JP2013192100A - 画像処理装置およびこれを備えた原稿読取システム - Google Patents

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Abstract

【課題】書籍などの製本された原稿の紙面を撮影した撮影画像において、見開きページの角点の位置を効率良く推定する。
【解決手段】画像処理装置(PC)3が、撮影画像における複数のエッジ画素を抽出するエッジ抽出部32と、エッジ画素に基づき原稿の外形輪郭における角点である外形角点および原稿の綴じ中心線の端点であるのど点を検出する角点・のど点検出部33とを備え、角点・のど点検出部は、外形角点C1〜C4およびのど点D1、D2の位置情報に基づき、見開きページの角点であるページ角点E1〜E4の存在領域を推定し、当該存在領域内においてページ角点を検出する構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、本などの原稿を読み取って得られた画像を処理する画像処理装置およびこれを備えた原稿読取システムに関する。
本のページを自然に開いた状態で上方から撮影してページの画像を読み取ることができる書画カメラ(ブックスキャナ)が普及している(特許文献1参照)。このような書画カメラを用いると、ページをめくりながらページの画像を次々に読み取ることができるため、本を電子化する作業を効率良く行うことができる。
この種の書画カメラで書籍などの製本された原稿を読み取る場合、ページの境界(上下左右の外形輪郭)の情報は種々の画像処理を実施する際に重要となる。そこで、ページ境界を正確に検出するための技術として、文書画像から検出したエッジ画像において上下のページ境界を検出するステップと、これら上下のページ境界における左右ページの交点を探索することにより綴じ中心線を検出するステップと、文書画像のページ幅を判定するステップと、上下のページ境界、綴じ中心線、ページ幅に基づき左右のページ境界を判定するステップとを実行するものが知られている(特許文献2参照)。
特開2001−103240号公報 特開2011−181071号公報
ところで、上述のページ境界の情報としては、見開きページの4つの角点の位置情報が特に有用である。しかしながら、上記特許文献2に記載の従来技術では、ページの角点は、例えばページの上側ページ境界の直線部分とこれに接続される直線との交点として検出されるが、ページ角点が存在する可能性の高い領域等が考慮されていないため、検出処理の効率が低いという問題があった。
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、書籍などの製本された原稿の紙面(見開きページ)を撮影した撮影画像において、見開きページの角点の位置を効率良く推定可能とした画像処理装置およびこれを備えた原稿読取システムを提供することを主目的とする。
本発明の画像処理装置は、製本された原稿の見開きページを撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、前記撮影画像における複数のエッジ画素を抽出するエッジ抽出部と、前記エッジ画素に基づき前記原稿の外形輪郭における角点である外形角点および前記原稿の綴じ中心線の端点であるのど点を検出する角点・のど点検出部とを備え、前記角点・のど点検出部は、前記外形角点および前記のど点の位置情報に基づき、前記見開きページの角点であるページ角点の存在領域を推定し、当該存在領域内において前記ページ角点を検出することを特徴とする。
このように本発明によれば、書籍などの製本された原稿の紙面(見開きページ)を撮影した撮影画像において、見開きページの角点の位置を効率良く推定可能となるという優れた効果を奏する。
実施形態に係る原稿読取システム1を示す全体構成図 図1中の書画カメラ2およびPC3の概略構成を示すブロック図 図1中の原稿読取システム1による原稿読取手順の要部を示すフロー図 図3中の画像入力(ST101)により取得された撮影画像の一例を示す模式図 図3中のエッジ抽出(ST102)により取得された撮影画像の一例を示す模式図 図3中の外形角点検出(ST103)の結果一例を示す模式図 図3中ののど点検出(ST105)の結果一例を示す模式図 図3中のページ角点検出(ST106)の結果一例を示す模式図 図3中の平面化(ST107)の処理の概要を示す説明図 図3中の外形角点検出(ST103)の詳細を示すフロー図 