JP2015529820A - 原子力発電プラントの補機冷却水システム - Google Patents

原子力発電プラントの補機冷却水システム Download PDF

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Abstract

原子力発電プラントの補機冷却水システム。一実施形態において、システムは、原子炉を収容する内側の格納容器と、外側の格納容器外囲構造とを含む。環状貯水槽は、格納容器と格納容器外囲構造との間に形成され、熱エネルギーを放散するためのヒートシンクを提供する。環状貯水槽内に保持された水の中に浸漬される露出した伝熱管群を有するシェルのない熱交換器が設けられる。プラントからの補機冷却水は、管群を通って流れ、環状貯水槽に熱を伝達することにより冷却される。一実施形態において、管群はU字形であってもよい。【選択図】図1

Description

本出願は、2012年8月21日に出願された米国仮特許出願第61/691533号明細書の利益を主張するものであり、また、2012年5月21日に出願された米国仮特許出願第61/649593号明細書の利益を主張する、2013年5月21日に出願された国際出願PCT/US13/42070号明細書の一部継続出願であり、これらの全体が引用により全て本明細書に組み込まれる。
本発明は、原子炉に関し、より詳細には、静的熱エネルギー放出制御を伴う原子炉格納システムに関する。
原子炉の格納容器は、加圧蒸気を生成するために核分裂が利用されるプラントの原子力蒸気供給システム(NSSS)の環境隔離をもたらす囲いとして定義される。商業用原子炉は、施設に対して想定できる最も深刻な事故により生じる温度及び圧力に耐えることができる圧力保持構造で囲まれる必要がある。原子炉及びその格納容器に対して想定できる最も深刻なエネルギー放出事故には2つの種類がある。
第1に、冷却材喪失事故(LOCA)に続いて起こり、かつ格納空間内での原子炉冷却材の突然の放出に起因したプラントの原子力蒸気供給システム(NSSS)からの熱エネルギーの急速な大量放出を伴う事象。突然減圧された原子炉冷却材は、勢いよく流れ、格納空間内の圧力及び温度の急上昇をもたらす。格納容器内空間は、空気と蒸気とが混合された状態となる。LOCAについては、原子炉冷却材を運ぶパイプに突然破損が生じると仮定して正確に想定することができる。
格納容器の健全性に対する別の第2の熱事象の潜在的なリスクは、プラントの原子力蒸気供給システム(NSSS)からの排熱経路全てが失われ、原子炉を強制的に「スクラム」させるシナリオである。全交流電源喪失がそのような事象である。制御の利かない圧力上昇から原子炉を保護するために、原子炉内で発生する崩壊熱を除去しなければならない。
最近では、格納構造はまた、衝突する航空機による衝撃に耐えられることが規制当局により求められている。格納構造は通常、LOCAによる内部圧力に耐える巨大な鉄筋コンクリート製のドームとして建設される。ドームの厚いコンクリート壁は航空機の衝撃に耐えられる可能性があるが、良好な熱絶縁体でもあり、外部環境に不要な熱を排除するために(圧力上昇を最小限に抑える又は崩壊熱を除去するために)ポンプ式排熱システム(熱交換器及びポンプを用いる)を必要とする。しかしながら、このような排熱システムは、ポンプに電力を供給する強固な電源(例えば、外部又は構内のディーゼル発電機)に依存する。津波の直後に起こった福島での全交流電源喪失は、ポンプに依存することの愚かさを厳しい現実として思い起こさせる。
モノリシック鉄筋コンクリート造の現在の格納構造では、格納構造で囲われたNSSSにおける蒸気発生器などの主要な必須品を取り出しかつ設置することが極めて難しく費用がかかる。主要機器の交換を行うために、厚いコンクリート製ドームのハッチ開放を多大な費用でかつ原子炉のダウンタイムで行わなければならない。残念ながら、過去25年の間、数多くの原子炉では、あまりにも多くの蒸気発生器を原子力発電産業にとって数十億ドルのコストで格納ドームを切り開くことにより交換しなければならなかった。
原子力プラントにおいて、補機冷却水(CCW)システムは、プラント内の様々な機器を冷却する役割を果たす純水の閉ループである。その中でも、重要な補助的役割は、原子炉を停止した後に、炉水から崩壊熱を取り出すことであり、これは通常、「崩壊熱冷却器」又は「残留熱除去熱交換器」として様々に知られる管式熱交換器の内部で行われる。電気的及び機械的装置を冷却するために使用される崩壊熱冷却器及び他の熱交換器内で補機冷却水に伝達される熱は、炉水と関連し得る放射能汚染から補機冷却水を隔絶又は隔離する管の壁を越えて発生する。したがって、補機冷却システムは基本的に、冷却を必要とするプラント内の全ての機器から廃熱を除去する手段を提供する役割を果たすとともに、環境への放射線の放出に対する障壁としての役割を果たす。
しかしながら、プラント機器からの補機冷却水により集熱された熱が補機冷却水の温度を上昇させる。加熱された補機冷却水は通常、湖、川又は海などの天然水域を利用して多管円筒式熱交換器内の環境に熱を排除することにより貫流システムにおいて冷却される。補機冷却水システムは、自然水域から定温の原水を引き込み、この水は、補機冷却水熱交換器を通して圧送され、その後、ここで加熱された水を自然水域へ戻す。しかしながら、このようなCCWシステムは、冷却原水により運び込まれる破片の侵入、原水による熱交換器に対する生物汚損、熱交換器内に原水を運ぶパイプの腐食などのいくつかの運転上の問題を抱えている。運転中の原子力プラントでは、頻繁なメンテナンスを必要としかつ熱性能を低下させる、CCW熱交換器のヘッダ内での堆積物や他の汚染物質の大量の蓄積がしばしば報告される。
現行技術における上記の弱みにより、原子炉格納システムと補機冷却水システムの改善が必要となる。
一態様による本発明は、前述のシステムの欠陥を克服する補機冷却水システムを提供する。
一実施形態において、原子力発電プラントの補機冷却水システムは、原子炉を収納するように構成された格納空間を画定する格納容器と、格納容器を取り囲む格納容器外囲構造と、格納容器と格納容器外囲構造との間に形成された環状貯水槽であって、熱エネルギーを放散するためのヒートシンクを提供するように構成された環状貯水槽と、環状貯水槽内に保持された水の中に浸漬される露出した伝熱管群を有するシェルのない熱交換器とを含む。プラントからの補機冷却水は、管群を通って流れ、環状貯水槽に熱を伝達することにより冷却される。管群は複数の伝熱管で構成される。一実施形態において、管群はU字形である。
別の実施形態において、原子力発電プラントの補機冷却水システムは、原子炉を収納するように構成された格納空間を画定する格納容器と、格納容器を取り囲む格納容器外囲構造と、格納容器と格納容器外囲構造との間に形成された環状貯水槽であって、熱エネルギーを放散するためのヒートシンクを提供するように構成された環状貯水槽と、環状貯水槽内に保持された水の中に浸漬される複数の管で構成された露出した伝熱管群を有するシェルのない熱交換器と、環状貯水槽内の露出した管群よりも下方に位置決めされた吐出スパージャとを含む。スパージャは、環状貯水槽から再循環させた水を、管を冷却するために管群を通るよう吐出するように構成及び配設される。プラントからの補機冷却水は、管群の管を通って流れ、環状貯水槽に熱を伝達することにより冷却される。
別の実施形態によれば、原子力発電プラントの補機冷却水システムは、原子炉を収納する格納空間を画定する格納容器と、格納容器を取り囲む格納容器外囲構造と、格納容器と格納容器外囲構造との間に形成された環状貯水槽であって、熱エネルギーを放散するためのヒートシンクを提供するように構成された環状貯水槽と、環状貯水槽内に保持された水の中に浸漬される複数の管で構成された露出した伝熱管群を有するシェルのない熱交換器と、格納容器から格納容器外囲構造に向かって外方に突出しかつ環状貯水槽内に位置する複数の略径方向フィンとを含む。この実施形態において、熱交換器は、離間して隣接する一対のフィン間において環状貯留槽内に形成された周方向に延びるベイ内に位置する。プラントからの補機冷却水は、管群の管を通って流れ、環状貯水槽に熱を伝達することにより冷却される。
別の態様によれば、本発明は、前述の格納システム配置の欠陥を克服する原子炉格納システムを提供する。格納システムは、一般に、鋼又は別の延性材料で形成してもよい内側の格納容器と、外側の格納容器外囲構造(CES)とを含み、それにより、二重壁格納システムを形成する。一実施形態において、水で満たされたアニュラス部は、格納容器と格納容器外囲構造との間に設けられ、環状冷却貯留槽を提供してもよい。格納容器は、「フィン」式に容器から(略)径方向外方に延びる複数の縦方向の伝熱フィンを含んでもよい。したがって、格納容器は、原子炉に対する一次構造の格納容器としての役割を果たすだけでなく、ヒートシンクとして作用する環状貯水槽を伴う熱交換器として機能するように構成されかつ動作可能である。よって、本明細書で更に説明するように、格納容器は、有利には、熱を放散して原子炉を冷却するために、LOCA又は原子炉スクラムなどの熱エネルギー放出事故の際に必要に応じて、静的(すなわち、非ポンプ式)排熱システムを提供する。
本発明は更に、前述の冷却水システム配置の欠陥を克服する補機冷却水システムを提供する。本明細書で更に説明するように、補機冷却水システムは、水で満たされたアニュラス部(すなわち、環状貯水槽)内に配設して組み込んでもよい熱交換器を含む。それゆえ、アニュラス内の水は、自然水域を利用するよりむしろ、蒸発により冷却システムから熱を排除する動的伝熱媒体としての役割を果たしてもよい。
