフォーマット例を表わす図である。L1データは、例えば、1パケット分のMACデータがブロック化され、トランスポートブロックとし、さらにCRC(Cyclic Redundancy Check)コードが付加されたデータである。このトンランスポートブロックは、例えば、HARQによる再送制御が行われる際の再送制御単位となっており、HARQ_ACKはこのトランスポートブロック単位に送信されることができる。
RF部234は、L1データに対して、変調処理や周波数変換処理、帯域通過処理などを施すことで無線信号に変換し、無線信号を移動機300に送信する(S5)。このため、RF部234には、変調処理部や周波数変換回路、帯域通過フィルタ(BPF)などを備えるようにしてもよい。
移動機300に送信された下りデータは、RF部315において受信する。RF部315は、受信した無線信号からL1データを抽出し、抽出したL1データをL1処理部316に出力する(S6)。無線信号からL1データが抽出できるように或いは変換できるようにするため、RF部315は、例えば、帯域通過フィルタ(BPF)、周波数変換回路、及び復調処理部などを備えるようにしてもよい。L1データは、例えば、図5(H)に示すフォーマット例となっている。
次いで、L1処理部316は、例えば、L1データに対してCRCを用いて誤り訂正復号を行い、正しくトランスポートブロックのデータを復号できたとき、HARQ_ACKを生成し、RF部316,234を介してNodeB230のL1処理部233に送信することができる。L1処理部316は、正しく復号したトランスポートブロックをDL−MAC処理部302に出力する(S7)。
次いで、DL−MAC処理部302は、受け取ったトランスポートブロックをMACデータにパケット化するなどしてMACデータに変換し、DL−RLC処理部303に出力する(S8)。例えば、DL−MAC処理部302は、トランスポートブロックを1パケットのMACデータ(例えば図5(G)と図5(H)参照)とすることでMACデータに変換することができる。
次いで、DL−RLC処理部303は、受け取ったMACデータをRLCデータに変換し、DL−PDCP処理部304に出力する(S9)。例えば、DL−RLC処理部303は、MACデータのMACヘッダに基づいて、MACデータに含まれる複数のRLCデータをそれぞれ抽出することで、複数個のRLCデータに変換することができる(例えば、図5(F)と図5(G))。
次いで、DL−PDCP処理部304は、RLCデータをPDCPデータに変換し、DL−フロー制御部305に出力する(S10)。例えば、DL−PDCP処理部304は、最大1502オクテッドのRLCデータから2オクテッドのRLCヘッダを終端し、データ領域の部分をPDCPデータとすることで、PDCPデータに変換することができる。
図5(E)はPDCPデータのフォーマット例を表わす図である。PDCPデータは、40オクテッドのヘッダ領域と、最大1460オクテッドのデータ領域とを有している。
図4に戻り、次いで、DL−フロー制御部305では、PDCPデータを受け取り、UL−IF部307に出力する(S11)。
次いで、DL−IF部306は、PDCPデータをIFデータにパケット化するなどして、IFデータに変換し、IFデータをクライアントPC400に送信する(S12)。IFデータへの変換は、例えばDL−フロー制御部305で行われても良い。
図5(D)はIFデータのフォーマット例を表わす図である。DL−IF部306は、例えば、PDCPデータ(例えば最大1500オクテッド)をIFデータのデータ領域に挿入し、データ領域に8オクテッドのヘッダを付加することで、IFデータに変換することができる。DL−IF部306は、IFデータをクライアントPC400に送信する(S11,S12)。
クライアントPC400は、移動機300から送信されたデータを受信し、例えば、IF部401(例えば図3)において、IFデータをTCP/IPデータに変換する。クライアントPC400では、例えば、IFデータのうち、8オクテッドのヘッダを抜き出して終端し、最大1500オクテッドのデータ領域に含まれるデータをTCP/IPデータとすることで、TCP/IPデータへの変換を行うことができる(例えば、図5(B)と図5(D)参照)。そして、クライアントPC400では、TCP/IPデータを誤りなく受信できたときはTCP/IP_ACKを生成する。クライアントPC400は、データ領域にはデータ(例えばユーザデータ)が含まれておらず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータを生成することもできる。また、クライアントPC400は、TCPヘッダとIPヘッダ、及びデータの各領域にデータなどが挿入されているTCP/IPデータを生成することもできる(例えば図5(B))。
クライアントPC400は、生成したTCP/IPデータをIFデータに変換して移動機300に送信する(S20)。例えば、クライアントPC400のIF部401において、TCP/IPデータをIFデータに変換することができる。
UL−IF部307は、クライアントPC400から送信されたIFデータを受信すると、IFデータを流量測定部320に出力する(S21)。
流量測定部320は、UL−IF部307に入力されたIFデータを順次受け取り、UL流量測定処理を行う(S210)。UL流量測定処理において、流量測定部320は、例えば、IFデータからヘッダを終端し、データ領域に含まれる最大1500オクテッドのデータに対して、データサイズ(又はパケットサイズ)と、単位時間あたりのデータ数(又はパケット数)とを測定する。IFデータからIFデータのヘッダが削除されて、残った1パケット分のIFデータには、TCP/IPデータが含まれる(例えば図5(D))。流量測定部320は、この1パケット分のデータのデータサイズを測定することで、TCP/IPデータのデータサイズと、単位時間あたりのTCP/IPデータのデータ数を測定することができる。