図10中のエッジ検索(ST201)の処理の一例を示す説明図 図10中の角点推定(ST203)の処理の一例を示す説明図 図10中の角点の有効性判定(ST204)の処理の一例を示す説明図 図3中ののど点検出(ST104)の詳細を示すフロー図 図14中の第1エリア設定(ST301)の処理の概要を示す説明図 図14中の第2エリア設定(ST302)の処理の概要を示す説明図 図3中のページ角点検出(ST105)の詳細を示すフロー図 図17中のST401〜ST403における処理の概要を示す説明図 図17中のページ角点検出(ST404)の処理の概要を示す説明図 図19に示したページ角点検出(ST404)の処理の変形例を示す説明図 図3中の平面化(ST106)の詳細を示すフロー図 図21中の歪曲成分抽出(ST501)の処理の概要を示す説明図 図21中のメッシュライン生成(ST505)の処理の概要を示す説明図
上記課題を解決するためになされた第1の発明に係る画像処理装置は、製本された原稿の見開きページを撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、前記撮影画像における複数のエッジ画素を抽出するエッジ抽出部と、前記エッジ画素に基づき前記原稿の外形輪郭における角点である外形角点および前記原稿の綴じ中心線の端点であるのど点を検出する角点・のど点検出部とを備え、前記角点・のど点検出部は、前記外形角点および前記のど点の位置情報に基づき、前記見開きページの角点であるページ角点の存在領域を推定し、当該存在領域内において前記ページ角点を検出する構成とする。
これによると、外形角点およびのど点に基づき推定したページ角点の存在領域内においてページ角点を検出するため、書籍などの製本された原稿の紙面(見開きページ)を撮影した撮影画像において、見開きページの角点の位置を効率良く推定することが可能となる。
また、第2の発明は、前記角点・のど点検出部は、前記原稿の上下方向の一方側において左右に位置する2つの前記角点および前記のど点を含むように設定した第1の領域と、前記原稿の左右方向の一方側において上下に位置する2つの前記角点を含むように設定した第2の領域とを設定し、それら第1および第2の領域の重複領域を前記存在領域と推定する構成とする。
これによると、ページ角点の存在領域を簡易な処理によって精度良く設定することが可能となる。
また、第3の発明は、前記角点・のど点検出部は、前記撮影画像において4つの前記外形角点を含む全体領域を設定すると共に、当該全体領域を左右方向に複数分割した分割領域を設定し、当該複数の分割領域の中央に位置する中央領域内において前記のど点を検出する構成とする。
これによると、ページ角点の存在領域の推定に用いるのど点を簡易な処理によって精度良く設定することが可能となる。
また、第4の発明は、上記第1から第3の発明のいずれかに係る画像処理装置と、前記撮影画像を生成するカメラ部を備えた画像入力装置とを備えた原稿読取システムである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る原稿読取システム1を示す全体構成図である。この原稿読取システム1は、本(原稿)Bの紙面の画像を読み取って、紙面の画像データを取得するものであり、紙面を撮影して映像信号に変換する書画カメラ(画像入力装置)2と、この書画カメラ2と通信可能に接続されたPC3とから構成される。
書画カメラ2は、撮影機能を有するカメラ部4と、このカメラ部4を保持するスタンド部5とを備えている。カメラ部4は、CCDやCMOS等からなるイメージセンサと、LEDや蛍光ランプ等からなる照明用光源(共に図示せず)とを内蔵する。スタンド部5は、机上面などの載置面6に載置される略V字状の脚7と、この脚7に支持され、斜め上方に伸縮自在のアーム8とを有している。アーム8は、ヒンジ部8aによってカメラ部4を回動可能に保持しており、これにより、カメラ部4の光軸方向(撮影方向)を調整可能となっている。
PC3は、書画カメラ2の各種動作条件をユーザが設定したり、書画カメラ2で撮像した撮影画像をユーザが確認したりするための入出力装置として機能すると共に、撮影画像の画像処理や記録等を行う画像処理装置としても機能する。なお、原稿読取システム1において書画カメラ2と共に用いられる装置としては、PC(Personal Computer)に限らず同様の機能を実現可能な任意の情報処理装置を用いることができる。また、PC3の機能の少なくとも一部を書画カメラ2に付加することや、PC3と書画カメラ2とを一体的に構成することも可能である。
