JP2013195271A - ガスケットの破壊圧測定機及びガスケットホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧により、少ない油量で油の吐出量の調整が容易にできて短時間で破壊圧を測定でき、しかも、確実に破壊圧を測定できるガスケットの破壊圧測定機を提供する。
【解決手段】挟持されたガスケット1の下方に形成される油圧作用室21a及び上方に形成される油排出室22aを備えるガスケットホルダ2と、油圧作用室21aに油を供給してガスケット1の下面に油圧を作用させてガスケットを破壊し、破壊後の油を油排出室22aに排出させる油圧発生器3と、ガスケットの下面に作用する油圧を測定する圧力計71とを備える。油圧発生器3は、空圧源から供給される空圧で移動するピストンロッド部5を備えるエアシリンダ部4と、ピストンロッド部5の移動により加圧される油圧室61を有する油圧シリンダ部6とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ電池、リチウム電池、コイン型電気二重層コンデンサなどの小型の電気化学セルに用いられる合成樹脂製ガスケットの破壊圧測定機及びガスケットの破壊圧測定機に用いるガスケットホルダに関する。
日常生活に深くかかわっている小型一次電池や二次(充電式)電池において、例えば円筒型の電池では、正極・負極材、電解液などが漏れないようにすると共に、正・負極端子の絶縁を保つため、金属製の外筒(電池缶)の端部に蓋や底部の金属端子を取り付ける際にガスケットを介している。このガスケットは、強靱であり、化学的に安定であり、電池の異常発熱に対しての耐熱性を有する合成樹脂で形成されている。
さらに、ガスケットは、電池缶を密閉封止するとともに、内部のガス圧の上昇によって先行破断させることにより防爆安全弁として機能させる構造になったものがある(例えば特許文献1参照)。防爆安全弁としての機能を有するガスケットは、一部に薄肉部分が形成され、この薄肉部分において先行破断させるようにしている。このような防爆機能付きガスケットにより、乾電池の破裂、内容物の飛散という危険な事態を事前に防ぐことができる。
従って、防爆機能付きガスケットを使用する場合には、所定の圧力で破壊することを確認する必要があることから、性能を管理するために生産過程において破壊圧の測定を行なっている。
破壊圧の測定を行なうため、従来では、例えば、乾電池を構成する電池ケースと、ガスケットを含む封口体とを測定用に別途作製し、電池ケースの開口部を封口体で封口しておいて、ガスケットが装着された状態の電池を測定用の電池ケースにより再現したものを使用して測定している。さらに、この電池ケースに、油圧ホースを接続すると共に、電池ケース内の圧力を測定する圧力センサを接続して、油圧ポンプから油圧ホースを介して電池ケース内に油を送って電池ケース内を加圧していき、電池ケース内の圧力上昇を圧力センサによって測定して、測定したガスケットの破断時のピーク圧力が設定した破壊圧力であるかを確認する。
また、ガス通路を有する上下の冶具により、ガス通路がガスケットの平面部に対向するようにガスケットを挟持して密閉した状態で固定しておいて、下冶具に設けるガス通路からガスケットの下面側に高圧空気を供給して破壊した時のピーク圧力を測定する方法もある。
特開2010−9816号公報
しかしながら、電池ケース内に油を送り込んで油圧を上昇させて破壊圧を測定する場合には、電池ケース内を油で充満させた後、破壊圧まで加圧するためにさらに油を充填していかなければならず、測定に時間を要するし、使用する油量も多くなり、さらに、電池の種類ごとに圧力計及び油圧ホースが接続される測定用の電池ケースを作製しなければならないし、封口体全体がガスケットと共に破壊されるたびに、封口体を作製しなければならず、測定用電池ケース及び封口体の作製費用も掛かるという問題がある。
また、高圧空気で破壊圧を測定する場合には、測定は高圧(例えば10Mpa以上)で行なわれるため、コンプレッサー及びエアシリンダによる気体圧力上昇には限界があり、短時間で高圧になるように気体の圧力を上昇させるためには、ヘリウム、窒素、アルゴン等の特殊ガスを高圧状態で予めガスボンベに充填しておいて、このガスボンベから高圧ガスをガスケットに供給する必要がある。
さらに、特殊ガスは、使用するたびに大気中に放出されてしまい、回収できないことから、頻繁に特殊ガスをガスボンベに装填しておく作業が必要となり作業効率が悪いし、ガスボンベの購入によるコストもかかる。
また、気体による破壊圧測定では、ガスケットに所定の空圧を作用させるための微妙な空気供給制御が困難となる。さらに、ガスケットを保持する冶具からの気体の漏れも生じやすく、配管の環境やボンベの空気残量等による不安定要素も加わって、圧力上昇過程の挙動が不安定となる。その結果、ガスケットの破壊圧力に至る圧力上昇過程の挙動を検証して更なる信頼性の高いガスケットの破壊圧力測定を行うのは困難であった。さらに、気体が圧縮された状態でガスケットが破壊されるため、破壊時の気体が放出際の音が非常に大きくなるという問題もある。
