以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる通信機器および携帯機器の構成を示すブロック図である。図1に示す通信機器1および携帯機器2は、所定の無線通信規格に従って画像データおよび音声データ等を含むコンテンツデータを双方向に通信可能である。ここで、所定の無線通信規格は、IEEE802.11b、IEEE802.11n、Bluetooth(登録商標)および赤外線通信規格等である。なお、本実施の形態1では、いずれの無線通信規格であっても適用可能である。
まず、通信機器1について説明する。通信機器1は、所定の視野領域を撮像して画像データを生成するデジタルカメラ等の撮像装置を用いて構成される。通信機器1は、撮像部11と、入力部12と、表示部13と、タッチパネル14と、記録部15と、送受信部16と、音声入出部17と、通信機器制御部18と、を備える。
撮像部11は、一または複数のレンズによって構成され、所定の視野領域からの光を集光する光学系と、光学系が集光した光の入射量を調整する絞りと、レリーズ信号の入力に応じて動作するシャッタと、絞りおよびシャッタを透過した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の撮像素子と、撮像素子から出力されるアナログ信号に対してノイズ低減処理やゲインアップ処理等のアナログ処理を施してA/D変換を行って通信機器制御部18に出力する信号処理部と、を有する。
入力部12は、通信機器1の電源オンや電源オフの指示信号の入力を受け付ける電源スイッチと、通信機器1に撮影を指示するレリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチと、通信機器の各種モードの切り替えを指示する切替信号の入力を受け付ける切替スイッチと、通信機器1の各種パラメータの設定を切り替える操作信号の入力を受け付ける操作スイッチと、を有する。
表示部13は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて構成される。表示部13は、記録部15に記録された画像データに対応する画像を表示する。ここで、画像の表示には、撮影直後の画像データを所定時間(たとえば3秒間)だけ表示するレックビュー表示、記録部15に記録された画像データを再生する再生表示、および撮像部11が連続的に生成する画像データに対応するライブビュー画像を時系列に沿って順次表示するライブビュー画像表示等が含まれる。また、表示部13は、通信機器1の操作情報および撮影に関する情報、たとえば露出値や絞り値等を適宜表示する。
タッチパネル14は、表示部13の表示画面上に設けられる。タッチパネル14は、外部からの物体のタッチを検出し、この検出したタッチ位置に応じた位置信号を通信機器制御部18に出力する。一般に、タッチパネル14としては、抵抗膜方式、静電容量方式および光学方式等がある。本実施の形態1では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。
記録部15は、FlashメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて構成される。記録部15は、通信機器1を動作させるための各種プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データやパラメータ等を記録する。記録部15は、携帯機器2と無線通信を確立するための通信機器1の識別情報(機器ID、MACアドレスまたはSSID)、この識別情報に対応するパスワードを含む設定情報を記録する設定情報記録部151と、撮像部11が生成した画像データや音声データを含むコンテンツデータを記録するコンテンツ情報記録部152と、通信機器制御部18が識別情報を変換して画像パターンを生成する際の画像データやアイコンを記録する画像化情報記録部153と、を有する。ここで、識別情報とは、無線LANにおけるアクセルポイントの識別子であり、最大32の記号が任意に設定されたものである。また、記号とは、数字、図形および文字である。なお、記録部15に対し、通信機器1の外部から装着されるメモリカード等の記録媒体に対して情報を記録する一方、記録媒体が記録する情報を読み出す記録媒体インターフェースとしての機能を具備させてもよい。
送受信部16は、所定の無線通信規格に従って、携帯機器2と無線通信を行ってコンテンツデータを携帯機器2に送信可能であるとともに、携帯機器2から無線通信を確立するための通信機器1の識別情報に対応するパスワードを受信する。送受信部16は、携帯機器2と無線通信を行ってコンテンツデータや各種情報を双方向に通信を行うための通信デバイスを用いて構成される。通信デバイスは、他の機器との間で電波信号を送受信するアンテナと、アンテナが受信した信号を復調処理するとともに、送信する信号を変調処理する送受信回路等で構成される。送受信部16は、通信機器1の起動時において、その存在を報知する識別情報を含む通信信号を定期的に送信するとともに、携帯機器2または他の機器から送信された通信信号を受信して停止状態または待機状態から復帰し、携帯機器2または他の機器との間で通信を確立する。なお、送受信部16は、通信機器1の外部から装着されるメモリカード等の記録媒体に設けられてもよい。
音声入出力部17は、マイクおよびスピーカ等を用いて構成される。音声入出力部17は、音声データの取得を行って通信機器制御部18に出力する。音声入出力部17は、記録部15に記録されたコンテンツデータの音声データを再生して出力する。
通信機器制御部18は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。通信機器制御部18は、入力部12やタッチパネル14からの指示信号および切替信号等に応じて通信機器1を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って通信機器1の動作を統括的に制御する。通信機器制御部18は、携帯機器2と無線通信を確立するための通信機器1の識別情報を変換した画像パターンを生成し、この画像パターンを表示部13に表示させるとともに、通信機器1の識別情報を携帯機器2に送信する。
通信機器制御部18の詳細な構成について説明する。通信機器制御部18は、画像処理部181と、画像化部182と、設定部183と、パスワード判定部184と、送信制御部185と、表示制御部186と、を有する。
画像処理部181は、画像エンジン(画像コントローラ)を用いて構成され、撮像部11から入力される画像データに対して各種の画像処理を施して記録部15または表示部13に出力する。画像処理部181は、画像データに対して、少なくとも画像の明るさを調整するゲイン処理、階調を補正する階調補正処理、エッジ処理、ホワイトバランス処理、色補正処理およびγ補正処理を含む画像処理を行う。画像処理部181は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式に従って画像データを圧縮し、圧縮した画像データを記録部15に記録させてもよい。
