JP2013196632A - 通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 デジタル無線システムでのグループ編成を容易にし、災害に関する情報を伝達し易くし、一般及び業務用車両の動態情報と位置情報を利用して広域の危機管理を統合して実現する通信システムを提供する。
【解決手段】 管制センターシステム100が無線システムに接続する車両システム300内の端末に識別IDを登録して暗号解除キーを生成し(フェーズ1)、当該車両システム300に自営系通信網850を経由して暗号解除キーを配信し(フェーズ2)、公衆系通信網700を経由して暗号解除キーを配信し(フェーズ3)、電波塔200を経由してデジタル放送で暗号解除キーを配信し(フェーズ4)、車両システム300から動態情報と位置情報を収集し(フェーズ5)、監視装置760,観測装置770からの情報を基にデジタル放送により当該車両システム300に緊急避難情報を配信する(フェーズ6)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のシステムを統合した広域危機管理システムに係り、特に、一般車両及び業務用車両の動的情報と位置情報を利用して広域の危機管理を実現する通信システムに関する。
[従来の技術]
従来、業務用デジタル無線システムにおいて、グループ通信を行うには、予め無線端末にグループ設定情報を登録することが一般的である。
また、業務用デジタル無線システムでグループ編成を変更したい場合は、空港向けデジタル無線の場合、TDMA(Time Division Multiple Access)方式のMCA(Multi Channel Access system)であるので、制御チャネルを用いて、遠隔でグループ設定を行うことが可能である。
尚、2011年以降、アナログからデジタルに置き換わる全国消防の無線システムは、SCPC(Single Channel Per Carrier)方式が採用されているが、SCPC方式は制御チャネルがない。
消防救急向けの無線システムは、市町村単位、あるいは複数の市町村が連合を組んで運用されるのが一般的である。
具体的には、災害や事故が発生した場合、消防隊、救助隊、救命救急士などに対して、消防救急向けの無線システムを用いて、当該エリアを統括する消防本部から、主に音声により指示が出される。
また、防災行政無線システムは、県や市町村単位で運用されるのが一般的である。具体的には、災害が発生した場合、被災エリアで活動している県あるいは市町村の職員などに対して、防災行政無線システムを用いて、当該エリアを統括する地方自治体の防災対策本部から、主に音声により指示が出される。
業務用車両の動態管理を行うセンター側の装置(主にPC[コンピュータ])と車両側の端末(主にカーナビ[カーナビゲーション:Automobile Navigation System])は、企業や地方自治体毎に購入またはリースして使用される。また、動態管理を行う当該装置には商用の地図データが実装されることがほとんどである。
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2009−223460号公報「プローブカーシステム」(株式会社日立国際電気)[特許文献1]がある。
特許文献1には、管制センター装置から特定のエリア内又は路線上の車両に動態情報を要求し、車両に搭載された車両装置が、検出した動態情報を送信し、管制センター装置が収集した動態情報、監視装置からの監視映像データ、観測装置からの観測データに基づいて交通状況や災害状況を解析し、関連する車両に注意喚起を行うことが示されている。
特開2009−223460号公報
しかしながら、従来の広域危機管理に使用される通信システムでは、以下に示す問題点があった。
[第1の問題点]
第1の問題点として、消防救急デジタル無線システムはSCPC方式が採用されており、制御チャネルがないことから、以下のような制約がある。
(1)無線端末が複数チャネルのうち、どのチャネルにプリセットされているか消防本部側から判別できないため、遠隔でグループ設定を一括で行うことは困難であった。
(2)全チャネルでグループ変更の設定情報を送信すると、干渉が生じる恐れがある。例えば、2つの基地局が同一周波数の波を非常用で送信する場合、全移動局に同時に設定情報を送信したい場合に、各基地局が同じ周波数の波を同時に送信することになり、干渉が生じる恐れがあった。
(3)グループ編成の為の制御情報を送信している最中は、音声は送信できない為、消火や救助などの活動に支障を来すリスクが大きい。
[第2の問題点]
第2の問題点として、消防救急デジタル無線システムでは、大規模な災害が発生した場合に、被災地現地の消防本部だけでは、消火や救助などの活動を行う為の隊員・職員や業務用車両などのリソースが絶対的に不足してしまうことから、被災していない自治体の消防本部から応援部隊が派遣されることが想定される。
しかしながら、無線端末のグループ設定を遠隔で設定できない為、無線端末のグループ設定を治具による書換え作業や、手入力による設定変更作業が都度、必要になるため、実用的でなかった。
[第3の問題点]
第3の問題点として、大規模な地震が発生した場合に、被災状況の調査や人命救助を行う隊員や職員は、余震や津波などのリスクに晒されながら活動しなければならない。
しなしながら、消防救急向けの無線システム又は防災行政無線システムでは、主に音声により伝達されるため、警戒すべきリスクの内容や危険度を、隊員や職員が活動する地点毎にきめ細かく伝達することができない。
[第4の問題点]
第4の問題点として、消防救急デジタル無線システムと防災行政無線システムは、別々の組織で検討された仕様であるため、双方のシステムを連動させることは、各々の地方自治体で必要に応じて仕様に盛り込まれている場合はあるものの、(2011年3月11日に発生した東日本大震災を契機に)大規模かつ広域な災害対して、運用面で両システムの連携を取る需要が増している。
[第5の問題点]
第5の問題点として、大規模な復旧工事は、複数の業種や業者の作業が必須となるが、業務用車両の運行履歴や動態情報は業者毎で個別に管理されているため、車両の配置や作業工程などの調整に時間や手間が掛かっていた。
[第6の問題点]
第6の問題点として、業務用車両の動態管理を行う装置(センター側は主にPC、車両側の端末は主にカーナビ)に実装される地図は、更新される都度購入する必要がある為、平常時においてはランニングコストが高い。
また、大規模災害が発生した場合は、使用できるルートが限られてしまうため、救助・救援活動や復旧作業でヒトやモノを運ぶ際に、適切なルートをリアルタイムで周知することが難しい。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、消防救急デジタル無線システムでのグループ編成を容易にし、災害に関する情報を隊員・職員に伝達し易くし、一般車両及び業務用車両の動態情報と位置情報を利用して広域の危機管理を統合して実現する通信システムを提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、管制センターシステムと車両システムとを有する通信システムであって、車両システムが、デジタル無線システムに接続する端末を備え、動態情報と位置情報を管制センターシステムに送信し、管制センターシステムが、車両システムの端末を登録して暗号解除キーを生成し、端末に対してデジタル無線システム又はデジタル放送を経由して暗号解除キーを配信し、車両システムの動態情報と位置情報を収集し、緊急避難情報をデジタル放送により配信することを特徴とする。
本発明は、上記通信システムにおいて、デジタル無線システムとして、自営系通信網と公衆系通信網を備え、管制センターシステムが、車両システムの端末からの暗号解除キー送信要求を、自営系通信網を経由して受信すると端末に自営系通信網を経由して暗号解除キーを配信し、自営系通信網が機能しない場合には、車両システムの端末からの暗号解除キー送信要求を、公衆系通信網を経由して受信すると端末に公衆系通信網を経由して暗号解除キーを配信することを特徴とする。
本発明は、上記通信システムにおいて、車両システムの端末が、被災エリアの現地の情報を自営系通信網又は公衆系通信網を経由して管制センターシステムに送信し、管制センターシステムが、現地情報を集約して最新の地図情報と特定の道路区間又はエリアにおける通行可否の道路情報を、電波塔を経由してデジタル放送で端末に配信することを特徴とする。
本発明は、上記通信システムにおいて、管制センターシステムが、端末に対して、車両システムの動態情報と位置情報に基づいて無線システムのグループを割り当てる運用管理情報を配信し、無線システムのグループ編成が発生すると、更新された車両の動態情報と位置情報に基づく編成されたグループを割り当てる運用管理情報を配信することを特徴とする。
本発明は、車両システムの端末が、管制センターシステムに対して暗号解除キーを要求し、デジタル無線システム又はデジタル放送によって暗号解除キーの配信を受け、動態情報と位置情報を管制センターシステムに送信し、デジタル放送により緊急避難情報を受信することを特徴とする。
本発明によれば、管制センターシステムが、車両システムの端末を登録して暗号解除キーを生成し、端末に対してデジタル無線システム又はデジタル放送を経由して暗号解除キーを配信し、車両システムの動態情報と位置情報を収集し、緊急避難情報をデジタル放送により配信する通信システムとしているので、無線システムに接続する車両システムの端末を広域危機管理システムに参入させ、緊急避難情報を容易に送信でき効果がある。
本発明の実施の形態に係る通信システムの概略構成図である。 管制センターシステム100の構成ブロック図である。 業務用車両システムの構成ブロック図である。 業務用車載型デジタル無線端末の構成ブロック図である。 業務用カーナビゲーションシステムの構成ブロック図である。 車載用運用管理情報端末の構成ブロック図である。 フェーズ1〜4の処理の全体図である。 フェーズ1の処理を示すフロー図である。 フェーズ2の処理を示すフロー図である。 フェーズ3(1)の処理を示すフロー図である。 フェーズ3(2)の処理を示すフロー図である。 フェーズ4(1)の処理を示すフロー図である。 フェーズ4(2)の処理を示すフロー図である。 フェーズ4(3)の処理を示すフロー図である。 フェーズ5(1)の処理を示すフロー図である。 フェーズ5(2)の処理を示すフロー図である。 フェーズ6(2)の処理を示すフロー図である。 フェーズ7−2の処理を示すフロー図である。 フェーズ7−3の処理を示すフロー図である。 フェーズ7−4の処理を示すフロー図である。 フェーズ7−6の処理を示すフロー図である。 フェーズ7−7の処理を示すフロー図である。 緊急情報配信の概略図である。 [動態情報][位置情報]の収集結果の具体例を示す図である。 事案とグループの割り当ての具体例(i)を示す図である。 [グループ編成更新要求]を含む電文の具体例(i)を示す図である。 事案とグループの割り当ての具体例(ii)を示す図である。 [グループ編成更新要求]を含む電文の具体例(ii)を示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る通信システム(本通信システム)は、フェーズ1として管制センターシステムが無線システムに接続する車両システム内の端末に識別IDを登録して暗号解除キーを生成し、当該車両システムに、フェーズ2として自営系通信網を経由して暗号解除キーを配信し、フェーズ3として公衆系通信網を経由して暗号解除キーを配信し、フェーズ4として電波塔を経由してデジタル放送で暗号解除キーを配信し、フェーズ5として車両システムから動態情報と位置情報を収集し、フェーズ6として自営系通信網に接続する監視装置及び観測装置からの情報を基にデジタル放送により当該車両システムに緊急避難情報を配信するものであり、無線システムに接続する端末を広域危機管理システムに参入させることができる。
また、本通信システムは、フェーズ7として管制センターシステムが車両システムの動態情報を基に通行可能な道路を判定し、車両システムから被災エリアの現地の情報を自営系通信網又は公衆系通信網を経由して管制センターシステムに送信し、管制センターシステムが現地情報を集約して最新の地図情報と任意の道路区間やエリアにおける通行可否の道路情報を、電波塔を経由してデジタル放送で配信し、車両システムの端末に表示させるものであり、最新の地図情報と道路情報をリアルタイムで車両システムが得ることができる。
また、本通信システムは、フェーズ8として、管制センターシステムが無線システムの運用管理情報を配信し、無線システムのグループ編成が発生すると、更新した運用管理情報を配信するものであり、無線システムにおけるグループ編成を容易に行うことができるものである。
尚、本通信システムは、主としてSCPC方式などの制御専用のチャネルを有さない業務用デジタル無線システムについて、公衆系の通信網やデジタル放送の既設インフラを補完的に用いて、状況に応じて柔軟かつ円滑に、当該デジタル無線システムを運用するための運用管理情報を配信するものである。
また、本通信システムは、複数の地理情報システム(GIS:Geographical Information System)で作成したデジタル地図情報や、複数のAVMシステム(Automatic Vehicle Monitoring System)で管理されている各種業務用車両の運行状況などの情報を、行政や民間を跨いで共有するための、クラウド・コンピューティング技術を用いて制御を行うものである。
具体的には、本通信システムでは、災害や事故の対策や復旧工事を統括する管制センターシステムにおいて、業務用デジタル無線に関する運用管理情報等に対して、位置情報と無線端末の識別情報を付与し、必要に応じてデジタル無線システム毎に暗号化した情報を、公衆系の通信網やデジタル放送の既設インフラを経由して配信することで、従来技術の第1,3の問題点を解決するものである。
また、本通信システムでは、災害や事故の対策を統括する管制センターシステムにおいて、河川/道路/港湾/水道/電力/ガス/鉄道他に設置された監視装置や観測装置から逐次収集した情報を元に、隊員や職員が活動する被災地において、警戒すべきリスクや危険度をリアルタイムで解析を行い、その結果に位置情報と時刻情報を付与し、必要に応じて暗号化した情報を、公衆系の通信網やデジタル放送の既設インフラを経由して配信することで、従来技術の第3,4の問題点を解決するものである。
また、本通信システムでは、クラウド・コンピューティング技術を活用して、業務用車両の動態情報や各種デジタル地図情報を共用することにより、従来技術の第5,6の問題点を解決するものである。
[本通信システムの概略:図1]
本発明の実施の形態に係る通信システムの概略について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る通信システムの概略構成図である。
本発明の実施の形態に係る通信システム(本システム)は、図1に示すように、管制センターシステム100と、電波塔200と、業務用車両システム300と、公衆系通信網800と、自営系通信網850と、GPS(Global Positioning System)衛星900とを基本的に有している。
[本通信システムの各部]
本通信システムの各部について説明する。
[管制センターシステム100]
管制センターシステム100は、行政や民間機関の複数の管制センターがネットワークで各々接続されている。
