JP2013179002A - ハロゲン電球 - Google Patents

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Abstract

【課題】点灯継続時のバルブの基部の温度上昇を抑制することができるハロゲン電球を提供すること。
【解決手段】内部にハロゲンガスが封入され、基部11aで気密封止されている透光性バルブ11、基部に下端部が埋設された状態でバルブの内部に向けて立設された一対の導電性支柱12、13、各々の導電性支柱の下端部と上端部との間に付設された支柱固定部材14、一方の端部15aが一方の導電性支柱12に電気的な接続状態で固定され、他方の端部15bが他方の導電性支柱13に電気的な接続状態で固定されたフィラメント15、そして各導電性支柱の下端部に電気的に接続している電極端子16、17を備え、少なくとも一方の導電性支柱12の、透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材14の下側の領域に、幅方向に膨張した導電性膨張部22が形成されているハロゲン電球。
【選択図】図1

Description

本発明は、舞台あるいは放送局のスタジオの照明器具の光源に特に有利に用いることができるハロゲン電球に関する。
演劇やコンサートが行なわれる舞台、あるいは放送局のスタジオには、各種の照明器具が備えられている。このような照明器具の光源としては、太陽光に近い発光色を示すことから、ハロゲン電球が広く用いられている。
特許文献1には、内部にハロゲンガスが封入され、基部(底部)で気密封止されている透光性バルブ、前記基部に下端部が埋設された状態でバルブの内部に向けて立設された一対の導電性支柱(棒状導電性支持体)、各々の導電性支柱の下端部と上端部との間に付設された支柱固定部材(絶縁性支持梁)、一方の端部が一方の導電性支柱に電気的な接続状態で固定され、他方の端部が他方の導電性支柱に電気的な接続状態で固定されたフィラメント、そして各導電性支柱の下端部に電気的に接続している電極端子を含むハロゲン電球が開示されている。
特開2007−250375号公報(第1図)
ハロゲン電球を点灯し続けると、透光性バルブの基部が、基部に埋設された導電性支柱の下端部と共に極めて高温(例えば、350〜450℃程度)になる。このため、透光性バルブの基部と導電性支柱の下端部とが熱膨張する。
透光性バルブは石英ガラスに代表されるセラミック材料から、そして導電性支柱はタングステンに代表される金属材料から形成され、両者は熱膨張率の値が互いに異なる材料から形成されることが一般的である。
従って、前記のように透光性バルブの基部と導電性支柱の下端部とが熱膨張すると、両者が熱膨張率の値が互いに異なる材料から形成されることから、それぞれの伸び量(熱膨張の量)に違いを生じ、透光性バルブの基部と導電性支柱の下端部との接触部に歪みが生じる。
このため、ハロゲン電球を長時間継続して使用すると、透光性バルブの基部にクラック(亀裂)が発生してバルブの気密封止が破れ、透光性バルブからハロゲンガスが漏出することがある。
ハロゲン電球のフィラメントはタングステンから形成される。そしてハロゲンガスは、通電により高温となったフィラメントから発生するタングステンの蒸気と結合し、対流によりバルブ内部を移動して、このタングステンをフィラメントに付着させる(フィラメントに戻す)働きをする。
本発明の課題は、点灯継続時の透光性バルブの基部の温度上昇を抑制することができるハロゲン電球を提供することにある。
本発明の発明者は、ハロゲン電球の点灯継続時に透光性バルブの基部が温度上昇する原因について、詳細な研究を行なった。その結果、透光性バルブの基部の温度上昇は、ハロゲン電球の点灯時(通電時)にジュール熱を発生して極めて高温となったフィラメントから輻射熱を受けることが主要な原因となって引き起こされるものの、その一方でフィラメントを支持している導電性支柱も多くのジュール熱を発生して、このジュール熱がバルブの基部に伝わることも、基部が温度上昇する原因になっていることを見出した。