また、ガスケットの種類ごとにガスケットを保持する冶具を作製する必要があるので、部品点数が多くなってコストがかかる。さらに、ガスケットを挟持し密封した状態で冶具を固定する作業も煩雑となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、油圧により、少ない油量で油の吐出量の調整が容易にできて短時間で破壊圧を測定でき、しかも、確実に破壊圧を測定できるガスケットの破壊圧測定機を提供することを目的とする。また、ガスケットを保持するホルダをガスケットの種類に関係なく使用できる共通部品を含むようにして、部品点数を少なくし、組み付け作業も簡単に行なえるようにすることを目的とする。
本発明に係るガスケットの破壊圧測定機は、
密閉容器の開口部に設けられるガスケットの破壊圧力を測定するガスケットの破壊圧測定機であって、
内部にガスケットが保持され、ガスケットの下面に油圧を作用させるための油圧作用室、及び、ガスケットの上面に対向して形成される油排出室を備えるガスケットホルダと、
ガスケットホルダの油圧作用室に油を供給してガスケットの下面側に油圧を作用させ、この油圧によりガスケットが破壊されて油排出室に排出された油を回収して再度油圧作用室に供給するために油圧を発生させる油圧発生器と、
ガスケットの下面側に作用する油圧を測定する圧力計とを備え、
油圧発生器は、
空圧源から供給される空圧で軸方向に移動するピストンロッド部を備えるエアシリンダ部と、当該ピストンロッド部の一部が軸方向に移動可能に配置される油圧室を有し、ピストンロッド部の移動により油を加圧してガスケットホルダの油圧作用室に油を供給してガスケットの下面側に油圧を作用させると共に、油排出室に排出された油を油圧室に回収する油圧シリンダ部とを備えることを特徴とする。
本発明のガスケットの破壊圧測定機によれば、圧縮性の無い油圧により破壊圧を測定し、しかも、所定量の油を循環させて繰返し油を使用するので、短時間で破壊圧の測定が行なえると共に作業効率を上げられ、しかも、空圧を油圧に変換して油圧発生器の油圧シリンダ部を駆動させるため、エアシリンダ部の駆動により油の吐出量の調整を容易に行なえることから、油圧の上昇圧力の作動曲線を任意に設定でき、精度の高い破壊圧の測定が行なえる。
特に、油圧発生器は、エアシリンダ部によって空圧によりピストンロッド部を移動させて油圧シリンダ部において油圧を発生させるので、ピストンロッド部の移動速度の制御が容易であり、ガスケットの下面側に充填する油の流量もエアシリンダ部により簡単に制御できるので、油圧シリンダ部での油圧の上昇変動の制御が行い易くなり、正確にガスケットの破壊圧を測定することができる。
さらに、油圧シリンダ部により構成される油圧回路が閉回路となっているので、所定量の油を破壊圧の測定のために繰り返し使用することができ、無駄に油を使用することがなくなる。
また、密閉容器の開口部に設けられるガスケットの破壊圧力を測定する破壊圧測定機に用いられるガスケットを保持する本発明に係るガスケットホルダは、
嵌め合わせによりガスケット取付空間が形成されて、ガスケットを上面側と下面側とから挟持する上冶具及び下冶具と、上冶具が取り付けられる上部取付部と、下冶具が取り付けられる下部取付部とを備え、
上部取付部及び/又は下部取付部は、上冶具及び下冶具のクランプとクランプ解除を行なうために駆動手段により上下方向に移動可能に配置され、
下冶具は、ガスケットが配置された状態においてガスケットの下面に油圧を作用させる油圧作用室が、上方に向けて開放し、ガスケットを配置させることにより閉鎖されるように形成されると共に、この油圧作用室の下部に連通し、外部から油が供給される下冶具油供給路が形成され、
下部取付部は、下冶具が取り付けられる下冶具装着部と、下冶具装着部に開口し、下冶具の下冶具油供給路に油を供給するための取付部油供給路とが貫通形成され、
上冶具は、下冶具と共にガスケットを挟持した状態においてガスケットの上面に対向する油排出室が形成されると共に、この油排出室に連通する上冶具油回収路が上冶具の外面に開口するように形成され、
上部取付部は、上冶具が取り付けられる上冶具装着部が形成されていることを特徴とする。
本発明のガスケットホルダによれば、上冶具及び下冶具をガスケットの種類に応じて大きさ・形状が異なっても、上冶具及び下冶具が固定される上部取付部及び下部取付部は、上冶具及び下冶具の種類を問わず共通化を図れるので、ガスケットを保持するホルダの構成を簡単にでき、部品点数も少なくでき、ガスケット及び冶具の組み付け作業も簡単に行なえる。
以上のように、本発明のガスケットの破壊圧測定機は、空圧を油圧に変換する油圧発生器を用いて油圧によりガスケットの破壊圧を測定し、しかも、所定量の油を循環させて破壊圧を測定するので、油を繰返し使用することで油が無駄にならず、圧縮性の無い油圧により破壊圧を測定するので短時間で測定が行なえ、作業効率を上げられる。しかも、空圧を油圧に変換して油圧発生器の油圧シリンダ部を駆動させるため、エアシリンダ部の駆動により油の吐出量の調整を容易に行なえることから、油圧の上昇圧力の作動曲線を任意に設定でき、精度の高い破壊圧の測定が行なえる。
また、本発明のガスケットホルダは、上冶具及び下冶具がガスケットの種類に応じて大きさ・形状が異なっても、上冶具及び下冶具が固定される上部取付部及び下部取付部は、上冶具及び下冶具の種類を問わず共通化を図れるので、ガスケットを保持するホルダの構成を簡単にでき、部品点数も少なくでき、ガスケット及び冶具の組み付け作業も簡単に行なえる。
本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機の構成を示す回路図である。 本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機に用いられるガスケットホルダの上部取付部及び下部取付部への上冶具及び下冶具の組み付け状態を説明する説明図であって、(a)は上部取付部及び下部取付部へ及び下冶具を取り付ける前の状態を示す説明図、(b)は上部取付部に上冶具を固定した状態と、下部取付部に下冶具を固定した状態とを示す説明図、(c)は上冶具が固定された上部取付部を下部取付部に向けて駆動させて、上冶具と下冶具とを上部取付部及び下部取付部によりクランプした状態を示す説明図である。 本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機に用いられるガスケットホルダの上冶具及び下冶具のクランプ時における断面図である。 本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機に用いられる油圧発生器の概略断面図である。 本発明の実施形態2に係るガスケットの破壊圧測定機に用いられるガスケットホルダの上部取付部及び下部取付部への上冶具及び下冶具の組み付け状態を説明する説明図であって、(a)は上部取付部及び下部取付部へ及び下冶具を取り付ける前の状態を示す説明図、(b)は上部取付部に上冶具を固定した状態と、下部取付部に下冶具を固定した状態とを示す説明図である。 本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機を用いた場合のピストンロッド部の移動速度を制御する速度調整弁の開度量に応じたエアシリンダ部によるピストンロッド部の移動速度と油圧シリンダ部での油の吐出量との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機の油圧シリンダ部によりガスケットの下面に作用された油圧の立上り挙動を繰返し測定した結果を示すグラフである。 従来の高圧ガスボンベからエアシリンダに高圧空気を供給してガスケットの下面に作用された空圧の立上り挙動を繰返し測定した結果示すグラフである。 本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機のエアシリンダ部に供給される空圧の違いによるガスケットの下面に作用される油圧の立上り挙動の比較を示すグラフである。 本発明の実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機の油圧シリンダ部から吐出される油の吐出量の違いによるガスケットの下面に作用される油圧の立上り挙動の比較を示すグラフである。
[実施形態1]
以下に、本発明の実施形態1について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機の構成を油圧・空圧回路により示した構成図である。本実施形態1の破壊圧測定機は、例えば、アルカリ乾電池に用いるガスケットの破壊圧を測定するために用いられ、空圧回路と油圧回路とにより構成されてシーケンス制御される。
破壊圧が測定されるガスケット1は、例えば、ポリアミド樹脂により射出成形などによって形成され、アルカリ乾電池の内液の封止機能と、内圧上昇時に先行破断させて防爆する機能とを兼ね備える。図3に示すように、ガスケット1は、外周が円形をした板状に形成されており、中央部に厚みが厚い厚肉部が形成され、外周部に上方に突出する環状の突出部が形成されている。厚肉部には貫通孔11が形成され、板状部分の厚肉部近くを薄肉に形成して、この薄肉部分を所定の圧力で破壊させるように構成されている。本実施形態1の破壊圧測定機は、ガスケット1に形成された薄肉部分が破壊される時の破壊圧を測定する。
本実施形態1の破壊圧測定機は、図1の構成図に示すように、ガスケット1を保持した状態で、ガスケット1の下面に油圧を発生されるためのガスケットホルダ2と、ガスケットホルダ2に油圧を供給するための油圧発生器3と、ガスケット1の下面側に作用する油圧を測定する圧力計71とを備える。
破壊圧測定機を構成する空圧回路には、空圧源となるエアコンプレッサー81と、エアコンプレッサー81で圧縮された圧縮空気を増圧する増圧弁82と、増圧された圧縮空気を所定の圧力に調整する圧力調整弁83と、油圧発生器3のエアシリンダ部4と、ガスケットホルダ2の上部取付部24を駆動するためのホルダ駆動装置84が設けられている。エアコンプレッサー81は、0.4〜1Mpaの範囲で圧縮空気の設定が可能となっており、本実施形態では、0.5Mpaの圧縮空気を発生するように設定されている。
また、破壊圧測定機を構成する油圧回路には、ガスケットホルダ2と、ガスケットホルダ2に油圧を供給する油圧発生器3の油圧シリンダ部6と、圧力計71と、ガスケットホルダ2から流出した油を受け止める油タンク72とが設けられている。
ガスケットホルダ2は、図2に示すように、嵌め合わせによりガスケット1を上下から挟持して保持する下冶具21及び上冶具22、下冶具21が固定される下部取付部23、そして、上冶具22が固定される上部取付部24を備える。
