JP2013194971A - 蓄熱装置、及び、トリガーユニット - Google Patents

蓄熱装置、及び、トリガーユニット Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で種結晶の落下を防止することができる蓄熱装置、及び、トリガーユニットを提供する。
【解決手段】蓄熱時の環境温度で過冷却状態となる潜熱蓄熱材2を容器1内に備える蓄熱ユニット50と、潜熱蓄熱材2の結晶化を誘発する種結晶30を保持するトリガーユニット10と、を備え、トリガーユニット10は、種結晶30を保持する保持部材11と、保持部材11を、容器1に潜熱蓄熱材2に接触可能とすべく移動可能に取り付けるシール部20と、を備え、保持部材11は、種結晶30が載置される凹部18を有する種結晶保持部15を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄熱時の環境温度で過冷却状態となり潜熱分のエネルギーを保持する蓄熱材を用いた蓄熱装置、及び、過冷却状態の蓄熱材の結晶化を誘発するトリガーユニットに関する。
従来、深夜電力やモーター排熱、或いは、太陽熱等を蓄熱して必要な時に熱源として利用する蓄熱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の蓄熱装置では、蓄熱材として蓄熱密度の大きい潜熱蓄熱材を用いることで装置の小型化を図っている。
ところで、蓄熱装置に蓄熱材として用いられる潜熱蓄熱材は、蓄熱後に融けた物質が凝固点以下の温度に冷却されても結晶化せず液体のまま存在する過冷却状態となり潜熱分のエネルギーを保持する性質を有する。この種の蓄熱材は、刺激を与えることで結晶化を開始し、結晶化することにより潜熱を放出する。そのため、蓄熱装置には、任意のタイミングで蓄熱材に刺激を与えるトリガーユニットが備えられる。トリガーユニットの機構としては、例えば、過冷却状態の蓄熱材に機械的に刺激を与える、或いは、電圧を印可する等の各種方法があるが、確実に蓄熱材の結晶化を誘発することができないという問題があった。そのため、蓄熱材と同じ材料を結晶化させた種結晶を接触させることで確実に蓄熱材の結晶化を誘発させる技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の蓄熱装置では、蓄熱材と同じ材料を結晶化させた種結晶をパイプ内に充填し、当該パイプを移動させることで任意のタイミングで当該種結晶を過冷却状態の蓄熱材に接触させて蓄熱材の結晶化を誘発している。
特開昭61−22194号公報
しかしながら、従来の構成では、内面が平滑なパイプ内に種結晶を充填した構成であるため、種結晶をパイプ内に保持する保持力が十分ではなく、意図せぬタイミングで種結晶がトリガー機構から蓄熱材に落下してしまう可能性があった。種結晶が過冷却状態の蓄熱材に落下して蓄熱材に触れた場合には、意図せぬタイミングで蓄熱材の結晶化を招くこととなり、必要な時に蓄熱材に蓄熱した熱を利用することができなくなるという問題があった。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、簡単な構造で種結晶の落下を防止することができる蓄熱装置、及び、トリガーユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、蓄熱時の環境温度で過冷却状態となる蓄熱材を容器内に備える蓄熱ユニットと、前記蓄熱材の結晶化を誘発する種結晶を保持するトリガーユニットと、を備え、前記トリガーユニットは、前記種結晶を保持する保持部材と、前記保持部材を、前記容器に前記保持部材を前記蓄熱材に接触可能とすべく移動可能に取り付けるシール部と、を備え、前記保持部材は、前記種結晶が載置される凹部を有する種結晶保持部を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記蓄熱装置において、前記種結晶保持部は、前記種結晶が載置される底部と、前記底部の周囲を囲む周壁部と、を備えることを特徴とする。
また本発明は、上記蓄熱装置において、前記種結晶保持部は、中くぼみの皿形状に形成されていることを特徴とする。
また本発明は、上記蓄熱装置において、前記保持部材は、筒状部材を有し、前記種結晶保持部は、前記筒状部材の先端の開口を塞ぐ板状に形成されて前記筒状部材の内壁との間の空間に前記凹部を備え、前記凹部を前記容器内部の空間に連通させる貫通孔を、前記保持部材に設けたことを特徴とする。
また本発明は、上記蓄熱装置において、前記種結晶保持部の略中央に前記筒状部材の内部に突出する突出部を設け、前記貫通孔を、前記突出部に設けたことを特徴とする。
また本発明は、上記蓄熱装置において、前記保持部材は、板状部材であり、前記板状部材の先端を折り曲げて前記種結晶保持部を形成し、前記種結晶保持部の一部をくぼませて、前記凹部を設けたことを特徴とする。
また本発明は、上記蓄熱装置において、前記保持部材は、筒状部材を有し、前記筒状部材の先端に長手方向に延びるスリットを設け、当該先端を外側に折り曲げて前記種結晶保持部を形成し、前記種結晶保持部の一部をくぼませて、前記凹部を設けたことを特徴とする。
また本発明は、上記蓄熱装置において、前記保持部材は、前記種結晶保持部が設けられ、前記シール部に対して前記容器の密閉性を保ち摺動する軸部を備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は、蓄熱時の環境温度で過冷却状態となる蓄熱材の結晶化を誘発するトリガーユニットであって、前記蓄熱材の結晶化を誘発する種結晶を保持する保持部材を備え、前記保持部材は、前記種結晶が載置される凹部を有する種結晶保持部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、保持部材は、種結晶が載置される凹部を有する種結晶保持部を備えたため、凹部に種結晶を載置して種結晶を落下することなく保持することができる。