このため本発明者が更に研究を進めた結果、導電性支柱の透光性バルブ内に露出している部分の所定の領域に、上記支柱の幅(径)方向に膨張した導電性膨張部を形成することにより、この膨張部が形成された支柱部分の電気抵抗が小さくなって、上記支柱部分における熱の発生を少なくすることが可能となることを見出した。従って、導電性支柱の下端部を介して基部に伝わる熱量が少なくなることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、内部にハロゲンガスが封入され、基部で気密封止されている透光性バルブ、前記基部に下端部が埋設された状態でバルブの内部に向けて立設された一対の導電性支柱、各々の導電性支柱の下端部と上端部との間に付設された支柱固定部材、一方の端部が一方の導電性支柱に電気的な接続状態で固定され、他方の端部が他方の導電性支柱に電気的な接続状態で固定されたフィラメント、そして各導電性支柱の下端部に電気的に接続している電極端子を含むハロゲン電球であって、少なくとも一方の導電性支柱の、透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材の下側の領域に、幅方向に膨張した導電性膨張部が形成されていることを特徴とするハロゲン電球にある。
本発明のハロゲン電球の好ましい態様は、次の通りである。
(1)一対の導電性支柱の双方に導電性膨張部が形成されている。
(2)上記導電性支柱が、バルブに埋設された部位から上端部まで同じ径の棒状導電材から形成されていて、上記導電性膨張部が前記導電材の周囲に、前記導電材と電気的な接続状態で付設されている筒状導電性部材から形成されている。
(3)上記筒状導電性部材が、導電性線状部材を螺旋状に巻いて形成された導電性コイルである。
(4)上記筒状導電性部材が、棒状導電材と同一の材料から形成されているか、あるいは棒状導電材よりも抵抗率が低い材料から形成されている。
(5)上記導電性膨張部が、導電性支柱の支柱固定部材の下側の表面領域の少なくとも30%に相当する領域に形成されている。
(6)上記導電性膨張部が、導電性支柱の支柱固定部材の下側の表面領域の少なくとも50%に相当する領域に形成されている。
(7)上記導電性膨張部が、導電性支柱の支柱固定部材の下側の表面領域の少なくとも80%に相当する領域に形成されている。
(8)上記導電性膨張部が、導電性支柱の基部に接する部位から上方に向かって延びるように形成されている。
本明細書において、上記ハロゲン電球の「下側」とは、透光性バルブの基部の側を、そして「上側」とは、透光性バルブの基部の側とは反対側を、それぞれ意味する。また、上記の「透光性」とは、波長が400〜4000nmの範囲にある光の透過率が70%以上であることを意味する。
また、上記の「支柱固定部材」とは、導電性支柱とフィラメントとの接続部よりも下側において一対の支柱を固定している部材を意味する。なお、導電性支柱とフィラメントとの接続部よりも下側に支柱固定部材が二つ以上ある場合、本発明のハロゲン電球には、導電性支柱の透光性バルブ内に露出している部分の内の、少なくとも一つの支柱固定部材の下側の領域に導電性膨張部を備える構成のものが含まれる。
本発明のハロゲン電球では、点灯継続時における透光性バルブの基部の温度上昇を抑制することができるため、基部でクラックが発生し難く、従ってバルブの気密不良による不具合の発生を抑制することができる。
本発明のハロゲン電球の構成例を示す一部切り欠き正面図である。 本発明のハロゲン電球の別の構成例を示す一部切り欠き正面図である。 図2のハロゲン電球30の符号IIIで示す部位の拡大図である。 本発明のハロゲン電球の更に別の構成例を示す拡大図である。
先ず、本発明のハロゲン電球の代表的な実施態様を、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のハロゲン電球の構成例を示す一部切り欠き正面図である。図1のハロゲン電球10は、内部にハロゲンガスが封入され、基部11aで気密封止されている透光性バルブ11、基部11aに下端部12a、13aが埋設された状態でバルブ11の内部に向けて立設された一対の導電性支柱12、13、各々の導電性支柱の下端部と上端部との間に付設された支柱固定部材14、一方の端部15aが一方の導電性支柱12に電気的な接続状態で固定され、他方の端部15bが他方の導電性支柱13に電気的な接続状態で固定されたフィラメント15、そして各導電性支柱の下端部に電気的に接続している電極端子16、17から構成されている。
