JP2013196853A - 耐アーク性能評価装置、耐アーク性能評価システム、耐アーク性能評価方法 - Google Patents

耐アーク性能評価装置、耐アーク性能評価システム、耐アーク性能評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同一の条件で安定的に且つ安価に熱流束を試料に照射して耐アーク性能を評価することのできる装置、システム、又は方法を提供する。
【解決手段】 本装置は、高周波誘導熱プラズマ発生部10と、第1筒部13と連絡され、少なくとも一の側面に窓部25を有した第2筒部20と、第2筒部20内の基準位置に固定取付可能に構成された被検物設置台23とを有し、被検物設置台23は、被検物40を設置するための台座部と、設置された被検物40をその一部を露出させた状態で固定する抑え部とを有し、前記被検物設置台に設置された前記被検物に前記高周波誘導熱プラズマ発生部にて発生したプラズマを照射した状態で、前記第2筒部の外側から前記窓部を介して当該被検物より発生する溶発蒸気の観測が可能に構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐アーク性能評価装置、耐アーク性能評価システム及び耐アーク性能評価方法に関し、特に、繊維材の耐アーク性能を評価するための装置及び方法に関するものである。
米国では1日に5件〜10件のアークフラッシュ事故が発生している。アークの温度はおよそ5000K以上と非常に高温であるため、そのような事故がひとたび発生すると、重度の火傷や場合によっては死亡事故を引き起こす。このため、かかる事故から身を守るための耐アーク性能の高い防護服が求められている。
このような防護服を開発するに当たっては、生地にどのような材料を用いればよいかという点について精緻に研究する必要がある。そのためには、以下の方法が一つのアプローチとして考えられる。すなわち、材料を異ならせた繊維を準備し、この繊維に対して種々の条件の下で熱流束を照射して、そのときの反応をデータとして蓄積する。そして、蓄積されたデータを分析することで、防護服に適した繊維材料を見出すというものである。
上記の点に鑑みれば、繊維に対して熱流束を照射してデータを得るという実験を数多く行う必要があることが分かる。
耐アーク性能の高い防護服の構成の一例については、例えば下記特許文献1に開示がなされている。
特開2003−244811号公報
特許文献1には、開発された生地が高いアーク性能を示すことの評価方法についての記述もなされている。同文献によれば、電極間距離を300mmとした上部電極と下部電極を設ける。電極に対して水平方向に200mm離間した場所に、上下を固定して試料生地を設置する。そして、電極間にアーク放電を生じさせた状態で生地裏面の3箇所の温度変化を測定する。
しかし、生地に用いるべき繊維材料を見出すべく繊維材料に対する耐アーク性能を評価する方法として、上記の方法は以下の理由により不向きである。
適切な材料を見出す上では、複数種類の繊維材料に対して同一の条件で熱流束を照射し、更に同一種類の繊維材料に対しても、特定の条件のみを変化させながら他の条件を固定した状態で熱流束を照射して、多くのデータを収集する必要がある。つまり、同一の熱流束照射状態が安定的に実現できることが要求される。
加えて、多くのデータを集めるためには、簡易な方法で安価に実験を行うことが要求される。
特許文献1に記載されているように、2つの電極間にアーク放電を生じさせる場合、アークがもともと有している特性(キンク不安定性)に起因して、放電態様が安定しないという問題がある。すなわち、必要なデータを得るために、試料となる繊維の材料を変化させて同一の条件で熱流束を照射しようとしても、アークの不安定性ゆえに照射環境が実験ごとに変化してしまう。従って、同一の条件で熱流束を照射するという環境を整えることが難しく、分析に適したデータを収集するには、膨大な回数の実験を余儀なくされてしまう。
更に、上記のようなアーク放電装置は非常に高価であり、自前で装備するということは容易でない上、そのような装置を備えた施設へ出向いて実験を行う場合にも、一回の利用に多くの費用を要してしまう。このため、十分な回数の実験を行うということが現実的に難しい。
このような課題に鑑み、本発明は、同一の条件で安定的に且つ安価に熱流束を試料に照射して耐アーク性能を評価することのできる装置、システム及び方法を提供することを目的とする。
かかる目的の下、本発明に係る耐アーク性能評価装置は、
ガス流入部、前記ガス流入部に連絡された第1筒部、及び前記第1筒部の外側に巻かれた誘導コイルを含み、前記ガス流入部から流入されたガスを前記第1筒部内に含めた状態で前記誘導コイルに高周波電流を供給することで前記第1筒部内にプラズマを発生させる高周波誘導熱プラズマ発生部と、
前記第1筒部と連絡され、少なくとも一の側面に窓部を有した第2筒部と、
前記第2筒部内の基準位置に固定取付可能に構成された被検物設置台と、を有し、