本発明の第1実施形態に係る蓄熱装置の概略構成を示す部分断面図である。 蓄熱材の状態変化を示す蓄熱装置の部分断面図であり、(A)は蓄熱材が過冷却状態である状態を示す図であり、(B)はトリガーユニットにより種結晶を蓄熱材に接触させ、蓄熱材の結晶化を誘発した状態を示す図であり、(C)は蓄熱材が結晶化した状態を示す図である。 保持部材の斜視図である。 第2実施形態の保持部材の斜視図である。 第3実施形態の保持部材を示す図であり、(A)は分解斜視図であり、(B)は断面図である。 第3実施形態の変形例の保持部材を示す図である。 保持部材の下端の構成の変形例を示す図であり、(A)は下端が先細り形状の保持部材を示す図であり、(B)は下端の外周に雄ねじを備えた保持部材を示す図である。 第4実施形態の保持部材を示す斜視図である。 第4実施形態の保持部材の変形例を示す斜視図である。 第5実施形態の保持部材を示す図であり、(A)は種結晶保持部を形成する前の保持部材を示す斜視図であり、(B)は種結晶保持部を形成した保持部材を示す斜視図である。 第6実施形態の保持部材を示す断面図である。 第6実施形態の軸部の構成を示す図であり、(A)は中空部に形成された溝の一形態を示す断面図、(B)中空部に形成された溝の別の形態を示す断面図である。 第7実施形態のトリガーユニットの概略構成を示す部分断面図であり、(A)は蓄熱材が過冷却状態である状態を示す図であり、(B)はトリガーユニットにより種結晶を蓄熱材に接触させ、蓄熱材の結晶化を誘発した状態を示す図である。 容器の概略構成を示す部分断面図である。 第8実施形態の容器の構成を示す断面図であり、(A)は蓄熱材が過冷却状態である状態を示す図であり、(B)はトリガーユニットにより種結晶を蓄熱材に接触させ、蓄熱材の結晶化を誘発した状態を示す図である。 第9実施形態の蓄熱装置の概略構成を示す部分断面図であり、(A)は蓄熱材が過冷却状態である状態を示す図であり、(B)はトリガーユニットにより種結晶を蓄熱材に接触させ、蓄熱材の結晶化を誘発した状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る蓄熱装置100の概略構成を示す断面図である。蓄熱装置100は、図1に示すように、蓄熱時の環境温度で過冷却状態となる潜熱蓄熱材(蓄熱材)2を容器1内に備えた蓄熱ユニット50と、潜熱蓄熱材2の放熱を誘発するトリガーユニット10と、を備える。また、蓄熱装置100は、潜熱蓄熱材2に熱的に接続され、熱源3からの熱を潜熱蓄熱材2に伝達する第1熱輸送手段4と、潜熱蓄熱材2に蓄熱した熱を、熱利用機器6に伝達する第2熱輸送手段5と、を備える。この構成により、潜熱蓄熱材2は、第1熱輸送手段4を介して熱源3から伝達される熱を蓄熱すると共に、第2熱輸送手段5を介して蓄熱した熱を熱利用機器6に供給する。
容器1は、例えば、耐食性が高いステンレスから形成することができる。また、容器1は、内面に樹脂コートを施したアルミ等の軽量で低コストの金属から形成されている構成であっても良い。更に、容器1は、ポリプロプレン(PP)やポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の合成樹脂とアルミ箔とを層状に貼り合せて形成する構成であっても良い。
第1熱輸送手段4、及び、第2熱輸送手段5は、例えば、ヒートポンプや水循環装置等の熱媒体配管、或いは、ヒートパイプ等で構成される。第1熱輸送手段4、及び、第2熱輸送手段5は、容器1の外側に配置されて潜熱蓄熱材2に間接的に接触している構成であっても良いし、或いは、容器1の内側に配置されて潜熱蓄熱材2に直接接触している構成であっても良い。第1熱輸送手段4、第2熱輸送手段5は、容器1の内側に配置され潜熱蓄熱材2に直接接触する場合には、潜熱蓄熱材2による腐食を防ぐために、表面に樹脂等のコーティングが施されている構成であっても良い。また、図示は省略したが、第1熱輸送手段4、及び、第2熱輸送手段5には、フィンチューブやヒートパイプヒートシンク等のフィン材を設けて伝熱面積を向上させる構成であっても良い。
蓄熱装置100は、熱源3と熱利用機器6の組み合わせとして、例えば、ヒートポンプ式給湯器における深夜電力と給湯、電気自動車におけるモーター排熱と暖房、太陽熱給湯器における太陽熱と給湯、床暖房器における深夜電力と暖房等、様々な製品へ応用し利用することができる。また、蓄熱装置100は、第1熱輸送手段4、及び、第2熱輸送手段5が着脱自在な構成でも良く、単体で熱源3と離れた場所で利用できる熱電池、或いは、非常用熱源として利用することも可能である。
潜熱蓄熱材2は、酢酸ナトリウム・3水和塩、塩化マグネシウム・6水和塩、水酸化バリウム・8水和塩、チオ硫酸ナトリウム・5水和物、硝酸マグネシウム・6水和物、塩化カルシウム・6水和物、硫酸ナトリウム・10水和物、キシリトール、或いは/及びこれらの混合物や水溶液等を使用することができ、融解または凝固時の潜熱を利用して蓄熱または放熱する性質を有する潜熱蓄熱材である。蓄熱装置100は、潜熱蓄熱材2を蓄熱材として利用することで、水などの顕熱を利用する手法よりも蓄熱密度を大きくすることができるため、蓄熱ユニット50の小型化を図ることができる。また、潜熱蓄熱材2の濃度調節により、蓄熱装置100の発熱温度を調整することが可能である。