本開示による一実施形態において、原子炉格納システムは、原子炉を収納するように構成された格納容器と、格納容器を取り囲む格納容器外囲構造(CES)と、格納空間から熱エネルギーを取り出すために格納容器と格納容器外囲構造(CES)との間に形成された環状貯留槽とを含む。格納容器の内部での熱エネルギー放出事態の際に、格納容器により発生した熱は、格納容器を冷却するように動作する環状貯留槽に伝達される。一実施形態において、環状貯留槽は、格納容器を冷却するための水を収容する。格納容器の一部は、水で満たされた環状貯留槽への放熱を向上させるために、環状貯留槽内に配置されかつ格納容器と格納容器外囲構造(CES)との間に延びる略径方向の伝熱フィンを含んでもよい。格納容器内部で熱エネルギー放出事態が発生した場合には、アニュラス部内の水の一部が蒸発し、水蒸気として格納容器外囲構造(CES)の環状貯留槽を通って大気に排出される。
システムの実施形態は更に、環状貯留槽内において格納容器の周りに周方向に間隔を置いて配置された複数の鉛直方向の入口空気導管を含む補助空冷システムを含んでもよい。空気導管は、環状貯留槽と流体連通しかつ格納容器外囲構造(CES)外部の周囲空気と流体連通する。格納容器内部で熱エネルギー放出事態が発生し、アニュラス部内の水が蒸発によりほぼ枯渇した場合には、貯留槽空間から外部環境への換気経路を提供することにより、空冷システムが動作可能となる。したがって、換気システムは、永久的に格納容器を冷却し続けることができる二次システムと見なすことができる。
別の実施形態によれば、原子炉格納容器は、原子炉を収納するように構成された格納容器と、格納容器を取り囲む格納容器外囲構造(CES)と、格納容器を冷却するために格納容器と格納容器外囲構造(CES)との間に形成された水で満たされたアニュラス部と、格納容器から外方に突出しかつアニュラス部内に位置する複数の略径方向フィンとを含む。格納容器の内部での熱エネルギー放出事態の際に、格納容器により発生した熱は、格納容器の外面及び格納容器の略径方向フィンとの直接接触を通じて、アニュラス部内の水で満たされた貯留槽に伝達され、これにより格納容器を冷却する。一実施形態では、格納容器内部で熱エネルギー放出事態が発生し、アニュラス部内の水が蒸発によりほぼ枯渇した場合には、空冷システムが、空気導管を通して外部の周囲空気をアニュラス部内に引き込み、格納容器内で発生する熱(時間と共に急激に減少する)を自然対流により冷却するように動作可能である。格納容器を完全に取り囲む環状領域内に水が存在することにより、熱エネルギー放出事態又は事故の際に格納容器の反りを防止する格納容器内の均一な温度分布が維持される。
別の実施形態において、原子炉格納システムは、原子炉を収納するように構成された円筒シェルを含む格納容器と、格納容器を取り囲む格納容器外囲構造(CES)と、格納容器を冷却するために格納容器のシェルと格納容器外囲構造(CES)との間に形成された環状貯留槽と、格納容器から外方にアニュラス部内へ突出する複数の外部(略)径方向フィンと、環状貯留槽内において格納容器の周りに周方向に間隔を置いて配置された複数の鉛直方向の入口空気導管を含む補助空冷システムとを含む。空気導管は、環状貯留槽と流体連通しかつ格納容器外囲構造(CES)外部の周囲空気と流体連通する。格納容器の内部での熱エネルギー放出事態の際に、格納容器により発生した熱は、格納容器を冷却するように動作する格納容器の内部及び外部フィンに沿って、(略)径方向の格納容器壁を介して環状貯留槽に伝達される。
本開示による原子炉格納システムの利点及び態様は、以下のもの、
上で説明したような深刻なエネルギー放出事象を静的に(例えば、ポンプ、弁、熱交換器及びモータなどの動的な構成要素に依存せずに)阻止できるように構成された格納構造及びシステムと、
無期限(例えば、人による介入に関する時間制限がない)にわたり自律的に動作し続ける格納構造及びシステムと、
主要な機能(すなわち、圧力及び放射性核種(あれば)の保持並びに排熱)を失うことなく、衝突する航空機などの投射物の衝撃に耐えるように構成された内部及び外部リブ(フィン)で補強された格納構造と、
格納構造に対して主要機器を容易に取り出す(又は設置する)ことを可能にする設備を備えた格納容器とを含む。
本発明の例示的な実施形態の特徴について、同様の要素には同様に符号が付される以下の図面を参照しながら説明する。
図1は、鉛直支持体及び周方向リブを明らかにするために、一部のフィンの下部分が部分的に切り取られた、原子炉格納システムの一部をなす本開示による原子炉フィン付き一次格納容器の側面立面図である。
図2は、線II−IIに沿って切った図1の横断面図である。
図3は、図2の細部IIIの詳細図である。
図4は、図1の格納容器及び外側の格納容器外囲構造(CES)を容器と外囲との間に形成された水で満たされた環状貯留槽と共に示す原子炉格納システムの縦断面図である。
図5は、格納容器及び格納容器外囲構造(CES)を通る縦断面図である。
図6は、外側の格納容器外囲構造(CES)が地表面よりも上方に視認できるように設置された原子炉格納システムの側面立面図である。
図7は、図6の上部平面図である。
図8は、原子炉格納システムの地表面よりも上方の部分と地表面よりも下方の部分の両方を示す図7のVIII−VIIIに沿って切った縦断面図である。
図9は、格納容器内に収納された機器及び格納容器の更なる詳細を明らかにする種々の断面切断部を示す原子炉一次格納容器の側面立面図である。
図10は、図9の上部平面図である。
図11は、図10の線XI−XIに沿って切った図9の縦断面図である。
図12は、図10の線XII−XIIに沿って切った図9の縦断面図である。
図13は、図9の線XIII−XIIIに沿って切った図9の横断面図である。
図14は、図9の線XIV−XIVに沿って切った図9の横断面図である。
図15は、図9の線XV−XVに沿って切った図9の横断面図である。
図16は、補助放熱システムを示す原子炉格納システムの部分的な縦断面図である。
図17は、鉛直支持柱及び周方向リブを明らかにするために、格納容器の(略)径方向フィンの下部分が部分的に切り取られた、格納容器の等角図である。
図18は、格納容器のシェルに取り付けられた上部及び下部リングヘッダ並びにダクトを示す図16の放熱システムの一部の縦断面図である。
図19は、原子炉格納システムの一般化された断面と熱エネルギー放出事象の際に熱を放散し格納容器を冷却する水で満たされた貯留槽の働きとを示す概略図である。
図20は、本開示の別の態様による補機冷却水システムの一部の概略側断面図である。
図21は、図20から切り取られた拡大詳細図である。
図22は、図20の補機冷却水システムの第1の高さからの上部平面図である。
図23は、図20の補機冷却水システムの第2の高さからの第2の上部平面図であり、並びに環状貯水槽再循環及び補給水システムを概略的に示す図である。
図24は、図20の熱交換器の側断面立面図である。
図25は、原子炉格納容器及び補機冷却水システムの全体上部断面図である。
全ての図面は概略的なものであり、必ずしも原寸に比例したものではない。
本発明の特徴及び利益について例示的な実施形態を参照しながら例示及び説明する。例示的な実施形態のこの説明は、添付の図面と併せて読み取られるように意図されており、それら添付の図面は、明細書全体の一部と見なされるべきである。本明細書に開示する実施形態の説明において、方向又は向きに対するいかなる言及も、単に説明の便宜のためのものであり、本発明の範囲(scope)を限定することを決して意図するものではない。相対語(例えば、「下部の(lower)」、「上部の(upper)」、「水平の(horizontal)」、「鉛直の(vertical)」、「上方に(above)」「下方に(below)」、「上へ(up)」、「下へ(down)」、「上部(top)」「底部(bottom)」並びにそれらの派生語(例えば「水平に(horizontally)」、「下方に(downwardly)」、「上方に(upwardly)」)などの相対語は、述べている図面で説明される又は示される公称の向きを指すものと解釈されるべきである。これらの相対語は、単に説明の便宜のためものであり、装置が用語で示す正確な特定の向きで構築されるか又は操作されることを必要としていない。「取り付けられる(attached)」、「結合される(affixed)」、「接続される(connected)」、「連結される(coupled)」、「相互接続される(interconnected)」及び類似のものなどの用語は、明らかに別途説明されていない限り、構造が直接、又は介在する構造を介して間接的に互いに固定されるか又は取り付けられる関係、並びに可動又は固定両方の取り付け又は関係を指す。よって、本開示は明らかに、単独で又は他の特徴の組み合わせで存在し得る一部の想定し得る非限定的な特徴の組み合わせを示すかかる例示的な実施形態に限定されるべきではない。
図1〜図15を参照すると、本開示による原子炉格納システム100が示されている。システム100は、一般的に、格納容器200などの内側の格納構造と、全体として格納容器/外囲組立体200−300を画定する外側の格納容器外囲構造(CES)とを含む。格納容器200及び格納容器外囲構造(CES)300は、鉛直方向に細長くかつ鉛直方向に向けて配置され、並びに鉛直軸線VAを画定する。
一実施形態において、格納容器/外囲組立体200−300は、地表面よりも下方の路盤に少なくとも部分的に埋められるように構成される(図6〜図8も参照)。格納容器/外囲組立体200−300は、底部スラブ302と、スラブから立ち上がり上部基礎版304を形成する鉛直方向に延びる側壁303とで構成されたコンクリート基礎301により支持されてもよい。側壁303は、図示のように、格納容器200を周方向に囲んでもよく、ここでは、格納容器の下部分を側壁の内側に位置決めしてもよい。一部の実施形態では、(最初に注型して硬化させてもよい)底部スラブ302上に格納容器200を配置した後に側壁303を注型し、それにより、格納容器200の下部分を基礎に完全に埋設してもよい。基礎壁303は、一部の実施形態では、投射物の衝撃(例えば、衝突する航空機など)から格納容器/外囲組立体200−300を更に保護するために、図示のように地表面よりも下方で終端してもよい。基礎301は、限定されるものではないが、多角形(例えば、矩形、六角形、円形など)を含む、任意の好適な上部平面図を有してもよい。