画像化部182は、設定情報記録部151が記録する通信機器1の識別情報を変換した画像パターンを生成する。具体的には、画像化部182は、画像化情報記録部153が記録する画像化情報を参照して、通信機器1の識別情報を所定の数で分割してグループ化を行い、各グループの数や種類に対応する画像パターンを複数のアイコンとして生成する。たとえば、画像化部182は、通信機器1の識別情報が32文字の英数字で構成されている場合、あまりに多くの選択肢を増やして選択困難なグループ数にならないように一例として8文字毎に分割して4グループ化を行い、この4グループそれぞれを構成する文字数や種類に応じて画像パターンのアイコンを生成する。もちろん、画像化部182は、通信機器1の識別情報を10分割くらいにしてもよいが、多すぎると個々の画像としてのアイコンが小さくなって視認性が悪くなったり、ユーザによる選択に時間がかかったりするが、反対に少なくして、例えば2分割ではセキュリティー上の危険度が増す。
設定部183は、入力部12またはタッチパネル14を介して表示部13が表示する複数の画像パターンのいずれかが選択された場合、選択された画像パターンに対応付する記号を通信機器1と無線通信を確立する際に使用するためのパスワードとして設定する。つまり、一度画像化した情報は、本来の記号から変更されているので、自由に分かりやすく直感的に使うことができ、これを別の用途にも有効活用する。具体的には、設定部183は、通信機器1と無線通信を確立してコンテンツデータの送信を許可するためのパスワードを設定する。ユーザは、送信側も受信側も、これをパスワード設定の操作と意識せず、単に画像を選んでいるだけに感じるので、難しい利用時の心理的障壁を取り除くことが出来る。
パスワード判定部184は、送受信部16を介して携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致するか否かを判定する。この場合、実際には、ユーザは、同じ画像(アイコン)を選んだ操作しか意識していないので、誰にでも可能で、かつ、口頭での交渉を介しているため、セキュリティー性の高い通信確立が出来ることとなる。また、画像化により、この口頭での交渉を容易にしている。つまり、その通信やコミュニケーションの状況に最も適した表示に変換されていると言える。声での指示であると、ささやき声などで、人間が状況に応じてセキュリティーレベルを制御できるし、使用言語を変えたり暗号を使ったり、自由な伝達方法を、好みや必要に応じて選ぶことができる。
送信制御部185は、パスワード判定部184が送受信部16によって携帯機器2から受信したパスワードと設定部183によって設定されたパスワードとが一致すると判定した場合、携帯機器2と無線通信を確立してコンテンツデータの携帯機器2への送信を送受信部16に実行させる。
表示制御部186は、画像データに対応する画像を表示部13に表示させる。表示制御部186は、画像化部182が通信機器1の識別情報を変換して生成した画像パターンを表示部13に表示させる。
このように構成された通信機器1に対して、インターネットを介してパーソナルコンピュータ(図示せず)と双方向に通信可能な通信機器を具備させてもよい。
つぎに、携帯機器2について説明する。携帯機器2は、ネットワークや外部の通信局と双方向に無線通信を行う多機能型の携帯電話等を用いて構成される。携帯機器2は、撮像部21と、送受信部22と、音声入出力部23と、地磁気検出部24と、入力部25と、表示部26と、タッチパネル27と、記録部28と、通信部29と、携帯制御部30と、を備える。撮像部21、送受信部22、音声入出力部23、入力部25、表示部26、タッチパネル27および記録部28は、通信機器1の撮像部11、送受信部16、音声入出力部17、入力部12、表示部13、タッチパネル14および記録部15それぞれと同様の構成を有するため、説明を省略する。
地磁気検出部24は、磁気方位センサを用いて構成され、携帯機器2に予め設定された指定方位を検出する。具体的には、地磁気検出部24は、表示部26を水平状態にした際の地磁気の垂直方向と水平方向の成分を検出することにより、表示部26の表示画面の中心から上方に向う方向を基準方位としたときの携帯機器2の方位を検出する。
通信部29は、ネットワークを介して外部の機器、たとえば他の携帯機器またはパーソナルコンピュータ等と双方向に通信を行うための通信インターフェースである。
携帯制御部30は、CPU等を用いて構成される。携帯制御部30は、入力部25やタッチパネル27からの指示信号や切替信号等に応じて携帯機器2を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って携帯機器2の動作を統括的に制御する。携帯制御部30は、通信機器1から通信機器1の識別情報を受信した場合、受信した識別情報を変換した画像パターンを生成し、この画像パターンを表示部26に表示させる。
携帯制御部30の詳細な構成について説明する。携帯制御部30は、画像処理部301と、画像化部302と、設定部303と、パスワード判定部304と、送信制御部305と、表示制御部306と、を有する。
画像処理部301は、画像エンジンを用いて構成され、撮像部21から入力される画像データに対して各種の画像処理を施して記録部28または表示部26に出力する。画像処理部301は、画像データに対して、少なくとも画像の明るさを調整するゲイン処理、階調を補正する階調補正処理、エッジ処理、ホワイトバランス処理、色補正処理およびγ補正処理を含む画像処理を行う。画像処理部301は、JPEG方式に従って画像データを圧縮し、圧縮した画像データを記録部28に記録させてもよい。
画像化部302は、設定情報記録部281が記録する携帯機器2の識別情報を変換した画像パターンを生成する。また、画像化部302は、画像化情報記録部283が記録する画像化情報を参照して、送受信部22を介して通信機器1から受信した識別情報を変換して画像パターンを生成する。画像化部302は、識別情報を構成する複数の記号を所定の数ごとに分割してグループ化を行い、各グループの記号の種類および数に応じた画像パターンのアイコンを複数生成する。
設定部303は、入力部25またはタッチパネル27を介して表示部26が表示する複数の画像パターンのいずれかが選択された場合、選択された画像パターンに対応付する記号を携帯機器2と無線通信を確立するためのパスワードとして設定する。
パスワード判定部304は、送受信部22を介して通信機器1から送信されたパスワードと設定部303が設定したパスワードとが一致するか否かを判定する。
送信制御部305は、パスワード判定部304が送受信部22によって通信機器1から受信したパスワードと設定部303によって設定されたパスワードとが一致すると判定した場合、通信機器1と無線通信を確立してコンテンツデータの通信機器1への送信を送受信部22に実行させる。
表示制御部306は、画像データに対応する画像を表示部26に表示させる。表示制御部306は、画像化部302が通信機器1の識別情報を変換して生成した画像パターンを表示部26に表示させる。
このように構成された携帯機器2に対して、所定の視野領域に向けて補助光を照射するフラッシュ機構を設けてもよい。