例えば、緊急災害対策本部に管制センター、現地地方自治体の災害対策本部の管制センター、現地の消防本部の管制センター、現地の警察本部の管制センター、公共交通機関の管制センター、建設会社の管制センター、運送会社の管制センター等がネットワーク上には個々に存在するものの、クラウド・コンピューティングを用いて融合(統合)されたシステムを実現している。
具体的には、各管制センターでは、少なくとも管制官Bが存在し、管制官Bのみがいる場合は、管制センターシステム100は以下のデジタル無線回線制御装置113〜装置装置117を備えている。
また、管制官Aがいる場合には、管制センターシステム100は以下のデータ通信送受信装置101〜操作装置112を備えている。
単純な例では、複数の管制センターシステムの内、中心となる親管制センターシステムが存在し、その親管制センターシステムでは管制官Aが処理を行い、その他の管制センターシステムでは管制官Bが処理を行うようにしてもよい。
管制センターシステム100の概略動作は、複数の無線システムに属する端末に対して識別IDを登録し、識別IDを登録した端末に暗号解除キーを生成して配信して本システムに参入させ、緊急情報を配信し、広域通信網を介して一般車両及び業務用車両から動態情報と位置情報を収集し、最新の地図情報と道路情報を配信するものである。
管制センターシステム100の具体的構成は後述する。
[電波塔200]
電波塔200は、管制センターシステム100から送信された特定のエリア又は路線上の車両に対する動態情報の送信要求、注意喚起情報をデジタル放送波にのせて業務用車両システム300に向けて一斉に送信する。
また、電波塔200は、緊急時に業務用車両システム300内で、割り当てられた管理IDを有する端末に暗号解除キーを配信することがある。
[業務用車両システム300]
業務用車両システム300は、充電池350と、業務用車載型デジタル無線端末400と、業務用カーナビゲーションシステム500と、車載用運用管理情報端末600とを備えている。
業務用車両システム300の概略動作は、広域危機管理システムに参入するために、管制センターシステム100からの暗号解除キーの配信を受けて、動態情報や位置情報を管制センターシステム100に提供し、緊急避難情報の配信を受けるものである。
また、業務用車両システム300は、最新の地図情報及び任意の道路区間とエリアにおける通行可否の配信を受け、更にデジタル無線システムの運用管理情報の配信を受けるものである。
業務用車両システム300の具体的構成は後述する。
[公衆系通信網800]
公衆系通信網800は、公衆回線を用いた通信網であり、複数の公衆系基地局無線装置700が接続されている。
公衆系基地局無線装置700は、業務用車両システム300の車載用運用管理情報端末と通信を行う。
[自営系通信網850]
自営系通信網850は、自営系の通信ネットワークを用いた通信網であり、複数の自営系基地局無線装置750、複数の監視装置760、複数の観測装置770が接続されている。
自営系基地局無線装置750は、業務用車両システム300の業務用車載型デジタル無線端末との間で通信を行う。
監視装置760は、河川や道路等に設置され、カメラ等を備え、当該カメラで撮影された河川や道路の状況の映像を監視映像データとして自営系通信網850を介して管制センターシステム100に送信する。
尚、監視装置760の設置場所、撮影場所の情報は、予め管制センターシステム100内の記憶部に記憶され、送信される監視映像データに付与される送信元を示す情報(監視装置のID[識別情報])に対応付けて記憶される。
観測装置770は、降雨量、気温、風速、震度等を観測し、それらの情報を観測データとして自営系通信網850を介して管制センターシステム100に送信する。
尚、観測装置770の設置場所の情報も、予め管制センターシステム100内の記憶部に記憶され、送信される観測データに付与される送信元を示す情報(観測装置のID[識別情報])に対応付けて記憶される。
[GPS衛星900]
GPS衛星900は、業務用車両システム300の業務カーナビゲーションシステム500に位置情報を提供するものである。
[管制センターシステム100の構成:図2]
次に、管制センターシステム100の具体的な構成について図2を参照しながら説明する。図2は、管制センターシステム100の構成ブロック図である。
管制センターシステム100は、図2に示すように、データ通信送受信装置101と、暗号処理部102と、地図情報記憶装置103と、気象情報記憶装置104と、監視情報記憶装置105と、車両動態情報記憶装置106と、解除キー生成・記憶装置107と、情報解析装置108と、データ送信装置109と、暗号処理部110と、表示装置111と、操作装置112と、デジタル無線回線制御装置113と、デジタル無線運用管理装置114と、デジタル無線指令系装置115と、表示装置116と、操作装置117とを備えている。
データ通信送受信装置101は、公衆系通信網800又は自営系通信網850との間でデータの送受信を行う。
暗号処理部102は、データ通信送受信装置101における送信用データの暗号化の処理を行い、受信用データの復号化の処理を行う。
地図情報記憶装置103は、地図情報のデータを記憶する。
ここで、地図情報とは、道路地図だけでなく、以下に示す様な種々の用途で作成されたデジタル地図情報と主要な施設に関連する情報を含んでおり、レイヤ合成やレイヤ切り替え等が速やかにできるように、編集・加工された情報を想定する。
デジタル地図情報としては、ハザードマップがあり、河川浸水洪水/土砂災害/地震災害/火山防災/津波浸水・高潮などについて、単一的あるいは複合的災害が発生した場合を想定して、被災リスクのレベルを表示できるデジタル地図のデータである。
また、土地利用区分、地形図、被災状況図のデジタル地図も含まれる。
土地利用区分のデジタル地図は、森林/水田/市街地/工業地/住宅地などの判別が可能な地図情報のデータである。
地形図のデジタル地図は、土地の高低や起伏に関する情報(等高線など)を有する地図情報のデータである。
被災状況図のデジタル地図は、被災エリアから収集した各種情報をデジタル地図上にマッピングした地図情報のデータである。
また、主要な施設に関連する情報とは、防災関連の主要施設、危険物取扱・貯蔵施設に関連する情報である。
防災関連の主要施設の情報とは、消防施設、水利、緊急輸送路、臨時ヘリポート、非常警報施設、救急指定病院(1次〜3次救急で区分)、避難所(広域避難場所、収容避難場所、一時避難場所などで区分)、防災倉庫などの所在地とキャパシティの情報である。
危険物取扱・貯蔵施設の情報とは、ガソリンスタンドをはじめ、化学工場や製薬工場、発電所などの所在地、それぞれの施設で取り扱う危険物の種類と、二次災害のリスク・レベルの情報である。危険物は、国連の危険物輸送勧告による分類に従う。
従って、これら施設に関連する情報もデジタル地図に表示される。
気象情報記憶装置104は、気象情報を記憶する。
ここで、気象情報とは、気象観測データだけでなく、地震・津波、火山、海洋に関する観測データも含む。
例えば、気象観測データは、天気/視程/日照時間/気圧/気温/湿度/風向・風速/降水量・積雪量などであり、地震に関する観測データは、震源の位置・深さ/地震の規模/震度などであり、津波に関する観測データは、津波到達時刻/平時の潮位に対する津波の高さなどであり、火山に関する観測データは、火山性地震の規模・回数/降灰量/火山性ガスの放出量・濃度などであり、海洋に関する観測データは、波浪の高さ/潮位/海流/海水温/などである。
監視情報記憶装置105は、自営系通信網850に接続する監視装置760及び観測装置770で得られた監視情報・観測情報(単に「監視情報」という)を記憶する。
監視情報は、監視カメラによる映像だけでなく、各種センサにより取得した監視情報や、後述する測距機能付きデジタルカメラの画像データや測定データを含む。
例えば、監視情報として、道路について交通量や渋滞状況などのデータ、降水量・降雪量/路面状況/風向・風速/構造物の振動のデータ、河川・湖沼・池:水量/水位などのデータ(洪水対策以外に消火活動時の取水源として活用するために監視)、海岸・港湾:波浪/潮位などのデータ、消防設備:消火栓の使用可否状況のデータ、救急指定病院:医師・看護師・医療技師などの勤務状況/救急受入の可否(ベッド数など)のデータ、高層ビルについて従業員の勤務状況/住民の帰宅状況/空調、電気、給排水設備などの使用状況/ビル風の風向・風速/構造物の振動などのデータ、プラントについて各種設備の運転状況(温度、圧力、流量など)/風向・風速(有毒物質の拡散監視の為)/構造物の振動/有害物質のガス濃度/排水に含まれる有害物質の濃度のデータ、モニタリングポスト(環境放射線観測局)による空気中に含まれる放射線量のデータがある。
車両動態情報記憶装置106は、クラウド・コンピューティング技術を利活用することにより、業務用車両システム300から送信された動態情報と位置情報を取得して記憶すると共に、特願2008−65242(特開2009−223460)で提案した「プローブカーシステム」を用いて取得した一般車両の動態情報と位置情報を取得して記憶する。
解除キー生成・記憶装置107は、デジタル無線システムの端末に配信する暗号解除キー(単に「解除キー」と呼ぶこともある)を生成し、記憶する。
情報解析装置108は、管制官Aの操作装置112からの指示により地図情報、気象情報、監視情報、車両動態情報と位置情報に基づき、後述する解析処理を行い、解析結果を表示装置111に表示出力する。
データ送信装置109は、情報解析装置108で解析された結果に基づき緊急避難情報等を電波塔200用の信号として送信する。
暗号処理部110は、データ送信装置109の送信データについて暗号化が必要な場合に、暗号化処理を行う。
表示装置111は、情報解析装置108に接続し、管制官Aに対する表示を行う。
操作装置112は、管制官Aからの入力を情報解析装置108に出力する。
デジタル無線回線制御装置113は、自営系通信網850と通信を行うために無線回線の制御を行う。
デジタル無線運用管理装置114は、デジタル無線システムの運用管理情報を記憶しており、グループの割り付け等を行う際に、端末に配信する。
デジタル無線指令系装置115は、デジタル無線システムの端末に対する指令を行うもので、指令内容はデジタル無線回線制御装置113に出力される。
表示装置116は、デジタル無線指令系装置115に接続し、管制官Bに表示出力を行う。尚、表示装置116は、無線通話を行うためのスピーカを含む。
操作装置117は、管制官Bからの入力をデジタル無線指令系装置115に出力する。尚、操作装置117は、無線通話を行うためのマイクを含む。
管制官A,Bの利用の面から見ると、管制官Bが使用する装置は、自営系通信網850との通信を行う装置であり、デジタル無線回線制御装置113〜操作装置117である。
また、管制官Aが使用する装置は、公衆系通信網800及び自営系通信網850と通信を行い、デジタル放送(電波塔200)を行う装置であり、データ通信送受信装置101〜操作装置112である。
[業務用車両システム300:図3]
次に、業務用車両システムについて図3を参照しながら説明する。図3は、業務用車両システムの構成ブロック図である。
業務用車両システム300は、図3に示すように、充電池350と、業務用車載型デジタル無線端末400と、業務用カーナビゲーションシステム500と、車載用運用管理情報端末600とを有している。
業務用車載型デジタル無線端末400は、自営系通信網850に自営系基地局無線装置750を介して接続し、管制センターシステム100からの解除キーを受信して記憶し、端末の識別IDの配信を受け、識別IDを記憶する。
また、業務用車載型デジタル無線端末400は、乗務員が通話等を行うことができるスピーカ、マイクを備えている。
業務用カーナビゲーションシステム500は、GPS衛星900からの衛星データを受信し、カーナビゲーションの動作処理を行う。
車載用運用管理情報端末600は、電波塔200からの緊急避難情報等のデジタル放送を受信し、公衆系通信網800と公衆系基地局無線装置700を介して無線接続し、解除キーを受信して記憶する。
充電池350は、業務用車両に搭載されているバッテリーであり、業務用車載型デジタル無線端末400、業務用カーナビゲーションシステム500、車載用運用管理情報端末600に電力を供給する。
尚、業務用車載型デジタル無線端末400、業務用カーナビゲーションシステム500、車載用運用管理情報端末600の具体的構成は後述する。
[業務用車載型デジタル無線端末400:図4]
業務用車載型デジタル無線端末400について図4を参照しながら説明する。図4は、業務用車載型デジタル無線端末の構成ブロック図である。
業務用車載型デジタル無線端末400は、図4に示すように、制御部401と、内蔵メモリ402と、信号処理部403と、電源制御部404と、RF部405と、操作部406と、表示部407と、内蔵スピーカ408と、識別ID記憶装置409と、解除キー記憶装置410と、外部メモリ411と、インタフェース部412と、スピーカマイクまたはハンドセット413と、外部スピーカ414とを有している。
ここで、RF部405は、変復調や増幅を行う高周波回路を含むものである。
識別ID記憶装置409は、デジタル無線端末の呼出名称あるいは識別信号を識別子(識別ID)として記憶する機能を有し、当該無線端末400から着脱できないものである。
尚、識別ID記憶装置409は、内蔵メモリ402により代替可能であり、識別IDは、製品出荷時にメーカーで書き込まれる。
解除キー記憶装置410は、管制センターシステム100から配信される暗号化されたデータについて、暗号化を解除するためのキー情報とその有効期限を記憶するための機能を有する。
運用上、当該無線端末400からの着脱を許容できる場合は、外部メモリ411による代替可能であり、許容できない場合は、内蔵メモリ402による代替可能である。
解除キーは、デジタル無線システム(自営系通信網)を介して配信されたものが記憶される。但し、外部メモリの着脱が可能な場合は、解除キーが記憶された外部メモリ611を車載用運用管理情報端末600から取り外して、当該無線端末400に取り付ける代替手段も許容する。
インタフェース部412は、USB(Universal Serial Bus)などの有線インタフェース(I/F)、またはBluetooth(登録商標)などの無線I/Fを有し、車載用運用管理情報端末600に対するデータ通信機能を有する。
[業務用カーナビゲーションシステム500:図5]
業務用カーナビゲーションシステム500について図5を参照しながら説明する。図5は、業務用カーナビゲーションシステムの構成ブロック図である。
業務用カーナビゲーションシステム500は、図5に示すように、制御部501と、内蔵メモリ502と、信号処理部503と、電源制御部504と、GPSモジュール505と、角速度検出装置506と、傾斜角検出装置507と、操作部508と、表示部509と、内蔵スピーカ510と、地図記憶装置511と、インタフェース部512とを有している。
インタフェース部512は、USBなどの有線I/F、またはBluetooth(登録商標)などの無線I/Fを有し車載用運用管理情報端末600に対するデータ通信機能を有する。
[車載用運用管理情報端末600:図6]
車載用運用管理情報端末600について図6を参照しながら説明する。図6は、車載用運用管理情報端末の構成ブロック図である。
車載用運用管理情報端末600は、図6に示すように、制御部601と、内蔵メモリ602と、信号処理部603と、暗号処理部604と、電源制御部605と、データ通信モジュール606と、デジタル放送受信モジュール607と、表示部608と、操作部609と、内蔵スピーカ610と、外部メモリ611と、インタフェース部612と、解除キー記憶装置613とを有している。
