JP2013196663A - 無線icタグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無線ICタグ1は、第1導電体層11と開口部12とで構成されるアンテナ2と、絶縁層3と、ICチップ4とを備えている。そして、絶縁層3を挟んでアンテナ2の反対側には、アンテナ2の主面2aと直交する方向から見て、第1導電体層11及びICチップ4によって画定される孔21(第1の孔)の一部に重なり、1又は複数箇所に設置され、1又は複数の層からなる第2導電体層6が設けられている。さらに、第1導電体層11、第2導電体層6、及びICチップ4によって画定される孔22(第2の孔)の周長が、孔21(第1の孔)の周長よりも短くされている。
【選択図】図1
Description
図1は、第1実施形態に係る無線ICタグを示す図であり、(a)は、Ia−Ia断面図、(b)は、平面図(無線ICタグ1をスペーサ7側から見た平面図)である。なお、図1(b)においては、アンテナ2及びICチップ4の構造が容易に理解できるよう、粘着層5b及びスペーサ7を透視して示している。
図1に示すように、無線ICタグ1は、アンテナ2、絶縁層3、ICチップ4、粘着層(5a、5b)、第2導電体層6、スペーサ7(誘電体層)、及び保護シート8を含む。無線ICタグ1は、例えばガラス、アクリル、木材、紙(段ボール)、金属などからなる物品100に取り付けられて、図示しないリーダと無線通信し、物流や工場での工程管理に利用される。
アンテナ2は、図1(b)に示すように、矩形板状の第1導電体層11に開口部12が形成されたものであり、汎用のものを使用している。第1導電体層11の材料としては、電気伝導性の高い材料であれば特に限定されないが、たとえば、アルミニウム、銅、鉄などの金属、合金材料、又はカーボン等の炭素系材料を用いることができる。
絶縁層3は、アンテナ2の全周及びICチップ4を被覆する層である。そのため、アンテナ2及びICチップ4は、他の部材とは電気的に絶縁されている。絶縁層3の材料としては、絶縁材料であれば特に限定されないが、例えばPETやエポキシ樹脂などの樹脂、紙、絶縁性の接着剤を用いることができる。なお、本願においては、アンテナ2の両主面2aのうち特に保護シート8側を被覆する絶縁層3を絶縁層3a、スペーサ7側を被覆する絶縁層3を絶縁層3bと区別して称する。
ICチップ4は、図1(b)に示すとおり、アンテナ2の主面2aと直交する方向から見て開口部12を分断するように第1導電体層11に固定(配置)されている。具体的には、第1導電体層11の周のうちaとbを結ぶ部分及びiとjを結ぶ部分にそれぞれ突起(2b、2c:特にaとbを結ぶ部分に設けられた突起を2b、iとjを結ぶ部分に設けられた突起を2cとする)が設けられ、これら突起(2b、2c)にICチップ4が接合されている。ICチップ4が開口部12を分断するように配置された結果、第1導電体層11とICチップ4とによって孔21(第1の孔)が画定される。孔21は、図1(b)においては、第1導電体層11の周及びICチップ4の外周をb→c→d→e→f→g→h→i→bの順に結ぶ部分である。
絶縁層3bを挟んでアンテナ2と反対側には、スペーサ7(誘電体層)が粘着層5bを介して接着されている(但し、固定は接着に限られるものではない)。なお、粘着層5bとスペーサ7との間は第2導電体層6(詳細は後述)が設けられていることにより隙間が空いているように見えるが、実際は密着しているものである。このスペーサ7が、物品100に粘着層等を介して取り付けられることで無線ICタグ1が物品100に取り付けられる。
好適に用いられる。スペーサ7は、物品100が導体の場合、第2導電体層と物品100を直流的に導通させない。スペーサ7の厚さは、厚いほどよく、少なくともアンテナ2の厚さよりも厚く、さらに無線ICタグ1のうちスペーサ7を除く部分の厚さよりも厚いことが好ましい。なお、スペーサ7は必須ではない。
絶縁層3aを挟んでアンテナ2と反対側には、保護シート8が粘着層5aを介して接着されている(但し、固定は接着に限られるものではない)。保護シート8は、アンテナ2やICチップ4等を保護する役割を果たし、また、粘着層5aとは反対側の面に文字等が印刷できるようになっている。なお、保護シート8は必須ではない。