つぎに、上述した通信機器1の画像化部182が通信機器1の識別情報を変換して画像パターンを生成する生成方法について説明する。図2は、通信機器1の画像化部182が通信機器1の識別情報を変換して画像パターンを生成する生成方法を模式的に説明する図である。なお、以下において、通信機器1の識別情報を英数字の32文字で構成されている場合について説明するが、32文字で限定されることなく、無線通信規格に応じて適宜変更することができ、たとえば8文字や32文字以上であっても適用することができる。
図2に示すように、画像化部182は、通信機器1の識別情報を所定の文字数でそれぞれグループ化を行い、このグループ毎に含まれる文字の数および種類に応じた画像パターンを、画像化情報記録部153が記録する画像化情報を参照して生成する。具体的には、画像化部182は、通信機器1の識別情報が32文字で構成されている場合、32文字を8文字毎に4つのグループに分け、各グループに含まれる文字の種類に応じたアイコンを生成する。たとえば、図2に示すように、画像化部182は、識別情報がA〜Zおよび1〜6の順番で32文字が構成されている場合、グループG1にAEIMQUY3を振り分け、このグループG1に対応する画像パターンとしてネズミが写るアイコンA1を生成する。さらに、画像化部182は、グループG2をウシが写るアイコンA2として生成し、グループG3をトラが写るアイコンA3として生成し、グループG4をうさぎが写るアイコンA4として生成する。なお、図2では、先頭から順に文字を各グループに振り分けていたが、たとえば2文字毎に各グループに振り分けてもよい。ここで、画像化する方法は、特定の法則で、送信側、受信側で共通に利用できるものなら何でもよい。
このように、画像化部182は、通信機器1の識別情報をユーザが直感的に把握することができる画像パターンとしてアイコンに変換する。
図3は、上述した通信機器1および携帯機器2が実行する通信処理の概要を説明する図である。図4は、図3の状況を模式的に説明する図である。なお、図3および図4では、通信機器1が記録部15に記録されたコンテンツデータを再生して表示する再生モードに設定され、携帯機器2が通信機器1からコンテンツデータを受信する受信モードに設定されている。
図3に示すように、通信機器1は、所定の無線通信規格に従って、携帯機器2と無線通信を行ってコンテンツデータを送信する場合において、携帯機器2に対して通信機器1の識別情報を送信し、この識別情報に対応するパスワードを携帯機器2から受信したとき、携帯機器2と無線通信を確立してコンテンツデータを送信する。本実施の形態1では、図3および図4に示すように、ユーザO1がユーザO2に対して、携帯機器2で「トラ」と伝え、ユーO2が携帯機器2のタッチパネル27を介してトラのアイコンA3を選択した場合、通信機器1は、携帯機器2から送信されたアイコンA3に対応付けられたパスワードを受信し、このパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致するとき、携帯機器2との間で無線通信を確立してコンテンツデータを送信する。
図5は、通信機器1および携帯機器2が無線通信の確立を行う際の状況を説明する図である。
図5に示すように、通信機器1は、画像化部182が通信機器1の識別情報を変換した画像パターンのアイコンA1〜A4を生成し、表示制御部186が画像化部182によって生成されたアイコンA1〜A4を表示部13に表示させる(図5(a))。
続いて、通信機器1は、所定の範囲内に存在する携帯機器2に対して識別情報を送受信部16に送信させる(図5(b))。これにより、携帯機器2は、通信機器1の存在を把握することができる。
その後、携帯機器2は、画像化部302が通信機器1から受信した識別情報を変換して画像パターンのアイコンA1〜A4を生成し、表示制御部306が画像化部302によって生成されたアイコンA1〜A4を表示部26に表示させる(図5(c))。
続いて、通信機器1は、ユーザO1がタッチパネル14を介して表示部13が表示するアイコンA1〜A4の中からいずれかが選択された場合、たとえばトラが写るアイコンA3が選択された場合、設定部183は、アイコンA3に対応付けられた文字の種類、数および順番を通信機器1と無線通信を確定するためのパスワードとして設定する(図5(d))。この際、表示制御部186は、選択されたアイコンを強調表示、たとえばハイライト表示または選択されたアイコンのみを表示部13に表示させてもよい。
その後、携帯機器2は、ユーザO2がタッチパネル27を介して表示部26によって表示されているアイコンA1〜A4のいずれかを選択した場合、送信制御部305がユーザO2によって選択されたアイコンに対応付けられた文字を通信機器1へ送信する(図5(e))。
続いて、通信機器1は、パスワード判定部184が携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致すると判定した場合、送信制御部185が携帯機器2と無線通信を確立してコンテンツデータを送受信部16に送信させる。
このように、携帯機器2のユーザO2は、通信機器1のユーザO1によって指定されたアイコンを選択するだけで、通信機器1と無線通信を確立してコンテンツデータを携帯機器2で受信することができるので、簡易な操作で無線通信を確立することができるとともに、セキュリティーに優れる。
通信の確立の技術は、一般的に識別情報(機器ID)の選択と、この識別情報に対応するパスワードの返信によってネゴシエーションを図ることによって行われているが、本実施の形態1においては、識別情報(機器ID)の選択後、無線通信を確立するパスワードの設定時に上述した通信確立を行えばよい。つまり双方(あるいは1対多)のユーザが、人間同士で直接行った契約に基づいた、即席パスワードを単純な動作(ここではアイコンの選択)に落とし込んで認証したものとなる。通信機器1または携帯機器2は、規定のパスワードのルールに変換するので、様々な通信規格に簡単に合致させることが出来る。この時、識別情報(機器ID)の選択動作を行った後、この動作認証に入るので、セキュリティーを高くしてなりすましなどを防止することが可能となる。また、画像を仲立ちさせることによって、通信機器1同士の記号やテキストでの抽象的なやり取りを、より具体的に口頭指示、あるいは聴いて理解しやすい、もしくは、指さし指示、あるいは一見しての確認容易な、人間同士のコミュニケーションに適合した形式に変換することを可能としている。一見しての確認は、セキュリティー上好ましくないが、画像(アイコン)が小さかったり、一部分の指示だったりすると、のぞき見程度では分かりにくい操作にすることが可能である。声での指示であると、ささやき声などで、人間が状況に応じてセキュリティーレベルを制御できるし、使用言語を変えたり暗号を使ったり、自由な伝達方法を、好みや必要に応じて選ぶことができる。指さし確認を使えば、耳の不自由な人にも利用できるが、このような指さし操作にも、画像利用が有効である。
つぎに、通信機器1が実行する処理の概要について説明する。図6は、通信機器1が実行する処理の概要を説明するフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、携帯機器2も同様に行うことができる。
