JP2013164316A - 多回転アブソリュートロータリーエンコーダ - Google Patents

多回転アブソリュートロータリーエンコーダ Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化及び低コスト化が可能であり、且つ、バッテリーが不要な多回転アブソリュートロータリーエンコーダを提供すること。
【解決手段】 モータの出力軸の回転により信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、出力軸に固着された一つの主動歯車と主動歯車に直接噛合される複数の従動歯車と複数の従動歯車の回転角度を検出するセンサとからなる多回転モジュールと、を具備し、従動歯車の歯には番号が割り当てられており、センサにより検出される回転角度から主動歯車と噛合している複数の従動歯車の歯の番号を算出し、算出された主動歯車と噛合している複数の従動歯車の歯の番号の組み合わせから出力軸の回転数を算出するようにし、一の従動歯車の回転角度から出力軸の回転角度を算出するようにし、インクリメンタルエンコーダから出力される信号を用いて出力軸の回転数と回転角度を補正するもの。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、モータの出力軸の回転数と回転角度を検出する多回転アブソリュートロータリーエンコーダに係り、特に、歯車の数を減少させることにより小型化を図ることができるように工夫したものに関する。
従来、例えば、モータの主軸にアブソリュートエンコーダが備えられた電動アクチュエータにおいて、電源をオフにする前の回転数と回転角度を、電源をオフにした後再び電源をオンにした場合にも再現したい場合、以下のような動作を行わせていた。まず、電源オフ時に、その直前の回転数をバッテリーバックアップメモリに記憶させる。そして、電源オフ後に再び電源がオンとなった際に、上記バッテリーバックアップメモリから記憶された回転数を読み込むとともに、回転角度をアブソリュートエンコーダにより検出させる。
しかし、このようなバッテリーバックアップメモリを用いる場合、定期的にバッテリーの交換や充電を行わなければならない。また、バッテリーの交換や充電を怠った場合やバッテリーに何らかの異常があった場合などは、電圧降下によって上記バッテリーバックアップメモリが正常に動作できないこととなってしまう。
そのため、バッテリーバックアップメモリを用いることなく回転数を記憶できるものとして、例えば、出力軸に主動歯車が備えられているとともに連続して噛合された複数の従動歯車があり、上記主動歯車に対して上記連続して噛合された一連の従動歯車が噛合されているものがある。これは、電源オフ後に再び電源をオンとした際に、個々の上記従動歯車の回転数や大まかな回転角度を検出し、これらの回転数や大まかな回転角度の組み合わせによって上記出力軸の回転数を算出するものである。すなわち、上記複数の従動歯車の回転数や大まかな回転角度の組み合わせによって機械的に上記出力軸の回転数が記憶されているものである。
また、特許文献1に挙げるようなものも提案されている。これは主回転軸(出力軸)に備えられた複数の駆動歯車(主動歯車)の夫々に、歯数の異なる複数の従動歯車をそれぞれ直接噛合させた構成となっている。そして、電源オフ後に再び電源をオンとしたときの、上記複数の従動歯車の回転数の組み合わせから主回転軸の回転数を算出するものである。これも同様に、上記複数の従動歯車の回転数の組み合わせによって、機械的に上記主回転軸の回転数が記憶されているものである。
特開2002−107177号公報
しかし、従来の構成では、次のような問題があった。
従動歯車を用いて機械的に主回転軸の回転数を記憶させるものは、一般的には、回転数を記憶させるために必要な従動歯車の数が多くなってしまうため、大型且つ高価格なものとなっていた。特に複数の従動歯車を連続して噛合させたものは、このような傾向が顕著なものとなっている。このような構成の場合、複数の従動歯車が連続して噛合されているので、バックラッシュによる従動歯車の回転角度の誤差が累積して大きなものとなってしまい、上記従動歯車の回転角度を大まかにしか知ることができなくなってしまう。そのため、上記複数の従動歯車の回転角度の組み合わせによって上記出力軸の回転数を記憶させようとすると、上記出力軸の回転数を十分に記憶させるために必要な上記従動歯車の回転角度の組み合わせを確保するために上記従動歯車の数を多くしなければならない。これに対しては、従動歯車の回転数の組み合わせから上記出力軸の回転数を算出する方法もあるが、この場合には処理が複雑になってしまう。
また、前述した特許文献1に記載されたものは、複数の駆動歯車(主動歯車)を用いているため、用いられている歯車の総数が多くなってしまい、依然として小型化が不十分であり、高価格なものとなっている。又、従動歯車の回転数の組み合わせから出力軸の回転数を算出するようにしているので、同様に処理が複雑になってしまう。
本発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、歯車の数を減少させることにより小型化を図ることが可能な多回転アブソリュートロータリーエンコーダを提供することにある。
上記課題を解決するべく請求項1に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、モータの出力軸に設けられ上記出力軸の回転により信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、上記出力軸に設けられ上記出力軸に固着された一つの主動歯車と上記主動歯車に直接噛合される複数の従動歯車と上記複数の従動歯車の回転角度をそれぞれ検出するセンサとからなる多回転モジュールと、を具備し、上記従動歯車に形成された歯のそれぞれには番号が割り当てられており、上記センサにより検出される回転角度から上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号をそれぞれ算出し、算出された上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号の組み合わせから上記出力軸の回転数を算出するようにし、上記複数の従動歯車の内の一の従動歯車の回転角度から上記出力軸の回転角度を算出するようにし、上記インクリメンタルエンコーダから出力される信号を用いて上記算出された出力軸の回転数と上記算出された上記出力軸の回転角度を必要に応じて補正することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記インクリメンタルエンコーダから出力される信号はパルス波であり、上記一の従動歯車の回転角度を上記パルス波に対応させ、上記パルス波の1パルス内の位相情報を参照して上記算出された出力軸の回転数と上記算出された出力軸の回転角度を必要に応じて補正することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項1又は請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、3個以上の上記従動歯車が上記主動歯車に噛合されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車の歯数が上記複数の従動歯車のうち最も歯数が多い従動歯車の歯数以上であることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記3個以上の従動歯車のうちの一の従動歯車の歯数が上記主動歯車の歯数の整数倍、もしくは、上記主動歯車の歯数が上記一の従動歯車の歯数の整数倍となっていることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車について算出された上記主動歯車と噛合されている上記従動歯車の歯の番号が切り替わる直前又は切り替わった直後となっているか否かを判定し、直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか一方の上記算出された歯の番号を直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか他方の上記算出された歯の番号に合わせる補正を行うことを特徴とするものである。
また、請求項7に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車には永久磁石が固着されており、上記永久磁石は上記従動歯車の直径方向に着磁されており、上記センサは磁気センサであり上記従動歯車が回転する際の上記永久磁石による磁界強度の変化により上記従動歯車の回転角度を検出するものであることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車は金属製であるとともに上記従動歯車は樹脂製であることを特徴とするものである。
以上述べたように、請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、モータの出力軸に設けられ上記出力軸の回転により信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、上記出力軸に設けられ上記出力軸に固着された一つの主動歯車と上記主動歯車に直接噛合される複数の従動歯車と上記複数の従動歯車の回転角度をそれぞれ検出するセンサとからなる多回転モジュールと、を具備し、上記従動歯車に形成された歯のそれぞれには番号が割り当てられており、上記センサにより検出される回転角度から上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号をそれぞれ算出し、算出された上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号の組み合わせから上記出力軸の回転数を算出するようにしている。
すなわち、一つの主動歯車に複数の従動歯車が直接噛合された構成となっているため、従動歯車を連ねた構成とした場合に見られるバックラッシュの累積が発生せず、上記従動歯車におけるバックラッシュによる回転角度の誤差を大幅に低減することができる。そして、上記従動歯車の歯数が多い場合であっても上記従動歯車の回転角度に基づいて上記従動歯車が上記主動歯車に対して噛合されている歯の番号を正確に算出することができ、これにより上記従動歯車の歯数を増やすことができる。その結果、上記出力軸の回転数を十分に記憶するために必要な上記複数の従動歯車の歯の番号の組み合わせをより少ない上記従動歯車によって確保することができる。そして、上記従動歯車の数を減らすことにより、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダを小型化・低コスト化することができるものである。
また、一つの主動歯車に複数の従動歯車が直接噛合された構成となっていることから、使用される歯車の総数を少なくすることができ、これによっても上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダの小型化・低コスト化が担保されている。
また、上記従動歯車は上記主動歯車のみに噛合されているので、上記従動歯車の負荷モーメントは上記従動歯車自身による回転抵抗のみであり小さなものとなっている。そのため、上記従動歯車および上記主動歯車の耐摩耗性能が高くなり、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダの信頼性が高いものとなっている。
また、上記出力軸の回転数を得ることのできる多回転モジュールとは別に、インクリメンタルエンコーダを備えているため、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダの用途などに応じて様々な種類のインクリメンタルエンコーダを選択することができる。
また、電源オフ時の上記出力軸の回転数が上記複数の従動歯車の上記主動歯車と噛み合っている歯の歯数番号の組み合わせによって機械的に記憶されるため、バッテリーバックアップメモリを用いる必要がない。
また、上記インクリメンタルエンコーダから出力される信号を用いて上記算出された出力軸の回転数の補正を行っているため、上記出力軸の回転数を正確に求めることができる。
また、上記複数の従動歯車の一の従動歯車の回転角度から上記出力軸の回転角度を算出するようにしているため、高価なアブソリュートエンコーダを別途設けることなく上記出力軸の回転角度を求めることができる。
これに加え、上記インクリメンタルエンコーダから出力される信号を用いて上記算出された上記出力軸の回転角度を補正するため、上記出力軸の回転角度を正確に求めることができる。
また、高価なアブソリュートエンコーダに代えて安価なインクリメンタルエンコーダを使用しているので、コストの低減を図ることができる。
また、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記インクリメンタルエンコーダから出力される信号はパルス波であり、上記一の従動歯車の回転角度を上記パルス波に対応させ、上記パルス波の1パルス内の位相情報を参照して上記算出された出力軸の回転数と上記算出された出力軸の回転角度を補正するものであるため、上記算出された出力軸の回転数と上記算出された出力軸の回転角度の補正をより精密に行うことができる。