また、書画カメラ2とPC3は直接的に接続されている必要はなく、例えば図示しないネットワークを介して接続されていてもよい。この場合、書画カメラ2が撮像のためのトリガ信号を発生させ(具体的には、例えばイメージキャプチャを指示するスイッチやボタン)、遠隔のPC3(例えば、サーバ)に対してプッシュ型のデータ伝送をすることになる。
書画カメラ2による撮影では、ユーザがカメラ部4の真下(光軸方向)の載置面6上に本Bを開いた状態で載置することにより、本Bの見開き2ページと本Bの周囲の載置面6の一部を含む撮影画像(動画または静止画)が得られる。撮影画像は、PC3に適宜送信され、そこで必要な画像処理がなされた後、所定の記録媒体に保存されると共にユーザに対して表示される。なお、原稿読取システム1が読み取る原稿は、本に限らず、文字、図面、写真その他これに類する情報を含む任意の情報伝達媒体とすることができる。更に、この情報伝達媒体はポジフィルム、ネガフィルム等の透過原稿であってもよく、この場合は、例えば透明な導光板の側面に光源を配置した光源ユニットにより背面から光を照射し、透過光を撮像するように構成すればよい。
図2は、図1中の書画カメラ2およびPC3の概略構成を示すブロック図である。
書画カメラ2は、カメラ部4を備えた撮像処理部11と、ユーザが設定した動作条件に基づいて撮像処理部11に所要の動作を行わせる操作指示部12と、PC3との接続のためのUSB規格等に準拠する外部インタフェイス13とを有している。
PC3は、書画カメラ2との接続のためのUSB規格等に準拠する外部インタフェイス21と、書画カメラ2からの撮影画像データが入力される画像データ入力部(撮影画像取得部)22と、撮影画像の記録や表示に際して必要な画像処理を行う画像処理部23と、キーボード等からなる入力操作部24においてユーザが設定した動作条件を書画カメラ2に対して送信する操作系制御部25と、画像処理後の撮影画像をLCDやプロジェクタ等からなる表示部26に表示するためのデータを生成する表示データ生成部27と、画像処理後の撮影画像データを保存するデータ格納部28とを有している。画像処理部23は、画像の平面化等の補正処理を行う画像補正部31を有している。画像補正部31によって処理される撮影画像データは画像データ記憶部37から読み出され、また、後述する画像補正部31での処理に用いられる各種パラメータの情報はパラメータ記憶部38から読み出される。
PC3における画像データ入力部22、画像処理部23、操作系制御部25および表示データ生成部27等における処理機能は、画像処理アプリケーションなどのプログラムをCPUで実行するソフトウェア処理によって実現することができる。或いは、PC3を画像処理装置と解釈して、特定の処理を高速に実行するハードウェアを備える構成としてもよい。画像データ記憶部37およびパラメータ記憶部38は汎用のメモリからなる。
PC3において、画像データ入力部22は、書画カメラ2から送信される撮影画像データを画像処理部23の画像データ記憶部37に格納し、必要に応じてその撮影画像データを画像補正部31に出力する。そして、画像補正部31は、撮像画像について所要の補正処理(ここでは、平面化)を行う。補正処理がなされた撮影画像データは、データ格納部28に格納されると共に、表示データ生成部27に送られて表示部26に表示される。
画像補正部31は、撮影画像について複数のエッジ画素を抽出して二値化したエッジ画像を取得するエッジ抽出部32と、製本された(背の部分が綴じられた)本Bの4つの角点(いわゆる表紙の「かど」を指す。以下、外形角点という。)、本Bの左右のページの境界線(綴じ中心線)をなすのど部の上下の端点(以下、のど点という。)、及び見開きページにおける4つの角点(以下、ページ角点という。)を検出する角点・のど点検出部33と、ページが浮き上がるなどして歪んだ画像を平面化する平面化処理部34とを有している。なお、上述の「製本」とは、書籍の本文で使用している紙よりも厚い紙を表紙として糸、針金や接着剤で中身を綴じることをいい、表紙を段ボール紙に貼った上製本のみならず、いわゆる並製本(表紙と中身の紙を同じものにしたものも含む)も含まれる。