一実施形態において、格納容器200の重量は、格納容器が載置される底部スラブ302により主に支持されてもよく、格納容器外囲構造(CES)300は、基礎301の側壁303の上に形成された基礎版304により支持されてもよい。他の好適な容器及び格納容器外囲構造(CES)支持体の配置を使用してもよい。
引き続き図1〜図15を参照するに、格納構造200は、外径D1を画定する円形横断面を備えた中空円筒シェル204と、上部ヘッド206と、底部ヘッド208とを含む細長い容器202であってもよい。一実施形態において、格納容器200(すなわち、シェル及びヘッド)は、容易に溶接可能である適度な強度の延性金属板及び延性金属棒材(例えば、低炭素鋼)で作製されてもよい。一実施形態において、低炭素鋼シェル204は、厚さが少なくとも1インチである。種々の合金を含む他の好適な金属材料を使用してもよい。
上部ヘッド206は、上部ヘッドの下端部すなわち底部に配置された第1の環状フランジ212と、シェルの上端部すなわち上部に配置された第2の相手側フランジ214とで構成されたフランジ継手210を介してシェル204に取り付けられてもよい。フランジ継手210は、ボルト継手であってもよく、このボルト継手は、隣接するフランジ212と214との間に周方向に延びる環状のシール溶接部が作製されるように、組立後に更にシール溶接されていてもよい。
格納容器200の上部ヘッド206は、構造強度(すなわち、内圧保持及び耐外部衝撃性)を付加するために、ASME(アメリカ機械学会(American Society of Mechanical Engineers))のドーム状のフランジ付き皿形ヘッドであってもよい。しかしながら、平らな上部ヘッドを含む他の可能な構成を使用してもよい。底部ヘッド208は、同様にドーム状皿形ヘッドであってもよいし、又は他の可能な実施形態では、代替的に平らなヘッドであってもよい。ある格納容器構造では、シェルの直径と一致するヘッドの一体の直線状フランジ(SF)部分を介して、底部ヘッド208をシェル204の下部分又は下端部に直接溶接してもよい。一実施形態において、格納容器200の底部は、本明細書で更に説明するように、基礎301のスラブ302上で格納容器を安定させて水平に支持するのに役立つように、底部ヘッド208に取り付けられたリブ付き支持スタンド208a又は同様の構造を含んでもよい。
一部の実施形態において、格納容器シェル204の上部分216は、格納容器の内部の機器、燃料などを移動させるためのポーラクレーン(図示せず)を支持し収容するハウジングを形成するシェルの拡径された部分であってもよい。この上部分216は、格納容器のまさに内周縁へのクレーンでのアクセスを提供し、かつ、格納容器構造をコンパクトにする、格納容器200の外周の極めて近くへの機器の配置を可能にする。それゆえ、一構成において、格納容器200の地表面よりも上方の部分は、マッシュルーム形構造に似たものであってもよい。
可能な一実施形態において、格納容器200の拡径された上部分216は、残りの隣接する格納容器シェル204の下部分218の外径D1よりも大きい外径D2を有してもよい。非限定的な一例において、上部分216は、シェル204の下部分218の直径D1よりも約10フィート大きい直径D2を有してもよい。シェル204の上部分216は、作業隙間のための許容差を伴う、ポーラクレーンを収容するように選択された好適な高さH2を有してもよく、この高さH2は、格納容器200の全高H1の50%未満であってもよい。非限定的な一例において、格納容器200の上部約10フィート(H2)は、200フィートの格納容器の全高H1に比べて、拡径の上部分216で形成されてもよい。格納容器200の上部分216は、フランジ214が格納容器の上部ヘッド206とフランジ接続する上端部で終端してもよい。
一実施形態において、格納容器200の拡径された上部分216は、(略)径方向間隙すなわち二次アニュラス部330(例えば、図4を参照)を提供するために、格納容器外囲構造(CES)300の内径D3よりも小さい直径D2を有する。これは、格納容器外囲構造(CES)300への投射物による衝撃の際に格納容器外囲構造(CES)300と格納容器の上部分216との間に衝撃を和らげる空間又は緩衝領域を提供する。その上、更に有意には、アニュラス部330は、本明細書で更に説明するように、格納容器外囲構造(CES)から蒸気及び/又は空気を排出するために、(格納容器外囲構造(CES)のシェルと格納容器200のシェルとの間の)一次アニュラス部313と(格納容器外囲構造(CES)のドーム316と格納容器200の上部ヘッド206との間の)ヘッド空間318との間に流れ経路を作り出す。よって、二次アニュラス部330は、一次アニュラス部313及びヘッド空間318と流体連通し、このヘッド空間318は、ドーム316を貫通する通気孔317と流体連通する。一実施形態において、二次アニュラス部330は、一次アニュラス部313よりも小さい(略)径方向幅を有する。
図1〜図4を参照するに、格納容器外囲構造(CES)構造(CES)300は、一部の実施形態では、(略)径方向に離間しかつ相互接続された2つの同心シェル310(内側)と311(外側)との間の環状空間に無筋コンクリート又は鉄筋コンクリート312が打設された同心シェルで形成された側壁320を有する二重壁構造であってもよい。同心シェル310、311は、例えば、限定されるものではないが、容易に溶接可能である延性金属板(例えば、低炭素鋼)などの、任意の適度な強度の材料で作製されてもよい。種々の合金を含む他の好適な金属材料を使用してもよい。一実施形態において、限定されるものではないが、二重壁格納容器外囲構造(CES)300は、旅客機による衝撃などの高エネルギー投射物の衝撃に耐える十分な能力を確保する6フィート以上のコンクリート312厚さを有してもよい。
格納容器外囲構造(CES)300は、格納容器シェル204を囲み、かつシェル204から(略)径方向に離間して配置され、それにより、一次アニュラス部313を作り出す。アニュラス部313は、一実施形態では、格納容器の内部で熱エネルギー放出が生じた場合に格納容器200から熱を受け取りかつ放散するためのヒートシンクを作り出す水で満たされたもの(すなわち、環状貯水槽)であってもよい。この水で満たされた環状貯留槽は、一実施形態では、コンクリート基礎301の上方にある格納容器シェル204の上部分の外周の周りに360°にわたって周方向に延びることが好ましい。図4は、明確にするために、この図では外部(略)径方向フィン221のない水で満たされたアニュラス部313の断面を示している。一実施形態において、アニュラス部313は、格納容器シェル204と格納容器外囲構造(CES)の内側シェル310との間に環状冷却水貯留槽を形成するために、底端部314における基礎版304から格納容器外囲構造(CES)300の同心シェル310、311のほぼ上端部315まで水で満たされる。一部の実施形態では、この環状貯留槽を、アルミニウム、ステンレス鋼又は腐食防止用の好適な防腐剤などの好適な耐食性材料でコーティング又はライニングしてもよい。代表的な一例では、限定されるものではないが、アニュラス部313は、幅が約10フィートであり、高さが約100フィートであってもよい。
一実施形態において、格納容器外囲構造(CES)300は、衝突する航空機及び他の入射投射物に対して格納容器外囲構造を堅牢にするために適度に厚みがありかつ補強された鋼製ドーム316を含む。ドーム316は、強固なフランジ継手318によりシェル310、311に取り外し可能に締結されてもよい。一実施形態において、格納容器外囲構造(CES)300は、地表面よりも上方の全て露出した部分において格納容器外囲構造(CES)300で全体が取り囲まれ、この格納容器外囲構造(CES)300は、格納容器を取り囲むアニュラス部313内の水塊の構造健全性を保持するために、航空機災害又はそれに匹敵する投射物に対して格納容器を保護するのに十分な高さを有することが好ましい。一実施形態において、図示のように、格納容器外囲構造(CES)300は、地表面よりも鉛直方向下方に基礎版304上部までの距離の実質的な部分にわたって延びる。
格納容器外囲構造(CES)300は更に、水が蒸発して流れ漏出し大気へ抜けることができるように、ドーム316の真下のヘッド空間318及び水で満たされたアニュラス部313と流体連通する雨から保護された少なくとも1つの通気孔317を含んでもよい。一実施形態において、通気孔317は、ドーム316の中央に位置してもよい。他の実施形態では、複数の通気孔をドーム316の周りに(略)径方向に間隔を置いて設けてもよい。通気孔317は、一部の実施形態では、格納容器外囲構造(CES)からの蒸気の漏出を可能にするが、水の浸入を最小限に抑える任意の好適な構成の雨除けで覆われる短い配管部分で形成される。
一部の可能な実施形態において、ドーム316と格納容器200の上部ヘッド206との間のヘッド空間318は、衝突する(落下する)投射物(例えば、旅客機など)により格納容器外囲構造(CES)のドーム316にかかる衝撃荷重を最小限に抑えるために、エネルギー吸収材又はエネルギー吸収構造で満たされてもよい。一例では、ドーム316への衝撃力を吸収し分散するのに役立つ衝撃吸収ゾーンを形成するために、複数の密集させた起伏のある又は波状の変形可能なアルミニウム板をヘッド空間の一部又は全体に配置してもよい。
主に図1〜図5及び図8〜図17を参照するに、基礎版304よりも下方のコンクリート基礎301に埋められた格納容器200の部分は、外形的特徴のないシンプルなシェル204を有してもよい。しかしながら、基礎版304よりも上方の格納容器シェル204の部分は、格納容器/外囲組立体200−300の鉛直軸線VAに(略)平行に軸方向に延びる複数の縦方向の外部(略)径方向リブ又はフィン220を含んでもよい。外部縦フィン220は、格納容器シェル204の外周の周りに周方向に間隔を置いて配置され、格納容器から(略)径方向外方に延びる。
