JP2013183676A - 藻場形成用鉄イオンの溶出体およびそれを用いた藻場形成用鉄イオンの溶出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】海域等の所望の場所に藻場を形成させるために、光合成生物(クロロフィルや藻)が摂取可能な二価の鉄イオン(Fe2+)を、効果的に海中に溶出させることができる鉄イオンの溶出体を提供する。
【解決手段】炭素材と金属鉄とを含み、該炭素材と該金属鉄との少なくとも一部を接触させる鉄イオンの溶出体とする。
【選択図】図1
【解決手段】炭素材と金属鉄とを含み、該炭素材と該金属鉄との少なくとも一部を接触させる鉄イオンの溶出体とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、藻場を形成するために必要な鉄イオンを、藻場に対して適度に供給できる鉄イオンの溶出体およびその溶出体を用いた鉄イオンの溶出方法に関するものである。
日本国民の食糧資源は、多くが外国からの輸入品に依存し、特に、タンパク資源である肉類は、外国産の比率が大きい。しかしながら、日本にはタンパク資源の一つとして魚類がある。すなわち、我が国は、周囲を海に囲まれた島国であり、古来より海からの恵みを受けることでタンパク質を摂取してきた。ところが、昨今では、漁業資源の乱獲や、海洋の水質汚染などから、漁獲量が減少する一方で、人口は増加しているため、豊かであったはずの漁業資源でさえも外国からの輸入に頼らなければならなくなった。
我が国が置かれている環境を再考するならば、周囲が海洋であって膨大な水域を保有している。従って、そこでの魚類の繁殖や増殖ができる環境、すなわち海洋牧場の構築が検討されるべきである。ここで、海洋牧場が構築されれば、獲るだけのしかも天候に左右されやすい不安定な漁業から、荒海に出ていくことがなく、かつ計画的に育てることができる安全で安定的な漁業に変えることができる。
しかしながら、その海洋牧場の構築が達成されるためには、魚類が棲息しやすい、増殖しやすい海洋環境が構築されることが必要である。
そこで、魚類が棲息および増殖しやすい海洋環境に必須なものを考えると、魚類にとって不可欠な水中に溶解している酸素が挙げられる。そして、水中の酸素濃度を高めるためには、水中で酸素を発生する植物、すなわち藻類の繁茂する藻場を作ることが有効である。藻場が生成すると、酸素が発生し、多数の魚類の棲息が可能となる、さらに、藻場は、魚類の隠れ場や、棲息場、産卵場ともなる。すなわち、藻場は、魚類にとって棲息および増殖しやすい海洋環境に重要なものといえる。
そこで、魚類が棲息および増殖しやすい海洋環境に必須なものを考えると、魚類にとって不可欠な水中に溶解している酸素が挙げられる。そして、水中の酸素濃度を高めるためには、水中で酸素を発生する植物、すなわち藻類の繁茂する藻場を作ることが有効である。藻場が生成すると、酸素が発生し、多数の魚類の棲息が可能となる、さらに、藻場は、魚類の隠れ場や、棲息場、産卵場ともなる。すなわち、藻場は、魚類にとって棲息および増殖しやすい海洋環境に重要なものといえる。
また、養殖関係の方々は、豊かな海は、森によって作られると言っている。これは、豊かな森を作ることによって、海水に溶解性の鉄分(フルボ酸鉄)が供給されることを示している。すなわち、上記の鉄分により、水中のクロロフィル濃度が増大して藻類が繁茂し、藻が沢山生えている藻場となる。ついで、プランクトンが増え、最終的に魚類の棲息および増殖しやすい海洋環境が得られるのである。
そこで、従来から、上記鉄分を供給するために、フルボ酸鉄を人工的に供給する方法が、特許文献1および2に開示されている。
また、海水中の鉄濃度を増加させるために、硫酸鉄などの鉄塩を海水中にまく鉄散布法などがある。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、フルボ酸鉄を生成するために、ダム湖底に堆積した腐植物を採取する必要があり、その採取には大きな労力を要し、1回きりの使用が前提で、継続使用については考慮されていない。
また、特許文献2に記載の方法は、発酵促進剤を用いるものの廃木材が自然に発酵するのを待つ必要があり、その効果が発現するまでには多大な時間を要するだけでなく、その効果は安定性の点で問題が残っていた。さらに、特許文献1と同じく、継続使用については考慮されていない。
さらに、鉄散布法は、その効果を持続させるために、常に薬剤を投入し続けなければならないという問題がある。
加えて、上掲特許文献2に記載されているように、光合成生物(クロロフィル)が摂取可能な二価の鉄イオン(Fe2+)は、直接的に海中に溶出させても、水中の酸素によって酸化され易いので、三価の鉄イオン(Fe3+)になって即座に粒状鉄(Fe2O3)となって沈降し、生物が摂取することは不可能である、とされてきた。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、光合成生物(クロロフィル、藻)が摂取可能な二価の鉄イオン(Fe2+)を、効果的に海中に溶出させることができる鉄イオンの溶出体を、それを用いた藻場形成用鉄イオンの溶出方法と共に提供することを目的とする。
発明者は、これらのような種々の問題を解決するべく鋭意研究を重ね、簡単な仕組みで、特別なエネルギーを必要とせず、かつ持続的に最適量の鉄イオンを海水中に供給する方法を見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.藻場を形成するための鉄イオンの溶出体であって、炭素材と金属鉄とを含み、該炭素材と該金属鉄との少なくとも一部が接触していることを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出体。
1.藻場を形成するための鉄イオンの溶出体であって、炭素材と金属鉄とを含み、該炭素材と該金属鉄との少なくとも一部が接触していることを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出体。
2.前記炭素材の電気伝導度が体積抵抗率で103Ω・cm以下であることを特徴とする前記1に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
3.前記炭素材が、炭素繊維強化プラスチック、膨張黒鉛シートおよび木炭のうちから選んだ少なくとも1種であることを特徴とする前記1または2に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
4.前記金属鉄を含む鉄材が、Fe含有量:5質量%以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
5.前記鉄材が円筒形状であって溶出体の中心とし、その外周に、短冊状、シート状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす炭素材を配置することを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
6.炭素材が円筒形状であって溶出体の中心とし、その外周に、短冊状、メッシュ状、線状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす前記鉄材を配置することを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
