JP2013177433A - 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 - Google Patents

抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘパラナーゼ阻害および/またはFGF増殖因子阻害機構に基づいて、抗血管新生活性を生じさせる最適なグリコサミノグリカン構造を見出すこと。また、実質的にヘパリン誘導体の典型的な副作用、例えば、抗凝血活性が無い抗血管新生活性を有する薬物を提供すること。
【解決手段】部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカン誘導体、特にヘパリン、とりわけ式(I)の化合物(式中U、RおよびR基は明細書中に記載の意味を有する)を提供する。該グリコサミノグリカン誘導体は、抗血管新生およびヘパラナーゼ−阻害活性を有し、抗凝血活性を有さない。
【選択図】なし

Description

本明細書に記載する本発明は、部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカン誘導体、特にヘパリン、その調製方法、その転移性形態を含む腫瘍などの病状、およびヘパラナーゼの阻害により恩恵をこうむるあらゆる治療効能のために有用な薬物の調製のための活性成分としての使用、そしてそれを含む医薬組成物に関する。
Tumor Biological Research Unit of the Hadassah-Hebrew University Hospital-Israel (Isr. Med. Assoc. J. 2000, 2,37-45 ; J. Med. Chem. 2000,43、2591-600; Invasion Metastasis 1994-95,14、290-302; Exp. Cell Res. 1992,201、208-15;)において行なわれた研究は、腫瘍血管新生および転移におけるヘパリン−結合性増殖因子、ヘパラン硫酸およびヘパラン硫酸−分解酵素(ヘパラナーゼ)の関与に注目している。これらの研究は、強力なヘパラナーゼ阻害活性を有するヘパリン誘導体およびヘパリン/ヘパラン硫酸擬似体のスクリーニングおよび同定に適用されている(Nature Med. 1999、5, 735-6; Science、1999、285, 33-4)。
腫瘍細胞は、細胞表面上および細胞外マトリックス中のヘパラン硫酸プロテオグリカンの多糖鎖を分解する、エンド−β−D−グルクロニダーゼの1つである、酵素ヘパラナーゼを放出する。
ヘパラナーゼの腫瘍血管新生における関与は、ECM(細胞外マトリックス)内のその貯蔵所からbFGF(FGF−2)およびその他の増殖因子を放出する能力と相関している。これらの増殖因子は、正常および病的状態における新血管新生の誘導のメカニズムを提供する。
ヘパラナーゼはしたがって、腫瘍細胞侵入および転移を促進するだけでなく、これら腫瘍進行における重要な段階の両方において腫瘍血管新生を促進している可能性がある。
ヘパラナーゼ酵素の特異的阻害剤は、ヘパラン硫酸によって貯蔵される増殖因子の放出及び活性化、そしてECMの破壊を妨げるため、抗癌剤の開発の非常に有望なアプローチであるとみなされている。
したがって、抗血管新生薬に対する1つの可能性のある治療アプローチは、強力かつ選択的なヘパラナーゼ阻害剤を開発することである。
血管新生についての議論に関しては、本出願人による国際特許出願第WO01/55221号を参照されたい。
ヘパラナーゼが関与する別の重要な局面は、炎症および自己免疫である。実際、ヘパラナーゼ活性は、免疫系の活性化細胞が循環系を離れて炎症および自己免疫応答の両方を誘発する能力と相関している。血小板、顆粒球、TおよびBリンパ球、マクロファージおよび肥満細胞と内皮下ECMとの相互作用は、ヘパラナーゼ活性によるヘパラン硫酸の分解と関連している。該酵素は細胞内区画(即ち、リソソーム、特定の顆粒)から様々な活性化シグナルに応答して放出され、これは炎症部位および自己免疫病変におけるその調節された関与および存在を示唆している。実験動物をヘパラナーゼ阻害剤(即ち、低分子量ヘパリン−LMWHの非抗凝血種)で処理すると、実験動物における実験的自己免疫脊髄脳炎(EAE)、アジュバント関節炎および移植片拒絶の発生率が顕著に低減し、これによってヘパラナーゼ阻害剤が自己免疫および炎症性疾患の阻害に適用可能なことが示される。
ヘパリン
ヘパリンは、長さが様々で硫酸化の程度も様々な天然の多糖の不均一な混合物であり、抗凝血活性を有し、肝臓(ヘパリンは肝臓から最初に単離された)、筋肉、肺、胸腺および脾臓に存在する、結合組織の肥満細胞によって分泌される。
規則的(regular)配列に加えて、抗トロンビン活性の活性部位に対応する配列がヘパリン中に同定された。
ヘパリンおよびその誘導体の抗腫瘍および転移抑制活性は、そのヘパラナーゼを阻害する能力によって、増殖因子の阻害および血管新生の調節に用いられる。
ヘパラン硫酸(HS)
ヘパラン硫酸(HS)は、遍在性のタンパク質リガンドである。タンパク質は、単なる固定化またはタンパク分解作用に対する保護から、生物活性、例えば血管新生の特定の調節まで様々な作用のために、HS鎖に結合する。
ヘパリンおよびヘパラン硫酸(HS)の両方において、炭水化物骨格は、D−グルコサミン(GlcN)およびヘキスロン酸(GlcAまたはIdoA)の繰り返し単位からなる。
ヘパリンにおいて、GlcN残基は主にN−硫酸化されているが、HSにおいてはこれらはN−硫酸化およびN−アセチル化の両方がなされており、少量の非置換NH基が存在する。
HSはまた平均するとヘパリンよりもO−硫酸化が少ない。
血管新生性疾患、例えば腫瘍、特に転移の治療におけるヘパリンの使用は、ヘパリンの抗凝血活性によってかなり制限されている。
ヘパリンに化学修飾を行なって抗凝血能力を減少させ、同時に抗腫瘍特性を維持する試みがなされた。
抗トロンビン部位におけるグルクロン酸単位の開裂により、ヘパリンの抗トロンビンに対するアフィニティーが減少する:このようにして抗凝血効果が低く、抗血管新生特性を維持したヘパリンが利用可能となる。
ヘパラナーゼ
ヘパラナーゼはエンドグリコシダーゼのファミリーに属する酵素であり(エンド−β−D−グルクロニダーゼ)、ヘパラン硫酸(HS)およびヘパリンの鎖の内部グリコシド結合を加水分解する。
これらのエンドグリコシダーゼは、腫瘍細胞の増殖、転移および腫瘍の新血管新生に関与する。これらの酵素は抗血管新生活性の生物学的標的である。科学文献において多くの構造/活性相関研究がなされている(例えば、Lapierre F. et al.、Glycobiology、vol. 6、(3)、355-366,1996を参照されたい)。多くの局面がいまだに解明されていないが、ヘパリンおよびその誘導体によるヘパラナーゼの阻害に関する研究が報告されている。これらの研究では、特定の試験を用いることにより、新規でより選択的な誘導体の取得を導く構造タイプが考案されるようになった。
Lapierre et al.の上記研究において、ヘパリン誘導体が2−O脱硫酸化または「グリコール開裂」(過ヨウ素酸による酸化、次いで水素化ホウ素ナトリウムによる還元)によって得られると記載されている。本明細書においてそれぞれ「2−O−脱硫酸化されたヘパリン」および「RO−ヘパリン」と呼ぶこれらの誘導体は、コルチコステロイドの存在下でのCAM試験によって評価したところ部分的にヘパリンの抗血管新生活性を維持していた(同書、360ページ)。
ヘパリンよりも近いヘパラン硫酸の擬似体であるN−アシルヘパリン誘導体がN−硫酸化誘導体よりいくらか低い程度ではあるがヘパラナーゼを阻害することが報告された(Irimira T.、Biochemistry 1986,25、5322-5328; Ishai-Michaeli R. 、et al, Biochemistry 1992,31、2080-2088)。
ヘパリンおよびFGF
FGFは多数の生理プロセス、例えば、細胞増殖及び分化を制御するだけでなく、その機能は腫瘍血管新生などの病理プロセスにも関与している。
FGFは、多糖補因子であるヘパリンまたはHSをFGF受容体(FGFR)との結合およびその活性化のために要求する増殖因子である(増殖因子は、10を超えるポリペプチドのファミリーであり、そのなかで酸性(FGF−1)および塩基性FGF(FGF−2)が最もよく研究されている)。
ヘパリンおよびHSがFGFを活性化する正確な機構は知られていないが、しかしヘパリン/FGF/FGFRが「三分子」または「三元」複合体を形成することが知られている。
提案されている1つの機構は、ヘパリンおよびHSがFGFのいわゆるサンドイッチ二量体化を誘導し、そのようにして二量体化したFGFがFGFRと安定な複合体を形成するというものである。
ヘパリン誘導体の転移抑制活性
原発性腫瘍が転移性細胞を作る能力はおそらく抗腫瘍療法における重要な問題であろう。
ヘパラナーゼを阻害する大きな能力を有するヘパリン誘導体は、原発性腫瘍および転移の両方において血管新生も同様に阻害することができると考えられる。