リブ220は、限定されるものではないが、(1)格納容器シェル204を強固にすることと、(2)地震事象の発生時にアニュラス部313内の貯水槽の過度な「スロッシング」を防止することと、(3)格納容器内での流体/蒸気放出事象のような状況下で、シェル204を通して伝導により吸収された熱をアニュラス部313の環境に放散する伝熱「フィン」として有意に作用することとを含む多数の有利な機能を果たす。
よって、伝熱効率を最大にする一実施形態において、縦フィン220は、本明細書で更に説明するように、格納容器200から貯水槽に熱を伝達するために、格納容器200の有効な伝熱面(すなわち、コンクリート基礎内に埋められていない部分)を覆う水で満たされたアニュラス部313の略全高にわたって鉛直方向に延びる。一実施形態において、外部縦フィン220は、格納容器200の大径の上部分216の下面もしくは底部又はその近傍で終端する上部水平端部220aと、コンクリート基礎301の基礎版304又はその近傍で終端する下部水平端部220bとを有する。一実施形態において、外部縦フィン220は、格納容器のシェルの全高の半分以上の高さH3を有してもよい。
一実施形態において、縦フィン220の上部水平端部220aは、格納容器200又は他の構造に永久的に取り付けられ(例えば、溶接され)ていない自由端部である。縦フィン220の重量を支持しかつ縦リブとシェルとの溶接部にかかる応力を最小限に抑えるのに役立つように、縦フィン220の下部水平端部220bの少なくとも一部を、格納容器シェル204の外面に溶接された水平周方向リブ222に当接させ、このリブ222上に載置してもよい。周方向リブ222は、環状形状であり、格納容器シェル204の円周の周りに360°完全に延びてもよい。一実施形態において、周方向リブ222は、縦フィン220の荷重を基礎に伝達するコンクリート基礎301の基礎版304上に載置されるように位置する。縦フィン220は、周方向リブ222の外縁部を越えて外方に突出する横方向の広がり、すなわち、幅を有してもよい。よって、この実施形態では、各リブ220の下部水平端部220bの内側部分は、周方向リブ222に接触する。他の可能な実施形態において、周方向リブ222は、各縦リブ220の下部水平端部220bの略全体が周方向リブ222上に載置されるように十分に遠方に、(略)径方向外方に延びてもよい。縦フィン220を更に強化しかつ強固にするために、一部の実施形態では、下部水平端部220bを周方向リブ222に溶接してもよい。
外部縦フィン220は、鋼(例えば、低炭素鋼)、又は合金を含む他の好適な金属材料で作製されてもよく、このフィン220は各々、縦方向に延びる一方の側が格納容器シェル204の外側に溶接される。各リブ220の縦方向に延びる対向する側は、放熱フィンとして働くリブの伝熱面を最大にするために、格納容器外囲構造(CES)300の内側シェル310の内側に近接して位置するが、その内側に永久的に結合されてはいないことが好ましい。一実施形態において、外部縦フィン220は、図示のように格納容器200の大径の上部分216を越えて(略)径方向外方に延びる。代表的な一例では、限定されるものではないが、鋼製リブ220は、厚さが約1インチであってもよい。適宜、他の好適な厚さのリブを使用してもよい。よって、一部の実施形態において、リブ220は、リブの厚さ10倍を超える径方向幅を有する。
一実施形態において、縦フィン220は、図2、図3及び図5に最も良く示すように、格納容器シェル204に対して斜角A1をなす向きで配置される。この向きにより、外側の格納容器外囲構造(CES)300と協働して機能して投射物の衝撃に良好に抗する、格納容器200の円周の周りに360°にわたって延びる衝撃吸収ゾーンが形成される。よって、格納容器外囲構造(CES)シェル210、211の内方変形を生じさせる衝撃は、プロセスにおいて、好ましくは、格納容器シェル204に対して90°の向きで配置されたリブで起こり得るような内側の格納容器シェル204への衝撃力の直接伝達及びシェル204の破断なしに衝撃力を分散させる縦フィン220を屈曲させる。他の可能な実施形態では、格納容器外囲構造(CES)300の構成及び他の要素によっては、リブ220を格納容器シェル204に直交するように配置することが適切である場合がある。
一実施形態において、図6〜図8を参照するに、外部(略)径方向フィン220を有しかつ投射物の衝撃に対してこのフィン220により保護される格納容器シェル204の部分は、地表面又は地表面よりも僅かに下方での格納容器外囲構造(CES)300への投射物による打撃に対して保護するために、地表面よりも下方に延びてもよい。よって、原子炉格納システムの耐衝撃性を向上させるために、フィン220の下端部が終端する基礎301の鉛直方向に延びる側壁303の上に形成された基礎版304を地表面よりも何フィートも下方に位置決めしてもよい。
一実施形態において、格納容器200は、シェル204の内面に取り付けられた複数の周方向に離間した内部(略)径方向フィン221(図2及び図3に破線で示す)を含んでいてもよい。内部フィン221は、格納容器シェル204から(略)径方向内方にかつ鉛直方向の好適な高さで縦方向に延びる。一実施形態において、内部(略)径方向フィン221は、水で満たされたアニュラス部313の高さと略同一の広がりの高さを有し、かつ基礎版304からシェル204のほぼ上部まで延びてもよい。一実施形態では、限定されるものではないが、内部フィン221を格納容器シェル204に対して略直交する向き(すなわち90°)で配置してもよい。他の好適な角度及び傾いた向きを使用してもよい。内部フィンは、利用可能な伝熱面積を増大させるとともに、外部からの衝撃(例えば、投射物)に対して又は格納容器加圧事象(例えば、LOCAもしくは原子炉スクラム)の際の格納容器200の内圧上昇に対して格納容器シェルを構造的に補強するように機能する。一実施形態では、限定されるものではないが、内部フィン221を鋼で作製してもよい。
図1〜図15を参照するに、複数の鉛直方向の構造用支持柱331は、シェル204を越えて(略)径方向外方に張り出すように片持ち状に支持される外周側を有する格納容器200の拡径された上部分216を支持するのに役立つように、格納容器シェル204の外面に取り付けられてもよい。支持柱331は、格納容器シェル204の外周の周りに周方向に離間して配置される。一実施形態において、支持柱331は、鋼製の中空構造部材、例えば、限定されるものではないが、断面C字形部材(すなわち、構造用溝形材)で形成されてもよく、これらは、格納容器シェル204の外面に溶接される。連続溶接又は断続溶接(ステッチ溶接など)のいずれかにより、溝形材の2つの平行な脚を、各支持柱331の高さに沿って格納容器シェル204に鉛直方向に溶接してもよい。
支持柱331は、ポーラクレーンを収納する格納容器の大径の上部分216の底部/下面から鉛直方向下方に延び、その上端部で大径の上部分216の底部/下面に溶接されてもよい。支持柱331の底端部は、格納容器の埋められた部分付近でコンクリート基礎301の基礎版304に係合する周方向リブ222上に載置されるか又は溶接される。柱331は、クレーン及び格納容器300の上部分216からの静荷重又は重量の一部を基礎に伝達するのに役立つ。一実施形態において、支持柱の内部の中空空間は、強固にし、静荷重又は重量を更に支持するのに役立つように、コンクリート(鉄筋あり又は鉄筋なし)で満たされる。他の可能な実施形態では、充填された又は充填されていない箱形ビーム、I形ビーム、管形材、山形材などを含む他の構造用形鋼を使用してもよい。縦フィン220は、リブ220としての伝熱の役割よりむしろ構造的役割を果たす支持柱331よりも(略)径方向外方に延びてもよい。ある特定の実施形態では、リブ220は、支持柱の(略)径方向幅の少なくとも2倍である(略)径方向幅を有する。
図11〜図15は、格納容器200の種々の断面(縦断面と横断面の両方)を格納容器200内に示す機器と共に示している。一実施形態において、格納容器200は、Holtec International社のSMR−160などのモジュール式小型炉(SMR)システムの一部であってもよい。機器は、一般的に、炉心を備えかつウェットウェル504内に配置された一次冷却材を循環させる原子炉容器500と、原子炉に流体連結されかつ二次冷却材を循環させる蒸気発生器502であって、ランキン発電サイクルの一部をなし得る蒸気発生器502とを含んでもよい。完全な蒸気発生システムを作り出すために、他の付属品及び機器を設けてもよい。
ここで主に図2、図3、図16、及び図18を参照するに、格納容器200は更に、格納容器シェル204の円周の周りに周方向に間隔を置いて配置された複数の縦ダクト341を含む補助放熱システム340を含んでもよい。ダクト341は、鉛直軸線VAに対して平行に鉛直方向に延び、一実施形態では、シェル204の内面に取り付けられる。ダクト341は、鋼などの金属で作製されてもよく、シェル204の内側に溶接される。可能な一構成において、限定されるものではないが、ダクト341は、溝形材の平行な脚が各々、シールされた鉛直方向の流れ導管を画定するようシェル204の全高にわたってシェル204にシーム溶接されるように、鉛直方向に向けて配置された(断面)C形の構造用溝形材で構成されてもよい。ダクト内で運ばれる流体が内側の格納容器シェル204の少なくとも一部に接触して、水で満たされたアニュラス部313に熱を伝達するのであれば、他の好適な形状及び構成とされたダクトが設けられてもよい。
ダクトを通って流れる流体を冷却するために必要とされる伝熱面積に応じて、任意の好適な数及び配置のダクト341が設けられてもよい。ダクト341が格納容器シェル204の内側に均等に又は不均等に間隔を置いて配置されてもよく、一部の実施形態では、グループ化されたダクト群が格納容器の周りに周方向に分配配置されてもよい。ダクト341は、ダクトで運ばれる流体の流量と伝熱に関する考慮事項とに応じて、任意の好適な断面寸法を有してもよい。
