JP2013155655A - 液体ロケットエンジンの推力制御装置及び推力制御方法 - Google Patents

液体ロケットエンジンの推力制御装置及び推力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロケットエンジンの推力制御において、低減推力の範囲で運転する際に、通常であれば発生する噴射差圧パラメータの極端な低下により生じるチャギングへのリスクを低減する。
【解決手段】エンジンの推力低減制御時に、液体推進薬の飽和蒸気圧が当該低減制御に必要な燃焼圧よりも高くなるよう、温度制御手段によって液体推進薬を昇温する。これにより、液体推進薬が噴射オリフィスを通過する際にキャビテーションが発生する。こうすることにより、燃焼室における燃焼圧に変動が生じた場合であっても、噴射オリフィスを通過する液体推進薬の流量は一定に保たれ、燃焼圧変動と液体推進薬の流量変動が結合することにより燃焼が不安定になるチャギングを抑制できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、液体ロケットエンジンの推力を低減制御する際にその推力を安定化する推力制御装置及び推力制御方法に関する。
液体ロケットエンジンでは
Figure 2013155655
という関係がある。ここで、Tはロケットエンジンの推力、CFは推力係数、pcは燃焼圧、Atはノズルスロート面積、c*はロケットエンジンの特性速度、
Figure 2013155655
は推進薬(燃料、酸化剤)の噴射流量である。
上記の関係から明らかなように、推力と燃焼圧および推進薬流量はほぼ比例するので、推力を低減する場合には、定格の運転条件から推進薬流量と燃焼室の燃焼圧を減じることにより推力の低減制御が行われている。
推進薬がロケットエンジンの噴射オリフィスを通して燃焼室に流入する流量は、ベルヌーイの式から導かれる以下の式
Figure 2013155655
で支配される。ここで、Cは噴射オリフィスの流量係数、Aは噴射オリフィスの断面積、ρは噴射流体の密度、piは噴射オリフィス背部の噴射圧、pcは燃焼室の燃焼圧である。これから、以下のように燃焼圧と噴射差圧(噴射圧と燃焼圧との差、Δpic)との関係を導くことができ、
Figure 2013155655
となり、燃焼圧に対する噴射差圧の比は燃焼圧に比例することがわかる。これは、例えば推力を10%に絞ると、噴射差圧と燃焼圧との比も定格時の10%になることを意味する。非特許文献1(Crocco)によれば、低周波振動燃焼(いわゆる「チャギング」)の発生に関して、噴射差圧と燃焼圧との比
Figure 2013155655
は重要なパラメータであり、この値が大きければ安定化し、この値が小さくなれば不安定化するとされている。従って、推力を深く絞った低減制御を行うと低周波振動燃焼(チャギング)のリスクが増加することが示唆される。
流量と圧力を定常項と変動項とに分けて
Figure 2013155655
とおき、噴射差圧と流量の関係式の微分を取ると、燃焼圧力の変動割合に対する流量変動割合は
Figure 2013155655
となり、燃焼圧変動割合の半分に比例し、燃焼圧の変化に対しては、燃焼圧を小さくした時に逆比例して大きくなる。
ロケットエンジンの推力を低減制御する場合、燃焼圧と推進薬流量は、推力に比例して小さくなる。そのために、上式は、推力を下げるために燃焼圧を低くすると、同じオーダの燃焼圧変動割合に対して、流量変動割合への影響が増幅されることを示す。これは、推力を低減領域に深く制御しようとすると、燃焼圧の変動割合に対して流量が非常に敏感に変動する不安定な結果を生むことを意味する。
非特許文献1(Crocco)では、低周波振動燃焼(チャギング)を誘起する原因は、このような流量変動と燃焼室の燃焼過程における時間遅れとの結合にあるとされており、推力を低減制御した場合、燃焼圧の僅かな変動に対しても流量変動が増幅されることは、この面からも低周波振動燃焼(チャギング)のリスクが増加することを示している。
