JP2013175808A - アンテナ装置及び船舶 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナの装備空間を縮小することができ、レーダ反射断面積(RCS)を低減することができる、アンテナ装置及び船舶を提供する。
【解決手段】周波数選択層を有し電波を選択的に透過するレドーム2と、レドーム2内に配置されるアンテナ3と、を有し、アンテナ3は、レドーム2の底部を構成する支持台4に立設された支柱31と、支柱31の上部に配置されるディスコーンアンテナ32と、ディスコーンアンテナ32の下部に配置されるプリントダイポールアンテナ33と、を有する。プリントダイポールアンテナ33は、ディスコーンアンテナ32の下部に配置される第一プリントダイポールアンテナ33aと、支持台4の上部に配置される第二プリントダイポールアンテナ33bと、を有し、第二プリントダイポールアンテナ33bは、第一プリントダイポールアンテナ33aよりも狭帯域のアンテナである。
【選択図】図1
【解決手段】周波数選択層を有し電波を選択的に透過するレドーム2と、レドーム2内に配置されるアンテナ3と、を有し、アンテナ3は、レドーム2の底部を構成する支持台4に立設された支柱31と、支柱31の上部に配置されるディスコーンアンテナ32と、ディスコーンアンテナ32の下部に配置されるプリントダイポールアンテナ33と、を有する。プリントダイポールアンテナ33は、ディスコーンアンテナ32の下部に配置される第一プリントダイポールアンテナ33aと、支持台4の上部に配置される第二プリントダイポールアンテナ33bと、を有し、第二プリントダイポールアンテナ33bは、第一プリントダイポールアンテナ33aよりも狭帯域のアンテナである。
【選択図】図1
Description
本発明は、アンテナ装置及び船舶に関し、特に、複数のアンテナを統合してユニット化したアンテナ装置及び該アンテナ装置を備えた船舶に関する。
地上や海上を移動する移動体(車両、船舶、航空機等)では、自身の位置や進路を確認したり、地上局や他の移動体と交信したりするために、種々のアンテナ(空中線)を備えている。一般に、アンテナは、障害物が少ない見晴らしのよい位置に配置され、船舶では、デッキやブリッジ上に配置されることが多く、特に、ブリッジ上に立設されたマストに複数のアンテナが配置されることが多い。
例えば、上述した移動体では、タカン(TACAN:Tactical Air Navigation)、電波探知装置(ESM:Electronic Support Measures)、無線通信装置(UHF、VHF等)、ヘリコプター用データリンク装置、味方識別装置(IFF:Identification Friend or Foe)、戦術データリンク装置、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)等の種々のアンテナが配置される。
これらのアンテナは、従来から暴露部に配置されてきたが、近年、耐候性やステルス性の観点から、周波数選択特性を有するカバー(レドーム)で覆うことが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。なお、周波数選択特性とは、特定の周波数の電波を透過し、それ以外の電波を反射する特性を意味する。
例えば、特許文献1には、周波数選択層を有するレドーム内にアンテナを配置したことが開示されている。また、特許文献2には、周波数選択板により構成されたレドーム内に複数のレーダアンテナを個別に配置したことが開示されている。
しかしながら、上述した特許文献1や特許文献2に開示されたように、アンテナを個別にレドーム内に配置したり、複数のアンテナをそのままレドーム内に複数の階層に分けて配置したりした場合には、従来のアンテナの装備空間の外周にレドームが配置されることから、アンテナの装備空間が増大してしまうという問題があった。特に、移動体では装備空間に限界があることから、寧ろアンテナの装備空間を縮小したいという要求がある。
また、特許文献2に記載されたように、アンテナを複数の階層に分けて配置した場合には、階層を仕切る床材(水平板)が必要になり、レドーム内にアンテナを配置してレーダ反射断面積(RCS:Radar cross-section)を低減することができる一方で、床材(水平板)の反射によってアンテナパターン(放射特性を図示したもの)が乱れてしまい、アンテナ性能が劣化してしまうという問題もある。
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、アンテナの装備空間を縮小することができ、レーダ反射断面積(RCS)を低減することができる、アンテナ装置及び船舶を提供することを目的とする。
本発明によれば、周波数選択層を有し電波を選択的に透過するレドームと、該レドーム内に配置されるアンテナと、を有するアンテナ装置において、前記アンテナは、前記レドームの底部を構成する支持台に立設された支柱と、該支柱の上部に配置されるディスコーンアンテナと、該ディスコーンアンテナの下部に配置されるプリントダイポールアンテナと、を有することを特徴とするアンテナ装置が提供される。
また、本発明によれば、地上局又は自船以外の移動体と通信可能なアンテナ装置を備えた船舶において、前記アンテナ装置は、周波数選択層を有し電波を選択的に透過するレドームと、該レドーム内に配置されるアンテナと、を有し、前記アンテナは、前記レドームの底部を構成する支持台に立設された支柱と、該支柱の上部に配置されるディスコーンアンテナと、該ディスコーンアンテナの下部に配置されるプリントダイポールアンテナと、を有することを特徴とする船舶が提供される。
上述したアンテナ装置及び船舶において、前記ディスコーンアンテナは、無線通信用アンテナであってもよいし、前記プリントダイポールアンテナは、戦術データリンク用アンテナ、味方識別装置用アンテナ又はこれらの両方を含むアンテナであってもよい。
さらに、前記無線通信用アンテナは、UHFアンテナ、VHFアンテナ又はこれらの両方を含むアンテナであってもよいし、前記戦術データリンク用アンテナは、リンク16用アンテナであってもよい。なお、「リンク16」とは、北大西洋条約で用いられるデータリンクのフォーマットの一つである。
また、前記プリントダイポールアンテナは、前記ディスコーンアンテナの下部に配置される第一プリントダイポールアンテナと、前記支持台の上部に配置される第二プリントダイポールアンテナと、を有し、前記第二プリントダイポールアンテナは、前記第一プリントダイポールアンテナよりも狭帯域のアンテナであってもよい。
さらに、前記第一プリントダイポールアンテナは、戦術データリンク用アンテナであってもよいし、前記第二プリントダイポールアンテナは、味方識別装置用アンテナであってもよい。
上述した本発明に係るアンテナ装置及び船舶によれば、末広がりで中空部を有するディスコーンアンテナの下部にプリントダイポールアンテナを配置することにより、レドーム内の空間を有効利用しつつ、異なる通信を処理する複数のアンテナをコンパクトに統合することができる。したがって、アンテナの装備空間を縮小することができ、レーダ反射断面積(RCS)を低減することができ、ステルス性を向上させることができる。
また、従来、暴露部に配置されていた複数のアンテナを、ディスコーンアンテナ又はプリントダイポールアンテナとしてレドーム内の支柱に配置したことにより、水平板(床材)の使用量を低減することができ、アンテナパターンの乱れを抑制することができる。特に、ディスコーンアンテナと水平板(床材)との距離を十分に確保することができ、アンテナ性能の劣化を抑制することができる。
また、レドーム内にアンテナを配置することによって耐候性を向上させることができ、アンテナとしてプリント基板により構成されるプリントダイポールアンテナを使用することができ、アンテナの小型化、軽量化及び設計の容易化を図ることができ、アンテナの装備空間を容易に縮小することができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図5を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係るアンテナ装置を示す全体外観図である。
本発明の第一実施形態に係るアンテナ装置1は、図1に示したように、周波数選択層を有し電波を選択的に透過するレドーム2と、レドーム2内に配置されるアンテナ3と、を有し、アンテナ3は、レドーム2の底部を構成する支持台4に立設された支柱31と、支柱31の上部に配置されるディスコーンアンテナ32と、ディスコーンアンテナ32の下部に配置されるプリントダイポールアンテナ33と、を有している。
前記アンテナ装置1は、異なる通信を処理する複数のアンテナのうち、少なくとも一つのアンテナをディスコーンアンテナ32とし、少なくとも一つのアンテナをプリントダイポールアンテナ33として統合し、複数のアンテナをユニット化してアンテナ装置1の小型化を図り、アンテナ3の装備空間を縮小しようとするものである。
例えば、タカン、電波探知装置、無線通信装置、ヘリコプター用データリンク装置、味方識別装置、戦術データリンク装置、全地球測位システム等の種々のアンテナを有する移動体にアンテナ装置1を配置する場合には、従来、比較的高所に配置されていたアンテナをレドーム2内に収容されるアンテナ3として選択することにより、レーダに探知され易かったアンテナを、周波数選択特性を有するレドーム2内に収容することができ、レーダ反射断面積(RCS)を容易に低減することができる。
前記レドーム2は、例えば、図1において一点鎖線で示したように、円錐台形状を有するカバーであり、外周面に特定の電波のみを透過させ、それ以外の電波を反射する周波数選択層を有している。周波数選択層は、レドーム2の外形を周波数選択板で構成することによって形成してもよいし、レドーム2の外形を構成する積層体の一部に周波数選択層を配置することによって形成してもよい。かかる周波数選択層は、従来技術と同様にして形成することができ、レドーム2内に収容されるアンテナ3の種類(周波数特性)によって、適宜設計されるものである。レドーム2は、例えば、アンテナ3及び支持台4の全体を覆うことができる大きさに設定される。なお、レドーム2は、円錐台形状に限定されるものではなく、円錐形状であってもよい。
前記支持台4は、アンテナ3(支柱31、ディスコーンアンテナ32、プリントダイポールアンテナ33)を支持する部品である。支持台4は金属材により構成された筐体であり、その内部には信号処理装置41が内蔵されている。なお、図示していないが、信号処理装置41は、ディスコーンアンテナ32、プリントダイポールアンテナ33及び移動体上に搭載された通信装置本体と電気的に接続されている。
前記支柱31は、ディスコーンアンテナ32及びプリントダイポールアンテナ33を支持する部品である。支柱31は、金属材又は樹脂材により形成された筒部材であり、内部に信号処理用電線が挿通される。図1に示したように、支柱31は、ディスコーンアンテナ32を支持する部分が円筒形状を有し、プリントダイポールアンテナ33を支持する部分が角筒形状を有していてもよい。また、支柱31は、全体が円筒形状又は角筒形状を有していてもよい。
前記ディスコーンアンテナ32は、例えば、無線通信用アンテナである。ディスコーンアンテナ32は、例えば、円盤形状を有するディスク部32aと、円錐形状の母線に沿ってディスク部32aの下部に配置されたコーン部32bと、を有し、必要に応じてコーン部32bに共振リング32cが配置される。ディスコーンアンテナ32の周波数特性は、ディスク部32aの径、コーン部32bの長さや開き角度、共振リング32cの有無や位置等により調整される。
ここで、無線通信用アンテナは、例えば、UHF(Ultra High Frequency:極超短波)アンテナ、VHF(Very High Frequency:超短波)アンテナ又はこれらの両方を含むアンテナである。すなわち、ディスコーンアンテナ32は、UHFアンテナであってもよいし、VHFアンテナであってもよいし、UHFアンテナとVHFアンテナの両方を有していてもよい。UHFは300MHz〜3GHzの周波数帯域を有する電波であり、VHFは30〜300MHzの周波数帯域を有する電波であり、いずれも広く一般通信等に利用されている。
例えば、船舶等の移動体におけるUHFアンテナは、四枚のプレートを前後左右に配置した形状を有しており、比較的高所に配置される。電波を反射し易いプレートが高所の暴露部に配置されている場合には、レーダに探知され易くなってしまう。そこで、かかる従来のUHFアンテナをディスコーンアンテナ32とし、レドーム2内に配置することによって、レーダ反射断面積(RCS)を低減し、ステルス性を向上させている。また、レドーム2内にUHFアンテナを収容することによって、耐候性や強度等の条件を緩和することができ、ディスコーンアンテナ32のような耐候性や強度が低い構成のアンテナを採用しつつ、小型化及び軽量化を図ることができる。
また、ディスコーンアンテナ32のコーン部32bの下端が、支持台4に近接すると、反射等の影響を受けてアンテナ性能が劣化する現象が生じる。そこで、ディスコーンアンテナ32のコーン部32bの下端と支持台4の表面との距離は、例えば、400mm以上に設定することにより、アンテナ性能の劣化を抑制し易くすることができる。
前記プリントダイポールアンテナ33は、例えば、戦術データリンク用アンテナ、味方識別装置用アンテナ(IFFアンテナ)又はこれらの両方を含むアンテナである。すなわち、プリントダイポールアンテナ33は、戦術データリンク用アンテナであってもよいし、IFFアンテナであってもよいし、戦術データリンク用アンテナとIFFアンテナの両方を有していてもよい。
例えば、図1に示したプリントダイポールアンテナ33は、ディスコーンアンテナ32の下部に配置される第一プリントダイポールアンテナ33aと、支持台4の上部に配置される第二プリントダイポールアンテナ33bと、を有し、第二プリントダイポールアンテナ33bは、第一プリントダイポールアンテナ33aよりも狭帯域のアンテナである。具体的には、第一プリントダイポールアンテナ33aは戦術データリンク用アンテナであり、第二プリントダイポールアンテナ33bは味方識別装置用アンテナ(IFFアンテナ)である。
ここで、戦術データリンク用アンテナは、リンク16用アンテナである。リンク16は、北大西洋条約で用いられるデータリンクのフォーマットの一つであり、約960MHz〜1.2GHzの周波数帯域の電波を使用する。一方、IFF(味方識別装置)は、約1GHz又は約1.1GHzの狭帯域の周波数の電波を使用する。アンテナの近くに金属部品が存在する場合、アンテナの受信特性に影響を与え、アンテナの受信感度が劣化することがある。広帯域の周波数の電波と狭帯域の周波数の電波とを比較した場合、広帯域の周波数の電波の方が広い範囲で金属部品の影響を受けることとなる。
ところで、支持台4は、上述したように金属筐体であり、近接して配置されるプリントダイポールアンテナ33の受信特性に影響を与える可能性がある。そこで、プリントダイポールアンテナ33が複数のアンテナを含む場合に、狭帯域のアンテナを支持台4に近い位置に配置することが好ましい。上述したように、IFFアンテナは、リンク16用アンテナよりも狭帯域のアンテナであるため、本実施形態では、上部の第一プリントダイポールアンテナ33aをリンク16用アンテナとし、下部の第二プリントダイポールアンテナ33bをIFFアンテナとしている。
図1に示したように、プリントダイポールアンテナ33は、例えば、四枚のプリント基板33cを断面十字形状となるように支柱31に配置している。図示したように、本実施形態では、プリントダイポールアンテナ33を三階層に分けて支柱31に接続しており、上二段を第一プリントダイポールアンテナ33a(リンク16用アンテナ)とし、下一段を第二プリントダイポールアンテナ33b(IFFアンテナ)としている。なお、プリント基板33cの枚数や段数はアンテナの種類によって適宜変更することができる。
ところで、複数のアンテナを通常のポール状のダイポールアンテナで構成した場合、複数のアンテナを統合しようとすれば並列に支持台4上に配置しなければならない。しかしながら、複数のアンテナを並列に配置した場合には、一方のアンテナの受信エリアに他方のアンテナが干渉してしまい、受信感度に影響を与えてしまうこととなる。そこで、本実施形態では、リンク16用アンテナ及びIFFアンテナをプリントダイポールアンテナ33により構成している。
また、本実施形態では、アンテナ3をレドーム2により覆っていることから、暴露部に配置される場合と比較して、耐候性や強度の条件を緩和することができる。そのため、本実施形態では、プリント基板33cにより構成されるプリントダイポールアンテナ33を適用することができる。プリントダイポールアンテナ33を適用することにより、プリント基板33cの両面をアンテナとして使用することができ、アンテナの小型化及び軽量化を図ることができる。また、プリント基板33cには、ダイポール素子やバラン整合線路を任意に設計して配置することができ、設計の容易化を図ることもできる。
上述した本実施形態に係るアンテナ装置1によれば、末広がりで中空部を有するディスコーンアンテナ32の下部にプリントダイポールアンテナ33を配置することにより、レドーム2内の空間を有効利用しつつ、異なる通信を処理する複数のアンテナをコンパクトに統合することができる。したがって、アンテナ3の装備空間を縮小することができ、レーダ反射断面積(RCS)を低減することができる。
また、従来、暴露部に配置されていた複数のアンテナを、ディスコーンアンテナ32又はプリントダイポールアンテナ33としてレドーム2内の支柱31に配置したことにより、水平板(床材)の使用量を低減することができ、アンテナパターンの乱れを抑制することができる。特に、ディスコーンアンテナ32と支持台4との距離を十分に確保することができ、アンテナ性能の劣化を抑制することができる。
次に、上述したアンテナ装置1の変形例について、図2及び図3を参照しつつ説明する。ここで、図2は、図1に示したアンテナ装置の変形例を示す図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、を示している。図3は、図1に示したアンテナ装置の変形例を示す図であり、(a)は第三変形例、(b)は第四変形例、を示している。なお、上述した第一実施形態と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図2(a)に示した第一変形例は、レドーム2を角錐台形状に形成したものである。ここでは、レドーム2を六角錐台形状に形成した場合を図示したが、六角錐台以外の多角錐台形状であってもよいし、角錐形状であってもよい。
図2(b)に示した第二変形例は、円錐台形状のレドーム2を支持台4上に配置したものである。このように、少なくとも、支柱31、ディスコーンアンテナ32及びプリントダイポールアンテナ33により構成されるアンテナ3の部分をレドーム2により覆うことができれば、上述した第一実施形態と同様の効果を有し、さらにレドーム2を小型化することができる。
図3(c)に示した第三変形例は、ディスコーンアンテナ32のディスク部32aに肉抜き用の開口部32dを形成したものである。かかる開口部32dを形成することにより、ディスコーンアンテナ32の軽量化を図ることができる。開口部32dの個数、大きさ、位置等は、ディスコーンアンテナ32の受信特性を考慮して適宜設定される。
図3(d)に示した第四変形例は、ディスコーンアンテナ32としてVHFアンテナを適用した場合を想定したものである。VHFアンテナをディスコーンアンテナ32とした場合、UHFアンテナよりも大型化し易いが、それに合わせてレドーム2の形状を変更することにより、UHFアンテナの場合と同様にレドーム2内に収容することができる。なお、ここでは、共振リング32cを有していない場合を図示しているが、必要に応じて共振リング32cを配置するようにしてもよい。
次に、上述したアンテナ装置1の信号処理装置41の構成について説明する。ここで、図4は、本発明の実施形態に係るアンテナ装置のブロック図であり、(a)は第一実施形態、(b)は第二実施形態、を示している。なお、上述した第一実施形態と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図4(a)に示した第一実施形態に係るアンテナ装置1の信号処理装置41は、第一プリントダイポールアンテナ33aの配線を統合する結合器41aと、第二プリントダイポールアンテナ33bの配線を統合する結合器41bと、ディスコーンアンテナ32及び結合器41a,41bと接続される母線41cと、必要な周波数帯域以外の受信電波やノイズを除去する電波フィルタ41dと、を有する。結合器41aは、第一プリントダイポールアンテナ33aにより送信する電波信号を混合したり、受信した電波信号を分波したりする。結合器41bは、第二プリントダイポールアンテナ33bにより送信する電波信号を混合したり、受信した電波信号を分波したりする。なお、図示しないが、信号処理装置41は艤装用のコネクタ等を有していてもよい。
図4(b)に示した第二実施形態に係るアンテナ装置1の信号処理装置41は、ディスコーンアンテナ32にUHFアンテナとVHFアンテナの両方を採用したものである。UHFアンテナ及びVHFアンテナは結合器41eを介して母線41cに接続されている。結合器41eは、ディスコーンアンテナ32により送信する電波信号を混合したり、受信した電波信号を分波したりする。他の構成は、図4(a)に示した信号処理装置41と同様であるため詳細な説明を省略する。
続いて、本発明の実施形態に係る船舶について図5を参照しつつ説明する。ここで、図5は、本発明の実施形態に係る船舶を示す全体構成図であり、(a)は第一実施形態、(b)は変形例、を示している。なお、上述したアンテナ装置1と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
本発明の実施形態に係る船舶10は、図5(a)及び(b)に示したように、地上局又は自船以外の移動体と通信可能なアンテナ装置1を備え、アンテナ装置1は、周波数選択層を有し電波を選択的に透過するレドーム2と、レドーム2内に配置されるアンテナ3と、を有し、アンテナ3は、レドーム2の底部を構成する支持台4に立設された支柱31と、支柱31の上部に配置されるディスコーンアンテナ32と、ディスコーンアンテナ32の下部に配置されるプリントダイポールアンテナ33と、を有する。すなわち、上述したアンテナ装置1を船舶10上に配置したものである。なお、自船以外の移動体とは、他の船舶、潜水艦、船舶以外の浮体構造物、航空機、ヘリコプター、車両、人工衛星等を意味する。
船舶10は、浮力によって水上に浮かぶ船体11と、船体11上に配置される船橋12(ブリッジ)と、船橋12上に配置されるマスト13と、を有する。上述した本実施形態に係るアンテナ装置1は、例えば、図5(a)に示したように、マスト13に配置される。マスト13には、アンテナ装置1に統合されない他のアンテナ(例えば、タカン、電波探知装置、ヘリコプター用データリンク装置、GPS等)も必要に応じて配置される。アンテナ装置1は、上述したように、例えば、UHFアンテナ、リンク16用アンテナ、IFFアンテナを統合してレドーム2内に収容したものである。したがって、従来三箇所に分散配置されていたアンテナを一箇所に集約することができ、その分だけ装備空間を縮小することができ、マスト13の高さを低くすることもできる。
また、アンテナ装置1は、図5(b)に示したように、船体11のデッキ(甲板)上に配置することができる。デッキ上にアンテナ装置1を配置する場合には、レドーム2内に収容されるアンテナ3の種類を適宜変更するようにしてもよい。アンテナ3の種類を変更した場合であっても、アンテナ形状は、ディスコーンアンテナ32とプリントダイポールアンテナ33との組合せにより構成される。
上述した本実施形態に係る船舶10によれば、本実施形態に係るアンテナ装置1を配置したことにより、アンテナの装備空間を縮小することができ、レーダ反射断面積(RCS)を低減することができ、ステルス性を向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、アンテナ装置1は、船舶10以外の、車両、航空機、潜水艦、浮体構造物等の他の移動体に配置することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 アンテナ装置
2 レドーム
3 アンテナ
4 支持台
10 船舶
31 支柱
32 ディスコーンアンテナ
33 プリントダイポールアンテナ
33a 第一プリントダイポールアンテナ
33b 第二プリントダイポールアンテナ
2 レドーム
3 アンテナ
4 支持台
10 船舶
31 支柱
32 ディスコーンアンテナ
33 プリントダイポールアンテナ
33a 第一プリントダイポールアンテナ
33b 第二プリントダイポールアンテナ
Claims (6)
- 周波数選択層を有し電波を選択的に透過するレドームと、該レドーム内に配置されるアンテナと、を有するアンテナ装置において、
前記アンテナは、
前記レドームの底部を構成する支持台に立設された支柱と、
該支柱の上部に配置されるディスコーンアンテナと、
該ディスコーンアンテナの下部に配置されるプリントダイポールアンテナと、
を有することを特徴とするアンテナ装置。 - 前記ディスコーンアンテナは、無線通信用アンテナであり、前記プリントダイポールアンテナは、戦術データリンク用アンテナ、味方識別装置用アンテナ又はこれらの両方を含むアンテナである、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記無線通信用アンテナは、UHFアンテナ、VHFアンテナ又はこれらの両方を含むアンテナであり、前記戦術データリンク用アンテナは、リンク16用アンテナである、ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
- 前記プリントダイポールアンテナは、前記ディスコーンアンテナの下部に配置される第一プリントダイポールアンテナと、前記支持台の上部に配置される第二プリントダイポールアンテナと、を有し、前記第二プリントダイポールアンテナは、前記第一プリントダイポールアンテナよりも狭帯域のアンテナである、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記第一プリントダイポールアンテナは、戦術データリンク用アンテナであり、前記第二プリントダイポールアンテナは、味方識別装置用アンテナである、ことを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
- 地上局又は自船以外の移動体と通信可能なアンテナ装置を備えた船舶において、
前記アンテナ装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のアンテナ装置である、ことを特徴とする船舶。
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