前記被検物設置台は、被検物を設置するための台座部と、前記台座部に設置された前記被検物を、当該被検物の一部を露出させた状態で固定する抑え部とを有し、
前記被検物設置台に設置された前記被検物に前記高周波誘導熱プラズマ発生部にて発生したプラズマを照射した状態で、前記第2筒部の外側から前記窓部を介して当該被検物より発生する溶発蒸気の観測が可能に構成されていることを特徴とする。
本装置は、アーク放電を利用しないため、プラズマ入力電圧を低い電圧で実現することができる。このため、高電圧を必要とせず、安価に装置を実現することができる。更に、アーク放電を利用しないため、不安定性の問題がなく、安定的に熱プラズマを被検物に照射することができる。
被検物設置台に設置される被検物としては、繊維材料をペレット形状に処理したものを採用することができる。このとき、被検物設置台に抑え部が設けられ、この抑え部によって被検物が抑えられる構造であるため、プラズマが照射されて溶発する場合にも、被検物自体が浮き上がったり、落下したりするのを抑制することができる。
被検物設置台は、第2筒部内に挿入された状態において第1筒部との間の距離を調整することができるような構造であるのが好ましい。このような構成とすることで、第1筒部内で生じたプラズマを被検物に照射する際の照射熱流束の大きさを容易に調整することが可能となる。これにより、種々の条件での実験が簡易に行える。
本装置を用い、前記第2筒部の外側から前記窓部を介して当該被検物より発生する溶発蒸気を撮影することで、被検物を基準位置に設定してからの所定時間後に前記被検物より前記溶発蒸気が発生するか否か、前記基準位置に設定してから前記溶発蒸気の発生開始までに要する時間、などの情報を得ることができる。
実施例で後述されるように、溶発蒸気は、プラズマ温度を冷却する効果が期待されるため、これらの情報は、アーク性能の評価に利用することが可能である。例えば、溶発蒸気がすぐに発生する材料で生地を作成した場合、アーク事故が生じた際に瞬時に冷却する効果が期待される。また、前記の材料と、溶発蒸気の発生開始までに要する時間が長い材料とを組み合わせて生地を作成した場合、長時間にわたって冷却性能を有する効果が期待される。
なお、本装置において、前記被検物設置台が備える前記抑え部には、径方向に延伸する少なくとも一の溝部が形成されており、前記第2筒部の外側から前記窓部及び前記溝部を介して前記抑え部の内側に存在する溶発蒸気の観測が可能に構成されているのが好適である。
また、本装置において、前記被検物を設置した状態で前記被検物設置台を前記基準位置に設定したときに、前記第1筒部の中心軸から軸方向に延伸した位置において前記被検物の一部が露出される構成とするのが好適である。この構成により、第1筒部で生じた熱プラズマを被検物に確実に照射することができる。
また、本装置は、上記構成に加えて、前記第2筒部は、前記第1筒部の下方に連絡され、前記台座部は、上面に前記被検物の設置が可能な構成であり、前記抑え部は、前記台座部に設置された前記被検物を、上面を一部露出させた状態で固定する構成とするのが好適である。この構成により、被検物設置台に容易に安定して被検物を設置することができる。
上記の本装置に加えて、前記第2筒部の外側に設置され、前記窓部を介して前記第2筒部の内部を観察可能に構成された撮影部と、撮影部によって得られた撮影データに基づいて分光観測処理を行う分析処理部を備えることで、耐アーク性評価システムを実現できる。この構成により、溶発蒸気がどのような分子で構成されたものであるかを特定することができる。
分析処理部は、この分析結果に対し、演算によって算出された理論値とフィッティングする機能を有する構成とするのが好適である。これにより、溶発蒸気の回転温度と振動温度が算出され、得られた温度とプラズマ温度とを対比することで、溶発蒸気の冷却効果を評価することができる。
本装置を用いて被検物にプラズマを照射する場合、プラズマ照射前と照射後での被検物の質量差を測定するのも好適である。プラズマ照射により被検物が溶発する場合、被検物の質量は減少する。このため、被検物の材料ごとに質量損耗量を評価することで、溶発性の高低を評価することができる。
本装置を用いて被検物の耐アーク性能を評価するに際しては、ガス流入部より流入するガス(シースガス)として種々のガスの利用が可能である。例えば、Arガスを用いることで熱流のみの条件での純粋な耐アーク性能が評価でき、ArとOの混合ガスによって耐アーク性能と耐炎性能が評価できる。またArとNの混合ガスにより、大気中における耐アーク性能が評価できる。
本発明の構成によれば、不安定なアークを利用することなく、同一の条件で安定的に且つ安価に熱流束を試料に照射して耐アーク性能を評価することができる。
耐アーク評価性能システムの構成を示す模式図である。 被検物設置台の構成を示す断面模式図である。 被検物設置台の構成を示す平面模式図である。 アーク試験と本システムにおけるICTP照射における熱流束を比較したグラフである。 各実施例におけるICTP照射前後の被検物の写真である。 実施例1〜3における蒸気発光に対する分光観測結果を示す図である。 実施例4〜6における蒸気発光に対する分光観測結果を示す図である。 Swan分子の回転温度及び振動温度の算定結果を示す図である。 CNViolet分子の回転温度及び振動温度の算定結果を示す図である。 実施例1〜6の熱プラズマ照射による質量損耗量を比較した図である。