低周波振動燃焼(チャギング)それ自体により、高周波振動燃焼による燃焼室の焼損などのような燃焼室破壊に到ることはないとされるが、ペイロードに対する加速度制限の観点からは許容できないので、推力の低減制御ではこの課題に関する解決策を講じる必要がある。
以上の問題に対応する従来の技術は、以下のように整理される。
(A)「推進薬配管内に挿入したキャビテーティングベンチュリの利用」
ベンチュリ管の下流圧を下げ続けると、流量は増え続けるとともにベンチュリの咽喉部では圧力が低下する。咽喉部での圧力は液体の温度における飽和蒸気圧に達すると、下流圧をいくら下げ続けても咽喉部では圧力が飽和蒸気圧よりも下がることなく蒸気を発生し、流量はベンチュリノズルの上流圧と咽喉部の飽和蒸気圧で決定される差圧に従って一定の流量を保持する。このようなものをキャビテーティングベンチュリという。
非特許文献2(Randall)では、キャビテーティングベンチュリの特性を水の場合について説明し、これをロケットに適用すれば、複雑な制御をしなくとも一定の流量が保持できることが述べられている。また流量の変更には咽喉部にピントルを挿入して通過面積を変える方法が紹介される。キャビテーティングベンチュリは、ディヒューザ部総圧が上流圧総圧の85%以下で液体の蒸気圧よりも高い状態で機能するとされる。液体ロケットエンジンへの応用では、推進薬の供給配管にキャビテーティングベンチュリを挿入する。
特許文献1では、二液式ロケットエンジンについて、推進薬供給管路にキャビテーションオリフィスを置くとされ、タンク式エンジンの低減推力時の燃焼の安定化のために用いるとされる。非特許文献2(Randall)のキャビテーティングベンチュリは、ベンチュリの咽喉部にピントル機構を挿入して、広い流量範囲に対応するように提案している。特許文献1では、ピントル機構の精密な調整を行わずに済むように、大流量と小流量の配管を分岐させて、小流量側の管路にキャビテーションオリフィスを挿入し、上流側の弁で管路を切り替えて流量変化に対する対応を簡素化する点に、特許の主たる効果を説明している。実施例ではヒドラジン/NTOの組合せのタンク式エンジンについて開示されている。
ところで、ロケットエンジンの燃焼室上流部の管路途中にキャビテーティングベンチュリを挿入する場合、キャビテーティングベンチュリ上流部の流量は上流圧と咽喉部面積で定まり、時間的にも安定したものとなる。一方、推力を低減制御する場合、噴射器における噴射差圧パラメータが非常に小さくなることに変わりはなく、キャビテーティングベンチュリ下流のディヒューザ部の回復圧力は、殆ど燃焼圧に近い値を示して、燃焼圧と連動する。これは非特許文献1(Crocco)が述べるところの適切な噴射差圧パラメータの選定によるチャギングの抑制効果が小さいことを意味する。キャビテーティングベンチュリの咽喉部下流にはキャビテーションによる気泡が存在するために圧縮性の挙動と流体の蓄積効果が想定される。特に極低温流体では室内常温で保存される一般の非圧縮性液体より圧縮性の挙動が著しいことが知られる。そのためにキャビテーティングベンチュリの下流配管部は、燃焼圧の変動があればその影響により、流量と圧力の変動を許容することになり、チャギングを抑制する観点からは効果は限定的と考えられる。非特許文献1(Crocco)の理論に立脚した低減推力時のチャギングの完全防止の観点からは、噴射器の噴射オリフィスにおいて、実効の噴射差圧が小さくならないようにして、燃焼圧変動が流量変動に影響しない方法をとる必要がある。
(B)「過大な噴射差圧を選定する定格設計」
前述の噴射オリフィスを通過する推進薬の流量を記述する式(1)から明らかなように、必要な噴射差圧は流量の自乗に比例するので、定格に対して推力を低下させると、推力低下させた割合の自乗に比例して噴射差圧が小さくなる。チャギングの発生に関わるパラメータとして知られる(噴射差圧)/(燃焼圧)は燃焼圧に比例するので、燃焼圧が低くなるとこのパラメータも小さくなり、チャギングを誘起しやすくなる。