7.前記鉄材と前記炭素材とが対向配置になり、該鉄材が2個以上の突起部を有し、該突起部で該炭素材と接触していることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
8.前記鉄材と前記炭素材とが対向配置になり、該炭素材が2個以上の突起部を有し、該突起部で該鉄材と接触していることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
9.前記炭素材が逆錐台形状であって、該逆錐台形状炭素材の内部に前記鉄材を載置したことを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
10.前記鉄材と炭素材との外側から、自己収縮性を持つメッシュで包んだことを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
11.前記鉄材および前記炭素材がともに棒状であることを特徴とする前記10に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
12.前記1〜11のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体を、河川中、湖沼中および海中のいずれかに吊り下げて鉄イオンを溶出することを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
13.前記藻場形成用鉄イオンの溶出体を、延縄式で設置および回収することを特徴とする前記12に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
14.前記1〜11のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体を、水域、海域および汽水域のいずれかの底に設置して鉄イオンを溶出することを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
15.前記1〜11のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体を収納した容器を、陸上に設置し、該容器内に淡水または海水を循環させることによって該淡水または海水中に鉄イオンを溶出させた後、この鉄イオンが溶出した淡水または海水を、藻場形成場所に供給することを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
本発明によれば、光合成生物(クロロフィル)が摂取可能な二価の鉄イオン(Fe2+)を、効果的に海中に溶出させることができる。その結果、豊かな漁場に必要な藻場を効果的に形成することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
発明者は、鉄成分と炭素成分とを接触させて水中に浸漬することで、一種の局部電池が形成されて鉄が溶解し、それによって水中の鉄イオン濃度が増加するという現象に着目した。
そこで、上記の溶け出した鉄を活用して海水中にプランクトンが生成するか、また藻が繁茂するかについての検討を行った。詳細には、以下のとおりである。
発明者は、鉄成分と炭素成分とを接触させて水中に浸漬することで、一種の局部電池が形成されて鉄が溶解し、それによって水中の鉄イオン濃度が増加するという現象に着目した。
そこで、上記の溶け出した鉄を活用して海水中にプランクトンが生成するか、また藻が繁茂するかについての検討を行った。詳細には、以下のとおりである。
海岸付近に水槽(1m3)を設置し、その中に炭素製袋(50cm×50cm)の中に鉄板1枚を挿入したサンプルを20枚つり下げた。ついで、水槽中に海水をくみ上げ上記サンプルの中を通過後、海に放流したのち、水槽への流入水および水槽から海へ放流される流出水中の鉄濃度、クロロフィル濃度およびプランクトン濃度を測定した。
実験を開始してから数日後、水槽内には糸状の藻が発生し始め、その量は日に日に増えていった。発生した藻を取り除いても、次々と発生した。水槽への流入水と、水槽からの流出水の鉄濃度を測定すると、明らかに増加していることが確認された。また、クロロフィル濃度およびプランクト数も増大していた。
すなわち、鉄成分と炭素成分とを接触させて溶出した鉄イオンによって、藻の発生が促進されることが判明したのである。
実験を開始してから数日後、水槽内には糸状の藻が発生し始め、その量は日に日に増えていった。発生した藻を取り除いても、次々と発生した。水槽への流入水と、水槽からの流出水の鉄濃度を測定すると、明らかに増加していることが確認された。また、クロロフィル濃度およびプランクト数も増大していた。
すなわち、鉄成分と炭素成分とを接触させて溶出した鉄イオンによって、藻の発生が促進されることが判明したのである。
上記の試験結果を受け、発明者がさらに検討を加えた結果、光合成生物(クロロフィルや藻)が摂取可能な二価の鉄イオン(Fe2+)(以下単に鉄イオンといった場合は二価の鉄イオンを意味する。)を効果的に海中に溶出させるためには、炭素材と金属鉄とを含むものであって、かつこの炭素材と金属鉄との少なくとも一部が接触していることが特に重要であることがわかった。すなわち、炭素材と金属鉄とを接触させた局所的な電池作用を利用すると、前述したように、鉄イオンが水中の酸素によって酸化されて粒状鉄となる反応よりも早く鉄イオンが環境水中に供給され、従来不可能と考えられていた溶出鉄イオンによる藻場の形成が可能であることが解明された。
なお、本発明では、上記の、炭素材と金属鉄とを含むものであって、かつこの炭素材と金属鉄との少なくとも一部が接触しているもののことを溶出体または鉄溶出体という。
なお、本発明では、上記の、炭素材と金属鉄とを含むものであって、かつこの炭素材と金属鉄との少なくとも一部が接触しているもののことを溶出体または鉄溶出体という。
本発明で使用する炭素材は、炭素成分が含まれていれば、特に材質は制限されず、黒鉛構造炭素が含まれていても良い。また、上記炭素材の電気伝導度は、体積抵抗率で103Ω・cm以下であることが好ましい。というのは、鉄イオンの溶出量が制御しやすいからである。
また、上記炭素材は、その純度や形状も制限されずに鉄イオンの溶出量や設置場所等に応じて適宜選択することができる。すなわち、上記炭素材は、炭素繊維からなる織物であっても良いが、波浪などの激しい海域で使用する場合には、耐久性が重要である。そのため、炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPともいう)が望ましい。さらに、波浪の激しくない制限された海域であるならば、膨張黒鉛シートからつくられた炭素材シートや、木炭なども用いることができる。また、炭素成分を含んだ導電性のゴムも使用可能である。
さらに、上記炭素材は、鉄材との接触面積が大きいことが望まれるので、粉や粒形状よりは、板状や、フィルム状である方が好ましい。
さらに、上記炭素材は、鉄材との接触面積が大きいことが望まれるので、粉や粒形状よりは、板状や、フィルム状である方が好ましい。
一方、本発明で使用する鉄材は、鉄成分すなわち金属鉄が含まれていれば、特に材質は制限されない。