下冶具21は、図3に示すように、ガスケット1が配置された状態においてガスケット1の下面に油圧を作用させる油圧作用室21aが上方に向けて開放するように形成され、ガスケット1を配置させることにより油圧作用室21aが閉鎖されるようになっている。また、下冶具21は、油圧作用室21aの下部に連通し、外部から油が供給される下冶具油供給路21bが上下に貫通するように形成されている。油圧作用室21aは、環状に形成された環状通路211と、環状通路211の上部に連続して形成されるパッキン収容室212と、環状通路211の下端と下冶具油供給路21bとを連通する連通路213とから構成されている。パッキン収容室212には、環状通路211に連通する環状の通路が形成されるように円柱状のパッキンゴム214が配置される。
ガスケット1を油圧作用室21aの上部開口部に配置させると、パッキンゴム214がガスケット1の中心部に形成される肉厚部に接触するようになっている。このパッキンゴム214により、油圧作用室21aに供給された油がガスケット1の肉厚部に形成される貫通孔11からガスケット1の上面側に流れるのを遮断するようになっている。さらに、下冶具21には、下部取付部23に形成される下冶具装着部23aに嵌合される被嵌合部21cが形成されており、この被嵌合部21cの外周面にネジの先端部が当接されるネジ用環状溝21dが形成されている。
上冶具22は、図3に示すように、下冶具21と共にガスケット1を挟持した状態において、ガスケット1の上面に対向する円形の油排出室22aが下方に開放するように形成されている。油排出室22aには、下冶具21の油圧作用室21aに溜まった油がガスケット1の破壊後に排出される。さらに、上冶具22は、油排出室22aに連通する上冶具油回収路22bが上冶具22の外周面に開口するように形成されている。上冶具油回収路22bは、下端が油排出室22aに連通し、上下に伸びる2本の連通路221と、これら連通路221の上端が連通し、上冶具22の外周面に開口部が形成される水平貫通孔222とから構成される。油圧作用室21aから油排出室22aに排出された油は、上冶具油回収路22bを介して上冶具22の外部に排出される。
また、上冶具22には、ガスケット1の外周部に形成される環状の突出部が嵌め込まれる環状溝22cが油排出室22aの外側に形成されると共に、上部取付部24に形成される上冶具装着部24bに嵌合される被嵌合部22dが形成されており、この被嵌合部22dの外周面にネジの先端部が当接されるネジ用環状溝22eが形成されている。
なお、上冶具22及び下冶具21は、測定するガスケットの種類に応じてガスケットが取り付けられる部分の形状が異なるように形成されているが、下冶具21の被嵌合部21cの形状及び大きさ、上冶具22の被嵌合部22dの形状・大きさは、ガスケット1の種類に関係なく同じ形状・大きさに形成されている。
下部取付部23は、図2に示すように、下冶具21が上方から嵌合される下冶具装着部23aと、下冶具装着部23aの下部に開口する取付部油供給路23bとが連続して貫通するように形成されている。さらに下部取付部23には、下冶具装着部23aに連通するネジ孔23cが形成されており、このネジ孔23cは、下冶具装着部23aに下冶具21が嵌合された状態で、下冶具21のネジ用環状溝21dに対向する位置に形成されている。下冶具装着部23aに下冶具21が嵌合されて、ネジ孔23cからネジを締めてネジの先端部をネジ用環状溝21dに当接させることで、下冶具21が下冶具装着部23aに固定される。
また、取付部油供給路23bは、下冶具装着部23aに下冶具21を嵌め合わせた状態で、取付部油供給路23bの上部開口部が下冶具21の下冶具油供給路21bに対向して連通するように構成され、取付部油供給路23bから下冶具油供給路21bを介して油圧作用室21aに油が供給される。
上部取付部24は、図2に示すように、上冶具22の水平貫通孔222の開口部に所定間隔を空けて対向する内面を有し、上冶具22の上部半分以上を覆う凹部24aと、この凹部24aに開口し、上冶具22の被嵌合部21cが下方から嵌合される上冶具装着部24bと、上冶具装着部24bに連通するネジ孔24cが形成されている。ネジ孔24cは、上冶具装着部24bに上冶具22が嵌合された状態で、上冶具22のネジ用環状溝22eに対向する位置に形成されている。上冶具装着部24bに上冶具22が嵌合されて、ネジ孔24cからネジを締めてネジの先端部をネジ用環状溝22eに当接させることで、下冶具21が下冶具装着部23aに抜け落ちないように固定される。
さらに、上部取付部24は、図1に示すように、上冶具22と下冶具21のクランプとクランプ解除とを行なう駆動手段であるホルダ駆動装置84により上下方向に移動可能に配置されている。
なお、下冶具21の被嵌合部21cの形状及び大きさ、上冶具22の被嵌合部22dの形状・大きさは、ガスケット1の種類に関係なく同じ形状・大きさに形成されているので、下冶具装着部23a及び上冶具装着部24bは、下冶具21及び上冶具22の種類に関係なく、何れの下冶具21及び上冶具22でも嵌合することができるようになっている。
即ち、上冶具22及び下冶具21が、ガスケット1の種類に応じて専用に製作されるが、上部取付部24及び下部取付部23は、上冶具22及び下冶具21の大きさに関係なく、何れの上冶具22及び下冶具21でも交換取付ができるようになっているので、ガスケット1の種類に応じて上冶具22及び下冶具21を変更するだけで、上部取付部24及び下部取付部23は共通化できることから、上部取付部24及び下部取付部23の交換作業を不要とすることで交換作業が容易となる。
本実施形態1では、ガスケット1を保持する上冶具22及び下冶具21を有するガスケットホルダ2を用いて、ガスケット1を実際のアルカリ乾電池に装着した状態と同じ環境となるように再現している。
