JP2013177433A - 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 - Google Patents
抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013177433A JP2013177433A JP2013112054A JP2013112054A JP2013177433A JP 2013177433 A JP2013177433 A JP 2013177433A JP 2013112054 A JP2013112054 A JP 2013112054A JP 2013112054 A JP2013112054 A JP 2013112054A JP 2013177433 A JP2013177433 A JP 2013177433A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heparin
- desulfated
- partially
- acetyl
- percentage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカン誘導体、特にヘパリン、とりわけ式(I)の化合物(式中U、RおよびR1基は明細書中に記載の意味を有する)を提供する。該グリコサミノグリカン誘導体は、抗血管新生およびヘパラナーゼ−阻害活性を有し、抗凝血活性を有さない。
【選択図】なし
Description
ヘパリンは、長さが様々で硫酸化の程度も様々な天然の多糖の不均一な混合物であり、抗凝血活性を有し、肝臓(ヘパリンは肝臓から最初に単離された)、筋肉、肺、胸腺および脾臓に存在する、結合組織の肥満細胞によって分泌される。
ヘパラン硫酸(HS)は、遍在性のタンパク質リガンドである。タンパク質は、単なる固定化またはタンパク分解作用に対する保護から、生物活性、例えば血管新生の特定の調節まで様々な作用のために、HS鎖に結合する。
ヘパラナーゼはエンドグリコシダーゼのファミリーに属する酵素であり(エンド−β−D−グルクロニダーゼ)、ヘパラン硫酸(HS)およびヘパリンの鎖の内部グリコシド結合を加水分解する。
FGFは多数の生理プロセス、例えば、細胞増殖及び分化を制御するだけでなく、その機能は腫瘍血管新生などの病理プロセスにも関与している。
原発性腫瘍が転移性細胞を作る能力はおそらく抗腫瘍療法における重要な問題であろう。
この度、様々な程度にN−脱硫酸化され、任意にさらに全部または一部がN−アシル化(好ましくはN−アセチル化)されたグルコサミン残基を含有するグリコサミノグリカン、例えば、ヘパリン様グリコサミノグリカン、ヘパリンまたは修飾ヘパリンを、イズロン酸単位の制御された2−O−脱硫酸化処理(ここで脱硫酸化の程度は全ウロン酸単位の60%以下である)に供することにより、増殖因子−媒介血管新生特性が維持されることが見出された。
RおよびR1は、同一でも異なっていてもよく、SO3、C1−C8アシル残基(所望により少なくとも1のさらなるカルボキシ基を有していてもよい);アセチル、ヘキサノイル、スクシニル、ピバロイルが好ましいアシル残基;
nおよびmは、同一でも異なっていてもよく、1から40の間である;n+mの合計は6から40の間である;m:n比は10:2から1:1の間である;
以下の記号
様々な程度のN−脱硫酸化および所望によりさらに全部または一部がアセチル化されたグリコサミン残基を含有する本発明による化合物は、本明細書において具体的に開示され、新規化合物として特許請求の範囲に記載される。
a)DMSO:H2O 95:5v:v中、周囲温度での0.5から8時間、好ましくはおよそ2時間の、スルフアミノ(sulphamino)残基の加溶媒分解性加水分解によるグルコサミン残基の2位の硫酸基の全部または一部の除去による、N−脱硫酸化;
b)アルカリ性水溶液(pH8−9)中、アシル化剤、例えば、アシル無水物による処理により、グルコサミン残基の2位において全部または部分的にアシル化された基を生じさせることによる、グルコサミン残基の2位において全体または部分的に脱硫酸化された基のN−アシル化;
次いで、得られた化合物を以下の工程c)、d)またはe)およびf−g)に供するか、あるいは直接以下の工程f)に供する;
c)周囲温度からおよそ100℃の温度、好ましくは50から70℃、より好ましくはおよそ65℃での塩基処理、本工程により、イズロン酸の2位における硫酸基が制御されたパーセンテージで除去され、エポキシド基が形成される;そして、所望により、
d)およそpH7、およそ50℃からおよそ100℃の温度、好ましくはおよそ70℃での該エポキシド環の開裂、本工程により、ガラクツロン酸残基が生じる;あるいは、
e)およそ0℃から30℃、好ましくはおよそ25℃での該エポキシド環の開裂、本工程により、イズロン酸残基が生じる;そして所望により、
f)過ヨウ素酸ナトリウムによるジオールの酸化、本工程により、グリコシド環に開裂が生じ、修飾残基あたり2つのアルデヒド基が形成される;そして所望により、
g)該アルデヒド基の一級アルコールへの還元、そして所望により、D基のヒドロキシル以外の式(I)で決められた様々な意味のなかに包含される基への変換;
h)所望により工程g)で得られた化合物を酸加水分解する、本工程により規則的配列に対応するオリゴ糖が得られる。これは好ましくは亜硝酸による脱アミノによる。この反応は、N−硫酸グルコサミン残基と次のウロン酸の間の結合の切断によるもので、通常LMWヘパリンを得るために用いられる。この反応により非還元末端においてウロン酸からなる残基、還元末端においてアンヒドロ(anhydro)マンノース残基を有するLMW化合物が得られる。後者はさらにホウ化水素での還元により修飾してアンヒドロマンニトールとすることができる。得られたLMW化合物は、少なくとも1つのグリコール開裂イズロン酸残基を含む;あるいは、
i)工程g)で得られた生成物を部分的酵素加水分解にかける、ここで用いる酵素は、リアーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、またはその均等物からなる群から選択される、本工程により、オリゴ糖、好ましくは4糖または8糖であって、不飽和イズロン酸からなる非還元末端残基、N−スルホグルコサミンからなる還元残基を有し、少なくとも1つの開環イズロン酸残基を有するものが得られる。
i)所望により工程c)で得られた化合物または工程d)で得られた生成物を部分的酵素加水分解により処理する;そして所望により、
