JP2013183756A - 放射線量測定システムおよび放射線量測定方法 - Google Patents

放射線量測定システムおよび放射線量測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013183756A
JP2013183756A JP2012048673A JP2012048673A JP2013183756A JP 2013183756 A JP2013183756 A JP 2013183756A JP 2012048673 A JP2012048673 A JP 2012048673A JP 2012048673 A JP2012048673 A JP 2012048673A JP 2013183756 A JP2013183756 A JP 2013183756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scintillator
radiation dose
radiation
living body
photons
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012048673A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5842208B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Hosogai
良行 細貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2012048673A priority Critical patent/JP5842208B2/ja
Publication of JP2013183756A publication Critical patent/JP2013183756A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5842208B2 publication Critical patent/JP5842208B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Abstract

【課題】一般的な人の全ての臓器に対して放射線量の測定が可能であり、さらに、物質毎に光の減衰を考慮して正確な放射線量を求めることができる放射線量測定システムおよび放射線量測定方法を提供する。
【解決手段】シンチレーター11が、生体内に取付可能に設けられている。計数手段12が、生体に放射線を照射したとき、生体内に取り付けられたシンチレーター11が発した光子の数を、生体の外部で計測するよう構成されている。解析手段13が、計数手段12で計測された光子の数に対して、シンチレーター11と計数手段12との間に存在する物質の種類と厚みとに基づいて補正を行い、その補正値に基づいてシンチレーター11に入射した放射線量を求めるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線量測定システムおよび放射線量測定方法に関する。
現在、放射線治療においては、治療体位で撮像したCT画像上で最適な線量分布を作成する三次元治療計画装置による治療計画のもと、実際の照射が行われている。しかし、実際にその計画通りの分布で放射線が照射されていることを確認する方法は、今のところ確立されていない。このため、放射線照射中に、患部に放射線が正しく照射されているか否か、どのくらいの放射線が患部に照射されたか(患部の放射線量)が、不明である。
従来、放射線の照射線量をリアルタイムに測定できる装置として、プラスチックシンチレーターを用いた放射線検出器を生体に埋め込み、放射線の入射によりプラスチックシンチレーターが発した信号に基づいて、放射線検出器が磁場を発生し、その磁場を離れた場所から磁束検出器により放射線量として検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。しかし、この装置は、プラスチックシンチレーターが放射線照射により劣化することや、放射線検出器を無菌的に埋め込むことが困難であることなどの問題があり、実用的ではない。
このような問題を解決するために、シンチレーターを生体に埋め込み、放射線によりシンチレーターから発せられる蛍光を、生体外に設けられたCCDカメラから成る蛍光検知手段で検知し、検知された蛍光の強度から放射線量を求める放射線量測定システムが開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−10516号公報 特開2008−49145号公報
しかしながら、特許文献2に記載の放射線量測定システムでは、肉厚が約3cm以内の位置に埋め込まれたシンチレーターの蛍光は検知することができるが、それ以上深い位置からの放射線量の測定は困難であるという課題があった。また、生体が蛍光に与える影響を考慮する旨は記載されているが、光の減衰を考慮する具体的な手段については提示されていないという課題もあった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、一般的な人の全ての臓器に対して放射線量の測定が可能であり、さらに、物質毎に光の減衰を考慮して正確な放射線量を求めることができる放射線量測定システムおよび放射線量測定方法を提供することを目的としている。