暗号処理部604は、管制センターシステム100から配信される暗号化されたデータについて、解除キー記憶装置410(又は解除キー記憶装置613)に記憶されたキー情報を用いて、暗号化を解除する。
インタフェース部612は、USBなどの有線I/F、またはBluetooth(登録商標)などの無線I/Fを有し、業務用車載型デジタル無線端末400や業務用カーナビゲーションシステム500、測距機能付きデジタルカメラ650に対するデータ通信機能を有する。
解除キー記憶装置613は、管制センターシステム100から配信される暗号化されたデータについて、暗号化を解除するためのキー情報とその有効期限を記憶する。
運用上、当該無線端末400からの着脱を許容できる場合は、外部メモリ611による代替可能であり、許容できない場合は、内蔵メモリ402による代替可能である。
解除キーは、(1)公衆系通信網を介して配信されたもの、あるいは(2)デジタル無線システム(自営系通信網)を介して、一旦解除キー記憶装置410に記憶された解除キーが転送されたものが記憶される。但し、外部メモリの着脱が可能な場合は、外部メモリ411を当該無線端末400から取り外して、当該情報端末600に取り付ける代替手段を含む。
測距機能付きデジタルカメラ650は、被災状況を撮像してデジタル画像データに変換すると共に、レーザーなどにより測定対象物までの距離や、当該対象物のある方位、当該対象物の高さや幅を測定する機能を有するカメラであり、また、USBなどの有線I/F、またはBluetooth(登録商標)などの無線I/Fにより、車載用運用管理情報端末600とデータのやり取りができる機能を有する。
本通信システムでは、業務用デジタル無線の具体例として、消防車や救急車に搭載された端末を想定したが、それ以外にも、以下に示す業務向けデジタル無線システムへの適用を含む。
例えば、警察車両、県や市町村の防災無線システム(移動系)、通信事業者および関連会社の車両、電気/ガス/水道などの事業者および関連会社の車両、主要道路の管理団体および関連会社の車両、バスや電車などの公共交通機関、ヘリコプター全般(ドクターヘリ、消防用ヘリ、防災ヘリ)、復旧・復興作業に携わる建設会社や運輸会社および関連会社の車両(救援物資や飲料水、建築資材を被災地へ運ぶ車両または、被災地で発生した瓦礫や土砂などを運ぶ車両)、危険物を取り扱う事業者および関連会社の車両にも搭載される。
本通信システムを行政や民間を跨いで利活用する場合を想定しており、クラウド・コンピューティング技術を用いて、各装置の機能を実装したサーバー群を、複数のデータセンター(サービス提供者群)に設置する。
また、各々の組織の拠点に整備されている管制センター(ユーザー群)には、情報制御システムの表示装置111と操作装置112を設置する。但し、大規模な災害などによって、表示装置111/操作装置112とデータセンタ間の回線網が輻輳や切断するなどして、通信できなくなった場合でも、運用に耐えうるシステムにする為に、実装されたソフトウェアのうち、運用に必要なデータやアプリケーション・ソフトについては、各管制センターに設置されたバックアップサーバーに逐次更新して保存する。
デジタル無線システムに係る各装置については、行政機関や民間会社で採用されている無線方式やコーデック、回線交換方式が異なるため、各々の組織の拠点に整備されている管制センター(ユーザー群)に設置する。
[本通信システムの動作/フェーズ1〜8:図7]
本通信システムの動作を、以下のフェーズ1〜8で説明する。
特に、フェーズ1〜4の概略について図7を参照しながら説明する。図7は、フェーズ1〜4の処理の全体図である。
図7に示すように、フェーズ1として、管制センターシステム100では、任意のデジタル無線システム向けの暗号解除キーを生成する(S1)。
これは、広域危機管理システム内に参入するための手続として、任意の無線システム配下の移動局、またはそれに接続された機器に対して暗号解除キーを配信するものである。
そして、管制センターシステム100で緊急度が判定され(S2)、緊急度が低い(設定された緊急度の値より低い)場合に、フェーズ2として、任意のエリアにいる特定の業務用車両に対して、自営系通信網850を経由して個別に暗号解除キーを配信する(S3)。
これは、事象発生前の暗号解除キーの配信経路となるものである。
管制センターシステム100で緊急度が高い(設定された緊急度の値より高い)場合は、次に管制センターシステム100はシステム障害の輻輳の影響を判定する(S4)。
システム障害の輻輳の影響が軽度(設定された影響度の値より低い)場合は、フェーズ3として、任意のエリアにいる特定の業務用車両に対して、公衆系通信網800を経由して暗号解除キーを配信する(S5)。
これは、事象発生後の暗号解除キーについて第1の配信経路となるものである。
システム障害の輻輳の影響が重度(設定された影響度の値より高い)と判定された場合は、フェーズ4として、管制センターシステム100は、任意のエリアにいる特定の業務用車両に対して、電波塔200を経由して暗号解除キーを配信する(S6)。
これは、事象発生後の暗号解除キーについて第2の配信経路となるものである。
また、フェーズ5は、一般車両及び業務用車両について動態情報と位置情報を能動的に収集する処理である。
フェーズ6は、一般車両及び業務用車両について緊急避難情報等を配信する処理である。
フェーズ7は、業務用車両に対して、最新の地図情報及び任意の道路区間やエリアにおける通行可否などの情報を配信する処理であり、具体的にはフェーズ7−1〜7−8がある。
フェーズ8は、フェーズ7とフェーズ5の応用例であり、デジタル無線システムの運用管理情報を配信する処理である。
[フェーズ1:図8]
フェーズ1について図8を参照しながら説明する。図8は、フェーズ1の処理を示すフロー図である。尚、図の上側に括弧書きの番号を示しているが、その番号が装置の符号を示している。
フェーズ1(任意のデジタル無線システム向けの暗号解除キーを生成する処理)では、図8に示すように、管制官B(あるいはデジタル無線システムの管理者B)は、当該デジタル無線システム内で使用するデジタル無線端末の識別IDリストを、操作装置117を介して、デジタル無線運用管理装置114に入力する(S01-001)。
デジタル無線運用管理装置114は、解除キー運用状況テーブルを生成し、当該デジタル無線端末の識別IDリスト(ア)を登録し(S01-002)、デジタル無線端末の識別IDリストを生成する。その際、解除キー・フラグは全て[無効]で設定する。
ここで、解除キー運用状況テーブルには、「キーID」「デジタル無線端末の識別ID(イ)」「有効期限(ウ)」「解除キー(エ)」が登録されており、「デジタル無線端末の識別ID(イ)」は、システムコードと端末コードの組み合わせとなっている。
また、識別IDリストは、「デジタル無線端末の識別ID(ア)」「解除フラグ」「グループ番号(キ)」が登録されており、「デジタル無線端末の識別ID(ア)」は、システムコードと端末コードの組み合わせとなっている。
尚、システムコードで識別されるデジタル無線システムとして、例えば、「○○市消防本部デジタル無線システム」「△△県防災デジタル無線システム」「○○市防災デジタル無線システム」等がある。
また、管制官A(あるいはデータ配信システムの管理者A)は、当該解除キーを割り付ける対象のデジタル無線端末の識別IDリスト(イ)と、解除キーの有効期限(ウ)をパラメータとして、暗号解除キーを生成するコマンドを、操作装置112を介して、解除キー生成・記憶装置107に入力する(S01-003)。
解除キー生成・記憶装置107は、自営系通信網850を介して、デジタル無線運用管理装置114に予め登録されている識別IDリスト(ア)と、識別IDリスト(イ)を照合する(S01-004)。
照合の結果、双方のリストに不一致がある場合、解除キー生成・記憶装置107は、識別IDリスト(イ)が不正であることを、表示装置111を介して、管制官A(あるいはデータ配信システムの管理者A)に通知する(S01-005)。
また、照合の結果、双方のリストが一致する場合、解除キー生成・記憶装置107は、解除キー(エ)を生成する(S01-006)。
そして、解除キー生成・記憶装置107は、当該解除キーを割り付ける対象の識別IDに対して生成された解除キー(エ)と当該解除キーの有効期限(ウ)を、解除キー生成・記憶装置107に含まれる解除キーデータベース(解除キーDB)に登録し(S01-007)、解除キー生成・記憶装置107は、当該解除キーの生成が完了したことを、表示装置111を介して、管制官A(あるいはデータ配信システムの管理者A)に通知する(S01-008)。
[フェーズ2:図9]
フェーズ2について図9を参照しながら説明する。図9は、フェーズ2の処理を示すフロー図である。
フェーズ2(任意のエリアにいる特定の業務用車両に対して、自営系通信網を経由して、解除キーを配信する処理)では、SCPC方式など制御チャネルがないデジタル無線方式が採用されている自営系の無線システムについては、全チャネルを用いて、一斉に[解除キー]を配信すると干渉が生じる恐れがあるため、緊急を要しない平常時において、ユーザーが車載型デジタル無線端末400毎に[解除キー]を要求し、前もって記憶させておくものである。
図9に示すように、車載型デジタル無線端末400は、ユーザーによる手動操作、または、解除キー記憶装置410(又は解除キー記憶装置613)に使用可能な解除キーが記憶されていないことを自動判定することにより、[解除キー送信要求]を含む電文(1)を管制センターシステム100に対して、自営系通信網850を介して送信する(S02-001)。
電文(1)は、主に送信先、送信元、送信時刻、無線端末の識別ID及び解除キー送信要求の内容で構成される。
送信先は、管制センターシステム100に設置されたデジタル無線回線制御装置113に割り当てられた装置コードなど、デジタル無線システム内でローカルに使用される情報である。
送信元は、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400の装置コードなど、デジタル無線システム内でローカルに使用される情報である。
送信時刻は、車載型デジタル無線端末400が、解除キーの送信を要求した時刻の情報である。
無線端末の識別IDは、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDの情報である。送信元と重複する場合は、省略可能である。
解除キー送信要求は、解除キーの送信を要求するコマンドで、予め割り当てられているコードの情報である。
デジタル無線回線制御装置113は、自営系通信網850を介して、[解除キー送信要求]を含む電文(1)を受け付け、その旨をデジタル無線運用管理装置114に通知する(S02-101)。
デジタル無線運用管理装置114は、解除キー生成・記憶装置107に対して、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]を要求する(S02-102)。
解除キー生成・記憶装置107は、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]の登録の有無を確認し、登録されている場合は、デジタル無線運用管理装置114に対して、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]を送信する(S02-103)。
当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]が未登録又は期限切れの場合は、解除キー生成・記憶装置107は、デジタル無線運用管理装置114に対して、[該当なし]を送信する(S02-104)。
デジタル無線運用管理装置114は、解除キー生成・記憶装置107に対して、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]を要求した結果を、デジタル無線回線制御装置113に通知する(S02-105)。
デジタル無線回線制御装置113は、デジタル無線運用管理装置114からの通知を受けて、[解除キー]の実体を含む電文(2)を生成し、自営系通信網850を介して、当該車載型デジタル無線端末400に送信する(S02-106)。
電文(2)は、主に送信先、送信元、有効期限、無線端末の識別ID、解除キーの内容で構成される。
送信先は、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400の装置コードなど、デジタル無線システム内でローカルに使用される情報である。
送信元は、管制センターシステム100に設置されたデジタル無線回線制御装置113に割り当てられた装置コードなど、デジタル無線システム内でローカルに使用される情報である。
有効期限は、解除キーが使用できる期限を示す情報である。デジタル無線運用管理装置114が[該当なし]を通知してきた場合は、「null」値を返す。
無線端末の識別IDは、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDの情報である。送信先と重複する場合は、省略可能である。
解除キーは、解除キー生成・記憶装置107から送信された[解除キー]の実体データである。デジタル無線運用管理装置114が[該当なし]を通知してきた場合は、「null」値を返す。
そして、車載型デジタル無線端末400は、自営系通信網850を介して、電文(2)を受信する。受信した電文(2)から、[解除キー]と[有効期限]を抽出し、解除キー記憶装置410(又は解除キー記憶装置613)に格納する(S02-201)。
車載型デジタル無線端末400は、[解除キー受信完了通知]を含む電文(3)を管制センターシステム100に対して、自営系通信網850を介して送信する(S02-202)。
デジタル無線回線制御装置113は、自営系通信網850を介して、[解除キー送信要求]を含む電文(3)を受け付け、その旨をデジタル無線運用管理装置114に通知する(S02-301)。
デジタル無線運用管理装置114は、解除キー運用状況テーブルに対して、当該無線端末IDに対応した解除キー・フラグを[無効]から[有効]に切り替える(S02-302)。
[フェーズ3:図10,11]
フェーズ3について図10,11を参照しながら説明する。図10は、フェーズ3(1)の処理を示すフロー図であり、図11は、フェーズ3(2)の処理を示すフロー図である。
フェーズ3(任意のエリアにいる特定の業務用車両に対して、公衆系通信網を経由して、解除キーを配信する処理)は、大規模災害が発生した際、当該被災エリアの公衆系基地局無線装置700や公衆系通信網800が機能し、通信負荷の増大により輻輳が起きないことが担保される場合であれば、災害発生直後においても、複数の車載型デジタル無線端末400に対して、個別または一括に[解除キー]を都度配信し、各々の端末で[解除キー]を記憶させる。
ここで、輻輳が起きないことが担保される場合とは、顧客によって専用回線が設定されている場合で、QoS(Quality of Service)制御等が為される場合である。
図10を用いて[解除キー]を個別に配信する手順(S03-001〜S03-302)を示し、図11を用いて[解除キー]を一括で配信する手順(S03-401〜S03-407、S03-201〜S03-302)を示す。
[解除キー]を生成する処理は、フェーズ1と手順は同じだが、管制センター100において、登録・照合されるデジタル無線端末の識別IDリストに加えて、車載用運用管理情報端末600に搭載されたデータ通信モジュール606の識別ID(例えば、電話番号やメールアドレスなど)と併せて登録する必要がある。