ダクト341の開口上端部341a及び開口下端部341bは各々、共通の上部入口リングヘッダ343及び下部出口リングヘッダ344に流体接続される。一次アニュラス部313内に外部縦フィン220を有する格納容器の部分により画定される動的伝熱ゾーンにおいて、ダクト341内部を鉛直方向に流れる流体と格納容器のシェル204との間での熱の伝達を最大にするために、環状形状のリングヘッダ343、344が、鉛直方向に離間して配置され、格納容器200の内側に好適な高さで位置決めされる。水で満たされた一次アニュラス部313を伝熱に利用するために、上部リングヘッダ343及び下部リングヘッダ344は、それぞれアニュラス部の上部及び底部付近に隣接して格納容器シェル204の内側に位置してもよい。
一実施形態において、リングヘッダ343、344は各々、図示の方式で格納容器シェル204の内面に直接溶接される図示のような鋼管の半部で形成されてもよい。他の実施形態では、リングヘッダ343、344は、シェル204の内側で支持されかつこの内側に取り付けられる円弧状に湾曲した配管の完全な部分で形成されてもよい。
一実施形態において、放熱システム340は、放射性物質の崩壊熱を排除するために、格納容器200内部の水塊から発生し得る蒸気の源に流体接続される。ダクト341で囲まれた格納容器表面は、外部縦フィン220及び水で満たされたアニュラス部313を介して冷却するためにダクト内部の蒸気の潜熱を格納容器200のシェル204に伝える伝熱面としての役割を果たす。運転時には、蒸気が入口リングヘッダ343内に入り、ヘッダを貫通するダクト341の開口入口端部に分配される。蒸気は、ダクト341内に入り、内側の格納容器シェル204の高さに沿ってダクト341内を下方に流れ、蒸気から液体へと相変化する。凝縮した蒸気は、重力によりダクト内を流下し、一実施形態では、この蒸気が好ましくは同じく重力により蒸気の源に戻される下部リングヘッダ344により収集される。前述のプロセスでは、ポンプを伴わない又は必要としないことに留意すべきである。
本開示の別の態様によれば、一次アニュラス部313内の保有水が、何らかの理由で、原子炉に関連する熱事象(例えば、LOCA又は原子炉スクラム)の際に枯渇した場合に、格納容器200の自然対流による空冷を開始するように、二次又は非常用静的空冷システム400が設けられる。図8を参照するに、空冷システム400は、一次アニュラス部313内において格納容器200の周りに周方向に間隔を置いて配置された複数の鉛直方向の入口空気導管401で構成されてもよい。各空気導管401は、格納容器外囲構造(CES)300の側壁320を貫通しかつ周囲冷却空気を吸い込むために外部の大気に開口した入口402を含む。入口402は、格納容器外囲構造の側壁320の上端部付近に位置決めされることが好ましい。空気導管401は、アニュラス部313の内部に鉛直方向下方に延び、導管の開口した底端部から空気が漏出できるように、基礎の基礎版304よりも少し(例えば、約1フィート)上方で終端する。
空気導管401を使用することにより、アニュラス部313との協働で自然対流冷却空気流経路が確立される。一次アニュラス部313内の保有冷却水が熱事象の際に蒸発により枯渇した場合には、アニュラス部内部の空気が格納容器200により加熱され続けるので、自然対流により空冷が自動的に開始する。加熱された空気は、一次アニュラス部313内を上昇し、二次アニュラス部330を通過してヘッド空間318内に入り、通気孔317を通って格納容器外囲構造(CES)300のドーム316から出る(図8の流れ方向矢印を参照)。上昇する加熱された空気は、空気導管401を通して外部環境を下方に引き込むのに十分な一次アニュラス部313底部側の気圧の低下を生じさせ、それにより、加熱された格納容器200を冷却し続ける自然な空気循環パターンを生み出す。有利には、この静的空冷システム及び循環は、無期限にわたり格納容器200を冷却し続けてもよい。
一次アニュラス部313が格納容器200の内部で発生する熱に対する最終ヒートシンクとしての機能を果たすことに留意すべきである。この環状貯留槽内の水はまた、(先に説明した)クレーン鉛直支持柱331全ての温度を基本的に同じ温度で維持するように作用し、これにより、格納容器200のより大きな部分216に装着されるクレーン用レール(図示せず)の水平度を常に確保する。
ここで、熱交換器としての原子炉格納システム100の動作について最初に図19を参照しながら簡潔に説明する。この図は、システムにより実施される動的な伝熱及び排熱プロセスを説明する上で明確にするために、本明細書で説明した付属品及び構造を全く伴わない原子炉格納システム100を簡略化して概略的に表したものである。
冷却材喪失事故(LOCA)の際には、高エネルギー流体又は液体冷却材(通常は水であり得る)が格納容器200により形成された格納環境に流出する。液体は瞬時に蒸気となり、蒸気は格納容器の空気と混合し、(格納容器のシェルがアニュラス部313内の水により更に低温になるので)格納容器200側壁又はシェル204の内面へ移動する。次に、蒸気は、格納構造の金属に対して潜熱を失うことにより、鉛直方向のシェル壁上で凝縮し、この格納構造の金属は、縦フィン220とアニュラス部内部のシェル204の露出した部分とを通して、アニュラス313部内の水に熱を排除する。アニュラス部313内の水は、加熱され、最終的には蒸発して蒸気を形成するが、この蒸気は、アニュラス部内を上昇し、格納容器外囲構造(CES)300から出て、二次アニュラス部330、ヘッド空間318、及び最後には通気孔317を通って大気へと至る。
アニュラス部313内の水は格納容器環境の外部に位置するので、一部の実施形態では、水の蒸発損失を補うために可能であれば外部手段を使用して、保有水を簡単に補充してもよい。しかしながら、補充水が提供されない又は利用できない場合には、アニュラス部313内の水柱の高さが低下し始める。アニュラス部313内の水位が低下するにつれて、格納容器200も水位よりも上方のアニュラス部内の空気を加熱し始め、それにより、通気孔317を通して格納容器外囲構造(CES)300から水蒸気と共に排出される上昇する空気に熱の一部を排除する。空気導管401の開口した底端部が水位線よりも上方に露出するように水位が十分に低下すると(例えば、図8を参照)、新鮮な外部の周囲空気が上で示したように空気導管401から引き込まれ、格納容器200を冷却し続ける自然対流空気循環パターンを開始する。
一実施形態において、十分な放熱を確実にするために必要ではないが、アニュラス部313内への水補充のために、設備(例えば、入水ライン)が格納容器外囲構造(CES)300を貫通して設けられる。この環状貯留槽内の保有水塊は、保有水が枯渇した時点で格納容器が空冷のみにより全ての熱を排除できるように、格納容器200内に生成される崩壊熱が十分に減少するような大きさとされる。格納容器200は、熱エネルギーを迅速に排除することにより格納容器内部での蒸気混合の圧力及び温度を(設計限度内)に抑制するのに十分な排熱能力を有することが好ましい。
全交流電源喪失の際には、炉心を強制的に「スクラム」させ、静的炉心冷却システムが、本明細書で既に説明した放熱システム340の上部入口リングヘッダ343(例えば、図16及び図18を参照)に蒸気が導かれる形で炉心の崩壊熱を排除する。次に、内部縦ダクト341網を通って下方に流れる蒸気は、放熱ダクト内で囲まれた格納容器シェル204の内面に接触して、格納構造の金属に潜熱を排除することにより凝縮し、そして、この格納構造の金属は、縦フィン220によりもたらされる伝熱補助によりアニュラス部内の水へ熱を排除する。環状貯水槽(一次アニュラス部313)内の水は、加熱されて、最終的には蒸発する。格納容器200は、顕熱加熱により、更に蒸発と空冷の組み合わせにより、更に最終的には、本明細書で説明したように自然対流空冷のみによりアニュラス部に熱を排除する。上述したように、原子炉格納システム100は、アニュラス部313内の有効な保有水が完全に枯渇した時点で崩壊熱を排除するのに空冷のみで十分であるように設計及び構成される。
これらの前述のシナリオの両方では、プラントを稼働状態に戻すのに代替手段が利用可能になるまで排熱を無期限に続けることができる。システムが無期限に動作するだけでなく、動作が何らかのポンプの使用又は作業員による介入を伴わない完全に静的なものである。
補機冷却水システム
図20〜図25に示す本発明の別の態様によれば、改良された補機冷却水(CCW)システム600が提供される。補機冷却水システム600は、一般的に、熱交換器610と、冷却のために自然水域から原水を利用し得る従来の貫流冷却システムとは相反するように、ほぼ閉じた再循環冷却水配管ループ636を介して流体接続された1つ又は複数の補機冷却水ポンプ601とを含む。冷却水配管ループ636の大部分は、原子炉格納容器200と格納容器を取り囲む格納容器外囲構造300の外部の原子力発電プラント内に位置してもよい(例えば、図25を参照)。冷却水配管ループ636は、配管ループ及び補機冷却水システム600に流体接続された(図25のCCWボックスで表す)BOP機器に/から加熱及び冷却された冷却水を分配及び収集する。ポンプ601は、配管ループ636及び熱交換器610に冷却水の流れを通すための動力を提供する。ポンプ601は、使用条件及び所望の流量に対して適切な吸引力及び吐出ヘッドを有する任意の好適な種類のポンプ(例えば、遠心分離機など)であってもよい。配管ループ636を通して冷却水を循環させるために、任意の数又は配置のポンプ601を設けてもよい。