潜熱蓄熱材2は、蓄熱後に融けた液体の状態で凝固点以下の温度(蓄熱時の環境温度)に冷却されても結晶化することなく、液体のままで潜熱分の熱エネルギーを保持する過冷却状態となる性質を有する。蓄熱装置100は、潜熱蓄熱材2のこの性質を利用しているため、断熱材を用いることなく環境温度下で熱エネルギーを保持することができる。
過冷却状態の潜熱蓄熱材2は、結晶化により潜熱を放出するため、トリガーユニット10は、任意のタイミングで潜熱蓄熱材2に刺激を与えて結晶化を誘発することができるように構成されている。過冷却状態の潜熱蓄熱材2の結晶化を誘発することができる刺激としては、潜熱蓄熱材2に機械的に刺激を与えることや電圧を印可すること等が考えられる。本実施形態では、特に、トリガーユニット10は、結晶化の核となる種結晶30を直接過冷却状態の潜熱蓄熱材2に接触させることで、他の方法よりも確実に結晶化を誘発することができるように構成されている。
次に、トリガーユニット10の構成について説明する。トリガーユニット10は、後述する種結晶30を下端(先端)12Aに保持する保持部材11と、当該保持部材11を、容器1に気密に取り付けるためのシール部20とを備える。保持部材11は、軸部11Aと、種結晶保持部15とを備える。シール部20は、軸部11Aが貫通する孔22を有し、当該孔22に保持部材11を貫通させることで、容器1内の気密性(密閉性)を保つことができるように構成されている。また、シール部20は、軸部11Aの外周に環装されて軸部11Aと容器1との気密性を保持するOリング21を備える。軸部11Aは、シール部20内に固定されたOリング21に対して上下に摺動可能に設けられる。種結晶保持部15は、詳細については後述するが、種結晶30を保持し、軸部11Aが下方に摺動されて軸部11Aの下端である先端12Aが容器1内の潜熱蓄熱材2に挿入された時に、種結晶保持部15が保持する種結晶30が潜熱蓄熱材2と接触するように構成されている。なお、シール部20は、水和物である蓄熱材2の水分変化を防止するために設けられ、容器1の気密性を保った状態で保持部材11を容器1に対して支持するように構成されている。
保持部材11は、図2に示すように、先端12Aが容器1内で上下に移動可能に設けられる。保持部材11の移動は、図示は省略するが、例えばモーターとカム等を用いた機械的操作で行われる構成であっても良いし、或いは、手動操作で行われる構成であってもよい。保持部材11は、軸部11Aの外表面(外周)11Bに滑らかな表面を有し、Oリング21との間の気密性を保った状態でスライド移動可能に設けられる。
図2(A)に示すように、蓄熱装置100は、潜熱蓄熱材2を蓄熱後、過冷却状態、つまり液体の状態のまま、で容器1内に保持する。この構成によれば、断熱材を用いることなく、環境温度下で熱を潜熱蓄熱材2内に蓄熱しておくことができる。なお、以下の説明において、潜熱蓄熱材2Aは、過冷却状態(液体)の潜熱蓄熱材2を示し、潜熱蓄熱材2Bは、結晶化した個体の状態の潜熱蓄熱材2を示す。
蓄熱装置100の潜熱蓄熱材2Aに蓄熱された熱を利用したい時には、任意のタイミングで図2(B)に示すように、保持部材11を保持部(種結晶保持部)15に保持された種結晶30が潜熱蓄熱材2Aに接触するように、軸部11Aを押し下げて、種結晶保持部15を下方に移動させる。種結晶30が、潜熱蓄熱材2Aに接触すると、種結晶30が潜熱蓄熱材2Aの結晶化の核となり潜熱蓄熱材2Aの結晶化が開始され、結晶化により潜熱蓄熱材2Aに保持された潜熱分の熱エネルギーが放出される。
保持部材11は、潜熱蓄熱材2Aの結晶化が開始された後に所定の位置まで持ち上げられる。このとき、種結晶保持部15には種結晶30が保持されている。図2(C)は、潜熱蓄熱材2が全て結晶化し、潜熱蓄熱材2に蓄熱した熱の放熱が終了した状態を示す。蓄熱装置100は、潜熱蓄熱材2Bに再び蓄熱して融解させ、過冷却状態となった潜熱蓄熱材2Aを任意のタイミングで結晶化させることで、繰り返し熱源として利用可能に構成されている。
図3は、保持部材11の構成を示す図である。保持部材11は、図3に示すように、円柱形状の軸部11Aと、軸部11Aの先端12Aに、接続固定された種結晶保持部15とを備える。種結晶保持部15は、例えば、溶接、半田づけ、ろう付け、接着、カシメ固定等により軸部11Aの先端12Aに固定される。種結晶保持部15は、底部16と、底部16の外縁から立設し、底部16の周囲を囲む周壁部17とを備える椀状に形成される。軸部11Aは、底部16の略中央に固定され、これにより、種結晶保持部15には、軸部11Aの周囲に環状の凹部18が形成される。凹部18には、種結晶30が設置され、軸部11Aを容器1の気密性を保った状態で上下に移動させることで、種結晶30を容器1内の潜熱蓄熱材2に接触させることができる。
次に、保持部材11の凹部18に種結晶30を設置する方法について説明する。凹部18に種結晶30を設置するには、例えば2通りの方法がある。第1の方法は、容器1の外部で凹部18に潜熱蓄熱材2を入れて予め固化させた後に、保持部材11を容器1に取り付ける方法である。潜熱蓄熱材2は、例えば、粉末の状態で凹部18に載置されて溶融され、冷却後に結晶化される構成であっても良いし、或いは、過冷却状態の潜熱蓄熱材2Aを凹部18に入れて結晶化させる構成であっても良い。過冷却状態の潜熱蓄熱材2Aを凹部18に流し入れる場合、容器1の外部で過冷却状態にした潜熱蓄熱材2Aを凹部18に流し込む構成であっても良い。過冷却状態で凹部18に流し込まれた潜熱蓄熱材2Aは、凹部18内で固化し、種結晶30が種結晶保持部15の底部16に載置される。このように、種結晶30は、保持部材11の先端12Aに設けられた凹部18に、底部16に載置されて設けられるため、意図せぬタイミングで種結晶30が保持部材11から落下することがない。