ここで、フェーズ3における解除キー運用状況テーブルには、「キーID」「デジタル無線端末の識別ID(イ)」「運用管理情報端末の識別ID(カ)」「有効期限(ウ)」「解除キー(エ)」が登録されており、「デジタル無線端末の識別ID(イ)」は、システムコードと端末コードの組み合わせとなっている。
また、識別IDリストは、「デジタル無線端末の識別ID(ア)」「運用管理情報端末の識別ID(オ)」「解除フラグ」「グループ番号(キ)」が登録されており、「デジタル無線端末の識別ID(ア)」は、システムコードと端末コードの組み合わせとなっている。
尚、「運用管理情報端末の識別ID(カ)」と「運用管理情報端末の識別ID(オ)」は、例えば、電話番号又はメールアドレス等が設定される。
[解除キーを個別に配信:図10]
図10に示すように、[解除キー]を個別に配信する手順は、車載型デジタル無線端末400において、ユーザーによる手動操作、または、解除キー記憶装置410(または解除キー記憶装置613)に使用可能な解除キーが記憶されていないことを自動判定することにより、車載用運用管理情報端末600を用いて[解除キー送信要求]を含む電文(4)を作成し、管制センターシステム100に対して、公衆系通信網800を介して、送信する(S03-001)。
電文(4)は、主に送信先、送信元、送信時刻、無線端末の識別ID、解除キー送信要求の内容で構成される。
送信先は、管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
送信元は、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400に従属するデータ通信モジュール606のメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
送信時刻は、車載型デジタル無線端末400が、解除キーの送信を要求した時刻情報である。
無線端末の識別IDは、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDの情報である。
解除キー送信要求は、解除キーの送信を要求するコマンドで、予め割り当てられているコードの情報である。
データ通信送受信装置101は、公衆系通信網800を介して、[解除キー送信要求]を含む電文(4)を受け付ける(S03-101)。
データ通信送受信装置101は、解除キー生成・記憶装置107に対して、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]を要求する(S03-102)。
解除キー生成・記憶装置107は、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]の登録の有無を確認する。登録されている場合は、暗号処理部102に対して、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]を送信する(S03-103)。
当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]が未登録または期限切れの場合は、解除キー生成・記憶装置107は、暗号処理部102に対して、[該当なし]を送信する(S03-104)。
暗号処理部102は、当該無線端末IDに対応した[解除キー]と[有効期限]を暗号化する(S03-105)。
暗号化は、インターネットなどのネットワークを介したデータの送受信を行う際に用いられる汎用的な手段が用いることを想定する。
そして、暗号処理部102は、暗号化された[解除キー]と[有効期限]を、データ通信送受信装置101に送信する(S03-106)。
データ通信送受信装置101は、暗号処理部102から受信した[解除キー(暗号化済)]と[有効期限(暗号化済)]をもとに電文(5)を生成し、公衆系通信網800を介して、当該車載型デジタル無線端末400に従属するデータ通信モジュール606に送信する(S03-107)。
電文(5)は、主に送信先、送信元、有効期限、無線端末の識別ID、解除キーの内容で構成される。
送信先は、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400に従属するデータ通信モジュール606のメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
送信元は、管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
有効期限は、解除キーが使用できる期限を表した情報であり、解除キー生成・記憶装置107が[該当なし]を通知してきた場合は、「null」値を返す。有効期限は、暗号化済みである。
無線端末の識別IDは、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDの情報である。
解除キーは、解除キー生成・記憶装置107から送信された[解除キー]の実体のデータである。解除キー生成・記憶装置107が[該当なし]を通知してきた場合は、「null」値を返す。解除キーは、暗号化済みである。
尚、車載型デジタル無線端末400に従属するデータ通信モジュール606は、公衆系通信網800を介して、電文(5)を受信する。受信した電文(5)から、[解除キー(暗号化済)]と[有効期限(暗号化済)]を抽出し、復号した後に、解除キー記憶装置410(または解除キー記憶装置613)に格納する。
そして、車載型デジタル無線端末400に従属するデータ通信モジュール606は、[解除キー受信完了通知]を含む電文(6)を管制センターシステム100に対して、公衆系通信網800を介して、送信する。
データ通信送受信装置101は、公衆系通信網800を介して、[解除キー受信完了通知]を含む電文(6)を受け付け、その旨をデジタル無線運用管理装置114に通知する(S03-301)。
デジタル無線運用管理装置114は、解除キー運用状況テーブルに対して、当該無線端末IDに対応した解除キー・フラグを[無効]から[有効]に切り替える(S03-302)。
[解除キーを一括で配信:図11]
次に、[解除キー]を一括で配信する手順について図11を参照しながら説明する。
管制官Bは、操作装置117を介して、デジタル無線運用管理装置114に対して、解除キー・一括配信コマンドを入力する(S03-401)。
デジタル無線運用管理装置114は、解除キー運用状況テーブルを参照し、解除キー・フラグが[無効]となっているデジタル無線端末の識別ID(ア)を抽出する(S03-402)。
デジタル無線運用管理装置114は、解除キー生成・記憶装置107に対して、解除キー・フラグが[無効]となっているデジタル無線端末400に従属する運用管理情報端末の識別IDリスト(オ)を転送し、[解除キー・一括配信要求]を送信する(S03-403)。
解除キー生成・記憶装置107は、当該識別ID(オ)毎に割り当てられている[解除キー]と[有効期限]を、暗号処理部102に対して、一括で送信する(S03-404)。
暗号処理部102は、当該識別ID(オ)毎に割り当てられている[解除キー]と[有効期限]を、個別にID単位で順次、暗号化する(S03-405)。
暗号処理部102は、[解除キー(暗号化済み)]と[有効期限(暗号化済み)]をID単位で、データ通信送受信装置101に送信する(S03-406)。
データ通信送受信装置101は、暗号処理部102から受信した[解除キー(暗号化済)]と[有効期限(暗号化済)]をもとに電文(5)を生成し、公衆系通信網800を介して、当該車載型デジタル無線端末400に従属するデータ通信モジュール606に送信する(S03-407)。
その後の車載型デジタル無線端末400における処理、データ通信送受信装置101とデジタル無線運用管理装置114における処理は、[解除キー]を個別に配信した場合(S03-301〜S03-302)と同様である。
[フェーズ4:図12、図13、図14]
次に、フェーズ4について図12,13,14を参照しながら説明する。図12は、フェーズ4(1)の処理を示すフロー図であり、図13は、フェーズ4(2)の処理を示すフロー図であり、図14は、フェーズ4(3)の処理を示すフロー図である。
フェーズ4(任意のエリアにいる特定の業務用車両に対して、電波塔を経由して、解除キーを配信する処理)は、大規模災害が発生した際、当該被災エリアの公衆系基地局無線装置700や公衆系通信網800の一部が機能不能に陥ると、業務用デジタル無線やデータ通信のサービスエリアに空白地帯が出来てしまい、空白地帯にいる業務用車両は情報が遮断される恐れがある。
これにより、空白地帯にいる業務用車両にも漏れなく、警戒すべきリスクの内容や危険度を、情報複数の車載型デジタル無線端末400に対して情報を伝達する為には、電波塔を介して、一斉に[解除キー]を都度配信し、各々の端末で[解除キー]を記憶させる。
[解除キー]を生成する処理は、フェーズ1と手順は同じだが、フェーズ4においては、登録・照合されるデジタル無線端末の識別IDリストは、全ての無線端末を網羅する必要はなく、最悪、デジタル無線システムごとに付与されるシステムコードだけ明確になっていれば、解除キーの配信が可能となる。
[フェーズ4(1):図12]
図12に示すように、管制官Bは、操作装置117を介して、デジタル無線指令系装置115に対して、電波塔200周辺の地図情報を呼び出す(S04-001)。
デジタル無線指令系装置115は、情報解析装置108に対して、当該電波塔200を介して、地上デジタル放送によるデータ配信が可能な範囲を照会する(S04-002)。
情報解析装置108は、過去に収集した情報をもとに、当該電波塔200で配信できる範囲を推定する(S04-003)。
具体的には、(a)任意のエリアに対して、地上デジタル・データ放送により[動態情報送信要求]コマンドを一斉送信した際、当該エリアの車両から[動態情報]が送信されなかった不感ポイントを、時系列かつ空間的に抽出する。(b)当該地理的条件・時間的条件・気候的条件から斟酌して、地上デジタル放送によるデータ配信が不可能な不感地帯を推定する。
情報解析装置108は、処理S04-003の結果を受けて、当該電波塔200で配信できる推定範囲を、デジタル無線指令系装置115に送信する(S04-004)。
デジタル無線指令系装置は、処理S04-003の結果をもとに、当該電波塔200で配信できる推定範囲を電子地図に反映させる(S04-005)。
表示装置116は、処理S04-005において更新された電子地図を表示する(S04-006)。
処理S04-006の結果を受けて、管制官Bは、解除キーを配信するエリア(キ)(以下、配信指定エリア)を指定して、[解除キー・一斉配信]コマンドを入力する(S04-007)。
配信指定エリア(キ)において、想定される表記方法の具体例を以下に示す。
例えば、行政区分コードで表せるように、都道府県、市町村、事務組合などの地方自治体単位で指定するもの、任意に指定したエリアを緯度経度で表記したもの、平面地図をメッシュ状に区切って、インデックスを付与したもの、主要な公共施設や商業施設(例:東京都庁、東京ドーム)、主要な道路や鉄道の路線(例:国道1号線沿線、山手線沿線)の始点と終点である。
デジタル無線運用管理装置114は、当該デジタル無線システムと交信を行う必要があるデジタル無線端末400の識別ID(ア)のうち、システムコード(ア)を抽出する(S04-008)。
デジタル無線運用管理装置114は、当該無線端末のシステムコード(ア)と、配信指定エリア(キ)と、[解除キー・一斉配信要求]を、情報解析装置108と解除キー生成・記憶装置107に送信する(S04-009)。
処理S04-007で管制官Bが指定した配信指定エリア(キ)の表記に統一性がない為、情報解析装置108において、地図情報記憶装置103を参照しながら、場所情報コード形式の表記に変換した配信エリア情報(ク)を生成する(S04-010)。表記に統一性がないのは、無線システム毎に異なる管制官Bがいるからである。
処理S04-010で生成した[配信エリア情報]を、データ送信装置109に送信する(S04-011)。
処理S04-009で抽出された当該無線端末のシステムコード(ア)に対応する[解除キー]と[有効期限]を、データ送信装置109に送信する(S04-012)。
処理S04-011と処理S04-012をもとに、電文(7)を生成して、当該電波塔200に送信する(S04-013)。
電文(7)は、主に配信エリア情報、配信元、有効期限、無線端末のシステムコード、解除キーの内容で構成される。
配信エリア情報は、解除キーを配信するエリアを場所情報コード形式で表記した情報である。
配信元は、(1)管制センターシステム100に設置されたデジタル無線回線制御装置113に割り当てられた装置コードなど、デジタル無線システム内でローカルに使用される情報と、(2)管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
有効期限は、解除キーが使用できる期限を表した情報である。
無線端末のシステムコードは、解除キーの送信を要求している車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDに含まれるコードの情報であり、もしくはデジタル無線システム毎に付与されているコードの情報である。
解除キーは、解除キー生成・記憶装置107から送信された[解除キー]の実体のデータである。
[フェーズ4(2):図13]
図13に示すように、当該電波塔200から配信された電文(7)は、複特定多数の車両に搭載された車両用運用管理情報端末600のデジタル放送受信モジュール607で受信される(S04-201)。
デジタル放送受信モジュール607は、受信した電文(7)を制御部601に送信する(S04-202)。
業務用カーナビゲーションシステム500において、GPSモジュール505、車速検出装置360、角速度検出装置506、傾斜角検出装置507を用いて常時収集するデータをもとに、制御部501は、地図情報装置511を参照しながら、逐次、所定の演算により、自車位置情報を推定する。並行して、信号処理部503は、GPSモジュール505のデータをもとに所定の演算により、現在時刻を推定する(S04-203)。
演算により求められた自車位置情報と現在時刻は、内部メモリ502に逐次記憶され、ひとつ前の自車位置情報と現在時刻は消去される。
そして、制御部601は、制御部501に対して、自車位置情報を要求する(S04-204)。
制御部501は、内部メモリ502に記憶されている自車位置情報を、場所情報コード形式により、制御部601に通知する(S04-205)。
制御部601は、信号処理部603を用いて、電文(7)から抽出した[配信エリア情報]と、処理S04-205で受信した自車位置情報を照合する。自車位置が配信エリア外に有る場合、制御部601は、電文(7)を破棄する(S04-206)。
自車位置が配信エリア内に有る場合は、制御部601は、制御部501に対して、現在時刻を要求する(S04-207)。
制御部501は、内部メモリ502に記憶されている現在時刻を、制御部601に通知する(S04-208)。
制御部601は、信号処理部603を用いて、電文(7)から抽出した[有効期限]と、処理S04-208で受信した現在時刻を照合する。解除キーの有効期限が過ぎている場合、制御部601は、電文(7)を破棄する(S04-209)。
解除キーが有効期限内である場合、制御部601は、業務用車載型デジタル無線端末400の制御部401に対して、デジタル無線端末の識別ID(ア)′を要求する(S04-210)。
[フェーズ4(3):図14]
制御部401は、識別ID記憶装置409に記憶されたデジタル無線端末の識別ID(ア)′を参照する(S04-211)。
制御部401は、デジタル無線端末の識別ID(ア)′を制御部601に通知する(S04-212)。