また、本発明で使用する鉄材は、炭素材との接触面積が大きいことが求められているので、平面、あるいは局面をもつ板状、棒状および筒状の形状を有することが望ましい。さらに、線状の鉄材も利用でき、短期間の用途ならば使用可能である。同様に、フィルム状鉄板も期間限定であるならば利用可能である。
また、本発明で使用する鉄材は、炭素材との接触面積が大きいことが求められているので、平面、あるいは局面をもつ板状、棒状および筒状の形状を有することが望ましい。さらに、線状の鉄材も利用でき、短期間の用途ならば使用可能である。同様に、フィルム状鉄板も期間限定であるならば利用可能である。
ここに、本発明に用いる金属鉄の純度は特に限定されないが、鉄イオンの溶出量の制御のしやすさの観点から、Fe含有率が50質量%以上であることが望ましい。また、上記金属鉄は、鉄ニッケル合金などFeを含む合金で有っても良い。
また、本発明に用いる鉄材中のFe含有量は特に限定されないが、鉄材中5質量%以上であることが望ましい。また、実際に、溶出体の構造物を形成する場合には、Fe含有率が100質量%の金属鉄でも良いが、経済性などを考慮すると鉄材が好ましい。
また、本発明に用いる鉄材中のFe含有量は特に限定されないが、鉄材中5質量%以上であることが望ましい。また、実際に、溶出体の構造物を形成する場合には、Fe含有率が100質量%の金属鉄でも良いが、経済性などを考慮すると鉄材が好ましい。
本発明における溶出体は、上記した金属鉄と炭素材とを必須成分とするが、その他は、設置場所の水流や温度、塩分濃度および設置期間等、溶出体を設置する際の諸条件により適宜選択される。
すなわち、Fe含有率が50質量%程度の金属鉄を10質量%程度含む鉄材と、炭素成分を30質量%程度含むCFRPまたは炭素成分を30質量%程度含む黒鉛材とをナイロン製のメッシュ袋に入れる構成としても、メッシュ袋内に、本発明の実現に必須の金属鉄と炭素材とが含まれているため、この炭素材と金属鉄との少なくとも一部が接触していれば、本発明における藻場形成用鉄イオンの溶出体とすることができる。
すなわち、Fe含有率が50質量%程度の金属鉄を10質量%程度含む鉄材と、炭素成分を30質量%程度含むCFRPまたは炭素成分を30質量%程度含む黒鉛材とをナイロン製のメッシュ袋に入れる構成としても、メッシュ袋内に、本発明の実現に必須の金属鉄と炭素材とが含まれているため、この炭素材と金属鉄との少なくとも一部が接触していれば、本発明における藻場形成用鉄イオンの溶出体とすることができる。
本発明では、炭素材と金属鉄との反応によって水酸化鉄および/または酸化鉄が生成するが、この生成した水酸化鉄および/または酸化鉄は除去されることが望まれる。水酸化鉄および/または酸化鉄が両者の界面付近に存在することは、両者の接触を妨害し、反応を阻害するからである。そこで、本発明に従う鉄イオンの溶出体は、水酸化鉄および/または酸化鉄が効率よく除去される構造になっていることが好ましい。
また、本発明に用いる金属鉄は、炭素材と接触した箇所から溶解するため、消耗していく、そして、消耗した金属鉄は、交換することが必要となる。
また、本発明に用いる金属鉄は、炭素材と接触した箇所から溶解するため、消耗していく、そして、消耗した金属鉄は、交換することが必要となる。
本発明で使用する溶出体の構成としては、上記の条件を好適に満たす例として、下記のものが挙げられる。
すなわち、図1に示すように、単純な板材でもよいが、図2に示すような、鉄材を、円筒形状として溶出体の中心に配置し、その外周部に、短冊状、シート状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす炭素材を配置することが好ましく、また、図3に示すように、炭素材を円筒形状として溶出体の中心に配置し、その外周部に、短冊状、メッシュ状、線状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす鉄材を配置する構成としてもよい。
すなわち、図1に示すように、単純な板材でもよいが、図2に示すような、鉄材を、円筒形状として溶出体の中心に配置し、その外周部に、短冊状、シート状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす炭素材を配置することが好ましく、また、図3に示すように、炭素材を円筒形状として溶出体の中心に配置し、その外周部に、短冊状、メッシュ状、線状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす鉄材を配置する構成としてもよい。
また、図4に示すように、鉄材と炭素材とを対向配置とし、この鉄材が2個以上の突起部を有していて、この突起部で上記炭素材と接触している構成としてもよく、また、図5に示すように、鉄材と炭素材とを対向配置とし、炭素材が2個以上の突起部を有していて、この突起部で上記鉄材と接触している構成としてもよい。
さらに、図6に示すように、炭素材を逆錐台形状とし、この逆錐台形状炭素材の内部に鉄材を載置する構成としてもよい。
特に、この実施形態は、炭素材を逆円錐台形状の筒とし、さらに、鉄材を、逆円錐台形状の底側の円の径よりも大きい外接円を有する筒状に成形して載置することで、金属鉄と炭素材との反応中に生成する水酸化鉄および/または酸化鉄が、効果的に底側から落下するため好ましい。
特に、この実施形態は、炭素材を逆円錐台形状の筒とし、さらに、鉄材を、逆円錐台形状の底側の円の径よりも大きい外接円を有する筒状に成形して載置することで、金属鉄と炭素材との反応中に生成する水酸化鉄および/または酸化鉄が、効果的に底側から落下するため好ましい。
また、鉄材と炭素材との外側から、自己収縮性を持つ固縛材で包むこともできる。かかる構成とすることにより、鉄材と炭素材とが安定して常に接触できるからである。なお、本発明における固縛材とは、メッシュ形状をしているゴム材やナイロン製の網であることが好ましいが、例えば、単にゴム紐で留めたり、ナイロン製の糸などで固縛したりすることも含まれる。
その際の鉄材および炭素材の形状は、特に限定されないが、ともに棒状であることが望ましい。安定して固縛できるからである。
その際の鉄材および炭素材の形状は、特に限定されないが、ともに棒状であることが望ましい。安定して固縛できるからである。
本発明に従う溶出体は、藻場を形成したい場所、すなわち河川中、湖沼中および海中のいずれか(以下、海域等という)に設置して用いるが、具体的には以下の要領に従うことが好ましい。
すなわち、本発明に従う溶出体は、図7に示すように、海域等に吊り下げて用いるのが好ましく。特に、海中に吊り下げる場合には、図8に示すように延縄式で、溶出体の設置および回収を行うことが好ましい。なお、前述した固縛材で包まれた溶出体は、それを長手方向につり下げて設置することが好ましい。
すなわち、本発明に従う溶出体は、図7に示すように、海域等に吊り下げて用いるのが好ましく。特に、海中に吊り下げる場合には、図8に示すように延縄式で、溶出体の設置および回収を行うことが好ましい。なお、前述した固縛材で包まれた溶出体は、それを長手方向につり下げて設置することが好ましい。
上記した延縄式で鉄溶出体を設置する場合は、次のように行う。
本発明に従う鉄溶出体を、1個ずつ、あるいは複数個ごと浮体に取り付け水中につりさげる。ついで、各浮体を、所定間隔でロープに取り付ける。設置する鉄溶出体数は、設置場所によって異なり、数個から1万個程度の範囲が好ましい。ただし、設置場所によっては1万個以上の鉄溶出体をロープにつりさげることもできる。ロープは、遊泳して消失することのないように、適宜陸上あるいは水中のブイや杭などに固定する。
上記鉄溶出体中の金属鉄は溶解するので、回収して鉄材を交換する。鉄溶出体は、船上に引き上げて鉄材を引き出し、別の鉄材と交換する。その後は、上記手順で水中に戻す。
また、本発明に従う鉄溶出体を、図9に示すように、海域等の底に設置して用いることもできる。
本発明に従う鉄溶出体を、1個ずつ、あるいは複数個ごと浮体に取り付け水中につりさげる。ついで、各浮体を、所定間隔でロープに取り付ける。設置する鉄溶出体数は、設置場所によって異なり、数個から1万個程度の範囲が好ましい。ただし、設置場所によっては1万個以上の鉄溶出体をロープにつりさげることもできる。ロープは、遊泳して消失することのないように、適宜陸上あるいは水中のブイや杭などに固定する。
上記鉄溶出体中の金属鉄は溶解するので、回収して鉄材を交換する。鉄溶出体は、船上に引き上げて鉄材を引き出し、別の鉄材と交換する。その後は、上記手順で水中に戻す。
また、本発明に従う鉄溶出体を、図9に示すように、海域等の底に設置して用いることもできる。
さらに、図10に示すように、本発明に従う溶出体を収納した容器を、陸上に設置して、その容器内に淡水または海水を循環させることによって、循環した淡水または海水の中に鉄イオンを溶出させて、この鉄イオンが溶出した淡水または海水を、藻場を形成したい場所に供給することで、所望の場所に藻場を形成させることが出来るだけでなく、鉄材の交換等メンテナンスの面からも有利である。
〔実施例1〕
本発明に従う鉄イオンの溶出体の効果を検証するために、水槽での実験を行った。水槽は、海岸に設置し、ポンプで海水を引き込み、処理後、海に戻すように配管を敷設した。水槽は、FRP製で長さ:165cm、幅:102cm、深さ:65cmで、処理水量(実効容量)は1000Lであった(図11)。この中に、炭素繊維織物製袋(50cm×50cm)に鉄メッシュ(45cm×45cm)を1枚挿入した鉄イオンの溶出体を、水の流れと平行に20枚つり下げた(図12)。
ついで、水槽中に海水を15L/分の速度でくみ上げて上記水槽内を通過後、海に放流した。この時、水槽内の滞留時間は、約1時間であった。
水槽への流入水および水槽から海へ放流される流出水中の鉄濃度、クロロフィル濃度およびプランクトン濃度を測定した。
実験を開始してから数日後、水槽の表面には糸状の藻が発生し始め、その量は日に日に増えた。発生した藻を取り除いても次々発生した。その際の水質を分析した結果を表1に示す。
本発明に従う鉄イオンの溶出体の効果を検証するために、水槽での実験を行った。水槽は、海岸に設置し、ポンプで海水を引き込み、処理後、海に戻すように配管を敷設した。水槽は、FRP製で長さ:165cm、幅:102cm、深さ:65cmで、処理水量(実効容量)は1000Lであった(図11)。この中に、炭素繊維織物製袋(50cm×50cm)に鉄メッシュ(45cm×45cm)を1枚挿入した鉄イオンの溶出体を、水の流れと平行に20枚つり下げた(図12)。
ついで、水槽中に海水を15L/分の速度でくみ上げて上記水槽内を通過後、海に放流した。この時、水槽内の滞留時間は、約1時間であった。
水槽への流入水および水槽から海へ放流される流出水中の鉄濃度、クロロフィル濃度およびプランクトン濃度を測定した。
実験を開始してから数日後、水槽の表面には糸状の藻が発生し始め、その量は日に日に増えた。発生した藻を取り除いても次々発生した。その際の水質を分析した結果を表1に示す。
同表に示したように、実験を開始してから1週間後、流入水の鉄濃度は0.001mg/Lであったが、溶出体を通過することで、0.057mg/Lに増加した。実験は24時間連続で行った。そこからさらに2週間後(実験を開始してから3週間後)、再度測定すると流入水は0.009mg/Lで、流出水は0.042mg/Lであり、鉄濃度はやはり増加していた。
実験開始1週間後のクロロフィル濃度は、流入水では4.7μg/Lが5.6μg/Lに、また3週間後では7.3μg/Lが7.9μg/Lにそれぞれ増加した。
さらに、植物プランクトンの量を求めると、1週間後に測定したところ、流入水では2900個/mLであったものが流出水では3300個/mLへと増えた。また、3週間後に別途測定したところ、植物プランクトンの量は780個/mLが1800個/mLと増加した。
これは、鉄イオンが定期的に供給されたことで、クロロフィル濃度が増加し、それによって植物プランクト数も増えたことを意味している。従って、鉄材と炭素材とを接触させた藻場形成材を海水中に設置することで、藻の発生は顕著に増大することが判明した。
なお、上記実施例での鉄の溶解速度は、1週間後で、1日当たり0.15mg/cm2であり、実験開始3週間後でも、1日当たり0.088mg/cm2であって、鉄イオンが安定して供給できていることが確認された。すなわち、この供給速度が維持できれば、上記したようにクロロフィルや藻の発生が実現でき、ひいては藻場の形成が可能であると考えられる。
さらに、植物プランクトンの量を求めると、1週間後に測定したところ、流入水では2900個/mLであったものが流出水では3300個/mLへと増えた。また、3週間後に別途測定したところ、植物プランクトンの量は780個/mLが1800個/mLと増加した。
これは、鉄イオンが定期的に供給されたことで、クロロフィル濃度が増加し、それによって植物プランクト数も増えたことを意味している。従って、鉄材と炭素材とを接触させた藻場形成材を海水中に設置することで、藻の発生は顕著に増大することが判明した。
なお、上記実施例での鉄の溶解速度は、1週間後で、1日当たり0.15mg/cm2であり、実験開始3週間後でも、1日当たり0.088mg/cm2であって、鉄イオンが安定して供給できていることが確認された。すなわち、この供給速度が維持できれば、上記したようにクロロフィルや藻の発生が実現でき、ひいては藻場の形成が可能であると考えられる。
〔実施例2〕
鉄を溶解させる炭素材として、炭素繊維強化プラスチックおよび膨張黒鉛シートを使用した場合の鉄の溶解速度と、鉄単体の溶解速度を比較検討した。
実験には3種類の材料を使用した。a)膨張黒鉛シート(9cm×6cm)、b)炭素繊維強化プラスチック板(東レ(株)製、平織積層品、9cm×6cm、厚さ:0.25mm)、c)鉄メッシュ(8.3cm×8cm)。
実験に使用する水溶液は、水道水約1Lであった。
膨張黒鉛シートおよび炭素繊維強化プラスチックを2枚の鉄メッシュで挟み、プラスチック製のクリップでとめたものをビーカー(1L)につり下げた。ビーカー内の水溶液は、スターラーで撹拌した。
所定時間経過後、水溶液中につり下げた各試料は、取り出し鉄メッシュの質量を測定した。その際、スターラーの回転速度を上げ、付着物を落下させた。
所定時間経過後、水溶液中の鉄メッシュの質量を測定した。その結果を表2に示す。
鉄を溶解させる炭素材として、炭素繊維強化プラスチックおよび膨張黒鉛シートを使用した場合の鉄の溶解速度と、鉄単体の溶解速度を比較検討した。
実験には3種類の材料を使用した。a)膨張黒鉛シート(9cm×6cm)、b)炭素繊維強化プラスチック板(東レ(株)製、平織積層品、9cm×6cm、厚さ:0.25mm)、c)鉄メッシュ(8.3cm×8cm)。