本開示による一実施形態において、補機冷却水システム600は、有利には、環状貯水槽及び補機冷却水システム600に/から熱を伝達するための機能的な伝熱媒体又は伝熱シンクとして(本明細書で先に説明した)、内側の格納容器200と外側の格納容器外囲構造300との間に形成された水で満たされたアニュラス部313(代替的に本明細書では環状貯留槽313と称される)内の水を利用する。よって、この実施形態において、熱交換器610は、貯留槽に熱を直接伝達するために、環状貯水槽内に物理的に位置し、環状貯水槽内に浸漬され/沈められてもよい。一般的には、冷却水配管ループ636は、本明細書で更に説明するように、環状貯水槽313と冷却のためのプラント機器との間の閉じた流れループ内に補機冷却水を再循環させる。
最初に図24を参照するに、非限定的な一構成では、補機冷却水システム600の熱交換器610は、溝形部613に隣接して形成された管板612に両端が取り付けられた複数のU字形の伝熱管620を備える鉛直方向に細長くかつ鉛直方向に向けて配置された溝が上向きのU管群611を含むシェルのない熱交換器である。溝形部613は、鉛直仕切板616により入口室614と出口室615に分割され得る内部空間を画定する。入口/出口室614、615の底部は、管板612の上側面により形成される。入口/出口室614、615の上部は、溝形部613の上端部に取り外し可能に取り付けられた上蓋618により閉じられてもよい。
熱交換器610は、溝形部613の側壁を貫通して入口室614に流体接続された入口ノズル630と、溝形部の側壁を貫通して出口室615に流体接続された出口ノズル631とを含む。一実施形態では、入口ノズル630及び出口ノズル631を互いに対向する関係で溝形部613に位置決めしてもよい。しかしながら、他の好適な配置も可能である。入口ノズル630及び出口ノズル631は、熱交換器610を補機冷却水システム600の入口冷却水配管632及び出口冷却水配管633に流体接続する。次に、入口冷却水配管632及び出口冷却水配管633は、補機冷却水システム600(例えば、図25を参照)の閉じた冷却水配管ループ636に流体連結される。一実施形態において、入口ノズル630及び出口ノズル631には、入口冷却水配管632及び出口冷却水配管633の端部に形成された相手側フランジに連結するためのフランジを設けてもよい。一実施形態では、ノズルと配管との間のフランジ継手617をボルト止めしてもよく、又は他の実施形態では、そのフランジ継手617を溶接してもよい。しかし、当然のことながら、フランジを使用せずに、入口冷却水配管632及び出口冷却水配管633を入口ノズル630及び出口ノズル631に直接溶接してもよい。任意の好適な種類の流体接続型を使用してもよい。
入口冷却水配管632及び出口冷却水配管633は、一部の実施形態(例えば、図22を参照)では、外側の格納容器外囲構造300を貫通して形成された好適に構成された貫通部635を貫通して延びるように配設されてもよい。貫通部635は、熱交換器610の入口ノズル630及び出口ノズル631に対する冷却水配管の接続を可能にする任意の好適な高さに位置してもよい。配管は、任意の好適な金属配管又は非金属配管であってもよい。
一実施形態では、上蓋618を溝形部613に取り外し可能に締結するために、ボルト止めフランジ継手617を使用してもよい。しかしながら、上蓋616を溝形部613に取り付けるために、他の好適な手法を使用してもよい。上蓋618は、溝形部613の漏れのない囲いを提供し、当業者には周知であるような水密接続を形成する好適なガスケット及び/又はシールを含んでもよい。好ましくは、仕切板616が、管板612及び上蓋618下面に係合してシールを形成するように構成及び配設される。この仕切板616は、仕切板616の両側にある入口室614と出口室615との間での冷却水の漏出を防止する又は最小限に抑えるように意図されたものである。可能な一配置において、仕切板616は、管板612の上側面に溶接固定してもよい直線状の底端部又は底縁部と、上蓋が溝形部613に装着されたときに、好適なガスケット及び/又はシールを介して上蓋618の下面に取り外し可能に係合させることができる直線状の上端部又は上縁部とを有してもよい。取り外し可能な上蓋618は、漏洩管を塞ぐため、非破壊検査並びに管板及び管の点検を行うため、又は他の目的のために、溝形部の内部の管板612へのアクセスを提供する。
概して図20〜図25、特に図24を参照するに、熱交換器610は、例示的な一実施形態では、内側の格納容器200と外側の格納容器外囲構造300との間に形成された原子炉格納システム100の水で満たされたアニュラス部313内に直接浸漬する又は沈めるために、U字形の管620が囲われず露出したシェルのない熱交換器であってもよい。管620は、各々2つの直線部分621と、管板612の遠位にかつ管板612とは反対側に配置されたU字形の屈曲部622とを含んでもよい。各管620は、管板612を通して入口室614に接続された直線部分621の第1の端部623と、管板を通して出口室615に接続された直線部分の第2の端部624とを有する。一実施形態において、管端部に隣接する管の端部分620は、管板612に形成された上下貫通孔を完全に貫通して管板の下面から上面に延びてもよい。管は、限定されるものではないが、管板に対する管の端部分の溶接、爆発拡管、又は当技術分野で周知の方法を含む任意の好適な手段により管板612に固定されてもよい。
U字形の管620は、むき出しであってもよいし、又は目的用途の伝熱率要件及び他の技術的な考慮事項によっては、フィン(例えば、軸方向フィンもしくは螺旋状フィン)を含んでいてもよい。管620は、例えば、限定されるものではないが、アルミニウムクラッド管板612又は中実ステンレス鋼管板612にそれぞれ取り付けられたアルミニウム管又は鋼管など、任意の好適な鉄又は金属又は金属合金から作製されてもよい。好ましくは、耐食性のために、管620を選択してもよい。管620は、任意の好適な外径及び肉厚を有してもよい。
図20〜図25を参照するに、熱交換器610は、内側の格納容器200を囲う水で満たされたアニュラス部(環状貯水槽)313内に設置されるように示されている。アニュラス部313から水を引き込みかつアニュラス部313に水を戻す貯留槽再循環システム662の再循環ポンプ633(図23を参照)により、環状貯水槽内部の水を非静止状態に保ってもよく、このアニュラス部313では、水が攪拌され、これにより藻類の繁殖が防止される。これらのポンプはまた、貯留水の清浄度を維持するために継続的に貯留水を濾過する役割を果たす。環状貯水槽313内の水の移動はまた、蒸発を促進するのに役立ち、本明細書のどこかで述べたように冷却材喪失事故(LOCA)の熱エネルギーを除去する、又は原子炉の通常運転中に、貯水槽内に沈められた熱交換器610を介して補機冷却水システムの冷却水から熱を除去するなど、蒸発による何らかの冷却機能を助ける。
一実施形態において、熱交換器610は、水で満たされたアニュラス部313内に(適切な耐震拘束具を用いて)吊り下げられ、図20及び図21に示すように、管群611の(U字形の屈曲部622により画定される)底端部が、環状貯水槽の底部642よりも上方に鉛直距離V1だけ間隔を置いて配置されるように位置決めされる。非限定的な一配置では、熱交換器610は、環状貯水槽内部の構造部材(以下に説明する)に接続されたときに、溝形部の移動を規制するために固定状態で溝形部613に取り付けられることが好ましい、1つ又は複数の径方向に延びる固定具又は支持体640を含む。この配置は、溝形部613を拘束するが、有利には、補機冷却水システム600の運転中に管620の内部を流れる補機冷却水の温度の変化に応じて管620が加熱又は冷却されるので、管群611が溝形部613に対して非拘束状態で長さを鉛直方向に自由に成長させ収縮させることを可能にする。例示的な一実施形態において、支持体640は、溝形部613の水平板と側面との間に溶接された鉛直ガセット板で補強される水平方向に向けて配置された構造用鋼板で形成してもよい。熱交換器支持体640の数多くの他の変形例及び構成が可能であり、それらを使用してもよい。
支持体640は、水で満たされたアニュラス部313の内部に格納容器/外囲組立体200−300に対して数多くの方法で装着することができる。一例では、水で満たされたアニュラス部313の内部に位置しかつ格納容器/外囲組立体200−300に取り付けられた対応する構造スタンド641に支持体640をボルト止めするか又は溶接してもよい。種々の実施形態において、スタンド641は、環状貯水槽の底部642から立ち上がる図示のような台座型であるか、外側の格納容器外囲構造300の鋼製内側シェル310の内面から片持ち状に支持されるか(図21の641’を参照)、又は一部の非限定的な例では、それらの組み合わせであってもよい。代替的に、スタンド641の数多くの他の変形例を提供してもよい。スタンド641は、鋼、コンクリート、又は他のもの含む任意の適切な材料又は材料の組み合わせで作製されてもよい。熱交換器支持体及びスタンドは、熱交換器610が水で満たされたアニュラス部313内に地震に対して安定した状態で装着されるように設計及び配設されることが好ましい。
図20〜図25を参照するに、熱交換器610は、隣接して離間した一対のフィン220間において水で満たされたアニュラス部313内に形成された「ベイ」650のうちの1つの好適な箇所に配置され吊り下げられてもよい。一構成において、熱交換器610は、貯留槽への補給水が容易に利用できない場合に、蒸発によりアニュラス部313内の水位が低下している可能性があるスクラム事象などの状況において、伝熱ができるだけ長く続くように、環状貯水槽の底部642付近に位置してもよい。