制御部601は、信号処理部603を用いて、電文(7)から抽出した[無線端末のシステムコード]と処理S04-212で受信したデジタル無線端末の識別ID(ア)′を照合する。[無線端末のシステムコード]が一致しない場合、制御部601は、電文(7)を破棄する(S04-213)。
[無線端末のシステムコード]が一致する場合、制御部601は、電文(7)を制御部401に転送する(S04-214)。
解除キー記憶装置410が、業務用車載型デジタル無線端末400に搭載されておらず、解除キー記憶装置613で代用している場合、制御部601は、[解除キー]と[有効期限]を解除キー記憶装置613に登録する(S04-214′)。
制御部401は、信号処理部403を用いて、電文(7)から抽出した[解除キー]と[有効期限]を解除キー記憶装置410に登録する(S04-215)。
被災により使用不能だった自営系基地局無線装置750が復旧した場合、あるいは、使用可能な別の自営系基地局無線装置750のサービスエリア内に移動した場合、RF部405の電界強度値(RSSI:Received Signal Strength Indicator)をもって、制御部401はサービスエリア圏内に入ったことを検知する(S04-216)。
制御部401は、[解除キー登録完了通知]を生成し、RF部405を介して、自営系基地局無線装置750に送信する(S04-217)。
図9の処理S02-301と同様の処理を行ったのち、デジタル無線運用管理装置114は、自営系通信網850を介して、[解除キー登録完了通知]を受信し、解除キー運用状況テーブルに対して、当該無線端末IDに対応した解除キー・フラグを[無効]から[有効]に切り替える(S04-218)。
被災により使用不能だった公衆系基地局無線装置700が復旧した場合、あるいは、使用可能な別の公衆系基地局無線装置700のサービスエリア内に移動した場合、データ通信モジュール606の電界強度データをもって、制御部601はサービスエリア圏内に入ったことを検知する(S04-219)。
制御部601は、[解除キー登録完了通知]を生成し、データ通信モジュール606を介して、公衆系基地局無線装置750に送信する(S04-220)。
図10の処理S03-301と同様の処理を行ったのち、デジタル無線運用管理装置114は、公衆系通信網800を介して、[解除キー登録完了通知]を受信し、解除キー運用状況テーブルに対して、当該無線端末IDに対応した解除キー・フラグを[無効]から[有効]に切り替える。
[フェーズ5:図15、図16]
次に、フェーズ5について図15、図16を参照しながら説明する。図15は、フェーズ5(1)の処理を示すフロー図であり、図16は、フェーズ5(2)の処理を示すフロー図である。
フェーズ5(動態情報や位置情報を能動的に収集する)は、管制センターシステム100から、任意のエリアに存在する車両(業務用車両だけでなく、一般車両も含む)に対して、各車両の動態情報や位置情報の送信を要求するための電文を一斉配信することにより、能動的に動態情報や位置情報を収集する。
しかし、大規模な災害が発生した場合は、公衆系通信網800を介して、当該要求電文を配信すると、回線の負荷が増大し、輻輳する恐れがある。そこで、大規模な災害が発生した場合は、回線の負荷をできるだけ軽減しながらも、不特定多数の車両に対して当該要求電文を配信するために、電波塔200を用いるのが適当である。
管制官Aは、操作装置112を用いて、動態情報送信要求コマンドを入力する。その際、必要に応じて、デジタル無線端末の識別ID、動態情報送信要求を配信したいエリア、暗号化の要否を指定する。さらに、入力された情報を、情報解析装置108とデータ送信装置109に送信する。
動態情報送信要求を配信したいエリアについて、想定される表記方法の具体例を以下に示す。
例えば、行政区分コードで表せるように、都道府県、市町村、事務組合などの地方自治体単位で指定するもの、任意に指定したエリアを緯度経度で表記したもの、平面地図をメッシュ状に区切って、インデックスを付与したもの、主要な公共施設や商業施設(例:東京都庁、東京ドーム)、主要な道路や鉄道の路線(例:国道1号線沿線、山手線沿線)の始点と終点で表記する。
情報解析装置108は、任意の表記方法で指定された動態情報送信要求の配信エリアについて、場所情報コード形式の表記に変換し、[配信エリア情報]を生成する。
情報解析装置108は、生成された[配信エリア情報]をデータ送信装置109に送信する。
データ送信装置109は、[動態情報送信要求]コマンドと[配信エリア情報]をもとに電文(8)を生成する。
電文(8)は、主に送信元、配信エリア情報、無線端末の識別ID、動態情報送信要求の内容で構成される。
送信元は、管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
配信エリア情報は、動態情報送信要求を配信したいエリアを場所情報コード形式で表記した情報である。
無線端末の識別IDは、動態情報の送信を要求したい業務用車両300に搭載されている車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDの情報である。
動態情報送信要求は、位置情報を含む動態情報を管制センターシステム100に送信するように要求した電文である。
動態情報送信要求コマンドを入力する際に、暗号化が必要と指定されている場合は、データ送信装置109は、生成された電文(8)を暗号処理部110に転送する。
暗号処理部110は、[無線端末の識別ID]に割り当てられた[解除キー]を、解除キー生成・記憶装置107を参照して、電文(8)を暗号化する。
暗号処理部110は、暗号化した電文(8)をデータ送信装置109に転送する。
データ送信装置109は、暗号化していない電文(8)若しくは暗号化した電文(8)を、電波塔200を介して、送信する。
[フェーズ5(1):図15]
そして、図15に示すように、デジタル放送受信モジュール607は、電波塔200を介して送信された電文(8)を受信する(S05-009)。
デジタル放送受信モジュール607は、電文(8)を信号処理部601に転送する(S05-010)。
信号処理部601は、受信した電文(8)の暗号化の有無を判定し、暗号化されている場合は、復号処理部604と、解除キー記憶装置613に予め記憶されている[解除キー]を用いて、電文(8)の暗号を解く(S05-011)。
業務用カーナビゲーションシステム500において、GPSモジュール505、車速検出装置360、角速度検出装置506、傾斜角検出装置507を用いて常時収集するデータをもとに、制御部501は、地図情報装置511を参照しながら、逐次、所定の演算により、自車位置情報を推定する。並行して、信号処理部503は、GPSモジュール505のデータをもとに所定の演算により、現在時刻を推定する(S05-012)。
演算により求められた自車位置情報と現在時刻は、内部メモリ502に逐次記憶され、ひとつ前の自車位置情報と現在時刻は消去される。
制御部601は、制御部501に対して、自車位置情報を要求する(S05-013)。
制御部501は、内部メモリ502に記憶されている自車位置情報を、場所情報コード形式により、制御部601に通知する(S05-014)。
制御部601は、信号処理部603を用いて、電文(8)から抽出した[配信エリア情報]と、制御部501から受信した自車位置情報を照合する。自車位置が配信エリア外に有る場合、制御部601は、電文(8)を破棄する(S05-015)。
制御部601は、業務用車載無線型デジタル無線端末400の制御部401に対して、デジタル無線端末の識別ID(ア)′を要求する(S05-016)。
[フェーズ5(2):図16]
図16に示すように、制御部401は、識別ID記憶装置409を参照して、取得したデジタル無線端末の識別ID(ア)′を、制御部601に通知する(S05-017)。
制御部601は、デジタル無線端末の識別ID(ア)′と[無線端末の識別ID]を照合し、一致しない場合は、電文(8)を破棄する(S05-018)。
制御部601は、表示部609を介して、乗務員に対して、動態情報を要求する(S05-019)。
更に、表示部609は、動態情報を入力するように、乗務員を促す(S05-020)。
乗務員は、操作部608を介して、当該車両の動態情報を入力する。操作部608は、当該動態情報を制御部601に通知する(S05-021)。
制御部601は、制御部501に対して、現在時刻を要求する(S05-022)。
制御部501は、内部メモリ502に記憶されている現在時刻を、制御部601に通知する(S05-023)。
制御部601は、電文(8)、自車の推定位置、動態情報、現在時刻等の取得した情報をもとに、電文(9)を生成する(S05-024)。
電文(9)は、主に送信先、送信時刻、無線端末の識別ID、動態情報、位置情報の内容で構成される。
送信先は、管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
送信時刻は、電文(9)が生成された(若しくは送信される)時刻の情報である。
無線端末の識別IDは、当該業務用車両300に搭載されている車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDの情報である。
動態情報は、当該業務用車両300の動態(走行中、停車中、または発車、到着など)を示すコードの情報である。
位置情報は、当該業務用車両300の現在位置を示す情報である。
制御部601は、電文(9)をデータ通信モジュール606に転送する(S05-025)。
データ通信モジュール606は、公衆系基地局無線装置700に対して、電文(9)を送信する(S05-026)。
そして、管制センターシステム100において、データ通信送受信装置101は、公衆系通信網800を介して、複数の業務用車両300から送信された電文(9)を逐次受信する。
データ通信送受信装置101は、車両動態情報記憶装置106に対して、逐次、電文(9)を転送する。
車両動態情報記憶装置106は、転送された電文(9)を逐次記憶する。
データ通信送受信装置101は、電文(9)を受信したことを、表示装置111を対して、都度、通知する。
表示装置111は、管制官Aに対して、電文(9)を受信したことを、都度、知らせる。
管制官Aは、操作装置112を介して、表示させたい動態情報の検索条件を入力する。検索条件は、表示する時間範囲、表示するエリア、表示する無線端末の識別IDなどである。入力した検索条件は、情報解析装置108に送信される。
情報解析装置108は、車両動態情報記憶装置106と地図情報記憶装置103に対して、当該検索条件に該当する情報を照会する。
車両動態情報記憶装置106は、当該検索条件で検索を行い、情報解析装置108に対して、条件に該当する車両の[動態情報]と[位置情報]を通知する。
地図情報記憶装置103は、当該検索条件で検索を行い、情報解析装置108に対して、条件に該当する[地図情報]を通知する。
情報解析装置108は、[動態情報]、[位置情報]及び[地図情報]をマージ(併合)して、その結果を、表示装置111に送信する。
表示装置111は、管制官Aに対して、当該検索条件に該当する車両の〔動態情報〕と〔位置情報〕を地図上に表示する。
[クラウド・コンピューティング技術の応用]
クラウド・コンピューティング技術を用いて、各々のデジタル無線指令系装置115から、データセンタに設置された情報解析装置108にアクセスした場合の手順を以下説明する。
管制官Bは、操作装置117を介して、動態情報送信要求コマンドを入力する。操作装置117は、当該コマンドをデジタル無線指令系装置115に転送する。
デジタル無線指令系装置115は、動態情報送信要求コマンドに対して、予めデジタル無線運用管理装置114に設定されている次の情報を自動的に付加する。
自動的に付加される情報は、当該デジタル無線システムのみで運用・管理する無線端末の識別IDの情報、当該デジタル無線システムで使用できるサービスエリアを示した場所情報コードの情報、暗号化の要否の情報である。
上記情報を付加した動態情報送信要求コマンドを、デジタル無線指令系装置115は、情報解析装置108とデータ送信装置109に送信する。
その後、情報解析装置108での[配信エリア情報]を生成し、データ送信装置109に送信し、データ送信装置109で電文(8)を生成し、電波塔200を介して電文(8)を送信し、車両からの動態情報と位置情報の収集は上述した通りである。
表示装置116は、都度、情報解析装置108で送信され、デジタル無線指定系装置115で受信した動態情報を、管制官Bに知らせる。
管制官Bは、操作装置117を介して、表示させたい動態情報の検索条件を入力する。検索条件は、表示する時間範囲、表示するエリア、表示する無線端末の識別IDなどである。入力した検索条件は、デジタル無線指定系装置115を介して、情報解析装置108に送信される。
情報解析装置108における車両の[動態情報]と[位置情報]、[地図情報]のマージする処理は、上述した通りである。
表示装置116は、管制官Bに対して、指定した検索条件に該当する車両の[動態情報]と[位置情報]を地図上に表示する。
[フェーズ6]
次に、フェーズ6(緊急避難情報などを配信する)について説明する。
[フェーズ6(1)]
まず、フェーズ6(1)について説明する。
データ通信送受信装置101は、自営系通信網850を介して、複数の監視装置760から送信された電文(10)を受け付けて、情報解析装置108と監視情報記憶装置105に都度送信する。
電文(10)は、主に送信先、送信時刻、監視装置の識別ID、監視情報、位置情報の内容で構成される。
送信先は、管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、自営系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
送信時刻は、電文(10)が生成された(若しくは送信される)時刻の情報である。
監視装置の識別IDは、当該監視装置760の個々に付与された装置固有の識別IDの情報である。
監視情報は、当該監視装置760で検出された監視情報である。
位置情報は、当該監視装置760が固定されている場合は設置された場所を、当該監視装置760が可搬である場合は〔監視情報〕を検出した場所を、場所情報コード形式で表記した情報である。
監視情報記憶装置105は、データ通信送受信装置101から送信された電文(10)を都度記憶する。
情報解析装置108は、複数の[監視情報]をもとに、地図情報記憶装置103を参照しながら、災害や事故発生の有無を判定する。
データ通信送受信装置101は、自営系通信網850を介して、複数の観測装置770から送信された電文(11)を受け付けて、当該情報を、情報解析装置108と気象情報記憶装置106に都度送信する。
電文(11)は、主に送信先、送信時刻、監視装置の識別ID、観測情報、位置情報の内容で構成される。
送信先は、管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、自営系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
送信時刻は、電文(11)が生成された(若しくは送信される)時刻の情報である。
監視装置の識別IDは、当該観測装置770の個々に付与された装置固有の識別IDの情報である。
観測情報は、当該観測装置770で検出された観測情報である。
位置情報は、当該観測装置770が固定されている場合は設置された場所を、当該観測装置770が可搬である場合は[観測情報]を検出した場所を、場所情報コード形式で表記した情報である。