図6に示すように、通信機器1が撮影モードに設定されている場合(ステップS101:Yes)について説明する。この場合、通信機器1は、撮像を開始し(ステップS102)、表示制御部186は、撮像部11によって撮像されたライブビュー画像を表示部13に表示させる(ステップS103)。
続いて、入力部12を介してレリーズ信号が入力された場合(ステップS104:Yes)、通信機器1は、撮影を実行する(ステップS105)。具体的には、通信機器1は、撮像部11に撮影動作を実行させることにより、画像データを生成させ、この画像データに対して画像処理部181に画像処理を施させて記録部15に記録する処理を実行する。これに対して、入力部12を介してレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS104:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。
その後、通信機器制御部18は、通信機器1の電源がオフ状態または通信機器1が待機状態になることにより、通信機器1の撮影動作または再生動作が終了したか否かを判断する(ステップS106)。通信機器1の撮影動作または再生動作が終了したと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS106:Yes)、通信機器1は、本処理を終了する。これに対して、通信機器1の撮影動作または再生動作が終了していないと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS106:No)、通信機器1は、ステップS101へ戻る。
つぎに、通信機器1が撮影モードに設定されておらず(ステップS101:No)、通信機器1が再生モードに設定されている場合(ステップS107:Yea)について説明する。この場合、表示制御部186は、記録部15が記録する複数の画像データにそれぞれ対応する画像(サムネイル画像)を表示部13に一覧表示させる(ステップS108)。
続いて、一覧表示された画像から拡大して再生する再生画像が選択された場合(ステップS109:Yes)、表示制御部186は、選択された画像を拡大して再生(全画面表示)する(ステップS110)。これに対して、所定時間内に一覧表示された画像から拡大して再生する再生画像が選択されていない場合(ステップS109:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。
ステップS111において、通信機器制御部18は、表示部13が表示する画像データを他の外部機器、たとえば携帯機器2に送信する送信モードに通信機器1が設定されているか否かを判断する。具体的には、通信機器制御部18は、表示部13が再生画像を表示している場合において、タッチパネル14がタッチされたとき、通信機器1が送信モードに設定されたと判断する。送信モードに通信機器1が設定されていると通信機器制御部18が判断した場合(ステップS111:Yes)、通信機器1は、後述するステップS112へ移行する。これに対して、送信モードに通信機器1が設定されていないと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS111:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。
ステップS112において、画像化部182は、画像化情報記録部153が記録する画像化情報を参照して、通信機器1の識別情報を構成する文字を変換した複数の画像パターンにそれぞれ対応するアイコンを生成する。
続いて、表示制御部186は、画像化部182が生成した複数の画像パターンにそれぞれ対応するアイコンを表示部13に表示させる(ステップS113)。
その後、送信制御部185は、外部に向けて通信機器1の識別情報を送受信部16に送信させる(ステップS114)。
続いて、タッチパネル14を介して表示部13が表示する複数のアイコンのいずれかがタッチされた場合(ステップS115:Yes)、設定部183は、アイコンに対応付けられた文字を携帯機器2と無線通信を確立するためのパスワードとして設定する(ステップS116)。その後、通信機器1は、後述するステップS117へ移行する。これに対して、所定の時間(たとえば5秒)以内にタッチパネル14を介して表示部13が表示する複数のアイコンのいずれもタッチされていない場合(ステップS115:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。この際、表示制御部186は、表示部13にパスワードを設定する旨の警告を表示部13に表示させてもよい。
ステップS117において、パスワード判定部184は、送受信部16が外部の機器、たとえば携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致するか否かを判定する。送受信部16が携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致するとパスワード判定部184が判定した場合(ステップS117:Yes)、送信制御部185は、コンテンツデータの携帯機器2への送信を送受信部16に実行させる(ステップS118)。その後、通信機器1は、ステップS106へ移行する。
これに対して、送受信部16が携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致しないとパスワード判定部184が判定した場合(ステップS117:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。この際、表示制御部186は、パスワードが異なる旨の警告を表示部13に表示させてもよい。
つぎに、ステップS107において、再生モードに設定されておらず(ステップS107:No)、受信モードに設定されている場合(ステップS119:Yes)について説明する。この場合、通信機器制御部18は、携帯機器2から携帯機器2の識別情報を受信したか否かを判断する(ステップS120)。携帯機器2から携帯機器2の識別情報を受信したと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS120:Yes)、通信機器1は、後述するステップS121へ移行する。これに対して、携帯機器2から携帯機器2の識別情報を受信していないと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS120:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。
ステップS121において、画像化部182は、画像化情報記録部153が記録する画像化情報を参照して、送受信部16が携帯機器2から受信した携帯機器2の識別情報を変換した複数の画像パターンにそれぞれ対応するアイコンを生成する。
続いて、表示制御部186は、画像化部182が生成した複数の画像パターンにそれぞれ対応するアイコンを表示部13に表示させる(ステップS122)。
その後、通信機器制御部18は、タッチパネル14を介して表示部13が表示する複数のアイコンのいずれかがタッチされた場合(ステップS123:Yes)、設定部183は、アイコンに対応付けられた文字を携帯機器2と無線通信を確立するためのパスワードとして設定する(ステップS124)。その後、通信機器1は、後述するステップS125へ移行する。これに対して、所定の時間内にタッチパネル14を介して表示部13が表示する複数のアイコンのいずれもタッチされていない場合(ステップS123:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。
ステップS125において、送信制御部185は、携帯機器2に対して設定部183が設定したパスワードを送受信部16に送信させる。
続いて、通信機器制御部18は、携帯機器2からコンテンツデータを受信したか否かを判断する(ステップS126)。携帯機器2からコンテンツデータを受信したと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS126:Yes)、表示制御部186は、受信したコンテンツデータに対応する画像を表示部13に表示させる(ステップS127)。この際、通信機器制御部18は、コンテンツデータが音声データの場合、音声入出力部17に出力させる。その後、通信機器1は、ステップS106へ移行する。これに対して、携帯機器2からコンテンツデータを受信していないと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS126:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。この際、表示制御部186は、携帯機器2の識別情報に対応するパスワードが異なる旨の警告を表示部13に表示させてもよい。
ステップS119において、通信機器1が受信モードに設定されていない場合(ステップS119:No)、通信機器1は、ステップS106へ移行する。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、通信機器制御部18が携帯機器2と通信機器1との無線通信を確立するための通信機器1の識別情報を変換した画像パターンを生成し、この画像パターンを表示部13に表示させるとともに、通信機器1の識別情報を携帯機器2に送信するので、簡易な操作で他の外部機器と双方向に無線通信を設定することができるとともに、セキュリティーに優れた無線通信を行うことができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態1によれば、多くの通信規格で利用される機器ID(識別情報)とパスワードによる通信確立に簡単に応用でき、機器のIDを簡単に取得しながら、ユーザ同士のその場の約束で自由自在にコンテンツデータを送信するためのパスワードを設定することができ、セキュリティーを高めることが可能となる。
また、本実施の形態1によれば、タッチパネル14またはタッチパネル27上で通信確立用のアイコン選択の自由度を高めて、バラエティをその場で変更したりして増やし、状況に応じたアイコンを選択でき、極力、無線通信を確立するための動作を単純化してセキュリティーを高めることが可能である。同様に様々な通信規格に準拠させることが出来、数多くの機器が通信候補になっている時に、通信したい機器を選ぶようなプロセスを飛ばすこと、または意識させないようにすることが出来、より簡単な動作での通信確立が可能となる。この通信確立は、その場でのコミュニケーションに従って、様々な自由度で選択できることが出来、セキュリティーを高めることが出来る。この自由度は、タッチパネル14の2次元的な空間に指などを動かした過程によって、数多くのバリエーションとすることが出来る。このコミュニケーションが声での指示であると、ささやき声などで、人間が状況に応じてセキュリティーレベルを制御できるし、使用言語を変えたり暗号を使ったり、自由な伝達方法を、好みや必要に応じて選ぶことができる。
また、本実施の形態1によれば、タッチパネル14上におけるタッチやスライドなどの動作は、限られた面積のパネル上でなされる動作であるから、誰にでも簡単に操作が可能である。また、その場で見ながらアイコンをタッチすればよいので、アイコンや画像のみならず、好きな記号や落書きなどでも、通信する双方(あるいは多数間)で、模倣できるものであればよく、人類共通に親しみやすい操作ともなっていて、難しい通信確立手法の難易度を下げることが出来る。
また、本実施の形態1によれば、通信に自信がない人にも、やってみようかなという感じで使って貰える技術となる。つまり、利用者の前にある心理的なハードルを下げ、さらには使用促進さえ出来るようになっている。
なお、本実施の形態1では、設定部183および設定部303は、アイコンがタッチされた場合、このアイコンに対応付けられた英数字をパスワードとして設定情報記録部151または設定情報記録部281にそれぞれ記録させていたが、その都度、パスワードを記録させなくてもよい。この場合、設定部183または設定部303は、ユーザがタッチパネル14をタッチしている間のみ、パスワードを設定してもよい。これにより、よりセキュリティーを高めることができる。
また、本実施の形態1では、画像化部182が画像化情報記録部153によって記録されている画像化情報を参照して、識別情報の英数字を所定の文字数毎に分割したグループ毎に画像パターンのアイコンを生成していたが、グループ内で構成される英数字の種類や文字に応じてアイコンの内容や種類を変更してもよい。たとえば、図7に示すように、画像化部182は、1列目の文字に応じて動物を設定し、2列目の文字で動物の表情を設定し、3列目の文字で耳や目の形状を設定することにより、アイコンA11を生成するようにしてもよい。
また、本実施の形態1では、表示制御部186は、画像化部182が生成した全てのアイコンを表示部13に表示させていたが、たとえば順次切り替えながらアイコンを表示部13に表示させてもよい。具体的には、図8に示すように、表示制御部186は、アイコンA1→アイコンA2→アイコンA3→アイコンA4→アイコンA1の順に時間とともに切り替えて表示部13に表示させてもよい。これにより、ユーザ間の契約でパスワードを決定することができるので、よりセキュリティーに優れる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2にかかる通信機器および携帯機器は、上述した実施の形態と同様の構成を有し、通信機器と携帯機器との間で無線通信を確立するための通信機器の識別情報、この識別情報に対応するパスワードの設定方法および処理が異なる。このため、以下においては、本実施の形態2にかかる通信機器および携帯機器が行う通信機器の識別情報およびパスワードの設定方法について説明後、本実施の形態2にかかる通信機器および携帯機器が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図9A〜図9Dは、本実施の形態2にかかる通信機器1の識別情報およびパスワードの設定方法を模式的に説明する図である。
図9Aに示すように、ユーザは、タッチパネル14を介して表示部13が表示する16ドット×16ドットのマスに対して、所望のマスを選択して白黒(2ビット)の絵を作成する(図9A→図9B)。この場合、表示制御部186は、タッチパネル14から入力される位置信号に対応するマスM1を黒色で表示部13に表示させる。さらに、画像化部182は、現在の画像パターンを記録部15に記録する。なお、表示制御部186は、タッチパネル14から入力される位置信号に対応するマスが黒色の場合、このマスを白色に反転して表示部13に表示させる。
このように、ユーザは、好きな絵を描けばよいので、ユーザのこだわりや個性を反映でき、取得した方も、どの人と通信をしようとしているかが分かりやすい。また、状況に応じた画像を作成することができるので、セキュリティー上の工夫も出来る。極端な場合、サインのようなものは他の人が真似できないので、セキュリティー性が高くなり、単純な画像なら誰でも書けて、すぐに通信が確立できる。ここでは、説明を単純化して画素ごとに白黒切替える実施例を記載したが、ユーザが大きなサイズの絵(画像)を描いて、この絵に対して画像処理部181または画像化部182がデータ量をリサイズするリサイズ処理を行ってもよい。もちろん、撮影画像を白黒表示にして、この白黒の撮影画像を画像処理部181または画像化部182がリサイズ処理して所定の大きさの、たとえば図9に示すデータ量の大きさにすれば、ユーザがいちいち描画する必要はないので簡便となる。また、状況、または撮影画像に応じて異なるパターンにしてセキュリティー性を高めることが可能である。通信相手に応じて違う画像を利用してもよい。子供相手なら、動物の顔のような親しみ安いものにしてもよく、大人なら、その人の趣味に関連するような画像としても良い。
続いて、通信機器1は、入力部12またはタッチパネル14を介して画像パターンの作図を終了する終了信号が入力された場合、設定部183が現在の画像パターンに基づいて、通信機器1の識別情報を生成する。具体的には、図9Cに示すように、設定部183は、図9Bの2進法で表わされている矢印Aの行を16進法に変換することによって、16桁から4桁(たとえば1088)に変換する。さらに、図9Dに示すように、設定部183は、ユーザがタッチパネル14を介して選択した領域から上方向の8行を16進法に変換することによって各行の16桁を4桁に変換し、各行の文字を合算することにより、識別情報を計32文字に設定する。さらにまた、設定部183は、ユーザがタッチパネル14を介して選択した行を16進法に変換した4桁の文字を携帯機器2と無線通信を確定するための識別情報に対応するパスワードに設定する。たとえば、設定部183は、ユーザがタッチパネル14を介して図9Bの矢印Aの列を選択した場合、通信機器1の識別情報に対応するパスワードとして1088を設定する。
上述した方法によって作成された画像パターンを用いて通信機器1および携帯機器2が実行する通信処理について説明する。図10は、通信機器1および携帯機器2が実行する通信処理の概要を説明する図である。図11は、図10の状況を模式的に説明する図である。なお、図10および図11では、通信機器1が再生モードに設定され、携帯機器2が受信モードに設定されている場合について説明する。
図10に示すように、通信機器1は、所定の無線通信規格に従って、携帯機器2と無線通信を行ってコンテンツデータを送信する場合、携帯機器2に対して通信機器1の識別情報を送信し、この識別情報に対応するパスワードを携帯機器2から受信したとき、携帯機器2と無線通信を確立してコンテンツデータを送信する。たとえば、図10および図11に示すように、通信機器1は、ユーザO1が表示部13によって表示される画像パターンP1の所望の位置を選択することによって、通信機器1の識別情報を携帯機器2に送信する。この際、携帯機器2は、通信機器1の識別情報を受信し、この受信した識別情報を変換した画像パターンP2を表示部26に表示する。その後、ユーザO1がユーザO2に対して、鼻と伝え、ユーザO2がタッチパネル27を介して表示部26が表示する画像パターンP2の指定された一部の鼻の部分を選択した場合、通信機器1は、携帯機器2から送信された鼻の列に対応付けられたパスワード(1008)を受信し、このパスワードと設定部183が設定したパスワード(1008)とが一致するとき、携帯機器2との間で無線通信を確立してコンテンツデータを送信する。
図12は、通信機器1および携帯機器2が無線通信の確立を行う際の状況を説明する図である。
図12に示すように、通信機器1は、表示制御部186が上述した方法によって作成され記録部15に記録された画像パターンP1を表示部13に表示させる(図12(a))。
続いて、設定部183は、タッチパネル14を介して表示部13が表示する画像パターンP1の領域が選択された場合、この領域に対応する行の上方向の8列または下方向の8列に対応する文字を16桁から4桁に変換し、各行の文字を合算して通信機器1の識別情報に設定するとともに、タッチした領域の行に対応する4桁を通信機器1の識別情報に対応するパスワードとして設定する(図12(b))。
その後、通信機器1は、携帯機器2に対して設定部183が設定した識別情報を送信する(図12(c))。この際、携帯機器2は、通信機器1から通信機器1の識別情報を受信し、この識別情報を変換した画像パターンP2を表示部26に表示する。
続いて、携帯機器2は、ユーザO2がタッチパネル27を介して表示部26が表示する画像パターンP2のいずれかの領域を選択した場合、この選択した領域に対応する行を4桁の文字列に変換し、この文字列をパスワードとして通信機器1に送信する(図12(d)→図12(e))。
その後、通信機器1は、パスワード判定部184が携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致するか否かを判定し、送信制御部185はがパスワード判定部184によってパスワードが一致すると判定した場合、携帯機器2と無線通信を確立してコンテンツデータを送信する。
このように、ユーザは、他の携帯機器2と無線通信を確立するための通信機器1の識別情報および識別状態に対応するパスワードを自由に作成することができ、簡易な操作で無線通信を確立することができるとともに、セキュリティーに優れる。
つぎに、通信機器1が実行する処理の概要について説明する。図13は、通信機器1が実行する処理の概要を説明するフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートは、携帯機器2も同様に行うことができる。
ステップS201〜ステップS211は、図6のステップS101〜ステップS111にそれぞれ対応する。
ステップS212において、表示制御部186は、記録部15が記録するユーザによって作成された画像パターンを表示部13に表示させる。
続いて、通信機器制御部18は、タッチパネル14がタッチされたか否かを判断する(ステップS213)。タッチパネル14がタッチされたと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS213:Yes)、通信機器1は、後述するステップS214へ移行する。これに対して、タッチパネル14がタッチされていないと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS213:No)、通信機器1は、ステップS206へ移行する。
ステップS214において、設定部183は、タッチパネル14がタッチされた領域を含む行を中心に所定の8行の画像パターンに基づいて、通信機器1の識別情報およびタッチされた領域の行の画像パターンに基づいてパスワードをそれぞれ設定する。このタッチ位置の指示は、ユーザ間の口頭でのやり取りに従って任意に交渉、同意できるので、その状況に応じたセキュリティーレベルを設定することが出来る。また、相手に応じて、交渉がしやすいような画像を描いたり用意すれば、大人から子供まで選んだり交渉しやすかったりする工夫が出来る。単なる記号の羅列やテキストではなく、相手の個性に応じて判断しやすく分かりやすい表示にすればよい。
続いて、送信制御部185は、所定の領域に位置する他の携帯機器2に対して、設定部183が設定した通信機器1の識別情報を送受信部16に送信させる(ステップS215)。
その後、携帯機器2からパスワードを受信した場合(ステップS216:Yes)、パスワード判定部184は、携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS217)。携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致するとパスワード判定部184が判定した場合(ステップS217:Yes)、通信機器1は、ステップS218へ移行する。
ステップS218において、送信制御部185は、コンテンツデータの携帯機器2への送信を送受信部16に実行させる。その後、通信機器1は、ステップS206へ移行する。
ステップS216において、携帯機器2からパスワードを受信していない場合(ステップS216:No)、ステップS217において、携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致しないとパスワード判定部184が判定した場合(ステップS217:No)、通信機器1は、ステップS206へ移行する。
ステップS219およびステップS220は、図6のステップS119およびステップS120にそれぞれ対応する。
ステップS220において、通信機器制御部18は、携帯機器2から携帯機器2の識別情報を受信したか否かを判断する。携帯機器2から携帯機器2の識別情報を受信したと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS220:Yes)、通信機器1は、後述するステップS221へ移行する。これに対して、携帯機器2から携帯機器2の識別情報を受信していないと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS220:No)、通信機器1は、ステップS206へ移行する。
ステップS221において、画像化部182は、携帯機器2から受信した携帯機器2の識別情報を変換して画像パターンを生成する。
その後、表示制御部186は、画像化部182が生成した画像パターンを表示部13に表示させる(ステップS222)。
続いて、タッチパネル14を介して表示部13が表示する画像パターンの行が選択された場合(ステップS223:Yes)、設定部183は、選択された画像パターンに基づいて、パスワードを設定する(ステップS224)。
その後、送信制御部185は、設定部183が設定したパスワードを携帯機器2へ送信する(ステップS225)。
続いて、通信機器制御部18は、携帯機器2からコンテンツデータを受信したか否かを判断する(ステップS226)。携帯機器2からコンテンツデータを受信したと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS226:Yes)、表示制御部186は、受信したコンテンツデータに対応する画像を表示部13に表示させる(ステップS227)。その後、通信機器1は、ステップS206へ移行する。
ステップS223において、タッチパネル14を介して表示部13が表示する画像パターンの行が選択されていない場合(ステップS223:No)、ステップS226において、携帯機器2からコンテンツデータを受信していないと通信機器制御部18が判断した場合(ステップS226:No)、通信機器1は、ステップS206へ移行する。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、他の携帯機器2と無線通信を確立するための通信機器1の識別情報および識別状態に対応するパスワードを自由に作成することができ、簡易な操作で無線通信を確立することができるとともに、セキュリティーに優れる。
(実施の形態2の変形例)
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる変形例について説明する。本実施の形態2の変形例2では、ユーザが作成した画像パターンをリサイズまたは削減し、このリサイズまたは削減した画像パターンをアスキーコードに変換することによって識別情報およびパスワードを文字で作成する。なお、実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明する。以下においては、説明を単純化して画素を削減する実施例を記載するが、画像処理部または画像化部のリサイズ処理を伴ってもよい。もちろん、撮影画像を白黒表示にして、リサイズ処理してこの大きさにすれば、ユーザがいちいち描画する必要はないので簡便となる。また、状況、または撮影画像に応じて異なるパターンにしてセキュリティー性を高めることが可能である。
図14A〜図14Cは、本実施の形態2の変形例にかかる通信機器1の識別情報およびパスワードの設定方法を模式的に説明する図である。
図14Aに示すように、ユーザは、タッチパネル14を介して表示部13が表示する16×16ドットのマスに対して、所定のマスを選択し白黒(2ビット)の画像パターンを作成する(図14A)。この場合、設定部183は、中央から両サイドの6列(たとえばL1〜L6,L6〜L12)をそれぞれグループ化し、このグループ化した各行の2進法で表わされる数値をアスキーコードに変換する。具体的には、図14Bに示すように、設定部183は、図14Aの2進法で表わされている矢印Bの行のグループG1を、図14Cのアスキーコード変換テーブルT1を参照してアスキーコードに変換する。たとえば、設定部183は、矢印Bの行のグループG1を「_」に変換し、グループG2を「0」に変換する。設定部183は、図14A示す画像パターンの各行(16行)を2つのアスキーコードに変換し、32文字のアスキーコードの文字に変換して通信機器1の識別情報として設定する。
このように、ユーザが作成した画像パターンのデータ数を削減して6列(6コマ)の2つのグループG1およびグループG2に分け、グループG1およびグループG2の各行(16行×2)をアスキーコードに変換して32文字にし、この32文字を通信機器1の識別情報に設定する。これにより、他の携帯機器2と無線通信を確立するための通信機器1の識別情報および識別状態に対応するパスワードを自由に作成することができ、簡易な操作で無線通信を確立することができるとともに、セキュリティーに優れる。また、アスキーコードのような標準化された決まりを有効利用して、この通信確立方法普及を進めることが可能となる。
つぎに、通信機器1が実行する処理の概要について説明する。図15は、通信機器1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートは、携帯機器2も同様に行うことができる。
ステップS301〜ステップS311は、図6のステップS101〜ステップS111にそれぞれ対応する。
ステップS312において、表示制御部186は、記録部15が記録するユーザによって作成された画像パターンP3を表示部13に表示させる。
続いて、タッチパネル14がタッチされた場合(ステップS313:Yes)、設定部183は、タッチパネル14がタッチされた領域を含む行を中心に両サイドの6列の画像パターンに基づいて、通信機器1の識別情報を設定する(ステップS314)。
その後、タッチパネル14がタッチされた場合(ステップS315:Yes)、設定部183は、タッチパネル14がタッチされた領域を含む行の画像パターンに基づいて、通信機器1のパスワードを設定する(ステップS316)。
続いて、送信制御部185は、所定の領域に位置する他の携帯機器2に対して、設定部183が設定した識別情報を送受信部16に送信させる(ステップS317)。
その後、携帯機器2からパスワードを受信した場合(ステップS318:Yes)において、パスワード判定部184が携帯機器2から受信したパスワードと設定部183が設定したパスワードとが一致すると判定したとき(ステップS319:Yes)、送信制御部185は、コンテンツデータの携帯機器2への送信を送受信部16に実行させる(ステップS320)。ステップS320の後、通信機器1は、ステップS306へ移行する。
ステップS313においてタッチパネル14がタッチされていない場合(ステップS313:No)、ステップS315においてタッチパネル14がタッチされていない場合(ステップS315:No)、ステップS318において携帯機器2からパスワードを受信していない場合(ステップS318:No)、ステップS319においてパスワードが一致していない場合(ステップS319:No)、通信機器1は、ステップS306へ移行する。
ステップS321およびステップS322は、図6のステップS119およびステップS120にそれぞれ対応する。
ステップS323において、画像化部182は、携帯機器2から受信した携帯機器2の識別情報を変換して画像パターンを生成する。
続いて、表示制御部186は、画像化部182が生成した画像パターンを表示部13に表示させる(ステップS324)。
その後、タッチパネル14を介して表示部13が表示する画像パターンの行が選択された場合(ステップS325:Yes)、設定部183は、選択された画像パターンの行に基づいて、パスワードを設定する(ステップS326)。
続いて、送信制御部185は、設定部183が設定したパスワードを携帯機器2に送信する(ステップS327)。
その後、携帯機器2からコンテンツデータを受信した場合(ステップS328:Yes)、表示制御部186は、コンテンツデータに対応する画像を表示部13に表示させる(ステップS329)。ステップS329の後、通信機器1は、ステップS306へ移行する。
ステップS325においてタッチパネル14を介して表示部13が表示する画像パターンの行が選択されていない場合(ステップS325:No)、ステップS328において携帯機器2からコンテンツデータを受信していない場合(ステップS328:No)、通信機器1は、ステップS306へ移行する。
以上説明した本発明の実施の形態2の変形例によれば、他の携帯機器2と無線通信を確立するための通信機器1の識別情報および識別状態に対応するパスワードを自由に作成することができ、簡易な操作で無線通信を確立することができるとともに、セキュリティーに優れる。
(その他の実施の形態)
また、本発明においては、全体を通じて、人と人が口頭で具体的に指示しやすい画像を使って、リアルなコミュニケーションに適した通信確立が可能となる。多くの機器では、意味のない記号の羅列やテキストの連続や、1や0の符号等を用いて通信の確立がなされるが、そのような抽象的なものではなく、より具体的に指示、指定可能な顔画像や動物画像、果物、トランプ記号のように誰にでも伝わりやすい画像(アイコン)、あるいは描画結果などを利用して、親しみ安く、単純かつセキュリティーに優れた通信確立が可能となる。ここで、実際に通信時に口頭で指示する言葉は、「トラ」とか「耳」とか単純明快な、かつそのままID化やパスワード化が不可能なテキスト以外の言葉であって、かつ、その言葉が画面上にそのまま表示されているわけではなく、トラを表わす画像、耳を表わす画像が表示されているので、人間同士のコミュニケーションしだいでセキュリティーレベルを調整することが可能である。例えば、書かれているものや入力するものを読上げるような手間暇をかけず、そのままID化やパスワード化が不可能な画像が使われているので、セキュリティー上のリスクをおかさずに済む。さらに、実際に撮影した写真から単純化した画像を応用して利用してもよく、それをデフォルメした画像を利用しても良い。また、複数の記号やテキストを一つの画像に集約したりできるので、一つの画像の選択で、多くの情報を含ませて、情報量を増やし、セキュリティー性を高めることも可能である。複数の画像や複数の部分からなる画像を利用しているので、そのうちの一つや一部分を選択するような設定によっても、セキュリティー性を高めることが可能となる。文字列や符号の連なりではなく、キャラクター画像、アイコン画像、マンガ画像、カートン、デッサン、ポンチ絵など、親しみやすく、口頭で具体的に指定しやすい画像を有効利用して、通信時の難易度を低くして、心理的障壁を下げることが可能である。識別情報やパスワードを構成する文字などを特定の決まりで変換した画像パターンであれば、もちろん、パスワードやIDを構成する文字列を、複数集めて、改めて文字やテキストを表わす画像に変換したものでもよい。すなわち、実際に通信規格上で使用されるIDやパスワードそのものではなく、それを変換したり、複数集めて代表する画像、アイコンおよび動作のいずれかに置き換えたものであればよい。
また、本発明においては、送受信部を介してコンテンツデータおよび設定情報を双方向に送受信していたが、通信機器および携帯機器それぞれにインターネットと接続可能な通信部を設け、ネットワークを介してコンテンツデータおよび設定情報を双方向に送受信を行ってもよい。さらに、ネットワーク上のサーバを介してコンテンツデータおよび設定情報を双方向に送受信を行ってもよい。
また、本発明においては、撮像部が1つの筐体に設けられたデジタルカメラを例に説明したが、レンズ部が着脱自在なレンズ装置と本体部とで構成されたデジタル一眼レフカメラであっても適用することができる。
また、本発明にかかる通信機器は、デジタルカメラ以外にも、例えばアクセサリ等を装着可能なデジタルカメラ、デジタルビデオカメラおよび撮影機能を有する携帯電話やタブレット型携帯機器等の電子機器にも適用することができる。
本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、特許請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。