実験に使用する水溶液は、水道水約1Lであった。
膨張黒鉛シートおよび炭素繊維強化プラスチックを2枚の鉄メッシュで挟み、プラスチック製のクリップでとめたものをビーカー(1L)につり下げた。ビーカー内の水溶液は、スターラーで撹拌した。
所定時間経過後、水溶液中につり下げた各試料は、取り出し鉄メッシュの質量を測定した。その際、スターラーの回転速度を上げ、付着物を落下させた。
所定時間経過後、水溶液中の鉄メッシュの質量を測定した。その結果を表2に示す。
CFRP:炭素繊維強化プラスチック
7日後の鉄の減少質量は、膨張黒鉛シートでは1.14g、炭素繊維強化プラスチックでは0.65g、鉄板(鉄メッシュ)のみではわずか0.02gであった。質量減少量を実験開始時の質量から差し引いた質量を、開始時の質量で割って、質量減少率を求めた。膨張黒鉛シートでは5.7%、炭素繊維強化プラスチックでは3.2%、鉄材のみでは0.1%であった。
これらのことから膨張黒鉛シートおよび炭素繊維強化プラスチックは、鉄溶出体の炭素材として十分な能力を有していることが分かる。
これらのことから膨張黒鉛シートおよび炭素繊維強化プラスチックは、鉄溶出体の炭素材として十分な能力を有していることが分かる。
また、上記実施例より、実験開始から7日間における鉄の溶解速度は、膨張黒鉛シートでは、1日当り3.0mg/cm2であり、炭素繊維強化プラスチックでは、1日当り1.7mg/cm2、また鉄材のみでは1日当り0.05mg/cm2、であることが分かる。すなわち、鉄が溶解する速度は、膨張黒鉛シートの方が炭素繊維強化プラスチックよりも1.8倍の値を示すと共に、いずれの溶解速度も鉄単体に比べて極めて大きい結果となった。
従って、膨張黒鉛シートおよび炭素繊維強化プラスチックは、藻場を形成する鉄溶出体の炭素材として好適であることが分かる。
従って、膨張黒鉛シートおよび炭素繊維強化プラスチックは、藻場を形成する鉄溶出体の炭素材として好適であることが分かる。
〔実施例3〕
鉄を溶解させる炭素材として、短冊状の炭素繊維強化プラスチック板(東レ(株)製、平織積層品、2cm×9cm、厚さ:0.25mm)を使用した。炭素繊維強化プラスチック板は、鉄材との接触を高めるために、片面のみサンドペーパーで研磨し、炭素繊維を露出させた。炭素繊維強化プラスチック板3枚を平行のスダレ状にならべ、それぞれをナイロン糸で結びつけることで、つるし柿のようにつなげた。(図13(a)〜(c)参照)
鉄材は、鉄製ニップル(直径:3cm、長さ:10cm)を使用した。その表面はサンドペーパー(#60)で荒らした。鉄材の質量は263.2gであった。
炭素繊維強化プラスチック板3枚をスダレ状に連結させた上に、鉄材を載せた。鉄材の周囲を炭素繊維強化プラスチック板で取り囲むように輪ゴムでとめた後、炭素繊維強化プラスチック板を繋げたナイロンテグスで吊り下げるようにした。
実験に使用する水溶液は、水道水約2Lであった。
炭素繊維強化プラスチック板3枚で包み込んだ鉄材からなる「鉄溶出体」は、ビーカー(2L)につり下げた。ビーカー内の水溶液は、スターラーで撹拌した。
所定時間経過後、水溶液中につり下げた鉄溶出体を、取り出し鉄材の質量を測定した。実験は5日間、連続で攪拌しながら行った。
鉄を溶解させる炭素材として、短冊状の炭素繊維強化プラスチック板(東レ(株)製、平織積層品、2cm×9cm、厚さ:0.25mm)を使用した。炭素繊維強化プラスチック板は、鉄材との接触を高めるために、片面のみサンドペーパーで研磨し、炭素繊維を露出させた。炭素繊維強化プラスチック板3枚を平行のスダレ状にならべ、それぞれをナイロン糸で結びつけることで、つるし柿のようにつなげた。(図13(a)〜(c)参照)
鉄材は、鉄製ニップル(直径:3cm、長さ:10cm)を使用した。その表面はサンドペーパー(#60)で荒らした。鉄材の質量は263.2gであった。
炭素繊維強化プラスチック板3枚をスダレ状に連結させた上に、鉄材を載せた。鉄材の周囲を炭素繊維強化プラスチック板で取り囲むように輪ゴムでとめた後、炭素繊維強化プラスチック板を繋げたナイロンテグスで吊り下げるようにした。
実験に使用する水溶液は、水道水約2Lであった。
炭素繊維強化プラスチック板3枚で包み込んだ鉄材からなる「鉄溶出体」は、ビーカー(2L)につり下げた。ビーカー内の水溶液は、スターラーで撹拌した。
所定時間経過後、水溶液中につり下げた鉄溶出体を、取り出し鉄材の質量を測定した。実験は5日間、連続で攪拌しながら行った。
鉄材の質量は、実験開始時は263.2gであったが、3日後には263.0g、5日後には262.9gと低下した。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、3日後で1日当り1.2mg/cm2、また5日後1.1mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力と同時に安定性を有していることが分かる。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、3日後で1日当り1.2mg/cm2、また5日後1.1mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力と同時に安定性を有していることが分かる。
〔実施例4〕
鉄を溶解させる炭素材として、円筒状の黒鉛棒(直径:3cm、長さ:10cm)を使用した。短冊状の鉄板3枚を、平行のスダレ状にならべ、それぞれをナイロン糸で結びつけることで、実施例3と同様につるし柿のようにつなげた。
鉄材は、板状(幅:2cm、長さ:9cm、厚さ:2mm)のものを使用した。その表面はサンドペーパー(#60)で荒らした。鉄板1枚当たりの質量は28.44gであった。
鉄板3枚をスダレ状に連結させた上に、黒鉛棒を載せた。黒鉛棒の周囲を鉄板で取り囲むように輪ゴムでとめた後、ナイロンテグスで吊り下げるようにした。
実験に使用する水溶液は、水道水約2Lであった。
鉄板3枚で包み込んだ黒鉛材からなる「鉄溶出体」は、ビーカー(2L)につり下げた。ビーカー内の水溶液は、スターラーで撹拌した。
所定時間経過後、つり下げた鉄溶出体を取り出して鉄材の質量を測定した。実験は5日間、連続で攪拌しながら行った。
鉄を溶解させる炭素材として、円筒状の黒鉛棒(直径:3cm、長さ:10cm)を使用した。短冊状の鉄板3枚を、平行のスダレ状にならべ、それぞれをナイロン糸で結びつけることで、実施例3と同様につるし柿のようにつなげた。
鉄材は、板状(幅:2cm、長さ:9cm、厚さ:2mm)のものを使用した。その表面はサンドペーパー(#60)で荒らした。鉄板1枚当たりの質量は28.44gであった。
鉄板3枚をスダレ状に連結させた上に、黒鉛棒を載せた。黒鉛棒の周囲を鉄板で取り囲むように輪ゴムでとめた後、ナイロンテグスで吊り下げるようにした。
実験に使用する水溶液は、水道水約2Lであった。
鉄板3枚で包み込んだ黒鉛材からなる「鉄溶出体」は、ビーカー(2L)につり下げた。ビーカー内の水溶液は、スターラーで撹拌した。
所定時間経過後、つり下げた鉄溶出体を取り出して鉄材の質量を測定した。実験は5日間、連続で攪拌しながら行った。