気象情報記憶装置104は、データ通信送受信装置101から送信された電文(10)を都度記憶する。
情報解析装置108は、複数の[気象情報]をもとに、地図情報記憶装置103を参照しながら解析を行い、気象に係る予報・予測を行う。
災害や事故発生の有無の判定、気象に係る予報・予測の結果、注意報や警報を発令する必要がある場合、情報解析装置108は、地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105を参照しながら、災害や事故毎にエリア毎の被災するリスクの度合いや内容を解析し、解析した結果を地図上にマッピングする。当該解析には既存の手法を用いる。
情報解析装置108は、上記解析した結果を表示装置111に転送する。並行して、情報解析装置108は、デジタル無線指令系装置115を介して、表示装置116に解析結果を転送する。
表示装置111は、管制官Aに対して、上記解析した結果をもとに、被災リスクの高いエリアと注意・警戒すべき内容を表示する。
管制官Aは、操作装置112を介して、被災リスクの高いエリアについて、緊急避難情報配信コマンドを入力し、必要に応じて、配信した情報の有効期限を設定する。当該情報は、情報解析装置108とデータ送信装置109に転送される。
情報解析装置108は、[緊急避難情報]を配信したいエリアを、地図情報記憶装置103を参照しながら、場所情報コード形式の表記に変換し、[配信エリア情報]を生成する。
情報解析装置108は、上記生成した[配信エリア情報]を、データ送信装置109に転送する。
データ送信装置109は、[配信ID]を生成したのち、電文(12)を生成する。尚、本電文は、一般車両や業務用車両に関わらず、周知すべき内容が含まれているため、暗号化は行わないものとする。
電文(12)は、主に配信ID、配信エリア情報、有効期限、緊急避難情報の内容で構成される。
配信IDは、電文(12)毎に付与される固有のIDの情報である。
配信エリア情報は、緊急避難情報を配信したいエリアを場所情報コード形式で表記した情報である。
有効期限は、配信する緊急避難情報の表示が有効な期間を示す情報である。
緊急避難情報は、避難指示の内容を示す情報であり、具体例として「津波発生!高台に避難してください」「○○川の上流域で豪雨が発生しています!堤防が決壊する恐れがありますので、避難してください!」等の情報である。
データ送信装置109は、電波塔200を介して、電文(12)を送信する。有効期限内は、繰り返し送信する。
有効期限が過ぎた場合、データ送信装置109は、電文(12)の送信を停止する。
[フェーズ6(2):図17]
次に、フェーズ6(2)について図17を参照しながら説明する。図17は、フェーズ6(2)の処理を示すフロー図である。
データ放送受信モジュール607は、電波塔200を介して、電文(12)を受信する(S06-016)。
データ放送受信モジュール607は、制御部601に、電文(12)を転送する(S06-017))。
制御部601は、信号処理部603を用いて、電文(12)から抽出した[配信ID]と、内蔵メモリ602に記憶された[配信ID]を照合する。一致しない場合は、新規に受信した情報であると判断し、内蔵メモリ602に電文(12)の[配信ID]を記憶する(S06-018)。
制御部601は、内蔵メモリ602に記憶された[配信ID]と、電文(12)の[配信ID]が一致した場合は、電文(12)を破棄する(S06-019)。
業務用カーナビゲーションシステム500において、GPSモジュール505、車速検出装置360、角速度検出装置506、傾斜角検出装置507を用いて常時収集するデータをもとに、制御部501は、地図情報装置511を参照しながら、逐次、所定の演算により、自車位置情報を推定する。並行して、信号処理部503は、GPSモジュール505のデータをもとに所定の演算により、現在時刻を推定する(S06-020)。
演算により求められた自車位置情報と現在時刻は、内部メモリ502に逐次記憶され、ひとつ前の自車位置情報と現在時刻は消去される。
制御部601は、制御部501に対して、自車位置情報を要求する(S06-021)。
制御部501は、内部メモリ502に記憶されている自車位置情報を、場所情報コード形式により、制御部601に通知する(S06-022)。
制御部601は、信号処理部603を用いて、電文(12)から抽出した[配信エリア情報]と、制御部501から受信した自車位置情報を照合する。自車位置が配信エリア外に有る場合、制御部601は、電文(12)を破棄する(S06-023)。
制御部601は、制御部501に対して、現在時刻を要求する(S06-024)。
制御部501は、内部メモリ502に記憶されている現在時刻を、制御部601に通知する(S06-025)。
制御部601は、内蔵メモリ602に電文(12)を記憶させる。電文(12)が有効期限内にある場合、制御部601は、電文(12)の記憶を保持しながら、[緊急避難情報]を表示部609で表示させ、内部スピーカ610で警告音や警告メッセージを鳴動させる(S06-026)。
電文(12)が有効期限を過ぎた場合、制御部601は、電文(12)を破棄して、表示部609について、[緊急避難情報]の表示を停止させ、内部スピーカ610の警告音や警告メッセージを停止させる(S06-027)。
電文(12)が内蔵メモリ602に保持されている間、制御部601は、表示部609における[緊急避難情報]の表示や、内部スピーカ610における警告音や警告メッセージの鳴動を継続する(S06-028)。
電文(12)が内蔵メモリ602から破棄された場合は、制御部601は、表示部609における[緊急避難情報]の表示や、内部スピーカ610における警告音や警告メッセージの鳴動を停止する(S06-029)。
[クラウド・コンピューティング技術の応用]
クラウド・コンピューティング技術を用いて、各々のデジタル無線指令系装置115から、データセンタに設置された情報解析装置108にアクセスした場合の手順を以下に付記する。
デジタル無線指令系装置115は、解析によって生成した被災リスクの高いエリアと注意・警戒すべき内容を取得し、表示装置116は、管制官Bに対して、当該地図情報を表示する。
管制官Bは、表示装置116を構成するスピーカと、操作装置117を構成するマイクを介して、避難対象エリアの車両に乗務している乗務員と随時、通話を行う。
その通話の動作において、デジタル無線指令系装置115は、避難対象エリアの無線端末IDを、優先的に選択して発着信制御を行い、デジタル無線回線制御装置113と当該制御情報をやり取りする。
デジタル無線回線制御装置113は、デジタル無線指令系装置115とやりとりする当該制御情報をもとに、優先的に選択された無線端末IDの業務用車載型デジタル無線端末400と通話ができるように、回線制御を行う。
デジタル無線運用管理装置114は、デジタル無線回線制御装置113の回線制御の結果を受けて、着発信などの通話履歴を記憶する。
[フェーズ7]
次に、フェーズ7(最新の地図情報および任意の道路区間やエリアにおける通行可否などを配信する処理)は、災害発生直後から復旧作業完了までの間、各々のデジタル無線システムを介して、位置情報を付加した音声データや任意のテキストデータ、画像データなどの被災エリアにおける詳細な情報を、クラウド・コンピューティング技術を利活用して、国や現地地方自治体の災害対策本部で運用する情報制御システムに集約する。
情報の内容によっては、被害拡大の防止のため、行政や民間の各種団体が運用する情報制御システムやデジタル無線システムに開示し、情報の共有化を行う。
また、クラウド・コンピューティング技術を利活用して、フェーズ5で示した方法により収集した各種業務車両の動態情報とともに、一般車両から収集した民間各社のプローブ情報(参考例:http://www.its-jp.org/saigai/)を用いて、行政や民間で共有している道路情報の更新を行い、一般車両や業務用車両の種別ごと分別して、最新の地図情報や任意の道路区間やエリアにおける通行の可否を配信する。
以下、フェーズ7について具体的にフェーズ7−1〜7−8を説明する。
[フェーズ7−1]
フェーズ7−1は、各種業務車両の動態情報と一般車両のプローブ情報を用いて、通行可能な道路を判定・表示する処理である。
具体的には、データ通信送受信装置101は、公衆系通信網800や自営系通信網850を介して、各種業務車両や一般車両の[動態情報]と[位置情報]を逐次受信し、都度、車両動態情報記憶装置106に当該情報を転送する。
車両動態情報記憶装置106は、上記転送された各種業務車両や一般車両の[動態情報]と[位置情報]を逐次記憶する。
情報解析装置108は、地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105、車両動態情報記憶装置106の各種情報を参照しながら、任意の道路ごとに通行実績を集計するとともに、当該道路の通行可否を逐次判定する。通行可否の判定は、既存の手法を利用する。
情報解析装置108は、任意の道路毎に通行可否を判定した結果をデジタル地図上にマッピングし、情報制御システムの表示装置111、およびデジタル無線システムの表示装置116に転送する。
情報解析装置108に接続する表示装置111は、管制官Aに対して、デジタル地図上にマッピングして生成した道路毎の通行可否の判定結果を示した地図情報を逐次表示する。
デジタル無線システムの表示装置116は、管制官Bに対して、生成した道路毎の通行可否の判定結果を示した地図情報を逐次表示する。
[フェーズ7−2:図18]
フェーズ7−2は、被災エリアにおける詳細な情報を、現地から自営系通信網850(デジタル無線システム)を経由して送信する処理である。
フェーズ7−2について図18を参照しながら説明する。図18は、フェーズ7−2の処理を示すフロー図である。
各種業務車両の乗務員は、業務用車載型デジタル無線端末400のスピーカマイクまたはハンドセット413を用いて、プレスボタンを押下し、通話をする(S07-006)。
信号処理部403は、乗務員の音声をアナログ信号からデジタル信号に変換した後、各種コーデック方式で圧縮して、[音声データ]を生成する(S07-007)。
各種業務車両の乗務員は、操作部406を用いて、被災エリアにおける自車周辺の情報について、任意のテキストまたは定型文を入力して、制御部401に送信する(S07-008)。
業務用カーナビゲーションシステム500において、GPSモジュール505、車速検出装置360、角速度検出装置506、傾斜角検出装置507を用いて常時収集するデータをもとに、制御部501は、地図情報装置511を参照しながら、逐次、所定の演算により、自車位置情報を推定する。並行して、信号処理部503は、GPSモジュール505のデータをもとに所定の演算により、現在時刻を推定する(S07-009)。
演算により求められた自車位置情報と現在時刻は、内部メモリ502に逐次記憶され、ひとつ前の自車位置情報と現在時刻は消去される。
業務用車載型デジタル無線端末400の制御部401は、制御部501に対して、自車位置情報を要求する(S07-010)。
制御部501は、制御部401に対して、上記推定された自車位置を場所情報コード形式で通知する(S07-011)。
制御部401は、制御部501に対して、現在時刻を要求する(S07-012)。
制御部501は、制御部401に対して、上記推定された現在時刻を通知する(S07-013)。
自営系通信網850経由で送信する情報が音声データの場合、制御部401は、識別ID記憶装置409を参照しながら、電文(13)を生成する(S07-014)。
電文(13)は、主に送信先、送信時刻、無線端末の識別ID、位置情報、音声データの内容で構成される。
送信先は、管制センターシステム100に設置されたデジタル無線回線制御装置113に割り当てられた装置コードなど、デジタル無線システム内でローカルに使用される情報である。
送信時刻は、電文(13)が生成された(若しくは送信される)時刻の情報である。
無線端末の識別IDは、業務用車載型デジタル無線端末400に付与された(無線免許に記載されている)呼出名称と対応付けられた識別IDの情報である。尚、送信先と重複する場合は、省略可能である。
位置情報は、電文(13)が生成された(若しくは送信される)自車位置を場所情報コード形式で表記した情報である。
音声データは、乗務員の通話することによって生じた音声信号について、デジタル処理を行ったデータである。
自営系通信網850経由で送信する情報がテキストデータの場合、制御部401は、識別ID記憶装置409を参照しながら、電文(14)を生成する(S07-015)。
電文(14)は、主に送信先、送信時刻、無線端末の識別ID、位置情報、テキストデータの内容で構成される。尚、テキストデータ以外の情報は、電文(13)と同様である。
テキストデータは、乗務員が入力した任意あるいは定型の文章(テキスト)のデータである。
信号処理部403は、電文(13)または電文(14)の符号化・変調処理を行い、RF部405に送信する(S07-016)。
RF部405は、符号化・変調した電文(13)または電文(14)を含む信号を増幅して、自営系通信網850を介して、電文(13)または電文(14)を管制センターシステム100宛てに送信する(S07-017)。
[フェーズ7−3:図19]
次に、フェーズ7−3(被災エリアにおける詳細な情報を現地から公衆系通信網800を経由して送信する処理)について図19を参照しながら説明する。図19は、フェーズ7−3の処理を示すフロー図である。
各種業務車両の乗務員は、測距機能付きデジタルカメラ650を用いて、自車位置周辺の被災状況を撮影し、必要に応じて、目標物の距離等を測定し、その結果を車載用運用管理情報端末600の表示部609に表示させる。被災状況の画像や測定データを送信したい場合は、操作部608にて所定の操作を行って、制御部601に転送する(S07-018)。
信号処理部603は、処理S07-018で取得した画像情報を圧縮して[画像データ]を生成する(S07-019)。
各種業務車両の乗務員は、操作部608を用いて、被災エリアにおける自車周辺の情報について、任意のテキストまたは定型文を入力して、制御部601に送信する(S07-020)。
制御部601は、制御部501に対して、自車位置情報を要求する(S07-021)。
制御部501は、制御部601に対して、図18における処理S07-009で推定された自車位置を場所情報コード形式で通知する(S07-022)。
制御部601は、制御部501に対して、現在時刻を要求する(S07-023)。
制御部501は、制御部601に対して、処理S07-009で推定された現在時刻を通知する(S07-024)。
公衆系通信網800経由で送信する情報が画像データの場合、制御部601は、制御部401を介して、識別IDを取得し、電文(15)を生成する(S07-025)。
電文(15)は、主に送信先、送信時刻、無線端末の識別ID、位置情報、画像データ、測定データの内容で構成される。送信時刻、無線端末の識別ID、位置情報は、電文(13),(14)の内容と同様である。
送信先は、管制センターシステム100に設置されたデータ通信送受信装置101に割り当てられたメールアドレスやIPアドレス、ポート番号など、公衆系通信網のプロトコルに準拠した情報である。
画像データは、測距機能付きデジタルカメラ650を用いて撮影した画像情報をJPEGやGIFなどのファイル形式に変換したデータである。
測定データは、測距機能付きデジタルカメラ650を用いて測定した対象物までの距離や、当該対象物のある方位、当該対象物の高さや幅を測定したデータ(具体例として、道路の地割れの長さに関するデータ等)である。
公衆系通信網800経由で送信する情報がテキストデータの場合、制御部601は、制御部401を介して、識別IDを取得し、電文(16)を生成する(S07-026)。