データサイズについては、例えば、流量測定部320がUL−IF部307から入力したデータについて、連続したビット列の各ビットをカウントすることで各TCP−IPデータのデータサイズを検出することができる。このとき、流量測定部320は、IFデータのうち、8オクテッドのヘッダ領域のデータをカウントしないようにすることで、TCP/IPデータのデータサイズを検出することもできる。
或いは、流量測定部320がIFデータを受け取ったとき、IFデータのヘッダに含まれるデータサイズ情報を読み出して、TCP/IPデータのデータサイズ(=IFデータのデータ領域のデータサイズ)を検出することができる。
また、単位時間あたりのTCP/IPデータのデータ数は、例えば、流量測定部320がUL−IF部307から受け取ったデータに対して、単位時間あたりにおいて、連続したビット列を検出することでデータ数を測定することができる。例えば、流量測定部320は、連続したビット列を検出するとカウント値を1つインクリメントし、次に連続したビット列を検出すると1つインクリメントなどして、単位時間内においてカウントすることで単位時間あたりのTCP/IPのデータ数をカウントできる。
流量測定部320は、測定したTCP/IPデータのデータサイズと、単位時間あたりのTCP/IPデータのデータ数とを通信プロセッサ321に出力する。そして、通信プロセッサ321において判定処理(S211)を行う。判定処理においては、クライアントPC400から出力される上りデータについて、データ領域にはデータ(又はユーザデータ)が含まれず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータであることが判定される。判定処理の具体的な方法については、例えば以下の3つがある。すなわち、(1)連続カウントで判定する、(2)単位時間のTCP/IP_ACKの個数で判定する、(3)TCP/IP_ACKとデータの比率で判定する場合、の3つの例である。
図7(A)から図8は、通信プロセッサ321による3つの判定処理の例をそれぞれ表わすフローチャートである。最初に、図7(A)から図8を用いて判定処理の詳細について説明し、次に、UL優先モードへの設定処理の詳細について説明する。
(1)連続カウントで判定する
移動機300のUL−IF部307からRF部315までにおいては、L2層やL1層などに対する処理を行うことはできるものの、アプリケーション層のTCP/IPデータに対して、例えばTCPヘッダやIPヘッダに含まれる情報やデータなどを読み出すことはできない。RF部315からDL−IF部306においても、TCPヘッダやIPヘッダに含まれるデータなどを読み出すことはできない。このようなTCP/IPデータに対する処理は、図4などの例の場合、クライアントPC400やサーバ100などで行うことができる。
従って、図4の例に示す移動機300では、クライアントPC400から出力された上りデータに対して、TCPヘッダなどからTCP/IP_ACKの有無などを直接検出することはできない。しかし、クライアントPC400から出力されたデータについて、そのデータサイズから、TCP/IPデータのデータ領域にデータが含まれないTCP/IPデータ(=TCPヘッダとIPヘッダのみのTCP/IPデータ)であることを検出することは可能である。例えば、図5(B)の例では、データサイズが40オクテッドの場合、移動機300では、TCP/IPデータのデータ領域にはデータが含まれないTCP/IPデータであることを検出することができる。
そして、本第2の実施の形態において、クライアントPC400から出力されたデータについて、データ領域にデータが含まれていないTCP/IPデータであることを検出したとき、TCP/IP_ACKが送信されている状態であることを検出することができる。
例えば、移動機300においては上り通信リンク方向よりも下り通信リンク方向が優先される場合が多く、従って、移動機300は、上りデータを送信するよりも下りデータを受信する場合の方が多い。下りデータを受信する場合において、上り通信リンク方向において、TCP/IPデータのヘッダサイズと同じサイズのデータが検出された場合、そのデータは、下りデータに対するTCP/IP_ACKである場合が他のデータや信号を送信している場合よりも多い。例えば、クライアントPC400では、動画像データなどをダウンロードしている状況などにおいて、ダウンロードしたデータに対するTCP/IP_ACKを送信している場合などである。
よって、本第2の実施の形態における移動機300では、クライアントPC400から受け取ったデータのサイズがTCP/IPデータのヘッダサイズと同じデータサイズを検出したときは、TCP/IP_ACKが上り通信リンクにおいて送信されていることを検出できる。
その検出については、本例では連続カウントで判定することができる。図7(A)は、連続カウントで判定する場合の判定処理の動作例を表わすフローチャートである。
通信プロセッサ321は、流量測定処理(S210)により、クライアントPC400から出力されたデータのデータサイズとデータ数とを受け取ることができる。
通信プロセッサ321は、判定処理を開始すると(S50)、例えば、データサイズが40オクテッドで、連続して「B」個(Bは2以上の整数)のデータ数を検出したか否かを判定する(S51)。そして、通信プロセッサ321は、そのようなデータを検出したとき(S51でYes)、クライアントPC400から出力されるデータは、データ領域にはデータ(又はユーザデータ)が含まれず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータであると判定し、UL優先モードに設定する(S52)。そして、一連の処理を終了する(S54)。
一方、通信プロセッサ321は、連続して「B」個、データサイズが40オクテッドのデータを検出しないとき(S51でNo)、DL優先モードを維持する(S53)。例えば、クライアントPC400から出力されるデータが、データ領域にデータ(例えばユーザデータ)を含むTCP/IPデータの場合、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKが含まれる場合も考えられる。しかし、上述したように、図4に示す移動機300ではTCP/IPのヘッダ領域に含まれる情報を読み出して処理することはできない。よって、通信プロセッサ321は、データサイズから、データ領域にデータを含むTCP/IPデータであることを検出したときは(S51でNO)、DL優先モードを維持するようにしている。
なお、例えば、通信プロセッサ321は、データサイズが40オクテッド以上のデータの個数が「C」個(Cは1以上の整数)混入したとしても、データサイズが40オクテッドのデータが連続しているものとしてカウントすることもできる。
(2)単位時間のTCP/IP_ACKの個数で判定する
通信プロセッサ321は、例えば、流量測定処理(S210)によるデータサイズとデータ数とに基づいて、単位時間のTCP/IP_ACKの個数でUL優先モードへの設定を判定することもできる。
図7(B)は単位時間のTCP/IP_ACKの個数による判定処理の動作例を表わすフローチャートである。通信プロセッサ321は、流量測定処理(S210)により、流量測定部320から、クライアントPC400から出力されたデータのデータサイズとデータ数とを受け取ることができる。
通信プロセッサ321は、判定処理を開始すると(S60)、例えば、「D」(Dは0より大きい実数)秒間に、データサイズが40オクテッドの上りデータを「E」(Eは1以上の整数)個カウントしたか否かを判定する(S61)。通信プロセッサ321は、そのようなデータをカウントしたとき(S61でYES)、UL優先モードへの設定を行う(S62)。この場合でも、データ領域にデータが含まれず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータを一定時間内(本例では「D」秒間)に複数個(ここでは「E」個)検出したときに、UL優先モードへの設定を行うようにしている。そして、通信プロセッサ321は判定処理を終了する(S64)。
一方、通信プロセッサ321は、例えば、データサイズが40オクテッドの上りデータを「D」秒間に「E」個カウントしないとき(S61でNO)、DL優先モードを維持し(S63)、判定処理を終了する(S64)。この場合は、データ領域にデータが含まれず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータの個数が一定期間で閾値未満のときは、UL優先モードへの設定は行われないことになる。
この場合でも、上記(1)の判定条件と同様に、通信プロセッサ321は、例えば「C」個の40オクテッド以上の上りデータの混入を許容して、カウントする(S61)こともできる。
(3)TCP/IP_ACKとデータの比率で判定する場合
通信プロセッサ321は、例えば、流量測定処理(S210)によるデータサイズとデータ数とに基づいて、上りデータに対するTCP/IP_ACKの比率によりUL優先モードへの設定を判定することもできる。この例では、判定処理(1)において、データ領域に上りデータを含むTCP/IPデータが例えば「C」個混入してもよい例を説明したが、このような例を利用することで判定処理(1)の他の例として実施することもできる。
図8はTCP/IP_ACKの比率による判定処理の動作例を表わすフローチャートである。通信プロセッサ321は、例えば、データサイズが40オクテッドのデータが連続して「B」個検出されたとき(S51でYES)、TCP/IP_ACKの比率を判定する(S55)。
すなわち、通信プロセッサ321は、TCP/IP_ACKが「B」個中、データサイズが40オクテッドより大きいデータを「G」個カウントしたとき(S55でYES)、DL優先モードに設定する(S53)。一方、通信プロセッサ321は、TCP/IP_ACKが「B」個中、データサイズが40オクテッドより大きいデータのカウント数が「G」未満のとき(S55でNO)、UL優先モードを維持することができる(S52)。データ領域に上りデータを含むTCP/IPデータが閾値(本例では「G」個)未満のとき、閾値以上のときと比較してそのようなTCP/IPデータの数は少ないため、そのようなTCP/IPデータの混入を許容し、UL優先モードが維持されるようになっている。
なお、通信プロセッサ321は、判定処理(1)から(3)において、ある時間(例えば「A」秒間)、上りデータがないことが検出されたとき、UL優先モードからDL優先モードにしたり、DL優先モードを維持したりすることもできる。
<UL優先モード>
図4に戻り、判定処理(S211)により、UL優先モードへの設定が判定されると、移動機300はUL優先モードへの設定が行われる。UL優先モードの設定処理は、例えば、バッファメモリ制御処理(S212)と上りデータ優先度制御処理(S213)を含むことができる。UL優先モードへの設定処理は、例えば、通信プロセッサ321やバッファメモリ制御部323により行われる。
最初にバッファメモリ制御処理(S212)の例について説明する。図9(A)及び図9(B)はバッファメモリ324のメモリ領域がUL優先モードへの設定によりどのように変化するかをそれぞれ表わしている。