鉄板3枚の質量は、実験開始時は28.44gであったが、3日後には28.3g、5日後には28.1gと低下した。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、3日後で1日当り0.9mg/cm2、また5日後で1.3mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度を示した。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力と同時に安定性を有していることが分かる。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、3日後で1日当り0.9mg/cm2、また5日後で1.3mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度を示した。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力と同時に安定性を有していることが分かる。
〔実施例5〕
使用した炭素繊維強化プラスチック棒(東レ(株)製、直径:2mm、長さ:10cm)で、炭素繊維を一方向に曳きそろえた炭素繊維の一方向材であった。なお、上記炭素繊維強化プラスチック棒の電気伝導度は、体積抵抗率で10-3Ω・cmであった。
鉄材は、筒状(直径:3cm、長さ:10cm、質量253.0g)を使用した。鉄材の周囲に上記の炭素繊維強化プラスチック棒6本で筒の外側下部を包み込むように輪ゴムで固定した。その外側から細いナイロン糸を巻き付け、鉄溶出体とした。鉄溶出体は、垂直(長手方向)につり下げることで、自己収縮性をもち、ナイロン糸は鉄棒およびCFRP棒を圧縮する。それによって鉄材と炭素材とは良好な接触環境が構築されていた。
ビーカー(2L)中に水道水をいれ、その中に上記の鉄溶出体を垂直に吊り下げて、マグネチックスターラで攪拌した。鉄材の溶解状況を確認した。所定時間経過後、水溶液中の鉄濃度を、パックテスト法で測定した。
鉄濃度の測定結果を表3に示す。
使用した炭素繊維強化プラスチック棒(東レ(株)製、直径:2mm、長さ:10cm)で、炭素繊維を一方向に曳きそろえた炭素繊維の一方向材であった。なお、上記炭素繊維強化プラスチック棒の電気伝導度は、体積抵抗率で10-3Ω・cmであった。
鉄材は、筒状(直径:3cm、長さ:10cm、質量253.0g)を使用した。鉄材の周囲に上記の炭素繊維強化プラスチック棒6本で筒の外側下部を包み込むように輪ゴムで固定した。その外側から細いナイロン糸を巻き付け、鉄溶出体とした。鉄溶出体は、垂直(長手方向)につり下げることで、自己収縮性をもち、ナイロン糸は鉄棒およびCFRP棒を圧縮する。それによって鉄材と炭素材とは良好な接触環境が構築されていた。
ビーカー(2L)中に水道水をいれ、その中に上記の鉄溶出体を垂直に吊り下げて、マグネチックスターラで攪拌した。鉄材の溶解状況を確認した。所定時間経過後、水溶液中の鉄濃度を、パックテスト法で測定した。
鉄濃度の測定結果を表3に示す。
同表に示したとおり、時間経過とともに水中の鉄濃度は、増加した。鉄材の質量は、5日後には252.8gと低下した。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、1.1mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力を有していることが分かる。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、1.1mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力を有していることが分かる。
〔実施例6〕
炭素材を、華道で使用するような剣山の形状として試験を実施した。
すなわち、強度および耐久性の点から炭素繊維強化プラスチック棒(東レ(株)製)、直径:2mm、長さ:10cm)で、炭素繊維を一方向に曳きそろえた炭素繊維の一方向材とした炭素材を準備し、さらにプラスチック板(12cm×12cm、厚さ:3cm)を準備した。そして、プラスチック板に1cm間隔で、深さ:1cmの孔をドリルであけた。その際の孔は、縦方向に10箇所、横方向に10箇所として、碁盤の目のように100個あけた。この孔の中に上記の炭素繊維強化プラスチック棒100本を垂直に差し込み、接着剤で固定し、樹脂板から、炭素繊維強化プラスチック棒を剣山のように、9cm高さで林立させた。
鉄材は、板状(厚さ:3cm、15cm角、質量:5332g)を使用した。この鉄板の上部に棒状の炭素繊維強化プラスチック100本が林立したものを、鉄材と炭素材とを対向配置し、接触するように載せた。炭素材と鉄材とが接触するように炭素繊維強化プラスチック100本が差してあるプラスチック板の上部には錘をのせ、接触状態が良好になるようにして鉄溶出体とした。
水槽(10L)中に水道水を入れ、水槽の下部に上記の鉄溶出体を設置した。水槽内は、攪拌機で混合した。鉄材の溶解状況を確認した。所定時間経過後、水溶液中の鉄濃度を、パックテスト法で測定した。
炭素棒と鉄材とが接触する場所には、赤褐色の生成物が析出した。
鉄濃度の測定結果を表4に示す。
炭素材を、華道で使用するような剣山の形状として試験を実施した。
すなわち、強度および耐久性の点から炭素繊維強化プラスチック棒(東レ(株)製)、直径:2mm、長さ:10cm)で、炭素繊維を一方向に曳きそろえた炭素繊維の一方向材とした炭素材を準備し、さらにプラスチック板(12cm×12cm、厚さ:3cm)を準備した。そして、プラスチック板に1cm間隔で、深さ:1cmの孔をドリルであけた。その際の孔は、縦方向に10箇所、横方向に10箇所として、碁盤の目のように100個あけた。この孔の中に上記の炭素繊維強化プラスチック棒100本を垂直に差し込み、接着剤で固定し、樹脂板から、炭素繊維強化プラスチック棒を剣山のように、9cm高さで林立させた。
鉄材は、板状(厚さ:3cm、15cm角、質量:5332g)を使用した。この鉄板の上部に棒状の炭素繊維強化プラスチック100本が林立したものを、鉄材と炭素材とを対向配置し、接触するように載せた。炭素材と鉄材とが接触するように炭素繊維強化プラスチック100本が差してあるプラスチック板の上部には錘をのせ、接触状態が良好になるようにして鉄溶出体とした。
水槽(10L)中に水道水を入れ、水槽の下部に上記の鉄溶出体を設置した。水槽内は、攪拌機で混合した。鉄材の溶解状況を確認した。所定時間経過後、水溶液中の鉄濃度を、パックテスト法で測定した。
炭素棒と鉄材とが接触する場所には、赤褐色の生成物が析出した。
鉄濃度の測定結果を表4に示す。
同表に示したとおり、時間経過とともに水中の鉄濃度は増加した。鉄材の質量は、5日後には5331gと低下した。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、6.4mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力を有していることが分かる。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、6.4mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力を有していることが分かる。
〔実施例7〕