絶縁層3bとスペーサ7との間には、粘着層5bを介して第2導電体層6が接着されている。第2導電体層6は、矩形板状の部材であり、その幅(第1導電体層11の短手方向、奥行き)は第1導電体層11と同じであり、長さ(第1導電体層11の長手方向)は第1導電体層11より狭いものである。第2導電体層6の材料としては、第1導電体層11と同様、たとえば、アルミニウム、銅、鉄などの金属、合金材料、又はカーボン等の炭素系材料を用いることができる。なお、第1導電体層11と第2導電体層6とは同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。第2導電体層6は、図1(b)に示すように、アンテナ2の主面2aと直交する方向から見て、孔21(第1の孔)の一部に重なり、かつ、孔21を分断しないように配置されている。その結果、第1導電体層11、第2導電体層6及びICチップ4によって孔22(第2の孔)が画定される。孔22は、図1(b)においては、第1導電体層11の周、第2導電体層6の周及びICチップ4の外周をb→c→d→e→f’→g’→h→i→bの順に結ぶ部分である。
次に、図3を参照しつつ本発明の無線ICタグの変形例について説明する。図3は、図1(a)に示した無線ICタグの変形例を示す断面図であり、(a)は第1変形例、(b)は第2変形例、(c)は第3変形例、(d)は第4変形例、(e)は第5変形例を示す。なお、図3において、第1実施形態の無線ICタグ1と構成が同一であるものには、同じ符号を付してある。
第1変形例に係る無線ICタグ101は、図3(a)に示すように、スペーサ7の代わりに中空体7a(部材)を有している点で、第1実施形態に係る無線ICタグ1と異なる。中空体7a(部材)は、スペーサ7と略同じ大きさで、かつ内部に空隙7bを有する樹脂等からなる部材である。この中空体7a(部材)によっても、スペーサ7を設けた場合と同様に、物品100の影響による通信性能の低下を抑制できる。なお、当該部材としては、絶縁層3bと物品100との間に空隙が設けられるもので絶縁材料または誘電材料であれば中空体7aに限定されず、例えば、断面積が主面2aよりも小さく、かつ絶縁層3bと物品100とを接続する接続部材(1又は複数の支柱、ばね、線状部材等)であってもよい。
第2変形例に係る無線ICタグ201は、図3(b)に示すように、スペーサ7を挟んでアンテナ2の反対側に第3導電体層9が設けられている点で、第1実施形態に係る無線ICタグ1と異なる。第3導電体層9の材料としては、第1導電体層11や第2導電体層6と同様、たとえば、アルミニウム、銅、鉄などの金属、合金材料、又はカーボン等の炭素系材料を用いることができる。この第3導電体層9を設けることにより、第3導電体層9が背面の物体100の影響を遮蔽するため、水やセラミックなどの高誘電体に無線ICタグを貼り付ける場合、無線ICタグ1を取り付ける物品による通信性能の低下を抑制した無線ICタグ1を提供できる。なお、スペーサ7の代わりに前記した部材(中空体7a等)が設けられており、当該部材を挟んでアンテナ2の反対側に、第3導電体層9(第3導電体層)が設けられていてもよい。
第1変形例に係る無線ICタグ301は、図3(c)に示すように、2つの第2導電体層(6a、6b)を有している点で、第1実施形態に係る無線ICタグ1と異なる。第2導電体層6aは、絶縁層3aと粘着層5aとの間に配置されている。一方、第2導電体層6bは、粘着層5bとスペーサ7との間に配置され、かつ、アンテナ2の主面2aと直交する方向から見て第2導電体層6aと異なる位置になるように配置されている。なお、これら2つの第2導電体層(6a、6b)は、それぞれ孔21の一部に重なり、かつ、孔21を分断しないように配置されている。このように、第2導電体層は複数(3つ以上でもよい)設けられていてもよい。また、これら複数の第2導電体層を設ける位置も様々な位置とできる。
第4変形例に係る無線ICタグ401は、図3(d)に示すように、粘着層(5a、5b)、スペーサ7、及び保護シート8を有さず、絶縁層3の全周を被覆層31で被覆している点で第1実施形態に係る無線ICタグ1と異なる。
第5変形例に係る無線ICタグ501は、図3(e)に示すように、第1実施形態に係る無線ICタグ1が、一面が開口した直方体状の筐体33と当該一面を閉鎖するフタ34とからなるケース32に収納されている点で第1実施形態に係る無線ICタグ1と異なる。