図9(A)の例では、バッファメモリ324は、TCP/IP_ACKを記憶する領域として固定領域がある。この固定領域のサイズは、例えば、通信方式のカテゴリに応じて異なるようにすることもできる。固定領域以外のその他の領域において、例えば、UL優先モードへの設定が判定されたとき、メモリ領域を変動させて、上りデータ用のバッファメモリ領域と下りデータ用のバッファメモリ領域とを変更させることができる。変更は、例えば、下りデータ用のメモリ領域はDL優先モードのときよりも少なくし、上りデータ用のメモリ領域をDL優先モードのときよりも多くすることができる。上りデータ用のバッファメモリ領域について、DL優先モードのときよりもその容量が大きくなることで、バッファメモリ324に記憶させる上りデータはDL優先モードのときよりも多くさせることができる。このようなバッファメモリ制御により、UL優先モードへの設定が行われるようにすることができる。
例えば、バッファメモリ制御部323は、通信プロセッサ321からUL優先モードへの設定の通知を受けると、バッファメモリ324のアドレス領域について、固定領域を確保し、さらに、上りデータ用の領域と下りデータ用の領域を変更するようにする。このような変更は、例えば、バッファメモリ制御部323内にバッファメモリ324のアドレス領域を管理するファイルシステムが保持され、ファイルシステムにおいて領域を確保したり変更したりすることで実現することもできる。
図9(B)の例では、固定領域が確保されていない例で、DL優先モードのときは、アドレス領域「1」から「k」までは上りデータ用メモリ領域であり、「k+1」から「N」までは下りデータ用メモリ領域としている。そして、UL優先モードのとき、上りデータ用のメモリ領域がDL優先モードのときよりも多くなり、下りデータ用のメモリ領域がDL優先モードのときよりも少なくなっている。
このように、上りデータ用のメモリ領域と下りデータ用のメモリ領域とでその割合を変更することで、例えば、バッファメモリ制御によるUL優先モードへの設定が行われることができる。
次に上りデータ優先度制御処理(S213)について説明する。例えば、移動機300内においては、例えば、RLCデータの送信や受信、MACデータの送信や受信などの各タスク処理が行われ、各タスクについて優先度を管理することができる。上りデータ優先度制御処理においては、例えば、各タスクの優先度について、上り方向のデータの送信を他の処理よりも優先させるように設定する。このような優先度は、例えば、DL−MAC処理部302からDL−フロー制御部305、UL−フロー制御部308からUL−MAC処理部311の各処理部内のメモリなどに保持され、通信プロセッサ321からの指示により変更することができる。
上りデータ優先度制御処理(S213)においては、例えば、各フロー制御部305,308におけるフロー制御条件を変更することもできる。例えば、各フロー制御部305,308では、通信プロセッサ321からのUL優先モードの指示を受け付け、この場合に、下りデータのデータ量が閾値以下になると上りデータをUL−IF部307から入力したときその上りデータをそのまま出力することができる。ただし、各フロー制御部305,308は、UL優先モードの指示を受け付けても、下りデータのデータ量が閾値以上のときは、下りデータの出力を優先させることもできる。このようなフロー制御による上りデータ優先度制御処理は、例えば、通信プロセッサ321と各フロー制御部305,308とにより実施することができる。
さらに、上りデータ優先度制御処理(S213)においては、TCP/IP_ACKのNodeB230への送信を可能にするため、移動機300はNodeB230に対して、上り方向の無線リソースの割り当てを要求することもできる。移動機300は、TCP/IPデータを含むパケット(例えばトランスポートブロック(例えば図5(H))については、例えばユーザデータと同じ共有チャネル(例えば、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を用いてNodeB230に送信することができる。共有チャネルを用いた移動機300からの送信については、例えば、移動機300が無線リソース(例えば周波数と時間)の割り当てをNodeB230に要求し、NodeB230において割り当てられた無線リソースを利用して移動機300は上りデータを送信することができる。移動機300は、このとき、TCP/IP_ACKをこれまで以上に多く送信できるようにするため、DL優先モードのとき以上の無線リソースを要求することができる。
この場合、無線リソースの要求量としては、無線信号が送受信される区間における無線通信方式のカテゴリに応じた量とすることもできる。例えば、図6に示すようにその無線通信方式のカテゴリに応じて最大スループットなどは異なるため、その最大スループット(又は通信速度)に応じた量とすることもできる。また、例えば、移動機300は、下りデータの受信処理などが行われる間に、TCP/IP_ACKを送信できるような無線リソースを要求することもできる。なお、通信プロセッサ321は、UL優先フラグメモリ322にUL優先フラグが記憶されていることを確認後、無線リソースの要求を行うことができる。
このように、移動機300はUL優先モードへ設定することを判定すると(S210)、バッファメモリ制御処理と上りデータ優先度制御処理を行うことで(S212,S213)、UL優先モードへの設定を行うことができる。
なお、図4において、バッファメモリ制御処理(S212)と上り優先度制御処理(S213)の順番は逆でも良い。また、移動機300は、上り優先度制御処理(S213)を行うと、再びUL流量測定処理(S210)を行うこともできる。
次に、UL−IF部307以降の上りデータのフローについて説明するが、下りデータのフローに対して逆の処理が各処理部で行われることになる。例えば、UL−IF部307又はUL−フロー制御部308では、DL−IF部306又はDL−フロー制御部305におけるパケット化と逆の処理が行われて、IFデータ(例えば図5(D))をPDCPデータ(例えば図5(E))に変換することができる(S22,S23)。また、UL−PDCP処理部309でも、DL−PDCP処理部304におけるパケット化の処理と逆の処理が行われて、PDCPデータをRLCデータに変換して出力することができる(S24)。以降においても(S25からS27)、このような変換などの処理により、各層におけるパケット化などの処理が行われ、無線信号が移動機300からNodeB230に送信され(S28)、RNC220を経由して、サーバ100に上りデータが送信される(S29〜S32)。
<動作例>
次に移動機300における動作例、とくに判定処理とUL優先モード設定処理などについて説明するが、その詳細は既に述べたため、以下においては簡単に説明することにする。
図10は移動機300における動作例を表わすフローチャートである。図10を参照して動作例を説明する。
最初に移動機300は通信を開始すると(S70)、無線通信カテゴリ(例えば図6)を判別して、フロー制御条件などの各種条件を設定する(S71)。例えば、NodeB230から無線通信カテゴリが報知されるため、移動機300は、これを受信し、通信プロセッサ321などによりバッファメモリ324などに保持することができる。また、例えば、通信プロセッサ321や各フロー制御部305,308などによりフロー制御条件などが設定される。各種条件の例としては、例えば、下りデータの受信と上りデータの送信の比率を所定のもの(例えば、2:1など)にすることもできる。例えば、フロー制御条件として、下りデータの量と上りデータの量が2:1となるようにフロー制御が行われるようにすることもできる。
次いで、移動機300は、データのダウンロードを開始する(S72)。例えば、図4に示されるようにサーバ100からコアNW210、RNC220を経由して、NodeB230からデータが送信され、移動機300がこれを受信することでダウンロードすることができる。移動機300は、ダウンロードしたデータをクライアントPC400に送信することができる(図4のS12)。
次いで、移動機300は、上り流量を測定する(S73)。移動機300は上述したUL流量測定処理(図4のS210)を行うことで、上りデータの流量を測定する。例えば、測定対象の上りデータとしては、データ領域にデータが含まれず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータの場合もあるし、データ領域にデータを含むTCP/IPデータの場合もある。
次いで、移動機300は、上り方向におけるTCP/IP_ACKを判定する(S74)。例えば、移動機300は、上述した判定処理(S211)における連続カウント値で判定したり(図7のS51)、単位時間における個数で判定することができる(図7のS61)。これにより、例えば、移動機300は上りデータについてデータ領域にデータを含まず、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータであることを判定することができる。
次いで、移動機300は上り優先設定を行う(S75)。例えば、移動機300は、上述したUL優先モードへの設定を行う(図7のS52など)。UL優先モードへの設定については、例えば、バッファメモリ制御処理(図4のS212)や上りデータ優先度制御処理(S213)などにより、移動機300における設定が行われることができる。図10の例では、判定条件を満たしたことで、UL優先モードの設定が行われる例となっている。
次いで、移動機300は、下りデータのダウンロードを継続し(S76)、上り流量測定を継続する(S77)。例えば、移動機300は下りデータのダウンロードを行いながら、UL流量測定処理(図4のS210)から上りデータ優先度制御処理(図4のS213)などを行うことができる。流量測定(S73,S77)は適宜行われることができる。
次いで、移動機300は、アップロードを開始する(S78)。例えば、移動機300からNodeB230への送信がアップロードであり、UL優先モードが設定されているため、データ領域には上りデータが含まれず、TCPヘッダにTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータがアップロードされる。
例えば、このようなデータのアップロードは、ダウンロードするデータの受信処理などの処理が行われない間に行われることができる。或いは、そのようなタイミングの無線リソースを移動機300がNodeB230に要求することで、かかるタイミングでアップロードが行われる。このような状況で、アップロードされる上りデータの量がある閾値(例えば、下りデータ量と上りデータ量の比率が2:1となる条件を満たす閾値)を超えると、下りデータの受信がおろそかになり、S71で定めた条件(例えば、下りデータ量と上りデータ量の比率が2:1となる条件)を満たさなくなる(S79)。
このような場合、移動機300は、UL優先モードの設定を中止することができる(S80)。UL優先モードの設定中止により、例えば、DL優先モードとなり、バッファメモリ制御処理(図4のS212)においてバッファのメモリ領域をUL優先モードへの変更前の状態に戻すことができる(例えば図9(A)及び図9(B))。例えば、DL優先モードのとき、上りデータと下りデータの各メモリ領域が等分となり、UL優先モードのとき上りデータ用のメモリ領域が下りデータ用のメモリ領域よりも多い領域となっているとき、UL優先モードの中止により、各メモリ領域を等分にすることができる。なお、このようなメモリ領域の変更は、例えば、上述したようにバッファメモリ制御部323によるファイルシステムの変更などにより行うことができる。