本発明の耐アーク評価性能装置、システム及び方法について、図面を参照して説明する。以下では、これらにつき、それぞれ、「本装置」、「本システム」、「本方法」と略記することがある。
〔システム構成〕
本システムの構成について説明する。
[全体構成]
図1は、本システムの構成を示す模式図である。本システム1は、高周波誘導熱プラズマ発生部10及び被検物設置台23などを含む本装置5、撮影部30、分析処理部33を備える。
本システム1は、本装置5内において被検物に熱プラズマを照射し、撮影部30よりその様相を撮影し、分析処理部3において撮影結果を分析する構成である。本装置5は、アークプラズマに代えて、高周波誘導熱プラズマ(Inductively Coupled Thermal Plasma; ICTP)を被検物に照射する構成である。
[高周波誘導熱プラズマ発生部]
高周波誘導熱プラズマ発生部10は、ガス流入部11、ガス流入部11に連絡された第1筒部13、及び第1筒部13の外側に巻かれた誘導コイル15を有する。ガス流入部11から流入されたガスを第1筒部13内に含めた状態で、誘導コイル15に高周波電流を供給すると、第1筒部13内に熱プラズマ12を発生させることができる。
第1筒部13は、より詳細には二重管構造となっており、内管と外管の間の隙間部17には冷却用の冷水を流すことができる。一実施例として、第1筒部13を内径70mmφ、外径95mmφ、長さ330mmの円筒形石英管の二重管構造で構成される。隙間部17に冷水を通じさせることで、プラズマによる加熱から第1筒部13を冷却している。
第1筒部13は、外側に誘導コイル15が複数ターン巻かれている。一実施例として8ターンとすることができる。誘導コイル15に高周波電流を供給することで、第1筒部13内部に軸方向に交番磁界が生じる。そして、この磁界によって、第1筒部13内部には径方向に交番電界が誘導される。この状態でガス流入部11より所定のシースガスを流入させると、第1筒部13内において同ガスが励起・電離し、熱プラズマが発生する。発生した熱プラズマ内には、交番電界に起因した高周波電流が流れ、熱プラズマは第1筒部13内において安定的に維持される。
従来の耐アーク性能評価装置では、離間した2つの電極を有し、軸方向(電極間方向)に電流を流すことでアークプラズマを生じさせる。これに対し、本システム1では、アークプラズマではなくICTPを利用する構成であるため、キンク不安定性の問題が生じず、安定的に熱プラズマを形成できる。
[被検物設置台]
高周波誘導熱プラズマ発生部10の下方には、被検物設置空間としての第2筒部20が形成されている。第2筒部20は、外から内部を観察するための窓部25、被検物設置台23を外側より内側に挿入させるための挿入口27を有している。
図2Aに、被検物設置台23を拡大した断面模式図を示す。また、図2Bに、被検物設置台23を拡大した平面模式図を示す。被検物設置台23は、上面に試料としての被検物40を設置するための台座部41、及びこの台座部41上に設置された被験物40を抑えるための抑え部43を有する。台座部41と抑え部43は別部品で構成され、ネジなどの連結部材44を介して連結が可能である。
また、被検物設置台23は伸縮可能なスライド部45を有している。
この被検物設置台23に被検物40を設置する手順は以下のとおりである。まず、第2筒部20内に挿入する前段階において、被検物設置台23の台座部41の所定箇所に、被検物40をセットする。本実施形態では、台座部41の上面において、内側面及び底面を有する溝部41aが形成されており、この溝部41a内に被検物40をセットすることができる構成である。なお、台座部41の形状については、このような構成に限られるものではない。
次に、抑え部43を、上方より台座部41に連結させる。本実施形態では、抑え部43にはカギ部43aが形成されており、被検物40がセットされた状態で抑え部43と台座部41を連結させると、このカギ部43aが被検物40の周縁部の上面に接触するように構成されている。つまり、カギ部43aが被検物40を上方から抑えることで、被検物40が上方へ浮き上がるのを防止している。また、カギ部43aは被検物40aの周縁部において被検物40と接触するため、被検物40の上面部Aの露出は依然として確保される。
このように被検物40を設定した後、被検物設置台23を挿入口27より第2筒部20内に挿入する。このとき、スライド部45が第2筒部20内の径方向に伸びることで、被検物設置台23を第2筒部20内の所定の位置(基準位置)に設定することができる。この基準位置としては、第1筒部13の直下とするのが好ましい。これにより、第1筒部13内で生じた熱プラズマを、被検物40に確実に照射することができる。