j)b)、c)、およびf)のいずれかの工程で得られた生成物を部分的6−O−脱硫酸化に供する;あるいは、
k)部分的にまたは全体が6−脱硫酸化された開始ヘパリンを工程b)、c)およびf)に供する。
上記の方法において、工程a)およびb)を省略し、工程c)を60℃で45分行ない、工程d)を70℃でpH7で行なうことにより得られ、分子量(MW)が11200で、多分散指標Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.99で(SO3 −:COO−モル比で表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%(以下ST1514とも称する)である、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;
過剰のピリジンをAmberlite IR120のカラムから前もって溶出された1gのヘパリン水溶液に添加した。溶液を減圧下で蒸発させた;その結果得られたヘパリンのピリジン塩を50mlのDMSO/H2O95:5混合物に溶解し、20℃で2時間攪拌して、脱硫酸化の程度がおよそ50%のものを得た。
5gのヘパリンを63mlのNaOHのIN溶液に溶解した。溶液を45分間60℃で攪拌し、冷却し、そして希釈HClで中性にした。次いで溶液を70℃で48時間攪拌し、冷却し、膜(カットオフ2000−1000D)中で水に対して透析した。
過剰のピリジンをAmberlite IR120のカラムから前もって溶出しておいた2gのヘパリン水溶液に添加した。溶液を減圧下で蒸発させた;その結果得られたヘパリンのピリジン塩を100mlのDMSO/H2O95:5混合物に溶解し、20℃で4時間攪拌し脱硫酸化の程度が約64%のものを得た。
Claims (24)
- グリコサミノグリカン誘導体、特に脱硫酸化の程度が全ウロン酸単位の60%以下である脱硫酸化されたヘパリンの、ヘパラナーゼ阻害活性および/またはFGF増殖因子阻害活性を有する薬物の調製のための使用。
- 該誘導体がヘパリン様グリコサミノグリカンである請求項1に記載の使用。
- 該誘導体が、様々な程度のN−脱硫酸化および所望によりその後の全部または部分的N−アシル化を受けたグリコサミン残基を含有する修飾ヘパリンである、請求項1または2に記載の使用。
- 該誘導体が下記式(I)を有する請求項1または3に記載の使用:
RおよびR1は、同一でも異なっていてもよく、SO3、C1−C8アシル残基(所望により少なくとも1のさらなるカルボキシ基を有していてもよい);
nおよびmは、同一でも異なっていてもよく、1から40の間であり;n+mの合計は6から40の間であり;m:n比は10:2から1:1の間である;
以下の記号
- RまたはR1がN−アシル基であり、R+R1の合計の40から60%の範囲である、請求項4に記載の誘導体の使用。
- 同一でも異なっていてもよいRおよびR1がアセチルである、請求項4または5に記載の使用。
- mがn以上である請求項4−6のいずれかに記載の誘導体の使用。
- nがm+nの合計の40から60%の範囲である、請求項5または6に記載の誘導体の使用。
- 該誘導体が以下からなる群から選択される請求項4に記載の使用:
分子量(MW)が11200で、多分散指標Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.99(SO3 −:COO−モル比として表した)で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;
分子量(MW)が3050で、多分散指標が2.2で、脱硫酸化の程度が1.99(SO3 −:COO−モル比として表した)で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリン;
分子量がMn=5800、Mw=7520で、多分散指標が1.294で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたLMWヘパリン;
分子量(MW)が12900Dで、多分散指標Dが1.5で、脱硫酸化の程度が1.9で(SO3 −:COO−モル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:5%エポキシド基、29%酸化および還元されたウロン酸残基であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;
分子量(MW)が9200Dで、多分散指標Dが1.5で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:11%エポキシド基、27.5%酸化および還元されたウロン酸残基であり、m:n=1:1であり、mおよびnで示された単位が多糖鎖中に規則正しく繰り返して分布している、部分的に2−O−脱硫酸化されたヘパリン;。
分子量(MW)が11000Dで、多分散指標Dが1.5で、脱硫酸化の程度が1.93で(SO3 −:COO−モル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージが:5%エポキシド基、29%酸化および還元されたウロン酸残基である、2−O−脱硫酸化されたヘパリン。 - 該誘導体が以下からなる群から選択される、請求項4に記載の使用:
分子量(MW)が11250で、多分散指標が1.66で、脱硫酸化の程度が1.7で(SO3 −:COO−モル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとR1との合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されてN−再アセチル化されたヘパリン;
分子量がMn=4780、Mw=10000で、多分散指標Dが2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとR1との合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたLMWヘパリン;
分子量がMn=10890、Mw=22370で、多分散指標が2.054であり、RとR1との合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されN−再アセチル化されたヘパリン;
分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標が2.083であり、RとR1との合計の39%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
分子量がMn=11070、Mw=22000で、多分散指標が1.987であり、RとR1との合計の64%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとR1との合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%でありRとR1との合計の39%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとR1との合計の64%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン。 - 該薬物が抗血管新生活性を有する、請求項1−10のいずれかに記載の使用。
- 該薬物が炎症の治療に有用である、請求項1−10のいずれかに記載の使用。
- 該薬物が自己免疫疾患の治療に有用である、請求項1−10のいずれかに記載の使用。
- 請求項1−10のいずれかに記載の使用であって、治療される疾患が、原発性腫瘍、転移、糖尿病性網膜症、乾癬、水晶体後線維増殖症、血管形成術後再狭窄、冠状動脈バイパス、炎症、関節炎、自己免疫疾患、同種移植片拒絶、循環器疾患、繊維増殖疾患、異常な血小板凝集によって引き起こされる疾患、平滑筋増殖によって引き起こされる疾患、グッドパスチャー症候群、急性糸球体腎炎、新生児肺性高血圧、喘息、うっ血性心不全、成人性肺性高血圧、腎脈管高血圧、増殖性網膜症、多発性硬化症、実験的自己免疫脊髄脳炎、インシュリン依存性糖尿病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病からなる群から選択される使用。
- 式(I)の化合物:
RおよびR1は、同一でも異なっていてもよく、SO3、C1またはC3−C8アシル残基;
nおよびmは、同一でも異なっていてもよく、1から40の間である;n+mの合計は6から40の間である;m:n比は10:2から1:1の間である;
以下の記号
- 以下からなる群から選択される、請求項15に記載の化合物:
分子量(MW)が11250で、多分散指標が1.66で、脱硫酸化の程度が1.7で(SO3 −:COO−モル比として表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとR1との合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されてN−再アセチル化されたヘパリン;
分子量Mn=4780、Mw=10000で、多分散指標が2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとR1との合計の50%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたLMWヘパリン;
分子量Mn=10890、Mw=22370で、多分散指標が2.054であり、RとR1との合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化されN−再アセチル化されたヘパリン;
分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標が2.083であり、RとR1との合計の39%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
分子量がMn=11070、Mw=22000で、多分散指標が1.987であり、RとR1との合計の64%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン;
全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%であり、RとR1との合計の27%がN−アセチルである、部分的にN−脱硫酸化され、N−再アセチル化されたヘパリン。 - 請求項15または16に記載の化合物の調製方法であって、以下の工程を含む方法:
a)DMSO:H2O 95:5v:v中、周囲温度での0.5から8時間の、スルフアミノ残基の加溶媒分解性加水分解によるグルコサミン残基の2位の硫酸基の全部または一部の除去によるN−脱硫酸化;
b)アルカリ性水溶液(pH8−9)中、アシル化剤による処理により、グルコサミン残基の2位において全部または部分的にアシル化された基を生じさせることによる、グルコサミン残基の2位において全体または部分的に脱硫酸化された基のN−アシル化;
次いで、得られた化合物を以下の工程c)、d)またはe)およびf−g)に供するか、あるいは直接以下の工程f)に供する;
c)周囲温度からおよそ100℃の温度での塩基処理、本工程により、イズロン酸の2位における硫酸基が制御されたパーセンテージで除去され、エポキシド基が形成される;そして、所望により、
d)およそpH7、およそ50℃からおよそ100℃の温度での該エポキシド環の開裂、本工程により、ガラクツロン酸残基が生じる;あるいは、
e)およそ0℃から30℃での該エポキシド環の開裂、本工程により、イズロン酸残基が生じる;そして所望により、
f)過ヨウ素酸ナトリウムによるジオールの酸化、本工程により、グリコシド環に開裂が生じ、修飾残基あたり2つのアルデヒド基が形成される;
g)該アルデヒド基の一級アルコールへの還元、そして所望により、D基のヒドロキシル以外の式(I)で決められた様々な意味のなかに包含される基への変換;
h)所望により工程g)で得られた化合物を酸加水分解する、本工程により規則的配列に対応するオリゴ糖が得られる;あるいは、
i)工程g)で得られた生成物を部分的酵素加水分解にかける。ここで用いる酵素は、リアーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、またはその均等物からなる群から選択される、本工程により、オリゴ糖、好ましくは4糖または8糖であって、不飽和イズロン酸からなる非還元末端残基、N−スルホグルコサミンからなる還元残基を有し、少なくとも1つの開環イズロン酸残基を有するものが得られる;
j)所望により工程c)で得られた化合物または工程d)で得られた生成物を部分的酵素加水分解により処理する;そして所望により、
k)b)、c)、およびf)のいずれかの工程で得られた生成物を部分的6−O−脱硫酸化に供する;あるいは、
l)部分的にまたは全体が6−脱硫酸化された開始ヘパリンを工程b)、c)およびf)に供する。 - 請求項17に記載の方法によって得られる化合物。
- 請求項17に記載の方法によって得られる化合物であって、以下からなる群から選択される化合物:
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)を省略し、工程f)を4℃で一晩行ない、工程g)を室温で3時間行なうことにより得られ、分子量(MW)が11200で、多分散指標Dが1.3で、脱硫酸化の程度が1.6で(SO3 −:COO−モル比で表した)、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ50%である、ヘパリンN−アセチル(50%);
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)を省略し、工程f)を4℃で一晩行ない、工程g)を室温で3時間行ない、工程h)を亜硝酸脱アミノによって4℃で17分行ない、次いでアルデヒド基をホウ化水素で室温で3時間還元することにより得られ、分子量がMw=4780、Mn=10000で、多分散指標Dが2.092で、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、LMWヘパリンN−アセチル(50%);
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=10890、Mw=22370で、多分散指標Dが2.054である、ヘパリンN−アセチル(27%);
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=10210、Mw=21270で、多分散指標Dが2.083である、ヘパリンN−アセチル(39%);
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、分子量がMn=11070、Mw=22000、多分散指標Dが1.987である、ヘパリンN−アセチル(64%);
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、ヘパリンN−アセチル(27%);
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、ヘパリンN−アセチル(39%);
工程a)を室温で2時間行ない、工程b)を4℃で2時間行ない、工程c)、d)、e)、f)、g)、h)を省略することにより得られ、全ウロン酸に対する修飾ウロン酸のパーセンテージがおよそ30%である、ヘパリンN−アセチル(64%)。 - 医薬上許容される媒体および賦形剤と混合して、請求項15または16および/または19に記載の少なくとも1つの化合物を活性成分として含有する医薬組成物。
- 請求項15−16および19に記載の化合物の薬物としての使用。
- 請求項15−16および19に記載の化合物の薬剤のための媒体としての使用。
- 該薬剤が以下からなる群から選択される、請求項に22に記載の使用:
ステロイド性および非−ステロイド性抗−炎症薬、コルチコステロイド、転移抑制作用を有する薬剤、内皮レベルで作用する薬剤。 - 該転移抑制薬がメタロプロテイナーゼ阻害剤である、請求項23に記載の使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013112054A JP6132302B2 (ja) | 2013-05-28 | 2013-05-28 | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013112054A JP6132302B2 (ja) | 2013-05-28 | 2013-05-28 | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003526419A Division JP2005506326A (ja) | 2001-09-12 | 2001-09-12 | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015178518A Division JP2016014148A (ja) | 2015-09-10 | 2015-09-10 | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013177433A true JP2013177433A (ja) | 2013-09-09 |
JP6132302B2 JP6132302B2 (ja) | 2017-05-24 |
Family
ID=49269443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013112054A Expired - Fee Related JP6132302B2 (ja) | 2013-05-28 | 2013-05-28 | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6132302B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019124363A1 (ja) * | 2017-12-20 | 2019-06-27 | 王子ホールディングス株式会社 | ポリ硫酸ペントサン及びポリ硫酸ペントサンを含む医薬 |
US11274165B2 (en) | 2017-02-28 | 2022-03-15 | Oji Holdings Corporation | Pentosan polysulfate, pharmaceutical composition, and anticoagulant |
US11278485B2 (en) | 2017-05-31 | 2022-03-22 | Oji Holdings Corporation | Moisturizing topical preparation |
US11286272B2 (en) | 2016-08-31 | 2022-03-29 | Oji Holdings Corporation | Production method for acidic xylooligosaccharide, and acidic xylooligosaccharide |
US11312790B2 (en) | 2016-08-31 | 2022-04-26 | Oji Holdings Corporation | Production method for pentosan polysulfate |
US11390693B2 (en) | 2017-09-12 | 2022-07-19 | Oji Holdings Corporation | Pentosan polysulfate and method for producing pentosan polysulfate |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62265998A (ja) * | 1986-03-10 | 1987-11-18 | ボ−ド オブ リ−ジエンツ ザ ユニヴア−シテイ オブ テキサス システム | ヘパラン硫酸エンドグリコシダーゼアッセイ |
JPH08512353A (ja) * | 1993-07-12 | 1996-12-24 | イタルファルマコ エッセ.ピ.ア. | 抗転移活性を有するヘパリン誘導体 |
WO2001055221A1 (en) * | 2000-01-25 | 2001-08-02 | Sigma-Tau Industrie Farmaceutiche Riunite S.P.A. | Derivatives of partially desulphated glycosaminoglycans endowed with antiangiogenic activity and devoid of anticoagulating effect |
-
2013
- 2013-05-28 JP JP2013112054A patent/JP6132302B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62265998A (ja) * | 1986-03-10 | 1987-11-18 | ボ−ド オブ リ−ジエンツ ザ ユニヴア−シテイ オブ テキサス システム | ヘパラン硫酸エンドグリコシダーゼアッセイ |
JPH08512353A (ja) * | 1993-07-12 | 1996-12-24 | イタルファルマコ エッセ.ピ.ア. | 抗転移活性を有するヘパリン誘導体 |
WO2001055221A1 (en) * | 2000-01-25 | 2001-08-02 | Sigma-Tau Industrie Farmaceutiche Riunite S.P.A. | Derivatives of partially desulphated glycosaminoglycans endowed with antiangiogenic activity and devoid of anticoagulating effect |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6011056722; Agric. Biol. Chem. Vol.40(12), 1976, p.2501-2502 * |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11286272B2 (en) | 2016-08-31 | 2022-03-29 | Oji Holdings Corporation | Production method for acidic xylooligosaccharide, and acidic xylooligosaccharide |
US11312790B2 (en) | 2016-08-31 | 2022-04-26 | Oji Holdings Corporation | Production method for pentosan polysulfate |
US11274165B2 (en) | 2017-02-28 | 2022-03-15 | Oji Holdings Corporation | Pentosan polysulfate, pharmaceutical composition, and anticoagulant |
US11278485B2 (en) | 2017-05-31 | 2022-03-22 | Oji Holdings Corporation | Moisturizing topical preparation |
US11390693B2 (en) | 2017-09-12 | 2022-07-19 | Oji Holdings Corporation | Pentosan polysulfate and method for producing pentosan polysulfate |
WO2019124363A1 (ja) * | 2017-12-20 | 2019-06-27 | 王子ホールディングス株式会社 | ポリ硫酸ペントサン及びポリ硫酸ペントサンを含む医薬 |
JPWO2019124363A1 (ja) * | 2017-12-20 | 2020-04-02 | 王子ホールディングス株式会社 | ポリ硫酸ペントサン及びポリ硫酸ペントサンを含む医薬 |
KR20200099533A (ko) * | 2017-12-20 | 2020-08-24 | 오지 홀딩스 가부시키가이샤 | 폴리황산펜토산 및 폴리황산펜토산을 포함하는 의약 |
US11344570B2 (en) | 2017-12-20 | 2022-05-31 | Oji Holdings Corporation | Pentosan polysulfate and medicine containing pentosan polysulfate |
KR102533822B1 (ko) | 2017-12-20 | 2023-05-17 | 오지 홀딩스 가부시키가이샤 | 폴리황산펜토산 및 폴리황산펜토산을 포함하는 의약 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6132302B2 (ja) | 2017-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005506326A (ja) | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 | |
US7781416B2 (en) | Derivatives of partially desulphated glycosaminoglycans as heparanase inhibitors, endowed with antiangiogenic activity and devoid of anticoagulating effect | |
JP6132302B2 (ja) | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 | |
AU2001292231A1 (en) | Derivatives of partially desulphated glycogaminoglycans as heparanase inhibitors, endowed with antiangiogenic activity and devoid of anticoagulating effect | |
JP4514240B2 (ja) | 硫酸化オリゴ糖の製造および使用 | |
WO2003090696A2 (en) | Methods and products for mucosal delivery | |
EP2025687A1 (en) | Process for the preparation of heparanase-inhibiting sulfated hyaluronates and products obtained thereby | |
JPH0273801A (ja) | 選択的にo―アシル化されたグリコサミノグリカン | |
KR20160105969A (ko) | N-탈황화된 글루코스아미노글리칸 유도체 및 약물로서의 용도 | |
JPH11269077A (ja) | ホスホリパーゼa2阻害用医薬組成物 | |
Poggi et al. | Inhibition of B16-BL6 melanoma lung colonies by semisynthetic sulfaminoheparosan sulfates from E. coli K5 polysaccharide | |
JP4412756B2 (ja) | 新規多糖誘導体、その製造法及びそれを有効成分とする医薬組成物 | |
JP2016014148A (ja) | 抗血管新生活性を有し、抗凝血効果を有さない、ヘパラナーゼ阻害剤としての部分的に脱硫酸化されたグリコサミノグリカンの誘導体 | |
WO2018129647A1 (zh) | 一种抑制内源性凝血因子x酶复合物的寡糖化合物及其制备方法与用途 | |
US20080139503A1 (en) | Derivatives of partially desulphated glycosaminoglycans as heparanase inhibitors, endowed with antiangiogenic activity and devoid of anticoagulating effect | |
AU2008202261B2 (en) | Derivatives of partially desulphated glycosaminoglycans as heparanase inhibitors, endowed with antiangiogenic activity and devoid of anticoagulating effect | |
PL212357B1 (pl) | Zmodyfikowana heparyna, jej zastosowanie i zawierająca ją kompozycja farmaceutyczna | |
Zhang et al. | Heparin mimetics as tools for modulation of biology and therapy | |
Yuan et al. | Recent progress in marine chondroitin sulfate, dermatan sulfate, and chondroitin sulfate/dermatan sulfate hybrid chains as potential functional foods and therapeutic agents |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130626 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20140120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140805 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20141104 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20141107 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20141204 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20141209 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20150105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150205 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150512 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150910 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20151104 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20151218 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170213 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170412 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6132302 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |