JP2013167546A - 電流測定回路 - Google Patents

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香 岡安
Hiroyuki Nakanishi
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Abstract

【課題】
複数レンジの電流測定において増幅回路を増加させることなく、回路規模およびコストの増大を抑えることが可能な複数レンジの電流測定回路を提供する。
【解決手段】
電流検出抵抗の両端間の電圧を増幅する増幅部の出力電圧を分圧し、分圧電圧を生成する分圧部から出力される分圧電圧および出力電圧に対応するアナログ入力値をデジタル値に変換するADコンバータからのデジタル値に基づいて電流値を算出するとともに、分圧電圧および出力電圧とに基づいて、それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定する演算部を有する電流測定回路とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流検出抵抗の両端間の電圧を測定することで電流測定を行う電流測定回路において複数レンジの電流測定を行う電流測定回路に関するものである。
従来、電流経路に直列に接続した電流検出抵抗の両端間の電圧を測定することによって、電流経路に流れる電流を測定する電流測定回路において、複数レンジの電流測定を行う技術として、増幅度の異なる複数の増幅回路を構成し、各増幅回路の出力部に接続された切り替えスイッチ回路をコントロールすることで、測定レンジを切り替える技術、または、電流検出抵抗を複数用いて増幅部への入力電圧を切り替える技術が提供されている。
図14は、従来の増幅度の異なる増幅回路を複数構成することを特徴とする電流測定回路の例を示す。動作は、以下の通りである。
説明を簡単にするため、基準電圧を「0V」、電流検出抵抗120を「40mΩ」、小電流用増幅回路121の増幅度を「15」、大電流用増幅回路122の増幅度を「3.75」とし、ADコンバータ126の入力電圧測定範囲を「0V〜3V」とする。
電流検出抵抗120に電流i流れた場合、電流検出抵抗120の両端に電位差v=0.04×iが発生する。このvが各増幅回路121、122に入力され、各増幅回路121、122で各増幅度に応じた電圧Vout10=3.75×vおよびVout20=15×vが生成され、これら電圧に基準電圧発生部123の基準電圧Vref10が重畳された電圧が出力される。これら出力電圧が、切り替えスイッチ124を介してADコンバータ126に入力されてデジタル値に変換され、変換されたデジタル値からマイコン(マイクロコンピュータ)127が電流値を算出する。
ここで、ADコンバータ126の入力電圧測定範囲の制限により、測定電流の範囲を決定するレンジ切り替えポイントが必然的に決定される。Vref20は、このレンジ切り替えポイント電圧を提供する。
Vout20=15×v+Vref10≦Vref20 ・・・(1)
から、
Vout20=15×0.04×i+0≦3 ・・・(2)
従って、
i≦5 ・・・(3)
となり、小電流用増幅回路121の電流測定レンジは、0(A)〜5(A)
となる。
Vout10=3.75×v+Vref10≦Vref20 ・・・(4)
から、
Vout10=3.75×0.04×i+0≦3 ・・・(5)
従って、
i≦20 ・・・(6)
となり、大電流用増幅回路122の電流レンジは、0(A)〜20(A)
となる。図15は、式(2)、(5)を表す、Vout10、Vout20と測定電流の関係を示した出力電流―測定電流特性である。なお、比較部125の入力には増幅部121、122、基準電圧発生部124からの出力電圧が入力され、切り替えスイッチ124に切り替え信号を出力する。切り替えスイッチ124は入力された信号に基づいて増幅回路121、122のそれぞれの信号の出力系統を切り替えている。つまり、切り替えスイチ124に入力される増幅部121からの出力電圧が基準電圧発生部124からの基準電圧Vref20を超えた場合、増幅部122からの出力を出力するように切り替えスイッチ124が出力系統を切り替える動作を行う。
図16は、従来の電流検出抵抗を複数用いて増幅部への入力電圧を切り替えることを特徴とする電流測定回路の例を示す。動作は、以下の通りである。大電流測定を行う場合は、SW141をONにし、電流検出抵抗B131をバイパスすることで、電流検出抵抗での電圧降下を電流検出抵抗A130での電圧降下分のみとし、増幅部132への入力電圧を小さくする。小電流測定を行う場合は、SW141をOFFにし、電流検出抵抗での電圧降下を電流検出抵抗B131と電流検出抵抗A130を合わせた電圧降下分とし、増幅部132への入力電圧を大きくする。そして、増幅部132からの出力をADコンバータ133に入力し、ADコンバータ133からの出力をマイコン(マイクロコンピュータ)134に入力し、電流値を算出している。
つまり、複数レンジの電流測定を行う場合、図15に示されるような増幅度の異なる複数の増幅回路を使用する従来技術では、複数レンジの電流測定を行うことが可能であるが、複数の電流測定レンジを実現するために複数の増幅回路を必要とするため、コストの増大および回路規模の増大を招くという問題があった。
また、図16に示されるような電流検出抵抗を複数用いて増幅部への入力電圧を切り替える従来技術においては、一般的に電流検出抵抗には大きな電流が流れるため電流検出抵抗のサイズが大きく、電流検出抵抗を複数用いるため、実装面積の増大を招くという問題と、一般的に増幅部に入力が与えられた後、その出力が安定するには時間がかかるため、増幅回路の出力電圧に基づいて増幅回路の入力部を切り替える、または、大きいレンジから順番に入力部を切り替えて測定を行う必要がある従来技術においては、入力部を切り替えた後、ADコンバータにおいてサンプリングを開始するまでに、増幅回路の出力が安定するまでの待ち時間が必要となる。例えば、大きい電流測定レンジから小さい電流測定レンジに切り替えた場合、切り替え直後は、増幅回路の出力電圧は、低くなっており、出力が安定するのに要する時間が経過した後に、高い出力電圧が安定する。つまり、小さいレンジ用の高い出力電圧が安定するまでに時間がかかる。そのため、高速な電流測定が難しいという問題があった。
特開2001−43904号公報
本発明は、複数レンジの電流測定において増幅回路を増加させることなく、回路規模およびコストの増大を抑えることが可能な複数レンジの電流測定回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、電流検出抵抗の両端間の電圧を増幅する増幅部の出力電圧を分圧し、分圧電圧を生成する分圧部から出力される分圧電圧および出力電圧に対応するアナログ入力値をデジタル値に変換するADコンバータからのデジタル値に基づいて電流値を算出するとともに、分圧電圧および出力電圧とに基づいて、それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定する演算部を有する電流測定回路とするものである。
本発明によれば、増幅部を増加させることなく複数の電流測定レンジの電流測定が可能となるので、回路規模およびコストの増大を抑えることが可能となっている。
また、増幅部の入力を切り替えることがないため、増幅部の入力切り替えに伴い必要となる増幅回路の出力が安定するまでの待ち時間を必要としない。
本発明では、電流検出抵抗の両端間の電圧を増幅する増幅部の出力電圧を少なくとも2以上に分圧し、分圧電圧を生成する分圧部から出力される分圧電圧に対応するアナログ入力値をデジタル値に変換するADコンバータからのデジタル値に基づいて電流値を算出するとともに、2以上の分圧電圧に基づいて、それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定する演算部を有する電流測定回路よしても良い。
また、本発明では、アナログ入力値は分圧電圧に応じた複数の第1のアナログ入力値および出力電圧に応じた第2のアナログ入力値を有し、デジタル値は複数の第1のアナログ入力値に対応する複数の第1のデジタル値および出力電圧に応じた第2のアナログ入力値に対応する第2のデジタル値を有する電流測定回路としても良い。本実施形態によれば、さらに複数の電流測定レンジの測定が可能となっている。
また、本発明では、出力電圧または分圧電圧に応じた電圧がそれぞれ独立に入力されるとともに、ADコンバータの入力端に所望の電圧以下の出力信号を出力する入力過電圧保護部を有しても良い。
本発明によれば、ADコンバータに過電圧が入力することを防止することが可能となる。
本発明では、演算部は、入力過電圧保護部が出力する各測定レンジの切り替えに用いる所定の電圧に基づいて複数の電流測定レンジを切り替えても良い。
本発明によれば、入力過電圧保護部が出力する各測定レンジの切り替えに用いる所定の電圧に基づいて複数の電流測定レンジを切り替えているので別途、電流測定レンジの切り替え用の信号を不要とすることが可能となる。
本発明では、演算部が出力する所定の電圧に応じた演算部制御出力に基づいて入力過電圧保護回路の出力電圧または分圧電圧に応じた出力系統を切り替えても良い。
本発明によれば、入力過電圧保護部から演算部に切り替え信号を出力するのではなく、演算部から入力過電圧保護部に演算部制御出力を入力し、演算部が入力過電圧保護部の出力系統の切り替えを制御するので、演算部での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部から出力される電圧が不整合を生じることがないため、切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。
本発明は、複数レンジの電流測定において増幅回路を増加させることなく、回路規模およびコストの増大を抑ることが可能な複数レンジの電流測定回路を提供できる効果が得られる。
実施形態1の電流測定回路を示すブロック図 実施形態2の電流測定回路を示すブロック図 実施形態3の電流測定回路を示すブロック図 増幅回路の構成例 実施形態1を実現する分圧回路の構成例 実施形態1から3における電圧―電流特性 実施形態2を実現する分圧回路の構成例 実施形態3を実現する入力過電圧保護回路1の構成例 図8の入力過電圧保護回路1の真理値表 実施形態3を実現する入力過電圧保護回路2の構成例 図10の入力過電圧保護回路2の真理値表 小電流測定レンジから電流測定を行う場合の測定フロー 大電流測定レンジから電流測定を行う場合の測定フロー 従来の複数の増幅回路を用いた構成例を示すブロック図 従来の複数の増幅回路を用いた構成における電圧―電流特性 従来の複数の電流検出抵抗を用いた構成例を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。図1に示す回路は本実施形態1に関わる電流測定回路のブロック図である。本電流測定回路は電流検出抵抗10、増幅部11、分圧部12、ADコンバータ13、演算部14を有する。
図1において、電流検出抵抗10の両端部は増幅部11の一対の入力端に接続され、増幅部11には電流検出抵抗10に流れる電流に応じた両端部の電位差が入力される。電流検出抵抗10は負荷(図示せず)に流れる電流経路に直列に接続され、負荷に流れる電流に基づき、電流検出抵抗10に流れる電流に応じて、電流検出抵抗10の両端部から電圧を測定することが可能となっている。ここで、増幅部11において電流検出抵抗10の両端間の電圧を増幅することで、増幅部11の出力端から出力される出力電圧は、電流検出抵抗10に流れる電流値に比例した出力電圧となる。
分圧部12の入力端には、増幅部11の出力端から出力される出力電圧が入力され、分圧部12の出力端には分圧部12が有する分圧回路(図示せず)に応じた分圧電圧が出力される。従って、分圧部12において生成された分圧電圧は、増幅部11の出力電圧とは異なることになるので、電流検出抵抗10に同一の電流が流れる場合における増幅部11の出力電圧と分圧部12から出力される分圧電圧とは、電流検出抵抗10に流れる電流の電圧―電流特性の傾きが異なることとなる。従って、所望の電流測定範囲を確保した上で、すなわち、大電流を測定する電流測定範囲を確保した上で、所望の電流範囲において、より微弱な電流を精度良く測定することが可能となっている。また、増幅部11の入力を切り替えることがないため、増幅部11の入力切り替えに伴い必要となる増幅回路11の出力が安定するまでの待ち時間を必要としない。
増幅部11の出力端および分圧部12の出力端から出力されるそれぞれの出力は、ADコンバータ13の入力端にそれぞれ入力される。それぞれの出力は、電流検出抵抗10に流れる電流が大きい場合にADコンバータ13の最大入力電圧範囲を超えるため、ADコンバータ13の最大入力電圧範囲を超える入力が、ADコンバータ13に入力されることを防ぐ入力過電圧保護回路(図示せず)を用いることが望ましい。つまり、大電流を測定する場合、ADコンバータ13に入力される電圧が高くなってしまう可能性があるので、入力過電圧保護回路を用いることでADコンバータ13に最大入力電圧を越える電圧が入力されることを防止することが可能となっている。
ここで、ADコンバータ13はアナログ信号として入力された入力信号に応じたデジタル信号を出力端から出力するものである。従って、増幅部11の出力端および分圧部12の出力端から出力されるそれぞれの出力をデジタル信号に変換し出力端から出力することが可能となっている。
演算部14の入力端にはADコンバータ13から出力されるデジタル信号が入力される。ここで、演算部14はADコンバータ13からのデジタル値に基づいて電流値を算出するとともに、分圧部12が出力する分圧電圧および増幅部11が出力する出力電圧とに基づいて、それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定する。
従って、小電流測定レンジの電流測定においては、増幅部11の小電流測定用に出力電圧―電流特性に基づき演算部14において電流値を算出し、大電流測定レンジの電流測定においては、大電流測定用の分圧電圧―電流特性に基づき演算部14において電流値を算出することで、複数レンジの電流測定を実現する。
よって、増幅部11を増加させることなく複数の電流測定レンジの電流測定が可能となるので、回路規模およびコストの増大を抑えることが可能となっている。
また、分圧電圧のみを用いて大電流測定レンジの電流測定のみを行うことも可能であることは言うまでもない。すなわち、異なる2つの分圧電圧をADコンバータ13の入力端にそれぞれ入力しても良い。
ここで、分圧電圧―電流特性の切り替えにあたり、例えば、分圧部12が出力する分圧電圧および増幅部11が出力する出力電圧をADコンバータ13にてデジタル値に変換した値に基づいて電圧―電流特性を切り替えても良く、また、分圧電圧、出力電圧の出力のそれぞれを入力したコンパレータ(図示せず)等を介して演算部14に入力し、当該コンパレータ(図示せず)が出力する出力信号に基づいて、演算部14が電流−電圧特性曲線を変更しても良い。つまり、分圧電圧および出力電圧とに基づいて、それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定することが可能となっている。また、異なる2つの分圧電圧に基づいてそれぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定しても良い。以下に説明する。
図2に示す回路は、本実施形態2に関わる電流測定回路のブロック図である。図2は、図1の変形であり、分圧部22において生成される分圧電圧の構成のみが異なるので、分圧部22の構成について以下に説明し、同一構成の説明は割愛する。
分圧部22において増幅部21からの出力電圧を複数に分圧する。複数の分圧電圧を分圧電圧1、分圧電圧2とすると、3種類の傾きの異なる、分圧電圧1−電流特性、分圧電圧2−電流特性、出力電圧―電流特性が得られる。
これにより、小電流測定レンジ、中電流測定レンジ、大電流測定レンジの電流測定が実現する。分圧部22での分圧をさらに複数化することで、さらなる複数レンジの電流測定が可能となることは言うまでもない。つまり、例えば、小電流測定レンジと中電流測定レンジ、または、中電流測定レンジと大電流測定レンジに対応する電圧をADコンバータ13の入力端にそれぞれ入力しても良いし、小電流測定レンジ、中電流測定レンジ、大電流測定レンジの電流測定に対応する電圧をADコンバータ13の入力端にそれぞれ入力しても良い。また、入力過電圧保護部(図示せず)を介して、ADコンバータ13に電圧を入力しても良い。
図3に示す回路は、本実施形態3に関わる電流測定回路のブロック図である。図3は、図1の変形であり、入力過電圧保護部35の構成のみが異なるので、入力過電圧保護部35の構成について以下に説明し、同一構成の説明は割愛する。
増幅部31の出力電圧および分圧部32の分圧電圧は、入力過電圧保護部35に入力される。入力過電圧保護部35において、ADコンバータ33の最大入力電圧範囲を超える電圧がADコンバータ33に入力されることを防止する。また、演算部34は、入力過電圧保護部35に演算部制御出力を出力し、演算部34がADコンバータ33からのデジタル変換値に応じて入力過電圧保護部35を制御することによって電流測定レンジを切り替えるので、切り替えによる誤動作を防止することが可能となる。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。
以下、図1に示した本実施形態1を実現する具体的構成例について図4から図6を用いて説明する。はじめに、図4は、図1における電流検出抵抗10および増幅部11を実現する増幅回路の構成例である。増幅回路には、高精度な測定を実現するために、インスツルメンテーションアンプ、またはカレントシャントモニターを用いることが望ましい。
電流経路に電流iが流れることで、電流検出抵抗R0の両端間に電位差V0が発生する。V0が増幅回路に入力されることで、増幅回路の出力端には、出力電圧Vout0が出力される。ここで、増幅回路の増幅度Gは、増幅回路に含まれる抵抗R1,R2,R3,R4によって、一意に決定される。
V0=i×R0 ・・・(7)
Vout0=G×V0+Vref0 ・・・(8)
従って、
Vout0=G×i×R0+Vref0 ・・・(9)
Vout0が分圧部12およびADコンバータ13に入力される。
図5は、分圧部12を実現する分圧回路の構成例である。増幅部11の出力電圧Vout0を抵抗R5およびR6で分圧し、Vout1を生成する。
Vout1=R6×Vout0/(R5+R6) ・・・(10)
ここで、説明を簡単にするために増幅部11へ入力される基準電圧Vref0を「0V」、電流検出抵抗を「40mΩ」、増幅部11の増幅度Gを「15」とし、ADコンバータ13の入力電圧測定範囲を「0V〜3V」、抵抗R5とR6の比を「R5:R6=3:1」とする。
式(9)より、出力電圧Vout0と電流検出抵抗R0を含む電流経路に流れる電流iの関係式が得られ、
Vout0=15×0.04×i=0.6×i ・・・(11)
となる。
式(10)、(11)より、分圧電圧Vout1と電流経路に流れる電流iの関係式が得られ、
Vout1=0.25×Vout0=0.25×15×0.04×i
=0.15×i ・・・(12)
となる。
図6は、出力電圧Vout0−電流特性および分圧電圧Vout1−電流特性を示すグラフである。図6から明らかなように、本実施形態1における小電流測定レンジは、「0Aから5A」、大電流測定レンジは、「5Aから20A」となる。このように、それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を得ることができる。
ADコンバータ13に入力された2つのアナログ値がADコンバータ13によってデジタル値に変換され、演算部14へ入力される。Vout0のデジタル変換値をVout0_D、Vout1のデジタル変換値をVout1_Dとし、ADコンバータ13の入力電圧測定範囲の最大値つまり「3V」におけるデジタル値をAD_MAXとする。
演算部14において、Vout0_DがAD_MAX以下の場合、演算部14は、小電流測定レンジの電圧―電流特性から電流値iを算出する。
i=Vout0_D×3/(AD_MAX×0.6)
=Vout0_D×5/AD_MAX ・・・(13)
Vout0_DがAD_MAXより大きい場合、演算部14は、大電流測定レンジの電圧―電流特性から電流値iを算出する。
i=Vout1_D×3/(AD_MAX×0.15)
=Vout1_D×20/AD_MAX ・・・(14)
このように、本実施形態1によれば、増幅部を増加させることなく複数の電流測定レンジの電流測定が可能となる。従って、所望の電流測定範囲を確保した上で、すなわち、大電流を測定する電流測定範囲を確保した上で、所望の電流範囲において、より微弱な電流を精度良く測定することが可能となっている。また、増幅部11の入力を切り替えることがないため、増幅部11の入力切り替えに伴い必要となる増幅回路11の出力が安定するまでの待ち時間を必要としない。
以下、図2に示した本実施形態2を実現する具体的構成例について説明する。図2は、図1の変形であり、分圧部22において生成される分圧電圧の構成のみが異なるので、分圧電圧の構成について以下に説明し、同一構成の説明は割愛する。
図7は、分圧部22を実現する分圧回路の構成例である。増幅部21の出力電圧Vout0を抵抗R7、R8およびR9で分圧し、Vout1およびVout2を生成する。
Vout1=(R8+R9)×Vout0/(R7+R8+R9)
・・・(15)
Vout2=R9×Vout0/(R7+R8+R9) ・・・(16)
ここで、説明を簡単にするために、抵抗R7とR8とR9の比を「R7:R8:R9=8:1:1」とし、その他の条件を上述の図1に示した本実施形態1を実現する具体的構成例と同一とすると、
式(15)、(11)より、分圧電圧Vout1と電流検出抵抗R0を含む電流経路に流れる電流iの関係式が得られ、
Vout1=0.2×Vout0=0.2×15×0.04×i
=0.12×i ・・・(17)
となる。
式(16)、(11)より、分圧電圧Vout2と電流検出抵抗R0を含む電流経路に流れる電流iの関係式が得られ、
Vout1=0.1×Vout0=0.1×15×0.04×i
=0.06×i ・・・(18)
となる。
従って、演算部24での電流算出式として、以下の3種類の計算式が得られる。
小電流測定レンジの場合は、
i=Vout0_D×3/(AD_MAX×0.6)
=Vout0_D×5/AD_MAX ・・・(19)
となり、
中電流測定レンジの場合は、
i=Vout1_D×3/(AD_MAX×0.12)
=Vout1_D×25/AD_MAX ・・・(20)
となり、
大電流測定レンジの場合は、
i=Vout2_D×3/(AD_MAX×0.06)
=Vout2_D×50/AD_MAX ・・・(21)
となる。このように分圧部22での分圧をさらに複数化することで、さらなる複数レンジの電流測定が可能となる。従って、所望の電流測定範囲を確保した上で、すなわち、大電流または中電流を測定する電流測定範囲を確保した上で、所望の電流範囲において、より微弱な電流を精度良く測定することが可能となっている。また、増幅部21の入力を切り替えることがないため、増幅部21の入力切り替えに伴い必要となる増幅回路21の出力が安定するまでの待ち時間を必要としない。
以下、図3に示した本実施形態3を実現する具体的構成例について説明する。図3は、図1の変形であり、入力過電圧保護部35の構成のみが異なるので、入力過電圧保護部35の構成について以下に説明し、同一構成の説明は割愛する。
図8は、入力過電圧保護部35を実現する入力過電圧保護回路1の構成例である。制御端を有するアナログスイッチSW1、SW2、SW3および論理ゲートNOR1、NOT1、AND1およびコンパレータCOMP1および基準電圧Vref1から構成される。ここで、入力過電圧保護回路1は、増幅部の出力電圧Vout0がSW1の入力およびCOMP1の正入力に接続され、分圧部の分圧電圧Vout1がSW2の入力に接続され、基準電圧Vref1がCOMP1の負入力およびSW3の入力に接続され、演算部制御出力がSW2の制御端、NOR1の一方の入力およびNOT1の入力に接続され、COMP1の出力がNOR1の他方の入力およびAND1の一方の入力に接続され、NOR1の出力がSW1の制御端に接続され、NOT1の出力がAND1の他方の入力に接続され、AND1の出力がSW3の制御端に接続され、SW1、SW2、SW3の出力がADコンバータの入力に接続されている構成となっている。なお、増幅部31の出力電圧を使用せず、分圧部32からの分圧電圧が複数存在する場合は、出力電圧Vout0を第1の分圧電圧、分圧部32の分圧電圧Vout1を第1の分圧電圧より低い第2の分圧電圧として入力過電圧保護回路1の複数の入力電圧としても良い。図9は、演算部制御出力信号とCOMP1出力信号による真理値表である。
以下に、図8に示した入力過電圧保護回路1の動作について説明する。ここで、説明を簡単にするため、ADコンバータ33の入力電圧測定範囲を「0V 〜3V」とし、最大入力電圧を「3.3V」とする。ここで、最大入力電圧を入力電圧測定範囲より大きい電圧とするのは、実際の動作において温度変動などによる出力の変動、バラツキ等を考慮した場合に誤動作を防止するためであり、最大入力電圧は入力電圧測定範囲の上限の電圧より大きい値に設定することが望ましい。Vref1は、ADコンバータ33の最大入力電圧とする。また、大電流測定レンジ用に用いられるVout1は、ADコンバータ33の最大入力電圧を超えないものとする。
演算部34は、入力過電圧保護部35への演算部制御出力を出力する。つまり、この演算部制御出力は入力過電圧保護回路1に入力される演算部制御出力となっている。図12は小電流測定レンジから電流測定を行う場合の測定フローを示す。Vout0を用いた演算を行う場合は、演算部34は演算部制御出力信号としてLowを出力する(図12−S11)。これにより、SW2がOFFとなる。この時、COMP1の出力信号がLowの場合は、SW1がON、SW3がOFFとなり、ADコンバータ33へVout0が入力される。COMP1の出力信号がHighの場合は、SW1がOFF、SW3がONとなりADコンバータ33へVref1が入力される。
演算部34において、「3V」以下のデジタル変換値が入力された場合(図12−S13)、演算部34は、小電流測定レンジの電圧―電流特性から電流値を算出する(図12−S17)。「3V」より大きいデジタル変換値が入力された場合は、演算部34は、測定電流が小電流測定レンジを超えていると判断する。Vref1を「3.3V」としているため、Vout0が「3.3V」を超える電圧であった場合、Vout0がADコンバータ33に入力されず、COMP1の出力信号がHighとなり、Vref1が入力されるので、ADコンバータ33に「3.3V」を超える電圧が入力されることを防止する。ここで、演算部34の入力値であるADコンバータ33からのデジタル変換値が「3V」より大きい場合、測定電流が小電流測定レンジを超えていると判断しているため入力過電圧保護部35への演算部制御出力信号としてHighを出力して(図12−S14)Vout1を用いた大電流測定レンジでの電流測定を行うことになる。
また、電流測定範囲の閾値(第1の所定の電圧)としているデジタル変換値は、ADコンバータ33の入力電圧測定範囲の最大値以下であっても良い。入力電圧測定範囲の最大値とすることで、ADコンバータ33の測定範囲を最大限有効に使用することができ、閾値(第1の所定の電圧)を入力電圧測定範囲の最大値以下にした場合に比べてより高精度な電流測定が可能となる。従って、閾値(第1の所定の電圧)を入力電圧測定範囲の最大値とすることが好ましい。
Vout1を用いた演算を行う場合は、演算部34は演算部制御出力信号としてHighを出力する(図12−S14)。これにより、SW1,SW3がOFFとなりSW2がONとなり、ADコンバータ33へVout1が入力される。この時、COMP1の出力信号は、SW1、SW2,SW3の動作に影響を与えない。演算部34において、「3V」以下のデジタル変換値が入力された場合(図12−S16)、演算部34は、大電流測定レンジの電圧―電流特性から電流値を算出する(図12−S18)。「3V」より大きいデジタル変換値が入力された場合は、演算部34は、測定電流が大電流測定レンジを超えていると判断する(図12−S19)。従って、例えば、小電流測定から大電流測定にSW1もしくはSW3からSW2に切り替わるに当たり、SW2がオンとなって分圧部32からの分圧電圧がADコンバータ33に入力され、演算部34が内部で小電流測定用から大電流測定用に電圧―電流特性を切り替える動作を行うので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。
また、Vout0を用いた演算を行う前にVout1を用いた演算を行っても良い。図13は大電流測定レンジから電流測定を行う場合の測定フローを示す。この場合、演算部34にて電流測定レンジの切り替えを行う判断は、ADコンバータ33から入力されたデジタル変換値を基に算出した電流値が小電流測定レンジの範囲にあるかどうかである。つまり、ADコンバータ33から入力されたデジタル変換値が「0.75V」以下の場合(図13−S23)、電流値が小電流測定レンジの範囲にあると判断し、Vout0を用いた演算を行うことによってより高精度な電流測定が可能となる(図13−S27)。つまり、演算部34内部で計算された電流値が適正な測定レンジに該当するか否かを演算部34内部で判定を行い、大電流モード測定において、測定レンジが不適当と判断された場合は小電流測定用のレンジに切り替えても良い(図13−S24)。この場合、演算部34に入力する測定電流に使用する電圧をより高い電圧に切り替えることで高精度な電流測定が可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。
また、電流測定範囲の閾値(第1の所定の電圧)としているデジタル変換値は、小電流測定レンジの最大値以下であっても良い。小電流測定レンジの最大値とすることで、ADコンバータ33の測定範囲を最大限有効に使用することができ、閾値(第1の所定の電圧)を小電流測定レンジの最大値以下にした場合に比べてより高精度な電流測定が可能となる。従って、閾値(第1の所定の電圧)を小電流測定レンジの最大値とすることが好ましい。
本構成例により、ADコンバータ33の最大入力電圧を超えるVout0がADコンバータ33に入力されることを防止する。また、小電流測定から大電流測定にSW1からSW2もしくはSW3からSW2に切り替わるに当たり、SW2がONとなって分圧部32からの分圧電圧がADコンバータ33に入力され、演算部34が内部で小電流測定用から大電流測定用に電流―電圧特性を切り替える動作を行うので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。すなわち、演算部34は、入力過電圧保護部35が出力する第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに基づいて複数の電流測定レンジを切り替えているので別途、切り替え用の信号が不要となっている。また、演算部34が出力する第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに応じた出力、すなわち、演算部制御出力信号に基づいて入力過電圧保護回路35の出力電圧または分圧電圧に応じた出力系統を切り替えているので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。また、大電流測定から小電流測定にSW2からSW1に切り替わるにあたり、SW1がONとなって増幅部31からの出力電圧がADコンバータ33に入力され、演算部34が内部で大電流測定用から小電流測定用に電流―電圧特性を切り替える動作を行うので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。すなわち、演算部34は、入力過電圧保護部35が出力する第2の所定の電圧である0.75V、つまり、第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに小電流測定用の電流―電圧特性の傾きを大電流測定用の電流―電圧特性の傾きで除算した値である0.25を乗算した値に基づいて複数の電流測定レンジを切り替えているので別途、切り替え用の信号が不要となっている。また、演算部34が出力する第2の所定の電圧である0.75V、つまり、第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに小電流測定用の電流―電圧特性の傾きを大電流測定用の電流―電圧特性の傾きで除算した値である0.25を乗算した値に応じた出力、すなわち、演算部制御出力信号に基づいて入力過電圧保護回路35の出力電圧または分圧電圧に応じた出力系統を切り替えているので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。
図10は、入力過電圧保護部35を実現する入力過電圧保護回路2の構成例である。制御端を有するアナログスイッチSW4、SW5、SW6および論理ゲートNOR2、NOT2、AND2、AND3およびコンパレータCOMP2、COMP3および基準電圧Vref1から構成される。ここで、入力過電圧保護回路2は、増幅部の出力電圧Vout0がSW4の入力およびCOMP2の正入力に接続され、分圧部の分圧電圧Vout1がSW5の入力およびCOMP3の負入力に接続され、基準電圧Vref1がCOMP2の負入力、SW6の入力およびCOMP3の正入力に接続され、演算部制御出力がAND3の一方の入力に接続され、COMP3の出力がAND3の他方の入力に接続され、AND3の出力がNOR2の一方の入力、NOT2の入力およびSW5の制御端に接続され、COMP2の出力がNOR2の他方の入力およびAND2の一方の入力に接続され、NOT2の出力がAND2の他方の入力に接続され、NOR2の出力がSW4の制御端に入力され、AND2の出力がSW6の制御端に接続され、SW4、SW5、SW6の出力がADコンバータに入力に接続される構成となっている。なお、増幅部の出力電圧を使用せず、分圧部からの分圧電圧が複数存在する場合は、出力電圧Vout0を第1の分圧電圧、分圧部の分圧電圧Vout1を第1の分圧電圧より低い第2の分圧電圧として入力過電圧保護回路2の複数の入力電圧としても良い。図11は、演算部制御出力信号とCOMP2出力信号およびCOMP3出力信号による真理値表である。
以下に、図10に示した入力過電圧保護回路2の動作について説明する。ここで、説明を簡単にするため、ADコンバータ33の入力電圧測定範囲を「0V〜3V」とし、最大入力電圧を「3.3V」とする。Vref1は、ADコンバータ33の最大入力電圧とする。また、大電流測定レンジ用に用いられるVout1は、ADコンバータ33の最大入力電圧を超えてもよいものとする。
演算部34は、入力過電圧保護部35への演算部制御出力を出力する。つまり、この演算部制御出力は入力過電圧保護回路2の演算部制御出力となっている。図12は小電流測定レンジから電流測定を行う場合の測定フローを示す。Vout0を用いた演算を行う場合は、演算部34は演算部制御出力としてLowを出力する(図12−S11)。この時、COMP2の出力信号がLowの場合は、必然的にCOMP3の出力信号がHighとなり、SW4がON、SW5、SW6がOFFとなり、ADコンバータ33へVout0が入力される。COMP2の出力信号がHighの場合、すなわちVout0が「3.3V」を超えている場合は、SW4、SW5がOFF,SW6がONとなりADコンバータ33へVref1が入力される。この時、COMP3の出力信号は、SW4,SW5,SW6の動作に影響を与えない。
演算部34において、「3V」以下のデジタル変換値が入力された場合(図12−S16)、演算部34は、小電流測定レンジの電圧―電流特性から電流値を算出する(図12−S17)。「3V」より大きいデジタル変換値が入力された場合は、演算部34は、測定電流が小電流測定レンジを超えていると判断する。Vref1を「3.3V」としているため、Vout0が「3.3V」を超える電圧であった場合、Vout0がADコンバータ33に入力されず、COMP2の出力がHighとなり、Vref1が入力されるので、ADコンバータ33に「3.3V」を超える電圧が入力されることを防止する。ここで、演算部34の入力値であるADコンバータからのデジタル変換値が「3V」より大きい場合、測定電流が小電流測定レンジを超えていると判断しているため入力過電圧保護部35への演算部制御出力信号としてHighを出力して(図12−S14)Vout1を用いた大電流測定レンジでの電流測定を行うことになる。
また、電流測定範囲の閾値(第1の所定の電圧)としているデジタル変換値は、ADコンバータ33の入力電圧測定範囲の最大値以下であっても良い。入力電圧測定範囲の最大値とすることで、ADコンバータ33の測定範囲を最大限有効に使用することができ、閾値(第1の所定の電圧)を入力電圧測定範囲の最大値以下にした場合に比べてより高精度な電流測定が可能となる。従って、閾値(第1の所定の電圧)を入力電圧測定範囲の最大値とすることが好ましい。
Vout1を用いた演算を行う場合は、演算部34は演算部制御出力信号としてHighを出力する(図12−S14)。COMP3の出力信号がHigh場合は、SW5がON,SW4,SW6がOFFとなり、ADコンバータ33へVout1が入力される。この時、COMP2の出力信号は、SW4、SW5、SW6の動作に影響を与えない。COMP3の出力信号がLowの場合、すなわち、Vout1が「3.3V」を超えている場合は、必然的にCOMP2の出力信号はHighとなり、SW6がON,SW4,SW5がOFFとなり、ADコンバータ33へVref1が入力される。演算部34において、「3V」以下のデジタル変換値が入力された場合(図12−S16)、演算部34は、大電流測定レンジの電圧―電流特性から電流値を算出する(図12−S18)。「3V」より大きいデジタル変換値が入力された場合は、演算部34は、測定電流が大電流測定レンジを超えていると判断する(図12−S19)。従って、小電流測定から大電流測定にSW4からSW5もしくはSW6からSW5に切り替わるに当たり、SW5がオンとなって分圧部32からの分圧電圧がADコンバータ33に入力され、演算部34が内部で小電流測定用から大電流測定用に電流―電圧特性を切り替える動作を行うので、演算部での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。
ここで、Vref1を「3.3V」としているため、Vout1が「3.3V」を超える電圧であった場合、Vout1がADコンバータ33に入力されず、ADコンバータ33に「3.3V」を超える電圧が入力されることを防止する。すなわち、Vout1が3.3Vを超えた場合、COMP3出力がHighからLowになり、ADコンバータ33の入力はVrefとなるので3.3Vを超える電圧が入力されることはなく、ADコンバータ33への過電圧の入力防止が可能となっている。よって、小電流レンジから測定を行った以降に大電流レンジ測定を行う場合、入力過電圧保護部35の入力電圧がADコンバータ33の最大入力電圧を超えていたとしても3.3Vを超えた電圧がADコンバータ33に入力することを防止することが可能となっている。
また、Vout0を用いた演算を行う前にVout1を用いた演算を行っても良い。図13は大電流測定レンジから電流測定を行う場合のフローを示す。この場合、演算部34にて電流測定レンジの切り替えを行う判断は、ADコンバータ33から入力されたデジタル変換値を基に算出した電流値が小電流測定レンジの範囲にあるかどうかである。つまり、ADコンバータ33から入力されたデジタル変換値が「0.75V」以下の場合(図13−S23)、電流値が小電流測定レンジの範囲にあると判断し、Vout0を用いた演算を行うことによってより高精度な電流測定が可能となる(図13−S27)。つまり、演算部34内部で計算された電流値が適正な測定レンジに該当するか否かを演算部34内部で判定を行い、大電流モード測定において、測定レンジが不適当と判断された場合は小電流測定用のレンジに切り替えても良い(図13−S24)。この場合、演算部34に入力する測定電流に使用する電圧をより高い電圧に切り替えることで高精度な電流測定が可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。
また、電流測定範囲の閾値(第1の所定の電圧)としているデジタル変換値は、小電流測定レンジの最大値以下であっても良い。小電流測定レンジの最大値とすることで、ADコンバータ33の測定範囲を最大限有効に使用することができ、閾値(第1の所定の電圧)を小電流測定レンジの最大値以下にした場合に比べてより高精度な電流測定が可能となる。従って、閾値(第1の所定の電圧)を小電流測定レンジの最大値とすることが好ましい。
本構成例により、ADコンバータ33の最大入力電圧を超えるVout0、Vout1がADコンバータ33に入力されることを防止する。また、小電流測定から大電流測定にSW4からSW5もしくはSW6からSW5に切り替わるに当たり、SW5がONとなって分圧部32からの分圧電圧がADコンバータ33に入力され、演算部34が内部で小電流測定用から大電流測定用に電流―電圧特性を切り替える動作を行うので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。すなわち、演算部34は、入力過電圧保護部35が出力する第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに基づいて複数の電流測定レンジを切り替えているので別途、切り替え用の信号が不要となっている。また、演算部34が出力する第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに応じた出力、すなわち、演算部制御出力信号に基づいて入力過電圧保護回路35が出力電圧または分圧電圧に応じた出力系統を切り替えているので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。また、大電流測定から小電流測定にSW5からSW4に切り替わるにあたり、SW4がONとなって増幅部31からの増幅電圧がADコンバータ33に入力され、演算部34が内部で大電流測定用から小電流測定用に電流―電圧特性を切り替える動作を行うので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。すなわち、演算部34は、入力過電圧保護部35が出力する第2の所定の電圧である0.75V、つまり、第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに小電流測定用の電流―電圧特性の傾きを大電流測定用の電流―電圧特性の傾きで除算した値である0.25を乗算した値に基づいて複数の電流測定レンジを切り替えているので別途、切り替え用の信号が不要となっている。また、演算部34が出力する第2の所定の電圧である0.75V、つまり、第1の所定の電圧である入力電圧測定範囲の上限値である3.0Vに小電流測定用の電流―電圧特性の傾きを大電流測定用の電流―電圧特性の傾きで除算した値である0.25を乗算した値に応じた出力、すなわち、演算部制御出力信号に基づいて入力過電圧保護回路35が出力電圧または分圧電圧に応じた出力系統を切り替えているので、演算部34での所望の電流測定レンジでの電流値算出に用いる電圧―電流特性と入力過電圧保護部35から出力される電圧が不整合を生じることがなく、電流測定レンジの切り替えによる誤動作を防止することが可能となっている。つまり、演算部34の内部で電流測定レンジを切り替えた以降に、適正な電流測定レンジに合致するADコンバータ33からの出力電圧を演算部34に入力するので、測定時の誤動作を防止することが可能となっている。
なお、本実施形態で説明した電流測定回路は電源、給電回路など様々な電気機器に適用することが可能である。
10 電流検出抵抗
11 増幅部
12 分圧部
13 ADコンバータ
14 演算部
20 電流検出抵抗
21 増幅部
22 分圧部
23 ADコンバータ
24 演算部
30 電流検出抵抗
31 増幅部
32 分圧部
33 ADコンバータ
34 演算部
35 入力過電圧保護部
120 電流検出抵抗
121 小電流用増幅部
122 大電流用増幅部
123 基準電圧発生部
124 スイッチ部
125 比較部
126 ADコンバータ
127 マイコン(マイクロコンピュータ)
130 電流検出抵抗A
131 電流検出抵抗B
132 増幅部
133 ADコンバータ
134 マイコン(マイクロコンピュータ)

Claims (6)

  1. 電流検出抵抗の両端間の電圧を増幅する増幅部の出力電圧を分圧し、分圧電圧を生成する分圧部から出力される前記分圧電圧および前記出力電圧に対応するアナログ入力値をデジタル値に変換するADコンバータからの前記デジタル値に基づいて電流値を算出するとともに、前記分圧電圧および前記出力電圧とに基づいて、それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定する演算部を有する電流測定回路。
  2. 電流検出抵抗の両端間の電圧を増幅する増幅部の出力電圧を少なくとも2以上に分圧し、分圧電圧を生成する分圧部から出力される前記分圧電圧に対応するアナログ入力値をデジタル値に変換するADコンバータからの前記デジタル値に基づいて電流値を算出するとともに、前記2以上の分圧電圧に基づいて、
    それぞれの最大出力電圧および測定電流に対する出力電圧の傾きが異なる複数
    の電圧―電流特性曲線を切り替え、複数の電流測定レンジを測定する演算部
    を有する電流測定回路。
  3. 前記アナログ入力値は前記分圧電圧に応じた複数の第1のアナログ入力値及び前記出力電圧に応じた第2のアナログ入力値を有し、前記デジタル値は前記複数の第1のアナログ入力値に対応する複数の第1のデジタル値及び前記出力電圧に応じた前記第2のアナログ入力値に対応する第2のデジタル値を有する請求項1または2に記載の電流測定回路。
  4. 前記出力電圧または前記分圧電圧に応じた電圧がそれぞれ独立に入力されるとともに、前記ADコンバータの入力端に所望の電圧以下の出力信号を出力する入力過電圧保護部を有する請求項1ないし3に記載の電流測定回路。
  5. 前記演算部は、前記入力過電圧保護部が出力する各測定レンジの切り替えに用いる所定の電圧に基づいて前記複数の電流測定レンジを切り替える請求項4に記載の電流測定回路
  6. 前記演算部が出力する前記所定の電圧に応じた演算部制御出力に基づいて前記入力過電圧保護回路の前記出力電圧または前記分圧電圧に応じた出力系統を切り替える請求項4または5に記載の電流測定回路。
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