また、PC3において、ユーザは入力操作部24を操作することにより、書画カメラ2で撮影される画像の解像度、フレームレート、シャッタスピード、照明用光源の発光量などの動作条件を適宜入力することができる。この動作条件は、操作系制御部25から書画カメラ2に対して制御信号として送信され、書画カメラ2では、PC3からの制御信号に基づき操作指示部12が送出した処理命令にしたがって撮像処理部11が撮影動作を実行する。
図3は図1の原稿読取システム1による原稿読取手順の要部を示すフロー図であり、図4は図3中の画像入力(ST101)により取得された撮影画像の一例を示す模式図であり、図5はエッジ抽出(ST102)により取得された撮影画像の一例を示す模式図であり、図6、図7及び図8はそれぞれ外形角点検出(ST103)、のど点検出(ST104)及びページ角点検出(ST106)の結果一例を示す模式図であり、図9は平面化(ST107)の処理の概要を示す説明図である。
まず、ユーザは、読取位置(書画カメラ2の撮影可能位置)に本Bを開いた状態でセットし、書画カメラ2を起動させると共に、PC3で所要のアプリケーションを起動させる。これにより、画像の入力、すなわち書画カメラ2での撮像が開始されてその撮影画像データがPC3に順次送信される(ST101)。
ここで、撮影画像は、例えば図4に示すように、書画カメラ2の矩形の撮影エリア40により画定され、この撮影エリア40内には本Bの画像とその背景となる載置面6の画像とが含まれる。中央ののど部42によって仕切られた左右の紙面(見開きページ)41L、41Rには、ここでは図示を省略するが、それぞれ文字や記号等が表示される文章領域や、図面や写真等が表示される図形枠等が含まれている。
再び図3を参照して、PC3では、書画カメラ2から受信した撮影画像データを画像データ入力部22が画像データ記憶部37に格納した後、エッジ抽出部32は、例えば図5に示すように、撮影画像において輝度が急激に変化する部位をエッジ画素として抽出することにより二値化したエッジ画像を取得する(ST102)。なお、図5では破線部分がエッジに相当している。このエッジ抽出処理は、キャニー(Canny)法等の周知の方法を用いて行うことができる。
後に詳述するが、角点・のど点検出部33は、例えば図6に示すように、略矩形をなす本Bの外形輪郭における4つの外形角点C1〜C4を検出する(ST103)。ここで検出される外形角点C1〜C4は、紙面41L、41Rよりもややサイズの大きい表紙(外装)43の四隅となる。続いて、角点・のど点検出部33は、例えば図7に示すように、検出した外形角点C1〜C4(図6参照)の位置情報に基づき、本Bののど部42における上下の端点であるのど点D1、D2を検出する(ST104)。
その後、角点・のど点検出部33は、例えば図8に示すように、外形角点C1〜C4(図6参照)およびのど点D1、D2(図7参照)の位置情報に基づき、ページ角点E1〜E4を検出する(ST105)。
平面化処理部34は、上述のように検出されたのど点D1、D2およびページ角点E1〜E4等の位置情報に基づき、例えば図9(A)に示すように歪みのある紙面(ここでは右紙面41Rのみを示している。)の画像を図9(B)に示すように平面化する処理を行う(ST106)。
図10は図3中の外形角点検出(ST103)の詳細を示すフロー図であり、図11、図12及び図13はそれぞれ図10中のエッジ検索(ST201)、角点推定(ST203)及び角点の有効性判定(ST204)の処理の一例を示す説明図である。
図10に示すように、まず角点・のど点検出部33は、撮影エリア40の四方から対角線上にエッジ画素を検索する(ST201)。より詳細には、図11に示すように、矩形をなす撮影エリア40において互いに直交する2辺に沿った座標軸(X軸およびY軸)に対して所定角度(ここでは±45度)傾斜した仮想直線L1〜L4を、撮影画像の4つの頂点45a〜45dを始点として、その始点から対角線上を撮影画像の中心に向かって、所定の移動間隔で段階的に平行移動させながら、仮想直線L1〜L4との交点(エッジ画素)を収集する。この仮想直線L1〜L4の移動は、後に外形角点を推定可能な所定数の交点が検出されるまで実施される。
ここで、仮想直線については、始点から最初の交点が検出されるまでは、仮想直線L1〜L4を第1の移動間隔step1で大きく移動させ、交点が検出されると、その直前の位置から仮想直線を第2の移動間隔step2で細かく移動させるとよい。