鉄材は、華道で使用する剣山のような形状に作製した。すなわち、鉄棒(直径:2mm、長さ:10cm)と、プラスチック板(12cm×12cm、厚さ:3cm)を準備した。そして、このプラスチック板に1cm間隔で、深さ:1cmの孔をドリルであけた。その際の孔は、縦方向に10箇所、横方向に10箇所として、碁盤の目のように100個あけた。この孔の中に上記の鉄棒100本を垂直に差し込み、接着剤で固定した。樹脂板から長さ:9cmの鉄棒を剣山のように林立させた。なお、上記鉄材中のFe含有量は5質量%であった。
炭素材は、黒鉛ブロック(厚さ:3cm、15cm角、質量:1215g)を使用した。この黒鉛板の上部に棒状の鉄棒100本が林立したものを、鉄材と炭素材とが接触するように載せた。炭素材と鉄材とが接触するように鉄棒100本がさしてあるプラスチック板の上部には錘をのせ、接触状態が良好になるようにして鉄溶出体とした。
水槽(10L)中に水道水を入れ、水槽の下部に上記の鉄溶出体を設置した。水槽内は、攪拌機で混合した。鉄材の溶解状況を確認した。所定時間経過後、水溶液中の鉄濃度を、パックテスト法で測定した。
炭素棒と鉄材とが接触する場所には、赤褐色の生成物が析出した。
鉄濃度の測定結果を表5に示す。
鉄材は、華道で使用する剣山のような形状に作製した。すなわち、鉄棒(直径:2mm、長さ:10cm)と、プラスチック板(12cm×12cm、厚さ:3cm)を準備した。そして、このプラスチック板に1cm間隔で、深さ:1cmの孔をドリルであけた。その際の孔は、縦方向に10箇所、横方向に10箇所として、碁盤の目のように100個あけた。この孔の中に上記の鉄棒100本を垂直に差し込み、接着剤で固定した。樹脂板から長さ:9cmの鉄棒を剣山のように林立させた。なお、上記鉄材中のFe含有量は5質量%であった。
炭素材は、黒鉛ブロック(厚さ:3cm、15cm角、質量:1215g)を使用した。この黒鉛板の上部に棒状の鉄棒100本が林立したものを、鉄材と炭素材とが接触するように載せた。炭素材と鉄材とが接触するように鉄棒100本がさしてあるプラスチック板の上部には錘をのせ、接触状態が良好になるようにして鉄溶出体とした。
水槽(10L)中に水道水を入れ、水槽の下部に上記の鉄溶出体を設置した。水槽内は、攪拌機で混合した。鉄材の溶解状況を確認した。所定時間経過後、水溶液中の鉄濃度を、パックテスト法で測定した。
炭素棒と鉄材とが接触する場所には、赤褐色の生成物が析出した。
鉄濃度の測定結果を表5に示す。
同表に示したとおり、時間経過とともに水中の鉄濃度は増加した。鉄材の質量は、5日後には1214gと低下した。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、6.4mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として、特に優れた能力を有していることが分かる。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、6.4mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として、特に優れた能力を有していることが分かる。
〔実施例8〕
鉄筒の外周に炭素繊維強化プラスチック板を取り付けた鉄溶出体を、浮体をつけたロープからつり下げて延縄式の藻場形成材料とし、海水面上に設置した。
鉄筒(直径:6cm、長さ:30cm)の外周部に、炭素繊維強化プラスチック板(幅:1cm、長さ:28cm)12枚を等間隔で接触するように固定した。その外側をリング状のゴムで留め、鉄材と炭素材とが密着するようにした。
また、鉄筒(直径:6cm、長さ:30cm)の外周部に、炭素繊維強化プラスチック棒(直径:2mm、長さ:28cm)12本を等間隔で接触するように固定した。その外側をリング状のゴムで留め、鉄材と炭素材とが密着するようにした。
さらに、両者の外側をナイロン製のメッシュで全体を包み込み、鉄溶出体とした。これを浮体がつけられた固定用のロープからつり下げた。つり下げ位置は、1mとし、1m間隔で鉄溶出体を次々とつり下げた。使用したロープは長さ40mであったので、鉄溶出体は30本(各15本づつ)であった。ロープの端は、海面上に設置してある固定用杭に縛り付けた。
鉄筒の外周に炭素繊維強化プラスチック板を取り付けた鉄溶出体を、浮体をつけたロープからつり下げて延縄式の藻場形成材料とし、海水面上に設置した。
鉄筒(直径:6cm、長さ:30cm)の外周部に、炭素繊維強化プラスチック板(幅:1cm、長さ:28cm)12枚を等間隔で接触するように固定した。その外側をリング状のゴムで留め、鉄材と炭素材とが密着するようにした。
また、鉄筒(直径:6cm、長さ:30cm)の外周部に、炭素繊維強化プラスチック棒(直径:2mm、長さ:28cm)12本を等間隔で接触するように固定した。その外側をリング状のゴムで留め、鉄材と炭素材とが密着するようにした。
さらに、両者の外側をナイロン製のメッシュで全体を包み込み、鉄溶出体とした。これを浮体がつけられた固定用のロープからつり下げた。つり下げ位置は、1mとし、1m間隔で鉄溶出体を次々とつり下げた。使用したロープは長さ40mであったので、鉄溶出体は30本(各15本づつ)であった。ロープの端は、海面上に設置してある固定用杭に縛り付けた。
3ヶ月後、船上に鉄溶出体を引き上げた。鉄溶出体には、大量の付着物があった。それの重さを量ると鉄溶出体も含めて1.5kgであった。鉄棒は、炭素繊維強化プラスチックと接触していた場所で、明らかに浸食が進み筋状の消耗部が見られた。生成した水酸化鉄や酸化鉄が付着していた。ここで、鉄材の質量を量ると、実験前は565gであったものが、3月後には約400g程度まで減少していた。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、5.5mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として優れた能力を有していることが分かる。
従って、上記実施例での鉄の溶解速度は、5.5mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として優れた能力を有していることが分かる。
〔実施例9〕
実施例1に記載の水槽を用い、この中に鉄棒(直径:6cm長さ:50cm)の外側に膨張黒鉛シート(幅:2cm、長さ:45cm)を5枚接触させ、その外側をナイロンメッシュで包んだ鉄溶出体を20本、約20cm間隔で垂直につり下げた。
水槽中に海水を15L/分の速度でくみ上げて鉄溶出体の中を通過させ、海に放流した。水槽内の滞留時間は、約1時間であった。水槽への流入水および水槽から海へ放流される流出水中の鉄濃度を測定した。実験を開始してから数日後、水槽内には赤色の沈殿物が生成し、経過日数とともにその量は増えていった。水中の鉄イオンの濃度を測定し、その結果を表6に示す。
実施例1に記載の水槽を用い、この中に鉄棒(直径:6cm長さ:50cm)の外側に膨張黒鉛シート(幅:2cm、長さ:45cm)を5枚接触させ、その外側をナイロンメッシュで包んだ鉄溶出体を20本、約20cm間隔で垂直につり下げた。
水槽中に海水を15L/分の速度でくみ上げて鉄溶出体の中を通過させ、海に放流した。水槽内の滞留時間は、約1時間であった。水槽への流入水および水槽から海へ放流される流出水中の鉄濃度を測定した。実験を開始してから数日後、水槽内には赤色の沈殿物が生成し、経過日数とともにその量は増えていった。水中の鉄イオンの濃度を測定し、その結果を表6に示す。