なお、図1では、被検物設置台23のスライド部45は、基台28に固定されており、この基台28によって挿入口27が遮蔽されている。なお、基台28の後方(被検物設置台23と反対側)には水冷機構29が設けられており、被検物設置台23の冷却が可能な構成である。被検物設置台23は一例としてステンレス製とすることができる。被検物設置台23は、水冷機構29により冷却されることで、熱プラズマ照射による加熱に耐え得る構造となっている。
また、抑え部43には径方向に延伸する溝部43bが一又は複数設けられている。少なくとも一の溝部43bは、被検物設置台23を基準位置に設定したときに撮影部30の方向を向くように形成されている。この溝部43bは、撮影部30から被検物40を撮影するための光路を確保している。
なお、図示しないが、本装置5は、第2筒部20の下方には吸引部を有しており、熱プラズマ照射の開始前や終了後に、第2筒部20内の蒸気を吸引することができる構成となっている。
[撮影部]
撮影部30は、窓部25を介して第2筒部20内の状況を撮影することができる。ここで、撮影部30の高さと被検物設置台23の高さはほぼ同じになるように設定されており、撮影部30によって、被検物設置台23に設置された被検物40の状況の観察ができる。前述のように、抑え部43には溝部43bが形成されているため、この溝部43bを通して抑え部43の内側に位置する被検物40の状況が観察できる。
撮影部30としては、一例としてカラー高速度ビデオカメラ装置を用いることができる。後述するように、被検物40として繊維材料を用い、熱プラズマ12を第1筒部13より照射すると、材料に応じて被検物40から溶発蒸気が放出される。撮影部30は、被検物40からの溶発蒸気の発生態様を撮影する。
[分析処理部]
分析処理部33は、撮影部30によって撮影された被検物40からの溶発蒸気の発生態様に基づいて、演算処理によって種々の情報を取得する。本実施形態では、分析処理部33は分光器を備えており、撮影された溶発蒸気をスペクトル分析することで、同蒸気の組成を分析することができる。更に、予想される上記構成分子の電子状態、振動状態及び回転状態に応じた理論的なスペクトル形状を予め準備しておき、実際に撮影結果から得られたスペクトル形状とのフィッティング処理を行うことで、分析処理部33において、構成分子の振動温度と回転温度を算定することができる。
[被検物]
被検物40は、試料とする繊維材を被検物設置台23にセットできるような態様に変形したものである。より詳細には、繊維材料をペレット状に成形したものを被検物40として用いる。成形方法としては、一例として錠剤成形器を用いることができる。
〔条件設定〕
次に、本装置5(本システム1)を用いることで、従来の耐アーク性試験と同等の環境が実現できることにつき、以下で説明する。
上述したように、本装置5では、熱プラズマとしてICTPを被検物40に照射する。このICTPは、アークプラズマと同様に「熱プラズマ」に属する。熱プラズマの特徴としては、圧力が大気圧程度と比較的高い点、電子温度がガス温度とほぼ等しい点、ガス粒子の温度が数千〜数万Kと非常に高い点などが挙げられる。
NFPA70E(米国防火協会基準70E)には、耐アーク性を試験するための基準が定められている。これによれば、試料に対して84〜25120 kW/m2の熱流束を照射することが要求されている。そこで、本装置5においても、この条件内の熱流束の照射が可能かどうかを検証する。
図3は、アーク試験と本装置5におけるICTP照射との熱流束を比較したグラフである。図3は、本装置5において、ガス流入部11より流入させるガス(シースガス)をArとし、入力電力を7.5kW、10kW、及び15kWとしたときの、第1筒部13の底面から63mm下方の第2筒部20内の熱流束の径方向温度分布を示している。同図によれば、入力電力を7.5kWとしたときの熱流束は約450kW/m2、10.0kWとしたときは約650kW/m2、15.0kWとしたときは約1050kW/m2であり、いずれも基準レベル内に収まっている。よって、入力電力を7.5〜15kWとしたとき、照射できる熱流束がアーク試験の基準レベル内であることが確認される。
以上により、本装置5によって第1筒部13内に生じた熱プラズマを被検物40に照射することで、耐アーク性能評価試験を行うことができることが分かる。
なお、上記実施形態では、第1筒部13を含む高周波誘導熱プラズマ発生部10の下方に第2筒部20を設け、上方から下方に向けて熱プラズマ12を被検物40に照射する構成とした。しかし、被検物設置台23に被検物40を安定的に保持することが可能であれば、必ずしも上方から熱プラズマ12を照射する構成に限られない。例えば、被検物40の露出面が水平面に対して鉛直方向となるように当該被検物40を被検物設置台23に設置して、水平方向から熱プラズマ12を照射する構成であっても構わない。
このとき、台座部41は被検物40が設置できるように構成され、抑え部43は、台座部41に設置された被検物40を、一部を露出させた状態で固定する構成である。必ずしも被検物40が台座部41の上面に設置されなくてもよい。また、台座部41に設置され、抑え部43によって固定された被検物40は、必ずしもその上面が露出される必要はなく、一部が露出されていればよい。