そして図1のハロゲン電球10は、上記の少なくとも一方の導電性支柱、例えば、導電性支柱12の、透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材14の下側の領域に、幅方向に膨張した導電性膨張部22が形成されていることに特徴がある。
透光性バルブ11は、基部11aで気密封止されている。透光性バルブ11は、例えば、石英ガラスから形成される。
透光性バルブ11の内壁面の黒化を防止するため、透光性バルブ11の内部には、ハロゲンガスが封入される。ハロゲンガスに加えて、窒素ガス、あるいはアルゴンガスなどを封入することもできる。
ハロゲンガスとしては、例えば、CH2Br2、CH2Cl2、あるいはCH2Br2及びCH2Cl2のガスを用いることができる。
導電性支柱12、13は、各々の下端部12a、13aが透光性バルブ11の基部11aに埋設された状態でバルブ11の内部に向けて立設されている。
導電性支柱を形成する導電性材料としては、例えば、タングステン、モリブデン、そしてタンタルに代表される金属材料が用いられる。導電性材料としては、タングステンを用いることが好ましい。
導電性支柱12の下端部12aと上端部12bとの間、そして導電性支柱13の下端部13aと上端部13bとの間には、支柱固定部材14が付設されている。
支柱固定部材は、石英ガラスに代表される電気的に絶縁性の材料から形成される。このため、一対の導電性支柱が、支柱固定部材を介して互いに電気的に接続されることはない。
フィラメント15は、その一方の端部15aが一方の導電性支柱12に電気的な接続状態で固定され、そして他方の端部15bが他方の導電性支柱13に電気的な接続状態で固定されている。フィラメントは、例えば、タングステンから形成される。
導電性支柱12の下端部12aには電極端子16が、そして導電性支柱13の下端部13aには電極端子17が、それぞれ電気的に接続されている。各々の電極端子は、例えば、モリブデンから形成される。
導電性支柱12の下端部12aと電極端子16とは、金属箔18を介して電気的に接続されていることが好ましい。同様に、導電性支柱13の下端部13aと電極端子17とは、金属箔19を介して電気的に接続されていることが好ましい。各々の金属箔としては、モリブデン箔を用いることが好ましい。
ハロゲン電球10は、例えば、バイポスト型の口金24を備えている。口金24は、一対の棒状電極端子24a、24bを備えている。棒状電極端子24a、24bは、それぞれ導電線24c、24d、そして金属箔24e、24fを介して電極端子16、17に電気的に接続されている。
ハロゲン電球10は、口金24の一対の棒状電極端子24a、24bに電気的エネルギーを付与(例えば、交流電圧を印加)すると、この電気的エネルギーが導電線24c、24d、金属箔24e、24f、電極端子16、17、金属箔18、19、そして導電性支柱12、13を介してフィラメント15に付与され、これによりフィラメント15が白熱して点灯する。
ハロゲン電球10では、前記のように少なくとも一方の導電性支柱、例えば、導電性支柱12の、透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材14の下側の領域に、幅方向に膨張した導電性膨張部22が形成されている。導電性膨張部22は、例えば、導電性コイルから形成されている。導電性コイルとしては、例えば、タングステン製の導電線(導電性線状部材)を螺旋状に巻いて形成したものを用いている。
上記の導電性膨張部22の形成により、膨張部22が形成された支柱部分の電気抵抗が小さくなるため、電球の点灯時(通電時)に上記支柱部分にて発生するジュール熱が少なくなる。これにより導電性支柱12の下端部12aを介して透光性バルブ11の基部11aに伝わる熱量が少なくなるため、透光性バルブ11の基部11aの温度上昇を抑制することができる。また、透光性バルブ11の基部11aに埋設する導電性支柱12の下端部12aを太くする必要がないため、透光性バルブ11を基部11aで確実に気密封止することができる
次に、図1のハロゲン電球10を参照しながら、本発明のハロゲン電球の好ましい実施態様について詳しく説明する。
