JP2013194178A - 内燃機関油用潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】リン分を含む添加剤や金属系清浄剤を大幅に低減しても、高温清浄性を維持できて、かつ耐摩耗性を損なわない内燃機関用潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】本発明に係る内燃期間用潤滑油組成物は、基油と、下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物と、分子内に1以上のアミノ基及び1以上のヒドロキシル基を有するアミノアルコール化合物とを含み、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%未満である。
Figure 2013194178

(式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合、該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、内燃機関用潤滑油組成物に関する。
近年、環境負荷低減を目的とし、自動車業界では排出ガスへの厳しい規制が次々と導入され、排出ガスの後処理装置の開発が行われている。排出ガスには、地球温暖化物質である二酸化炭素(CO2)以外にも、有害物質である粒子状物質(PM)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等が含まれており、中でもPMやNOxの規制値は非常に厳しくなっている。これらの排出量削減策として、ガソリン車輌では三元触媒が装着され、ディーゼル車輌ではディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)が装着されている。これにより、排出ガスをクリーンにして、大気中に放出している。
近年、エンジン油中のリン分が三元触媒の活性点を被毒し、触媒機能を低下させることが報告されている。また金属成分由来の灰分がDPFに堆積し寿命を短くすること等が報告されている。現在、エンジン油の規格であるILSAC規格やJASO規格にてリン量や灰分の上限値が制定され、これらを減量したエンジン油の開発が進められている。
無灰系の清浄分散剤としては、アミノアルコール系の化合物を潤滑油添加剤として用いることが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載されたアミノアルコール系の潤滑油添加剤は、高温清浄性が十分でないため、金属系清浄剤を添加する必要があった。しかし、高温清浄性を高めるために金属系清浄剤を添加すると、パティキュレートトラップや、未燃燃料や潤滑油を酸化する酸化触媒などの排ガス浄化装置のフィルター状構造がデポジット(堆金属分などの堆積物)によって目詰まり(閉塞)し易くなり、内燃機関の特性を低下させるという問題が生じていた。
特開平7−316576号公報
本発明は、リン分を含む添加剤や金属系清浄剤を大幅に低減しても、高温清浄性を維持できて、かつ耐摩耗性を損なわない内燃機関用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、潤滑油組成物に含硫黄複素環化合物と、アミノアルコール化合物とを配合することによって、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、基油と、下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物と、分子内に1以上のアミノ基及び1以上のヒドロキシル基を有するアミノアルコール化合物とを含み、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%未満である内燃機関用潤滑油組成物、
Figure 2013194178
(式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合、該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。)
を提供するものである。
本発明によれば、リン分を含む添加剤や金属系清浄剤を大幅に低減しても、高温清浄性を維持できて、かつ耐摩耗性を損なわない内燃機関用潤滑油組成物を提供することができる。
[内燃機関用潤滑油組成物]
本発明の実施形態に係る内燃機関用潤滑油組成物(以下、単に「潤滑油組成物」と称する場合がある)は、基油と、下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物と、分子内に1以上のアミノ基及び1以上のヒドロキシル基を有するアミノアルコール化合物とを含み、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%未満である。
Figure 2013194178
式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合、該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。以下、上記各要件について説明する。
[基油]
本発明において用いる基油としては、特に制限はなく、従来、潤滑油の基油として使用されている鉱油や合成油の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
前記鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等のうちの1つ以上の処理を行って精製した鉱油、あるいはワックスや、GTL WAXを異性化することによって製造される鉱油等が挙げられる。
一方、前記合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリオレフィン[α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)など]、各種のエステル(例えば、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステルなど)、各種のエーテル(例えば、ポリフェニルエーテルなど)、ポリグリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。これらの合成油のうち、特にポリオレフィン、ポリオールエステルが好ましい。
本発明においては、基油として、前記鉱油は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記合成油を一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。更には、鉱油一種以上と合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
基油の粘度については特に制限はないが、100℃における動粘度が、1.5〜30mm2/sの範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜30mm2/sの範囲、さらに好ましくは3〜15mm2/sの範囲である。