このように傾斜した仮想直線を所定の移動間隔で段階的に平行移動させながら、輪郭成分と仮想直線との交点を収集すると、仮想直線が本Bの外形の角点輪郭に到達したところで、交点の列が概ね直角に近い状態で2方向に分かれるように現れるため、この交点の出現状況から原稿の外形輪郭の角点(外形角点)を精度よく検出することができる。ただし、実際問題として、書籍等の外形角点の形状は鈍っていることが多く、本実施形態では、以下のように外形角点の位置を推定によって求めている。
まず、角点・のど点検出部33は、ST201で検索されたエッジ画素から外形角点を推定するための直線を検出する(ST202)。例えば、図12に示すように、本Bの左下の角領域において、概ねX軸方向に沿って存在する輪郭点Px1、Px2と、概ねY軸方向に沿って存在する輪郭点Py1、Py2とが、ST201においてエッジ画素として検索された場合、角点・のど点検出部33は、輪郭点Px1、Px2を通る直線Lxと、輪郭点Py1、Py2を通る直線Lyとをそれぞれ検出することができる。そして、角点・のど点検出部33は、直線Lxと直線Lyとの交点を外形角点Cとして設定する(ST203)。
ここで、より多くの輪郭点が存在する場合には、それらのうちの2点に基づき複数の直線が抽出される(複数の交点が算出される)が、直線同士の角度θaや2点の位置関係に基づき最適な交点を選択することができる。また、輪郭成分において外形線の2辺が閉じている(すなわち角点付近の画素が連続している)場合には、仮想直線L1〜L4を始点から平行移動させて、最初に検出した交点を外形角点Cとして選定することができる。つまり、外形角点に仮想直線が接した場合、理想的には輪郭成分との交点は一つとなるため、接触したことをもって外形角点を検出するのである。また、仮想直線を対角方向にstep1の移動間隔で移動させ、交点を複数検出したならば、それまでの移動方向とは逆の方向(つまり、仮想直線L1の場合は頂点45aの方向)に細かく(例えばstep2で)移動させ、交点が1又は0となったことに基づき外形角点を検出するようにしてもよい。そして、これらの操作をstep幅を小さくしながら複数回繰り返すことで、理論上は外形角点の検出精度が向上する。さらに、載置面6の画像にノイズ成分が存在する場合には、予め除去しておくとよい。
本Bの4つの外形角点を設定した後に、角点・のど点検出部33は、それら角点の位置関係から設定した外形角点の有効性を判断する(ST204)。ここでの有効性は、例えば、図13に示すように、4つの外形角点C1〜C4の位置関係(角点間の距離の比較、各外形角点を結ぶ線分のなす角度の比較)等に基づき、外形角点C1〜C4が略矩形状に配置されているか否かにより判断する。
そして、角点・のど点検出部33は、全ての外形角点C1〜C4が有効である場合(ST205;YES)には、外形角点検出処理を終了する。一方、角点・のど点検出部33は、いずれかの外形角点が有効でないと判定した場合(ST205;NO)には、他の外形角点に基づき無効と判断した外形角点の座標を補正する(ST206)。例えば、図13に示すように、紙面の図形枠の角等を検出することにより、誤った角点C3eが設定されていた場合、他の3つの外形角点C1、C2、C2から適切な位置に外形角点C3を設定することができる。
なお、ST103における外形角点C1〜C4の検出は、上述の方法に限らず、他の周知の方法を用いて実行することが可能である。
図14は図3中ののど点検出(ST104)の詳細を示すフロー図であり、図15及び図16はそれぞれ図14中の第1エリア設定(ST301)および第2エリア設定(ST302)の処理の概要を示す説明図である。
図14において、角点・のど点検出部33は、のど部42全体を含む縦長の第1エリアR1(図15参照)を設定する(ST301)。
この第1エリアR1の設定では、角点・のど点検出部33は、図15に示すように、まずST103で取得した外形角点C1〜C4を内包する矩形の全体領域RTを設定する。ここで、角点・のど点検出部33は、外形角点C1〜C4の座標からX軸方向およびY軸方向の各々における最大値および最小値を取得する。そして、全体領域RTのX軸方向に平行な上辺および下辺の位置を、それぞれY軸方向の最大値以上および最小値以下となるように設定し、また、全体領域RTのY軸方向に平行な右辺および左辺の位置を、それぞれX軸方向の最大値以上および最小値以下となるように設定する。続いて、角点・のど点検出部33は、全体領域RTをX軸方向に均等に複数分割(ここでは、5分割)した分割領域RDを設定し、これら分割領域RDの中央に位置する領域を第1エリアR1とする。
