提供されるシステムは、パイプライン網上に常時設置され、同じくパイプライン網上に設置される流量計のコンポーネントであるか、あるいはこの流量計と通信する数多くの低コストのインテリジェント振動記録計一式を含み得る。各記録計または記録計/流量計の組合せは、振動を検知し、メータ示度を獲得し、通信することができる。
パイプ内に漏れがある場合、圧力波が漏れの乱流源から発散し、漏洩箇所からパイプの壁およびパイプ内の流体を通って外部へと伝わる。この漏れ信号は距離と共に減衰し、パイプ網の有効な転送機能およびセンサ接続に左右されるスペクトルシグネチャー(異なる周波数で変動するエネルギー)を有する。記録計の有効範囲は、パイプ圧力、漏れ信号強度および可変の背景パイプ流量およびセンサに存在する周囲雑音レベルといった要因により左右される。
システムの態様には、パイプライン網上に記録計を設置する段階、記録計内で記録および処理する段階、読取装置およびコントローラを用いた記録計からデータベースまでのデータ転送(メータ読取データを含む)、コンピュータ内でのデータ分析、および分析の視覚的提示が含まれる。
水道およびその他の公益事業会社は、往々にして資本支出が運営支出を上回った状態で、資本および運営支出を管理する。漏れ検出は、処理および工場設備能力の必要条件の削減、生産の損失、制限ある水資源に起因する水利用(収益)の義務的な制約そして大惨事の危険性の低減という形で、有意な節約を生み出すことになる。水道会社の努力目標は、持続性あるネットワークおよび漏れ管理を達成するようにその人的および資本的資源を管理することにある。現在、漏れ検出は、従業員、車両およびコンピュータ化された漏れの検出および特定用機器を用いて現場で実施されている。記録計、読取装置およびコントローラを含めた完全なシステムが、付加的な運営支出なしに、この努力を集中させるのに必要な情報を提供している。
1つの一般的な態様においては、パイプライン網内の漏れを検出するための振動記録計は、パイプライン網から振動信号を受信するように動作可能なセンサ、自動メータ読取/送信装置(AMRT)に接続された通信ポート、および振動信号を受信するため通信ポートおよびセンサに接続されたプロセッサを含む。該プロセッサは、振動信号を処理し、通信ポートを用いてAMRTに対し処理済み振動信号に関するデータを送信するようにプログラミングされている。
実施形態は、以下の特徴のうちの1またはそれ以上のものを含み得る。例えば、該プロセッサは、AMRTにデータを送信するときに水量計のレジスタエンコーダをエミュレートするようにプログラミングでき、メータ読取値のシーケンスとしてAMRTに対し処理済み振動信号に関するデータを送信するようにプログラミングできる。
記録計はまた、水量計のレジスタエンコーダとの接続を含むことができ、また、レジスタエンコーダとの接続からメータ読取値を受信するようにプログラミングできる。プロセッサはまた、レジスタエンコーダのタイプを判定し、判定されたレジスタエンコーダタイプに基づいてレジスタエンコーダとの接続から受信したメータ読取値を解釈するようにプログラミングできる。プロセッサはまた、メータ読取値に基づいて使用活動パターンを判定するようにプログラミングできる。
振動記録計はまた、水量計により生成された磁気パルスを検出するように構成されたパルス検出器をも含み得る。かかる実施形態においては、該プロセッサは、パルス検出器の出力を受信するように接続され、パルス検出器の出力に基づいてメータ読取値を生成するようにプログラミングされる。プロセッサはまた、パルス検出器の出力に基づいて使用活動パターンを判定するようにプログラミングできる。
別の一般的態様においては、パイプライン網内の漏れを検出するための振動記録計は、パイプライン網からの振動信号を受信するように動作可能なセンサ、無線送信機、および振動信号を受信すべく無線送信機およびセンサに接続されたプロセッサ、を含む。該プロセッサは、該振動信号を処理し送信機を使用して処理済み振動信号に関するデータを伝送し、かつメータ読取値を生成し送信機を用いてメータ読取値を送信するようにプログラミングされている。
実施形態は、上記の特徴のうちの1またはそれ以上のものを含み得る。
別の一般的態様においては、パイプライン網上の振動を追跡する段階には、多数の振動記録計をパイプライン網上に設置する段階が含まれる。各振動記録計は、センサ、プロセッサおよび通信デバイスを含む。各振動記録計において、振動記録計のプロセッサの制御下で、プログラミングされた時刻にセンサから振動信号が受信され、受信済み振動信号は、振動記録計のプロセッサにより処理される。振動記録計の通信デバイスを用いて、1またはそれ以上の読取装置デバイスに振動記録計から処理済み振動信号が通信される。さらに、特定の振動記録計において、その特定の振動記録計に結びつけられた流量計からメータ示度が受信される。該メータ示度は該パイプライン網内の流量レベルを表示するものであり、特定の振動記録計の通信デバイスを用いて読取装置デバイスに対して特定の振動記録計から通信される。処理済み振動信号は、中央コンピュータシステムにおいて1またはそれ以上の読取装置デバイスから収集され、この中央コンピュータシステムは、異常な振動パターンを判定しパイプライン網内に存在するあらゆる漏れの尺度を得るべくメータ示度を併用して、収集された処理済み振動信号を分析する。
実施形態には、以下の特徴のうちの1またはそれ以上のものが含まれ得る。例えば、振動記録計は、ハウジングを含むことができ、振動記録計を設置する段階には、パイプのまわりに延びハウジングと係合する1またはそれ以上のOリングを用いてパイプライン網のパイプに振動記録計をしっかり固定する段階が含まれる。振動記録計は、流量計のコンポーネントであり得る。振動記録計のセンサは、振動記録計がパイプ上に設置されたときにパイプ内の流れに対し既知の配向にあるようにハウジング内で配向された圧電フィルム検知要素であり得る。
受信済み振動信号を処理する段階には、経時的に受信済み振動信号を追跡する段階が含まれ得る。経時的に受信済み振動信号を追跡する段階には、第1の時限にわたり受信済み振動信号の加重平均を計算する段階が含まれ、さらには、第1の時限の長さと異なる長さをもつ第2の時限にわたり受信済み振動信号の加重平均を計算する段階が含まれる。受信済み振動信号の処理段階にはまた、受信済み振動信号のパラメータの分配を決定する段階が含まれる。
読取装置デバイスに対して振動記録計からの処理済み振動信号メータ示度を通信する段階には、読取装置デバイスまたは該振動記録計が接続されているデバイスから送信された指令に応答してそれを行う段階が含まれ得る。プロセッサはまた、通信を開始することもできる。処理済み振動信号およびメータ示度は、無線通信チャンネルを用いて通信できる。メータ示度は、処理済み振動信号の通信と同時に、または処理済み振動信号とは別に、通信しても良い。
パイプライン網は、水道パイプライン網であり得、メータ読取装置は、振動記録計からの処理済み振動信号を読取装置デバイスに通信する段階が、メータ読取装置に水量計を読取らせる通常のプロセスと同時にそれを行う段階を含むように、読取装置デバイスを担持し得る。
中央コンピュータシステムにおいて読取装置デバイスからのメータ示度および処理済み振動信号を収集する段階には、中央コンピュータシステムに読取装置デバイスを接続する段階と、読取装置デバイスからのメータ示度および処理済み振動信号を中央コンピュータシステムにダウンロードする段階が含まれ得る。読取装置デバイスと中央コンピュータとの間の通信は、無線通信チャンネルを使用することを含み得る。
