JP2013177652A - 部分表面処理装置 - Google Patents

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岳世 和田
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Abstract

【課題】被処理体外周部表面処理への無駄な電力使用と被処理体表面や被処理体外部表面と被処理体溝部の間の稜線への偏った膜厚増を防止することが出来る部分表面処理装置を提供する。
【解決手段】溝32aを有し陽極となるピストンヘッド30aと、ピストンヘッド30aを収容する上側内筒14aと下側内筒15aを有する容器10aと、溝32aの開口部に配置され溝32aを封止するOリング17aと、前記シール部材またはOリング17aと溝32aとの間を貫通するように溝32aの最奥部に向けて突出し溝32aの内部へ反応流体を注入する注入パイプ40aと、前記シール部材またはOリング17aと溝32aとの間を貫通するように溝32aの最奥部に向けて突出し溝32aの内部から反応流体を排出する排出パイプ41aと、前記反応流体を介して前記被処理体に通電する陰極を兼ねる注入パイプ40aまたは排出パイプ41aと、を具備する部分表面処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、部分表面処理装置に関する。
被処理体(ピストンヘッド)を上方から着脱自在に収容可能な収容部(収容穴)に予めピストンヘッドの陽極酸化処理を施すべきトップリング溝(溝)部分を決定する位置に上下一対の環状シール部材(シール部材)を備え、ピストンヘッドを挿入して上下一対のシール部材を押圧部材で圧縮して縮径させピストンヘッドの外周面にそれぞれ当接してシールすることにより、シール部材相互間におけるピストンヘッドの外周面と収容穴の内周面との間に反応チャンバーを形成し、反応チャンバー内に反応流体(電解液)を保持流通させて陽極酸化処理を施す、ものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来技術の部分表面処理装置として、被処理体(ピストンヘッド)を上方から着脱自在に収容可能な収容部(収容穴)を有する収容容器体(容器)を備え、収容容器体における収容部の軸方向中間部内周面には被処理体を挿入することにより表面処理を施すべき溝(トップリング溝)部分をシールする上下一対の環状シール部材(シール部材)が備えられ、上下一対のシール部材間における被処理体の外周面と容器における収容部の内周面との間には反応流体(処理流体;硫酸)を保持流通させる環状の処理チャンバーが形成されている、ものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−119593号公報 特開2003−113496号公報
しかしながら、特許文献1の部分表面処理装置では、被処理体上で表面処理が必要な部位は溝部のみであるのに対し、2個のOリング間の被処理体外周部にまで表面処理が為されてしまう。これにより、被処理体外周部表面処理への無駄な電力使用と、電極が近い被処理体表面や高電位となる被処理体外部表面と被処理体溝部の間の稜線への偏った膜厚増、と云う問題が発生する。
また、特許文献2の部分表面処理装置では、特許文献1の部分表面処理装置と同じ問題が発生する、と云う問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、被処理体外周部表面処理への無駄な電力使用と、被処理体表面や被処理体外部表面と被処理体溝部の間の稜線への偏った膜厚増を防止することが出来る、部分表面処理装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の課題解決手段は、溝を有し陽極となる被処理体と、前記被処理体を収容する容器と、前記溝の開口部に配置され前記溝を封止するシール部材と、前記シール部材または前記シール部材と前記溝との間を貫通するように前記溝の最奥部に向けて突出し前記溝の内部へ反応流体を注入する注入部と、前記シール部材または前記シール部材と前記溝との間を貫通するように前記溝の最奥部に向けて突出し前記溝の内部から反応流体を排出する排出パイプと、前記反応流体を介して前記被処理体に通電する陰極と、を具備する、構成である。