本発明に係る放射線量測定システムは、生体内に取付可能に設けられ、放射線が入射すると光を発するシンチレーターと、前記生体に放射線を照射したとき、前記生体内に取り付けられた前記シンチレーターが発した光子の数を、前記生体の外部で計測する計数手段と、前記計数手段で計測された光子の数に対して、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質に応じた補正を行い、その補正値に基づいて前記シンチレーターに入射した放射線量を求める解析手段とを、有することを特徴とする。
本発明に係る放射線量測定方法は、放射線が入射すると光を発するシンチレーターを生体内に取り付ける取付ステップと、前記取付ステップの後、前記生体に放射線を照射して、前記シンチレーターが発した光子の数を、計測手段により前記生体の外部で計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測された光子の数に対して、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質に応じた補正を行う補正ステップと、前記補正ステップで得られた補正値に基づいて前記シンチレーターに入射した放射線量を求める放射線量算出ステップとを、有することを特徴とする。
本発明に係る放射線量測定方法は、放射線治療等の際に、本発明に係る放射線量測定システムにより好適に実施される。本発明に係る放射線量測定システムおよび放射線量測定方法は、シンチレーターが発した光子の数を計数手段により計測することにより、CCDカメラで光を検知する場合と比べて、光の検出能力を高めることができる。計測手段により、肉厚が最大10cm程度までの位置に埋め込まれたシンチレーターからの光子の数を計測することができ、一般的な人の全ての臓器に対して放射線量の測定が可能である。また、シンチレーターと計数手段との間に存在する物質に応じた補正を行うことにより、正確な放射線量を求めることができる。
本発明に係る放射線量測定システムおよび放射線量測定方法は、シンチレーターを患部に取り付けることにより、放射線治療中に患部に放射線が正しく照射されていることを確認できるとともに、患部の放射線量をリアルタイムでモニタリングすることができる。また、計数手段により、放射線の影響を受けない、離れた場所で計測を行うことができ、測定作業者の安全性を確保することができる。シンチレーターは、放射線が入射すると光を発するものであれば、いかなるものであってもよいが、特に酸化アルミニウムAlの結晶から成るルビー(コランダム)から成ることが好ましい。なお、ルビー(コランダム)は、人造されており、容易に入手可能である。人工ルビーは、放射線を当てると694.3mmの赤色の蛍光を発する。計数手段は、光電子増倍管を有するフォトンカウンタから成ることが好ましい。
本発明に係る放射線量測定システムで、前記解析手段は、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質の種類と厚みとに基づいて補正を行うことが好ましい。本発明に係る放射線量測定方法で、前記補正ステップは、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質の種類と厚みとに基づいて補正を行うことが好ましい。この場合、物質の種類が異なれば、光の減衰率が変わるため、物質毎に光の減衰を考慮することにより、より正確な放射線量を求めることができる。
本発明に係る放射線量測定システムで、前記解析手段は、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質を、臓器および筋肉、脂質、空気の3種類に分類したとき、前記計数手段から前記シンチレーターに向かって物質の種類毎に、順次、減衰式 Y=a×X−b(ここで、Yは光子の数、Xは各物質の厚み(mm)であり、物質の種類が、臓器および筋肉のとき、a=2×10、b=2.82、脂質のとき、a=1×1010、b=4.138、空気のとき、a=485564、b=1.178である)に基づいて、光子の数の補正値を求めてもよい。
本発明に係る放射線量測定方法で、前記補正ステップは、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質を、臓器および筋肉、脂質、空気の3種類に分類したとき、前記計数手段から前記シンチレーターに向かって物質の種類毎に、順次、減衰式 Y=a×X−b(ここで、Yは光子の数、Xは各物質の厚み(mm)であり、物質の種類が、臓器および筋肉のとき、a=2×10、b=2.82、脂質のとき、a=1×1010、b=4.138、空気のとき、a=485564、b=1.178である)に基づいて、光子の数の補正値を求めてもよい。
この減衰式を利用する場合、光の減衰率の観点から、生体の内部の物質を臓器および筋肉と脂質とに分類し、これらに生体の外部空間の空気を加えた3種類の物質について光の減衰を考慮することにより、より正確な補正を行うことができ、放射線量を高精度で求めることができる。