チャギングの発生を避けるために、通常の定格点の設計では噴射差圧を燃焼圧の10〜15%とする。推力制御を行うエンジンにおいて、低減推力時のチャギングのリスクを避けるための最も簡便な手法は、低減推力時の低い燃焼圧において(噴射差圧)/(燃焼圧)が低くなり過ぎないように設定し、定格点では通常の噴射差圧に対して意図的に過大な値となるように設計するものである。例えば、推力を10%に絞った際の噴射差圧パラメータが10%であるようにすれば、定格推力における噴射パラメータは100%、すなわち燃焼圧と等しい噴射差圧が必要になる。これは実際のエンジンシステムとしては成立しないので、妥協的な範囲で噴射差圧を選択することになる。
非特許文献3(Giuliano)のCECEの例では、同文献の図2に示されるように、このような方法で噴射器の設計を行っている。このような措置によって、低減推力時のチャギングのリスクは低下するが、低減推力制御をしない場合に比べて定格時の必要なポンプ吐出圧が高くなり、特にCECEのような閉サイクルのエンジンシステムでは、ターボポンプのパワーバランス上、単純な噴射差圧の増加分よりも更に高いポンプ吐出圧が必要になる。
特開平6−280680号公報
L.Crocco and Sin-I Cheng, Theory of Combustion Instability in Liquid Propellant Rocket Motors,. Butterworths Scientific Publications, 1956, p44. L.N.Randall, Rocket Applications of the Cavitating Venturi, ARS J., Jan-Feb, 1952, pp28-31. Victor J.Giuliano, et.al.,CECE:Expanding the Envelope of Deep Throttling Technology in Liquid Oxygen/Liquid Hydrogen Rocket Engines for NASA Exploration Missions, AIAA 2010-6724, 2010.
上述のように、従来技術としては、燃焼室上流の推進薬供給配管にキャビテーティングベンチュリの挿入や、定格設計点の噴射差圧パラメータの高めの設定などがあるが、これらは問題の合理的で確実な解決にはなっていない。
本願発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、ロケットエンジンの推力制御において、低減推力の範囲で運転する際に、通常であれば発生する噴射差圧パラメータの極端な低下により生じるチャギングへのリスクを大幅に低減させる、液体ロケットエンジンの推力制御装置及び推力制御方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、噴射オリフィスを通して燃焼室に液体推進薬を噴射する液体ロケットエンジンの推力制御装置において、前記噴射オリフィスの上流側において、前記液体推進薬の温度を制御する温度制御手段を備え、エンジンの推力低減制御時に、前記液体推進薬の飽和蒸気圧が当該低減制御に必要な燃焼圧よりも高くなるよう、前記温度制御手段によって前記液体推進薬を昇温することを特徴とする。
上記第1の発明において、前記温度制御手段を、前記燃焼室の周囲に設けられた冷却ジャケットにおける燃焼ガスとの熱交換を熱源として前記液体推進薬の温度を昇温する熱交換器とすることができる。また、前記温度制御手段を、エンジンに設けられたターボポンプのタービン駆動に用いる高エンタルピガス流から前記液体推進薬に熱を供給するものとすることができる。さらに、前記温度制御手段を、エンジンに設けられたターボポンプの吐出側から吸い込み側に還流することによって前記液体推進薬の単位流量当たりのポンプ仕事を増加させて前記液体推進薬を昇温するものとすることができる。