種結晶30を凹部18に設置する第2の方法は、容器1にトリガーユニット10を気密に固定して、容器1内の潜熱蓄熱材2を過冷却状態にした後に、保持部材11を押し下げて、先端12Aを潜熱蓄熱材2Aに挿入し、凹部18に潜熱蓄熱材2Aをすくい入れて凹部18内で固化させる方法である。この構成によれば、椀状の種結晶保持部15を潜熱蓄熱材2A内に挿入して、簡単に凹部18に種結晶30を設置することができる。そして、種結晶30は、凹部18に載置されて保持部材11に保持されるため、意図せぬタイミングで種結晶30が保持部材11から落下することがない。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、蓄熱時の環境温度で過冷却状態となる潜熱蓄熱材2を容器1内に備える蓄熱ユニット50と、潜熱蓄熱材2の結晶化を誘発する種結晶30を保持するトリガーユニット10と、を備え、トリガーユニット10は、種結晶30を保持する保持部材11と、保持部材11を、容器1に保持部材11の先端12Aを潜熱蓄熱材2に接触可能とすべく移動可能に取り付けるシール部20と、を備え、保持部材11は、種結晶30が載置される凹部18を有する種結晶保持部15を備えた。これにより、保持部材11は、種結晶保持部15の凹部18に種結晶30を載置して保持し、種結晶30が不意に落ちることなく移動させて種結晶30と潜熱蓄熱材2とを接触させることができ、必要に応じて任意のタイミングで潜熱蓄熱材2の結晶化を確実に誘発することができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、保持部材11は、種結晶保持部15が先端12Aに設けられ、シール部20に対して容器1の気密性を保ち摺動する軸部11Aを備えたため、容器1の気密性を保った状態で種結晶保持部15に保持された種結晶30を潜熱蓄熱材2に接触させるべく保持部材11を移動させることができ、水和物である潜熱蓄熱材2の水分変化を防止することができる。
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、軸部11Aは、椀状の種結晶保持部15の中央に固定され、凹部18は、軸部11Aの周囲に環状に設けられる構成であった。しかしながら、保持部材11は、種結晶30が載置される凹部18と、凹部18を有する種結晶保持部15を潜熱蓄熱材2Aに挿入可能とすべく支持する軸部11Aと、を備えていれば、軸部11Aは種結晶保持部15の何処に固定されている構成であっても良い。この第2実施形態では、保持部材11は、図4に示すように、軸部11Aの先端12Aが、凹部18を中央に備える略椀状の種結晶保持部15の外縁部19に固定され、略おたま杓子状に形成されている。なお、第2実施形態の蓄熱装置100の概略構成は、上述した第1実施形態と同一であり、その説明を省略する。
この構成によれば、種結晶保持部15の凹部18に種結晶30を載置して保持し、種結晶30が不意に落ちることなく保持部材11を移動させて種結晶30と潜熱蓄熱材2とを接触させることができ、必要に応じて任意のタイミングで潜熱蓄熱材2の結晶化を確実に誘発することができる。
<第3実施形態>
上述の第1実施形態、及び、第2実施形態では、保持部材11は、円柱状の軸部11Aと、軸部11Aの先端12Aに固定された略椀状の種結晶保持部15と、を備える構成であった。これに対し、この第3実施形態では、筒状の軸部111Aの内周部に種結晶保持部115を備えた保持部材111について説明する。なお、第3実施形態の蓄熱装置100の概略構成は、上述した第1実施形態と同一であり、その説明を省略する。
保持部材111は、図5(A)に示すように、筒状の軸部(筒状部材)111Aと、軸部111Aの下端である先端112Aに固定される種結晶保持部115とを備える。種結晶保持部115は、軸部111Aと略同じ径寸法の円盤状に形成され、略中央に上方に突出する突出部116を備えるとともに、突出部116の略中央に上下に貫通する貫通孔117を備えている。
種結晶保持部115は、図5(B)に示すように、軸部111Aの先端112Aの開口を塞ぐように保持部材111に固定される。突出部116は、種結晶保持部115が先端112Aに固定された際に、保持部材11の内部に突出する。保持部材111は、種結晶保持部115の突出部116の外周116Aと、軸部111Aの先端112Aの内周(内壁)112Cとの間に環状の凹部118が形成される径寸法に形成されている。種結晶保持部115は、この凹部118に種結晶30を保持する。なお、図示は省略するが、保持部材111の上端112Bは、容器1の気密性を保つために溶接や圧接、接着、或いは、バルブ等で封止されている。
保持部材111の凹部118に種結晶30を設置する方法には、例えば2通りの方法があり、第1の方法は、上端112Bを封止する前に、凹部118に粉末の状態で潜熱蓄熱材2を載置して溶融し、冷却後に結晶化される、或いは、容器1内の過冷却状態の潜熱蓄熱材2Aを外部の吸引手段を用いて吸込み凹部18に流し入れて結晶化させる方法である。また、第2の方法は、上端112Bを封止した後に、容器1にトリガーユニット10を気密に固定して、容器1内の潜熱蓄熱材2を過冷却状態にした後に、保持部材111を押し下げて、先端112Aを潜熱蓄熱材2Aに挿入し、貫通孔117を介して凹部118内に容器1内の潜熱蓄熱材2Aを吸込んで凹部118内で固化させる方法である。