このような構成の場合、上述の「基準位置」は、第1筒部13の直下とする必要はない。すなわち、被検物40を設置した状態で被検物設置台23を「基準位置」に設定したときに、第1筒部13の中心軸から軸方向に延伸した位置において被検物40の一部が露出されるような位置関係とすればよい。このように「基準位置」を設定することで、第1筒部13内で生じた熱プラズマを、被検物40に確実に照射することができる。
ただし、被検物設置台23に容易に安定的に被検物40を設置できるという点において、第1筒部13の下方に第2筒部20を設ける構成とするのが好適である。
〔実施例〕
本装置5(本システム1)を用いて実際に耐アーク性能の評価をする方法につき、実施例を参照して説明する。
[実験条件]
第1筒部13として内径70mmφ、外径95mmφ、長さ330mmの円筒形石英管の二重管構造を採用した。また、被検物設置台23は、誘導コイル15の下方200mmの位置にセットした。誘導コイル15は8ターンとした。
Arをシースガスとする場合、プラズマ入力電力を8.54kW(熱流束は約550kW/m2 相当)、シースガス流量を30 slpm、第1筒部13内の圧力を大気圧(760Torr)に設定した。
プラズマを照射する対象となる被験物40としては、後述する各材料からなる繊維材を、直径11mm、厚さ3.5mmのペレット状に圧縮したものを利用した。より詳細には、0.20gの繊維材に対して、錠剤成形器(直径10mm用)(日本分光株式会社製)を使用し、電動油圧ポンプを用いて55〜65MPaの圧力下で60〜180秒加圧し、直径11±1mm、厚さ3.5±1mmの錠剤形状に成形したものを用いた。
撮影部30は、高速度カラービデオカメラ(VW-6000、キーエンス株式会社製)を用い、撮影条件をフレームレート1000fps、観測面積50mm×50mmあたり256×256 pixcel2とした。被検物40に対する熱プラズマ12の照射開始と共に撮影を開始し、撮影時間を20秒間とした。
分析処理部33は、分光器(高速マルチチャンネル分光器PMA-20、浜松ホトニクス株式会社製)を備える。照射開始から20秒経過後を分光観測開始時刻とし、露光時間を19msec、測定時間を1秒とした。また、測定位置は、軸方向については被検物40の上面から2mm上方、径方向には被検物40の中心の位置とした。
被検物40を構成する繊維材は、実施例1〜6としてそれぞれ以下のものを用いた。
(実施例1)
実施例1では、被検物40として、化学式[−(C3H3N)l−(C2H2Cl2)m−]nで表わされるアクリル−塩化ビニリデン共重合系の繊維材を用いた。この材料は、カネカロン(株式会社カネカ製、同社の登録商標)という名称で知られている。
(実施例2)
実施例2では、被検物40として、実施例1の材料に酸化アンチモンを混合した繊維材を用いた。この材料は、プロテックス(株式会社カネカ製、同社の登録商標)という名称で知られている。
(実施例3)
実施例3では、被検物40として、化学式[−C68H58O9−]nで表わされるフェノール系の繊維材を用いた。この材料は、カイノール(群栄化学工業株式会社製、同社の登録商標)という名称で知られている。
(実施例4)
実施例4では、被検物40として、化学式[−C10H8O4−]nで表わされるパラ系アラミド系の繊維材を用いた。この材料は、トワロン(テイジンアラミドB.V.製、同社の登録商標)という名称で知られている。
(実施例5)
実施例5では、被検物40として、化学式[−C12H22O2N2−]nで表わされるポリエチレン系の繊維材を用いた。この材料は、テトロン(東レ株式会社製、同社の登録商標)という名称で知られている。
(実施例6)
実施例6では、被検物40として、化学式[−C14H10O2N2−]nで表わされるナイロン系の繊維材を用いた。この材料は、プロミラン(東レ株式会社製、同社の登録商標)という名称で知られている。
[状態]
図4は、シースガスをArとして上記実験条件の下で、各実施例の材料で構成された被検物40に対して熱プラズマを照射した場合の、照射後の被検物40の写真を照射前のものと並べて示したものである。実施例1及び2では、照射後に被検物40を構成する繊維が収縮している。特に実施例1では径方向に収縮し、軸方向に伸びている。
実施例3及び4では、照射前後での繊維形状に変化は見られなかった。このうち、実施例3では表面全体が焦げたが、実施例4では中心部分において若干の焦げが確認された。
実施例5及び6は、双方とも照射後に繊維が膨張しており、特に軸方向への拡がりが確認された。両実施例共に、気泡が噴出したような穴が多数確認された。
また、撮影部30では、各実施例に対して以下の態様が確認された。
実施例4を除く全ての実施例において、青白く発光する蒸気が発生しているのが観測された。実施例3では、照射開始直後において青白い蒸気が激しく噴出する様相が観測されたが、照射開始からおよそ1秒後には噴出が収まった。反対に、実施例2では、発光する蒸気が噴出するまでに17秒程度を要したが、それ以後は激しく蒸気を噴出する様相が観測された。
