JP2013186060A - 摩擦力伝達・検出機構 - Google Patents

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憲史 柳澤
Kosuke Sugimachi
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Abstract

【課題】本発明は従来の摩擦伝達機構が特に支持部で摩擦損失の大きく機構が複雑であるという実情に鑑み、支持部での摩擦損失をなくし、精度よく摩擦力を伝達・検出する機構を提供する。
【解決手段】材料間の摩擦係数を測定するための摩擦試験装置において、特に発生した摩擦力を効率よく検出部に伝達するための機構に関する。試料保持棒1の支持部2に軸受のような摩擦抵抗の小さな機構を用いることで、試料10と相手材表面の間に発生した摩擦力を、ロードセルなどの検出部19に損失なく伝達できる。摩擦力の発生方向に試料保持棒1が移動可能となるように試料保持棒1は支持部2に支持されている。試料保持棒1は支持部2に支持されており、カウンターウエイト23を左右方向の点線で示す矢印方向に動かすことで水平に保つことができ、試料10に所定の荷重を試料10や試料保持部7の質量に影響されることなくかけることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、材料間の摩擦係数を測定するための摩擦試験装置に用いることのできる摩擦力伝達・検出機構に係り、特に発生した摩擦力を効率よく検出部に伝達するための機構に関するものである。
摩擦試験装置により摩擦試験を行うとき、負荷零の状態で試料が表面に接触するように、従来からナイフエッジやベアリングで支持された試料保持棒をカウンターウエイトにより水平に保つ機構を用いた一定荷重負荷方式が採用されている。例えば特許文献1ではベアリングを用いた支持部を中心として試料保持部と点対称の位置にあるカウンターウエイトにより試料保持棒の水平を保つ。その後試料に一定の荷重をかける。この場合摩擦力は支持部に設けた摩擦力検出板8にストレインゲージ26を取り付けることで検出される。しかしこの方法では、支持部の回転運動による摩擦力検出板8への影響(たわみ)も摩擦力の一部として検出されるため、測定誤差が大きくなる。さらに摩擦力の発生方向と検出する運動の方向が一直線上に位置しないため精度のよい検出が行えない。
特許文献2のように支持部を鋼線により支持することで支持部の摩擦力を小さくする方法も提案されている。しかしこの方法は支持部の機構が複雑になるというデメリットがある。
特許文献3のように支持部ではなく、摩擦力発生部の上部に摩擦力検出機構を有する方法も提案されている。この方法は試験部が大きく複雑な機構となり、また摩擦力検出部が運動する摩擦力発生部のそばにあるため摩擦力以外の振動なども外乱として検出するおそれがある。さらに摩擦力の発生方向と検出する運動の方向が一直線上に位置しないため精度のよい検出が行えない。
特公昭40−005040号公報 特開昭56−106140号公報 特開2004−301791号公報
従来の摩擦伝達機構は特に支持部で摩擦損失が大きくかつ機構が複雑であるという実情に鑑み、本発明は、支持部での摩擦損失を低減し、精度よく摩擦力を伝達・検出する機構を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の力伝達・検出機構は、支持体と、前記支持体に支持された支点の両側に延在し、前記支点を中心として回動可能に構成された試料保持棒と、前記試料保持棒の前記支点に対する一方の側に取り付けられた試料保持部と、前記試料保持棒を介して前記試料保持部が受ける摩擦力を検出する力検出器と、前記支点の当接状態を維持したまま前記支持体に対して前記試料保持棒をその延在方向に移動可能に構成する支持部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、試料保持部に摩擦力が加わると、この摩擦力は試料保持棒に取り付けられた力検出器によって検出される。このとき、試料保持棒は支持部によってその延在方向に移動可能に構成されているから、上記力に対して延在方向に生ずる支持抵抗を軽減することができるため、当該支持抵抗に基づく摩擦損失を低減して上記延在方向に試料保持部が受ける摩擦力を正確に力検出器に伝達することができる。