一実施形態において、熱交換器610が装着されるベイ650は、好ましくは、環状貯水槽再循環配管システム662(例えば、図23を参照)の少なくとも1つの再循環ポンプ663が、露出した管群611の周りの水塊を攪拌するために、良好に配置された吐出スパージャ664を通して流れを分配する場所であってもよい。この配置は、比較すると流動状態が比較的停滞した状態であり得る他のベイ650内の可能な箇所とは対照的に、伝熱性能を高めるために、管を通る及び管間の流れを改善するように意図されている。再循環ポンプ663は、好適な箇所で貯留槽に流体連結された出口配管661を通して環状貯水槽313から水を引き込み、貯留槽内に浸漬された/沈められたスパージャ664に流体連結された入口配管660を通して水を吐出する。入口配管660及び出口配管661は、一部の例では、外側の格納容器外囲構造300の側壁を貫通して形成された好適な貫通部635を貫通して延びてもよいが、他の可能な配置では、入口配管は、環状貯水槽313の上部から(例えば、環状貯水槽の内部に鉛直方向下方に延在する配管により上部から)など、側壁を貫通する箇所以外の箇所からスパージャ664内に再循環水を導入してもよい。出口配管661は、任意の好適な箇所(例えば、限定されるものではないが、スパージャ664を含む同じベイ650内又は異なるベイ内のいずれか)で環状貯水槽313から吸引してもよい。
再循環ポンプ663は、使用条件及び所望の流量に対して適切な吸引力及び吐出ヘッドを有する任意の好適な種類のポンプ(例えば、遠心分離機など)であってもよい。配管は、任意の好適な金属配管又は非金属配管であってもよい。種々の実施形態では、2つ以上の貯留槽再循環配管システム662及び/又はスパージャ664を設けてもよい。
図21及び図23を参照するに、スパージャ664は、一部の例では、任意の好適な間隔で隔てられた複数の上向き出口孔665を有するほぼ水平方向に向けて配置された配管ヘッダで形成されてもよい。好ましい一実施形態において、スパージャ664は、熱交換器の管群611の鉛直方向下方に位置し、再循環水を管群に上向きに吐出する。スパージャ664は、管群611の底部よりも下方に任意の好適な距離だけ間隔を置いて配置されてもよい。スパージャは、上記エリア内で貯留水の局所的な上昇流を作り出し、貯留槽から再循環上昇流パターンに更なる水を引き込むのに役立つ。本明細書に述べた教示に従って、代替的なスパージャのレイアウトが可能である。
一部の実施形態において、熱交換器610が装着されるベイ650は更に、好ましくは、「低温の」補給水が環状貯水槽313に注入され、貯留槽から蒸発により失われた水を補充する場所であってもよい。熱交換器610近くのベイ650内への局所的な補給水の流れは、補機冷却水の伝熱性能及び冷却性能を高める。図23に示すように、補給水システム670は、環状貯水槽313の外部の任意の好適な補給水供給源から吸引しかつ入口配管672を通して補給水を環状貯水槽内に吐出する補給水ポンプ671を含んでもよい。入口配管672は、スパージャ664により生成される流れパターンを妨げないが、環状貯水槽313内に保持された水に比べて一般的により低温の水の熱伝達性能の利益を得るために熱交換器610に十分に近い、ベイ650内の任意の好適な位置に位置してもよい。入口配管672は、一部の実施形態では、外側の格納容器外囲構造300の側壁を貫通して形成された好適な貫通部635を貫通して延びてもよいが、他の可能な配置では、入口配管は、環状貯水槽313の上部から(例えば、環状貯水槽の内部に鉛直方向下方に延在する配管により上部から)など、側壁を貫通する箇所以外の箇所から補給水を導入してもよい。ポンプ671は、使用条件及び所望の流量に対して適切な吸引力及び吐出ヘッドを有する任意の好適な種類のポンプ(例えば、遠心分離機など)であってもよい。配管672は、任意の好適な金属配管又は非金属配管であってもよい。
認識されるように、補給水に関する「低温の」という用語は、補給水が、環状貯水槽以外の外部供給源から得られ、かつ好ましくは環状貯水槽313内に保持された水の温度よりも低い温度を有することを一般的に指す比較表現である。環状貯留槽内の水は通常、本明細書で説明するように、原子炉容器から大気に排出される水蒸気に一部の水を変換する原子炉容器内部の原子炉の運転により、周囲温度よりも高い温度を有してもよい。ある特定のプラント運転条件下では、補給水が、置き換えられる環状貯水槽内の水と同じか又はそれよりも高い温度を有することがあり得る。よって、「低温の」という用語は、ここでは、限定的な用語としてではなく、補給水システムをより良く説明するために便宜的に使用されている。
原子炉及び補機冷却水システム600の通常の運転モードでは、補機冷却水システムに流体連結された種々のプラント機器から補機冷却水ポンプ601により受け取られた加熱水は、冷却水入口配管632を通して熱交換器610に圧送される(図22、図24、及び図25を参照)。加熱された冷却水は、入口ノズル630を通って熱交換器610の入口室614内に流れる。次に、加熱された冷却水は、管板612と管群610の管620とを通って下方に流れ、管屈曲部622を経て方向転換し、管を通って溝形部613内の出口室615内へ上方に流れる。管620の内部を流れる加熱された冷却水は、水で満たされたアニュラス部313(環状貯水槽)内に保持された水に管壁を介して熱を伝達することにより冷却される。次に、ここで冷却された冷却水は、出口室615から、熱交換器610に接続された出口配管635を通って流れ、各種のプラント機器を冷却するための分配のために補機冷却水システム600に戻される。熱交換器610により環状貯水槽に蓄積された熱は、貯留水域に拡散されて貯留水域を加熱し、本明細書で既に説明したように、最終的には、原子炉格納システム100から環境への蒸発作用により環境に放散される。一実施形態において、環状貯水槽313からの加熱された水蒸気は、格納容器外囲構造300のドーム316における通気孔317を通って環境へと至る経路に流入してもよい。
図に示す方向矢印は、各図に関して本明細書で述べた流体の流れ経路を表している。当業者には認識されるように、本明細書で説明する流体配管システムは、十分に機能的なシステムを提供するのに必要な、例えば、弁、フィルタ、圧力調整器、流量及び圧力指令、配管支持具などの種々の補機及び付属品を含むことができる。
熱交換器610を例示的であるが非限定的なシェルのない熱交換器であって、コンパクトな構成、単一の分割された溝形部613による経済的な構造(材料及び製造)、及び管群を通る流れを最適化するための環状貯水槽313の鉛直側面及び底部に沿った伝熱管の最大限の露出などの利点をもたらすU管群構成を有する熱交換器に関して説明してきた。しかしながら、認識されるように、環状貯水槽313内に保持された水に露出する管を有する他の管構成(すなわち、シェルのない熱交換器)を使用してもよい。他の可能な構成としては、離間しかつ対向する入口溝形部及び出口溝形部間の各管端部に接続された直管群を挙げることができる。更に認識されるように、水平方向の向き又は鉛直方向と水平方向との間で角度付けされた向きなどの鉛直方向の向き以外の管群の他の向きを使用してもよい。よって、本発明は、熱交換器構成又は熱交換器の向きに限定されるものではない。
新しい発明の利点は、現在の原子プラントにおいて補機冷却熱交換器に給水する長い取水ラインであって、要素からの腐食及び劣化を受け易いことで知られる取水ラインが不要となることと、熱交換器管群が、現行技術における悩みの種である原水との長期間の接触により生じる伝熱面の汚損を被らないこととを含む。認識されるように、一部の実施形態では、必要に応じて補機冷却水システム600の冷却性能を高めるために、多管式熱交換器610を並列に配置することができる。多数のユニットを使用する場合には、原子炉が稼働している間に、いずれかの1つのユニットに対するメンテナンス作業を実施することができる。
前述の説明及び図面は一部の例示的システムを表しているが、添付の特許請求の範囲の等価物の精神及び目的範囲から逸脱することなく、本発明に種々の追加、変更及び置換を行えることが理解されよう。特に、本発明の精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、本発明を、特定の形態、構造、配置、比率、大きさで、他の要素、材料、及び構成要素を用いて具体化してもよいことが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書で説明する方法/プロセスにおける数多くの変形例を作成してもよい。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、本発明の実施に際して使用される構造、配置、比率、大きさ、材料、及び構成要素などの多くの変更であって、特定の環境及び動作要件に特に適合した変更を加えて本発明を使用してもよいことを更に認識するであろう。それゆえ、現在開示されている実施形態は、あらゆる点で例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、本発明の目的は、添付の特許請求の範囲及びその等価物により定義され、前述の説明又は実施形態に限定されるものではない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、本発明の他の変形形態及び実施形態を含むように広義に解釈されるべきであり、当業者であれば、本発明の等価物の目的及び範囲から逸脱することなく、これらの形態を作成することができる。

Claims (40)

  1. 原子力発電プラントの補機冷却水システムであって、
    原子炉を収納するように構成された格納空間を画定する格納容器と、
    前記格納容器を取り囲む格納容器外囲構造と、
    前記格納容器と前記格納容器外囲構造との間に形成された環状貯水槽であって、熱エネルギーを放散するためのヒートシンクを提供するように構成された前記環状貯水槽と、
    前記環状貯水槽内に保持された水の中に浸漬される露出した伝熱管群を有するシェルのない熱交換器と、
    を備え、
    前記プラントからの補機冷却水が、前記管群を通って流れ、前記環状貯水槽に熱を伝達することにより冷却される、ことを特徴とするシステム。