実施例1及び6においても、激しく蒸気が噴出する様相が観測された。これらにおいては、照射開始直後から蒸気の発光が確認され、20秒経過後においても激しく噴出する蒸気が観測された。
上述した結果を表1及び表2に示す。表1は、照射開始から20秒間における蒸気発生の態様を比較したものであり、表2は20秒経過後の蒸気発生の態様を比較したものである。


なお、表1及び表2において、蒸気の明るさは、検出した光量を0〜7の8段階で評価したものである。
表1によれば、実施例1、3及び6において、蒸気噴出の即応性が認められる。また、表2によれば、実施例1、2及び6において、蒸気噴出の持続性が認められる。このように、本システム1によれば、材料に応じて熱プラズマ照射後の態様の差異を評価することが可能である。
[分光観測結果]
図5A及び図5Bは、シースガスとしてArを用いた場合の、実施例1〜6の材料で構成された被検物40からの蒸気発光を、分析処理部33にて分光観測した結果を示したものである。図5Aには実施例1〜3、図5Bには実施例4〜6の結果がそれぞれ示されている。
図5A及び図5Bによれば、実施例1、2及び6において、CSwan分子スペクトル及びCN Violet分子スペクトルが検出された。また、実施例1及び6において、CN Red分子スペクトルが検出された。また、実施例5において、CN Swan分子スペクトルが検出された。また、実施例3及び4において、OH分子スペクトルが検出された。
このように、本システム1の分析処理部33にて、熱プラズマ照射時に生じる溶発蒸気の構成分子の特定が可能であることが分かる。
[フィッティングによる温度検出]
図5A及び図5Bの結果に基づき、分析処理部33にて、CSwan分子スペクトル及びCNViolet分子スペクトルの理論計算値とのフィッティングを行なって、回転温度と振動温度を算出した。この結果を、図6A及び図6Bに示す。
図6Aによれば、CSwan分子の回転温度は3500〜3800K、振動温度は4300〜4700Kと分析された。また、図6Bによれば、CN Violet分子の回転温度は4300〜6200K、振動温度は4400〜4900Kと分析された。これらの温度は、いずれも照射された熱プラズマ温度8000Kより1000K以上低い値である。つまり、この結果より、観測された蒸気に冷却効果があることが分かる。
[質量損耗量測定]
実施例1〜6について、熱プラズマ照射による被検物40の質量損耗量を測定した。具体的には、熱プラズマ照射前の段階で、被検物40を設定した状態での被検物設置台23の重さを測定する。次に、熱プラズマ照射後に、被検物設置台23に堆積したススを取り除いた状態で、被検物40を設定した状態での被検物設置台23の重さを測定する。そして、この差分を熱プラズマ照射による質量損耗量とした。
図7は、熱プラズマの照射時間を20秒及び40秒としたときの、実施例1〜6の質量損耗量を比較したものである。この結果により、実施例2の繊維材では、熱プラズマ照射から一定時間が経過した後に溶発現象が生じていることが推定され、この推定が表1及び表2の結果とも合致している。
なお、上記の実施例では、シースガスとしてArを用いたが、ArとOの混合ガス、ArとNの混合ガスなどを利用することも可能である。
ArとOの混合ガスをシースガスとして用いる場合、一例として入力電力を10.7kW(熱流束が550kW/m2相当)、Arガス流量を50 slpm、Oガス流量を2.5 slpmとする。このような実験条件の下で、実施例1〜6の被検物40に熱プラズマを照射した。
実施例1、3、4及び6において、照射後に橙色の発光をした蒸気が発生しているのが観測された。また、実施例3及び4では、最も蒸気の明るさが明るく、発光開始までの時間が短かった。実施例1、2及び5では白く発光した蒸気の発生が観測された。実施例2においては、橙色の蒸気は観測できず、白い蒸気のみが観測された。
実施例1、5及び6では、被検物40の表面上部において、燃えている様相が観測された。これらの実施例において、分析処理部33にて分光観測をした結果、黒体放射スペクトルが観測された。このスペクトルはススなどが燃焼する際に観測されるものである。このため、これらの実施例では、燃焼反応が起きていると推定される。一方、実施例2、3及び4では、黒体放射が検出されず、燃焼反応が起きにくい材料で、すなわち耐燃性が高い材料であると評価できる。
ArとNの混合ガスをシースガスとして用いる場合、一例として入力電力を11.8kW(熱流束が550kW/m2相当)、Arガス流量を50 slpm、Nガス流量を1.5 slpmとする。このような実験条件の下で、実施例1〜6の被検物40に熱プラズマを照射した。
全ての実施例において、照射後に紫色の発光をした蒸気が発生しているのが観測された。また、実施例1、3、4及び6では、照射直後に紫色の溶発蒸気の噴出が観測された。実施例3及び4では、照射直後に被検物40の表面上部において橙色の光を放った後、すぐに紫色の発光が主となった。実施例6では、照射直後に被検物40の表面上部において青白い光を放った後、すぐに紫色の発光が主となった。