なお、全体領域RTの分割数については、ユーザが適宜設定することができる。分割数は、3以上の奇数として設定することが好ましいが、偶数とした場合には中央の2つの領域を第1エリアR1とする。
再び図14を参照して、次に、角点・のど点検出部33は、のど部42の上端および下端がそれぞれ含まれる横長の第2エリアR2a、R2b(図16参照)を設定する(ST302)。
この第2エリアR2a、R2bは、図16に示すように、外形角点C1、C2および外形角点C3、C4をそれぞれ含む矩形領域として設定される。ここで、角点・のど点検出部33は、上述の第1エリアR1と同様に、全体領域RT(図15参照)をY軸方向に均等に複数分割した分割領域(全ては図示せず)において最上部および最下部に位置する領域をそれぞれ第2エリアR2a、R2bとすることができる。
再び図14を参照して、続いて、角点・のど点検出部33は、第1エリアR1において、例えばハフ変換等を用いてエッジ画像における縦方向の直線(Y軸方向と所定の閾値以下の角度をなす線分)を検出する(ST303)。そして、これら検出した直線に基づき、角点・のど点検出部33は、第1エリアR1と第2エリアR2a、R2bとの重複領域RVa、RVb(図16参照)内においてのど点D1、D2を検出する(ST304)。ここでは、のど点を含む直線とその周辺のエッジ画素との形状(接続関係)を想定した複数の画像パターンを予め準備しておき、直線およびその周辺画素をそれらの画素パターンと比較することにより、のど点を検出することができる。
このような方法により、ページ角点の存在領域の推定に用いるのど点D1を簡易な処理によって精度良く設定することが可能となる。なお、ST104におけるのど点D1、D2の検出は、少なくとも重複領域RVa、RVb内において実施される限りにおいて、上述の方法に限らず、他の周知の方法を用いて実行することが可能である。
図17は図3中のページ角点検出(ST105)の詳細を示すフロー図であり、図18は図17中のST401〜ST403における処理の概要を示す説明図であり、図19はページ角点検出(ST404)の処理の概要を示す説明図であり、図20は図19に示したページ角点検出(ST404)の処理の変形例を示す説明図である。
図17において、角点・のど点検出部33は、外形角点C3、C4およびのど点D4に基づき第3エリア(第1の領域)R3(図18参照)を設定する(ST401)。
この第3エリアR3は、図18に示すように、外形角点C3、C4およびのど点D2を含む横長の矩形領域として設定される。ここで、角点・のど点検出部33は、外形角点C3、C4およびのど点D2の座標情報から、X軸方向およびY軸方向の各々における最大値および最小値を取得する。そして、X軸方向およびY軸方向の最大値に予め設定した所定量ΔXmaxおよびΔYmaxをそれぞれ加算すると共に、X軸方向およびY軸方向の最小値から所定量ΔXminおよびΔYminをそれぞれ減算することにより、矩形領域(第3エリアR3)の4辺の位置を決定する。また、場合によっては、第2エリアR2a(図16参照)を第3エリアR3として使用してもよい。
なお、ここでは、上側の第3エリアR3についてのみ示すが、ST401では外形角点C1、C2およびのど点D1に基づき下側の第3エリアも同様に設定される。
再び図17を参照して、次に、角点・のど点検出部33は、第3エリアR3において、エッジトレース処理を行うことにより左右紙面41L、41Rの上下辺を構成する線分を検出する(ST402)。例えば、図18に示すように、右紙面41Rの上辺(上側の外形線)41Raを対象とするエッジトレース処理では、のど点D2および角点C3をそれぞれ始点および終点に設定し、のど点D2から外形角点C3に向けてエッジ画素を探索する。この場合、線分の特徴(直線、曲線、分岐等)に基づき予め複数の画素パターンが準備されており、角点・のど点検出部33は探索した一群のエッジ画素をそれらの画素パターンと比較して一致した場合に線分およびその端点を認識する。
なお、ここでは、右紙面41Rの上辺についてのみ示したが、ST402では右紙面41Rの下辺および左紙面41Lの上下辺についても同様に検出される。
続いて、角点・のど点検出部33は、右側の外形角点C2、C3に基づき第4エリア(第2の領域)R4(図18参照)を設定する(ST403)。この第4エリアR4は、上述の第1エリアR1の設定において設定された分割領域RD(図15参照)の両端(ここでは右端)に位置する領域として設定することができる。