第2の発明は、噴射オリフィスを通して燃焼室に液体推進薬を噴射する液体ロケットエンジンを推力低減制御する液体ロケットエンジンの推力制御方法において、前記噴射オリフィスの上流側に前記液体推進薬の温度を制御する温度制御手段を設け、エンジンの推力低減制御時に、前記液体推進薬の飽和蒸気圧が当該低減制御に必要な燃焼圧よりも高くなるよう、前記温度制御手段によって前記液体推進薬を昇温することを特徴とする。
上記第2の発明において、前記温度制御手段を、前記燃焼室の周囲に設けられた冷却ジャケットにおける燃焼ガスとの熱交換を熱源として前記液体推進薬の温度を昇温する熱交換器とすることができる。また、前記温度制御手段を、エンジンに設けられたターボポンプのタービン駆動に用いる高エンタルピガス流から前記液体推進薬に熱を供給するものとすることができる。さらに、前記温度制御手段を、エンジンに設けられたターボポンプの吐出側から吸い込み側に還流することによって前記液体推進薬の単位流量当たりのポンプ仕事を増加させて前記液体推進薬を昇温するものとすることができる。
(a)本発明の実施形態における液体ロケットエンジンの概略図であり、(b)は(a)の一点鎖線で囲んだ噴射オリフィス部分を拡大した示したものである。 液体推進薬の飽和温度と飽和圧力との関係を概略的に示したグラフである。 従来の設計による噴射オリフィスを用いた場合の燃焼圧変動(横軸)による噴射流量変動(縦軸)への影響を示した図である。 液体酸素の飽和蒸気圧特性を示した図である。 液体酸素温度を120Kとした場合に、推力を低減制御する際の噴射オリフィス前後の圧力の様子を示したグラフである。 液体酸素温度を130Kとした場合に、推力を低域制御する際の噴射オリフィス前後の圧力の様子を示したグラフである。 (a)は本発明を液体酸素/液体水素を推進薬とするガス発生器サイクル方式のロケットエンジンに適用した実施例を示した概略図であり、(b)は(a)の一点鎖線で囲んだ部分を拡大して示した図である。 従来技術を液体酸素/液体水素を推進薬とするガス発生器サイクル方式のロケットエンジンに適用した場合の例を示した概略図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明するが、まず、最初に本実施形態のポイントを簡単にまとめる。
本実施形態の方法は、噴射器の上流側配管にキャビテーティングベンチュリを挿入して、間接的に液体推進薬流量の変動を抑制するのではなく、噴射器の噴射オリフィス内部においてキャビテーションを発生させ、下流側の燃焼室において圧力の変動が発生しても、噴射差圧変動の影響が流量の変動に影響しないようにする、という点がポイントである。いわば、噴射オリフィスにおいて液体推進薬の流れがあたかもチョークするような状態にする。ここで、いわゆる噴射オリフィスは、圧力を回復する場合はベンチュリ形状とするが、必ずしもベンチュリ形状として圧力を回復する必要はなく、図1に示すように、噴射オリフィス6をノズル形状とする。このようにノズル形状のオリフィスで十分機能するし、また多数の噴射オリフィスを加工するには、ベンチュリ形状とせずにノズル形状とした方が、加工が容易で製造コストも抑制できる。
具体的な方法としては、所定の流量と噴射オリフィススロート部の流速においてキャビテーションが発生するように、噴射オリフィス上流の圧力を設定する設計とする。この際の重要なポイントは、推進薬のキャビテーションが発生する飽和蒸気圧が、低減制御を行おうとする推力に必要な燃焼圧よりも高くなるように設定することである。非特許文献1(Crocco)の理論に基づく低周波振動燃焼の抑制策は、燃焼圧に対する噴射差圧の比を大きくすることであり、その場合、式(3)は燃焼圧変動に対する噴射流量変動の比が小さくなることを意味している。物理的にその極限は燃焼圧変動に対して噴射流量変動が無くなることである。噴射オリフィスにおけるキャビテーションの発生を利用することによって、噴射オリフィス下流の燃焼圧変動にかかわらず、噴射オリフィスにおける噴射流量変動がなくなることは、この極限の状態と等価になり、そのために燃焼は安定化する。