電文(16)は、主に送信先、送信時刻、無線端末の識別ID、位置情報、テキストデータの内容で構成される。テキストデータ以外の情報は、電文(15)と同様である。
テキストデータは、乗務員が入力した任意あるいは定型の文章(テキスト)のデータである。
制御部601は、電文(15)または電文(16)をデータ通信モジュール606に転送する(S07-027)。
データ通信モジュール606は、公衆系通信網800を介して、電文(15)または電文(16)を管制センター100宛てに送信する(S07-028)。
[フェーズ7−4:図20]
次に、フェーズ7−4(自営系通信網850(デジタル無線システム)経由で送信された現地の情報を、管制センターシステム100で集約し、表示させる処理)について図20を参照しながら説明する。図20は、フェーズ7−4の処理を示すフロー図である。
デジタル無線回線制御装置113は、自営系通信網850経由で受信した電文(13)または電文(14)を受け付ける(S07-029)。
デジタル無線運用管理装置114は、電文(13)または電文(14)の発着信時刻などの通信履歴を記憶する(S07-030)。
デジタル無線回線制御装置113は、デジタル無線指令系装置115に対して、[音声データ]を含む電文(13)を転送する(S07-031)。
デジタル無線指令系装置115は、〔音声データ〕を各種コーデック方式による復号処理やD/A変換して、乗務員の音声信号を復元する。復元した音声信号を表示装置116のスピーカに送信するとともに、電文(13)の内容を表示装置116に通知する(S07-032)。
表示装置116は、管制官Bに対して、乗務員の音声を出力するとともに、当該通話がなされた[位置情報]や[無線端末の識別ID]を表示する(S07-033)。
デジタル無線回線制御装置113は、[テキストデータ]を含む電文(14)をデジタル無線指令系装置115に転送する(S07-034)。
デジタル無線指令系装置115は、電文(14)の内容を表示装置116に通知する(S07-035)。
表示装置116は、管制官Bに対して、[テキストデータ]の内容を表示するとともに、当該情報が送信された[位置情報]や[無線端末の識別ID]を表示する(S07-036)。
管制官Bは、操作装置117を用いて、現地の乗務員から上がった情報([音声データ]や[テキストデータ]の内容)をもとに、[伝達情報]を編集し、[情報開示範囲]を指定して、デジタル無線指令系装置115に転送する(S07-037)。
[伝達情報]と[情報開示範囲]の具体例を以下に示す。
例1としては、伝達情報の例が「救援活動のため、A1〜C4のエリア内は、一般車両は通行禁止です。」で、情報発信元の例が「現地の消防本部の車両(レスキュー隊員)」で、情報開示範囲の例が「一般車両、災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103」である。
例2としては、伝達情報の例が「地震により、○○号線の△△交差点で地割れが発生しており、通行不可です。別のルートを迂回してください。」で、情報発信元の例が「現地の警察本部の車両(交通整理中の警官)」で、情報開示範囲の例が「一般車両、災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103」である。
例3としては、伝達情報の例が「道幅が狭いため、●●号線のA地点からB地点までは、大型車両は通行禁止です。」で、情報発信元の例が「現地地方自治体の車両(役所の職員)」で、情報開示範囲の例が「一般車両、災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター、特に、建設会社や運送会社、バスなどの公共交通機関」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103」である。
例4としては、伝達情報の例が「◇◇地区のガソリンスタンドは、ガソリン、軽油ともに備蓄がありません。」で、情報発信元の例が「現地地方自治体の車両(役所の職員)」で、情報開示範囲の例が「一般車両、災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103」である。
例5としては、伝達情報の例が「△△地区のガソリンスタンドは、軽油のみ備蓄があります。救援車両のみ給油ができます。」で、情報発信元の例が「現地地方自治体の車両(役所の職員)」で、情報開示範囲の例が「災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103」である。
例6としては、伝達情報の例が「○○橋の仮設作業が完了しました。4トントラックまで○○橋を通行できます。」で、情報発信元の例が「現地地方自治体の車両(役所の職員)または自衛隊の車両(自衛隊員)」で、情報開示範囲の例が「一般車両、災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103」である。
例7としては、伝達情報の例が「観測拠点XXの電源設備の故障により、××における観測データは収集不能です。XX周辺は観測データの空白域になるため、警戒が必要です。」で、情報発信元の例が「気象庁の車両(気象庁の職員)」で、情報開示範囲の例が「災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター、特に気象情報提供会社やGISデータ提供会社」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104」である。
例8としては、伝達情報の例が「落雷による監視カメラの故障のため、○○川の状況が把握できない状況です。○○川下流域は、警戒が必要です。」又は「火砕流による監視カメラの破損のため、××周辺は状況が把握できない状況です。XX周辺は情報の空白域になるため、警戒が必要です。」で、情報発信元の例が「現地地方自治体の車両(役所の職員)」で、情報開示範囲の例が「一般車両、災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター、特に気象情報提供会社やGISデータ提供会社」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103、監視情報記憶装置105」である。
例9としては、伝達情報の例が「干ばつにより、△△池が干上がっているため、消火活動時に取水できません。」で、情報発信元の例が「現地地方自治体の車両(役所の職員)」で、情報開示範囲の例が「災害対策本部、現地の消防本部」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103、監視情報記憶装置105」である。
例10としては、伝達情報の例が「満床のため、急患の受け入れができません。」又は「10床ベッドの空きがあります。」又は「○○科の医師が不足しており、患者の症状によっては受け入れできない場合があります。」で、情報発信元の例が「救急指定病院などの医療機関」で、情報開示範囲の例が「災害対策本部、現地の消防本部」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103、監視情報記憶装置105」である。
例11としては、伝達情報の例が「××地区のモニタリングポストで比較的強い放射線量を検出しました。XX地区周辺には近寄らないでください。」で、情報発信元の例が「電気事業者の車両(電力会社の社員)または現地地方自治体の車両(役所の職員)」で、情報開示範囲の例が「災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター、特に気象情報提供会社やGISデータ提供会社」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103、監視情報記憶装置105」である。
例12としては、伝達情報の例が「大きな地震により、○○ビルのエレベータが緊急停止しました。数人がエレベータ内に閉じ込められています。」で、情報発信元の例が「ビルの管理会社」で、情報開示範囲の例が「災害対策本部、現地の消防本部、現地の警察本部、民間企業の管制センター、特にエレベータの保守会社」で、伝達情報の保存先が「地図情報記憶装置103、監視情報記憶装置105」である。
デジタル無線指令系装置115は、電文(13)または電文(14)から抽出した[位置情報][送信時刻]に、[伝達情報][情報開示範囲]を付加して、災害対策本部が使用する情報制御システムの情報解析装置108に送信する(S07-038)。
災害対策本部が運用する情報制御システムの情報解析装置108は、[情報開示範囲]をもとに、行政や民間の各種団体が運用する各々の情報制御システムに振り分けて、[位置情報][送信時刻][伝達情報]を、当該団体が運用する各々の地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105のいずれかに転送する。
行政や民間の各種団体が運用する各々の情報制御システムの地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105は、災害対策本部が運用する情報制御システムの情報解析装置108から転送された[位置情報][送信時刻][伝達情報]を記憶する。
行政や民間の各種団体が運用する各々の情報制御システムの情報解析装置108において、当該団体が運用する地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105に記憶された[伝達情報]の内容を地図上にマッピングして、当該団体が運用する情報制御システムの表示装置111、またはデジタル無線指令系装置115に逐次転送する。
当該各種団体が運用する情報制御システムの表示装置111は、管制官Aに対して、被災状況を含む最新の地図情報と[伝達情報]を表示する。
当該団体が運用するデジタル無線システムの表示装置116は、管制官Bに対して、デジタル無線指令系装置115を介して取得した被災状況を含む最新の地図情報と[伝達情報]を表示する。
[フェーズ7−5]
次に、フェーズ7−5(公衆系通信網経由で送信された現地の情報を、管制センターシステム100で集約し、表示させる処理)について説明する。
データ通信送受信装置101は、公衆系通信網800経由で受信した電文(15)または電文(16)を受け付ける。
データ通信送受信装置101は、行政や民間の各種団体が運用する各々の情報制御システムの情報解析装置108に対して、[画像データ]を含む電文(15)を転送する。
当該団体で運用する情報解析装置108は、表示装置111に電文(15)の内容を通知する。
表示装置111は、管制官Aに対して、[画像データ][測定データ]の内容を表示するとともに、当該情報が送信された[位置情報]や[無線端末の識別ID]を表示する。
データ通信送受信装置101は、当該団体が運用する情報解析装置108に対して、[テキストデータ]を含む電文(16)を転送する。
当該団体で運用する情報解析装置108は、表示装置111に電文(16)の内容を通知する。
表示装置111は、管制官Aに対して、[テキストデータ]の内容を表示するとともに、当該情報が送信された[位置情報]や[無線端末の識別ID]を表示する。
管制官Aは、操作装置117を用いて、現地から送られてきた情報([画像データ][測定データ][テキストデータ]の内容)をもとに、[伝達情報]を編集し、[情報開示範囲]を指定して、当該団体で運用する情報解析装置108に転送する。[伝達情報]と[情報開示範囲]の具体例については、前述の通りである。
当該団体で運用する情報解析装置108は、電文(15)または電文(16)から抽出した[位置情報][送信時刻]に、[伝達情報][情報開示範囲]を付加して、災害対策本部が使用する情報制御システムの情報解析装置108に送信する。
災害対策本部が運用する情報制御システムの情報解析装置108は、[情報開示範囲]をもとに、行政や民間の各種団体が運用する各々の情報制御システムに振り分けて、[位置情報][送信時刻][伝達情報]を、当該団体が運用する各々の地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105のいずれかに転送する。
行政や民間の各種団体が運用する各々の情報制御システムの地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105は、災害対策本部が運用する情報制御システムの情報解析装置108から転送された[位置情報][送信時刻][伝達情報]を記憶する。
行政や民間の各種団体が運用する各々の情報制御システムの情報解析装置108において、当該団体が運用する地図情報記憶装置103、気象情報記憶装置104、監視情報記憶装置105に記憶された[伝達情報]の内容を地図上にマッピングして、当該団体が運用する情報制御システムの表示装置111、またはデジタル無線指令系装置115に逐次転送する。
当該団体が運用する情報制御システムの表示装置111は、管制官Aに対して、被災状況を含む最新の地図情報と[伝達情報]を表示する。
当該団体が運用するデジタル無線システムの表示装置116は、管制官Bに対して、デジタル無線指令系装置115を介して取得した被災状況を含む最新の地図情報と[伝達情報]を表示する。
[フェーズ7−6:図21]
次に、フェーズ7−6(管制センターシステム100から、被災エリアにおける最新の地図情報および任意の道路区間やエリアにおける通行可否などを、電波塔200を介して、配信する処理)について図21を参照しながら説明する。図21は、フェーズ7−6の処理を示すフロー図である。
管制官Aは、操作装置112を用いて、最新の地図情報から被災エリアに配信する[伝達情報]を選択し、適時、エリア情報配信コマンドを入力する。必要に応じて、配信する[伝達情報]が適用されるエリアと有効期限を指定する。
尚、特定の業務用車両に対して[伝達情報]を配信する場合は、[デジタル無線端末の識別ID]と暗号化の有無を指定する。入力したエリア情報配信コマンドを、情報解析装置108とデータ送信装置109に送信する。
ここで、配信する[伝達情報]が適用されるエリアについて、想定される表記方法の具体例を以下に示す。
例えば、行政区分コードで表せるように、都道府県、市町村、事務組合などの地方自治体単位で指定するもの、任意に指定したエリアを緯度経度で表記したもの、平面地図をメッシュ状に区切って、インデックスを付与したもの、主要な公共施設や商業施設(例:東京都庁、東京ドーム)、主要な道路や鉄道の路線(例:国道1号線沿線、山手線沿線)の始点と終点、あるいは交差点などのスポット、その他の任意のスポット(例:ガソリンスタンドの所在地、仮設した橋など)で表記する。
情報解析装置108は、[伝達情報]に付随する位置情報について、地図情報記憶装置103を参照しながら、場所情報コード形式の表記に変換し、[位置情報]を生成する。
情報解析装置108は、上記生成した[位置情報]を、データ送信装置109に転送する。
そして、図21に示すように、データ送信装置109は、[配信ID]を生成し、[伝達情報]を含んだ電文(17)を生成する(S07-059)。
電文(17)は、主に配信ID、位置情報、有効期限、伝達情報の内容で構成される。
配信IDは、電文(17)毎に付与される固有のIDの情報である。
位置情報は、[伝達情報]が適用されるエリアを場所情報コード形式で表記した情報である。
有効期限は、[伝達情報]の表示期限を定めた情報である。