また、本発明の第2の課題解決手段は、前記注入パイプは、表面処理の前または後には前記溝の外側にあり、表面処理時に前記溝の内側へ挿入される、構成である。
また、本発明の第3の課題解決手段は、前記注入パイプと前記排出パイプのいずれか一方またはその両方は、前記陰極である、構成である。
また、本発明の第4の課題解決手段は、陰極にした前記注入パイプと前記排出パイプのいずれか一方またはその両方の先端に絶縁部材を具備する、構成である。
また、本発明の第5の課題解決手段は、前記シール部材は、前記容器によって前記溝に押付けられる、構成である。
本発明の第1の課題解決手段では、部分表面処理装置は、溝に沿って設置される1個以上のシール部材と注入パイプと排出パイプとを具備することで、溝の中にのみ反応流体を流すことが出来る様になり、被処理体外周部表面処理への無駄な電力使用と、被処理体表面や被処理体外部表面と被処理体溝部の間の稜線への偏った膜厚増と、溝の奥部への偏った膜厚減と、を防止することが出来る。
本発明の第2の課題解決手段では、部分表面処理装置は、注入パイプが前記注入パイプは、表面処理終了前後には前記溝の外側にあり、表面処理時に前記溝の内側へ挿入されることで、反応流体を溝の最奥部まで循環出来る様になり、溝内の表面処理膜厚を均一にすることが、出来る。
本発明の第3の課題解決手段では、部分表面処理装置は、注入パイプと排出パイプのいずれか一方またはその両方を陰極にすることで、溝の内面全壁と陰極の間の電位差的な距離を均一にし、溝内の表面処理膜厚を更に均一にすることが、出来る。
本発明の第4の課題解決手段では、部分表面処理装置は、陰極にした前記注入パイプと前記排出パイプのいずれか一方またはその両方の先端に絶縁部材を具備することで、陰極にした前記注入パイプと前記排出パイプのいずれか一方またはその両方の溝への挿入量の管理を緩めることが出来る。
本発明の第5の課題解決手段では、部分表面処理装置は、部分表面処理装置は、シール部材が容器によって溝に押付けられることで、シール部材表面の溝端面との摩擦が低減され、シール部材の交換回数を減らすことが、出来る。
(a)本発明の実施形態に於ける注入パイプ周辺の表面処理の前または後の説明図(b)本発明の実施形態に於ける注入パイプ周辺の表面処理中の説明図 (a)本発明の実施形態に於ける排出パイプ周辺の表面処理の前または後の説明図(b)本発明の実施形態に於ける排出パイプ周辺の表面処理中の説明図 本発明の実施形態に於ける陰極棒の断面図 本発明の実施形態に於ける注入パイプと排出パイプの表面処理中の配置図 本発明の実施形態に於ける被処理体が実際に処理される事例の説明図 (a)背景技術に於ける部分表面処理装置の表面処理の前または後の説明図(b)背景技術に於ける部分表面処理装置の表面処理中の説明図 背景技術に於ける溝部周辺の表面処理中の説明図 被処理体の必要処理部位の説明図 背景技術に於いて被処理体が実際に処理される事例の説明図
以下に本発明の実施の形態と背景技術とを図面に基づいて詳細に説明する。
(本発明の実施形態)
図1は、本発明の実施形態に於ける注入パイプ40a(注入部)周辺の表面処理中の説明図である。(a)は、表面処理の前または後の、(b)は表面処理中の、説明図である。本発明の実施形態に於ける部分表面処理装置1aは、溝32aを有し陽極となるピストンヘッド30a(被処理体)と、ピストンヘッド30aを収容する収容部を有する容器10aと、溝32a内を流れる反応流体2aと、溝32aに沿って設置される1個のOリング17a(シール部材)と、Oリング17aに貫通され且つ溝32aとOリング17aとの間へ反応流体2aを注入する注入パイプ40a(陰極)と、Oリング17aに貫通され且つ溝32aとOリング17aとの間から反応流体2aを排出する排出パイプ41a(排出部;図2参照)と、Oリング17aをつぶす上側内筒14aおよび下側内筒15aと、を具備している。
ピストンヘッド30aは、外径80mm程度、高さ50mm程度のアルミニウム合金製であり、部分表面処理装置1aのプラス電極棒35aと接続されて、陽極を形成している。溝32aは、幅1.2mm程度、深さ3.5mm程度である。容器10aは、Oリング17aを図中上から押さえる上側内筒14aと、Oリング17aを図中下から押さえる下側内筒15aと、上側内筒14aおよび下側内筒15aをガイド保持する外筒12aと、を具備している。外筒12aには、注入パイプ40aまたは排出パイプ41aを貫通させる貫通孔13aが形成されている。上側内筒14aと下側内筒15aの間には、Oリング17aと当接する開口部16aが形成されている。貫通孔13aは、開口部16aに対して上下方向で各1.2mm程度小さく形成されている。Oリング17aは、太さ約2.5mmで、耐薬品性と耐熱性の高いシリコーンゴム製である。Oリング17aには、注入パイプ40aまたは排出パイプ41aを貫通させる挿入孔18aが形成されており、外筒12aの内周側の貫通孔13aの上下角面に沿って上側内筒14aと下側内筒15aの間に挟まれている。貫通孔13aの上下角面は、Oリング17aが切れ難くなる様に、断面が半径1mm程度の曲面状になる様に形成されている。Oリング17aは、表面処理の前または後には、断面がほぼ真円状態になる様に上下から力が加えられていない。Oリング17aは、表面処理中には、シール性能を保持しつつ永久変形しない程度の約25%のつぶし率で上下から圧縮されている。
注入パイプ40aは、貫通孔13aとOリング17aの挿入孔18aとに貫通されている。溝32aの中に挿入される側の注入パイプ40a一端は、表面処理の前または後にはピストンヘッド外周部31aに接触しない様に、設置されている。注入パイプ40aの一端は、表面処理中には溝32aの最奥部33a(底部)から約1.5mm離れた所に位置する様に、設置されている。注入パイプ40aの他端には、部分表面処理装置1aのマイナス電極43aと接続されて、陰極を形成している。
反応流体2aは、濃度5%程度のピロリン酸水溶液であり、Oリング17aで開口面を封止された溝32aへ注入パイプ40aを経由して注入され、溝32aから排出パイプ41aを経由して排出される。
なお、ここでは注入パイプ40aと排出パイプ41aとを1本のOリング17aに貫通される形態で記載したが、Oリング17aと部分表面処理装置1aの最外周角部34aの間で挟んだり、2本のOリング17aで挟んだり、して代用することも可能である。更に、ピストンヘッド30aを容器10aに挿入し始めた時からOリング17aがつぶれ始め、Oリング17aが溝32aとの間に挟まれた時に約25%のつぶし率になる様に、ピストンヘッド外周部31aと外筒12aの内周面との間の隙間とOリング17aの断面径とを予め調整しておくことも可能である。マイナス電極43aは、注入パイプ40aと排出パイプ41aのいずれか一方に、または注入パイプ40aあるいは排出パイプ41aのいずれか数本に、制限して接続することも可能である。反応流体2aは、他のアルカリ液または濃度15%程度の硫酸と云った他の酸液で代用することも可能である。
図2は、本発明の実施形態に於ける排出パイプ41a周辺の表面処理中の説明図である。(a)は、表面処理前または後の、(b)は表面処理中の、説明図である。図2(a)は、図1(a)に準じる。図2(b)は、排出パイプ41aの表面処理中の位置を除き、図1(b)に準じる。図2(b)に於ける、排出パイプ41aの表面処理中の位置は、溝32a側の一端が溝32aの最外周角部34aよりも0から1mm、溝32aの中に入った所に位置する様に、設置されている。
図3は、本発明の実施形態に於ける注入パイプ40aの断面図である。注入パイプ40aは、外径約0.7mm、内径約0.4mmで、SUS304製のパイプである。陰極となっている注入パイプ40aの外周には、厚さ約0.2mmで、耐薬品性と耐熱性の高いフッ素樹脂(PTFE)製の絶縁キャップ42aが固定されている。絶縁キャップ42aは、表面処理の前または後にはピストンヘッド外周部31aに接触しない様に設置される。排出パイプ41aは、外径約0.7mm、内径約0.4mmで、SUS304製のパイプである。排出パイプ41aの先端には、絶縁キャップ42aが固定されていない。
なお、注入パイプ40aと排出パイプ41aは、SUS316と云った耐薬品性の高い他の材料で代用することも可能である。絶縁キャップ42aは、シリコン樹脂と云った耐薬品性と耐熱性の高い他の材料で代用することも可能である。絶縁キャップ42aは、陰極となっていない注入パイプ40aや、排出パイプ41aに取り付けることも可能である。絶縁キャップ42aは、陰極となっている注入パイプ40aがその先端の位置を表面処理中に溝32aの最奥部33aへ接触しない位置に厳密に管理して設置される場合は、不要となる。
図4は、本発明の実施形態に於ける注入パイプ40aと排出パイプ41aの表面処理中の配置図である。注入パイプ40aと排出パイプ41aは、Oリング17aの径方向に於いて交互に配置されるように各8本づつOリング17aに貫通挿入されている。
以下に、部分表面処理装置1aの動作について、説明する。
図1と図2に於いて、ピストンヘッド30aは、容器10aの収納筒に収納され、所定の位置に固定された突き当て面19aによって、溝32aがOリング17aに重なる位置へ固定される。ピストンヘッド30aには、プラス電極棒35aが電気的に当接される。溝32aには、注入パイプ40aと排出パイプ41aとが挿入され、注入パイプ40aを通して反応流体2aが溝32aへ注入されて排出パイプ41aを通して溝32aから反応流体2aが排出される。マイナス電極43aが電気的に当接された注入パイプ40aまたは排出パイプ41aと云った陰極は、0.5秒程度で溝32aが反応流体2aによって満たされた後に、陽極との間で通電を開始する。通電電圧は、交流パルス約400Vである。溝32aの表面は、この通電によって、酸化され、不動態膜を形成される。通電は、所定時間経過後に停止し、注入パイプ40aを通して空気が溝32aへ注入されて排出パイプ41aを通して溝32aから反応流体2aが排出される。注入パイプ40aは、0.5秒程度で溝32aが空気によって満たされた後に、溝32aへ水と云った洗浄液を注入し、排出パイプ41aは、溝32aの中を通過した洗浄液を排出する。洗浄液の注入は、所定時間経過後に停止され、空気が溝32aへ注入されて排出パイプ41aを通して溝32aから洗浄液が排出される。注入パイプ40aと排出パイプ41aとは、洗浄液の排出と同時に、または所定時間が経過して溝32aが空気で満たされた後に、挿入前の位置に戻る。その後、プラス電極棒35aは、電気的にも機械的にもピストンヘッド30aから離される。更に、ピストンヘッド30aは、容器10aの収納筒から外される。
図5は、本発明の実施形態に於ける被処理体の実際に処理される事例の説明図である。部分表面処理装置1aで表面処理を実施した場合、図5の様に溝32aの内側全面に膜厚が均一になる様に不動態膜が形成される。これは、陰極を兼ねる注入パイプ40aまたは排出パイプ41aと、陽極をかねるピストンヘッド30aの溝32aの距離が均等になる為に生じる現象である。不動態膜の厚みは、酸化された元生材層の厚みの約2倍になる。不動態膜の硬度は約Hv900で、生材層の硬度約Hv150の約6倍になる。これにより、膜厚の不均一化によって溝32aへピストンリングを挿入することが難しくなったり、ピストンリング(図示せず)が傾いてピストンリング(図示せず)の断面角部が溝32aに食い込む様に当接してピストンヘッド30aを早く摩耗させる、と云った不具合が発生し難くなる。更に、溝32aの最外周角部34aの不動態膜の膜厚が薄くなっても、溝32aの中の不動態膜によってピストンリング(図示せず)が傾かずに角部から浮いた状態になる為、最外周角部34aを傷付けることを防止出来る。
以下に、本発明の部分表面処理装置1aの効果について、説明する。
本発明の第1の課題解決手段では、部分表面処理装置1aは、溝32aに沿って設置される1個以上のシール部材と注入パイプ40aと排出パイプ41aとを具備することで、溝32aの中にのみ反応流体2aを流すことが出来る様になり、被処理体外周部表面処理への無駄な電力使用と、被処理体表面や被処理体外部表面と被処理体溝32a部の間の最外周角部34aへの偏った膜厚増と、溝32aの最奥部33aへの偏った膜厚減と、を防止することが出来る。ここで、本発明による不動態膜の均一化に係わる実験結果について申し述べます。電圧DB30Vでの陽極酸化による背景技術に於ける溝32aの最外周角部34aと最奥部33aに於ける不動態膜の膜厚の比は、1:0.67であり、ピストンヘッド外周部31aにも不動態膜が形成されておりました。電圧BBパルス約600Vでの背景技術によるプラズマ酸化にて溝32aの最外周角部34aと最奥部33aに於ける不動態膜の膜厚の比は、1:0.06であり、ピストンヘッド外周部31aにも不動態膜が形成されておりました。他方、本発明の実施形態による陽極酸化とプラズマ酸化による溝32aの最外周角部34aと最奥部33aに於ける不動態膜の膜厚の比は、共に1:0.9であり、ピストンヘッド外周部31aには不動態膜が形成されておりませんでした。これは、ピストンヘッド外周部31aの表面処理への無駄な電力使用と、被処理体溝32a部の間の最外周角部34aへの偏った膜厚増と、溝32aの奥部への偏った膜厚減と、を防止していることの証左であります。更に、本発明の第1の課題解決手段では、Oリング17aを2個から1個へ削減してコスト低減をすることも可能になる。
本発明の第2の課題解決手段では、部分表面処理装置1aは、注入パイプ40aが前記注入パイプ40aは、表面処理終了前後には前記溝32aの外側にあり、表面処理時に前記溝32aの内側へ挿入されることで、反応流体2aを溝32aの最奥部33aまで循環出来る様になり、溝32a内の表面処理膜厚を更に均一にすることが、出来る。即ち、溝32aの最奥部33aに衝突した反応流体2aは、溝32aの最奥部33aに沿って拡散されると共に流速を落とされて押出し流れに近い状態となる。従って、溝32a内の反応流体2aの濃度は、均等化され、溝32aの中に均一な不動態膜を形成することが可能になる。
本発明の第3の課題解決手段では、部分表面処理装置1aは、注入パイプ40aと排出パイプ41aのいずれか一方またはその両方を陰極にすることで、溝32aの内面全壁と陰極の間の電位差的な距離を均一にし、溝32a内の表面処理膜厚を更に均一にすることが、出来る。
本発明の第4の課題解決手段では、部分表面処理装置1aは、陰極にした前記注入パイプ40aと前記排出パイプ41aのいずれか一方またはその両方の先端に絶縁部材を具備することで、陰極にした前記注入パイプ40aと前記排出パイプ41aのいずれか一方またはその両方の溝32aへの挿入量の管理を緩めることが出来る。
本発明の第5の課題解決手段では、部分表面処理装置1aは、部分表面処理装置1aは、Oリング17aが容器10aによって溝32aに押付けられることで、Oリング17aがピストンヘッド外周部31aや溝32aの最外周角部34aと摩擦されることが無くなり、Oリング17aの交換回数を減らすことが、出来る。
(背景技術)
図6は、背景技術に於ける部分表面処理装置1bの説明図である。(a)は、表面処理の前または後の、(b)は表面処理中の、説明図である。
背景技術の部分表面処理装置1bは、溝32bを有し陽極となるピストンヘッド30b(被処理体)と、ピストンヘッド30bを収容する収容部を有する容器10bと、溝32b内を流れる反応流体2bと、反応流体2bを介してピストンヘッド30bに通電する陰極となる流路壁11bと、溝32bの図中上下両側に沿って設置される上下一対のOリング17b(シール部材)と、Oリング17bをつぶす上側内筒14b(押圧部材)および下側内筒15b(押圧部材)と、を具備している。部分表面処理装置1bの流路11の壁11bは、部分表面処理装置1bの陰極を兼ねている。ピストンヘッド30bは、アルミニウム製である。
以下に、背景技術の部分表面処理装置1bの動作について、説明する。
図6に於いて、(a)の状態からOリング17bをつぶす上側内筒14bが押下げられて下側内筒15bが押上げられ、(b)の様に押下げられた上側内筒14bおよび下側内筒15bによってOリング17bがつぶされてピストンヘッド外周部31bに押付けられる。
図7は、背景技術に於ける溝32b部周辺の表面処理中の説明図である。図7に於いて、反応流体2bは、容器10bの流路11から容器10bの開口部16bを経由して溝32bの中へ注入され、開口部16bを経由して流路11へ戻される。反応流体2bが流されている間に、陽極であるピストンヘッド30bと陰極である流路11の壁11bの間に電流が流されてピストンヘッド30bの反応流体2b接触面が酸化されアルミニウム生材よりも硬度の高い不動態膜が形成される。不動態膜の厚みは、酸化された元生材層の厚みの2倍程度になる。
図8は、被処理体の必要処理部位の説明図である。図8に於いて、ピストンヘッド30bで処理が必要な部位は、2点鎖線で記した溝32bのみである。
図9は、背景技術に於いて被処理体が実際に処理される事例の説明図である。背景技術の部分表面処理装置1bで表面処理を実施した場合、図9の様に溝32bの最外周角部34bが優先的に表面処理されて膜厚が厚くなり、溝32bの最奥部33bに向かって徐々に膜厚が薄くなる傾向が顕著に現れる。これは、陰極を兼ねる部分表面処理装置1bの流路11と、陽極をかねるピストンヘッド30bの距離が均等でない為に生じる現象である。膜厚の不均一化によって溝32bへピストンリング(図示せず)を挿入することが難しくなったり、ピストンリング(図示せず)が傾いてピストンリング(図示せず)の断面角部が溝32bに食い込む様に当接してピストンヘッド30bを早く摩耗させる、と云った不具合が発生し易くなる。
(付記項1)
部分表面処理装置1aは、表面処理時に前記注入パイプ40aを前記溝32aの最奥部33aの0.1から1.5mm手前の位置まで挿入し、前記排出パイプ41aを前記溝32aの最外周角部34aの0から1mm中へ入り込んだ位置まで挿入した、構成である。これにより、押出し流れに近い状態となった反応流体2aは、溝32aの最奥部33aから最外周角部34aへ押出される。従って、溝32a内の反応流体2aの濃度は、溝32aの最奥部33aと最外周角部34aとの間で更に均等化され、溝32aの中により均一な不動態膜を形成することが可能になる。
(付記項2)
部分表面処理装置1aは、前記陽極と前記陰極の間の通電電圧を、約400Vのパルス電圧にしたものである。これにより、溝32aの表面では気泡が発生し、気泡の中に発生する高温且つ高エネルギーのプラズマによって不動態化を更に早く生成することが可能になる。従って、表面処理の時間を短縮し、生産性向上とコスト低減を行うことが可能になる。
(付記項3)
部分表面処理装置1aは、プラズマによって発生した気泡を分離除去する気泡除去装置(図示せず)を具備している。これにより、反応流体2aを還流させた場合に溝32aの中へ気泡が入ることを予防し、不動態膜の不均一化を防止出来る。
1a 本発明の部分表面処理装置
1b 背景技術の部分表面処理装置
2a 本発明の反応流体
2b 背景技術の反応流体
10a 本発明の容器
10b 背景技術の容器
14a 本発明の上側内筒(収容部)
14b 背景技術の上側内筒
15a 本発明の下側内筒(収容部)
15b 背景技術の下側内筒
16a 本発明の開口部(収容部)
16b 背景技術の開口部
17a 本発明のOリング(シール部材)
17b 背景技術のOリング
30a 本発明のピストンヘッド(被処理体、陽極)
30b 背景技術のピストンヘッド
33a 本発明の最奥部(被処理体、陽極)
33b 背景技術の最奥部
34a 最外周角部(被処理体、陽極)
34b 背景技術の最外周角部
40 注入パイプ(注入部、陰極)
41 排出パイプ(排出部、陰極)
42 絶縁部材

Claims (5)

  1. 溝を有し陽極となる被処理体と、
    前記被処理体を収容する容器と、
    前記溝の開口部に配置され前記溝を封止するシール部材と、
    前記シール部材または前記シール部材と前記溝との間を貫通するように前記溝の最奥部に向けて突出し前記溝の内部へ反応流体を注入する注入部と、
    前記シール部材または前記シール部材と前記溝との間を貫通するように前記溝の最奥部に向けて突出し前記溝の内部から反応流体を排出する排出部と、
    前記反応流体を介して前記被処理体に通電する陰極と、
    を具備する、部分表面処理装置。
  2. 請求項1に記載の部分表面処理装置であって、
    前記注入部は、表面処理の前または後には前記溝の外側にあり、表面処理時に前記溝の内側へ挿入される、部分表面処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の部分表面処理装置であって、
    前記注入部と前記排出部のいずれか一方またはその両方は、前記陰極である、部分表面処理装置。
  4. 請求項3に記載の部分表面処理装置であって、
    陰極にした前記注入部と前記排出部のいずれか一方またはその両方の先端に絶縁部材が設けられる、部分表面処理装置。
  5. 請求項4に記載の部分表面処理装置であって、
    前記シール部材は、前記容器によって前記溝に押付けられる、部分表面処理装置。
JP2012041630A 2012-02-28 2012-02-28 部分表面処理装置 Pending JP2013177652A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015059265A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 アイシン精機株式会社 部分表面処理装置
CN106420241A (zh) * 2016-09-19 2017-02-22 成都测迪森生物科技有限公司 一种用于手术台的液压系统

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