本発明において、前記支持部は、前記支持体と前記試料保持棒のうちの一方に対して前記延在方向と直交する軸線周りに回転自在に取り付けられた外周面を有する軸受構造を含み、前記支持体と前記試料保持棒のうちの他方に設けられた前記延在方向に沿った面に前記外周面が当接して前記支点を構成することが好ましい。これによれば、支持体と試料保持棒のうちの一方に対して回転自在に取り付けられた外周面が他方の延在方向に沿った面に当接して上記支点を構成することにより、軸受構造による小さな摩擦抵抗で外周面が上記延在方向と直交する軸線周りに回転できるため、支点の当接状態を維持したまま支持体に対して試料保持棒を延在方向に移動させたときの支持抵抗を低減できる。また、この軸受構造は一方に対して回転自在に取り付けられた外周面を有するだけでよいので、支持部を簡易に構成できるとともに、当該外周面と延在方向に沿った面との間に安定した支点を形成することが可能になる。
この場合に、上記軸受構造の前記外周面は、前記支持体に取り付けられた支持軸に対して回転自在に構成されるとともに前記試料保持棒に当接する場合があり、また、前記試料保持棒に取り付けられた支持軸に対して回転自在に構成されるとともに前記支持体に当接する場合がある。
本発明において、前記力検出器は、前記試料保持棒における前記試料保持部の側とは前記支点を挟んで反対側にある部分に連結されることが好ましい。これによれば、試料保持棒における支点の一方の側の部分に試料保持部が取り付けられ、支点の反対側の部分に力検出器が連結されるため、試料保持棒の支点の両側の重量バランスが確保しやすくなることから、全体構成を簡易なものとできるので、試料保持棒及びこれに取り付けられる部材の総重量を軽減することができる。このため、支持体と試料保持棒との間の支点に加わる荷重を低減できるから、当該支点における測定時の支持抵抗を低減することができる。したがって、摩擦力の測定精度をさらに向上することが可能になる。
この場合には、前記力検出器は前記試料保持棒に対して連結構造を介して取り付けられ、前記試料保持部に保持される試料が前記試料保持棒の下方位置に配置されるとともに、前記力検出器が前記連結構造に対して前記試料保持棒の下方位置において連結されることが好ましい。この場合にはさらに、前記試料保持棒と平行な補助リンクをさらに有し、前記試料保持棒と前記補助リンクが前記試料保持部と前記連結構造に対してそれぞれ回動自在に連結された平行リンクの機構が構成されることが望ましい。
上記連結構造は、前記試料保持棒と前記力検出器を連結する第1の主材と、該第1の主材と並行して前記試料保持棒に連結された第2の主材と、前記第1の主材と前記第2の主材を前記試料保持棒から離間した位置で連結する補強材とを有することが好ましい。これによれば、連結構造による重量の増加を抑制しつつ、連結構造の剛性を高めることができる。特に、前記第1の主材と前記第2の主材は前記試料保持棒を貫通して貫通部の両側に突出し、前記貫通部の両側においてそれぞれ前記第1の主材と前記第2の主材を連結する第1の前記補強材と第2の前記補強材を有することが望ましい。
また、本発明に係る摩擦試験装置は、上述の摩擦力伝達・検出機構と、前記支点の両側の重量バランスを調整可能とした重量バランス調整機構と、前記試料保持部と対向し、前記試料保持部に保持された試料と接触する相手材を前記試料保持棒の延在方向に移動可能とする摩擦試験部とを具備する。
本発明において、前記力検出器の検出軸を、前記試料と前記相手材との間に生ずる摩擦力と同軸に配置可能に調整する検出軸調整機構をさらに具備することが好ましい。
本発明に係る摩擦力伝達・検出機構によれば、力の伝達時における支持部での支持抵抗を低減し、精度よく力を伝達し検出することが可能になる。
