JP2013192491A - 毛成長制御剤の評価・選択方法 - Google Patents

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【課題】毛成長制御に関わる遺伝子又はその発現物を用いた毛成長制御剤の評価及び/又は選択方法の提供。
【解決手段】下記の工程(a)〜(c)を含む毛成長制御剤の評価及び/又は選択方法。
(a)被験物質と、DACH1遺伝子が発現可能な細胞とを接触させる工程
(b)前記細胞におけるDACH1遺伝子の発現又はDACH1の発現若しくは機能の変化を測定する工程
(c)前記測定の結果に基づいて、該被験物質を毛成長制御剤として評価及び/又は選択する工程
【選択図】なし

Description

本発明は、毛成長制御剤の評価及び/又は選択方法に関する。
従来より、頭髪に対して優れた効能を有する育毛、養毛、発毛技術等が求められている一方で、近年では美観の為に、体毛の除毛、抑毛、脱毛技術の要求の声が高まっている。現在では、多くの育毛剤や養毛剤が市販され、毛包移植技術等も進化してきているが、より安全で効果の高い育毛技術が望まれている。一方、体毛に関しては、シェービングによる除毛や脱毛器具等による脱毛が一般的に行われているが、刺激による皮膚へのダメージが大きいだけでなく効果持続期間も短いため、皮膚へのダメージが小さく、且つ持続期間を延長させる抑毛剤が求められている。
このような毛成長制御剤の探索にあたり、これまではマウスやモルモット等が用いられてきたが、動物愛護の観点及びスループット性に欠けるといった課題が挙げられる。動物愛護の観点では、ヒト単離毛包の培養系を用いる代替方法等が確立されてきているが、ハイスループットではないのが現状である。そこで、このような課題を解決可能な手段として、培養細胞等を用いたin vitroでの毛成長制御剤のハイスループットスクリーニング方法の開発が有効と考えられる。
DACH1(DACHSHUND, DROSOPHILA, HOMOLOG OF, 1)は、ショウジョウバエの目・脚の発生に関わる遺伝子として同定され(非特許文献1)、DACH1のノックアウトマウスは生後24時間以内に致死する(呼吸困難、チアノーゼ、授乳不全)ことが報告されている(非特許文献2,非特許文献3)。また、DACH1はAP−1転写因子の構成因子の1つであるc−Junに結合してAP−1の転写活性を阻害し、下流のCyclin D1の発現を抑制して細胞増殖を負に制御することが報告されている(非特許文献4,非特許文献5,非特許文献6)。
しかしながら、毛髪組織におけるDACH1の機能は全く知られていない。
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本発明は、毛成長制御に関わる遺伝子又はその発現物を用いた毛成長制御剤の評価及び/又は選択方法に関する。
本発明者らは、毛髪組織における毛球部上部でDACH1のタンパク質発現が認められ、且つDACH1発現部位では毛母細胞の増殖が抑制されていることを見出した。すなわち、DACH1は毛髪組織において毛母細胞の増殖を負に制御しており、DACH1遺伝子又はDACH1を指標にして毛成長制御剤の探索が可能であることを見出した。
すなわち、本発明は以下の1)〜2)に係るものである。
1) 下記の工程(a)〜(c)を含む毛成長制御剤の評価及び/又は選択方法。
(a)被験物質と、DACH1遺伝子が発現可能な細胞とを接触させる工程
(b)前記細胞におけるDACH1遺伝子の発現又はDACH1の発現若しくは機能の変化を測定する工程
(c)前記測定の結果に基づいて、該被験物質を毛成長制御剤として評価及び/又は選択する工程
2)(b)工程において、AP−1の転写活性によってDACH1の機能を測定する請求項1記載の方法。
本発明によれば、毛成長を制御可能な素材を評価及び/又は選択できる。したがって、本発明は、新たな育毛剤、養毛剤、抑毛剤、脱毛促進剤等の開発に有用である。