100℃における動粘度が1.5mm2/s以上であると蒸発損失が少なく、また30mm2/s以下であると、粘性抵抗による動力損失が抑制され、燃費改善効果が得られる。
また、基油としては、環分析による%CAが3.0以下で硫黄分の含有量が50質量ppm以下のものが好ましく用いられる。ここで、環分析による%CAとは、環分析n−d−M法にて算出した芳香族分の割合(百分率)を示す。また、硫黄分はJIS K 2541に準拠して測定した値である。
%CAが3.0以下で、硫黄分が50質量ppm以下の基油は、良好な酸化安定性を有し、酸価の上昇やスラッジの生成を抑制しうる潤滑油組成物を提供することができる。より好ましい%CAは1.0以下、さらには0.5以下であり、またより好ましい硫黄分は30質量ppm以下である。
さらに、基油の粘度指数は、70以上が好ましく、より好ましくは100以上、さらに好ましくは120以上である。この粘度指数が70以上の基油は、温度の変化による粘度変化が小さい。
また、この基油の低温流動性の指標である流動点については特に制限はないが、通常−10℃以下であることが好ましい。
[含硫黄複素環化合物]
本発明において用いられる含硫黄複素環化合物は、下記一般式(I)で表される。
Figure 2013194178
上記式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基およびアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。
また、前記一般式(I)において、m及びnが共に0とならない、すなわち、前記含硫黄複素環の少なくとも片側に、1以上の硫黄原子が結合していることが、耐摩耗性向上の観点から好ましい。さらにこの硫黄原子は、含硫黄複素環の両側に結合していることがより好ましい。
前記含硫黄複素環としては、例えば、各々置換もしくは非置換の、ベンゾチオフェン環、ナフトチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チエノチオフェン環、ジチエノベンゼン環、チアゾール環、チオフェン環、チアゾリン環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ナフトイソチアゾール環、チアジアゾール環、フェノチアジン環、フェノキサチイン環、ジチアナフタレン環、チアントレン環、チオキサンテン環、ビチオフェン環等を挙げることができる。
これらの中では、チアジアゾール環が耐摩耗性向上の観点から好ましく用いられる。チアジアゾール環としては、1,3,4−チアジアゾール環がより好ましく、さらに、本発明における含硫黄複素環化合物としては、該1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に硫黄原子が結合している構造を含むことが、耐摩耗性向上の観点からより好ましい。
さらに、上記1,3,4−チアジアゾール環の2,5位にそれぞれ硫黄原子が1つずつ結合している構造を含むことが、耐摩耗性向上の観点から特に好ましい。
前記一般式(I)においてR1及びR2で表されるアルキル基は、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、例えばn−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基および各種イコシル基等が挙げられる。また、アルキル基は芳香族基で置換されていてもよく、例えばベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
1及びR2で表されるシクロアルキル基は、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜24のシクロアルキル基がより好ましい。シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基およびジエチルシクロヘキシル基等が挙げられる。また、シクロアルキル基は芳香族基で置換されていてもよく、例えばフェニルシクロペンチル基、フェニルシクロヘキシル基等が挙げられる。
1及びR2で表されるアルケニル基は、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜24のアルケニル基がより好ましい。アルケニル基の具体例としては、例えばビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチルビニル基、1−メチルアリル基、1,1−ジメチルアリル基、2−メチルアリル基、ノネニル基、デセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。また、アルケニル基は芳香族基で置換されていてもよい。
1及びR2で表されるシクロアルケニル基は、炭素数3〜30のシクロアルケニル基が好ましく、炭素数3〜24のシクロアルケニル基がより好ましい。シクロアルケニル基の具体例としては、シクロブテニル基、メチルシクロブテニル基等が挙げられる。また、シクロアルケニル基は芳香族基で置換されていてもよい。
1及びR2で表されるアリール基は、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜24のアリール基がより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基等が挙げられる。
一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物としては、例えば以下の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013194178
Figure 2013194178
Figure 2013194178
Figure 2013194178
Figure 2013194178
さらに、上記以外に、一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物として、例えば、2−(2−エチルヘキシルチオ)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシルチオ)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチルチオ−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシルチオ)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシルチオ)チオフェン、2−(2−エチルヘキシルチオ)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(2−エチルヘキシルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(t−ノリルチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−(2−エチルヘキシルジチオ)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシルジチオ)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチルジチオ−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシルジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシルジチオ)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシルジチオ)チオフェン、2−(2−エチルヘキシルジチオ)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(2−エチルヘキシルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−(t−ノリルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール、2−(2−エチルヘキシルアミノ)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシルアミノ)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチルアミノ−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシルアミノ)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシルアミノ)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシルアミノ)チオフェン、2−(2−エチルヘキシルアミノ)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−(2−エチルヘキシルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−(t−ノリルアミノ)−1,3,4−チアジアゾール、2−(2−エチルヘキシル)チアゾール、2,4−ビス(2−エチルヘキシル)チアゾール、2,5−ビス(t−ノリル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(ジメチルヘキシル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(オクタデセニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(メチルヘキサデセニル)−1,3,4−チアジアゾール、2−オクチル−チアゾリン、2−(2−エチルヘキシル)ベンゾチアゾール、2−(2−エチルヘキシル)チオフェン、2,4−ビス(2−エチルヘキシル)チオフェン、2−(2−エチルヘキシル)チアゾリン、2,5−ビス(2−ヒドロキシオクタデシル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(n−オクトキシカルボニルメチル)−1,3,4−チアジアゾール、2−(2−エチルヘキシル)−1,3,4−チアジアゾール、2−(t−ノリル)−1,3,4−チアジアゾール、などが挙げられる。
本発明の潤滑油組成物において、硫黄含有量は組成物全量基準で0.10質量%以上1.00質量%以下である。硫黄含有量が0.10質量%未満では十分な耐摩耗性が得られず、1.00質量%を越えると、腐食が生ずるおそれがある。硫黄含有量は組成物全量基準で0.12質量%以上0.90質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上0.80質量%以下であることがより好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満であることを要する。上記組成物中のリンの含有量が0.03質量%未満であれば、三元触媒の活性点の被毒作用が抑制され、触媒寿命を延長させることができる。従って、リンの含有量は、0.02質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。
リンの含有量は、リン系耐摩耗剤の配合量によって調整すればよい。代表的なリン系耐摩耗剤としては、リン酸エステル系、チオリン酸エステル系のものが挙げられるが、亜リン酸エステル、アルキルハイドロゲンホスファイト、リン酸エステルアミン塩等が好ましく、本発明においては、特に、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)が好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、組成物全量基準での硫酸灰分量が0.3質量%未満であることを要する。上記組成物中の硫酸灰分量が0.3質量%未満であれば、金属成分由来の灰分がDPFに堆積することが抑制され、その寿命を延長させることができる。従って、組成物中の硫酸灰分量は、0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。
[アミノアルコール化合物]
アミノアルコール化合物は、分子内に1以上のアミノ基及び1以上のヒドロキシル基を有する。アミノアルコール化合物は、エポキシ基を有する化合物(以下、(A)化合物と記す)と、1級アミノ基及び2級アミノ基の少なくともいずれかを1つ以上有する化合物(以下、(B)化合物と記す)とを反応させて得られたものである。
<(A)化合物>
(A)化合物は、炭素数が6以上40以下であることが好ましい。(A)化合物の炭素数が6以上であれば潤滑油基油などに十分溶解し、炭素数が40以下であれば高塩基価の化合物が得られる。さらに、この(A)化合物の炭化水素基の好ましい炭素数は6以上30以下である。
(A)化合物は、エポキシ基と炭化水素基とが結合していることが好ましい。炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族でも芳香族でもよく、直鎖状でも分岐状でも、それらが環状でもよく、例えば、アルキル基またはアルケニル基が挙げられる。
より具体的には、炭化水素基としては、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル基、オクテニル基、デシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、イソステアリル基、デセントリマー基、ポリブテン基などが挙げられる。
エポキシ基を有する(A)化合物の具体例としては、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシドデセン、1,2−エポキシテトラデセン、1,2−エポキシヘキサデセン、1,2−エポキシオクタデセン、1,2−エポキシ−2−オクチルドデカン等が挙げられる。
<(B)化合物>
(B)化合物は、総窒素数が1以上10以下であり、かつ、総炭素数が2以上40以下であることが好ましい。総窒素数が10以下であれば、潤滑油基油などに十分溶解する。総炭素数が2以上であれば、潤滑油基油などに十分溶解し、40以下であれば、高塩基価の化合物が得られる。(B)化合物としては、1級アミン、2級アミン、ポリアルキレンポリアミンが挙げられる。
1級アミンは、総炭素数が2以上40以下の炭化水素基を有していることが好ましく、さらに酸素原子を含んでいてもよい。この炭化水素基の総炭素数が2以上であれば潤滑油基油などに十分溶解し、総炭素数が40以下であれば高塩基価の化合物が得られる。
このような炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族でも芳香族でもよく、直鎖状でも分岐状でもよく、それらが環状でもよい。例えば、アルキル基またはアルケニル基が挙げられる。より具体的には、炭化水素基としては、エチル基、ブチル基、ブテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、オクチル基、オクテニル基、デシル基、デセニル基、ドデシル基、ドデセニル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、イソステアリル基、デセントリマー基、ポリブテン基等などが挙げられる。
1級アミンの具体例としては、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、2−デシルテトラデシルアミン、オレイルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、オクタデシルオキシエチルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、12−ヒドロキシステアリルアミンを挙げることができる。
2級アミンは、その炭化水素基の総炭素数が2以上40以下であることが好ましく、さらに酸素原子を含んでいてもよい。このような炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、脂肪族でも芳香族でもよく、直鎖状でも分岐状でもよく、それらが環状でもよい。この炭化水素基の総炭素数が2以上であれば潤滑油基油などに十分溶解し、総炭素数が40以下であれば高塩基価の化合物が得られる。
2級アミンの具体例としては、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジ2−エチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、メチルオレイルアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、2−ブチルアミノエタノールを挙げることができる。また、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンのように環状の2級アミンも挙げることができる。
ポリアルキレンポリアミンは、総窒素数が2以上10以下であり、かつ、1つのアルキレン基の炭素数が1以上6以下である。このポリアルキレンポリアミンは、さらに酸素原子を含んでいてもよい。総窒素数が10以下であれば、潤滑油基油などに十分溶解するので好ましい。アルキレン基の炭素数が6以下であれば反応性が十分であり、目的物が得られ易くなり、高温清浄性や塩基価維持性が向上するので、好ましい。
ポリアルキレンポリアミンの具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシルトリアミン、N−ヒドロキシエチルジアミノプロパン等のようなポリアルキレンポリアミン、あるいはアミノエチルピペラジン、1、4−ビスアミノプロピルピペラジン、1−ピペラジンエタノールのように環状のアルキレンアミンを有するポリアルキレンポリアミンを挙げることができる。
<(A)化合物と(B)化合物の比>
上記アミノアルコール化合物は、(A)化合物の総モル数と(B)化合物の総モル数との比が、0.7:1以上12:1以下の割合で反応させて得られた化合物であることが好ましく、1:1以上10:1以下の割合で反応させて得られた化合物であることがより好ましい。(A)化合物の総モル数と(B)化合物の総モル数との比が、0.7:1以上であれば、高温清浄性、高温安定性及び微粒子分散性に優れたアミノアルコール化合物が得られる。一方、該総モル数の比が、12:1以下であれば塩基価維持性に優れたアミノアルコール化合物が得られる。(A)化合物と(B)化合物との反応は、約50℃〜250℃の温度で行うことが好ましく、約80℃〜200℃の温度で行うことがより好ましい。
<アミノアルコール化合物の構造>
アミノアルコール化合物は、(A)化合物と(B)化合物との反応生成物であり、下記一般式(II)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2013194178
式中、R3,R4,R5は、それぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選ばれる炭素数2〜38の炭化水素基を表す。
<アミノアルコール化合物の硼素誘導体>
また、アミノアルコール化合物が、その硼素誘導体である硼素化アミノアルコール化合物を含んでいてもよい。硼素化アミノアルコール化合物は、該アミノアルコール化合物に、硼素含有化合物を反応させて得られた化合物である。硼素含有化合物としては、酸化硼素、ハロゲン化硼素、硼酸、硼酸無水物、硼酸エステルなどを使用することができる。
硼素化アミノアルコール化合物は、高温安定性、高温清浄性、塩基価維持性に優れ、微粒子分散性を有し、低灰分である。そのため、該硼素化アミノアルコール化合物を含有する本発明の潤滑油組成物は、パティキュレートトラップや、未燃燃料や潤滑油を酸化する酸化触媒などの排ガス浄化装置への悪影響を防止でき、将来の排出ガス規制にも対応可能である。
硼素化アミノアルコール化合物の反応温度は、約50℃〜250℃とするのが好ましく、約100℃〜200℃とするのがより好ましい。反応を行うに際して、溶剤、例えば炭化水素油等の有機溶剤を使用することもできる。
硼素化アミノアルコール化合物は、該アミノアルコール化合物のモル数と硼素含有化合物のモル数との比が、1:0.01以上1:10以下の割合で反応させて得られた化合物であることが好ましく、1:0.05以上1:8以下の割合で反応させて得られた化合物であることがより好ましい。
該モル数の比が1:0.01以上であれば、高温清浄性及び高温安定性に優れた硼素化アミノアルコール化合物が得られる。一方、該モル数の比が1:10以下であれば、硼素化アミノアルコール化合物の潤滑油基油に対する溶解性についての問題は生じない。
本発明に係る潤滑油用添加剤は、アミノアルコール化合物及び硼素化アミノアルコール化合物から選ばれる少なくとも1つを含有する。このような潤滑油用添加剤は、無灰系の清浄分散剤として好適である。
本発明の潤滑油組成物におけるアミノアルコール化合物及び硼素化アミノアルコール化合物から選ばれる少なくとも1つ、及び潤滑油用添加剤の配合総量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.01質量%以上50質量%以下、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下の範囲で設定される。
また、アミノアルコール化合物及び硼素化アミノアルコール化合物から選ばれる少なくとも1つ、または潤滑油用添加剤は、燃料油である炭化水素油に加えることもできる。その際、好ましい配合量は、全量基準で、0.001質量%以上1質量%以下の範囲である。
[添加剤]