実施例3では、照射開始から1秒後、観測された紫色の発光が弱まり、被検物40の表面上部において橙色の発光が観測された。実施例4においても、同様に橙色の発光が観測された。実施例1、3、4及び6は、照射直後に溶発蒸気が観測されたが、実施例2及び5は、照射開始から2秒経過後に溶発蒸気が観測された。
20秒間の照射において、実施例1、3及び6では、被検物40から被検物設置台23を覆うように青白く明るい溶発蒸気が激しく噴出している様相が観測された。このうち、実施例3及び6では、照射開始とほぼ同時に激しく蒸気が噴出しており、これらの材料は溶発の即応性が高いと推定される。実施例3は照射開始直後だけが溶発が激しく、反対に実施例1は激しく溶発を開始するまでに5秒ほどかかった。実施例6は、照射開始直後すぐに激しく溶発を開始し、20秒経過後においても激しく溶発している様相が観測された。これにより、実施例6は、即応性及び持続性が高い材料であることが推定される。
〔まとめ〕
以上、本装置並びに本システムを用いることで、被検物40として用いる繊維材の材料を替えながら、高周波誘導熱プラズマを照射することで、プラズマ照射後の繊維の状態が調べられる。特に、材料に応じた溶発態様を評価することができる。
溶発による蒸気が被検物40を覆うことで、裏面の温度を低下させる効果が期待できるので、溶発現象の即応性の高い材料や持続性の高い材料は、耐アーク性能の高い防護服の生地として適していることが分かる。また、溶発現象が激しく生じる材料であるほど、質量消耗量が多い。このため、質量消耗量を調査することで、溶発性の高低を評価することができる。
本装置5は、ICTPを利用しているため、アーク放電装置よりもプラズマ入力電圧を低い電圧で実現することができる。このため、高電圧を必要とせず、安価に装置を実現することができる。またアークプラズマを利用しないため、不安定性の問題がなく、安定的に熱プラズマを被検物に照射することができる。
また、ガス流入部11より流入するシースガスを変更することで、熱プラズマ発生環境を変更しながら被検物の評価をすることができる。例えば、Arガスを用いることで熱流のみの条件での純粋な耐アーク性能が評価でき、ArとOの混合ガスによって耐アーク性能と耐炎性能が評価できる。またArとNの混合ガスにより、大気中における耐アーク性能が評価できる。
なお、上述の実施形態では、被検物40として繊維材をペレット状に圧縮したものを用いるものとした。しかし、繊維材に限らず、紡績糸、布帛、又は布帛をカットしたものなどを同様の処理を施して被検物40とすることが可能である。
また、実施例で用いた被検物40の繊維材はあくまで一例であり、いかなる材料で構成したものに対しても、同様の方法によって耐アーク性能の評価を行うことができる。
1 : 本システム
5 : 本装置
10 : 高周波誘導熱プラズマ発生部
11 : ガス流入部
12 : 熱プラズマ
13 : 第1筒部
15 : 誘導コイル
17 : 隙間部
20 : 第2筒部
23 : 被検物設置台
25 : 窓部
27 : 挿入口
28 : 基台
29 : 水冷機構
30 : 撮影部
33 : 分析処理部
40 : 被検物
41 : 台座部
41a : 溝部
43 : 抑え部
43a : カギ部
43b : 溝部
44 : 連結部材
45 : スライド部
A : 被検物の上面

Claims (17)

  1. ガス流入部、前記ガス流入部に連絡された第1筒部、及び前記第1筒部の外側に巻かれた誘導コイルを含み、前記ガス流入部から流入されたガスを前記第1筒部内に含めた状態で前記誘導コイルに高周波電流を供給することで前記第1筒部内にプラズマを発生させる高周波誘導熱プラズマ発生部と、
    前記第1筒部と連絡され、少なくとも一の側面に窓部を有した第2筒部と、
    前記第2筒部内の基準位置に固定取付可能に構成された被検物設置台と、を有し、
    前記被検物設置台は、被検物を設置するための台座部と、前記台座部に設置された前記被検物を、当該被検物の一部を露出させた状態で固定する抑え部とを有し、
    前記被検物設置台に設置された前記被検物に前記高周波誘導熱プラズマ発生部にて発生したプラズマを照射した状態で、前記第2筒部の外側から前記窓部を介して当該被検物より発生する溶発蒸気の観測が可能に構成されていることを特徴とする耐アーク性能評価装置。
  2. 前記被検物設置台は、繊維材がペレット状に処理されてなる前記被検物を前記台座部上に設置して、前記抑え部にて前記被検物の上方を露出させた状態で固定可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の耐アーク性能評価装置。
  3. 前記第2筒部は、前記被検物設置台を外側より内側に挿入させるための挿入口を有し、
    前記被検物設置台は、伸縮自在に構成されており、