本発明に係る放射線量測定システムで、前記解析手段は、あらかじめ求められた、前記シンチレーターに入射する放射線量と前記シンチレーターが発する光子の数との関係に基づいて、前記補正値から前記シンチレーターに入射した放射線量を求めることが好ましい。本発明に係る放射線量測定方法で、前記放射線量算出ステップは、あらかじめ求められた、前記シンチレーターに入射する放射線量と前記シンチレーターが発する光子の数との関係に基づいて、前記補正値から前記シンチレーターに入射した放射線量を求めることが好ましい。この場合、計数手段により計測された光子の数から、放射線量を正確に求めることができる。
本発明に係る放射線量測定システムで、前記計数手段は、CCDカメラと、前記CCDカメラの各画素に対応するそれぞれの受光素子に接続され、先端に向かって徐々に断面積が拡がるよう形成された複数の光ファイバとを有し、各光ファイバの先端で前記シンチレーターが発した光子を捕らえるよう、前記光ファイバの先端を前記生体の周囲に配置可能であり、前記CCDカメラの各受光素子で前記シンチレーターが発した光子の数をそれぞれ計測するよう構成されており、前記解析手段は、前記CCDカメラの各受光素子でそれぞれ計測された光子の数に基づいて、前記シンチレーターに入射した放射線量を求めてもよい。この場合、より正確に放射線量を求めることができる。このとき、例えば、受光素子ごとに求められた放射線量の平均値を求めて、最終的に求める放射線量とすることができる。
本発明に係る放射線量測定システムで、前記シンチレーターは複数から成り、前記解析手段は、前記CCDカメラの各受光素子でそれぞれ計測された光子の数に基づいて、前記生体内の異なる場所に取り付けられた各シンチレーターに入射した放射線量と、前記生体に照射された放射線の位置およびその放射線量とを求めてもよい。この場合、リアルタイムで生体中の3次元の放射線量分布を求めることができる。このとき、例えば、CTで断面画像を得るための解析方法のように、最小自乗法を利用して逆問題を解くことにより、各シンチレーターに入射した放射線量と、生体に照射された放射線の位置およびその放射線量とを同時に求めることができる。光ファイバの数を増やして、光ファイバをより密に生体の周囲に配置することにより、放射線量分布の解像度を高めることができる。
本発明によれば、一般的な人の全ての臓器に対して放射線量の測定が可能であり、さらに、物質毎に光の減衰を考慮して正確な放射線量を求めることができる放射線量測定システムおよび放射線量測定方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の放射線量測定システムを示す全体構成図である。 本発明の実施の形態の放射線量測定システムの計数手段の変形例を示す拡大斜視図である。 図1に示す放射線量測定システムの(a)管電圧とカウント数、(b)管電流とカウント数、(c)撮影時間とカウント数との関係を示すグラフである。 図1に示す放射線量測定システムの(a)空気中、(b)水中での、シンチレーター(ルビー)とプローブとの距離に対するカウント数の変化を示すグラフである。 図1に示す放射線量測定システムの、肉片での距離減衰特性を測定する実験での、肉片とプローブとの配置を示す平面図である。 図5に示す放射線量測定システムの肉片での距離減衰特性を測定する実験の、肉片が(a)豚の赤身、(b)豚の脂身のときの、肉片の厚さに対するカウント数の変化を示すグラフである。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図6は、本発明の実施の形態の放射線量測定システムおよび放射線量測定方法を示している。
図1に示すように、放射線量測定システム10は、シンチレーター11と計数手段12と解析手段13とを有している。
シンチレーター11は、放射線が入射すると、694.3mmの赤色の蛍光を発する人工ルビーから成っている。シンチレーター11は、放射線治療の患者等の生体内に取付可能に構成されている。
計数手段12は、光ファイバ21とプローブ22と光電子増倍管23と高電圧電源24と前置増幅器25と比例増幅器26と波高分析器27と計数器28とを有するフォトンカウンタから成っている。プローブ22は、光ファイバ21の一端に形成されており、シンチレーター11が発する光を、光ファイバ21の端面から入力可能になっている。光電子増倍管23は、光ファイバ21の他端に接続され、光ファイバ21からの光が入射されるようになっている。光電子増倍管23は、光電効果を利用して、入射した光を光電陰極により光電子に変換し、さらに光電子を増倍するよう構成されている。高電圧電源24は、光電子増倍管23に電力を供給可能になっている。
前置増幅器25は、光電子増倍管23に接続され、光電子増倍管23からの電気信号を電圧パルスに変換するよう構成されている。比例増幅器26は、前置増幅器25に接続され、前置増幅器25からの電圧パルスをさらに増幅するよう構成されている。波高分析器27は、比例増幅器26に接続され、比例増幅器26からの電圧パルスのうち、設定されたパルス波高値の範囲内のパルスのみを選別するよう構成されている。計数器28は、波高分析器27に接続され、波高分析器27で選別されたパルスの数をカウントするよう構成されている。