伝達情報は、行政や民間の各種団体が運用する情報制御システム、およびデジタル無線システムを介して収集された被災エリアにおける各種情報のうち、当該団体の管制官Aが、現地で活動する車両に対して周知することが適当と判断したもの(具体例は、図20の処理S07-037の説明を参照。)
電文(17)に対して暗号化する必要がある場合、データ送信装置109は、暗号処理部110に対して、電文(17)を転送する(S07-060)。
暗号処理部110は、解除キー生成・記憶装置107を参照しながら、管制官Aが操作装置112で指定した[デジタル無線端末の識別ID]に対応する[解除キー]を用いて、電文(17)を暗号化する(S07-061)。
暗号処理部110は、データ送信装置109に対して、暗号化した電文(17)を転送する(S07-062)。
データ送信装置109は、電文(17)が有効期限内にある場合、電波塔200を介して、電文(17)を一定の時間間隔で送信する(S07-063)。
データ送信装置109は、電文(17)が有効期限を過ぎた場合、電文(17)の送信を停止し、破棄する(S07-064)。
[フェーズ7−7:図22]
次に、フェーズ7−7(被災エリアにいる各種業務車両において、最新の地図情報および任意の道路区間やエリアにおける通行可否などの道路情報を表示する処理)について図22を参照しながら説明する。図22は、フェーズ7−7の処理を示すフロー図である。
業務用カーナビゲーションシステム500において、GPSモジュール505、車速検出装置360、角速度検出装置506、傾斜角検出装置507を用いて常時収集するデータをもとに、制御部501は、地図情報装置511を参照しながら、逐次、所定の演算により、自車位置情報を推定する。並行して、信号処理部503は、GPSモジュール505のデータをもとに所定の演算により、現在時刻を推定する(S07-065)。
演算により求められた自車位置情報と現在時刻は、内部メモリ502に逐次記憶され、ひとつ前の自車位置情報と現在時刻は消去される。
デジタル放送受信モジュール607は、電波塔200を介して、電文(17)を受信する(S07-066)。
デジタル放送受信モジュール607は、制御部601に対して、受信した電文(17)を転送する(S07-067)。
処理S07-067で転送された電文(17)が暗号化されていない場合、制御部601は、制御部501に対して、電文(17)を転送する(S07-068)。
制御部501は、転送された電文(17)に含まれる[配信ID]について、地図記憶情報511に対して照会する(S07-069)。
処理S07-069で照会した結果、地図記憶情報511に記憶された[配信ID]と一致した場合、制御部501は、電文(17)の内容を記憶済みと判断し、電文(17)を破棄する(S07-070)。
処理S07-069で照会した結果、地図記憶情報511に記憶された[配信ID]と一致しない場合、制御部501は、電文(17)は新規の内容を含んでいると判断し、地図記憶装置511に対して、電文(17)を転送する(S07-071)。
地図記憶装置511は、転送された電文(17)の内容を記憶する(S07-072)。
制御部501は、表示部509に対して、適時、電文(17)の内容を適時、通知する(S07-073)。
表示部509は、乗務員に対して、適時、電文(17)の内容を表示する。
処理S07-067で転送された電文(17)が暗号化されている場合、復号処理部604は、解除キー記憶装置613に記憶された[解除キー]を参照して、暗号化された電文(17)の暗号を解除する(S07-075)。
処理S07-075において、暗号が解除できない場合、制御部601は、別の車両に対して配信されたものであると判断し、電文(17)を破棄する(S07-076)。
処理S07-075において、暗号が解除できた場合、制御部601は、電文(17)に含まれる[配信ID]について、内蔵メモリ602に対して照会する(S07-077)。
処理S07-077で照会した結果、内蔵メモリ602に記憶された[配信ID]と一致した場合、制御部601は、電文(17)の内容を記憶済みと判断し、電文(17)を破棄する(S07-078)。
処理S07-077で照会した結果、内蔵メモリ602に記憶された[配信ID]と一致しない場合、制御部601は、電文(17)は新規の内容を含んでいると判断する。その判断を受けて、内蔵メモリ602は電文(17)の内容を記憶する(S07-079)。
制御部601は、表示部609に対して、適時、電文(17)の内容を適時、通知する(S07-080)。
表示部609は、乗務員に対して、適時、電文(17)の内容を表示する。
[フェーズ7−8]
次に、フェーズ7−8(期限切れの地図情報および任意の道路区間やエリアにおける通行可否などの道路情報を削除する処理)について説明する。
制御部501は、適時、地図記憶装置511に対して、有効期限付きの[配信ID]を検索する。
図22の処理S07-065で推定した現在時刻と比較して、検索した[配信ID]の期限が過ぎていた場合、制御部501は、地図記憶装置511に対して、期限切れの[配信ID]を通知する。
地図記憶装置511は、期限切れの[配信ID]に対応する[伝達情報]や[位置情報]を削除する。
制御部601は、制御部501に対して、現在時刻を要求する。
制御部501は、制御部601に対して、現在時刻を通知する。
制御部501は、上記取得した現在時刻と比較して、検索した[配信ID]の期限が過ぎていた場合、内蔵メモリ602に対して、期限切れの[配信ID]を通知する。
内蔵メモリ602は、期限切れの[配信ID]に対応する[伝達情報]や[位置情報]を削除する。
[緊急情報配信の概略:図23]
ここで、フェーズ6における緊急情報配信の概略を図23に示す。図23は、緊急情報配信の概略図である。
図23のフェーズ6では、自営系通信網850に接続する監視装置760及び観測装置770からの監視情報及び観測情報を管制センターシステム100が収集し、情報解析装置108が地図情報、気象情報、監視情報及び観測情報を基に被災リスクの度合いや内容を解析し、解析結果を地図上にマッピングし、配信エリア情報を含む緊急避難情報を電文(12)で電波塔200を介してデジタル放送で配信する。
業務用車両システム300の車載用運用管理情報端末600は、デジタル放送受信モジュール607でデジタル放送による電文(12)を受信し、車両の位置情報が配信エリア内であれば、該当する緊急避難情報を表示部609に表示させ、内部スピーカ610で警告音や警告メッセージを出力する。
図23では、エリア毎に異なる緊急避難情報を送信して出力した場合を示している。
[フェーズ8]
次に、フェーズ8(デジタル無線システムの運用管理情報を配信する処理)について説明する。
全国消防システムでは、予め無線端末に設定したグループ番号に紐付けられてグループ通信を行う。他の消防本部から応援で来た車両を含めて、事案(災害や事故など)が発生する度に、柔軟かつ円滑にグループ編成を行いたいというニーズがある。
そこで、フェーズ8では、消防向けデジタル無線システムを例に、フェーズ5とフェーズ7で示した手順を応用して、グループ編成を行うために運用管理情報を配信する処理を説明する。
[動態情報と位置情報の収集結果:図24]
大規模地震の発生直後、現地の01消防本部だけでは対応ができないため、隣接する02消防本部と03消防本部の応援を受けて対応を行うケースを仮定する。ここで、応援車両を含め、被災したエリアにどの車両がどの位置に何台展開しているか、把握する必要がある。
このケースでは、フェーズ5で示した方法により、被災エリアにいる消防・救急車両に対して、[動態情報]と[位置情報]を能動的に収集することができる。任意の時刻に収集した[動態情報]と[位置情報]の例を図24に示す。図24は、[動態情報][位置情報]の収集結果の具体例を示す図である。
[事案とグループ割り当て(i):図25]
大規模災害発生時の消火・救助・救急活動は、隊員や車両などリソースが限られているため、被災エリアで事案(災害や事故)がどこで発生したかを速やかに把握した上で、逐次、事案に対応する車両を適切に割り当てる必要がある。
このケースでは、フェーズ7−2〜フェーズ7−5で示した方法により、現地の消防本部だけでなく、現地の地方自治体の職員や民間会社の社員などから送信された[伝達情報]と[位置情報]を収集することで、出動が必要な事案を速やかに把握することができる。出動が必要な事案の例を図25に示す。図25は、事案とグループの割り当ての具体例(i)を示す図である。尚、図25で「場所」とは事案発生の場所(目的地)を示している。
[グループ編成更新要求を含む電文例(i):図26]
さらに、フェーズ5で示した方法を応用して、[動態情報送信要求]の代わりに、図26に示すように、デジタル無線端末400の[無線端末の識別ID]毎に[グループ番号更新要求]を含む電文を送信することにより、グループ編成を行うことができる。
図26は、[グループ編成更新要求]を含む電文の具体例(i)を示す図である。図26では、[グループ番号更新要求]は、「運用管理情報(更新後のグループ番号設定)」として更新後のグループ番号が設定されている。
図26の電文を受信したデジタル無線端末400は、内蔵メモリ402に記憶されている当該無線端末のグループ番号を上書き保存する。
尚、電文の中の送信元は、実際は場所情報コード形式で表記され、01消防本部の管制センターを表すコードで表記される。電文の中の配信エリア情報は、場所情報コード形式で表記される。
[事案とグループ割り当て(ii):図27]
図25における事案2(倒壊した家屋から住人を救助する)と事案3(横転した車両から乗員を救助する)の対応が完了したことを、現地の隊員から報告を受けたのち、被災エリアにいる消防・救急車両に対して、[動態情報]と[位置情報]の収集を行う。
その結果を受けて、01消防本部の管制官Aは、進行中の事案に対して図27に示すように、グループの再編成を行う。図27は、事案とグループの割り当ての具体例(ii)を示す図である。
[グループ編成更新要求を含む電文例(ii):図28]
管制官Aは、図27に従い、図28に示すように、再度、[グループ番号更新要求]を含む電文をフェーズ5で示した手順で送信する。
図28は、[グループ編成更新要求]を含む電文の具体例(ii)を示す図である。図28の電文を受信したデジタル無線端末400は、内蔵メモリ402に記憶されている当該無線端末のグループ番号を上書き保存する。
事案が収集されるまで、上記処理を繰り返し実施する。
[実施の形態の効果]
特願2008−65242(特開2009−223460)の「プローブカーシステム」を用いて取得した一般車両の動態情報と位置情報に加えて、本実施の形態で取得した業務用車両の動態情報と位置情報を、クラウド・コンピューティング技術を利活用して、行政や民間で情報を共有することにより、以下の効果が期待できる。
第1に、一般車両の動態情報と、消防車・救急車などの業務用車両の運行履歴や動態情報を利活用して、動態情報を解析することにより、被災エリアにおける通行可能な道路を推定することができる効果がある。
また、動態情報を解析することにより、一般車両の通行により、消防車・救急車などの業務用車両の活動が制限、もしくは妨害されるリスクがある路線やエリアを推定することができる効果がある。
第2に、大規模な津波により発生した大量のガレキを搬送する大型車両の運行履歴や動態情報を利活用することにより、連携して搬送作業を行う際に、同業種の業者間で運行履歴や動態情報を共有することができる効果がある。
第3に、大規模な災害が発生した後の復旧工事で、電話・電気・ガス・水道等の工事に従事する複数の車両位置や種別、動態情報を利活用することにより、連携して復旧工事を行う際に、他業種の業者間で運行履歴や動態情報を共有することができる効果がある。
例えば、ガス工事と水道工事を同時に行うことで、工事を行う都度、道路を掘って埋めることがなくなる。
第4に、危険物を搬送する車両の現在位置や運行履歴、動態情報を利活用することにより、大規模な災害が発生した後の復旧作業において、安全が確認された作業拠点へガソリン、軽油、重油等の燃料を搬送する指示を円滑に出せるようになる効果がある。
第5に、平時においても、更新された地図情報や通行可否の道路等を業種ごとに層別して配信することにより、建設工事などで活用できる効果がある。
特に、道路や鉄道に関する工事などは、通行できる道路が日々変わるため、一般車両や工事に関係する車両に対して、予め通行禁止区域を通知できる効果がある。
本発明は、消防救急デジタル無線システムでのグループ編成を容易にし、災害に関する情報を隊員・職員に伝達し易くし、一般車両及び業務用車両の動態情報と位置情報を利用して広域の危機管理を統合して実現する通信システムに好適である。
100...管制センターシステム、 200...電波塔、 300...業務用車両システム、 350...充電池、 400...業務用車載型デジタル無線端末、 500...業務用カーナビゲーションシステム、 600...車載用運用管理情報端末、 700...公衆系基地局無線装置、 750...自営系基地局無線装置、 760...監視装置、 770...観測装置、 800...公衆系通信網、 850...自営系通信網、 900...GPS衛星

Claims (5)

  1. 管制センターシステムと車両システムとを有する通信システムであって、
    前記車両システムは、デジタル無線システムに接続する端末を備え、動態情報と位置情報を前記管制センターシステムに送信し、
    前記管制センターシステムは、前記車両システムの端末を登録して暗号解除キーを生成し、前記端末に対してデジタル無線システム又はデジタル放送を経由して前記暗号解除キーを配信し、前記車両システムの動態情報と位置情報を収集し、緊急避難情報を前記デジタル放送により配信することを特徴とする通信システム。
  2. デジタル無線システムとして、自営系通信網と公衆系通信網を備え、
    管制センターシステムは、車両システムの端末からの暗号解除キー送信要求を、前記自営系通信網を経由して受信すると前記端末に前記自営系通信網を経由して暗号解除キーを配信し、前記自営系通信網が機能しない場合には、前記車両システムの端末からの暗号解除キー送信要求を、前記公衆系通信網を経由して受信すると前記端末に前記公衆系通信網を経由して暗号解除キーを配信することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  3. 車両システムの端末は、被災エリアの現地の情報を自営系通信網又は公衆系通信網を経由して管制センターシステムに送信し、
    前記管制センターシステムは、前記現地情報を集約して最新の地図情報と特定の道路区間又はエリアにおける通行可否の道路情報を、電波塔を経由してデジタル放送で前記端末に配信することを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  4. 管制センターシステムは、端末に対して、車両システムの動態情報と位置情報に基づいて無線システムのグループを割り当てる運用管理情報を配信し、無線システムのグループ編成が発生すると、更新された車両の動態情報と位置情報に基づく編成されたグループを割り当てる運用管理情報を配信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の通信システム。
  5. 車両システムの端末は、管制センターシステムに対して暗号解除キーを要求し、デジタル無線システム又はデジタル放送によって暗号解除キーの配信を受け、動態情報と位置情報を前記管制センターシステムに送信し、前記デジタル放送により緊急避難情報を受信することを特徴とする端末。
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