この構成によれば、円筒状の軸部111Aの内周112Cに沿って設けられた凹部118に種結晶30を載置して保持することができるため、簡単な構造で、種結晶30が意図せぬタイミングで保持部材111から落下するのを防止することができる。また、種結晶保持部115を、軸部111Aの外周から径方向に突出させることなく設けることができるため、結晶化を開始した後の潜熱蓄熱材2Aからでも保持部材111を容易に引き抜くことができ、凹部118に保持した種結晶30を繰り返し使用することができる。
この構成によれば、保持部材111は、筒状の部材を有し、種結晶保持部115は、軸部111Aの先端112Aの開口を塞ぐ板状に形成され、種結晶保持部115の略中央に軸部111Aの内部に突出する突出部116を設け、突出部116と軸部111Aの内周112Cとの間の空間に凹部118を設け、突出部116に、凹部118と容器1内部の空間とを連通させる貫通孔117を設けたため、保持部材111の先端112Aを潜熱蓄熱材2Aに挿入することで、貫通孔117を介して凹部118に容易に潜熱蓄熱材2Aを導いて固化させることができるとともに、凹部118に載置して保持した種結晶30を貫通孔117を介して任意のタイミングで潜熱蓄熱材2Aに接触させて、繰り返し使用することができる。
図6は、第3実施形態の変形例を示す図であり、保持部材111は、図6に示すように、中空円筒状の軸部111Aの先端112Aに円板状の種結晶保持部115を備える構成であっても良い。そして、軸部111Aの先端112Aには、軸部111Aの外周面から内周面に貫通する貫通孔117Aが設けられている。種結晶保持部115は、種結晶保持部115と、先端112Aの内周112Cによって形成される凹部118に種結晶30を保持する。このように、保持部材111は、凹部118に保持した種結晶30と容器1内の潜熱蓄熱材2Aとを貫通孔117Aを介して接触可能とした構成であっても良い。
結晶化を開始した後の潜熱蓄熱材2Aから保持部材111を容易に引き抜くために、保持部材111の先端112Aは、図7(A)に示されるように先細り形状に形成されている構成であっても良いし、又は、図7(B)に示されるように先端112Aの外周面に雄ねじ113を形成する構成であっても良い。なお、本実施形態では、軸部111Aを中空円筒状に、種結晶保持部115を円盤状に形成する構成としたが、これに限らず、軸部111Aを角筒で構成し、軸部111Aの先端112Aに矩形板状の種結晶保持部115を固定する構成であっても良い。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、保持部材111は、筒状部材である軸部111Aを有し、種結晶保持部115は、軸部111Aの先端112Aの開口を塞ぐ板状に形成されて軸部111Aの内周112Cとの間の空間に凹部118を備え、凹部118を容器1内部の空間に連通させる貫通孔117,117Aを筒状部材である軸部111A、或いは、種結晶保持部115に設けたため、種結晶保持部115を、軸部111Aの外周から径方向に突出させることなく設けることができる。これにより、結晶化を開始した後の潜熱蓄熱材2Aからでも保持部材111の先端112Aを容易に引き抜くことがでる。
また、凹部118を容器1内部の空間に連通させる貫通孔117を保持部材111に設けたため、貫通孔117を介して凹部118に容易に潜熱蓄熱材2Aを導いて固化させることができるとともに、凹部118に載置して保持した種結晶30を貫通孔117を介して任意のタイミングで潜熱蓄熱材2Aに接触させて、繰り返し使用することができる。
なお、本実施形態において、保持部材111は、筒状の軸部111Aを備え、当該軸部111Aの先端112Aに種結晶保持部115を備える構成としたが、これに限らず、図示は省略するが、軸部111Aは全域が筒状である必要はなく、例えば、柱状の部材の先端部に当該柱状の部材とは別部材から構成される筒状の部材(筒状部材)を連結した構成としても良い。この場合、筒状の部材の内周と種結晶保持部とで種結晶を保持する凹部が形成され、貫通孔は、筒状の部材、或いは、種結晶保持部に形成される。
<第4実施形態>
上述の第1実施形態、及び、第2実施形態では、円柱状の軸部11Aの外周にOリング21を環装させて、軸部11Aを容器1に密封性を保った状態で上下に摺動可能に設ける構成であった。しかしながら、軸部11Aを容器1に気密性を保った状態で上下に摺動可能に設けることができれば、軸部11Aは円柱状である構成に限らず、保持部材211は、例えば、図8に示すよう、矩形の板状部材で構成されている構成であっても良い。なお、第4実施形態の蓄熱装置100の概略構成は、上述した第1実施形態と同一であり、その説明を省略する。
保持部材211は、矩形の板状部材から形成され、軸部211Aと、板状部材の下端である先端212Aを軸部211Aに対して略直角に折り曲げて形成した種結晶保持部215と、を備える。種結晶保持部215には、平面視略中央に、例えば絞り加工によって凹部218が設けられる。図示は省略するが、保持部材211は、この凹部218内に種結晶30が載置されて、容器1に気密性を保った状態で上下に移動可能に備えられる。
また、保持部材211は、図9に示すように、軸部211Aを背中合わせで2枚重ねて構成して、軸部211Aの前面側、及び、背面側に種結晶保持部215を備える構成としても良い。
これらの構成によれば、種結晶30は、凹部218に載置されて保持部材211に保持される。これにより、種結晶30が意図せぬタイミングで保持部材211から落下するのを防止することができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、保持部材211は、板状の部材であり、板状部材の先端212Aを折り曲げて種結晶保持部215を形成し、種結晶保持部215の一部をくぼませて、凹部218を設けたため、保持部材211は、容易に製造することができるとともに、種結晶30を意図せぬタイミングで落下しないように保持することができる。
