JP2013180180A - インプラントフィクスチャー - Google Patents

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【課題】セラミックスから成る、耐久性及び骨結合性に優れたインプラントフィクスチャーを提供すること。
【解決手段】ジルコニアを含むセラミックスから成り、単斜晶率が1vol%以下であり、算術平均粗さRaが1〜5μmの範囲にあることを特徴とするインプラントフィクスチャー1。本発明のインプラントフィクスチャーにおいて、ジルコニアの含有率は、86質量%以上であることが好ましい。また、アルミナ、又はイットリアを含有することが好ましい。また、焼結体粒子径が0.45μm以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、歯科分野(特に人工歯根の分野)で用いられるインプラントフィクスチャーに関する。
近年、人工歯根等のインプラントフィクスチャーを生体に挿入し、失われた機能を回復させる、いわゆるインプラントテクノロジーが注目されている。
例えば、歯科分野では、歯の欠損した部位の歯肉を切開した後、ドリル等を用いて顎骨に所定の大きさの埋入窩を形成し、その埋入窩にインプラントフィクスチャーを埋入する。そして、一定の保持期間を設け、インプラントフィクスチャーの表面と、その表面に接する骨とをミクロレベルで結合させる(骨結合)。次に、インプラントフィクスチャーに、直接、又はアバットメントを介して、上部構造(クラウン)が取り付けられる。
歯科分野のインプラントフィクスチャーが使用される環境(口中)では、プラークとともに歯面に定着するう蝕性菌が炭水化物(糖)から乳酸等の有機酸を生産し、歯質を脱灰する。すなわち、歯科分野のインプラントフィクスチャーは、歯の脱灰が起こるほどの酸に曝されるという、他の生体用材料(人工骨、人工関節等)に比べて特殊な条件下で使用されるので、特に高い耐久性(耐乳酸性)が要求される。また、歯科分野のインプラントフィクスチャーには、耐久性に加えて、骨結合性、強度、安全性等の性能も要求される。
近年、ジルコニア等を主成分とするセラミックス製のインプラントフィクスチャーが注目されている(特許文献1参照)。セラミックス製のインプラントフィクスチャーは、強度において優れ、また、金属製のものに比べて、金属アレルギー反応を生じないため、安全性においても優れている。
特開2002−362972号公報
従来のセラミックス製のインプラントフィクスチャーでは、以下に示すとおり、耐久性と骨結合性とを両立させることは困難であった。従来、インプラントフィクスチャーにおいて、骨結合性を向上させるためには、表面処理を行い、適度な表面粗さを生じさせる必要があった。チタン製のインプラントフィクスチャーの場合は、サンドブラスト処理、酸処理、またはその両方から成る表面処理を行う。しかしながら、セラミックス製のインプラントフィクスチャーに対し上記の表面処理を行うと、単斜晶が表面に露出し、耐久性が低下してしまう。
一方、セラミックス製のインプラントフィクスチャーに対して上記の表面処理を行わなわず、表面粗さが不適当である場合は、骨結合性が低下してしまう。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、セラミックスから成る、耐久性及び骨結合性に優れたインプラントフィクスチャーを提供することを目的とする。
本発明のインプラントフィクスチャーは、
ジルコニアを含むセラミックスから成り、単斜晶率が1vol%以下であり、算術平均粗さRaが1〜5μmの範囲にあることを特徴とする。
本発明のインプラントフィクスチャーは、単斜晶率が1vol%以下(より好ましくは0.5vol%以下、特に好ましくは0vol%)であることにより、乳酸等に対する耐久性において優れる。
また、本発明のインプラントフィクスチャーにおける埋設部の算術平均粗さRaは、1〜5μmの範囲にある。そのため、インプラントフィクスチャーと骨との結合が強固である。本発明のインプラントフィクスチャーにおける最大高さRzは、5〜40μmの範囲にあることが好ましい。
また、本発明のインプラントフィクスチャーは、生体親和性が高く、生体との適合性について格段に優れ、臨床試験の結果において他のインプラントフィクスチャーと比べ顕著に有意差を示すことができる。
本発明のインプラントフィクスチャーでは、ジルコニアの含有率が86質量%以上(より好ましくは89質量%以上、特に好ましくは92質量%以上)であることが好ましい。ジルコニアの含有率がこの範囲内であることにより、乳酸等に対する耐久性が一層優れる。