同表に示したように、実験を開始してから1週間後、流入水の鉄濃度は0.003mg/Lであったが、溶出体を通過することで、0.047mg/Lに増加した。実験は24時間連続で行った。さらに2週間後(実験を開始してから3週間後)、再度測定すると流入水は0.005mg/Lで、流出水は0.057mg/Lにそれぞれ増加していた。
なお、上記実施例での鉄の溶解速度は、1週間後では、1日当り0.10mg/cm2となり、3週間後では、1日当り0.12mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力を有していることが分かる。
なお、上記実施例での鉄の溶解速度は、1週間後では、1日当り0.10mg/cm2となり、3週間後では、1日当り0.12mg/cm2となって、鉄単体より大きな溶解速度であった。よって、藻場を形成する鉄溶出体の形態として十分な能力を有していることが分かる。
なお、上述していないその他の実施形態、例えば、炭素材が逆錐台形状であって、この炭素材の内部に鉄材を載置した鉄溶出体としても、また上述したような種々の鉄溶出体を海域等の底に設置したとしても上記の実施例同様の優れた藻場形成効果を有していることを確認している。また、本発明は、炭素材と金属鉄との少なくとも一部が接触している事が重要であり、その形状や接触態様は、鉄溶出体の実際の設置条件により、適宜変更できることは言うまでもない。
本発明に従う藻場形成用鉄イオンの溶出体を利用することにより、安定的に藻の発生を促すことができ、もって魚類が棲息しやすい、増殖しやすい海洋環境の構築に大きく貢献することができる。また、藻場を安定して形成することで、安全で安定的な漁業の構築に大きく貢献する。
Claims (15)
- 藻場を形成するための鉄イオンの溶出体であって、炭素材と金属鉄とを含み、該炭素材と該金属鉄との少なくとも一部が接触していることを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記炭素材の電気伝導度が体積抵抗率で103Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記炭素材が、炭素繊維強化プラスチック、膨張黒鉛シートおよび木炭のうちから選んだ少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記金属鉄を含む鉄材が、Fe含有量:5質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記鉄材が円筒形状であって溶出体の中心とし、その外周に、短冊状、シート状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす炭素材を配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 炭素材が円筒形状であって溶出体の中心とし、その外周に、短冊状、メッシュ状、線状および棒状のうちから選んだ少なくとも1種の形状をなす前記鉄材を配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記鉄材と前記炭素材とが対向配置になり、該鉄材が2個以上の突起部を有し、該突起部で該炭素材と接触していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記鉄材と前記炭素材とが対向配置になり、該炭素材が2個以上の突起部を有し、該突起部で該鉄材と接触していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記炭素材が逆錐台形状であって、該逆錐台形状炭素材の内部に前記鉄材を載置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記鉄材と炭素材との外側から、自己収縮性を持つ固縛材で包んだことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 前記鉄材および前記炭素材がともに棒状であることを特徴とする請求項10に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体を、河川中、湖沼中および海中のいずれかに吊り下げて鉄イオンを溶出することを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
- 前記藻場形成用鉄イオンの溶出体を、延縄式で設置および回収することを特徴とする請求項12に記載の藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体を、水域、海域および汽水域のいずれかの底に設置して鉄イオンを溶出することを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の藻場形成用鉄イオンの溶出体を収納した容器を、陸上に設置し、該容器内に淡水または海水を循環させることによって該淡水または海水中に鉄イオンを溶出させた後、この鉄イオンが溶出した淡水または海水を、藻場形成場所に供給することを特徴とする藻場形成用鉄イオンの溶出方法。
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JP2012050707A Pending JP2013183676A (ja) | 2012-03-07 | 2012-03-07 | 藻場形成用鉄イオンの溶出体およびそれを用いた藻場形成用鉄イオンの溶出方法 |
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JP (1) | JP2013183676A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015093271A (ja) * | 2013-11-14 | 2015-05-18 | 株式会社サンエイ | 鉄イオン溶出装置 |
JP2017127201A (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | 香山 恒夫 | 海水中の鉄イオン発生装置と大気中の炭酸ガス濃度低減方法 |
JP2019017372A (ja) * | 2017-07-13 | 2019-02-07 | ヒューバースジャパン株式会社 | 鉄溶射樹脂漁礁ブロック |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011139675A (ja) * | 2010-01-07 | 2011-07-21 | Sanwa Seisakusho:Kk | 水棲生物生育促進材 |
-
2012
- 2012-03-07 JP JP2012050707A patent/JP2013183676A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011139675A (ja) * | 2010-01-07 | 2011-07-21 | Sanwa Seisakusho:Kk | 水棲生物生育促進材 |
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