DACH1の毛髪組織での発現部位を示す免疫組織染色所見。 DACH1過剰発現による培養細胞の増殖抑制作用を示すグラフ。DACH1(−):DACH1過剰発現しない場合。DACH1(+):DACH1過剰発現する場合。 DACH1過剰発現によるAP−1転写活性抑制作用を示すグラフ。 カンスイ抽出物のDACH1機能阻害作用を示すグラフ。DACH1(−):DACH1過剰発現しない場合。DACH1(+):DACH1過剰発現する場合。 カンスイ抽出物のヒト毛伸長促進効果を示すグラフ。
本明細書において、「遺伝子」とは、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖およびアンチセンス鎖といった各1本鎖DNAを包含する趣旨で用いられる。またその長さによって特に制限されるものではない。従って、本明細書において遺伝子(DNA)とは、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNAおよびcDNAを含む1本鎖DNA(正鎖)並びに該正鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(相補鎖)、およびこれらの断片のいずれもが含まれる。
ヒトDACH1遺伝子は公知であり(GenBank Accession No. NM_080759.3;配列番号1)、その取得方法についても公知である(Ayres JA, et al. Genomics. 77:18-26. (2001)., Kozmik Z, et al. Dev Genes Evol. 209:537-545. (1999).)。
本発明において、「DACH1遺伝子」には、当該塩基配列(配列番号1)で示される遺伝子だけでなく、これらによりコードされるタンパク質(「DACH1」と称する)と生物学的機能が同等であるタンパク質をコードする遺伝子が包含される。
具体的には、配列番号1で表されるヒトDACH1遺伝子の他に、その同族体(ホモログ)や、配列番号1で示される塩基配列もしくは前記同族体の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列からなるDNAが包含される。
なお、ここでストリンジェントな条件は、例えばハイブリダイズ後の洗浄条件として、通常「1×SSC、0.1%SDS、37℃」、「0.5×SSC、0.1%SDS、42℃」、「0.1×SSC、0.1%SDS、65℃」等を挙げることができる。具体的には、このような相補鎖として、対象の正鎖の塩基配列と完全に相補的な関係にある塩基配列からなる鎖、並びに該鎖と90%以上、好ましくは95%以上の同一性を有する塩基配列からなる鎖を例示することができる。
ここで、塩基配列の同一性は、例えばリップマン−パーソン法(Lipman−Pearson法;Science, 227, 1435, (1985))によって計算され、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行なうことにより算出できる。
なお、上記ヒトDACH1の同族体をコードする遺伝子(ホモログ)としては、ヒトDACH1遺伝子に対応するマウスやラットなど他生物種の遺伝子が例示できる。
また、本発明の遺伝子は、機能領域の別を問うものではなく、例えば発現制御領域、コード領域、エキソン、またはイントロンを含むことができる。
後記実施例に示すように、DACH1は、毛髪組織の毛球部上部で発現が認められ、細胞増殖マーカーであるKi67の陽性部位ではDACH1陰性であった(図1)。また、DACH1を過剰発現させた場合、ヒト培養細胞(293A(ヒト腎)細胞)の増殖が抑制される(図2)。したがって、DACH1はその発現が豊富な毛髪組織において、毛母細胞の増殖を負に制御していると考えられる。
故に、DACH1遺伝子やDACH1の発現を変化させることによって、毛成長の制御が可能であり、それらの発現・機能低下は毛成長を促進し、逆に発現・機能増加により毛成長を抑制すると云え、実際に、毛包器官培養系により毛伸長作用が確認された素材がDACH1の機能を低下させた(図5)。
したがって、DACH1遺伝子やDACH1を指標として毛成長制御剤(育毛又は養毛剤、抑毛又は脱毛促進剤)を評価又は選択することができる。
本発明による毛成長制御剤の評価及び/又は選択方法は、下記の工程(a)〜(c)を含むものである。
(a)被験物質と、DACH1遺伝子が発現可能な細胞とを接触させる工程
(b)前記細胞におけるDACH1遺伝子の発現又はDACH1の発現若しくは機能の変化を測定する工程
(c)前記測定の結果に基づいて、該被験物質を毛成長制御剤として評価及び/又は選択する工程
被験物質と接触させる細胞は、上記本発明のDACH1遺伝子を発現可能なものである限り、天然の細胞又は遺伝子工学的手法によりDACH1遺伝子を導入した形質転換細胞の何れでもよい。細胞は、培養細胞が好ましく、培養ヒト細胞がより好ましい。例えば、293A(ヒト腎)細胞、HeLa、Fibroblast、HaCaT、HUAEC、HUVEC,Keratinocyte、MCF7、THP−1、培養毛乳頭細胞、培養外毛根鞘細胞等が挙げられる。
DACH1遺伝子を細胞に遺伝子導入する場合、一般的には、宿主細胞で機能可能なプロモーターとDACH1遺伝子とが機能可能な形で接続されてなるDNAを、宿主細胞で利用可能なベクターに組込んで、これを宿主細胞に導入すればよい。当該ベクターを宿主細胞へ導入する方法としては、宿主細胞に応じた通常の導入方法を適用すればよい。
被験物質の種類は特に限定されず、天然物でも合成物でもよく、また単一物質であっても組成物若しくは混合物であってもよい。接触の形態は、被験物質に依存して、任意の形態であり得る。
被験物質と、DACH1遺伝子を発現可能な細胞との接触における、被験物質の濃度は、通常0.0001〜5vol%程度であればよく、0.01〜0.1vol%程度が好ましい。当該細胞と被験物質とを接触させる時間は、通常、12〜96時間程度であり、24〜48時間程度が好ましい。
当該細胞と被験物質との接触は、当該細胞が成育可能な条件で培養しながら行えばよい。例えば、哺乳動物細胞を宿主とする形質転換細胞の場合、適宜、抗生物質、血清、増殖因子等を添加したDMEM培地(Gibco製)、Humedia KG−2培地(クラボウ製)、Defined Keratinocyte−SFM(インビトロジェン製)、等の市販の培地中で培養できる。培養は、通常30℃〜40℃、2〜10vol%二酸化炭素存在下で実施すればよく、35℃〜37℃、4〜6vol%二酸化炭素存在下で実施するのが好ましい。
また、被験物質と接触させる際の上記細胞の細胞数は、例えば96wellプレートを用いる場合、通常約1×103〜約5×104個/wellであればよく、5×103〜2×104個/wellが好ましい。
DACH1遺伝子又はDACH1の発現の変化の測定としては、例えば、被験物質を接触させる細胞群と接触させない群(対照細胞)を用意し、DACH1遺伝子又はDACH1(タンパク質)の発現レベル(活性)を測定し、必要に応じて当該測定値を定量化した後、両者間で比較することにより行うことができる。なお、対照細胞としては、被験物質を接触させない代わりに、対照物質を接触させたものを用いてもよい。
DACH1遺伝子の発現又はDACH1のタンパク質発現(活性)は、当該分野で通常使用される任意の解析方法によって測定することができる。遺伝子発現解析方法としては、例えば、ドットブロット法、ノーザンブロット法、RNaseプロテクションアッセイ法、ルシフェラーゼ等によるレポーターアッセイ、RT−PCR法、DNAマイクロアレイ、等が挙げられる。
タンパク質発現(活性)の解析方法としては、ウェスタンブロッティング法、免疫染色法、ELISA、バインディングアッセイ等が挙げられる。
尚、DACH1には、c−Jun(AP−1複合体の構成要素の一つ)に結合してAP−1の転写活性を阻害し、下流の遺伝子発現を抑制するという機能が知られている(前記非特許文献4,5,6)。したがって、AP−1(activator protein 1)転写活性をルシフェラーゼアッセイ等により測定することを以て、DACH1の当該機能を測定することが可能である(参考例1、図3参照)。
上記のように測定したDACH1遺伝子の発現又は機能の変化に基づき、毛成長制御剤を選択することができる。すなわち、被験物質(候補物質)を添加した細胞におけるDACH1遺伝子の発現又はDACH1の機能のレベルが被験物質(候補物質)を添加しない対照細胞でのレベルと比較して、低下・減少していれば、毛成長促進剤(育毛又は養毛剤)として評価及び/又は選択でき、増強・増加していれば、毛成長抑制剤(抑毛又は脱毛促進剤)として評価及び/又は選択することができる。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1 DACH1の毛髪組織での発現部位及び細胞増殖抑制作用
(1)DACH1の毛髪組織での発現部位の特定
包埋剤を用いて包埋し凍結させたヒト頭皮組織を、ミクロトームで7μmの厚さに薄切りし、MASコートのスライドグラス上に並べた。その後、アセトンで固定し、下記抗体を用いて免疫組織染色を行った。
・一次抗体:
DACH1 :Anti-DACH1 antibody produced in rabbit<SIGMA-ALDRICH, HPA012672> 1/200
Ki-67 :Monoclonal Mouse Anti-Human Ki-67 Antigen (Clone : MIB-1)<DAKO, IS626> 原液
・二次抗体
rabbit :Alexa Fluor 488 Goat Anti-rabbit IgG(highly cross-adsorbed)<Invitrogen, A-11034> 1/200
mouse :Alexa Fluor 546 Goat Anti-mouse IgG(highly cross-adsorbed)<Invitrogen, A-11030> 1/200
結果を図1に示す。
毛球部上部で陽性像が観察された(図1)。尚、DACH1発現部位ではKi67(増殖マーカー)陰性、Ki67陽性部位ではDACH1陰性であった。
(2)DACH1の過剰発現と細胞増殖との関係
293A(ヒト腎)細胞を1×104/wellとなるようにDMEM培地で希釈し、96well プレートに100μlずつまいた。一晩インキュベートした後、ヒトDACH1発現ベクターのトランスフェクションを行い、その6時間後に培地交換を行った。トランスフェクションにはLipofectamine2000(Invitrogen)を用い、取扱説明書に従った。
尚、293A(ヒト腎)細胞は、10vol%非動化FBS(Gibco)、1vol%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)含有のDMEM培地(Gibco)中で、37℃、5%CO2下で培養した。
また、ヒトDACH1発現ベクターは、ヒト毛髪毛根部cDNAをテンプレートにして増幅させたDACH1 PCR産物(2121bp:配列番号1)をpcDNA3.1(+)ベクター(Invitrogen)に挿入して作製した。ここで、ヒト毛髪毛根部cDNAは、ヒト頭髪抜去毛毛根部からRNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてtotal RNAを抽出し、ThermoScript RT−PCR System(Invitrogen)を用いて逆転写反応を行って合成した。作製したヒトDACH1発現ベクターは配列解析を行った後、EndoFree Plasmid Maxi Kit(QIAGEN)を用いて調製し、各実験に用いた。
トランスフェクション後、24、48、72時間後にCell Counting Kit−8溶液(DOJINDO) 10μlを各wellに添加し、37℃で3時間インキュベートした。その後に、マイクロプレートリーダーにより450nmの吸光度を測定し、生細胞数を計測した。測定時間は各wellあたり0.5秒とした。結果を図2に示す。
得られた数値は平均値±標準偏差で示し、各時間におけるDACH1(−)とDACH1(+)の数値データに関して、non−paired t−test法で有意差検定を行った。
尚、DACH1(−):DACH1過剰発現しない場合、DACH1(+):DACH1過剰発現する場合を示す。
DACH1過剰発現によりヒト培養細胞(293A(ヒト腎)細胞)の増殖が抑制されることが確認された(図2)。
参考例1 AP−1転写活性を指標としたDACH1機能の測定
DACH1はc−Jun(AP−1複合体の構成要素の一つ)に結合してAP−1の転写活性を阻害し、下流の遺伝子発現を抑制するという公知情報(前記非特許文献4,5,6)を利用し、DACH1制御剤探索系を構築した。