本発明のインプラントフィクスチャーは、アルミナを含有することが好ましい。アルミナを含むことにより、焼成温度が低くても緻密なセラミックスを得ることができる。アルミナを含まない場合、焼成温度を高くすれば緻密なセラミックスを得られるが、焼結体粒子径が大きくなってしまう。逆に、焼成温度を低くすれば焼結体粒子径は小さくなるが、緻密性が低下する。アルミナの含有率は、0.05〜3質量%(より好ましくは0.05〜1質量%、特に好ましくは0.05〜0.1質量%)の範囲が好ましい。
本発明のインプラントフィクスチャーは、イットリア、セリア、マグネシア、及びカルシアから成る群から選択される1種以上を含有することが好ましく、特に、イットリアを含有することが好ましい。上記の成分を含むことにより、ジルコニアを正方晶の状態で安定させることができる。それによって、インプラントフィクスチャーの表面が単斜晶になることを抑制し、単斜晶率の低いインプラントフィクスチャーを得やすくなる。また、インプラントフィクスチャーが乳酸や熱水に曝された環境において単斜晶ができることを抑制できるため、インプラントフィクスチャーの耐久性が向上する。イットリアを含有する場合、その含有率は、2〜4mol%の範囲が好ましい。
本発明のインプラントフィクスチャーにおいて、焼結体粒子径は、0.45μm以下(より好ましくは0.3μm以下、特に好ましくは0.009〜0.3μm)であることが好ましい。上記の範囲内であると、乳酸等に対する耐久性が一層優れる。なお、焼結体粒子径はプラニメトリック法によって測定する。
また、本発明のインプラントフィクスチャーは、ジルコニア、アルミナ、イットリア、セリア、マグネシア、カルシア以外の微量成分を含んでいてもよい。
本発明のインプラントフィクスチャーを形成するセラミックスは、緻密質であることが好ましい。セラミックスが緻密質であることによって、乳酸等に対する耐久性において優れる。また、インプラントフィクスチャーとして十分な強度も得られる。インプラントフィクスチャーを形成するセラミックスの相対密度は、95%以上(より好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上)であることが好ましい。
本発明のインプラントフィクスチャーは、実質的にアニール処理を施されていない表面を有することが好ましい。アニール処理とは、セラミックスの焼結体に対して、切断、研磨、ブラスト処理などの加工をした後に、800℃以上の高温で加熱する処理である。アニール処理をすることによって、加工面に発生した単斜晶を減少させることができるが、アニール処理によって単斜晶率を低下させた表面は、加工を施していない焼成面に比べて耐久性が劣る傾向がある。
本発明のインプラントフィクスチャーは、例えば、以下の方法で製造できる。すなわち、ジルコニアを含むセラミックスのスラリーをインプラントフィクスチャーの反転型に注入し、その反転型の中でセラミックスを硬化させて製造することができる。
この製造方法によれば、塊状のセラミックス焼結体からインプラントフィクスチャーの形状を削り出す必要が無いので、インプラントフィクスチャーにおける単斜晶率が大きくなり難い。その結果、製造したインプラントフィクスチャーの耐久性が高くなる。
上記の製造方法においては、反転型の内面(スラリーと接する面)の表面粗さを所定の値にしておくことにより、インプラントフィクスチャーの表面粗さを設定できる。
反転型の内面の表面粗さは、例えば、反転型の内面をブラスト処理することにより設定できる。また、母模型の表面をブラスト処理し、母模型の表面粗さを反転型の内面に転写する方法によって、反転型の内面の表面粗さを設定してもよい。ブラスト処理に用いるサンドブラスト材の平均粒径は50〜500μmである。好ましくは80〜300μmである。
ブラスト材としては、アルミナ系、炭化珪素系、ジルコニア系などの材質のものを利用することができる。具体的にはスチールショット スチールグリット、マイクロショット、ピーニングショット、SB超硬ショット、アドバンスショット、ブライトショット、ステンレスショット、アルミカットワイヤー、アモビーズ、ガラスビーズ、ガラスパウダー、アランダム、カーボランダム、セラミックビーズ、ナイロンショット、ポリカーボネイト、メラミン、ユリア、クルミショット、アプリコット、ピーチなどを適宜利用できる。
