JP2013168694A - 無線通信システムおよび無線局 - Google Patents

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Abstract

【課題】端末へのデータ伝送を効率的に行う無線通信システムを得ること。
【解決手段】本発明は、複数の無線局、および当該複数の無線局を収容するゲートウェイを含んだ無線通信システムであって、複数の無線局の中の2つ以上の無線局(無線局1,2)が同一端末宛の同一データをゲートウェイ側から取得した場合、同一端末宛の同一データを取得した無線局1,2は、互いに連携して取得したデータの全てまたは一部をその宛先端末に向けて送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の通信装置が連携して信号を送信する無線通信システムに関する。
近年、高速通信への高い需要により高速無線通信システムの構築が求められている。無線伝送速度を向上させる一つの技術として、複数の無線局が連携して信号送信を行う技術が従来から知られている。
たとえば、下記特許文献1には、コグニティブ無線など複数の異なる無線方式に属する無線局が連携する形態に関する技術、具体的には、各無線方式に対してQoSに応じてパケットを振り分ける方法が記載されている。
また、下記特許文献2には、複数の無線周波数チャネルに負荷を分散させることで、通信システム全体のスループット向上を図る方法が記載されている。
複数の無線局が連携する形態に関しては、異なる無線システムに属する無線局間で連携を行う場合もあれば、同じ無線システムに属する複数の無線局で連携を行う場合もある。これらの従来技術には以下に示す共通動作が含まれる。共通動作においては、各無線局を収容している上位の分配装置(サーバ)で端末宛のデータが発生した場合、まず、分配装置は、連携動作を行う各無線局に端末宛のデータを分配する。そして、分配装置から端末宛のデータを受信した各無線局は、受信したデータを無線リンクで端末へ送信する。分散装置には事前に各経路のチャネル状態などの情報が集められ、その情報に基づいて各経路でデータを分配する場合もある。
特開2009−141438号公報 特開2006−313993号公報
従来技術では、無線局を主要している分配装置は、連携する各無線局に異なるデータを送信している。すなわち、分配装置は、データを複数のブロックに分割するとともに各無線局から送信させるブロックを決定し、各無線局には、その無線局から端末へ送信させるブロックを送信する。しかしながら、各無線局から異なるデータを送信することが必ずしもよいとは限らない。端末の移動速度が速い場合など、環境によっては一部の送信局からデータをうまく受信できない場合もある。従って、環境に応じて適切な連携送信モードを選択できる構成の実現が望まれている。
また、複数の無線局が異なるデータ部分を送信する場合には、各基地局が送信するデータ部分を受信側(端末)に通知する制御信号が必要となるが、信号伝送を効率的に行うためには、この制御信号を効率的に通知(伝送)する方法が必要となる。
また、伝搬環境に応じて、複数の無線局からデータを送信する割合を適応的に変化させられることが望ましく、またこのとき、各無線局からデータがほぼ同時に到着するように制御できる構成の実現が望まれる。
また、複数の無線局が異なるデータ部分を送信する際に、トラヒック状況および無線局間の接続リンクの状況に応じて一方の基地局からのデータが遅延する場合がある。そのため、このような場合に各無線局からデータがほぼ同時に到着するように再送制御を行う構成及び再送制御にかかる情報を端末に通知する方法の提供が望まれる。
また、複数の無線局が異なるデータ部分を送信する場合、連携送信において所定の通信品質の維持を保証する方法の提供が望まれる。
また、無線伝送では連携送信を行う複数の無線局とのリンクのうち、一部のリンクの接続状態が急激に劣化する場合がある。そのため、このような場合にも通信品質を維持できる構成の実現が望まれる。
また、端末がセル間でハンドオーバする際に柔軟に連携制御を行える構成の実現が望まれる。
また、連携無線局(連携送信を行う各無線局)及び端末が複数アンテナを有する環境では、受信局が空間多重信号を分離できる範囲で連携無線局が信号を送信できる構成の実現が望まれる。
また、セルラー無線通信において複数の無線局が連携して信号を送信する場合、国際標準方式である3GPP(Third Generation Partnership Project)−LTE(Long Term Evolution)方式の機能を保ちつつ機能拡張を行える構成の実現が望まれる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、端末へのデータ伝送を効率的に行う無線通信システムおよび無線局を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の無線局、および当該複数の無線局を収容するゲートウェイを含んだ無線通信システムであって、前記複数の無線局の中の2つ以上の無線局が同一端末宛の同一データをゲートウェイ側から取得した場合、前記同一端末宛の同一データを取得した各無線局は、互いに連携して当該取得したデータの全てまたは一部をその宛先端末に向けて送信することを特徴とする。
本発明によれば、連携動作を行ってデータを送信する各無線局とデータ受信側の端末との間の無線リンクの状態に応じて適切なデータ伝送手順を選択し、データ伝送を効率的に行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる無線通信システムの構成例および動作概要を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる無線通信システムの構成例および動作概要を示す図である。 図3は、実施の形態1の連携制御手順を示すシーケンス図である。 図4は、実施の形態1の連携制御を実現する無線局の構成例を示す図である。 図5は、連携無線局でのデータ分割方法の一例を示す図である。 図6は、連携無線局で分割されたデータのヘッダにつけられるシーケンス番号の一例を示す図である。 図7は、連携無線局から端末への信号送信動作の一例を示す図である。 図8は、連携無線局から端末への信号送信動作の一例を示す図である。 図9は、連携送信されたデータを受信する端末の構成例を示す図である。 図10は、データの分割方法を指示する制御信号の構成例を示す図である。 図11は、データの分割動作の一例を示す図である。 図12は、分割データとともに連携無線局から端末に送信される制御信号を示す図である。 図13は、端末におけるデータの結合動作を示す図である。 図14は、連携無線局が3局の場合に主無線局から副無線局に送信する制御信号の一例を示す図である。 図15は、連携無線局が3局の場合に各連携無線局が端末に送信する制御信号の一例を示す図である。 図16は、送信ごとにデータのビット数を変化させる場合の無線局におけるデータの分割・送信動作を示す図である。 図17は、送信ごとにデータのビット数が変化する場合の端末におけるデータの統合動作を示す図である。 図18は、実施の形態3の無線通信システムにおける再送制御の一例を示す図である。 図19は、再送制御動作を示したシーケンス図である。 図20は、実施の形態3の無線局による再送動作を説明するための図である。 図21は、データ部分の定義方法の一例を示す図である。 図22は、連携送信を行う無線局が3局の場合の送信制御の一例を示す図である。 図23は、連携無線局が3局の場合の再送動作を説明するための図である。 図24は、実施の形態4の無線通信システムにおける送信制御動作の一例を示す図である。 図25は、3つの無線局が連携送信する場合のデータ伝送手順の一例を示すシーケンス図である。 図26は、フレームごとにデータ分割比率に関する制御情報を通知する場合の通知方法の一例を示す図である。 図27は、連携無線局が端末局へデータ分割比率を通知する方法の一例を示す図である。 図28は、データ分割比率とインデックス番号の対応テーブルの一例を示す図である。 図29は、実施の形態6の無線通信システムにおいて連携無線局が連携送信を行う際の制御手順を示すシーケンス図である。 図30は、連携無線局が分割データ送信を行う際の制御手順を示す図である。 図31は、連携無線局が2局の場合に端末が各連携無線局に対して送信する制御信号の一例を示す図である。 図32は、連携無線局が3局の場合に端末が各連携無線局に対して送信する制御信号の一例を示す図である。 図33は、実施の形態6の無線通信システムにおけるデータ伝送の動作例を示す図である。 図34は、連携無線局主導での連携制御と端末主導での連携制御のどちらを実施するかを選択する制御の一例を示す図である。 図35は、連携無線局主導での連携制御と端末主導での連携制御のどちらを実施するかを選択する制御の一例を示す図である。 図36は、連携無線局が2局の場合における相対遅延の測定動作を示す図である。 図37は、相対遅延の測定動作を示したシーケンス図である。 図38は、実施の形態8の無線通信システムにおける連携送信動作を説明するための図である。 図39は、実施の形態9の無線通信システムにおける連携送信動作を説明するための図である。 図40は、分割比率と連携無線局ごとの最大レイヤ数の対応関係を示したテーブルの一例を示す図である。 図41は、実施の形態9の無線通信システムにおける連携送信動作を説明するための図である。 図42は、実施の形態1〜9で示した連携送信の利用形態の一例を示す図である。 図43は、連携無線局が送信モードを選択する手順を示したフローチャートである。 図44は、LTE方式におけるユーザープレーンのプロトコルスタックを示す図である。 図45は、実施の形態1〜11で示した連携送信制御を3GPP LTE方式に適用するためのプロトコルスタックを示す図である。 図46は、実施の形態12の無線局の構成例を示す図である。 図47は、実施の形態12の端末の構成例を示す図である。
以下に、本発明にかかる無線通信システムおよび無線局の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
以下の各実施の形態では、複数の無線局が連携して端末へデータを伝送する行う方法について開示する。各実施の形態では、「基地局」「端末」の用語を用いて説明する場合もあるが、開示するデータ伝送方法は「基地局」「端末」以外のいかなる無線局に対しても適用可能である。なお、各実施の形態においては、他の無線局と連携してデータ送信を行う無線局を「連携無線局」と呼んで説明を行う。
実施の形態1.