移動機300は、UL優先モードの設定を中止すると、UL優先モードの設定が中止されるものの、TCP/IP_ACKなどを送信することができ、下り方向と上り方向の双方向で通信が行われることになる(S81)。以降は、継続し、再びS73の処理に移行して処理を繰り返すこともできるし、移動機300における通信が終了する場合は本動作も終了することができる(S82)。
次にこのような移動機300における動作により、下りデータと上りデータがそれぞれどのように推移するかについて説明する。図11(A)から図11(D)はデータの推移の例をそれぞれ表わし、図12(A)から図12(C)はTCP/IPパケットがどのように推移するかの例をそれぞれ表わしている。いずれの図も横軸が時間を表わし、縦軸がデータ量を表わしている。縦軸のデータ量は、例えば、クライアントPC400におけるデータ量とすることができる。
図11(A)及び図11(B)は、上りデータの流量(又はデータ量)が時間経過とともに低下して下りデータに影響が出る場合のデータの推移例を表わしている。図11(C)及び図11(D)は上りデータが安定し、下りデータの送信も規定値で安定している場合のデータの推移例を表わしている。
例えば、図11(A)及び図11(B)に表わされるように、下りデータが最大スループットでダウンロードが行われているときに、何らかの理由により上りデータの流量が低下すると、TCP/IP_ACKの送信はできるものの、低下前と比較して送信に時間がかかる状態となる。このような状態のとき、低下前と比較して、移動機300はTCP/IP_ACKの送信に時間がかかり、サーバ100はTCP/IP_ACKの受信に時間がかかる。TCP/IP_ACKの受信を確認後、次のTCP/IPデータを送信することができるサーバ100では、このような状態になると、低下前と比較して当該データの送信も時間がかかるようになる。これにより、下りデータのデータ流量も最大スループット以下に低下する。そのような低下が継続すると、下りデータの送信は停止する場合もある。
一方、図11(C)及び図11(D)に表わされるように、本移動機300における動作により、UL優先モードとすることで、当該モードとなる前と比較して、TCP/IP_ACKの送信量が増加する。これにより、サーバ100では、UL優先モードとなる前と比較して、TCP/IP_ACKの受信の待ち時間が少なくなり、下りデータの送信の早くすることができる。これにより、例えば、下りデータのデータ量は規定値(図11(C)の例では最大スループット)を維持することができる。なお、図11(B)と図11(D)の上りデータ量は、例えば、データ領域にデータがなく、ヘッダ領域にTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータである場合のデータ量を表わしている。
図12(A)から図12(C)は、TCP/IPデータのうちヘッダ領域における流量の変化を表わしている。図12(A)から図12(C)は、例えば、クライアントPC400における送信状態、或いはサーバ100における受信状態をそれぞれ表わしている。ヘッダ領域には、TCP/IP_ACKが含まれるものとする。
図12(A)は、TCP/IP_ACKの流量が変動している状態を表わしている。このような状態のとき、例えば、クライアントPC400では処理待ち時間が発生し、次のTCP/IP_ACKの送信に時間がかかっている。このような処理待ち時間により、サーバ100では、処理待ち時間が発生しない場合と比較して、TCP/IP_ACKの受信に時間がかかり、ダウンロードすべきデータの送信に時間がかかり、スループット低下を招くことになる。
一方、UL優先モードの設定により、移動機300から上り方向に送信されるTCP/IP_ACKの送信量は、例えば図12(B)に示すように、一定量とすることができる。移動機300において、例えば、上り方向の無線リソースを一定量要求することで、このように継続したTCP/IP_ACKの送信量を維持することができる。これにより、図12(A)と比較して、スループットの向上を図ることができる。
図12(C)は、データ領域にデータを含むTCP/IPデータと、データ領域にデータを含まないTCP/IPデータとが混在して送信又は受信されている状態を表わしている。このような状態では、移動機300では、そのデータサイズなどからTCP/IP_ACKを含むTCP/IPデータであることを検出することはできない。そのため、例えば、処理待ち時間が発生し、アプリケーション層を含む全体のスループットは低下することになる。
なお、上述したように本第2の実施の形態においては、TCP/IPデータのフォーマットについて、ある情報の追加や変更などは行われない。従って、TCP/IPデータに対する処理に関しては、サーバ100やクライアントPC400において変更などはなく、コストの増加を招くこともない。
<その他の実施の形態>
次にその他の実施の形態について説明する。第2の実施の形態において、移動機300は通信プロセッサ321とバッファメモリ制御部323とが別々に設けられている例について説明した。例えば、1つのプロセッサが、通信プロセッサ321とバッファメモリ制御部323の各機能などを行うようにすることもできる。図13は移動機300の構成例を表わしており、プロセッサ325を備え、プロセッサ325が第2の実施の形態における通信プロセッサ321とバッファメモリ制御部323の各機能を実現することができる。例えば、通信プロセッサ321による判定処理やUL優先モードへの設定処理、バッファメモリ制御部323におけるバッファメモリ制御処理などもプロセッサ325が行うことができる。
また、第2の実施の形態などでは、図3や図4を用いて移動機300の構成例について説明した。図14は、その他の移動機300の構成例を表わす図である。図14に示す移動機300は、更に、CPU(Central Processing Unit)330、IF部331、ROM(Read Only Memory)332、RAM(Random Access Memory)333、メモリ334、及びアンテナ335を備える。
