JP2013174363A - 太陽光集光システムおよびヘリオスタットの配置方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘリオスタットの配置を工夫することにより、太陽光集光システムの集光効率を向上させる。
【解決手段】集光タワーと、その周囲に配置された複数のヘリオスタットを含む太陽光集光システムが提供される。複数のヘリオスタットは、第1のヘリオスタットa1,a2と、集光タワーの上方焦点から第1のヘリオスタットを視認した視認方向において、第1のヘリオスタットに対し相対的に外側に配置されかつ第1のヘリオスタットに最も隣接した第2のヘリオスタットb1,b2とを少なくとも含む。また、第1のヘリオスタットと第2のヘリオスタットは、視認方向に沿って視認したとき互いに横方向の端部で接するとともに、直上から第1のヘリオスタットと第2のヘリオスタットを視認した場合、互いの影が掛かることを避けるために最低限確保される間隔であるシャドウレングスSLの長さだけ離れて配置される。
【選択図】図5
【解決手段】集光タワーと、その周囲に配置された複数のヘリオスタットを含む太陽光集光システムが提供される。複数のヘリオスタットは、第1のヘリオスタットa1,a2と、集光タワーの上方焦点から第1のヘリオスタットを視認した視認方向において、第1のヘリオスタットに対し相対的に外側に配置されかつ第1のヘリオスタットに最も隣接した第2のヘリオスタットb1,b2とを少なくとも含む。また、第1のヘリオスタットと第2のヘリオスタットは、視認方向に沿って視認したとき互いに横方向の端部で接するとともに、直上から第1のヘリオスタットと第2のヘリオスタットを視認した場合、互いの影が掛かることを避けるために最低限確保される間隔であるシャドウレングスSLの長さだけ離れて配置される。
【選択図】図5
Description
本発明は、太陽光を集光する太陽光集光システムと、ヘリオスタットの配置方法に関するものである。
再生可能な自然エネルギーの中で、太陽光がエネルギー源である太陽熱エネルギーはその賦存量(潜在的なエネルギー資源量)の多さから、化石燃料に替わるエネルギーとして非常に有望視されている。太陽熱エネルギーの強度は場所によっても異なるが、約1kW/m2であり、太陽熱エネルギーは、熱化学反応プラントや発電プラント等を運転するためのエネルギー源として十分に活用が可能である。太陽熱エネルギーをエネルギー源として活用するためには、化学エネルギーや電気エネルギーに効率良く変換する必要があるが、変換効率を高めるには、太陽光を効率よく集光することが必要である。
ところで、太陽は地球の自転により、時間の経過とともに地上のある点に対する位置が変化するため、太陽光を集光し、太陽エネルギーを効率良く集めるためには、太陽光を集光する装置が太陽を追尾しなければならない。太陽を追尾する装置はヘリオスタット(Heliostat)と呼ばれる。
ヘリオスタットにおける太陽の追尾プロセスにおいては、有線または無線通信による各ヘリオスタットの集中制御や、光センサーを用いた制御が用いられてきている。太陽光を集光して効率的に太陽熱エネルギーを得るためには、太陽の運行による位置の変化にヘリオスタットを正確に追尾させる必要がある。太陽光の集光によって得られるエネルギーは、理論的にはヘリオスタットの鏡面の総面積に比例する。したがって、ヘリオスタットを設置する場合、大量のエネルギーを得るためには、ヘリオスタットの鏡面面積を大きくするか、ヘリオスタットの個数を増やす必要がある。
一方、ヘリオスタットにより太陽光を集光するシステムは、タワートップ式集光システムと、ビームダウン式集光システムとに分類される。タワートップ式集光システムは、ヘリオスタット群と集光タワーの上部に設置されたレシーバ(集熱器)とを含み、ヘリオスタット群により反射された光をレシーバに集光するシステムである。一方、ビームダウン式集光システムは、ヘリオスタット群と、集光タワーの頂部に設置されたリフレクターと、その直下に設置されたレシーバとを含み、ヘリオスタット群により1次反射させた太陽光をリフレクターで2次反射させ、レシーバに集光するシステムである。
さらに、タワートップ式集光システムは、レシーバの形状からフラットレシーバタイプと、キャビティーレシーバタイプと、円筒レシーバタイプとの3つのタイプに分類される。フラットレシーバタイプにおいては、タワーの上部に平面のレシーバが垂直にかつ北向き(北半球の場合)に配置され、ヘリオスタット群が集光タワーの北側のみに配置され、反射された光を集光タワーのレシーバに集光させる形式のものである。キャビティーレシーバタイプにおいては、集光タワー上部にキャビティ型のレシーバが、その開口が北向き斜め下方を向くように(北半球の場合)に配置され、ヘリオスタット群が集光タワーの北側のみに配置され、反射された光を集光タワーのレシーバに集光させる形式のものである。円筒レシーバタイプにおいては、集光タワーの上部に円筒型のレシーバが配置され、ヘリオスタット群が集光タワーの周囲に配置され、それぞれのヘリオスタットから反射された光を集光タワーのレシーバに集光させる形式のものである。
これに対して、ビームダウン式集光システムは、ヘリオスタット群、リフレクター、レシーバを含み、ヘリオスタット群により1次反射された光を集光タワーの上部のリフレクターで2次反射させ、その反射光をリフレクターの下方に設置されたレシーバに集光するシステムである。本システムにおいては、集光タワーの周囲にヘリオスタットが配置され、集光タワーの周囲から光を集光することができる(特許文献1〜3参照)。