サンドブラスト処理器機としては、汎用吸引式サンドブラスター、汎用直圧式サンドブラスター、小型循環式サンドブラスター、バレル式小型循環式サンドブラスター、ペンタイプサンドブラスターなどを利用可能であるが、細部をブラスト処理する為にはペンタイプサンドブラスターが好ましく利用される。
ブラスト圧は、例えば、0.2〜1.2kgf/cm2であり、ブラスト材の材質並びに粒径によって選択される。
上記の製造方法で用いるスラリーは、例えば、セラミックス粉末、硬化用バインダーを含むものである。スラリーは、その他に、粘性調整用の水溶性高分子、各種溶媒、分散又は湿潤のための界面活性剤等を含んでいてもよい。
硬化用バインダーとしては、熱硬化性を持つバインダー(例えばエポキシ樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、シアン酸エステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、イソシアネート樹脂もしくはこれらの変性樹脂等)が挙げられる。また、これらの樹脂をエマルション化したものも用いることができる。また、硬化用バインダーとして、熱ゲル性を持つバインダー(タンパク質,デンプン等)を用いてもよい。
スラリーの溶媒としては、例えば、水、芳香族溶剤、脂肪族溶剤、エステル、ケトン系溶剤等が挙げられる。スラリーは、溶媒にセラミックス粉とバインダー等を混合し、ボールミル等を用い充分分散混練し、真空脱泡することで製造できる。
上記の製造方法で用いる反転型は、弾性変形可能であり、伸縮可能な材料で構成することが好ましい。こうすることにより、仮に、インプラントフィクスチャーの形状が複雑なものであっても、反転型を変形させて、インプラントフィクスチャーを反転型から容易に取り出すことができる。反転型の材料としては、例えば、ワックス、発泡ポリスチレン、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等がある。
本発明のインプラントフィクスチャーは、歯科分野において人工歯根として用いる他に、例えば、整形外科、形成外科、口腔外科等の分野において、人工骨として用いることができる。
インプラントフィクスチャーの形状を表す説明図である。 反転型7を製造する方法を表す説明図である。 反転型7の構成を表す斜視図である。
本発明の実施形態を説明する。
1.インプラントフィクスチャーの製造
(1)母模型の製造
SUS(ステンレス鋼)の材料を、周知のインプラントフィクスチャーの形状に加工し、これを母模型とする。ただし、母模型の大きさは、最終的に得られるインプラントフィクスチャーの大きさに所定の係数(1より大きい係数)を乗じたものとする。係数を乗じて母模型を大きめにしておくのは、後述する焼成工程においてセラミックスが収縮するためである。上記の係数は、使用するセラミックススラリーの組成によって相違する。本実施形態においては、係数の値として1.3が好適である。
次に、母模型の表面をブラストで処理する。ブラスト処理後における母模型の表面の粗さ(算術平均粗さRa、最大高さRz)は、最終的に得られるインプラントフィクスチャーの埋設部の表面粗さが、下記の値となる粗さとする。なお、算術平均粗さRa、最大高さRzは「JIS B0601 :2001版」で規定するものである。
算術平均粗さRa:1〜5μm
最大高さRz:5〜40μm
Raが前記の範囲にあることにより、骨結合性が良好である。特に、Raが前記の範囲にあり、且つRzが前記の範囲にあることにより、骨結合性が一層良好である。
上記の条件を満たす母模型の表面粗さは、母模型の表面粗さを数種類変えてインプラントフィクスチャーを製造し、母模型の表面粗さと、インプラントフィクスチャーの表面粗さとの相関関係を把握することで、容易に設定することができる。母模型の算術平均粗さRa、最大高さRzは、概ね、上述したインプラントフィクスチャーの算術平均粗さRa、最大高さRzの1.3倍程度とすればよい。
なお、インプラントフィクスチャーの形状(すなわち母模型の形状)は、図1に示すものである。インプラントフィクスチャー1は、全体として棒状の形状を有する。インプラントフィクスチャー1は、生体に埋設される埋設部1aと、生体から露出し、上部構造物(図示略)が装着される露出部1bとから成る。埋設部1aは、棒状(先端にゆくほど直径が小さくなる円筒状)の形状を有し、その外周面のうち、上端付近には、断面6角形のナット部3が形成されている。このナット部3にスパナ等を装着し、埋設部1aを回転させることにより、埋設部1aを生体にねじ込むことができる。また、埋設部1aの外周面のうち、ナット部3以外の部分には、突条対9及び溝11が形成されている。上記突条対9は、埋設部1aの外周面に螺旋状に形成されている。突条対9は、一定の間隔をおいて平行に配置された、第1の突条13と第2の突条15とから成る。溝11は、第1の突条13と第2の突条15とにより両側を挟まれた部分である。
(2)反転型の製造
反転型の製造方法を図2、及び図3に基づいて説明する。図2に示すように、前記(1)で製造した母模型21を、母模型21よりも広い水平面を有する台座23の上に載せる。なお、図2では、母模型21の形状は簡略化して表現している。次に、天板と底が開放された中空円筒形状を有する外型25を、母模型21及び台座23の上から被せる。母模型21及び台座23は、外型25の内部に収容される。また、台座23の外周面23aは、外型25の内周面に隙間無く密着する。
次に、外型25の内部に、反応硬化型シリコンゴム(液状)を注入する。注入後、24時間経過してから、硬化した、反応硬化型シリコンゴムの反転型27(図2参照)を、外型25から抜き取る。反転型27は、母模型21の形状を反転した凹部27aを備えている。また、反転型27は、弾性及び伸縮性を有する材料から成るので、容易に変形及び伸縮することができる。
(3)セラミックススラリーの調製
以下の成分を混合して、セラミックススラリーを調整した。
セラミックス粉末:100質量部
水:30質量部
エステル樹脂エマルション(アクリル酸メチル):9質量部
エステル系溶剤(ブチルカルビトールアセテート):3質量部
アンモニア水:適宜(アンモニア水でセラミックスラリーのpHを9〜10の範囲内に調整する)
上記セラミックス粉末は、東ソー株式会社製のTZ−3Y−E(商品名)である。このTZ−3Y−Eは、ジルコニアを主成分(93〜94.9質量%)とし、イットリア(4.95〜5.35質量%)とアルミナ(0.15〜0.35質量%)とを含む。
(4)インプラントフィクスチャーの製造
前記(2)で製造した反転型27の凹部27aに、前記(3)で調製したスラリーを流し込み、70℃で加熱して硬化させる。硬化したもの(未焼成体)を反転型27から取り出し、常温で24時間静置して乾燥させる。
その後、未焼成体を、1300℃の焼成温度で焼成し、インプラントフィクスチャーを完成する。なお、焼成温度が1400℃を越えると、インプラントフィクスチャーにおけるジルコニアの焼結体粒子径が大きくなる。焼結体粒子径が大きくなり過ぎると、インプラントフィクスチャーの耐久性が低下して、水、乳酸等によって劣化し易くなる。
2.インプラントフィクスチャーの評価
製造したインプラントフィクスチャーの緻密質、単斜晶率(単斜晶割合)、表面粗さ、及び焼結体粒子径を評価した。その結果は以下のとおりであった。
緻密質:相対密度99%以上
単斜晶率:0vol%
焼結体粒子径:0.15μm
算術平均粗さRa:1〜5μm
最大高さRz:5〜40μm
なお、緻密質は、JIS R1634の方法で嵩密度を測定し、その嵩密度の値を理論密度で除する方法で評価した。また、単斜晶率は、X線解析を用いて評価した。また、焼結体粒子径は、プラニメトリック法で評価した。
プラニメトリック法の詳細は以下のとおりである。セラミックスの焼結面、或いは鏡面研磨した面をSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影し、得られた写真上に面積がAの円を描き、その円内の粒子数(円周にかからない粒子の粒子数)Na、円周にかかる粒子数Nb、及びSEMの倍率Mを基に、以下のように算出した平均粒子径Dを焼結体粒子径とする。
円内の粒子数Nc=Na+(1/2)×Nb
単位面積当たりの粒子数Ng=Nc/(A/M2
平均粒子径D=√(1/ Ng)
この方法では、粒子1個が占める面積1/ Ngから、粒子の断面形状を正方形と見なして計算する。
なお、Mは8千倍以上とし、円はNc≧100となる大きさとする。写真上にNc≧100となる円が描けないときは、SEMの倍率を下げて再度撮影した写真を用いる。Mを8千倍としても、Nc≧100となる円が描けないときは、複数の写真(互いに重複しない)を撮影し、複数の写真にそれぞれ円を描き、各円におけるNcの合計Nctが、Nct≧100となるようにして、Ngを以下の式によって求める。
単位面積当たりの粒子数Ng=Nct/(At/M2
ここで、Nctは、各円におけるNcの合計であり、Atは各円の面積Aの合計である。
また、表面粗さの測定方法は、「JIS B0601 :2001版」に準拠する方法である。
3.インプラントフィクスチャーが奏する効果(耐久性)を確認するための試験
(1)試験体の作成
(i)試験体A
上述したインプラントフィクスチャーと同様の方法で、試験体Aを作成した。ただし、試験体Aの形状は、大きさが30mm×5mm×2mmである板状とした。この試験体Aの緻密質(相対密度)は99%以上であり、焼結体粒子径は0.15μmであった。また、試験体Aの算術平均粗さRaは1.6μmであり、最大高さRzは21μmであった。
(ii)試験体B
基本的には試験体Aと同様の方法であるが、焼成温度を1300℃ではなく、1400℃として、試験体Bを作成した。この試験体Bの緻密質(相対密度)は99%以上であり、焼結体粒子径は0.28μmであった。また、試験体Bの算術平均粗さRaは1.8μmであり、最大高さRzは21μmであった。
(iii)試験体C
基本的には試験体Aと同様の方法であるが、焼成温度を1300℃ではなく、1550℃として、試験体Cを作成した。この試験体Cの緻密質(相対密度)は99%以上であり、焼結体粒子径は0.41μmであった。また、試験体Cの算術平均粗さRaは1.5μmであり、最大高さRzは14μmであった。
(iv)試験体R
まず、試験体Aと同様の方法で、大きさが30.1mm×5.1mm×2.1mmである板状の前駆体を作成した。次に、この前駆体の片面(後に単斜晶率を測定する面)を平面研磨板で研磨した後、ブラスト処理して、大きさが30mm×5mm×2mmである板状の試験体Rを作成した。ブラスト処理においては、サンドブラスト材として、セラミックビーズ(平均粒径は280μm)を使用し、ブラスト圧は0.5kgf/cm2とした。サンドブラスト処理器機としては、ペンタイプサンドブラスターを用いた。
上記のようにして作成した試験体Rの緻密質(相対密度)は99%以上であり、焼結体粒子径は0.15μmであった。また、試験体Rの算術平均粗さRaは2.2μmであり、最大高さRzは16μmであった。
(v)試験体X
まず、試験体Rを作製し、この試験体Rをアニール処理することによって単斜晶率を下げたものを試験体Xとした。アニール処理の条件は、焼成温度1000℃における2時間焼成である。試験体Xの相対密度は99%以上であり、結晶体粒子径は0.15μmであった。また、試験体Xの算術平均粗さRaは2.2μmであり、最大高さRzは22μmであった。
(2)試験方法
まず、各試験体の単斜晶率(vol%)を測定する。次に、各試験体を、濃度1%のL−乳酸水溶液(温度:35℃)に浸漬し、浸漬開始から1日後、10日後、1ヶ月後、3ヵ月後、6ヵ月後における単斜晶率(vol%)をそれぞれ測定する。
(3)試験結果
試験結果を表1に示す。
Figure 2013180180
表1から明らかなように、試験体A、B、Cでは、試験体Rに比べて、単斜晶率が遥かに小さく、乳酸水溶液に長時間浸漬しても、単斜晶率が上昇し難かった。特に、焼成温度が1400℃以下であり、焼結体粒子径が0.3μm以下である試験体A、Bでは、単斜晶率が一層上昇し難かった。
それに対し、表面を研磨し、単斜晶率が初期から大きかった試験体Rでは、乳酸水溶液に浸漬すると、単斜晶率が急激に上昇し、6ヵ月後には表面が崩壊した。
この結果から、初期の単斜晶率が小さい試験体A、B、Cは、乳酸水溶液に浸漬しても単斜晶率が上昇し難く、耐久性に優れることが確認できた。また、試験体A、B、Cは、適度な表面粗さを有していた。
また、インプラントフィクスチャー1を実際に生体に挿入し、使用したところ、乳酸等に対する耐久性において優れていた。また、インプラントフィクスチャー1は、生体親和性が高く、生体との適合性において優れていた。
4.インプラントフィクスチャーが奏する効果(骨結合性)を確認するための試験
(1)試験体の作成
(i)試験体Aa
試験体Aと同様の方法で、試験体Aaを作成した。ただし、試験体Aaの形状は、上述したインプラントフィクスチャーの形状であり、骨に埋没させる部分の形状は、Φ3.0mm、長さ9mmのスクリュ(ピッチ1.2mm、溝深さ0.4mm)とした。また、試験体Aaの算術平均粗さRaは2.0μmであり、最大高さRzは23μmであった。
(ii)試験体Ba
試験体Bと同様の方法で、試験体Baを作成した。ただし、試験体Baの形状は、上述した試験体Aaと同様とした。また、試験体Baの算術平均粗さRaは1.8μmであり、最大高さRzは22μmであった。
(iii)試験体Ca