油圧発生器3は、エアコンプレッサー81で発生した圧縮空気が圧力調整弁83で調整された後の圧縮空気の空圧を油圧に変換して、この油圧をガスケットホルダ2の下冶具21に形成される油圧作用室21aにおいてガスケット1の下面側に作用させて、ガスケット1を破壊するために用いられるものであり、さらに、ガスケット1の破壊後に上冶具22に形成される油排出室22aに排出された油を回収して再度油圧作用室21aに供給することができるようにしたものである。
油圧発生器3は、空圧源であるエアコンプレッサー81で発生し、圧力調整弁83で調整された空圧が供給されるエアシリンダ部4と、このエアシリンダ部4の空圧室41内に軸方向一端側が配置されて空圧で軸方向に移動するピストンロッド部5と、ピストンロッド部5の他端側が軸方向に移動可能に内部に配置されて、ピストンロッド部5の加圧動作で油圧を発生させる油圧シリンダ部6とを備える。エアシリンダ部4と油圧シリンダ部6とは、ピストン51とこのピストン51に接続されるロッド52とを備えるピストンロッド部5により接続されている。
このように、本実施形態1の油圧発生器3は、エアシリンダ部4と油圧シリンダ部6とがピストンロッド部5により連結され、エアシリンダ部4で発生した空圧を油圧シリンダ部6において油圧に変換し、油圧シリンダ部6で発生した油圧を、ガスケットホルダ2の油圧作用室21aに供給するようになっている。
エアシリンダ部4の空圧室41内には、ピストン51が配置されるようにピストンロッド部5が軸方向に移動可能に配置されている。ピストン51により、空圧室41内は油圧シリンダ部6から遠い側の第1空圧室41aと、油圧シリンダ部6に近い側の第2空圧室41bとに分割される。また、エアシリンダ部4は、第1空圧室41aに連通する第1ポート42と、第2空圧室41bに連通する第2ポート43とを有している。
エアシリンダ部4と圧力調整弁83との間には、4ポートのソレノイド弁から成る加圧切換弁85が設けられている。加圧切換弁85は、第1ポート42をエアコンプレッサー81側に接続し、第2ポート43を外気に開放する位置と、第2ポート43をエアコンプレッサー81側に接続し、第1ポート42を外気に開放する位置とに切り換るように構成される。
加圧切換弁85により第1ポート42がエアコンプレッサー81側と連通すると、エアコンプレッサー81からの空圧がエアシリンダ部4の第1空圧室41aに供給され、第2空圧室41bは外気に開放される。エアシリンダ部4の第1空圧室41aに供給される駆動圧力によって、ピストンロッド部5のピストン51が図1及び図4において左方へ押し込まれて、油圧シリンダ部6の油圧室61内の油が加圧され、油圧室61の内圧が上昇する。このとき、ピストン51の直径がロッド52端面の直径よりも大きいので、空圧が油圧に増圧変換されて、空圧よりも大きな油圧が油圧シリンダ部6の油圧室61で発生する。
また、加圧切換弁85により第2ポート43がエアコンプレッサー81側に連通すると、エアコンプレッサー81からの空圧がエアシリンダ部4の第2空圧室41bに供給され、第1空圧室41aは外気に開放される。エアシリンダ部4の第2空圧室41bに供給される駆動圧力によって、ピストン51が図1及び図4において右方へ押し込まれ、油圧シリンダ部6の油圧室61内に油タンク72に収容されている油が吸込まれる。
さらに、第2空圧室41bと加圧切換弁85との間の空気流路には、2種類の速度調整弁86a,86bと、これら速度調整弁86a,86bへの流路を切り替える流路切換弁87とが設けられている。これら速度調整弁86a,86bは、第2空圧室41bから加圧切換弁85を介して大気に開放される空気の流量を調整することにより、エアシリンダ部4の空圧室41内でのピストンロッド部5の移動速度を調整するようになっている。各速度調整弁86a,86bには並列させてエアコンプレッサー81側から第2空圧室41bへの流れを許容し、第2空圧室41bからエアコンプレッサー81側への流れを阻止する逆止弁88a,88bがそれぞれ設けられている。
閉回路で構成される油圧回路に設けられる油圧シリンダ部6は、ピストンロッド部5のピストン51とは反対側の端部が軸方向移動可能に配置される油圧室61を備え、油圧室61の直径はピストンロッド部5のロッド52先端側と同径となっている。ロッド52は、エアシリンダ部4の空圧室41内に配置される部分と、油圧室61内に配置される部分の直径が異なり、油圧室61側の直径が空圧室41側よりも小さくなっている。
従って、油圧発生器3は、エアシリンダ部4の空圧室41では、ピストンロッド部5が空圧により油圧シリンダ部6側に向けて移動すると、油圧室61内では、ピストンロッド部5のロッド52により油圧室61内の油が加圧される。
本実施形態1では、油圧シリンダ部6を備える油圧回路に使用される油として、タービンオイルを使用している。
油圧シリンダ部6での内圧の上昇数値は、油圧室61内に配置されるピストンロッド部5のロッド52端面の面積と、エアシリンダ部4におけるピストン51が受ける押出し力及びピストン51の受圧面積によって決定される。
本実施形態では、ピストン51の受圧面積がロッド52の先端側端面の受圧面積よりも大きいので、ロッド52の大径部の直径よりも大きいピストン51がエアコンプレッサー81からの空圧を受けることで、小さい空圧で、大きな油圧を発生させることができる。