CPU330は、例えば、第2の実施の形態における、通信プロセッサ321、バッファメモリ制御部323、DL−MAC処理部302、DL−RLC処理部303、DL−PDCP処理部304、DL−フロー制御部305、UL−フロー制御部308、UL−PDCP処理部309、UL−RLC処理部310、UL−MAC処理部311、L1処理部316に対応する。例えば、CPU330は、各データへの変換、UL流量測定処理(図4のS210)から上りデータ優先度制御処理(S213)、図10に示す動作例などを実行することができる。
なお、CPU330は、例えば、第1の実施の形態(例えば図1)における通信制御プロセッサ360に対応する。また、RF部315は、例えば、第1の実施の形態にける無線部370とミキサ375に対応する。さらに、アンテナ335は、例えば、第1の実施の形態におけるアンテナ376に対応する。
ROM332は、例えば、CPU330における各処理などを実行するためのプログラムを記憶し、CPU330により適宜読み出されることができるようになっている。
RAM333は、例えば、CPU330において実行されるプログラムがロードされたり、プログラムを実行しているときの各データなどを適宜記憶したり、読み出されることもできる。
メモリ334は、例えば、第2の実施の形態におけるバッファメモリ324やUL優先フラグメモリ322に対応する。メモリ334には、例えば、IFデータなどが記憶される。
アンテナ335は、RF部315から出力された無線信号をNodeB230に送信し、NodeB230から送信された無線信号を受信して、RF部315に出力することができる。
このように図14に示す移動機300によっても、第2の実施の形態で説明した判定処理などの各種処理を実行することができ、第2の実施の形態と同様に実施することができる。
以上まとめると付記のようになる。
(付記1)
無線部を用いて無線基地局へ無線信号を送信する上りリンクに対する処理と前記無線部を用いて無線基地局から無線信号を受信する下りリンクに対する処理とを所定の実行スケジュールに基づいて時分割で実行する通信制御プロセッサを備えた無線通信装置であって、
前記通信制御プロセッサは、
前記通信制御プロセッサが実行する通信装置よりも上位層を実行する上位プロセッサからの前記上りリンクに対する入力である上り信号のデータ量を測定し、
前記測定したデータ量に基づいて、前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むかどうかを判定し、
前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むと判定した場合、前記上りリンクに対する処理の実行順位を上げるように前記時分割の実行スケジュールを変更し、
前記変更後の時分割の実行スケジュールに基づいて実行される上りリンクに対する処理により、前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を前記無線部に送信させる、
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記2)
前記通信制御プロセッサは、前記測定したデータ量が所定量ある上り信号を複数回数検出したときは、前記上位プロセッサから出力された上り信号は前記上位層における送達確認を示すデータを含む信号であると判定することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記3)
前記通信制御プロセッサは、前記測定したデータ量が所定量ある第1の上り信号を複数回検出したときであって、前記測定したデータ量が所定量ない第2の上り信号を所定回数以下検出したとき、前記上位プロセッサから出力された上り信号は前記上位層における送達確認を示すデータを含む信号であると判定することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記4)
更に、前記上位プロセッサからの前記上りリンクに対する入力である上り信号と、前記無線部からの前記下りリンクに対する出力である下り信号とを記憶するメモリを備え、
前記通信制御プロセッサは、前記時分割の実行スケジュールを変更するとき、前記上り信号が前記メモリに記憶される領域を前記時分割の実行スケジュールを変更する前と比較して増加させるように前記メモリの記憶領域を変更することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記5)
前記通信制御プロセッサは、前記時分割の実行スケジュールを変更後、前記無線部から出力であって前記下りリンクに対する出力である下り信号のデータ量が閾値以下のとき、前記上位プロセッサから出力された前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を全て前記無線部に送信させることを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記6)
前記通信制御プロセッサは、前記時分割の実行スケジュールを変更後、前記無線基地局に対して、前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を前記無線部から送信できるよう無線リソースの割当てを要求することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記7)
前記通信制御プロセッサは、無線通信方式のカテゴリに応じた量の前記無線リソースを要求することを特徴とする付記5記載の無線通信装置。
(付記8)