このように燃焼圧よりも高い飽和蒸気圧の設定が、本方法のポイントである。一方、通常の液体推進薬は、図2に示すように、それぞれの貯蔵温度によって、飽和蒸気圧特性曲線に従った唯一の飽和蒸気圧の値を示すので、任意の燃焼圧に対応して必ずしも適した飽和蒸気圧とはならない。そこで、燃焼圧に対して適正な飽和蒸気圧が得られるように、推進薬の温度を別途設ける熱交換器で昇温制御しておくことにより、望む推力あるいは燃焼圧に対して、噴射オリフィスにおける液体推進薬のチョーク特性を得ることが可能になる。
熱交換の作用によって液体推進薬の温度を昇温するために、エンジンシステム内に組み込む熱源や加熱方法としては、
1.ターボポンプのタービン駆動に用いるための高エンタルピガス流(タービン駆動前またはタービン駆動後、タービン上流からの分岐)を用いた熱交換器、
2.燃焼室周囲の冷却ジャケットにおける燃焼ガスからの熱交換、
3.ターボポンプの吐出側から吸込み側に還流することによって、液体推進薬単位流量当たりのポンプ仕事を増加させてポンプ流体を昇温させる方法、
などがある。
これらいずれの方法によっても、燃焼圧の変動が生じた場合でも、それが噴射オリフィスを通る液体推進薬の流量に影響することはなくなるので、流量変動と結合した燃焼圧変動を起こすチャギングは発生しなくなる。
上記のようにすることによって、
1.推力を低減制御する際に、エンジン燃焼室の噴射オリフィスにおいて液体推進薬にチョーク特性を持たせることができ、燃焼圧の変動に対する流量の変動を完全に抑制することが可能となるために、低周波振動燃焼のリスクを除去できる。
2.液体推進薬の温度を制御することによって、キャビテーションを発生させる飽和蒸気圧の制御を行うことから、望む燃焼圧に対して推進薬のキャビテーションの作動点に関する制御の範囲が拡大する。
3.定格設計点において噴射差圧を過大とすることにより、推力の低域制御における低周波振動燃焼のリスクを軽減する設計では、定格時におけるターボポンプの吐出圧を過大にする設計となり、エンジンシステム上、性能損失あるいはエンジンの重量増などを招くが、噴射オリフィスで制御されたキャビテーションを発生させる方法を用いることにより、このようなシステム上のデメリットを避けられる。
次に、本実施形態について、より具体的に説明する。ポイントとして、
1.ロケットエンジンの燃焼室に液体推進薬を噴射する噴射器の噴射オリフィスにおいて、スロート部で液体推進薬の流れが高速になり圧力が低下して飽和蒸気圧に達するとキャビテーションが発生して、それ以上の圧力低下が起こらなくなるために、流量も変化しなくなる現象を利用して、飽和蒸気圧よりも低く設定する下流側の燃焼室の圧力が変動しても、噴射オリフィスを通過する液体推進薬の流量が変動しないようにする。
2.ロケットエンジンの推力を低域まで制御する際に、特別の方法を講じなければ、噴射オリフィスにおける差圧が低下して、燃焼室における圧力の変動が発生した場合に液体推進薬の流量が大きく変動して低周波の燃焼振動が発生することを、上記1の方法を用いることにより、噴射オリフィスにおける液体推進薬の流量変動が発生しないことを利用して防止する。
3.液体推進薬の飽和蒸気圧特性を利用して、その温度を制御することにより、推力の低減制御をする際に、液体推進薬と作動燃焼圧に対する適正な飽和蒸気圧となるように制御し、液体推進薬の種類や作動燃焼圧に対して、広い範囲で適用できるようにする。
4.液体推進薬の昇温に用いる熱源として、ターボポンプを駆動するガスによる熱交換、燃焼室の冷却ジャケットによる熱交換、ターボポンプ吐出側から吸込み側への還流によるポンプ仕事によるエンタルピ増加、ガス発生器、プリバーナ、別途の燃焼器のガスによる熱交換、あるいはこれらの組み合わせ、などを利用する。