さらに、ヘパラナーゼの阻害により腫瘍細胞の原発性腫瘍からその他の器官への遊走能力が減少する。
動物モデルにおける転移抑制活性は、ヘパリンおよびヘパリン誘導体(Bitan M. et al、Isr. J. Med. Sci. 1995,31、106- 108)およびその他の硫酸化多糖(Miao、H. Q. et al、Int. J. Cancer,1999 83,424-431、およびそれに引用されている文献)のヘパラナーゼ−阻害能力と相関していることが見出された。転移抑制活性の分子量依存性の研究により非常に低分子量のヘパリン(Sciumbata、T. 、et al, Invasion Metastasis 1996、16, 132-143)およびオリゴ糖ポリ硫酸(Parish、C. R. 、et al、Cancer Res. 1999,59、3433-3441)がかなりの転移抑制活性を保持していることが示された。一般にN−硫酸基の除去(N−脱硫酸化)はヘパリンの転移抑制能を減少させるが、結果として生じる遊離NH基のN−アシル化(N−アセチル化、N−ヘキサノイル化(Bitan M. 、1995)およびN−スクシニル化(Sciumbata、T. 、1996))によりこの活性は部分的に修復される。ヘパリンの転移抑制活性は、そのO−硫酸化の程度と反比例することが見出された(Bitan M.、1995)。しかし、イズロン酸残基の選択的2−O−脱硫酸化は、ヘパリンの転移抑制活性の強い低減を伴わなかった(Lapierre、F.、Glycobiology 1996、6,355-366)。
一般に、ヘパリンおよびその他の硫酸化多糖のヘパラナーゼ−阻害および転移抑制活性はともに分子量および硫酸化の程度の減少と共に低下するが(Bitan M. 、1995; Parish、C. R 1999)、これらの活性はまた多糖の炭水化物骨格(残基のタイプおよびグリコシド結合の位置)にも依存する(Parish、C. R 1999)。ヘパラナーゼの活性部位の三次元構造は未知であるため、どの多糖骨格および硫酸化パターンが最も酵素の阻害に有効であるかを予測するのは難しい。
現時点の知識に基き、血管新生−阻害作用に好適なヘパリン様分子の構造的要求は阻害しようとする標的に基いて2つのカテゴリーに分けられる。
a)ヘパラナーゼの阻害:この酵素は、N−アシル−グルコサミン−グルクロン酸(またはN−硫酸化グルコサミン残基、例えば、D. SandBack-Pikas et al. J. Biol. Chem. 、273,18777-18780 (1998)およびそこで引用されている文献を参照されたい)を含有する少なくとも8つの単糖単位のヘパリンおよびHS配列を認識して切断するが、その阻害はテトラデカ(十四)糖より長いヘパリン断片(Bitan M. 、1995)または広範に硫酸化されたより短いオリゴ糖、例えば、マルトヘキサオース(maltohexaose)硫酸(MHS)およびホスホマンノペンタオース(phosphomannopentaose)硫酸(PI−88)(Parish、C. R 1999)によって効率的に達成される。しかし、長いヘパリン断片および高度に硫酸化されたオリゴ糖はともに抗凝血性、即ち潜在的転移抑制剤にはなれない性質を有する。
b)血管新生増殖因子(線維芽細胞タイプ:FGF−1およびFGF−2;血管内皮タイプ:VEGF;血管透過性タイプ:VPF)の阻害:この目的のために、ヘパリン様化合物は好ましくは少なくとも5つの単糖単位の長さの配列を有し、2−硫酸化イズロン酸およびN、6−硫酸化グルコサミンを含む(例えば、M. Maccarana et al. J. Biol. Chem. 、268, 23989-23905 (1993)を参照されたい)。
文献にはトロンボスポンジン受容体に対する結合によって作用する抗血管新生活性を有する小ペプチド(5−13アミノ酸)(米国特許第5399667号、University of Washington)あるいはより長いペプチド(およそ50アミノ酸)が開示されている。
IC50=7nMにて内皮増殖を阻害することができる修飾された血小板因子は公知である(欧州特許第0589719号、Lilly)。
抗血管新生活性を有するオリゴ糖断片についても十分に記載されている:実際、炭水化物配列を変化させることによって、相互作用選択性が増加することが見出された。
さらに、ヘパリンは例えばいくつかのステロイドなどのそれ自体が抗血管新生性を有する物質のための媒体としても利用できる。これは血管内皮細胞に対するヘパリンのアフィニティーを利用して行なわれる;例えば国際特許出願第WO93/18793号、the University of Texas and Imperial Cancer Research Technologyを参照されたい。この文献では、ヘパリンがコルチゾールに結合した酸不安定性リンカー、例えば、アジピン酸ヒドラジンとともに請求されている。この結合した分子の抗血管新生効果は結合していない分子よりも、同時に投与した場合でさえも大きい。
Biochim. Biophys. Acta (1996)、1310,86-96において、C−20においてヒドラジン基を有するステロイド(例えば、コルチゾール)に結合したヘパリンが記載されており、これは2つの結合していない分子よりも大きい抗血管新生活性を示す。
欧州特許第0246654号Daiichi Sc.には抗血管新生活性を有する硫酸化多糖が記載されており、これは第二相試験中である。欧州特許第0394971号、Pharmacia & Upjohn-Harvard Coll. には、六糖−ヘパリン断片−が記載されており、これは硫酸化の程度が低く、内皮細胞の増殖とFGF−1によって刺激される血管新生を阻害することができる。欧州特許第0618234号、Alfa Wassermanには、求核性基を有するヘパリンまたはヘパラン構造の半合成グリコサミノグリカンの調製方法が記載されている。国際特許出願第WO95/05182号、Glycomedには、様々な、抗凝血、抗血管新生および抗炎症活性を有する硫酸化オリゴ糖が記載されている。米国特許第5808021号、Glycomedには実質的に非脱重合した2−O、3−O脱硫酸化されたヘパリンであって、脱硫酸化パーセンテージがイズロン酸の2位(I,2−O)およびグルコサミン単位の3位(A、3−O)においてそれぞれ最初のパーセンテージのおよそ99%からおよそ75%であるものの調製方法が記載されている。この方法では、二価金属のカチオン、例えば、カルシウムまたは銅の存在下で脱硫酸化を行なうとされており、その結果得られた産物は凍結乾燥される。脱硫酸化されたヘパリンは抗血管新生活性を有する。欧州特許第0251134号、Yeda Res & Dev Co Ltd et al、には、血液凝固性以下の用量のヘパリンまたはその誘導体の同種移植片拒絶の予防および自己免疫疾患の治療のための使用が開示されている。ヘパリンの活性はヘパラナーゼの阻害によって与えられる。国際特許出願第WO88/05301号、Univ.Australian Nat.には、ヘパラナーゼ阻害剤である、硫酸化多糖を含有する転移抑制および/または抗炎症性組成物が開示されている。ヘパリン、フコイダン(fucoidan)、ペントサン(pentosan)硫酸、デキストラン硫酸が提供される。国際特許出願第WO92/01003号、Univ. Texas Systemには、抗凝固活性を有さないヘパリン誘導体の、ヘパラナーゼ阻害剤としての使用が開示されている。これらの誘導体はスルフアミノまたはO−硫酸基を有し、分子量が1000−15000であって、それぞれの末端単量体単位が、保護基に結合した末端O原子を有する単量体繰り返し単位である。国際特許出願第WO94/14851号および第WO96/06867号、Glycomed、では、2−O位において少なくとも96.7%脱硫酸化され、3−O位において少なくとも75%脱硫酸化された2−O,3−O−脱硫酸化された粘膜のヘパリンまたはその断片であって、非−抗凝血ヘパラナーゼ阻害剤として有用なものが開示されている。国際特許出願第WO95/09637号および第WO96/09828号、Glycomed、には高度に硫酸化されたマルトオリゴ糖化合物であって、ヘパリン様特性を有する化合物が開示されている。国際特許出願第WO95/30424号、Glycomed、にはヘパラナーゼ阻害活性を有する6−O−脱硫酸化されたヘパリンまたはその断片が提供されている。国際特許出願第WO96/33726号、Univ. Australian Nat.には、硫酸化されたオリゴ糖がヘパラナーゼ阻害活性を有するヘパラン擬似体として開示されている。国際特許出願第WO01/35967号、Knoll AG、にはヘパラナーゼ阻害剤の投与による心不全および関連する疾患の治療方法が提供されている。ヘパラナーゼ阻害剤のなかでも部分的に還元されたCOOH基を有するヘパリン、または少なくとも部分的にN−脱硫酸化およびN−アセチル化されたヘパリン、または少なくとも部分的にN、O−脱硫酸化およびN−再硫酸化された(resulphated)ヘパリン、またはO−アセチル化されたヘパリンが言及されている。
本明細書に記載する本発明の目的は、ヘパラナーゼ阻害および/またはFGF増殖因子阻害機構に基いて、抗血管新生活性を生じさせる最適なグリコサミノグリカン構造を見出すことである。本明細書に記載する本発明のさらなる目的は、実質的にヘパリン誘導体の典型的な副作用、例えば、抗凝血活性が無い抗血管新生活性を有する薬物を提供することである。
本出願人による国際特許出願第WO01/55221号には、グリコサミノグリカン類、特に、全ウロン酸単位の60%以下の程度で脱硫酸化された、脱硫酸化されたヘパリンが開示されている。これらの誘導体は抗血管新生活性を有し、抗凝血活性を有さない。該化合物はFGFの阻害に基いて抗血管新生活性を発揮する。ヘパラナーゼを阻害する活性は予測されていなかった。
国際特許出願第WO01/55221号も一般的に、様々な程度にN−脱硫酸化され、所望により全部または一部がアセチル化されたグリコサミン残基を含有する修飾ヘパリンを提供する。該文献による一般的教示には明示的には、N−脱硫酸化、およびその後の所望による全部または一部のアセチル化段階は記載されていない。
(発明の概要)
この度、様々な程度にN−脱硫酸化され、任意にさらに全部または一部がN−アシル化(好ましくはN−アセチル化)されたグルコサミン残基を含有するグリコサミノグリカン、例えば、ヘパリン様グリコサミノグリカン、ヘパリンまたは修飾ヘパリンを、イズロン酸単位の制御された2−O−脱硫酸化処理(ここで脱硫酸化の程度は全ウロン酸単位の60%以下である)に供することにより、増殖因子−媒介血管新生特性が維持されることが見出された。
驚くべきことに、上述の国際特許出願第WO01/55221号に開示された2−O−脱硫酸化されたヘパリンも、ヘパラナーゼの阻害剤である。この性質はさらに非−硫酸化ウロン酸残基のグリコール開裂によって増強されることが見出された。グリコール開裂は、抗凝血活性の劇的な喪失を導く化学修飾であり(Casu B. 、et al、Arzneim. Forsch. (Drug Res.) 1986,36、637-642)、50%N−脱硫酸化に続きその結果得られた遊離アミノ基のN−アセチル化によって得られる部分的にN−アセチル化されたヘパリンおよび2−O−脱硫酸化された化合物のヘパラナーゼ−阻害特性を劇的に増強することも見出された。
本発明に記載の条件下で行なわれる脱硫酸化により、2位と3位においてオキシラン環を有するイズロン酸単位も形成される。本発明に記載の条件下でのオキシラン環の開裂により、L−イズロン酸またはL−ガラクツロン酸単位が生じる。
本明細書に記載する本発明の目的は、該グリコサミノグリカン誘導体のヘパラナーゼおよび/またはFGF増殖因子阻害活性を有する薬物の調製のための使用である。
本発明によると、該グリコサミノグリカン誘導体は好ましくはヘパリン様グリコサミノグリカンである。また本発明によると、該グリコサミノグリカン誘導体は、様々な程度にN−脱硫酸化され、さらに所望により全部または一部がN−アセチル化されたグリコサミン残基を含む修飾ヘパリンである。
1つの特定の態様において、本明細書に記載する本発明は、式(I)の化合物に関する:
[式中、U環は以下の意味である:
XおよびX’は、同一でも異なっていてもよく、アルデヒド基または−CH−D基である(ここでDはヒドロキシルまたはアミノ酸、ペプチドまたは炭水化物またはオリゴ糖残基);
RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、SO、C−Cアシル残基(所望により少なくとも1のさらなるカルボキシ基を有していてもよい);アセチル、ヘキサノイル、スクシニル、ピバロイルが好ましいアシル残基;
nおよびmは、同一でも異なっていてもよく、1から40の間である;n+mの合計は6から40の間である;m:n比は10:2から1:1の間である;
以下の記号
は、mおよびnで示された単位が多糖鎖にわたって統計的に分布しているが、順にならんでいる必要は無いことを示す]。
所望により少なくとも1のさらなるカルボキシ基を有していてもよいC−Cアシル残基の例としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、およびすべての可能な異性体、オキサリル、マロニル、スクシニル、ピバロイル、グルタロイルが挙げられる;アセチル、ヘキサノイル、ピバロイルが好ましいアシル残基である。
RまたはRがN−アシル基の場合、それらは好ましくはR+Rの合計の40から60%である。好ましくは、mはn以上である。好ましくはnはm+nの合計の40から60%である。
上記式(I)の化合物であって、RおよびRがCまたはC−Cアシル残基であるものは新規である。
本明細書に記載する本発明の主題である化合物は、興味深い抗血管新生活性を有するヘパラナーゼを阻害する高い能力によって特徴付けられ、それゆえヘパラナーゼの阻害によって恩恵をこうむる病状、異常な血管新生に基く病状、および特に転移の治療のための薬物の調製のための活性成分として有用である。
本発明による化合物は、FGF類も阻害する。
好ましいことに、本発明による化合物は、全く存在しないわけではないにしろ、抗凝血特性が低く、したがって、ヘパリンに典型的な副作用を回避または低減することができる。さらなる利点は、本発明による化合物は、機器分析技術、例えばNMR分光法によって特徴付けることができ、したがって、工業的観点から非常に望ましい工程の管理が可能であるという事実による。
修飾ヘパリンの場合も、分子量(MW)は、血管新生阻害剤を製造する際に非常に重要な機能を有する。実際、分子量(MW)の五糖単位に対応する値までの低減によっては抗血管新生活性は失われないということは周知である。一方、一定の長さを超えると、短い鎖と比べてヘパリン鎖はFGFの活性化を阻害するよりむしろ、ヘパラナーゼのよりよい阻害剤であるということが確立されている。しかし、ヘパラナーゼの阻害のための最適な鎖の長さは阻害剤の構造(炭水化物骨格の構造、結合の位置、硫酸化パターン)に依存するため、新規なタイプの潜在的阻害剤については個々に確立しなければならない。
化合物の13CNMRスペクトルを示す図である。 化合物ST2010の13CNMRスペクトルを示す図である。 化合物ST2041の13CNMRスペクトルを示す図である。
(発明の詳細な記載)
様々な程度のN−脱硫酸化および所望によりさらに全部または一部がアセチル化されたグリコサミン残基を含有する本発明による化合物は、本明細書において具体的に開示され、新規化合物として特許請求の範囲に記載される。
脱硫酸化の程度とは、開始ヘパリンに最初存在していた全ウロン酸に対する非−硫酸化イズロン酸のパーセンテージである。最初の好ましい脱硫酸化パーセンテージの範囲の一例はおよそ40からおよそ60%である。
式(I)の化合物のなかで、第一の好ましい化合物は、分子量(MW)が11200で、多分散指標(polydispersion index)Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.99(SO :COOモル比として表した)で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%である、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリンである。該化合物(以下ST1514とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している。
第2の好ましい化合物は、分子量(MW)が3050で、多分散指標が2.2で、脱硫酸化の程度が1.99(SO :COOモル比として表した)で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%である、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリンである。該化合物(以下ST2010とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している。この化合物はST1514の亜硝酸脱重合、アルデヒド基の還元によって得られ、それゆえそのほとんどの還元末端残基はアンヒドロマンノース(anhydromannose)残基である:
第3の好ましい化合物は、分子量がMn=5800、Mw=7520で、多分散指標が1.294で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%である、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリンである、該化合物(以下、ST2184とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している。この化合物は、ST1514の亜硝酸脱重合、アルデヒド基の還元によって得られ、それゆえそのほとんどの還元末端残基はアンヒドロマンノース残基である。
第4の好ましい化合物は、分子量(MW)が11200で、多分散指標が1.3で、脱硫酸化の程度が1.6で(SO :COOモル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、部分的にN−脱硫酸化されてN−再アセチル化された(reacetyled)ヘパリンである。該化合物(以下ST1518とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の50%がN−アセチルである。
第5の好ましい化合物は、分子量Mn=4780、Mw=10000で、多分散指標が2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたLMWヘパリンである。該化合物(以下ST2168とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の50%がN−アセチルである。
第6の好ましい化合物は、分子量Mn=10890、Mw=22370で、多分散指標が2.054である、部分的にN−脱硫酸化されN−再アセチル化されたヘパリンである。該化合物(以下ST2037とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の27%がN−アセチルである。
第7の好ましい化合物は、分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標が2.083である、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリンである。該化合物(以下ST2038とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の39%がN−アセチルである。
第8の好ましい化合物は、分子量がMn=11070、Mw=22000で、多分散指標が1.987である、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリンである。該化合物(以下ST2041とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の64%がN−アセチルである。
第9の好ましい化合物は、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリンである。該化合物は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の27%がN−アセチルである(ST2185)。
第10の好ましい化合物は、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリンである。該化合物(以下ST2186とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の39%がN−アセチルである。
第11の好ましい化合物は、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリンである。該化合物(以下ST2187とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、RとRとの合計の64%がN−アセチルである。
第12の好ましい化合物は、分子量(MW)が12900Dで、多分散指標Dが1.5で、脱硫酸化の程度が1.9で(SO :COOモル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:5%エポキシド基、29%酸化および還元されたウロン酸残基である、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリンである。該化合物(以下ST1513とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している。
第13の好ましい化合物は、分子量(MW)が9200Dで、多分散指標Dが1.5で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:11%エポキシド基、27.5%酸化および還元されたウロン酸残基である、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリンである。該化合物(以下ST1515とも称する)は式(I)に含まれ、対応する定義において、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している。
第14の好ましい化合物は、分子量(MW)が11000Dで、多分散指標Dが1.5で、脱硫酸化の程度が1.93で(SO :COOモル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:5%エポキシド基、29%酸化および還元されたウロン酸残基である、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリンである。
化合物ST1514、ST1513、ST1516およびST1515の調製については国際特許出願第WO01/55221号に具体的に開示されている。
本明細書に記載する本発明による部分的に2−O−脱硫酸化された誘導体は上記国際特許出願第WO01/55221号に開示されたようにして調製される。
本発明による、N−脱硫酸化され、所望によりN−アセチル化されたグリコサミノグリカンに関する限りは、これらは、2−O−部分的に脱硫酸化されたヘパリンの調製も可能とする以下の工程を含む方法によって調製することができる:
a)DMSO:HO 95:5v:v中、周囲温度での0.5から8時間、好ましくはおよそ2時間の、スルフアミノ(sulphamino)残基の加溶媒分解性加水分解によるグルコサミン残基の2位の硫酸基の全部または一部の除去による、N−脱硫酸化;
b)アルカリ性水溶液(pH8−9)中、アシル化剤、例えば、アシル無水物による処理により、グルコサミン残基の2位において全部または部分的にアシル化された基を生じさせることによる、グルコサミン残基の2位において全体または部分的に脱硫酸化された基のN−アシル化;
次いで、得られた化合物を以下の工程c)、d)またはe)およびf−g)に供するか、あるいは直接以下の工程f)に供する;
c)周囲温度からおよそ100℃の温度、好ましくは50から70℃、より好ましくはおよそ65℃での塩基処理、本工程により、イズロン酸の2位における硫酸基が制御されたパーセンテージで除去され、エポキシド基が形成される;そして、所望により、
d)およそpH7、およそ50℃からおよそ100℃の温度、好ましくはおよそ70℃での該エポキシド環の開裂、本工程により、ガラクツロン酸残基が生じる;あるいは、
e)およそ0℃から30℃、好ましくはおよそ25℃での該エポキシド環の開裂、本工程により、イズロン酸残基が生じる;そして所望により、
f)過ヨウ素酸ナトリウムによるジオールの酸化、本工程により、グリコシド環に開裂が生じ、修飾残基あたり2つのアルデヒド基が形成される;そして所望により、
g)該アルデヒド基の一級アルコールへの還元、そして所望により、D基のヒドロキシル以外の式(I)で決められた様々な意味のなかに包含される基への変換;
h)所望により工程g)で得られた化合物を酸加水分解する、本工程により規則的配列に対応するオリゴ糖が得られる。これは好ましくは亜硝酸による脱アミノによる。この反応は、N−硫酸グルコサミン残基と次のウロン酸の間の結合の切断によるもので、通常LMWヘパリンを得るために用いられる。この反応により非還元末端においてウロン酸からなる残基、還元末端においてアンヒドロ(anhydro)マンノース残基を有するLMW化合物が得られる。後者はさらにホウ化水素での還元により修飾してアンヒドロマンニトールとすることができる。得られたLMW化合物は、少なくとも1つのグリコール開裂イズロン酸残基を含む;あるいは、
i)工程g)で得られた生成物を部分的酵素加水分解にかける、ここで用いる酵素は、リアーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、またはその均等物からなる群から選択される、本工程により、オリゴ糖、好ましくは4糖または8糖であって、不飽和イズロン酸からなる非還元末端残基、N−スルホグルコサミンからなる還元残基を有し、少なくとも1つの開環イズロン酸残基を有するものが得られる。
i)所望により工程c)で得られた化合物または工程d)で得られた生成物を部分的酵素加水分解により処理する;そして所望により、
j)b)、c)、およびf)のいずれかの工程で得られた生成物を部分的6−O−脱硫酸化に供する;あるいは、
k)部分的にまたは全体が6−脱硫酸化された開始ヘパリンを工程b)、c)およびf)に供する。
本発明による2−O−脱硫酸化された誘導体は、工程a)およびb)を省略することにより、上記の方法により得られる。
本発明による方法を以下のスキームによって図示する:
本明細書に記載する本発明によると、好ましい化合物は:
上記の方法において、工程a)およびb)を省略し、工程c)を60℃で45分行ない、工程d)を70℃でpH7で行なうことにより得られ、分子量(MW)が11200で、多分散指標Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.99で(SO :COOモル比で表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%(以下ST1514とも称する)である、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;
上記の方法において、工程a)とb)を省略し、工程c)を60℃で45分行ない、工程d)を70℃でpH7で行ない、次いで工程f)、g)およびh)を脱アミノによって行なうことにより得られ、分子量(MW)が3050で、多分散指標Dが2.2で、脱硫酸化の程度が1.99で(SO :COOモル比で表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%(以下ST2010とも称する)である、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリン;
上記の方法において、工程a)とb)を省略し、工程c)を60℃で45分行ない、工程d)を70℃でpH7で行ない、次いで工程f)、g)およびh)を脱アミノによって行なうことにより得られ、分子量がMn=5800、Mw=7520で、多分散指標Dが1.294で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%(以下ST2184とも称する)である、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリン;
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)を省略し、工程f)を4℃で一晩行ない、工程g)を室温で3時間行なうことにより得られ、分子量(MW)が11200で、多分散指標Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.6で(SO :COOモル比で表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%(以下ST1518とも称する)である、ヘパリンN−アセチル(50%);
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)を省略し、工程f)を4℃で一晩行ない、工程g)を室温で3時間行ない、工程h)を亜硝酸脱アミノによって4℃で17分行ない、次いでアルデヒド基をホウ化水素で室温で3時間還元することにより得られ、分子量がMw=4780、Mn=10000で、多分散指標Dが2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%(以下ST2168とも称する)である、LMWヘパリンN−アセチル(50%);
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=10890、Mw=22370で、多分散指標Dが2.054である(以下ST2037とも称する)、ヘパリンN−アセチル(27%);
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標Dが2.083である(以下ST2038とも称する)、ヘパリンN−アセチル(39%);
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=11070、Mw=22000、多分散指標Dが1.987である(以下ST2041とも称する)、ヘパリンN−アセチル(64%);
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%(以下ST2185とも称する)である、ヘパリンN−アセチル(27%);
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%(以下ST2186とも称する)である、ヘパリンN−アセチル(39%);
上記の方法において、工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%(以下ST2187とも称する)である、ヘパリンN−アセチル(64%)。
化合物ST1514、ST1513、ST1516およびST1515の調製については、国際特許出願第WO01/55221号に具体的に開示されている。
分子量はHPLC−GPC(高速液体クロマトグラフィー−ゲル振盪クロマトグラフィー)によって測定した。脱硫酸化の程度は、電気伝導度測定法により測定し、修飾ウロン酸のパーセンテージは、13C−NMRによって測定した。
MWは分子量であり、Dは、MW/Mnとして表した多分散指標である。
本明細書に記載する本発明によると、出発物質は様々な起源のグリコサミノグリカンであり、好ましくは天然のヘパリンである。N,6ジ硫酸のパーセンテージ含量が0から100%の化学修飾されたヘパリンを使用することもできる。6−O−硫酸化グルコサミン含量が異なる物質から開始することにより、一つの開裂イズロン酸と別の開裂イズロン残の間の規則的配列の長さを調節することができる。本発明によるグリコシド環の開裂が存在するグリコサミノグリカンは通常当業者にRO誘導体と称されており、これはグリコシド環が酸化作用、還元により開裂していることを意味する(Reduction-Oxidation-RO)。このグリコシド環の開裂は従来から「グリコール開裂」とも呼ばれる。開裂する環上に存在する2つの一級ヒドロキシの形成によってこのように呼ばれる。本明細書で言及する該化合物は「RO」または「グリコール開裂」誘導体とも称される。
本明細書に記載する本発明のさらなる態様において、上記の開裂反応(「グリコール開裂」)に由来するアルデヒドおよび一級ヒドロキシはまた、それら自身を次なる官能化へと導く。それゆえ式(I)の化合物はグリコール開裂に由来する一級ヒドロキシ上に、XおよびX’について定義したように同じかまたは異なる基、例えば、オリゴ糖またはペプチド基であって、単一の糖またはアミノ酸から1単位より大きい、好ましくは2または3単位の長さの基を有していてもよい。
式(I)の化合物であって、XおよびX’がCHOHであるものをその他のタイプの薬剤のための媒体として使用することもできる。これは、処方された薬剤の通常の製造条件および保存条件において安定な結合を提供することができるヘパリン部分との好適な結合により、輸送された薬剤を体内、好ましくは標的器官の近くで放出するものである。輸送され得る薬剤の例としては、ステロイド性および非−ステロイド性の抗−炎症薬、コルチコステロイド、およびその他の転移抑制作用を有する薬剤が挙げられ、転移抑制作用を有する薬剤の場合、本発明の化合物およびそれに結合する転移抑制薬の別々の固有の活性の合計の結果として、転移抑制効果が増強される。それに伴い、標的の選択性が高まり、全身毒性が低下する。このような薬剤の例としてはメタロプロテイナーゼ阻害剤が挙げられる。有効に輸送されるその他の薬剤として、内皮レベルで作用するものがある。式(I)の化合物であって、XとX’がヒドロキシまたはアルデヒドではないものも、薬剤の媒体として利用でき、この場合、XおよびX’基は、輸送される分子、即ち本発明のグリコサミノグリカンと媒体として作用する分子の間の「スペーサー」として作用する。このような場合が望ましいのは、薬物動態学または薬物動力学の理由による。
本発明による化合物がヘパリン由来である場合、これらはヘパリンから開始して、例えば当業者に周知の技術を用いたN−脱硫酸化、次いでN−アシル化により調製される。例えば、N−脱硫酸化は、DMSO:HO溶液95:5v:v中、室温で0.5から8時間の加溶媒分解によって行なわれ、次いで、アルカリ性条件下での、例えばアシル(即ち、アセチル、ヘキサノイル、スクシニル、ピバロイル)無水物によるN−アシル化を行なう。
続く2−O−脱硫酸化は、アルカリ性試薬、例えば、水酸化ナトリウムの存在下で周囲温度から100℃の温度、好ましくは50から70℃、例えば60℃で所望の2−O−脱硫酸化物を得るのに十分に長い時間行なう。2−O−脱硫酸化は方法のパラメーター、例えば反応物濃度、温度および反応時間を変えることによって制御する。1つの好ましい例は、基質濃度(グリコサミノグリカン)を一定の80mg/mlに維持しNaOH濃度を1Mに維持し、温度を60℃の一定に維持し、脱硫酸化を15から60分間の反応時間によって制御することである。当業者であれば条件を例えば、反応温度を上げて反応時間を短くするなど、通常の実験的試行錯誤および一般知識に基いて変動させることができよう。
アルカリ性試薬による処理により、脱硫酸化された単位上にエポキシド環が存在することによって特徴付けられる中間体が生じる。驚くべきことに、これらの中間体は、式(I)の化合物と同様に、ヘパラナーゼ阻害特性を有することが判明した。それゆえ、本明細書に記載する本発明のさらなる目的は、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリンの誘導体であり、したがって、電荷が減少したヘパリン、特に2−O−脱硫酸化が60%以下のヘパリンであり、脱硫酸化部位のエポキシド環によって特徴付けられる。エポキシド環によって特徴付けられる該化合物は本発明の範囲に含まれる。
エポキシド環の形成に続き、公知の技術によって該環を開裂する。形成されたエポキシドのパーセンテージは、エポキシドを含有するウロン酸環の2位および3位の炭素に特徴的なおよそ55ppmの13C−NMRシグナルの面積と芳香族シグナルの面積の総和(グルコサミンとウロン酸残基のC1)の間の比から算出される。開裂を加熱下で行うとガラクツロン酸残基が得られるが、エポキシド環の開裂を冷却下で行うとイズロン酸残基が得られる。エポキシド環を含む化合物の好適な例は、上記方法によって得られ、それぞれエポキシ化されたウロン酸含量が14%(以下ST1509)、24%(以下ST1525)および30%(以下ST1526)のものである。
部分的に脱硫酸化されたヘパリンを次いで、上記方法にしたがって「グリコール開裂」(ROと略称する)およびスミス(Smith)分解(SDと略称する)に供する。
あるいは式(I)の化合物は、エポキシド中間体を経ずに得ることもできる。即ち、直接グリコール開裂および次いでスミス分解に供する。
上記方法により、XおよびX’基がともに−CHOHである式(I)の化合物が得られる。
XおよびX’が−CHOH以外のものについては、当業者に周知のヒドロキシル基をその他の上記定義による基に変換する方法を用いればよい(例えば26頁のスキーム(化6)、化合物ST1828、ST1829、ST1917およびST1919を参照されたい)。例えば、アミノ酸またはペプチドとの結合は、グリコール開裂反応に由来する中間体アルデヒドを還元的アミノ化反応により処理することによって行なうことができる(Hoffmann J. et al. Hydrocarbon Resarch、117、328-331 (1983) )。これは、水性溶媒中で行ない、ヘパリン構造を維持することができる。
所望の場合、これは本明細書に記載する本発明のさらなる目的であるが、式(I)の化合物はさらに好適なpH条件下、例えばpH4で酸性試薬により分解することにより、オリゴ糖混合物を得ることができ、これは抗血管新生特性を保持している。
同様に、本発明の目的は、上記の方法の工程g)、h)、i)およびj)のいずれかによって得られる化合物である。
本明細書に記載する本発明の目的は、活性成分として少なくとも1つの式(I)の化合物を、単独であるいは1または複数の式(I)の化合物と組み合わせて含む医薬組成物であるか、あるいは、1または複数の該式(I)の化合物と上記のN−アシル−脱硫酸化されたヘパリン、例えば、エポキシ化中間体とを組合せて含む医薬組成物である;後者は活性成分として医薬組成物において単独で用いることができる。本発明による活性成分は、医薬分野で通常用いられている適当な媒体および/または賦形剤、例えば、”Remington’s Pharmaceutical Sciences Handbook”、latest editionに記載のものとの混合物として提供する。本発明による組成物は、治療的に有効な量の活性成分を含むものである。用量は当業者、例えば、臨床医またはプライマリケア医師により、治療すべき疾患のタイプ、患者の病状、またはその他の活性成分の同時投与を考慮して決定される。例えば、0.1から100mg/kgの用量が示される。
医薬組成物の例としては、経口または非経口、静脈内、筋肉内、皮下、経皮投与されるもの、あるいは経鼻経口噴霧薬の形態が挙げられる。目的に適した医薬組成物は、錠剤、硬または軟カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤および用時液体調製用の固体形態などである。非経口投与用組成物としては例えば、あらゆる筋肉内、静脈内、皮下注射用形態および溶液、懸濁液、乳濁液が挙げられる。リポソーム製剤も言及すべきである。錠剤にはまた、活性成分の徐放形態のもの、例えば、経口投与形態、好適な層に被覆された状態、マイクロカプセルに封入された散剤、シクロデキストリンとの複合体、持効性製剤、例えば、皮下形態、例えば持効性注射剤またはインプラントが含まれる。
本明細書に記載する本発明による化合物は、抗−ヘパラナーゼおよび抗血管新生活性を有する。これによって、血管新生の変調を患う対象、一般的に哺乳類、特にヒト対象またはヘパラナーゼ活性の阻害処置を必要とする対象の治療に有用な薬物の調製のために好適なものとなる。
本発明の目的である薬物によって治療される疾患の例としては、原発性腫瘍、転移、糖尿病性網膜症、乾癬、水晶体後線維増殖症(retrolenticular fibroplasia)、血管形成術後再狭窄、冠状動脈バイパス、炎症、関節炎、自己免疫疾患、同種移植片拒絶、循環器疾患、繊維増殖(fibro-proliferative)疾患、異常な血小板凝集によって引き起こされる疾患、平滑筋増殖によって引き起こされる疾患、グッドパスチャー症候群 、急性糸球体腎炎 、新生児肺性高血圧、喘息、うっ血性心不全 、成人性肺性高血圧、腎脈管高血圧、増殖性網膜症、実験的自己免疫脊髄脳炎、多発性硬化症、インシュリン依存性糖尿病 、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病が挙げられる。
好ましいことに、本発明による化合物にはヘパリンに典型的にみられる副作用が実質的に無い。特に、本発明による化合物には実質的に抗凝血活性が無い。そのような活性が実質的に無いことは、当業者にとって臨床使用の観点から活性が無いか無視できる程度であることを意味する。
ヘパラナーゼ阻害活性はVlodavskyら(Bitan M. et al、1995)によって確立された方法によって測定した。該方法は、ヘパラナーゼによって引き起こされるヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)のヘパラン硫酸鎖の断片化の程度の評価に基く。硫酸標識化した細胞外マトリックス(ECM)を通常HSPGのソースとして用いる。硫酸標識化したECMを組換えヘパラナーゼとpH6.2で様々な濃度の被験化合物の不在および存在下でインキュベートする。プロテオグリカン分解の発生を評価するために、インキュベーション培地を回収し、セファロース6Bカラム(0.9x30cm)でのゲル濾過にかける。フラクション(0.2ml)をPBSで流速5ml/時間で溶出し、放射能をカウントする。排除体積(V)にブルーデキストランによって、全含有体積(V)にフェノールレッドによって印を付ける。HS側鎖の分解断片はセファロース6Bから0.5<Kav<0.8(ピークII)にて溶出される。報告した実験条件下で、良好なヘパラナーゼ阻害剤はHSの断片化を10μg/ml以下の濃度で阻害する。
結果を以下の表1に示す。
ST1518が1μg/mlの濃度でも高い阻害活性を有することは言及に値する。
本発明による化合物、特に新規な化合物についてそのFGF増殖因子に関する活性を試験した。これには国際特許出願第WO01/55221号に記載したのと同じ実験モデルを用い、該引用文献において開示されたものと同程度の活性が示された。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
ST1518
過剰のピリジンをAmberlite IR120のカラムから前もって溶出された1gのヘパリン水溶液に添加した。溶液を減圧下で蒸発させた;その結果得られたヘパリンのピリジン塩を50mlのDMSO/HO95:5混合物に溶解し、20℃で2時間攪拌して、脱硫酸化の程度がおよそ50%のものを得た。
次いで、溶液を等量のNaHCO飽和溶液で希釈した。溶液を膜(カットオフ1000−2000D)中で蒸留水に対して透析した。最終生成物を減圧下での蒸留により単離した。
N−アセチル化されたヘパリンを、50%N−脱硫酸化されたヘパリンのN−アセチル化によって調製した。1gのヘパリンを10mlの蒸留水に溶解した;溶液を4℃に冷却し、炭酸水素ナトリウムで飽和させた;625μlの無水酢酸をこの溶液に添加し、混合物を4℃で2時間攪拌した。反応の間、炭酸水素ナトリウムの添加によりpHを制御して約8に維持した。次いで得られた溶液を膜(カットオフ2000−1000D)中で蒸留水に対して透析した。
1gのヘパリン50%N−アセチル化されたヘパリンを25mlの蒸留水に溶解し、4℃に冷却し、25mlのNaIOの0.2Mの溶液を添加した後、溶液を暗条件下で20時間撹拌し、反応をエチレングリコールの添加により停止させ、塩を接線方向の限外濾過によって除去した。数部に分けた400mgのNaBHを脱塩した溶液に添加した。溶液を周囲温度で3時間撹拌し、次いで希釈HClで中性にし、接線方向の限外濾過によって脱塩した。
化合物の13CNMRスペクトルを図1に示す。
ST2010およびST2184
5gのヘパリンを63mlのNaOHのIN溶液に溶解した。溶液を45分間60℃で攪拌し、冷却し、そして希釈HClで中性にした。次いで溶液を70℃で48時間攪拌し、冷却し、膜(カットオフ2000−1000D)中で水に対して透析した。
2gの2−O−脱硫酸化されたヘパリンを50mlの蒸留水に溶解し、4℃に冷却し、50mlのNaIOの0.2M溶液を添加した後、溶液を暗条件で20時間攪拌し、反応をエチレングリコールの添加により停止させ、塩を接線方向の限外濾過により除去した。数部に分けた800mgのNaBHを脱塩した溶液に添加した。溶液を周囲温度で3時間撹拌し、希釈HClで中性にし、接線方向の限外濾過によって脱塩した。
400mgの酸化−還元ヘパリンを25mlの蒸留水に溶解した。7mgのNaNOを添加した後、pHを希釈HClで2に調整し、溶液を4℃で17分間攪拌した。反応を中和によって停止させた。数部に分けた60mgのNaBHを脱塩した溶液に添加した。溶液を周囲温度で3時間攪拌し、次いで希釈HClで中性にし、ゲル濾過によって分画した。2つの異なる分子量のフラクションを単離した:ST2010はMw=3050であり、ST2184はMn=5800、Mw=7520である。
化合物ST2010の13CNMRスペクトルを図2に示す。
ST2041
過剰のピリジンをAmberlite IR120のカラムから前もって溶出しておいた2gのヘパリン水溶液に添加した。溶液を減圧下で蒸発させた;その結果得られたヘパリンのピリジン塩を100mlのDMSO/HO95:5混合物に溶解し、20℃で4時間攪拌し脱硫酸化の程度が約64%のものを得た。
次いで溶液を等量のNaHCOの飽和溶液で希釈した。溶液を膜(カットオフ1000−2000D)中で蒸留水に対して透析した。最終生成物を減圧下での蒸留により単離した。
化合物ST2041の13CNMRスペクトルを図3に示す。

Claims (24)

  1. グリコサミノグリカン誘導体、特に脱硫酸化の程度が全ウロン酸単位の60%以下である脱硫酸化されたヘパリンの、ヘパラナーゼ阻害活性および/またはFGF増殖因子阻害活性を有する薬物の調製のための使用。
  2. 該誘導体がヘパリン様グリコサミノグリカンである請求項1に記載の使用。
  3. 該誘導体が、様々な程度のN−脱硫酸化および所望によりその後の全部または部分的N−アシル化を受けたグリコサミン残基を含有する修飾ヘパリンである、請求項1または2に記載の使用。
  4. 該誘導体が下記式(I)を有する請求項1または3に記載の使用:
    [式中、U環は以下の意味である:
    XおよびX’は、同一でも異なっていてもよく、アルデヒド基または−CH−D基である(ここでDはヒドロキシまたはアミノ酸、ペプチドまたは炭水化物またはオリゴ糖残基);
    RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、SO、C−Cアシル残基(所望により少なくとも1のさらなるカルボキシ基を有していてもよい);
    nおよびmは、同一でも異なっていてもよく、1から40の間であり;n+mの合計は6から40の間であり;m:n比は10:2から1:1の間である;
    以下の記号
    は、mおよびnで示された単位が多糖鎖にわたって統計的に分布しているが、順にならんでいる必要は無いことを示す]。
  5. RまたはRがN−アシル基であり、R+Rの合計の40から60%の範囲である、請求項4に記載の誘導体の使用。
  6. 同一でも異なっていてもよいRおよびRがアセチルである、請求項4または5に記載の使用。
  7. mがn以上である請求項4−6のいずれかに記載の誘導体の使用。
  8. nがm+nの合計の40から60%の範囲である、請求項5または6に記載の誘導体の使用。
  9. 該誘導体が以下からなる群から選択される請求項4に記載の使用:
    分子量(MW)が11200で、多分散指標Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.99(SO :COOモル比として表した)で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;
    分子量(MW)が3050で、多分散指標が2.2で、脱硫酸化の程度が1.99(SO :COOモル比として表した)で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリン;
    分子量がMn=5800、Mw=7520で、多分散指標が1.294で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリン;
    分子量(MW)が12900Dで、多分散指標Dが1.5で、脱硫酸化の程度が1.9で(SO :COOモル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:5%エポキシド基、29%酸化および還元されたウロン酸残基であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;
    分子量(MW)が9200Dで、多分散指標Dが1.5で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:11%エポキシド基、27.5%酸化および還元されたウロン酸残基であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;。
    分子量(MW)が11000Dで、多分散指標Dが1.5で、脱硫酸化の程度が1.93で(SO :COOモル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:5%エポキシド基、29%酸化および還元されたウロン酸残基である、2−O−脱硫酸化されたヘパリン。
  10. 該誘導体が以下からなる群から選択される、請求項4に記載の使用:
    分子量(MW)が11250で、多分散指標が1.66で、脱硫酸化の程度が1.7で(SO :COOモル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとRとの合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されてN−再アセチル化されたヘパリン;
    分子量がMn=4780、Mw=10000で、多分散指標Dが2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとRとの合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたLMWヘパリン;
    分子量がMn=10890、Mw=22370で、多分散指標が2.054であり、RとRとの合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されN−再アセチル化されたヘパリン;
    分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標が2.083であり、RとRとの合計の39%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
    分子量がMn=11070、Mw=22000で、多分散指標が1.987であり、RとRとの合計の64%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
    全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとRとの合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
    全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%でありRとRとの合計の39%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
    全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとRとの合計の64%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン。
  11. 該薬物が抗血管新生活性を有する、請求項1−10のいずれかに記載の使用。
  12. 該薬物が炎症の治療に有用である、請求項1−10のいずれかに記載の使用。
  13. 該薬物が自己免疫疾患の治療に有用である、請求項1−10のいずれかに記載の使用。
  14. 請求項1−10のいずれかに記載の使用であって、治療される疾患が、原発性腫瘍、転移、糖尿病性網膜症、乾癬、水晶体後線維増殖症、血管形成術後再狭窄、冠状動脈バイパス、炎症、関節炎、自己免疫疾患、同種移植片拒絶、循環器疾患、繊維増殖疾患、異常な血小板凝集によって引き起こされる疾患、平滑筋増殖によって引き起こされる疾患、グッドパスチャー症候群、急性糸球体腎炎、新生児肺性高血圧、喘息、うっ血性心不全、成人性肺性高血圧、腎脈管高血圧、増殖性網膜症、多発性硬化症、実験的自己免疫脊髄脳炎、インシュリン依存性糖尿病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病からなる群から選択される使用。
  15. 式(I)の化合物:
    [式中、U環は以下の意味である:
    XおよびX’は、同一でも異なっていてもよく、アルデヒド基または−CH−D基である(ここでDはヒドロキシまたはアミノ酸、ペプチドまたは炭水化物またはオリゴ糖残基);
    RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、SO、CまたはC−Cアシル残基;
    nおよびmは、同一でも異なっていてもよく、1から40の間である;n+mの合計は6から40の間である;m:n比は10:2から1:1の間である;
    以下の記号
    は、mおよびnで示された単位が多糖鎖にわたって統計的に分布しているが、順にならんでいる必要は無いことを示す]。
  16. 以下からなる群から選択される、請求項15に記載の化合物:
    分子量(MW)が11250で、多分散指標が1.66で、脱硫酸化の程度が1.7で(SO :COOモル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとRとの合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されてN−再アセチル化されたヘパリン;
    分子量Mn=4780、Mw=10000で、多分散指標が2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとRとの合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたLMWヘパリン;
    分子量Mn=10890、Mw=22370で、多分散指標が2.054であり、RとRとの合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されN−再アセチル化されたヘパリン;
    分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標が2.083であり、RとRとの合計の39%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
    分子量がMn=11070、Mw=22000で、多分散指標が1.987であり、RとRとの合計の64%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
    全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとRとの合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン。
  17. 請求項15または16に記載の化合物の調製方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)DMSO:HO 95:5v:v中、周囲温度での0.5から8時間の、スルフアミノ残基の加溶媒分解性加水分解によるグルコサミン残基の2位の硫酸基の全部または一部の除去によるN−脱硫酸化;
    b)アルカリ性水溶液(pH8−9)中、アシル化剤による処理により、グルコサミン残基の2位において全部または部分的にアシル化された基を生じさせることによる、グルコサミン残基の2位において全体または部分的に脱硫酸化された基のN−アシル化;
    次いで、得られた化合物を以下の工程c)、d)またはe)およびf−g)に供するか、あるいは直接以下の工程f)に供する;
    c)周囲温度からおよそ100℃の温度での塩基処理、本工程により、イズロン酸の2位における硫酸基が制御されたパーセンテージで除去され、エポキシド基が形成される;そして、所望により、
    d)およそpH7、およそ50℃からおよそ100℃の温度での該エポキシド環の開裂、本工程により、ガラクツロン酸残基が生じる;あるいは、
    e)およそ0℃から30℃での該エポキシド環の開裂、本工程により、イズロン酸残基が生じる;そして所望により、
    f)過ヨウ素酸ナトリウムによるジオールの酸化、本工程により、グリコシド環に開裂が生じ、修飾残基あたり2つのアルデヒド基が形成される;
    g)該アルデヒド基の一級アルコールへの還元、そして所望により、D基のヒドロキシル以外の式(I)で決められた様々な意味のなかに包含される基への変換;
    h)所望により工程g)で得られた化合物を酸加水分解する、本工程により規則的配列に対応するオリゴ糖が得られる;あるいは、
    i)工程g)で得られた生成物を部分的酵素加水分解にかける。ここで用いる酵素は、リアーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、またはその均等物からなる群から選択される、本工程により、オリゴ糖、好ましくは4糖または8糖であって、不飽和イズロン酸からなる非還元末端残基、N−スルホグルコサミンからなる還元残基を有し、少なくとも1つの開環イズロン酸残基を有するものが得られる;
    j)所望により工程c)で得られた化合物または工程d)で得られた生成物を部分的酵素加水分解により処理する;そして所望により、
    k)b)、c)、およびf)のいずれかの工程で得られた生成物を部分的6−O−脱硫酸化に供する;あるいは、
    l)部分的にまたは全体が6−脱硫酸化された開始ヘパリンを工程b)、c)およびf)に供する。
  18. 請求項17に記載の方法によって得られる化合物。
  19. 請求項17に記載の方法によって得られる化合物であって、以下からなる群から選択される化合物:
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)を省略し、工程f)を4℃で一晩行ない、工程g)を室温で3時間行なうことにより得られ、分子量(MW)が11200で、多分散指標Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.6で(SO :COOモル比で表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%である、ヘパリンN−アセチル(50%);
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)を省略し、工程f)を4℃で一晩行ない、工程g)を室温で3時間行ない、工程h)を亜硝酸脱アミノによって4℃で17分行ない、次いでアルデヒド基をホウ化水素で室温で3時間還元することにより得られ、分子量がMw=4780、Mn=10000で、多分散指標Dが2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、LMWヘパリンN−アセチル(50%);
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=10890、Mw=22370で、多分散指標Dが2.054である、ヘパリンN−アセチル(27%);
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標Dが2.083である、ヘパリンN−アセチル(39%);
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=11070、Mw=22000、多分散指標Dが1.987である、ヘパリンN−アセチル(64%);
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、ヘパリンN−アセチル(27%);
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、ヘパリンN−アセチル(39%);
    工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、ヘパリンN−アセチル(64%)。
  20. 医薬上許容される媒体および賦形剤と混合して、請求項15または16および/または19に記載の少なくとも1つの化合物を活性成分として含有する医薬組成物。
  21. 請求項15−16および19に記載の化合物の薬物としての使用。
  22. 請求項15−16および19に記載の化合物の薬剤のための媒体としての使用。
  23. 該薬剤が以下からなる群から選択される、請求項に22に記載の使用:
    ステロイド性および非−ステロイド性抗−炎症薬、コルチコステロイド、転移抑制作用を有する薬剤、内皮レベルで作用する薬剤。
  24. 該転移抑制薬がメタロプロテイナーゼ阻害剤である、請求項23に記載の使用。
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