前記通信制御プロセッサは、前記時分割の実行スケジュールを変更後、前記無線部から送信させる前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号のデータ量が閾値以上のとき、前記時分割の実行スケジュールを前記下りリンクに対する処理の実行順位を前記上りリンクに対する処理よりも上げるように前記実行スケジュールを更に変更することを特徴とする付記1記載の無線通信装置。
(付記9)
無線部を用いて無線基地局へ無線信号を送信する上りリンクに対する処理と前記無線部を用いて無線基地局から無線信号を受信する下りリンクに対する処理とを所定の実行スケジュールに基づいて時分割で実行する通信制御プロセッサを備えた無線通信装置において実行されるプログラムであって、
前記通信制御プロセッサが実行する通信階層よりも上位層を実行する上位プロセッサからの前記上りリンクに対する入力である上り信号のデータ量を測定し、
前記測定したデータ量に基づいて、前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むかどうかを判定し、
前記上り信号が前記上位装置における送達確認を示すデータを含むと判定した場合、前記上りリンクに対する処理の実行順位を上げるように前記時分割の実行スケジュールを変更し、
前記変更後の時分割の実行スケジュールに基づいて実行される上りリンクに対する処理により、前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を前記無線部に送信させるように前記無線通信装置を機能させることを特徴とするプログラム。
10:通信システム 100:サーバ
200:モバイルブロードバンドシステム
210:コアNW 220(220−1,220−2):RNC
230:NodeB 231:MAC処理部
233:L1処理部 234:RF部
300:移動機 302:DL−MAC処理部
303:DL−RLC処理部 304:DL−PDCP処理部
305:DL−フロー制御部 306:DL−IF部
307:UL−IF部 308:UL−フロー制御部
309:UL−PDCP処理部 310:UL−RLC処理部
311:UL−MAC処理部 315:RF部
320:流量測定部 321:通信プロセッサ
322:UL優先フラグメモリ 323:バッファメモリ制御部
324:バッファメモリ 325:プロセッサ
400:クライアントPC 403:TCP/IP処理部

Claims (4)

  1. 無線部を用いて無線基地局へ無線信号を送信する上りリンクに対する処理と前記無線部を用いて無線基地局から無線信号を受信する下りリンクに対する処理とを所定の実行スケジュールに基づいて時分割で実行する通信制御プロセッサを備えた無線通信装置であって、
    前記通信制御プロセッサは、
    前記通信制御プロセッサが実行する通信装置よりも上位層を実行する上位プロセッサからの前記上りリンクに対する入力である上り信号のデータ量を測定し、
    前記測定したデータ量に基づいて、前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むかどうかを判定し、
    前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むと判定した場合、前記上りリンクに対する処理の実行順位を上げるように前記時分割の実行スケジュールを変更し、
    前記変更後の時分割の実行スケジュールに基づいて実行される上りリンクに対する処理により、前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を前記無線部に送信させる、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記通信制御プロセッサは、前記測定したデータ量が所定量ある上り信号を複数回数検出したときは、前記上位プロセッサから出力された上り信号は前記上位層における送達確認を示すデータを含む信号であると判定することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記通信制御プロセッサは、前記時分割の実行スケジュールを変更後、前記無線部から送信させる前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号のデータ量が閾値以上のとき、前記時分割の実行スケジュールを前記下りリンクに対する処理の実行順位を前記上りリンクに対する処理よりも上げるように前記実行スケジュールを更に変更することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  4. 無線部を用いて無線基地局へ無線信号を送信する上りリンクに対する処理と前記無線部を用いて無線基地局から無線信号を受信する下りリンクに対する処理とを所定の実行スケジュールに基づいて時分割で実行する通信制御プロセッサを備えた無線通信装置において実行されるプログラムであって、
    前記通信制御プロセッサが実行する通信階層よりも上位層を実行する上位プロセッサからの前記上りリンクに対する入力である上り信号のデータ量を測定し、
    前記測定したデータ量に基づいて、前記上り信号が前記上位層における送達確認を示すデータを含むかどうかを判定し、
    前記上り信号が前記上位装置における送達確認を示すデータを含むと判定した場合、前記上りリンクに対する処理の実行順位を上げるように前記時分割の実行スケジュールを変更し、
    前記変更後の時分割の実行スケジュールに基づいて実行される上りリンクに対する処理により、前記上位層における送達確認を示すデータを含む上り信号を前記無線部に送信させるように前記無線通信装置を機能させることを特徴とするプログラム。
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