本発明のハロゲン電球10においては、上記の一対の導電性支柱12、13の双方に導電性膨張部22、23が形成されていることが好ましい。これにより、電球10の点灯時(通電時)に、導電性支柱12、13の導電性膨張部22、23が形成された支柱部分にて発生するジュール熱が少なくなり、導電性支柱12、13の下端部12a、13aを介して透光性バルブ11の基部11aに伝わる熱量が更に少なくなる。従って、透光性バルブ11の基部11aの温度上昇を更に抑制することができる。
導電性支柱12は、透光性バルブ11に埋設された部位(すなわち下端部12a)から上端部12bまで同じ径の棒状導電材から形成されていて、そして導電性膨張部22は、前記の導電材の周囲に、この導電材と電気的な接続状態で付設されている筒状導電性部材(例、後述の導電性コイル)から形成されていることが好ましい。
同様に、導電性支柱13は、透光性バルブ11に埋設された部位(すなわち下端部13a)から上端部13bまで同じ径の棒状導電材から形成されていて、そして導電性膨張部23は、前記の導電材の周囲に、この導電材と電気的な接続状態で付設されている筒状導電性部材(例、後述の導電性コイル)から形成されていることが好ましい。
筒状導電性部材としては、導電性線状部材を螺旋状に巻いて形成された導電性コイルを用いることが好ましい。導電性線状部材の例としては、タングステン、モリブデン、そしてタンタルに代表される金属材料から形成された導電線が挙げられる。
筒状導電性部材としては、上記の導電性コイルに代えて、導電性の筒体を用いることもできる。筒体の材料の例は、上記導電性コイルの場合と同様である。
筒状導電性部材は、棒状導電材と同一の材料から形成されているか、あるいは棒状導電材よりも抵抗率が低い材料から形成されていることが好ましい。なお、前記の「抵抗率」は、400℃での抵抗率を意味する。
筒状導電性部材が、棒状導電材よりも抵抗率が低い材料から形成されていると、筒状導電性部材を備える棒状導電材部分(支柱部分)の電気抵抗を十分に小さくすることができるため、上記棒状導電材部分にて発生するジュール熱を更に少なくすることができる。
特に、棒状導電材をタングステンから形成し、筒状導電性部材をモリブデン(タングステンよりも抵抗率が低い材料)から形成することが好ましい。
導電性膨張部は、導電性支柱の支柱固定部材の下側の表面領域の少なくとも30%に相当する領域に形成されていることが好ましく、50%に相当する領域に形成されていることが更に好ましく、80%に相当する領域に形成されていることが特に好ましい。導電性膨張部の形成領域が広くなるほど、導電性支柱の透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材の下側(バルブの基部の側)の領域にて発生するジュール熱が小さくなる。
例えば、図1のハロゲン電球10では、導電性膨張部22が、導電性支柱12の支柱固定部材14の下側の表面領域の約50%に相当する領域に形成されている。
導電性膨張部は、導電性支柱の基部に接する部位から上方に向かって延びるように形成されていることが好ましい。これにより、導電性支柱の基部の側の部分でのジュール熱の発生を抑制することができる。このため、ジュール熱の伝達による基部の温度上昇を効果的に抑制することができる。
なお、導電性膨張部は、導電性支柱の電気抵抗を低下させることができれば、導電性支柱の周方向の全体に形成されている必要はない。例えば、導電性支柱の周方向の一部分の表面領域に、導電性膨張部が形成されていてもよい。
また、導電性支柱と導電性膨張部との間には、間隙(隙間)が形成されていてもよい。例えば、上記の導電性膨張部22として用いる導電性コイルの内周面は、導電性線状部材を螺旋状に巻いて形成したものであるため、互いに隣接する線状部材の間の位置に凹部(溝)を備えている。従って、上記の導電性支柱12の外周面と導電性膨張部22の内周面との間には空隙が形成される。
導電性膨張部は、前記のように導電性支柱が幅(径)方向に膨張した部位である。従って、導電性支柱と導電性膨張部は、互いに電気的に接続されている。導電性支柱と導電性膨張部とが互いに「電気的に接続されている」とは、ハロゲン電球の点灯時に導電性支柱に電流が流れた際に、導電性膨張部にも電流が流れるように接続されていることを意味している。但し、導電性膨張部は、導電性支柱に電気的に接続されていれば、導電性支柱には電気的に接続されていない部位(ハロゲン電球の点灯時に電流が流れない部位)を有していてもよい。
