JP2013175871A - コンデンサマイクロホンユニット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定極2に対し所定の間隙を空けて振動板11が張架され、前記振動板と前記固定極との間の静電容量の変化を電圧変化として取り出すコンデンサマイクロホンユニット1であって、前記固定極は、その面に設けられた複数の音孔2aを有し、前記複数の音孔のうち、少なくとも一部の音孔における前記振動板側の縁部3は曲面に形成されている。
【選択図】図1
Description
また、図5に拡大して示すように、振動板11は、PETなどのプラスチックフィルム11aに金属層11bを蒸着して形成されている。
このように構成することにより、振動板が大きく変位して固定極に接触、或いは接近しても、曲面に形成された音孔縁部で生じる電界が小さくなり、火花放電の発生を抑制することができる。その結果、振動板の損傷を防止することができる。
このように、振動板が大きく変位して電界が高まりやすい固定極の中央領域では、音孔の縁部は大きい曲率半径で曲面形成されているため、生じる電界が小さくなり、火花放電の発生を抑制することができる。
一方、振動板の変位が小さく電界が変化しにくい固定極の周縁部では、音孔の縁部は小さい曲率半径の曲面であっても十分に火花放電の発生を抑制することができる。
また、このように固定極の周縁部側では、音孔縁部の曲率半径を小さくする(或いは、曲面形成しない)ことにより、振動板との対向面積を大きく確保することができる。その結果、有効静電容量が大きくなり、固有雑音を抑制することができる。
このような方法により製造されたコンデンサマイクロホンユニットによれば、振動板が大きく変位して固定極に接触、或いは接近しても、曲面に形成された音孔縁部で生じる電界が小さくなり、火花放電の発生を抑制することができる。その結果、振動板の損傷を防止することができる。
このような方法によれば、前記音孔の縁部を曲面に形成することができる。
或いは、前記複数の音孔が形成された固定極の周縁部に対する研磨材の噴射時間よりも、前記固定極の中央側に対する研磨材の噴射時間が長くなるようにサンドブラスト加工を施してもよい。
このような方法によれば、前記固定極の中央側に設けられた前記音孔の縁部における曲面の曲率半径が、前記固定極の周縁部側に設けられた前記音孔の縁部における曲率半径よりも大きい形状とすることができる。
即ち、振動板が大きく変位して電界が高まりやすい固定極の中央側においてのみ、音孔縁部を曲面に形成するようにしてもよい。
また、前記のように固定極の周縁部側では、音孔縁部の曲率半径を小さくする(或いは、曲面形成しない)ことにより、振動板との対向面積を大きく確保することができる。その結果、有効静電容量が大きくなり、固有雑音を抑制することができる。
尚、図1において、先に図3乃至図5に示した従来の構成と同一の部材、若しくは相当する部材については同じ符号で示している。
このように音孔2aの縁部3が曲面である場合、そこで生じる電界は低くなるため、振動板11が固定極2に接触(または接近)したとしても、それらの間で火花放電の発生を抑制することができ、振動板11の損傷を防止することができる。
また、前記のように固定極2の周縁部側では、音孔縁部3の曲率半径を小さくする(或いは、曲面形成しない)ことにより、振動板11との対向面積を大きく確保することができる。その結果、有効静電容量が大きくなり、固有雑音を抑制することができる。
先ず、従来(図3,図4)と同様に、略円板状の固定極2を、銅合金(例えば真鍮)を材料として機械加工により形成する(図2のステップS1)。このとき、複数の音孔2aも機械加工により穿設する。
一方、振動板11の変位が小さく電界が変化しにくい固定極2の周縁部では、音孔2aの縁部3は小さい曲率半径の曲面であっても十分に火花放電の発生を抑制することができる。
即ち、本発明に係るコンデンサマイクロホンユニット1によれば、振動板11と固定極2との間の火花放電の発生を抑制し振動板の損傷を防止することができる。
更には、固定極2の周縁部側において音孔縁部3の曲率半径を小さくする(或いは、曲面形成しない)ことにより、振動板11との対向面積が大きく確保され、それによって、有効静電容量が大きくなり、固有雑音を抑制することができる。
しかしながら、本発明にあっては、その形態に限定されるものではない。
例えば、固定極2の周縁部に対する研磨材の噴射時間よりも中央側に対する研磨材の噴射時間が長くなるようにサンドブラスト加工を施し、それにより固定極2の周縁部よりも中央側の音孔2aの縁部3をより大きい曲率半径で曲面加工してもよい。
その場合、例えば、固定極2の周縁部にはサンドブラスト加工を施さないようにすればよい。
2 固定極
2a 音孔
3 縁部
11 振動板
11a プラスチックフィルム
11b 金属層
Claims (7)
- 固定極に対し所定の間隙を空けて振動板が張架され、前記振動板と前記固定極との間の静電容量の変化を電圧変化として取り出すコンデンサマイクロホンユニットであって、
前記固定極は、その面に設けられた複数の音孔を有し、
前記複数の音孔のうち、少なくとも一部の音孔における前記振動板側の縁部は曲面に形成されていることを特徴とするコンデンサマイクロホンユニット。 - 前記固定極の中央側に設けられた前記音孔の縁部における曲面の曲率半径は、前記固定極の周縁部側に設けられた前記音孔の縁部における曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載されたコンデンサマイクロホンユニット。
- 固定極に対し所定の間隙を空けて振動板が張架され、前記振動板と前記固定極との間の静電容量の変化を電圧変化として取り出すコンデンサマイクロホンユニットの製造方法であって、
前記固定極に複数の音孔を形成するステップと、
前記複数の音孔のうち、少なくとも一部の音孔における前記振動板側の縁部に曲面加工を施すステップとを含むことを特徴とするコンデンサマイクロホンユニットの製造方法。 - 前記複数の音孔のうち、少なくとも一部の音孔における前記振動板側の縁部に曲面加工を施すステップにおいて、
少なくとも、前記複数の音孔が形成された固定極の中央側に対し研磨材を噴射するサンドブラスト加工を施すことを特徴とする請求項3に記載されたコンデンサマイクロホンユニットの製造方法。 - 前記複数の音孔が形成された固定極の周縁部に対する研磨材の噴射圧よりも、前記固定極の中央側に対する研磨材の噴射圧が高くなるようにサンドブラスト加工を施すことを特徴とする請求項4に記載されたコンデンサマイクロホンユニットの製造方法。
- 前記複数の音孔が形成された固定極の周縁部に対する研磨材の噴射時間よりも、前記固定極の中央側に対する研磨材の噴射時間が長くなるようにサンドブラスト加工を施すことを特徴とする請求項4に記載されたコンデンサマイクロホンユニットの製造方法。
- 前記複数の音孔が形成された固定極の周縁部に対しては研磨材を噴射しないことを特徴とする請求項4に記載されたコンデンサマイクロホンユニットの製造方法。
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