以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(例えば、赤色)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(例えば、赤色)で点灯されたままになる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)によって検出されるとともに、入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。なお、この実施の形態では、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、後述するように、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
なお、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のそれぞれについて、始動口スイッチ(例えば、近接スイッチ)を設けるとともに入賞確認スイッチ(例えば、フォトセンサ)を設けるようにしてもよい。そして、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、この実施の形態と同様に、始動口スイッチによって遊技球が検出されたことにもとづいて、特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行されるようにしてもよい。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、この実施の形態と同様に、始動口スイッチによる検出結果に加えて入賞確認スイッチの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面における下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、この実施の形態では、第2始動入賞口14にのみ、第2始動口スイッチ14aに加えて入賞確認スイッチ14bを設ける場合を示しているが、大入賞口にも、カウントスイッチ23に加えて入賞確認スイッチを備えるようにしてもよい。この場合、例えば、第2始動入賞口14と同様に、カウントスイッチ13を近接スイッチを用いて構成し、入賞確認スイッチをフォトセンサを用いて構成するようにすればよい(なお、逆に、カウントスイッチ13をフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、大入賞口への遊技球の入賞にもとづく賞球払出処理については、カウントスイッチ23の検出結果にのみもとづいて賞球の払い出しを行うようにすればよい(ステップS32参照)。一方で、遊技制御用マイクロコンピュータは、大入賞口への異常入賞を行う場合には、カウントスイッチ23の検出結果と入賞確認スイッチの検出結果との両方に基づいて判定を行うようにすればよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータは、後述するスイッチ正常/異常チェック処理と同様の処理に従って、カウントスイッチ23の検出数と入賞確認スイッチの検出数との差が所定値(例えば、10)以上となったことにもとづいて、大入賞口への異常入賞が発生したと判定するようにすればよい(ステップS251〜S257参照)。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施の形態では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図8に示す図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号、賞球情報)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチを押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aや第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ370)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路505が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されたシリアル通信回路については、図4参照)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、遊技を再開させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、および各入賞口スイッチ29a,30aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図4は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図4に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560と異なり、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するRAMは、バックアップ電源による電源バックアップを受けていない。そのため、遊技機に対する電力供給が停止してしまうと、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するRAMの記憶内容は失われることになる。
なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、所定の払出条件が成立したことにもとづいて遊技球を払い出す制御を行う。なお、所定の払出条件は、遊技領域に設けられた入賞領域(普通入賞口29,30、大入賞口、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)に遊技球が入賞したことや、貸し球要求がなされたことによって成立する。また、例えば、パロット機やスロットマシンなどの遊技機に適用する場合には、所定の払出条件は、遊技球やメダルの返却要求がなされたことによっても成立する。さらに、例えば、パロット機やスロットマシンなどの遊技機に適用する場合には、所定の払出条件は、図柄の停止図柄が所定の入賞図柄となったことによっても成立する。
球切れスイッチ187、満タンスイッチ48および払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。なお、この実施の形態では、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されたあと、I/Oポート372aおよび出力回路373Bを介して主基板31に出力される。
また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。
さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、打球発射装置からの球発射を停止させるために、発射基板90に対してローレベルの満タン信号を出力する。発射基板90のAND回路91が出力する発射モータ94への発射モータ信号は、発射基板90から発射モータ94に伝えられる。払出制御用マイクロコンピュータ370からの満タン信号は、発射基板90に搭載されたAND回路91の入力側の一方に入力され、駆動信号生成回路92からの駆動信号(発射モータ94を駆動するための信号であって、電源基板からの電源を供給する役割を果たす信号である。)は、AND回路91の入力側の他方に入力される。そして、AND回路91の発射モータ信号が発射モータ94に入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370が満タン信号を出力している間は、発射モータ94への発射モータ信号の出力が停止される。払出制御用マイクロコンピュータ370が満タン信号を出力している間であっても、発射モータ94への発射モータ信号の出力を停止せず、打球発射装置からの球発射を停止させないように構成してもよい。
払出制御用マイクロコンピュータ370には、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路380が内蔵されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370とは、シリアル通信回路505,380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続確認を行うために、一定の間隔(例えば1秒)で払出制御コマンド(接続確認コマンド、接続OKコマンド)をやり取り(送受信)している。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505を介して、一定の間隔で接続確認を行うための接続確認コマンドを送信し、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの接続確認コマンドを受信した場合、その旨を通知する接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。また、例えば、入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払い出すべき賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定がなされた賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を受け付けたことを示す賞球個数受付コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出動作が終了すると、賞球終了を示す賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出動作を終了するまでの間、一定の間隔で賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。また、所定のエラー(球貸し、満タン、球切れなどのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、接続OKコマンドや賞球準備中コマンドの下位4ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた接続OKコマンドや賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図4では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図4に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。すなわち、カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行われる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
また、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図6は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図6に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。また、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して出力される信号のうち高確中信号も出力される。
なお、図6に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ370では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。ただし、既に説明したように、外部出力される信号のうち高確中信号については、出力ポート0から出力される。なお、この実施の形態では、後述する賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、後述する賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)、遊技機エラー状態信号(遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力されるようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや、賞球払出、遊技機のエラー状態も検出され、ドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、例えば、特別図柄の変動回数を通知するための図柄確定回数信号として図柄確定回数1信号に加えて図柄確定回数2信号も、ターミナル基板160を介して外部出力するようにしてもよい。この場合、例えば、第1特別図柄の変動回数のみを通知するための信号として図柄確定回数2信号を外部出力するようにし、第1特別図柄および第2特別図柄の両方の変動回数を通知するための信号として図柄確定回数1信号を外部出力するように構成すればよい。そのように構成すれば、ホールコンピュータなどの外部装置側において、第1特別図柄のみの変動回数に加えて、第1特別図柄および第2特別図柄合計の変動回数や、第2特別図柄のみの変動回数も把握することができる。
図7は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図7に示すように、入力ポート0のビット0,2〜4には、それぞれ、カウントスイッチ23の検出信号、入賞口スイッチ29a,30aの検出信号、入賞確認スイッチ14bの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、電波センサ信号、磁石センサ信号、ドア開放信号、賞球情報が入力される。また、入力ポート2のビット0〜4には、それぞれ、第1始動口スイッチ13aの検出信号、第2始動口スイッチ14aの検出信号、ゲートスイッチ32aの検出信号、電源基板910からのクリアスイッチの検出信号および電源断信号が入力される。
図8は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図8に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1,CN−2は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−3は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN10は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC10が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1,CN−2に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に入賞信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力され、コネクタCN−2の端子「9」に高確中信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−3に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)からの信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−3の端子「9」に賞球情報が入力される。
図8に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3の端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「2」〜「9」、コネクタCN−2のコネクタ「9」、およびコネクタCN−3のコネクタ「9」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「2」に接続されている。
半導体リレーPC1〜PC10では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC10の動作により、入力側のコネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3から入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN10に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN2から始動口信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から大当り3信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から入賞信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から高確中信号が出力され、コネクタCN10から賞球情報が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、セキュリティ信号については、ターミナル基板160に設けられた一番端のコネクタ(例えば、コネクタCN10)から出力されるようにしてもよい。
なお、コネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN10から出力される賞球情報は、特定数(この実施の形態では、10個)の賞球が払い出されたこと(球払出装置97が駆動されて実際に賞球が払い出されたこと)を示す信号である。賞球情報を確認することによって、実際に払い出された賞球数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、入賞信号で示される賞球の予定数と賞球情報で示される払出済みの賞球数とを確認することによって、賞球払出が正常に行われたか否かや賞球過不足数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、後述するように、第2始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認スイッチ14bの検出結果とにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、電波などを用いて第2始動入賞口14への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、上記のように、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板160の共通のコネクタCN8から外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタCN8からセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
なお、セキュリティ信号として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2始動入賞口14への異常入賞にかぎらず、第1始動入賞口13や、大入賞口、普通入賞口29,30への異常入賞を検出して、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13や、大入賞口、普通入賞口29,30についても、第2始動入賞口14と同様に、遊技球の入賞を検出するためのスイッチとして検出方式の異なる2種類のスイッチ(近接スイッチとフォトセンサ)を設けるようにし、第2始動入賞口14と同様の判定方法に従って、異常入賞の有無を判定するようにすればよい。
また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
上記のように、大入賞口への異常入賞や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
なお、大入賞口への異常入賞を検出する場合には、カウントスイッチ23による検出数と入賞確認スイッチによる検出数とが所定値(例えば、10)以上となったことにもとづいて判定する場合に加えて、特別図柄プロセスフラグの値が大当り遊技中であることを示す値となっていない場合(例えば、特別図柄プロセスフラグの値が5以上となっていない場合。図23参照)にカウントスイッチ23により遊技球を検出した場合にも、大入賞口への異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。また、このように、カウントスイッチ23および入賞確認スイッチの検出結果にもとづいて大入賞口への異常入賞が発生したと判定した場合や、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が発生したと判定した場合にも、スイッチ正常/異常チェック処理におけるステップS128と同様に、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(例えば、4分)をセットすることにより、セキュリティ信号を外部出力するようにすればよい。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から後述する接続OKコマンドや賞球個数受付コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505のステータスレジスタ(図示せず)のいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
また、セキュリティ信号出力用の信号線とは別に、初期化処理実行の検出や、第1始動入賞口13への異常入賞の検出、第2始動入賞口14への異常入賞の検出、大入賞口への異常入賞の検出、異常磁気エラーの検出、異常電波エラーの検出、通信エラーの検出について、それぞれ別々の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160から、セキュリティ信号とともに、それぞれのエラーに対応した外部出力信号も、ホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、セキュリティ信号を確認することによって何らかのエラーが発生していることを認識できるとともに、さらにエラーの種類ごとに出力される信号を確認することによって遊技店側でエラーの種類を確認することができる。従って、遊技店側からエラーの種類の確認まで要求されているような場合には、セキュリティ信号とは別にエラー種類ごとの外部出力信号を設けることによって、より遊技店のニーズに応えた外部出力を行えるようにすることができる。一方で、何らかのエラーが発生していることの確認のみを要求しているような遊技店の場合には、外部出力される信号のうち、セキュリティ信号のみをホールコンピュータなどの外部装置に接続して確認するようにすればよい。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC10をターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPC1〜PC10を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC10ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図9は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU56は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能とならないかぎり、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して接続信号を継続して出力する。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、バックアップ電源されたRAM55が記憶するデータを用いて遊技を再開するためのホットスタート処理を行う(ステップS91)。また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS92)、ステップS15に移行する。なお、ステップS92で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、後述する各外部出力信号を出力するために用いる各タイマ(始動口情報記憶タイマや、入賞情報記憶タイマ、セキュリティ信号情報タイマなど)にも初期値(クリアデータ)が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS14a)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板160から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS14aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU56は、あらかじめROM54に格納されている乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路505を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路505に設定することによって、シリアル通信回路505に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路505を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557に従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路505において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路505からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路503やシリアル通信回路505の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路505のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
また、メイン処理の初期化処理において、後述する賞球不足エラーや賞球過剰エラーを検出するために用いられる賞球個数カウンタに初期値として「250」が設定される処理も実行される。なお、賞球個数カウンタに初期値を設定する処理を、例えば、ステップS91のホットスタート処理やステップS12の作業領域に各初期値を順次設定する処理において実行してもよく、ステップS15〜S17の処理に移行するまでの間に実行していればよい。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路505からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路505から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
次に、ステップS91のホットスタート処理について説明する。図10は、ホットスタート処理の処理例を示すフローチャートである。ホットスタート処理において、CPU56は、まず、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9101)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS9102)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データ(例えば、賞球プロセスコードや賞球プロセスタイマ、枠状態表示バッファ、前回枠状態表示バッファ)が設定されている。ステップS9101およびS9102の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す高確中信号を、ターミナル基板160を介して外部出力することを許可する旨の高確中出力許可フラグをセットする(ステップS9103)。なお、無条件に高確中出力許可フラグをセットするのではなく、まず、高確率状態(確変状態)であるか否かを確認し(具体的には、バックアップRAMに記憶されている確変フラグがオン状態であるか否かを確認し)、高確率状態(確変状態)であることを条件に高確中出力許可フラグをセットするようにしてもよい。そのように、電力供給開始時に、無条件に高確中出力許可フラグをセットしてもよいし、高確率状態(確変状態)であることを条件に高確中出力フラグをセットしてもよい。
また、CPU56は、後述する入賞信号の出力時間を計測するための入賞情報記憶タイマをクリアする(ステップS9104)。すなわち、この実施の形態では、入賞情報記憶タイマの値は、電源バックアップされたRAM55に記憶され、電力供給が停止しても所定時間は保持されるのであるが、ステップS9104の処理が実行されることによって停電復旧時にクリアされる。このように、この実施の形態では、共通のホットスタート処理において、高確中出力許可フラグの設定処理と入賞情報記憶タイマのクリア処理とが実行可能に構成されており、処理ルーチンの共通化によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減している。
なお、例えば、バックアップ時設定テーブルにおいて、高確中出力許可フラグをオン状態に設定する値(例えば、論理値「1」)や、入賞情報記憶タイマをクリアするための値(例えば、クリアデータ「0」)も設定するようにし、ステップS9102が実行されることによって、高確中出力許可フラグをオンにするとともに入賞情報記憶タイマをクリアするようにしてもよい。この場合、例えば、バックアップ時設定テーブルにもとづいて、作業領域中の高確中出力許可フラグの値をオン状態に設定したり(例えば、論理値「1」を書き込んだり)、作業領域中の入賞情報記憶タイマの値にクリアデータを書き込んだりするようにすればよい。そのようにすれば、1つのデータテーブル(バックアップ時設定テーブル)を用いて、高確中出力許可フラグの設定処理と入賞情報記憶タイマのクリア処理とを共通化することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担をさらに軽減することができる。
次に、タイマ割込処理について説明する。図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、磁石センサから検出信号を入力したことにもとづいて磁石センサエラー報知を行う磁石センサエラー報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドをシリアル通信回路505の送信データレジスタに設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1〜3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
次いで、CPU56は、シリアル通信回路505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には入賞口スイッチ29a,30a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。なお、この実施の形態では、入賞口スイッチ29a,30a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、賞球個数コマンドの下位4ビットを異ならせることにより賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドに設定し、当該設定した賞球個数コマンドをシリアル通信回路505を介して払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続信号に関する内容およびソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、遊技機のエラー状態などを表示させるために遊技機のエラー状態などを示す情報が設定された枠状態表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する枠状態出力処理を実行する(ステップS39)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS40)、処理を終了する。
図12は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR3):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR3):ランダム3の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図11に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図13は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図13の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図13の右欄に記載されている各数値が設定されている。図13に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図13に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り(非確変大当り)、確変大当り)にすることに決定する。なお、図13に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図14は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図14に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「15R通常大当り」、「10R通常大当り」のうちのいずれかの種別(種類)に決定するために参照されるテーブルである。
なお、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「15R通常大当り」、「10R通常大当り」の各々にも、複数の種別がある。図14に示す例では、大当り種別は9種類である。
15R確変大当りおよび15R通常大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が多い回数(例えば、15回(15ラウンド))まで許容されるような大当りである。15R確変大当りの場合には、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を確変状態に変化させる。10R確変大当りおよび10R通常大当りは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が相対的に少ない回数(例えば、10回(10ラウンド))まで許容されるような大当りである。10R確変大当りの場合には、大当り遊技状態が終了すると、遊技状態を確変状態に変化させる。
また、図14に示すように、いずれの種別の大当りが生じた場合にも、大当り遊技が終了した後、遊技状態が時短状態(高ベース状態ともいう。)に移行する。高ベース状態では、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
従って、時短状態(高ベース状態)は、遊技球が始動領域に進入する頻度が高い高頻度状態に対応する。
また、図14に示すように、高ベース状態は、所定回の可変表示(変動表示)が実行されるまで、または、次に大当りが発生するまで継続するが、継続回数(高ベース状態で実行可能な可変表示の回数)は、大当りの種別に応じて異なる。
また、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは一意に対応している。
なお、この実施の形態では所定の乱数を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。
図14(A)には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)が示されている。図14(B)には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
高ベース状態では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会が多いので、図14(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される機会が極めて多い。また、低ベース状態(時短状態ではない状態)では、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会はないので、図14(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される。
図15は、ROM54に格納されている変動パターンテーブルを示す説明図である。この実施の形態では、図15に示すように、変動パターンテーブルとして、テーブルA〜Cの3つの変動パターンテーブルがある。各変動パターンテーブルには、変動パターンに対応して判定値が格納されている。なお、図15には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
テーブルAは、遊技状態が高ベース状態で、はずれにするときに用いられる変動パターンテーブルである。テーブルBは、遊技状態が低ベース状態で、はずれにするときに用いられる変動パターンテーブルである。テーブルCは、大当りの場合に用いられる変動パターンテーブルである。
図15において、「リーチなし」は、飾り図柄の変動中にリーチ演出が実行されない変動態様(演出態様)である。「リーチα」は、飾り図柄の変動中にリーチαのリーチ演出が実行されるような変動態様であり、「リーチβ」は、飾り図柄の変動中にリーチαとは異なる内容であるリーチβのリーチ演出が実行されるような変動態様である。「リーチγ」は、飾り図柄の変動中にリーチαおよびリーチβとは異なる内容であるリーチγのリーチ演出が実行されるような変動態様である。
図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図15に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
また、この実施の形態では、変動パターンが同じであれば、大当りになる場合とはずれになる場合とで共通の変動パターンコマンドが用いられる。しかし、大当りの場合に使用される変動パターンを指定する変動パターンコマンドとはずれになる場合に使用される変動パターンを指定する変動パターンコマンドとを全く別にする。すなわち、大当りになる場合に用いられる変動パターンコマンドは、はずれの場合には用いられないようにしてもよい。
コマンド8C01(H)〜8C0A(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C0A(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C0A(H)を表示結果特定コマンドともいう。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(以下、大当り終了指定コマンドまたはエンディング指定コマンドともいう。)である。
コマンドA4XX(H)は、XXで示す時短継続回数を指定する演出制御コマンド(時短継続回数コマンド)である。時短継続回数は、高ベース状態で実行可能な可変表示の回数であるが、所定回の可変表示(変動表示)が実行されるまで高ベース状態が継続する場合には、「XX」として例えば「FF」が設定される。
コマンドB001(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。高ベース状態指定コマンドと低ベース状態指定コマンドを、ベース状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドB101(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する演出制御コマンド(高確率状態指定コマンド)である。コマンドB102(H)は、通常状態であることを指定する演出制御コマンド(低確率状態指定コマンド)である。高確率状態指定コマンドと低確率状態指定コマンドとを、確率状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。
コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数について、保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドが送信されるが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
次に、賞球処理(タイマ割込処理におけるステップS32)について説明する。図17は、ステップS32の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球コマンド出力カウンタ加算処理(ステップS501)、賞球制御処理(ステップS502)および賞球カウンタ減算処理(ステップS503)を実行する。
賞球コマンド出力カウンタ加算処理では、図18に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「5」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレスと、賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスと、スイッチ入力ビット指定値と、賞球数を指定する賞球個数データとが、順次設定されている。賞球コマンド出力カウンタとは、入賞口への入賞数をカウントするカウンタであり、例えば、ROM54に設定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数(0〜15個)毎に、対応する賞球コマンド出力カウンタを備える。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数「15」に対応する賞球コマンド出力カウンタ1と、賞球数「10」に対応する賞球コマンド出力カウンタ2,3(2つの普通入賞口29,30に対応)と、賞球数「3」に対応する賞球コマンド出力カウンタ4,5とを備える。なお、各賞球コマンド出力カウンタは、後述するように、賞球コマンド出力カウンタ加算処理でカウントアップされる。CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1が0でなければ、賞球数(15個)を指定する賞球個数データにもとづいて賞球個数(15個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ2,3の値が0でなければ、賞球数(10個)を指定する賞球個数データにもとづいて賞球個数(10個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1および賞球コマンド出力カウンタ2,3の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ4,5の値が0でなければ、賞球数(3個)を指定する賞球個数データにもとづいて賞球個数(3個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、図18において、スイッチオンバッファ1は入力ポート0に対応しており、スイッチオンバッファ2は入力ポート2に対応している。
図19および図20は、ステップS501の賞球コマンド出力カウンタ加算処理を示すフローチャートである。賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS5101)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS5102)。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(ステップS5103)、ポインタが指すスイッチオンバッファの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードし(ステップS5104)、ポインタバッファの指すスイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS5105)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(ステップS5106)、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードする(ステップS5107)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(ステップS5108)、レジスタにロードしたスイッチオンバッファの内容と、ポインタが指すスイッチ入賞ビット指定値との論理積をとる(ステップS5109)。そして、CPU56は、ポインタの値を1増やす(ステップS5110)。なお、ステップS5110でポインタの値が1加算されたことによって、ポインタの値は、賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ステップS5109における演算結果が0であれば(ステップS5111のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS5128)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS5103に戻る(ステップS5129)。
ステップS5109における演算結果が0でなければ(ステップS5111のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、CPU56は、ポインタバッファの値とポインタの値とを交換する処理を行う(ステップS5112)。この場合、ポインタの値はステップS5110の処理が実行されることによって賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となっており、ポインタバッファの値はステップS5107の処理が実行されることによって賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスがロードされた状態となっていた筈であるから、ステップS5112の交換処理が実行されることによって、ポインタバッファの値は賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となり、ポインタの値は賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスを示している状態となることになる。
次いで、CPU56は、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタの値を1加算する(ステップS5113)。ただし、CPU56は、加算の結果、賞球コマンド出力カウンタの値に桁上げが発生した場合には、賞球コマンド出力カウンタの値を1減算し元に戻す(ステップS5114,S5115)。そして、ステップS5116の処理に移行する。なお、ステップS5113〜S5115において、CPU56は、まず、賞球コマンド出力カウンタの値をレジスタにロードして、レジスタの値を1加算し、加算後のレジスタの値に桁上げが発生していないことを確認してから、加算後の値を賞球コマンド出力カウンタにストアするようにしてもよい。そのようにすれば、賞球コマンド出力カウンタの値を加算した後に再び減算する無駄を防止することができる。
次いで、CPU56は、いずれかの入賞口(始動入賞口13,14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞を検出したことにもとづく賞球予定数の累積値をカウントするための入賞カウンタの下位アドレスをポインタの下位バイトにロードする(ステップS5116)。次いで、CPU56は、ポインタバッファの指す賞球個数データをロードする(ステップS5117)。次いで、CPU56は、ポインタの指す入賞カウンタの値を読み出し、読み出した値をステップS5117でロードした賞球個数データで示される賞球個数に加算する(ステップS5118)。ステップS5118の演算が実行されることによって、新たに発生した入賞分の賞球個数を加算した賞球予定数の累積値が求められることになる。そして、CPU56は、ポインタの値を1減算する(ステップS5119)。
なお、この実施の形態では、ROM54において、入賞カウンタが設定されている領域の1つ前のアドレスの領域に入賞情報記憶カウンタが設定されている。入賞情報記憶カウンタとは、入賞信号の出力可能数をカウントするためのカウンタであり、例えば、入賞情報記憶カウンタの値が1となっていれば後述する情報出力処理において入賞信号が1回出力され、入賞情報記憶カウンタの値が2となっていれば後述する情報出力処理において入賞信号が2回出力される制御が行われる。この実施の形態では、ステップS5119でポインタの値が1減算されることによって、ポインタの値が賞球情報出力カウンタの下位アドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっているか否かを確認する(ステップS5120)。賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっていれば、CPU56は、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値から所定の入賞出力判定値に相当する値(本例では、10)を減算する(ステップS5121)。そして、CPU56は、ポインタの指す入賞情報記憶カウンタの値を1加算する(ステップS5122)。ただし、CPU56は、加算の結果、入賞情報記憶カウンタの値に桁上げが発生した場合には、入賞情報記憶カウンタの値を1減算し元に戻す(ステップS5123,S5124)。そして、ステップS5120の処理に戻る。なお、ステップS5122〜S5124において、CPU56は、まず、入賞情報記憶カウンタの値をレジスタにロードして、レジスタの値を1加算し、加算後のレジスタの値に桁上げが発生していないことを確認してから、加算後の値を入賞情報記憶カウンタにストアするようにしてもよい。そのようにすれば、入賞情報記憶カウンタの値を加算した後に再び減算する無駄を防止することができる。
一方、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっていなければ(すなわち、9未満であれば)、ステップS5125に移行する。
ステップS5120〜S5124の処理が実行されることによって、この実施の形態では、所定数分の払出条件が成立するごとに(賞球10個分の入賞が発生するごとに)、入賞情報記憶カウンタの値が1ずつ加算され、後述する情報出力処理によって入賞信号が外部出力されることになる。
なお、ステップS5118で演算された賞球予定数の累積値が20以上となる場合もある。例えば、入賞カウンタのカウント値が9となっていた場合に、大入賞口への入賞が発生して新たに15個の賞球が発生した場合には、ステップS5118において賞球予定数の累積値として24と求められることになる。この場合、ステップS5120でYと判定されてステップS5122で入賞情報記憶カウンタの値が1加算された後(この場合、ステップS5121の処理で賞球予定数の累積値は10減算されて14となる)、もう一度ステップS5120でYと判定されてステップS5122で入賞情報記憶カウンタの値が1加算され、1回の賞球コマンド出力カウンタ加算処理が実行される間に入賞情報記憶カウンタの値が2加算されることになる。
なお、この実施の形態では、賞球処理中の賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、ステップS5120〜S5124の処理が実行されることによって、賞球予定数の累積値が10以上となっているか否かを判定し、入賞情報記憶カウンタの加算処理を行って入賞信号を出力するように制御する場合を示しているが、入賞信号の出力処理の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、賞球コマンド出力カウンタ加算処理では、入賞カウンタの加算処理のみを行うようにし、ステップS31の情報出力処理において、入賞カウンタの値が10以上であるか否かを判定して、10以上であれば入賞信号を出力するように制御してもよい。この場合、上記と同様に、入賞カウンタの値が20以上であれば、情報出力処理において、入賞カウンタの値が10以上であるか否かの判定処理を繰り返し実行し、入賞情報記憶カウンタの値を2加算するようにして、入賞信号を2回出力可能に処理してもよい。
また、例えば、この実施の形態では、入賞情報記憶カウンタの更新処理を行った後に、後述する情報出力処理で入賞情報記憶カウンタの値にもとづいて入賞信号を外部出力する場合を示しているが、入賞情報記憶カウンタを用いずに、ステップS5120で累積値が10以上であると判断した場合には直ちに賞球コマンド出力カウンタ加算処理内で入賞信号の外部出力処理を行うように構成してもよい。この場合、この実施の形態では、ステップS5118の演算の結果累積値が10以上20未満となり入賞信号を1回出力する必要が生じる場合と、ステップS5118の演算の結果累積値が20以上となり(この実施の形態では、30以上となることはない)入賞信号を2回出力する必要が生じる場合との2つのケースがある。そのため、例えば、入賞信号を出力するためのテーブルとして、入賞信号を1回出力するためのテーブル(1回分の入賞信号のオン時間およびオフ時間が設定されたテーブル)と、入賞信号を連続して2回出力するためのテーブル(2回分の入賞信号のオン時間およびオフ時間が設定されたテーブル)とを用意しておくようにしてもよい。そして、演算した累積値が10以上20未満であれば、入賞信号を1回出力するためのテーブルを用いて、賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を1回外部出力する制御を行い、演算した累積値が20以上であれば、入賞信号を2回出力するためのテーブルを用いて、賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を連続して2回外部出力する制御を行うようにしてもよい。
なお、ステップS5118で演算した累積値が20を超えている場合には、上記のように、入賞信号を2回出力するためのテーブルを用いて賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を連続して2回外部出力してもよいし、賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、計算結果が10未満となるまで繰り返しステップS5120の判定処理を行って入賞信号の外部出力を連続して2回行うようにしてもよい。また、例えば、1タイマ割込内で実行される賞球コマンド出力カウンタ加算処理では入賞信号を1回のみ出力するようにし、次のタイマ割込で賞球コマンド出力カウンタ加算処理を実行するときに累積値が10以上であることにもとづいて次の入賞信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、ステップS5125では、CPU56は、ポインタの値を1加算する(従って、ポインタの値は入賞カウンタの下位アドレスを示している状態に戻る)。次いで、CPU56は、ポインタの指す入賞カウンタに、賞球予定数の累積値の演算結果をストアする(ステップS5126)。この場合、ステップS5120で1度もYと判定されることなくステップS5125以降の処理に移行した場合には、ステップS5118で求められた賞球予定数の累積値がそのまま入賞カウンタにストアされることになる。また、ステップS5120でYと判定されステップS5121以降の処理が実行されている場合には、ステップS5121で減算後の賞球予定数の累積値が入賞カウンタにストアされることになる。なお、ステップS5120の判定処理やステップS5121の減算処理が実行される結果、ステップS5126では、必ず10未満の値が入賞カウンタにストアされることになる。
次いで、CPU56は、ポインタバッファの値とポインタの値とを交換する処理を行う(ステップS5127)。この場合、ステップS5112の処理が実行されることによってポインタバッファには賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスが退避されているので、ステップS5127の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態に戻されることになる。
そして、CPU56は、処理数を1減らし(ステップS5128)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS5103に戻る(ステップS5129)。
図21は、ステップS502の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS521〜S525のいずれかの処理を実行する。
賞球送信処理1(ステップS521)では、CPU56が、接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する処理を行う。賞球接続確認処理(ステップS522)では、払出制御用マイクロコンピュータ370から接続確認コマンドに応じた接続OKコマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370から受信した場合に、CPU56が、接続OKコマンドによって示された払出制御に関するエラーを示すエラー情報を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行う。賞球送信処理2(ステップS523)では、払出制御に関してエラーが発生していない場合に、CPU56が、払い出す賞球の数を示す賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する制御を行う。賞球受領確認処理(ステップS524)では、CPU56が、送信した賞球個数コマンドに応じて払出制御用マイクロコンピュータ370から送信されたコマンドに応じた処理を行う。賞球終了確認処理(ステップS525)では、CPU56が、賞球の払い出しが終了したか否かに応じた処理を行う。
図22は、ステップS503の賞球カウンタ減算処理を示すフローチャートである。CPU56は、賞球カウンタ減算処理において、まず、賞球情報入力無効タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS5301)。なお、賞球情報入力無効タイマは、賞球情報の入力を確認した後、次の賞球情報の入力を確認するまでの間にインターバル期間を設けるために計測されるタイマである。タイムアウトしていなければ、CPU56は、賞球情報入力無効タイマの値を1減算して(ステップS5302)、処理を終了する。
賞球情報入力無効タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、入力ポート0の内容を入力し(ステップS5303)、賞球情報のビットがオン状態であるか否かを確認する(ステップS5304)。賞球情報のビットがオン状態であれば、ステップS5305に移行する。
ステップS5305では、CPU56は、処理数として所定の賞球情報確認回数(例えば8)をセットする(ステップS5305)。そして、CPU56は、賞球情報を入力しているか否かを確認し、賞球情報の入力を確認できれば賞球情報オンカウンタの値を1加算する処理を、処理数(本例では8)を終了するまで繰り返し実行する(ステップS5306〜S5308)。
次いで、CPU56は、賞球情報オンカウンタの値が6以上であるか否かを確認する(ステップS5309)。賞球情報オンカウンタの値が6以上であれば、CPU56は、賞球情報入力無効タイマに所定時間(例えば0.8秒)をセットする(ステップS5310)とともに、賞球個数カウンタの値を10減算する(ステップS5311)。
以上の処理が実行されることによって、この実施の形態では、賞球情報の入力を8回の確認処理中6回以上確認したことを条件として賞球情報を入力したと判定し、10個の賞球払出が行われたものとして賞球個数カウンタの値を10減算している。そのような処理によって、この実施の形態では、誤って賞球情報を入力したと判定する事態を低減し、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で未払い出しの賞球数を適切に把握できなくなる事態を防止している。
次いで、CPU56は、減算後のカウント値が所定の賞球過剰判定値(例えば0)未満であるか否かを確認する(ステップS5312)。賞球個数カウンタのカウント値が所定の賞球過剰判定値(例えば0)未満であった場合には、CPU56は、賞球エラーフラグが既にセットされているか否かを確認する(ステップS5313)。既に賞球エラーフラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。賞球エラーフラグがセットされていなければ、CPU56は、賞球エラーフラグをセットする(ステップS5314)とともに、賞球過剰エラーコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS5315)。具体的には、CPU56は、賞球過剰エラーコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理を行う。そして、ステップS5315で賞球過剰エラーコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされたことにもとづいて、その後、ステップS30の演出制御コマンド制御処理が実行されることによって、賞球過剰エラーコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
図23は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図24は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS210A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS210Bに移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS212A)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留特定領域において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータを保留特定領域にセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータを保留特定領域にセットする。例えば、CPU56は、保留特定領域において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、保留記憶がない場合には、保留特定領域には、00(H)がセットされている。
図25(A)は、保留特定領域の構成例を示す説明図である。図25(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。保留特定領域は、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。なお、図25(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図25(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図25(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。また、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶数カウンタも、RAM55に形成されている。
また、CPU56は、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1増やす(ステップS219A)。また、第1保留記憶数加算指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS220A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS210B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS212B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS214B)。
また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。図25(B)に示すように、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値と同数の保存領域が確保されている。CPU56は、ステップS215Bの処理において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域に値を格納する。
次いで、CPU56は、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1増やす(ステップS219B)。また、第2保留記憶数加算指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS220B)。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図25(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS54)。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS57)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図7参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当りの決定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。
遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りになる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当りまたは10R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS65に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、ステップS71に移行する。
ステップS65では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS66)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(図14参照)を大当りの種別に決定する(ステップS67)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS68)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り1」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、「15R確変大当り2」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、「15R確変大当り3」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。「10R確変大当り1」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定され、「10R確変大当り2」の場合には大当り種別を示すデータとして「06」が設定される。「15R通常大当り1」の場合には大当り種別を示すデータとして「07」が設定され、「15R通常大当り2」の場合には大当り種別を示すデータとして「08」が設定される。「10R通常大当り1」の場合には大当り種別を示すデータとして「09」が設定され、「10R通常大当り2」の場合には大当り種別を示すデータとして「0A」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS71)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「1」〜「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS72)。
図28は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りである場合には、大当り時の変動パターンテーブル(図15(C)参照)を選択する(ステップS91,S92)。
大当りではない場合に、遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるときには、高ベース状態ではずれの場合の変動パターンテーブル(図15(A)参照)を選択する(ステップS93,S94)。遊技状態が低ベース状態であるときには、低ベース状態ではずれの場合の変動パターンテーブル(図15(B)参照)を選択する(ステップS95)。なお、遊技状態が高ベース状態であるか否かは、時短フラグがセットされているか否かによって判定される。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン判定用乱数)を読み出し(ステップS101)、ステップS92、S94またはS95の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。すなわち、ランダム2と選択したテーブルに設定されている判定値とを比較し、ランダム2の値に一致する判定値に対応する変動パターンを、使用する変動パターンとする。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、特別図柄の変動を開始させる(ステップS105)。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS107)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターンを決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、変動パターンを決定するようにしてもよい。
図29は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果10指定のいずれかの演出制御コマンド(図16参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が15R大当りであるか否か確認する(ステップS112)。大当りの種別に応じて、図16に示す表示結果2指定コマンド〜表示結果10指定コマンドのうちのいずれかを送信する制御を行う(ステップS112)。
ステップS113では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器の点灯個数を1減らす(ステップS114)。なお、ステップS116の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1減らし、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1減らす。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS115)。ステップS115では、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS116)。
図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の停止時柄を導出表示し(ステップS127)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS130)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、高確率状態であることを示す信号を遊技機の外部に出力することを許可することを示す高確中出力許可フラグをリセットする(ステップS131)。また、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS132)、低確率状態指定コマンドおよび低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S134)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大入賞口制御タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。また、開放回数カウンタに開放回数をセットする(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。なお、ステップS135の処理では、CPU56は、大当りの種別が15R確変大当りまたは15R通常大当りである場合には15回をセットし、10R確変大当りまたは10R通常大当りである場合には10回をセットする。
大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。セットされていない場合には、ステップS148に移行する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態(高ベース状態)における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、時短フラグをリセットする(ステップS144)。また、CPU56は、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS145)。なお、大当り終了処理(図32参照)において時短フラグをセットするときに、時短回数カウンタに、大当りの種別に応じた値が設定される。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図32は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが動作中である場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが動作中でない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定して大当り終了表示タイマを動作中の状態にし(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していない場合には処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、確変大当り(15R確変大当りまたは10R確変大当り)であった場合には(ステップS166)、遊技状態を確変状態にするために確変フラグをセットする(ステップS167)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に高確率状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS168)。
また、CPU56は、遊技状態を時短状態(高ベース状態)にするために、時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、大当りの種別に応じた時短回数(図14参照)を時短回数カウンタ(2バイト構成)にセットをセットする(ステップS172)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS173)。また、時短継続回数コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS174)。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS175)。
ステップS172の処理で、CPU56は、大当り種別が15確変大当り1(次回大当りまで時短)であった場合には、時短回数カウンタに65536(実質的に無限大)をセットする。なお、時短回数カウンタに65536をセットすることに代えて、15確変大当りであった場合にその旨を示すフラグをセットし、他の種別の大当りであった場合には当該フラグをリセットするようにしてもよい。その場合には、図31に示す特別図柄停止処理において、当該フラグがセットされていない場合には、ステップS142〜S145の処理を実行しない。当該フラグを使用する場合には、電源が継続して投入されている期間において、65536回を越える可変表示が実行される(その間に、大当りが発生しない)場合でも、大当り種別が15確変大当りであった場合には、継続して時短状態に制御される。
また、CPU56は、大当り種別を、大当り種別バッファに格納されている値によって確認できる。
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図33は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0,2の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。なお、図33に示す前回ポートバッファ、ポートバッファ、およびスイッチオンバッファは、入力ポート0,2ごとに用意される。例えば、この実施の形態では、2つのスイッチオンバッファ1,2が用意されており、入力ポート0のスイッチの状態がスイッチオンバッファ1に設定され、入力ポート2のスイッチの状態がスイッチオンバッファ2に設定される。
図34は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0,2(図7参照)に入力されているデータを入力し(ステップS2101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS2102)。
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS2103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS2104,S2105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0,2のデータを入力し(ステップS2106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS2108)。ステップS2103〜S2108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0,2から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS2109)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS2111)、ステップS2108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS2112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、スイッチ正常/異常チェック処理を行う(ステップS2113)。
図35は、スイッチ正常/異常チェック処理を示すフローチャートである。図35に示すスイッチ正常/異常チェック処理において、CPU56は、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(ステップS251)。そして、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける第2始動口スイッチ14aに対応するビット1の値が0であるか否か確認する(ステップS252)。すなわち、第2始動入賞口14内の上部に設けられた第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける第2始動口スイッチ14aに対応するビット1の値が0である場合(すなわち、第2始動口スイッチ14aがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタの値を1増やす(ステップS253)。
また、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(ステップS254)。そして、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認スイッチ14bに対応するビット4の値が1であるか否か確認する(ステップS255)。すなわち、第2始動入賞口14内の下部に設けられた入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認スイッチ14bに対応するビット4の値が1である場合(すなわち、入賞確認スイッチ14bがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタの値を1減らす(ステップS256)。
そして、CPU56は、スイッチ用カウンタの値が所定値以上になっているか否か確認する(ステップS257)。スイッチ用カウンタの値が所定値以上になっている場合には、CPU56は、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)をセットする(ステップS258)。なお、この実施の形態では、CPU56は、スイッチ用カウンタの値が所定値として10以上となったことにもとづいて、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)をセットするものとする。この実施の形態では、ステップS258でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、第2始動入賞口14の異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、4分)外部出力される。
なお、ステップS257の処理において、CPU56は、例えば、スイッチ用カウンタの値が10以上となったことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定することに加えて、逆にスイッチ用カウンタの値が−10以下となったことにもとづいても、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。この場合、スイッチ用カウンタの値がマイナス値となっていることを認識できないように構成されている場合には、例えば、スイッチ用カウンタの値のデフォルト値として10をセットするようにしておき、スイッチ用カウンタの値が0または20以上となったことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、既にセキュリティ信号情報タイマに値が設定されセキュリティ信号を外部出力中であっても、新たに異常入賞を検出した場合には、再度ステップS258の処理が実行されて、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)が上書きされる。従って、セキュリティ信号の外部出力中に新たな異常入賞を検出した場合には、実質的にセキュリティ信号の外部出力期間が延長され、その新たに異常入賞を検出した時点から更に所定時間(本例では、4分)セキュリティ信号の出力が継続されることになる。
なお、この実施の形態では、1つのスイッチ用カウンタのみを用いて第2始動入賞口14への異常入賞を検出する場合を示したが、第2始動口スイッチ14aの検出回数と入賞確認スイッチ14bの検出回数とで異なるスイッチ用カウンタを用いてもよい。この場合、例えば、第2始動口スイッチ14aのオン状態を検出するごとに第1スイッチ用カウンタの値を1加算するようにするとともに、入賞確認スイッチ14bのオン状態を検出するごとに第2スイッチ用カウンタの値を1加算するようにすればよい。そして、ステップS257では、第1スイッチ用カウンタの値と第2スイッチ用カウンタの値との差が所定値(例えば、10)以上であると判定したことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定し、ステップS258の処理を実行してセキュリティ信号を外部出力するようにすればよい。
また、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したことを検出した場合には、ステップS258の処理を実行してセキュリティ信号を外部出力するとともに、所定のエラー報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100側において演出表示装置9に所定のエラー画面を表示させるなどによりエラー報知を行えるようにすることが望ましい。
また、例えば、第2始動入賞口14への異常入賞に加えて、第1始動入賞口13への異常入賞や、大入賞口への異常入賞、異常磁気エラー、異常電波エラー、通信エラーを検出した場合にもセキュリティ信号を出力するように構成する場合には、それぞれエラーの種類ごとに異なるエラー報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、演出表示装置9に、エラーの種類ごとにそれぞれ異なるエラー画面を表示させるなどによりエラー報知を行えるようにしてもよい。
なお、上記のように構成する場合、遊技機への電力供給が停止した後に電力供給が再開したときには、電力供給の停止前にエラー報知中であった場合には、電源供給の再開時に所定のエラー報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して再度送信するようにするようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100側ではRAMなどの記憶内容がバックアップ電源によってバックアップされていないので、停電が発生してしまうと、そのままでは、それまで実行していたエラー報知などの演出を実行できないのであるが、停電復旧時に所定のエラー報知コマンドを再度送信するように構成することによって、停電復旧時にエラー報知を再開できるようにすることができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、セキュリティ信号情報タイマの値もバックアップRAMにバックアップしておくようにし、電力供給の停止前にセキュリティ信号の出力中であった場合には、停電復旧時にバックアップされていたセキュリティ信号情報タイマの値にもとづいてセキュリティ信号の出力を再開できるようにしてもよい。それらの構成を備えることによって、故意に遊技機への電源断を発生させることによって、エラー報知を消したりセキュリティ信号の出力を停止させたりするような不正行為を防止することができる。
図36は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図36に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、および高確中信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(ステップS31参照)によって出力される。また、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370から、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球情報が、払出制御用マイクロコンピュータ370側の情報出力処理(ステップS759参照)によって出力される。
図柄確定回数1信号は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(高ベース状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、大当り遊技中に、当該大当り遊技の終了後に高ベース状態に移行することを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(高ベース状態中)であることを通知するための信号である。
また、入賞信号は、既に説明したように、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。)を示す信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、第2始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認スイッチ14bの検出結果とにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
なお、セキュリティ信号として外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2始動入賞口14への異常入賞にかぎらず、第1始動入賞口13や、大入賞口、普通入賞口29,30への異常入賞を検出して、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。そのように、大入賞口への異常入賞や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から後述する接続OKコマンドや賞球個数受付コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505のステータスレジスタのいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
高確中信号は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す信号である。この実施の形態では、高確中信号は、停電復旧してから所定条件が成立するまで(具体的には、最初の大当りが発生するまで)、ターミナル基板160を介して外部出力される。
また、賞球情報は、賞球払出を特定数(本例では10個)検出するごとに出力される信号である。なお、この実施の形態では、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと)にもとづいて入賞信号が外部出力され、入賞信号にもとづいてホール側で賞球数の把握を行うことができる。そのため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。なお、本例では、所定数分の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したことにもとづいて入賞信号が外部出力されるように構成されている。それに対して、賞球の払出が行われた後に入賞信号を外部出力することが考えられる。しかし、賞球の払出が行われた後に入賞信号を外部出力するように構成された場合には、入賞時と入賞信号の出力時とで遊技状態が変化していることが考えられ、遊技機外部で、遊技状態ごとの正確な出球管理を行うことができない。そこで、本例では、所定数分の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したことにもとづいて入賞信号が外部出力されるように構成されている。
図37〜図40は、ステップS31の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図37〜図40に示す処理のうち、ステップS1002〜S1020が始動口信号を出力するための処理であり、ステップS1021〜S1023が入賞信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1036が図柄確定回数1信号を出力するための処理であり、ステップS1037〜S1051が大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号を出力するための処理である。また、ステップS1069〜S1074がセキュリティ信号を出力するための処理であり、ステップS1075〜S1077が高確中信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、まず、始動口情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口情報設定テーブルには、処理数(=2)と2つの始動口スイッチ入力ビット(第1始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)))と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(02(H)))とが設定されている。なお、第1始動口スイッチ入力ビット判定値とは、第1始動入賞口13への始動入賞の有無を判定するための判定値であり、第2始動口スイッチ入力ビット判定値とは、第2始動入賞口14への始動入賞の有無を判定するための判定値である。ステップS1003では、ポインタが始動口情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口情報設定テーブルにおける処理数(=2)のデータがロードされることになる。
次いで、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビットをレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。この場合、処理数が1である場合には第1始動口スイッチ入力ビットをロードしてスイッチ入力データの論理積をとることになり、処理数が2である場合には第2始動口スイッチ入力ビットをロードしてスイッチ入力データの論理積をとることになる。処理数が1であって第1始動口スイッチ13aがオンしているときは、論理積の演算結果は01(H)になる。また、処理数が2であって第2始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は02(H)になる。第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたと判定し、始動口情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口情報記憶カウンタは、始動口信号の残り出力回数(つまり、始動口信号の未出力の始動入賞の残り入賞個数)をカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、始動口情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
次に、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1016)。処理数が0でないときは(ステップS1016のY)、ステップS1004の処理に移行する。なお、この実施の形態では、遊技機は第1始動入賞口13および第2始動入賞口14を備えていることから、処理数の初期値として2が設定され、ステップS1004〜S1016の処理が2回実行されることになる。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、CPU56は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1017)。次いで、CPU56は、RAM55に形成されている情報出力バッファの始動口出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット1)をセットする(ステップS1018)。そして、CPU56は、始動口情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1019)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1020)。
次いで、CPU56は、情報出力バッファの入賞出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット6)をセットする(ステップS1021)。そして、CPU56は、入賞情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1022)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1023)。
なお、この実施の形態では、始動口信号を外部出力する場合と入賞信号を外部出力する場合とで共通のサブルーチン(入賞タイマセット処理)が実行されることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされて始動口信号が出力され、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされて入賞信号が出力される。なお、入賞タイマセット処理の具体的な処理内容については後述する(図41参照)。
次に、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1031)、図柄確定回数1情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1033)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(ステップS303参照)において、変動時間がタイムアウトすると、特別図柄の変動を停止するときに、図柄確定回数1情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数1情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1033のN)、図柄確定回数1情報タイマを1減算し(ステップS1034)、演算結果を図柄確定回数1情報タイマにストアする(ステップS1035)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット0)をセットする(ステップS1036)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、図柄確定回数1信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1033のY)、ステップS1036の処理が実行されない結果、図柄確定回数1信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1031〜S1036の処理によって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数1信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1037)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)とを比較し(ステップS1038)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(ステップS1039)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(ステップS1039のY)、ステップS1048の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1039のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1040)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1041)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
さらに、CPU56は、情報バッファの大当り3出力ビット位置をセットする(ステップS1042)。大当り3出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り3信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、低ベース状態であるか否かを確認する低ベースチェック処理を実行し(ステップS1048)、低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS1049)。具体的には、CPU56は、高ベース状態に移行するときにセットされる時短フラグがセットされているか否かを確認することによって、低ベース状態であるか否かを判定する。低ベース状態でないときは(ステップS1049のN)、つまり、時短フラグがセットされているときは、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1050)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、時短信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1051)。大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
以上のステップS1037〜S1051の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号が出力される(オン状態になる)。
次いで、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(ステップS1069)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1070)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1071)。この実施の形態では、第2始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとの検出差が所定値(本例では10)以上に達したと判定され、始動入賞口への異常入賞が発生したと判定された場合には、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では4分)がセットされ(スイッチ正常/異常チェック処理におけるステップS257,S258参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
また、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときにも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるステップS14a参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1071のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(ステップS1072)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(ステップS1073)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1074)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1071のY)、ステップS1074の処理が実行されない結果、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1069〜S1074の処理によって、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されてから4分が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。なお、セキュリティ信号の出力中更に新たな異常入賞を検出した場合には、最後に異常入賞を検出してから4分間が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。
次いで、CPU56は、高確中出力許可フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1075)。なお、高確中出力許可フラグは、遊技機への電力供給開始時にホットスタート処理が実行されたときにセットされる(ステップS9103参照)。高確中出力許可フラグがセットされていれば、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1076)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、情報バッファの高確中信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート0のビット7)をセットする(ステップS1077)。情報バッファの高確中信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート0に出力することによって、高確中信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。なお、この実施の形態では、停電復旧した後、最初の大当りが発生すれば、高確中出力許可フラグがリセットされ(ステップS136参照)、その結果、高確中信号はオフ状態となる。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに高確中出力許可フラグをリセットするが、高確中出力許可フラグがリセットされるタイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、確変状態に制御された後に変動表示を所定回数実行したことにもとづいて確変状態を終了するように構成されている場合には、その所定回数の変動表示を終了して確変状態を終了するときに高確中出力許可フラグをリセットするように構成してもよい。
以上のステップS1075〜S1077の処理によって、停電復旧した後、確変フラグがセットされていれば、所定条件が成立するまで(本例では、最初の大当りが発生するまで)、高確中信号が出力される(オン状態になる)。すなわち、この実施の形態では、既に説明したように、遊技機への電源供給が停止しても所定期間はバックアップRAMに確変フラグが保持されている。そのため、停電発生前に確変状態に制御されていた場合には、バックアップRAMに確変フラグが保持されている筈であるから、停電復旧時に高確中信号の出力が開始され、最初の大当りが発生するまで高確中信号の出力が継続される。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに、高確中出力許可フラグがリセットされる(図31におけるステップS131参照)ので、以後、高確中信号は出力されない。従って、この実施の形態では、所定条件が成立すれば(本例では、最初の大当りが発生すれば)、高確中信号の出力が禁止されることになる。
なお、この実施の形態では、メイン処理の停電復旧処理の実行時に高確中出力許可フラグをセットする処理のみを行い、ステップS31の情報出力処理において確変フラグがセットされているか否かを確認して高確中信号を出力するように処理を行う場合を示したが、高確中信号出力の処理方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、メイン処理の停電復旧処理において確変フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、情報バッファの高確中信号出力ビット位置をセットしたり、高確中信号出力用のタイマをセットしたりするなどの処理を行って、高確中信号を出力するようにしてもよい。そして、このように停電復旧処理において確変フラグを確認して高確中信号の出力を開始するように構成する場合であっても、最初の大当りが発生したときなど所定条件が成立したときに高確中信号の出力を停止する制御を行って、以降、高確中信号の出力を行わないように制御するように構成されていればよい。
また、この実施の形態では、タイマ割込ごとに図37〜図40に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットし(ステップS1036,S1040,S1041,S1060,S1046,S1050,S1051,S1074,S1077参照)、ステップS1102,S1103を実行して出力ポート0,1から外部出力する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。
図41は、情報出力処理のステップS1020,S1023で実行される入賞タイマセット処理を示すフローチャートである。入賞タイマセット処理において、CPU56は、まず、ポインタの指す情報記憶タイマをロードし(ステップS2001)、ロードした情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2002)、信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS2003)。この場合、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、始動口情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、始動口信号が出力中であるか否かを判定することになる。また、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、入賞情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、入賞信号が出力中であるか否かを判定することになる。
始動口情報記憶タイマは、始動口信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。始動口情報記憶タイマの値が0でなければ始動口信号が出力中であると判定され、始動口情報記憶タイマの値が0であれば始動口信号が出力中でないと判定される。また、入賞情報記憶タイマは、入賞信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。入賞情報記憶タイマの値が0でなければ入賞信号が出力中であると判定され、入賞情報記憶タイマの値が0であれば入賞信号が出力中でないと判定される。
信号(始動口信号または入賞信号)が出力中であれば(ステップS2003のY)、ステップS2012の処理に移行する。信号(始動口信号または入賞信号)が出力中でなければ(ステップS2003のN)、CPU56は、ポインタの値を1加算する(ステップS2004)。なお、この実施の形態では、ROM54において、始動口情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に始動口情報記憶カウンタがセットされ、入賞情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に入賞情報記憶カウンタがセットされている。従って、ステップS2004の処理が実行されることによって、ポインタの値は、始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタのアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)をロードし(ステップS2005)、ロードした情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)の状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2006)、信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS2007)。
なお、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口情報記憶カウンタが加算される(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのいずれか一方がオンしていれば1加算され、両方ともオンしていれば2加算される。ステップS1011参照。)ので、始動口信号の出力回数の残数があると判定されることになる。また、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生した場合には、賞球予定数が10個累積するごとに入賞情報記憶カウンタが加算される(ステップS5122参照)ので、入賞信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数がなければ(ステップS2007のY)、入賞タイマセット処理を終了する。信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があれば(ステップS2007のN)、CPU56は、ポインタの指す上方記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)を1減算し(ステップS2008)、演算結果(1減算した結果)を情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)にストアする(ステップS2009)。そして、入賞情報動作時間(50)をレジスタにセットする(ステップS2010)。なお、入賞情報動作時間(50)は、4msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。なお、この実施の形態では、始動口信号を出力する場合と入賞信号を出力する場合とで、入賞情報動作時間として同じ値を設定する場合を示しているが、異なる値を設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1減算する(ステップS2011)。ステップS2011の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマのアドレスを示している状態に戻ることになる。そして、ステップS2012に移行する。
次に、CPU56は、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていなければポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)を1減算し、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS2012)。そして、演算結果(1減算した結果)をポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)にストアする(ステップS2013)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(25)を比較し(ステップS2014)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS2015)。なお、入賞情報オン時間(25)は、4msのタイマ割込みが25回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS2015のN)、CPU56は、情報バッファをロードし(ステップS2016)、ロードした情報バッファの値と情報出力バッファの値との論理和を求める(ステップS2017)。そして、CPU56は、ステップS2017の演算結果を情報バッファにストアする(ステップS2018)。
なお、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1018で始動口出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット1)がセットされることになる。そして、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、始動口信号が出力ポート1から出力されることになる。
また、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1011で入賞出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの入賞出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット6)がセットされることになる。そして、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、入賞信号が出力ポート1から出力されることになる。
情報出力処理のステップS1002〜S1020および図41に示す入賞タイマセット処理によって、第1始動入賞口13への入賞(第1始動口スイッチ13aのオン)、第2始動入賞口14への入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この始動口信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
始動口信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、始動入賞数の総数を確実に把握することができる。
また、情報出力処理のステップS1021〜S1023および図41に示す入賞タイマセット処理によって、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生し、賞球予定数が10個累積するごとに、入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この入賞信号がホールコンピュータに入力されることによって、賞球予定数を認識させることができる。
入賞信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、賞球予定数の総数を確実に把握することができる。
なお、この実施の形態では、入賞信号を外部出力する場合に、まずステップS2012の処理を実行して入賞情報記憶タイマの値を減算してから、ステップS2018,S1102,S1103を実行して入賞信号を外部出力する場合を示したが、入賞情報記憶タイマの減算処理と入賞信号の外部出力処理との処理順は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、まず、ステップS2018,S1102,S1103と同様の処理を実行して入賞信号の外部出力処理を実行してから、ステップS2012と同様の処理を行い入賞情報記憶タイマの値を減算するようにしてもよい。
次に、高確中信号の出力タイミングについて説明する。図42は、高確中信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時にホットスタート処理が実行されると(ステップS91参照)、高確中出力許可フラグがセットされたことにもとづいて(ステップS9103参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1075〜S1103の処理が実行されて、図42に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN9から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して高確中信号の出力が開始される。
その後、遊技制御処理が実行可能となり、遊技者によって遊技が行われると、図42に示すように、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14への始動入賞に応じて変動表示が実行される。この場合、変動表示が実行されても、その変動表示結果が「はずれ」であれば、高確中出力許可フラグが維持されていることにもとづいて、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1075〜S1103の処理によって、高確中信号の出力が継続される。
そして、変動表示の結果、最初の大当りが発生すると、その変動表示の終了時に高確中出力許可フラグがリセットされる(ステップS136参照)。以降、情報出力処理(ステップS31参照)のステップS1075でNと判定されることによりステップS1076,S1077の処理は実行されなくなり、図42に示すように、高確中信号の出力が停止される。
次に、セキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図43は、セキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(ステップS10〜S14参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS14a参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図43(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。また、遊技機への電源供給が開始された後に、始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となったことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定されたときにも(ステップS121〜S127参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)がセットされたことにもとづいて(ステップS128参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図43(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。このように、この実施の形態では、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたときと、第2始動入賞口14への異常入賞を検出したときとで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号が外部出力される。
また、この実施の形態では、セキュリティ信号の外部出力中である場合に、新たに第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、実質的にセキュリティ信号の出力期間が延長され、最後に第2始動入賞口14への異常入賞を検出した時点から所定時間(本例では、4分)が経過するまで、セキュリティ信号の出力が継続される。例えば、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図43(A)に示すように、原則として30秒を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図43(B)に示すように、その30秒を経過する前であっても、第2始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定される可能性がある。この場合、異常入賞の発生が検出されたことにもとづいてセキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)が上書きで書き込まれることになり(ステップS128参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図43(B)に示すように、そのままセキュリティ信号の出力が継続される。ただし、セキュリティ信号情報タイマの値が4分に上書きされたのであるから、この場合、図43(B)に示すように、その始動入賞口14への異常入賞を検出した時点から4分が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続されることになり、実質的にセキュリティ信号の出力が延長されることになる。
また、例えば、第2始動入賞口14への異常入賞を検出したことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図43(A)に示すように、原則として4分を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図43(C)に示すように、その4分を経過する前であっても、第2始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって、新たに第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定される可能性がある。この場合、新たに異常入賞の発生が検出されたことにもとづいてセキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)が上書きで書き込まれることになり(ステップS128参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図43(C)に示すように、そのままセキュリティ信号の出力が継続される。ただし、セキュリティ信号情報タイマの値が4分に上書きされたのであるから、この場合、図43(C)に示すように、その新たに第2始動入賞口14への異常入賞を検出した時点から4分が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続されることになり、実質的にセキュリティ信号の出力が延長されることになる。
なお、既にセキュリティ信号の出力中であるときに第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合に、出力中のセキュリティ信号の出力を終了してから、改めて次のセキュリティ信号の出力を開始するように構成することも考えられるが、この実施の形態では、図43(B)および図43(C)に示すように、出力中のセキュリティ信号の出力時間をそのまま延長することによって、セキュリティ信号の出力処理にかかる処理負担を軽減するとともに、セキュリティ信号の出力処理用のプログラム容量を低減している。すなわち、出力中のセキュリティ信号の出力を終了してから、改めて次のセキュリティ信号の出力を開始するように構成する場合には、セキュリティ信号の出力を終了した後、次のセキュリティ信号の出力を開始するまでのインターバル時間を計測する処理などが必要となり、処理負担が増加するとともにプログラム容量も増加してしまう。これに対して、この実施の形態では、セキュリティ信号情報タイマの値をそのまま上書きするので、セキュリティ信号情報タイマの値をセットする処理のみを行えば(ステップS14a,S128参照)、セキュリティ信号の出力を行うことができ、処理負担の増加やプログラム容量の増加を防止することができる。
次に、確変報知演出、非確変報知演出および複数回の可変表示に亘って実行される共通演出について説明する。共通演出は、遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合にも通常状態(低確率状態:非確変状態)である場合にも実行される演出である。
図44(A)には、確変報知演出の一例が示されている。図44(A)に示す演出は、「確変!」の文字画像9aによって、遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する演出である。
図44(B)には、確変潜伏状態における演出の一例が示されている。図44(B)に示す演出は、「確変かも」の文字画像9bによって、遊技状態が確変状態であるの否かを明確に報知しないような演出である。確変潜伏状態における演出が実行されているときには、実際には確変状態である場合と通常状態である場合とがある。
図44(C)〜(E)には、チャンスモードA,B,Cの演出の一例が示されている。図44(C)に示す演出は、「チャンス大」の文字画像9cによって、確変状態である可能性が高いことを遊技者に報知する演出である。図44(D)に示す演出は、「チャンス中」の文字画像9dによって、確変状態である可能性が中程度であることを遊技者に報知する演出である。図44(E)に示す演出は、「チャンス小」の文字画像9eによって、確変状態である可能性が低いことを遊技者に報知する演出である。
図44(F)には、非確変報知演出の一例が示されている。図44(F)に示す演出は、「残念!」の文字画像9fによって、遊技状態が確変状態でない(通常状態である)ことを遊技者に報知する演出である。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図45は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
図46〜図49は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11参照)であるのか解析する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS615)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS616)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS617)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS625)。
また、表示結果2指定コマンド〜表示結果10指定コマンドであった場合には、RAMに形成されている大当り種別格納領域に表示結果指定コマンドを保存する(ステップS626)。
なお、大当り種別格納領域は、最後に発生した大当りがどの種別の大当りであったのかを判別するために使用される。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶カウンタの値を+1する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。すなわち、表示される画像(例えば、丸印)の数を1増やす。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶カウンタの値を+1する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶数の表示を更新する(ステップS659)。すなわち、表示される画像(例えば、丸印)の数を1増やす。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数カウンタの値を−1する(ステップS666)。また、合算保留記憶カウンタの値を−1する(ステップS667)。そして、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶数の表示を更新する(ステップS668)。すなわち、合算保留記憶表示部18cに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。具体的には、表示されている画像のうち例えば最左の画像が消去され、他の画像が左側に移動される。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数カウンタの値を−1する(ステップS671)。また、合算保留記憶カウンタの値を−1する(ステップS672)。そして、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶数の表示を更新する(ステップS673)。すなわち、合算保留記憶表示部18cに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。
受信した演出制御コマンドが高確率状態指定コマンドであれば(ステップS680)、演出制御用CPU101は、高確率フラグをセットする(ステップS681)。受信した演出制御コマンドが低確率状態指定コマンドであれば(ステップS682)、演出制御用CPU101は、高確率フラグをリセットする(ステップS683)。また、高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常状態)に移行したことを示す低確率移行フラグをセットする(ステップS684)。
受信した演出制御コマンドが高ベース状態指定コマンドであれば(ステップS685)、演出制御用CPU101は、高ベースフラグをセットする(ステップS686)。受信した演出制御コマンドが低ベース状態指定コマンドであれば(ステップS687)、演出制御用CPU101は、高ベースフラグをリセットする(ステップS688)。また、高ベース状態から低ベース状態に移行したことを示す低ベース移行フラグをセットする(ステップS689)。
受信した演出制御コマンドが時短継続回数指定コマンドであれば(ステップS691)、演出制御用CPU101は、時短継続回数指定コマンドで指定された回数(コマンドの2バイト目)をRAMに保存する(ステップS692)。また、時短継続回数指定コマンドで指定された回数を時短回数カウンタに設定する(ステップS693)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS699)。そして、ステップS611に移行する。
図50は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図50に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、予告決定用乱数SR2、チャンスモード決定用乱数SR3、チャンスモード継続回数決定用乱数SR4を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
予告決定用乱数SR2は、予告演出を実行するか否かと予告演出の種類とを決定するための乱数である。チャンスモード決定用乱数SR3は、チャンスモードA,B,Cのいずれにするのかを決定するための乱数である。チャンスモード継続回数決定用乱数SR4は、チャンスモードにおいて実行可能な飾り図柄の変動回数を決定するための乱数である。
図51は、図45に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
また、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図52は、図51に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図53は、図51に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、演出決定処理を実行する(ステップS821)。また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域と変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンドと変動パターンコマンド)にもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。なお、決定された飾り図柄の表示結果は、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納される。
演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンド〜表示結果10指定コマンドのいずれかであるである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
そして、はずれの場合には、3図柄が揃わない飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。リーチ演出を伴うか否かは変動パターンコマンドによって判定可能である。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれにすることに決定されている場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合(変動パターンコマンドで特定される。)には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合(変動パターンコマンドで特定される。)には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、15R大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
そして、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS824)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS825)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS826)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS827)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS828)。
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
なお、プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせ(演出制御実行データ)とが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。
プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。
演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおけるプロセスデータ(演出制御実行データ)に従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の背景等の演出が実現される。
また、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図54は、演出決定処理を示すフローチャートである。演出決定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターン(リーチ変動パターン)であるか否か確認する(ステップS6001)。リーチ変動パターンでない場合には、処理を終了する。リーチ変動パターンである場合には、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数SR2を抽出する(ステップS6002)。そして、予告決定テーブルを用いて、予告演出を実行するか否か決定するとともに、実行することに決定した場合には予告演出の種類を決定する(ステップS6003)。
図55は、予告決定テーブルの一例を示す説明図である。図55に示す例では、はずれの場合に使用される予告決定テーブル(図55(A)参照)と、飾り図柄の表示結果を大当りの場合に使用される予告決定テーブル(図55(B)参照)とがある。
いずれの予告決定テーブルにも、予告決定用乱数と比較される判定値であって、予告演出を実行しないことに対応する判定値、予告演出A(予告A)を実行することに対応する判定値、予告演出B(予告B)を実行することに対応する判定値が設定されている。
図55に示すように、大当りの場合には、はずれの場合に比べて、高い割合で予告演出を実行することに決定され、かつ、高い割合で予告演出Bを実行することに決定される。
予告演出Bは、予告演出Aとは演出態様が異なる演出であるが、例えば、予告演出Aで使用されるキャラクタ画像とは異なる画像を用いて予告演出Bが実行される。
なお、この実施の形態では、リーチ変動パターンでない場合には予告演出は実行されないが、リーチ変動パターンでない場合にも低い割合で予告演出を実行するように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、予告演出を実行するか否かと予告演出の種類とが1つの予告決定用乱数を用いて決定されるが、まず、予告決定用乱数を用いて予告演出を実行するか否か決定し、予告演出を実行することに決定した場合に予告種類決定用乱数を用いて予告演出の種類を決定するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、ステップS6003の処理で、予告決定用乱数の値と一致する判定値に応じた内容(「予告演出を行わない」、「予告演出A」または「予告演出B」)を決定結果とするが、予告演出を実行することに決定した場合には、予告フラグを設置し、予告演出の種類をRAMに記憶する(ステップS6004)。また、予告演出の開始時期までの時間に相当する値を予告開始タイマにセットする(ステップS6005)。
そして、演出制御用CPU101は、飾り図柄の表示結果をはずれにしない場合(表示結果2指定コマンド〜表示結果10指定コマンドのいずれかを受信している場合)には(ステップS6006)、正確報知期間カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS6007)。0になっている場合には処理を終了する。
演出制御用CPU101は、正確報知期間カウンタの値が0になっていない場合に(ステップS6007)、予告演出を実行することに決定されているときには、予告演出の種類が予告Aであれば正確報知期間カウンタに「5」を設定し、予告Bであれば正確報知期間カウンタに「10」を設定する(ステップS6009)。
また、予告演出を実行しないことに決定されているときには、リーチ演出の種類がリーチαであれば正確報知期間カウンタに「5」を設定し、リーチβであれば正確報知期間カウンタに「7」を設定し、リーチγであれば正確報知期間カウンタに「10」を設定する(ステップS6010)。
演出制御用CPU101は、正確報知期間カウンタの値が0でない場合に、飾り図柄の変動(可変表示)が実行される度に正確報知期間カウンタの値を−1する。そして、正確報知期間カウンタの値が0にならないうちに大当りが発生するときには、確変報知演出(図44(A)参照)または非確変報知演出(図44(F)参照)を実行する。
すなわち、はずれになるにも関わらず予告演出を実行することに決定された場合には、その後の所定期間内(この例では、所定回数の変動が終了するまで)に大当りが発生するときには、正確な遊技状態が遊技者に報知される(ステップS6006,S6008,S6009参照)。予告演出の種類が異なると、所定期間は異なる(ステップS6009参照)。また、はずれになるにも関わらずリーチ演出を実行する場合には、その後の所定期間内(この例では、所定回数の変動が終了するまで)に大当りが発生するときには、正確な遊技状態が遊技者に報知される(ステップS6006,S6008,S6010参照)。リーチ演出の種類が異なると、所定期間は異なる(ステップS6010参照)。以下、所定期間を、正確報知期間ともいう。
なお、この実施の形態では、既に正確報知期間に入っている場合には、ステップS6008〜S6010の処理は実行されないが、正確報知期間でも、ステップS6008の処理を実行し、ステップS6009の処理に代えて正確報知期間カウンタに「5」または「10」を加算し、ステップS6010の処理に代えて正確報知期間カウンタに「5」、「7」または「10」を加算するようにしてもよい。また、この実施の形態では、可変表示中にリーチ演出と予告演出の双方を実行することに決定されている場合には予告演出を優先してステップS6009の処理のみが実行されるが(ステップS6010の処理は実行されないが)、演出制御用CPU101は、予告演出を実行する場合に、ステップS6009の処理に加えてステップS6010の処理を実行するように構成されていてもよい。その場合、ステップS6009の処理で設定される値にステップS6010の処理で設定される値を加算して正確報知期間カウンタに設定してもよいし、ステップS6009の処理で設定される値とステップS6010の処理で設定される値とのうちの多い方の値を正確報知期間カウンタに設定してもよい。
図56は、図51に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、予告開始タイマが動作中であれば(値が0でなければ)、予告開始タイマの値を−1する(ステップS840D)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、予告演出タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS845)、演出制御用CPU101は、予告演出を開始する(ステップS844)。演出制御用CPU101は、ステップS846の処理で、ステップS6004の処理でRAMに記憶された予告演出の種類に応じた演出(例えば、キャラクタ画像の表示)を行う。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、予告演出に関してプロセステーブルを使用しないが、飾り図柄の変動中の演出とともに予告演出を実行するためのデータが設定されたプロセステーブルを使用するようにしてもよい。その場合には、演出制御用CPU101は、図53に示されたステップS824の処理で、変動パターンと予告演出の種類とに応じたプロセステーブルを選択する。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS851)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、演出制御用CPU101は、ステップS853の処理を実行する。
図57は、図51に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされていたら確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8301)。また、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8302)。
そして、演出制御用CPU101は、正確報知期間カウンタの値が0でない場合には(ステップS8303)、正確報知期間カウンタの値を−1する(ステップS8304)。−1した後の正確報知期間カウンタの値が0でない場合には、停止図柄が大当り図柄であったか否か確認する(ステップS8306)。大当り図柄であった場合には、正確報知フラグをセットする(ステップS8307)。正確報知フラグは、大当り終了演出において参照される。また、演出制御用CPU101は、正確報知期間カウンタの値を0にクリアしておく(ステップS8308)。
また、演出制御用CPU101は、チャンスモードカウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS8309)。チャンスモードカウンタの値が0でない場合には、チャンスモードカウンタの値を−1する(ステップS8310)。
なお、チャンスモードカウンタには、チャンスモードの演出(図44(C)〜(E)に示す演出のいずれか)が開始されるときに0でない値(具体的には、チャンスモードの演出が継続して実行される飾り図柄の変動回数)がセットされる。
−1された後のチャンスモードカウンタの値が0になった場合には、演出制御用CPU101は、チャンスモードの演出を終了させる(ステップS8312)。具体的には、図44(C)〜(E)に示す文字画像9c,9d,9eを演出表示装置9の画面から消去する。また、チャンスモードフラグをリセットする(ステップS8313)。なお、チャンスモードの演出が終了する前には、文字画像9c,9d,9eのいずれかが演出表示装置9に表示されている。
また、演出制御用CPU101は、確変潜伏モードフラグがセットされているか否か確認する(ステップS8314)。確変潜伏モードフラグがセットされている場合には、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS8315)。なお、時短回数カウンタには、図49に示されたステップS693の処理で、時短継続回数に応じた値がセットされる。
演出制御用CPU101は、時短回数カウンタの値が0になったときに(ステップS8316)、チャンスモード設定処理を実行する(ステップS8317)。
図58は、チャンスモード設定処理を示すフローチャートである。チャンスモード設定処理において、演出制御用CPU101は、確変潜伏モードフラグをリセットする(ステップS8331)。飾り図柄の表示結果が大当り図柄であった場合には処理を終了する(ステップS8332)。
飾り図柄の表示結果が大当り図柄でなかった(はずれ図柄であった)場合には、チャンスモード決定用乱数SR3を抽出する(ステップS8333)。そして、チャンスモード決定テーブルを用いて、チャンスモードの種類を決定する(ステップS8334)。
図59は、チャンスモード決定テーブルの一例を示す説明図である。図59に示す例では、最後に発生した大当りが10R確変大当りである場合に使用されるチャンスモード決定テーブル(図59(A)参照)と、最後に発生した大当りが時短回数50回の通常大当り(図14に示す例では、15R通常大当り1または10R通常大当り1)である場合に使用されるチャンスモード決定テーブル(図59(B)参照)と、最後に発生した大当りが時短回数30回の通常大当り(図14に示す例では、15R通常大当り2または10R通常大当り2)である場合に使用されるチャンスモード決定テーブル(図59(C)参照)とがある。
いずれのチャンスモード決定テーブルにも、チャンスモード決定用乱数と比較される判定値であって、チャンスモードA,B,Cに対応する判定値が設定されている。
演出制御用CPU101は、ステップS8334の処理で、チャンスモード決定用乱数の値と一致する判定値に応じた内容(「チャンスモードA」、「チャンスモードB」または「チャンスモードC」)を決定結果とするが、決定したチャンスモードの種類に応じたチャンスモードフラグ(チャンスモードフラグA、チャンスモードフラグBまたはチャンスモードフラグC)をセットする(ステップS8335)。
また、演出制御用CPU101は、チャンスモード継続回数決定用乱数SR4を抽出する(ステップS8336)。そして、チャンスモード継続回数決定テーブルを用いて、チャンスモードの継続回数(飾り図柄の変動回数)を決定する(ステップS8337)。
図60は、チャンスモード継続回数決定テーブルの一例を示す説明図である。図60に示す例では、最後に発生した大当りが時短回数50回の通常大当り(図14に示す例では、15R通常大当り1または10R通常大当り1)である場合に使用されるチャンスモード継続回数決定テーブル(図60(A)参照)と、最後に発生した大当りが時短回数30回の通常大当り(図14に示す例では、15R通常大当り2または10R通常大当り2)である場合に使用されるチャンスモード継続回数決定テーブル(図60(B)参照)とがある。
ステップS8337の処理で、演出制御用CPU101は、チャンスモード継続回数決定用乱数の値と一致する判定値に応じた内容(「10回」または「20回」)を決定結果とするが、決定結果(チャンスモード継続回数)を、チャンスモードカウンタに設定する(ステップS8338)。なお、10R確変大当りであった場合には、チャンスモードカウンタに65536(実質的に無限大)をセットする。従って、10R確変大当りであった場合には、実質的に、次に大当りが発生するまで、チャンスモード(チャンスモードの演出が実行される期間)が継続する。
そして、ステップS8334の処理で決定したチャンスモードの種類に応じた演出(図44(C)〜(E)に示す文字画像9c,9d,9eのいずれかを演出表示装置9に表示)を開始する(ステップS8339)。なお、ステップS8339の処理を実行するときに、演出制御用CPU101は、図44(B)に示す確変潜伏状態の演出の文字画像9bを、演出表示装置9から消去する。
図59に示すように、最後に発生した大当りが10R確変大当りである場合には、最後に発生した大当りが通常大当りである場合に比べて、時短状態である期間において、遊技者に期待を持たせるチャンスモードAの演出(図44に示す例では「チャンス大」)が実行されやすい。また、最後に発生した大当りが時短回数50回の通常大当りである場合には、最後に発生した大当りが時短回数30回の通常大当りである場合にに比べて、時短状態である期間において、遊技者に期待を持たせるチャンスモードAの演出が実行されやすい。
すなわち、実際の遊技状態が確変状態である場合には、チャンスモードAの演出が実行されやすく、また、実際の遊技状態が確変状態でない場合には、時短状態が長く継続する場合の方が、チャンスモードAの演出が実行されやすい。
よって、遊技者に期待を持たせるチャンスモードAの演出によって遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができる上に、実際の遊技状態が確変状態でない場合でも有利度(この例では、時短回数が多い/少ない)に応じてチャンスモードAの演出の発生頻度を制御することによって、時短状態(実際の遊技状態が通常状態であるときの)における遊技者の確変状態に対する期待感を減退させないようにすることができる。
また、図60に示すように、チャンスモード継続回数の上限は20回である。よって、実際の遊技状態が通常状態であるにも関わらず長期間に亘ってチャンスモードの演出が実行されることを避けることができる。
なお、最後に発生した大当りの種類は、大当り種別格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(図46におけるステップS626参照)で特定される。大当り種別格納領域の内容は、次に大当りが発生するまで書き換えられないからである。
ステップS8317のチャンスモード設定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8321)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8323)。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8322)。
図61は、図51に示された演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS871)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS875に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS872)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS873)、大当り終了演出タイマに大当り終了演出時間(遊技制御手段における大当り終了処理に要する時間に相当する時間)に相当する値を設定する(ステップS874)。
ステップS875では、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値を−1する。大当り終了演出タイマの値が0になった(大当り終了時間が経過)場合には(ステップS876)、大当りの種別が15R確変大当り(15R確変大当り1、15R確変大当り2または15R確変大当り3)であったときには(ステップS880)、確変報知演出(図44(A)参照)を実行する(ステップS881)。15R確変大当りでなかったときには、演出制御用CPU101は、正確報知フラグ(図57におけるステップS8307参照)がセットされているか否か確認する(ステップS882)。
正確報知フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、正確報知フラグをリセットし(ステップS883)、大当りの種別が確変大当り(具体的には、10R確変大当り1または10R確変大当り2)であったか否か確認する(ステップS884)。
演出制御用CPU101は、確変大当りであった場合には確変報知演出(図44(A)参照)を実行し(ステップS885)、確変大当りでなかった場合には非確変報知演出(図44(F)参照)を実行する(ステップS886)。そして、ステップS889に移行する。
正確報知フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、確変潜伏演出(図44(B)参照)を実行する(ステップS887)。そして、確変潜伏モードフラグをセットする(ステップS888)。また、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動開始指定コマンド受信待ち処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS889)。
以上のような制御によって、15R確変大当りが発生した場合には、遊技状態が確変状態になったことが遊技者に明確に報知される。また、正確報知フラグがセットされているときに、確変大当り(具体的には、10R確変大当り)が発生した場合には、遊技状態が確変状態になったことが遊技者に明確に報知され、確変大当りでなかった場合には、遊技状態が通常状態(非確変状態)であることが遊技者に明確に報知される。なお、上述したように、正確報知フラグは、正確報知期間(はずれになるにも関わらず予告演出を実行することに決定された場合のその後の所定期間、または、はずれになるにも関わらずリーチ演出を実行することに決定された場合のその後の所定期間)に大当りが発生したときにセットされる。
つまり、はずれになるにも関わらず予告演出を実行することに決定された場合、または、はずれになるにも関わらずリーチ演出を実行することに決定された場合には、その後の所定期間に亘って、大当りが発生すると遊技状態が正確に報知されるという遊技者に対する特典が与えられる。その結果、予告演出やリーチ演出という遊技者の大当りに対する期待を高めるような演出が実行されたにも関わらず表示結果がはずれになってしまったことによる遊技意欲の低下を緩和することができる。
また、遊技者にとって最も有利な遊技価値に相当する15R確変大当りが発生した場合には、無条件に、確変報知演出が実行され、正確な遊技状態が報知される。また、15R確変大当り以外の大当りが発生し、正確報知期間内でなければ、確変潜伏モードになって確変潜伏演出が実行される。演出制御用マイクロコンピュータ560は、確変潜伏演出を、チャンスモードが開始されるまで継続して実行する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ560は、チャンスモードの演出についても、チャンスモード継続期間において継続して実行する。
なお、正確報知フラグがセットされていた場合に、確変報知演出または非確変報知演出を実行するのではなく、確変潜伏モードまたはチャンスモードに移行するようにしてもよい。チャンスモードに移行するように構成するとき(確変潜伏モードから移行する場合も含む。)には、正確報知フラグがセットされていた場合には、確変であればチャンスモードAが選択される割合を高くし、非確変であればチャンスモードCが選択される割合を高くする。
また、この実施の形態では、チャンスモードになると、特定のチャンスモードの演出(チャンスモードAの演出、チャンスモードBの演出、またはチャンスモードCの演出)が継続して実行されるが、すなわち、チャンスモードA、チャンスモードB、またはチャンスモードCが維持されるが、中途で、チャンスモードの種類(チャンスモードA、チャンスモードB、またはチャンスモードC)を変更可能であるようにしてもよい。変更は、例えば、乱数を用いた抽選によって実現されるが、最後に発生した大当りが確変大当りであった場合には、通常大当りであった場合に比べて、チャンスモードB→チャンスモードAに移行しやすくするとともに、チャンスモードC→チャンスモードBに移行しやすくする。また、チャンスモードA→チャンスモードBの移行やチャンスモードB→チャンスモードCの移行があってもよい。
また、この実施の形態では、10R確変大当りの場合には、次に大当りが発生知るまでチャンスモードが継続するが(図58におけるステップS8338参照)、10R確変大当りの場合にも、チャンスモードの継続回数を有限の回数にし、その回数の可変表示が実行されたらチャンスモードの演出を終了させる(具体的には、図44(C)〜(E)に示す文字画像9c,9d,9eを演出表示装置9の画面から消去する)ようにしてもよい。その場合、10R確変大当りの場合には、通常大当りである場合(図60参照)に比べて、多い継続回数に決定される割合を高くする。
以上に説明したように、この実施の形態では、高ベース状態(時短状態)、および高ベース状態から移行した低ベース状態において、遊技状態が高確率状態である場合と通常状態(通常遊技状態)である場合とで共通の演出(この例では、確変潜伏演出およびチャンスモードの演出)を実行し、遊技状態が高確率状態に制御されるときには、高確率状態に制御されない場合に比べて、実行回数を高い割合で多い回数に決定し(この例では、チャンスモード継続回数を多くする。)、遊技状態が高確率状態であるときには、低ベース状態において、次に大当り遊技状態に制御されるまで共通の演出を実行し(この例では、10R確変大当りであった場合には次回の大当り発生までチャンスモードが継続する:図58におけるステップS8338参照)、遊技状態が通常遊技状態であるときには、低ベース状態において、実行回数を多い回数(この例では、時短回数50回)に決定した場合には少ない回数(この例では、時短回数30回)に決定した場合に比べて長い期間に亘って共通の演出を実行する(この例では、20回:図60参照)ので、高確率状態であるのか通常遊技状態であるのかを把握しづらくする演出(この例では、確変潜伏演出およびチャンスモードの演出)を実行する場合に、実際の遊技状態が通常遊技状態であるときにも遊技者の高確率状態に対する期待感を低下させないようにすることができる。
つまり、時短回数50回の場合には遊技者の期待感が高まるが、その場合には長い期間に亘って共通の演出が継続して実行されるので、共通の演出によって遊技者の期待感を持続させることができる。
また、実施形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにもとづいて払出制御用マイクロコンピュータ370に入賞信号が出力されるように構成されているので、遊技機の制御負担を増加させることなく、所定の払出条件が成立したときの遊技状態を外部で正確に把握することができる。
また、本実施形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にセキュリティ信号が所定期間ホールコンピュータなどの外部装置に出力されるように構成されているので、遊技機の電源投入時に行われる不正行為を防止することができる。
なお、大当り遊技の終了後に時短状態に移行する大当りにもとづく大当り遊技中および時短状態に制御されているときに、大当り4信号が出力されるように構成されていてもよい。なお、大当り4信号は、大当り3信号と同様に、出力されるタイミングが大当りの種別に応じて遅延されることが望ましい。
なお、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に適用することに限られず、所定個数の遊技球を遊技機に封入して循環させ、入賞球の検出に応じて得点を付与する封入式遊技機にも適用可能である。