本発明の潤滑油組成物においては、その効果を阻害しない範囲において従来公知の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、分散剤、酸化防止剤、金属系清浄剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、金属不活性化剤、防錆剤、及び消泡剤等が挙げられる。
<分散剤>
分散剤としては、ホウ素化イミド系分散剤、及び必要に応じて非ホウ素化イミド系分散剤を用いることができる。非ホウ素化イミド系分散剤は、通常、イミド系分散剤といわれるものである。該イミド系分散剤としては、ポリブテニルコハク酸イミドを用いることが好適である。上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の一般式(1)及び(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013194178
Figure 2013194178
これら一般式(1)及び(2)におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、その数平均分子量は、通常900〜3500であり、好ましくは1000〜2000である。上記平均分子量が900以上であれば、分散性が劣るおそれがなく、3500以下であれば、貯蔵安定性が劣るおそれもない。また、上記一般式(1)及び(2)におけるnは、通常1〜5の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。
上記ポリブテニルコハク酸イミドの製造方法としては、特に限定はないが、公知の方法によって製造することができる。例えば、ポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
ホウ素化イミド系分散剤としては、上記一般式(1)及び(2)で例示する非ホウ素化イミド系分散剤に、ホウ素化合物を作用させて得られるホウ素化ポリブテニルコハク酸イミドを用いることが好ましい。
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩及びホウ酸エステル等が挙げられる。上記ホウ酸としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸及びパラホウ酸等が挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム及び八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が好適例として挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸とアルキルアルコール(望ましくは炭素数1〜6)とのエステル、例えばホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル及びホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。
なお、ホウ素化ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比、B/Nは、通常0.1〜3が好ましく、0.2〜1であるものが好ましい。
本発明に用いる内燃機関用潤滑油組成物において、上記ホウ素化コハク酸イミド系分散剤、及び非ホウ素化コハク酸イミド系分散剤(イミド系分散剤)の含有量は特に制限されないが、通常それぞれ0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。0.1質量%以上であれば良好な清浄性、分散性が得られ、15質量%以下であれば、含有量に見合う清浄性、分散性の効果が得られる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、リンを含まない酸化防止剤が好ましく、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、モリブデンアミン錯体系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、n−オクチル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。
これらの中で、特にビスフェノール系及びエステル基含有フェノール系のものが好適である。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系;4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系;テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系;及びα−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、更にはブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミン;などが挙げられる。
これらの中で、ジアルキルジフェニルアミン系及びナフチルアミン系のものが好適である。
モリブデンアミン錯体系酸化防止剤としては、6価のモリブデン化合物、具体的には三酸化モリブデン及び/又はモリブデン酸とアミン化合物とを反応させてなるもの、例えば、特開2003−252887号公報に記載の製造方法で得られる化合物を用いることができる。
前記6価のモリブデン化合物と反応させるアミン化合物としては特に制限されないが、具体的には、モノアミン、ジアミン、ポリアミン及びアルカノールアミンが挙げられる。より具体的には、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン等の炭素数1〜30のアルキル基(これらのアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルキルアミン;エテニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、オクテニルアミン、及びオレイルアミン等の炭素数2〜30のアルケニル基(これらのアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルケニルアミン;メタノールアミン、エタノールアミン、メタノールエタノールアミン、メタノールプロパノールアミン等の炭素数1〜30のアルカノール基(これらのアルカノール基は直鎖状でも分枝状でもよい)を有するアルカノールアミン;メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、及びブチレンジアミン等の炭素数1〜30のアルキレン基を有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン;ウンデシルジエチルアミン、ウンデシルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、オレイルジエタノールアミン、オレイルプロピレンジアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン等の上記モノアミン、ジアミン、ポリアミンに炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物やイミダゾリン等の複素環化合物;これらの化合物のアルキレンオキシド付加物;及びこれらの混合物等が例示できる。
また、特公平3−22438号公報及び特開2004−2866号公報に記載されているコハク酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体等が例示でき、具体的には、以下の工程(m)および(n)により製造することができる。
(m)酸性モリブデン化合物又はその塩と、コハク酸イミド、カルボン酸アミド、炭化水素モノアミン、炭化水素ポリアミン、マンニッヒ塩基、ホスホン酸アミド、チオホスホン酸アミド、リン酸アミド、分散剤型粘度指数向上剤およびそれらの混合物からなる群より選ばれた塩基性窒素化合物とを、反応温度を約120℃以下に維持して反応させてモリブデン錯体を形成する工程。
(n)(m)の工程の生成物を少なくとも一回のストリッピング又は硫化工程または両工程にかける。ただし、モリブデン錯体をイソオクタンで希釈して、希釈したモリブデン錯体1g当たりモリブデン0.00025gの一定モリブデン濃度として、UV−可視分光光度計で光路長1センチメートルの石英セルで測定したときに、波長350ナノメータにおける吸光度が0.7未満であるモリブデン錯体を与えるのに充分な時間をかけ、かつストリッピング又は硫化工程における反応混合物の温度を約120℃以下に維持する工程。
また、このモリブデン錯体は、以下の工程(o)、(p)および(q)によっても製造することができる。
(o)酸性モリブデン化合物又はその塩と、コハク酸イミド、カルボン酸アミド、炭化水素モノアミン、炭化水素ポリアミン、マンニッヒ塩基、ホスホン酸アミド、チオホスホン酸アミド、リン酸アミド、分散剤型粘度指数向上剤およびそれらの混合物からなる群より選ばれた塩基性窒素化合物とを、反応温度を約120℃以下に維持して反応させてモリブデン錯体を形成する工程。
(p)(o)の工程の生成物を約120℃以下の温度でストリッピングする工程。
(q)得られた生成物を約120℃以下の温度で、硫黄とモリブデンのモル比が約1:1かそれ以下で、そしてモリブデン錯体をイソオクタンで希釈して希釈したモリブデン錯体1g当たりモリブデン0.00025gの一定モリブデン濃度にして、UV−可視分光光度計で光路長1センチメートルの石英セルで測定したときに、波長350ナノメータにおける吸光度が0.7未満であるモリブデン錯体を与えるのに充分な時間をかけて、硫化する工程。
硫黄系酸化防止剤としては、例えばフェノチアジン、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジドデシルサルファイド、ジオクタデシルサルファイド、ジドデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ドデシルオクタデシルチオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。
このような酸化防止剤の中でも、金属分や硫黄分を低減する観点から、フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤が好ましい。また、前記酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。中でも、酸化安定性の効果の観点から、フェノール系酸化防止剤一種又は二種以上とアミン系酸化防止剤一種又は二種以上との混合物が好ましい。
酸化防止剤の配合量は、組成物全量基準で、通常0.1〜5質量%の範囲が好ましく、0.1〜3質量%の範囲がより好ましい。また、モリブデン錯体の配合量は、組成物全量基準でモリブデン量換算により、10〜1000質量ppmが好ましく、30〜800質量ppmがより好ましく、50〜500質量ppmがさらに好ましい。
<金属系清浄剤>
金属系清浄剤としては、潤滑油に用いられる任意のアルカリ土類金属系清浄剤が使用可能であり、例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレート及びこれらの中から選ばれる二種類以上の混合物等が挙げられる。
アルカリ土類金属スルホネートとしては、分子量300〜1,500、好ましくは400〜700のアルキル芳香族化合物をスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
アルカリ土類金属フェネートとしては、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が特に好ましく用いられる。
アルカリ土類金属サリシレートとしては、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。
アルカリ土類金属系清浄剤を構成するアルキル基としては、炭素数4〜30のものが好ましく、より好ましくは6〜18のアルキル基であり、これらは直鎖状でも分枝状でもよい。これらはまた、1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。
また、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートとしては、前記のアルキル芳香族スルホン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物、アルキルサリチル酸等を、直接マグネシウム及び/又はカルシウムのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートだけでなく、中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートと過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性アルカリ土類金属スルホネート、塩基性アルカリ土類金属フェネート及び塩基性アルカリ土類金属サリシレートや、炭酸ガスの存在下で中性アルカリ土類金属スルホネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートをアルカリ土類金属の炭酸塩又はホウ酸塩を反応させることにより得られる過塩基性アルカリ土類金属スルホネート、過塩基性アルカリ土類金属フェネート及び過塩基性アルカリ土類金属サリシレートも含まれる。
本発明において用いる金属系清浄剤としては、組成物中の硫黄分を低減する目的から、アルカリ土類金属サリシレートやアルカリ土類金属フェネートが好ましく、中でも過塩基性サリシレートや過塩基性フェネートが好ましく、特に過塩基性カルシウムサリシレートが好ましい。
本発明において用いる金属系清浄剤の全塩基価は、10〜500mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは15〜450mgKOH/gの範囲であり、これらの中から選ばれる一種又は二種以上併用することができる。
なお、ここでいう全塩基価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の7.に準拠して測定される電位差滴定法(塩基価・過塩素酸法)による全塩基価を意味する。
また、本発明において用いる金属系清浄剤の金属比に特に制限はなく、通常20以下のものを一種又は二種以上混合して使用できるが、好ましくは、金属比が3以下、より好ましく1.5以下、特に好ましくは1.2以下の金属系清浄剤を用いることが、酸化安定性や塩基価維持性及び高温清浄性等により優れるため特に好ましい。
なお、ここでいう金属比とは、金属系清浄剤における金属元素の価数×金属元素含有量(モル%)/せっけん基含有量(モル%)で表され、金属元素とはカルシウム、マグネシウム等、せっけん基とは、スルホン酸基、フェノール基及びサリチル酸基等を意味する。
前記金属系清浄剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で、0.01〜20質量%の範囲が好ましく、0.05〜10質量%の範囲がより好ましく、0.1〜5質量%の範囲がさらに好ましい。
配合量が0.01質量%以上であると、高温清浄性や酸化安定性、塩基価維持性などの性能が得られやすくなる。一方、20質量%以下であれば、通常その添加量に見合った効果が得られるが、当該金属系清浄剤の配合量の上限については、上記の範囲に関わらず、配合量を可能な限り低くすることが肝要である。それによって、潤滑油組成物の金属分、すなわち硫酸灰分を少なくして、自動車の排出ガス浄化装置の劣化を防止することができる。
また、金属系清浄剤は、上記の規定量を含有する限り、単独又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、金属系清浄剤の中では過塩基性カルシウムサリシレートまたは過塩基性カルシウムフェネートが、前記無灰系分散剤の中では前記ポリブテニルコハク酸ビスイミドが特に好ましい。なお、上記過塩基性カルシウムサリシレート及び過塩基性カルシウムフェネートの全塩基価は100〜500mgKOH/gの範囲であることが好ましく、200〜500mgKOH/gの範囲がより好ましい。
<粘度指数向上剤>
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体など)などが挙げられる。粘度指数向上剤の配合量は、配合効果の点から、潤滑油組成物全量基準で、0.5〜15質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10質量%の範囲である。
<流動点降下剤>
流動点降下剤としては、例えば、質量平均分子量が5,000〜50,000程度のポリメタクリレートなどが挙げられる。流動点降下剤の配合量は、配合効果の点から、潤滑油組成物全量基準で、0.1〜2質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%の範囲である。
<金属不活性化剤>
金属不活性化剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。金属不活性化剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で、0.01〜3質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。
<防錆剤>
防錆剤としては、例えば石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。これら防錆剤の配合量は、配合効果の点から、潤滑油組成物全量基準で、0.01〜1質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。
<消泡剤>
消泡剤としては、例えばシリコーン油、フルオロシリコーン油及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられ、配合量は、消泡効果及び経済性のバランスなどの点から、潤滑油組成物全量基準で、0.005〜0.5質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2質量%の範囲である。
<その他の添加剤>
本発明の潤滑油組成物においては、さらに必要に応じて摩擦調整剤、耐摩耗剤、極圧剤を配合してもよい。なおこの摩擦調整剤は、本発明の必須成分である極性基含有化合物以外の化合物のことを指す。摩擦調整剤の配合量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜2質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。
耐摩耗剤又は極圧剤としては、ジチオリン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデン、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、硫化エステル類、チオカーボネート類、チオカーバメート類、ポリサルファイド類等の硫黄含有化合物;亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、ホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等のリン含有化合物;チオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、チオホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等の硫黄及びリン含有耐摩耗剤;などが挙げられる。
耐摩耗剤又は極圧剤を配合する場合、その配合量は、耐摩耗剤又は極圧剤を配合することによる潤滑油中のリン分や金属分の含有量が過大にならないように留意する必要がある。
[内燃機関用潤滑油組成物の性状]
本発明の潤滑油組成物は、上記組成からなり、以下の性状を満たす。
(1) 硫酸灰分(JIS K2272)が、0.3質量%未満、好ましくは、0.2質量%以下であること。かつ、
(2) リン含有量(JIS−5S−38−92)が、0.03質量%未満、好ましくは0.02質量%以下であること。
(3) 硫黄含有量(JIS K2541)が、0.10質量%以上1.00質量%以下、好ましくは0.12質量%以上0.90質量%以下であること。
これらの性状を満たす本発明の潤滑油組成物は、耐摩耗性、耐デポジット性を維持しながら、リン分を含むZnDTPや金属系清浄剤を大幅に低減することができる。
本発明の潤滑油組成物は、二輪車、四輪車、発電用、舶用等のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の内燃機関用潤滑油として好ましく使用することができ、低リン分、低硫黄分、低硫酸灰分であるため、特に排出ガス浄化装置を装着した内燃機関用に好適である。
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
[評価方法及び測定方法]
次の方法によって、潤滑油組成物の性状及び性能を求めた。
<リン含有量>
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
<硫黄含有量>
JIS K 2541に準拠して測定した。
<硼素含有量>
JPI−5S−38−92に準拠して測定した。
<硫酸灰分>
JIS K 2272に準拠して測定した。
<窒素含有量>
JIS K 2609に準拠して測定した。
<シェル摩耗試験条件>
シェル摩耗試験機を用いて、試験条件を、荷重294N、回転数1200rpm、温度80℃、試験時間30分に設定して、潤滑油組成物の耐荷重性能を評価した。結果は、試験剛球の摩耗痕(mm)で表した。
<ホットチューブ試験>
内径2mmのガラス管の温度を280℃に保持しながら、ガラス管中に供試油及び空気を16時間流し続けた。供試油の流量は、0.3mL/hr、空気の流量は、10mL/minとした。16時間経過後、ガラス管中に付着したラッカーと色見本とを比較し、透明の場合は10点、黒の場合は0点として評点を付けるとともに、ガラス管に付着したラッカー質量を測定した。評点が高いほど、また、ラッカーが少ないほど、高性能であることを示す。
[製造例]
<製造例1:アミノアルコール化合物1の製造>
200mlのセパラブルフラスコに、1,2−エポキシオクタデカン41.6g(155mmol)、1,2−エポキシオクタン9.9g(77.3mmol)、アミノエチルピペラジン(Aep)10.0g(77.5mmol)、を入れた。130℃〜140℃で2時間反応させた後、170℃まで昇温し、2時間反応させた。反応物を冷却し、アミノアルコール化合物1を得た。得られたアミノアルコール化合物1の収量は60.3gであった。
<製造例2:アミノアルコール化合物2の製造>
製造例1で得たアミノアルコール化合物1と硼酸とを反応させてアミノアルコール化合物2を得た。アミノアルコール化合物2は硼素化アミノアルコール化合物である。反応後得られる硼素化アミノアルコール化合物全量に対する全ホウ酸の含有量が1質量%未満となるように調製した。
<製造例3:アミノアルコール化合物3の製造>
製造例1で得たアミノアルコール化合物1と硼酸とを反応させてアミノアルコール化合物3を得た。反応後得られる硼素化アミノアルコール化合物全量に対する全ホウ酸の含有量が2質量%未満となるように調製した。
<製造例4:アミノアルコール化合物4の製造>
200mlのセパラブルフラスコに、1,2−エポキシヘキサデカン44.7g(186mmol)、アミノエチルピペラジン(Aep)8.0g(62.0mmol)、を入れた。130℃〜140℃で2時間反応させた後、170℃まで昇温し、2時間反応させた。反応物を冷却し、アミノアルコール化合物4を得た。得られたアミノアルコール化合物4の収量は52.4gであった。
<製造例5:アミノアルコール化合物5の製造>
製造例4で得たアミノアルコール化合物4と硼酸とを反応させてアミノアルコール化合物5を得た。反応後得られる硼素化アミノアルコール化合物全量に対する全ホウ酸の含有量が2質量%未満となるように調製した。
[実施例、比較例]
第1表に示す配合処方により基油及び添加剤を配合し、内燃機関用潤滑油組成物を調製した。得られた潤滑油組成物の性状及び性能を上述した方法により評価した。結果を第1表に示す。
Figure 2013194178
なお、第1表に示す潤滑油組成物の調製に用いた各成分は以下のとおりである。
*1:水素化精製鉱油(100N、40℃動粘度:21.0mm2/s、100℃動粘度:4.5mm2/s、粘度指数:127、硫黄含有量:5質量ppm未満)
*2:チアジアゾール(2,5−ビス(n−オクチルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール) 硫黄含有量33.5%(式(I−a)で示される化合物)
*3:ジチオリン酸亜鉛(Zn:9質量%、P:8質量%、S:17.1質量%、アルキル基:2級ブチルと2級へキシルの混合物)
*4:カルシウムフィネート(塩基価 300mgKOH/g)
*5:その他添加剤…金属不活性化剤(アルキルベンゾトリアゾール)、シリコーン系消泡剤、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、分散剤(モノイミド、ビスイミド、硼素化モノイミド含む)、粘度調整剤(OCP、PMA)
[評価結果]
第1表から、アミノアルコール化合物又は硼素化アミノアルコール化合物のいずれかと、一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物とを含む実施例に係る潤滑油組成物は、ホットチューブ試験における評点に優れ、シェル摩耗試験の結果も良好である。すなわち、実施例にあるようにリン分を含む添加剤や金属系清浄剤を大幅に低減しても、高温清浄性を維持できて、かつ耐摩耗性を損なわない潤滑油組成物が得られることが判った。

Claims (8)

  1. 基油と、
    下記一般式(I)で表される含硫黄複素環化合物と、
    分子内に1以上のアミノ基及び1以上のヒドロキシル基を有するアミノアルコール化合物とを含み、
    組成物全量基準でのリン含有量が0.03質量%未満、かつ硫酸灰分量が0.3質量%未満である内燃機関用潤滑油組成物。
    Figure 2013194178
    (式中、Asは含硫黄複素環、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選ばれる炭素数1〜50の炭化水素基;またはこれらが炭化水素基の場合、該炭化水素基中に酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる原子を含んでなる炭素数1〜50のヘテロ原子含有基を表す。k、l、m及びnはそれぞれ独立に0〜5の整数である。)
  2. 前記アミノアルコール化合物が、エポキシ基を有する化合物と、1級アミノ基及び2級アミノ基の少なくともいずれか1つ以上を有する化合物とを反応させて得られた反応生成物である請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
  3. 前記アミノアルコール化合物が、下記一般式(II)で表される化合物を有する請求項1又は2に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
    Figure 2013194178
    (式中、R3,R4,R5は、それぞれ独立に、水素原子;アミノ基;アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選ばれる炭素数2〜38の炭化水素基を表す)
  4. 前記アミノアルコール化合物が、その硼素誘導体を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
  5. 前記一般式(I)において、m及びnが共に0となることはない請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
  6. 前記含一般式(I)において、含硫黄複素環が、チアジアゾール環である請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関用潤滑油組成物。
  7. 前記チアジアゾール環が1,3,4−チアジアゾール環であり、該1,3,4−チアジアゾール環の2、5位に硫黄原子が結合している請求項6に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
  8. 前記1,3,4−チアジアゾール環の2位及び5位に結合した硫黄原子がそれぞれ1つである請求項7に記載の内燃機関用潤滑油組成物。
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