    前記挿入口は、前記被検物設置台を前記第2筒部の外側から内側に挿入した状態では遮蔽されることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐アーク性能評価装置。
  4. 前記被検物設置台は、前記第2筒部内に挿入された状態において前記第1筒部との間の距離を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の耐アーク性能評価装置。
  5. 前記抑え部は、径方向に延伸する少なくとも一の溝部を有し、
    前記第2筒部の外側から前記窓部及び前記溝部を介して、前記抑え部の内側に存在する溶発蒸気の観測が可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐アーク性能評価装置。
  6. 前記被検物を設置した状態で前記被検物設置台を前記基準位置に設定したときに、前記第1筒部の中心軸から軸方向に延伸した位置において前記被検物の一部が露出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐アーク性能評価装置。
  7. 前記第2筒部は、前記第1筒部の下方に連絡され、
    前記台座部は、上面に前記被検物の設置が可能な構成であり、
    前記抑え部は、前記台座部に設置された前記被検物を、上面を一部露出させた状態で固定する構成であることを特徴とする請求項6に記載の耐アーク性能評価装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアーク性能評価装置と、
    前記第2筒部の外側に設置され、前記窓部を介して前記第2筒部の内部を観察可能に構成された撮影部と、を有し、
    前記撮影部は、前記被検物設置台に設置された前記被検物に前記高周波誘導熱プラズマ発生部にて発生したプラズマを照射した状態で、前記窓部を介して当該被検物より発生する溶発蒸気を撮影することで撮影データを取得することを特徴とする耐アーク性能評価システム。
  9. 前記撮影データに基づいて分光観測処理を行なって前記溶発蒸気の組成分析を行う分析処理部を備えたことを特徴とする請求項8に記載の耐アーク性能評価システム。
  10. 前記分析処理部は、前記分光観測処理の結果に基づき、フィッティングによって前記溶発蒸気を構成する分子の回転温度及び振動温度の算出が可能に構成されていることを特徴とする請求項9に記載の耐アーク性能評価システム。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐アーク性能評価装置を用いた耐アーク性能評価方法であって、
    前記ガス流入部より所定のガスを流入させた状態で前記誘導コイルに高周波電力を供給して所望のプラズマ状態を発現させ、
    前記所望のプラズマ状態の下で、繊維材をペレット状に処理した前記被検物が設置された前記被検物設置台を前記基準位置に設定し、
    前記被検物設置台に設置された前記被検物に前記高周波誘導熱プラズマ発生部にて発生したプラズマを照射した状態で、前記第2筒部の外側から前記窓部を介して当該被検物より発生する溶発蒸気を撮影して撮影データを取得し、
    前記撮影データに基づいて、前記基準位置に設定してからの所定時間後に前記被検物より前記溶発蒸気が発生するか否か、前記基準位置に設定してから前記溶発蒸気の発生開始までに要する時間、又は前記溶発蒸気を構成する分子組成の少なくとも一の情報を得ることを特徴とする耐アーク性能評価方法。
  12. 前記撮影データに対して分光観測処理を行なって、前記溶発蒸気の組成分析を行うことを特徴とする請求項11に記載の耐アーク性能評価方法。
  13. 前記分光観測処理の結果に基づいて、フィッティングを行うことで前記溶発蒸気を構成する分子の回転温度及び振動温度を算出し、前記プラズマ状態におけるプラズマ温度との比較を行うことを特徴とする請求項12に記載の耐アーク性能評価方法。
  14. 前記所望のプラズマ状態の下で前記被検物が設置された前記被検物設置台を前記基準位置に設定してから所定時間経過後と、前記所望のプラズマ状態の下に晒す前との質量差を比較することで、前記被検物の質量消耗量を測定することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の耐アーク性能評価方法。
  15. 前記所定のガスとしてArガスを用いることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の耐アーク性能評価方法。
  16. 前記所定のガスとして、Ar及びOの混合ガスを用いることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の耐アーク性能評価方法。
  17. 前記所定のガスとして、Ar及びNの混合ガスを用いることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の耐アーク性能評価方法。
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