JP2013165242A - 表面極性を制御した酸化亜鉛膜の製造方法 - Google Patents

表面極性を制御した酸化亜鉛膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極性を制御した酸化亜鉛膜の製造方法がいくつかの提案されているが、基板や、酸化亜鉛膜のドーピングレベル、等の点において広い範囲の条件下で機能する新しい方法が必要とされている。
【解決手段】本発明の酸化亜鉛膜はスパッタリングにより製造される。所望の極性の酸化亜鉛膜を得るために、前記スパッタリング工程の間、適切なレベルの直流バイアスが前記皮膜用の前記基板と接地レベルとの間に印加される。前記直流バイアスは前記スパッタリング工程の全工程の代わりに前記スパッタリングの初期工程の間のみ印加されてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明はセンサ、トランジスタ、検出器を含む半導体素子、電気的及び光学的機能を備えたガラス窓を含む建設材料、太陽電池や紫外線の調光を含む省エネルギー機器に使用される、酸化亜鉛薄膜の極性を任意に選択できる蒸着方法に関する。ここで開示される方法は酸化亜鉛の性質を高精度に制御することが必要な技術分野において特に有用である。
半導体技術は、例えばシリコンから作製されたマイクロプロセッサ、GaAs−GaP系半導体から作製されたレーザダイオードなと、シリコンやIII−V属半導体を使用して開発されている。それらの用途においては、単結晶半導体やエピタキシャル膜が使用される。
酸化物半導体は、多くの場合、多結晶セラミックスの形態で使用されている。例えば、酸化亜鉛はバリスタセラミックスとして使用されており (特許文献1)、酸化スズセラミックスは化学センサとして使用されている(非特許文献1)。それらの用途では、表面及び/又は界面の化学的活性を利用するため、多結晶材料や多孔質材料の使用が機能を改良するために必要である。
しかしながら、酸化物薄膜半導体の重要性は増している。酸化物薄膜半導体を最も必要とするのはディスプレイ技術である。ほぼすべてのフラットパネルディスプレイにおいて、高透明度の酸化物薄膜導体を必要とする(非特許文献2)。さらに、酸化物系薄膜トランジスタは、より高精細又はより大画面のフラットパネルディスプレイのために(非特許文献4)比較的高い導電性のチャネル層を得るように開発されている(非特許文献3)。
広いエネルギーバンドギャップを有する酸化物半導体で、最も典型的なものが酸化亜鉛である。酸化亜鉛は透明であり、かつドーピングによる導電制御が可能であるため、透明導電体用途の酸化亜鉛薄膜が開発が進行している(非特許文献5)。さらに、酸化亜鉛を青色光から紫外光の範囲の発光ダイオード(LED)用の材料に用いるための開発が進行している(非特許文献6)。酸化亜鉛の性質は窒化ガリウムのそれに非常に類似しており、それゆえに酸化亜鉛は青色から紫外の範囲の高効率LEDのための一番の候補材料として考えられている。現に、酸化亜鉛と窒化ガリウムは同一の結晶構造、ウルツ鉱型格子、同等のバンドギャップエネルギー、同様の光学的性質を有する。
ウルツ鉱型格子は圧電性と焦電性を示す極性構造である。即ち、そのc面の一方は陰イオンにより終端され、他方は陽イオンにより終端される。例えば、図1に示されるように、酸化亜鉛のc面の一方は亜鉛イオンにより終端され、他方は酸素イオンにより終端される。以下、陽イオンにより終端されるc面をc(+)面と略記し、陰イオンにより終端される他方の面をc(−)面と略記する。
この極性は多くの性質に影響を及ぼす。例えば、酸化亜鉛のc(−)面は酸性溶液により容易にエッチングされるが、c(+)面はそのようなエッチングには非常に高い耐性がある(非特許文献7)。結晶成長時の不純物混入特性も極性に依存する。例えば、酸化亜鉛の水熱成長においては、c(−)面に成長した領域でのドナー型欠陥/不純物の濃度が、c(+)面のそれより高い。
ウルツ鉱型結晶の極性は高電子移動度トランジスタなどのヘテロ構造デバイスの製造においても重要である(非特許文献8)。現に、極性結晶構造による圧電電位および内部分極が(Zn,Mg)O/ZnOなどの酸化亜鉛系ヘテロ構造およびGaN/(Al,Ga)Nなどの窒化ガリウム系ヘテロ構造における二次元電子ガスの形成において重要な役割を果たす(非特許文献9)。
酸化亜鉛の極性はまた、酸化亜鉛と金属などのその他の材料との界面を形成するのに重要である。半導体や光学材料における金属のぬれ性は、高い接合強度を得るのに重要である。接合強度は酸化亜鉛層を含む多層構造の耐久性において重要であることは、言うまでもない。そのような界面構造の形成に関し、極性は、表面安定性と反応性の点で、高い接着強度を実現するように、適切に制御されなければならない。
通常のシリコン等の半導体では、非極性の閃亜鉛鉱型又はダイヤモンド型構造を有するため、極性は重要ではない。一方、ウルツ鉱型結晶構造を有する半導体では、結晶の極性は重要である。極性半導体の極性を任意に選択でした蒸着が、特性制御されたデバイスを製造するのに必要とされる。
上記の事実は、ウルツ鉱型半導体からなる電子および化学デバイスの開発において結晶の極性が大変重要であることを示している。バルク結晶では、一方のc面はc(−)面であり、他方はc(+)面である。このように、単に結晶を反転させるだけでc(+)面又はc(−)面を選択することができる。
しかしながら、c軸に沿って成長させたウルツ鉱型半導体の薄膜では、一方のc面は基板との界面を形成し、他方はその表面を形成する。c(+)面を有する皮膜が必要な場合は、c(+)面を有する皮膜が蒸着されなければならない。反対の状況では、c(−)面を有する皮膜が蒸着されなければならない。
化学的に耐久性のある酸化亜鉛膜を得るには、c(+)面を有する酸化亜鉛膜が蒸着されなければならない。これに対し、ドナー混入性を高めるには、c(−)面を有する皮膜を蒸着することが好ましい。このように、酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着を可能にする技術は酸化亜鉛系構造およびデバイスのさらなる発展のために発明されなければならない。
そのため、酸化亜鉛薄膜の極性を制御するいくつかの技術が発明されている。極性反転層の挿入は、そのような技術の1つである(非特許文献10)。この技術では、<111>配向の酸化マグネシウム層を酸化亜鉛膜のc(−)面に蒸着した後、さらに酸化亜鉛膜が酸化マグネシウム層上に蒸着する。酸化亜鉛の極性は、その酸化マグネシウム層の挿入によりc(−)面からc(+)面へと反転される。しかしながら、この技術では、絶縁体である酸化マグネシウム層を含む多層構造が必要とされる。この挿入層は、格子不整合による内部応力を引き起こしたり、他の問題も引き起こすため、必ずしも有用ではない。
ドーピングは極性を制御するためのもう一つの方法である。パルスレーザー蒸着技術による酸化亜鉛膜蒸着の多くの場合において、c(−)面を有する酸化亜鉛膜が出現しやすい。一方、十分な濃度のアルミニウムドーピングを施した酸化亜鉛膜が結晶質又は非結晶質基板上に蒸着された場合、c(+)面を有する酸化亜鉛膜が蒸着される(非特許文献s11、12)。この技術により我々は極性反転層の挿入なしでc(+)面酸化亜鉛膜を得ることが可能となるが、ドーピングしていない酸化亜鉛膜の蒸着には有用ではない。
このように、ドーピング濃度とは関係なく酸化亜鉛膜の極性を任意に選択できる結晶成長を実現する膜蒸着技術が、電子的又は光学的用途の酸化亜鉛系材料の開発のために必要とされている。
さらに、特定の基板、即ち、原子的に平坦なサファイア単結晶基板、を使用して酸化亜鉛の極性を制御することや、特定の蒸着方法が報告されている(非特許文献13)。しかしながら、酸化亜鉛薄膜の任意の用途のために、非結晶質基板、典型的にはソーダ石灰ガラス、が使用される。このように、特定の結晶質基板を必要とする技術は必ずしも酸化亜鉛膜の製造のために適切とはかぎらない。
また、極性の判定が酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した成長の実施にとってもう一つの問題となっている。高い生産性のためには、非破壊分析による極性判定が望ましい。このため、X線光電子分光法がc軸配向酸化亜鉛膜の極性判定のための最も適切な技術である。即ち、亜鉛終端c(+)面のX線光電子スペクトルの価電子帯特性において特定のサブピークが見られるが、酸素終端c(−)面のそれにおいては観察されない(非特許文献14、15)。公開された結果によれば、比較的高エネルギーの光子を投射物として用いたX線光電子分光法が酸化亜鉛膜の極性判定に適切である。
酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着にはいくつかの従来技術があるが、それらは例えば、挿入層の要件、原子的に平坦なサファイア基板、高濃度にドープされた酸化亜鉛膜に対してのみ適切であったり等、非常に特定の条件下でのみ機能する。そのため、様々な条件に好適な酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着を実現する蒸着技術の開発が必要とされている。
本発明の一態様によれば、制御された表面極性を有する酸化亜鉛膜の製造方法が提供され、前記表面は亜鉛で終端されるか酸素で終端されており、前記基板と接地レベルとの間に印加された所定レベルの直流電気バイアスを用いたスパッタリングにより酸化亜鉛膜を蒸着するステップを備える。
前記基板はバルク酸化物、バルク金属、又はバルク高分子であってもよい。
前記基板は、酸化物層、金属層、窒化物層からなるグループから選択された一以上の表面コーティング層により被覆されていてもよい。
前記直流電気バイアスは、亜鉛終端(001)面を有する酸化亜鉛膜を得るための、所定の正バイアスであってもよい。
前記直流電気バイアスは、酸素終端(001)面を有する酸化亜鉛膜を得るための、所定の負数であってもよい。
前記直流電気バイアスは、前記酸化亜鉛膜が蒸着される間の全期間のうちの少なくとも初期部分の間に印加されてもよい。
1〜20nmの厚さの隙間なく酸化亜鉛で覆われた層が前記全期間のうちの前記初期部分の間に蒸着されてもよい。
前記所定の直流電気バイアスは±1〜500V、±10〜500V、又は±30〜200V以内に設定されてもよい。
前記基板と前記スパッタリングのターゲットとの間の距離は1〜200mmの範囲であってもよい。
前記酸化亜鉛膜は非結晶質材料の表面に蒸着されてもよい。
前記スパッタリングは直流マグネトロンスパッタリング又はパルス直流マグネトロンスパッタリングであってもよい。
前記スパッタリングは高周波マグネトロンスパッタリングであってもよい。
前記スパッタリングに使用されるターゲットは円筒状又は平面状の形状を有してもよい。
金属亜鉛、酸化亜鉛、又はこれら二つの組み合わせが前記スパッタリングに使用されるターゲットとして使用されてもよい。
酸素ガスが、蒸着中の前記皮膜の酸化のために前記基板又は前記スパッタリング用ターゲットに供給されてもよい。
前記スパッタリング用ターゲットは、無添加の酸化亜鉛又はN、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Coからなるグループから選択された少なくとも一つの添加物を有する酸化亜鉛からなる酸化物ターゲットであってもよい。
前記スパッタリングに使用されるターゲットはドープされた酸化物であってもよく、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Coからなるグループから選択された添加物の濃度が、前記少なくとも一つの添加物の濃度がその固溶限界以内である酸化亜鉛膜を得るように設定されていてもよい。
前記スパッタリングに使用されるターゲットは無添加の酸化亜鉛ターゲット、又は酸化亜鉛と少なくとも他の元素からなる酸化物ターゲットであってもよい。
スパッタリング用ガスは純アルゴン又は少なくともアルゴン若しくは酸素を含む混合気であってもよい。
前記基板の温度は、前記直流電気バイアスを印加して蒸着をする前記ステップの間は、100〜600℃の範囲内に保持されてもよい。
本発明は亜鉛終端c(+)面又はc(−)面を有する酸化亜鉛膜を選択的に成長させる方法を提供する。この方法は酸化亜鉛関連の技術の多くの側面における開発に影響を与える。c(+)面およびc(−)面の化学的性質は互いに異なるため、酸素終端c(−)面又は亜鉛終端c(+)面を選択することにより化学的性質を制御可能である。
極性の制御を実現することにより酸化亜鉛系電気装置および電気機械装置の設計を可能にする。上述のように、圧電分極は酸化亜鉛系ヘテロ構造における二次元電子ガスの生成に影響を与える。極性を選択した成長は酸化亜鉛単結晶ウェーハを使用したホモエピタキシャル成長により実現してもよい。しかしながら、本発明に係る酸化亜鉛膜の極性制御蒸着によって非結晶質基板上にも酸化亜鉛の極性を任意に選択した成長を実現することができる。
酸化亜鉛の結晶構造を示す概略図。 酸化亜鉛の極性制御蒸着に利用され得る装置の考えられる構成を示す概略図。 酸化亜鉛の極性制御蒸着に利用され得る装置の他の考えられる構成を示す概略図。 酸化亜鉛単結晶のX線光電子スペクトルを示す図。 表1に示す条件下で蒸着された皮膜のX線光電子スペクトルを示す図。 表3で示す条件下で蒸着された皮膜のX線光電子スペクトルを示す図。 空気暴露前後の酸化亜鉛膜のO1s内殻準位スペクトルを示す図。 真空中に設置されたマニピュレータを使用して皮膜を蒸着室から分光計室へ移動させることにより空気暴露なしで蒸着膜のX線光電子スペクトルを得るために使用され得る装置の考えられる構成を示す概略図。
上述の課題は以下の方法を使用することにより解決され得る。
ここに開示される開発された方法によれば、意図的な極性反転層の挿入なしで、意図的なドープ層の蒸着なしで、そして原子的に平坦なサファイア基板を使用せずに、マグネトロンスパッタリングにより基板上に蒸着される酸化亜鉛膜の極性を制御する膜蒸着方法が提供される。即ち、この方法により、基板の材料およびドーピングに関係なく、制御された極性を有する酸化亜鉛膜が製造される。
ここに開示した第一の技術は、マグネトロンスパッタリングを使用して亜鉛終端c(+)面を有する酸化亜鉛膜又は酸素終端c(−)面を有する酸化亜鉛膜を選択的に得るための膜蒸着技術であり、蒸着時に直流電気バイアスを接地レベルと基板との間に印加してプラズマ中のイオン運動を制御し、極性を任意に選択した蒸着を実現する。
前記基板はバルク酸化物、バルク金属、又はバルク高分子である。さらに、ここでの前記基板は、酸化物層、金属層、窒化物層のうちの一つ以上の表面コーティング層により被覆された物を含む。
この極性を任意に選択した蒸着技術の最も標準的な用途は、バイアス電源(1−A)を使用して基板(1−C)に十分な正直流バイアスを印加することによりc(+)面を有する酸化亜鉛膜を製造することである。一方、c(−)面を有する酸化亜鉛膜は、バイアス電源(1−A)を使用して基板(1−C)に十分な負直流バイアスを印加することにより製造され得る。
図2は極性を制御して酸化亜鉛膜を蒸着するためのスパッタリング装置の概略図である。図2において、電気絶縁体(1−D)上に設置されたターゲット(1−B)はスパッタリング電源(1−E)に接続され、電気絶縁体(1−F)上に設置された基板(1−C)と基板ホルダー(1−G)は接地から浮いた状態とされ、直流バイアス電源(1−A)に接続される。基板ホルダー(1−G)は接地と基板との間にバイアスを印加するための電極として機能する。高密度プラズマを得るために磁石がターゲット(1−B)の裏側に設けられている。ここで、バイアス電源(1−A)は接地と基板(1−C)との間に電界をかけるための直流電源である。基板(1−C)とターゲット(1−B)は共に電気絶縁体(1−F、1−D)により接地から電気的に隔離されており、スパッタリング電源(1−E)と直流バイアス電源(1−A)は独立して作動可能である。
図3は極性制御された酸化亜鉛膜に被覆された物の連続製造のために適切な他のスパッタリング装置を示す。ここで、基板(1−I)はローラ(1−K)により左側から右側へ連続的に搬送され、マグネトロン(1−H)が連続的に作動されて基板上にコーティングを形成する。直流バイアス電源(1−J)は、マグネトロンヘッドに給電された電力とは独立して基板における電位を制御するためにローラに接続される。
図2、3に示すようなスパッタリング装置を使用することにより、直流バイアス印加の元でのスパッタリング蒸着が実現可能となり得る。酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着は、バイアス電源(1−A)を使用してバイアスの極性と大きさを変えることにより可能である。このバイアスにより、スパッタリング電源(1−E)を使用して発生されたプラズマにおけるフラグメントイオンと電子の運動を制御し、基板表面に到達するフラグメントイオンと電子の流れがバイアスにより変更される。このようにして酸化亜鉛の極性を任意に選択した蒸着を実現する。
尚、本発明で使用される酸化亜鉛は純酸化亜鉛に限定されず、N、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Co等の一つ以上の元素を有する、酸化亜鉛系混晶および酸化亜鉛固溶体も含む。
酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着について、全酸化亜鉛蒸着過程中、絶えずバイアスを印加する必要はない。蒸着工程の最初の部分の間にバイアスを印加すれば極性制御の点で十分である。
前記第一部分における考えられる標準的な厚さは1〜20nmである。この厚さを有することにより皮膜は連続膜であるとみなされる、つまり、膜厚が1〜20nmであれば基板表面は酸化亜鉛膜に完全に被覆される。
本発明の目的を達成するための推奨されるバイアス電圧と極性は以下のとおりである。極性制御に最適なバイアスの大きさを決めるための試行的な蒸着にあっては、±1〜500V以内の直流バイアスが推奨される。浮遊バイアスが多く発生する場合は、±10〜500Vの範囲で試行的な蒸着を行う。一般的の蒸着条件に適切なバイアスの大きさは±30〜200Vの範囲で選択する。スパッタリング電源の投入電圧に対する直接的なバイアスの影響を避けるために、可能な限り低いバイアスが推奨される。一方、極性とその他の性質の制御を同時に行うために、比較的高いバイアス電圧が必要とされる場合もありえる。
最適条件の決定のための試行的な蒸着では、基板とターゲットとの間の距離は1〜200mmの範囲で変更する。十分な成膜速度を得るためには、この距離は1〜100mmの範囲で設定する。
酸化亜鉛の極性を任意に選択した蒸着は、高周波マグネトロンスパッタリング、直流マグネトロンスパッタリング、パルス直流マグネトロンスパッタリングの三つのスパッタリング技術のうちの一つを使用して行う。いずれの場合も、基板と接地レベルとの間に誘電電流バイアスを印加することが極性を任意に選択した成長には必須である。
直流バイアスを印加することが酸化亜鉛の極性を任意に選択した蒸着の本質であるので、基板が円筒状や平板状の任意の形状であっても酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した選択的蒸着の利用に対応している。
極性を任意に選択した蒸着で使用されるターゲット材料は金属亜鉛、酸化亜鉛、又はこれら二つの組み合わせのうちの一つである。ターゲットが金属亜鉛を含む場合は、酸素ガス等の酸素源が必要である。そのため、酸化が必要な場合は、酸素ガスを含むスパッタリングガスが酸化亜鉛のスパッタリング蒸着のために使用可能である。
さらに、性質制御のために添加する必要がある場合は、N、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Coから選択された添加物のうちの少なくとも一つを含むガーゲットが極性を任意に選択した蒸着に使用される。
酸化亜鉛膜の熱安定性が要件となる場合は、極性を任意に選択した蒸着技術により製造された酸化亜鉛膜における不純物濃度は各元素の固溶限界を超えてはならない。
金属ターゲットの使用が極性制御酸化亜鉛膜の製造に利用できない場合には、極性を任意に選択した蒸着に使用されるターゲットは酸化亜鉛ターゲット又は他の元素を含む酸化亜鉛ターゲットである。
酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着の利用について、アルゴンを含むガスの使用が可能である。
極性制御酸化亜鉛膜を得るための工程は、マグネトロンスパッタリングを使用して亜鉛終端c(+)面を有する酸化亜鉛膜又は酸素終端c(−)面を有する酸化亜鉛膜を選択的に得るための膜蒸着技術であり、蒸着時に直流バイアスを接地レベルと基板との間に印加してプラズマ中のイオン運動を制御し、極性を任意に選択した蒸着を実現する。図2や図3に例示するような機器が蒸着工程で使用される。
スパッタリング工程およびその結果得られるものは、例えばターゲットと基板の位置の幾何学的配置や蒸着室内の圧力勾配等、機器に強く依存する。このように、極性制御のために直流を使用した蒸着技術の使用において、直流バイアス電圧の大きさは最適化されなければならず、他の工程パラメータは予め決められていなければならない。
一般に、基板に印加される前記直流電気バイアスは、c(+)面を有する酸化亜鉛膜を得るために所定の正バイアスである。一方、前記直流電気バイアスはc(−)面を有する酸化亜鉛膜を得るために所定の負数である。
この技術で使用される基板は、バルク酸化物、バルク金属、又はバルク高分子の種類から選択される。この極性を任意に選択する蒸着技術も、酸化物、金属、窒化物の一つ以上の層等のコーティングにより被覆された基板上に極性制御酸化亜鉛膜を製造するのに適切である。光学的、電子的、光電子的用途としては、多くの種類の基板が、酸化亜鉛膜の有用な機能を得るために考慮されるべきである。
酸化亜鉛膜の性質は、性質制御のために直流バイアスを印加することで影響を受ける可能性がある。フラグメントイオンの流れの変更は皮膜の極性を変更するだけでなく、欠陥構造も変更する。そのため、特定の性質を有する酸化亜鉛膜の製造のために全蒸着工程中でバイアスを印加することは推奨されない。この場合は、直流バイアスを蒸着工程の初期過程のみで印加することが可能である。所望の極性を有する酸化亜鉛膜の核生成が終わると、直流バイアスの極性又は大きさを変えることができる。酸化亜鉛膜の極性は蒸着の初期過程の間に決定され、決定した極性はバイアス条件に関係なく維持される。
蒸着の前記第一部分は、基板表面を完全に覆う連続膜を得るための蒸着期間として定義される。前記第一部分の層の標準的な厚さは1〜20nmである。基板上の皮膜の被覆範囲は、走査型オージェ顕微鏡検査法や光ルミネセンスマッピング等の組成や性質マッピングにより決定され得る。
前記初期過程における考えられる標準的な厚さは1〜20nmである。この厚さを有することにより皮膜は連続膜であるとみなされる、つまり、膜厚が1〜20nmであれば基板表面は酸化亜鉛膜に完全に被覆される。
この技術の使用のために最も重要なパラメータの一つは、基板とターゲットとの間の距離とバイアスの大きさである。ここで、図2を説明の例として使用する。基板−ターゲット間距離は、バイアス電源(1−A)により生成される場の強度と分布に影響を与える。基板(1−G)の裏側にバイアスを印加する電極は、基板(1−C)より大きく、基板(1−C)の周りに適切な電界を生成するように導電性を有さなければならない。バイアスの大きさは浮遊バイアスに強く依存する。浮遊バイアスはスパッタリング工程中に発生する。即ち、バイアス電源(1−A)が取り除かれても、基板(1−C)とターゲット(1−B)との間の電位はゼロではない。(1−A)を使用して直流バイアスを印加して皮膜の極性を制御するためには、バイアスの大きさは浮遊バイアスよりかなりおおきくなければならず、基板とターゲットとの間の距離は小さくなければならない。
マグネトロンヘッド、基板、基板支持体およびバイアス電極に関して同様の配慮が図3に例示される機器の設計においてもちろん必要とされる。
酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着の利用に関し、バイアスの大きさを最適化するための試行的な蒸着を行うことが推奨される。最適化に関し、考慮されるべき一つのパラメータは浮遊電位である。予め決定するために試験されるバイアスの大きさは±1〜500Vの範囲において選択される。最適化に関して考慮されるべき事項は基板とターゲットとの間の距離、室内の圧力等である。直流バイアスの目的がイオン化種の運動を制御することであるので、それらのパラメータは互いに依存している。基板に発生する浮動電位がかなり大きい場合、浮動電位の影響を取り除くために比較的高いバイアスが必要とされるので、有用なバイアス範囲は±10〜500Vである。酸化亜鉛の極性制御蒸着のための最も妥当なバイアスの大きさは±30〜200Vの範囲である。
c(+)面を有する酸化亜鉛膜を得るための最も推奨されるバイアスは最低でも50Vの正バイアスである。一方、50Vより大きい負バイアスがc(−)面を有する酸化亜鉛膜を得るために推奨される。50Vより大きいバイアスの大きさであれば、従来のスパッタリング機器の浮遊バイアスの影響を取り除くのに十分である。
ターゲットと基板との間の距離は、成膜速度と同様に、得られる皮膜の性質を決定する。極性制御蒸着を実現するという命令で、荷電化学種の運動を直流バイアスにより変更することが必須である。それは、基板とターゲットとの間の距離はイオン化種の寿命又は平均自由行程と比べて十分短くなければならないことを意味する。この問題についての検討により、基板とターゲットとの間の推奨距離は1〜200mmの範囲から選択される。
上述のように、基板ホルダー(1−G)は電極として機能するため、導電性を有していなければならない。特に、基板ホルダーの表面は1−Gの表面上の酸化絶縁層の形成などの被覆層の形成がその表面の荷電蓄積をもたらすので、導電性を有していなければならない。基板ホルダー(1−G)の目的は制御された電界を発生することであるため、その表面は高い導電性を有していなければならない。図3に例示する機器にも同様の配慮がなされなければならない。
酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着のための他の方法は、マグネトロンスパッタリングを使用して非結晶質基板上に亜鉛終端c(+)面を有する酸化亜鉛膜又は酸素終端c(−)面を有する酸化亜鉛膜を選択的に得るための膜蒸着技術であり、蒸着時に直流電気バイアスを接地レベルと基板との間に印加してプラズマ中のイオン運動を制御し、極性を任意に選択した蒸着を実現する。
上述のように、酸化亜鉛膜の極性制御に関し、いくつかの従来の報告書がある。一つの方法は、単結晶サファイアウェーハや(111)配向のMoO層等の特定の結晶質基板を使用する。この文献に記載された極性制御技術の特徴は、極性制御は基板表面における原子的配置の配向によりなされるのではなく、フラグメントイオンと電子の流れを制御することによりなされる、ということである。それゆえに、この発明は酸化物ガラス等の非結晶質基板上においても酸化亜鉛膜の極性制御蒸着を実現する。
酸化亜鉛系トランジスタの酸化亜鉛チャネル層は、極性制御酸化亜鉛膜の用途の一つである。そのような用途において、名目上純粋な(即ち、合理的で実用的に純粋な)低不純物濃度の酸化亜鉛膜が、比較的高い電子移動度のために必要とされる。このように、極性制御酸化亜鉛膜を得るための技術は、マグネトロンスパッタリングを使用して亜鉛終端c(+)面を有する酸化亜鉛膜又は酸素終端c(−)面を有する酸化亜鉛膜を選択的に得るための膜蒸着技術であり、蒸着時に直流電気バイアスを接地レベルと基板との間に印加してプラズマ中のイオン運動を制御し、極性を任意に選択した蒸着を実現する。
尚、無添加の酸化亜鉛膜の蒸着は、酸化亜鉛の極性を任意に選択した蒸着の考えられる用途の一つであるが、直流バイアスを使用した極性を任意に選択した蒸着は、ドープされた酸化亜鉛膜に有用である。
化学的耐久表面を有する酸化亜鉛膜は、極性制御酸化亜鉛膜の用途の一つである。そのような用途においては、亜鉛終端(0001)面を有する酸化亜鉛膜が必要とされる。このように、極性制御酸化亜鉛膜を得るための技術は、マグネトロンスパッタリングを使用して亜鉛終端c(+)面を有する酸化亜鉛膜を選択的に得るための膜蒸着技術であり、蒸着時に直流電気バイアスを接地レベルと基板との間に印加してプラズマ中のイオン運動を制御し、極性を任意に選択した蒸着を実現する。
赤外線反射は、透明導体の用途の重要な性質である。そのような用途においては、金属層と酸化物層からなる多層構造は導電性と耐久性を制御するのに有用であり、酸化亜鉛は多層構造において中間層として使用されることもあり得る。酸化亜鉛が中間層で使用される場合も、やはり極性制御は酸化亜鉛関連の界面における接合強度を実現するために重要である(非特許文献16)。
例えば、赤外線反射については、無添加の酸化亜鉛が赤外線を吸収するフィルタとして機能するため、名目上無添加の酸化亜鉛を有する多層膜は有用な構造である。そのため、十分に高い接着特性を有する名目上無添加の酸化亜鉛を有する多層構造はそのような用途に望ましい。このように、極性制御酸化亜鉛膜を得るための技術は、極性制御酸化亜鉛層が挿入された多層構造を製造するための膜蒸着技術である。即ち、この膜蒸着技術は、マグネトロンスパッタリングにより蒸着した酸化亜鉛層を含む多層構造を製造し、酸化亜鉛の蒸着時に直流電気バイアスを接地レベルと基板との間に印加してプラズマ中のイオン運動を制御し、名目上純粋な酸化亜鉛をターゲットとして使用して極性を任意に選択した蒸着を実現する。
スパッタリング電源(1−E)の選択は、酸化亜鉛膜の製造において重要である。直流電源を使用する場合は、ターゲット(1−B)は電気導体でなければならないという制限がある。このことは、直流電源が1−Eとして使用される場合は、金属亜鉛ターゲットのみが使用可能であることを意味する。一方、高周波電源が1−Eとして使用される場合には、絶縁ターゲットを1−Bとして使用可能である。この文献に記載された酸化亜鉛の極性制御蒸着のための技術は、高周波スパッタリング、直流スパッタリング、パルス直流スパッタリングのうちのいずれか一つによるスパッタリングにより蒸着された酸化亜鉛の極性を制御するための技術を提供する。しかしながら、スパッタリング電源(1−E)の選択は蒸着に使用されるターゲットに依存する。
スパッタリング装置の装置構成には多くのバリエーションがある。この文献に記載された酸化亜鉛の極性を任意に選択した蒸着は、直流バイアスが接地レベルと基板との間に印加されるため、任意の形状のターゲットにも対応している。そのため、任意の円筒状や計画者のターゲットがこの蒸着工程に使用される。
さらに、ターゲットの組成は、酸化物ターゲット、金属ターゲット、金属と酸化物の両方からなるターゲットから選択される。膜における非化学量論性および膜の均質性の制御が極性制御酸化亜鉛膜にとって重要であるため、最も適切なターゲットは目的毎に選択される。
スパッタリング工程としては、スパッタリングガスの選択により、成膜速度と同様に、結果として得られる皮膜の性質が変更される。酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着としては、任意の目的で必要とされる場合は、酸素を含むガスが使用される。
酸化亜鉛膜の極性制御蒸着は、多くの用途に利用される酸化亜鉛膜に適切である。例えば、酸化亜鉛格子にアルミニウムをドーピングすることで酸化亜鉛の導電性を高める。このように、不純物が必要とされる場合は、それら不純物が極性制御酸化亜鉛膜に導入される。酸化亜鉛の性質の制御に使用される標準的な不純物は、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Coから選択された少なくとも一つから選択される。
皮膜の熱安定性を維持するためには、結果として得られる極性制御酸化亜鉛膜の添加物、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Co、の濃度が酸化亜鉛格子内においてこれらの元素の固溶限界を超えないようにしなければならない。これらの元素の濃度が固溶限界より大きくなると、第二相の析出が熱励起により引き起こされる。
酸化亜鉛膜の極性を任意に選択した蒸着をする時の基板温度を100〜600℃の範囲から選択された一定温度に保つことは、原子やイオンの表面移動を高めることが必要とされる場合に有用である。移動挙動は、粒子径、表面荒さ等の制御のために重要である。
結果として得られる皮膜の極性はX線光電子分光法を使用して容易に区別することが可能である。即ち、X線光電子スペクトルの価電子帯スペクトルは、亜鉛終端c(+)面のみに観察され得る特徴的なサブピークを確認するために、光電子エネルギ分析器の軸に平行に酸化亜鉛のc軸を設定した後に測定される。図4はAl−Kα照射により測定された酸化亜鉛単結晶の標準的な価電子帯スペクトルを示す。ここで、4.8eVで見られる特徴的なサブピーク(2−C)はc(+)面においてのみ確認されるため、c(+)面から測定された2−Aのスペクトルの形状はc(−)面から測定された2−Bのそれとは異なる。極性判定方法における信頼性の向上のために、製造された酸化亜鉛単結晶の酸化亜鉛膜の価電子帯スペクトルと、特定されたc(+)面とc(−)面との比較が推奨される。極性判定には、X線光電子分光法とは別に、集束電子線回折(非特許文献12)等の代替方法がある。
非晶質基板上に蒸着された酸化亜鉛は、c軸配向多結晶の形態で結晶しやすい、即ち、酸化亜鉛のc軸は基板表面に直交して配置されるが、酸化亜鉛のa軸はランダムに配向される。このように、単結晶の性質を前提とする極性の判定はこの場合は適さない。例えば、大きな入射イオンビームを使用するイオン散乱技術は、極性を判定するのには適切ではない。それゆえに、X線光電子分光法を使用することが酸化亜鉛の極性を判定するために推奨される。
尚、極性制御蒸着方法は、得られた酸化亜鉛膜が上述のように好ましくはc軸に沿った配向を示すことを想定している。蒸着条件の中にはc軸配向微細構造をもたらさないものもある。そのような場合、高度の極性制御はできない。
スパッタリング技術における課題は、膜蒸着条件が一様ではなく機器の設定毎に固有である。一つの機器に最適化された蒸着条件はその他の機器には最適ではない。このように、蒸着条件は通常、機器毎に最適化されなければならない。極性制御酸化亜鉛膜の蒸着には、蒸着条件の最適化時に膜極性をモニターすることが膜の極性を保証するのに必要である。このように、マグネトロンスパッタリングを使用して亜鉛終端c(+)面を有する酸化亜鉛膜を製造位するための膜蒸着技術は、蒸着時に直流電気バイアスを接地レベルと基板との間に印加してプラズマ中のイオン運動を制御し、極性を任意に選択した蒸着を実現するものであり、X線光電子分光法により、製造された酸化亜鉛膜の価電子帯スペクトルの特徴を調べる極性判定技術を含むことができる。
X線光電子分光法測定による極性判定時には、表面汚染が極性特定における不確実性をもたらす。X線光電子スペクトルは酸化亜鉛膜の極性を判定する有用な従来の方法であるが、表面汚染が該スペクトルにおける不明確さの原因となるときもある。このように、膜蒸着の計測管理では、X線光電子分光分析装置が、計測前に蒸着した皮膜を空気暴露せずにX線光電子分光法計測を可能にするように備えられており、信頼性のある極性判定には大いに有利である。図8は表面汚染なしでX線光電子分光法による極性判定に使用可能な機器を例示する。基板(8−C)に接続されたバイアス電源(8−A)、マグネトロンヘッド(8−D)上に配置されたターゲット(8−B)を有するマグネトロンスパッタリング機器が、X線電源(8−F)と電子分光計(8−G)を有するX線光電子分光分析装置にマニピュレータ(8−E)を介して接続されている。この機器は、皮膜を空気暴露することなく酸化亜鉛膜を有する基板を8−Cの位置から分光計(8−H)における基板ホルダーまで移送することができる。
信頼性のある極性判定のために、膜面に対して垂直方向に放出されたX線光電子のスペクトルを得るように、検査下の分光計と皮膜の幾何学的配置が設定されることが推奨される。このように、図8に例示するように、分光計における基板ホルダーは、表面に対して垂直に放出される光電子の捕捉を可能にするように設計されなければならない。
極性判定の方法の選択により、蒸着結果に任意の影響を及ぼす。極性判定にはいくつかの考えられる技術がある。例えば、集束電子線回折、イオン散乱、X線吸収は、酸化亜鉛の極性判定の最も標準的な方法である。最も有用な技術は、結果として得られる酸化亜鉛膜の極性をモニターするように選択できる。
c(−)面酸化亜鉛基板上にc(+)面を有する酸化亜鉛膜を製造するための極性制御は、必ずしも可能とはかぎらない。即ち、この極性を任意に選択した蒸着は、ヘテロ界面が酸化亜鉛膜の蒸着により形成される場合のみに対応している。酸化亜鉛膜の極性はホモエピタキシー条件下で酸化亜鉛基板により強く制限される。そのため、この文献に記載された方法は、酸化亜鉛膜のホモエピタキシャル蒸着にとって必ずしも適切とは限らない。
上述のように、ドーピングにより酸化亜鉛膜における極性が変更されることが知られている。特に、アルミナが高濃度にドープされた酸化亜鉛膜が蒸着されている場合、c(+)面酸化亜鉛が出現しやすい(非特許文献11、12)。ドーピングとバイアスの間には極性管理の点で矛盾がある。ドーピングの効果がバイアス印加の効果を上回る時、c(+)面を有する酸化亜鉛が、基板に印加される直流バイアスに関係なく得られる。ドーピング効果がバイアス効果を上回るか否かの境界条件は、製造を開始する前に実験的に検討されなければならない。
実施例1
酸化亜鉛膜が、高周波マグネトロンスパッタリング機器を使用してよく研磨されたシリカガラス基板上に蒸着された。使用した機器は図2に示す接続を有し、ここで使用された電源(1−E)は高周波電源であった。実施例1と実施例2(以下に示す)の間の具体的な相違点は、実施例1に使用したマグネトロンヘッドに設けられた磁石が実施例2で使用されたそれよりも然るべく強力であったということである。スパッタリングは表1に示す条件の下で行われた。ここで、3つの異なるバイアス条件が検討された。
得られた皮膜の極性を判定するために、X線光電子分光法により皮膜の特徴を調べた。
図5は3つの異なるバイアス条件におけるX線光電子分光法測定の結果を示す。図4と図5の比較により、バイアス下でスパッタリングにより得られた皮膜の極性は明らかである。図5に示されるように、c(−)面を有する酸化亜鉛膜は−50Vを印加することにより得られ、一方、c(+)面を有するそれは浮動条件および正バイアス条件下で得られた。
実施例2
酸化亜鉛膜が、高周波マグネトロンスパッタリング機器を使用してよく研磨されたシリカガラス基板上に蒸着された。スパッタリングは表2に示す条件の下で行われた。ここで、3つの異なるバイアス条件が検査され、基板とターゲットとに印加されたバイアスが接地に接続された。この実施例で使用されたマグネトロンヘッドは比較的弱い磁石を有し、この弱い磁界により実施例1と比較して比較的遅い成膜速度となった。
得られた皮膜の極性を判定するために、X線光電子分光法により皮膜の特徴を調べた。X線光電子分光法測定の結果より、+50Vで蒸着された皮膜の極性はc(+)面と特定され、−50Vでのそれはc(−)面と特定された。.しかしながら、表2の浮動バイアス条件下で蒸着された皮膜の極性はc(−)面であった。浮動バイアスは機器間で異なるため、浮動バイアス条件下で蒸着された皮膜の極性は機器に依存した。意図的なバイアスの印加により異なる機器を使用して再現可能な極性制御を実現した。
実施例3
酸化亜鉛膜が、高周波マグネトロンスパッタリング機器を使用してよく研磨されたシリカガラス基板上に蒸着された。実施例1、3で使用した機器は同一であった。この実施例では、正バイアスが核生成段階において印加され、バイアス極性が核生成期間後に負に切り替えられた。表3は実施例3の蒸着条件を示す。即ち、図6に示すように、初期核生成層(5−Y)が50Vのバイアス下でグラス基板(5−X)に蒸着され、続いて、上層(5−Z)が−50Vのバイアス下で蒸着された。
得られた皮膜の極性を判定するために、X線光電子分光法により皮膜の特徴を調べた。
図6はX線光電子分光法測定の結果を示す。一つのスペクトル(5−A)は正バイアスにより蒸着された、核生成期の後に測定したものであり、もう一つの(5−B)はそれに続く負バイアス下の蒸着工程を終了した後に測定された。この図は、(5−A)と(5−B)が共に(2−C)と同様に、得られた皮膜がc(+)面を有することを示す。この実施例は核生成期に適用されたバイアス条件により極性が決定されたことと核生成層の上に蒸着された上層の極性はバイアス条件には影響されなかったことを示す。
実施例4
酸化亜鉛膜が、高周波マグネトロンスパッタリング機器を使用してよく研磨されたシリカガラス基板上に蒸着された。実施例1、3、4で使用した機器は同一であった。この実施例では、負バイアスが核生成期において印加され、バイアス極性が核生成期の後に正に切り替えられた。表4は実施例4の蒸着条件を挙げる。
得られた皮膜の極性を判定するために、X線光電子分光法により皮膜の特徴を調べた。一つのスペクトルは負バイアス(−50V)により蒸着された、核生成期の後に測定したもので、続く正バイアス(+50V)での蒸着後に測定されたもう一つのスペクトルは(2−B)と類似しており、双方ともc(−)面を有していることが示された。そのため、極性は、核生成期において印加されたバイアス条件により決定され、第二相の極性はバイアス条件に影響されなかった。
実施例5
酸化亜鉛膜が、高周波マグネトロンスパッタリング機器を使用してよく研磨されたシリカガラス基板上に蒸着された。実施例1、3、4、5で使用した機器は同一であった。この実施例では、表5に挙げられた蒸着条件が使用された。実施例1、3、4において、試料を空気暴露せずに測定可能にするスパッタリング室に接続されたX線光電子分光分析装置により、皮膜の特徴を調べた。実施例5では、スペクトルを測定する前に皮膜を空気暴露した。
図7は、空気暴露した皮膜と空気暴露していない皮膜に対して得られたX線光電子スペクトルを比較する。O1s領域における光電子スペクトルは、(7−A)によりあらわされるスペクトルに示されるように、空気暴露によりブロードになっており、このピーク幅の広がりは空気暴露中の表面汚染によるものであったことが明らかである。空気暴露前に得られたスペクトルは、(7−B)に表されるスペクトルに示されるように、鋭い。信頼性のあるX線光電子分光法測定は、皮膜の空気暴露なしで皮膜を蒸着室から分光計へ移送することができる、X線光電子分光分析装置(図8)に接続された蒸着装置を使用して行われ得る。
実施例6
酸化亜鉛膜が、直流マグネトロンスパッタリング機器を使用してよく研磨されたシリカガラス基板上に蒸着された。実施例6で使用された機器のスパッタリング電源(1−E)は高周波のものではなく、直流のものであり、それが純亜鉛ターゲットに適用された。これが実施例6とその他の実施例との相違点である。この実施例では、表6に挙げた蒸着条件が使用された。得られた皮膜の極性は、試料を空気暴露することなく測定を可能にする、図8に例示されたスパッタリング室に接続された、X線光電子分光分析装置により特徴を調べた。
得られた結果は実施例1に記載のそれと同様であった。正バイアス(+100V)を印加した時、c(+)面を有する酸化亜鉛膜が得られた。一方、バイアス条件が浮動の時はc(−)面を有する酸化亜鉛膜が得られた。
上に詳細に説明したように、本発明は、半導体デバイス、建設材料、省エネルギー機器を含む様々な技術分野に貢献することが期待される。
1−A DCバイアス電源
1−B ターゲット
1−C 基板
1−D マグネトロンヘッドに設けられた電気絶縁体
1−E スパッタリング電源
1−F 電気絶縁体
1−G 基板ホルダー
1−H ターゲットを有するマグネトロンヘッド
1−I 基板
1−K 基板搬送のためのローラ
1−J 直流バイアス電源
2−A c(+)面のスペクトル
2−B c(−)面のスペクトル
2−C c(+)面のサブピーク特性
4−A 浮動条件下において蒸着した皮膜のスペクトル
4−B +50Vバイアス下で蒸着した皮膜のスペクトル
4−C −50Vバイアス下で蒸着した皮膜のスペクトル
4−D c(+)面を示すサブピーク
5−A 正バイアス下での初期蒸着後に得られたスペクトル
5−B 負バイアス下での二次蒸着後に得られたスペクトル
5−X 基板
5−Y 負バイアスで蒸着された初期の皮膜
5−Z 正バイアスで蒸着された皮膜
7−A 空気暴露後に測定されたスペクトル
7−B 空気暴露なしで測定されたスペクトル
8−A バイアス電源
8−B ターゲット
8−C 基板
8−D マグネトロンヘッド
8−E マニピュレータ
8−F X線源
8−G 電子分光計
8−H 基板ホルダー
特許第3718702号
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Claims (20)

  1. 表面が亜鉛で終端されるか酸素で終端され、制御された表面極性を有する酸化亜鉛膜の製造方法であって、基板と接地レベルとの間に印加された所定レベルの直流電気バイアス印加のもとで行うスパッタリングにより酸化亜鉛膜を蒸着する工程を備える、制御された表面極性を有する酸化亜鉛膜の製造方法。
  2. 前記基板はバルク酸化物、バルク金属、又はバルク高分子である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基板は、酸化物層、金属層、窒化物層からなるグループから選択された一以上の表面コーティング層により被覆される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記直流電気バイアスは、亜鉛終端(001)面を有する酸化亜鉛膜を得るための、所定の正バイアスである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記直流電気バイアスは、酸素終端(001)面を有する酸化亜鉛膜を得るための、所定の負数である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記直流電気バイアスは、前記酸化亜鉛膜が蒸着される間の全工程のうちの少なくとも初期工程部分の間に印加される、請求項1に記載の方法。
  7. 1〜20nmの厚さの隙間なく酸化亜鉛で覆われた層が前記全期間のうちの前記初期工程の間に蒸着される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記所定の直流電気バイアスは±1〜500V、±10〜500V、又は±30〜200V以内に設定される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記基板と前記スパッタリングのターゲットとの間の距離は1〜200mmの範囲である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記酸化亜鉛膜は非結晶質材料の表面に蒸着される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記スパッタリングは直流マグネトロンスパッタリング又はパルス直流マグネトロンスパッタリングである、請求項1に記載の方法。
  12. 前記スパッタリングは高周波マグネトロンスパッタリングである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記スパッタリングに使用されるターゲットは円筒状又は平面状の形状を有する、請求項9に記載の方法。
  14. 金属亜鉛、酸化亜鉛、又はこれら二つの組み合わせが前記スパッタリングに使用されるターゲットとして使用される、請求項9に記載の方法。
  15. 酸素ガスが、蒸着中の前記皮膜の酸化のために前記基板又は前記スパッタリング用ターゲットに供給される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記スパッタリング用ターゲットは、無添加の酸化亜鉛又はN、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Coからなるグループから選択された少なくとも一つの添加物を有する酸化亜鉛からなる酸化物ターゲットである、請求項1に記載の方法。
  17. 前記スパッタリングに使用されるターゲットはドープされた酸化物であり、Mg、Al、Ga、In、Li、Mn、V、Coからなるグループから選択された添加物の濃度が、前記少なくとも一つの添加物の濃度がその固溶限界以内である酸化亜鉛膜を得るように設定されている、請求項1に記載の方法。
  18. 前記スパッタリングに使用されるターゲットは無添加の酸化亜鉛ターゲット、又は酸化亜鉛と少なくとも他の元素からなる酸化物ターゲットである、請求項1のうちのいずれか1項に記載の方法。
  19. スパッタリング用ガスは純アルゴン又は少なくともアルゴン若しくは酸素を含む混合ガスである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記基板の温度は、前記直流電気バイアスを印加して蒸着をする前記ステップの間は、100〜600℃の範囲内に保持される、請求項1に記載の方法。
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