JP2013170887A - 発電酵素を用いた電荷測定による高感度分子検出装置のための測定用カートリッジ、及び該測定用カートリッジを用いて標的分子を検出する方法 - Google Patents

発電酵素を用いた電荷測定による高感度分子検出装置のための測定用カートリッジ、及び該測定用カートリッジを用いて標的分子を検出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発電酵素により発生する電荷を測定することにより、任意の標的分子を迅速かつ高感度で定量性をもって検出する方法に用いることができる複数の連続したセルを備えた測定用カートリッジ、特には、そのような検出方法を自動的及び/又は連続的に行うために適した測定用カートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明により、自動化に適した、プラスチックからなる複数の連続したセル部(溶液その他を保持できる空間)を備え、特定の位置の隣接する2つのセル部がその中間に配置されたセパレータを介して一体となった検出セル部を形成していことを特徴とする測定用カートリッジが提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電酵素により発生する電荷を測定することにより標的分子を迅速かつ高感度で検出するための装置に用いる測定用カートリッジに関する。
医学、食品など多くの分野で分子検出定量はますます重要になっている。特に近年は高感度、迅速、簡便、安価、汎用性など、分析技術の向上が求められている。光学的な検出方法としては、比色法、発光法、蛍光法などをあげることができ、代表的なものとしては、蛍光免疫測定法(FIA)や酵素免疫測定法(ELISA)がある。光学的な検出方法は、高感度で迅速であるという特徴を有するが、光学的検出装置がどうしても大きくなってしまいコストや汎用性に問題があった。そこで、発電酵素を用いて、標的分子を検出する方法も提案されている。例えば、発電酵素である、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸脱水素酵素等を用いて、酵素反応により生じる電気化学的変化を検出することにより標的分子の存在を測定するものである。
本発明者らも、電気化学的変化、特には、発電酵素により発生する電荷を測定することにより、任意の標的分子を、迅速かつ高感度で定量性をもって検出する方法及びその検出方法に用いるための検出部を提供している(特許文献1)。
しかしながら、検査目的によっては、多くのサンプルを同時に、短時間で、そして効率よく検査することが必要となる場合がある。例えば、飲食物に関する検査などである。飲食物の摂取は、ヒトを含む動物において欠かすことができないものであり、その安全性に対する関心は高い。食品加工や保存技術の進歩にも拘わらず、飲食物の摂取に起因する中毒である「食中毒」は、現在でも完全に防ぐことが困難であり、毎年、食中毒に関する事象が頻繁に起こっている。
食中毒が起こった場合に限らず、繁殖した菌などにより食物が汚染された場合は、迅速に食物を検査し、原因分析や原因となった菌種特定が必要となる。これらの分析は、複数のサンプルを同時に短時間で効率よく検査すること、できれば、自動で連続的に検査することが求められている。
特開2012−21972号公報
本発明は、発電酵素により発生する電荷を測定することにより、任意の標的分子を迅速かつ高感度で定量性をもって検出する方法に用いることができる複数の連続したセルを備えた測定用カートリッジ、特には、そのような検出方法を自動的及び/又は連続的に行うために適した測定用カートリッジを提供することを目的とする。本発明はまた、そのようなカートリッジを用いて、標的分子を自動検出する方法を提供することを目的とする。
本発明の測定用カートリッジは、プラスチックからなる複数の連続したセル部(溶液その他を保持できる空間)を備え、特定の位置の隣接する2つのセル部がその中間に配置されたセパレータを介して一体となった検出セル部を形成していることを特徴とする。
本発明の例示的な態様は、以下の通りである。
(1)発電酵素による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出するための方法に用いる測定用カートリッジであって、
該測定用カートリッジは、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリメタクリル酸メチル、又はポリエチレンテレフタレート)からなるそれぞれ分離された複数の連続したセル部を備え、任意の位置の隣接する2つのセル部がその中間に配置されたセパレータを介して一体となった検出セル部を形成し、
該一体となった検出セル部は、該セパレータで分けられるそれぞれのセル部に電流を測定するための検出電極又は参照電極を挿入できるように構成され、
他のセル部の少なくとも一つは、該発電酵素を保持した結合性物質(ここで、結合性物質は、標的分子と結合する又は標的分子と競合する分子を含む指示分子と結合する)を含む溶液を入れるように構成されている、
ここで、該セパレータは、ナフィオン(登録商標)、ポリ塩化ビニリデン、DEAEセルロース、及びリン酸セルロースからなる群より選ばれる物質からなる膜である、
測定用カートリッジ。
(2)前記測定用カートリッジが直方体又は円柱体の形状である、前記(1)に記載の測定用カートリッジ。
(3)前記複数のセル部は少なくとも5つのセル部からなり、そのうちの少なくとも一つのセル部には発電酵素を保持した結合性物質を含む溶液が保持され(ここで、該結合性物質は、標的分子と結合する又は標的分子と競合する分子を含む指示分子と結合する)、かつ、他の少なくとも一つのセル部には洗浄液が保持されている、前記(1)又は(2)に記載の測定用カートリッジ。
(4)前記結合性物質が、グルコースオキシダーゼを保持した、標的分子又は指示分子に結合する抗体である前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の測定用カートリッジ。
(5)更に、前記測定用カートリッジのセル部の少なくとも一つに、標的分子に対する抗体を固定したプラスチックプレートが保持されている、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の測定用カートリッジ。
(6)前記プラスチックプレートがポリカーボネートである前記(5)に記載の測定用カートリッジ。
(7)標的分子が、大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、麻痺性貝毒、麻痺性貝毒、リステリア、ウェルシュ、及びノロウィルスからなる群より選ばれる細菌である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の測定用カートリッジ。
(8)サンドイッチELISA法又は競合ELISA法を用いた検出方法であってかつ標的分子との複合体を形成する発電酵素の電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出する検出方法に用いる、標的分子に対する抗体が固定された支持体であって、
該支持体は細長い形状を有するプラスチックからなり、かつ該支持体の長手方向の略中央より下側は平面形状を有した抗体保持部を含み、一方、上側は人又は機械が該支持体を容易に保持するためのつまみ部を含み、そして
該支持体の平面形状の抗体保持部に標的分子と結合する抗体が固定されている、
抗体固定プラスチックプレート。
(9)前記標的分子と結合する抗体が、大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、麻痺性貝毒、リステリア、ウェルシュ、及びノロウィルスからなる群より選ばれる細菌に対する抗体である前記(8)に記載の抗体固定プラスチックプレート。
(10)前記プラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリメタクリル酸メチル、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選ばれる材料からなる前記(9)に記載の抗体固定プラスチックプレート。
(11)前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の測定用カートリッジを載せるためのガードレール又は回転軸、及び測定用カートリッジの移動を制御するための制御機構を備えた、発電酵素による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出するための装置。
(12)前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の測定用カートリッジを用いて、発電酵素による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を自動的に検出する方法。
本発明の測定用カートリッジを用いて、発電酵素による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出するための一連の操作を自動で行うことができ、検出が簡便となる。更には、本発明の測定用カートリッジを用いることにより、複数のサンプルを同時に短時間で効率よく検査することができる。
本発明の、組み立て前の測定用カートリッジの概略図である。反応セルと測定セルをその間にセパレータを配置して組み合わせて、一体となった検出セル部を形成する前の状態を示している。 本発明の組み立て後の測定用カートリッジを示している。 上部がシールされ更に抗体を固定したプレートが保持された状態の本発明の測定用カートリッジを示している。 本発明の測定用カートリッジを検出装置のカードレール上に配置した状態を示している。 本発明の測定用カートリッジの他の実施態様を示した概略図である。 本発明の抗体を固定したプラスチックプレートを用いて、標的分子と結合する抗体に結合したグルコースオキシダーゼの電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出する工程を模式図で示したものである。 本発明の抗体を固定したプラスチックプレートの一態様を示した図である。 本発明の抗体固定プラスチックプレートの材料を検討した結果である。
本発明の測定用カートリッジを用いる検出方法の標的分子は、特に限定されないが、細菌、例えば、大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、麻痺性貝毒、リステリア、ウェルシュ、ノロウィルス等の食中毒菌、細胞等をあげることができ、更には、タンパク質、ペプチド、核酸(例えば、DNAまたはRNA)、糖鎖、脂質、ウィルス、又は抗原も本発明の標的分子に含まれる。
本発明の測定用カートリッジを用いる検出方法で用いる発電酵素は、対応する基質と反応することにより電圧が生じかつ電子を放出できるものであればいずれでもよく、例えばグルコースオキシターゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸脱水素酵素、グルコース6リン酸デヒドロゲナーゼなどが例示できるが、好ましくはグルコースオキシダーゼである。
本発明の測定用カートリッジを用いる検出方法で用いる基質は、発電酵素の基質となり、発電酵素の反応に比例して電子の放出をもたらすものであり、例えば、発電酵素グルコースオキシダーゼに対しては、グルコースが基質として用いられる。
本発明の測定用カートリッジは、発電酵素(好ましくはグルコースオキシダーゼ)による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出するための方法に用いるためのものである。本発明の測定用カートリッジを用いることができる、標的分子の検出方法の工程の例を、図6を参照して以下に説明する。
工程(1):標的分子に対する抗体43を結合した抗体固定プレート42を標的分子44と反応させる。標的分子44が細菌である場合は、細菌を懸濁した或いは培養した培養液中に抗体固定プレート42を挿入して反応させれば良い。
工程(2):標的分子と抗体の複合体45が形成される。この工程で、抗体固定プレートを別の溶液(洗浄液)、例えば、Tweenを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)中で洗浄することにより、複合体を形成した標的分子のみを回収できる。
工程(3):抗体固体プレートに捕獲された標的分子を、発電酵素、例えば、グルコースオキシダーゼを結合した標的分子に対する抗体(グルコースオキシダーゼ結合抗体)46と反応させる。
工程(4):抗体固定プレート−標的分子−グルコースオキシダーゼ結合抗体の複合体が形成される。抗体固定プレートを別の溶液(洗浄液)、例えば、Tweenを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)中で洗浄することにより、標的分子に結合した発電酵素結合抗体のみを回収できる。
工程(5):抗体固定プレートをグルコースの入った検出溶液52中に入れ、プレートの少なくともセパレータ側、好ましくは両側に検出電極47及び48を配置する。一方、参照電極49は、基質であるグルコースを含まない参照溶液51中に配置する。検出溶液52と参照溶液51は、セパレータ50により分けられているがイオン伝導性は確保されている。両電極間に流れる電流を測定することにより、標的分子を定量できる。
上記は、サンドイッチELISA法を例に説明したが、競合ELISA法を用いることができる。その場合は、工程(1)において、標的分子とともに、標的分子を有する指示分子を加えて競合反応させ、さらに工程(3)において、発電酵素を結合した指示分子に対する抗体を用いる。
本発明の測定用カートリッジは、非導電性の媒体であり、菌体や標識抗体に極端な結合能を持つような表面処理(例えば、アニオン、カチオン、疎水処理)をしていないものから作られるのが好ましい。また、本発明のカートリッジは、親水処理されていることが好ましく、これによりカートリッジの容器に抗体等の非特異吸着を防ぐことができる。本発明のカートリッジは、プラスチックから作られるのが好ましく、材料としてのプラスチックは、特に制限がなく、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれも用いることができるが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリメタクリル酸メチル、又はポリエチレンテレフタレートを用いることができる。
本発明の測定用カートリッジは、図1に示すように、それぞれ分離された複数の連続したセル部を備えている。図1で示されたカートリッジは10個のセル部からなるが、セル部の数は特に制限がなく、本発明のカートリッジを用いる検出方法の工程数に応じて適宜選択される。検出を迅速に行うためには、好ましくは5つのセル部(例えば、以下に示す、検出セル部(検出電極用セル部及び参照電極用セル部)、標的分子又は指示分子と発電酵素結合抗体を反応させるためのセル部、洗浄用セル部、及び抗体固定プレート用セル部のための5つのセル部)を有し、更に好ましくは7つのセル部(例えば、以下に示すように、更に他の洗浄用セル部、及びスポンジ用セル部)を有する。
本発明のカートリッジは、任意の位置の隣接する2つのセル部6及び7が、その中間に配置されたセパレータ2を介して一体となった検出セル部(6+7)を形成している。反応セル部1と測定セル部3の間にセパレータ2を挟み、両者を一体化することにより本発明の測定用カートリッジを形成することができるが、反応セル部1と測定セル部3は、嵌合するように構成するのが好ましい。セル部6及び7には、電流を測定する際には、それぞれに検出電極又は参照電極が挿入されるように構成されている。
上記した検出工程を例に、それぞれのセル部の役割を説明する。
反応セル1の端のセル部は、必要に応じ抗体固定プレートを入れておくセルである。本発明の測定用カートリッジは、抗体固定プレートを含んでいてもいなくても良い。セル部4は、例えば、細菌が標的分子である場合は、培養液を入れることができる。細菌が入った培養液に抗体固定プレートをいれることにより、標的分子を捕獲できる。培養液は保存性が悪いので、通常は、培養液は検出直前にセル部に入れるのがよい。セル部5は、例えば、標的分子を捕獲した抗体固定プレートを洗うための洗浄液を入れることができる。次のセル部は、例えば、発電酵素であるグルコースオキシダーゼを結合した抗体をいれるためのセルとして用いることができる。ここに、標的分子を捕獲した抗体固定プレートをいれることにより、抗体固定プレート−標的分子−グルコースオキシダーゼ結合抗体の複合体を形成させる。次の2つのセル部は、例えば、洗浄液を入れておくことができ、複合体形成後にプレートを洗浄することができる。2つのセル部を用いて2回洗浄することにより、誤差を小さくできる。測定セル部3のセル部8は、例えば、精製水を入れておき、電極の洗浄に用いることができる。最後のセル部は、例えば、スポンジを入れ、プレートを各セルの間を移動する際に、プレートの先をスポンジにつけることにより、溶液の混入を防ぐことができる。セル部6には検出溶液を入れ、セル部7には参照溶液を入れる。そして、セル部6には検出電極を、セル部7には参照電極をいれ、両電極間に流れる電流を測定することにより、標的分子を定量できる。
上記した、洗浄液、グルコースオキシダーゼ結合抗体及び精製水は、保存可能であるので、図2に示されるように、それらをセル部に入れ(例えば、12は洗浄液、13は精製水)、上部をシール11した上で、販売や流通させることが可能である。
更には、プレートに固定された抗体も保存可能であるので、図3に示すように、抗体固定プレート21を入れた状態で販売及び流通が可能である。
セル部が空の状態、セル部に保存可能な溶液等を入れ上部をシールした状態、及び更に抗体固定プレートを加えた状態など、これらの態様は全て、本発明の測定用カートリッジである。
なお、図3では、O-157の検出に用いる測定用カートリッジであることを示すために、側部に内容の表示をしてある。
図4は、測定用カートリッジが、検出装置内に配置された状態の一例を示したものである。カートリッジは、カードレール26上に配置され、検出工程に応じて左右に移動可能になっている。例えば、抗体固定プレートを培養液が入っているセル部で反応させた後、僅かに左側に移動させ、隣の洗浄液が入ったセル部にプレート入れるように制御できる。その後、カートリッジを左に大きく移動させて、右端のセル部に配置されたスポンジにプレートの先をつけることにより溶液の混入を防ぐことができる。次いで、カートリッジを右に大きく移動させ、発電酵素結合抗体の入ったセル部にプレートを移動させて、抗体固定プレート−標的分子−発電酵素結合抗体の複合体を形成させることができる。その後、洗浄その他の工程行い、最後に、抗体固定プレート−標的分子−発電酵素結合抗体の複合体を形成した抗体固定プレート25とその両側に配置された検出電極23及び24を検出溶液が入ったセル部6に入れ、そして参照電極22を参照溶液が入ったセル部7に入れる。そして、発電酵素から生じる電流を測定することにより標的分子を定量できる。これらの工程は制御機構を用いて容易に制御できるので、本発明の測定用カートリッジを用いて、全ての工程が自動化できる。
図5は、本発明の測定用カートリッジの他の実施態様を示した概略図であり、ここでは、測定用カートリッジは、円の形状である。ここでは、抗体固定プレート31がセル部41に保持されている状態を示している。上記した測定用カートリッジとの対比で説明すると、セル部32には培養液を、セル部33には洗浄液を、セル部34には発電酵素結合抗体を、セル部35及び36には洗浄液を、セル部39には精製水を、セル部40にはスポンジを入れることができる。セル部37とセル部38は間にセパレータを介して連結されており、測定時にはそれぞれに検出電極及び参照電極が挿入され、発電酵素により発生する電流を測定する。
このような円形のカートリッジを用いた場合は、検出装置には円形の測定用カートリッジを受けるための軸が配置されており、検出工程に従って軸を回転することにより標的分子を検出することができる。更には、それらの工程を制御機構で制御することにより、検出を自動で行うことができる。
本発明の測定用カートリッジに用いる抗体固定プレートは、細長い形状を有するプラスチックからなり、長手方向の略中央より下側の一部には平面形状を有した抗体保持部を含み、一方、上側の一部にはその本体を容易に保持できるようにつまみ部を含んでいる。そして、平面形状の抗体保持部に標的分子と結合する抗体が固定されている。抗体保持部が平面形状を有することにより、図4及び6に示されるように、抗体固定プレートの両側に、平面形状の電極を配置することでき、その結果、抗体固定プレート−標的分子−発電酵素結合抗体の複合体の発電酵素により発生する電流の検出感度を上げることができる。なお、検出電極は、2枚ではなく抗体固定プレートのセパレータ側にのみ1枚配置しても、十分な検出感度が得られる。
抗体固定プレートのつまみ部の形状は特に制限されず、平面状であっても円柱状であってもよいが、人及び機械が容易に保持できるような形状とすることが好ましい。
抗体固定プレートの材料であるプラスチックは特に制限がなく、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれも用いることができるが、目的の抗体の固定効率が良いものが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリメタクリル酸メチル、及びポリエチレンテレフタレートをあげることができる。また、プラスチックと抗体との固定効率を上げるために、プラスチック表面上にポリLリジンなどのイオン結合を誘導すること、或いはプラスチック表面に活性化エステルを有したスペーサ分子を固定し共有結合を誘導することもできる。
図7は、本発明の抗体固定プレートの一例を示している。抗体が固定された平面形状の抗体保持部62とつまみ部61からなる。つまみ部は、人及び機械が操作しやすい形状をとっている。
本発明の抗体固定プレートに固定されている抗体は、特に制限がなく、標的分子に対して特異的に結合する、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、或いはそれらの混合物であってもよい。標的分子が細菌の場合は、標的分子に応じて、例えば、大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、麻痺性貝毒、リステリア、ウェルシュ、ノロウィルス等に対する抗体が選ばれる。これらの抗体は、抗体を固定する公知の方法によりプラスチックプレートに固定できる。
本発明の測定用カートリッジに用いるセパレータは、ナフィオン(登録商標)、ポリ塩化ビニリデン、DEAEセルロース、およびリン酸セルロースからなる群より選ばれる物質から作られている膜であり、特に好ましくは、ナフィオン(登録商標)である。
本発明の測定用カートリッジを用いた検出は、特開2011−21972号公報に記載の方法を用いて行うことができる。
本発明の測定用カートリッジは、電極を備えた状態、又は電極とセットとなったキットでも販売することができるが、好ましくは、電極は検出装置に備えられる。電極は、図4に示すように、検出感度の観点より、平面電極(図22、23及び24)であることが好ましい。電極の種類は、金または導電性媒体に蒸着あるいはメッキした金であり、具体的には、金電極、金/ポリフェニレンサルフィド蒸着電極、金/Crガラス蒸着電極、または金メッキしたプラスチックからなる電極をあげることができる。
本発明の測定用カートリッジは、電流を測定するための検出溶液及び参照溶液とのキットで販売することもできる。検出溶液には、発電酵素の基質、例えば、発電酵素がグルコースオキシダーゼである場合はグルコースが含まれる。検出溶液及び参照溶液は、検出感度の観点より、電子メディエーターを含むのが好ましい。
(実施例1)抗体固定プレートの材料
抗体を固定するプラスチックプレートの材料による、抗体の固定を検討した。
以下の5種類のプラスチック板(厚さ1.0mm;8x30mm)にRabbit IgGを固定し、以下の操作により、固層に用いる担体として最適な素材を評価した。ABS樹脂:ポリカーボネート(PC):ポリスチレン(PS)(PS−1:ディックスチレン(登録商標)、PS−2:トーヨースチロール(登録商標)、及びPS−3:PS2031−1(Hikari社製))
プラスチック板を99%EtOHで灌ぎ、乾燥させ、PBSで洗浄した後、PBSに調製した各濃度の抗体溶液(1μg/ml、0.1μg/ml及びコントロール)を用いて、E.coliに対する抗体(Rabbit IgG)をコーティングした。抗体結合プラスチック板を、E.coliと反応させた後、二次抗体(Goat anti Rabbit IgG (H&L) HRP (horseradish peroxidase) conjugated:POD−GAR)を反応させた。板を洗浄後、グルコースオキシダーゼ発色試薬を加え、発色を測定した。それぞれ2回実験を行った。結果を図8に示す。
その結果、抗体濃度1μg/mlにおいて全ての素材で似たような吸光値を示し、本発明の抗体固定プラスチックプレートに用いることができることが判ったが、特に、ポリカーボネートのみ0.1μg/mlでも高い値(高い抗体固定効率)を示した。
本発明の測定用カートリッジを用いることにより、標的分子の検出を自動的・連続的に行うことができ、複数のサンプルを同時に短時間で効率よく検査することができる。
1 反応セル部
2 セパレータ
3 測定セル部
4〜8 セル部
11 シール
12 洗浄液
13 精製水
21 抗体固定プレート
22 参照電極
23、24 検出電極
25 標的分子を補足した抗体固定プレート
26 カードレール
31 抗体固定プレート
32〜41 セル部
42 抗体固定プレート
43 抗体
44 標的分子
45 標的分子と抗体の複合体
46 グルコースオキシダーゼ結合抗体
47、48 検出電極
49 参照電極
50 セパレータ
51 参照溶液
52 検出溶液

Claims (12)

  1. 発電酵素による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出するための方法に用いる測定用カートリッジであって、
    該測定用カートリッジは、プラスチックからなるそれぞれ分離された複数の連続したセル部を備え、任意の位置の隣接する2つのセル部がその中間に配置されたセパレータを介して一体となった検出セル部を形成し、
    該一体となった検出セル部は、該セパレータで分けられるそれぞれのセル部に電流を測定するための検出電極又は参照電極を挿入できるように構成され、
    他のセル部の少なくとも一つは、該発電酵素を保持した結合性物質(ここで、結合性物質は、標的分子と結合する又は標的分子と競合する分子を含む指示分子と結合する)を含む溶液を入れるように構成されている、
    ここで、該セパレータは、ナフィオン(登録商標)、ポリ塩化ビニリデン、DEAEセルロース、及びリン酸セルロースからなる群より選ばれる物質からなる膜である、
    測定用カートリッジ。
  2. 前記測定用カートリッジが直方体又は円柱体の形状である、請求項1に記載の測定用カートリッジ。
  3. 前記複数のセル部は少なくとも5つのセル部からなり、そのうちの少なくとも一つのセル部には発電酵素を保持した結合性物質を含む溶液が保持され(ここで、該結合性物質は、標的分子と結合する又は標的分子と競合する分子を含む指示分子と結合する)、かつ、他の少なくとも一つのセル部には洗浄液が保持されている、請求項1又は2に記載の測定用カートリッジ。
  4. 前記結合性物質が、グルコースオキシダーゼを保持した、標的分子又は指示分子に結合する抗体である請求項1〜3のいずれか一つに記載の測定用カートリッジ。
  5. 更に、前記測定用カートリッジのセル部の少なくとも一つに、標的分子に対する抗体を固定したプラスチックプレートが保持されている、請求項1〜4のいずれか一つに記載の測定用カートリッジ。
  6. 前記プラスチックプレートがポリカーボネートである請求項5に記載の測定用カートリッジ。
  7. 標的分子が、大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、麻痺性貝毒、麻痺性貝毒、リステリア、ウェルシュ、及びノロウィルスからなる群より選ばれる細菌である、請求項1〜6のいずれかに記載の測定用カートリッジ。
  8. サンドイッチELISA法又は競合ELISA法を用いた検出方法であってかつ標的分子との複合体を形成する発電酵素の電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出する検出方法に用いる、標的分子に対する抗体が固定された支持体であって、
    該支持体は細長い形状を有するプラスチックからなり、かつ該支持体の長手方向の略中央より下側は平面形状を有した抗体保持部を含み、一方、上側は人又は機械が該支持体を容易に保持するためのつまみ部を含み、そして
    該支持体の平面形状の抗体保持部に標的分子と結合する抗体が固定されている、
    抗体固定プラスチックプレート。
  9. 前記標的分子と結合する抗体が、大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、麻痺性貝毒、リステリア、ウェルシュ、及びノロウィルスからなる群より選ばれる細菌に対する抗体である請求項8に記載の抗体固定プラスチックプレート。
  10. 前記プラスチックが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリメタクリル酸メチル、及びポリエチレンテレフタレートからなる群より選ばれる材料からなる請求項9に記載の抗体固定プラスチックプレート。
  11. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の測定用カートリッジを載せるためのガードレール又は回転軸、及び測定用カートリッジの移動を制御するための制御機構を備えた、発電酵素による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を検出するための装置。
  12. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の測定用カートリッジを用いて、発電酵素による電気化学的変化によって生じる電流を測定することにより標的分子を自動的に検出する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018004615A (ja) * 2016-06-24 2018-01-11 アルバック成膜株式会社 溶液成分分析キット、溶液成分分析方法、及び溶液成分分析装置
CN109781817A (zh) * 2019-02-19 2019-05-21 大连工业大学 一种检测副溶血性弧菌的光电化学生物传感器及其制备方法
WO2024034315A1 (ja) * 2022-08-08 2024-02-15 株式会社村田製作所 標的物質の検出装置及び標的物質の検出方法

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