JP2013195414A - 半導体装置の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の半導体装置の構造に対して、電極の下方に位置する膜または電極に接する膜の耐性を評価する。
【解決手段】層間絶縁膜(IL1およびIL2)と、層間絶縁膜(IL1およびIL2)上に設けられた電極(BE等)と、を備える半導体装置SDを準備する。電極(BE等)の上側から、半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押込ながら、押し込み深さ及び荷重を測定する(測定工程)。次いで、押し込み深さと荷重との関係に基づいて、電極(BE等)の下方に位置する膜または電極に接する膜の耐性を判断する(評価工程)。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の測定方法に関する。
半導体装置を構成する膜の機械的な信頼性を評価する測定方法として、ナノインデーション法が知られている。
特許文献1(特開2004−186593号公報)には、シロキサン樹脂を含有する低誘電率膜の製造方法が記載されている。そのなかで、単一層の当該低誘電率膜をナノインデンターで測定することが記載されている。なお、当該低誘電率絶縁膜の弾性率は、5.5GPa以上であるとされている。
非特許文献1には、ナノインデーション法による硬さとヤング率の測定方法が記載されている。ナノインデーション法をLow−k膜材料の評価に適用することができるとされている。
非特許文献2には、以下のような測定方法が記載されている。多層配線構造の上にCuピラーが設けられている半導体装置のうち、Cuピラーの上側から圧子を押しあてる。次いで、当該圧子を水平方向に荷重をかけ、荷重の変化を測定する。これにより、Low−k膜の機械的な安定性を評価することができるとされている。また、当該非特許文献2と同一の発明者により、特許文献2(米国公開特許公報第2011/0209548号)として同一の技術内容が開示されている。
特開2004−186593号公報 米国公開特許公報第2011/0209548号 KOBE STEEL ENGINEERING REPORTS Vol.52 No.2 p.74−77(2002) H.Geisler, et al, Proceedings of IITC2011 P1.11 (2011)
発明者らは、上記非特許文献2に記載の方法では、半導体装置の構造によっては、電極よりも下方に位置する部分に荷重が効率的に印加されず、安定的に半導体装置の耐性を評価することができないという課題を見出した。その他の課題と新規な特徴は、本発明書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、半導体装置の測定方法は、以下の工程を備えている。層間絶縁膜と、層間絶縁膜上に設けられた電極と、を備える半導体装置SDを準備する。電極の上側から、半導体装置に対して垂直な方向に圧子を押込ながら、押し込み深さ及び荷重を測定する(測定工程)。次いで、押し込み深さと荷重との関係に基づいて、電極の下方に位置する膜または電極に接する膜の耐性を判断する。
前記一実施の形態によれば、任意の半導体装置の構造に対して、電極の下方に位置する膜または電極に接する膜の耐性を評価することができる。
第1の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係る半導体測定装置の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る半導体装置の測定例を示す図である。 図3における臨界荷重を比較する図である。 比較例の半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。 第2の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。 ProcessAで作製した半導体装置の測定例を示す断面図である。 ProcessBで作製した半導体装置の測定例を示す断面図である。 クラックをScanning Acoustic Tomographyにより測定した平面図である。 第4の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。 第4の実施形態における測定例を示す断面図である。 第5の実施形態に係る半導体装置の測定例を示す図である。 ProcessCで作製した半導体装置の測定例を示す断面図である。 ProcessCで作製した半導体装置の測定例を示す平面図である。 第6の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。 第7の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
図2を用い、第1の実施形態に係る半導体測定装置SDDについて説明する。この半導体測定装置SDDは、ステージSTG、圧子IDT、荷重機構部LSおよび測定制御部CTRを備えている。ステージSTGは、図1で示す層間絶縁膜(IL1およびIL2)と、層間絶縁膜(IL1およびIL2)上に設けられた電極(BE等)を備える半導体装置SDを載置する。図2の圧子IDTは、ステージSTGと対向する位置に設けられている。荷重機構部LSは、図1に示す半導体装置SDの電極BEの上側から、半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押し込む。測定制御部CTRは、荷重機構部LSを制御して圧子IDTを押し込みながら、押し込み深さ及び荷重を測定する。以下、詳細を説明する。
図2のように、ステージSTG上には、被測定物として、半導体装置SDが載置されている。この半導体装置SDの構成については詳細を後述する。ステージSTGは、たとえば、X方向、Y方向およびZ方向に精密に移動可能な機構を有している。
ステージSTGは、防振機構を備えている。これにより、安定的に測定を行うことができる。また、ステージSTGは、たとえば、真空チャック機構を備えている。これにより、被測定物をステージSTGに固定することができる。
その他、ステージSTGは、後述するヒーターHTまたはクーリングシステムCLSが設けられていても良い。ステージSTGは、測定制御部CTRに接続されていてもよい。測定制御部CTRは、ステージSTGの位置および温度を制御してもよい。
ステージSTGの上方には、圧子IDTが配置されている。この圧子IDTを被測定物に押し込むことにより、被測定物の硬度等を測定することができる。
圧子IDTの少なくとも先端部は、鋭角であることが好ましい。圧子IDTの先端部が鈍角である場合、半導体装置SDのうち横方向に力が分散してしまい、半導体装置SDのうち電極の下側に局所的な押し込み力を印加することができない。したがって、圧子IDTの少なくとも先端部が鋭角であることにより、圧子IDTの押し込む力を分散させることなく、後述する測定工程を行うことができる。
圧子IDTの形状は、平面視で先端部を軸中心として対称である。具体的には、圧子IDTの形状は、たとえば、円錐、三角錐、または四角錘である。また、圧子IDTは、たとえば、ダイヤモンドチップからなる。
圧子IDTは、ステージSTGと対向する位置に設けられている。また、圧子IDTは、荷重機構部LSに設けられている。
荷重機構部LSは、半導体装置SDの電極BEの上側から、半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押し込む。荷重機構部LSは、測定制御部CTRに接続されている。測定制御部CTRは、荷重機構部LSを制御することにより、被測定物に圧子IDTを押し込む。
荷重機構部LSは、たとえば、永久磁石(不図示)、永久磁石の磁界の内部に設けられたコイル(不図示)を備えている。圧子IDTは、たとえばコイル側に接続されている。測定制御部CTRは、荷重機構部LSのコイルに流れる電流を制御する。これにより、荷重機構部LSは、コイルに働く電磁誘導の力を制御して、圧子IDTを被測定物に押し込む。
ここで、測定制御部CTRは、たとえば、荷重機構部LSに流した電流値に基づいて、圧子IDTの「荷重」の値を測定する。
また、測定制御部CTRは、荷重機構部LS付近に圧子IDTの変位計(不図示)を備えている。変位計は、圧子IDTの「押し込み深さ」を測定する。
変位計は、例えば、静電容量式変位センサである。この場合、変位計は、圧子IDT側の端部に設けられた可動極板と、可動極板と対向する位置に設けられた固定極板と、を備えている。変位計は、例えば、可動極板と固定極板との間の静電容量の変化を検出することによって、押し込み深さを検出する。なお、変位計は、たとえば光学式変位センサやうず電流式変位センサであっても良い。
半導体測定装置SDDには、ステージSTGおよび圧子IDTを視野に入れる光学顕微鏡(不図示)が設けられていても良い。光学顕微鏡は、たとえば、測定制御部CTRに接続されたカメラを備えていても良い。これにより、被測定物の外観上の変化を確認しながら測定を行うことができる。
測定制御部CTRは、荷重機構部LSを制御して圧子IDTを押し込みながら、「押し込み深さ」に対する単位押し込み深さあたりの「荷重」を測定する。ここでは、測定制御部CTRは、たとえば圧子IDTの押し込みと同時に、「押し込み深さ」および「荷重」に基づいて、単位押し込み深さあたりの「荷重」を算出する。半導体装置の測定方法については、詳細を後述する。
測定制御部CTRは、その他、表示部(不図示)または記憶部(不図示)を有していても良い。表示部は、たとえば、光学顕微鏡のカメラが撮影した画像、測定した「押し込み深さ」および「荷重」の値等を表示する。記憶部は、たとえば複数の半導体装置SDに対して測定を行った場合に、半導体装置SDごとに、「押し込み深さ」、「荷重」、または後述する臨界荷重等を保存している。
次に、図1、図3および図4を用い、第1の実施形態に係る半導体装置SDの測定方法について説明する。層間絶縁膜(IL1およびIL2)と、層間絶縁膜(IL1およびIL2)上に設けられた電極(BE等)と、を備える半導体装置SDを準備する。電極(BE等)の上側から、半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押込ながら、押し込み深さ及び荷重を測定する(測定工程)。次いで、押し込み深さと荷重との関係に基づいて、電極(BE等)の下方に位置する膜または電極に接する膜の耐性を判断する(評価工程)。以下、詳細を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置SDの測定方法を説明するための断面図である。まず、図1を用い、被測定物である半導体装置SDの構成の一例について説明する。
まず、図1のように、たとえば以下の構成を有する半導体装置SDを準備する。半導体基板SUB上には、多層配線層が形成されている。基板SUBには、たとえば開口部を有する素子分離領域(不図示)が形成されている。基板SUBは、たとえば半導体基板である。具体的には、基板SUBは、シリコン基板である。
素子分離領域の開口部には、トランジスタ(不図示)が形成されている。トランジスタは、たとえば、不純物が注入されたソース領域、ドレイン領域並びにエクステンション領域、基板SUB上に形成されたゲート絶縁膜、およびゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極を備えている(以上不図示)。
多層配線層は、ローカル配線層LLおよびグローバル配線層GLを備えている。ローカル配線層LLは、回路を形成するための配線層であり、グローバル配線層GLは、電源配線及び接地配線を引き回すための配線層である。
ローカル配線層LLには、層間絶縁膜IL1が設けられている。層間絶縁膜IL1は、たとえば、いわゆるLow−k膜である。層間絶縁膜IL1の比誘電率は、3.2以下である。具体的には、層間絶縁膜IL1は、たとえば、SiO、SiON、SiOC、SiOCH、SiCOHまたはSiOFなどの膜である。さらに、層間絶縁膜IL1は、たとえば、HSQ(Hydrogen Silsequioxane)膜、MSQ(Methyl Silsequioxane)膜、その他の有機ポリマーであってもよい。
Low−k膜の機械的強度は、他の膜に比べて弱い。このため、層間絶縁膜IL1がLow−k膜である場合、特に半導体装置の組立工程中または、その後の熱サイクル試験において、バンプ電極BEの下方に位置する層間絶縁膜IL1にクラックが生じる可能性がある。そこで、事前に第1の実施形態に係る半導体装置SDの測定方法を用いて、層間絶縁膜IL1の組成等を最適化する。これにより、半導体装置の組立工程中において、層間絶縁膜IL1のクラックが発生することを抑制することができる。
ローカル配線層LLの層間絶縁膜IL1には、配線IC1またはビア(不図示)が設けられている。配線IC1は、たとえばビアを介して半導体基板SUBに設けられたトランジスタに接続されている。
ローカル配線層LLの配線IC1またはビアは、ダマシン法により形成されている。配線IC1またはビアは、デュアルダマシン法またはシングルダマシン法のどちらで形成されていてもよい。配線IC1およびビアは、CuまたはWを含んでいる。配線IC1およびビアの側面および底面には、バリアメタル層(不図示)が設けられていても良い。
ローカル配線層LLの各配線層の間には、拡散防止層BL1が設けられていても良い。拡散防止層BL1は、たとえば、SiCN、SiC、SiON,SiCO、SiCONまたはSiNである。
ローカル配線層LLの上方には、グローバル配線層GLが設けられている。グローバル配線層GLには、層間絶縁膜IL2が設けられている。層間絶縁膜IL2は、たとえば層間絶縁膜IL1よりも高密度の材料により形成されている。層間絶縁膜IL2は、たとえば、SiO、SiOFである。
層間絶縁膜IL2には、配線IC2またはビア(不図示)が設けられている。配線IC2は、たとえばビアを介してローカル配線層LLの配線IC1に接続されている。グローバル配線層GLの各配線層の間には、拡散防止層BL2が設けられていても良い。
グローバル配線層GLのうち、少なくとも最上層よりも下層に位置する配線IC2またはビアは、ダマシン法により形成されている。配線IC2およびビアは、CuまたはWを含んでいる。
グローバル配線層GLの最上層には、電極(BE等)に接して金属膜CMLが設けられている。金属膜CMLは、バンプ電極BEの台座としての機能を有している。金属膜CMLは、たとえば、Alを含んでいる。金属膜CMLは、ビアを介して下層に位置する配線IC2に接続している。
グローバル配線層GL上には、保護層CPLが設けられている。保護層CPLは、たとえば、ポリイミドである。保護層CPLのうち平面視で金属膜CMLと重なる位置には、開口部(符号不図示)が設けられている。開口部には、電極(BE等)が設けられている。
後述する測定工程において、圧子IDTが押し込まれる「電極」とは、半導体装置SDの最上層から露出する導電性の端子のことをいう。以下において、単に「電極」といった場合、少なくとも一つ以上の導電膜を含んでいればよい。
第1の実施形態では、金属膜CMLには、たとえばアンダーバンプメタル膜UBMが接している。さらにアンダーバンプメタル膜UBM上には、バンプ電極BEが設けられている。アンダーバンプメタル膜UBMは、たとえば、Niである。
また、第1の実施形態のバンプ電極BEは、Pbフリーはんだ材料により形成されている。ここでは、バンプ電極BEは、たとえば、SnおよびAgを含んでいる。
次に、上記した被測定物である半導体装置SDをステージSTG上に載置する。適宜、真空チャックなどを行う。次いで、ステージSTGを調整して、半導体装置SDの電極(BE等)を圧子IDTの直下に配置する。
次いで、半導体装置SDのうち、電極(BE等)の上側から半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押し込む。このとき、測定制御部CTRは、「押し込み深さ」および「荷重」を測定する(測定工程)。
当該測定工程において、圧子IDTを水平方向に移動させることなく、垂直な方向にのみ押し込む。これにより、電極(BE等)の下方に位置する膜、または電極(BE等)に接する膜に安定的に荷重を印加することができる。
また、上述のように、バンプ電極BEがSnおよびAgを含んでいる場合、バンプ電極BEは圧子IDTの荷重によって変形しやすい。したがって、第1の実施形態のように、半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押込むことにより、バンプ電極BEの変形によって吸収される荷重以上の荷重を下方に印加することができる。
測定工程において、圧子IDTを押し込むときの荷重(最大荷重)は、たとえば50mN以上である。当該荷重は、100mN以上であることがさらに好ましい。また、このときの荷重は、ナノインデーション法により評価対象の単層膜(たとえば単層の層間絶縁膜IL1)の膜強度を評価する際の荷重よりも高い。このように、荷重が50mN以上であることにより、電極(BE等)の上側からの荷重によって電極(BE等)の下方に位置する膜または電極(BE等)に接する膜を破壊させて、後述する臨界荷重を評価することができる。
さらに第1の実施形態では、測定工程において、測定制御部CTRは、押し込み深さに対する、「押し込み深さあたりの荷重」を測定する。押し込み深さあたりの荷重を測定することにより、後述するように、圧子IDTにかかる応力の変化を容易に検出することができる。
ここで、図3を用い、第1の実施形態の測定工程について説明する。図3は、第1の実施形態に係る半導体装置の測定例を示す図である。図3の横軸は、「押し込み深さ」であり、図3の縦軸は、押し込み深さあたりの荷重(荷重/押し込み深さ)である。
測定工程において、異なる複数の半導体装置SDに対して、測定工程を行う。第1の実施形態では、たとえば異なるプロセスで形成した層間絶縁膜IL1を有する複数の半導体装置SDに対して、測定工程を行う。ここでは、層間絶縁膜IL1を異なるプロセス(ProcessAまたはProcessB)で形成した、二種類の半導体装置SDを測定する場合について説明する。
図3のように、いずれの半導体装置SDでも、圧子IDTの押し込み深さを深くしていくに従って、荷重/押し込み深さの値は大きくなっていく。押し込み深さが浅い領域では、荷重/押し込み深さの値は単調に増加する。
いずれの半導体装置SDでも、押し込み深さがd付近となったとき、荷重/押し込み深さの傾きが小さくなっている。このとき、圧子IDTの先端がバンプ電極BEとアンダーバンプメタル膜UBMとの界面に達したと考えられる。このように、荷重/押し込み深さの傾きによって、圧子IDTの位置を間接的に把握することも出来る。
さらに、ProcessBで作製した半導体装置SDでは、押し込み深さがdとなったとき、荷重/押し込み深さの値は降下する。これに対して、ProcessAで作製した半導体装置SDでは、押し込み深さがdよりも深いdとなったとき、荷重/押し込み深さの値は降下する。このとき、いずれの半導体装置SDでも、圧子IDTの応力の開放が起きていると考えられる。すなわち、半導体装置SD内において、クラックが生じたと推測される。
当該測定工程において、上記したように、単位押し込み深さあたりの荷重(荷重/押し込み深さ)が落ち込む変曲点に至ったときを「臨界荷重」となったと判断する。ここでいう「変曲点」とは、傾きがプラスからマイナスに変化する点である。また、「変曲点」とは、傾きが所定値以下に変化した点であってもよい。
図3の例では、上述したように、ProcessBで作製した半導体装置SDでは、押し込み深さがdとなったときに臨界荷重となっている。一方、ProcessAで作製した半導体装置SDでは、押し込み深さがdとなったときに臨界荷重となっている。測定工程では、このときの臨界荷重(単位N)を計測する。
次いで、上記した押し込み深さと荷重との関係に基づいて、半導体装置SDの信頼性を評価するために、電極(BE等)の下方に位置する膜の耐性を判断する(評価工程)。ここでいう「耐性」とは、半導体装置SDを回路基板(不図示)に実装する工程、または実装工程後における機械的耐性のことをいう。実装工程における「耐性」のことを「組立耐性」と呼ぶ。具体的には、本実施形態で評価することができる「耐性」とは、たとえば電極(BE等)を加熱圧着する際などの荷重に対する耐性、熱サイクル試験における熱応力に対する耐性、外部からの衝撃に対する耐性などのことである。
第1の実施形態の評価工程では、異なる複数の半導体装置SDに対して、上記した臨界荷重に基づいて、耐性を相対的に比較する。これにより、実際の半導体装置SDにおいて、どのような構成が耐性を有しているか否かを把握することができる。
ここでは、具体的には、異なる層間絶縁膜IL1を有する半導体装置SDに対して測定工程を行い、評価工程において層間絶縁膜IL1の膜強度を相対的に比較する。層間絶縁膜IL1の耐性は他の構成部材に比べて弱いため、上記した半導体装置SDを実装する工程において、電極(BE等)の下方に位置する層間絶縁膜IL1にクラックが生じるなどの不良が発生する可能性がある。そこで、当該測定方法を用いることにより、耐性を有する層間絶縁膜IL1の製造条件を最適化することができる。
図4は、図3における臨界荷重を比較する図である。図4は、ProcessAおよびProcessBで作製したそれぞれの半導体装置SDにおける臨界荷重(Critical Load)を示している。縦軸は、ProcessAで作製した半導体装置SDの臨界荷重で規格化している。
図4のように、層間絶縁膜IL1をProcessAで作製した半導体装置SDの臨界荷重は、層間絶縁膜IL1をProcessBで作製した半導体装置SDよりも高い。すなわち、ProcessAの方が、ProcessBよりも、耐性の高い層間絶縁膜IL1を得ると判断することができる。
以上のようにして、異なる複数の半導体装置SDを相対的に比較することにより、耐性を有する層間絶縁膜IL1の製造条件を最適化することができる。
次に、半導体装置SDの不良に関する課題を説明するとともに、比較例と対比しながら、第1の実施形態の効果について説明する。
半導体装置SDを回路基板(不図示)に実装する工程、または実装工程後において、様々な「不良」が生じる場合がある。たとえばバンプ電極BEを加熱圧着する際などの荷重によって、電極の下方に位置する膜または電極に接する膜にクラックや剥離が生じる。実装工程において生じる「不良」のことを「組立不良」と呼ぶ。また実装工程後の熱サイクル試験においても、半導体装置SDと回路基板との熱膨張係数差による熱応力によって、当該クラックや剥離が生じる場合がある。具体的には、上記した「不良」とは、層間絶縁膜IL1におけるクラック、アンダーバンプメタル膜UBMと金属膜CMLとの剥離、または保護層CPLのクラックなどが挙げられる。
このような半導体装置SDの「不良」は、製造工程中のその場観察では検出されない場合がある。また、当該「不良」は、時間経過後に半導体装置SDの特性不良として検出されることもありうる。したがって、半導体装置SDの不良の原因を把握して製造条件にフィードバックするために、多くの検査工数や長い検査時間が必要となる可能性があった。
そのような課題に対して、耐性を評価する方法として、図5のような比較例の方法が考えられる。図5は、比較例の半導体装置SDの測定方法を説明するための断面図である。また、図5は、非特許文献2に開示されている方法を模式的に表した図である。
この比較例は、以下の点が第1の実施形態と異なる。比較例では、まず、圧子IDTをバンプ電極BEに接触させる。次いで、垂直方向には荷重を印加することなく、圧子IDTを水平方向のみに移動させる。圧子IDTを水平方向に移動させる動作は、いわゆる「スクラッチ動作」である。次いで、その際の水平方向の荷重の変化に基づいて、荷重が一時的に落ち込むような急激な変化があるかを確認する。これにより層間絶縁膜IL1のスクラッチ耐性等を評価する。
しかしながら、発明者らは、比較例の方法では、以下のような課題が生じることを見出した。比較例では、上述のように水平方向のスクラッチ動作が主である。このため、比較例のようなスクラッチ動作では、半導体装置の構造によっては、電極よりも下方に位置する部分に、荷重が効率的に印加されない場合がある。たとえば、圧子IDTが接触するバンプ電極BEが柔らかい材料(たとえばSn系材料)により形成されている場合、当該バンプ電極BEだけがスクラッチ動作によって破壊されてしまう。
このため、比較例では、電極よりも下方に位置する層間絶縁膜IL1等に荷重が効率的に印加されない。また、電極の下方に位置する層間絶縁膜IL1だけでなく、電極に接する膜の耐性や、保護層CPLの耐性を評価する場合においても、安定的に荷重を印加することができない。したがって、比較例の方法では、安定的に半導体装置SDの信頼性を評価することができない可能性がある。
また、半導体装置SDと回路基板との熱膨張係数差による熱応力は、電極(BE等)に対して水平方向だけでなく、垂直方向にも働く。したがって、比較例の方法では、実際に電極に印加されうる応力を正確に再現できていない可能性がある。
これに対して、第1の実施形態によれば、電極(BE等)の上側から、半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押込ながら、押し込み深さ及び荷重を測定する。次いで、押し込み深さと荷重との関係に基づいて、電極(BE等)の下方に位置する膜または電極に接する膜の耐性を判断する。
これにより、電極(BE等)の下方に位置する膜または電極に接する膜等に効率的に荷重を印加することができる。たとえば、バンプ電極BEが柔らかい材料(たとえばSn系材料)により形成されている場合であっても、当該バンプ電極BEだけが破壊されることがない。このとき、バンプ電極BEの下方に位置する層間絶縁膜IL1に効率的に荷重を印加することができる。
したがって、第1の実施形態によれば、任意の半導体装置SDの構造に対して、電極の下方に位置する膜または電極に接する膜の耐性を評価することができる。さらに、第1の実施形態によれば、実際の半導体装置SDに起こりうる、電極に対して垂直方向の応力を再現することによって、耐性を評価することができる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。第2の実施形態は、電極がアンダーバンプメタル膜UBMのみである点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図6のように、第2の実施形態の測定方法において、半導体装置SDの電極は、Snの拡散を防止する材料からなるアンダーバンプメタル膜UBMのみであってもよい。測定工程において、バンプ電極BEを介さずに、圧子IDTを直接アンダーバンプメタル膜UBMに押し込む。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2の実施形態によれば、以下のような効果を得ることが出来る。
ここで、Sn系のバンプ電極BEの硬度は、アンダーバンプメタル膜UBMに用いられる材料よりも低い。このため、Sn系のバンプ電極BEに圧子IDTを押し込む場合、バンプ電極BEが変形することによって、圧子IDTの荷重が緩和されてしまう可能性がある。
これに対して、第2の実施形態によれば、測定工程において、バンプ電極BEよりも固いアンダーバンプメタル膜UBMに、圧子IDTを押し込む。これにより、圧子IDTの荷重を容易に下方に伝達させることができる。したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態よりも低い荷重において、臨界荷重を検出することができる。
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。第3の実施形態は、評価対象の半導体装置SDの電極構成、および評価工程が異なる点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図7のように、層間絶縁膜(IL1およびIL2)上には、アンダーバンプメタル膜UBMが設けられている。アンダーバンプメタル膜UBM上には、バンプ電極BEが設けられている。バンプ電極BEは、たとえばSnを含む。
ここで、第3の実施形態では、測定工程の前に半導体装置を準備する工程において、少なくともバンプ電極BEを研磨する。アンダーバンプメタル膜UBMの一部を除去しても良い。ここでは、たとえば、保護層CPLの上面とバンプ電極BEの上面とが同一面を形成するように、バンプ電極BEを研磨する。
次いで、測定工程において、研磨されたバンプ電極BEに圧子IDTを押し込む。バンプ電極BEの部分が多いほど、バンプ電極BEの変形量は多くなる。このため、バンプ電極BEの部分が多いほど、圧子IDTの荷重を緩和する。したがって、バンプ電極BEを研磨することによって、低い荷重によって、臨界荷重を検出することができる。
また、バンプ電極BEとアンダーバンプメタル膜UBMとの間には、反応層(混合相)が形成されている。第3の実施形態では、この反応層を残したまま測定工程を行うことができる。したがって、実際の半導体装置SDにおける電極の密着性等を再現した状態で、測定を行うことができる。
第3の実施形態では、さらに、異なる層間絶縁膜IL1を有する複数の半導体装置SDに対して、同一の押し込み深さ又は荷重まで測定工程を行う。次いで、評価工程において、層間絶縁膜IL1に生じたクラックCRKの幅に基づいて、層間絶縁膜IL1の膜強度を相対的に比較する。
ここで、図8から図10を用い、当該評価工程について説明する。
第1の実施形態と同様にして、たとえば、層間絶縁膜IL1を異なるプロセス(ProcessAまたはProcessB)で形成した、二種類の半導体装置SDに対して測定工程を行う。ProcessAおよびProcessBは、たとえば層間絶縁膜IL1のプロセスが異なる。ここでは、それぞれの半導体装置SDについて、それぞれ臨界荷重以上の同一の荷重まで測定工程を行う。
図8および図9は、上記測定を行った半導体装置SDの断面SEM(Scanning Electron Microscope)観察を行った模式的な断面図を示している。図8は、ProcessAで作製した半導体装置SDの測定例を示す断面図である。図9は、ProcessBで作製した半導体装置SDの測定例を示す断面図である。
図8のように、たとえば、ProcessAで作製した半導体装置SDで生じたクラックCRKの幅は、aであった。臨界荷重以上の荷重が印加されたことによって、クラックCRKは、層間絶縁膜IL1中で発生し、層間絶縁膜IL1と層間絶縁膜IL2との界面等を伝搬して拡大している。
一方、図9のように、PocessBで作製した半導体装置SDで生じたクラックCRKの幅は、ProcessAの半導体装置SDよりも広いbであった。ProcessBの半導体装置SDにおけるクラックCRKの幅bは、ProcessAの半導体装置SDにおけるクラックCRKの幅aの約二倍であった。
以上の結果から、ProcessAで作製した層間絶縁膜IL1は、ProcessBよりも高い耐性を有していることが分かる。このように、第1の実施形態で述べた「臨界荷重」だけでなく、「クラックCRKの幅」を評価することによっても、半導体装置SDの耐性を評価することができる。
また、評価工程において、たとえば、クラックの幅をScanning Acoustic Tomography(SAT)により測定してもよい。Scanning Acoustic Tomographyは、Scanning Acoustic Microscopyとも呼ばれる。
図10は、クラックをSATにより測定した平面図である。図10のように、それぞれの半導体装置SDにおいて、複数箇所に測定を行った。いずれの半導体装置SDにおいても、半導体装置SDに生じたクラックCRKは、円形状に観察される。
また、図10のように、ProcessAで作製した半導体装置SDのクラックCRKは、ProcessBで作製した半導体装置SDのクラックCRKよりも小さい。SATを用いても、ProcessAで作製した層間絶縁膜IL1は、ProcessBよりも高い耐性を有していることが分かる。また、SATを用いることにより、非接触でクラックCRKの幅を計測することができる。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに第3の実施形態によれば、「臨界荷重」だけでなく、「クラックCRKの幅」を評価することによっても、半導体装置SDの耐性を評価することができる。
(第4の実施形態)
図11は、第4の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。第4の実施形態は、半導体装置SDがピラー電極PLを備えている点を除いて、第1の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図11のように、測定対象の半導体装置SDの電極は、たとえばピラー電極PLであってもよい。ここでは、電極は、ピラー電極PLおよび拡散防止膜DBMを備えている。層間絶縁膜(IL1およびIL2)上には、拡散防止膜DBMが設けられている。拡散防止膜DBM上には、ピラー電極PLが設けられている。
ピラー電極PLは、たとえば、Cuを含んでいる。拡散防止膜DBMは、たとえば、Tiなどである。Cuの硬度はSn系の材料に比べて高い。
測定工程において、ピラー電極PLの上側から半導体装置SDに対して垂直な方向に圧子IDTを押し込む。第4の実施形態では、Cuなどのピラー電極PLであっても、安定的に測定を行うことができる。
ここで、第1の実施形態と同様にして、たとえば、押し込み深さに対する、「押し込み深さあたりの荷重」を測定して、臨界荷重を求める。また、たとえば、臨界荷重を超える荷重まで測定工程を行う。
図12は、第4の実施形態における測定例を示す断面図である。図12は、上記した半導体装置SDについての模式的な断面図を示している。
図12のように、拡散防止膜DBMと金属膜CMLとの間の界面に剥離PLOが生じる場合もある。たとえば、拡散防止膜DBMは、保護層CPLとの間においても剥離している。このように、第1の実施形態で述べた層間絶縁膜IL1のクラックだけでなく、電極に接する膜においても不良が起こりうる。
ここで、異なる複数の半導体装置SDについて測定工程を行い、上記した臨界荷重に基づいて、電極と当該電極に接する膜との密着性を相対的に比較しても良い。また、異なる複数の半導体装置SDについて測定工程を行い、当該剥離PLOの大きさに基づいて、電極と当該電極に接する膜との密着性を相対的に比較しても良い。たとえば、拡散防止膜DBMと金属膜CMLとの密着性がよい組み合わせや製造条件を最適化することができる。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第4の実施形態によれば、ピラー電極PLの場合であっても、歩留りよく測定を行うことができる。さらに、第4の実施形態によれば、電極の下方に位置する膜だけでなく、電極に接する膜においても不良を評価することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、以下の点を除いて、第1の実施形態または第3の実施形態と同様である。第1の実施形態では、耐性を評価するためのパラメータは臨界荷重であった。これに対して、第5の実施形態では、耐性を評価するためのパラメータは「荷重/押し込み深さの傾き」である。以下、詳細を説明する。
第5の実施形態では、半導体装置SDは、層間絶縁膜IL1上に設けられ、電極(BE等)と接する保護層CPLをさらに備えている。保護層CPLは、たとえばポリイミドである。
また、図7の第3の実施形態と同様にして、半導体装置を準備する工程において、少なくともバンプ電極BEを研磨する。次いで、測定工程において、研磨されたバンプ電極BEに圧子IDTを押し込む。
次いで、図13を用い、第5の実施形態の測定工程について説明する。図13は、第5の実施形態に係る半導体装置の測定例を示す図である。図13の横軸は、「押し込み深さ」であり、図13の縦軸は、押し込み深さあたりの荷重(荷重/押し込み深さ)である。図13のように、たとえば、押し込み深さに対する、「押し込み深さあたりの荷重」を測定する。
測定工程において、異なる複数の半導体装置SDに対して、測定工程を行う。第5の実施形態では、たとえば異なるプロセスで形成した保護層CPLを有する複数の半導体装置SDに対して、測定工程を行う。ここでは、保護層CPLを異なるプロセス(ProcessAまたはProcessC)で形成した、二種類の半導体装置SDを測定する場合について説明する。
いずれの半導体装置SDにおいても、押し込み深さがdまでは、ほぼ同一の挙動を示している。
図13のように、押し込み深さがd以上では、それぞれの半導体装置SDにおける荷重/押し込み深さの傾きが異なっている。後述するように、押し込み深さがdのとき、保護層CPLのクラックCRKが生じている。
また、ProcessAで保護層CPLを形成した半導体装置SDにおける当該傾きは、ProcessCで形成した半導体装置SDよりも大きい。このように、評価工程において、押し込み深さに対する、荷重/押し込み深さの傾きに基づいて、耐性を判断しても良い。ここでは、さらに所定の荷重まで測定を行う。
図14は、ProcessCで作製した半導体装置の測定例を示す断面図である。図14は、上記した測定後の半導体装置SDについての模式的な断面図を示している。
図14のように、保護層CPLにおいてクラックCRKが生じる場合もある。たとえば、クラックCRKは、保護層CPLを基点として、下方に位置する層間絶縁膜IL1にまで伝搬している。
図15は、ProcessCで作製した半導体装置の測定例を示す平面図である。図15は、上記した測定後の半導体装置SDを電極側から見た模式的な平面図を示している。図15のように、圧子の跡IDMは、バンプ電極BEに形成されている。バンプ電極BEよりも外側において、クラックCRKが伝搬している。たとえば、ProcessCで作製した半導体装置SDでは、このような外観検査においても多くのクラックCRKが検出される。
このように、保護層CPLを基点として、電極の下方に位置する領域だけでなく、外側の領域にまで不良が検出される場合がある。このような保護層CPLを基点とした不良は、上記した荷重/押し込み深さの傾きの違いとして検出される。
ここで、異なる保護層CPLを有する複数の半導体装置SDについて測定工程を行い、上記した荷重/押し込み深さの傾きに基づいて、保護層CPLの膜強度を相対的に比較しても良い。それぞれの半導体装置SDについて、荷重/押し込み深さの傾きの大きさを比較する。たとえば、上述の例では、ProcessCで作製した半導体装置SDにおいて、荷重/押し込み深さの傾きは、ProcessAで作製した半導体装置SDよりも小さい。これにより、ProcessCは保護層CPLの製造条件として不適であると判断することができる。
また、異なる複数の半導体装置SDについて測定工程を行い、当該クラックCRKの大きさに基づいて、保護層CPLの膜強度を相対的に比較しても良い。これにより、保護層CPLの製造条件を最適化することができる。
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第5の実施形態によれば、評価工程において、押し込み深さに対する、荷重/押し込み深さの傾きに基づいて、耐性を判断しても良い。このように、荷重/押し込み深さのプロファイルによって、様々な耐性を評価することができる。
なお、第5の実施形態において、異なる複数の半導体装置SDに対して荷重/押し込み深さの傾きを相対的に比較する場合を説明した。しかしながら、単一の半導体装置SDに対して、荷重印加速度を一定にして測定工程を行い、当該荷重/押し込み深さの傾きを対象となる膜の「膜抵抗」として評価してもよい。たとえば、同一の半導体装置SDに対して異なる荷重印加速度で測定工程を行うことにより、衝撃耐性を評価することができる。
(第6の実施形態)
図16は、第6の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。第6の実施形態は、測定工程において半導体装置SDを加熱する点を除いて、第1の実施形態または第3の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図16のように、ステージSTGには、ヒーターHTが設けられている。ヒーターHTはたとえば抵抗である。これにより、ステージSTG上に載置した被測定物を加熱することができる。
測定工程において、たとえば、半導体装置SDを50℃以上に加熱する。室温(約20℃)に比較して50℃では、半導体装置SDを構成する材料の間で、約1000ppm/℃程度の熱膨張差が生じる。したがって、50℃以上で測定工程を行うことにより、室温に比較して、低荷重で不良を検出することができる。また、臨界荷重も低い値となる。
測定工程における温度は、半導体装置SDを構成する材料の少なくとも融点以下であることが好ましい。電極がSnおよびAgを含むバンプ電極BEである場合、測定工程における温度は、200℃以下であることが好ましい。電極がCuを含むピラー電極PLである場合、測定工程における温度は、400℃以下であればよい。
第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。さらに、第6の実施形態によれば、測定工程において半導体装置SDを加熱する。これにより、室温測定よりも、低荷重で不良を検出することができる。
(第7の実施形態)
図17は、第7の実施形態に係る半導体装置の測定方法を説明するための断面図である。第7の実施形態は、測定工程において半導体装置SDを冷却する点を除いて、第1の実施形態または第3の実施形態と同様である。以下、詳細を説明する。
図17のように、ステージSTGには、クーリングシステムCLSが設けられている。クーリングシステムCLSは、たとえば液体窒素が循環する機構を備えている。これにより、ステージSTG上に載置した被測定物を冷却することができる。なお、クーリングシステムCLSは、ペルチェ素子であってもよい。
測定工程において、たとえば、半導体装置SDを−10℃以下に冷却する。室温(約20℃)に比較して−10℃では、半導体装置SDを構成する材料の間で、約1000ppm/℃程度の熱膨張差が生じる。したがって、−10℃以下で測定工程を行うことにより、室温に比較して、低荷重で不良を検出することができる。また、臨界荷重も低い値となる。
測定工程における温度は、クーリングシステムCLSに依存する。クーリングシステムCLSに液体窒素が用いられる場合は、−190℃程度まで冷却することができる。
第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。さらに、第7の実施形態によれば、測定工程において半導体装置SDを冷却する。これにより、室温測定よりも、低荷重で不良を検出することができる。
以上の実施形態において、それぞれの実施形態の方法を組み合わせた方法を用いても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、以上の実施形態には、下記に示す発明も開示されている。
(付記1)
層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に設けられた電極と、を備える半導体装置を準備する工程と、
前記電極の上側から前記半導体装置に対して垂直な方向に圧子を押込ながら、押し込み深さ及び荷重を測定する測定工程と、
前記押し込み深さと前記荷重との関係に基づいて、前記電極の下方に位置する膜または前記電極に接する膜の耐性を判断する評価工程と、
を備える半導体装置の測定方法。
(付記2)
付記1に記載の半導体装置の測定方法において、
前記層間絶縁膜の比誘電率は、3.2以下である半導体装置の測定方法。
(付記3)
付記1に記載の半導体装置の測定方法において、
前記半導体装置は、
複数の前記層間絶縁膜が設けられた多層配線層と、
前記多層配線層の最上層に設けられ、前記電極に接する金属膜と、
をさらに備える半導体装置の測定方法。
SD 半導体装置
SDD 半導体測定装置
STG ステージ
HT ヒーター
CLS クーリングシステム
IDT 圧子
LS 荷重機構部
CTR 測定制御部
SUB 基板
LL ローカル配線層
GL グローバル配線層
IL1 層間絶縁膜
IC1 配線
BL1 拡散防止層
IL2 層間絶縁膜
IC2 配線
BL2 拡散防止層
CPL 保護層
CML 金属膜
UBM アンダーバンプメタル膜
BE バンプ電極
DBM 拡散防止膜
PL ピラー電極
CRK クラック
PLO 剥離
IDM 圧子の跡

Claims (20)

  1. 層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に設けられた電極と、を備える半導体装置を準備する工程と、
    前記電極の上側から前記半導体装置に対して垂直な方向に圧子を押込ながら、押し込み深さ及び荷重を測定する測定工程と、
    前記押し込み深さと前記荷重との関係に基づいて、前記電極の下方に位置する膜または前記電極に接する膜の耐性を判断する評価工程と、
    を備える半導体装置の測定方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記測定工程において、前記押し込み深さに対する、前記押し込み深さあたりの前記荷重を測定する半導体装置の測定方法。
  3. 請求項2に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記測定工程において、前記押し込み深さあたりの前記荷重が落ち込む変曲点に至ったときの前記荷重を臨界荷重として求め、
    異なる複数の前記半導体装置に対して、前記測定工程を行い、
    前記評価工程において、前記臨界荷重に基づいて、前記耐性を相対的に比較する半導体装置の測定方法。
  4. 請求項3に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記評価工程において、前記臨界荷重に基づいて、前記層間絶縁膜の膜強度を相対的に比較する半導体装置の測定方法。
  5. 請求項3に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記評価工程において、前記臨界荷重に基づいて、前記電極と当該電極と接する膜との密着性を相対的に比較する半導体装置の測定方法。
  6. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    異なる前記層間絶縁膜を有する複数の前記半導体装置に対して、同一の前記押し込み深さ又は前記荷重まで前記測定工程を行い、
    前記評価工程において、前記層間絶縁膜に生じたクラックの幅に基づいて、前記層間絶縁膜の膜強度を相対的に比較する半導体装置の測定方法。
  7. 請求項6に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記クラックの幅をScanning Acoustic Tomographyにより測定する半導体装置の測定方法。
  8. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記評価工程において、前記押し込み深さに対する、前記押し込み深さあたりの前記荷重の傾きに基づいて、前記耐性を判断する半導体装置の測定方法。
  9. 請求項8に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記半導体装置は、前記層間絶縁膜上に設けられ、前記電極と接する保護層をさらに備え、
    異なる前記保護層を有する複数の前記半導体装置に対して、同一の前記荷重まで前記測定工程を行い、
    前記評価工程において、前記傾きに基づいて、前記保護層の膜強度を相対的に比較する半導体装置の測定方法。
  10. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記電極は、前記層間絶縁膜上に設けられたアンダーバンプメタル膜と、前記アンダーバンプメタル膜上に設けられたバンプ電極と、を備える半導体装置の測定方法。
  11. 請求項10に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記バンプ電極は、SnおよびAgを含む半導体装置の測定方法。
  12. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記電極は、Snの拡散を防止する材料からなるアンダーバンプメタル膜のみである半導体装置の測定方法。
  13. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記電極は、前記層間絶縁膜上に設けられたアンダーバンプメタル膜と、前記アンダーバンプメタル膜上に設けられたバンプ電極と、を備え、
    前記測定工程の前に前記半導体装置を準備する工程において、少なくとも前記バンプ電極を研磨し、
    前記測定工程において、研磨された前記バンプ電極に前記圧子を押し込む半導体装置の測定方法。
  14. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記電極は、前記層間絶縁膜上に設けられた拡散防止膜と、前記拡散防止膜上に設けられたピラー電極と、を備える半導体装置の測定方法。
  15. 請求項14に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記ピラー電極は、Cuを含む半導体装置の測定方法。
  16. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記測定工程において、前記圧子を水平方向に移動させることなく前記垂直な方向にのみ押し込む半導体装置の測定方法。
  17. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記圧子の少なくとも先端部は、鋭角である半導体装置の測定方法。
  18. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記荷重は50mN以上である半導体装置の測定方法。
  19. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記測定工程において、前記半導体装置を50℃以上に加熱する半導体装置の測定方法。
  20. 請求項1に記載の半導体装置の測定方法において、
    前記測定工程において、前記半導体装置を−10℃以下に冷却する半導体装置の測定方法。
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