  2. 前記管群が複数の伝熱管で構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記管群がU字形である、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記管群の底端部が、前記環状貯水槽の底部から鉛直方向に離間して配置される、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
  5. 前記管群が鉛直方向に向けて配置される、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
  6. 前記管群が、前記管群に各々流体連結された入口流れ室及び出口流れ室を画定する溝形部により支持された管板に接続される、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記溝形部が、前記環状貯水槽内部で構造的に支持されかつ拘束され、
    前記管群が、前記溝形部から吊り下げられ、熱膨張下で成長しかつ収縮するように拘束されない、
    請求項6に記載のシステム。
  8. 前記補機冷却水が、前記補機冷却水を前記熱交換器に/から運ぶために前記熱交換器に流体連結される前記プラント内の冷却水配管ループを通って流れる、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記冷却水配管ループが、前記環状貯水槽と前記プラント内の機器との間で加熱されかつ冷却する補機冷却水を再循環させる、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記冷却水配管ループに補機冷却水を通すために前記冷却水配管ループに流体連結された少なくとも1つのポンプを更に備える、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記冷却水配管ループが、前記熱交換器に形成された溝形部であって、入口流れ室及び出口流れ室を画定する前記溝形部に流体連結される、請求項8に記載のシステム。
  12. 前記管群の管が各々、前記入口流れ室に流体連結された一方の端部と、前記出口流れ室に流体連結された第2の端部とを有する、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記溝形部を前記入口流れ室と前記出口流れ室に分割する前記溝形部内に配置された仕切板を更に備える、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記環状貯水槽内の前記露出した管群よりも下方に位置決めされた吐出スパージャであって、冷却のために前記管群を通るよう水を吐出するように構成及び配設される前記スパージャを更に備える、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記スパージャが、前記環状貯水槽に流体連結されたポンプ式再循環システムの一部をなし、前記再循環システムが、前記環状貯水槽から水を取り出し、前記スパージャを通して水を前記環状貯水槽に戻すように構成されかつ動作可能である、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記格納容器から外方に突出しかつ前記環状貯水槽内に位置する複数の略径方向フィンを更に備え、前記熱交換器が、離間して隣接するフィン間において前記環状貯水槽内に形成されたベイ内に位置する、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記フィンが、前記格納容器に対して斜めに向けて配置される、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記熱交換器が、前記環状貯水槽内に水を吐出し、それにより、蒸発により失われた水を補給する貯留槽補給水供給システムからの入口に近い前記環状貯水槽内の箇所に位置決めされる、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記貯留槽補給水供給システムからの前記入口及び前記スパージャが同じベイ内に位置する、請求項14及び16に記載のシステム。
  20. 原子力発電プラントの補機冷却水システムであって、
    原子炉を収納するように構成された格納空間を画定する格納容器と、
    格納容器を取り囲む格納容器外囲構造と、
    前記格納容器と前記格納容器外囲構造との間に形成された環状貯水槽であって、熱エネルギーを放散するためのヒートシンクを提供するように構成された前記環状貯水槽と、
    前記環状貯水槽内に保持された水の中に浸漬される複数の管で構成された露出した伝熱管群を有するシェルのない熱交換器と、
    環状貯水槽内の前記露出した管群よりも下方に位置決めされた吐出スパージャであって、前記環状貯水槽から再循環させた水を、前記管を冷却するために前記管群を通るよう吐出するように構成及び配設される前記スパージャと、
    を備え、
    前記プラントからの補機冷却水が、前記管群の前記管を通って流れ、前記環状貯水槽に熱を伝達することにより冷却される、ことを特徴とするシステム。
  21. 前記スパージャが、前記環状貯水槽に流体連結されたポンプ式再循環システムの一部をなし、前記再循環システムが、前記環状貯水槽から水を取り出し、前記スパージャを通して水を前記環状貯水槽に戻すように構成されかつ動作可能である、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記格納容器から前記格納容器外囲構造に向かって外方に突出しかつ前記環状貯水槽内に位置する複数の略径方向フィンを更に備え、前記熱交換器及びスパージャが、離間して隣接するフィン間において前記環状貯水槽内に形成されたベイ内に位置する、請求項20に記載のシステム。
  23. 前記管群がU字形である、請求項20に記載のシステム。
  24. 前記管群の底端部が、前記環状貯水槽の底部から鉛直方向に離間して配置される、請求項20に記載のシステム。
  25. 前記管群が鉛直方向に向けて配置される、請求項20に記載のシステム。
  26. 前記管群が、前記管群に各々流体連結された入口流れ室及び出口流れ室を画定する溝形部により支持された管板に接続される、請求項20に記載のシステム。
  27. 前記溝形部が、前記環状貯水槽内部で構造的に支持されかつ拘束され、
    前記管群が、前記溝形部から吊り下げられ、熱膨張下で成長しかつ収縮するように拘束されない、
    請求項26に記載のシステム。
  28. 前記管群の管が各々、前記入口流れ室に流体連結された一方の端部と、前記出口流れ室に流体連結された第2の端部とを有する、請求項26に記載のシステム。
  29. 前記補機冷却水が、前記補機冷却水を前記熱交換器に/から運ぶために前記熱交換器に流体連結される前記プラント内のポンプ式冷却水配管ループを通って流れる、請求項20に記載のシステム。
  30. 原子力発電プラントの補機冷却水システムであって、
    原子炉を収納する格納空間を画定する格納容器と、
    前記格納容器を取り囲む格納容器外囲構造と、
    前記格納容器と前記格納容器外囲構造との間に形成された環状貯水槽であって、熱エネルギーを放散するためのヒートシンクを提供するように構成された前記環状貯水槽と、
    前記環状貯水槽内に保持された水の中に浸漬される複数の管で構成された露出した伝熱管群を有するシェルのない熱交換器と、
    前記格納容器から前記格納容器外囲構造に向かって外方に突出しかつ前記環状貯水槽内に位置する複数の略径方向フィンであって、前記熱交換器が離間して隣接する一対のフィン間において前記環状貯水槽内に形成された周方向に延びるベイ内に位置する、前記複数の略径方向フィンと、
    を備え、
    前記プラントからの補機冷却水が、前記管群の前記管を通って流れ、前記環状貯水槽に熱を伝達することにより冷却される、ことを特徴とするシステム。
  31. 前記環状貯水槽内の前記露出した管群よりも下方のベイ内に位置決めされた吐出スパージャを有するポンプ式貯留槽再循環配管システムを更に備え、前記再循環配管システムが、前記環状貯水槽から水を取り出し、前記管を冷却するために前記取り出された水を前記吐出スパージャを通して前記管群に圧送するように構成されかつ動作可能である、請求項30に記載のシステム。
  32. 前記熱交換器を保持する前記ベイ内に貯留槽補給水を吐出し、それにより、蒸発により失われた水を補給する配管システムを更に備える、請求項30に記載のシステム。
  33. 前記管群の管が各々、前記熱交換器内に形成された入口流れ室に流体連結された一方の端部と、前記熱交換器内に形成された出口流れ室に流体連結された第2の端部とを有する、請求項30に記載のシステム。
  34. 前記入口流れ室及び前記出口流れ室が、管板を支持する溝形部内に互いに隣接して配置され、前記入口流れ室及び前記出口流れ室が、前記溝形部内に配置された仕切板により互いに流体的に隔離される、請求項33に記載のシステム。
  35. 各管が、前記入口室に流体連結された前記管板の一部に接続された第1の管端部と、前記出口室に流体連結された前記管板の一部に接続された第2の管端部とを有する、請求項34に記載のシステム。
  36. 前記第1の管端部及び前記第2の管端部が、U字形の管屈曲部により相互に流体連結される、請求項35に記載のシステム。
  37. 前記管群がU字形である、請求項30に記載のシステム。
  38. 前記管群が鉛直方向に向けて配置される、請求項30に記載のシステム。
  39. 前記管群が、前記熱交換器の入口流れノズル及び前記熱交換器の出口流れノズルを画定する溝形部に取り付けられた管板から下方に吊り下がる、請求項38に記載のシステム。
  40. 前記補機冷却水が、前記補機冷却水を前記熱交換器に/から運ぶために前記熱交換器に流体連結される前記プラント内のポンプ式冷却水配管ループを通って流れる、請求項30に記載のシステム。
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