本発明の実施の形態に関わる摩擦力伝達・検出機構の模式図である。 図1の支持部と試料保持棒の位置関係を示した、延在方向の断面図(a)及びこれと直交する方向の断面図(b)である。 本発明の他の実施例に関わる図2と同様の位置関係を示した説明図(a)及び(b)である。 本発明のさらに他の実施例に関わる図1と2と同様の位置関係を示した説明図(a)〜(c)である。 本発明の実施の形態に関わる測定装置全体の正面図である。 本発明の実施の形態に関わる摩擦力伝達機構の正面図である。 本発明の実施の形態に関わる測定装置全体の上面図である。 本発明の実施の形態に関わる測定装置全体の右側面図である。 本発明の実施の形態に関わる測定装置全体の左側面図である。
本発明に係る実施の形態を図面により説明する。図5は本実施の形態の測定装置全体の正面図を示す。図6は本発明に関わる摩擦力を伝達する機構を示し、この機構は図の右側にある試料保持部7と左側にある格子型ワイヤー掛け5を連絡する試料保持棒1をベアリングを用いた支持部で支えている。図7は測定装置の上面図、図8は測定装置の右側面図、図9は測定装置の左側面図である。
図5に示すごとく、図面左側にあるモータケース13の内部にはDCモータ15(図8及び図9参照)が収められ、図面の手前から奥に移動可能であるX軸ステージ14に取付けられている。X軸ステージ14は装置台20に固定されている。前記DCモータ15の回転軸には、板状試料(相手材)を回転させるための試料台11が接続されている。板状試料は試料台11上面に例えばリング状の試料押え12を用いてはさみ固定する。試料台11上にある板状試料の表面にボール型の試料10を押し付けた状態で試料台11を回転させることで摩擦力を発生させる。試料保持部7と分銅を載せる分銅皿6が試料保持棒1の右側に取りつけてあり、格子型ワイヤー掛け5が試料保持棒1の左側に取り付けてある。この試料保持棒1はZ軸ステージ16に取りつけられた支持軸固定部4の中にある支持部2で支持されている。Z軸ステージ16は装置台20に固定されている。装置台20の上部右側にある力検出部19にはロードセル(力検出器)が用いられている。力検出部19は上下に移動可能なZ軸ステージ18に取付けられている。前記Z軸ステージ18は図の左右方向に移動可能なY軸ステージ17に取付けられている。Y軸ステージ17は装置台20に固定されている。
図6に示すごとく、試料保持棒1の図示左側の部分には、試料保持棒1の下方にある位置で試料を保持する試料保持部7が取り付けられており、試料保持棒1の図示右側の部分には、試料保持棒1の下方にある位置に至る格子型ワイヤー掛け5が取り付けられている。試料保持棒1は支持軸3にはめられた、例えば円筒状のボールベアリングを用いた支持部2(上記軸受構造に相当する。)の外周面(円筒面)に支持されており、リング型のカウンターウエイト23により水平に保たれる。
試料保持棒1は左側を旋盤により細く加工するなどの方法で形成した先端部において連結部8と連絡している。右側はドリルで穴をあけるなどの方法で形成した取付部において格子型ワイヤー掛け5が取り付けられている。試料保持棒1の中央には逆U字型にフライスで加工するなどの方法で形成した下方に向いた凹溝部(加工部)1aが設けてある。逆U字型の凹溝部1aの上辺の表面はフライス仕上げなどで平滑に形成され、凹溝部1aの上辺にある角は例えばR1で丸め加工してある。
図1及び図2に示すように、凹溝部1aの上辺は試料保持棒1の延在方向に沿った面(平坦面)であり、この上辺に支持部2の外周面が支持軸3の軸線と試料保持棒1の軸線が直交する状態で線状に接触している。凹溝部1aの左右幅は支持部2の径より大きく、その左右側面は支持部2に接していないが、試料保持部1を水平に保つ際に試料保持棒1が左右に大きく転がらないようにするストッパーの役割を担っている。支持軸3は上記支持軸固定部4に固定されている。支持部2の外周面は軸受構造によって支持軸3の周りを小さな回転抵抗で回転するように構成されている。これにより、支持部2の外周面が試料保持棒1の上記凹溝部1aの上辺に当接したまま、当該上辺の表面に沿って試料保持棒1がその延在方向に小さな抵抗で移動可能になるように構成される。
試料保持棒1の凹溝部1aの上辺の表面と支持部2の外周面との当接点は、支持体である支持軸固定部4に対する試料保持棒1の支点を形成する。そして、試料保持棒1は当該支点を中心として回動可能に支持された状態となっている。試料保持棒1は上記支点の両側に延在し、上記支点の一方の側の部分には下方に延在する試料保持部7が取り付けられ、他方の側の部分には下方に延在する部分を含む格子型ワイヤー掛け5が取り付けられる。
試料保持部7は板状試料と直接接するボール型の試料10を全ねじとボルトなどで固定する筒状の保持具9および試料保持棒1とつなぐ役割を持つ結合部8の2つから構成される部分である。結合部8の上部には上記分銅皿6が取り付けられている。
格子型ワイヤー掛け5は、縦方向に延在する姿勢で試料保持棒1に貫通した状態で取り付け配置された例えばアルミ製の全ねじで構成される2本の主材5Aと、横方向に延在する姿勢で配置された例えばR10のアルミ製の円柱材で構成される2本の補強材5Bとを有する格子型に構成されている。補強材5Bは試料保持棒1から上下に離間した位置でそれぞれ例えばボルトを用いて挟むことで全ねじからなる2本の主材5Aの間を連結するように固定されている。格子型ワイヤー掛け5を主材5Aと補強材5Bで格子状に構成することで、重量の増加を抑制しつつ、ワイヤー掛けが主材5A一本のみで構成される状態に比べ大きくモーメントが低減するためより精度の高い測定結果が得られる。特に、2本の補強材5Bを主材5Aの試料保持棒1に対する貫通部の上方位置と下方位置でそれぞれ主材5A間を連結するように構成することにより、極めて高い剛性を確保することができる。
力検出部19は水平に架設されたワイヤー22に加わる力を検出するようになっている。このワイヤー22は図の右側の主材5A(全ねじ)の下部に引掛けられるなどの方法でワイヤー掛け5に接続される。ワイヤー22は延長線上に試料の接触点があるように接続される。また、ワイヤー22の延長方向(図示例では水平方向)が後述する摩擦力の方向(同じく水平方向)と一致することが望ましい。このようにすれば、アッベの測定原理に基づいて、精度のよい摩擦力の検出が可能となる。
ワイヤー22はロードセルが用いられている力検出部19の上部に取付けられているボルト21で挟み込み固定する。力検出部19はY軸ステージ17とZ軸ステージ18に取付けられており、Y軸ステージ17によって力検出部19の上下の調整が可能になり、Z軸ステージ18によって左右の調整が可能になっている。これらのY軸ステージ17及びZ軸ステージ18は、力検出部19の検出軸(ワイヤー22)を試料10が受ける摩擦力と同軸となるように調整する検出軸調整機構に相当する。
試料台11には測定する板状試料が直接載るため試料台上面が水平となるように加工した。試料台11には板状試料(の外周)を抑える役目のある試料押え12がボルト4つなどで固定されるようになっている。前述の試料台11の下にはDCモータ15が設置され、前述のDCモータ15によって試料台11と試料押え12が回転する。DCモータ15はモータケース13で囲われており、モータケース13はX軸ステージ14に載っている。前述のX軸ステージ14によって、試料台11は図の手前から奥に移動可能であり、これにより回転の半径を調整可能である。この試料台11は摩擦試験部に相当する。
Z軸ステージ16は、装置台20と一体になっている。Z軸ステージ16によって支持軸固定部4及び試料保持棒1の上下調節が可能である。装置台20は水平が保たれており今回の試験機には最適である。
本実施形態の摩擦試験装置では、以下のようにして試料10と板状試料(相手材)の間の摩擦力を測定する。まず、Z軸ステージ16を用いて支持軸固定部4を上昇させ、試料保持部7の保持具9に保持される試料10が試料台11上の板状試料に接触しないようにし、また、ワイヤー22を格子型ワイヤー掛け5から外しておくか、或いは、ワイヤー22を力検出部19から外しておく。さらに、分銅皿6に分銅(錘)を載せていない状態とし、試料保持棒1の支点の両側の重量バランスをとり、試料保持棒1が水平になるようにカウンターウエイト23の位置を調整する。試料保持棒1が水平になったら、Z軸ステージ16を用いて支持軸固定部4を降下させ、試料10を板状試料の表面に接触させる。このとき、試料保持棒1の水平姿勢が保たれるようにすると、試料10と相手材の接触点に加わる荷重を実質的に0に設定することができる。また、ワイヤー掛け5にワイヤー22を接続し、試料保持棒1によって伝達される摩擦力を力検出部19で検出できるようにする。ここで、力検出部19の位置をY軸ステージ17及びZ軸ステージ18により調整することで、ワイヤー22の高さと延長方向を試料台11上の試料10と板状試料の接触点の高さと当該接触点で生ずる摩擦力の方向に一致させ、検出軸を摩擦力と同軸に設定する。
次に、上記分銅皿6上に分銅(錘)を載せて試料10と板状試料の接触点に荷重を与える。この荷重は摩擦力測定時の垂直抗力を与える。そして、試料台11を回転駆動して板状試料を回転させることで、試料10と板状試料の間に摩擦力を生じさせる。このとき、試料保持部7が受ける摩擦力は試料保持棒1に伝達され、ワイヤー掛け5及びワイヤー22を介して力検出部19において検出される。なお、本実施形態の場合には試料保持棒1がその延在方向に移動可能に構成されているため、上記の重量バランスの調整後の固定部4の降下過程及びその後の試料10の接触時に試料保持棒1が不安定になる場合がある。このため、上記方法とは異なり、重量バランスを調整して試料保持棒1を水平にした時点で分銅を載せて試料10を接触させてから、試料保持棒1が再び水平になるまで固定部4を降下させることが好ましい。これによれば、試料保持棒1の揺れを防止して安定した状態で調整作業ができる。
本実施形態では、図1に示すような試料保持棒1を支持軸固定部4(支持体に相当する。)に支持する構造として、支持軸固定部4に固定された支持軸3に取り付けられた支持部2に軸受構造を用い、この軸受構造を介して試料保持棒1を支持する態様で、支持部2の外周面上に支点が形成される。このことで、試料保持棒1が軸受構造の小さな抵抗で容易にその延在方向に移動可能に構成される。このため、試料保持棒1が試料10と相手材表面の間に発生した摩擦力を図の右側にあるロードセルなどの力検出部19に損失なく伝達できる。図1に示す左向きの点線で示す矢印が摩擦力の発生方向である。摩擦力は試料保持棒1の延在方向に一致するように発生させる。本実施形態においては、支持軸固定部4に対して試料保持棒1をその延在方向に移動可能に構成する軸受構造を設けている。したがって、摩擦力の発生方向に試料保持棒1が移動可能となるように試料保持棒1は支持部2に支持されている。試料保持棒1は支持部2に支持された状態で、カウンターウエイト23を図1に示す左右方向の点線で示す矢印方向に動かすことで水平に保つことができ、試料10に所定の荷重を試料10や試料保持部7の質量に影響されることなくかけることができる。
本実施形態は支持部2に軸受構造を使用することにより試料保持棒1が摩擦力の発生する方向に移動可能な機構を提供するものである。そのため支持部2は支持軸3と試料保持棒1が直交する構成において、支持軸3と試料保持棒1の間に接触して(介在して)軸受機能を奏するように構成されている。ただし、図2に示すように、支持部2は支持軸3により支持軸固定部4に固定される構造に限らず、図3に示すように支持部2が支持軸固定部4の両端に試料保持棒1を挟んで配置するような構造も提案できる。この場合、本実施形態では図2に示すように試料保持棒1が支持部2に当接することで支点が形成されるとともに支持部2がその軸受機能により支持軸固定部4に固定された支持軸3に対して回転可能に軸支されているが、これとは逆に、図3に示すように支持部2がその軸受機能により試料保持棒1に固定された支持軸3に対して回転可能に軸支されるとともに支持部2が固定部4(図示例では固定部4に設けられた開口部の内面のうち平坦な下辺)に当接することで支点が形成されるように構成してもよい。すなわち、試料保持棒1と固定部4の間において、支持部2の軸受構造が支点に対して固定部4の側と試料保持棒1の側のいずれの側に存在していてもよい。
ほかにも、図4に示すように試料保持棒1と平行に配置された補助リンク1′を設け、試料保持棒1が上記と同様に支持部2により支持体である固定部4に支持され、補助リンク1′は直接固定部4には支持されていない態様とするとともに、試料保持部7と格子型ワイヤー掛け5が図示上下に配置された前記試料保持棒1と補助リンク1′に対してそれぞれ軸受24のようななめらかに動くピンで留めてあるなどの回動自在な連結点で連結されてなる平行リンクの機構を設けてもよい。この場合には、測定時において試料10及び試料保持部7が摩擦試験部の動作に応じて僅かな上下動を生じても試料保持部7とワイヤー掛け5の姿勢が維持されるとともに機構の剛性が高められるため、測定精度の低下を抑制できる。また、支持部2が図示前後に配置された二本の試料保持棒1により挟まれた形状など、さまざまな形状が提案でき、支持軸3で支持された支持部2や支持固定部4、試料保持棒1の配置や形状には本発明は依存しない。支持部2には、玉軸受、ころ軸受などの転がり軸受、すべり軸受けなどのほか空気軸受といった空気圧や磁気軸受といった磁気浮揚力などにより支持する機構(摩擦抵抗の小さな軸受機構)も用いることができる。
試料保持部7は試料10を固定でき、試料保持棒1の支点の一方の側の部分と連結できる。試料保持棒1の支点の反対側の部分(右側)には上述の格子型ワイヤー掛け5などの力検出部19に対する連結構造が取り付けられる。格子型ワイヤー掛け5は、縦方向に配置された2本の主材(軸)5Aと横方向に配置された2本の補強材5Bから構成される格子型になっている。力検出部19の一部を構成するワイヤー22は図の右側の主材5Aの下部に引掛けられる。これにより、試料保持棒1に対して下方に配置される試験部位(試料10と相手材との接触点すなわち摩擦力が生ずる位置)と力検出部19の検出位置とを上下方向に近づけることができ、特に上述のようにワイヤー22は延長線上に試料の接触点があるように接続できる。そして、摩擦力の発生位置及び発生方向と力検出部19の検出位置及び検出方向(ワイヤー22の延長方向)とが一致するように調整すれば、すなわち、摩擦力の発生方向と摩擦力の検出測定軸を同一軸線上に配置することで、アッベの原理を満足することができ、精度のよい摩擦力検出が可能である。上記のように試料保持棒1において支点の一方と他方の側にそれぞれ試料保持部7と力検出部19が接続されることにより、支点の両側の重量の本来的な偏りを軽減して全体構成を簡易なものとすることができるとともに、試料保持棒1の支点に加わる全荷重を低減することができるため、支点において生ずる摩擦抵抗を軽減することができ、これによって軸受構造を用いた利点をさらに高めることができる。
また、本実施形態の摩擦力伝達・検出機構を用いることにより軸受構造により試料保持棒1が支持体に対して延在方向に移動可能に支持されるので力検出部19と摩擦力発生部分を分離(離間)する(支点の反対側に配置する)ことが可能であり、摩擦力発生部分で発生する振動などの影響を受けにくくなる。さらに、摩擦力発生部や支持部2に力検出部19が直接接触していないためこの部分の機構が大きく複雑になることがない。したがって、全体の機構が簡便で小さくすることが可能であり、軽量化も容易である。
また、格子型ワイヤー掛け5を格子状にすることで、重量の増加を抑制しつつ、ワイヤー掛けが一本のみでの状態に比べ大きく摩擦力発生やモーメントが低減するためより精度の高い測定結果が得られる。
本発明の実施の形態による摩擦力伝達・検出能力を評価するために、ワイヤー22に固定滑車を介して分銅を引掛け、力検出部19に荷重をかけた場合(ケース1)と、図4の状態で試料10に固定滑車を介して分銅を引掛け、力検出部19に荷重をかけた場合(ケース2)の出力電圧測定結果を表1に示す。表1で示されたとおり出力電圧の誤差は最大で3.2%であり、この試験で用いた力検出部19のロードセルの出力誤差が5%であるため、摩擦力伝達の際の支持部2での摩擦損失は非常に小さく、摩擦力検出が精度よく行えていることが確認できる。なお、誤差の右側の括弧内に付した+と−は、試料保持棒1を介して検出した際の検出値の増減を示したものである。