図2は、本発明のハロゲン電球の別の構成例を示す一部切り欠き正面図である。そして図3は、図2のハロゲン電球30の符号IIIで示す部位の拡大図である。
図2及び図3に示すハロゲン電球30は、内部にハロゲンガスが封入され、基部31aで気密封止されている透光性バルブ31、基部31aに下端部32a、33aが埋設された状態でバルブ31の内部に向けて立設された一対の導電性支柱32、33、各々の導電性支柱の下端部と上端部との間に付設された支柱固定部材34a、一方の端部35aが一方の導電性支柱32に電気的な接続状態で固定され、他方の端部35bが他方の導電性支柱33に電気的な接続状態で固定されたフィラメント35、そして各導電性支柱の下端部に電気的に接続している電極端子36、37から構成されている。
上記導電性支柱32の、透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材34aの下側の領域に、幅方向に膨張した導電性膨張部42が形成されている。同様に上記導電性支柱33の、透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材34aの下側の領域に、幅方向に膨張した導電性膨張部43が形成されている。
導電性膨張部42は、導電性支柱32の支柱固定部材34aの下側の表面領域(図3に記入した符号L0で示す領域)の約91%に相当する領域(図3に記入した符号L1で示す領域)に形成されている。同様に、導電性膨張部43は、導電性支柱33の支柱固定部材34aの下側の表面領域の約91%に相当する領域に形成されている。
図3に示すように、支柱固定部材34aは、導電性支柱32の下端部32aと上端部32bとの間、そして導電性支柱33の下端部33aと上端部33bとの間に付設されている。
支柱固定部材34aは、その下方に別の支柱固定部材34bを支持している。支柱固定部材34bは、例えば、石英ガラスに代表される電気的に絶縁性の材料から形成される。支柱固定部材34bは、透光性バルブ11の内周面に対応する円盤状の形状に設定されている。支柱固定部材34bは、透光性バルブ31の基部31aが、通電時に高温となるフィラメント35の輻射熱を受け難くする機能を有している。
図4は、本発明のハロゲン電球の更に別の構成例を示す拡大図である。図4のハロゲン電球40の構成は、一方の導電性支柱32に上側の導電性膨張部42aと下側の導電性膨張部42bが形成され、そして他方の導電性支柱33に上側の導電性膨張部43aと下側の導電性膨張部43bが形成されていること以外は図3に示すハロゲン電球30の構成と同様である。
上側の導電性膨張部42a、43a、および下側の導電性膨張部42b、43bとしては、それぞれ導電性コイルが用いられている。そして下側の導電性膨張部42b、43bとして用いる各導電性コイルの両端は、それぞれ透光性バルブ31の基部31aに埋設された状態にて金属箔38、39に電気的に接続されている。
このように、各々の導電性支柱には、二個あるいはそれ以上の導電性膨張部を形成することもできる。
[比較例1]
先ず、一対の導電性支柱の何れにも導電性膨張部が形成されていないこと以外は図1に示すハロゲン電球と同一の構成を有する比較例1のハロゲン電球を合計で20個用意した。
このハロゲン電球の一対の導電性支柱の直径は、それぞれ2mmに設定されている。各々の導電性支柱は、タングステンから形成されている。
次に、比較例1のハロゲン電球を、透光性バルブの放熱が妨げられるように金属製の箱に収容して蓋をしたのちに点灯させ、次いで90分後に熱電対を用いてバルブの基部の温度を測定したのち、電球を消灯して放冷した。このようにして、比較例1の合計で20個のハロゲン電球の各々について同様の操作を行なった。
最後に、比較例1の各々のハロゲン電球の口金を取り外し、バルブの基部の状態を目視で確認したところ、幾つかの電球のバルブの基部にクラックが発生していることを確認した。
[実施例1]
先ず、図1に示すように、一対の導電性支柱12、13の支柱固定部材14の下側の領域に導電性コイル(導電性膨張部)22、23を備える実施例1のハロゲン電球を合計で20個用意した。
このハロゲン電球の一対の導電性支柱12、13の直径は、それぞれ2mmに設定されていて、そして導電性コイル22、23の直径(線径)は、それぞれ1mmに設定されている。各々の導電性支柱、および導電性コイルは、タングステンから形成されている。