これにより、計数手段12は、患者等の生体に放射線を照射したとき、生体内に取り付けられたシンチレーター11が発した光子の数を、生体の外部で計測可能になっている。なお、光電子増倍管23、高電圧電源24、前置増幅器25および比例増幅器26が、フォトンカウンティングシステムを成し、波高分析器27および計数器28がカウンティングユニットを成している。フォトンカウンティングシステムは、例えば、浜松ホトニクス株式会社製のフォトンカウンティングヘッド「H7421」等を有する構成から成っている。また、カウンティングユニットは、例えば、浜松ホトニクス株式会社製の「C8855」から成っている。
解析手段13は、コンピュータから成っており、計数手段12の計数器28に接続されている。解析手段13は、計数手段12で計測された光子の数に対して、シンチレーター11と計数手段12のプローブ22との間に存在する物質の種類と厚みとに基づいて補正を行うようになっている。また、解析手段13は、あらかじめ求められた、シンチレーター11に入射する放射線量とシンチレーター11が発する光子の数との関係に基づいて、光子の数の補正値からシンチレーター11に入射した放射線量を求めるようになっている。
本発明の実施の形態の放射線量測定方法は、放射線量測定システム10により好適に実施される。本発明の実施の形態の放射線量測定方法では、まず、放射線治療等の前に、患者の生体内の患部にシンチレーター11を取り付け、その後、生体に放射線を照射する。生体内のシンチレーター11に放射線が入射されると、シンチレーター11が光子を発し、その光子の数を、生体の外部に配置された計数手段12により計測する。計測された光子の数に基づいて、解析手段13により、シンチレーター11に入射した放射線量を求める。なお、シンチレーター11は、放射線治療等が終了するまで、生体内に取り付けておく。
本発明の実施の形態の放射線量測定システム10および放射線量測定方法は、シンチレーター11が発した光子の数を計数手段12により計測することにより、CCDカメラで光を検知する場合と比べて、光の検出能力を高めることができる。これにより、一般的な人の全ての臓器に対して放射線量の測定が可能である。また、解析手段13により、シンチレーター11と計数手段12のプローブ22との間に存在する物質の種類と厚みとに基づいて補正を行い、光の減衰率が異なる物質毎に光の減衰を考慮することにより、正確な放射線量を求めることができる。
本発明の実施の形態の放射線量測定システム10および放射線量測定方法は、シンチレーター11を患部に取り付けることにより、放射線治療中に患部に放射線が正しく照射されていることを確認できるとともに、患部の放射線量をリアルタイムでモニタリングすることができる。また、計数手段12により、放射線の影響を受けない、離れた場所で計測を行うことができ、測定作業者の安全性を確保することができる。
なお、図2に示すように、計数手段12が、CCDカメラ31と、CCDカメラ31の各画素に対応するそれぞれの受光素子32に接続され、先端に向かって徐々に断面積が拡がるよう形成された複数の光ファイバ21とを有し、各光ファイバ21の先端でシンチレーター11が発した光子を捕らえ、CCDカメラ31の各受光素子32でシンチレーター11が発した光子の数をそれぞれ計測するよう構成されていてもよい。この場合、光ファイバ21の先端を生体の周囲に配置し、解析手段13により、CCDカメラ31の各受光素子32でそれぞれ計測された光子の数に基づいて、シンチレーター11に入射した放射線量を求めることにより、より正確に放射線量を求めることができる。このとき、例えば、受光素子32ごとに求められた放射線量の平均値を求めて、最終的に求める放射線量とすることができる。図2に示す具体的な一例では、受光素子32の大きさは、16μm×16μmであり、光ファイバ21の先端の大きさは、5mm×5mmである。このとき、CCDカメラ31の画素数を1000×1000の100万画素とすると、1台のCCDカメラ31で、5m四方の面積をカバーすることができる。
また、シンチレーター11が複数から成り、解析手段13が、CCDカメラ31の各受光素子32でそれぞれ計測された光子の数に基づいて、生体内の異なる場所に取り付けられた各シンチレーター11に入射した放射線量と、生体に照射された放射線の位置およびその放射線量とを求めるよう構成されていてもよい。この場合、リアルタイムで生体中の3次元の放射線量分布を求めることができる。このとき、例えば、CTで断面画像を得るための解析方法のように、最小自乗法を利用して逆問題を解くことにより、各シンチレーター11に入射した放射線量と、生体に照射された放射線の位置およびその放射線量とを同時に求めることができる。光ファイバ21の数を増やして、光ファイバ21をより密に生体の周囲に配置することにより、放射線量分布の解像度を高めることができる。