次に、第2導電体層を取り付けた無線ICタグを実施例、第2導電体層を取り付けてない無線ICタグを比較例として、無線通信距離の測定を行った。以下、測定結果について説明する。
1.重要寸法
アンテナ2’
長さL1:93mm
幅W1:19mm
スリット12’
長さL2:31mm
幅t:1.4mm
曲率:0.02
2.材質
アンテナ2’:アルミニウム
絶縁層3’:PET
この無線ICタグ1’を実施例、無線ICタグ1’に第2導電体層6が取り付けられていないタグを比較例とし、それぞれのタグを管理対象物(物品)に貼り付け、通信距離を測定した。ここで、第2導電体層6は、アルミニウム製であり、幅Wはアンテナ2’の幅と同じ19mmで固定とし、長さLは可変とした。また、第2導電体層6は、図4に示すとおり、一端6xが基準ラインSと一致し、他端6yがスリット12’と重なるように貼り付けた。基準ラインSとは、開口部12’の一端12’aから1mm外側に設けたラインである。通信距離は、図5に記載の通常の測定方法で測定した。図5は、無線ICタグの通信性能を測定する方法を示す図である。リーダアンテナには、NECトーキン株式会社製ICT-5050(円偏波アンテナ)を用い、リーダには、NECトーキン株式会社製ICT-5047-20(送信出力:30dBm、チャネル数:9チャネル、チャネル幅:200KHz、対応プロトコル:UHF帯 EPCglobal Class1 Gen2準拠)を用いた。なお、無線ICタグ1’は、UHF帯の電波のうち特に950MHzで用いることを想定しているので、本実施例(他の実施例も同じ)では950MHzでの通信距離を測定した。
各項目の説明
スペーサ7:発泡体(材質:PE)、幅23mm×長さ97mm×厚さ2mm
通信距離比率(%):通信距離/自由空間での通信距離(比較例10参照)×100
今度は、第2導電体層6の長さLを固定とし、幅Wを可変させて、通信距離を測定した。表2に測定結果を示す。幅Wは、アンテナ2’の幅W1よりも長い23mm、アンテナ2’の幅W1と同じ19mm、アンテナ2’の幅W1よりも短く開口部12’の幅tよりも長い4mm(開口部12’を覆える幅)の3つに可変させた。
今度は、(実施例1)〜(実施例3)においては固定していたアンテナ2’の幅W1を可変させて(即ち第1導電体層11’をカットして)、通信距離を測定した。表3に測定結果を示す。但し、第1導電体層11’及びICチップ4により画定される孔(第1の孔)はカットされないように第1導電体層11’をカットした。なお、第2導電体層6の幅Wも第1導電体層に合わせてカットしている。
今後は、無線ICタグ1’(実施例)と無線ICタグ1’に第2導電体層6が取り付けられていないタグ(比較例)をそれぞれ、第3変形例で示したケース32と同じケースに収納して、通信距離の測定を行った。表4に測定結果を示す。なお、ケースの材質、寸法は以下のとおりである。また、表4中の比較例10は、ケースに収納していない場合の自由空間での結果であり、表1の比較例10と同じである。
材質:PC樹脂
寸法:長さ119mm×幅32mm×高さ6mm
(効果1)
以下、本発明の無線ICタグの効果について説明する。本発明の無線ICタグにおいては、絶縁層を挟んでアンテナの反対側に、アンテナの主面と直交する方向から見て、第1導電体層とICチップとによって画定される第1の孔の一部に重なり、1又は複数箇所に設置され、1又は複数の層からなる第2導電体層が設けられている。さらに、第1導電体層、第2導電体層、及びICチップによって画定される第2の孔の周長が、第1の孔の周長よりも短い。よって、無線ICタグのアンテナのリアクタンスを再調整でき、共振の状態が改善される。その結果、取り付ける物品の影響による無線ICタグの通信性能の低下を抑制できる。
また、絶縁層のいずれか一方を挟んでアンテナの反対側には、当該反対側に空隙を有するように形成された部材または誘電体層が設けられている。よって、無線ICタグの当該部材側または誘電体層側を物品等に固定することにより、空隙または誘電体層が物品の影響を抑制し、無線ICタグの通信性能の低下をより抑制できる。その結果、例えば金属等、通信性能の低下が著しい物品に無線ICタグを取り付けた場合であっても、十分な通信性能を得ることができる。