なお、導電性膨張部22は、導電性支柱12の支柱固定部材14の下側の表面領域の約53%に相当する領域に備えられていて、そして導電性膨張部23もまた、導電性支柱13の支柱固定部材14の下側の表面領域の約53%に相当する領域に備えられている。
次に、実施例1のハロゲン電球を、透光性バルブの放熱が妨げられるように金属製の箱に収容して蓋をしたのちに点灯させ、次いで90分後に熱電対を用いてバルブの基部の温度を測定したのち、電球を消灯して放冷した。このようにして、実施例1の合計で20個のハロゲン電球の各々について同様の操作を行なった。
実施例1のハロゲン電球について測定されたバルブの基部の温度の平均値T1と、比較例1のハロゲン電球について測定されたバルブの基部の温度の平均値T2との差(T2−T1)は約20℃となり、導電性膨張部の形成により透光性バルブの基部の温度上昇が抑制されることを確認した。
最後に、実施例1の各々のハロゲン電球の口金を取り外し、バルブの基部の状態を目視で確認したところ、クラックの発生は見られなかった。
10 ハロゲン電球
11 透光性バルブ
11a 基部
12、13 導電性支柱
12a、13a 下端部
12b、13b 上端部
14 支柱固定部材
15 フィラメント
15a、15b 端部
16、17 電極端子
18、19 金属箔
22、23 導電性膨張部(導電性コイル)
24 口金
24a、24b 棒状電極端子
24c、24d 導電線
24e、26f 金属箔
25、26 導電線
30、40 ハロゲン電球
31 透光性バルブ
31a 基部
32、33 導電性支柱
32a、33a 下端部
32b、33b 上端部
34a、34b 支柱固定部材
35 フィラメント
35a、35b 端部
36、37 電極端子
38、39 金属箔
42、43 導電性膨張部(導電性コイル)
42a、43a 上側の導電性膨張部(導電性コイル)
42b、43b 下側の導電性膨張部(導電性コイル)

Claims (9)

  1. 内部にハロゲンガスが封入され、基部で気密封止されている透光性バルブ、該基部に下端部が埋設された状態でバルブの内部に向けて立設された一対の導電性支柱、各々の導電性支柱の下端部と上端部との間に付設された支柱固定部材、一方の端部が一方の導電性支柱に電気的な接続状態で固定され、他方の端部が他方の導電性支柱に電気的な接続状態で固定されたフィラメント、そして各導電性支柱の下端部に電気的に接続している電極端子を含むハロゲン電球であって、少なくとも一方の導電性支柱の、透光性バルブ内に露出している部分の内の支柱固定部材の下側の領域に、幅方向に膨張した導電性膨張部が形成されていることを特徴とするハロゲン電球。
  2. 一対の導電性支柱の双方に導電性膨張部が形成されている請求項1に記載のハロゲン電球。
  3. 上記導電性支柱が、バルブに埋設された部位から上端部まで同じ径の棒状導電材から形成されていて、上記導電性膨張部が該導電材の周囲に、該導電材と電気的な接続状態で付設されている筒状導電性部材から形成されている請求項1もしくは2に記載のハロゲン電球。
  4. 上記筒状導電性部材が、導電性線状部材を螺旋状に巻いて形成された導電性コイルである請求項3に記載のハロゲン電球。
  5. 上記筒状導電性部材が、棒状導電材と同一の材料から形成されているか、あるいは棒状導電材よりも抵抗率が低い材料から形成されている請求項3もしくは4に記載のハロゲン電球。
  6. 上記導電性膨張部が、導電性支柱の支柱固定部材の下側の表面領域の少なくとも30%に相当する領域に形成されている請求項1もしくは2に記載のハロゲン電球。
  7. 上記導電性膨張部が、導電性支柱の支柱固定部材の下側の表面領域の少なくとも50%に相当する領域に形成されている請求項6に記載のハロゲン電球。
  8. 上記導電性膨張部が、導電性支柱の支柱固定部材の下側の表面領域の少なくとも80%に相当する領域に形成されている請求項7に記載のハロゲン電球。
  9. 上記導電性膨張部が、導電性支柱の基部に接する部位から上方に向かって延びるように形成されている請求項1乃至8の内の1項に記載のハロゲン電球。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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