図1および図2は、本実施の形態の無線通信システムの構成例および動作概要を示す図である。図示したように、本実施の形態の無線通信システムは、上位ネットワークに接続されたゲートウェイとこのゲートウェイ配下に接続された無線局を含み、無線局と端末局は無線伝送路(無線リンク)を介して通信を行う。ゲートウェイと各無線局は有線伝送路で接続されている。
上記構成の無線通信システムでは、上位ネットワーク側から無線局配下の端末にデータを送信する場合、各連携無線局(図1,図2に示したシステム構成の場合は無線局1,2となる)に同一データを配信する。このように、本実施の形態の無線通信システムにおいては、従来のシステムがネットワーク上のサーバ(分配装置)においてデータを分割し、異なるデータ部分を各無線局に配信する構成を採用していたのに対して、連携無線局に同じデータを配信するように構成したことが特徴の一つである。なお、実施の形態2以降で示す無線通信システムおいても同様に、連携無線局に同じデータを配信する。
各連携無線局に同じデータを配信する方法としては、たとえば、図1に示すようにネットワーク上のゲートウェイがデータを複製し、配下の複数の無線局1,2に送信する。また、図2に示すようにゲートウェイからデータを受信した無線局1が受信したデータを無線局2に再配信する(複製して送信する)ようにしてもよい。図2に示した方法を適用する場合、たとえば、ゲートウェイは、複数無線局(連携無線局)への同一データ配信が必要と判断すると、連携無線局の中の1つに対し、上位ネットワークから受信したデータを転送するとともに連携無線局への再配信を指示し、ゲートウェイからデータを受信した連携無線局は、受信したデータの複製データを他の連携無線局に対して送信する。この他、複数の無線局へ同じデータを配信するいかなる方法であっても構わない。便宜上、図1,図2においては、図示した端末に対して連携送信を行う無線局1,2のみを記載しているが、実際には、連携送信を行わない他の無線局もゲートウェイに収容されている。
なお、複製された同一データが配信される無線局(連携送信を行う無線局)は、配信されるデータの宛先端末と無線通信が可能な無線局である。ゲートウェイがデータを複製する場合(図1に示した動作を行う場合)、ゲートウェイは複製を開始する前に連携させる無線局(連携無線局)を決定する。無線局が受信データを他の無線局に再配信する場合(図2に示した動作を行う場合)、ゲートウェイから端末宛のデータを受信した無線局が、再配信を開始する前に連携送信を行う無線局(データの再配信先)を決定する、または、ゲートウェイが、連携送信を行う無線局を決定する。後者の場合、ゲートウェイは、ある端末宛のデータを連携送信させる無線局を決定し、決定した無線局の中の1つに対して、決定結果を通知するとともにデータを送信し、データを受信した無線局は、ゲートウェイからの通知内容が示す無線局にデータを配信する。また、図2に示した動作を行う場合、ゲートウェイでは複数無線局を使用した連携送信を行うかどうかの判断を一切せずに上位ネットワークからの受信データを配下のいずれか一つの無線局に転送し、ゲートウェイからデータを受信した無線局が他の無線局と連携してデータを送信するかどうか判断するようにしてもよい。ゲートウェイまたは無線局において連携送信を行う無線局を決定する方法については特に規定しない。
同じデータの配信を受けた各連携無線局(無線局1,2)は、受信したデータの中から適切なデータ部分を選定して端末に送信する。このように、各連携無線局が適切なデータ部分を選択して端末に信号を送信することにより、高い無線伝送効率を実現できる。
なお、本実施の形態を適用した場合、有線ネットワークでの伝送データ量は従来の構成を適用したシステムよりも多くなるが、有線ネットワークの許容伝送速度は無線リンクよりも十分大きく、有線上で多くのデータを伝送しても通常大きなコストとはならない。一方、無線局1,2は全てのデータを保持するため、環境に応じて適切なデータ部分を選択して低遅延で送信する伝送制御が可能となる。図1,2で示したような制御動作を適用した場合の利点は他にも多くあるが、それらの詳細については後で説明する。
このように、本実施の形態の無線通信システムでは、同じデータの配信を受けた無線局1,2(連携無線局)がその中から適切なデータ部分を選定して配下の端末へ送信することを特徴とする。
図3は、本実施の形態の連携制御手順を示すシーケンス図であり、ゲートウェイが上位ネットワークから受信したデータを無線局1および2が連携して端末へ送信する場合の例を示している。このシーケンスは、図1に示した動作概要に対応する。また図4は、本実施の形態の連携制御を実現する無線局の構成例を示す図である。図4に示した構成は無線局1,2(主無線局,副無線局)のいずれに対しても適用できる。
図4に示したように、本実施の形態の無線局は、ゲートウェイからデータを受信するデータ受信部41と、データ受信部41で受信したデータを保持しておくバッファ42と、バッファ42で保持しているデータの送信モード(他の無線局とどのように連携してデータを送信するか)を選定する送信モード選択部43と、送信モード選択部43での選定結果に従い、送信データをバッファ42から取り出すデータ選択部44と、端末または他の無線局から送信された制御情報を受信する制御情報受信部45と、端末へ送信する制御情報を決定する制御情報決定部46と、データ選択部44から受け取ったデータおよび制御情報決定部46から受け取った制御情報を端末へ送信するデータ/制御情報送信部47と、を備える。なお、図2に示したシステム形態の場合、データを受信した無線局においては、たとえば、データ受信部41が他の無線局(連携送信を行う他の無線局)へ受信データを再配信する。
図3に示した連携制御においては、まず無線局1,2がゲートウェイから同じデータの配信を受ける(ステップS31)。ゲートウェイから送信されたデータは各連携無線局(無線局1,2)のデータ受信部41において受信され、バッファ42に格納される。さらに、無線局1,2は、端末から現在のチャネル状態、チャネル品質、移動速度などに関する報告を制御情報として受信する(ステップS32)。この制御情報は各連携無線局の制御情報受信部45において受信される。チャネル状態およびチャネル品質は、無線局から端末に向かう方向である下り方向のチャネル(下りチャネル)についてのチャネル状態およびチャネル品質である。
次に、ステップS33およびS34を実行し、連携無線局の中のいずれか一つが、各連携無線局からデータを送信するモード(連携送信モード)を予め決定しておいた複数の連携送信モードの中から選択する。図3では、無線局1が連携送信モードを選択する場合を示している。この場合、連携送信モードの選択を行わない連携無線局(図3の場合は無線局2となる)は、ステップS32で端末から受信した制御情報を、連携送信モードの選択を行う連携無線局(無線局1)へ転送し(ステップS33)、無線局1は、端末から直接受信した制御情報と他の連携無線局(無線局2)経由で端末から受信した制御情報とに基づいて連携送信モードを選択する(ステップS34)。無線局2から送信された制御情報は無線局1の制御情報受信部45において受信され、無線局1では、送信モード選択部43において送信モードを選定する。なお、これ以降の説明において、連携送信モードを選択する連携無線局を「主無線局」または「主連携無線局」と呼び、その他の連携無線局を「副無線局」または「副連携無線局」と呼ぶ。
主無線局である無線局1は、送信モードを選定すると、次に、選定した送信モードおよびその関連情報(送信タイミング、データ分割方法など)を副無線局(無線局2)に通知する(ステップS35)。この処理では、無線局1の送信モード決定部43が選択結果(送信モード)の情報とその関連情報を無線局2に向けて送信し、無線局2では、これらの情報を制御情報受信部45が受信する。そして、各連携無線局(無線局1,2)は、主連携無線局で選定された送信モードに従い、必要な制御情報とデータを端末に送信する(ステップS36〜S39)。端末に送信する制御情報は各連携無線局の制御情報決定部46で生成され、データはデータ選択部44で生成される。生成された制御情報とデータは、データ/制御情報送信部47から端末に向けて送信される。ここで、各連携無線局から端末に向けて送信される制御情報とは、主無線局で選定した送信モードの関連情報(送信タイミング、データ分割方法など)であり、端末は、この情報に従って各連携無線局から送信されたデータを受信する。
より好ましい送信モード選択の形態として、以下に示す2つの送信モードの中から選択する形態が特に有効である。
(送信モードA:分割データ送信モード)
各連携無線局においてデータを分割してそれぞれ異なるデータ部分を送信する。
(送信モードB:同一データ送信モード)
各連携無線局から同じデータをそれぞれ送信する。
送信モードAは端末が静止してチャネル状態に変化がない場合に特に有効となる。これは、端末が通知したチャネル品質は時間的にあまり変化しないため、端末は分割されたデータを安定的に受信できるためである。この場合、各連携無線局から異なるデータを送信することで高い無線伝送効率を実現できる。
一方、送信モードBは端末が高速移動している場合に特に有効となる。この場合、端末のチャネル環境は変わりやすく、データを受信できない場合も発生しうるが、各連携無線局(本実施の形態では2つの無線局)から同じデータを送信することでダイバーシチ効果を得ることができる。なお、各連携無線局がデータを送信するタイミングは同じであっても異なっていても構わない。また、各連携無線局はデータを同じ周波数で送信しても異なる周波数で送信しても構わない。端末が複数アンテナを有する場合には、無線局1,2が同じ周波数でデータを送信しても、各連携無線局からのデータを同時に受信することができる。また、無線局1,2が異なる周波数でデータを送信する場合には、従来から広く知られている周波数フィルタリング技術を用いて個別にデータを受信できる。このように無線局1,2が連携して環境に応じた送信モードを選定する構成により、データ伝送を効率的に行うことが可能となる。
また、上記の送信モードA(データ分割送信モード)を用いる場合、無線局1は分割されたデータへのシーケンス番号割り当て方法を無線局2に通知する。データへのシーケンス番号割り当て方法としては主に以下の2通りがある。
(連携シーケンス番号割り当て)
一連のシーケンス番号を複数の無線局で分割し、各無線局において分割されたシーケンスの一組をデータパケットに付与して送信する。
(独立シーケンス番号割り当て)
シーケンス番号を各無線局において独立にデータパケットに付与して送信する。
連携シーケンス番号割り当てを使用した場合、独立シーケンス番号割り当てを使用した場合と比較して、送信側(連携無線局側)における連携送信処理は複雑になるが、受信側(端末)における各データ部分の結合作業にかかる処理負荷は小さくなる。一方、独立シーケンス番号割り当てを使用した場合には、送信側での処理は複雑化しないが、受信側における結合処理が複雑化して処理負荷が大きくなる。どちらを使用するかはシステムで固定としてもよいし、無線局や端末の状態(負荷状態など)に応じて適応的に選択するようにしてもよい。
図5は、各連携無線局でのデータ分割方法の一例を示す図であり、送信モードAと連携シーケンス番号割り当てを用いる場合の各連携無線局(無線局1,2)におけるデータ分割方法を示している。本図では、全データを8個のブロックに分割し、各ブロックにシーケンス番号1〜8を付与する。さらに、その中から各無線局が送信を担当するデータ部分を抽出して、各無線局から送信する。図6は、各連携無線局で分割されたデータのヘッダに付与するシーケンス番号の一例を示す図である。図示したように、分割されたデータに対して、そのヘッダ部分にシーケンス番号を書き込むことによって、各データ部分にシーケンス番号を割り当てることができる。
図7および図8は、連携無線局から端末への信号送信動作の一例を示す図であり、無線局から端末に向けて送信する制御情報とデータの具体例を示している。図7は送信モードAを使用する場合の動作を示し、図8は送信モードBを使用する場合の動作を示している。図7,8に示した動作においては、まず、無線局A(主無線局)が、制御情報として、データ送信に用いる無線リソースとその送信モード(送信モードAまたはB)を識別する情報、およびシーケンス番号の割り当て方法の情報を端末に送信する。次に、制御情報を受信した端末が、送信モード(送信モードAまたはB)およびシーケンス番号の割り当て方法を識別し、特定された無線リソース位置においてデータを受信する。制御信号によって無線リソースを特定する方法は従来から多く知られており、そのいかなる方法を使用しても構わない。
図9は、連携送信されたデータを受信する端末の構成例を示す図である。この端末は、アンテナを介して信号を受信する信号受信部91と、下りチャネルの状態や品質などを測定するチャネル状態測定部92と、チャネル状態の測定結果やデータの受信結果などを示す制御情報の生成(制御情報パラメータの決定)および送信を行う制御情報決定/送信部93と、信号受信部91で受信した信号から対向する無線局ごとの送信データを抽出するデータ受信部94,95と、信号受信部91で受信した信号から制御情報を抽出し、その内容を解読する制御情報受信部96と、データ受信部94,95でそれぞれ抽出したデータを結合して対向する無線局側から送信された元のデータを再生するデータ結合部97と、を備える。
図9に示した端末では、無線局1,2からの信号を信号受信部91が受信し、受信信号に含まれている制御信号を制御情報受信部96が解読することで送信モード(AまたはB)を識別する。また、データ受信部94,95において無線局1,2からのデータを個別に抽出する。さらに、送信モードAの場合には、データ結合部97において、無線局1,2から送信された信号のシーケンス番号を確認し、信号のシーケンス番号の順序を整えることによりデータを統合する。一方、送信モードBの場合には、データ結合部97において、無線局1,2から個別に受信したデータを最大比合成などの合成方法に従い受信することにより、その信号受信品質を改善する。
このように、本実施の形態の無線通信システムでは、端末宛のデータを連携して送信する連携無線局(無線局1,2)に端末宛の同一データ(端末宛の全てのデータ)を配信し、同一データの配信を受けた各連携無線局は、各連携無線局が分割されたデータを送信する(分担してそれぞれ異なるデータ部分を送信する)送信モードAと各連携無線局から同一データ(全てのデータ)を送信する送信モードBの中から適切な送信モードを選定して端末へデータを送信することとした。また、データ送信時には利用する送信モードを制御情報として端末に通知することとした。これにより、環境(端末の移動状態や移動速度、各連携無線局と端末との間のそれぞれのチャネル状態など)に応じた適切なデータ伝送が実現でき、ネットワーク側から端末へのデータ伝送を効率的に行うことができる。また、連携無線局の間で取り決められたシーケンス番号割当方法に従ってデータを分割し、端末ではそのシーケンス番号割り当て方法に従ってデータを並び替えることにより、各連携無線局で分割されたデータ信号を統合する。これにより、端末は各連携無線局からのデータを、シーケンス番号に基づく簡易な順序並び替えにより統合できる。特に、図5や図6を使用して説明した連携シーケンス番号割当を使用した場合、端末では送信無線局を意識することなくシーケンス番号のみを並び替えることによりデータを結合でき、格別に簡易な順序並び替えを行うことができる。
実施の形態2.