また、部材または誘電体層を挟んでアンテナの反対側には、グランド層(第3導電体層)が設けられている。よって水やセラミックなどの高誘電体に無線ICタグを貼り付ける場合、グランド層が背面の物体の影響を遮蔽するため、タグを貼る物品による通信性能の低下を抑制した無線ICタグを提供することができる。
また、第2導電体層は、絶縁層のいずれか一方を挟んでアンテナの反対側、及びその他方を挟んでアンテナの反対側に各々設けられており、かつ、その各々が1又は複数の層からなる。このように、第2導電体層は複数箇所に設置できるし、積層させることもできる。よって、同一形状の第2導電体層を、適宜操作して(複数箇所に設置したり、重ね合わせたり等)、アンテナのリアクタンスを再調整できる。その結果、物品やアンテナの大きさによって、異なる大きさの第2導電体層を用意する必要がない。さらに、第2導電体層を複数箇所設けることによって、用途別など調整を追加で行うことができる。例えば、1つ目の第2導電体層で調整を行い、性能が十分でない場合や物品の種別に応じて、追加での調整が容易に行える。
また、無線ICタグは、絶縁層の全周を被覆する被覆層をさらに備える。よって、通信性能の低下を抑制しつつ、無線ICタグの強度等を向上させることが可能となる。
少なくとも前記アンテナ、前記ICチップ、前記絶縁層、及び前記第2導電体層を収納するケースをさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線ICタグ。
また、アンテナの幅は、通信に使用する電波の波長の2.5%以上アンテナの長さ以下である。また、本発明によれば金属などの導電体に無線ICタグを設置した時に、第1導電体層の幅を広くすると空間への放射量を大きくさせることができ、無線ICタグの通信特性を改善することができる。
2 アンテナ
2a 主面
3 絶縁層
4 ICチップ
5a、5b 粘着層
6 第2導電体層
7 スペーサ(誘電体層)
7a 中空体(部材)
7b 空隙
8 保護シート
9 第3導電体層
11 第1導電体層
12 開口部
21 孔(第1の孔)
22 孔(第2の孔)
31 被覆層
32 ケース
Claims (7)
- 第1導電体層と前記第1導電体層に形成された開口部とで構成されるアンテナと、
前記アンテナの主面と直交する方向から見て前記開口部を分断するように、前記第1導電体層に配置されるICチップと、
前記第1導電体層の両面及び前記ICチップを被覆する絶縁層と、
を備える、無線ICタグにおいて、
前記絶縁層を挟んで前記アンテナの反対側には、
前記アンテナの主面と直交する方向から見て、前記第1導電体層及び前記ICチップによって画定される第1の孔の一部に重なり、1又は複数箇所に設置され、1又は複数の層からなる第2導電体層が設けられており、
前記第1導電体層、前記第2導電体層、及び前記ICチップによって画定される第2の孔の周長が、前記第1の孔の周長よりも短いことを特徴とする無線ICタグ。 - 前記絶縁層のいずれか一方を挟んで前記アンテナの反対側には、当該反対側に空隙を有するように形成された部材または誘電体層が設けられている、請求項1に記載の無線ICタグ。
- 前記部材または前記誘電体層を挟んで前記アンテナの反対側には、第3導電体層が設けられている、請求項2に記載の無線ICタグ。
- 前記第2導電体層は、前記絶縁層のいずれか一方を挟んで前記アンテナの反対側、及びその他方を挟んで前記アンテナの反対側に各々設けられており、かつ、その各々が1又は複数の層からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線ICタグ。
- 前記絶縁層の全周を被覆する被覆層をさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線ICタグ。
- 少なくとも前記アンテナ、前記ICチップ、前記絶縁層、及び前記第2導電体層を収納するケースをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線ICタグ。
- 前記アンテナの幅は、通信に使用する電波の波長の2.5%以上前記アンテナの長さ以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線ICタグ。
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