JP2013167816A - 撮像装置、撮像制御プログラム及び撮像方法 - Google Patents

撮像装置、撮像制御プログラム及び撮像方法 Download PDF

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【課題】撮像所要時間が短く、かつ焦点の合った検体画像の撮像が可能な撮像装置、撮像制御プログラム及び撮像方法を提供すること。
【解決手段】本技術に係る撮像装置は、撮像領域設定部と、合焦位置検出部と、合焦位置決定部と、撮像制御部とを具備する。撮像領域設定部は、検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する。合焦位置検出部は、撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する。合焦位置決定部は、合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する。撮像制御部は、合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる。
【選択図】図1

Description

本技術は、検体を撮像領域毎に撮像して拡大画像を取得する撮像装置、撮像制御プログラム及び撮像方法に関する。
顕微鏡を用いて検体の高倍率画像を撮像する撮像装置において、検体の部分的領域(撮像領域)毎に高倍率画像を撮像し、得られた画像を繋ぎ合わせることによって検体の全領域の高倍率画像を取得する撮像装置がある。例えば、細胞組織スライドを顕微鏡を介して撮像することによってスライドをデジタル画像データとして保存し、病理診断等に供するDPIスキャナーやDPIビューワーが知られている。
このような撮像装置では、一般に被写界深度が非常に狭い(1μm程度)ため、厚みのある検体(細胞組織等)のうち焦点状態が最良になる合焦位置で撮像を行う必要がある。しかし、細胞組織等の検体は不規則なうねりを持ってることが多く、最適な合焦位置は撮像領域毎に異なるため、理想的には撮像領域を撮像する毎に、合焦位置を調整することが望ましい。
しかし、ひとつの検体に設定される撮像領域は膨大(数百〜数千)であることが多く、撮像領域毎に検体と顕微鏡光学系の相対位置を調整し、最適な合焦位置を求めることは、多大の時間が必要であることから現実的ではない。このため、検体上で選択された代表点で事前に焦点位置を探索し、その結果から撮像領域毎の合焦位置を推定する撮像方式が用いられる。例えば、特許文献1には、所定間隔の撮像領域について合焦位置を検出し、各撮像領域について合焦位置を推定する「合焦装置」が開示されている。
特開2011−209573号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような、検体画像の代表点から合焦位置を推定する撮像方式では、検体の合焦位置が推定の範囲を超える場合もあり、さらには測定装置の熱膨張等によっても合焦位置が変動するおそれがある。即ち、検体画像を複数の撮像領域毎に撮像する撮像装置においては、所要時間の短縮と、良好な(画像全体において焦点が合っている)検体画像の両立が課題となっている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、撮像所要時間が短く、かつ焦点の合った検体画像の撮像が可能な撮像装置、撮像制御プログラム及び撮像方法を提供することにある。
以上のような事情に鑑み、本技術の一形態に係る撮像装置は、撮像領域設定部と、合焦位置検出部と、合焦位置決定部と、撮像制御部とを具備する。
上記撮像領域設定部は、検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する。
上記合焦位置検出部は、撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する。
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する。
上記撮像制御部は、上記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる。
この構成によれば、合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置が、合焦位置が検出された撮像領域の合焦位置を用いて推定されるため、撮像制御部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域が撮像される際、この推定された合焦位置を用いることができ、撮像領域単位で焦点が合っている検体画像の撮像が可能となる。
上記複数の撮像領域のそれぞれに対して検体の有無を判定する領域判定部をさらに具備し、上記合焦位置検出部は、上記領域判定部によって検体が存在すると判定された撮像領域に対して、合焦位置を検出してもよい。
この構成によれば、検体が存在しない撮像領域、即ち、撮像する必要のない撮像領域については合焦位置の検出が省略されるため、撮像プロセスの所要時間を短縮することが可能となる。
上記合焦位置決定部が合焦位置を検出する撮像領域の順序を決定する撮像順序決定部をさらに具備し、上記撮像順序決定部は、近接する撮像領域を優先する順序としてもよい。
上述のように、合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置は、合焦位置が検出された撮像領域の合焦位置を用いて推定されるため、推定対象の撮像領域の周囲に合焦位置が検出された撮像領域が多いほうがより正確な推定が可能となる。したがって、撮像順序決定部が、近接する撮像領域を優先する順序を割り当てることにより、推定対象の撮像領域の周囲に合焦位置が検出された撮像領域が存在する可能性が上昇し、推定対象の撮像領域の合焦位置をより正確に推定することが可能となる。
上記撮像順序決定部は、検体の存在割合が高い撮像領域の中で近接する撮像領域を優先し、次に検体の存在割合が低い撮像領域の中で近接する撮像領域を優先する順序としてもよい。
上述のように、推定対象の撮像領域の周囲に合焦位置が検出された撮像領域が多いほうがより正確な推定が可能となるが、検体の存在割合に応じて近接する撮像領域を優先する順序とすることによって、検体の存在割合が高い撮像領域、即ち合焦位置が検出できる可能性が高い撮像領域に対して先行して合焦位置の検出がなされる。このため、合焦位置の推定が必要となる可能性が高い、検体の存在割合が低い撮像領域に対して合焦位置の推定がなされる際、既に合焦位置の検出がなされた検体の存在割合が高い撮像領域の合焦位置を推定に利用することが可能となる。即ち、上述の撮像順序(検体の存在割合に係わらずに近接する撮像領域を優先する順序)と比べてもさらに、推定対象の撮像領域の合焦位置をより正確に推定することが可能となる。
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出された撮像領域のうち検体が偏在する撮像領域の合焦位置を、偏在方向に隣接した領域において上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定してもよい。
撮像領域において検体が偏在している(均一に分布していない)場合においては、合焦位置が検出されたとしても、検体の偏在に起因して正確な合焦位置が検出されていないおそれがある。したがって、このような場合に、偏在方向に隣接した領域において検出された合焦位置を検体が偏在する撮像領域の合焦位置の推定に利用することによって、検体が偏在する撮像領域の合焦位置をより正確に決定することが可能となる。
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出された撮像領域の合焦位置と、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部において位相差検出判定可能な面積割合が閾値を超えないときには、合焦位置が検出された撮像領域の合焦位置を推定された合焦位置としてもよい。
検体と異なる平面に存在する異物(ゴミ等)、あるいは周囲と屈折率と異なる検体(赤血球等)等に起因して特定の撮像領域において検出された合焦位置が周囲の撮像領域において検出された合焦位置と著しく相違する場合がある。この構成によればそのような場合に検出された合焦位置を破棄し、推定された合焦位置を利用することが可能であり、即ち正確な合焦位置の決定が可能である。
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置の最小二乗近似平面による近似値、または隣接する撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置の平均値としてもよい。
この構成によれば、合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、最小二乗近似平面による近似値を用いて推定することができる。また、合焦位置が検出された撮像領域の数が、最小二乗近似平面を形成するのに不足する場合には、隣接する撮像領域において検出された合焦位置の平均値を利用して、合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を推定することが可能である。
上記合焦位置検出部は、撮像領域の位相差画像からその撮像領域の合焦位置を検出してもよい。
位相差画像では、撮像領域毎に同一の焦点位置で撮像した場合であっても、位相差画像を画像処理することで撮像時の合焦平面に対する凹凸情報が得られるため、その凹凸情報から合焦位置を検出することが可能である。したがって、合焦位置の検出に位相差画像を用いることにより、撮像領域毎に顕微鏡光学系を調整して合焦位置を探索する場合に比べて撮像所要時間の大幅な短縮が可能である。
以上のような事情に鑑み、本技術の一形態に係る撮像制御プログラムは、撮像領域設定部と、合焦位置検出部と、合焦位置決定部と、撮像制御部ととしてコンピュータを機能させる。
上記撮像領域設定部は、検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する。
上記合焦位置検出部は、撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する。
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する。
上記撮像制御部は、上記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる。
以上のような事情に鑑み、本技術の一形態に係る撮像方法は、撮像領域設定部が、検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する。
合焦位置検出部が、撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する。
合焦位置決定部が、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する。
撮像制御部が、上記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる。
以上のように、本技術によれば、撮像所要時間が短く、かつ焦点の合った検体画像の撮像が可能な撮像装置、撮像制御プログラム及び撮像方法を提供することが可能となる。
本技術の実施形態に係る撮像装置の構成を示す模式図である。 同撮像装置の動作を示すフローチャートである。 同撮像装置によって撮像される低倍率画像の模式図である。 同撮像装置によって撮像される低倍率画像における撮像領域の模式図である。 同撮像装置によって撮像される低倍率画像における撮像領域の模式図である。 同撮像装置の撮像順序決定部による撮像順序を示す模式図である。 位相差画像からの合焦位置の検出原理を示す模式図である。 位相差画像から得られるデフォーカスマップの例である。 位相差画像から得られるデフォーカスプロファイルの例である。 低倍率画像において検体の像が殆含まれない撮像領域を示す模式図である。 本技術の実施形態に係る撮像装置の合焦位置の決定動作を示すフローチャートである。 低倍率画像において検体が偏在している撮像領域を示す模式図である。 低倍率画像における異物を示す模式図である。 異物が存在する場合の、各撮像領域において検出される合焦位置を示すグラフである。 最小二乗近似平面又は平均値による合焦位置の推定を説明するための図である。 本技術の実施形態に係る撮像装置の撮像順序の決定動作を説明する図である。 本技術の実施形態に係る撮像装置の撮像順序の決定動作を説明する図である。 本技術の実施形態に係る撮像装置の撮像順序の決定動作を説明する図である。 撮像領域に赤血球が存在する低倍率画像を示す模式図である。
[撮像装置の構成]
本実施形態に係る撮像装置の構成について説明する。図1は本実施形態に係る撮像装置100の構成を示す模式図である。同図に示すように、撮像装置100は、顕微鏡110と顕微鏡制御ユニット130によって構成されている。顕微鏡110の各部は顕微鏡制御ユニット130に接続されている。なお、顕微鏡制御ユニット130は、顕微鏡110に搭載されていてもよく、顕微鏡110とは別の情報処理装置等に搭載されていてもよい。
顕微鏡110は、顕微鏡制御ユニット130による制御を受けて検体の高倍率画像を撮像する。顕微鏡110は、高倍率画像に加えて検体の位相差画像を撮像することが可能な顕微鏡である。
顕微鏡110は、光源111、コンデンサレンズ112、ステージ113、対物レンズ114、ハーフミラー115、フィールドレンズ116、絞りマスク117、セパレータレンズ118、撮像素子119及び撮像素子120を有する。ステージ113には、検体が固定されたプレパラートPが載置されている。なお、顕微鏡110の構成は一例であり、ここに示すものと異なる構成とすることも可能である。
光源111は、プレパラートPに照射される照明光を出射する。光源111は電球やLED(Light Emitting Diode)等とすることができる。光源111は、顕微鏡制御ユニット130によって発光タイミング等の制御を受ける。コンデンサレンズ112は、光源111から出射された照明光をプレパラートPに集光する。
ステージ113はプレパラートPを支持し、顕微鏡制御ユニット130による制御を受けてその位置をX−Y平面(プレパラートPに平行な平面)方向及びZ方向(プレパラートPに垂直な方向)に移動させる。ステージ113はX−Y平面方向に移動することによって、顕微鏡光学系(対物レンズ114等)の視野範囲を規定し、Z方向に移動することによって顕微鏡光学系の焦点位置を規定するものとすることができる。
対物レンズ114は、プレパラートPを透過した光を所定の拡大倍率で拡大させる。対物レンズ114は、拡大倍率が異なる複数のレンズによって構成されるものとしてもよい。
ハーフミラー115は、対物レンズ114を透過した光の一部を反射し、残りを透過させる。ハーフミラー115は、位相差像として撮像される光と、通常の(位相差像ではない)顕微鏡画像として撮像される光を分離するものである。フィールドレンズ116は、ハーフミラー115によって反射された光を屈折させ、絞りマスク117に入射させる。
絞りマスク117は、フィールドレンズ116から出射される光を分割し、それぞれをセパレータレンズ118に入射させる。絞りマスク117は、フィールドレンズ116の光軸と直交する面内に、その光軸を境界として対象となる位置に光路となる一対の開口が設けられたマスクであるものとすることができる。
セパレータレンズ118は一対が配置され、絞りマスクによって分割されたそれぞれの光を撮像素子119の受光面に結合させるレンズである。撮像素子119は、一対のセパレータレンズ118のそれぞれによって結像された光を光電変換し、位相差画像を生成する。撮像素子119は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等とすることができる。撮像素子119は、生成した位相差画像を顕微鏡制御ユニット130に出力する。
撮像素子120は、ハーフミラー115を透過した光を光電変換し、検体の画像(高倍率画像)を生成する。撮像素子120は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等とすることができる。撮像素子120は、生成した画像を顕微鏡制御ユニット130に出力する。
顕微鏡制御ユニット130は、プロセッサやメモリ等のハードウェアと、それに読み込まれるソフトウェアの協働によって実現される。顕微鏡制御ユニット130は、顕微鏡110から出力される画像を取得するとともに、顕微鏡110による画像の撮像を制御する。
顕微鏡制御ユニット130は、撮像領域設定部131、領域判定部132、撮像順序決定部133、合焦位置検出部134、合焦位置決定部135及び撮像制御部136を有する。これらはそれぞれが互いに接続されるとともに、撮像領域設定部131は撮像素子120に、合焦位置検出部134は撮像素子119に、撮像制御部136は顕微鏡110の各部(光源111、ステージ113等)にそれぞれ接続されている。顕微鏡制御ユニット130の各部の機能については撮像装置100の動作の説明と合わせて説明する。
[撮像装置の動作]
撮像装置100の動作について説明する。図2は、撮像装置100の動作を示すフローチャートである。
顕微鏡110にプレパラートPがセットされ、ユーザによって撮像開始の操作入力がなされると、撮像プロセスが開始される。
撮像制御部136によって、ステージ113が制御され、サムネイルカメラによって低倍率画像Gが撮像される(St1)。図3は、低倍率画像Gの例であり、検体(例えば細胞)Sと、検体Sが存在しない領域が含まれている。
次に、撮像領域設定部131が、低倍率画像G上に撮像領域Rを設定する(St2)。図4は、撮像領域Rを示す模式図である。撮像領域Rは、低倍率画像G上に、同一の大きさで複数が配置される仮想的な領域であり、その大きさや数は、低倍率画像Gの大きさ(画素数)と目的とする高倍率画像の撮像倍率によって決定される。撮像領域Rは、実際には一つの低倍率画像G上に数百から数千領域が設定される。
続いて、領域判定部132が、各撮像領域R中に検体Sの像が含まれるかどうかを判定する(St3)。以下の説明において、検体Sの像が含まれると判定された撮像領域Rを撮像領域Tとする。図5は、撮像領域T(網掛けの領域)を示す模式図である。領域判定部132は、任意の画像処理によって判定をすることができる。例えば、領域判定部132は、各撮像領域Rについて輝度値の総和が閾値を超えない場合には、検体Sが存在する撮像領域Tであるものとすることができる。
続いて、撮像順序決定部133が、撮像領域Tにおいて撮像する順序を決定する(St4)。図6は撮像順序決定部133が決定した撮像順序を示す模式図である。撮像順序決定部133による撮像順序の決定動作については後述するが、撮像順序決定部133は近接する撮像領域Tを優先する順序、あるいは検体Sの存在割合に応じて近接する撮像領域Tを優先する順序とすることができる。ここでは、撮像順序決定部133によって図6に示す撮像順序が決定されたものとして説明する。
次に、撮像制御部136によってステージ113等が制御され、顕微鏡110の視野が撮像領域Tに一致するように移動される(St5)。いずれの撮像領域Tに移動されるかは、上記撮像順序決定部133によって決定された順序に従う。
続いて、顕微鏡110の視野内の撮像領域Tの位相差画像が撮像される(St6)。撮像制御部136によって光源111等が制御され、撮像素子119によって位相差画像が撮像される。撮像された位相差画像は、合焦位置検出部134に供給される。
次に、合焦位置検出部134が、顕微鏡110の視野内の撮像領域Tについて合焦位置を検出する(St7)。合焦位置は、撮像領域Tに含まれる検体Sの像に、最も顕微鏡110の焦点が合うときの、顕微鏡光学系とプレパラートPの相対位置(距離)である。合焦位置検出部134は、撮像領域Tの位相差画像から合焦位置を検出することができる。図7は、位相差画像からの合焦位置の検出原理を示す模式図である。
同図に示すように、合焦位置検出部134は、基準画像の全ピクセルに対して、各注目ピクセル周辺の検波窓内画像に相当する画像の中心となる対応ピクセル座標のサブピクセルレベルで検出する。次に、合焦位置検出部134は、各注目ピクセルと対応ピクセルの距離Dを算出し、defocus=k(D−D)として当該撮像領域Tのデフォーカスマップを生成する(k:デフォーカス/ピクセル計数[μm/pixel]、D:合焦時基準位相差[pixel])。
図8は、デフォーカスマップの例である。同図に示すようにデフォーカスマップは、当該撮像領域Tに含まれる各位置の凹凸情報が、位相差画像撮像時の合焦位置に対してのプラスあるいはマイナスによって示されたものである。図9は、図8に示すデフォーカスマップをデフォーカスプロファイルとして示したものであり、デフォーカス量(凹凸量)に対する頻度(ピクセル数)が示されている。図9に示すデフォーカスプロファイルでは、ピークが0.2μmの位置にあり、即ち、位相差画像撮像時の焦点位置から0.2μm接近することにより、最も広い検体組織が合焦する焦点位置となることが示されている。
合焦位置検出部134は、このように、位相差画像の位相差を用いて撮像領域T毎に最も焦点が合う合焦位置を求めることができる。また、合焦位置検出部134は、位相差画像のコントラストを用いて合焦位置を求めることも可能である。位相差画像では、撮像領域T毎に同一の焦点位置で撮像した場合であっても、位相差画像を画像処理することにより撮像時の合焦平面に対する凹凸情報が得られるため、その凹凸情報から合焦位置を検出することが可能である。したがって、合焦位置の検出に位相差画像を用いることにより、撮像領域T毎に顕微鏡光学系を調整して合焦位置を探索する場合に比べて撮像所要時間の大幅な短縮が可能である。
ここで、合焦位置検出部134が有効な合焦位置を求めることができるのは、その撮像領域T内に十分な凹凸情報(即ち検体Sの像)がある場合に限られる。例えば、図10に太枠で示した撮像領域Tのように、撮像領域T内に検体Sの像がほとんど含まれない撮像領域Tについては、プロファイルとなる合焦ピクセル数が少ないため、有効な合焦位置を求めることができない。合焦位置検出部134は、検出された合焦位置(検出できなかった場合も含む)を合焦位置決定部135に供給する。
合焦位置決定部135は、合焦位置検出部134によって検出された合焦位置に基づいて、高倍率画像の撮像に利用する合焦位置を決定する(St8)。詳細は後述するが、合焦位置決定部135は、合焦位置検出部134によって有効な合焦位置が検出されなかった場合、又は有効な合焦位置が検出されたが一定の場合には、周囲の撮像領域Tにおいて検出された合焦位置を用いて合焦位置の推定を実施する。一方、合焦位置決定部135は、合焦位置検出部134によって検出された合焦位置が妥当な場合には、その合焦位置に決定する。合焦位置決定部135は、決定した合焦位置を撮像制御部136に供給する。
撮像制御部136は、合焦位置検出部134によって決定された合焦位置を用いて、高倍率画像を撮像させる(st9)。具体的には、撮像制御部136は、決定された合焦位置に一致するようにステージ113等を制御する。その後に撮像制御部136は、光源111等を制御し、撮像素子120に撮像領域Tの画像を撮像させる。
ひとつの撮像領域Tに対して高倍率画像が撮像されると(St10:No)、撮像順序決定部133によって決定された順序に従って、次の撮像領域Tに顕微鏡110の視野が移動され(St5)、位相差画像の撮像(St6)等が繰返される。低倍率画像G内の全ての撮像領域Tに対して高倍率画像の撮像が完了すると(St10:Yes)、撮像プロセスが終了する。撮像された各撮像領域T毎の高倍率画像はスティッチングにより一枚の高倍率画像に結合され、ストレージ等に保存される。
以上のようにして、プレパラートP上の検体Sの高倍率画像が撮像される。上記撮像プロセスにおいては、領域判定部132によって、低倍率画像Gにおいて検体Sが含まれない撮像領域Tについては、視野の移動(St5)や位相差画像撮像(St6)以下のプロセスが実行されない。これにより、プレパラートPにおいて検体Sが存在しない、不要な領域についてのこれらの撮像プロセスを省略することが可能である。
また、合焦位置検出部134によって、各撮像領域T毎に位相差画像を利用した合焦位置の検出が実行され、高倍率画像の撮像に利用されるため、撮像領域T単位で正確な合焦位置による高倍率画像の撮像が可能である。
[合焦位置決定部による合焦位置の決定]
合焦位置決定部135による合焦位置の決定動作について説明する。図11は、合焦位置決定部135による合焦位置の決定動作を示すフローチャートである。
同図に示すように、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出(St7)されると、検出された合焦位置が合焦位置決定部135に供給される。また、合焦位置検出部134によって有効な合焦位置が検出されなかった場合も、その旨が合焦位置決定部135に供給される。
合焦位置決定部135は、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出された場合(St81:Yes)、検体Sの像が撮像領域Tにおいて偏在しているかどうかを確認する(St82)。図12は、ひとつの撮像領域Tにおいて検体Sの像が偏在している例を示す模式図である。
図12に示す撮像領域T(太枠)においては、検体Sの像が撮像領域Tの上半分にのみ存在している。このような場合、合焦位置検出部134によって当該撮像領域Tの位相差画像から検出される合焦位置は、検体Sの像が偏在していない場合に比べてデフォーカスプロファイルのサンプル数が少ないために精度が低いものとなる。また、検体Sの周縁部においては検体Sがめくれていることも考えられる。
したがって、このような検体Sの像が偏在している撮像領域Tから検出される合焦位置は、隣接する検体Sの像が偏在していない撮像領域Tから検出される合焦位置との整合性が小さい。このような場合、撮像された高倍率画像においては撮像領域T間の継ぎ目が目立つおそれがある。
これに対して合焦位置決定部135は、検体Sの像が撮像領域Tにおいて偏在していることを検出し、かつ、当該撮像領域Tに隣接する撮像領域Tのうち検体Sの像が偏在している方向の撮像領域T(図12中「Valid」)において合焦位置が検出されている場合(St82:Yes)には、偏在している撮像領域Tから検出された合焦位置を破棄し、検体Sの像が偏在している方向に隣接する撮像領域Tにおいて検出された合焦位置を採用する(St83)。このようにすることにより、検体Sの像が偏在している撮像領域Tにおける合焦位置の精度を確保し、隣接する撮像領域Tとの合焦位置の相違も解消することが可能となる。
一方、合焦位置決定部135は、撮像領域Tにおいて検体Sが偏在していない場合、または検体Sが偏在しているが、検体Sの像が偏在している方向に隣接する撮像領域Tにおいて合焦位置が検出されていない場合(St82:No)には、検出値の信頼性が十分であるかを確認する(St84)。
合焦位置決定部135は、決定対象の撮像領域Tにおいて位相差検出判定可能な面積割合が閾値を超えない場合(St84:Yes)には、検出された合焦位置を採用しないものとすることができる。一方、合焦位置決定部135は、決定対象の撮像領域Tにおいて位相差検出判定可能な面積割合が閾値を超える場合(St84:No)には、決定対象の撮像領域Tにおいて検出された合焦位置を採用する(St85)ものとすることができる。
続いて、合焦位置決定部135は、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出されなかった場合(St81:No)、または決定対象の撮像領域Tの周囲の撮像領域Tから推定された合焦位置と、決定対象の撮像領域Tにおいて位相差検出判定可能な面積割合が閾値を超えない場合(St84:Yes)には、最小二乗近似平面を利用した合焦位置の推定が可能であるかを確認する(St86)。
合焦位置決定部135は、決定対象の撮像領域Tの周囲に、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出された撮像領域Tが同一直線上ではない3領域以上ある場合(St86:Yes)には、最小二乗近似平面を利用した合焦位置の推定(St87)が可能である。一方、決定対象の撮像領域Tの周囲において、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出された撮像領域Tが3領域未満である場合(St86:No)には、平均値を利用した合焦位置の推定が可能であるかを確認する(St88)。
合焦位置決定部135は、決定対象の撮像領域Tの周囲に、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出された撮像領域Tが1領域以上ある場合(St88:Yes)には、平均値を利用した合焦位置の推定(St89)が可能である。一方、決定対象の撮像領域Tの周囲において、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出された撮像領域Tが1領域もない場合(St89:No)には、合焦位置の推定がなされない(St90)。
図15は、最小二乗近似平面又は平均値による合焦位置の推定を説明するための図である。同図において撮像順序を矢印で示す。図15(a)及び図15(b)において、合焦位置が検出された撮像領域Tには検出された合焦位置の数値例を示し、有効な合焦位置が検出されなかった撮像領域には「invalid」と示す。
合焦位置決定部135が、推定対象の撮像領域T(図中斜線)の合焦位置を推定する際、図15(a)に示すように、推定対称の撮像領域TのX、Y方向に合焦位置が検出された撮像領域Tが同一直線上ではない3領域以上である場合には、最小二乗近似平面を用いて推定対象の撮像領域Tの合焦位置を推定することができる。
具体的には、求める近似平面をz=ax+by+cとし、XYを推定対象の撮像領域Tを(0、0)とした撮像領域Tのインデックスとし、各インデックス位置での合焦位置をZnとする。さらに推定対象の撮像領域Tに隣接する、合焦位置が検出された撮像領域Tの数をnとすると、推定対象の撮像領域Tの合焦位置Zは以下の式を用いて推定することができる。
N≧3でかつXY平面上で直交する配置にある場合、
Z0 = aveZ - a x aveX - b x aveY
a = (SySxz - SxySyz) / (SxSy - Sxy2)
b = (SxSyz - SxySxz) / (SxSy - Sxy2)
Sx = (1/N)Σ(xn-aveX)2
Sy = (1/N)Σ(yn-aveY)2
Sxy = (1/N)Σ(x-aveX)(y-aveY)
aveX, aveY, aveZ:合焦位置が検出された撮像領域Tのインデックス及びZ位置の平均値
一方、図15(b)に示すように、推定対称の撮像領域TのX、Y方向に合焦位置が検出された対象領域Tが同一直線上の3領域以上であるもしくは2領域以下である場合には、最小二乗近似平面が形成できないので、推定対象の撮像領域Tの合焦位置は、隣接する対象領域Tの合焦位置の平均値とすることができる。
以上のようにして、合焦位置決定部135は、合焦位置検出部134によって合焦位置が検出されなかった推定対象の撮像領域Tの合焦位置を、周囲の合焦位置が検出された撮像領域Tの合焦位置を用いて推定することが可能である。
以上のようにして、合焦位置決定部135は、決定対象の撮像領域Tについて合焦位置検出部134によって検出された合焦位置又は、決定対象の撮像領域Tの周囲に位置する撮像領域Tの合焦位置から推定された合焦位置を、決定対象の撮像領域Tの合焦位置として決定する。
図13は、合焦位置の決定対象の撮像領域T(太枠)の周囲の撮像領域Tに異物が存在する例を示す模式図である。同図に示すように、カバーガラス上等、検体Sと焦点方向に離間した位置に異物(ゴミ等)が存在し、かつその撮像領域Tに検体Sの像が含まれない場合、その撮像領域Tにおいては、その異物に焦点が合う場合がある。
図14は、図13において破線で示した撮像領域T群の各撮像領域Tの合焦位置を示すグラフである。同図に示すように、幾つかの撮像領域Tにおいては、カバーガラス上の異物に焦点が合ったことによって、本来の合焦位置とはカバーガラスの厚みに相当する距離の分離間している。このような場合において、合焦位置の検出ができなかった撮像領域Tの合焦位置の推定に、異物が含まれる撮像領域Tの合焦位置を用いると、本来の合焦位置とは相違する合焦位置が推定されてしまうおそれがある。その為、決定対象の撮像領域Tの周囲に位置する撮像領域Tの合焦位置から推定を行う場合(St86、St88)、決定対象の撮像領域Tの周囲に位置する撮像領域Tの合焦位置の分散が閾値を上回る場合、上位側に偏った異物起因の検出要素を推定上方から除外したのち、合焦位置の推定を行うことで、異物の影響を排除することが可能となる。
また、図19に示すように、撮像領域Tに赤血球が含まれる場合には、赤血球の屈折率は他の細胞と著しく異なることにより、当該撮像領域Tの合焦位置が周囲の撮像領域Tと大きく異なる場合がある。このような場合、図11のSt84経てSt85の判定がなされる結果、撮像領域Tの矩形領域が周辺と著しく異なった焦点状態になる。そこで、St84の判定において、検出値の信頼性が十分である場合であっても、St86及びSt88にとる合焦位置の推定を行い、推定位置が検出位置と大きく異なる場合(閾値を超える場合/合焦面が著しく不連続な段差を形成する場合)、推定位置を採用することで、焦点状態の周辺タイルとの不連続性を緩和することができる。
[撮像順序決定部による撮像順序の決定]
撮像順序決定部133による撮像順序の決定動作について説明する。上述のように、撮像順序決定部133は、領域判定部132によって検体Sが存在すると判定された撮像領域Tについて、位相差画像及び高倍率画像の撮像順序を決定する。ここで、撮像順序決定部133は、近接する撮像領域Tを優先する順序、あるいは検体Sの存在割合に応じて近接する撮像領域Tを優先する順序とすることができる。
まず、撮像順序決定部133が近接する撮像領域Tを優先する順序とする場合について説明する。上述の図6に示す撮像順序は、この場合の撮像順序を示すものである。撮像順序決定部133は、次のようなルールにしたがって近接する撮像領域Tを優先する順序を割り当てることができる。
撮像順序決定部133は、最も左上に位置する撮像領域Tから、隣接する撮像領域Tのうち、左、下、右、上の優先順位、隣接する撮像領域Tが存在しない場合には、角が接する左下、右下、右上、左上の優先順位で次の撮像領域Tに移動させる順序とする。隣接あるいは角が接する撮像領域が存在しない場合には、最も接近する撮像領域Tに移動させる順序とする。撮像順序決定部133は全ての撮像領域Tに順序を決定するまで、これを繰返す。
撮像順序決定部133が近接する撮像領域Tを優先する順序とすることによって、ひとつの撮像領域Tの周囲に、既に合焦位置が検出された撮像領域Tが存在する可能性が高まる。上述のように、合焦位置決定部135が、合焦位置検出部134により合焦位置が検出されなかった撮像領域Tに対して合焦位置を推定する際、推定対象の撮像領域Tの周囲に合焦位置が検出された撮像領域Tが多いほうがより正確な推定が可能となる。したがって、撮像順序決定部133がこの順序とすることにより、推定対象の撮像領域Tの周囲に合焦位置が検出された撮像領域Tが存在する可能性が上昇し、推定対象の撮像領域Tの合焦位置をより正確に推定することが可能となる。
また、撮像順序決定部133は、検体Sの存在割合に応じて近接する撮像領域Tを優先する順序とすることも可能である。図16乃至図18は、撮像順序決定部133による撮像順序の決定動作を説明する図である。
撮像順序決定部133はまず、図16に示すように、撮像領域Tを検体Sの存在割合が高い撮像領域T1と検体Sの存在割合が低い撮像領域T2に分ける。撮像順序決定部133は、例えば、撮像領域T毎の輝度値を用いて撮像領域T1と撮像領域T2に分けることができる。また、ここでは、撮像順序決定部133は撮像領域T1と撮像領域T2の2段階に撮像領域Tを分けているが、検体Sの存在割合に応じて3段階以上に分けてもよい。
次に、撮像順序決定部133は、図17に示すように検体Sの存在割合が高い撮像領域T1に対してのみ、上述の近接する撮像領域Tを優先する順序を割り当てる。即ち撮像順序決定部133は、最も左上に位置する撮像領域T1から、隣接する撮像領域T1のうち、左、下、右、上の優先順位、隣接する撮像領域T1が存在しない場合には、角が接する左下、右下、右上、左上の優先順位で次の撮像領域T1に移動させる順序とする。隣接あるいは角が接する撮像領域が存在しない場合には、最も接近する撮像領域T1に移動させる順序とする。撮像順序決定部133は全ての撮像領域T1に順序を決定するまで、これを繰返す。
続いて、撮像順序決定部133は、図18に示すように検体Sの存在割合が低い撮像領域T2に対してのみ、上述の近接する撮像領域Tを優先する順序を割り当てる。即ち撮像順序決定部133は、最も左上に位置する撮像領域T2から、隣接する撮像領域T2のうち、左、下、右、上の優先順位、隣接する撮像領域T2が存在しない場合には、角が接する左下、右下、右上、左上の優先順位で次の撮像領域T2に移動させる順序とする。隣接あるいは角が接する撮像領域が存在しない場合には、最も接近する撮像領域T2に移動させる順序とする。撮像順序決定部133は全ての撮像領域T2に順序を決定するまで、これを繰返す。
撮像順序決定部133が検体Sの存在割合に応じて近接する撮像領域Tを優先する順序とすることによって、検体Sの存在割合が高い撮像領域T、即ち合焦位置が検出できる可能性が高い撮像領域Tに対して先行して合焦位置検出部134による合焦位置の検出がなされる。このため、合焦位置の推定が必要となる可能性が高い、検体Sの存在割合が低い撮像領域Tにおいて、合焦位置検出部134による合焦位置の推定がなされる際、既に合焦位置の検出がなされた検体Sの存在割合が高い撮像領域Tの合焦位置を推定に利用することが可能となる。したがって、撮像順序決定部133がこの順序とすることにより、検体Sの存在割合に係わらずに近接する撮像領域Tを優先する順序と比べてさらに、推定対象の撮像領域Tの合焦位置をより正確に推定することが可能となる。
以上のように、本実施形態においては、低倍率画像に設定された各撮像領域に対して合焦位置の検出が実行され、高倍率画像の撮像の際に撮像領域毎に合焦位置が調整されるため、画像全体において焦点が合った高倍率画像の取得が可能である。一方で、合焦位置の検出に位相差画像を用いることにより、撮像領域毎に顕微鏡光学系を調整して合焦位置を探索する場合に比べて撮像所要時間の大幅な短縮が可能となっている。
また、合焦位置が検出されなかった撮像領域が存在する場合には、あるいは合焦位置が検出されたが所定の場合には、その周囲に位置する撮像領域において検出された合焦位置を用いて当該撮像領域の合焦位置が決定されるため、合焦位置が取得できない撮像領域の発生が防止されている。
さらに、撮像領域の撮像順序を、合焦位置の検出が可能である可能性が高い(検体が多く含まれる)撮像領域を優先する順序とすることにより、合焦位置の推定が実効される際に推定対称の撮像領域の周囲に合焦位置が検出された撮像領域が存在する確率を上昇させ、推定される合焦位置の正確性を向上させることが可能となっている。加えて、撮像領域において検体が偏在している撮像領域や、異物等の存在により周囲に比べて合焦位置が著しく異なる撮像領域についても、検出された撮像領域の替わりに周囲の撮像領域の合焦位置が参照され、合焦位置を正確なものとすることが可能となっている。
本技術は、上記各実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において変更することが可能である。
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する撮像領域設定部と、
撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する合焦位置検出部と、
上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する合焦位置決定部と、
上記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる撮像制御部と
を具備する撮像装置。
(2)
上記(1)に記載の撮像装置であって、
上記複数の撮像領域のそれぞれに対して検体の有無を判定する領域判定部をさらに具備し、
上記合焦位置検出部は、上記領域判定部によって検体が存在すると判定された撮像領域に対して、合焦位置を検出する
撮像装置。
(3)
上記(1)又は(2)に記載の撮像装置であって、
上記合焦位置決定部が合焦位置を検出する撮像領域の順序を決定する撮像順序決定部をさらに具備し、
上記撮像順序決定部は、近接する撮像領域を優先する順序とする
撮像装置。
(4)
上記(1)から(3)のいずれかひとつに記載の撮像装置であって、
上記撮像順序決定部は、検体の存在割合が高い撮像領域の中で近接する撮像領域を優先し、次に検体の存在割合が低い撮像領域の中で近接する撮像領域を優先する順序とする
撮像装置。
(5)
上記(1)から(4)のいずれかひとつに記載の撮像装置であって、
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出された撮像領域のうち検体が偏在する撮像領域の合焦位置を、偏在方向に隣接した領域において上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する
撮像装置。
(6)
上記(1)から(5)のいずれかひとつに記載の撮像装置であって、
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出された撮像領域において位相差検出判定可能な面積割合が閾値を超えないときには、合焦位置が検出された撮像領域の合焦位置を推定された合焦位置とする
撮像装置。
(7)
上記(1)から(6)のいずれかひとつに記載の撮像装置であって、
上記合焦位置決定部は、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置の最小二乗近似平面による近似値、または隣接する撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置の平均値とする
撮像装置。
(8)
上記(1)から(7)のいずれかひとつに記載の撮像装置であって、
上記合焦位置検出部は、撮像領域の位相差画像からその撮像領域の合焦位置を検出する
撮像装置。
(9)
検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する撮像領域設定部と、
撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する合焦位置検出部と、
上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する合焦位置決定部と、
上記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる撮像制御部と
としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラム。
(10)
撮像領域設定部が、検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定し、
合焦位置検出部が、撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出し、
合焦位置決定部が、上記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して上記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定し、
撮像制御部が、上記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる
撮像方法。
100…撮像装置
131…撮像領域設定部
132…領域判定部
133…撮像順序決定部
134…合焦位置検出部
135…合焦位置決定部
136…撮像制御部

Claims (10)

  1. 検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する撮像領域設定部と、
    撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する合焦位置検出部と、
    前記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して前記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する合焦位置決定部と、
    前記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる撮像制御部と
    を具備する撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記複数の撮像領域のそれぞれに対して検体の有無を判定する領域判定部をさらに具備し、
    前記合焦位置検出部は、前記領域判定部によって検体が存在すると判定された撮像領域に対して、合焦位置を検出する
    撮像装置。
  3. 請求項2に記載の撮像装置であって、
    前記合焦位置決定部が合焦位置を検出する撮像領域の順序を決定する撮像順序決定部をさらに具備し、
    前記撮像順序決定部は、近接する撮像領域を優先する順序とする
    撮像装置。
  4. 請求項3に記載の撮像装置であって、
    前記撮像順序決定部は、検体の存在割合が高い撮像領域の中で近接する撮像領域を優先し、次に検体の存在割合が低い撮像領域の中で近接する撮像領域を優先する順序とする
    撮像装置。
  5. 請求項2に記載の撮像装置であって、
    前記合焦位置決定部は、前記合焦位置検出部によって合焦位置が検出された撮像領域のうち検体が偏在する撮像領域の合焦位置を、偏在方向に隣接した領域において前記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する
    撮像装置。
  6. 請求項2に記載の撮像装置であって、
    前記合焦位置決定部は、前記合焦位置検出部によって合焦位置が検出された撮像領域の合焦位置と、周囲の撮像領域に対して前記合焦位置検出部において位相差検出判定可能な面積割合が閾値を超えないときには、合焦位置が検出された撮像領域の合焦位置を推定された合焦位置とする
    撮像装置。
  7. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記合焦位置決定部は、前記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して前記合焦位置検出部によって検出された合焦位置の最小二乗近似平面による近似値、または隣接する撮像領域に対して前記合焦位置検出部によって検出された合焦位置の平均値とする
    撮像装置。
  8. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記合焦位置検出部は、撮像領域の位相差画像からその撮像領域の合焦位置を検出する
    撮像装置。
  9. 検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定する撮像領域設定部と、
    撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出する合焦位置検出部と、
    前記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して前記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定する合焦位置決定部と、
    前記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる撮像制御部と
    としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラム。
  10. 撮像領域設定部が、検体を含む撮像範囲に複数の撮像領域を設定し、
    合焦位置検出部が、撮像領域のそれぞれに対して、合焦位置を検出し、
    合焦位置決定部が、前記合焦位置検出部によって合焦位置が検出されなかった撮像領域の合焦位置を、周囲の撮像領域に対して前記合焦位置検出部によって検出された合焦位置を用いて推定し、
    撮像制御部が、前記合焦位置決定部によって決定された合焦位置を利用して、撮像領域を撮像させる
    撮像方法。
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