JP2013186085A - 原子力発電所及びその工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子力発電所10は、核燃料の核分裂による発熱を利用して蒸気を発生させる原子炉11を内部収容する原子炉建屋12と、この蒸気を導入して回転運動するタービン13及びこのタービン13から排出された蒸気を伝熱管17で冷却し凝縮する復水器14を内部収容するタービン建屋15と、ポンプPにより海洋21から伝熱管17まで海水を循環させる循環水系統18と、を備え、原子炉建屋12及びタービン建屋15が整地レベルGLに設置され、これらの内部収容物(原子炉11,タービン13等)の相対位置関係並びにこれらの取り合い箇所(主蒸気配管16等)の設計が標準化され、海洋21の海面レベルWLに対応して復水器14の設置レベル20が設定されている。
【選択図】 図1
Description
また、原子力発電所は、海岸線に設置されて、海水によりタービン排気を冷却して凝縮させた復水を、核燃料の核分裂による発熱により再び蒸気にするというサイクルを繰り返している。この冷媒としての海水は、サイフォン効果を利用して、海洋と復水器の間を効率的に循環している。
また、原子力発電所が海面レベルから高い位置に設置された場合は、サイフォン効果が発揮される高さまで、海水をポンプアップする必要性が生じる。この場合、通常運転に移行した後も、ポンプにより海水へ位置エネルギーを定常的に付与する必要があり、ランニングコストが増大する課題があった。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(A)に示すように、第1実施形態に係る原子力発電所10は、核燃料の核分裂による発熱を利用して蒸気を発生させる原子炉11を内部収容する原子炉建屋12と、この蒸気を導入して回転運動するタービン13及びこのタービン13から排出された蒸気を伝熱管17で冷却し凝縮する復水器14を内部収容するタービン建屋15と、ポンプPにより海洋21から伝熱管17まで海水を循環させる循環水系統18と、を備え、原子炉建屋12及びタービン建屋15が整地レベルGLに設置され、これらの内部収容物(原子炉11,タービン13等)の相対位置関係並びにこれらの取り合い箇所(主蒸気配管16等)の設計が標準化され、海洋21の海面レベルWLに対応して復水器14の設置レベル20が設定されている。
このように、各実施形態に係る原子力発電所10では、海面レベルWLから整地レベルGLまでの高さに関係なく、その建造物の多くを標準化することができる。
各実施形態において適用される原子炉11は、加圧水型原子炉(PWR)を例示しているが、特に限定はなく、沸騰水型原子炉(BWR)、高速増殖炉、その他の各種原子炉に適用することができる。
なお復水器本体部14aの形状、及び復水器伝熱管17は冷却水温度等を考慮し、プラント毎に設計変更が必要であるが、設置レベル20からの高さは整地レベルGLの高低に係らずにほぼ一定であるので、後記するサイフォン効果を得るために、復水器の設置レベル20及び海面レベルWLの高低差Lを固定させることができる。
このように、タービン13及び復水器14の接続は、ネック部14bの設計を変更することにより整合性をとることができる。
ここで、海面レベルWLに対する伝熱管17の位置は、サイフォン効果が得られる高さHに設定されている。
一方、海面レベルWLに対する伝熱管17の位置がサイフォン効果の得られる高さHに設定されている場合、ポンプPへの供給エネルギーは、循環水系統18に流動させる海水の運動エネルギーと抵抗損失で消費されるエネルギーとを併せた量ですむために、経済的である。
従って、図1(B)に示すように、整地レベルGLが海面レベルWLよりもかなり上位に位置している場合は、整地レベルGLに対して深い位置に復水器の設置レベル20を設定することになる。
これより、地下埋設となる構造物にかかる土木工事費用、建設費用及びその他の諸費用が限定的となる経済効果が得られる。
この復水器エリアは、復水器の本体部14a,復水ポンプ(図示略)及び循環水配管に関連する機器(図示略)のみが配置される極小エリアであり、復水器の設置レベル20に応じて設計変更が求められる部分である。
一方、タービン建屋の一般エリア及びその内部収容物(タービン13、給水ポンプ、機器搬入・メンテナンスのためのクレーン等)は、これらの相対位置関係が復水器の設置レベル20に依存しないため、設計を標準化することができる。
これにより、原子力発電所10の設計が法令等で定められている各種設計指針を満たしているか否かの検証を、新規建設の度に実施する必要がなくなる。これにより、原子力発電所10の設計コストが軽減される経済効果が得られる。
図2に基づいて、第2実施形態に係る原子力発電所を説明する。
第2実施形態の原子力発電所10では、復水器14から伝熱管17を水平方向に取り出すためのスペース22が、整地レベルGLよりも下位に設定されている。
なお、図2において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
この場合、伝熱管17のメンテナンス性の向上と土木工事物量の低減とにより経済性を向上させることができる。
図3に基づいて、第3実施形態に係る原子力発電所を説明する。
第3実施形態の原子力発電所10では、復水器14は、ネック部14bにおいて伝熱管17を取り出すための窓23が設けられている。
なお、図3において図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
この場合、メンテナンス時に伝熱管17は、垂直方向に引き上げられて、窓23から復水器14の外部に取り出される。
Claims (7)
- 核燃料の核分裂による発熱を利用して蒸気を発生させる原子炉を内部収容する原子炉建屋と、
前記蒸気を導入して回転運動するタービン及びこのタービンから排出された蒸気を伝熱管で冷却し凝縮する復水器を内部収容するタービン建屋と、
ポンプにより海洋から前記伝熱管まで海水を循環させる循環水系統と、を備え、
前記原子炉建屋及び前記タービン建屋が整地レベルに設置され、これらの内部収容物の相対位置関係並びにこれらの取り合い箇所の設計が標準化され、前記海洋の海面レベルに対応して前記復水器の設置レベルが設定されることを特徴とする原子力発電所。 - 請求項1に記載の原子力発電所において、
前記海面レベルに対する前記伝熱管の位置は、サイフォン効果が得られる高さに設定されていることを特徴とする原子力発電所。 - 請求項1又は請求項2に記載の原子力発電所において、
前記復水器は、前記伝熱管を保持する本体部と、前記タービンから排出された蒸気を前記伝熱管に導くネック部と、を有し、
前記ネック部の設計変更により前記タービン及び前記復水器の接続の整合性をとることを特徴とする原子力発電所。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の原子力発電所において、
前記復水器から前記伝熱管を水平方向に取り出すためのスペースが前記整地レベルよりも下位に設定されていることを特徴とする原子力発電所。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の原子力発電所において、
前記復水器から前記伝熱管を水平方向に引き出すためのスペースが前記整地レベルに設定されていることを特徴とする原子力発電所。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の原子力発電所において、
前記復水器は、前記タービンから排出された蒸気を前記伝熱管に導くネック部において前記伝熱管を取り出すための窓が設けられていることを特徴とする原子力発電所。 - 核燃料の核分裂による発熱を利用して蒸気を発生させる原子炉を内部収容する原子炉建屋と、
前記蒸気を導入して回転運動するタービン及びこのタービンから排出された蒸気を伝熱管で冷却し凝縮する復水器を内部収容するタービン建屋と、
ポンプにより海洋から前記伝熱管まで海水を循環させる循環水系統と、を備える原子力発電所において、
前記原子炉建屋及び前記タービン建屋が整地レベルに設置され、これらの内部収容物の相対位置関係並びにこれらの取り合い箇所の設計が標準化され、前記海洋の海面レベルに対応して前記復水器の設置レベルが設定されることを特徴とする原子力発電所の工法。
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JP2012053653A JP2013186085A (ja) | 2012-03-09 | 2012-03-09 | 原子力発電所及びその工法 |
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JP2012053653A Pending JP2013186085A (ja) | 2012-03-09 | 2012-03-09 | 原子力発電所及びその工法 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10160882A (ja) * | 1996-11-29 | 1998-06-19 | Toshiba Corp | 原子力発電所の冷却ポンプ建屋 |
JP2011190919A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-09-29 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 免震化した建屋の配管設備 |
-
2012
- 2012-03-09 JP JP2012053653A patent/JP2013186085A/ja active Pending
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