収集した処理済み振動信号を分析する段階には、振動記録計からの処理済み振動信号を用いて振動記録計についての漏れ指数を計算する段階が含まれ得る。振動記録計についての漏れ指数を計算する段階には、1またはそれ以上の付加的な振動記録計からの処理済み振動信号を使用する段階も含み得る。振動記録計について計算された漏れ指数を用いて、該振動記録計に対し漏れ状態を割当てることができる。漏れ指数を計算する段階には、パイプライン網内の漏れのおおよその存在率の推定値といったそのパイプライン網についての既知の情報を用いる段階が含まれ得る。漏れ指数は、ソリッドカラーマップを用いて表示することができる。1またはそれ以上の記録計の漏れ状態は、異なる色を用いることによってグラフ表示可能である。処理済み振動信号の履歴または統計的または夜間の分布を示すグラフを生成することができる。
別の一般的態様においては、パイプライン網内の漏れを検出する段階には、センサ、プロセッサおよび該パイプライン網内の流量レベルを表示するメータ示度を生成する流量計との接続を含む振動記録計をパイプライン網上に設置する段階が含まれる。該プロセッサの制御下でのプログラミングされた時刻におけるセンサからの振動信号が、プロセッサにより処理される。流量計からのメータ示度が、プロセッサの制御下でプログラミングされた時刻において接続を通して受信され、処理済み振動信号を用いてパイプライン網内の漏れが検出される。
実施形態には、以下の特徴のうちの1またはそれ以上が含まれ得る。例えば、メータ示度および処理済み振動信号は、振動記録計の通信デバイスを用いて収集場所に通信できる。
パイプライン網内の漏れを検出する段階には、処理済み振動信号と同時にメータ示度を用いる段階を含み得る。例えば、その漏れが流量計の上流側にあるか下流側にあるかは、メータ示度と処理済み振動信号との間の関係に基づいて判定できる。
例えば30分以上間隔を置いたメータ示度から、使用プロファイルを生成することもできるし、あるいは例えば30分未満の間隔を置いたメータ示度からメータパターンを生成することもできる。使用プロファイルまたはメータパターンは、振動記録計の通信デバイスを用いて収集場所に通信できる。パイプライン網内の漏れを、処理済み振動信号と同時に使用プロファイルまたはメータパターンを用いて検出することができる。
もう1つの一般的態様においては、パイプライン網内の漏れを検出するための振動記録計には、パイプライン網上に振動記録計を設置するための構造と、パイプライン網から振動信号を受信するように動作可能なセンサと、パイプライン網内の流量レベルを表示するメータ示度を生成する流量計との接続と、プロセッサとが含まれる。該プロセッサは、流量計との接続からメータ示度を受信するようにプログラミングされる。
実施形態には、以下の特徴のうちの1またはそれ以上のものが含まれ得る。例えば、振動記録計はまた、データを通信するように動作可能である通信ポートをさらに含むことができ、プロセッサは、該通信ポートを用いてデータとしてメータ示度に関する情報を通信するようにプログラミングできる。メータ示度に関する情報は、例えば、流量の測定値、メータ示度から生成された使用プロファイル、メータ示度から生成されたメータパターン、または該メータ示度が不正条件を表わすことを表示する警報を含み得る。該不正条件は、例えば、メータを通した逆流、閾値時限よりも長時間にわたるメータを通した連続流、または閾値レベルを超えたレベルでのメータを通した連続流、であり得る。プロセッサはまた、通信ポートを用いてデータとして検知済み振動信号に関する警報を通信するようにプログラミングできる。
1またはそれ以上の実施形態の詳細は、添付図面と以下の記述の中に記されている。その他の特徴は、明細書および図面および請求項から明らかとなるであろう。
さまざまな図面中の同じ参照記号は、同様の要素を示す。
図1を参照すると、パイプライン網105内の振動を追跡し漏れを検出するためのシステム100は、該パイプライン網105に接続された記録計110を含む。水量計または自動メータ読取装置のコンポーネントである記録計110は、パイプライン網内の振動についてのデータを収集する。1またはそれ以上の読取装置115が、記録計110に接近したときに、記録計110からのデータを収集する。該1またはそれ以上の読取装置115は、後にパーソナルコンピュータ(またはPC)といったコンピュータ120にデータをダウンロードし、このコンピュータは、パイプライン網105内の振動および関連する現象(例えば、漏れ)を検出すべく多数のロガーからのデータを処理する。
パイプライン網105は、水道システムに関連して以下で記述されるが、該パイプラインは他のタイプのネットワークであり得る。例えば、該システムは、天然ガス、石油およびジェット燃料を運ぶものといったその他の加圧流体搬送パイプライン網で機能することができる。
一般に、記録計110は、パイプライン網105上に常時設置された振動記録計である。例えば、パイプライン網105が水道網である場合には、記録計は給水ライン上で、標準的には、メータピットまたは地下室のいずれかの中の水道メータの近くに(または水道メータの一部として)常設される。一部の実施形態においては、記録計110は、水道メータまたは自動メータ読取装置の一部として含まれてよい。ガス分配システムにおいては、該記録計は、ガス供給ライン上で、標準的にはガスメータの近くに、ガスメータの一部として、またはガスメータと結びつけられた自動メータ読取装置の一部として常設され得る。その他のネットワーク、例えば伝送ライン内では、記録計はバルブ、その他の便利なアクセス地点またはパイプライン自体の上に設置可能である。設置は、記録計と通信するのに必要とされる施設およびパイプラインの構造に応じて、地下または地上でよい。
要約すると、図2において、システム100のためのデータサイクルは、漏れが振動を生成することで始まる(200)。記録計のセンサは、振動に対応する振動信号を生成し(205)、記録計はその振動信号に対応するデータを生成する(210)。読取装置が時折記録計からデータを収集する(215)。このデータは次に、読取装置から無線通信またはその他のリンクを通してコンピュータまで転送される(220)。コンピュータ上のソフトウェアがデータを処理し、漏れを識別して対応するレポートを生成する(225)。修理要員はこのとき、Flow metrix Incから入手可能なDigiCorrシステムといったその他のシステムを用いて、漏れの場所を確認し特定する(230)。最後に、特定された漏洩箇所は修理される(235)。
図3を参照すると、特定の実施形態において、各記録計110は、振動センサ300、信号調整電子機器305、プロセッサ310、電池電源315および低出力無線トランシーバ320を含む。センサ300は、例えば、圧電フィルムセンサ、圧電ケーブルセンサまたはその他の低コスト振動センサであり得る。センサ300は、それが取付けられているパイプ内の振動を反映する電気信号を生成する。
より寒冷な気候では、記録計は、標準的には地下室にある水量計に、またはこの水量計の一部として設置される。より温暖な気候では、記録計は地下水量計ピット内で屋外に設置することができる。記録計は、予想される漏れの発生に整合するように設計された設置密度を有する。大部分の漏れは、配給管上に発生する。標準的な設備は例えば、1マイル(1.6km)につき10基(500フィート毎に一基)、土壌に応じて供給10カ所につき1基、またはメータまたはメータ読取装置のコンポーネントとして含まれている記録計の場合には供給1カ所につき1基、でよい。設備は、繁華街域ではより高密度であり、また、農村部ではより低密度でよい。一般に、設備の密度は、パイプライン網の長さかまたはネットワーク上の供給箇所数かのいずれかにほぼ正比例する。
設置は有意なロジスティック活動であり、水量計グレードアップ計画の一環として実施可能である。図4および5に示されているように、記録計110の一実施形態は、風化作用および侵食作用に耐え、工具を必要とせず、パイプに容易かつ迅速に固定される2つのOリング405によってパイプ400に組立てられる。図示されているように、記録計のハウジング410は、Oリングの取付けを助ける接続点415を含む。さらにハウジング410は、パイプとの係合を容易にする湾曲したブラケット420を含む。
一部の実施形態において利用されるセンサである圧電フィルム振動センサは、超低振動レベルを記録することができるが、流れのラインに沿った方向性をもって配向されていなくてはならない。ハウジングの設計は、設置時のその配向を確実にする。設置後、記録計は、特定的にプログラミングされた読取装置からの無線信号を用いて始動される。
信号調整電子機器305は、センサ300から信号を受信し、信号を調整し、調整済み信号をプロセッサ310に渡す。例えば、信号調整電子機器305は、パイプライン上に存在するものの一般に漏れによっては生成されない低周波数振動を拒絶すべく、高域通過フィルタを使用するように構成されてもよい。信号調整電子機器305はさらに、高周波電子雑音を制限することにより、振動記録の信号−雑音比を改善すべく低域通過フィルタの使用を通して高周波数振動を拒絶するように構成可能である。信号調整電子機器305はまた、センサから受信した信号をデジタル化に適したレベルまで増幅すべくアナログ利得も提供する。アナログ利得の度合は、プロセッサ310のデジタル制御下で任意に設定可能である。増幅され、ろ過された信号は、信号調整電子機器305の内部またはプロセッサ310の内部で、周知のデジタル化技術を用いてデジタル化される。
プロセッサ310は、検出された振動を表わすデータを生成する。プロセッサは次に、後でトランシーバ320を用いて伝送するため、データを記憶する。トランシーバ320は、916MHzで動作するデジタル無線トランシーバでよい。
電源315は、記録計110の電子コンポーネントに給電する。一実施形態においては、電源は、10年以上記録計が動作するのに充分な電力を提供する2個のAAアルカリ乾電池を含む。
記録計は記録し、夜間の振動の有用な表示を生成すべく毎晩一連の記録を処理する。夜間は、使用流量が最小ひいてはパイプ圧力が最大であることに起因して、漏れ信号が最大限となる。背景および周辺雑音もまた最小である。夜間表示の目的は、水道の使用または背景雑音に起因する過渡的振動を排除し、夜間の最静寂時の間に存在するパイプ振動をそれが発生する場合に常に特徴づけすることにある。夜間の最静寂時に生成された信号は、静穏期パイプ信号と呼ぶことができる。
図6を参照すると、グラフ450は、単一の記録計により一夜の間で多数の時刻にサンプリングされた記録済み振動レベルの考え得る分布を示す。記録された振動レベルの分布を視覚化することにより、夜間の振動活動を解釈することが可能になる。例えば、図6に示されているように、背景振動活動は、平均μ1および標準偏差σ1と共に見かけの正規分布により表わすことができる。漏れが存在する場合、平均振動レベルμ1は、漏れが存在しない状況と比べて高い可能性があり、背景振動活動σ1の標準偏差はμ1に比べて、および漏れが存在しない状況に比べて小さくなる傾向をもつことになる。背景振動活動には、灌漑システム(スプリンクラ)、夜間使用、ポンプおよびその他の振動源といった原因に由来する過渡的なまたは散発的事象が含まれ得る。グラフ450は、平均μ2および標準偏差σ2と共に見かけの正規分布によって表わされるこの過渡的活動の効果を含む、考えられる二峰性分布を示している。例えば拡張または傾斜分布、または非正規パラメータまたは非パラメータ分布に後続する活動を含めた夜間振動活動のその他の分布形態も発生し得る。
図7を参照すると、夜間振動活動はまた、振動レベルと一日の時刻の間の関係を表現するグラフ460として示すことができる。最小振動レベルは、夜間のある時点で発生するものと推定され、静穏期パイプ信号に対応する。夜間活動を時系列として視覚化することにより、夜間振動活動の連続的および過渡的態様の解釈が可能となる。
図6および7に示されている視覚化能力のその他の利点は、明らかである。例えば、火災システムから取水するといったような予期せぬ使用は、記録された振動を検討することで検出可能である。水、ガス、石油等のパイプラインからの流体物の盗難または無許可使用もまた、記録された振動を検討することから検出され得る。システムのその他の応用は容易に明らかとなる。例えば、記録済み振動を用いて、特定の時限にわたりパイプラインから特定の地点で流体物のおおよその使用プロファイルを文書化および視覚化することができる。2つ以上のこのような時限からの記録の比較を用いて、パイプラインの特定の点での使用プロファイルの変化を検出することができる。
夜間振動の表示には、静穏期パイプ信号の絶対振動レベル、静穏期パイプ信号の周波数成分、夜間の周波数成分の分布および、履歴的に記録されたものとのこれらのパラメータの比較用尺度といったパラメータを含む可能性があるが、これらに制限されるわけではない。信号処理の最終的目的は、入手可能な夜間データ(1サンプルにつき1バイトおよび1秒あたり4000サンプルで2時間3000万バイト)を、64〜4096バイトの範囲内に含まれる有用な情報の特徴づけまたは圧縮に至るまで縮小することにある。
再び図1を参照すると、一実施形態において、各記録計110は独立して毎晩、一連の振動記録を行う。一般に記録計は、最高500フィート(150メートル)以上の距離から振動を検知することができるかもしれない。記録は、夜間振動レベルの有用な表示を生成すべく処理される。例えば、記録計110は、夜間に振動を監視し、監視された振動を処理し、日中および、記録または通信を行っていない時につねに低出力SLEEP状態に入るように構成され得る。
一実施形態においては、振動信号は、2048Hzのサンプリング速度でプロセッサ210によりデジタル化される。記録は、12:15amに始まり、合計記録K=256回で、4:30amまで毎分1回ずつ行われる。各記録は1秒間持続し、x
k(i)と記され、ここでkは記録回数であり、iは記録内のサンプル数である。パイプからの振動は標準的に擬似ランダム確率プロセスとして現われ、時として特定のスペクトル態様を伴う。従って、各記録は、低減された記憶必要条件のもとで有用な情報を抽出するように統計的に処理され得る。1つの有用な方法は、
として定義される、記録の平均絶対値を計算することである。なお式中、E〔〕は数学的に予想される値を表わし、記録はN=2048のサンプルで構成される。パイプ振動信号が統計的に正規分布に従うことが仮定される場合には、K個の記録の各々の結果として得られる|X|の値は、統計的カイ二乗分布に従うことになる。以下の数量を定義づけることが有用である。
および
なお式中、μ
qおよびσ
qはそれぞれ、q日目に行われたK回の記録全体について考慮されたこの仮定上のカイ二乗分布の平均および標準偏差である。流動雑音のみが存在する中で、μ
qおよびσ
qの関係が特異的であること、すなわちμ
qがほぼσ
qに等しいことが判明した。漏れまたは過渡的現象に起因する振動の存在下で、分布はもはやカイ二乗形態に従わない可能性がある。この場合には、|X|の分布形態を近似するのに充分な情報を記憶することが有用である。かかる近似の一例は、|X|の分布に近似的に従うヒストグラムのビンの値を計算することである。この手順はまず最初にμ
q-1±naσ
q-1として2pのビンの境界を定義づけする。なお式中、nは1〜pの範囲内にあり、aは例えば0.2といった定数である。|X|が各ビンの中に入る場合に出現数を計数することにより、|X|についてのパラメータ分布、または非パラメータ分布のいずれかを近似することができる。μ
q-1およびσ
q-1の値は、q日目に計算された分布のための出発点として使用される。このことは、分布の平均および標準偏差が、q−1日目からその翌日qまでに有意な差を示さない可能性があることを仮定する。
振動記録セットのもう1つの有用な縮小は、夜間に行われるあらゆる記録の最も静寂な特徴またはその他の望ましい特徴のいずれかに対応する|X|の値である。このパラメータは、静穏期パイプ信号に対応し、静穏期パラメータと呼ぶことができる。静穏期パラメータは、xk(i)を記録時刻kにおいて存在するパイプ振動信号の正確な反映とみなすことができるのに充分なほど記録持続時間が長いという仮定にたって、有用なものとなる。代替的には、|X|のK値の集合の有用な下位集合を用いて、静穏期パラメータを計算することができる。例えば、その夜の間に行われた最も静かな記録に対応する|Xk|の値の数を平均することにより、静穏期パラメータを計算することが有用であり得る。
パイプ振動信号は、異なる周波数で異なるエネルギーを含み得る。mが離散周波数を表わすものとして、X(m)と記される周波数対振動エネルギーの変動の表示を形成することが有用である。X(m)を推定するためには数多くの方法が存在する。これらには、フーリエ変換の応用、特定の周波数帯域を強調するために差分方程式で記録済みデータを処理するその他の数値変換の応用、およびその他の周知の数値デジタル信号処理方法が含まれる。1またはそれ以上の離散周波数帯域へのパイプ振動信号の分割が、信号コンポーネントの識別を可能にする。例えば、xk(i)はxk v(i)へと分割可能であり、ここでvは1〜Vの範囲内にあり、一定数の離散周波数帯域を表わす。これらの帯域は、例えば、オクターブフィルターバンクまたはウェーブレット変換などを含む、いわゆる基底系を用いて決定可能である。上記で記述されxk(i)を用いて実施される処理方法は全て、xk v(i)を用いても同等にうまく実施可能である(すなわち、パイプ振動信号の離散周波数帯域は、個々にまたは統合して処理できる)。
パイプ振動信号の確率的性質およびその他の振動の過渡的性質に起因して、上述のパラメータは、つねに漏れおよびその他の振動現象の信頼性ある標示であるとはかぎらない。記述された技術の1つの重要な態様は、記録計がその環境に適合化できるという点にある。記録計は、一夜または複数の夜にわたり体験した振動信号の変化を考慮に入れることによって、このような適合化を実施する。(記述されたパラメータを含めむが、ただし、これらに制限されるわけではない)あらゆる量的パラメータyを、以下の通り、一晩毎のペースで追跡することができる。
なお式中、y
qはq日目に追跡すべきパラメータであり、Rはそのパラメータを追跡すべき日数であり、Y
qは、q日目について計算されたパラメータの加重平均である。変数Rは、日数で測定された追跡期間と呼ぶことができる。追跡中のパラメータyが例えば振動レベルであり、Rが7に等しい場合には、Y
qは、最後の7日間にわたる振動レベルの加重平均となる。かくして、パラメータY
qは、最高7日間の振動レベルを有効に「覚えている」ことから有用である。振動レベルがq日目に突如変化した場合には、有用にも、この突然の変化を検出すべくY
qとY
qを比較することができる。
変数Rは、例えば14、30または90日、またはその他のいずれかの時限に設定することもできる。追跡期間Rでの追跡対象パラメータをYq Rとして表示すると、追跡対象パラメータのマトリクスを、各々複数の異なる追跡期間にわたり追跡された複数の異なるパラメータで定義づけすることができる。異なる追跡期間は、任意のパラメータの現行値yqとR日間にわたり計算されたその加重平均値Yq Rとの比較を可能にする。この比較は、約R日間にわたり推移した変化に対して最も鋭敏になる。例えば、一ヵ月にわたってパイプライン内の漏れが増大した場合、夜毎に測定されたパラメータyには有意な変化がないかもしれない。しかしながらyqとYq 30の比較は有意であると予想され得る。同様にして、Yq 90は、パラメータy内の季節的変化を追跡するものと予想できる。
このパラメータ追跡方法は、いくつかの利点を提供する。例えば、各々ある数の異なる追跡期間Rにわたり記録された小さいパラメータマトリクスyを更新し記録計のメモリ内に記憶することで、毎日個々のパラメータの値を記憶する必要性が無くなる。これは、記録計からより少量のデータを伝送するのにより小さい電力しか必要でなく、記録計および読取装置の両方において必要なメモリがさらに少なくなる、という点で有利である。記録計内の追跡期間Rは、読取装置を用いてプログラミング可能である。
パラメータの特定の特徴が、例えば、正常流、環境雑音、ポンプ雑音およびその他の正常な現象を含む正常現象を表示し得るか否か、またはパラメータが例えば漏れまたは無許可の使用といった異常な現象を表示し得るか否かを判定するために、特定の規則を用いて記録計をプログラミングすることは必要ではない。一般にパラメータの特徴は、パイプ毎に、場所毎に、そして一年の季節、圧力、パイプの特性およびその他の因子に応じて、予測不能に変動する。例えば、パイプ上の中庸なまたは大きな振動は、より高い流量、より大きいパイプ、近隣で行われている建設、消火栓またはパイプラインフラッシング計画、漏れまたはその他の何らかの原因に起因し得る。追跡方法は、記録計がその環境に適合化することを可能にする。記録計は、記録済み振動のパラメータおよび追跡情報の両方を提供して、後続する分析が両方を個々にまたは一緒に解釈できるようにする。従って、該追跡方法は、任意の時限にわたり永久的にまたは一時的に発生する予想外のまたは予想不可能な現象を考慮に入れることができる。
配水システムは往々にして、かんがいおよびその他の季節的需要に起因して季節的流量変動を受ける。同様にして、ガス供給システムも、暖房その他の季節的需要に起因して、季節的流量変動を受けることが多い。該追跡方法のもう1つの有用な利点は、記録計のデータに対する季節的調整を実施し、かくしていずれかの任意の時限にわたって発生する予想可能なまたは予想不可能な変動のいずれかを考慮に入れることができるという点にある。
再び図1を参照すると、特定の実施形態において、読取装置115は時折記録計110に接近する。例えば、読取装置115は、メータ検針員が携帯することができ、多用途車に搭載されていても、または自宅所有者により保持されてもよい。読取装置115は、例えば、約3オンスの重量をもつポケベルのサイズのデバイスであるかまたは、メータ読取デバイスに取付けられているかまたはその中に内蔵されたデバイスでよい。
図8を参照すると、読取装置はトランスポンダ500、プロセッサ505、メモリ510、電池515およびコンピュータ接続520を含む。トランスポンダ500は、放送「PING」と呼ぶことのできる無線メッセージを定期的に送信する(例えば、10秒毎に一回)。例えば、給水系統が関与する実施形態においては、メータ検針員が、読取装置115を携行する。このデバイスは、無線到達範囲内のいずれかの記録計110を起動させるために、無線電信で頻繁なPINGを送信する。一実施形態においては、該無線到達範囲は75フィート(22.5メートル)である。