なお、シンチレーター11とプローブ22との間に存在する物質の種類や厚みは、放射線治療計画時等におけるX線CT画像上で、あらかじめ容易に求めておくことができる。すなわち、X線CT画像を3次元構築した画像から、光の減衰に関わる体内の臓器や筋肉、脂肪等の種類を、CT値を利用することで把握することができるため、各物質間の具体的な距離や位置関係を把握することができ、シンチレーター11とプローブ22との間に存在する物質の種類や厚みを求めることができる。
[基本特性]
放射線量測定システム10について、X線照射装置から、空気中に置かれたシンチレーター11に向かってX線を照射し、シンチレーター11が発する光を測定する実験を行った。実験では、X線照射装置の管電圧および管電流、計測時間(撮影時間)をそれぞれ変化させ、それぞれの場合のカウント数(光子の数)を測定した。なお、以下の全ての実験で示す測定データは、計測手段で実際に測定されたデータから、配置等の条件を同じにしてX線を照射せずに測定を行ったバックグラウンドのデータを差し引いたものである。
管電流を100mA、撮影時間を100ms、シンチレーター11とプローブ22との距離を30cmとし、管電圧を、50〜130kVまで10kVずつ変化させて測定を行った。このときの測定結果を、図3(a)に示す。図3(a)には、測定データに最も良く合う直線近似での回帰式とその回帰直線、および、R値も示す。図3(a)に示すように、管電圧に比例して、カウント数が増加していることが確認された。これは、X線量が管電圧に比例することに一致している。
管電圧を80kV、撮影時間を100ms、シンチレーター11とプローブ22との距離を30cmとし、管電流を、50〜200mAまで50mAずつ変化させて測定を行った。このときの測定結果を、図3(b)に示す。図3(b)には、測定データに最も良く合う直線近似での回帰式とその回帰直線、および、R値も示す。図3(b)に示すように、管電流に比例して、カウント数が増加していることが確認された。これは、X線量が管電流にも比例することに一致している。
管電圧を80kV、管電流を100mA、シンチレーター11とプローブ22との距離を30cmとし、撮影時間(計測時間)を、50、100、160、200msと変化させて測定を行った。このときの測定結果を、図3(c)に示す。図3(c)には、測定データに最も良く合う直線近似での回帰式とその回帰直線、および、R値も示す。図3(c)に示すように、撮影時間に比例して、カウント数が増加していることが確認された。
[空気中および水中での距離減衰特性]
管電圧を80kV、管電流を100mA、撮影時間を100msとし、空気中にて、シンチレーター(ルビー)11とプローブ22との距離を、1〜80cmまで、1cm、2cmまたは10cm間隔で変化させて測定を行った。このときの測定結果を、図4(a)に示す。図4(a)には、測定データに最も良く合うY=a×Xの形での回帰式とその回帰曲線、および、R値も示す。図4(a)に示すように、シンチレーター11とプローブ22との距離が増加するに従って、カウント数の減少率が減少していき、シンチレーター11とプローブ22との距離が近いうち(10cm程度以下)は、その距離が増加するに従って、カウント数が急激に減少し、シンチレーター11とプローブ22との距離がある程度(10cm程度以上)離れると、カウント数が徐々に減少してゼロに近づいていくことが確認された。
管電圧を80kV、管電流を100mA、撮影時間を100msとし、水中にて、シンチレーター(ルビー)11とプローブ22との距離を、1〜80cmまで、1cm、2cmまたは10cm間隔で変化させて測定を行った。このときの測定結果を、図4(b)に示す。図4(b)には、測定データに最も良く合うY=a×Xの形での回帰式とその回帰曲線、および、R値も示す。図4(b)に示すように、シンチレーター11とプローブ22との距離が増加するに従って、カウント数の減少率が減少していき、シンチレーター11とプローブ22との距離が近いうち(5cm程度以下)は、その距離が増加するに従って、カウント数が急激に減少し、シンチレーター11とプローブ22との距離がある程度(5cm程度以上)離れると、カウント数が徐々に減少してゼロに近づいていくことが確認された。図4(a)の空気中での結果と比較すると、水中の方が光の減衰が大きいことが確認された。なお、水中ではプローブ22の向きを安定させることが難しかったため、空気中での測定と比べて、測定精度が低く、測定データにバラツキが認められる。
[肉片での距離減衰特性]
肉片にシンチレーター11を埋め込み、そのシンチレーター11に向かってX線を照射したときに、シンチレーター11が発する光を、肉片の外部に配置された計数手段12で測定する実験を行った。図5に示すように、シンチレーター11が回転台の回転中心に位置するよう肉片を回転台に載せ、プローブ22を回転台の外部でシンチレーター11と同じ高さの位置に固定してシンチレーター11に向けた状態で、回転台を回転させながら測定を行った。測定方向は、図5に示す16方向とした。また、肉片をCTで撮影し、シンチレーター11の位置や、各測定方向でのシンチレーター11から肉片の表面までの長さを正確に測定した。
管電圧を130kV、管電流を250mA、撮影時間を200ms、シンチレーター11とプローブ22との距離を18cmとした。使用した肉片は、縦16.9cm、横13.2cm、高さ5.6cmの豚の赤身、および、縦14.3cm、横13.7cm、高さ5.6cmの豚の脂身の2種類である。赤身および脂身での測定結果を、シンチレーター11から肉片の表面までの長さ(厚さ)に対するカウント数の変化としてまとめ、それぞれ図6(a)および(b)に示す。図6には、測定データに最も良く合うY=a×Xの形での回帰式とその回帰曲線、および、R値も示す。
図6(a)に示すように、赤身の厚さが増加するに従って、カウント数の減少率が減少していき、赤身が薄いうち(40mm程度以下)は、厚さが増加するに従って、カウント数が急激に減少し、ある程度の厚さ(40mm程度以上)になると、カウント数が徐々に減少してゼロに近づいていくことが確認された。また、図6(b)に示すように、脂身でも赤身と同様の傾向が認められ、脂身の厚さが増加するに従って、カウント数の減少率が減少していき、脂身が薄いうち(50mm程度以下)は、厚さが増加するに従って、カウント数が急激に減少し、ある程度の厚さ(50mm程度以上)になると、カウント数が徐々に減少してゼロに近づいていくことが確認された。
また、図6に示すように、赤身より脂身の方が、同じ厚さでもカウント数が多く、厚さの増加に対するカウント数の減少率が大きいことが確認された。同じ厚さのときの赤身および脂身のカウント数は、差が大きいところで、脂身が赤身の4〜6倍になっている。また、図6に示すように、赤身でも脂身でも共に、厚さ10cm程度でもシンチレーター11からの光子が計測されることが確認された。
光の減衰に関しては、人の生体の臓器や筋肉が豚の赤身に対応し、人の生体の脂質が豚の脂身に対応するものと考えると、図6に示す豚の赤身や脂身で得られたデータや、図4(a)に示す空気中でのデータを利用することにより、人の生体に埋め込んだシンチレーター11が発する光子の数を正確に補正することができる。これにより、シンチレーター11に入射する放射線量を高精度で求めることができる。また、直径20cm程度までであれば、生体に埋め込んだシンチレーター11が発する光子を計測できるため、一般的な人の全ての臓器に対して放射線量の測定が可能であるといえる。
10 放射線量測定システム
11 シンチレーター
12 計数手段
13 解析手段
21 光ファイバ
22 プローブ
23 光電子増倍管
24 高電圧電源
25 前置増幅器
26 比例増幅器
27 波高分析器
28 計数器

Claims (10)

  1. 生体内に取付可能に設けられ、放射線が入射すると光を発するシンチレーターと、
    前記生体に放射線を照射したとき、前記生体内に取り付けられた前記シンチレーターが発した光子の数を、前記生体の外部で計測する計数手段と、
    前記計数手段で計測された光子の数に対して、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質に応じた補正を行い、その補正値に基づいて前記シンチレーターに入射した放射線量を求める解析手段とを、
    有することを特徴とする放射線量測定システム。
  2. 前記解析手段は、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質の種類と厚みとに基づいて補正を行うことを特徴とする請求項1記載の放射線量測定システム。
  3. 前記解析手段は、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質を、臓器および筋肉、脂質、空気の3種類に分類したとき、前記計数手段から前記シンチレーターに向かって物質の種類毎に、順次、減衰式 Y=a×X−b(ここで、Y:光子の数、X:各物質の厚み(mm)、物質の種類が、臓器および筋肉のとき、a=2×10、b=2.82、脂質のとき、a=1×1010、b=4.138、空気のとき、a=485564、b=1.178である)に基づいて、光子の数の補正値を求めることを特徴とする請求項1または2記載の放射線量測定システム。
  4. 前記解析手段は、あらかじめ求められた、前記シンチレーターに入射する放射線量と前記シンチレーターが発する光子の数との関係に基づいて、前記補正値から前記シンチレーターに入射した放射線量を求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線量測定システム。
  5. 前記計数手段は、CCDカメラと、前記CCDカメラの各画素に対応するそれぞれの受光素子に接続され、先端に向かって徐々に断面積が拡がるよう形成された複数の光ファイバとを有し、各光ファイバの先端で前記シンチレーターが発した光子を捕らえるよう、前記光ファイバの先端を前記生体の周囲に配置可能であり、前記CCDカメラの各受光素子で前記シンチレーターが発した光子の数をそれぞれ計測するよう構成されており、
    前記解析手段は、前記CCDカメラの各受光素子でそれぞれ計測された光子の数に基づいて、前記シンチレーターに入射した放射線量を求めることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線量測定システム。
  6. 前記シンチレーターは複数から成り、
    前記解析手段は、前記CCDカメラの各受光素子でそれぞれ計測された光子の数に基づいて、前記生体内の異なる場所に取り付けられた各シンチレーターに入射した放射線量と、前記生体に照射された放射線の位置およびその放射線量とを求めることを、
    特徴とする請求項5記載の放射線量測定システム。
  7. 放射線が入射すると光を発するシンチレーターを生体内に取り付ける取付ステップと、
    前記取付ステップの後、前記生体に放射線を照射して、前記シンチレーターが発した光子の数を、計測手段により前記生体の外部で計測する計測ステップと、
    前記計測ステップで計測された光子の数に対して、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質に応じた補正を行う補正ステップと、
    前記補正ステップで得られた補正値に基づいて前記シンチレーターに入射した放射線量を求める放射線量算出ステップとを、
    有することを特徴とする放射線量測定方法。
  8. 前記補正ステップは、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質の種類と厚みとに基づいて補正を行うことを特徴とする請求項7記載の放射線量測定方法。
  9. 前記補正ステップは、前記シンチレーターと前記計数手段との間に存在する物質を、臓器および筋肉、脂質、空気の3種類に分類したとき、前記計数手段から前記シンチレーターに向かって物質の種類毎に、順次、減衰式 Y=a×X−b(ここで、Y:光子の数、X:各物質の厚み(mm)、物質の種類が、臓器および筋肉のとき、a=2×10、b=2.82、脂質のとき、a=1×1010、b=4.138、空気のとき、a=485564、b=1.178である)に基づいて、光子の数の補正値を求めることを特徴とする請求項7または8記載の放射線量測定方法。
  10. 前記放射線量算出ステップは、あらかじめ求められた、前記シンチレーターに入射する放射線量と前記シンチレーターが発する光子の数との関係に基づいて、前記補正値から前記シンチレーターに入射した放射線量を求めることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の放射線量測定方法。
JP2012048673A 2012-03-06 2012-03-06 放射線量測定システム Expired - Fee Related JP5842208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012048673A JP5842208B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 放射線量測定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012048673A JP5842208B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 放射線量測定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013183756A true JP2013183756A (ja) 2013-09-19
JP5842208B2 JP5842208B2 (ja) 2016-01-13

Family

ID=49385765

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012048673A Expired - Fee Related JP5842208B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 放射線量測定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5842208B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018003003A1 (ja) * 2016-06-28 2018-01-04 株式会社日立製作所 X線エネルギ分布測定装置およびx線治療装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09230053A (ja) * 1996-02-27 1997-09-05 Mitsubishi Electric Corp 深部線量測定装置
JP2008049145A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Hitachi Maxell Ltd 放射線量測定システム、放射線量測定方法およびそれに用いるシンチレーター

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09230053A (ja) * 1996-02-27 1997-09-05 Mitsubishi Electric Corp 深部線量測定装置
JP2008049145A (ja) * 2006-07-28 2008-03-06 Hitachi Maxell Ltd 放射線量測定システム、放射線量測定方法およびそれに用いるシンチレーター

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018003003A1 (ja) * 2016-06-28 2018-01-04 株式会社日立製作所 X線エネルギ分布測定装置およびx線治療装置
US10722734B2 (en) 2016-06-28 2020-07-28 Hitachi, Ltd. X-ray energy distribution measurement apparatus and X-ray therapy apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP5842208B2 (ja) 2016-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106030345B (zh) X射线探测器、成像装置和校准方法
US9186525B2 (en) Apparatus for particle therapy verification
US7636419B1 (en) Method and apparatus for automated three dimensional dosimetry
JP5779819B2 (ja) 放射線検出器
CN106415319B (zh) 光子计数型检测器
US10067238B2 (en) Method and apparatus for ion beam Bragg Peak measurement
US9035266B2 (en) Dosimeter and method for determining an energy dose of a pulsed radiation field
KR20180056482A (ko) 3차원 산란 방사선 영상장치와 이를 갖는 방사선 의료장비 및 3차원 산란 방사선 영상장치의 배치 방법
US10962656B2 (en) Method for measuring and representing the level of local irradiation doses
Goddu et al. Synchronized high‐speed scintillation imaging of proton beams, generated by a gantry‐mounted synchrocyclotron, on a pulse‐by‐pulse basis
JP2017187286A (ja) 放射線測定装置及び放射線測定方法
JP5842208B2 (ja) 放射線量測定システム
JP6344096B2 (ja) 放射線撮影装置
WO2018021039A1 (ja) 放射線治療モニタ、放射線治療システム及び放射線計測方法
Boivin et al. A novel tool for in vivo dosimetry in diagnostic and interventional radiology using plastic scintillation detectors
JP2012075666A (ja) X線透視撮影装置
Hachadorian et al. Cherenkov and scintillation imaging dosimetry
KR102388907B1 (ko) 즉발 감마선영상 및 양전자방출단층영상을 이용한 체내 양성자 선량분포 측정장치의 제어모듈
JP6354510B2 (ja) 放射線断層撮影装置
US11726217B2 (en) Systems and methods for measuring and tracking energy emitted by a radiation source
KR101066470B1 (ko) 치료용 강입자 빔 측정을 위한 검출 방법과 측정 방법 및 이를 적용한 빔 측정 장치
Rydygier et al. Studies of scintillator response to 60 MeV protons in a proton beam imaging system
WO2015145889A1 (ja) 乳房検査用画像撮影装置
KR101845436B1 (ko) 적재형 팬텀 방사선량계 및 그를 이용한 적재형 팬텀 방사선량계 시스템
Popotte Development and characterization of a scintillation dosimeter dedicated to CBCT in image-guided radiotherapy and exploratory study of the CBCT doses effect in DNA repair

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20141119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151013

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5842208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees