以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(例えば、赤色)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(例えば、赤色)で点灯されたままになる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、羽根を開閉可能に構成され、羽根が開放しているときに遊技球が入賞し易い状態(開状態)となり、羽根が開放していないとき(閉じているとき)に遊技球が入賞し難い状態(閉状態)となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)によって検出されるとともに、入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。なお、この実施の形態では、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、後述するように、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
なお、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のそれぞれについて、始動口スイッチ(例えば、近接スイッチ)を設けるとともに入賞確認スイッチ(例えば、フォトセンサ)を設けるようにしてもよい。そして、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、この実施の形態と同様に、始動口スイッチによって遊技球が検出されたことにもとづいて、特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行されるようにしてもよい。また、第1始動入賞口および第2始動入賞口のそれぞれについて、この実施の形態と同様に、始動口スイッチによる検出結果に加えて入賞確認スイッチの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、この実施の形態では、第2始動入賞口14にのみ、第2始動口スイッチ14aに加えて入賞確認スイッチ14bを設ける場合を示しているが、大入賞口にも、カウントスイッチ23に加えて入賞確認スイッチを備えるようにしてもよい。この場合、例えば、第2始動入賞口14と同様に、カウントスイッチ13を近接スイッチを用いて構成し、入賞確認スイッチをフォトセンサを用いて構成するようにすればよい(なお、逆に、カウントスイッチ13をフォトセンサを用いて構成し、入賞確認スイッチを近接スイッチを用いて構成してもよいし、近接スイッチやフォトセンサに代えてマイクロスイッチなどの機械式のスイッチを用いてもよい)。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、大入賞口への遊技球の入賞にもとづく賞球払出処理については、カウントスイッチ23の検出結果にのみもとづいて賞球の払い出しを行うようにすればよい(ステップS32参照)。一方で、遊技制御用マイクロコンピュータは、大入賞口への異常入賞を行う場合には、カウントスイッチ23の検出結果と入賞確認スイッチの検出結果との両方に基づいて判定を行うようにすればよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータは、後述するスイッチ正常/異常チェック処理と同様の処理に従って、カウントスイッチ23の検出数と入賞確認スイッチの検出数との差が所定値(例えば、10)以上となったことにもとづいて、大入賞口への異常入賞が発生したと判定するようにすればよい(ステップS121〜S127参照)。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30も設けられている。入賞口29,30に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース200に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施の形態では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施の形態では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチ301によって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチ301は、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図45に示す図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号、賞球情報)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチを押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、乱数回路503が内蔵されている。乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aや第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ370)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路505が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されたシリアル通信回路については、図4参照)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、遊技を再開させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、および各入賞口スイッチ29a,30aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図4は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図4に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560と異なり、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するRAMは、バックアップ電源による電源バックアップを受けていない。そのため、遊技機に対する電力供給が停止してしまうと、払出制御用マイクロコンピュータ370が内蔵するRAMの記憶内容は失われることになる。
なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、所定の払出条件が成立したことにもとづいて遊技球を払い出す制御を行う。なお、所定の払出条件は、遊技領域に設けられた入賞領域(普通入賞口29,30、大入賞口、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)に遊技球が入賞したことや、貸し球要求がなされたことによって成立する。また、例えば、パロット機やスロットマシンなどの遊技機に適用する場合には、所定の払出条件は、遊技球やメダルの返却要求がなされたことによっても成立する。さらに、例えば、パロット機やスロットマシンなどの遊技機に適用する場合には、所定の払出条件は、図柄の停止図柄が所定の入賞図柄となったことによっても成立する。
球切れスイッチ187、満タンスイッチ48および払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。なお、この実施の形態では、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されたあと、I/Oポート372aおよび出力回路373Bを介して主基板31に出力される。
また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。
さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、打球発射装置からの球発射を停止させるために、発射基板90に対してローレベルの満タン信号を出力する。発射基板90のAND回路91が出力する発射モータ94への発射モータ信号は、発射基板90から発射モータ94に伝えられる。払出制御用マイクロコンピュータ370からの満タン信号は、発射基板90に搭載されたAND回路91の入力側の一方に入力され、駆動信号生成回路92からの駆動信号(発射モータ94を駆動するための信号であって、電源基板からの電源を供給する役割を果たす信号である。)は、AND回路91の入力側の他方に入力される。そして、AND回路91の発射モータ信号が発射モータ94に入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370が満タン信号を出力している間は、発射モータ94への発射モータ信号の出力が停止される。払出制御用マイクロコンピュータ370が満タン信号を出力している間であっても、発射モータ94への発射モータ信号の出力を停止せず、打球発射装置からの球発射を停止させないように構成してもよい。
払出制御用マイクロコンピュータ370には、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路380が内蔵されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370とは、シリアル通信回路505,380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続確認を行うために、一定の間隔(例えば1秒)で払出制御コマンド(接続確認コマンド、接続OKコマンド)をやり取り(送受信)している。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505を介して、一定の間隔で接続確認を行うための接続確認コマンドを送信し、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの接続確認コマンドを受信した場合、その旨を通知する接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。また、例えば、入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払い出すべき賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定がなされた賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を受け付けたことを示す賞球個数受付コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出動作が終了すると、賞球終了を示す賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出動作を終了するまでの間、一定の間隔で賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。また、所定のエラー(球貸し、満タン、球切れなどのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、接続OKコマンドや賞球準備中コマンドの下位4ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた接続OKコマンドや賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図4では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図4に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。すなわち、カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行われる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
また、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
図5は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図6は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図6に示すように、出力ポート0からは、払出制御基板37に送信される払出制御信号(本例では、接続信号)が出力される。また、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。また、出力ポート0から、ターミナル基板160を介して外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して出力される信号のうち高確中信号も出力される。
なお、図6に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ370では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
そして、出力ポート1から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。ただし、既に説明したように、外部出力される信号のうち高確中信号については、出力ポート0から出力される。なお、この実施の形態では、後述する賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、後述する賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)、遊技機エラー状態信号(遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力されるようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや、賞球払出、遊技機のエラー状態も検出され、ドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、例えば、特別図柄の変動回数を通知するための図柄確定回数信号として図柄確定回数1信号に加えて図柄確定回数2信号も、ターミナル基板160を介して外部出力するようにしてもよい。この場合、例えば、第1特別図柄の変動回数のみを通知するための信号として図柄確定回数2信号を外部出力するようにし、第1特別図柄および第2特別図柄の両方の変動回数を通知するための信号として図柄確定回数1信号を外部出力するように構成すればよい。そのように構成すれば、ホールコンピュータなどの外部装置側において、第1特別図柄のみの変動回数に加えて、第1特別図柄および第2特別図柄合計の変動回数や、第2特別図柄のみの変動回数も把握することができる。
図7は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図7に示すように、入力ポート0のビット0,2〜4には、それぞれ、カウントスイッチ23の検出信号、入賞口スイッチ29a,30aの検出信号、入賞確認スイッチ14bの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、電波センサ信号、磁石センサ信号、ドア開放信号、賞球情報が入力される。また、入力ポート2のビット0〜4には、それぞれ、第1始動口スイッチ13aの検出信号、第2始動口スイッチ14aの検出信号、ゲートスイッチ32aの検出信号、電源基板910からのクリアスイッチの検出信号および電源断信号が入力される。
図8は、ターミナル基板160の内部構成を示す回路図である。図8に示すターミナル基板160において、左側上段のコネクタCN−1,CN−2は、主基板31からの信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタであり、左側下段のコネクタCN−3は、払出制御基板37からの信号を、主基板31を経由して伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、右側のコネクタCN1〜CN10は、ホールコンピュータなど外部装置に対して信号を伝達するケーブルを接続するためのコネクタである。また、ターミナル基板160には、ドライバ回路としての半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC10が搭載されている。
主基板31からのケーブルがコネクタCN−1,CN−2に接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−1の端子「2」に図柄確定回数1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「3」に始動口信号が入力され、コネクタCN−1の端子「4」に大当り1信号が入力され、コネクタCN−1の端子「5」に大当り2信号が入力され、コネクタCN−1の端子「6」に大当り3信号が入力され、コネクタCN−1の端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCN−1の端子「8」に入賞信号が入力され、コネクタCN−1の端子「9」にセキュリティ信号が入力され、コネクタCN−2の端子「9」に高確中信号が入力される。
また、払出制御基板37からのケーブルが主基板31を経由してコネクタCN−3に接続されることにより、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)からの信号がターミナル基板160に入力される。具体的には、コネクタCN−3の端子「9」に賞球情報が入力される。
図8に示すように、ターミナル基板160では、コネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3の端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCN−1の端子「2」〜「9」、コネクタCN−2のコネクタ「9」、およびコネクタCN−3のコネクタ「9」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R10を介して半導体リレーPC1〜PC10の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC10の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN10の端子「2」に接続されている。
半導体リレーPC1〜PC10では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC10の動作により、入力側のコネクタCN−1、コネクタCN−2およびコネクタCN−3から入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN10に伝達され、ホールコンピュータなど外部装置に対して出力される。具体的には、コネクタCN1から図柄確定回数1信号が出力され、コネクタCN2から始動口信号が出力され、コネクタCN3から大当り1信号が出力され、コネクタCN4から大当り2信号が出力され、コネクタCN5から大当り3信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から入賞信号が出力され、コネクタCN8からセキュリティ信号が出力され、コネクタCN9から高確中信号が出力され、コネクタCN10から賞球情報が出力される。なお、ターミナル基板160における各外部出力信号に対するコネクタの割り当ては、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、セキュリティ信号については、ターミナル基板160に設けられた一番端のコネクタ(例えば、コネクタCN10)から出力されるようにしてもよい。
なお、コネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN10から出力される賞球情報は、特定数(この実施の形態では、10個)の賞球が払い出されたこと(球払出装置97が駆動されて実際に賞球が払い出されたこと)を示す信号である。賞球情報を確認することによって、実際に払い出された賞球数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、入賞信号で示される賞球の予定数と賞球情報で示される払出済みの賞球数とを確認することによって、賞球払出が正常に行われたか否かや賞球過不足数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、コネクタCN8から出力されるセキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、後述するように、第2始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認スイッチ14bの検出結果とにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、電波などを用いて第2始動入賞口14への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
なお、この実施の形態では、上記のように、異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、遊技機への電源投入時に、クリアスイッチによる操作が行われたことにもとづいてRAM55の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号をターミナル基板160の共通のコネクタCN8から外部出力している。これは、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のためにターミナル基板160上に専用のコネクタや半導体リレーを設けることは効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のコネクタCN8からセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
なお、セキュリティ信号として共通のコネクタから外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2始動入賞口14への異常入賞にかぎらず、第1始動入賞口13や、大入賞口、普通入賞口29,30への異常入賞を検出して、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13や、大入賞口、普通入賞口29,30についても、第2始動入賞口14と同様に、遊技球の入賞を検出するためのスイッチとして検出方式の異なる2種類のスイッチ(近接スイッチとフォトセンサ)を設けるようにし、第2始動入賞口14と同様の判定方法に従って、異常入賞の有無を判定するようにすればよい。
また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。
上記のように、大入賞口への異常入賞や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
なお、大入賞口への異常入賞を検出する場合には、カウントスイッチ23による検出数と入賞確認スイッチによる検出数とが所定値(例えば、10)以上となったことにもとづいて判定する場合に加えて、特別図柄プロセスフラグの値が大当り遊技中であることを示す値となっていない場合(例えば、特別図柄プロセスフラグの値が5以上となっていない場合。図28参照)にカウントスイッチ23により遊技球を検出した場合にも、大入賞口への異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。また、このように、カウントスイッチ23および入賞確認スイッチの検出結果にもとづいて大入賞口への異常入賞が発生したと判定した場合や、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が発生したと判定した場合にも、スイッチ正常/異常チェック処理におけるステップS128と同様に、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(例えば、4分)をセットすることにより、セキュリティ信号を外部出力するようにすればよい。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から後述する接続OKコマンドや賞球個数受付コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505のステータスレジスタ(図示せず)のいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
また、セキュリティ信号出力用の信号線とは別に、初期化処理実行の検出や、第1始動入賞口13への異常入賞の検出、第2始動入賞口14への異常入賞の検出、大入賞口への異常入賞の検出、異常磁気エラーの検出、異常電波エラーの検出、通信エラーの検出について、それぞれ別々の信号線を設けるようにし、ターミナル基板160から、セキュリティ信号とともに、それぞれのエラーに対応した外部出力信号も、ホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、セキュリティ信号を確認することによって何らかのエラーが発生していることを認識できるとともに、さらにエラーの種類ごとに出力される信号を確認することによって遊技店側でエラーの種類を確認することができる。従って、遊技店側からエラーの種類の確認まで要求されているような場合には、セキュリティ信号とは別にエラー種類ごとの外部出力信号を設けることによって、より遊技店のニーズに応えた外部出力を行えるようにすることができる。一方で、何らかのエラーが発生していることの確認のみを要求しているような遊技店の場合には、外部出力される信号のうち、セキュリティ信号のみをホールコンピュータなどの外部装置に接続して確認するようにすればよい。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC10をターミナル基板160に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、ターミナル基板160に半導体リレーPC1〜PC10を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC10ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図9は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU56は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU56は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能とならないかぎり、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して接続信号を継続して出力する。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次いで、CPU56は、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、バックアップ電源されたRAM55が記憶するデータを用いて遊技を再開するためのホットスタート処理を行う(ステップS91)。また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS92)、ステップS15に移行する。なお、ステップS92で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。また、後述する各外部出力信号を出力するために用いる各タイマ(始動口情報記憶タイマや、入賞情報記憶タイマ、セキュリティ信号情報タイマなど)にも初期値(クリアデータ)が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)をセットする(ステップS14a)。セキュリティ信号情報タイマは、ターミナル基板160から出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS14aでセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU56は、あらかじめROM54に格納されている乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路505を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS15a)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM54の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路505に設定することによって、シリアル通信回路505に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路505を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557に従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態では、CPU56は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路505において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU56は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路505からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU56は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路503やシリアル通信回路505の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路505のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
また、メイン処理の初期化処理において、後述する賞球不足エラーや賞球過剰エラーを検出するために用いられる賞球個数カウンタに初期値として「250」が設定される処理も実行される。なお、賞球個数カウンタに初期値を設定する処理を、例えば、ステップS91のホットスタート処理やステップS12の作業領域に各初期値を順次設定する処理において実行してもよく、ステップS15〜S17の処理に移行するまでの間に実行していればよい。
そして、CPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS16)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU56は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、遊技状態を確変状態に移行させるかを決定するための確変決定用乱数、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数とは、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bの表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数や、大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数が用いられる。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS26,S27でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS18a,S18bの処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS18a,S18bの処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路505からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込許可状態に設定されている間に、シリアル通信回路505から割り込み要求が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、各割込処理(通信エラー割込処理や、受信時割込処理、送信完了割込処理)を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
次に、ステップS91のホットスタート処理について説明する。図10は、ホットスタート処理の処理例を示すフローチャートである。ホットスタート処理において、CPU56は、まず、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9101)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS9102)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データ(例えば、賞球プロセスコードや賞球プロセスタイマ、枠状態表示バッファ、前回枠状態表示バッファ)が設定されている。ステップS9101およびS9102の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す高確中信号を、ターミナル基板160を介して外部出力することを許可する旨の高確中出力許可フラグをセットする(ステップS9103)。なお、無条件に高確中出力許可フラグをセットするのではなく、まず、高確率状態(確変状態)であるか否かを確認し(具体的には、バックアップRAMに記憶されている確変フラグがオン状態であるか否かを確認し)、高確率状態(確変状態)であることを条件に高確中出力許可フラグをセットするようにしてもよい。そのように、電力供給開始時に、無条件に高確中出力許可フラグをセットしてもよいし、高確率状態(確変状態)であることを条件に高確中出力フラグをセットしてもよい。
また、CPU56は、後述する入賞信号の出力時間を計測するための入賞情報記憶タイマをクリアする(ステップS9104)。すなわち、この実施の形態では、入賞情報記憶タイマの値は、電源バックアップされたRAM55に記憶され、電力供給が停止しても所定時間は保持されるのであるが、ステップS9104の処理が実行されることによって停電復旧時にクリアされる。このように、この実施の形態では、共通のホットスタート処理において、高確中出力許可フラグの設定処理と入賞情報記憶タイマのクリア処理とを実行可能に構成されている。処理ルーチンの共通化によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担が軽減される。
なお、例えば、バックアップ時設定テーブルにおいて、高確中出力許可フラグをオン状態に設定する値(例えば、論理値「1」)や、入賞情報記憶タイマをクリアするための値(例えば、クリアデータ「0」)も設定するようにし、ステップS9102が実行されることによって、高確中出力許可フラグをオンにするとともに入賞情報記憶タイマをクリアするようにしてもよい。この場合、例えば、バックアップ時設定テーブルにもとづいて、作業領域中の高確中出力許可フラグの値をオン状態に設定したり(例えば、論理値「1」を書き込んだり)、作業領域中の入賞情報記憶タイマの値にクリアデータを書き込んだりするようにすればよい。そのようにすれば、1つのデータテーブル(バックアップ時設定テーブル)を用いて、高確中出力許可フラグの設定処理と入賞情報記憶タイマのクリア処理とを共通化することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担をさらに軽減することができる。
次に、タイマ割込処理について説明する。図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a等のスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および普通図柄表示器10については、ステップS36,S37で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次いで、CPU56は、磁石センサから検出信号を入力したことにもとづいて磁石センサエラー報知を行う磁石センサエラー報知処理を実行する(ステップS24)。
次いで、CPU56は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS25)。また、CPU56は、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS26)。さらに、CPU56は、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS27)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS29)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄の変動に同期する演出図柄に関する演出制御コマンドをシリアル通信回路505の送信データレジスタに設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS30)。なお、演出図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(可変表示期間)が同じであることを意味する。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1〜3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、高確中信号などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS31)。
次いで、CPU56は、シリアル通信回路505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ370と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には入賞口スイッチ29a,30a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。なお、この実施の形態では、入賞口スイッチ29a,30a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、賞球個数コマンドの下位4ビットを異ならせることにより賞球個数を示すデータを賞球個数コマンドに設定し、当該設定した賞球個数コマンドをシリアル通信回路505を介して払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。なお、試験端子処理において、後述する突然確変大当りまたは突確見せかけ大当りが発生した場合に、大当り3信号は、図57に示すタイミングで出力される。なお、後述する図57に示すように、突然確変大当りまたは突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技状態では、大当り3信号は、大当り遊技状態におけるラウンド1の大入賞口の開放制御が開始されるときには出力されず、突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技状態における長時間開放の期間が到来したときに出力開始されるが、試験端子処理においては、突然確変大当りや突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技状態であっても、ラウンド1の大入賞口の開放制御が開始されるときには出力されるように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート0のRAM領域における接続信号に関する内容およびソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS34:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS35)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS37)。
次いで、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS38)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、遊技機のエラー状態などを表示させるために遊技機のエラー状態などを示す情報が設定された枠状態表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する枠状態出力処理を実行する(ステップS39)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS40)、処理を終了する。
図12は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図12に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図12に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図12において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突確見せかけ大当り、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図12に示すように、突確見せかけ大当り、突然確変大当りおよび小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突確見せかけ大当り、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
この実施の形態では、以下の(1)〜(5)の乱数が用いられる。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(15R確変大当り、15R通常大当り、突確見せかけ大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突確見せかけ大当りまたは突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図11に示された遊技制御処理におけるステップS25では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図13(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図13(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図13(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図13(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
なお、この実施の形態では、確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態である場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。なお、後述するように、この実施の形態では、大当りとなると、大当り遊技終了後に高ベース状態に移行される(大当り前の遊技状態が高確率状態でなく、かつ、低ベース状態であって、突然確変大当りにもとづく大当り遊技終了後を除く。つまり、本例では、大当り前の遊技状態が高確率状態でなく、かつ、低ベース状態であって、突然確変大当りにもとづく大当り遊技終了後には、高ベース状態に移行されない)。ただし、高ベース状態は、大当り遊技終了後、変動表示を100回終了したときに終了して低ベース状態に移行される。また、後述するように、この実施の形態では、15R確変大当り、突確見せかけ大当り、または突然確変大当りとなると、大当り遊技終了後に次回に大当りとなるまで高確率状態に移行される。従って、15R確変大当り、突確見せかけ大当り、または突然確変大当りとなると、大当り遊技終了後、変動表示を100回終了したときには、高確率状態のみに移行され、高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)確変状態となる場合がある。なお、以下、大当り遊技終了後に高確率状態に移行される大当りである15R確変大当り、突確見せかけ大当り、および突然確変大当りを確変大当りと総称し、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されない大当りである15R通常大当りを通常大当りということがある。
図13(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図13(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図13(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図13(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図13(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにも関わらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図13(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R確変大当り、15R通常大当り、突確見せかけ大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図13(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図13(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図13(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図13(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図13(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図13(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図13(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「15R通常大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図13(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
図14(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「15R通常大当り」である場合に用いられる図14(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる図14(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図14(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当り」または「15R通常大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。その場合には、15R通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突確見せかけ大当り」または「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突確見せかけ大当り」および「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突確見せかけ大当り」または「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや15R通常大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図14(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図14(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図15(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図15(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。図15(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。図15(C)には、遊技状態が高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図15に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図15(C)に示す例では、合算保留記憶数に関わらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。また、高確率状態時には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cとは判定値の割合が異なるテーブルを用いるように構成されていてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびはずれと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図15(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図15(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)に関わらず、共通の判定値(図15(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図14に示すように、現在の遊技状態に関わらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図15(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図16(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図16(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図16(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図16(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図17は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図18および図19は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図12に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002,A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「15R確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突確見せかけ大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然見せかけ大当りまたは突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。また、「突確見せかけ大当り」の場合には、大当り開始2指定コマンド(A002(H))を送信するようにしてもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301,A302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「15R通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「15R確変大当り」または「突確見せかけ大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。また、「突確見せかけ大当り」の場合には、大当り終了3指定コマンド(A303(H))を送信するようにしてもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態背景指定コマンド:時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態背景指定コマンド:確変状態背景指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が低確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確率/高ベース状態背景指定コマンド:低確高ベース状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。つまり、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく保留記憶数と第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづく保留記憶数とを合算した値を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、合算保留記憶数指定コマンドを受信した演出制御用CPU101は、当該合算保留記憶数指定コマンドを受信したにもかかわらず第1保留記憶数加算指定コマンドおよび第2保留記憶数加算指定コマンドを受信しなかった場合に、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したときと異なる態様で保留記憶数を演出表示装置9に表示させるように構成される。そのような構成によれば、通信の不具合により演出制御用CPU101が第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信しなかった場合であっても、保留記憶数を遊技者に報知することができる。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通として、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。具体的には、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図30参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別を判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。「15R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。「突確見せかけ大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
次に、大当り種別ごとの大当りおよび小当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。図20〜図21は、大入賞口の開放パターンを示す説明図である。
まず、図20(1)を用いて、突然確変大当りおよび小当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、突然確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、大入賞口を0.052秒間開放状態に制御した後、大入賞口が2秒間閉鎖状態に制御される。そして、そのような開放態様が15回繰り返されることによって、図20(1)に示すように、大入賞口を0.052秒間開放状態に制御した後に2秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。
また、この実施の形態では、小当り遊技状態に制御される場合、その小当り遊技中において、大入賞口を0.052秒間開放状態に制御した後に2秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。そのため、突然確変大当りと小当りの場合とでは、図20(1)に示すように、見た目上、全く同様の態様で大入賞口の高速開放制御が行われ、突然確変大当りであるのか小当りであるのかを認識しにくくしている。
次に、図20(2)を用いて、15R通常大当りおよび15R確変大当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、15R通常大当りや15R確変大当りにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を29.5秒間開放状態に制御した後、大入賞口が2秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる2秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図20(2)に示すように、大入賞口を29.5秒間開放状態に制御した後に2秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。そのため、この実施の形態では、15R通常大当りや15R確変大当りとなった場合には、大入賞口の開放時間が29.5秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が15回連続して実行され、見た目上のラウンド数は内部制御上のラウンド数15回と一致している。
次に、図21(3)を用いて、突確見せかけ大当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、確変大当りDにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、まず、ラウンド1において、大入賞口を0.052秒間開放状態に制御した後に2秒間閉鎖状態に制御する動作を15回繰り返し、大入賞口が高速開放制御される。そのような動作態様によって、図21(3)に示すように、ラウンド1において、大入賞口が15回にわたって高速開放制御され、恰も突然確変大当りと同様の態様の開放制御が行われる。また、ラウンド1の15回目の大入賞口の開放を終了した後、大入賞口が9秒間閉鎖状態に制御され、その9秒間で導入演出が実行される。さらに、ラウンド1において、大入賞口を25秒間開放状態に制御した後、大入賞口が2秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる2秒間はインターバル期間である)。すなわち、恰も突然確変大当りから開放時間が長い(遊技球の入賞を期待できる)大当りに発展したかのような制御が行われる。なお、この実施の形態では、突確見せかけ大当り中の高速開放制御が行われる期間に関しては、突然確変大当りにもとづく大当り遊技中と同様の演出が実行される。
ラウンド2〜ラウンド15では、1ラウンドあたり大入賞口を29.5秒間開放状態に制御した後、大入賞口が2秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる2秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図21(3)に示すように、大入賞口を29.5秒間開放状態に制御した後に2秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。そのため、この実施の形態では、突確見せかけ大当りとなった場合には、ラウンド1の当初は、突然確変大当りにもとづく大当り遊技中や小当りにもとづく小当り遊技中と同様な高速開放制御が行われ、高速開放制御が行われる期間の経過後には、ラウンド1において25秒間開放状態に制御され、その後、ラウンド2〜ラウンド15では15R通常大当りや15R確変大当りと同様に、大入賞口の開放時間が29.5秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が15回連続して実行される。なお、大入賞口の開放時間が遊技球の入賞が十分に期待できる程度に長い開放(例えば、25秒や29.5秒)を長時間開放という。また、15R通常大当りおよび15R確変大当りにもとづく大当り遊技にあっては、大当り遊技においてラウンド1で大入賞口が開放状態に制御されてからラウンド15のラウンド遊技が終了して大入賞口が閉鎖状態に制御されるまで、突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技にあっては、高速開放制御が行われる期間の経過後であって、25秒間開放状態の制御が開始されてからラウンド15のラウンド遊技が終了して大入賞口が閉鎖状態に制御されるまでを長時間開放の期間という。なお、本例では、突確見せかけ大当りとなった場合には、ラウンド1の当初において、大入賞口が、0.052秒間の開放と2秒間の閉鎖とが15回繰り返されるように構成されているが、開放時間や閉鎖時間、開放回数は上記に限られず、開放回数が突然確変大当りや小当りに応じた開放回数よりも少ない数(例えば10回等)であってもよい。開放回数が突然確変大当りや小当りに応じた開放回数よりも少ない数であっても、遊技者は、突然確変大当りや小当りであるのかまたは突確見せかけ大当りであるのかを識別することは困難だからである。また、ラウンド1の当初において、大入賞口が29.5秒開放制御される開放パターンで制御されてもよい。本例では、突確見せかけ大当りとなった場合には、高速開放制御が行われる期間の経過後に、大入賞口の開放時間が25秒間や29.5秒間となる長時間開放の期間になるように構成されているが、高速開放制御が行われる期間において長時間開放が行われ、その後高速開放制御が行われてもよい。
次に、賞球処理(タイマ割込処理におけるステップS32)について説明する。図22は、ステップS32の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球コマンド出力カウンタ加算処理(ステップS501)、賞球制御処理(ステップS502)および賞球カウンタ減算処理(ステップS503)を実行する。
賞球コマンド出力カウンタ加算処理では、図23に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「5」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレスと、賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスと、スイッチ入力ビット指定値と、賞球数を指定する賞球個数データとが、順次設定されている。賞球コマンド出力カウンタとは、入賞口への入賞数をカウントするカウンタであり、例えば、ROM54に設定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数(0〜15個)毎に、対応する賞球コマンド出力カウンタを備える。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球数「15」に対応する賞球コマンド出力カウンタ1と、賞球数「10」に対応する賞球コマンド出力カウンタ2,3(2つの普通入賞口29,30に対応)と、賞球数「3」に対応する賞球コマンド出力カウンタ4,5とを備える。なお、各賞球コマンド出力カウンタは、後述するように、賞球コマンド出力カウンタ加算処理でカウントアップされる。CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1が0でなければ、賞球数(15個)を指定する賞球個数データにもとづいて賞球個数(15個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ2,3の値が0でなければ、賞球数(10個)を指定する賞球個数データにもとづいて賞球個数(10個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、CPU56は、賞球個数テーブルに設定されている賞球コマンド出力カウンタ1および賞球コマンド出力カウンタ2,3の値が0であり、賞球コマンド出力カウンタ4,5の値が0でなければ、賞球数(3個)を指定する賞球個数データにもとづいて賞球個数(3個)を示すデータを賞球個数コマンドの下位4ビットに設定し、当該設定された賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する。また、図23において、スイッチオンバッファ1は入力ポート0に対応しており、スイッチオンバッファ2は入力ポート2に対応している。
図24および図25は、ステップS501の賞球コマンド出力カウンタ加算処理を示すフローチャートである。賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS5101)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS5102)。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(ステップS5103)、ポインタが指すスイッチオンバッファの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードし(ステップS5104)、ポインタバッファの指すスイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS5105)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(ステップS5106)、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスをポインタバッファの下位バイトにロードする(ステップS5107)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1増やし(ステップS5108)、レジスタにロードしたスイッチオンバッファの内容と、ポインタが指すスイッチ入賞ビット指定値との論理積をとる(ステップS5109)。そして、CPU56は、ポインタの値を1増やす(ステップS5110)。なお、ステップS5110でポインタの値が1加算されたことによって、ポインタの値は、賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ステップS5109における演算結果が0であれば(ステップS5111のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS5128)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS5103に戻る(ステップS5129)。
ステップS5109における演算結果が0でなければ(ステップS5111のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、CPU56は、ポインタバッファの値とポインタの値とを交換する処理を行う(ステップS5112)。この場合、ポインタの値はステップS5110の処理が実行されることによって賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となっており、ポインタバッファの値はステップS5107の処理が実行されることによって賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスがロードされた状態となっていた筈であるから、ステップS5112の交換処理が実行されることによって、ポインタバッファの値は賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態となり、ポインタの値は賞球コマンド出力カウンタの下位アドレスを示している状態となることになる。
次いで、CPU56は、ポインタが指す賞球コマンド出力カウンタの値を1加算する(ステップS5113)。ただし、CPU56は、加算の結果、賞球コマンド出力カウンタの値に桁上げが発生した場合には、賞球コマンド出力カウンタの値を1減算し元に戻す(ステップS5114,S5115)。そして、ステップS5116の処理に移行する。なお、ステップS5113〜S5115において、CPU56は、まず、賞球コマンド出力カウンタの値をレジスタにロードして、レジスタの値を1加算し、加算後のレジスタの値に桁上げが発生していないことを確認してから、加算後の値を賞球コマンド出力カウンタにストアするようにしてもよい。そのようにすれば、賞球コマンド出力カウンタの値を加算した後に再び減算する無駄を防止することができる。
次いで、CPU56は、いずれかの入賞口(始動入賞口13,14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞を検出したことにもとづく賞球予定数の累積値をカウントするための入賞カウンタの下位アドレスをポインタの下位バイトにロードする(ステップS5116)。次いで、CPU56は、ポインタバッファの指す賞球個数データをロードする(ステップS5117)。次いで、CPU56は、ポインタの指す入賞カウンタの値を読み出し、読み出した値をステップS5117でロードした賞球個数データで示される賞球個数に加算する(ステップS5118)。ステップS5118の演算が実行されることによって、新たに発生した入賞分の賞球個数を加算した賞球予定数の累積値が求められることになる。そして、CPU56は、ポインタの値を1減算する(ステップS5119)。
なお、この実施の形態では、ROM54において、入賞カウンタが設定されている領域の1つ前のアドレスの領域に入賞情報記憶カウンタが設定されている。入賞情報記憶カウンタとは、入賞信号の出力可能数をカウントするためのカウンタであり、例えば、入賞情報記憶カウンタの値が1となっていれば後述する情報出力処理において入賞信号が1回出力され、入賞情報記憶カウンタの値が2となっていれば後述する情報出力処理において入賞信号が2回出力される制御が行われる。この実施の形態では、ステップS5119でポインタの値が1減算されることによって、ポインタの値が賞球情報出力カウンタの下位アドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっているか否かを確認する(ステップS5120)。賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっていれば、CPU56は、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値から所定の入賞出力判定値に相当する値(本例では、10)を減算する(ステップS5121)。そして、CPU56は、ポインタの指す入賞情報記憶カウンタの値を1加算する(ステップS5122)。ただし、CPU56は、加算の結果、入賞情報記憶カウンタの値に桁上げが発生した場合には、入賞情報記憶カウンタの値を1減算し元に戻す(ステップS5123,S5124)。そして、ステップS5120の処理に戻る。なお、ステップS5122〜S5124において、CPU56は、まず、入賞情報記憶カウンタの値をレジスタにロードして、レジスタの値を1加算し、加算後のレジスタの値に桁上げが発生していないことを確認してから、加算後の値を入賞情報記憶カウンタにストアするようにしてもよい。そのようにすれば、入賞情報記憶カウンタの値を加算した後に再び減算する無駄を防止することができる。
一方、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっていなければ(すなわち、9未満であれば)、ステップS5125に移行する。
ステップS5120〜S5124の処理が実行されることによって、この実施の形態では、所定数分の払出条件が成立するごとに(賞球10個分の入賞が発生するごとに)、入賞情報記憶カウンタの値が1ずつ加算され、後述する情報出力処理によって入賞信号が外部出力されることになる。
なお、ステップS5118で演算された賞球予定数の累積値が20以上となる場合もある。例えば、入賞カウンタのカウント値が9となっていた場合に、大入賞口への入賞が発生して新たに15個の賞球が発生した場合には、ステップS5118において賞球予定数の累積値として24と求められることになる。この場合、ステップS5120でYと判定されてステップS5122で入賞情報記憶カウンタの値が1加算された後(この場合、ステップS5121の処理で賞球予定数の累積値は10減算されて14となる)、もう一度ステップS5120でYと判定されてステップS5122で入賞情報記憶カウンタの値が1加算され、1回の賞球コマンド出力カウンタ加算処理が実行される間に入賞情報記憶カウンタの値が2加算されることになる。
なお、この実施の形態では、賞球処理中の賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、ステップS5120〜S5124の処理が実行されることによって、賞球予定数の累積値が10以上となっているか否かを判定し、入賞情報記憶カウンタの加算処理を行って入賞信号を出力するように制御する場合を示しているが、入賞信号の出力処理の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、賞球コマンド出力カウンタ加算処理では、入賞カウンタの加算処理のみを行うようにし、ステップS31の情報出力処理において、入賞カウンタの値が10以上であるか否かを判定して、10以上であれば入賞信号を出力するように制御してもよい。この場合、上記と同様に、入賞カウンタの値が20以上であれば、情報出力処理において、入賞カウンタの値が10以上であるか否かの判定処理を繰り返し実行し、入賞情報記憶カウンタの値を2加算するようにして、入賞信号を2回出力可能に処理してもよい。
また、例えば、この実施の形態では、入賞情報記憶カウンタの更新処理を行った後に、後述する情報出力処理で入賞情報記憶カウンタの値にもとづいて入賞信号を外部出力する場合を示しているが、入賞情報記憶カウンタを用いずに、ステップS5120で累積値が10以上であると判断した場合には直ちに賞球コマンド出力カウンタ加算処理内で入賞信号の外部出力処理を行うように構成してもよい。この場合、この実施の形態では、ステップS5118の演算の結果累積値が10以上20未満となり入賞信号を1回出力する必要が生じる場合と、ステップS5118の演算の結果累積値が20以上となり(この実施の形態では、30以上となることはない)入賞信号を2回出力する必要が生じる場合との2つのケースがある。そのため、例えば、入賞信号を出力するためのテーブルとして、入賞信号を1回出力するためのテーブル(1回分の入賞信号のオン時間およびオフ時間が設定されたテーブル)と、入賞信号を連続して2回出力するためのテーブル(2回分の入賞信号のオン時間およびオフ時間が設定されたテーブル)とを用意しておくようにしてもよい。そして、演算した累積値が10以上20未満であれば、入賞信号を1回出力するためのテーブルを用いて、賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を1回外部出力する制御を行い、演算した累積値が20以上であれば、入賞信号を2回出力するためのテーブルを用いて、賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を連続して2回外部出力する制御を行うようにしてもよい。
なお、ステップS5118で演算した累積値が20を超えている場合には、上記のように、入賞信号を2回出力するためのテーブルを用いて賞球コマンド出力カウンタ加算処理内において入賞信号を連続して2回外部出力してもよいし、賞球コマンド出力カウンタ加算処理において、計算結果が10未満となるまで繰り返しステップS5120の判定処理を行って入賞信号の外部出力を連続して2回行うようにしてもよい。また、例えば、1タイマ割込内で実行される賞球コマンド出力カウンタ加算処理では入賞信号を1回のみ出力するようにし、次のタイマ割込で賞球コマンド出力カウンタ加算処理を実行するときに累積値が10以上であることにもとづいて次の入賞信号を外部出力するようにしてもよい。
次いで、ステップS5125では、CPU56は、ポインタの値を1加算する(従って、ポインタの値は入賞カウンタの下位アドレスを示している状態に戻る)。次いで、CPU56は、ポインタの指す入賞カウンタに、賞球予定数の累積値の演算結果をストアする(ステップS5126)。この場合、ステップS5120で1度もYと判定されることなくステップS5125以降の処理に移行した場合には、ステップS5118で求められた賞球予定数の累積値がそのまま入賞カウンタにストアされることになる。また、ステップS5120でYと判定されステップS5121以降の処理が実行されている場合には、ステップS5121で減算後の賞球予定数の累積値が入賞カウンタにストアされることになる。なお、ステップS5120の判定処理やステップS5121の減算処理が実行される結果、ステップS5126では、必ず10未満の値が入賞カウンタにストアされることになる。
次いで、CPU56は、ポインタバッファの値とポインタの値とを交換する処理を行う(ステップS5127)。この場合、ステップS5112の処理が実行されることによってポインタバッファには賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスが退避されているので、ステップS5127の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び賞球個数テーブル中の賞球個数データが格納されているアドレスを示している状態に戻されることになる。
そして、CPU56は、処理数を1減らし(ステップS5128)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS5103に戻る(ステップS5129)。
図26は、ステップS502の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS521〜S525のいずれかの処理を実行する。
賞球送信処理1(ステップS521)では、CPU56が、接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する処理を行う。賞球接続確認処理(ステップS522)では、払出制御用マイクロコンピュータ370から接続確認コマンドに応じた接続OKコマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370から受信した場合に、CPU56が、接続OKコマンドによって示された払出制御に関するエラーを示すエラー情報を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行う。賞球送信処理2(ステップS523)では、払出制御に関してエラーが発生していない場合に、CPU56が、払い出す賞球の数を示す賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ370に送信する制御を行う。賞球受領確認処理(ステップS524)では、CPU56が、送信した賞球個数コマンドに応じて払出制御用マイクロコンピュータ370から送信されたコマンドに応じた処理を行う。賞球終了確認処理(ステップS525)では、CPU56が、賞球の払い出しが終了したか否かに応じた処理を行う。
図27は、ステップS503の賞球カウンタ減算処理を示すフローチャートである。CPU56は、賞球カウンタ減算処理において、まず、賞球情報入力無効タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS5301)。なお、賞球情報入力無効タイマは、賞球情報の入力を確認した後、次の賞球情報の入力を確認するまでの間にインターバル期間を設けるために計測されるタイマである。タイムアウトしていなければ、CPU56は、賞球情報入力無効タイマの値を1減算して(ステップS5302)、処理を終了する。
賞球情報入力無効タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、入力ポート0の内容を入力し(ステップS5303)、賞球情報のビットがオン状態であるか否かを確認する(ステップS5304)。賞球情報のビットがオン状態であれば、ステップS5305に移行する。
ステップS5305では、CPU56は、処理数として所定の賞球情報確認回数(例えば8)をセットする(ステップS5305)。そして、CPU56は、賞球情報を入力しているか否かを確認し、賞球情報の入力を確認できれば賞球情報オンカウンタの値を1加算する処理を、処理数(本例では8)を終了するまで繰り返し実行する(ステップS5306〜S5308)。
次いで、CPU56は、賞球情報オンカウンタの値が6以上であるか否かを確認する(ステップS5309)。賞球情報オンカウンタの値が6以上であれば、CPU56は、賞球情報入力無効タイマに所定時間(例えば0.8秒)をセットする(ステップS5310)とともに、賞球個数カウンタの値を10減算する(ステップS5311)。
以上の処理が実行されることによって、この実施の形態では、賞球情報の入力を8回の確認処理中6回以上確認したことを条件として賞球情報を入力したと判定し、10個の賞球払出が行われたものとして賞球個数カウンタの値を10減算している。そのような処理によって、この実施の形態では、誤って賞球情報を入力したと判定する事態を低減し、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で未払い出しの賞球数を適切に把握できなくなる事態を防止している。
次いで、CPU56は、減算後のカウント値が所定の賞球過剰判定値(例えば0)未満であるか否かを確認する(ステップS5312)。賞球個数カウンタのカウント値が所定の賞球過剰判定値(例えば0)未満であった場合には、CPU56は、賞球エラーフラグが既にセットされているか否かを確認する(ステップS5313)。既に賞球エラーフラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。賞球エラーフラグがセットされていなければ、CPU56は、賞球エラーフラグをセットする(ステップS5314)とともに、賞球過剰エラーコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS5315)。具体的には、CPU56は、賞球過剰エラーコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする処理を行う。そして、ステップS5315で賞球過剰エラーコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされたことにもとづいて、その後、ステップS30の演出図柄コマンド制御処理が実行されることによって、賞球過剰エラーコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
図28は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS28)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図30参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図29は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
なお、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。そして、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS216A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216B)とともに、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216C)。
なお、ステップS216Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)に関わらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS217)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS218)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第1始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(ステップS211参照)処理を行うようにしてもよい。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS223)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS224)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS225)。なお、ステップS225の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS226A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS226B)とともに、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS226C)。
なお、ステップS226Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)に関わらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS227)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS228)。なお、合算保留記憶数指定コマンドを、第2始動入賞指定コマンドの前に送信してもよい。
図30は、ステップS216A,S216Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図13(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別を確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する連続予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図13(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当り、突確見せかけ大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図13(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図29(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS216A参照)を実行する場合)には、図13(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図29(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS216B参照)を実行する場合)には、図13(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行い(ステップS224)、大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致すれば(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS225)。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS226)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図29(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS216A参照)を実行する場合)には、図13(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」と「15R通常大当り」と「突確見せかけ大当り」と「突然確変大当り」とのうちのいずれになるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図29(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS216B参照)を実行する場合)には、図13(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」と「15R通常大当り」と「突確見せかけ大当り」と「突然確変大当り」とのうちのいずれになるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「15R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R通常大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突確見せかけ大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突確見せかけ大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
図31および図32は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、ステップS51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図30に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にずれが生ずることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされ、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされていなければ、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされていれば、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。CPU56は、高確率フラグがセットされておらず、高ベースフラグがセットされていれば、低確高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出図柄コマンド制御処理(ステップS30)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図13参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図13(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図13(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図13(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、次回の大当り発生時にリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図13(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図13(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図13(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図13(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図13(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図13(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「15R通常大当り」、「突確見せかけ大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、図13(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「15R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確見せかけ大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「突確見せかけ大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R通常大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図33は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図14(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図14(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するとき、または小当りにもとづく小当り遊技を終了するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」とすることに決定され、大当り遊技または「小当り遊技」を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
高ベースフラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS97)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS97のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図15(A)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS97のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図15(B)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
高ベースフラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が高ベース状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図15(C)参照)を選択する(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図15(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高ベース状態である場合には、図15(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図17参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図15(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図15(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図15(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S98、S99またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図16参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図17参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図15に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図15に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して連続予告演出を行うように構成することが好ましい。
図34は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図18参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「15R通常大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「15R通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「突確見せかけ大当り」であるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115,S116)。なお、「突確見せかけ大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「15R確変大当り」、「15R通常大当り」および「突確見せかけ大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。
CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS118)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS119)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS118のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS120)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS121)。
図35は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであり(ステップS132AのY)、高確率フラグまたは高ベースフラグがセットされていれば(ステップS132BのY)、高ベース突確フラグをセットする(ステップS132C)。高ベース突確フラグは、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が高確率状態、または高ベース状態であったことを示すフラグであり、ステップS167Cの処理の後でリセットされる。
CPU56は、セットされていれば、高確率状態であることを示す高確率フラグ、高ベース状態であることを示す高ベースフラグ、および高確率状態であることを示す信号を遊技機の外部に出力することを許可することを示す高確中出力許可フラグをリセットし(ステップS132D)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「15R確変大当り」または「15R通常大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「突確見せかけ大当り」または「突然確変大当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、CPU56は、大当り種別に応じた大入賞口のラウンド1用の開放パターンが設定された開放パターンデータをセットする(ステップS135A)。また、CPU56は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのラウンド数カウンタに1をセットする(ステップS135B)。なお、開放パターンについては後述する。
CPU56は、大当り種別が突確見せかけ大当りである場合(ステップS135CのY)、または高ベース突確フラグがセットされている場合に(ステップS135DのY)、後述する大当り3信号タイマに、突確見せかけ大当り時の開放パターンにおいて、大入賞口の開閉制御が開始されてから大入賞口が長時間開放される制御が開始されるまでの時間(本例では、29.5秒間の開放制御が開始されるまでの時間)に応じた値をセットする(ステップS136)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
また、ステップS130で大当りフラグがセットされておらず(ステップS131のN)、高ベースフラグがセットされていれば(ステップS141のY)、CPU56は、高ベース状態における特別図柄の変動回数をカウントするための高ベース回数カウンタの値を1減算し(ステップS142)、高ベース回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS143)。高ベース回数カウンタの値が0であれば(ステップS143のY)、高ベースフラグをリセットする(ステップS144)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS146)。また、大入賞口開放前タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。なお、小当りとなる場合には、小当り遊技の開始時に、ステップS147において、変動表示を停止してから小当り遊技が開始されるまでに要する時間が大入賞口開放前タイマに設定される。また、小当り遊技中においては、大入賞口の各開放間のインターバル時間が大入賞口開放前タイマに設定される。
なお、この実施の形態では、既に説明したように、突然確変大当りと小当りの場合とでは、見た目上、全く同様の態様で大入賞口の高速開放制御が行われ(図20(1)参照)、突然確変大当りであるのか小当りであるのかを認識しにくくしている。
また、CPU56は、開放回数カウンタに開放回数をセットし(ステップS148A)、入賞個数カウンタに0をセットする(ステップS148B)。なお、この実施の形態では、ステップS148Aにおいて、開放回数カウンタに15回がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS149)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS145のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
次に、大当り遊技中の大入賞口の開放制御に用いられる開放パターンデータについて説明する。図36〜図38は、大当り遊技中の大入賞口の開放制御に用いられる開放パターンデータの例を示す説明図である。
まず、図36を用いて、突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技中の大入賞口の開放制御を説明する。図36に示すように、突確見せかけ大当りである場合には、ラウンド1において、処理数31と、開放時間0.052秒および閉鎖時間2秒の15回繰り返しのデータと、閉鎖時間9秒と、開放時間25秒とが設定された開放パターンが用いられる。そのため、突確見せかけ大当りである場合、ラウンド1を実行する場合には、ステップS135Aで図36に示す開放パターンデータが設定されて後述する大入賞口開放中処理が実行されることによって、大入賞口が0.052秒間開放状態に制御される動作が15回連続して行われた後、大入賞口が9秒間閉鎖状態とされて導入演出の演出期間が確保され、さらに大入賞口が25秒間開放制御され、その後、後述するステップS1472でインターバル時間2秒が設定されて、2秒経過後に次のラウンド2に移行する。
また、ラウンド2〜15では、ラウンドごとに処理数1と開放時間29.5秒とが設定された開放パターンデータが用いられる。そのため、ラウンド2〜15を実行する場合には、ステップS1474で図36に示すラウンド2〜15用のいずれかの開放パターンデータが設定されて後述する大入賞口開放中処理が実行されることによって大入賞口が29.5秒間開放状態に制御され、その後、後述するステップS1472でインターバル時間2秒が設定されて、2秒経過後に次のラウンドに移行する制御が繰り返される。
次に、図37を用いて、突然確変大当りにもとづく大当り遊技中の大入賞口の開放制御を説明する。図37に示すように、突然確変大当りである場合には、開放時間0.052秒および閉鎖時間2秒の15回繰り返しのデータが設定された開放パターンデータが用いられる。突然確変大当りである場合、ステップS135Aで図37に示す開放パターンデータが設定されて後述する大入賞口開放中処理が実行されることによって、大入賞口が0.052秒間開放状態に制御される動作が15回連続して行われる。
次に、図38を用いて、15R通常大当りまたは15R確変大当りにもとづく大当り遊技中の大入賞口の開放制御を説明する。図38に示すように、15R通常大当りまたは15R確変大当りである場合には、ラウンドごとに処理数1と開放時間29.5秒とが設定された開放パターンデータが用いられる。そのため、ラウンド1を実行する場合にはステップS135Aで図38に示すラウンド1用の開放パターンデータが設定され、ラウンド2〜15を実行する場合にはステップS1474で図38に示すラウンド2〜15用のいずれかの開放パターンデータが設定されて、後述する大入賞口開放中処理が実行されることによって大入賞口が29.5秒間開放状態に制御され、その後、後述するステップS1472でインターバル時間2秒が設定されて、2秒経過後に次のラウンドに移行する制御が繰り返される。
図39は、大当り遊技における各ラウンドの前に実行される大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS1401)。大入賞口開放前タイマがタイムアウト(大入賞口開放前タイマの値が0)したら(ステップS1402)、CPU56は、現在のラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放中指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1403)。また、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1404)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、ポインタの値を初期化して0とし(ステップS1405)、ポインタが指す開放パターンデータ中の処理数の値を読み出してセットする(ステップS1406)。次いで、CPU56は、ポインタの値を1加算し(ステップS1407)、ポインタが指す開放パターンデータ中の処理数の次に設定されている開放時間を読み出して、大入賞口の開放時間または閉鎖時間を計測するための開閉時間タイマにセットする(ステップS1408)。
次いで、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1409)、大入賞口(役物)を開放状態に制御する(ステップS1410)。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする。また、CPU56は、大入賞口が開放状態に制御されていることを示す大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS1411)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1412)。
図40および図41は、大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1451)。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1451のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1452)。そして、CPU56は、加算後の入賞個数カウンタの値が10になった場合には(ステップS1453)、ステップS1467に移行する。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば、CPU56は、開閉時間タイマを1減算し(ステップS1454)、開閉時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1455)。開閉時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開閉時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、処理数が0となっているか否かを確認する(ステップS1456)。処理数が0となっていれば(すなわち、開放パターンデータに設定されている全ての開放時間および閉鎖時間にもとづく制御を終了していれば)、ステップS1467に移行する。
処理数が0でなければ(すなわち、開放パターンデータ中に未処理の開放時間または閉鎖時間の設定値が残っていれば)、CPU56は、ポインタを1加算し(ステップS1457)、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1458)。
大入賞口開放中フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口が閉鎖状態あれば)、CPU56は、ポインタが指す開放パターンデータ中の開放時間を読み出して、開閉時間タイマにセットする(ステップS1459)。次いで、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1460)、大入賞口(役物)を開放状態に制御する(ステップS1461)。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする。また、CPU56は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS1462)。そして、処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口が開放状態あれば)、CPU56は、ポインタが指す開放パターンデータ中の閉鎖時間を読み出して、開閉時間タイマにセットする(ステップS1463)。次いで、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1464)、大入賞口(役物)を閉鎖状態に制御する(ステップS1465)。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。また、CPU56は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1466)。そして、処理を終了する。
この実施の形態では、1回のラウンド中であっても、開放パターンデータ中に開放時間や閉鎖時間が複数設定されている場合には、処理数が0となるまで繰り返しステップS1456〜S1466の処理が実行される。例えば、図36に示すように、突確見せかけ大当り用のラウンド1では、ラウンド1用の開放パターンデータ中に設定されている16個の開放時間および15個の閉鎖時間の全てに対して処理を終了するまで繰り返しステップS1456〜S1466の処理が実行されて(処理数31が設定されているので31回繰り返される)、1回のラウンド中に大入賞口が複数回開閉制御される。また、同様に、図37に示す突然確変大当りのラウンド1でもステップS1456〜S1466の処理が繰り返し実行される。
ステップS1467に移行すると、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、CPU56は、まず、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1467)。大入賞口開放中フラグがセットされていなければ(すなわち、既に大入賞口が閉鎖状態であれば)、ステップS1470に移行する。大入賞口開放中フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口が開放状態であれば)、CPU56は、大入賞口(役物)を閉鎖状態に制御する(ステップS1468)。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。また、CPU56は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1469)。
次いで、CPU56は、現在のラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1470)。
次いで、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が大当り種別に応じた値になっているか否かを確認する(ステップS1471)。本例では、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が15であるか否か確認する。なお、大当り種別によってラウンド数カウンタの値と比較する値が異なっていてもよい。具体的には、例えば、大当り種別が、15R通常大当り、15R確変大当り、または突確見せかけ大当りである場合にラウンド数カウンタの値が15であるか否か確認し(すなわち、15R通常大当り、15R確変大当り、または突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技における全てのラウンド(ラウンド1〜15)が終了しているか否かを確認し、大当り種別が突然確変大当りである場合にラウンド数カウンタの値が2であるか否か確認する(すなわち、突然確変大当りにもとづく大当り遊技における全てのラウンド(ラウンド1〜2)が終了しているか否かを確認する。そして、ラウンド数カウンタの値が大当り種別に応じた値(本例では15)になっている場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS1476)。
ラウンド数カウンタの値が大当り種別に応じた値になっていなければ(すなわち、まだ残りのラウンドがあれば)、CPU56は、大入賞口開放前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間(インターバル演出を行い期間に相当))に相当する値(本例では、2秒)を設定する(ステップS1472)。
次いで、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を1加算する(ステップS1473)。また、CPU56は、大当り種別および次に開始するラウンドのラウンド数に応じた大入賞口の開放パターンが設定された開放パターンデータ(図29〜図34参照)をセットする(ステップS1474)。なお、次に開始するラウンドのラウンド数は、具体的には、加算後のラウンド数カウンタの値により判定できる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1475)。なお、CPU56は、大当り種別が突然確変大当りである場合に、ステップS1471で、ラウンド数カウンタの値に関わらずステップS1476に移行する。
図42は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、15R通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、15R確変大当りまたは突確見せかけ大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が15R通常大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、15R通常大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。15R通常大当りでなければ、CPU56は、高確率フラグをセットして遊技状態を高確率状態に移行させ(ステップS167A)、大当りの種別が突然確変大当りでなければステップS168に移行する(ステップS167BのN)。大当りの種別が突然確変大当りであれば(ステップS167BのY)、ステップS132Cの処理で高ベース突確フラグがセットされていれば高ベース突確フラグをリセットしてステップS168に移行し、セットされていなければステップS170に移行する(ステップS167C)。CPU56は、ステップS168で、高ベースフラグをセットして遊技状態を高ベース状態に移行させ(ステップS168)、高ベース回数カウンタの値に100をセットする(ステップS169)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS170)。従って、大当りの種別が突然確変大当りである場合に、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が高確率状態でなく、かつ、低ベース状態であった場合に、高ベースフラグはセットされず、高ベース状態に移行しない。
なお、本例では、高ベースフラグをセットするとともに高ベース回数カウンタの値に100をセットし、高ベース状態に移行されてから特別図柄の100回目変動を終了したときに高ベースフラグをリセットして低ベース状態に移行するように構成されているが(ステップS141〜S144参照)、次回の大当り発生まで高ベース状態が継続されるように構成されていてもよい。
図43は、小当り遊技において実行される小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS2470)。大入賞口開放前タイマがタイムアウト(大入賞口開放前タイマの値が0)したら(ステップS2471のY)、CPU56は、開放時間タイマに開放時間(例えば、0.052)に相当する値を設定する(ステップS2473)。次いで、CPU56は、大入賞口(役物)を開放状態に制御する。具体的には、ソレノイド21を駆動して開閉板16を開状態にする(ステップS2474)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(ステップS309)に対応した値に更新する(ステップS2475)。なお、大入賞口開放前タイマがタイムアウトしていない場合に(ステップS2471のN)、CPU56は、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら、入賞個数カウンタの値を+1する。
図44は、小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、まず、開放時間タイマの値を−1し(ステップS2481)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS2482)。開放時間タイマがタイムアウトしていたら、ステップS2486に移行する。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS2483)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS2484)。そして、CPU56は、加算後の入賞個数カウンタの値が10になった場合には(ステップS2485)、ステップS2486に移行する。
ステップS2486では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して開閉板16を閉状態にする。次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を−1する(ステップS2488)。開放回数カウンタの値が0になっていない場合には(ステップS2489のN)、ステップS2490に移行する。開放回数カウンタの値が0になっている場合(ステップS2489のY)、すなわち、小当り遊技における大入賞口の全ての開放が終了している場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する(ステップS2492)。
ステップS2490では、CPU56は、大入賞口開放前タイマに大入賞口の開放開始前時間(大入賞口の各開放間のインターバル時間に相当)に相当する値を設定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS2491)。
図45は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2160)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2164に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS2161)、小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2162)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2163)、処理を終了する。
ステップS2164では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2165A)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2165のY)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2166)。
次に、タイマ割込処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図46は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各2バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0,2の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。なお、図46に示す前回ポートバッファ、ポートバッファ、およびスイッチオンバッファは、入力ポート0,2ごとに用意される。例えば、この実施の形態では、2つのスイッチオンバッファ1,2が用意されており、入力ポート0のスイッチの状態がスイッチオンバッファ1に設定され、入力ポート2のスイッチの状態がスイッチオンバッファ2に設定される。
図47は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0,2(図7参照)に入力されているデータを入力し(ステップS2101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS2102)。
次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS2103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS2104,S2105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0,2のデータを入力し(ステップS2106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS2108)。ステップS2103〜S2108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0,2から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS2104,S2105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS2109)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS2110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS2111)、ステップS2108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS2112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、スイッチ正常/異常チェック処理を行う(ステップS2113)。
図48は、スイッチ正常/異常チェック処理を示すフローチャートである。図48に示すスイッチ正常/異常チェック処理において、CPU56は、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(ステップS121)。そして、入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける第2始動口スイッチ14aに対応するビット1の値が0であるか否か確認する(ステップS122)。すなわち、第2始動入賞口14内の上部に設けられた第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート2に対応するスイッチオンバッファにおける第2始動口スイッチ14aに対応するビット1の値が0である場合(すなわち、第2始動口スイッチ14aがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタの値を1増やす(ステップS123)。
また、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファの内容を読み出す(ステップS124)。そして、CPU56は、入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認スイッチ14bに対応するビット4の値が1であるか否か確認する(ステップS125)。すなわち、第2始動入賞口14内の下部に設けられた入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)がオン(遊技球を検出)したか否か確認する。
入力ポート0に対応するスイッチオンバッファにおける入賞確認スイッチ14bに対応するビット4の値が1である場合(すなわち、入賞確認スイッチ14bがオン状態である場合)には、RAM55に形成されているスイッチ用カウンタの値を1減らす(ステップS126)。
そして、CPU56は、スイッチ用カウンタの値が所定値以上になっているか否か確認する(ステップS127)。スイッチ用カウンタの値が所定値以上になっている場合には、CPU56は、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定し、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)をセットする(ステップS128)。なお、この実施の形態では、CPU56は、スイッチ用カウンタの値が所定値として10以上となったことにもとづいて、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)をセットするものとする。この実施の形態では、ステップS128でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、情報出力処理(S31参照)が実行されることによって、第2始動入賞口14の異常入賞が検出されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、4分)外部出力される。
なお、ステップS127の処理において、CPU56は、例えば、スイッチ用カウンタの値が10以上となったことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定することに加えて、逆にスイッチ用カウンタの値が−10以下となったことにもとづいても、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。この場合、スイッチ用カウンタの値がマイナス値となっていることを認識できないように構成されている場合には、例えば、スイッチ用カウンタの値のデフォルト値として10をセットするようにしておき、スイッチ用カウンタの値が0または20以上となったことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、既にセキュリティ信号情報タイマに値が設定されセキュリティ信号を外部出力中であっても、新たに異常入賞を検出した場合には、再度ステップS128の処理が実行されて、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)が上書きされる。従って、セキュリティ信号の外部出力中に新たな異常入賞を検出した場合には、実質的にセキュリティ信号の外部出力期間が延長され、その新たに異常入賞を検出した時点から更に所定時間(本例では、4分)セキュリティ信号の出力が継続されることになる。
なお、この実施の形態では、1つのスイッチ用カウンタのみを用いて第2始動入賞口14への異常入賞を検出する場合を示したが、第2始動口スイッチ14aの検出回数と入賞確認スイッチ14bの検出回数とで異なるスイッチ用カウンタを用いてもよい。この場合、例えば、第2始動口スイッチ14aのオン状態を検出するごとに第1スイッチ用カウンタの値を1加算するようにするとともに、入賞確認スイッチ14bのオン状態を検出するごとに第2スイッチ用カウンタの値を1加算するようにすればよい。そして、ステップS127では、第1スイッチ用カウンタの値と第2スイッチ用カウンタの値との差が所定値(例えば、10)以上であると判定したことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定し、ステップS128の処理を実行してセキュリティ信号を外部出力するようにすればよい。
また、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したことを検出した場合には、ステップS128の処理を実行してセキュリティ信号を外部出力するとともに、所定のエラー報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100側において演出表示装置9に所定のエラー画面を表示させるなどによりエラー報知を行えるようにすることが望ましい。
また、例えば、第2始動入賞口14への異常入賞に加えて、第1始動入賞口13への異常入賞や、大入賞口への異常入賞、異常磁気エラー、異常電波エラー、通信エラーを検出した場合にもセキュリティ信号を出力するように構成する場合には、それぞれエラーの種類ごとに異なるエラー報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100側において、演出表示装置9に、エラーの種類ごとにそれぞれ異なるエラー画面を表示させるなどによりエラー報知を行えるようにしてもよい。
なお、上記のように構成する場合、遊技機への電力供給が停止した後に電力供給が再開したときには、電力供給の停止前にエラー報知中であった場合には、電源供給の再開時に所定のエラー報知コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して再度送信するようにするようにしてもよい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100側ではRAMなどの記憶内容がバックアップ電源によってバックアップされていないので、停電が発生してしまうと、そのままでは、それまで実行していたエラー報知などの演出を実行できないのであるが、停電復旧時に所定のエラー報知コマンドを再度送信するように構成することによって、停電復旧時にエラー報知を再開できるようにすることができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、セキュリティ信号情報タイマの値もバックアップRAMにバックアップしておくようにし、電力供給の停止前にセキュリティ信号の出力中であった場合には、停電復旧時にバックアップされていたセキュリティ信号情報タイマの値にもとづいてセキュリティ信号の出力を再開できるようにしてもよい。それらの構成を備えることによって、故意に遊技機への電源断を発生させることによって、エラー報知を消したりセキュリティ信号の出力を停止させたりするような不正行為を防止することができる。
図49は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図49に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からターミナル基板160に対して、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、および高確中信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560側の情報出力処理(ステップS31参照)によって出力される。また、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370から、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球情報が、払出制御用マイクロコンピュータ370側の情報出力処理(ステップS759参照)によって出力される。
図柄確定回数1信号は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(高ベース状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、大当り遊技中に、当該大当り遊技の終了後に高ベース状態に移行することを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(高ベース状態中)であることを通知するための信号である。
また、入賞信号は、既に説明したように、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。)を示す信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、第2始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認スイッチ14bの検出結果とにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
なお、セキュリティ信号として外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2始動入賞口14への異常入賞にかぎらず、第1始動入賞口13や、大入賞口、普通入賞口29,30への異常入賞を検出して、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。そのように、大入賞口への異常入賞や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370から後述する接続OKコマンドや賞球個数受付コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、シリアル通信回路505のステータスレジスタのいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号として外部出力してもよい。
なお、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタCN8とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
高確中信号は、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されていることを示す信号である。この実施の形態では、高確中信号は、停電復旧してから所定条件が成立するまで(具体的には、最初の大当りが発生するまで)、ターミナル基板160を介して外部出力される。
また、賞球情報は、賞球払出を特定数(本例では10個)検出するごとに出力される信号である。なお、この実施の形態では、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと)にもとづいて入賞信号が外部出力され、入賞信号にもとづいてホール側で賞球数の把握を行うことができる。そのため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。なお、本例では、所定数分の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したことにもとづいて入賞信号が外部出力されるように構成されている。それに対して、賞球の払出が行われた後に入賞信号を外部出力することが考えられる。しかし、賞球の払出が行われた後に入賞信号を外部出力するように構成された場合には、入賞時と入賞信号の出力時とで遊技状態が変化していることが考えられ、遊技機外部で、遊技状態ごとの正確な出球管理を行うことができない。そこで、本例では、所定数分の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したことにもとづいて入賞信号が外部出力されるように構成されている。
図50〜図53は、ステップS31の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図50〜図53に示す処理のうち、ステップS1002〜S1020が始動口信号を出力するための処理であり、ステップS1021〜S1023が入賞信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1036が図柄確定回数1信号を出力するための処理であり、ステップS1037〜S1051が大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号を出力するための処理である。また、ステップS1069〜S1074がセキュリティ信号を出力するための処理であり、ステップS1075〜S1077が高確中信号を出力するための処理である。
情報出力処理において、CPU56は、まず、始動口情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口情報設定テーブルには、処理数(=2)と2つの始動口スイッチ入力ビット(第1始動口スイッチ入力ビット判定値(01(H)))と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(02(H)))とが設定されている。なお、第1始動口スイッチ入力ビット判定値とは、第1始動入賞口13への始動入賞の有無を判定するための判定値であり、第2始動口スイッチ入力ビット判定値とは、第2始動入賞口14への始動入賞の有無を判定するための判定値である。ステップS1003では、ポインタが始動口情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口情報設定テーブルにおける処理数(=2)のデータがロードされることになる。
次いで、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビットをレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。この場合、処理数が1である場合には第1始動口スイッチ入力ビットをロードしてスイッチ入力データの論理積をとることになり、処理数が2である場合には第2始動口スイッチ入力ビットをロードしてスイッチ入力データの論理積をとることになる。処理数が1であって第1始動口スイッチ13aがオンしているときは、論理積の演算結果は01(H)になる。また、処理数が2であって第2始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は02(H)になる。第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞が生じたと判定し、始動口情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口情報記憶カウンタは、始動口信号の残り出力回数(つまり、始動口信号の未出力の始動入賞の残り入賞個数)をカウントするカウンタである。次いで、CPU56は、始動口情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
次に、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1016)。処理数が0でないときは(ステップS1016のY)、ステップS1004の処理に移行する。なお、この実施の形態では、遊技機は第1始動入賞口13および第2始動入賞口14を備えていることから、処理数の初期値として2が設定され、ステップS1004〜S1016の処理が2回実行されることになる。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、CPU56は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1017)。次いで、CPU56は、RAM55に形成されている情報出力バッファの始動口出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット1)をセットする(ステップS1018)。そして、CPU56は、始動口情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1019)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1020)。
次いで、CPU56は、情報出力バッファの入賞出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット6)をセットする(ステップS1021)。そして、CPU56は、入賞情報記憶タイマのアドレスをポインタにセットし(ステップS1022)、入賞タイマセット処理を実行する(ステップS1023)。
なお、この実施の形態では、始動口信号を外部出力する場合と入賞信号を外部出力する場合とで共通のサブルーチン(入賞タイマセット処理)が実行されることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされて始動口信号が出力され、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされて入賞信号が出力される。なお、入賞タイマセット処理の具体的な処理内容については後述する(図54参照)。
次に、CPU56は、図柄確定回数1情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1031)、図柄確定回数1情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1033)。この実施の形態では、特別図柄変動中処理(ステップS303参照)において、変動時間がタイムアウトすると、特別図柄の変動を停止するときに、図柄確定回数1情報タイマに図柄確定回数出力時間(本例では0.500秒)がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(図柄確定回数1情報タイマの値が0のとき)に、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1033のN)、図柄確定回数1情報タイマを1減算し(ステップS1034)、演算結果を図柄確定回数1情報タイマにストアする(ステップS1035)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット0)をセットする(ステップS1036)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、図柄確定回数1信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、図柄確定回数1情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1033のY)、ステップS1036の処理が実行されない結果、図柄確定回数1信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1031〜S1036の処理によって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数1信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
次に、CPU56は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1037)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「5」)とを比較し(ステップS1038)、特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるかどうかを判定する(ステップS1039)。特別図柄プロセスフラグの値が5未満であるときは(ステップS1039のY)、ステップS1048の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるときは(ステップS1039のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1040)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1041)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値と小当り開放前処理指定値(「8」)とを比較し(ステップS1042)、特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるかどうかを判定する(ステップS1043)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1043のY)、ステップS1048の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満である場合には(ステップS1043のN)、大当りの種別が突然確変大当りでないとき(ステップS1044AのN)、または大当りの種別が突然確変大当りであるが高ベース突確フラグがセットされているときに(ステップS1044BのY)、大当り3信号タイマの値が0でなければ(ステップS1044CのN)、大当り3信号タイマの値を1減算し(ステップS1045)、大当り3信号タイマの値が0であれば(ステップS1044CのY)、情報バッファの大当り3出力ビット位置をセットする(ステップS1046)。大当り3出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り3信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
また、CPU56は、低ベース状態であるか否かを確認する低ベースチェック処理を実行し(ステップS1048)、低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS1049)。具体的には、CPU56は、高ベース状態に移行するときにセットされる高ベースフラグがセットされているか否かを確認することによって、低ベース状態であるか否かを判定する。低ベース状態でないときは(ステップS1049のN)、つまり、高ベースフラグがセットされているときは、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1050)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、時短信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。また、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1051)。大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、大当り2信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1037〜S1051の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号および時短信号が出力される(オン状態になる)。
次いで、CPU56は、セキュリティ信号情報タイマをロードし(ステップS1069)、セキュリティ信号情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1070)、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1071)。この実施の形態では、第2始動口スイッチ14aと入賞確認スイッチ14bとの検出差が所定値(本例では10)以上に達したと判定され、始動入賞口への異常入賞が発生したと判定された場合には、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では4分)がセットされ(スイッチ正常/異常チェック処理におけるステップS127,S128参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
また、この実施の形態では、遊技機への電力供給が開始されて初期化処理が実行されたときにも、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では30秒)がセットされ(メイン処理におけるステップS14a参照)、その所定時間が経過していないときは、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、その所定時間が経過したとき(セキュリティ信号情報タイマの値が0のとき)に、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1071のN)、セキュリティ信号情報タイマを1減算し(ステップS1072)、演算結果をセキュリティ信号情報タイマにストアする(ステップS1073)。そして、情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット7)をセットする(ステップS1074)。情報バッファのセキュリティ信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、セキュリティ信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。なお、セキュリティ信号情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1071のY)、ステップS1074の処理が実行されない結果、セキュリティ信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1069〜S1074の処理によって、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されてから4分が経過するまで、または遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されてから30秒が経過するまで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8を用いてセキュリティ信号が出力される。なお、セキュリティ信号の出力中更に新たな異常入賞を検出した場合には、最後に異常入賞を検出してから4分間が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される。
次いで、CPU56は、高確中出力許可フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1075)。なお、高確中出力許可フラグは、遊技機への電力供給開始時にホットスタート処理が実行されたときにセットされる(ステップS9103参照)。高確中出力許可フラグがセットされていれば、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1076)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、情報バッファの高確中信号出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート0のビット7)をセットする(ステップS1077)。情報バッファの高確中信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート0に出力することによって、高確中信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。なお、この実施の形態では、停電復旧した後、最初の大当りが発生すれば、高確中出力許可フラグがリセットされ(ステップS136参照)、その結果、高確中信号はオフ状態となる。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに高確中出力許可フラグをリセットする場合を示しているが、高確中出力許可フラグがリセットされるタイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、小当りが発生した場合にも高確中出力許可フラグをリセットするように構成してもよい。また、例えば、確変状態に制御された後に変動表示を所定回数実行したことにもとづいて確変状態を終了するように構成されている場合には、その所定回数の変動表示を終了して確変状態を終了するときに高確中出力許可フラグをリセットするように構成してもよい。
以上に示したステップS1075〜S1077の処理によって、停電復旧した後、確変フラグがセットされていれば、所定条件が成立するまで(本例では、最初の大当りが発生するまで)、高確中信号が出力される(オン状態になる)。すなわち、この実施の形態では、既に説明したように、遊技機への電源供給が停止しても所定期間はバックアップRAMに確変フラグが保持されている。そのため、停電発生前に確変状態に制御されていた場合には、バックアップRAMに確変フラグが保持されている筈であるから、停電復旧時に高確中信号の出力が開始され、最初の大当りが発生するまで高確中信号の出力が継続される。
なお、この実施の形態では、最初の大当りが発生したときに、高確中出力許可フラグがリセットされる(ステップS136参照)のであるから、以降、高確中信号の出力は行われなくなる。従って、この実施の形態では、所定条件が成立すれば(本例では、最初の大当りが発生すれば)、高確中信号の出力が禁止されることになる。
なお、この実施の形態では、メイン処理の停電復旧処理の実行時に高確中出力許可フラグをセットする処理のみを行い、ステップS31の情報出力処理において確変フラグがセットされているか否かを確認して高確中信号を出力するように処理を行う場合を示したが、高確中信号出力の処理方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、メイン処理の停電復旧処理において確変フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、情報バッファの高確中信号出力ビット位置をセットしたり、高確中信号出力用のタイマをセットしたりするなどの処理を行って、高確中信号を出力するようにしてもよい。そして、このように停電復旧処理において確変フラグを確認して高確中信号の出力を開始するように構成する場合であっても、最初の大当りが発生したときなど所定条件が成立したときに高確中信号の出力を停止する制御を行って、以降、高確中信号の出力を行わないように制御するように構成されていればよい。
なお、この実施の形態では、タイマ割込ごとに図50〜図53に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットして(ステップS1036,S1040,S1041,S1060,S1046,S1050,S1051,S1074,S1077参照)、ステップS1102,S1103を実行して出力ポート0,1から外部出力する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。
図54は、情報出力処理のステップS1020,S1023で実行される入賞タイマセット処理を示すフローチャートである。入賞タイマセット処理において、CPU56は、まず、ポインタの指す情報記憶タイマをロードし(ステップS2001)、ロードした情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2002)、信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS2003)。この場合、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、始動口情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、始動口信号が出力中であるか否かを判定することになる。また、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、入賞情報記憶タイマをロードしてその状態をフラグレジスタに反映し、入賞信号が出力中であるか否かを判定することになる。
始動口情報記憶タイマは、始動口信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。始動口情報記憶タイマの値が0でなければ始動口信号が出力中であると判定され、始動口情報記憶タイマの値が0であれば始動口信号が出力中でないと判定される。また、入賞情報記憶タイマは、入賞信号のオン時間およびオフ時間(例えば、オン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。入賞情報記憶タイマの値が0でなければ入賞信号が出力中であると判定され、入賞情報記憶タイマの値が0であれば入賞信号が出力中でないと判定される。
信号(始動口信号または入賞信号)が出力中であれば(ステップS2003のY)、ステップS2012の処理に移行する。信号(始動口信号または入賞信号)が出力中でなければ(ステップS2003のN)、CPU56は、ポインタの値を1加算する(ステップS2004)。なお、この実施の形態では、ROM54において、始動口情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に始動口情報記憶カウンタがセットされ、入賞情報記憶タイマが設定されている領域の次の領域に入賞情報記憶カウンタがセットされている。従って、ステップS2004の処理が実行されることによって、ポインタの値は、始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタのアドレスを示している状態となる。
次いで、CPU56は、ポインタの指す情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)をロードし(ステップS2005)、ロードした情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)の状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS2006)、信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS2007)。
なお、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口情報記憶カウンタが加算される(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのいずれか一方がオンしていれば1加算され、両方ともオンしていれば2加算される。ステップS1011参照。)ので、始動口信号の出力回数の残数があると判定されることになる。また、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生した場合には、賞球予定数が10個累積するごとに入賞情報記憶カウンタが加算される(ステップS5122参照)ので、入賞信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数がなければ(ステップS2007のY)、入賞タイマセット処理を終了する。信号(始動口信号または入賞信号)の出力回数の残数があれば(ステップS2007のN)、CPU56は、ポインタの指す上方記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)を1減算し(ステップS2008)、演算結果(1減算した結果)を情報記憶カウンタ(始動口情報記憶カウンタまたは入賞情報記憶カウンタ)にストアする(ステップS2009)。そして、入賞情報動作時間(50)をレジスタにセットする(ステップS2010)。なお、入賞情報動作時間(50)は、4msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。なお、この実施の形態では、始動口信号を出力する場合と入賞信号を出力する場合とで、入賞情報動作時間として同じ値を設定する場合を示しているが、異なる値を設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ポインタの値を1減算する(ステップS2011)。ステップS2011の処理が実行されることによって、ポインタの値は、再び始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマのアドレスを示している状態に戻ることになる。そして、ステップS2012に移行する。
次に、CPU56は、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていなければポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)を1減算し、ステップS2010で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS2012)。そして、演算結果(1減算した結果)をポインタの指す情報記憶タイマ(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマ)にストアする(ステップS2013)。
CPU56は、演算結果と入賞情報オン時間(25)を比較し(ステップS2014)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS2015)。なお、入賞情報オン時間(25)は、4msのタイマ割込みが25回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口情報記憶タイマまたは入賞情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS2015のN)、CPU56は、情報バッファをロードし(ステップS2016)、ロードした情報バッファの値と情報出力バッファの値との論理和を求める(ステップS2017)。そして、CPU56は、ステップS2017の演算結果を情報バッファにストアする(ステップS2018)。
なお、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1020で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1018で始動口出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの始動口出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット1)がセットされることになる。そして、情報バッファの始動口出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、始動口信号が出力ポート1から出力されることになる。
また、ステップS2016〜S2018の処理が実行されることによって、情報出力処理のステップS1023で入賞タイマセット処理が実行される場合には、ステップS1011で入賞出力ビットがセットされた情報出力バッファの値との論理和が求められることによって、情報バッファの入賞出力ビット位置(図6に示す例では出力ポート1のビット6)がセットされることになる。そして、情報バッファの入賞出力ビット位置がセットされると、その後の情報出力処理のステップS1102で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1103で出力値を出力ポート1に出力することによって、入賞信号が出力ポート1から出力されることになる。
情報出力処理のステップS1002〜S1020および図54に示す入賞タイマセット処理によって、第1始動入賞口13への入賞(第1始動口スイッチ13aのオン)、第2始動入賞口14への入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この始動口信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
始動口信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の始動口信号が出力される。すなわち、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、始動口信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、始動入賞数の総数を確実に把握することができる。
また、情報出力処理のステップS1021〜S1023および図54に示す入賞タイマセット処理によって、いずれかの入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞が発生し、賞球予定数が10個累積するごとに、入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号が100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になる。この入賞信号がホールコンピュータに入力されることによって、賞球予定数を認識させることができる。
入賞信号は、100ms間オン状態となった後、100ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、100ms間のオフ状態の後に次の入賞信号が出力される。すなわち、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力される。
このように、入賞信号は少なくとも100msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、賞球予定数の総数を確実に把握することができる。
なお、この実施の形態では、入賞信号を外部出力する場合に、まずステップS2012の処理を実行して入賞情報記憶タイマの値を減算してから、ステップS2018,S1102,S1103を実行して入賞信号を外部出力する場合を示したが、入賞情報記憶タイマの減算処理と入賞信号の外部出力処理との処理順は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、まず、ステップS2018,S1102,S1103と同様の処理を実行して入賞信号の外部出力処理を実行してから、ステップS2012と同様の処理を行い入賞情報記憶タイマの値を減算するようにしてもよい。
次に、高確中信号の出力タイミングについて説明する。図55は、高確中信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時にホットスタート処理が実行されると(ステップS91参照)、高確中出力許可フラグがセットされたことにもとづいて(ステップS9103参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1075〜S1103の処理が実行されて、図55に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN9から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して高確中信号の出力が開始される。
その後、遊技制御処理が実行可能となり、遊技者によって遊技が行われると、図55に示すように、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14への始動入賞に応じて変動表示が実行される。この場合、変動表示が実行されても、その変動表示結果が「はずれ」であれば、高確中出力許可フラグが維持されていることにもとづいて、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1075〜S1103の処理によって、高確中信号の出力が継続される。
そして、変動表示の結果、最初の大当りが発生すると、その変動表示の終了時に高確中出力許可フラグがリセットされる(ステップS136参照)。以降、情報出力処理(ステップS31参照)のステップS1075でNと判定されることによりステップS1076,S1077の処理は実行されなくなり、図55に示すように、高確中信号の出力が停止される。
次に、セキュリティ信号の出力タイミングについて説明する。図56は、セキュリティ信号の出力タイミングを示す説明図である。この実施の形態では、遊技機への電力供給開始時に初期化処理が実行されると(ステップS10〜S14参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、30秒)がセットされたことにもとづいて(ステップS14a参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図56(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。また、遊技機への電源供給が開始された後に、始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となったことにもとづいて、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定されたときにも(ステップS121〜S127参照)、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)がセットされたことにもとづいて(ステップS128参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図56(A)に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN8から、ホールコンピュータなどの外部装置に対してセキュリティ信号が出力される。このように、この実施の形態では、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたときと、第2始動入賞口14への異常入賞を検出したときとで、ターミナル基板160の共通のコネクタCN8からセキュリティ信号が外部出力される。
また、この実施の形態では、セキュリティ信号の外部出力中である場合に、新たに第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、実質的にセキュリティ信号の出力期間が延長され、最後に第2始動入賞口14への異常入賞を検出した時点から所定時間(本例では、4分)が経過するまで、セキュリティ信号の出力が継続される。例えば、遊技機への電源供給開始時に初期化処理が実行されたことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図56(A)に示すように、原則として30秒を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図56(B)に示すように、その30秒を経過する前であっても、第2始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定される可能性がある。この場合、異常入賞の発生が検出されたことにもとづいてセキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)が上書きで書き込まれることになり(ステップS128参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図56(B)に示すように、そのままセキュリティ信号の出力が継続される。ただし、セキュリティ信号情報タイマの値が4分に上書きされたのであるから、この場合、図56(B)に示すように、その始動入賞口14への異常入賞を検出した時点から4分が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続されることになり、実質的にセキュリティ信号の出力が延長されることになる。
また、例えば、第2始動入賞口14への異常入賞を検出したことにもとづいてセキュリティ信号の出力を開始した場合には、図56(A)に示すように、原則として4分を経過するまでセキュリティ信号の出力が継続される筈である。しかし、図56(C)に示すように、その4分を経過する前であっても、第2始動口スイッチ14aの検出数と入賞確認スイッチ14bの検出数との検出誤差が所定値(本例では、10)以上となって、新たに第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定される可能性がある。この場合、新たに異常入賞の発生が検出されたことにもとづいてセキュリティ信号情報タイマに所定時間(本例では、4分)が上書きで書き込まれることになり(ステップS128参照)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1069〜S1074,S1102,S1103の処理が実行されて、図56(C)に示すように、そのままセキュリティ信号の出力が継続される。ただし、セキュリティ信号情報タイマの値が4分に上書きされたのであるから、この場合、図56(C)に示すように、その新たに第2始動入賞口14への異常入賞を検出した時点から4分が経過するまでセキュリティ信号の出力が継続されることになり、実質的にセキュリティ信号の出力が延長されることになる。
なお、既にセキュリティ信号の出力中であるときに第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合に、出力中のセキュリティ信号の出力を終了してから、改めて次のセキュリティ信号の出力を開始するように構成することも考えられるが、この実施の形態では、図56(B)および図56(C)に示すように、出力中のセキュリティ信号の出力時間をそのまま延長することによって、セキュリティ信号の出力処理にかかる処理負担を軽減するとともに、セキュリティ信号の出力処理用のプログラム容量を低減している。すなわち、出力中のセキュリティ信号の出力を終了してから、改めて次のセキュリティ信号の出力を開始するように構成する場合には、セキュリティ信号の出力を終了した後、次のセキュリティ信号の出力を開始するまでのインターバル時間を計測する処理などが必要となり、処理負担が増加するとともにプログラム容量も増加してしまう。これに対して、この実施の形態では、セキュリティ信号情報タイマの値をそのまま上書きするので、セキュリティ信号情報タイマの値をセットする処理のみを行えば(ステップS14a,S128参照)、セキュリティ信号の出力を行うことができ、処理負担の増加やプログラム容量の増加を防止することができる。
次に、大当り3信号の出力タイミングについて説明する。図57は、大当り3信号の出力タイミングを示す説明図である。図57(a)は、突確見せかけ大当り時の大当り3信号の出力タイミングを示す説明図である。図57(b)は、突然確変大当り時の大当り3信号の出力タイミングを示す説明図である。図57(a)に示すように、この実施の形態では、突確見せかけ大当りが発生したときに(ステップS135C参照)、大当り3信号タイマに、突確見せかけ大当りに応じた開放パターンデータにおいて長時間(本例では29.5秒間)開放の制御が開始されるまでの時間に応じた値がセットされ(ステップS136参照)、大当り3信号タイマの値が0となったことにもとづいて(ステップS1044CのY)、情報出力処理(ステップS31参照)でステップS1044A〜S1046,S1102,S1103の処理が実行されて、図57に示すように、ターミナル基板160のコネクタCN5から、ホールコンピュータなどの外部装置に対して大当り3信号が出力される。従って、大当り3信号は、大入賞口が突然確変大当りや小当りと同様な動作態様で動作した後に出力されることになる。よって、大入賞口が突然確変大当り、突確見せかけ大当り、および小当りが同様な動作態様で制御されている間は、大当り3信号が出力されたことによる外部装置の動作にもとづいて、遊技者が、突然確変大当り、突確見せかけ大当り、および小当りのいずれが発生したのかを認識することを防ぐことができる。なお、ホールコンピュータなどの外部装置は、大当り3信号が入力されたことにもとづいて、ランプを点灯させたり、大当り回数を更新したりする。なお、外部装置は、図57(a)に示すタイミングで(つまり、大当り遊技開始のタイミングと比較して遅れたタイミングで)出力された大当り3信号が入力された場合に、大当り回数を更新するように構成されていてもよい。なお、図57(a),(b)に示すように、大当り3信号が出力開始されるときには、突然確変大当りにもとづく大当り遊技が終了しているので、突然確変大当りの発生にもとづいて大当り3信号が出力されることはない。しかし、大当り遊技の開始から大当り3信号が出力開始されるまでの時間を突然確変大当りにもとづく大当り遊技が開始してから終了するまでの時間よりも短い時間に設定して、突然確変大当りの発生にもとづいて大当り3信号が出力されるように構成されていてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図58は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図59は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図18および図19参照)であるのか解析する。
図60〜図64は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS618A)。また、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618B)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
なお、この実施の形態では、ステップS622,S624でセットされる大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、および小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS661)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS663A)。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2留記憶数保存領域に格納する第2留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、共通演出の実行期間中であることを示す共通演出中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS667)。共通演出中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を共通演出用の背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS668)。共通演出中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS669)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS670)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS671)、演出制御用CPU101は、共通演出の実行期間中であることを示す共通演出中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS672)。共通演出中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を共通演出用の背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS673A)。共通演出中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS673B)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグをセットする(ステップS674)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS675)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS676)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS677)。受信した演出制御コマンドが低確高ベース状態背景指定コマンドであれば(ステップS678)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確高ベース状態に応じた背景画面(例えば、紫色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS679)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS680)。
なお、この実施の形態では、ステップS667,S668,S672,S673Aの処理を実行することによって、通常状態背景指定コマンドや確変状態背景指定コマンドを受信したことにもとづいて共通演出フラグの有無を判断して共通演出を実行する場合を示しているが、共通演出の開始タイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられず、例えば、処理の流れを判断して共通演出を開始するようにしてもよい。例えば、大当り遊技を終了するとき(具体的には、後述する大当り終了演出処理を終了するときに)や、小当り遊技を終了するとき(具体的には、後述する演出図柄変動停止処理のステップS8307で設定した小当り演出用のプロセスデータに従って所定の演出期間の演出を終了したとき)に、ステップS668,S673Aと同様の処理に従って演出表示装置9に表示する背景画面を共通演出用の背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する処理を行って、共通演出を開始するようにしてもよい。そのように構成すれば、大当り遊技中や小当り遊技中に新たな保留記憶が発生せず大当り遊技や小当り遊技終了後に直ちに次の変動表示を開始できない場合であっても、大当り遊技や小当り遊技終了後に直ちに共通演出を開始して、確変状態であるか否かを認識不可能とすることができる。
また、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りを契機として共通演出に移行する場合を示したが、このような遊技機にかぎらず、例えば、いわゆる突然時短大当り(極めて少ない回数や短い時間だけ大入賞口の開放が行われる大当りで、大当り遊技の終了後に時短状態に制御される大当り。すなわち、恰も突然に時短状態になったかのように見せる大当り。)にも制御可能に構成されている遊技機において、突然時短大当りとなった場合に、共通演出の実行期間に移行されるようにしてもよい。この場合も、背景指定コマンドの受信を契機に共通演出を開始してもよいし、上記と同様に、その突然時短大当りにもとづく大当り遊技を終了するとき(例えば、大当り終了演出を終了するとき)に、ステップS668,S676と同様の処理に従って演出表示装置9に表示する背景画面を共通演出用の背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する処理を行って、共通演出を開始するようにしてもよい。
また、例えば、いわゆる突然通常大当り(極めて少ない回数や短い時間だけ大入賞口の開放が行われる大当りで、大当り遊技の終了後に通常状態に制御される大当り。すなわち、恰も突然に確変状態や時短状態が終了して通常状態になったかのように見せる大当り。)にも制御可能に構成されている遊技機において、突然通常大当りとなった場合に、共通演出の実行期間に移行されるようにしてもよい。この場合も、背景指定コマンドの受信を契機に共通演出を開始してもよいし、上記と同様に、その突然通常大当りにもとづく大当り遊技を終了するとき(例えば、大当り終了演出を終了するとき)に、ステップS668,S676と同様の処理に従って演出表示装置9に表示する背景画面を共通演出用の背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する処理を行って、共通演出を開始するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグをセットし(ステップS682)、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS683)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS684)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグをセットし(ステップS685)、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS686)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS687)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドに応じた入賞時判定結果(大当りや小当りとなるか否かや、大当り種別の判定結果)を入賞時判定結果記憶バッファに保存する(ステップS688)。そして、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドを受信したことを示す図柄指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS689)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS690)。そして、ステップS611に移行する。
図65は、図58に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、連続予告演出決定処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図66は、連続予告演出決定処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。連続予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り遊技中であるか否かを確認する(ステップS6000)。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理を示す値(具体的には、4〜7)となっているか否かを確認することによって判定できる。大当り遊技中であれば、そのまま処理を終了する。
大当り遊技中でなければ、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6001)。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS6002)、ステップS6003以降の連続予告演出の決定のための処理を実行する。従って、この実施の形態では、新たな始動入賞が発生し図柄指定コマンドを受信したタイミングで、ステップS6001で図柄指定コマンド受信フラグがセットされていることにもとづいて、連続予告演出の決定が行われる。
次いで、演出制御用CPU101は、既に連続予告演出を実行中であることを示す連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6003)。なお、連続予告実行中フラグは、後述するステップS6020においてセットされる。連続予告実行中フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。
なお、ステップS6003の処理が実行されることによって、この実施の形態では、連続予告演出を実行中でないことを条件に連続予告演出の決定処理が実行される。そして、連続予告演出を開始した後には、既に連続予告実行中フラグがセットされていることから、連続予告演出の決定処理を再度実行することなく、既に決定した演出態様で連続予告演出が実行される。なお、「非リーチはずれ」の入賞時判定結果にもとづき連続予告演出を実行しているときにスーパーリーチや大当りとなる始動入賞が発生した場合には、実行中の連続予告演出から切り替えてスーパーリーチや大当りの演出(例えば、リーチ予告や大当り予告)を実行するようにしてもよい。
連続予告実行中フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、保留記憶数の合計値が5以上であるか否かを確認する(ステップS6004)。具体的には、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数との合計値を求め、求めた合計値が5以上であるか否かを判定する。保留記憶数の合計値が5以上であれば、そのまま処理を終了する。すなわち、この実施の形態では、保留記憶数の合計が4以下である場合に連続予告演出の決定処理を行うようにし、保留記憶が5以上溜まっている場合には連続予告演出が実行されないように制限している。なお、ステップS6004の処理は実行しないようにし、保留記憶が5以上溜まっているか否かによって連続予告演出の実行を制限しないようにしてもよい。
保留記憶数の合計値が5以上でなければ、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドが図柄1指定コマンド(コマンドC4000(H):はずれ指定)、図柄2指定コマンド(コマンドC4001(H):15R確変大当り指定)、または図柄3指定コマンド(コマンドC4002(H):15R通常大当り指定)であるか否かを確認する(ステップS6009)。図柄1〜3指定コマンドであれば、ステップS6011に移行する。図柄1〜3指定コマンドでなければ(ステップS6009のN)、つまり、図柄4指定コマンド(コマンドC4003(H):突確見せかけ大当り指定)、図柄5指定コマンド(コマンドC4004(H):突然確変大当り指定)、または図柄6指定コマンド(コマンドC4005(H):小当り指定)であれば、連続予告非実行フラグをセットして(ステップS6010)、ステップS6021に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS6009の処理が実行されることによって、「突確見せかけ大当り」、「突然確変大当り」および「小当り」になる変動表示に対して連続予告演出は実行されない。「突然確変大当り」や「小当り」となる場合には、大入賞口の開放が行われるものの開放時間が極めて短く大入賞口への入賞がほとんど期待できない。そのため、「突然確変大当り」や「小当り」に対しては連続予告演出を実行しないようにすることによって、大入賞口への入賞がほとんど期待できない当りに対して必要以上に期待感を高めることがないようにし、連続予告演出に対する期待感を低下させてしまうことを防止している。
また、連続予告演出の実行の有無によって「突確見せかけ大当り」が発生することを予測困難にする。
演出制御用CPU101は、ステップS6011で、ステップS688で入賞時判定結果記憶バッファに保存した入賞時判定結果を抽出するとともに(ステップS6011)、確変状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6013)。確変状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、連続予告演出の有無および連続予告演出の演出態様を決定するためのテーブルとして連続予告振分テーブルAを選択する(ステップS6014)。確変状態フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、連続予告振分テーブルBを選択する(ステップS6015)。
次いで、演出制御用CPU101は、連続予告演出の演出態様を決定するための連続予告演出態様決定用乱数を抽出する(ステップS6018)。そして、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、抽出した連続予告演出態様決定用乱数の値がステップS6014,S6015で選択した連続予告振分テーブルに含まれるいずれの判定値と合致するかを判定することによって、連続予告演出の実行有無と演出態様とを決定し(ステップS6019)、連続予告実行中フラグをセットする(ステップS6020)。
図67は、連続予告演出の振り分けを示す連続予告振分テーブルの具体例を示す説明図である。現在の遊技状態が通常状態あれば、演出制御用CPU101は、ステップS6014で選択した図67(A)に示す通常状態時の連続予告振分テーブルAを用いて、受信した図柄指定コマンド(より具体的には、ステップS6011で抽出した入賞時判定結果)にもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、連続予告振分テーブルAを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドで「はずれ」となることが示されている場合(具体的には、コマンドC400(H)を受信している場合)には、図67(A)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」または「モード移行」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドで「15R通常大当り」となることが示されている場合(具体的には、コマンドC401(H)を受信している場合)には、図67(A)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドで「15R確変大当り」となることが示されている場合(具体的には、コマンドC402(H)を受信している場合)には、図67(A)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「フラッシュ」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。
なお、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「フラッシュ」および「保留球変化」の各連続予告演出の演出態様の具体的な内容については後述する。
また、現在の遊技状態が確変状態であれば、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、ステップS6014で選択した図67(B)に示す確変状態時の連続予告振分テーブルBを用いて、受信した図柄指定コマンドにもとづいて、連続予告演出の演出態様を決定する。この実施の形態では、連続予告振分テーブルBを用いる場合、例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドで「はずれ」となることが示されている場合(具体的には、コマンドC400(H)を受信している場合)には、図67(B)に示すように、いずれの演出態様の連続予告演出に対しても割り振りがなく、連続予告を実行しないことに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドで「15R通常大当り」となることが示されている場合(具体的には、コマンドC401(H)を受信している場合)には、図67(B)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。また、例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドで「15R確変大当り」となることが示されている場合(具体的には、コマンドC402(H)を受信している場合)には、図67(A)に示すように、「図柄変動時の変動形態の変化」、「フラッシュ」または「保留球変化」のいずれかの演出態様の連続予告演出を実行することに決定する。
なお、連続予告振分テーブルA,Bに振り分けがないことにより連続予告演出を実行しないことに決定された場合には、後述するステップS6020,S6021の処理を実行しないように制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、現在の保留記憶数を変動回数カウンタにセットする(ステップS6021)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と第2保留記憶数格納領域に格納されている第2保留記憶数との合計値を求め、求めた合計値を変動回数カウンタにセットする。なお、変動回数カウンタは、連続予告演出の判定対象となった変動表示が開始されるまでに実行される変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。なお、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に連続予告演出の実行の決定が行われてステップS6021で変動回数カウンタがセットされた場合には、まず、その実行中の変動表示の終了時に変動回数カウンタの値が1減算されて(ステップS8316参照)、結果として、入賞時判定の対象となった変動表示の1つ前の変動表示までで変動回数カウンタの値が0となり連続予告演出が終了する。なお、ステップS6021において、演出図柄の変動表示中でない場合には、演出制御用CPU101は、現在の保留記憶数から1減算した値を変動回数カウンタにセットするようにすることが望ましい。そのように構成すれば、必ず入賞時判定の対象となった変動表示の1つ前の変動表示までで連続予告演出が終了するようにすることができ、入賞時判定の対象となった変動表示において連続予告演出とスーパーリーチの演出との両方が実行されて、演出が慌ただしく不自然になることを防止することができる。
図68は、図65に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、上述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図68に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図65は、図69に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、「図柄変動時の変動形態の変化」の演出態様の連続演出を実行すると決定されている場合には、演出図柄の停止図柄として、いわゆるチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)を決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図70は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図70に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「15R通常大当り」(15R大当り)を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが「突確見せかけ大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンド、表示結果5指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび予告演出(連続予告演出)を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8003)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図71は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図71に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、連続予告演出を実行することに決定され、連続予告実行中フラグがセットされている場合には、ステップS8003において連続予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、例えば、擬似連の演出や予告演出を実行する際に、モータを駆動させることによって可動部材や演出用羽根役物を可動させる演出が行われる。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。次いで、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(今回実行する変動表示に対応する入賞時判定結果(図柄指定コマンド))を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS8007)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図72は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
次いで、演出制御用CPU101は、連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8106)。連続予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS6019の連続予告演出態様決定処理で決定した演出態様に従って、「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「フラッシュ」または「保留球変化」のいずれかの演出態様で連続予告演出を実行する制御を行う(ステップS8107)。なお、連続予告演出を実行することに決定されている場合、具体的には、演出図柄の変動開始後、あらかじめ定められた時間が経過したタイミングで、対応する演出態様で連続予告演出が実行される。また、連続予告演出を実行する場合、その連続予告演出を実行するタイミングでステップS8106においてYと判定され、ステップS8107の処理が実行される。そして、連続予告演出を終了するまでステップS8106で繰り返しYと判定され、ステップS8107の処理が実行される。
なお、演出制御用CPU101は、通常予告演出を含むプロセステーブルにもとづいて演出を進行させているときには、プロセステーブルに設定されているデータにもとづいて演出制御を実行することによって通常予告演出を実行することになる。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8108)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8109)。
図73は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8315に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御の実行を開始する。
演出制御用CPU101は、突然確変大当りまたは小当りであり(ステップS8309のY)、確変状態フラグおよび時短状態フラグがセットされていなければ(ステップS8310のN、S8311のN)、共通演出フラグをセットする(ステップS8312)。突然確変大当りおよび小当りでなければ(ステップS8313のN)、セットされていれば共通演出フラグをリセットし(ステップS8313)、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされていなければ(ステップS8310のY、またはS8311のY)、ステップS8314に移行する。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS8314)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、連続予告非実行フラグまたは連続予告実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8315)。連続予告非実行フラグまたは連続予告実行中フラグがセットされていれば(ステップS8315のY)、変動回数カウンタの値を1減算し(ステップS8316)、減算後の変動回数カウンタの値が0であれば(ステップS8317のY)、連続予告非実行フラグまたは連続予告実行中フラグをリセットする(ステップS8318)。
次いで、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8319)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグ、表示結果指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図68のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8320)。
図74〜図77に、本実施の形態の変形例を示す。以上に述べた実施の形態では、ステップS136の処理でセットし、ステップS1045の処理で減算する大当り3信号タイマの値にもとづくタイミングで大当り3信号を出力開始していた。それに対して本変形例では、ステップS135C〜S136,S1044A〜S1045の処理に代えて、以下の処理を行う。
図74は、大入賞口開放前処理の変形例を示すフローチャートである。本変形例では、大入賞口開放前処理におけるステップS1408の処理でセットされた開閉時間タイマの値が長時間(本例では、29.5秒間)に応じた値である場合に(ステップS1408AのY)、大当り3信号出力フラグをセットする(ステップS1408B)。15R通常大当りまたは15R確変大当りにもとづく大当り遊技が開始されるときに、ステップS1408Bの処理で、大当り3信号出力フラグがセットされる。
図75,76は、大入賞口開放中処理の変形例を示すフローチャートである。本変形例では、大入賞口開放中処理におけるステップS1459の処理でセットされた開閉時間タイマの値が長時間(本例では、29.5秒間)に応じた値である場合に(ステップS1459AのY)、大当り3信号出力フラグをセットする(ステップS1459B)。突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技中において、大入賞口の長時間開放を開始するときに、ステップS1408Bの処理で、大当り3信号出力フラグがセットされる。なお、ステップS1059Aの処理で、ステップS1459の処理でセットされた開閉時間タイマの値が長時間に応じた値となる前に大入賞口に10個の遊技球が入賞したときに、ステップS1059Bの処理に移行してもよい。
そして、大当り3信号出力フラグは、大当り遊技中の大入賞口の開放制御が終了したときにリセットされる(ステップS1471A)。
図77は、情報出力処理の変形例を示すフローチャートである。本変形例では、大当りの種別が突然確変大当りでない場合であって(ステップS1044DのN)、つまり、大当りの種別が15R通常大当り、15R確変大当り、または突確見せかけ大当りである場合であって、大当り3信号出力フラグがセットされている場合に(ステップS1044GのY)、ステップS1046に移行し、大当り3信号が出力されることになる。大当りの種別が突然確変大当りである場合には(ステップS1044DのY)、高ベース突確フラグがセットされているときであって(ステップS1044EのY)、特別図柄プロセスフラグの値が7であるとき(つまり、突然確変大当りにもとづく大当り遊技が終了するとき)に(ステップS1044FのY)、ステップS1046に移行し、大当り3信号が出力されることになる。なお、突然確変大当りが発生した場合には、大当り3信号が出力されないように構成されていてもよい。
次に、連続予告演出の演出態様の具体例について説明する。図78〜図81は、連続予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図78は、「図柄変動時の変動形態の変化」の連続予告演出の演出態様の具体例を示す。また、図79は、「モード移行」の連続予告演出の演出態様の具体例を示す。また、図80は、「フラッシュ」の連続予告演出の演出態様の具体例を示す。また、図81は、「保留球変化」の連続予告演出の演出態様の具体例を示す。なお、図78〜図81において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。また、図78〜図81に示す例では、第1始動入賞口13への始動入賞に対して入賞時判定を行い、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに連続予告演出を行う場合を示しているが、第2始動入賞口14への始動入賞に対して入賞時判定を行い、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに連続予告演出を行う場合も同様の演出態様で連続予告演出が実行される。
まず、図78を参照して「図柄変動時の変動形態の変化」の連続予告演出の演出態様の具体例を説明する。図78に示す例では、まず、図78(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図78(2)に示すように第1始動入賞口13に始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS216A参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS217A参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数加算指定コマンドを送信し(ステップS218A参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図78(2)に示すように、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドにもとづいて、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1増やす(ステップS653参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドを受信したことにもとづいて、連続予告演出の実行を決定するとともに連続予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、図78(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図78(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図78(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図78(4)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の停止図柄としてチャンス目図柄を決定する。そして、図78(5)に示すように、変動時間が終了してチャンス目図柄を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図78(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図78(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図78(6)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の停止図柄としてチャンス目図柄を決定する。また、図78(6)に示すように、演出図柄の変動開始時に演出表示装置9の表示画面の上方においてフラッシュが光るような態様の表示を行うなど所定演出を行う(ステップS8107参照)。なお、演出図柄の変動開始時に行う所定演出は、図78に示す態様のものにかぎらず、例えば、演出表示装置9の上方、下方または側方に設けられた可動部材(例えば、キャラクタなどを模した形状の可動物)を変動開始時に可動させたり、変動開始時に所定のランプの点灯または点滅表示を行ったりしてもよい。また、例えば、演出図柄の変動開始時に図柄の変動の開始のさせ方を通常と異ならせてもよい。例えば、左中右の演出図柄を通常は同時に変動開始させているものを左中右の演出図柄の変動をそれぞれ異なるタイミングで開始させたり、一度上方向(または下方向)に変動を開始するように見せて下方向(または上方向)に変動を開始させたりするようにしてもよい。また、逆に、図78(5)において図柄の変動の停止のさせ方を通常と異ならせてもよい。例えば、通常は左、右、中の順に図柄を停止させているのを左、中、右の順に図柄を停止させるなど図柄の停止順などを通常と異ならせてもよい。
そして、図78(7)に示すように、演出図柄の変動表示を実行し(ステップS8105参照)、図78(8)に示すように、変動時間が終了してチャンス目図柄を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図78(6)(7)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図78(8)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図78(9)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告演出の演出態様として「図柄変動時の変動形態の変化」が決定されていることにもとづいて、演出図柄の停止図柄としてチャンス目図柄を決定する。また、図78(9)に示すように、演出図柄の変動開始時に演出表示装置9の表示画面の上方においてフラッシュが光るような態様の表示を行うなど所定演出を行う(ステップS8107参照)。なお、図78(9)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。
以降、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で連続予告演出が実行される。なお、さらに、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示を実行する際にも同様の演出態様の予告演出を実行するようにしてもよい。
また、図78に示すように、演出図柄の変動表示の実行中には、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいても第4図柄の変動表示が実行され、演出図柄の停止図柄が停止表示されると、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいても第4図柄の停止図柄が停止表示される。そして、次の変動表示が開始されるまで第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいても第4図柄の停止図柄が継続して表示されたままの状態となる。従って、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cには、常に第4図柄の変動表示がされているか、もしくは第4図柄の停止図柄が停止表示されている。なお、このことは、以下に示す図78〜図81の演出態様で連続予告演出を実行する場合も同様である。また、大当り遊技状態に移行している場合には、第4図柄表示領域における表示を行わないようにしてもよい。
次に、図79を参照して「モード移行」の連続予告演出の演出態様の具体例を説明する。図79に示す例では、まず、図79(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図79(2)に示すように第1始動入賞口13に始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS216A参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS217A参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数加算指定コマンドを送信し(ステップS218A参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図79(2)に示すように、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドにもとづいて、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1増やす(ステップS653参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、連続予告演出の実行を決定するとともに連続予告演出の演出態様として「モード移行」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、図79(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図79(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図79(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図79(4)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告演出の演出態様として「モード移行」が決定されていることにもとづいて、図79(4)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において現在表示されている背景画面の側方から別の背景画面が割り込んできて2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出(例えば、海の背景画面と山の背景画面とがせめぎあうような態様の演出)を実行する(ステップS8107参照)。そして、変動時間が終了して、図79(5)に示すように、最終的に元の背景画面に押し戻されるような態様の演出が実行され(ステップS8107参照)、最終停止図柄(図79(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図79(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図79(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図79(6)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様として「モード移行」が決定されていることにもとづいて、図79(6)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において現在表示されている背景画面の側方から別の背景画面が割り込んできて2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出(例えば、海の背景画面と山の背景画面とがせめぎあうような態様の演出)を実行する(ステップS8107参照)。そして、変動時間が終了して、図79(7)に示すように、最終的に元の背景画面に押し戻されるような態様の演出が実行され(ステップS8107参照)、最終停止図柄(図79(7)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図79(6)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図79(7)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図79(8)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様として「モード移行」が決定されていることにもとづいて、図79(8)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の表示画面において現在表示されている背景画面の側方から別の背景画面が割り込んできて2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出(例えば、海の背景画面と山の背景画面とがせめぎあうような態様の演出)を実行する(ステップS8107参照)。そして、変動時間が終了して、図79(9)に示すように、最終的に元の背景画面に押し戻されるような態様の演出が実行され(ステップS8107参照)、最終停止図柄(図79(9)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図79(8)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図79(9)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
以上の態様で、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で連続予告演出が実行される。なお、さらに、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示を実行する際にも同様の演出態様の予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示の表示結果が「大当り」となる場合には、例えば、2つの背景画面がせめぎあうような態様の演出を行った後に、最終的に側方から割り込んできた方の背景画面が勝って背景画面が切り替わるとともに、最終停止図柄として大当り図柄を停止表示するようにしてもよい。また、「モード移行」の連続予告演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、変動表示ごとに変動終了時に元の背景画面に押し戻されるようにするのではなく、変動表示ごとに背景画面が変化していく態様の演出を実行するようにしてもよい。
次に、図80を参照して「フラッシュ」の連続予告演出の演出態様の具体例を説明する。図80に示す例では、まず、図80(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図80(2)に示すように第1始動入賞口13に始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS216A参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS217A参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数加算指定コマンドを送信し(ステップS218A参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図80(2)に示すように、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドにもとづいて、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1増やす(ステップS653参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、連続予告演出の実行を決定するとともに連続予告演出の演出態様として「フラッシュ」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、図80(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図80(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図80(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図80(4)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告演出の演出態様として「フラッシュ」が決定されていることにもとづいて、図80(4)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の左上方に配置されたフラッシュ用ランプ110を短時間フラッシュさせるような態様で点灯表示する演出を実行する(ステップS8107参照)。なお、フラッシュ用ランプ110を点灯表示するとともに、例えば、蝶などのキャラクタを登場させるなどの演出を行うようにしてもよい。そして、変動時間が終了して、図80(5)に示すように、最終停止図柄(図80(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図80(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図80(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図80(6)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様として「フラッシュ」が決定されていることにもとづいて、図80(6)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の左上方に配置されたフラッシュ用ランプ110を短時間フラッシュさせるような態様で点灯表示する演出を実行する(ステップS8107参照)。なお、フラッシュ用ランプ110を点灯表示するとともに、例えば、蝶などのキャラクタを登場させるなどの演出を行うようにしてもよい。そして、変動時間が終了して、図80(7)に示すように、最終停止図柄(図80(7)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図80(6)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図80(7)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図80(8)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様として「フラッシュ」が決定されていることにもとづいて、図80(8)に示すように、演出図柄の変動表示中に、演出表示装置9の左上方に配置されたフラッシュ用ランプ110を短時間フラッシュさせるような態様で点灯表示する演出を実行する(ステップS8107参照)。なお、フラッシュ用ランプ110を点灯表示するとともに、例えば、蝶などのキャラクタを登場させるなどの演出を行うようにしてもよい。なお、図80(8)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。
以上の態様で、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で連続予告演出が実行される。
なお、図80に示した「フラッシュ」の演出態様の予告演出は、例えば、大当りとなることが確定している場合にのみ実行するようにしてもよく、この場合、複数の変動表示において連続して実行するのではなく、特定の変動表示中に1回のみ実行するようにしてもよい。また、通常用の連続予告演出の演出態様としては選択されないようにし、例えば、大当り遊技中または大当り終了後1回目〜4回目の変動表示においてのみ実行するようにしてもよい。
次に、図81を参照して「保留球変化」の連続予告演出の演出態様の具体例を説明する。図81に示す例では、まず、図81(1)に示すように第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行しているときに、図81(2)に示すように第1始動入賞口13に始動入賞があったものとする。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、新たに始動入賞があったことにもとづいて入賞時演出処理を実行する(ステップS216A参照)。そして、入賞時判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS218A参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1保留記憶数加算指定コマンドを送信し(ステップS218A参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図81(2)に示すように、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドにもとづいて、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1増やす(ステップS653参照)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて、連続予告演出の実行を決定するとともに連続予告演出の演出態様として「保留球変化」を決定したものとする(ステップS800A参照)。そして、図81(3)に示すように、変動時間が終了してはずれ図柄を停止表示したものとする(ステップS8302参照)。なお、図81(1)(2)に示すように、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示も実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図81(3)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図81(4)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS656参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告演出の演出態様として「保留球変化」が決定されていることにもとづいて、図81(4)に示すように、演出図柄の変動表示中に、第1保留記憶表示部18cにおいて入賞時判定の対象となった第1保留記憶数の表示を通常とは異なる態様の表示(図81(4)に示す例では星形表示)に変更する(ステップS8107参照)。なお、図81に示す例では、入賞時判定を行った後、次に開始される変動表示時から「保留球変化」の演出態様の連続予告演出を開始する場合を示しているが、入賞時判定結果指定コマンドを受信したときに(始動入賞が発生したタイミングで)、入賞時判定の対象となった第1保留記憶数の表示を通常とは異なる態様の表示に変更して連続予告演出を開始するようにしてもよい。そして、変動時間が終了して、図81(5)に示すように、最終停止図柄(図81(5)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図81(5)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおいて入賞時判定の対象となった第1保留記憶数の表示については、継続して通常とは異なる態様の表示(図81(5)に示す例では星形表示)とする。なお、図81(4)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図81(5)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図81(6)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様として「保留球変化」が決定されていることにもとづいて、図81(6)に示すように、演出図柄の変動表示中に、第1保留記憶表示部18cにおいて入賞時判定の対象となった第1保留記憶数の表示を通常とは異なる態様の表示(図81(6)に示す例では星形表示)を継続する(ステップS8107参照)。そして、変動時間が終了して、図81(7)に示すように、最終停止図柄(図81(7)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図81(7)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおいて入賞時判定の対象となった第1保留記憶数の表示については、継続して通常とは異なる態様の表示(図81(7)に示す例では星形表示)とする。なお、図81(6)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図81(7)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信して、図81(8)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を1減らし(ステップS659参照)、次の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出態様として「保留球変化」が決定されていることにもとづいて、図81(8)に示すように、演出図柄の変動表示中に、第1保留記憶表示部18cにおいて入賞時判定の対象となった第1保留記憶数の表示を通常とは異なる態様の表示(図81(8)に示す例では星形表示)を継続する(ステップS8107参照)。そして、変動時間が終了して、図81(9)に示すように、最終停止図柄(図81(9)でははずれ図柄)を停止表示する(ステップS8302参照)。なお、図81(9)に示すように、第1保留記憶表示部18cにおいて入賞時判定の対象となった第1保留記憶数の表示については、継続して通常とは異なる態様の表示(図81(9)に示す例では星形表示)とする。なお、図81(8)に示す場合も、演出図柄の変動表示中には第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の変動表示が実行される。そして、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、図81(9)に示すように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて第4図柄の停止図柄が停止表示される。
以上の態様で、入賞時判定の対象となった始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまで、同様の演出態様で連続予告演出が実行される。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、大当りの種別を遊技機の外部に出力される信号(具体的には、大当り3信号)を遅延させて出力させ、当該信号にもとづいて大当りの種別を遊技者に早期に認識されることを防ぐことができる。また、電力供給開始時には、高確率信号が遊技機の外部に出力されるので、遊技機の初期化を行う場合の作業負担を軽減して、遊技店における遊技機運用上の不都合を回避するとともに、電源投入時に遊技を開始する遊技者に遊技状態を認識させることができる。
また、入賞時の判定処理で、突然確変大当りまたは小当りが発生すると判定されたときには、連続予告演出を実行しないように構成されているので、遊技機の外部に出力される信号にもとづいて遊技者に大当りの種別を早期に認識されるのを防止しているのにも関わらず、連続予告演出で大当りの種別が早期に認識されるという事態を防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、突確見せかけ大当りにもとづく大当り遊技のラウンド1においても、入賞が期待できる程度の時間大入賞口を開放制御しているので、15R通常大当りや15R確変大当りにもとづく大当り遊技に比べて、遊技球が入賞するラウンドが減少することを防ぐことができる。
本実施形態によれば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにもとづいて払出制御用マイクロコンピュータ370に入賞信号が出力されるように構成されているので、遊技機の制御負担を増加させることなく、所定の払出条件が成立したときの遊技状態を外部で正確に把握することができる。
また、本実施形態によれば、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にセキュリティ信号が所定期間ホールコンピュータなどの外部装置に出力されるように構成されているので、遊技機の電源投入時に行われる不正行為を防止することができる。
なお、大当り遊技の終了後に時短状態に移行する大当りにもとづく大当り遊技中および時短状態に制御されているときに、大当り4信号が出力されるように構成されていてもよい。なお、大当り4信号は、大当り3信号と同様に、出力されるタイミングが大当りの種別に応じて遅延されることが望ましい。
なお、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に適用することに限られず、所定個数の遊技球を遊技機に封入して循環させ、入賞球の検出に応じて得点を付与する封入式遊技機にも適用可能である。