なお、ここでは、第4エリアR4についてのみ示したが、ST403では外形角点C1、C4に基づき左側の第4エリアも同様に設定される。
次に、角点・のど点検出部33は、第3エリアR3および第4エリアの重複領域RO(図18参照)をページ角点が存在する領域と推定し、この重複領域RO内においてページ角点を検出する(ST404)。
ページ角点の検出では、角点・のど点検出部33は、例えば図19に示すように、ST402における右ページ側の上辺のエッジ51の検出結果に基づき、重複領域RO内において互いに隣接する各線分の端点を結ぶ直線同士のなす角度(図19中の端点1、2とその間の端点(基点)とをそれぞれ結ぶ直線のなす角度θb)をそれぞれ算出する。そして、角度θbが極小値となる基点をページ角点と推定する。図19では、2つの基点BP1、BP2が極小値をとる例を示しているが、このような場合、より内側(のど部側)に位置する基点BP1をページ角点E3と推定する。
別法では、図20に示すように、角点・のど点検出部33は、上述の角度θbが極小値となる基点BP3、BP4においてより内側の基点BP3をページ角点の候補点とする。また、角点・のど点検出部33は、第4エリアR4(図18参照)において、例えばハフ変換等を用いてエッジ画像における縦方向の複数の直線(図19中のL5〜L7)を検出する。そして、角点・のど点検出部33は、候補点BP3と各直線L5〜L7との距離d1〜d3を算出し、その距離が最も小さい直線L6とエッジ(右ページ側の上辺のエッジ51)との交点をページ角点E3と推定する。
このような方法により、ページ角点E3の存在領域を簡易な処理によって精度良く設定することが可能となる。なお、ここでは、右上のページ角点E3についてのみ示したが、ST404では他のページ角点E1、E2、E4についても同様に検出される。
再び図17を参照して、次に、角点・のど点検出部33は、検出したページ角点E1〜E4に基づき、左右紙面41L、41Rの左辺および右辺をそれぞれ推定する(ST405)。ここで、左右紙面41L、41Rの左辺および右辺は、ページ角点E1、E4およびE2、E3を結ぶ直線とする。或いは、第4エリアR4(図18参照)において、縦方向の複数の直線(線分)を検出し、各ページ角点E1、E4およびE2、E3との距離が最小となる直線をそれぞれ左右紙面41L、41Rの左辺および右辺と推定してもよい。
図21は図3中の平面化(ST106)の詳細を示すフロー図であり、図22は図21中の歪曲成分抽出(ST501)の処理の概要を示す説明図であり、図23は図21中のメッシュライン生成(ST505)の処理の概要を示す説明図である。
ここではまず、図22に示すように、本Bの左右紙面41L、41Rの歪曲した上下辺41La、41Ra、41Lb、41Rbを表す歪曲成分を抽出する(ST501)。ここで、上下辺41La、41Ra、41Lb、41Rbは、図3のエッジ抽出(ST102)で取得したエッジ画像から抽出する。そして、歪曲成分の連続性に基づいて歪曲成分の妥当性を判断する(ST502)。ここで、歪曲成分が妥当でないと判断されると、途切れた部分の補間処理を行う(ST503)。これにより、歪曲成分が途切れることなく連続した状態となる。
ついで、歪曲成分を高さ成分に変換する演算を行う(ST504)。撮影画像上で左右紙面41L、41Rの上下辺41La、41Ra、41Lb、41Rbが歪曲した状態で表示されるのは、3次元的には紙面が上側に凸となるように湾曲していることによるものであり、この歪曲に基づいて、上下辺41La、41Ra、41Lb、41Rbの3次元的な湾曲状態を示す高さ成分を求めることができる。具体的には載置面6に対して左右紙面41L、41Rの上下辺の高さ(Z軸の座標)を一定間隔で求める。この高さ成分により、ページの上縁および下縁の実際の長さを推定することができる。
ついで、図23に示すように、縦横のメッシュラインを生成し(ST505)、その縦横のメッシュラインが交差するメッシュ交点の座標をメッシュテーブルとして格納する(ST506)。ここでは、左右紙面41L、41Rの上下辺の高さ成分に基づいて、上下辺を示す曲線をメッシュ数に応じて等間隔に分割する基点の座標を求め、上辺および下辺の互いに対応する基点を結線して縦メッシュラインを求める。ついで、縦メッシュラインをメッシュ数に応じて等間隔に分割する点(メッシュ交点)の座標を求め、その点を結線して横メッシュラインを求める。
このようにしてメッシュモデルを生成すると、そのメッシュモデルに基づいて画像を平面化する画像変換処理が平面化処理部34にて行われるが、このとき、ページ領域の画像のみを切り出して平面化することで、歪みのないページ領域のみの画像を得ることができる。また、必要に応じて画像の傾きを補正するスキュー補正などが行われる。
このように、上記原稿読取システム1では、外形角点C1〜C4およびのど点D1、D2に基づき推定した重複領域RO(ページ角点E1〜E4が存在する可能性の高い領域)内においてページ角点を検出するため、書籍などの製本された原稿の紙面を撮影した撮影画像において、見開きページの角点の位置を効率良く推定することが可能となる。
本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。例えば、実施形態では、同様の方法にて4つのページ角点を求めるものとしたが、3つのページ角点から残りの1つの角点を求めるようにしてもよい。なお、上記実施形態に示した本発明に係る画像処理装置およびこれを備えた原稿読取システムの各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
本発明に係る画像処理装置およびこれを備えた原稿読取システムは、書籍などの製本された原稿の紙面を撮影した撮影画像において、見開きページの角点の位置を効率良く推定可能とし、本などの原稿を読み取って得られた画像を処理する画像処理装置およびこれを備えた原稿読取システムなどとして有用である。
1 原稿読取システム
2 書画カメラ(画像入力装置)
3 PC(画像処理装置)
6 載置面
22 画像データ入力部(撮影画像取得部)
23 画像処理装置
31 画像補正部
32 エッジ抽出部
33 角点・のど点検出部
34 平面化処理部
40 撮影エリア
41L 左紙面
41R 右紙面
42 のど部(綴じ中心線)
C1〜C4 外形角点
D1、D2 のど点
E1〜E4 ページ角点
R1 第1エリア
R2a、R2b 第2エリア
R3 第3エリア(第1の領域)
R4 第4エリア(第2の領域)
RD 分割領域
RO 重複領域(ページ角点の存在領域)
RT 全体領域

Claims (4)

  1. 製本された原稿の見開きページを撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、
    前記撮影画像における複数のエッジ画素を抽出するエッジ抽出部と、
    前記エッジ画素に基づき前記原稿の外形輪郭における角点である外形角点および前記原稿の綴じ中心線の端点であるのど点を検出する角点・のど点検出部と
    を備え、
    前記角点・のど点検出部は、前記外形角点および前記のど点の位置情報に基づき、前記見開きページの角点であるページ角点の存在領域を推定し、当該存在領域内において前記ページ角点を検出することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記角点・のど点検出部は、前記原稿の上下方向の一方側において左右に位置する2つの前記角点および前記のど点を含むように設定した第1の領域と、前記原稿の左右方向の一方側において上下に位置する2つの前記角点を含むように設定した第2の領域とを設定し、それら第1および第2の領域の重複領域を前記存在領域と推定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記角点・のど点検出部は、前記撮影画像において4つの前記外形角点を含む全体領域を設定すると共に、当該全体領域を左右方向に複数分割した分割領域を設定し、当該複数の分割領域の中央に位置する中央領域内において前記のど点を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像処理装置と、前記撮影画像を生成するカメラ部を備えた画像入力装置とを備えた原稿読取システム。
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KR101761641B1 (ko) * 2015-10-20 2017-08-08 주식회사 셀바스에이아이 엣지 라인을 검출하여 분할선을 획득하는 장치 및 방법

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