試験体Cと同様の方法で、試験体Caを作成した。ただし、試験体Caの形状は、上述した試験体Aaと同様とした。また、試験体Caの算術平均粗さRaは1.7μmであり、最大高さRzは18μmであった。
(iv)試験体Xa
試験体Xと同様の方法で、試験体Xaを作成した。ただし、試験体Xaの形状は、上述した試験体Aaと同様とした。また、試験体Xaの算術平均粗さRaは2.2μmであり、最大高さRzは23μmであった。
(v)試験体Ya
試験体Aaと同様の方法で、試験体Yaを作成した。ただし、試験体Yaの製造においては、母模型21の表面をブラスト処理しなかった。また、試験体Yaの算術平均粗さRaは0.3μmであり、最大高さRzは2μmであった。
(2)試験方法
各試験体をビーグル犬(1〜2歳)の下顎骨第ニ臼歯部に埋植し、4週間後に、試験体を埋植したまま、顎骨を取り出す。その後、顎骨を固定し、埋植した試験体を顎骨から取り外すのに必要なトルクを測定する。詳しくは、トルクメーターに連結されたフィクスチャー専用ドライバーを用いて試験体を顎骨から取り外し、そのときに検出した、ドライバーを介した最大トルクを引き抜きトルク強度とする。試験は、各試験体について、N数=3で行う。
(3)試験結果
各試験体について、引き抜きトルク強度の測定結果は以下のとおりであった。なお、以下の数値は、N数=3での平均値である。
試験体Aa:32N・cm
試験体Ba:29N・cm
試験体Ca:28N・cm
試験体Xa:32N・cm
試験体Ya:16N・cm
引き抜きトルク強度は、骨結合性を反映する測定値である。前記の試験結果から明らかなように、骨結合性は、試験体の表面粗さにより相違した。すなわち、表面粗さが小さい試験体Yaよりも、表面粗さが大きいその他の試験体の方が、骨結合性が高く、骨に対し安定して固定される。
尚、本発明は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、母模型の材質はSUSには限定されず、他の金属(例えば真鍮等)であってもよい。
また、図1に示すインプラントフィクスチャーは、埋設部1aと露出部1bとが一体化された1ピース型であるが、インプラントフィクスチャーの形状は、図1に示すものには限定されず、任意の形状とすることができる。例えば、埋設部と露出部とが別々のパーツとなっている2ピース型のインプラントフィクスチャーであってもよい。この場合、埋設部のパーツがインプラントフィクスチャーとなり、露出部のパーツがアバットメントとなる。例えば、インプラントフィクスチャーに雌ネジを設けるとともに、アバットメントに雄ネジを設け、インプラントフィクスチャーの雌ネジにアバットメントの雄ネジをねじ込むことで、アバットメントをインプラントフィクスチャーに対し固定することができる。
また、インプラントフィクスチャー1の製造方法は、他の方法であってもよい。例えば、まず、セラミックスの焼結体を研削することにより、図1に示す形状を作り、次に、アニール処理を行う方法であってもよい。この製造方法では、研削直後は、セラミックスの焼結体の単斜晶率が高くなっているが、アニール処理により、単斜晶率を低下させることができる。ただし、乳酸等に対する耐久性は、この製造方法で製造したインプラントフィクスチャーよりも、前記実施形態で製造したものの方が高い。
1・・・インプラントフィクスチャー、1a・・・埋設部、1b・・・露出部、
3・・・ナット部、9・・・突条対、11・・・溝、13・・・第1の突条、
15・・・第2の突条、21・・・母模型、23・・・台座、
23a・・・外周面、25・・・外型、27・・・反転型、27a・・・凹部

Claims (5)

  1. ジルコニアを含むセラミックスから成り、
    単斜晶率が1vol%以下であり、
    埋設部の算術平均粗さRaが1〜5μmの範囲にあることを特徴とするインプラントフィクスチャー。
  2. ジルコニアの含有率が86質量%以上であることを特徴とする請求項1記載のインプラントフィクスチャー。
  3. アルミナを含有することを特徴とする請求項1又は2記載のインプラントフィクスチャー。
  4. イットリアを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインプラントフィクスチャー。
  5. 焼結体粒子径が0.45μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のインプラントフィクスチャー。
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