記録計は、低出力SLEEP状態にある間にこのPINGを受信した場合、起動してその記録計の処理済み結果を含む肯定応答を送信する。読取装置115はこの肯定応答を受信し、プロセッサ505の制御下で、メモリ510内に処理済み結果を記憶する。一実施形態においては、読取装置は約16,000ヶ所の異なる記録計からの記録結果を格納し得る記憶容量を有する。記録計から読取装置へのこのデータ転送は、完全に自動であり、メータ検針員が自らの日常業務を果たす間に特別な行動を必要としない。記録計も読取装置も共に、電池315(図3)の寿命を保つため電力を最適に管理する。
読取装置115はまた、記録計に対するメッセージの送信を通して読取装置のソフトウェアをグレードアップまたは修正するように動作可能である。このメッセージは、記録計から受信される肯定応答に応えて送信できる。
読取装置115は、有線または無線接続520であり得るコンピュータ接続520を介して、コンピュータ120に接続できる。接続時点で、読取装置のメモリ510内に記憶された処理済み記録結果が、さらなる処理のためにコンピュータ120に転送される。一実施形態においては、トランスポンダ500はまた、コンピュータ接続520としても動作する。
例えば、メータ検針員は読取装置を就業日の終わりに事務所に預けることができる。一人またはそれ以上のメータ検診員が訪れた全ての記録計からの処理済みデータはそのとき1またはそれ以上の読取装置内で利用可能である。その1またはそれ以上の読取装置をこの時点でコンピュータに直接接続して、このデータをコンピュータ化されたデータベースに転送することができる。
図9を参照すると、コンピュータ120は、任意には、人間の行為なしに処理済みの記録結果を収集しそれを転送すべく、多数の読取装置115と通信するように動作可能であるコントローラ550を含み得る。例えば水道会社については、こうして水量計を読取る目的で通常行われること以外のいかなる人的行為もなしに、数多くの供給箇所から振動データを収集し、中央コンピュータにデータを提供する作業が実現される。
コントローラ550は、コンピュータに電子的に接続されている読取装置115の特殊な形態であってよい。夜間に、コンピュータは、存在する全ての読取装置との間で無線通信を、コントローラに確立させる。コントローラは無線で読取装置からデータを収集し、このデータをコンピュータ化されたデータベースまで転送する。
コンピュータ120は、各読取装置についての情報プロファイルを作成するのに使用可能であるソフトウェアを含む。このプロファイルは、配備日付、最終読取日付、および記録計の地図/GPSの位置といった、システムを維持するのに有用な情報だけでなく、、、記録計が設置されているパイプのタイプおよびサイズ、そのパイプに接続された給水本管、場所のタイプ(例えば住宅、産業、都市または地方)およびその地域についての漏れ履歴といった処理済み結果を解釈するための情報も含み得る。
ソフトウェアは、1またはそれ以上の記録計から、処理済み記録結果および情報プロファイルの組合せを用いて、各記録計についての漏れ指数(例えば、0と100との間の値)を自動的に計算する。この漏れ指数を量子化することにより、漏れ状態を割当てることができ、各漏れ状態には、表示を目的として異なる色が割当てられる。例えば、漏れなしを表わすものとして0〜60の漏れ指数を指定し、緑色のカラーを割当てることができ、漏れの可能性ありとして60〜80という漏れ指数を指定し黄色のカラーを割当てることができ、また漏れの確率高として80〜100という漏れ指数を指定し、赤色のカラーを割当てることができる。
この漏れ指数は、個々の記録計の処理済み記録結果、例えば絶対振動レベル、経時的に一貫した振動パターン、経時的に漸増する振動レベル、振動レベルの突然の増加、または記録済み振動のスペクトル組成の変化に基づくものであってよい。これらの要因は、先験的情報(すなわち、漏れとパイプ振動との間の関係についての一般的に入手可能な知識)に基づいている。
漏れ指数はまた、最高音量の記録計、周波数成分が最も広い記録計、例えば7、30または90日の時限にわたりレベルまたは周波数成分の最大の変化を有する記録計といった1セットまたは1サブセットの記録計、または、普通でない処理済み結果(すなわち、サブセットの統計学的分布内の異常値)を伴う接続されたパイプのタイプまたは場所のタイプといった1つのサブセット内の記録計、の処理済み記録結果に基づいていてもよい。漏れ指数はさらに、漏れサイズ、感応性の高い場所(例えば、博物館の地下室)といったネットワーク因子や、漏れ履歴、その記録計の場所における漏れの推定上の確率およびパイプサイズ、寿命および圧力といった既知のプロファイル情報による影響を受け得る。
漏れ状態(緑、黄色、赤)に対して漏れ指数(0〜100)を量子化することは、漏れの管理を補助する。例えば、1000マイル(1600km)のネットワーク内で、予算上の制約により、数多くの漏れ特定調査をメータ読取サイクル内でいかに実施できるかが決定づけられる。利用可能な資源に基づいて確率の高い定まった数の漏れを生成するようにシステムを設定することができる(すなわち、利用可能な資源を用いて調査可能な大部分の確率の高い漏れを最大数検出するようにシステムを構成することができる)。
量子化は、費された運営費1ドルあたりの最大の漏れ回復を提供するように、漏れ最小化に基づくものでもあり得る。このアプローチには、真の確定的漏れ識別速度を最適化するために全てのデータを使用することが関与している。
量子化はまた、ネットワーク最適化/漏れ管理を考慮に入れることができる。特に、漏れ状態は、ネットワーク内部の漏れ密度全体の現行推定値を用いて設定可能である。例えば、1,000マイル(1600km)の給水本管、100,000件のメータ口座、および10個のメータについて平均1つの記録計が設置されていること、すなわち1マイル(1.6km)あたり10基の記録計、を考慮する。ネットワークが500の漏れを有すると仮定すると、該ネットワーク全体の漏れ聴取記録計の確率は約5パーセントである。これに基づくと、合計1万台の記録計で、赤色の漏れ状態が割当てられた記録計の百分率は500、つまり全記録計の5パーセントとなる。
図10を参照すると、グラフ600は、全ての記録計または記録計サブセットからの漏れ指数(または振動レベルといったようなその他のあらゆる定量パラメータ)の分布を例示している。グラフ600は、一例として、システム内の全ての記録計間での漏れ指数の統計学的に正規分布を示している。該グラフはまた、数多くの記録計に対し、グラフを作成するのに使用された特定の量子化に従って緑、黄または赤色の漏れ状態がいかにして割当てられたかをおおよそ示す。特定的には、再び図10を参照すると、グラフの水平軸は左から右へ増加する漏れ指数値を表わす。各棒610は、特定の範囲の漏れ指数値を占有する記録計の数(垂直軸の単位)を表わす。棒の色(緑、黄または赤)は、その棒に対応する漏れ指数値の特定の範囲を占める全ての記録計の漏れ状態を表わす。漏れ指数(またはグラフを作成するために用いられる別の定量パラメータ)と漏れ状態との間の量子化関係が変化した場合、特定の漏れ状態が割当てられた記録計のおおよその数を容易に視覚化することができる。
記録計が設置されている領域を示す地図という形で数多くの記録計の漏れ状態についての情報を提示することが往々にして有利である。図11を参照すると、地図650は、地図上の記録計の位置を表わす記号660を含む。該記号はそれに対応する記録計の漏れ状態を表示すべく色分けされていてよい。該漏れ状態は、漏れ指数または記録計から得られるその他のあらゆる定量パラメータの量子化を反映するようにプログラミングできる。
記録計が設置される地域を示す地図の形で多くの記録計からの情報を視覚化するもう1つの有用な方法は、ソリッドカラーマップである。図12を参照すると、ソリッドカラーマップ680は、地図上の全ての場所における漏れ指数(または別の定量パラメータ)の値を示す。地図上の各場所における色は、カラースケール690を用いて漏れ指数の特定の値にマッピングされる。漏れ指数のソリッドカラーマッピングでは、地図上に存在する全ての記録計の場所の各々には、対応する記録計の既知の漏れ指数を与えることができる。地図上の他の全ての場所には、最寄の記録計の漏れ指数の既知の値から外挿される漏れ指数の計算された値を与えることができる。この外挿は、いくつかの周知のアルゴリズムを用いて実施可能である。
ソリッドカラーマップ680は、例えば更新ボタン695を用いてソフトウェアの制御下で任意の時点で更新可能である。更新機能は、地図の縮尺およびソリッドカラーマップの中に含まれている地理的領域および記録計の数を変動させるために有用である。ソリッドカラーマップ680は、1またはそれ以上の記録計により記録される振動の範囲を視覚化できるようにする。ソリッドカラーマップ680は、1またはそれ以上の記録計の振動記録を用いて、考えられる漏れのおおよその場所を計算および視覚化する上で有用であり得る。ソリッドカラーマップ680には、航空写真、市内地図またはパイプライン系の地図の詳細がオーバーレイされても、融合されてもよい。
各記録計は、記憶された処理済みデータの履歴をも有することができる。図13を参照すると、振動レベル履歴700のグラフが、低側範囲尺度710と高側範囲尺度715と共に、平均振動レベル705を表示できる。上部および下部範囲は、処理済みデータの履歴から計算でき、平均振動レベルとの関係における振動レベルの変動の推定値を表わしている。高側および低側範囲の要素を省くこともできる。あらゆる履歴上の定量パラメータを類似の形で表示することが可能である。振動レベル履歴700のグラフは、1またはそれ以上の記録計の振動記録内で任意の利用可能な時限にわたって発生した可能性のある変化を視覚化するために有用である。
記録計の情報プロファイルおよび処理済み振動データに基づいて、一部の基準に従って記録計を選択することも有用である。図14を参照すると、データベーステーブル800が、例えばシステムユーザにより入力された漏れ指数、漏れ状態、地図、アドレス、および備考を含めた記録計のパラメータを示すことができる。これらのパラメータは、他のソフトウェアに印刷またはエクスポートできるデータベーステーブル内に配置できる。データベーステーブル800の欄810として構成されているパラメータの特定の値または値の範囲の選択に基づき、任意の記録計サブセットを定義することができる。何らかの有用な順序で、欄を選別することが可能である。記録計の設置または情報プロファイルの管理、記録計の処理済み振動データの分析または分析の結果として行われることになる漏れの調査またはその他の活動を補助するために、その他のデータベース能力を内蔵させることが可能である。
これらの管理、分析および調査活動を補助すべく、電子的にレポートを生成するあるいは印刷することが可能である。レポートの構成要素は、地図、記録計のセットまたはサブセットからの選択されたパラメータを伴うデータベーステーブル、および、管理、分析および調査活動を補助し得るタイトル、日付または署名欄といったその他の要素を含み得る。
図15に例示されているような別の実施形態においては、メータ(計量器)の内蔵型電子インタフェース(MEI)140を通して、記録計110がメータ150に常時接続されている。標準的な3線インタフェースにおいては、記録計110のプロセッサ310は、MEIを起動させるため1本の電線上で一連のクロックパルスおよび電力を提供する。MEIは、第2の電線上で工業規格の文字シーケンスを用いて記録計に対して現在のメータ示度を送ることによって応答する。例えば、MEIは、シーケンス「RB1234,0,4」を送信することによりクロックパルスに応答することができる。該シーケンスは、低電圧がゼロを表わし高電圧が1を表わす1とゼロのデジタルシーケンスとして符号化される。記録計はこの工業規格シーケンスを、現在のメータ示度(「RB」で標示される)が1,234U.S.ガロン(「0.4」で標示される)であるものとして復号する。第3の電線は、共通電線である。その他の実施形態では、1本または2本の電線を用いたものといった電子インタフェースを用いて、または無線インタフェースを用いて、プロセッサとメータとの間を接続することができる。さらにその他の実施形態においては、記録計およびメータは単一の統合ユニットであってもよい。
記録計はMEI140の出力を二進数に変換し、この数字をプロセッサ310のメモリ内にセーブする。記録計は、特定の時間または特定の時間間隔でMEIを用いてメータを読取るようにプログラミングできる。
規則的間隔(例えば、4時間毎)にMEIを通してメータ値を読取ることにより、記録計は、例えば、水、ガス、石油またはその他のパイプライン流体である計量された流体物の使用または消費履歴を作成することができる。使用履歴、または使用プロファイルは、プロセッサのメモリ内に記憶することができる。プロセッサは、メモリスペースを保ち、無線トランシーバ320による後続の伝送のためより効率良くプロファイルを記憶すべく、プロファイルの値を符号化するようにプログラミングすることができる。1つの有用な符号化スキームには、xで記されている連続的メータ示度間の差を計算することが含まれる。xが0〜64000の範囲にあり、デジタルメモリの16ビットを取る場合には、変換N=log2(x)によってxの値を符号化することができる。パラメータNは、xの幾分かの分解能の損失を伴って、デジタルメモリの4ビットしか必要としないxの表示である。Nの値のシーケンスは、使用プロファイル、またはメータを通過する流体物の使用パターンを表わす。このシーケンスを、プログラミング可能な時間(例えば30日)、記憶することが可能である。Nの後続する値は、最も古い値を置き換え、最近の30日のデータを記憶できるようにする。使用プロファイルは、例えば住宅内での利用において漏れ器具を検出するために使用可能である。
頻繁な間隔(例えば、毎分)でMEIを通してメータ値を読取ることにより、記録計はメータにおける活動パターンを評価するために有用であるデータを記憶することができる。一実施形態においては、以下の通り、メータパターンyを作成するために、連続するメータ示度xの差を使用することができる。xがゼロに等しい場合、メータを通る流量が全くないかまたは流量はメータの測定分解能より低かったことになる。この条件は、y=0で表わされる。xがゼロより大きい場合、メータは、記録された流量を有する。この条件はy=1で表わされる。24時間は1440分である。従って、メータパターンyは、連続する1440ビットで表わされ、各ビットはゼロまたは1の値を有し、最初の値は午前零時に測定される。メータパターンは、流量がおよそ連続しているかまたは間欠的であるか、昼間または夜間のどの時刻に流量が発生しているかおよび24時限内で無流量が発生しているか否かを評価するために使用することができる。任意の24時間についてのメータパターンyは、新しい24時限からのデータが利用可能となると廃棄でき、或いはまた、プロセッサのメモリ内にこれをセーブすることもできる。
メータパターンはまた、メータの無欠性またはパイプライン網の安全性を評価するためにも使用可能である。連続するメータ示度xの差が負である場合には、メータは逆方向での流量、すなわちメータの消費者側からパイプライン網内への流量を記録している。この条件に遭遇した場合には、開始時間、継続期間および逆流量を記録し、プロセッサのメモリ内にセーブすることができる。メータ活動の普通でないまたは予想外のパターンは、プロセッサのプログラム制御下でメータパターンを検査することによって検出可能である。例えば、予想外のゼロ流量期間は、メータの不正改変または無許可の迂回を表示している可能性がある。予想外の低流量または高流量の期間は、メータの無欠性または精度の不具合の兆候である可能性がある。長引くまたは予想外の夜間メータパターンは、消費者が意図していない使用またはメータの下流側での漏れの兆候であり得る。プロセッサは、これらのまたは類似の条件のいずれかまたは全てに応答して警報表示を生成および送信するように構成できる。警報は、範囲内にあるあらゆる読取装置115に送信できる。読取装置115は、手持ち式または車両搭載型デバイス、または一部のケースでは例えば建物の屋根または電柱上に常設されたユニットであってよい。
プロセッサにより記憶された使用プロファイルおよびメータパターンは、前述の要領で読取装置115に送信できる。例えば、読取装置は、記録計が振動記録からのその処理済み結果、計算された使用プロファイル、計算されたメータパターン、中間メータ示度またはこれらのデータの任意の組合せを伝送するように要求すべく、特定の形態で存在する任意の記録計に対しPINGを送信することができる。
読取装置115からコンピュータ120まで転送される使用プロファイルの後続する分析を用いて、振動記録の処理済み結果の意義を調査することができる。例えば、異常な振動エネルギーかつメータを通る予想外に高い夜間流量は、メータの下流側にある漏れの兆候であり得る。逆に、異常な振動エネルギーかつ、ゼロまたは正常な夜間流量は、メータの上流側にある漏れを示している。別のケースにおいては、夜間の最静寂時間に異常な振動エネルギーがないことは、任意の期間中流量が存在しなかったことを表わし、それが漏れの可能性を排除するので、正常な振動エネルギーおよびメータを通した連続的流量は、意図された流体の使用を表わしている。従って、振動記録の処理済み結果と使用プロファイルの統合分析は、これらの測定値を別々に考慮した場合に比べ、付加的な恩恵を提供する。多数の記録計からの振動記録および使用プロファイルの分析は、さらなる見識および恩恵を提供し得る。
コンピュータ120に転送されたメータパターンのその後の分析は、普通でないまたは問題のあるメータパターンについて消費者に情報を提供するために使用可能である。メータパターンの分析はまた、淡水を搬送するパイプライン系からの過剰なかんがい使用といった盗難または無許可の使用を検出するためにも使用可能である。
記述されているシステム100のアーキテクチャは、付加的な恩恵を提供する。記録計は、メータ以外のその他のタイプのデバイス、例えば圧力測定デバイス、水質モニター、バルブおよびパイプライン系に接続されるその他の付属品および装置に接続することができる。さらに、ユーザが記録計に物理的にアクセスする必要なしに、プロセッサ310に対して新しいソフトウェアプログラムを伝送するために、その無線トランスポンダ500を使用するように、コンピュータ120によって読取装置115をプログラミングすることが可能である。プロセッサのこのような再プログラミングは、記録計に接続されるメータタイプが変更される場合、記録計を異なるデバイスに接続しなければならない場合、またはプロセッサのプログラムを変更するかまたはそれに付加的な機能を加えることが望まれる場合に、有用となるだろう。この能力は、記録計の長い寿命の間に新たなニーズが明らかになるときに、ユーザに対し実質的な節約を提供し得る。
図16を参照すると、別の実施形態において、記録計1000および水量計1005は、パイプライン網1010に接続される。記録計1000は、パイプライン網1010についてのデータを生成すべく、記録計110に類似した要領で動作する。記録計1000は、このデータを自動メータ読取/送信装置(AMRT)1015に提供する。
水量計1005は、パイプライン網1010内の流量を測定する。例えば、水量計1005は、事業所または住宅内へのパイプ供給といったパイプライン網1010の一部分を通した流量を測定することができる。
あるタイプの水量計においては、水量計内部の羽根車が、水量計を通した単位水量の流れに応答して、全回転を1回行う。例えば、ある家庭用水量計は、例えば1回転につき0.01ガロンに較正されている。異なるサイズまたは異なるタイプの水量計を、1立方フィートの分数といった何らかのその他の容積尺度に較正することが可能である。羽根車は、取付けられた磁石を用いて各回転について磁気パルスを生成する。
水量計1005により生成され水量計を通る流量の単位数量を表わす磁気パルスを、AMRT1015とも通信するレジスタエンコーダ1020によって計数することができる。レジスタエンコーダ1020は標準的に、水量計により生成された磁気パルスを検知するために、水量計の上面に直接搭載される。レジスタエンコーダは、磁気パルスの合計数の計数、ひいては水量計を通した累積流量尺度を維持する電子機器を収納する。メータを通った累積流量の値、すなわちメータ示度は往々にして1組の機械式ホイール上で数値的に表示される。この値は、消費用としてメータ1005を通るパイプライン網1010を含む配水システムからの流量である正(positive)の累積流量の尺度である。
レジスタエンコーダは、メータ1005を通る累積逆流量(すなわち、水量計の消費者側から、パイプライン網1010を含む配水システム内への流量)を記録することもできる。かかる尺度は、配水システム内を流れる処理済み水全体を監視するのに有用であり得る。
例示された実施形態においては、AMRT1015は、工業規格の3線ケーブルインタフェース1025および1030により、レジスタエンコーダ1020および記録計1000に接続される。インタフェース1025および1030は、2002年2月18日付けのレジスタインタフェース仕様書、文書UI−1203、リリース1.8(Sensus Metering Systems Inc., Raleigh、ノースキャロライナ州)の中で記述されているインタフェースを用いて実施可能である。その他の実施形態では、有線および無線接続を含めた異なる接続を採用することができる。
AMART1015は、送信機ユニット1040に接続されている自動メータ読取装置ユニット1035を含む。AMRTは、標準的に、遠隔地点との無線通信を容易にするため、屋内組立てサイトにおいて地下室ラフタに組立てられる。屋外組立てサイトでは、AMRTは標準的に、地下室メータピットを覆う非金属カバーの下側に組立てられる。
AMRT1015は、自動メータ読取装置ユニット1035およびインタフェース1025を用いて予めプログラミングされた時刻にレジスタエンコーダ1020内に記憶された値を読取ることができる。AMRT1015は、自動メータ読取装置ユニット1035およびインタフェース1030を用いて、同時にまたはその他の時刻に記録計1000からデータを収集することができる。例えば、自動メータ読取装置ユニット1035は、規則的間隔で記録計1000を読取ることができる。AMRTにより記録計を読取るプロセスは、実質的に、AMRTによりレジスタエンコーダを読取るプロセスと類似したものでよい。この目的で、記録計はさらに、特定のタイプのレジスタエンコーダをエミュレートするようにプログラミングできる。具体的には、例えば、記録計は、“;RB123456<CR>”といった文字シーケンスを出力し得る。この文字シーケンスは、上記で特定したレジスタインタフェース仕様書という参考文献の中で定義され、以下のように解釈される。
;−新しいメッセージの開始を指定する、
RB−値が累積流量値(メータ示度)であることを標示し、
123456−例えば、123,456ガロンといった6ケタの流量計示度として解釈され得る値、
<CR>−メッセージの終りを指定する。
この文字シーケンスがレジスタエンコーダではなくむしろ記録計により提供されたということがわかっているため、該文字シーケンスを後に、記録計データと一貫性ある形で解釈することができる(例えば、123456を、特定のセンサーパラメータを表示するデータ値として解釈することができる)。
AMRTの観点から見ると、記録計を読取るプロセスは、レジスタエンコーダを読取るプロセスと同一であり、それと区別ができない。AMRTデバイスに付随する記録計から読取られた値は、AMRTの送信機ユニットにより標準的な形で送信可能である。その結果として、メータ読取値を収集するために用いられるソフトウェアまたはハードウェアを改変させることなく、自動メータ読取システムの中に記録計を組み込むことができる。以下でさらに詳細に論述するように、値は、信号受信ユニットに伝送され、次にコンピュータへと送信される。コンピュータ上で実行中のソフトウェアプログラムが、レジスタエンコーダではなくて、記録計から発信する値として特定される値の処理を可能にしている。多数の記録計から収集された値は、パイプライン網内の振動および関連する現象(例えば、漏れ)を検出するために分析され得る。
記録計は、さらに、任意の特定の時刻に、自動メータ読取装置ユニットによって読取られることになる値を変動させるようにプログラミングできる。このようにして、記録計は、24時間内でコンピュータに対して複数の値を送信すべく、AMRTによる頻繁な読取作業をうまく利用することができる。送信された値を組合わせて、各記録計から分析のためより多くの情報を生成することができる。
自動メータ読取装置ユニット1035によって読取られたメータ値およびセンサデータはその後、送信機ユニット1040を用いて送信される。例えば、ある実施形態は、「ドライブバイ型」(drive-by)メータ読取と称することのできる手順によって、通過する車両から受信された無線信号に応答して送信を行うことができ、一方他の実施形態は、例えば6時間に1送信といったようにほぼ規則的な時間間隔で伝送する「固定設置型」メータ読取プロセスを用いて送信を行う。
図17を参照すると、信号受信ユニット1050は、メータ読取値および個々の水量計に結びつけられた多数のAMRTデバイス1020からのその他のデータを収集する。受信ユニット1050は、例えば、車両内に搭載されたユニット(「ドライブバイ型」メータ読取プロセスの場合)であっても、またパイプライン網1010全体にわたる箇所に設置された数多くのユニットのうちの1つであるユニット(「固定設置型」メータ読取プロセスの場合)であってもよい。多数のAMRTデバイス1020から収集された値およびデータはその後、上述のコンピュータ120といったコンピュータに送信される。
コンピュータ120は、個々の水量計に接続されている多数のレジスタエンコーダからの値を処理するソフトウェアを実行する。この処理の1つの目的は、個々の水量計を通しての水の使用について顧客に対する請求書作成を容易にすることにある。もう1つの目的は、個々のメータおよび配水システムを通して水の消費パターンについての情報を提供することにある。
図18を参照すると、記録計1100がパイプライン網1105に接続されている。記録計110および1000に関して上述してきたものに類似の特性をもつ記録計1100は、ケーブルインタフェース1120を通して水量計1115のレジスタエンコーダ1110からメータ読取値を収集する。記録計のプロセッサは、規則的な間隔でレジスタエンコーダからの値を読取るようにプログラミングできる。レジスタエンコーダから読取られた値は、記録計のメモリ内に記憶される。記録計のプロセッサは、さらに、レジスタエンコーダのタイプおよびそれが出力する値のフォーマットを自動的に認識するようにプログラミングできる。こうして、付随する記録計を再プログラミングする必要なく、水量計においてレジスタエンコーダを交換することが可能となる。
記録計1100は、メータ示度および処理された振動を送信するために用いられる無線トランシーバを含むことができる。上述の読取装置115といった読取装置は、記録計1100に接近させると、記録計1100からデータを収集する。読取装置はその後メータ示度および処理済み振動をコンピュータ120といったコンピュータに対して上述の要領でダウンロードする。
その他の実施形態においては、読取装置と通信する代わりに、記録計1110は上述の要領でAMRTと通信する。代替的には、AMRTデバイスの機能を記録計内に内蔵でき、該記録計は受信機ユニットと通信できる。この能力は、AMRTデバイスが「ドライブバイ型」メータ読取手順を用いて読取られる場合に、水の使用の分析を容易にするために有用である。
コンピュータは、メータ示度および多数の記録計およびメータからの処理済み振動を統合して処理し、漏れを検出して、漏れ位置が水量計のどちら側であるかを判定する。例えば、メータを通しての低いまたは標準的な流量期間中の異常な振動は、メータの上流側に漏れ位置があることを示し、一方、メータを通しての異常に高くおよび恒常な流量期間中の異常な振動は、メータの下流側に漏れ位置があることを示す。
図19を参照すると、磁気パルス検出能力は、パイプライン網1210に接続された水量計1205によって生成されるパルスを検出するメータ読取記録計1200を形成すべく、振動記録計内に容易に内蔵することができる。メータ読取記録計のプロセッサは、正および負の流量の両方を表示するパルスを検出および計数するようにプログラミング可能である。プロセッサはまた、水量計1205を通してのゼロ流量期間を記録するようにもプログラム可能である。かかる対策は、水使用のパターンを分析することにより水量計の不正干渉を検出するために有用である。メータ読取記録計は、上述の振動記録計110といったような振動記録計、および上述のレジスタエンコーダ1020といったレジスタエンコーダの両方の能力を含む。
メータ読取記録計1200は、ケーブルインタフェース1220を通してAMRTデバイス1215に接続できる。AMRTデバイス1215は、自動メータ読取装置ユニット1225を用いて予めプログラミングされた時刻に、記録計により提示された値を読取ることができる。記録計は、メータ読取値または処理済み振動値のいずれかをAMRTに対してさまざまな形で提供できる。自動メータ読取装置ユニットにより読取られた値はその後、送信機ユニット1230を用いて送信され、信号受信ユニット1050といった信号受信ユニットにより受信され、後続する分析のためコンピュータ120といったコンピュータに送信される。
図20を参照すると、メータ読取記録計1300は、上述の記録計110といった記録計、上述のレジスタエンコーダ1020といったレジスタエンコーダ、および上述のAMRT1015といったAMRTの機能を実現するように構成できる。このため、記録計1300は、パイプライン網1310に接続された水量計1305からのパルスを検出および計数し、メータ示度と処理済み振動との両方を送信するようにプログラミングできる。
数多くの実施形態が記述されてきた。しかしながら、さまざまな修正を行うことができるということがわかるだろう。従って、その他の実施形態も添付の特許請求の範囲内に入る。