エアシリンダ部4におけるピストンロッド部5の押出し力は、エアコンプレッサー81で発生する圧縮空気の圧力を圧力調整弁83によって調整すると共に、第2空圧室41bから流出する空気の流量を2つの速度調整弁86a,86bの何れかを動作させてピストンロッド部5の移動速度を調整することにより変化させることができる。
油圧シリンダ部6の油圧室61に接続される油通路は、図1及び図4に示すように、途中で、下冶具21の油圧作用室21aに連通させる油供給路73と、上冶具22の油排出室22aから流出した油が収容される油タンク72に連通させる油回収路74とに分岐されている。
油供給路73は下冶具21に設ける油圧作用室21aに連通し、油圧作用室21aはガスケット1の破壊により上冶具22の油排出室22aと連通する。そして、油排出室22aに排出した油は、上冶具22に形成される上冶具油回収路22bから油タンク72に回収され、油タンク72に油回収路74が連通しているので、油タンク72内の油は油回収路74を介して油圧シリンダ部6の油圧室61に回収される。このように、油圧室61、油供給路73、油圧作用室21a、油排出室22a、上冶具油回収路22b、油タンク72、油回収路74により閉回路からなる油圧回路が構成される。
また、油供給路73には、油供給路73の内圧を測定することでガスケットホルダ2に配置されているガスケット1の下面に作用する油圧を測定する圧力計71が設けられ、この圧力計71の測定位置よりも下流側の油供給路73に下冶具21から油圧室61への流れを阻止する油供給側逆止弁75が設けられている。
また、油回収路74には、油圧シリンダ部6の油圧室61から油タンク72への油の流れを阻止する油回収側逆止弁76が設けられている。
油圧回路では、油圧シリンダ部6の油圧室61で加圧された油は、油供給路73と油回収路74とへ流出していくが、油供給路73及び油回収路74に設ける油供給側逆止弁75、油回収側逆止弁76の取付方向により、油圧室61で加圧された油は油供給路73を流れてガスケットホルダ2へ供給される。また、油タンク72から油圧室61へ油を回収する際には、エアシリンダ部4での空圧作用によりピストンロッド部5が油圧シリンダ部6から離れる方向に移動して、油圧室61内は減圧状態になり、油回収路74を介して油圧室61内に油タンク72内の油が引き込まれる。
また、空圧回路には、ガスケットホルダ2の上部取付部24を駆動するためのホルダ駆動装置84が設けられており、このホルダ駆動装置84は、エアシリンダにより構成され、圧力調整弁83で調整された圧縮空気により、ガスケット1を保持するガスケットホルダ2の上部取付部24を上下動させるものである。空圧回路におけるホルダ駆動装置84と圧力調整弁83との間の空圧供給路には、ホルダ駆動装置84における第1加圧室84aと第2加圧室84bとに圧縮空気の供給を切り替えるホルダ駆動用流路切換弁89が設けられている。
ガスケット1の破壊圧を測定する際には、ガスケット1を取り付けた状態の上冶具22を上部取付部24に固定し、下冶具21を下部取付部23に固定しておく。そして、エアコンプレッサー81を駆動して圧縮空気を発生させて、ホルダ駆動用流路切換弁89を圧縮空気が第1加圧室84aに供給されるように駆動させ、ホルダ駆動装置84により、上部取付部24を下方に向けて駆動させることにより、上冶具22と下冶具21とによりガスケット1を覆うように挟持して破壊圧を測定できる状態にする。
そして、エアコンプレッサー81で発生した圧縮空気を増圧弁82で、1.0MPaに増圧した後、圧力調整弁83でさらに、0.5MPaに調整した後、加圧切換弁85を経てエアシリンダ部4の第1加圧室84aに圧縮空気を供給する。この空圧供給により、ピストンロッド部5が油圧シリンダ部6側に移動し、油圧シリンダ部6の油圧室61内の油が油圧室61から押し出される。このとき、油が流れる経路は、油供給側逆止弁75と油回収側逆止弁76とによって流路が決まり、油は、油供給路73を流れてガスケットホルダ2へと流れる。
下冶具21の油圧作用室21aは供給された油により油圧が上昇していき、ガスケット1の下面に油圧が作用する。ガスケット1に設けられた薄肉部分が油圧により破壊されると、上冶具22の油排出室22aに油が排出される。本実施形態1では、油排出室22aに排出された油は、上冶具22の上冶具油回収路22bから外部に流出して油タンク72に収容される。本実施形態1では、油圧作用室21aに油圧が供給されている間、油供給路73の配管内圧を圧力計71で0.1秒毎に測定し、その最大圧力値を破壊圧として図示しない制御装置に記録させる。
エアシリンダ部4は、油圧シリンダ部6においてピストンロッド部5の端部が終端位置まで到達したことを図示しないセンサで検出すると、加圧切換弁85を切り換えて、エアコンプレッサー81からの圧縮空気が第2空圧室41bに供給されるようにして、ピストンロッド部5を油圧シリンダ部6から離れる方向に移動させる。このとき、油タンク72内の油が油圧室61内に吸込まれ、油圧室61に油が充填される。
[実施形態2]
上記実施形態1では、ガスケットホルダ2の構成を下冶具21及び上冶具22の被嵌合部21c,22dを下部取付部23及び上部取付部24の各々の装着部23a,24bに嵌め込んで側方からネジ止めする構成としたが、図5に示す実施形態2のように、下冶具21と下部取付部23とをネジ締めにより構成すると共に、上冶具22と上部取付部24とをネジ締めにより構成するようにしてもよい。
実施形態2のガスケットホルダ2は、図5に示すように、ガスケット1を挟持する上冶具22及び下冶具21と、上冶具22が取り付けられる上部取付部24と、下冶具21が取り付けられる下部取付部23とを備える点は同じであるが、上冶具22の上部取付部24への取付構造と、下冶具21の下部取付部23への取付構造とが実施形態1と異なる。
実施形態2では、下冶具21はネジ締めにより下部取付部23に固定されるネジ部21eを有し、下部取付部23の下冶具装着部23aには、ネジ部21eが螺合されるネジ穴23dを有し、上冶具22はネジ締めにより上部取付部24に固定されるネジ部22fを有し、上部取付部24の上冶具装着部24bは、ネジ部22fが螺合されるネジ穴24dを有する。
このように、上冶具22を上部取付部24にネジ締めにより固定し、下冶具21を下冶具油供給路21bと取付部油供給路23bとが連通するように下部取付部23にネジ締めにより固定して、上部取付部24をホルダ駆動装置84により下降させて、ガスケット1を上冶具22と下冶具21とで覆うように挟持した状態にして、実施形態1と同様の破壊圧の測定を行なうことができる。
図6は、本実施形態1の破壊圧測定機を用いて、実際にエアシリンダ部4におけるピストンロッド部5の移動速度と、油圧シリンダ部6で加圧された油の吐出量とを比較したグラフである。
図6によれば、ピストンロッド部5の移動速度と、油の吐出量は完全に比例していることが分かり、空圧を油圧に変換する構成が本発明の破壊圧測定機に適用することが有効であることが分かる。
即ち、本実施形態1に係る破壊圧測定機は、空圧を油圧に変換する構成において、エアシリンダ部4でのピストンロッド部5の移動速度を、回転角度により流量を調整する速度調整弁86a,86bを用いて速度を調整することで、図6に示すように、油圧シリンダ部6による油の流量特性(油吐出量)と、エアシリンダ部4でのピストンロッド部5の動作軌跡が略同じように変化することがわかり、空圧を油圧に変換し、エアシリンダ部4でのピストンロッド部5の移動速度を制御することで、油圧シリンダ部6の油圧室61及び油供給路73の内圧と流量を制御でき、精度良く破壊圧の測定ができることが立証できた。
また、図7は、実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機により、油圧シリンダ部6の油圧室61で加圧された油のガスケット1の下面に作用された油圧の立上り挙動を繰返し測定した結果をグラフに示したものである。図7のグラフから明らかなように、油圧の場合には、立上り挙動が安定しており、安全に高圧領域で使用できることがわかる。
これに対し、図8は、ガスケットを密封した状態で、ガスボンベから高圧空気をガスケットの下面(受圧面)に直接供給して空圧を作用させた場合の空圧の立上り挙動を繰返し測定した結果をグラフに示したものである。図8のグラフから明らかなように、空圧で測定する場合には、流入初期の挙動が不安定で立上り挙動にもバラツキがあることがわかる。この要因としては、ガスボンベからガスケットの下面に到達するまでの配管抵抗・圧力損失などの影響や、ガスボンベに蓄積された気体残存量による影響などにより、空圧が不安定となることが挙げられる。
さらに、図9は、実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機を用いたときの、エアシリンダ部4に供給される空圧を変化させた場合によるガスケット1の下面に作用される油圧の立上り挙動の比較を示すグラフであり、速度調整弁86a,86bの開度は一定で測定した結果、供給される空圧により油圧室61での油圧の立上りの挙動状態とピーク値が変化することが分かる。
また、図10は、実施形態1に係るガスケットの破壊圧測定機を用いたときの、油圧シリンダ部6の油圧室61から吐出される油吐出量を変化させた場合によるガスケット1の下面に作用される油圧の立上り挙動の比較を示すグラフであり、エアシリンダ部4に供給される空圧を一定とし、速度調整弁86a,86bの開度を変えて油吐出量を変化させると、経過時間毎で油圧室61での油圧の到達圧力が異なることが分かる。
以上のことから、本実施形態1の破壊圧測定機によれば、エアコンプレッサー81で得られた圧縮空気を用いてエアシリンダ部4を駆動させ、油が充填された油圧シリンダ部6においてピストンロッド部5を押しだすことで空圧を油圧に増圧して変換することができるので、高圧使用時の空気圧の弱点である圧縮性を排除して、安定した破壊圧の測定結果が得られる。しかも、エアシリンダ部4でのピストンロッド部5の動作を速度調整弁86a,86bによって簡単に制御することができるので、油圧シリンダ部6の油圧室61での内圧の上昇の挙動を任意に簡単に設定できるし、空圧から油圧に変換させる動作時のみ油圧シリンダの内部が高圧になるのでエアシリンダ部4側の気体の取扱が容易になる。
また、油圧シリンダ部6により発生した油圧を圧力計71により測定しながら、エアシリンダ部4におけるピストンロッド部5の動作を第2空圧室41bからの気体の排出量を速度調整弁86a,86bにより制御することにより、ガスケット1の下面側に作用する油圧の圧力上昇の挙動を確認しながら、油圧を調整していくことができ、確実に破壊圧の測定が行え、内圧上昇によるガスケット防爆機能のピーク圧力の測定だけでなく、圧力上昇の経緯を想定して油圧を設定できる優位性がある。
また、油は油タンク72に回収して繰り返し使用するので、油が無駄に廃棄されることがなくなる。さらに、空圧を油圧に増圧させて変換するため、エアコンプレッサー81で発生した圧縮空気をエアシリンダ部4の駆動に用いることができ、従来の空圧で破壊圧を測定したときのように、コストの係る特殊なガスを用いる必要がなく、エアシリンダ部4の空圧室41から排出された気体は大気に開放することができる。ガスケット1の破壊は、油圧により行なわれるので、空圧の場合に生じる圧縮空気が放出する際に生じる爆音にくらべて、油が飛び散る際の音は小さくできる。油圧は空気圧に比べて小型でも出力を大きくでき、振動が少なく円滑に油圧シリンダ部6を駆動させられ、しかも油圧の上昇の挙動も安定していて応答性が良い。
また、下冶具21と下部取付部23とには油供給路が形成されるので、下冶具21を下部取付部23に組み付けた際にシールが必要となるが、油の粘性を利用して下冶具21と下部取付部との間のシールが行なえ、空圧をガスケットの下面に作用させる場合に比べてシール構造を簡略化できる。
例えば、下部取付部への下冶具の取付を実施形態2のようにネジ締めにより行なう場合には、空圧で破壊圧を測定する場合には、ネジ部にシールテープを巻きつける必要があるが、油圧で破壊圧を測定する場合には、油の粘性によりシールテープを省略できる。しかも、実施形態1のように、下冶具21の下部取付部23への組み付け構造及び上冶具22の上部取付部24への組み付け構造を嵌合により行なってネジで抜け止めを行なう構成にする場合には、より簡単な取付構造とすることができる。
なお、本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
本発明のガスケットは、一般の円筒型、角型やボタン型電池等の封口用部品に適用でき、その形状等は特に限定されない。
さらに、本発明のガスケットは、アルカリ電池に適用する電池用ガスケットだけでなく、リチウム電池の電池用ガスケットとしても適用できるし、コイン型や円筒型の電気二重層コンデンサなどの小型の電気化学セルを構成する蓄電要素を収納した金属容器の開口部に装着された絶縁ガスケットにも適用できる。
1 ガスケット
2 ガスケットホルダ
3 油圧発生器
4 エアシリンダ部
5 ピストンロッド部
6 油圧シリンダ部
21 下冶具
21a 油圧作用室
21b 下冶具油供給路
22 上冶具
22a 油排出室
22b 上冶具油回収路
23 下部取付部
23a 下冶具装着部
23b 取付部油供給路
24 上部取付部
24b 上冶具装着部
41 空圧室
51 ピストン
52 ロッド
61 油圧室
71 圧力計
72 油タンク
73 油供給路
74 油回収路
81 エアコンプレッサー
85 加圧切換弁
86a,86b 速度調整弁
87 流路切換弁
88a,88b 逆止弁

Claims (2)

  1. 密閉容器の開口部に設けられるガスケットの破壊圧力を測定するガスケットの破壊圧測定機であって、
    内部にガスケットが保持され、ガスケットの下面に油圧を作用させるための油圧作用室、及び、ガスケットの上面に対向して形成される油排出室を備えるガスケットホルダと、
    ガスケットホルダの油圧作用室に油を供給してガスケットの下面側に油圧を作用させ、この油圧によりガスケットが破壊されて油排出室に排出された油を回収して再度油圧作用室に供給するために油圧を発生させる油圧発生器と、
    ガスケットの下面側に作用する油圧を測定する圧力計とを備え、
    油圧発生器は、
    空圧源から供給される空圧で軸方向に移動するピストンロッド部を備えるエアシリンダ部と、当該ピストンロッド部の一部が軸方向に移動可能に配置される油圧室を有し、ピストンロッド部の移動により油を加圧してガスケットホルダの油圧作用室に油を供給してガスケットの下面側に油圧を作用させると共に、油排出室に排出された油を油圧室に回収する油圧シリンダ部とを備えることを特徴とするガスケットの破壊圧測定機。
  2. 密閉容器の開口部に設けられるガスケットの破壊圧力を測定する破壊圧測定機に用いられるガスケットを保持するガスケットホルダであって、
    嵌め合わせによりガスケット取付空間が形成されて、ガスケットを上面側と下面側とから挟持する上冶具及び下冶具と、上冶具が取り付けられる上部取付部と、下冶具が取り付けられる下部取付部とを備え、
    上部取付部及び/又は下部取付部は、上冶具及び下冶具のクランプとクランプ解除とを行なうために駆動手段により上下方向に移動可能に配置され、
    下冶具は、ガスケットが配置された状態においてガスケットの下面に油圧を作用させる油圧作用室が、上方に向けて開放し、ガスケットを配置させることにより閉鎖されるように形成されると共に、この油圧作用室の下部に連通し、外部から油が供給される下冶具油供給路が形成され、
    下部取付部は、下冶具が取り付けられる下冶具装着部と、下冶具装着部に開口し、下冶具の下冶具油供給路に油を供給するための取付部油供給路とが貫通形成され、
    上冶具は、下冶具と共にガスケットを挟持した状態においてガスケットの上面に対向する油排出室が形成されると共に、この油排出室に連通する上冶具油回収路が上冶具の外面に開口するように形成され、
    上部取付部は、上冶具が取り付けられる上冶具装着部が形成されていることを特徴とするガスケットホルダ。
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