実際に、DACH1過剰発現がAP−1転写活性を阻害するかを確認するために、293A(ヒト腎)細胞に、ヒトDACH1過剰発現ベクターとAP−1結合部位が挿入されたルシフェラーゼベクターを同時にトランスフェクションし、DACH1過剰発現がAP−1転写活性に与える影響をルシフェラーゼアッセイにより解析した。
その結果、DACH1濃度依存的なAP−1転写活性抑制作用を確認することができた(図3)。
製造例1 カンスイ抽出物の製造
カンスイ(Euphorbia kansui Liou)の種子40gに50%エタノール水溶液400mLを加え室温で26日間浸漬した。これをろ過し、カンスイ抽出液を得た。このカンスイ抽出液を濃縮したところ、その固形分は1.4gであった。この固形物を50%エタノールにて希釈し、1wt%の溶液とした。
実施例2 DACH1機能抑制の評価
製造例1で調製したカンスイ抽出物について、DACH1によるAP−1転写活性抑制作用を指標としてDACH1機能阻害作用を評価した。
実施例1(2)と同様にして、293A細胞を1.6×104/wellとなるように96well プレートにまき(100μl/well)、翌日にヒトDACH1発現ベクター、AP−1転写活性測定用のpAP−1−Lucベクター(Stratagene)、内部標準用のpGL4.74[hRluc/Tk]ベクター(Promega)のトランスフェクションを行った。
トランスフェクションの24時間後に、試験物質(製造例1で調製したカンスイ抽出物(0.005vol%)を添加し、さらにその24時間後にDual−Glo Luciferase Assay System(Promega)を用いてデュアルルシフェラーゼアッセイを行った。
デュアルルシフェラーゼアッセイは、培地を除去した後、PBSで2倍希釈したDual−Glo luciferase reagentを加えて攪拌し、20分後にホタルルシフェラーゼ活性をマイクロプレートリーダーにより測定した。その後、等量のDual−Glo Stop&Glo reagentを加えて攪拌した後に、ウミシイタケルシフェラーゼ活性を測定した。尚、双方のルシフェラーゼ活性測定時間は1秒とした。結果を図4に示す。
その結果、カンスイ抽出物には、DACH1機能抑制作用が認められた(図4)。
実施例3 ヒト毛包器官培養系での評価
製造例1で調製したカンスイ抽出物について、ヒト毛包器官培養系での評価を行った。
ヒト毛包は実体顕微鏡下でメス及びピンセットを用いて単離し、William' s E培地(1vol% ペニシリン/ストレプトマイシン、10ng/mL ヒドロコーチゾン(SIGMA)、2mM L−グルタミン、10μg/mL インスリン含有)中で37℃、5%CO2下で浮遊培養(24wellプレート)を行った。試験物質(カンスイ抽出物(0.0005vol%))の添加は毛包単離当日(Day0)に行い、培地交換は1〜2日おきに行った。
毛包の伸長量測定は、実体顕微鏡下でCCDカメラを用いて撮影した写真(1〜2日おき)を用い、写真から毛の長さを画像解析ソフトウェアにより測定し、Day0から差し引きして算出した。結果を図5に示す。
その結果、カンスイ抽出物には、毛伸長効果があることが確認された。尚、カンスイ抽出物には、発毛促進作用があることが既に知られている(特開昭63−198613号公報)。
実施例2及び3より、本発明の方法は、毛成長制御剤の評価及び/又は選択に使用できると云える。

Claims (2)

  1. 下記の工程(a)〜(c)を含む毛成長制御剤の評価及び/又は選択方法。
    (a)被験物質と、DACH1遺伝子が発現可能な細胞とを接触させる工程
    (b)前記細胞におけるDACH1遺伝子の発現又はDACH1の発現若しくは機能の変化を測定する工程
    (c)前記測定の結果に基づいて、該被験物質を毛成長制御剤として評価及び/又は選択する工程
  2. (b)工程において、AP−1の転写活性によってDACH1の機能を測定する請求項1記載の方法。
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