また、測定精度、軽量化、及び、機構の簡易性の三点について、それぞれ、本実施形態の各実施例と、上記特許文献1の構成を想定した比較例1と、上記特許文献2の構成を想定した比較例2と、上記特許文献3を想定した比較例3とを対比して示す。これによれば、上記三点についてはいずれも本実施形態の構成が最も有効であり、著しく高い総合評価を得ることができる。なお、軽量化は支点における摩擦抵抗の軽減や各部構造体の撓みの低減により測定精度に対し好適に影響する。また、軽量化と機構の簡易性は相互に大きな相関を有するとともに、調整作業の容易化や製造コストの低減をもたらす上で共に有用である。
尚、本発明に係る摩擦力伝達・検出機構及びこれを用いた摩擦試験装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では支持部2の軸受構造の外周面上に支点を形成するように構成しているが、単なる凸曲面と延在方向に平坦な面の当接構造により支点を形成し、凸曲面の当接点が平坦な面に沿って移動可能となるように構成してもよい。また、上記実施形態では試料保持棒1のうち試料保持部7と接続される側とは支点を挟んで反対側にワイヤー掛け5を接続して力検出部19に連結しているが、力検出部19は試料保持部7が受ける摩擦力を試料保持棒1を介して検出するものであれば如何なる検出構成を採用してもよい。
1 試料保持棒
2 支持部(軸受構造)
3 支持軸
4 支持軸固定部
5 格子型ワイヤー掛け
6 分銅皿
7 試料保持部
8 結合部
9 保持具
10 試料
11 試料台
12 試料押え
13 モータケース
14 X軸ステージ
15 DCモータ
16 Z軸ステージ
17 Y軸ステージ
18 Z軸小ステージ
19 力検出部
20 装置台
21 ボルト
22 ワイヤー
23 カウンターウエイト
24 軸受

Claims (5)

  1. 支持体と、前記支持体に支持された支点の両側に延在し、前記支点を中心として回動可能に構成された試料保持棒と、前記試料保持棒の前記支点に対する一方の側に取り付けられた試料保持部と、前記試料保持棒を介して前記試料保持部が受ける摩擦力を検出する力検出器と、前記支点の当接状態を維持したまま前記支持体に対して前記試料保持棒をその延在方向に移動可能に構成する支持部と、を具備することを特徴とする摩擦力伝達・検出機構。
  2. 前記支持部は、前記支持体と前記試料保持棒のうちの一方に対して前記延在方向と直交する軸線周りに回転自在に取り付けられた外周面を有する軸受構造を含み、前記支持体と前記試料保持棒のうちの他方に設けられた前記延在方向に沿った面に前記外周面が当接して前記支点を構成することを特徴とする請求項1に記載の摩擦力伝達・検出機構。
  3. 前記力検出器は、前記試料保持棒における前記試料保持部が取り付けられた側とは反対側の部分に連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の摩擦力伝達・検出機構。
  4. 前記力検出器は前記試料保持棒に対して連結構造を介して取り付けられ、
    前記試料保持部に保持される試料が前記試料保持棒の下方位置に配置されるとともに、前記力検出器が前記連結構造に対して前記試料保持棒の下方位置において連結されることを特徴とする請求項3に記載の摩擦力伝達・検出機構。
  5. 前記連結構造は、前記試料保持棒と前記力検出器を連結する第1の主材と、該第1の主材と並行して前記試料保持棒に連結された第2の主材と、前記第1の主材と前記第2の主材を前記試料保持棒から離間した位置で連結する補強材とを有することを特徴とする請求項4に記載の摩擦力伝達・検出機構。
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