また、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項1又は請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、3個以上の上記従動歯車が上記主動歯車に噛合されているため、個々の歯車の歯数を少なくしても上記出力軸の回転数の記憶に必要な歯の番号の組み合わせを十分に確保することができる。
また、歯数を少なくすることができるので上記主動歯車や上記従動歯車の小型化を図ることができ、それによって、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダを小型化・低コスト化することができる。
また、請求項4記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車の歯数が上記複数の従動歯車のうち最も歯数が多い従動歯車の歯数以上であるため、上記主動歯車が固着された上記出力軸の径を十分に大きくすることができ、上記出力軸の回転による振れを抑えることができる。
また、上記出力軸の径を大きくすると上記出力軸の剛性も高くなり、上記多回転モジュールや上記インクリメンタルエンコーダを安定して上記出力軸に取り付けることができる。
また、上記主動歯車の歯数が多くなることにより上記主動歯車の径も大きくなり、上記主動歯車のバックラッシュの大きさが同じでも上記バックラッシュあたりの回転角度が小さくなるため、上記主動歯車に噛合された上記複数の従動歯車を用いた上記出力軸の回転数の算出に対する上記バックラッシュの影響を小さくすることができる。
また、請求項5記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記3個以上の従動歯車のうちの一の従動歯車の歯数が上記主動歯車の歯数の整数倍、もしくは、上記主動歯車の歯数が上記一の従動歯車の歯数の整数倍となっているため、上記一の従動歯車の回転数について簡易な補正を行うだけで、上記出力軸の回転数を算出する際の処理に用いることができる。
また、請求項6の多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車について算出された上記主動歯車と噛合されている上記従動歯車の歯の番号が切り替わる直前又は切り替わった直後となっているか否かを判定し、直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか一方の上記算出された歯の番号を直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか他方の上記算出された歯の番号に合わせる補正を行うため、上記従動歯車の回転角度から算出される上記主動歯車と噛み合っている上記従動歯車の歯の番号のバックラッシュによる誤差を補正することができ、このことが上記従動歯車の上記主動歯車と噛み合っている歯の歯数番号の組み合わせから上記出力軸の正確な回転数を確実に算出することに大きく寄与している。
また、一つの主動歯車に複数の従動歯車が直接噛合された構成となっていることから、バックラッシュによる影響がない状態であれば、上記主動歯車に対する全ての上記従動歯車の噛合状態が同じ、すなわち、算出される上記歯の番号が全ての上記従動歯車について同時に切り替わっていくようになっているので、算出された上記従動歯車の歯の番号の補正を容易に行うことができる。
また、請求項7記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車には永久磁石が固着されており、上記永久磁石は上記従動歯車の直径方向に着磁されており、上記センサは磁気センサであり上記従動歯車が回転する際の上記永久磁石による磁界強度の変化により上記従動歯車の回転角度を検出するようにしているので、小型且つ安価な磁気センサを用いることにより小型の上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダを容易且つ安価に構成することができる。
また、請求項8記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車は金属製であるとともに上記従動歯車は樹脂製であるため、上記従動歯車の製造が容易になり、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダをより安価なものとすることができるとともに、金属製の上記主動歯車によって上記従動歯車の熱を効果的に逃がすことができ、耐久性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による多回転アブソリュートロータリーエンコーダを備えたアクチュエータの一部を示す図である。 本発明の一実施の形態を示す図であり、図2(a)はインクリメンタルエンコーダの構造を模式的に示した斜視図、図2(b)はインクリメンタルエンコーダの構造を模式的に示した側面図である。 本発明の一実施の形態を示す図であり、図3(a)はインクリメンタルエンコーダの受光素子によって得られる波形を示す図、図3(b)は図3(a)の波形を整形し矩形波としたものを示す図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による多回転アブソリュートロータリーエンコーダの多回転モジュールを示す縦断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図4におけるIII−III断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、本実施の形態による多回転アブソリュートロータリーエンコーダの磁気センサに設けられた複数のホール素子と永久磁石の磁極との関係を示した図、図6(a)は上記永久磁石が基準位置から回転していない状態を示す図、図6(b)は上記永久磁石が基準位置から反時計方向に90°回転した状態を示す図、図6(c)は上記永久磁石が基準位置から反時計方向に180°回転した状態を示す図、図6(d)は上記永久磁石が基準位置から反時計方向に270°回転した状態を示す図である。 本発明の一実施の形態を示す図であり、主動歯車と従動歯車とが噛合される様子を模式的に示した図であり、図7(a)は出力軸(主動歯車)が時計回り方向に回転されて停止・固定された直後の、上記主動歯車と上記従動歯車とが噛合されている状態を示す図、図7(b)は図7(a)の状態から上記従動歯車がバックラッシュの範囲で回転された状態を示す図である。 本発明の一実施の形態を示す図であり、図8(a)は算出された主動歯車と噛合されている従動歯車の歯数番号の小数点以下の値が0以上1/3未満となる状態で出力軸が停止した場合にバックラッシュの分だけ上記従動歯車が回転された場合を示す図、図8(b)は算出された主動歯車と噛合されている従動歯車の歯数番号の小数点以下の値が1/3以上2/3未満となる状態で出力軸が停止した場合にバックラッシュの分だけ上記従動歯車が回転された場合を示す図、図8(c)は算出された主動歯車と噛合されている従動歯車の歯数番号の小数点以下の値が2/3以上1未満となる状態で出力軸が停止した場合にバックラッシュの分だけ上記従動歯車が回転された場合を示す図である。 本発明の一実施の形態を示す図であり、出力軸の回転数と、主動歯車の歯数番号と、上記主動歯車と噛み合っている上記第1従動歯車の歯数番号と、上記主動歯車と噛み合っている第2従動歯車の歯数番号と、上記主動歯車と噛み合っている第3従動歯車の歯数番号との関係を示した表である。 本発明の一実施の形態を示す図であり、図10(a)は第1従動歯車のパルス番号と出力軸のパルス番号が一致している状態を示す図、図10(b)は第1従動歯車のパルス番号が出力軸のパルス番号に対して遅れている状態を示す図、図10(c)は第1従動歯車のパルス番号が出力軸のパルス番号に対して進んでいる状態を示す図である。
以下、図1乃至図10を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。
本実施の形態による多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1は、例えば、図1に示すような形態で用いられる。すなわち、アクチュエータ2の動力源としてステッピングモータ3が備えられており、このステッピングモータ3の出力軸5に対してインクリメンタルエンコーダ7と多回転モジュール9が取り付けられている。上記ステッピングモータ3は磁極数が、例えば、200となっている。
また、コントローラ11が設置されており、信号線11aによって上記コントローラ11と上記インクリメンタルエンコーダ7とが接続されているとともに、信号線11bによって上記コントローラ11と上記多回転モジュール9とが接続されている。そして、上記コントローラ11によって上記インクリメンタルエンコーダ7から上記出力軸5の回転に対応するパルス波Pとパルス波Pが取得されるとともに、上記多回転モジュール9から上記出力軸5の回転数と後述する第1従動歯車15aの回転角度が取得される。そして、上記コントローラ11は、後述するように、上記パルス波P、Pを用いて上記多回転モジュール9から取得された上記出力軸5の回転数と上記第1従動歯車15aの回転角度の補正を行うものである。
なお、本実施の形態の場合は、上記インクリメンタルエンコーダ7は上記出力軸5の先端側(図1中左端側)に設けられ、上記多回転モジュール9は上記インクリメンタルエンコーダ7よりも上記ステッピングモータ3側(図1中右側)に設けられている。
上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1とは、インクリメンタルエンコーダ7と多回転モジュール9とから構成されるものである。
上記アクチュエータ2は、例えば、上記ステッピングモータ3の出力軸5に接続された図示しないボールネジと、このボールネジに螺合されたボールナットと、このボールナットに固着されたスライダから構成されており、上記ボールネジが上記ステッピングモータ3によって回転されることで上記ボールナット、ひいては上記スライダが移動される構成となっているものである。そして、上記出力軸5の回転数と回転角度から、上記スライダの現在位置を求めることができる。
また、上記インクリメンタルエンコーダ7は、図2に示すように、上記出力軸5に固着されたエンコーダスケール10a、光源10b、10b、受光素子10c、10c、及び、スリット板10dとから構成されている。また、上記エンコーダスケール10aの外周側には一定の間隔で複数のスリット10eが形成されている。また、上記スリット板10dには、上記光源10bと上記受光素子10cに対応するスリット10fと、上記光源10bと上記受光素子10cに対応するスリット10fが形成されている。また、上記インクリメンタルエンコーダ7は、後述するように、上記出力軸5の回転に対応するパルス波Pとパルス波Pを出力するものである。
また、上記多回転モジュール9は、以下のような構成を成しているものである。
まず、図4や図5に示すようにケース12がある。このケース12は、内部に空間12aを備えた中空形状を成しており、図4中下側に向けた開口部12bが形成されているものである。また、上記ケース12の上側には貫通孔12cが穿孔されている。また、上記ケース12の開口部12bはベースプレート12dによって閉塞されている。このベースプレート12dには、貫通孔12eが穿孔されている。また、上記ベースプレート12dの上記貫通孔12eの周囲には、貫通孔12f、貫通孔12g、貫通孔12hが穿孔されている。
なお、図4において、貫通孔12fは図示されていない。
また、上記貫通孔12c、12eを介して、上記ケース12内を上記出力軸5が貫通している。
また、図4や図5に示すように、上記ケース12内には上記出力軸5に固着された主動歯車13がある。そして、この主動歯車13に直接噛合された、第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cが設けられている。上記主動歯車13には複数(例えば、37個)の歯が形成されており、個々の上記歯には歯数番号が割り当てられている。この歯数番号は0から始まり、上記出力軸5の正回転方向(図5中時計回り方向)に向かって1ずつ増加していく整数となっている。すなわち、上記歯数番号は0〜36までの整数となっている。
また、上記第1従動歯車15aにも同様に複数(例えば、37個)の歯が形成されており、個々の上記歯には歯数番号が割り当てられている。この歯数番号は0から始まり、上記第1従動歯車15aの正回転方向(図5中反時計回り方向)に向かって1ずつ増加していく整数となっている。すなわち、上記歯数番号は0〜36までの整数となっている。また、上記第1従動歯車15aの歯数は、上記主動歯車13の歯数と同数である。
また、上記第2従動歯車15bにも複数(例えば、31個)の歯が形成されており、個々の上記歯には歯数番号が割り当てられている。この歯数番号は0から始まり、上記第2従動歯車15bの正回転方向(図5中反時計回り方向)に向かって1ずつ増加していく整数となっている。すなわち、上記歯数番号は0〜30までの整数となっている。
また、上記第3従動歯車15cにも複数(例えば、29個)の歯が形成されており、個々の上記歯には歯数番号が割り当てられている。この歯数番号は0から始まり、上記第3従動歯車15cの正回転方向(図5中反時計回り方向)に向かって1ずつ増加していく整数となっている。すなわち、上記歯数番号は0〜28までの整数となっている。
なお、上記従動歯車の歯数は互いに素な数であることが望ましい。上記従動歯車の歯数が互いに素となっていれば、歯数番号の組み合わせに重複が生じず、上記出力軸の回転数を記憶するための上記歯数番号の組み合わせをより多く確保することができるからである。
また、上記第1従動歯車15aにはシャフト15aが突出・形成されている。同様に、上記第2従動歯車15bにはシャフト15bが突出・形成されており、上記第3従動歯車15cにはシャフト15cが突出・形成されている。
また、上記主動歯車13は、例えば、磨耗粉が後述する磁気センサ19a等に影響を与えないように非磁性である黄銅などの金属製であり、上記第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cは、例えば、樹脂製である。
また、上記第1従動歯車15aと上記主動歯車13とが噛合されている歯の間にはバックラッシュがあるが、このバックラッシュの大きさは上記第1従動歯車15aの一つの歯あたりの回転角度の1/3よりも小さく設定されている。上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cについても、バックラッシュの大きさが同様に設定されている。このようにバックラッシュの大きさが設定されていることは、後述する算出された歯数番号N、歯数番号N、歯数番号Nの補正の際に考慮される上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転角度の変動幅に関係するものである。
また、図5に示すように、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cは、上記ベースプレート12dの貫通孔12f、12g、12hに設けられた軸受17a、17b、17cに取り付けられ、回転可能なものとなっている。すなわち、上記出力軸5及び上記主動歯車13が回転しても、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの上記ケース12内での位置は変化せず、その場で回転するようになっている。
ここで、上記軸受17a、17b、17cの構成について説明する。上記軸受17a、17b、17cは同じ構成のものであり、まず、外輪18aがあり、その内側に内輪18bが内装されている。そして、上記外輪18aと上記内輪18bとの間には、複数の転動体18cが介挿されている。また、上記外輪18aと上記内輪18bとの間には、上記転動体18cの位置を規定するための保持器18dも介挿されている。そのため、上記貫通孔12f、12g、12hの内周面と当接される上記外輪18aに対して、上記内輪18bが回転可能となっている。
そして、上記内輪18bに上記第1従動歯車15aのシャフト15a、上記第2従動歯車15bのシャフト15b、上記第3従動歯車15cのシャフト15cが挿入・固定されている。そのため、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cが回転可能となっている。
また、上記アクチュエータ2の図示しないスライダが原点に戻った状態では、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの歯数番号が0の歯が上記主動歯車13と噛合されるように設定されている。また、このとき、上記主動歯車13の歯数番号が0の歯と上記第1従動歯車15aの歯数番号が0の歯とが噛合された状態となるように設定されている。また、この場合の上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15c、及び、上記主動歯車13の位置を基準位置(上記各歯車の回転角度が0である位置)とする。
また、上記主動歯車13、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cは、図4及び図5に示すように、同一平面上に配置されている。
また、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cには、それぞれ、永久磁石19a、19b、19cが同心位置にて固着されている。これら永久磁石19a、19b、19cは略円柱形状を成しており、径方向に着磁されているものである。また、図4や図5に示すように、上記永久磁石19a、19b、19cは、その長さ方向が上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転軸の方向と一致するように固着されている。すなわち、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転軸が上記永久磁石19a、19b、19cは、そのN極とS極の中間を通るように設定されている。また、上記永久磁石19a、19b、19cは、例えば、温度安定性の良好なサマリウムコバルト磁石である。
また、上記ケース12内の上記永久磁石19a、19b、19cと向かい合う側には、基板21が設置されており、この基板21上には、磁気センサ23a、23b、23cが実装されている。この磁気センサ23a、23b、23cは、それぞれ、上記永久磁石19a、19b、19cに対応した位置に実装されており、上記永久磁石19a、19b、19cの回転による磁界強度の変化から上記永久磁石19a、19b、19cの回転角度を検出するためのものである。
上記磁気センサ23a、23b、23cの内部には、それぞれ4つのホール素子が上記永久磁石19a、19b、19cの回転方向に沿って円周上に90度間隔で設けられているものである。この4つのホール素子の位置について、上記磁気センサ23aと上記永久磁石19aを例に挙げて図示すると、図6に示すようになっている。すなわち、上記磁気センサ23aには、図6に示すように、第1ホール素子25a、第2ホール素子25b、第3ホール素子25c、第4ホール素子25dが設けられている。これらのホール素子によって検出される磁界強度を用いて演算することによって、上記永久磁石19a、19b、19cの回転角度、ひいては、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転角度が導き出されるものである。
また、後述するように、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの個々の回転角度から、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cのそれぞれが何れの歯数番号の歯によって、上記主動歯車13と噛合されているかを算出するようになっている。そして、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの、上記主動歯車13と噛合されている歯数番号の組み合わせから、上記出力軸5の回転数を導き出すようになっている。
また、図4に示すように、上記永久磁石19a、19b、19cと上記磁気センサ23a、23b、23cとの間には僅かに空間があり、両者は接触していない。
また、上記基板21には、図示しない電子部品も実装されている。また、図4に示すように、上記基板21は、上記基板21と上記ケース12内の図4中上側の壁面との間に空間が確保されるように設けられており、この空間内に上記図示しない電子部品の一部が配置されるようになっている。
次に、本実施の形態による多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の作用について説明する。
まず、多回転モジュール9の作用について説明する。
ステッピングモータ3の出力軸5が正方向、すなわち、図5中時計回り方向に回転されると、主動歯車13も同方向に回転される。一方、上記主動歯車13に噛合されている第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cは、上記主動歯車13の回転に伴って、図5中反時計回り方向に回転される。
上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cが回転されると、永久磁石19a、19b、19cもそれぞれ回転されることとなる。この永久磁石19a、19b、19cの回転によって、磁気センサ23a、23b、23c付近の磁界強度が変化し、その磁界強度の変化が上記磁気センサ23a、23b、23cによって測定され、この磁界強度の変化から上記永久磁石19a、19b、19cの回転角度、ひいては、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転角度が導き出される。
ここで、上記磁界強度の変化を測定し、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転角度を導き出す際の処理について、図6を参照しながら、上記第1従動歯車15a、すなわち、永久磁石19aと磁気センサ23aを例に挙げて説明する。なお、図6において、上記永久磁石19a上のハッチングを施した側がN極であり、ハッチングの施されていない側がS極である。
上記第1従動歯車15a(永久磁石19a)を図6中反時計方向に回転させると、図6(a)〜図6(d)に順に示すように、上記永久磁石19aのN極又はS極とホール素子25a、25b、25c、25dとの距離が変化していく。例えば、上記ホール素子25aと上記永久磁石19aのN極との関係について説明すると、図6(a)においては最も両者の距離が近い状態となっているが、上記第1従動歯車15a(永久磁石19a)の回転に従って徐々に離れていき、図6(c)においては最も離れているが、その後、再び上記永久磁石19aのN極が上記ホール素子25aに接近してくる。このような一連の動きにおいて上記ホール素子25aによって検出される図6紙面垂直方向の磁界の強度変化はサイン波形状の曲線として得られる。
また、前述の一連の動きにおいて、上記ホール素子25aから上記第1従動歯車15aの回転方向に90度進んだ位置にあるホール素子25bでは、上記ホール素子25aによって得られた上記サイン波形状の曲線から1/4周期だけ位相が進んだ曲線、すなわちコサイン波形状の曲線が得られることになる。
また、上記ホール素子25aに対向する位置にあるホール素子25cにおいては上記ホール素子25aによって得られた上記サイン波形状の曲線を反転させたサイン波形状の曲線が得られ、上記ホール素子25bに対向する位置にあるホール素子25dにおいては上記ホール素子25bによって得られた上記コサイン波形状の曲線を反転させたコサイン波形状の曲線が得られることになる。
そのため、上記ホール素子25cを用いて、対向する位置にある上記ホール素子25aに対して磁界強度を差動検出させることで、上記ホール素子25aにおいて得られる上記サイン波形状の曲線の2倍の振幅を有するサイン波形状の曲線が得られる。また、同様に、上記ホール素子25dを用いて、上記ホール素子25bに対して磁界強度を差動検出させることで、上記ホール素子25bにおいて得られる上記サイン波形状の曲線の2倍の振幅を有するサイン波形状の曲線が得られる。
そして、上記第1従動歯車15aの回転角度をθとすると、次の式(1)が成立する。
tanθ=sinθ/cosθ ―――(1)
そのため、上記回転角度θは次の式(2)によって求められることになる。
θ=tan−1(tanθ) ―――(2)
このようにして、上記第1従動歯車15aの回転角度θが求められる。
また、上記第2従動歯車15bや上記第3従動歯車15cについても、同様にして、永久磁石19b、19cの回転による磁界強度の変化から、回転角度が求められる。
このような回転角度を求める演算は、例えば、磁気センサ23a、23b、23c内のDSP(Digital Signal Processor)やCPU等によって行われる。
次に、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転角度から、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号を算出する処理について説明する。ここでは、上記第1従動歯車15aを例に挙げて説明する。
まず、前述したように、上記出力軸5の回転数が0で回転角度も0のとき、すなわち、上記出力軸5が原点にある場合は、上記第1従動歯車15aは、歯数番号が0の歯によって上記主動歯車13と噛合された状態となっている。そのため、上記第1従動歯車15aがθ度回転された場合の、上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号Nは、上記第1従動歯車15aの歯数をQとすると、次の式(3)によって求められる。
N=θ×Q/360 ―――(3)
但し、
N:歯数番号
θ:回転角度(第1従動歯車15aが図5中反時計方向に回転された方向を正
とする。)
Q:歯数
上記歯数番号Nの算出と同様にして、上記第2従動歯車15bや上記第3従動歯車15cについても、上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号を求めることができる。なお、これ以降は、ここで算出された上記主動歯車13と噛合されている上記第1従動歯車15aの歯の歯数番号をNとする。また、ここで算出された上記主動歯車13と噛合されている上記第2従動歯車15bの歯の歯数番号をNとする。また、ここで算出された上記主動歯車13と噛合されている上記第3従動歯車15cの歯の歯数番号をNとする。
また、上記歯数番号N、N、Nの整数部分を、それぞれ、歯数番号N′、N′、N′とする。
次に、上記歯数番号N′、N′、N′の組み合わせから、主動歯車13、ひいては、出力軸5の回転数を算出する処理について、図5、図7、図8、及び、図9を参照しながら説明する。
なお、この説明においては、説明を行いやすくするため、主動歯車13、第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cの歯の数を前述した場合よりも減らしている。具体的には、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15aの歯数は共に5個、上記第2従動歯車15bの歯数は4、上記第3従動歯車15cの歯数は3と設定されている。
本実施の形態の場合、例えば、上記主動歯車13(出力軸5)が図5中時計回り方向に回転されると、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cは反時計回り方向に回転されるものとなっている。
また、上記主動歯車13(出力軸5)の回転数とは、上記主動歯車13(出力軸5)が図5中時計回り方向に回転すると増加していくものであり、逆に上記主動歯車13(出力軸5)が図5中反時計回り方向に回転すると減少していくものである。
図9に示す表の「回転数」の欄は上記出力軸5(上記主動歯車13)の回転数を示し、「主動歯車」の欄は上記主動歯車13の上記第1従動歯車15aと噛合されている歯の歯数番号(以下、歯数番号N′とする)を示しており、「第1従動歯車」の欄は上記第1従動歯車15aの上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号Nを示しており、「第2従動歯車」の欄は上記第2従動歯車15bの上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号Nを示しており、「第3従動歯車」の欄は上記第3従動歯車15cの上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号Nを示している。すなわち、図9の表は、上記主動歯車13(出力軸5)の回転数と、上記歯数番号N′、N′、N′との対応関係を表したものである。
まず、上記アクチュエータ2の図示しないスライダが原点復帰した状態となっており、上記出力軸5(上記主動歯車13)が全く回転されていない状態(上記出力軸5の回転数が0で、回転角度も0の状態)では、図9の表に示すように、上記歯数番号N、上記歯数番号N、上記歯数番号Nは共に「0」となっており、当然、上記歯数番号N′、N′、N′、N′も「0」となっている。
そして、上記出力軸5(上記主動歯車13)が図5中時計回り方向に回転されると、上記歯数番号N、N、Nが増加していき、上記歯数番号N′、N′、N′、N′も1ずつ増加していくが、一周してしまった歯車については、上記歯数番号が0に戻る。上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cは、前述したようにそれぞれ異なる歯数に設定されているため、上記主動歯車13の図5中時計回り方向への回転が進むと、ステップごとに異なった上記歯数番号N′、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′の組み合わせが発生する。
そして、このようにして上記歯車群が駆動された際の上記歯数番号N′、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′の組み合わせの最大数(以下、最大組合せ数)は、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの歯数が互いに素である場合には、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの歯数の積となる。そのため、上記主動歯車13の回転により進行したステップ数が上記最大組合せ数に達するまでは、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′の組み合わせを判定することによって、上記出力軸5(上記主動歯車13)の回転数を算出することができる。
具体的には、上記第1従動歯車15aの歯数は5個、上記第2従動歯車15bの歯数は4個、上記第3従動歯車15cの歯数は3個となっているので、図9の表に示すように、上記最大組合せ数は60通りである。また、上記第1従動歯車15aが11回転し、12回転目の回転を行う直前に上記主動歯車13のステップ数が最大組合せ数に達するので、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′の組み合わせによって上記主動歯車13の回転数、ひいては、上記出力軸5の回転数を0以上12未満まで算出することができる。
そして、前述のように算出された上記歯数番号N′、N′、N′の組み合わせを図9の表に照らし合わせることで、出力軸5の回転数が算出される。例えば、上記歯数番号N′が1、上記歯数番号N′が3、上記歯数番号N′が2の場合は、図9の表のNo.11に該当し、上記出力軸5の回転数は2回転となる。
このようにして上記出力軸5の正確な回転数を求めるためには、上記歯数番号N、N、Nが正しいことが前提となる。よって、この正しい歯数番号N、N、Nを得るために後述する歯数番号の補正を行う。また、上記歯数番号N、N、Nの補正を行っても上記出力軸5の正確な回転数が求められない場合もあるが、その際には補正後の歯数番号N、N、Nから求められた上記出力軸5の回転数に対する補正を行う。上記歯数番号N、N、Nの補正は、例えば、次のような理由により行われるものである。
図7に示すように、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15a等との噛合された歯の間にはバックラッシュ(遊び、図7(a)中符号Dで示す。)がある。そのため、上記出力軸5(主動歯車13)がある方向に回転された後、停止・固定された直後の状態から振動等の外力の影響を受けると、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cが上記バックラッシュの範囲内で回転されてしまう可能性がある。
図7は、このような状態を示した図であり、図7(a)は図7中時計回り方向に回転していた上記出力軸5(主動歯車13)を停止・固定させた直後の主動歯車13と第1従動歯車15aの状態を示した図であり、図7(b)は図7(a)の状態から第1従動歯車15aがバックラッシュの範囲内で回転した状態を示した図である。
また、図7(a)及び図7(b)において、一点鎖線で示す直線Aは上記第1従動歯車15aの回転中心と上記第1従動歯車15aの一の歯の中央を通る線である。また、図7(b)において、破線で示す直線Bは、上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの範囲で回転される前の状態(図7(a)に示す状態)における直線Aの位置を示すものである。
なお、この図7においては、上記主動歯車13及び上記第1従動歯車15aは模式的に示されたものとなっている。
そして、このようなバックラッシュの範囲内で上記第1従動歯車15a等が回転してしまうと、上記歯数番号N、N、Nの整数部分が切り替わる境界にある場合、すなわち、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15aとが噛合されている歯数番号が切り替わる直前(次の歯と噛合しようとする直前)や切り替わった直後(次の歯と噛合された直後)にある場合に上記出力軸5を停止・固定させると、前述のようにして算出された歯数番号N′、N′、N′と実際に上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号とが異なってしまう(歯数番号が切り替わってしまう)ことが懸念される。このようにして実際の歯数番号に対してずれてしまった上記歯数番号N、N、Nを補正しなければ、出力軸5の正確な回転数は算出できないからである。
例えば、上記出力軸5が停止・固定された直後は上記歯数番号N′が1、上記歯数番号N′が3、上記歯数番号N′が2であり、図9の表のNo.11に該当する回転数「2」を示すものであったが、上記歯数番号N′が0に変動してしまうと、図9の表から求められる回転数が「10」(図9の表におけるNo.51に該当)となってしまう。
そして、本実施の形態の場合、前述したように上記バックラッシュの大きさが、上記第1従動歯車15a等の一つの歯あたりの回転角度の1/3よりも小さく設定されている。そのため、前述のようにバックラッシュの範囲内で上記第1従動歯車15a等が回転されてしまった場合、算出された上記歯数番号N、N、Nの小数部分の大きさによって、上記歯数番号N、N、Nの整数部分、すなわち、上記歯数番号N′、N′、N′が実際の歯数番号よりも大きな歯数番号に切り替わってしまったか、小さい歯数番号に切り替わってしまったか、それとも切り替わっていないのかを判別することができる。このような判別ができるのは、以下の理由によるものである。
まず、前述のように上記バックラッシュの大きさが、上記第1従動歯車15a等の一つの歯あたりの回転角度の1/3よりも小さく設定されているので、上記バックラッシュによる上記歯数番号N、N、Nの変動の幅は1/3より小さな値となる。
そのため、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「0以上1/3未満」となる状態で上記出力軸5が停止・固定された場合は、上記第1従動歯車15a等が上記バックラッシュの範囲で回転されてしまったとしても、上記歯数番号N、N、Nはその整数部分が変わってしまうほど変動することはない。
また、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「1/3以上2/3未満」となる状態で上記出力軸5が停止・固定された場合も、上記第1従動歯車15a等が上記バックラッシュの範囲で回転されてしまったとしても、上記歯数番号N、N、Nはその整数部分が変わってしまうほど変動することはない。
しかし、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「2/3以上1未満」となる状態で上記出力軸5が停止・固定された場合は、上記第1従動歯車15a等が上記バックラッシュの範囲で回転されてしまうと、上記歯数番号N、N、Nはその整数部分が変わってしまうほどに変動してしまう可能性がある。(例えば、「1.9」であったNが「2.1」になってしまう。)
このようなバックラッシュによる上記歯数番号N、N、Nの変動を図8に図示する。ここで、算出される上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「0以上1/3未満」の場合を状態α、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「1/3以上2/3未満」の場合を状態β、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「2/3以上1未満」の場合を状態γとし、図8中の扇状のスケールCに表示する。
図8中破線で示す図形は、上記出力軸5(主動歯車13)が図8中時計回り方向に回転されて停止・固定された直後の上記第1従動歯車15aの状態を示したものであり、図8中実線で示す図形(上記主動歯車13と上記スケールCは除く)は上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの分だけ回転されてしまった状態を示すものである。
まず、回転されていた上記出力軸5が停止・固定された直後においては、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの全てが、上記状態α、β、γの何れかの同じ状態となっている。
そして、図8(a)に、上記状態αとなる状態で、図8中時計回り方向に回転されていた上記出力軸5(主動歯車13)が停止・固定された様子を示す。この場合、上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの分だけ回転されてしまったとしても、上記第1従動歯車15aは上記歯数番号Nの整数部分が切り替わらずに同じ歯数番号N′で状態βとなるだけである。
また、図8(b)には、上記状態βとなる状態で、図8中時計回り方向に回転されていた上記出力軸5(主動歯車13)が停止・固定された様子を示す。この場合も、上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの分だけ回転されてしまったとしても、上記第1従動歯車15aは上記歯数番号Nの整数部分が切り替わらずに同じ歯数番号N′で状態γとなるだけである。
また、図8(c)には、上記状態γとなる状態で、図8中時計回り方向に回転されていた上記出力軸5(主動歯車13)が停止・固定された様子を示す。この場合は、上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの分だけ回転されてしまうと、上記第1従動歯車15aは上記歯数番号Nの整数部分が切り替わってしまい(整数部分が+1となってしまい)、次の歯数番号における状態αとなってしまう。
なお、ここでは、上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの範囲で回転される可能性ついて説明したが、他の第2従動歯車15bや第3従動歯車15cについても、同様に回転されてしまう可能性がある。
また、図8においては、上記主動歯車13及び上記第1従動歯車15aや、これらの歯車の噛合の状態は、模式的に図示されたものである。
また、前述の説明は、上記歯数番号N、N、Nが増加する方向に上記出力軸5が回転する場合について説明したものである。一方、上記歯数番号N、N、Nが減少する方向に上記出力軸5が回転する場合についても同様に、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「0以上1/3未満」となる状態で上記出力軸5が停止・固定された場合には、上記第1従動歯車15a等が上記バックラッシュの範囲で回転されてしまうと、上記歯数番号N、N、Nはその整数部分が変わってしまうほどに変動してしまう可能性がある。(例えば、「1.1」であったNが「0.9」になってしまう。)
また、前述した機械的なバックラッシュだけでなく、電気的な磁気センサ23a等の検出精度や温度変化等による影響によって測定される回転角度が変動し、同様に上記歯数番号N、N、Nの変動が起きる場合もある。よって、厳密には、上記バックラッシュの幅は上記磁気センサ23a等の検出精度や温度変化等の要因も考慮して設定されているものである。
以上のようにして、上記バックラッシュ等によって上記歯数番号N、N、Nの整数部分(上記歯数番号N′、N′、N′)が変動してしまう可能性があるため、本実施の形態では次のようにして上記歯数番号N、N、Nの補正を行い、補正後の歯数番号N、N、Nの整数部分である歯数番号N′、N′、N′から上記出力軸5の回転数を求める。
まず、図8(a)に示すように、上記出力軸5(主動歯車13)が上記歯数番号N、N、Nが増加する方向(図8中時計回り方向)に回転され、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「0以上1/3未満」となる状態で停止・固定された場合、すなわち、前述した状態αのときに上記出力軸5(主動歯車13)が固定・停止された場合について説明する。
このような場合は、上記バックラッシュによる変動があったとしても、上記歯数番号N、N、Nは上記状態α又は前述の状態βとなる場合しかなく、前述したように、上記歯数番号N、N、Nの整数部分が変動することはありえないため、上記歯数番号N、N、Nの補正を行う必要がない。
次に、図8(b)に示すように、上記出力軸5(主動歯車13)が上記歯数番号N、N、Nが増加する方向(図8中時計回り方向)に回転され、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「1/3以上2/3未満」となる状態で停止・固定された場合、すなわち、前述した状態βのときに上記出力軸5(主動歯車13)が固定・停止された場合について説明する。
このような場合も、上記バックラッシュによる変動があったとしても、上記歯数番号N、N、Nは上記状態β又は前述の状態γとなる場合しかなく、前述したように、上記歯数番号N、N、Nの整数部分が変動することはありえないため、上記歯数番号N、N、Nの補正を行う必要がない。
次に、図8(c)に示すように、上記出力軸5(主動歯車13)が上記歯数番号N、N、Nが増加する方向(図8中時計回り方向)に回転され、上記歯数番号N、N、Nの小数点以下の値が「2/3以上1未満」となる状態で停止・固定された場合、すなわち、前述した状態γのときに上記出力軸5(主動歯車13)が固定・停止された場合について説明する。
このような場合は、上記歯数番号N、N、Nは上記状態γのままか又は次の歯数番号における上記状態αとなる場合があり、前述したように、上記歯数番号N、N、Nのうちの全部又は一部の整数部分が変動してしまう可能性がある。そうすると、上記出力軸5の正しい回転数を示す上記歯数番号N、N、Nの整数部分の組み合わせとは異なる上記歯数番号N′、N′、N′の組み合わせが算出されてしまうことになる。
そこで、上記歯数番号N、N、Nのそれぞれについて前述した状態α、状態γの何れの状態にあるかを判別して、上記出力軸5の正しい回転数が求められない場合は、前述した図9の表によって上記出力軸5の回転数を求める際に用いる上記歯数番号N′、N′、N′を正しい回転数を示す組み合わせになるように補正する。この補正は、次のようにして行う。
まず、上記歯数番号N、N、Nのうち、上記状態αとなっているものの数と上記状態γとなっているものの数を確認する。そして、上記状態αとなっているものの数と上記状態γとなっているものの数を比較・判断して、必要な場合には上記歯数番号N、N、Nの補正を行う。
まず、全てが状態αとなっている場合、または、全てが状態γとなっている場合について説明する。この場合は、上記歯数番号N、N、Nの補正を行わない。この場合は、全ての上記歯数番号N、N、Nが上記状態γになっていれば上記歯数番号N、N、Nの整数部分の変動は起きていない。したがって、当然のことながら、上記歯数番号N、N、Nの補正を行わない。
また、全ての上記歯数番号N、N、Nが上記状態αになっていた場合であるが、この場合も、上記歯数番号N、N、Nの補正を行わない。すなわち、全ての上記歯数番号N、N、Nの整数部分が次の歯数番号を示しており、このような上記歯数番号N、N、Nの整数部分の組み合わせであっても、上記出力軸5の正しい回転数(または、正しい回転数に1プラスされたもの)が求められることとなるからである。
ちなみに、正しい回転数に1プラスされたものが求められた場合には後述する補正が施されることによって最終的には正しい回転数が求められる。
例えば、前述した上記歯数番号Nが「1」、上記歯数番号Nが「3」、上記歯数番号Nが「2」であり、図9の表における「No.11」に該当し回転数「2」を示す場合を例に挙げると、上記歯数番号N、N、Nの全てが次の歯数番号を示したとしても、求められる回転数は「2」となり、正しい回転数を示す。
これに対して、上記歯数番号N、N、Nの整数部分の組み合わせが、算出される回転数が切り替わる直前のものである場合、例えば、図9の表における「No.14」のような場合であるが、このような場合において、バックラッシュの範囲内での従動歯車の回転により、上記歯数番号N、N、Nの整数部分が次の歯数番号に切り替わってしまうと、求められる回転数は「2」から「3」に変動してしまう。つまり、正しい回転数よりも1プラスされてしまうことになる。このような場合は、後述する回転数の補正を行うことによって正しい回転数を求めることができる。
次に、上記状態γとなっているものよりも上記状態αとなっているものが多い場合について説明する。この場合は、上記歯数番号N、N、Nのうち上記状態γを示すものについて、その歯数番号に1をプラスする補正を行う。このような補正を行うと、結果的に全ての上記歯数番号N、N、Nが次の歯数番号を示すことになるが、前述のように、上記歯数番号N、N、Nの整数部分の組み合わせは上記出力軸5の正しい回転数または正しい回転数に1プラスされたものが求められるものとなっている。
なお、上記状態γとなっているものよりも上記状態αとなっているものが多い場合において、上記歯数番号N、N、Nのうち上記状態αを示すものについて1をマイナスする補正を行うことも考えられる。
次に、上記状態αとなっているものよりも上記状態γとなっているものが多い場合について説明する。この場合は、上記歯数番号N、N、Nのうち上記状態αを示すものについて、その歯数番号から1をマイナスする補正を行う。このような補正を行うと、結果的に全ての上記歯数番号N、N、Nの整数部分が、上記出力軸5が停止・固定された直後の歯数番号(バックラッシュによって変動する前の歯数番号)の整数部分を示すことになる。そのため、上記歯数番号N、N、Nの整数部分の組み合わせは上記出力軸5の正しい回転数が求められるものとなっている。
なお、上記状態αとなっているものよりも上記状態γとなっているものが多い場合において、上記歯数番号N、N、Nのうち上記状態γを示すものについて1をプラスする補正を行うことも考えられる。
以上の上記歯数番号N、N、Nの補正についての説明をまとめると、次のように表すことができる。
まず、上記主動歯車13に全ての従動歯車が直接噛合された構成となっているため、理想的な状態であれば、上記歯数番号N、N、Nの整数部分は同時に切り替わる、すなわち、全ての上記従動歯車は上記主動歯車13に対して前述の状態α、β、γの何れか一つの状態となって噛合されていることになる。この場合には、当然、正しい上記出力軸5の回転数が求められることになる。
次に、バックラッシュの範囲内で従動歯車が移動してしまった場合であっても、全ての上記従動歯車が上記主動歯車13に対して前述の状態α、β、γの何れか一つの状態となっている場合には、正しい上記出力軸5の回転数または正しい回転数に1プラスされたものが求められることになるので問題はない。
しかし、例えばバックラッシュの影響により上記従動歯車の回転角度から算出された上記歯数番号N、N、Nにズレが生じ、これによって正しい上記出力軸5の回転数とは全く異なる回転数が算出されてしまう場合には補正を行う必要がある。すなわち、上記状態αと上記状態γが混在している場合は、上記歯数番号N、N、Nの整数部分までもが変動して、それらの組み合わせが正しい上記出力軸5の回転数とは全く異なる回転数を示すものとなってしまう可能性がある。そこで、上記状態α及び上記状態γの何れかを一方を示す上記歯数番号N、N、Nの整数部分を調整し、上記出力軸5の正しい回転数、又は、補正によって上記出力軸5の正しい回転数が求められるものを得ることができるようにしている。
なお、前述した上記歯数番号N、N、Nの補正は、上記出力軸5が図7中時計回り方向、すなわち、上記歯数番号N、N、Nが増加する方向に回転する場合について説明したものであるが、上記出力軸5が逆方向に回転された際も同様にして上記歯数番号N、N、Nの補正を行うことで、上記出力軸5の正しい回転数、または、正しい回転数から1をマイナスしたものが求められるものとなっている。
上記出力軸5が逆方向(上記歯数番号N、N、Nが減少する方向)に回転される場合は、上記出力軸5が状態αで停止・固定された場合に上記歯数番号N、N、Nの補正を行う必要が生じる場合がある。すなわち、バックラッシュによって、上記歯数番号N、N、Nの一部が上記状態αから一つ前の歯数番号の状態γになってしまうことが懸念され、その際に、上記歯数番号N、N、Nの補正が必要となるものである。また、この補正によって正しい回転数から1をマイナスしたものが求められた場合には、後述する補正によって正しい回転数が求められる。
なお、この図9の表に示した例では、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの歯数が少ないため、多回転モジュール9から算出することができる上記出力軸5の回転数が11回転までと少ないものになっている。しかし、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの歯数が増えれば、前述したこれらの歯数番号の最大組合せ数が増大し、より多くの上記出力軸5の回転数を算出することが可能になる。
例えば、多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の構成の説明において挙げた上記第1従動歯車15aの歯数が37、上記第2従動歯車15bの歯数が31、上記第3従動歯車15cの歯数が29の場合は、上記最大組合せ数が33263(37×31×29)通りとなるので、算出可能な上記出力軸5の回転数は898回転までとなる。ここで、アクチュエータ2を、リード5mmのボールネジ駆動のアクチュエータであると仮定すると、上記ボールネジを899回転させた場合のストローク(スライダが移動される距離)は4495mmとなる。すなわち、このような従動歯車を備えた上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1によれば、多回転モジュール9により算出・記憶できる回転数と回転角度を用いて、上記スライダの位置を0mm以上4495mm未満の幅で得ることができる。
つまり、上記従動歯車が上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の構成の説明において挙げた程度の歯数を備えたものであれば、一般的な用途のアクチュエータにおいて上記出力軸5の現在位置を表すのに必要な回転数を多回転モジュール9によって機械的に記憶させることができることになる。
上記主動歯車13の回転数は、前述のように、図9に示すような表によって算出することができるほか、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′を含む3元連立一次方程式である式(4)の整数解を求めることによっても算出することができる。
×Q+N′=X×Q+N′=X×Q+N′―――(4)
但し、
:第1従動歯車15aの回転数
:第1従動歯車15aの歯数
:第2従動歯車15bの回転数
:第2従動歯車15bの歯数
:第3従動歯車15cの回転数
:第3従動歯車15cの歯数
ここで、上記主動歯車13と歯数が同じである第1従動歯車15aの回転数であるXの整数解を求めれば、必要な場合はこのXに対して後述する回転数の補正を行うことで、上記主動歯車13の正確な回転数ひいては出力軸5の正確な回転数を算出することができる。言い換えれば、上記主動歯車13と第1従動歯車15aの歯数が同じでなければ、上記式(4)のみによって上記出力軸5の回転数を求めることができない。
このような、上記歯数番号N、上記歯数番号N、上記歯数番号Nを求め、上記出力軸5の回転数を算出するまでの演算は、例えば、多回転モジュール9の基板21に実装されたCPUによって行われる。
そして、多回転モジュール9からコントローラ11に対して、上記主動歯車13(出力軸5)の回転数と、上記第1従動歯車15aの回転角度(0°以上360°未満の値)が出力される。
次に、インクリメンタルエンコーダ7からの上記出力軸5の回転に対応するパルス波Pとパルス波Pの出力について、図2及び図3を参照しながら説明する。
まず、光源10bからの光はスリット板10dのスリット10fとエンコーダスケール10aのスリット10eを通過して、受光素子10cで受光される。また、光源10bからの光はスリット板10dのスリット10fとエンコーダスケール10aのスリット10eを通過して、受光素子10cで受光される。このとき、出力軸5が回転すると、上記エンコーダスケール10aも回転するため、上記光源10b等から上記受光素子10c等に向けて発せられた光は上記出力軸5の回転に応じて透過と遮断が繰り返されることになる。
例えば、図2(b)に示す状態では、上記光源10bから発せられた光は上記エンコーダスケール10aに遮断され上記受光素子10cで受光されていない状態となっている。一方、図2(b)に示す状態では、上記光源10bから発せられた光は上記エンコーダスケール10aのスリット10eを通過し上記受光素子10cによって受光されている状態となっている。ここで、図2(b)に示す矢印Lは上記光源10bから発せられた光を示しており、図2(b)に示す矢印Lは上記光源10bから発せられた光を示している。
よって、上記受光素子10cにおける電流の変化から、図3(a)の上側に示すようなサイン波形状の曲線が得られる。また、上記受光素子10cにおける電流の変化からは、図3(a)の下側に示すようなコサイン波形状の曲線が得られる。そして、図3(a)中上側に示すサイン波形状の波形を整形し、その振幅が1又は0となるようにすると、図3(b)の上側に示すような矩形波形状のパルス波Pが得られる。また、図3(a)中下側に示すコサイン波形状の波形を整形し、その振幅が1又は0となるようにすると、図3(b)の下側に示すような矩形波形状のパルス波Pが得られる。
上記パルス波Pは上記パルス波Pよりも1/4周期だけ位相が進んだものとなっている。これは、上記スリット板10dのスリット10fとスリット10fとの位置関係によるものである。
また、上記インクリメンタルエンコーダ7のパルス波Pとパルス波Pは上記出力軸5の一回転あたりのパルス数が例えば200(ステッピングモータ3の磁極数と一致する数)となっており、前述のように上記パルス波Pと上記パルス波Pは1/4周期だけ位相がずれているので、分解能は1/800(200÷1/4)回転となる。すなわち、図3(b)に示すように、上記パルス波Pとパルス波Pの振幅の組み合わせは、上記パルス波Pの振幅が1であり上記パルス波Pの振幅が0である場合(以下、このような状態を状態αとする)、上記パルス波Pと上記パルス波Pの両方の振幅が1である場合(以下、このような状態を状態βとする)、上記パルス波Pの振幅が0であり上記パルス波Pの振幅が1である場合(以下、このような状態を状態γとする)、上記パルス波Pと上記パルス波Pの両方の振幅が0である場合(以下、このような状態を状態δとする)の4通りに分けられるため、上記パルス波Pの一つのパルスを更に4分割して判別することができるからである。
よって、上記インクリメンタルエンコーダ7によって、上記出力軸5の回転角度が上記状態α、状態β、状態γ、状態δのいずれかの状態になっているか、すなわち、上記出力軸5の回転によって上記パルス波Pが1パルスを4分割したうちの何れの位相となっているかを判別することができる。
また、上記出力軸5が原点位置にある場合は、上記インクリメンタルエンコーダ7のパルス波Pとパルス波Pは上記状態αとなっており、上記ステッピングモータ3によって上記出力軸5が1ステップ分回転されると次の周期の状態αとなる。
そして、上記パルス波Pと上記パルス波Pを用いて、後述する出力軸5の回転数と上記第1従動歯車15aの回転角度の補正を行う。
次に、上記コントローラ11で行われる、上記出力軸5の回転数と上記第1従動歯車15aの回転角度の補正について説明する。
前述したように、上記歯数番号N、N、Nの補正を行ってから上記出力軸5の回転数を求めると、実際の上記出力軸5の回転数が切り替わる直前及び直後の場合(上記出力軸5がちょうど1回転する境界付近の回転角度となっている場合)において、前述のように算出された上記出力軸5(上記主動歯車13)の回転数が実際の上記出力軸5の回転数に1プラスされたもの、または、実際の上記出力軸5の回転数に1マイナスされたものとなる可能性がある。
また、前述したように、上記第1従動歯車15aと主動歯車13とが噛合している歯の間にはバックラッシュがあり、このバックラッシュの範囲で上記第1従動歯車15aが回転してしまうと、上記主動歯車13の回転角度と上記第1従動歯車15aの回転角度とが対応しなくなってしまう。
そこで、以下のようにして、前述のように算出された上記出力軸5(上記主動歯車13)の回転数を補正するとともに、上記第1従動歯車15aの回転角度の補正を行い、正確な上記出力軸5の回転数と回転角度を求めるようにしている。
まず、ステッピングモータ3を上記出力軸5の回転角度が増加する方向に僅かに回転させる。このような片寄せ動作を行わせることによって、上記第1従動歯車15aの回転角度に対するバックラッシュの影響が最小限なものとなるようにしている。
次に、インクリメンタルエンコーダ7からパルス波Pとパルス波Pを取得する。そして、上記パルス波P、Pの振幅の組み合わせから、上記出力軸5の回転角度が前述した状態α、状態β、状態γ、状態δの何れの状態になっているのかを判別する。
次に、上記多回転モジュール9から上記第1従動歯車15aの回転角度θと回転数Xを取得する。そして、上記回転角度θを基に上記第1従動歯車15aのパルス番号Cを次の式(5)により算出する。
C=θ×M/360 ―――(5)
但し、
C:パルス番号
M:インクリメンタルエンコーダ7のパルス数(本実施の形態の場合は、例えば、200)
すなわち、上記第1従動歯車15aのパルス番号Cとは、上記回転角度θに上記インクリメンタルエンコーダ7のパルス波Pを対応させ、上記パルス波Pの1パルスごとに上記回転角度θが0の状態から順次番号(本実施の形態の場合には、例えば、0〜199の整数)を割り振った場合、上記回転角度θが何番目のパルスに対応するものであるかを示したものである。
また、上記式(5)によって算出された上記パルス番号Cには小数部分が含まれており、その小数部分の大きさによって上記パルス番号Cを、状態α、状態β、状態γ、状態δの4つの状態に分類する。すなわち、上記状態αとは上記パルス番号Cの小数点以下の値が0以上0.25未満となる状態であり、状態βとは上記パルス番号Cの小数点以下の値が0.25以上0.5未満となる状態であり、状態γとは上記パルス番号Cの小数点以下の値が0.5以上0.75未満となる状態であり、状態δとは上記パルス番号Cの小数点以下の値が0.75以上1未満となる状態である。よって、上記状態α、β、γ、δは、上記第1従動歯車15aの回転角度が1パルス番号中のどの位相をさしているのかを示していることになる。
また、前述のように、上記出力軸5についても、インクリメンタルエンコーダ7により、状態α、状態β、状態γ、状態δの何れの状態であるか判別することができる。そして、バックラッシュ等による上記第1従動歯車15aの回転等がなければ、上記出力軸5が状態αであれば上記パルス番号Cも状態αとなり、上記出力軸5が状態βであれば上記パルス番号Cも状態βとなり、上記出力軸5が状態γであれば上記パルス番号Cも状態γとなり、上記出力軸5が状態δであれば上記パルス番号Cも状態δとなる。
また、説明の都合上、上記出力軸5にも前述したようなパルス番号が同様に設定されているものと仮定する。そして、上記出力軸5のパルス番号と上記第1従動歯車15aのパルス番号Cとは、バックラッシュ等による上記第1従動歯車15aの回転等がなければ、一致するように設定されているものとする。
しかし、実際は、前述したようにバックラッシュ等による上記第1従動歯車15aの回転等が発生し、算出された上記パルス番号Cと実際の上記出力軸5のパルス番号とは一致しない場合がある。このような現象について、図10を用いて説明する。
図10は、上記第1従動歯車15aと上記出力軸5を模式的に示したものであり、外側の輪が上記第1従動歯車15aを示しており、内側の円が上記出力軸5を示している。また、図10においては、上記第1従動歯車15のパルス番号と前述の状態α、状態β、状態γ、状態δを上記外側の輪にスケールとして表示しているとともに、上記出力軸5のパルス番号と前述の状態α、状態β、状態γ、状態δを上記内側の円にスケールとして表示しているものである。
なお、図10においては、上記第1従動歯車15aと上記出力軸5のパルス番号は0〜3としている。また、直線Oは上記第1従動歯車15aや上記出力軸5の回転角度が0である位置を示すものである。
仮に、バックラッシュによる上記第1従動歯車15aの回転等がなければ、上記第1従動歯車15aと上記出力軸5は、図10(a)に示すようになっている。すなわち、上記第1従動歯車15aは上記出力軸5に対してずれておらず、両者ともに同じパルス番号を示すとともに、同じ状態(例えば、状態α)を示している。
しかし、バックラッシュによる上記第1従動歯車15aの回転等によって、上記第1従動歯車15aと上記出力軸5とが異なるパルス番号を示す場合がある。このような場合を、図10(b)と図10(c)に示す。
図10(b)に示す状態では、上記出力軸5はパルス番号が0となっているとともに状態αとなっている。しかし、上記第1従動歯車15aはパルス番号が3であり状態δとなっている。このような場合、上記第1従動歯車15aのパルス番号は、上記出力軸5のパルス番号に対して1だけ遅れていることを示している。すなわち、上記第1従動歯車15aの回転角度θは、実際の上記出力軸5の回転角度よりパルス番号1つ分だけ小さいということになる。
また、更に、図10(b)に示す状態では、上記第1従動歯車15aの回転数は上記出力軸5の回転数よりも遅れていることにもなっている。これは、上記第1従動歯車15aのパルス番号(の整数部分)が最大のパルス番号(図10においては3)となっているため、上記出力軸5が一周分回転した状態となっているにもかかわらず、上記第1従動歯車15aはまだ一周分回転していないと判断することができるからである。
また、図10(c)に示す状態では、上記出力軸5はパルス番号が3となっているとともに状態δとなっている。しかし、上記第1従動歯車15aはパルス番号が0であり状態αとなっている。このような場合、上記第1従動歯車15aのパルス番号は、上記出力軸5のパルス番号に対して1だけ進んでいることを示している。すなわち、上記第1従動歯車15aの回転角度θは、実際の上記出力軸5の回転角度よりパルス番号1つ分だけ大きいということになる。
また、更に、図10(c)に示す状態では、上記第1従動歯車15aの回転数は上記出力軸5の回転数よりも進んでいることにもなっている。これは、上記第1従動歯車15aのパルス番号(の整数部分)が最小のパルス番号(0)となっているため、上記出力軸5が一周分回転していない状態となっているにもかかわらず、上記第1従動歯車15aは既に一周分回転してしまっていると判断することができるからである。
このような図10(b)や図10(c)のような場合には、上記第1従動歯車15aのパルス番号Cを補正した上で、上記パルス番号Cに基づいて上記出力軸5の回転角度を求めることや、必要であれば、更に上記第1従動歯車15aの回転数を補正して上記出力軸5の回転数として扱うことが必要となる。
なお、上記パルス番号Cを算出する前に、ステッピングモータ3を上記出力軸5の回転角度が増加する方向に僅かに回転させて、片寄せ動作を行わせているため、上記第1従動歯車15aのバックラッシュ等による回転等の影響があったとしても、前述の状態βや状態γの場合であれば、上記パルス番号Cの整数部分までが変動してしまうことはないものとなっている。
以下、具体的な計算式を挙げて、上記パルス番号の補正と上記出力軸の回転角度の算出、及び、上記第1従動歯車15aの回転数の補正と上記出力軸の回転数の算出について説明する。
まず、上記出力軸5と上記パルス番号Cの状態が同じである場合、又は、上記出力軸5と上記パルス番号Cの何れか一方が状態β若しくは状態γである場合は、上記出力軸5の回転数Xは次の式(6)によって求められる。
=X ――― (6)
但し、
:出力軸5の回転数
:第1従動歯車15aの回転数
また、上記出力軸5の回転角度θは次の式(7)によって求められる。
θ=(C+P/360)×(360/M) ――― (7)
但し、
θ:出力軸5の回転角度θ
P:上記出力軸5が状態αであれば0
上記出力軸5が状態βであれば90
上記出力軸5が状態γであれば180
上記出力軸5が状態δであれば270
M:インクリメンタルエンコーダ7のパルス数(本実施の形態の場合は、例えば、200)
この場合は、上記第1従動歯車15aの回転と上記出力軸5の回転との間に大きなズレはないか、ズレがあったとしても回転数や回転角度の算出に対して影響がない。そのため、補正の必要がなく、上記第1従動歯車15aの回転数Xをそのまま上記出力軸5の回転数Xとして用いている。また、回転角度についても、算出された上記パルス番号Cをそのまま用いて、この値を基に上記出力軸5の回転角度θを算出している。
また、上記出力軸5が状態αであり、上記パルス番号Cは状態δであるとともに、上記パルス番号Cの整数部分が199(最大番号)ではない場合は、上記出力軸5の回転数Xは次の式(8)によって求められる。
=X ――― (8)
但し、
:出力軸5の回転数
:第1従動歯車15aの回転数
また、上記出力軸5の回転角度θは次の式(9)によって求められる。
θ=(C+1+P/360)×(360/M) ――― (9)
但し、
P:上記出力軸5が状態αであれば0
上記出力軸5が状態βであれば90
上記出力軸5が状態γであれば180
上記出力軸5が状態δであれば270
M:インクリメンタルエンコーダ7のパルス数(本実施の形態の場合は、例えば、200)
この場合は上記第1従動歯車15aの回転が上記出力軸5の回転よりも遅れていることになる。しかし、上記第1従動歯車15aの回転数Xの補正は行わず、そのまま上記出力軸5の回転数Xとして用いている。これは、上記パルス番号Cの整数部分が199(最大番号)とはなっていないため、上記出力軸5の回転に対する上記第1従動歯車15aの回転のずれがあったとしても、回転数(の整数部分)は変動していないからである。
一方、回転角度については、算出された上記パルス番号Cに1をプラスする補正を行い、この値を基に上記出力軸5の回転角度θを算出している。これは、上記出力軸5が状態αであり上記パルス番号Cは状態δである場合は、上記第1従動歯車15aの回転角度θから算出された上記パルス番号Cが上記出力軸5の示すパルス番号の一つ前のパルス番号を示している状態となっていることによるものである。
また、上記出力軸5が状態αであり、上記パルス番号Cは状態δであるとともに、上記パルス番号Cの整数部分が199(最大番号)となっている場合は、上記出力軸5の回転数Xは次の式(10)によって求められる。
=X+1 ――― (10)
但し、
:出力軸5の回転数
:第1従動歯車15aの回転数
また、上記出力軸5の回転角度θは次の式(11)によって求められる。
θ=(C+1+P/360)×(360/M) ――― (11)
但し、
P:上記出力軸5が状態αであれば0
上記出力軸5が状態βであれば90
上記出力軸5が状態γであれば180
上記出力軸5が状態δであれば270
M:インクリメンタルエンコーダ7のパルス数(本実施の形態の場合は、例えば、200)
この場合は、上記第1従動歯車15aの回転数Xに1をプラスしたものを上記出力軸5の回転数Xとして用いている。また、回転角度については、上記式(9)と同じ式(11)を用いて求めている。
これは、上記出力軸5が状態αであり上記パルス番号Cは状態δである場合は、上記第1従動歯車15aの回転角度θから算出された上記パルス番号Cが上記出力軸5の示すパルス番号の一つ前のパルス番号を示している状態となっており、更に上記パルス番号Cの整数部分が199(最大番号)となっている(上記第1従動歯車15aは一回転して回転数が切り替わる直前となっている)ため、上記出力軸5の回転に対する上記第1従動歯車15aの回転のずれによって上記出力軸5の回転数に対して上記第1従動歯車15aの回転数が1だけ減少してしまうことによるものである。
また、上記出力軸5が状態δであり、上記パルス番号Cは状態αであるとともに、上記パルス番号Cの整数部分が0(最小番号)ではない場合は、上記出力軸5の回転数Xは次の式(12)によって求められる。
=X ――― (12)
但し、
:出力軸5の回転数
:第1従動歯車15aの回転数
また、上記出力軸5の回転角度θは次の式(13)によって求められる。
θ=(C−1+P/360)×(360/M) ――― (13)
但し、
P:上記出力軸5が状態αであれば0
上記出力軸5が状態βであれば90
上記出力軸5が状態γであれば180
上記出力軸5が状態δであれば270
M:インクリメンタルエンコーダ7のパルス数(本実施の形態の場合は、例えば、200)
この場合は上記第1従動歯車15aの回転が上記出力軸5の回転よりも進んでいることになる。しかし、上記第1従動歯車15aの回転数Xの補正は行わず、そのまま上記出力軸5の回転数Xとして用いている。これは、上記パルス番号Cの整数部分が0(最小番号)とはなっていないため、上記出力軸5の回転に対する上記第1従動歯車15aの回転のずれがあったとしても、回転数(の整数部分)は変動していないからである。
一方、回転角度については、算出された上記パルス番号Cに1をマイナスする補正を行い、この値を基に上記出力軸5の回転角度θを算出している。これは、上記出力軸5が状態δであり上記パルス番号Cは状態αである場合は、上記第1従動歯車15aの回転角度θから算出された上記パルス番号Cが上記出力軸5の示すパルス番号の次のパルス番号を示している状態となっていることによるものである。
また、上記出力軸5が状態δであり、上記パルス番号Cは状態αであるとともに、上記パルス番号Cの整数部分が0(最小番号)となっている場合は、上記出力軸5の回転数Xは次の式(14)によって求められる。
=X−1 ――― (14)
但し、
:出力軸5の回転数
:第1従動歯車15aの回転数
また、上記出力軸5の回転角度θは次の式(15)によって求められる。
θ=(C−1+P/360)×(360/M) ――― (15)
但し、
P:上記出力軸5が状態αであれば0
上記出力軸5が状態βであれば90
上記出力軸5が状態γであれば180
上記出力軸5が状態δであれば270
M:インクリメンタルエンコーダ7のパルス数(本実施の形態の場合は、例えば、200)
この場合は、上記第1従動歯車15aの回転数Xに1をマイナスしたものを上記出力軸5の回転数Xとして用いている。また、回転角度については、上記式(13)と同じ式(15)を用いて求めている。
これは、上記パルス波P、Pが状態δであり上記パルス番号Cは状態αである場合は、上記第1従動歯車15aの回転角度θから算出された上記パルス番号Cが上記出力軸5の示すパルス番号の次のパルス番号を示している状態となっており、更に上記パルス番号Cの整数部分が0(最小番号)となっている(上記第1従動歯車15aの回転数が切り替わった直後となっている)ため、上記出力軸5の回転に対する上記第1従動歯車15aの回転のずれによって、上記第1従動歯車15aの回転数が上記出力軸の回転数に対して1だけ増加してしまうことによるものである。
以上のようにして、正確な上記出力軸5の回転数X及び回転角度θを求める。そして、アクチュエータ2の図示しないスライダの現在位置は、上記回転数Xと上記回転角度θによって表される。
次に、本実施の形態による多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の効果について説明する。
まず、1つの主動歯車13に第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、及び、第3従動歯車15cがそれぞれ直接噛合される構成となっているので、従動歯車を連ねた構成とした場合にみられるバックラッシュの累積が発生しない。そのため、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cにおけるバックラッシュによる回転角度の誤差を大幅に低減することができるので、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cの歯数が多い場合であってもその回転角度に基づいて歯数番号N、N、Nひいては歯数番号N′、N′、N′を正確に算出することができる。これにより上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cの歯を所望の数だけ設けることができるので、出力軸5の回転数を十分に記憶するために必要な上記歯数番号N′、N′、N′の組み合わせをより少ない数の(本実施の形態では3つの)上記従動歯車(第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15c)によって確保することができる。
そして、上記従動歯車の数が少ないものであるので、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1を小型化・低コスト化することができる。また、上記主動歯車13、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cの歯数がそれほど多くなくても、多回転モジュール9によって十分な上記出力軸5の回転数を記憶できるため、上記主動歯車13や上記複数の従動歯車は小さいものでよく、上記多回転モジュール9、ひいては、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1を小型化することができる。
また、上記出力軸5に固着された上記主動歯車13は1つであるため、使用される歯車の総数を少ないものとすることができる。このことによっても、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の小型化・低コスト化が担保されている。また、上記主動歯車13、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cは同一平面上に配置されているので、上記多回転モジュール9、ひいては、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1を薄型化することができる。また、多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1を小型化することができることによって材料費等が減少し、製造コストを下げることも可能となる。
また、全ての上記従動歯車は上記主動歯車13のみに噛合されているので、バックラッシュ等による歯数番号N、N,Nのズレが積み重なるようなことがないとともに、全ての上記従動歯車と上記主動歯車13との噛合状態は略同じ、すなわち、バックラッシュ等による上記歯数番号N、N,Nのズレがなければ全ての上記歯数番号N、N,Nは前述の状態α、状態β、状態γの何れかの状態に揃っているので、その補正が容易であるとともに、信頼性の高い上記出力軸5の回転数の算出を行うことができる。
また、全ての上記従動歯車は上記主動歯車13のみに噛合されているので、個々の上記従動歯車の負荷モーメントは個々の上記従動歯車自身による回転抵抗のみであり小さなものとなっている。そのため、上記従動歯車および上記主動歯車13の耐摩耗性能が高くなり、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の信頼性が高いものとなっている。
また、上記主動歯車13の歯数が、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの歯数以上であるため、上記出力軸5の径を十分に大きなものとすることができ、上記出力軸5の回転による振れを抑えることができる。また、上記出力軸5の径を大きくすると上記出力軸5の剛性も高くなり、上記多回転モジュール9や上記インクリメンタルエンコーダ7を安定して上記出力軸5に取り付けることができる。また、上記主動歯車13の歯数が多くなり、これによって上記主動歯車13の径が大きくなると、上記主動歯車13のバックラッシュの大きさが同じでも上記バックラッシュあたりの回転角度は小さくなるので、上記主動歯車13に噛合された上記複数の従動歯車を用いた上記出力軸5の回転数の算出に対する上記バックラッシュの影響を小さくすることができる。
また、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15aの歯数は同一であるので、上記第1従動歯車15aの回転数について簡易な補正を行うだけで、その補正後の上記第1従動歯車15aの回転数を上記主動歯車13ひいては上記出力軸5の回転数として扱うことができる。そのため、正確な上記出力軸5の回転数の算出を容易に行うことができる。特に、図9のような表を用いなくとも、式(4)の数式を解くことによって上記出力軸5の回転数を求めることができる。
また、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15aの歯数は同一であることによって、上記第1従動歯車15aの回転角度を換算することなく上記出力軸5の回転角度として扱うことができる。
また、上記歯数番号N′、N′、N′を算出する際に、歯数番号N、歯数番号N、歯数番号Nのバックラッシュ等の影響によるずれを補正しているため、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′の組み合わせから上記出力軸5の正確な回転数を求めることができる。
また、上記出力軸5が一回転する境界に位置する場合においては、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′、上記歯数番号N′の組み合わせから算出された上記出力軸5の回転数の補正を行うため、上記出力軸5の正確な回転数を算出することができる。
また、上記出力軸5が一回転する境界に位置するか否かについては、インクリメンタルエンコーダ7から得られたパルス波Pの状態(1パルス中の位相)と、上記第1従動歯車15aの回転角度から得られたパルス番号やその状態(1パルス番号中の位相)とを比較することによって、正確且つ容易に判定することができる。
また、上記インクリメンタルエンコーダ7から得られたパルス波Pの状態(1パルス中の位相)と、上記第1従動歯車15aの回転角度から得られたパルス番号やその状態(1パルス番号中の位相)とを比較することによって、必要に応じて上記第1従動歯車15aの回転角度から得られたパルス番号を補正し、このパルス番号に基づいて上記出力軸5の正確な回転角度を容易に算出することができる。
また、上記出力軸5の回転数を記憶する多回転モジュール9とは別に上記インクリメンタルエンコーダ7が設けられているため、上記インクリメンタルエンコーダ7のみを上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の用途などに応じて交換することも可能である。
また、上記インクリメンタルエンコーダ7のパルス数はステッピングモータ3の磁極数と同数に設定されているため、ステッピングモータの制御を容易なものとすることができる。
また、上記多回転モジュール9の上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cによって機械的に上記出力軸5の回転数が記憶されることになるため、電源オフの状態とした場合であっても、バッテリーバックアップメモリを用いることなく上記出力軸5の回転数を記憶させることができる。
また、上記主動歯車13は金属製であり、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cは樹脂製であるため、上記主動歯車13によって上記各従動歯車との摩擦によって生じた熱を効率的に逃がすことができる。また、上記各従動歯車については射出成形によって安価に得ることができる。
また、永久磁石19a、19b、19cは、サマリウムコバルト製であるため、温度に対する安定性が良好である。
また、上記永久磁石19a、19b、19cの回転による磁界強度の変化を検出する磁気センサ23a、23b、23cを用いているため、これら磁気センサは安価で小型且つ薄型のものであり、このことによっても、上記多回転モジュール9、ひいては、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1を小型化・薄型化、低コスト化することができる。
また、アブソリュートエンコーダを用いることなく、安価なインクリメンタルエンコーダ7を用いることで上記出力軸5の正確な回転角度や回転数を容易に求めることができる。このことによっても、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の低コスト化が担保されている。
なお、本発明は前述した一実施の形態に限定されない。
例えば、従動歯車の個数は、複数であれば様々な場合が考えられる。上記従動歯車の個数を増やせば、その分だけ大きな出力軸5の回転数を多回転モジュール9に記憶させることができる。
また、各部材の材質についても様々な場合が考えられる。例えば、第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cについても金属製とすることや、全ての歯車を樹脂製とすることも考えられる。また、永久磁石19a、19b、19cとして、例えば、ネオジウム磁石やアルニコ磁石などを用いることも考えられる。
また、前述した一実施の形態においては磁気センサを用いていたが、代わりに他の形式のセンサ、例えば、光学式センサを用いることも考えられる。
また、インクリメンタルエンコーダ7及び多回転モジュール9の位置も、前述した一実施の形態の場合に限定されない。すなわち、上記多回転モジュール9を出力軸5の先端側に設置することも考えられる。
また、前述した一実施の形態においては、上記主動歯車13の歯数と上記第1従動歯車15aの歯数が同一であったが、上記主動歯車13の歯数を上記第1従動歯車15aの歯数より大きくする場合も考えられる。また、逆に、上記主動歯車13の歯数を上記第1従動歯車15aの歯数より小さくする場合も考えられる。このような場合でも、上記主動歯車13の歯数と上記第1従動歯車15aの歯数の比に基づいて上記第1従動歯車15aの回転数等を換算して上記主動歯車13の回転数等を求めることができるからである。
特に、上記主動歯車13の歯数を上記第1従動歯車15aの歯数の整数倍、もしくは、上記第1従動歯車15aの歯数を上記主動歯車13の歯数の整数倍にすると、上記出力軸5の回転数の算出も容易である。また、このような場合でも、上記第1従動歯車15aの回転角度を上記主動歯車13ひいては出力軸5の回転角度に換算することは容易である。
また、前述した一実施の形態においては、算出された上記出力軸5の回転数や回転角度の補正をコントローラ11において行っていたが、この算出された上記出力軸5の回転数や回転角度の補正を上記多回転モジュール9側において行うことも考えられる。この場合、インクリメンタルエンコーダ7から多回転モジュール9へ出力されたパルスを用いて、上記算出された出力軸5の回転数等の補正を行う。
また、前述した一実施の形態においては、歯数番号N、N、Nの補正の際、その小数点以下の大きさによって3種類に分類して、上記歯数番号N、N、Nが切り替わる直前であるか否かを判定していたが、上記歯数番号N、N、Nをその小数点以下の大きさによって4種類以上に分類することも考えられる。その際、上記歯数番号N、N、Nの種類の数に応じて、上記従動歯車と上記主動歯車13のバックラッシュの大きさも適宜設定されることになる。
また、歯数番号N、N、Nの算出・補正及び上記出力軸5の回転数の算出を上記コントローラ11側で行うことも考えられる。
本発明は、例えば、モータの出力軸の回転数と回転角度を検出する多回転アブソリュートロータリーエンコーダに係り、特に、複数の歯車を用いて機械的に回転数を記憶することができ、且つ、歯車の数を減少させることにより小型化を図ることができるように工夫したものに係り、例えば、アクチュエータに用いられる多回転アブソリュートロータリーエンコーダに好適である。
1 多回転アブソリュートロータリーエンコーダ
5 出力軸
7 インクリメンタルエンコーダ
9 多回転モジュール
13 主動歯車
15a 第1従動歯車
15b 第2従動歯車
15c 第3従動歯車
19a 永久磁石
19b 永久磁石
19c 永久磁石
23a 磁気センサ
23b 磁気センサ
23c 磁気センサ

Claims (8)

  1. モータの出力軸に設けられ上記出力軸の回転により信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、
    上記出力軸に設けられ上記出力軸に固着された一つの主動歯車と上記主動歯車に直接噛合される複数の従動歯車と上記複数の従動歯車の回転角度をそれぞれ検出するセンサとからなる多回転モジュールと、を具備し、
    上記従動歯車に形成された歯のそれぞれには番号が割り当てられており、
    上記センサにより検出される回転角度から上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号をそれぞれ算出し、
    算出された上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号の組み合わせから上記出力軸の回転数を算出するようにし、
    上記複数の従動歯車の内の一の従動歯車の回転角度から上記出力軸の回転角度を算出するようにし、
    上記インクリメンタルエンコーダから出力される信号を用いて上記算出された出力軸の回転数と上記算出された上記出力軸の回転角度を必要に応じて補正することを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
  2. 請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
    上記インクリメンタルエンコーダから出力される信号はパルス波であり、
    上記一の従動歯車の回転角度を上記パルス波に対応させ、
    上記パルス波の1パルス内の位相情報を参照して上記算出された出力軸の回転数と上記算出された出力軸の回転角度を必要に応じて補正することを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
  3. 請求項1又は請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
    3個以上の上記従動歯車が上記主動歯車に噛合されていることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
  4. 請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
    上記主動歯車の歯数が上記複数の従動歯車のうち最も歯数が多い従動歯車の歯数以上であることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
  5. 請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
    上記3個以上の従動歯車のうちの一の従動歯車の歯数が上記主動歯車の歯数の整数倍、もしくは、上記主動歯車の歯数が上記一の従動歯車の歯数の整数倍となっていることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
  6. 請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
    個々の上記従動歯車について算出された上記主動歯車と噛合されている上記従動歯車の歯の番号が切り替わる直前又は切り替わった直後となっているか否かを判定し、直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか一方の上記算出された歯の番号を直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか他方の上記算出された歯の番号に合わせる補正を行うことを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
  7. 請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
    個々の上記従動歯車には永久磁石が固着されており、
    上記永久磁石は上記従動歯車の直径方向に着磁されており、
    上記センサは磁気センサであり上記従動歯車が回転する際の上記永久磁石による磁界強度の変化により上記従動歯車の回転角度を検出するものであることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
  8. 請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
    上記主動歯車は金属製であるとともに上記従動歯車は樹脂製であることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
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