ビームダウン集光システムにおいては、地上に分散して配置されたヘリオスタット群の間に所定の間隔をおいて二つ以上の集光タワーを設置することが可能であり、このような二つ以上の集光タワーを含むシステムは、マルチタワービームダウン集光システムと呼ばれる。
もっとも、円筒レシーバタイプのタワートップ式集光システムにおいても、地上に分散して配置されたヘリオスタット群の間に間隔をおいて2つ以上の集光タワーを設置することができ、このようなシステムはマルチタワータワートップ式集光システムと呼ばれる。
マルチタワータワートップ式集光システムと、マルチタワービームダウン式集光システムとを比較する。マルチタワータワートップ式集光システムでは、例えば図12に示すように東西方向(図中のEast方向とWest方向)に連続してヘリオスタット群が配置されている場合、太陽が東側にあるときには、集光タワー上部のレシーバの東側面と西側面とで集光量に大きな差が出てしまうことがわかる。
このような場合は、レシーバの東側面では、集光量が不足し、集熱効率が著しく低下してしまうことになる。これに対し、マルチタワービームダウン式集光システムにおいては、図13に示すように、どの方向に設置されたヘリオスタットからの光もタワーの下部に設置されたレシーバ上面に理論上、均一化されて集光される。すなわち、マルチタワービームダウン式集光システムにおいては、マルチタワータワートップ式で生ずる集光量不足による集熱効率の低下を抑制することが可能であり、高い集熱効率を得ることができる。
上述した理由から、一般的にマルチタワータワートップ式集光システムに比べてマルチタワービームダウン式集光システムが有利であることがわかる。一方、集光タワーの周囲にヘリオスタットを配置する基本的な考え方として、コンセントリックレイアウトの配列方法が知られている。
コンセントリックレイアウトの基本コンセプトは、集光タワーを中心とするいくつかの同心円に沿ってヘリオスタットを配置する方法である。具体的には、集光タワー4を中心として図14に示すようにヘリオスタット1を多重の同心円の円周上に、等間隔で配置する方法である。
ビームダウン集光方式においては、各ヘリオスタットが狙う反射方向は集光タワーの上部のリフレクターの位置、すなわち上方焦点になる。へリオスタットを配置する際は、任意に選んだ2つのヘリオスタット同士は「シャドウレングス」(SL)という所定の距離以上をもって離されなければならない。シャドウレングスSLとは、ヘリオスタットに別のへリオスタットの影が掛かることを避けるために、へリオスタット間に最低限確保される間隔として定められた値であり、直上からヘリオスタットを視認したとき両者間に確保されている。シャドウレングスはヘリオスタットの形状に依存して予め設定された値であり、集光タワーからの距離に依存しない。
また、ヘリオスタットが多重に配列される複数の同心円の各円の半径は、互いに隣接する同心円上のヘリオスタットからの反射光が互いに遮り合わないよう設定される。したがって、隣接する同心円が半径方向において所定の間隔であるラジアルレングス「RL」以上を保つように、それぞれの円の半径が設定される。この「RL」は、以下の(1)式で表わされる。(1)式でvはヘリオスタットの反射鏡の縦の長さ、Rn当該へリオスタットが位置する円の半径、hは上方焦点の高さである。コンセントリックレイアウトは、(1)式の原則に則ってヘリオスタットが配置されたレイアウトである。(1)式の中で、max( )内のいずれかの値で大きいものがRLとして設定される。
図15はコンセントリックレイアウトの例を示す。図15において、集光タワーの位置Oを中心として、半径Rnの円Aおよびその外周に半径R(n+1)の円Cが存在すると想定する。そして、円Aの円周上には、ヘリオスタットa1、a2、・・・が配置され、円Cの円周上にそれぞれヘリオスタットc1、c2、・・・が配置されている。この場合、ヘリオスタットa1とa2との間の距離及びヘリオスタットc1とc2との間の距離は、シャドウレングス(SL)の間隔以上に設定され、円Aと円Cとの間の距離R(n+1)―Rnが、ラジアルレングス「RL」に設定されているという意味である。
したがって、コンセントリックレイアウトによりへリオスタットを配置する場合は、ヘリオスタットa1とa2との間及びヘリオスタットc1とc2との間を、シャドウレングス(SL)の間隔以上の間隔を置いて配置しなければならない。そして、シャドウレングス(SL)の間隔を確保することは、ヘリオスタットの配置密度が低下することを意味する。
上述したように、コンセントリックレイアウトによりへリオスタットを配置する場合、円周方向に少なくともシャドウレングス(SL)という一定の間隔を開けなければならないため、互いに隣接するへリオスタット相互の間に隙間が生ずることとなる。本隙間の存在によってヘリオスタットの配置密度が低下することは避けられず、ヘリオスタットの配置領域に無駄なスペースが生じることとなる。
本発明は、集光タワーと、当該集光タワーの周囲に配置された複数のヘリオスタットとを含む太陽光集光システムであって、前記集光タワーは前記ヘリオスタットから反射された太陽光を受光するレシーバを有し、前記複数のヘリオスタットは、第1のヘリオスタットと、前記集光タワーの上方焦点から前記第1のヘリオスタットを視認した視認方向において、前記第1のヘリオスタットに対し相対的に遠方に配置され、かつ前記複数のヘリオスタットのうち前記第1のヘリオスタットに最も隣接した第2のヘリオスタットとを少なくとも含み、前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットは、前記視認方向に沿って視認したとき互いに横方向の端部で接するとともに、前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットは、直上から前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットを視認したとき、各々の影が互いにかかることを避けるために確保される間隔であるシャドウレングスの長さだけ少なくとも離れた状態で配置された、太陽光集光システムを提供する。
太陽光集光システムにおいて、前記第1及び第2のヘリオスタットを含む複数のヘリオスタットが、直上から視認してスパイラル状に延びる曲線によって形成されるスパイラルレイアウトにしたがって配置される。
太陽光集光システムにおいて、前記第1及び第2のヘリオスタットよりも前記集光タワーの近くに配置された第1のヘリオスタット群は、直上から視認して複数の同心円によって形成されるコンセントリックレイアウトにしたがって配置された複数のヘリオスタットからなり、前記第1及び第2のヘリオスタットを含む第2のヘリオスタット群は、前記視認方向において前記第1のヘリオスタット群よりも遠方において、前記スパイラルレイアウトにしたがって配置された複数のヘリオスタットからなる。
太陽光集光システムにおいて、前記第1のヘリオスタット群において、同一の同心円上で隣接する二つのヘリオスタットは、シャドウレングスの長さだけ離れて配置される。
太陽光集光システムにおいて、前記第2のヘリオスタット群において、前記第1のヘリオスタットが同一の同心円上に、ヘリオスタットの横幅の2倍の長さだけ離れて配置された、太陽光集光システム。
太陽光集光システムにおいて、前記スパイラル状に延びる曲線の接触角θは、COSθ=HL/SLの条件を満たし、ここでHLは前記ヘリオスタットの横幅であり、SLはシャドウレングスである。
さらに本発明は、集光タワーと、当該集光タワーの周囲に配置された複数のヘリオスタットとを含む太陽光集光システムであって、前記複数のヘリオスタットは第1のヘリオスタット群と第2のヘリオスタット群に分類され、前記第1のヘリオスタット群のヘリオスタットは、前記集光タワーを中心として形成された複数の同心円によって形成されるコンセントリックレイアウトにしたがって配置され、前記第2のヘリオスタット群のヘリオスタットは、前記第1のヘリオスタット群の最外周からスパイラル状に延びる曲線によって形成されるスパイラルレイアウトにしたがって配置された、太陽光集光システムを提供する。
さらに本発明は、集光タワーと、当該集光タワーの周囲に配置された複数のヘリオスタットとを含む太陽光集光システムの製造にあたって用いられるヘリオスタットの配置方法であって、前記複数のヘリオスタットのうち任意の第1のヘリオスタットを配置する工程と、前記集光タワーの上方焦点から前記第1のヘリオスタットを視認した視認方向において、前記第1のヘリオスタットに対し相対的に遠方において前記第1のヘリオスタットに最も隣接した第2のヘリオスタットを配置する工程と、を含み、前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットは、前記視認方向に沿って視認したとき互いに横方向の端部で接するとともに、直上から前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットを視認したとき、各々の影が互いにかかることを避けるために確保される間隔であるシャドウレングスの長さだけ少なくとも離れた状態で配置される、ヘリオスタットの配置方法を提供する。
ヘリオスタットの配置方法において、前記集光タワーを中心とする複数の同心円を設定し、前記第1のヘリオスタットを第1の同心円上に配置し、前記第2のヘリオスタットを、前記第1の同心円に対し相対的に遠方の第2の同心円上において、当該第2のヘリオスタットの横方向の端部が前記視認方向に沿って視認したとき前記第1のヘリオスタットの横方向の端部に接するように配置し、第3のヘリオスタットを前記第2の同心円に対し相対的に遠方の第3の同心円上において、当該第3のヘリオスタットの横方向の端部が前記視認方向に沿って視認したとき前記第2のヘリオスタットの横方向の端部に接するように配置する。
ヘリオスタットの配置方法において、前記第3のヘリオスタットの縦方向の下端部が前記視認方向に沿って視認したとき前記第1のヘリオスタットの縦方向の上端部に接するように配置する。
ヘリオスタットの配置方法において、前記第3のヘリオスタットの横方向の端部を前記第2のヘリオスタットの横方向の端部に接するように配置するとき、当該第2のヘリオスタットと同一同心円上でかつ前記第1のヘリオスタットに隣接した他のヘリオスタットと、前記第3のヘリオスタットとの間に、前記視認方向に沿って視認したときに観察される隙間δを確保し、前記第1のヘリオスタットと、前記第2のヘリオスタットと、前記第3のヘリオスタットと同様な配置の手順にしたがって、前記視認方向に沿って遠方へ第1のヘリオスタットと第2のヘリオスタットと第3のヘリオスタットの配置を繰り返すことにより、前記隙間δを拡大させ、当該隙間δが所定の大きさになったとき、前記視認方向に沿って視認したときに観察可能な第4のヘリオスタットを当該隙間δの位置に配置する。
本発明においてはヘリオスタットが配置される円の円周方向の隙間をなくすことによって、一定の領域内におけるヘリオスタットの配置密度を高め、太陽光の集光効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、ヘリオスタット配置を工夫することにより、特別な装置を用いる場合のようなコストの増加をともなわずに太陽光集光システムの集光効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態として、ビームダウン式集光システムを採用した太陽光集光システムを挙げる。ビームダウン式集光システムは、集光タワーの周囲に配置されたヘリオスタットから1次反射された光を集光タワーの上部のリフレクターで2次反射させ、その直下のレシーバに集光する太陽光集光システムの一方式である。図1はヘリオスタットを用いた太陽光集光システムとしてのビームダウン式集光システムの基本構造を示す。
図1において、ビームダウン式集光システムは、リフレクター2及びレシーバ3とを備えた集光タワー4と、当該集光タワー4の周囲の地上に分散して配置されたヘリオスタット1、1、・・・(ヘリオスタット群)とを含む。リフレクター2は、集光タワー4の上部位置に設置された反射鏡であり、いわゆる上方焦点の近傍(正確には図3のFPの近傍)に設置されている。一方、レシーバ3は、集光タワー4の直下(本例では地上)の位置である下方焦点の位置において、リフレクター2と向かい合わせの状態で設置されている。ビームダウン式集光システムは、ヘリオスタット1により1次反射された太陽光を上方焦点のリフレクター2で2次反射させ、下方焦点のレシーバ3に集光するシステムである。
ヘリオスタット(1次反射鏡)1は、図2に示すように鏡5を任意の方向に向け、鏡5が向けられた方向へ太陽光を反射することができる装置である。リフレクター(中央反射鏡、2次反射鏡)2は、図3に示すようにヘリオスタット1から反射された太陽光Lを下凸の鏡面6により、レシーバ3に向けて再度反射させる装置である。リフレクター2には、回転双曲面型、セグメント型などの種類が存在するが特に限定はされない。なお、レシーバ3はヘリオスタット1からリフレクター2を介して集光された光を受光する集光器であり、その形状により平面型、円筒型、キャビティ型などに分類されるが特に限定はされない。
図4は本実施形態による太陽光システムを直上から(空中から)視認した平面図である。本実施形態においては、集光タワー4を中心として所定の半径の円内に設置されるヘリオスタット1は、いわゆるコンセントリックレイアウトCCLにしたがって配置されている。コンセントリックレイアウトCCLは、同心状に設定された複数の同心円の円周に沿ってヘリオスタット1を配置する方法である。コンセントリックレイアウトCCLにしたがって配置された複数のヘリオスタット1の群(グループ)は第1のヘリオスタット群と定義付けられる。図15に示すように、第1のヘリオスタット群において、同一の同心円上で隣接する二つのヘリオスタットは、シャドウレングスSLの長さだけ離れて配置されている。また、隣接した同心円の間隔は、(1)式で求められるラジアルレングスRLの長さだけ離れている。
また、コンセントリックレイアウトCCLにしたがって配置された第1のヘリオスタット群の平面内外周(集光タワー4から視認して遠方側)には、スパイラルレイアウトSPLにしたがって配置された複数のヘリオスタット1が存在する。スパイラルレイアウトSPLは、コンセントリックレイアウトCCLの最外周の円の円周上に出発点をもち、放射方向にスパイラル状に拡径する曲線に沿ってヘリオスタット1を配置する方法である。スパイラルレイアウトSPLにしたがって配置された複数のヘリオスタット1の群(グループ)は第2のヘリオスタット群と定義付けられる。以下、スパイラルレイアウトの形成方法を具体的に説明する。
図5は、集光タワー4の上方焦点から第2のヘリオスタット群を視認したときのヘリオスタット1を示す。図5は、第2のヘリオスタット群を形成するスパイラルレイアウトの第1周の同心円(第1の同心円)A上に配置された第1のヘリオスタットa1,a2,a3・・・と、同心円Aに隣接した外側の第2周の同心円(第2の同心円)B上に配置された第2のヘリオスタットb1,b2・・・とを示す。スパイラルレイアウトSPLにおいても、コンセントリックレイアウトCCLと同様、同心円が仮想的に存在する。
第1周の同心円A上では、第1のヘリオスタットa1,a2,a3・・・は、ヘリオスタットの横幅の間隔(HL)をあけて配置されている。そして、第2周の同心円B上では、第2のヘリオスタットb1,b2,・・・は、集光タワー4の上方焦点から第2のヘリオスタット群を視認したとき、第1のヘリオスタット1(a1、a2、a3、・・・)の横幅の間隔内に配置される。
ここで、本実施形態のスパイラルレイアウトにおいては、相対的に内周側の同心円N(但しN=1,2,・・・N)と、外周側の同心円(N+1)との半径方向の間隔であるラジアルレングスRL(例えば図5の円Aと円Bとの間隔)は、通常のコンセントリックレイアウトによる同心円の間隔RLの半分に設定されている(RL/2)。さらに本実施形態のスパイラルレイアウトにおいては、同心円Nの円周上のヘリオスタット1と、同心円(N+1)の円周上のヘリオスタット1との間で互いに最も隣接したへリオスタット(図5の例では例えばa1とb1)の距離が、シャドウレングスSL以上に設定される。シャドウレングスとは、ヘリオスタットに別のへリオスタットの影がかかることを避けるために、へリオスタット間に最低限確保される間隔として定められた値である。シャドウレングスSLはヘリオスタットの形状に依存して予め設定された値であり、集光タワー4からの距離に依存しない。
一般的なコンセントリックレイアウトCCLにおいてヘリオスタット1を配置する際の注意点を説明する。一般的に、集光タワー4から視認したへリオスタット1の影は、集光タワー4から遠ざかるほど大きくなる。この現象からも直感的に理解されるが、式(1)で示したように、集光タワー4から遠ざかるほど(式(1)でRnが大きくなるほど)コンセントリックレイアウトにおいてより大きな同心円間隔RLが確保される必要がある。
式(1)によれば、集光タワー4からの距離が近い領域においては同心円間隔RLが小さいため、スパイラルレイアウトを採用した場合、同心円Nの円周上のヘリオスタット1と、同心円(N+1)の円周上のヘリオスタット1との間で互いに最も隣接したへリオスタット(図5の例では例えばa1とb1)の距離が、シャドウレングスSL以上とならない(RLがSLになってもa1とb1の間ではSLが確保されない)。したがって、当該領域においては式(1)にしたがって算出された同心円間隔RLをもつコンセントリックレイアウトが採用される(図4のCCL)。ただし、一つの同心円上で隣接したヘリオスタット1の間隔としてシャドウレングスSLが少なくとも確保される。
コンセントリックレイアウトにおいて一つの同心円上で隣接したヘリオスタット1の間隔としてシャドウレングスSLが少なくとも確保されることは、前記集光タワーの上方焦点からヘリオスタット1を視認した視認方向において、ヘリオスタット1の隙間が同心円方向において確認されることとなり、ヘリオスタット密度が低下する要因となる。そこで発明者は、前記視認方向において、隣接したヘリオスタット1の間隔としてシャドウレングスSLが確保されている状態で、横方向に接する状態が実現できないか否か検討した。
このような検討結果を具体的に表現したものが図5である。すなわち、内周側の同心円Nに対し、コンセントリックレイアウトで想定される同心円間隔RLの半分の距離であるRL/2だけ離れた新しい同心円(N+1)が設定される。そして、本実施形態では、外周側の新しい同心円(N+1)上の円周上で、集光タワー4から視認したとき、同心円N上のヘリオスタット1の横方向の端部に接するように、ヘリオスタット1が設置される。
具体的には、集光タワー4の上方焦点から第1のヘリオスタットa1,a2,a3・・・を視認した視認方向において、第2のヘリオスタットb1,b2・・・は、第1のヘリオスタットa1,a2,a3・・・に対し相対的に遠方に配置される。図5では示していないが、第2のヘリオスタットb1,b2・・・は、スパイラルレイアウトSPLにおいて配置された総てのヘリオスタットの中で、第1のヘリオスタットa1,a2,a3・・・に最も隣接したヘリオスタットである。そして、第1のヘリオスタットa1,a2,a3・・・と第2のヘリオスタットb1,b2・・・は、この視認方向に沿って視認したとき互いに横方向の端部(左右の端部)で接する。
図5の実施形態では、集光タワー4から視認したとき、同心円N上の第1のヘリオスタットa1の横方向の端部である右側の辺に、新しい同心円(N+1)上の第2のヘリオスタットb1の横方向の端部である左側の辺が接するよう、第2のヘリオスタットb1が配置されている。そして、第1のヘリオスタットa2と第2のヘリオスタットb2及び第1のヘリオスタットa3と第2のヘリオスタットb2との距離はシャドウレングスSLとなっている。第1のヘリオスタットa1と第2のヘリオスタットb1及び第1のヘリオスタットa2と第2のヘリオスタットb1においても同様の関係が成立している。
シャドウレングスSLは、二つのヘリオスタットの各々の面内中心(矩形ヘリオスタットの場合は対角線の交わる点)間の距離によって定義されるが、特に第1のヘリオスタットa1,a2,a3・・・と第2のヘリオスタットb1,b2・・・を直上から視認したとき、各々の面内中心間の距離として把握される。また、同一同心円上でのヘリオスタット(例えばa1,a2,a3)の円周上の距離は、ヘリオスタットの横幅HLの2倍の長さである2HLに設定されており(間隔はHL)、2HL>SLの関係が成立している。この円周上の距離も、二つのヘリオスタットの各々の面内中心間の距離によって定義される。
図6は、図5の構成に加え、新しい同心円(N+1)のさらに外側の同心円(N+2)である第3周の同心円(第3の同心円)上に配置された第3のヘリオスタットc1,c2,・・・をも示す図である。第3のヘリオスタットc1,c2,・・・は、上方焦点から視認して第1周のヘリオスタット1(a1,a2,a3、・・・)の上辺(縦方向の上端部)にその下辺(縦方向の下端部)がそれぞれ接する位置で、それぞれのヘリオスタットc1,c2,・・・の左辺(横方向の端部)が、第2のヘリオスタットb1,b2,b3の各々の右辺に接する位置まで左側に寄せられ、配置されている。
このような配置の結果、図6に示すように、第2のヘリオスタットb2と、第3のヘリオスタットc1との間には隙間δが形成される。すなわち、第3のヘリオスタットc1の横方向の端部(左側端部)を第2のヘリオスタットb1の横方向の端部(右側端部)に接するように配置する。ここで当該第2のヘリオスタットb1と同一同心円上でかつ第1のヘリオスタットa2に隣接した他のヘリオスタットb2(第2のヘリオスタットでもある)と、第3のヘリオスタットc1との間に、視認方向に沿って視認したとき隙間δが確保される。
図示は省略するが、第4周の同心円上のヘリオスタットも同様にその下辺が第2周のそれぞれのヘリオスタットb1,b2,b3,・・・の上辺に接し、かつその左辺が第3周のそれぞれのヘリオスタットc1,c2,c3、・・・の右辺に接する位置まで左側に寄せられて配置される。以下同様に相対的に内周のヘリオスタットに対し、外周のヘリオスタットが左側に寄せられて配置される。
外側の同心円ほど、一つのヘリオスタットに対応した円周の長さは長い。したがって、上記過程において、ヘリオスタットが左側に寄せられる長さは外側の同心円ほど大きくなる。このような配置の結果、第1から第3のヘリオスタット(a1,b1,c1,・・・)、第1から第3のヘリオスタット(a2,b2,c2,・・・)は、放射方向にスパイラル状に拡径する曲線上に配置されることとなる。太陽光集光システムを直上から視認した場合、ヘリオスタット1は、図4のSPLに示すように集光タワー4を中心とする円から放射方向に左回りのスパイラル状に延びた曲線上に配置される。このような配置の方式がスパイラルレイアウトとして定義される。
図4のような太陽光システムの製造にあたっては、一般的に集光タワー4を出発点としてヘリオスタットの配置を開始する。本発明においては製造過程(配置過程)において、ヘリオスタットはまずコンセントリックレイアウトCCLにしたがって配置された後、スパイラルレイアウトSPLにしたがって配置される。そこで、本発明のヘリオスタットの配置過程においては、コンセントリックレイアウトからスパイラルレイアウトへ切り替えられるタイミングを考える必要がある。図5、図6の結果から、相対的に内周側の同心円(N)のヘリオスタットと外周側の同心円(N+1)のヘリオスタットにおいて、互いに隣接するへリオスタット(図5においては、例えばa1とb1)の距離として、シャドウレングスSL以上の距離が確保可能となったときがそのような切り替えのタイミングである。
ここでいう隣接する同心円上の二つのヘリオスタットとしては、例えばヘリオスタットa1とヘリオスタットb1の関係が挙げられる。すなわち、集光タワー4の上方焦点の位置から対象となる二つのヘリオスタットを視認したとき、両者が隣接する二つの同心円上であって、かつ二つの同心円の円周方向で隣接して配置されたヘリオスタットのことを意味する。スパイラルレイアウトSPLを行うには、このような二つのヘリオスタット間においてシャドウレングスSLが確保される必要がある。
図7(a)は、第1のヘリオスタットa1,a2,a3、・・・と、第2のヘリオスタットb1,b2,b3,・・・と、第3のヘリオスタットc1,c2,・・・を、これまでの説明と同様な配置の手順を繰り返すことにより(図6の方法)、集光タワー4の上方焦点から視認した視認方向に沿って遠方に配置した状態を示す。
このとき、図6に示した他のヘリオスタットb2(第2のヘリオスタットでもある)と、第3のヘリオスタットc1との間に形成された隙間δは、図7(a)のδ0、δ1、δ2、δ3、・・δnの順に示すようにNが増大するほど横方向に拡大する(斜線部分参照)。第(N−1)周のヘリオスタットと、第(N)周のヘリオスタットとの間には隙間δnが形成されている。すなわち、集光タワー4の上方焦点から視認して遠方側(放射方向外側)ほど、同心円の半径が拡大されるとともに1つのヘリオスタットに対応する円周も長くなる。したがって、図6を用いて説明したヘリオスタットのc1の左側への移動に対応する移動量が大きくなり、隙間δも拡大する。
δが拡大して所定の大きさに達することにより、本例ではN周目に形成される同心円上で、2つのヘリオスタット間に形成された隙間δn内に、新たに第4のヘリオスタットnを追加することが可能となっている。ここで第4のヘリオスタットnの横幅は、隙間δnの大きさに等しく、焦光タワー4の上方焦点から視認したときに観察可能である。
さらに、その配列要領を具体的に図7(b)、(c)によって説明する。図7(b)において、内外多重の同心円のうちのある円の円周上に設置されたヘリオスタットの近くにもう1つのヘリオスタットが追加される。集光タワー4の上方焦点を基準として見たときには、相対的に外周側の円Nの円周上にされたヘリオスタットn(n)は、放射方向にスパイラル状に拡径する曲線上で相対的に内周側の円(N−1)の円周上に設置されているヘリオスタットn(n−1)の斜め後方に位置する。
この関係を上方焦点から見た場合には、相対的に外周側に設置されるヘリオスタットn(n)と、相対的に内周側に設置されているヘリオスタットn(n−1)とは、上方焦点から見たときに放射方向にスパイラル状に拡径する曲線上で図7(b)のように互いに左右に接する。また、直上から見たときには図7(c)のように外周側のヘリオスタットn(n)と、内周側のヘリオスタットn(n−1)とはシャドウレングスSLの長さだけ離れて配置されることになる。
図8は、集光タワー4から十分離れた位置におけるヘリオスタット1の配置を示す。集光タワーは図8の下方に位置し、縦線が同心円の半径方向、横線が同心円の円周方向を示す。集光タワー4から十分離れた位置では、ヘリオスタット1の大きさに比して、半径方向の縦線は互いに平行な直線に近似でき、円周方向の横線は互いに平行な直線に近似することができる。
そして、一つのスパイラルライン上に隣接するヘリオスタット1同士の互いの中心間距離はSLとなり、且つ円周方向成分の互いの距離は、ヘリオスタットの横幅HLとなる。したがって、スパイラルの接触角θ、SL、HLは以下の式(2)の関係を持つこととなる。
さらに外周にヘリオスタットを配設するときには、外周側の追加対象であるヘリオスタットが、前周に配置されたヘリオスタットを含めて右端に接する位置まで左側に寄せて配置される。この結果、ヘリオスタット1,1、・・・は、図4に示す集光タワー4を中心OとするコンセントリックレイアウトCCLの最外周から放射方向に延びるスパイラル状の曲線に並び、図9に示すようにヘリオスタットを高密度に配置することが可能となる。
本実施形態によれば、前述のようにコンセントリックレイアウト、スパイラルレイアウトを組み合わせることによって太陽光を効率よく集光することができる。
以下、本実施形態におけるスパイラルレイアウトのシミュレーションを示す。各種パラメーターを表1に示す。このシミュレーションにおいてはヘリオスタットの数を3000台で固定した。VLとHLとは計算のためのヘリオスタットの想定範囲の長方形の辺の長さで、実際のヘリオスタットのサイズである。
図10は、ヘリオスタット1を集光タワー4の上方焦点から見た状態を示す図であり、各々のヘリオスタットは、互いに重ならないように(相互間にSL以上の間隔を確保して)配置されている。図10において、ヘリオスタットの大きさはパラメーターVLとHLとによって決定される。パラメーターVLとHLで規定される長方形の中心はヘリオスタットの中心と一致する。すべての配置計算において、ヘリオスタットの実サイズは3m角である。SLは任意の2つのヘリオスタットの距離の最小値を規定するものである。なお、表1に示す値は実験のために設定した数値であって、最適値を示すものではない。
図11は集光タワーからの距離に対応した、コンセントリックレイアウトにおけるヘリオスタットの配置密度に対するスパイラルレイアウトにおけるへリオスタットの配置密度の比を示すグラフである。ここでレイアウト方法はコンセントリックレイアウトとスパイラルレイアウトの組み合わせたものであり、集光タワーからの距離がおよそ70mまでの領域ではコンセントリックレイアウトを採用し、集光タワーからの距離がおよそ70mより大きい領域ではスパイラルレイアウトを採用している。この図から、集光タワーからの距離がおよそ70mまでの領域では、コンセントレイアウトと同等の設置密度であり、集光タワーからの距離がおよそ70m〜80mの領域ではコンセントリックレイアウトより低い設置密度となり、集光タワーからの距離が80m以上の領域では、半径が増大するにしたがって、スパイラルレイアウトによる配置がコンセントリックレイアウトより高密度を達成できることがわかる。
本実施形態においては、相対的に内周のヘリオスタットに対し、外周のヘリオスタットを左側に寄せて左回りのスパイラル状のレイアウトになる例を示したが、相対的に内周のヘリオスタットに対し、外周のヘリオスタットの列を右側に寄せたときには、右回りのスパイラル状のレイアウトになる。
また、本実施形態は、ヘリオスタットのスパイラルレイアウトを集光タワーが一つしかないビームダウン式集光システムに適用した例であるが、タワートップ式の集光システム、集光タワーが複数あるマルチタワービームダウン式集光システムなどについても本発明を同様に適用することができる。ヘリオスタットを使用する太陽光集光システム全般に本発明は適用可能である。
また、本実施形態ではヘリオスタットは矩形の例を示したが、完全な矩形でない略矩形であってもよい。さらにヘリオスタットの形状が矩形以外のものであっても、本発明の思想が適用される限り、本発明に含まれ得る。
以上のように本発明によれば、へリオスタットの円周方向の隙間をなくすために、ヘリオスタットのレイアウト方法として内周側に配置されたヘリオスタットに対し、相対的に外周側に配置されるヘリオスタットの位置を順次左側または右側のいずれか一側に寄せて配置される。ヘリオスタットは放射方向にスパイラル状に延びる曲線上に沿って配置されることになり、ヘリオスタットの数、配置密度を高めるとともに集光タワーにより近い位置にヘリオスタットを配置することが可能となり、この結果、太陽光集光の効率向上を図ることが可能となる。
太陽光は再生可能なエネルギー源として、エネルギー量が膨大で、環境汚染のないクリーンなエネルギー源である。太陽光をエネルギー源として採用することにより、集光太陽熱エネルギーを化学反応の吸熱反応に利用した燃料生産や、太陽熱発電システムとして希薄な太陽エネルギーを集めて安定した発電電力の供給が可能となる。さらには、石炭ガス化と天然ガス水蒸気改質から製造された水素と一酸化炭素からメタノールを合成する技術に適用することにより、原料の石炭およびメタンの総熱量を6〜10%以上回るメタノールの製造が可能となり、メタノール製造工程における二酸化炭素の排出を大幅に削減できるものとして大いに期待される。もちろん、太陽光の応用可能性はこれらに限定されない。
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明によれば、太陽光集光システムにおけるヘリオスタットの配置密度を高めることが可能となり、集光効率、発電効率を向上させる技術が提供される。
1 ヘリオスタット
2 リフレクター
3 レシーバ
4 集光タワー
5 鏡
6 鏡面
2 リフレクター
3 レシーバ
4 集光タワー
5 鏡
6 鏡面
Claims (11)
- 集光タワーと、当該集光タワーの周囲に配置された複数のヘリオスタットとを含む太陽光集光システムであって、前記集光タワーは前記ヘリオスタットから反射された太陽光を受光するレシーバを有し、
前記複数のヘリオスタットは、第1のヘリオスタットと、前記集光タワーの上方焦点から前記第1のヘリオスタットを視認した視認方向において、前記第1のヘリオスタットに対し相対的に遠方に配置され、かつ前記複数のヘリオスタットのうち前記第1のヘリオスタットに最も隣接した第2のヘリオスタットとを少なくとも含み、
前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットは、前記視認方向に沿って視認したとき互いに横方向の端部で接するとともに、
前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットは、直上から前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットを視認したとき、各々の影が互いにかかることを避けるために確保される間隔であるシャドウレングスの長さだけ少なくとも離れた状態で配置された、太陽光集光システム。 - 請求項1に記載の太陽光集光システムであって、
前記第1及び第2のヘリオスタットを含む複数のヘリオスタットが、直上から視認してスパイラル状に延びる曲線によって形成されるスパイラルレイアウトにしたがって配置された、太陽光集光システム。 - 請求項2に記載の太陽光集光システムであって、
前記第1及び第2のヘリオスタットよりも前記集光タワーの近くに配置された第1のヘリオスタット群は、直上から視認して複数の同心円によって形成されるコンセントリックレイアウトにしたがって配置された複数のヘリオスタットからなり、
前記第1及び第2のヘリオスタットを含む第2のヘリオスタット群は、前記視認方向において前記第1のヘリオスタット群よりも遠方において、前記スパイラルレイアウトにしたがって配置された複数のヘリオスタットからなる、太陽光集光システム。 - 請求項3に記載の太陽光集光システムであって、
前記第1のヘリオスタット群において、同一の同心円上で隣接する二つのヘリオスタットは、シャドウレングスの長さだけ離れて配置された、太陽光集光システム。 - 請求項3に記載の太陽光集光システムであって、
前記第2のヘリオスタット群において、前記第1のヘリオスタットが同一の同心円上に、ヘリオスタットの横幅の2倍の長さだけ離れて配置された、太陽光集光システム。 - 請求項2に記載の太陽光集光システムであって、
前記スパイラル状に延びる曲線の接触角θは、COSθ=HL/SLの条件を満たし、ここでHLは前記ヘリオスタットの横幅であり、SLはシャドウレングスである、太陽光集光システム。 - 集光タワーと、当該集光タワーの周囲に配置された複数のヘリオスタットとを含む太陽光集光システムであって、前記複数のヘリオスタットは第1のヘリオスタット群と第2のヘリオスタット群に分類され、
前記第1のヘリオスタット群のヘリオスタットは、前記集光タワーを中心として形成された複数の同心円によって形成されるコンセントリックレイアウトにしたがって配置され、
前記第2のヘリオスタット群のヘリオスタットは、前記第1のヘリオスタット群の最外周からスパイラル状に延びる曲線によって形成されるスパイラルレイアウトにしたがって配置された、太陽光集光システム。 - 集光タワーと、当該集光タワーの周囲に配置された複数のヘリオスタットとを含む太陽光集光システムの製造にあたって用いられるヘリオスタットの配置方法であって、
前記複数のヘリオスタットのうち任意の第1のヘリオスタットを配置する工程と、
前記集光タワーの上方焦点から前記第1のヘリオスタットを視認した視認方向において、前記第1のヘリオスタットに対し相対的に遠方において前記第1のヘリオスタットに最も隣接した第2のヘリオスタットを配置する工程と、を含み、
前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットは、前記視認方向に沿って視認したとき互いに横方向の端部で接するとともに、直上から前記第1のヘリオスタットと前記第2のヘリオスタットを視認したとき、各々の影が互いにかかることを避けるために確保される間隔であるシャドウレングスの長さだけ少なくとも離れた状態で配置される、ヘリオスタットの配置方法。 - 請求項8に記載のヘリオスタットの配置方法であって、
前記集光タワーを中心とする複数の同心円を設定し、
前記第1のヘリオスタットを第1の同心円上に配置し、
前記第2のヘリオスタットを、前記第1の同心円に対し相対的に遠方の第2の同心円上において、当該第2のヘリオスタットの横方向の端部が前記視認方向に沿って視認したとき前記第1のヘリオスタットの横方向の端部に接するように配置し、
第3のヘリオスタットを前記第2の同心円に対し相対的に遠方の第3の同心円上において、当該第3のヘリオスタットの横方向の端部が前記視認方向に沿って視認したとき前記第2のヘリオスタットの横方向の端部に接するように配置する、ヘリオスタットの配置方法。 - 請求項9に記載のヘリオスタットの配置方法であって、
前記第3のヘリオスタットの縦方向の下端部が前記視認方向に沿って視認したとき前記第1のヘリオスタットの縦方向の上端部に接するように配置する、ヘリオスタットの配置方法。 - 請求項8に記載のヘリオスタットの配置方法であって、
前記第3のヘリオスタットの横方向の端部を前記第2のヘリオスタットの横方向の端部に接するように配置するとき、当該第2のヘリオスタットと同一同心円上でかつ前記第1のヘリオスタットに隣接した他のヘリオスタットと、前記第3のヘリオスタットとの間に、前記視認方向に沿って視認したときに観察される隙間δを確保し、
前記第1のヘリオスタットと、前記第2のヘリオスタットと、前記第3のヘリオスタットと同様な配置の手順にしたがって、前記視認方向に沿って遠方へ第1のヘリオスタットと第2のヘリオスタットと第3のヘリオスタットの配置を繰り返すことにより、前記隙間δを拡大させ、
当該隙間δが所定の大きさになったとき、前記視認方向に沿って視認したときに観察可能な第4のヘリオスタットを当該隙間δの位置に配置する、ヘリオスタットの配置方法。
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