<第5実施形態>
上述の第4実施形態では、矩形板状の保持部材211の先端212Aを軸部211Aに対して略直角に折り曲げて種結晶保持部215を形成する構成であった。この第5実施形態では、保持部材311は、筒状の部材から形成され、この筒状の部材の下端である先端312Aを外側に折り曲げて種結晶保持部315を形成した構成であり、種結晶保持部315は、軸部311Aの周りに放射状に複数設けられる。なお、第5実施形態の蓄熱装置100の概略構成は、上述した第1実施形態と同一であり、その説明を省略する。
保持部材211は、図10(A)に示すように、円筒状の部材から形成され、先端312Aに開口314を有する。また、図示は省略するが、保持部材211の上端312Bは、例えば溶接や圧接、接着、或いは、バルブ等によって封止されている。保持部材211の先端312Aには、開口314から保持部材211の長手方向に延びる所定の長さのスリット316が、所定間隔で複数設けられている。スリット316は、先端312Aを周方向に、例えば、六等分に分割する。これにより、先端312Aには、スリット316によって、短冊状の端部317がスリット316の数と同じ数だけ形成される。各端部317は、図10(B)に示すように、軸部311Aに対してそれぞれ略直角に外側に折り曲げられ、種結晶保持部315が軸部311Aから放射状に形成される。各種結晶保持部315の平面視略中央には、例えば絞り加工によって凹部318が設けられる。図示は省略するが、保持部材311は、この凹部318内に種結晶30が載置されて、容器1に気密性を保った状態で上下に移動可能に備えられる。
この構成によれば、種結晶30は、凹部318に載置されて保持部材311に保持される。これにより、種結晶30が意図せぬタイミングで保持部材311から落下するのを防止することができる。なお、本実施形態の保持部材211は、円筒である構成としたが、これに限らず、角筒である構成でも良い。
なお、本実施形態において、保持部材211は、筒状部材から構成され、当該筒状部材の先端312Aに種結晶保持部315を備える構成としたが、これに限らず、図示は省略するが、保持部材211は全域が筒状である必要はなく、例えば、柱状の軸部の先端部に当該軸部とは別部材から構成される筒状部材を連結した構成としても良い。
<第6実施形態>
上述の第5実施形態では、保持部材311は、軸部311Aの周りに放射状に設けられた種結晶保持部315を備え、種結晶保持部315の凹部318に種結晶30が載置されて、種結晶30を落下しないように保持する構成であった。この第6実施形態では、軸部411Aの外周に設けられた種結晶保持部415、及び、筒状の軸部411Aの中空部413内に種結晶30を保持する保持部材411について説明する。なお、第6実施形態の蓄熱装置100の概略構成は、上述した第1実施形態と同一であり、その説明を省略する。
図11は、保持部材411の断面図である。保持部材411には、図11に示すように、軸部411Aの外周に設けられた種結晶保持部415の凹部418と、軸部411Aの内部の中空部413と、に種結晶30が配置される。種結晶保持部415は、例えば、図10(B)に示した第4実施形態の保持部材311の種結晶保持部315と同じ構成を有する。
軸部411Aの中空部413には、図12に示すように、少なくとも先端412Aの内表面413Aに溝460が形成される。溝460は、図12(A)に示すように、中空部413の長手方向に直線状に延びる構成であっても良いし、或いは、図4(B)に示すように、中空部413の長手方向にらせん状に延びる構成であっても良い。なお、保持部材411の上端412Bは、容器1の気密性を保つために溶接や圧接、接着、或いは、バルブ等で封止されている。
次に、保持部材411の種結晶保持部415、及び、中空部413に種結晶30を設置する方法の1例について説明する。
容器1にトリガーユニット10を気密に固定して、容器1内の潜熱蓄熱材2を過冷却状態にした後に、保持部材411を押し下げて、先端412Aを潜熱蓄熱材2Aに挿入する。このとき、先端412Aに設けられた種結晶保持部415の凹部18には、潜熱蓄熱材2Aがすくい入れられる。また、溝460は、溝幅Wが略0.1mmの細い溝であり、毛細管作用を有する。そのため、先端412Aを潜熱蓄熱材2Aに挿入すると、中空部413には、溝460内に毛細管作用により潜熱蓄熱材2Aが吸い込まれる。潜熱蓄熱材2Aは、凹部18、及び、溝460内で固化し、保持される。
この構成によれば、保持部材411は、種結晶30が凹部18に載置されると共に、溝460内に密着接触した状態で保持するため、種結晶30を落下しないように保持することができる。特に、溝460がらせん状に形成されたらせん溝である場合には、種結晶30と、溝460の表面と間に働く摩擦力が大きくなり、種結晶30は、内表面413Aに密着保持されるため、種結晶30が意図せぬタイミングで保持部材411の中空部413から落下するのをより効果的に防止することができる。なお、本実施形態では、保持部材411の中空部413の内表面413Aに溝460を設けて、中空部413に種結晶30を保持する構成としたが、これに限らず、中空部413に毛細管作用を有する多孔質部材を取り付けて、当該多孔質部材に潜熱蓄熱材2Aを吸収させて固化させる構成であっても良い。
なお、本実施形態において、保持部材411は、筒状の軸部411Aを備え、当該軸部411Aの先端412A設けた種結晶保持部415と、軸部411Aの中空部413内と、に種結晶30を保持する備える構成としたが、これに限らず、図示は省略するが、軸部411Aは全域が筒状である必要はなく、例えば、柱状部材の先端部に当該柱状部材とは別部材から構成される筒状部材を連結した構成としても良い。
<第7実施形態>
上述した第1実施形態では、種結晶保持部15が軸部11Aの外周方向に突出しているため、保持部材11を上下に移動させて、潜熱蓄熱材2Aの結晶化を誘発した際に、保持部材11の先端12Aが潜熱蓄熱材2Bと固着して、保持部材11を潜熱蓄熱材2Bから抜き取る事ができなくなってしまう場合がある。この第7実施形態では、保持部材11の先端12Aを結晶化した潜熱蓄熱材2Bから抜け易くすることができる蓄熱装置500について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図13(A)に示すように、蓄熱装置500は、蓄熱ユニット50の容器1に気密に取り付けられたトリガーユニット510を備える。トリガーユニット510は、軸部11A、シール部20、上止め具511、下止め具513、及び、ばね512を備える。上止め具511は、保持部材11の上端12Bに設けられ、縦横の寸法が、軸部11Aの直径よりも大きく形成されている。トリガーユニット510は、上止め具511に、容器1に対して押し込む方向の荷重をかけることで、保持部材11を移動させ先端12Aを潜熱蓄熱材2Aに接触させることができる。
上止め具511の下面511Aと、シール部20の上面20Aとの間には、ばね512が設けられる。ばね512は、コイル状の圧縮ばねであり、上止め具511をシール部20に対して押し付けるように、保持部材11を移動させることで、図13(B)に示すように、圧縮される。上止め具511へかけている荷重を除くと、ばね512の元に戻ろうとする力によって、上止め具511が押し上げられ、これにより、結晶化が始まった潜熱蓄熱材2Bから抜けにくくなっている保持部材11の先端12Aを潜熱蓄熱材2Bから容易に引き抜くことができる。
保持部材11の先端12Aには、下止め具513が設けられる。下止め具513は保持部材11に環装されて設けられる。下止め具513は、上止め具511がばね512の元に戻ろうとする力によって押し上げられる際に、シール部20の下面20Bと干渉し、保持部材11の先端12Aが容器1の外部に抜け出るのを防止する、或いは、種結晶保持部15がシール部20の下面20Bと干渉するのを防止する。
このように、保持部材11の先端12Aに下止め具513を、上端12Bに上止め具511を設け、上止め具511と、シール部20との間に圧縮ばね512を設けたため、保持部材11が容器1の外部へ抜け出す、或いは、容器1内に落下するのを防止することができるとともに、圧縮されたばね512の元に戻ろうとする力により保持部材11の先端12Aを結晶化した潜熱蓄熱材2Bから抜け易くすることができる。
ところで、容器1内の潜熱蓄熱材2の量が少なく、結晶化した潜熱蓄熱材2Bから先端12Aを引き抜くために保持部材11を上に持ち上げる力が、蓄熱ユニット50の自重よりも大きい場合には、潜熱蓄熱材2の結晶化後に保持部材11と一緒に容器1ごと蓄熱ユニット50が持ち上がってしまう可能性がある。その対策として、図14に示すように、容器1は、容器1を任意の設置面520に固定するための固定部530を備える構成でもよい。固定部530は、ボルト531が貫通する貫通孔532を備え、容器1は、ボルト531で設置面520に固定される。
<第8実施形態>
上述した第1実施形態では、シール部20はOリング21を有し、Oリング21で保持部材11を軸シールすることで、保持部材11を容器1に対して気密に動かすことができる構成とした。この第8実施形態では、容器601の一部、例えば上面(シール部)602、を弾性的に動く部材で形成することで、上面602をシール部として用いて、保持部材11を容器601に対して気密に動かすことができるようにした蓄熱装置600について説明する。なお、以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
容器601は、図15(A)に示すように、ステンレスや内面に樹脂コートを施したアルミ、或いは、合成樹脂とアルミ箔とを層状に貼り合せた材料によって形成された4側面及び底面と、例えばゴム等の弾性材によって形成されたダイヤフラム状の上面(シール部)602とを有する。上面602は、容器601を形成する4側面の上端縁に、例えば接着等によって取り付けられ、容器601の気密性を保つ。そして、上面602は、保持部材11を容器601の気密を保った状態で移動可能に支持するシール部としての機能を有する。例えば、上面602に保持部材11よりも小径の孔を設けて、当該孔に保持部材11を挿入し当該孔を弾性変形させることで、保持部材11を上面602に気密に支持する構成であっても良い。
上面602は、弾性材によってダイヤフラム状に形成されているため、保持部材11を、先端12Aが容器601内の潜熱蓄熱材2Aに接触するべく押し下げると、図15(B)に示すように、上面602が伸びて、先端12Aが潜熱蓄熱材2A内に挿入される。これにより、保持部材11の先端12Aに保持された種結晶30が潜熱蓄熱材2Aと接触し、潜熱蓄熱材2Aの結晶化が開始される。結晶化した潜熱蓄熱材2Bから保持部材11を引き抜く際には、上面602の元に戻ろうとする力によって、保持部材11を持ち上げることができ、容易に保持部材11を潜熱蓄熱材2Bから引き抜くことができる。この構成によれば、弾性材によって形成された上面602に保持部材11を取り付けることで、簡単な構成で保持部材11を容器1に気密に取り付けることができるとともに、結晶化した潜熱蓄熱材2Bから、保持部材11を容易に引き抜くことができる。
<第9実施例>
上述した第1実施形態では、保持部材11の先端12Aに種結晶保持部15を設け、当該種結晶保持部15の凹部に種結晶30を載置して保持することで、種結晶30の落下を防ぐ構成とした。この第9実施形態では、保持部材711から落下した種結晶30が意図せぬタイミングで潜熱蓄熱材2Aに接触するのを防止する蓋部材722をシール部720に設けた構成について説明する。なお、上述した第1実施形態と同様の構成については、図中に同じ符号を付し、その説明を省略する。
蓄熱装置700は、蓄熱ユニット50と、トリガーユニット710とを備える。トリガーユニット710は、種結晶30を保持する保持部材711と、保持部材711を、容器1の気密性を保った状態で上下に移動可能に備えるシール部720とを備える。保持部材711は、上述した第1−第7実施形態のいずれの構成で種結晶30を保持している構成であっても良いし、或いは、内面が平滑なパイプ内に種結晶30を備えた構成であっても良い。
シール部720は、図16(A)に示すように、Oリング21の下方に容器1から退避された保持部材711の下端である先端712Aが収容される収容空間721を備える。収容空間721と容器1の間には開閉自在に蓋部材722が設けられる。収容空間721は、容器1の気密性を保った状態で、蓋部材722を開けることで容器1に連通するように構成されている。
蓋部材722は、図16(B)に示すように、保持部材711を下げた時に、保持部材711によって押し開けられるように構成されている。つまり、蓋部材722は、下方向に所定以上の荷重をかけた時に容器1の内側に開くように設けられる。また、蓋部材722は、例えばバネ等で自動的に閉じるように構成される。つまり、保持部材711を持ち上げ、先端712Aを収容空間721に退避させた際には、蓋部材722は、自動で収容空間721を容器1内部とは隔てるように閉じられる。
この構成によれば、保持部材711から種結晶30が意図せぬタイミングで落下した場合でも、種結晶30を蓋部材722の上に、蓋部材722を保持部材711で押し開けるまで、容器1内に落下することなく保持することができる。これにより、種結晶30の意図せぬタイミングでの落下によって、潜熱蓄熱材2Aが偶発的に結晶化を開始するのを防止することができる。
1、601 容器
2 潜熱蓄熱材(蓄熱材)
2A 潜熱蓄熱材(過冷却状態の潜熱蓄熱材)
2B 潜熱蓄熱材(結晶化した潜熱蓄熱材)
10、510、710 トリガーユニット
11、111、211、311、411、711 保持部材
11A、111A、211A、311A、411A 軸部
15、115、215、315、415 種結晶保持部
16 底部
17 周壁部
18、118、218、318、418 凹部
20、602、720 シール部
21 Oリング
30 種結晶
50 蓄熱ユニット
100、500、600、700 蓄熱装置
316 スリット

Claims (9)

  1. 蓄熱時の環境温度で過冷却状態となる蓄熱材を容器内に備える蓄熱ユニットと、前記蓄熱材の結晶化を誘発する種結晶を保持するトリガーユニットと、を備え、
    前記トリガーユニットは、前記種結晶を保持する保持部材と、前記保持部材を、前記容器に前記保持部材を前記蓄熱材に接触可能とすべく移動可能に取り付けるシール部と、を備え、
    前記保持部材は、前記種結晶が載置される凹部を有する種結晶保持部を備えた
    ことを特徴とする蓄熱装置。
  2. 前記種結晶保持部は、前記種結晶が載置される底部と、前記底部の周囲を囲む周壁部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 前記種結晶保持部は、中くぼみの皿形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱装置。
  4. 前記保持部材は、筒状部材を有し、
    前記種結晶保持部は、前記筒状部材の先端の開口を塞ぐ板状に形成されて前記筒状部材の内壁との間の空間に前記凹部を備え、
    前記凹部を前記容器内部の空間に連通させる貫通孔を、前記保持部材に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱装置。
  5. 前記種結晶保持部の略中央に前記筒状部材の内部に突出する突出部を設け、前記貫通孔を、前記突出部に設けたことを特徴とする請求項4に記載の蓄熱装置。
  6. 前記保持部材は、板状部材であり、前記板状部材の先端を折り曲げて前記種結晶保持部を形成し、前記種結晶保持部の一部をくぼませて、前記凹部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱装置。
  7. 前記保持部材は、筒状部材を有し、前記筒状部材の先端に長手方向に延びるスリットを設け、当該先端を外側に折り曲げて前記種結晶保持部を形成し、前記種結晶保持部の一部をくぼませて、前記凹部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱装置。
  8. 前記保持部材は、前記種結晶保持部が設けられ、前記シール部に対して前記容器の密閉性を保ち摺動する軸部を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の蓄熱装置。
  9. 蓄熱時の環境温度で過冷却状態となる蓄熱材の結晶化を誘発するトリガーユニットであって、
    前記蓄熱材の結晶化を誘発する種結晶を保持する保持部材を備え、前記保持部材は、前記種結晶が載置される凹部を有する種結晶保持部を備えたことを特徴とするトリガーユニット。
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