本実施の形態では、実施の形態1で説明した連携送信制御において、データへ独立シーケンス番号割り当て方法を適用する場合について説明する。
実施の形態1で説明した無線通信システムにおいて送信モードA(分割データ送信モード)と独立シーケンス番号割り当てを用いたデータ送信を行う場合、まず主無線局の無線局1から副無線局の無線局2に対して図10に示す制御信号を送信する。本制御信号には、データ分割を開始するデータ位置を示す分割開始位置、分割周期T(ビット)、分割比率R、前半を担当する無線局IDおよび後半を担当する無線局IDが制御情報として含まれている。分割開始位置はIPパケット番号などのデータ番号またはそのビット位置を指定することにより無線局間で共有できる。なお、シーケンス番号の割り当て方法は予めされており各無線局はその内容(独立シーケンス番号割り当てを使用すること)を把握しているものとする。
図10に示した制御信号を受信した無線局2は、分割開始位置を認識すると、分割周期Tおよび分割比率Rに基づきデータの分割方法を把握する。さらに、前半を担当する無線局ID,後半を担当する無線局IDを解読することにより自身(無線局2)が送信を担当するデータ部分(データブロック)を認識する。無線局2は制御内容を認識すると、図11に示すように全データ系列をTビットの周期で分割し、さらにそのTビットの各ブロックをR:1−Rの比率に分割する。無線局2は、分割後のデータ部分のうち自身が送信を担当するデータ部分に対して、無線局ごとに独立にシーケンス番号を付与したヘッダを付加して送信する。無線局1も同様の手順でデータを分割し、自身が送信を担当するデータ部分にシーケンス番号を付与したヘッダを付加して送信する。
図12は、分割データ(上記制御情報に従って分割した後のデータブロック)とともに連携無線局から端末に送信される制御信号を示す図である。図示したように、この制御信号には、シーケンス番号の割り当て方法(連携または独立)を示す情報(シーケンス割り当て方法)、分割周期T(ビット)、分割比率Rおよびこの制御信号の送信元の連携無線局が送信を担当するデータ部分(前半または後半)の情報が含まれる。端末はこの制御信号を受信することにより、シーケンス番号の割り当て方法およびデータの分割方法を認識する。
図13は、端末におけるデータの結合動作を示す図である。図示したように、端末は、まず、無線局1から受信したデータ部分をそのシーケンス番号に応じて結合し、同様に、無線局2から受信したデータ部分についても結合する。端末はデータとともに送信されてきた制御信号に含まれる情報を確認して受信データの分割周期T,分割比率Rを把握しているので、次に、結合したデータを一定数のビットごとに分割して各連携無線局(無線局1,2)からのデータ部分を交互に並べる。ここで、無線局1から受信したデータ部分を結合したデータについてはTRビット(T×Rビット)ごとに分割する。一方、無線局2から受信したデータ部分を結合したデータについてはT(1−R)ビットごとに分割する。このような方法により端末ではデータを統合できる。
図10〜図13では2つの無線局での連携を想定して説明を行ったが、同様の概念は3つ以上の無線局が連携する場合に対しても拡張できる。一例として、3つの無線局1〜3が連携してデータを送信する場合について説明する。図14は、連携無線局が3局の場合に使用する制御信号(主無線局から副無線局に送信する制御信号)の一例を示す図である。無線局1が主無線局である場合、無線局1は、送信モードの決定を行い、送信モードAを選定した場合、副無線局である無線局2,3に対して図14に例示した制御信号を送信する。本制御信号には、分割開始位置、データの分割数N、1番目の分割部分(分割部分1)のビット数、2番目の分割部分(分割部分2)のビット数、3番目の分割部分(分割部分3)のビット数および各分割部分を担当する無線局IDが制御情報として含まれている。図14の下段には、一例として、分割数Nが3の場合における各分割部分と各分割部分のビット数の関係を示している。本制御信号を受信した各副無線局(無線局2,3)および主無線局(無線局1)は、含まれている各制御情報を確認することにより自身が送信を担当する分割部分を把握し、その分割データ部分を端末に向けてそれぞれ送信する。また、図15は、各連携無線局(無線局1,2,3)が端末に送信する制御信号の一例を示している。この制御信号は、シーケンス割り当て方法、分割数N、各分割部分のビット数B1〜BN、およびこの制御信号の送信元の連携無線局が送信を担当するデータ部分(分割部分)の情報を含んでいる。端末はこの制御信号を受信し、含まれている各制御情報を確認することにより、シーケンス番号割り当て方法およびデータの分割方法を認識する。端末はこの制御信号に基づき、各連携無線局から送信されるデータ部分を受信し、並び替えることにより、連携送信されたデータを統合する。このように、3つ以上の無線局が連携してデータを分割送信する場合にも適用できる。
これまでは、各無線局が同じビット数のデータを周期的に送信する場合を想定したが、無線リンクで送信されるデータのビット数は送信ごとに異なっていても構わない。例えば、無線局が端末との間のチャネル状態に応じて変調・符号化率を適応的に変化させる場合には、利用する変調方式に応じて送信ごとのデータのビット数は変化する場合もある。ここで、送信ごとのデータのビット数は時間的に変化する場合もあれば、異なる周波数での送信ごとに変化する場合もある。また、異なる空間領域への送信においてビット数が変化する場合もある。
図16は、送信ごとにデータのビット数を変化させる場合の無線局におけるデータの分割・送信動作を示す図である。図16で示した例では、無線局1,2はデータをTビット周期で分割し、さらに、TビットのデータをR:1−Rの比率で分割する。その後、各無線局は自身が送信を担当するデータ部分を一旦結合し(図示したデータブロック1601,1602に相当)、チャネル状態に応じて変調・符号化率を適応的に決定して送信ごとのビットサイズを決定する。各無線局は、送信ごとのビットサイズを決定すると、上記の一旦結合したブロック(データブロック1601,1602)を決定したビットサイズで分割し、さらに、分割後の各ブロック(分割データ)にヘッダ1603〜1607をそれぞれ付加し、ヘッダにシーケンス番号を書き込んで端末に送信する。
図17は、送信ごとにデータのビット数が変化する場合の端末におけるデータの統合動作を示す図であり、図16に示した手順で分割されたデータを結合して元のデータに戻す手順を示している。図示したように、端末は、無線局1から受信したデータをそのシーケンス番号順に並べて結合し、データブロック1701を得る。さらに、データブロック1701をTRビットごとに分割する。同様に、無線局2から受信したデータをそのシーケンス番号順に並べて結合し、データブロック1702とした後、さらに、T(1−R)ビットごとに分割する。最後に、無線局1,2からの分割データ(TRビットのデータブロックとT(1−R)ビットのデータブロック)を交互に並べることにより、データを統合する。
このように、本実施の形態の連携送信方法では、連携無線局(無線局1,2)がデータを分割送信する場合に各連携無線局で独立にシーケンス番号割り当てを行い、シーケンス番号がヘッダに書き込まれた分割データ、および適切な制御信号をデータの宛先端末に送信することとした。これにより、端末では、受信した各分割データをそれらのヘッダに付加されたシーケンス番号に従って並び替えて結合し、さらに、受信した制御情報に従って所定ビットごとのブロックに分割した後に交互に並び替えることにより、分割送信されたデータを統合して元の送信データを復元することができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1,2で説明した無線通信システムに適用可能な再送制御方法について示す。
実施の形態1,2では複数の無線局が連携して分割データを送信する場合について説明したが、端末が連携無線局からのデータの一部または全てを正しく受信できない場合もある。そのため、本実施の形態では、このような状況においてデータを再送する場合の再送制御方法について説明する。
図18は、本実施の形態の無線通信システムにおける再送制御の一例を示す図である。図18では、無線局1,2が連携無線局として動作し、分割データ送信モード(送信モードA)でデータ部分#1とデータ部分#2を送信する場合の再送制御を示している。図19は、図18の再送制御動作を示したシーケンス図である。
ここで、図18,図19に示したデータ部分#1,#2は実施の形態1,2で述べたもの(TRビットのデータ部分,T(1−R)ビットのデータ部分)と同じであり、分割されたデータの一部である。しかし、端末はデータ部分#1,#2を正しく受信できない場合もある。そのため、たとえば、データ部分#2を正しく受信できなかった場合、本実施の形態の無線通信システムでは端末は無線局1(主無線局)に対して、正しく受信できなかったデータ部分#2の送信を要求する。この場合、端末は無線局1に対して、既に送信したデータ部分とは異なる部分の送信を要求するために、「他の分割部分の送信要求」を送信する。無線局1は「他の分割部分の送信要求」を受信すると、既に送信したデータ部分以外のデータ部分(データ部分#2)を端末に送信する。このとき、「他の分割部分の送信要求」に対応するデータ部分の送信であることを示す制御信号も併せて送信する。制御信号とデータを受信した端末は、受信した制御信号から、その前に送信した「他の分割部分の要求信号」に対応するデータ部分#2が無線局1から送信されたことを認識し、既に受信したデータ部分#1と統合することにより全てのデータを受信する。
さらに、端末は、図19に示したように、データ部分#1,#2の統合に成功した場合、全データの受信に成功したことを示す信号(全データ受信に対するACK)を無線局1及び無線局2に対して送信する。このACKを受信した無線局1および無線局2は、バッファに蓄積しておいた対応データ部分(ACKの受信により正常受信が確認されたデータ部分)を削除する。このように、「全データ受信に対するACK」を制御信号として端末から無線局1,2へ通知することにより、各連携無線局でバッファに蓄積しておくデータ量を低減でき、無線局内のバッファサイズを小型化できる。
図19では、「他の分割部分の送信要求」と「全データの受信に成功したことを示すACK」を同時に使用する場合について示したが、「全データの受信に成功したことを示すACK」は「他の分割部分の送信要求」を送信しない場合にも適用できる。例えば、無線局1,2からそれぞれデータ部分を正しく受信した場合にも、端末は「全データの受信に成功したことを示すACK」を制御信号として無線局1,2へ通知する。その結果、無線局1,2はバッファに蓄積していた対応データ部分を削除できる。
「全データの受信に成功したことを示すACK」は一部のデータ部分のみを送信した無線局(連携してTビットのデータを送信した各無線局)へ通知されるため、従来の無線伝送におけるACKとは異なる。従来の無線伝送におけるACKはデータを送信した無線局に対してデータの受領を確認するために送信される。これに対して、本実施の形態の「全データの受信に成功したことを示すACK」はその無線局がデータ送信を行っていない部分も含めて端末が全てのデータを受信できたことを通知する。従って、第1の無線局から受信したデータ部分の受領通知を第2の無線局に通知する新たな制御信号である。
また、「全データの受信に成功したことを示すACK」を制御信号として端末から各連携無線局へ通知する代わりに、端末がどこまでデータを受信できたかを制御信号として通知するようにしてもよい。例えば、端末が全てのデータが受信できた最終のシーケンス番号を各連携無線局に通知し、各連携無線局は通知を受けたシーケンス番号よりも小さいシーケンス番号に対応するデータ部分をバッファから削除する。このように、端末が全てのデータを受信できた最終のシーケンス番号を各連携無線局に通知することも本実施の形態に含まれる。
また、「全データの受信に成功したことを示すACK」を制御信号として端末から各連携無線局へ通知する代わりに、各連携無線局がデータ送信時点からタイマにより経過時間を計時し、送信時点から所定時間が経過した蓄積データをバッファから削除するようにしてもよい。このように、経過時間に基づき未送信データ部分(自身が送信を担当していない部分)も含めて蓄積データを削除することも本実施の形態に含まれる。
図20は、本実施の形態の無線局による再送動作を説明するための図であり、無線局1が最初に送信するデータ部分(データ部分#1)と「他の分割部分の送信要求」受信に対応して送信するデータ部分(データ部分#2)の関係を示している。データ部分#1が分割された後のTビットデータの前半部分である場合、データ部分#2は残りの後半部分のデータとなる。他のデータ部分(他の分割部分)の範囲を明確に定義するために、対象とするデータの範囲T1(ビット)に関する情報を各連携無線局と端末の間で共有する。連携無線局と端末の間で制御信号を送受信することにより、この情報は更新できる。また、あらかじめ無線標準規格において、データの範囲T1(ビット)を固定ビット数として決めることで共有しても構わない。データの範囲T1(ビット)をフレーム時間と一致させても構わない。この場合、「他の分割部分の送信要求」はそのフレーム内で送信されるデータ部分に対応する他のデータ部分となる。
無線局1が「他の分割部分の送信要求」に対応するデータ部分(図20の例ではデータ部分#2となる)を送信する際、無線局1が1回で送信できるデータ量(ビット数)と無線局2が1回で送信するデータ量(ビット数)が異なる場合がある。この場合、無線局1は送信する「他のデータ部分」を再分割または結合することにより、無線局1の1回分のデータ量に合うようにデータ形式を変更して送信しても構わない。このようにデータ形式を変更する場合、無線局1は端末に対して利用するデータ形式またはデータフォーマットを制御情報として通知する。端末は受取った制御情報に従い信号を受信する。
図21は、データ部分の定義方法の一例を示す図である。図21ではフレーム単位でデータ部分#1とデータ部分#2を定義する場合の例を示している。このような定義方法を適用した無線通信システムでは、無線局1がフレームuのデータ部分#1を送信した後、「他の分割部分の送信要求」を受取った場合、無線局1はフレームuのデータ部分#2を送信する。これに対して、無線局1がフレームuのデータ部分#1を送信した後、全データの受信に成功したことを示すACKを端末から受取った場合には、無線局1はフレームu+1の送信を開始する。このように、フレーム内の全データを全て受取ったことを示すACKを端末から受取るまでに「他の分割部分の送信要求」を受信した場合には、そのフレームの残りのデータ部分を送信する。このように、フレーム単位で「他の分割部分の送信要求」を扱うことにより簡易な制御とすることができる。また、端末が全データの受信に成功したことを示すACKを送信することも本実施の形態の特徴である。本構成により連携無線局は全データの受信を確認して次のフレームの制御に同時に移ることができる。
説明した一連の再送制御は、図9に示した構成の端末と図4に示した構成の無線局により実現できる。端末ではデータ受信部94,95において受信成功か失敗かを判別し、受信失敗の場合には、制御情報決定/送信部93が「他のデータ部分の送信要求信号」を送信する。無線局は制御情報受信部45においてその要求信号を受信すると、送信モード選択部43において「他のデータ部分の送信要求信号」であることを認識し、データ選択部42においてバッファ42に格納されているデータの中から必要なデータを抽出する。また、制御情報決定部46では「他のデータ部分の送信要求信号」に対応するデータ部分の送信であることを示す制御信号を生成し、生成したデータと制御信号をデータ/制御情報送信部47を介して端末に向けて送信する。
本実施の形態で説明した再送制御により、端末は無線局2との接続状態が悪い場合にも無線局1から全てのデータを受信できる。本実施の形態の再送制御を適用しない場合、連携無線局と端末との間のいずれかの無線リンクの状態が悪くなった場合、端末は全てのデータを受信できず通信品質が大幅に劣化する。通信品質を常に保証することは運用上極めて重要であり、通信品質を保証できないサービスは実用に大きな支障をきたす。これに対して、本制御を用いれば、チャネル状態が急激に変化し無線局2との接続が悪くなる場合にも無線局1が本来無線局2の送信すべきデータを送信することで端末をサポートできる。このように、本実施の形態の再送制御を用いれば、連携送信における通信品質劣化の問題を解決できる。
また、実施の形態1では連携無線局に同じデータを配信する構成を説明したが、本構成では連携無線局が同じデータをバッファに格納しており、「他の分割部分の送信要求」の受信に対して極めて低遅延で要求されたデータ部分を送信できる。このように連携無線局に同じデータを配信する構成によって、他のデータ部分の送信に低遅延で対応できる。なお、本実施の形態で説明した再送制御と従来の方式(端末が、受信を失敗したデータの送信元の無線局に再送要求する方式)と併用しても構わない。この場合、端末は、無線局2(受信を失敗したデータの送信元無線局)に再送要求を行い、さらに無線局1に対しても「他の分割部分の送信要求」を送信する。無線局1,2がともに要求内容に対応するデータ部分(図18に示した例の場合であればデータ部分2となる)を送信することにより、端末は再送を要求したデータ部分をより確実に受信できる。
同様の送信制御は3つ以上の無線局による連携送信にも適用することができる。図22は、連携送信を行う無線局が3局の場合の送信制御の一例を示す図である。図22に示した制御動作では、無線局1,2,3がデータ部分#1,#2,#3をそれぞれ送信するが、端末はその中で受信できなかった部分を指定して、データ部分#n(n=1,2,3)の送信を、データを正常に受信できた無線局(たとえば無線局1)に要求する。データ部分#nの送信要求を受けた無線局は、要求信号で指定されたデータ部分#nを端末に向けて送信する。このとき、データ部分#nの信号を端末に送信したことを示す制御信号も併せて送信する。端末はデータ部分#nが送信されたことを制御信号から認識して、そのデータを受信する。このような制御により、連携送信を行う無線局が3局またはそれ以上の場合においても、端末は全てのデータを受信することができる。
なお、図23は、連携無線局が3局の場合の再送動作を説明するための図であり、無線局1がデータ部分#1の送信を担当する場合の動作を示している。上段は無線局1が最初に送信するデータ(データ部分#1)を示し、下段は端末からデータ部分#2の送信要求を受信した場合に無線局1が送信するデータ部分(データ部分#2)を示している。
ここでは、端末は無線局1に対して送信要求を行ったが、他の連携無線局に同様の送信要求を行っても構わない。ただし、より好ましい形態として、連携無線局の中で主無線局と副無線局を決定し、主無線局が端末でのデータ送信の通信品質に責任を持つことが望まれる。このような構成では、端末は主無線局に対して優先的に「他のデータ部分の送信要求信号」を送信する。このように、連携無線局の中に端末との通信品質保証に対して責任を持つ無線局を設けることも特徴の一つである。また、端末が「他の分割部分の送信要求」を特定の無線局に対して優先的に送信する構成も特徴の一つである。
このように、本実施の形態の無線通信システムにおいて、端末は、連携送信されたデータの一部が受信できなかった場合、受信できなかったデータを送信するように、受信できなかったデータの送信元の無線局とは異なる他の連携無線局に要求することとした。これにより、連携送信における通信品質劣化の問題を解決できる。
実施の形態4.
本実施の形態では実施の形態3で説明した再送制御において、端末が連携無線局に対して再送要求を行う際のさらに好ましい形態について開示する。
実施の形態3では無線局1が端末から受信した「他の分割部分の送信要求」に対して他のデータ部分を送信する場合を説明したが、他のデータ部分の送信にはさまざまな方法がある。それらについて図24および図25を用いて説明する。
図24は、本実施の形態の無線通信システムにおける送信制御動作の一例を示す図であり、無線局1〜3が連携送信を行う動作において、無線局1〜3が1フレーム内のデータ部分#1〜#3をそれぞれ送信した後、端末からの要求に応じて無線局1がデータ部分#2を再送する場合の例を示している。図24において、241〜249は、各連携無線局から端末へ送信する分割データに付加されたシーケンス番号とする。
図24に示した動作では、まず無線局1はデータ部分#1(分割データ241,244,247)を送信し、無線局2はデータ部分#2(分割データ242,245,248)を送信し、無線局3はデータ部分#3(分割データ243,246,249)を送信する。なお、各無線局は、自身が送信を担当する各分割データをシーケンス番号の小さい順に送信する。たとえば、無線局1は、分割データ241→分割データ244→分割データ247の順番で送信する。その後、無線局1が端末からデータ部分#2の送信を要求されたとする。このとき、データ部分#2の送信要求を受けた無線局1は、要求されたデータ部分#2をその前に無線局2から送信された順番と同じ順番で(シーケンス番号の小さい順に)送信してもよいが、逆の順番で送信するようにしてもよい(分割データ248→分割データ245→分割データ242の順に送信するようにしてもよい)。
本来、無線局2がデータ部分#2を送信するはずであるが、無線局2と端末の間の伝送速度が想定よりも遅い場合、端末にデータ部分#2が全て到着するまでの所要時間が長くなる。このような場合、端末は無線局2から分割データ242および分割データ245は受信できているが、分割データ248は受信できていない状態となる可能性がある。そのため、無線局1が分割データ248→分割データ245→分割データ242の順番で送信すれば、端末は無線局1から分割データ248を受信した時点で1フレーム内のデータ部分#2(分割データ242,245,248)を全て受信できる。この結果、無線局1がデータ部分#2を全て送信する前に端末がACK(全データの受信に成功したことを示すACK)を無線局1〜3に対して送信することとなり、無線局1は途中でデータ部分#2の送信を停止することができる。なお、ここでいう全データとは1フレーム内の全データを指す。このような再送制御動作を適用すれば、無線局1がデータ部分#2の全ての分割データを送信しなくても端末は全分割データを受信するため、受信済みの分割データ(送信する必要のない分割データ)が無線局1から端末へ再送信されるのを防止するとともに次フレームの送信を開始するまでの時間を短縮して無線伝送効率を向上できる。
図25は、3つの無線局が連携送信する場合のデータ伝送手順の一例を示すシーケンス図であり、上記の図24を用いて説明した動作のシーケンスを示している。
図25に示した伝送手順では、まず、無線局1,2,3は分割データ送信モードに従い、それぞれデータ部分#1,#2,#3を送信する。そして、たとえば端末がデータ部分#n(n=1,2,3)の一部を受信できなかった場合、端末は、主無線局である無線局1にデータ部分#nの送信を要求する。端末は無線局1にデータ部分#nの送信を要求する際に、データ部分#nの分割データの送信順序についても事前に規定されたフォーマットに従い要求する。無線局1は端末からの要求に従い、データの送信順序について事前に規定されたいくつかのフォーマットの中の適切なフォーマットでデータ部分#nの分割データを送信する。また、無線局1は端末に対し、制御信号によって分割データの送信順序または順序を規定したフォーマット番号を通知する。端末は、送信を要求したデータ部分#nとともに送信されてきた制御信号を解析することによりデータ部分#nのデータの送信順序を把握し、データを受信する。端末は全ての分割データを受信すると、全データを受信したことを示すACK信号を各連携無線局に送信する。ACK信号の送信は無線局1がデータ部分#2を全て送信し終わる前であっても構わない。無線局1は、データ部分#nの送信を完了する前に端末から前記ACK信号を受信した場合、データ部分#nの送信を途中で中止する。途中でのデータ送信中止により、不要なデータ送信を削減し、無線伝送効率を向上できる。また、周囲への干渉を低減できる。
本実施の形態では、分割されたデータ単位でシーケンス番号が大きい方から小さい方への再送を行う場合(最初に送信された順番と逆の順番で再送を行う場合)について示したが、情報シンボル単位または情報ビット単位でフレームの最終ビット(またはシンボル)から最初のビットまでを順番に送信する方法も同様に可能である。この場合にも、無線局が再送を行っている途中であっても端末は全データの受信を完了した段階でACKを送信するので、無線局はデータの送信を停止でき、不要なデータ送信を削減して無線伝送効率を向上できるとともに周囲への干渉を低減できる。
このように、本実施の形態の無線通信システムにおいて、端末からの要求に応じてデータを再送する無線局は、再送データを、その前に他の無線局から送信された時とは逆の順番で送信することとした。これにより、再送するデータ量が必要以上に多くなるのを防止でき、無線伝送効率を向上させるとともに周囲への干渉を低減できる。
実施の形態5.
本実施の形態では実施の形態1〜4で説明した無線通信システムにおいて、フレーム単位で各無線局が送信するデータ分割部分を制御する方法について示す。本実施の形態では、図1または図2に示したような、無線通信システムの無線局1および2が連携送信を行う場合を想定する。
実施の形態1〜4で説明した無線通信システムの無線局1および2が送信モードA(分割データ送信モード)で連携送信を行っている状態において、無線局1があるフレーム(仮にフレームuとする)でのデータ送信を無線局2よりも早く完了した場合には、無線局1は次のフレームu+1でのデータ部分(分割データ)の送信を無線局2よりも早く開始しても構わない。これにより、無線局2がフレームuのデータ部分の送信を完了するまで無線局1がフレームu+1のデータ送信を待つ場合に比べて、本手法ではデータ送信をよりフレキシブルに行うことができる。その結果、無線リソースを効率的に利用でき、無線伝送効率を改善できる。
また、連携無線局は無線局間でのデータの分割比率をフレームごとに変化させてもよい。例えば、無線局1がフレームuでのデータ送信を無線局2よりも速く完了した場合、無線局1は、次のフレームu+1を送信する際に現在(フレームu)よりも高い割合でデータ伝送することができるといえる。従って、次のフレームu+1ではより高い分割比率Rでデータを送信する方が無線局1と2からのデータ部分の到着時間を合わせるために適しているといえる。
このようにフレーム単位でデータの分割比率を変更することは図12で示した制御信号のうち「データ分割比率」に関する制御情報(図12に示した分割比率Rに相当)をフレーム単位で通知することによって実現できる。
図26は、フレームごとにデータ分割比率に関する制御情報を通知する場合の制御信号の通知方法の一例を示す図である。データの分割比率をフレームごとに変化させる場合、図26に示したように、分割比率R(データ分割比率に関する制御情報)をフレームごとに通知する。また、その他の制御情報(シーケンス番号割り当て方法に関する制御情報,分割周期・送信部分に関する制御情報)はフレームごとに変化させる必要がないので、フレームよりも長い周期で通知する。このように、フレームごとにデータ分割比率を変更する制御動作において、分割比率Rまたはそれに相当する情報をフレーム単位で通知し、データ分割に係わる他の制御情報をより長い周期で通知することも本実施の形態の無線通信システムの特徴の一つである。これにより、連携無線局から端末に送信される制御情報が必要以上に増大するのを防止できる。なお、毎フレームでデータ分割比率に関する制御情報を送信するのではなく、数フレームごとに送信するようにしてもよい。この場合も、その他の制御情報はさらに長い周期で送信する。また、データの分割比率を変更する必要があると判断した場合にデータ分割比率に関する制御情報を送信するようにしてもよい。
また、「データ分割比率」に関する制御情報として常に分割比率Rを通知するのではなく、図27に示したように、先頭フレームでは分割比率Rの初期値(R0)を通知し、後続フレームでは前フレームからの比率の差分値(ΔR1,ΔR2,…)のみを制御信号として通知するように構成してもよい。本構成を用いればフレームごとに分割比率の値を通知する場合に比べて、通知するデータ量を削減できる。
また、データの分割比率Rに関する代表的な値とインデックス番号の対応を規格化し、対応するインデックス番号を通知することにより制御情報量を削減することも可能である。この場合、図28に示すテーブル情報を連携無線局及び端末は予め保持しておく。図28は、データ分割比率Rとインデックス番号の対応テーブルの一例を示す図である。このように、データ分割比率Rに関する制御情報としてインデックス番号を通知する構成により、制御情報量を削減できる。また、連続フレームでは前のフレームに対するインデックス番号数の変化のみを通知することも可能である。例えば、前のフレームに対して+1、0、−1のインデックス番号の変化のみを行うこととする。これは、連続フレームでは分割比率が類似した値になりやすい性質を用いたものである。この場合、制御情報量をさらに削減できる。
また、データ分割に係わる制御情報は端末単位で変更することがより望ましい。これは、端末の存在位置によって適切なデータ分割比率は変化するためである。従って、主連携無線局は、各端末からのチャネル状態通知に従って、端末単位で適切なデータ分割比率を決定することがより好ましい。
このように、本実施の形態の無線通信システムにおいては、フレーム単位でデータ分割比率(各連携無線局が端末へ送信するデータ量の比率)を変更するので、効率的な無線伝送を実現できる。
実施の形態6.
本実施の形態では本実施の形態1〜5とは異なる連携送信制御を実施する無線通信システムについて説明する。
実施の形態1〜5では、連携無線局の中の主無線局が、各連携無線局と端末との間の各無線リンクの状態(チャネル状態またはチャネル品質など)に基づき連携送信方法を決定する無線通信システムについて示した。これに対して、本実施の形態では端末が送信モード及びデータの分割方法などの連携送信方法を決定し、制御信号として連携無線局に通知する無線通信システムについて示す。
図29は、本実施の形態の無線通信システムにおいて連携無線局が連携送信を行う際の制御手順を示すシーケンス図である。図示したように、本実施の形態の無線通信システムでは、連携送信を行う無線局1,2に対して同じデータが配信されると、連携無線局の中の1つが、端末にそのデータ情報を通知する。たとえば、主無線局である無線局1がデータ情報を通知する。データ情報には、端末宛のデータを保持していることを示す情報、および同一データを保持している連携無線局の情報(この例では無線局1,2の情報となる。この情報を送信する連携無線局以外の連携無線局の情報のみであってもよい)を含む。上位のゲートウェイから受信したデータ信号を主無線局が副無線局に再配信するシステム形態(上述した図2の形態)の場合、無線局1(主無線局)はデータ信号の副無線局への再配信も行う。さらに、無線局1,2は、チャネル状態測定用の参照信号を無線リンクでそれぞれ送信し、端末は参照信号を用いてチャネル状態を測定する。そして、端末は測定結果(無線局1,2とのチャネル状態)に基づき適切な送信モードを決定して、決定した送信モードを示す制御情報#1,#2を無線局1,2に通知する。
より好ましい送信モード選択の形態として、端末は、連携無線局側で送信モードを決定する実施の形態1〜5と同様に、以下に示す2つの送信モードの中から選択する形態が特に有効である。
(送信モードA:分割データ送信モード)
各連携無線局においてデータを分割してそれぞれ異なるデータ部分を送信する。
(送信モードB:同一データ送信モード)
各連携無線局から同じデータをそれぞれ送信する。
端末は、送信モードAを示す制御情報を連携無線局に送信する場合、さらにデータの分割方法に関する制御情報も送信する。図30に連携無線局が分割データ送信を行う際の制御手順を示す。この場合、端末は参照信号を用いてチャネル状態を測定し、無線局1,2とのチャネル状態に基づき適切なデータ分割方法を決定して無線局1,2に通知する。無線局1,2は端末からの制御情報に基づいてデータを分割し、それぞれデータ部分#1,#2を端末に向けて送信する。無線局1,2がそれぞれデータ部分#1,#2を送信する際には、そのデータが端末の制御情報に従って分割されたデータであることを示す制御情報を端末に対して送信する。端末は制御情報に基づき、無線局1,2から送信されたデータ部分を認識して受信し、最終的に統合して全データを受信する。全データを受信すると、端末は無線局1,2に対してACK信号を送信する。実際には、端末は、参照信号を用いて無線局1,2とのチャネル状態を測定後、チャネル状態に基づいて送信モードを決定し、送信モードAを選択した場合には、さらに、チャネル状態に基づいてデータ分割方法を決定する。そして、送信モードAを選択した場合には、送信モードAを示す制御情報とデータ分割方法を示す制御情報を無線局1,2に送信する。また、送信モードBを選択した場合には、送信モードBを示す制御情報を無線局1,2に送信する。端末が送信モード,データ分割方法を決定し、決定結果を示す制御情報を各連携無線局に送信した後の動作(連携無線局から端末へのデータ送信)は実施の形態1〜5の無線通信システムと同様である。
なお、端末がデータを正しく受信できなかった場合には、実施の形態3,4で説明した再送制御を行っても構わないし、公知の再送制御を行っても構わない。
図31は、連携無線局が2局の場合に端末が各連携無線局(無線局1,2)に対して送信する制御信号の一例を示す図である。図31に示した制御信号には、データ分割を開始するデータ位置を示す分割開始位置、分割周期T(ビット)、分割比率R、前半を担当する無線局ID、後半を担当する無線局ID、およびシーケンス番号の割り当て方法(連携または独立)を示すシーケンス割り当て方法が含まれる。分割開始位置はIPパケット番号などのデータ番号またはそのビット位置を指定する情報である。本情報によって連携無線局間で分割開始位置を共有できる。また、図31に示した制御信号を端末から受信した各連携無線局は、前半を担当する無線局ID,後半を担当する無線局IDを解読することにより、自身が送信を担当するデータ部分(分割データ)を認識できる。また、分割周期T及び分割比率Rを解読することによりデータの分割方法を把握できる。さらに、シーケンス割り当て方法を解読することにより分割データへのシーケンス番号の割り当て方法(連携シーケンス番号割り当て、または独立シーケンス番号割り当て)を認識できる。
図32は、連携無線局が3局の場合に端末が各連携無線局(無線局1,2,3)に対して送信する制御信号の一例を示す図である。図32に示した制御信号には、データ分割を開始するデータ位置を示す分割開始位置、分割数N、各分割部分のビット数B1〜BN、各分割部分の送信を担当する無線局の無線局ID、およびシーケンス番号割り当て方法が含まれる。図32の下段には、一例として、分割数Nが3の場合における各分割部分と各分割部分のビット数の関係を示している。上記の連携無線局が2局の場合と同様に、分割開始位置によって連携無線局間で分割開始位置を共有できる。また、図32に示した制御信号を端末から受信した各連携無線局は、分割数N、各分割部分のビット数B1〜BN、および各分割部分の送信を担当する無線局の無線局IDを解読することにより、自身が送信を担当するデータ部分を認識する。さらに、シーケンス割り当て方法を解読することにより分割データへのシーケンス番号の割り当て方法を認識する。
端末から連携無線局に送信する上記の制御信号はフレームごとに送信するようにしてもよい。フレームごとに送信する構成とした場合、端末は連携無線局間でのデータの分割比率(各連携無線局が送信するデータ量の比率)をフレームごとに変化させることができる。また、端末がデータの分割比率に関する情報のみをフレーム単位で通知し、その他の制御情報(シーケンス番号割り当て方法,分割周期・送信部分に関する情報)はフレームよりも長い周期で通知する構成も可能である。「データの分割比率に関する情報」とは、図31に示した制御信号の場合は分割比率Rまたはこれに相当する情報であり、図32に示した制御信号の場合には各分割部分のビット数B1〜BNまたはこれに相当する情報である。このような構成により、短い周期で変更を要する分割比率Rのみを効率的に連携無線局へ通知できる。なお、1フレームごとにデータの分割比率に関する情報を送信するのではなく数フレームごとに送信するようにしてもよい。また、データの分割比率を変更する必要があると判断した場合に送信するようにしてもよい。
以上のような、端末が連携送信方法を決定して決定結果を各連携無線局に対して通知する構成を適用すると、連携送信を行う無線局の間で制御信号を交信することなく連携送信を行える。図33は、本実施の形態の無線通信システムにおけるデータ伝送の動作例を示す図である。図示した無線通信システムにおいて、無線局1,2は、それぞれ異なるネットワークまたは無線通信方式の無線局である。例えば、無線局1がセルラーネットワークの基地局、無線局2がWireless LANのアクセスポイントである場合、相互に制御信号を交信する規格が規定されていない。このような場合、従来技術では無線局1,2が連携送信を行うのは困難である。これに対して、本実施の形態を適用すれば、無線局1と2の間で制御信号を直接送受信するのが困難な場合においても、端末が送信データ部分を特定して無線リソース制御の一部を実施することにより、連携送信ができる。すなわち、各連携無線局を収容しているゲートウェイ経由で各連携無線局に同じデータを配信する機構、および同じデータが配信された無線局の情報(連携送信を行う無線局の情報)を各連携無線局に通知する機能を設ければ、連携送信を行う無線局間での直接通信が不可能な無線通信システムにおいても連携送信が実現できる。
このように、本実施の形態で示した構成は従来の異種ネットワークに対して、異種ネットワーク間の相互制御を必要とすることなく柔軟に導入できる。従って、端末が送信データ部分を特定して無線リソース制御の一部を実施することにより、現実的に受け容れられやすい構成であることも大きな利点である。
また、本実施の形態で説明した連携制御と実施の形態1〜5で述べた連携制御を適応的に選択することもできる。例えば、無線局1,2が同じセルラーネットワークに属する隣接基地局である場合には、無線局1,2の間の有線ネットワークを介して連携制御を行う実施の形態1〜5を利用することができる。これに対して、無線局1がセルラーネットワークの基地局、無線局2がWireless LANのアクセスポイントである場合には、本実施の形態のように端末が送信モードおよびデータ分割方法を決定することが好ましい。従って、連携する無線局の形態によって、連携無線局間での連携制御で連携無線局主導の連携送信を行うか、端末からの指示に従って端末主導の連携送信を行うかを選択する。
図34は、連携無線局主導での連携制御と端末主導での連携制御のどちらを実施するかを選択する制御の一例を示す図である。図34に示した制御手順においては、まず、無線局1,2が帰属ネットワーク情報(この情報の送信元無線局が属しているネットワークの情報)を端末に通知する。次に、端末は、各無線局から通知された帰属ネットワーク情報に基づき連携制御方法(端末主導または無線局主導)を決定し、決定結果(連携制御方法)を示す制御情報#1,#2を無線局1,2に送信する。その後、無線局1,2は受信した制御情報が示す連携制御方法に従い、連携制御を実施する。また、図35は、連携無線局主導での連携制御と端末主導での連携制御のどちらを実施するかを選択する制御の異なる例を示す図である。図35に示した制御手順においては、まず、副無線局である無線局2が主無線局である無線局1に帰属ネットワーク情報を通知する。次に、無線局1は通知された情報(無線局2の帰属情報)に基づき連携制御方法を決定し、決定結果を示す制御情報を端末に送信する。制御情報を受信した端末はその制御情報が示す連携制御方法に従い本実施の形態または実施の形態1〜5で示した制御を実施する。このように、ネットワーク環境に応じて、連携無線局間での連携制御を連携無線局主導で行うか、端末主導で行うかを適応的に選択できる。
実施の形態7.
本実施の形態では本実施の形態1〜6で説明した連携送信制御におけるデータの分割方法について説明する。
先の実施の形態において、連携無線局間または無線局と端末の間で送受信する制御信号フォーマットの例を図10,12,14,15,31,32で開示した。そして、これら制御信号フォーマットは、分割されたデータの各部分を担当する無線局を特定するための情報として、無線局IDなどを制御情報として含んでいた。これに対して、本実施の形態では、分割されたデータの各部分を担当する無線局を特定するための情報を制御信号に含めて通知する必要のない無線通信システムについて説明する。具体的には、あらかじめ決められた規定に従い各部分を担当する無線局決定することで、分割されたデータの各部分を担当する無線局を特定するための情報の通知を不要とした無線通信システムについて説明する。
例えば、連携無線局のうち無線局IDの小さい無線局がデータの前半部分を担当することに予め決定しておく。この場合、制御信号において無線局IDと担当するデータ部分の関係を通知する必要がなくなる。連携無線局がお互いの無線局IDを事前に把握していればよい。この場合、データ分割方法のみの通知により各無線局は担当すべき分割データを認識できる。連携無線局が2局の場合には、制御信号にて分割開始位置,分割周期,分割比率(図10,図31参照)を通知すればよい。また、連携無線局が3局以上の場合には、制御信号にて分割開始位置,分割数,各分割部分のビット数(図14,図32参照)を通知すればよい。この結果、伝送効率を改善できる。
また、連携無線局が2局の場合には、主無線局が1番目のデータ部分を担当し、連携する副無線局が2番目のデータ部分を担当することに予め決定しておくことで、制御信号にて無線局IDと担当するデータ部分の関係を通知する必要がなくなる。この場合にも、データの分割方法(分割開始位置,分割周期,分割比率)のみを制御信号にて通知すれば、各無線局は担当するデータ部分を認識できる。
また、連携する無線局間で本来の無線局IDを短縮する簡易的な無線局IDを割り振る方法を用いることもできる。例えば、本来の無線局IDをIPアドレスとする場合、長いビット数が必要となるが、連携無線局が3局である場合、2ビット(00,01,10,11)の簡易的な無線局IDを3つの連携無線局に付与して制御信号を送信する。このような構成によって無線局IDの通知に必要となる制御信号量を低減でき、伝送効率を向上できる。
実施の形態8.
本実施の形態では実施の形態1〜7とは異なる形態の複数の無線局による連携送信について説明する。なお、本実施の形態では、図2に示した無線通信システムを想定する。
複数の無線局が連携送信制御を行う場合、各無線局から送信される信号の相対遅延を測定することが伝送品質を維持する上で重要となる。ここで、相対遅延とは、主無線局がデータ信号を上位装置(ゲートウェイ)から受け取った後、このデータ信号を副無線局に再配信して副無線局経由で端末へ送信した場合の端末への到着時間と、端末に向けて直接送信した場合の端末への到着時間の差である。この相対遅延には無線局1と2の間のネットワークの遅延、処理遅延、無線リンクでの伝搬遅延など全ての影響が含まれる。
この相対遅延を測定するために、本実施の形態の無線通信システムでは、図36および図37に示したように、主無線局である無線局1がテスト信号#1を端末に送信し、端末ではその到着時刻を把握する。これとは別に、無線局1はテスト信号#2を無線局2にネットワークを介して送信し、無線局2はテスト信号#2を無線局1から受け取るとその信号を端末に向けて送信する。端末ではテスト信号#1と#2の受信時間差を相対遅延として把握し、無線局1,2に制御情報#1,#2として相対遅延を示す情報(遅延時間差情報)を通知する。遅延時間差情報を受信した無線局1,2は通知された相対遅延を考慮した連携送信制御を行うことができる。なお、説明の便宜上、図37では無線局1がテスト信号#1と#2を送信するタイミングをずらして記載しているが、無線局1は、テスト信号#1,#2を同時に送信するのが望ましい。テスト信号#1,#2に送信時刻の情報を書き込んで送信するのであれば、必ずしもテスト信号#1,#2を同時に送信する必要はないが、同時に送信する場合には送信時刻情報が不要となり送信データ量を抑えることができる。
連携送信制御の一例を示す。例えば無線局1,2が同じデータを送信する送信モードBの連携送信において、無線局1が、端末に向けた分割データの送信開始タイミングを相対遅延分だけ遅らせる形態がある。無線局1が時間を遅らせてデータを送信することにより、端末は無線局1と無線局2からのデータをほぼ同時に受け取ることができる。その結果、端末では、無線局1,2からの受信信号を容易に合成することが可能となる。無線局1,2からの受信タイミングが異なる場合には端末は無線局1からの受信データを所定時間メモリに格納しておかなければならず、多くのメモリを必要とする。これに対して、本実施の形態の手法を用いれば端末が必要とするメモリ量を削減できる。
また、異なる連携送信制御の例を示す。図38に示すように無線局1にデータが蓄積されており、無線局1,2が分割された蓄積データの異なる部分を送信する送信モードAの連携送信を実行する場合、遅延時間の短い無線局1が分割データの前半部分を送信し、遅延時間の長い無線局2が分割データの後半部分を送信する。端末は前半部分のデータをより早く必要とするため、無線局1は低遅延伝送が要求される前半部分の信号(図38におけるデータ1,2,3)を送信する。一方、無線局2は遅延が許容される後半部分の信号(図37におけるデータ4,5,6)を送信する。
また、異なる連携送信制御の例を示す。たとえば、音声とメールなど許容される遅延量が異なる2つの通信を端末に提供する場合、許容遅延の短い通信データ(音声など)は無線局1から端末に向けて送信し、許容遅延の長い通信データ(メールなど)は無線局2から端末に向けて送信する。このように、測定した相対遅延にもとづき通信ごとに送信する無線局を決定することで、通信品質を維持できる。
本実施の形態は上述した実施の形態1〜7のいずれとも組み合わせて用いることができる。特に、端末がデータの分割方法を決定して通知する実施の形態6との組合せでは、端末が相対遅延に基づきデータ分割方法を決定して連携無線局に通知するので伝送効率を向上できる。
このように本実施の形態では、端末が連携基地局から送信される信号の相対遅延を測定し、相対遅延情報を連携基地局に通知することとした。これにより、各連携無線局では、通知された相対遅延情報に基づき各連携無線局から送信するデータを決定することができるようになり、遅延を考慮した高い信号品質を維持することができる。
実施の形態9.
本実施の形態では複数の無線局による連携送信の実施の形態1〜8とは異なる形態について開示する。
近年の無線通信では高速無線通信を収容するため、送受信局が複数アンテナを用いる構成が多く利用されている。このように送受信局が複数アンテナを備えるシステムはMIMO(Multi-Input Multi-Output)システムと呼ばれ、MIMOシステムでは複数の信号を空間多重できる利点が広く知られている。
一般にMアンテナを備える受信局では最大M個の空間多重された信号を分離受信できる。しかし、M+1個以上の空間多重された信号を適切に分離受信することは難しい。従って、複数の無線局が同じ時間周波数を用いてMアンテナを持つ端末に連携送信する際には、M個以下の信号を同時に送信する構成が好ましい。
このような状態を実現するため、本実施の形態では図39に示すように端末が無線局1,2に対してそれぞれ制御情報3601,3602を送信する。これらの制御情報は無線局1,2が最大限利用可能な空間多重信号数を示す情報である。無線局1,2はそれぞれ制御情報3601,3602で示された空間多重信号数の範囲で空間多重信号数を設定して端末に向けて送信する。
例えば、端末のアンテナ数Mが2である場合、
制御情報3601が示す最大空間多重信号数=N1
制御情報3602が示す最大空間多重信号数=N2
とすると、
(N1,N2)=(1,1),(2,0),(0,2),(1,0),(0,1)
などが上記「最大限利用可能な空間多重信号数に関する情報」として利用される。
各無線局が空間多重信号数(N1,N2)の範囲で端末に向けて信号を送信した場合、端末で同時に受信される信号数はM個以下となる。このように、端末が複数の無線局に対して最大限利用可能な空間多重信号数に関する情報を通知することにより、空間多重信号数を適切な値に制御できる。
また、端末は制御情報3601,3602を周期的に通知することにより、周期的に最大限利用可能な空間多重信号数に関する情報を更新することも可能である。このような制御によって、環境に応じて柔軟に空間多重信号数を設定できる。
なお、上述の「最大限利用可能な空間多重信号数」は空間多重信号数でも構わない。この場合にも、端末で同時に受信される信号数はM個以下となる。また、空間多重信号数はレイヤ数と呼んでも構わない。
制御情報3601,3602は、図40に示すように分割比率Rとともにテーブル形式で規定することもできる。図40ではM=4アンテナの端末を想定しており、端末は連携無線局から合計4レイヤまでを受信可能である。図40では多くのデータ部分を送信する無線局の方が多くのレイヤ数を必要とすることを考慮してテーブルを作成している。このように、送信データ量と必要レイヤ数の相関を利用して両者を結合したテーブルを作成することにより、端末から各連携無線局に送信される制御情報量を低減できる。無線局の担当するデータ量とレイヤ数を結びつけてテーブルを作成することも本実施の形態の無線通信システムの特徴である。
また、図39に示した構成とは異なり、無線局1,2が端末のアンテナ数を事前に把握し、無線局1,2の間の連携制御によって無線局1,2が利用するレイヤ数を決定することもできる。この場合、図41に示すように無線局1,2はそれぞれ制御情報3801,3802を用いて利用レイヤ数を端末に通知する。このとき、図40に示したテーブルを用いて無線局1,2から端末に向けてレイヤ数情報と各無線局の担当するデータ部分を通知することも可能である。また、無線局1(主無線局)が利用レイヤ数を決定して無線局2(副無線局)に通知する際にも図40に示したテーブルを使用することが可能である。このように、レイヤ数情報と各無線局の担当するデータ部分に関する必要な組合せのみを結合したテーブルを保持することにより、効率的に制御情報を端末に通知できる。
図40のテーブルはデータ量とレイヤ数の対応関係を示したものであるが、テーブルを作成しなくても、データ量とレイヤ数に関連性を有する制御方法であれば構わない。例えば、データ量またはデータ比率が決定されると、その値に応じてレイヤ数の候補を限定する構成も可能である。4アンテナを有する端末に送信する際に、無線局1が担当するデータ比率が50%以下の場合にはレイヤ数の候補を1,2に限定し、無線局1が担当するデータ比率が50%より大きい場合にはレイヤ数の候補を1,2,3,4として、無線局1(主無線局)が決定することも可能である。その他、データ量とレイヤ数に関連性を有する制御方法であればどのようなものでも構わない。このように、データ比率またはデータ量の通知によって、レイヤ数の候補を変更する方法も本実施の形態の無線通信システムの特徴の一つである。このように、無線局1の送信するデータ量の増加に応じて、無線局1がより高いレイヤ数をサポートできる構成が好ましい。
このように、本実施の形態の無線通信システムでは、連携無線局と端末が複数のアンテナを有し、空間多重伝送を行う構成の場合、端末局は、各連携無線局との間のチャネル状態に基づいて、各連携無線局に利用を許可する多重数(最大空間多重信号数)を決定する、または主無線局に多重数を決定させることとした。これにより、先の実施の形態1〜8で説明した無線通信システムにおける連携送信制御をMIMOシステムに適用できる。
実施の形態10.
本実施の形態では実施の形態1〜9で開示した連携送信の利用形態の一例を開示する。
図42は実施の形態1〜9で開示した連携送信の利用形態の一例を示す図である。図42に示したシステム構成では、無線局1と2は隣接しており、端末が無線局1および2の双方と通信可能な領域が連携領域、端末が無線局1および2のいずれか一方とのみ通信可能な領域が非連携領域である。端末が連携領域内に位置している場合、無線局1,2は端末に対する連携送信を行う。一方、端末が非連携領域に位置している場合には、端末が位置している非連携領域をサポートしている無線局が端末に対して単独でデータを送信する。
ここで、図示したような、端末が無線局1のセルから移動を開始して無線局2のセルまで移動する場合について考える。この場合、端末は、無線局1の単独サポート領域(無線局1配下の非連携領域)から無線局1および2による連携サポート領域を経て、無線局2の単独サポート領域へと移動する。このとき、実施の形態1〜9で示した連携送信制御は無線局1および2による連携サポート領域において適用される。このような制御は無線局1,2がそれぞれ単独サポート/連携サポートを示す情報を制御信号として端末に通知し、その制御信号に基づき端末が単独サポートか連携サポートかを認識する。制御信号が単独サポートを示している場合、端末は従来の無線制御に従う。一方、制御信号が連携サポートを示している場合、端末は実施の形態1〜9で示した制御動作を行う。
図42に示した例では端末が無線局1のセルから無線局2のセルに移動する場合、端末の位置が無線局2に近づくにつれて無線局1の担当するデータの割合を徐々に下げて無線局2の担当するデータの割合を徐々に上げていく。この制御は、端末の移動に伴い、無線局1と端末との間の通信品質は下がっていき、逆に、無線局2と端末との間の通信品質は上がっていくためである。このように、セル境界付近では連携送信を行う2つの無線局がそれぞれデータの異なる部分を送信し、送信するデータの割合を徐々に変更することにより、ハンドオーバを円滑にサポートすることができる。
なお、3GPP(Third Generation Partnership Project)における国際標準規格LTE(Long Term Evolution)では、セル間のハンドオーバは瞬時に切替を行うハードハンドオーバであり、常に1つの無線局(基地局)が端末をサポートする。また、第3世代移動通信方式W−CDMAではソフトハンドオーバがサポートされているが、この方式では各無線局が同じデータを送信する。これに対して、本実施の形態では複数の無線局が異なるデータ部分を送信する点で大きく異なる。異なるデータ部分を送信することにより、より高い通信容量を実現することが可能となる。
また、無線局1のセルから無線局2のセルに移る際に、無線局1が担当するデータ部分の比率を徐々に下げることにより、各無線局が異なるデータ部分を送信する新たなソフトハンドオーバ機能が可能となる。このようなハンドオーバはこれまでの移動通信システムでは考えられていなかった。
また、連携サポート領域において端末が移動した際には、無線局1,2の一方との無線リンク接続状態が急激に劣化する場合も考えられる。このような環境においても、実施の形態3で説明した再送制御に基づく無線伝送制御を行えば、通信品質を常に保証することができる。したがって、実施の形態3で示した再送制御を適用することにより、一方の無線局との伝搬状態が急激に変化した場合にも他方の無線局がデータ伝送をサポートするので、安定したサービスを提供できる。
このように、本実施の形態によれば、新たなタイプのソフトハンドオーバをサポートする無線通信システムを実現することができ、従来よりも高効率かつ安定的な無線通信品質を実現できる。
実施の形態11.
本実施の形態では実施の形態1または6で説明した複数の無線局による連携送信の利用形態の一例を開示する。
実施の形態1や6においては、無線局1および2が連携送信を行うに際して、同一データを送信する送信モードBを選定できることを説明したが、この送信モードBでは以下に示すさらにいくつかのモードを環境に応じて提供できる。
(送信モードB1)
無線局1,2が同一データを非コヒーレントに送信する。
端末は無線局1,2からのデータを個別に受信した後、最大比合成などの信号合成に基づき信号品質を改善する。
(送信モードB2)
無線局1,2が同じ時間周波数で分散時空間符号を用いて同じデータを送信する。
代表的な分散時空間符号としては、無線局1,2を異なる送信アンテナとみなしてSTBC(Space Time Block Code)符号を適用する構成がある。STBC符号の受信方法は広く知られており、端末はそのいかなる方法を用いても構わない。
(送信モードB3)
無線局1,2が同一データを同じ時間周波数でコヒーレントに送信する。
コヒーレント送信は、例えば文献「P.Larsson and R.Hu, “Large-scale cooperative relaying network with optimal coherent combining under aggregate relay power constraints,” Proc. of FTC,2003.」で開示されている。
(送信モードB4)
無線局1,2が同一データに対して異なる符号化方法を適用して符号化された信号を送信する。端末は無線局1,2からのデータを個別に受信した後、無線局1,2からの符号化データを用いて復号処理を行う。異なる符号化方法の適用方法はさまざまであるが、異なる冗長ビットを付加する方法、異なる符号化率を用いる方法、異なる畳み込み演算を行う方法なども含まれる。
送信モードB1は異なる時間周波数を用いて無線局1,2が信号送信する場合に特に適する。また、送信モードB2は同じ時間周波数を用いて無線局1,2が信号送信する場合に適する。送信モードB3は端末の移動速度が十分低速であり、チャネル状態が極めてゆっくりと変化する場合に適する。また、送信モードB4は送信モードB1と同じ環境で利用することができ、受信局での演算量は大きくなるものの、符号化利得が得られるため送信モードB1よりも良好な受信特性が得られる。従って、受信局がその演算量を許容できる環境では、送信モードB1よりも優れた方式となる。
そこで、本実施の形態の無線通信システムでは、送信モードBを使用する際に、さらに送信モードB1,B2,B3を環境に応じて適応的に使い分ける。この構成を実現するために、端末は無線局1,2とのチャネル状態及びその変動状態を測定し、無線局1,2に通知する。図43は、連携無線局における送信モードの選択手順を示すフローチャートであり、無線局1,2を連携無線局とした場合の送信モード選択手順を示している。まず、無線局1,2の間で、連携制御において同じ時間周波数で送信するか否かを決定する。異なる時間周波数で送信する場合(「No」の場合)には、送信モードB1を選定する。一方、同じ時間周波数で送信する場合(「Yes」の場合)には、さらに端末におけるチャネルの変動状態を観測し、チャネルの変動状態が遅い場合(「Yes」の場合)には送信モードB3を選定し、チャネルの変動状態が早い場合(「No」の場合)には送信モードB2を選定する。
このように、連携制御状態と端末におけるチャネル状態に応じて適切な送信モードを選定することにより、無線伝送効率を向上することができる。
実施の形態12.
本実施の形態では実施の形態1〜11で説明した連携送信制御を国際標準規格3GPP LTE方式に適用するための構成を開示する。
セルラー無線通信では、国際標準規格3GPP LTE方式が適用されるケースが多く、従来のLTE方式の構成を拡張する形で従来規格をサポートしながら機能拡張を行うことが重要となる。そこで、本実施の形態ではLTE方式に無線局(基地局)間での連携機能を円滑に導入するための方法について説明する。
図44は、LTE方式におけるユーザープレーンのプロトコルスタックを示す図である。このプロトコルスタックは、文献「3GPP TS 36.300 V9.2.0 “EUTRA and EUTRAN overall description, Stage 2.”」に基づくものである。
図44に示したプロトコルスタックにおいて、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)層ではIPパケットのヘッダの圧縮/解凍およびデータの暗号化を行い、効率的な帯域幅の使用を実現する。また、RLC(Radio Link Control)層では無線リンク上で送信されるデータフォーマットへの変換を行う。MAC(Medium Access Control)層では他のユーザのデータとの多重化を行う。物理(PHY: Physical Layer)層では変調・符号化など実際の送信データを生成する処理を行う。物理層で生成された送信データは無線リンクに送信される。
図45は、実施の形態1〜11で説明した連携送信制御を3GPP LTE方式に適用するためのプロトコルスタックを示す図である。図示したように、基地局(eNB:evolved node B)においてデータ抽出を行う機能を新たに付加し、さらに、端末(UE:User Equipment)側ではデータを結合する機能を新たに付加することによって、従来の機能をサポートしながら新たな連携制御機能をサポートすることができる。
図46は、本実施の形態の無線通信システムを構成する無線局の構成例を示す図であり、より詳細には、実施の形態1〜11で説明した連携送信制御を3GPP LTE方式に適用する場合の構成例を示している。
図46に示した構成の基地局はIPネットワークにおいてIPパケットを受信すると、PDCP層においてIPパケットのヘッダ圧縮、PDCP番号付けなどを実行する。さらに、新たに挿入されたバッファ・データ抽出部においてデータのバッファリングを行い、k番目の端末(端末#k)のデータのうち当該基地局が送信すべきPDCP番号を持つデータのみを抽出する。抽出されたデータは従来のLTE構成と同様にRLC/MAC層およびPHY層を経て無線リンクで送信される。
バッファ・データ抽出部において必要データ部分を抽出する際は、データ分割制御部が抽出すべきデータを指示する。データ分割制御部は、X2インタフェース経由で連携基地局(連携してデータ送信を行う他の基地局)と分割方法に関する制御情報の交信を行い、適切な分割方法を決定する。なお、実施の形態6で説明したような形態、すなわち端末からの制御情報に応じてデータ分割方法を決定する(端末での決定結果に従う)ことも可能である。この場合、上り制御チャネル受信部が端末から送信された制御情報を受信する。端末ごとに異なるデータ分割をサポートするため、バッファ・データ抽出部、データ分割制御部および上り制御チャネル受信部は端末ごとに構成される。
このように、従来のLTE方式に対応した基地局に対して連携送信で必要とするPDCP番号のデータを抽出する機能のみを付加することにより、従来のLTE方式の機能を失うことなく新たに基地局連携機能(連携送信機能)を追加することができる。従来のLTE方式のみをサポートしたい場合、端末をサポートする基地局はバッファ・データ抽出部において全てのPDCPパケットを下位レイヤに送信する。この場合、連携基地局では全てのPDCPパケットを破棄する。基地局連携送信を行う場合には、一部のPDCP番号をもつパケットを下位のレイヤに通知する。
図47は、本実施の形態の無線通信システムを構成する無線局からデータを受信する端末の構成例を示す図であり、実施の形態1〜11で説明した連携送信制御を3GPP LTE方式に適用する場合の構成例を示している。
図47に示した構成の端末は無線リンクで受信した信号を従来のLTE方式の端末と同様に、PHY層/MAC層/RLC層において処理する。このとき、下り制御チャネル解析部は、無線局から送信されてきた制御信号を解読することにより無線局1,2の一方のみが信号を送信するのか、無線局1,2が信号を連携送信するのかを判別する。そして、下り制御チャネル解析部が、複数の無線局(無線局1,2)が連携送信を行う、と判定した場合には各データ受信部(無線局1からのデータ受信部,無線局からのデータ受信部)が、無線局1,2からの信号を個別に受信し、各無線局から送信されたPDCP番号付のデータをそれぞれ抽出してデータ結合部に出力する。データ結合部はデータ受信部から入力された各データのPDCP番号をチェックし、各データを番号順に並び替えてから結合する。また、実施の形態3で示した再送制御(再送要求)を行うため、PDCP番号の欠落を確認し、再送要求に必要な情報を生成して上り制御チャネル送信部から送信する。データ結合部において結合されたデータは従来のLTE方式の端末と同様にPDCP層経由でIP層へ転送される。
このように、従来のLTE方式に対応した端末に対して新たにデータ結合部および下り制御チャネル解析部を付加することにより、端末は、LTE方式の機能を失うことなく新たな基地局連携機能をサポートできる。
以上のように、本実施の形態の無線局(基地局)および端末は、新たに付加する機能以外は従来と同じ機能であり、変更が必要ない。その結果、LTE方式と同じ製造過程を用いることができ、設備投資の観点から低コスト化が実現できる。また、従来のLTE方式との間で部品の共通化を図ることができ、量産化の観点からも有益である。
性能面においては、一方の基地局と端末との伝搬状態が急激に悪化する場合にも基地局連携機能によって他方の基地局が端末をサポートできる。その結果、1つの基地局のみがサポートするLTE方式よりも安定した信号品質を実現できる。また、MIMOシステムでは各基地局と端末がそれぞれ良好な空間チャネルを用いて複数のリンクを確立できる。その結果、基地局連携によって無線伝送効率を向上させることができる。また、一方の基地局がサポートできる端末数に余裕のある環境では、基地局連携によってより高い伝送速度をサポートできる。このように、本発明にかかる無線通信で実施する連携送信制御は高効率な無線伝送の実現に大きく寄与できる。
実施の形態13.
実施の形態1〜12で示した連携送信制御は適宜組み合わせて使用してもよい。また、実施の形態1〜12では、端末から連携無線局へ制御情報(図3に示したチャンネル状態やチャネル品質、図29に示した送信モード情報、図30に示したデータ分割方法、など)が個別に送信される場合について主に説明したが、端末から1つの無線局(例えば、無線局1)に全ての制御情報を送信し、その制御情報を受信した無線局1が他の連携無線局に有線ネットワークを介して送信するように構成しても構わない。
また、実施の形態1〜12では、連携無線局から端末に向けた下り制御情報(データを送信する場合にそのデータに適用されている分割方法などを示す情報)を各連携無線局が個別に送信する場合について主に説明したが、1つの無線局(例えば、無線局1)が連携無線局から有線ネットワークを介して制御情報を受け取り、無線局1から端末に全ての連携送信局の制御情報を送信しても構わない。
また、実施の形態1〜12では、各連携無線局が異なる位置に配置される場合について主に説明したが、連携無線局は同じ位置に配置されても構わない。連携無線局は特定の方向のエリアのみをサポートするセクタであっても構わない。従って、セクタ間での連携送信も本発明に含まれる。
また、実施の形態1〜12では、「フレーム」を用いて制御方式を説明する場合もあったが、「時間スロット」「サブフレーム」「時間シンボル」「時間サンプル」など時間を表すいかなるパラメータであっても構わない。また、用語「分割比率」を用いて無線制御方法を説明する場合もあったが、分割比率を直接通知する代わりに分割比率を推測できるいかなる情報を通知しても構わない。
以上のように、本発明にかかる無線通信システムは、複数の無線局が連携して1つの端末にデータを送信する無線通信システムに有用であり、特に、連携する無線局がそれぞれ異なるデータ部分の送信を担当する形態の無線通信システムに適している。
1,2 無線局
41,94,95 データ受信部
42 バッファ
43 送信モード選択部
44 データ選択部
45,96 制御情報受信部
46 制御情報決定部
47 データ/制御情報送信部
91 信号受信部
92 チャネル状態測定部
93 制御情報決定/送信部
97 データ結合部

Claims (26)

  1. 複数の無線局、および当該複数の無線局を収容するゲートウェイを含んだ無線通信システムであって、
    前記複数の無線局の中の2つ以上の無線局が同一端末宛の同一データをゲートウェイ側から取得した場合、前記同一端末宛の同一データを取得した各無線局は、互いに連携して当該取得したデータの全てまたは一部をその宛先端末に向けて送信する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記ゲートウェイは、接続されている上位ネットワークから端末宛のデータを受信し、かつ当該データを2つ以上の無線局に配信する必要があると判断した場合、当該データの宛先端末と通信が可能な無線局の中の2つ以上の無線局に当該データを配信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記ゲートウェイは、接続されている上位ネットワークから端末宛のデータを受信した場合、当該データの宛先端末を収容している無線局に当該データを配信し、
    前記ゲートウェイからデータを受信した無線局は、当該受信データの端末への送信動作において他の無線局と連携する必要がある場合、当該受信データの複製データを連携する他の無線局へ配信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記同一端末宛の同一データを取得した各無線局は、前記取得したデータの一部をその宛先端末へ送信する場合、それぞれ異なる部分を送信する
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の無線通信システム。
  5. 前記同一端末宛の同一データを取得した各無線局は、前記取得したデータを、連携する他の無線局と共通の手順で所定ビット数の複数ブロックに分割し、さらに各ブロックに一連のシーケンス番号を付与した後、自局が送信を担当するブロックを抽出して送信する
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記同一端末宛の同一データを取得した各無線局は、前記取得したデータを、連携する他の無線局と共通の手順で所定ビット数の複数ブロックに分割し、さらに自局が送信を担当するブロックを抽出し、当該抽出した各ブロックに対して一連のシーケンス番号を付与して送信する
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  7. 前記同一端末宛の同一データを取得した無線局の中の1つの無線局である主無線局が、各無線局で送信を担当するブロックを決定する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の無線通信システム。
  8. 前記主無線局は、
    連携する他の無線局と前記取得したデータの宛先端末との間のチャネル状態、および自局と当該宛先端末との間のチャネル状態に基づいて、各無線局で送信を担当するブロックを決定し、決定結果を当該他の無線局に通知する
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
  9. 前記主無線局は、前記各無線局で送信を担当するブロックを決定する処理において各無線局から送信するデータ量同士の比率を決定し、
    前記主無線局および他の無線局は、前記データを分割する際、前記主無線局が決定した比率に従って分割する
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
  10. 前記主無線局は、前記比率を周期的に決定する
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線通信システム。
  11. 前記主無線局は、前記比率を所定数のフレームごとに決定する
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の無線通信システム。
  12. 前記無線局は、前記比率を決定した場合、連携する他の無線局に対して、前回決定した比率と今回決定した比率の差分を通知する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の無線通信システム。
  13. 前記同一端末宛の同一データを取得した各無線局、および当該データの宛先端末が複数のアンテナを有する場合、
    前記主無線局は
    連携する他の無線局に利用を許可する空間多重数の最大値と、当該他の無線局が送信するデータ量と自局が送信するデータ量の比率とを決定し、
    連携する他の無線局および前記取得したデータの宛先端末に対し、前記空間多重数の最大値と前記比率の対応テーブルを利用して前記決定結果を通知する
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
  14. 3GPPのLTE方式を適用し、
    前記シーケンス番号をPDCP番号とする
    ことを特徴とする請求項5〜13のいずれか一つに記載の無線通信システム。
  15. 無線通信システムにおいて、上位ネットワークに接続されたゲートウェイに収容され、上位ネットワーク側から受信した下りデータを配下の端末へ送信する無線局であって、
    下りデータを受信し、かつ当該下りデータと同一の下りデータを保持している他の無線局が存在している場合に、当該他の無線局と連携して当該下りデータの全てまたは一部をその宛先端末に向けて送信する
    ことを特徴とする無線局。
  16. 他の無線局と連携して前記下りデータの一部を送信する場合、
    連携する他の無線局とは異なる部分を送信する
    ことを特徴とする請求項15に記載の無線局。
  17. 連携する他の無線局と共通の手順で前記下りデータを所定ビット数の複数ブロックに分割し、さらに各ブロックに一連のシーケンス番号を付与した後、自局が送信を担当するブロックを抽出して送信する
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線局。
  18. 連携する他の無線局と共通の手順で前記下りデータを所定ビット数の複数ブロックに分割し、さらに自局が送信を担当するブロックを抽出し、当該抽出した各ブロックに対して一連のシーケンス番号を付与して送信する
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線局。
  19. 連携する他の無線局と前記下りデータの宛先端末との間のチャネル状態、および自局と当該宛先端末との間のチャネル状態に基づいて、当該他の無線局および自局が送信を担当するブロックを決定し、決定結果を当該他の無線局に通知する
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の無線局。
  20. 前記他の無線局および自局が送信を担当する部分を決定する処理では他の無線局が送信するデータ量と自局が送信するデータ量の比率を決定し、前記下りデータを所定ビット数の複数ブロックに分割する処理では当該決定したデータ量の比率に従って下りデータを分割する
    ことを特徴とする請求項19に記載の無線局。
  21. 前記比率を決定する処理を周期的に実施する
    ことを特徴とする請求項20に記載の無線局。
  22. 前記比率を決定する処理を所定数のフレームごとに実施する
    ことを特徴とする請求項20または21に記載の無線局。
  23. 前記比率を決定した場合、
    連携する他の無線局および前記下りデータの宛先端末に対して、前回決定した比率と今回決定した比率の差分を通知する
    ことを特徴とする請求項21または22に記載の無線局。
  24. 自局、連携する他の無線局および前記下りデータの宛先端末が複数のアンテナを有する場合、
    連携する他の無線局に利用を許可する空間多重数の最大値と、当該他の無線局が送信するデータ量と自局が送信するデータ量の比率とを決定し、
    連携する他の無線局および前記下りデータの宛先端末に対し、前記空間多重数の最大値と前記比率の対応テーブルを利用して前記決定結果を通知する
    ことを特徴とする請求項19に記載の無線局。
  25. 自局および連携する他の無線局が送信を担当する部分、および自局が送信するデータ量と連携する他の無線局が送信するデータ量の比率が他の無線局において決定された場合、当該決定結果に従って前記下りデータの一部を送信する
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の無線局。
  26. 前記無線通信システムを3GPPのLTE方式を適用した無線通信システムとし、
    前記シーケンス番号をPDCP番号とする
    ことを特徴とする請求項17〜25のいずれか一つに記載の無線局。
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