次に、液体水素/液体酸素エンジンにおける実施例について説明する。図3は、従来の設計による噴射オリフィスを用いた場合の燃焼圧変動(横軸)による噴射流量変動(縦軸)への影響を示したものである。この図から分かるように、燃焼圧の1%の変動に対する噴射流量の変動は、推力100%の場合には2.4%と同じオーダだが、推力10%の場合には24%と一桁大きくなり、更に燃焼圧変動が4%になると流量変動は100%にまで達する。従って推力の低域制御においては、燃焼圧変動による流量変動への伝播を抑制する措置の必要性が明白である。
液体水素/液体酸素エンジンにおいては、通常、水素は燃焼室の冷却に使われてエンタルピが上昇した気体の状態で噴射され、燃焼圧が低い条件でも特に問題は発生しない。このエンジンで推力を低減制御した場合は、燃焼圧変動に対する液体酸素の流量変動が問題となるので、液体酸素側の噴射オリフィスでキャビテーションが発生するようにする。具体的には、推力制御を行う上で必要となる定格条件に比べて低い燃焼圧の際に、キャビテーションの飽和蒸気圧が燃焼圧よりも高くなるように熱交換等によって液体酸素を昇温させ、噴射オリフィスの縮流部で所定の流量において所定の飽和蒸気圧になるように、噴射圧力を調節する。液体酸素の飽和蒸気圧特性は図4に示すとおりである。
液体酸素の1気圧下での断熱容器における貯蔵温度は、大気圧下の沸点である90Kである。ロケットでは、ポンプの吸込みに対するキャビテーションへの配慮から、推進薬タンクでは数気圧に加圧されており、加圧ガスによるエンタルピ流入、配管等からの熱流入などにより、ポンプ入口には大よそ95K前後で流入する。ポンプでは仕事をされるために単位質量当たりの仕事量に見合った分だけ昇温する。本発明の機能が発揮される推力の低域制御の際は、燃焼圧が低く設定されるために、ポンプ吐出圧も低く、ポンプ仕事による昇温量は僅かとなる。
例として、定格燃焼圧を6MPaとするエンジンにおいて、液体酸素の温度を熱交換によって25K昇温して120Kにすると、飽和蒸気圧は、図4及び液体酸素の飽和蒸気圧特性を示した下記の表1に示すように1.022MPaとなり、液体酸素の温度を130Kにすると1.749MPaとなる。この場合の推力を低減制御する際の噴射オリフィス前後の圧力の様子を図5に、また130Kに昇温した場合を図6に示す。これらの図において、横軸は流量の低減割合を示したものだが、これは推力の低減割合と同一である。また、2:Pcは燃焼圧で、これは流量に比例し、また推力に比例している。1:Pinj(Norm)は本発明を利用しない場合の各流量における噴射オリフィス上流の噴射圧を示し、推力が低減するほど燃焼圧Pcに近づく。
Figure 2013155655
本発明を利用する際の噴射オリフィスの咽喉部における飽和蒸気圧を4:Ps(Ts=120K)、4:Ps(Ts=130K)とする。3:Pinj(Ps,keep)は、本発明を利用し、噴射オリフィス咽喉部で飽和蒸気圧に達し、キャビテーションを発生している状態で、低減流量を流すのに必要な噴射オリフィス上流の噴射圧を示している。
液体酸素の温度が120Kでは飽和蒸気圧は1.022MPaである。図5からは、推力を10%に低減した場合、キャビテーション発生状態での噴射オリフィス前後の噴射差圧は、(Pinj(Ps,keep)−Pc)=0.444MPaとなる。Pcは約0.6MPaなので、すなわち (Pinj(Ps,keep)−Pc)/Pc=0.74を確保できる。推力を15%に低減した場合でも、(Pinj(Ps,keep)−Pc)/Pc=0.19と定格点に相当する噴射差圧を確保できる。実際には、推力を15%に低減した場合に、燃焼圧が10%上方に変動しても、噴射オリフィスの縮流部の下流は飽和蒸気圧以下なので、流量の変動は生じない。流量の変動が発生しない限り、たとえ燃焼の時間遅れが発生しても、位相のずれによって振動が増幅される現象が起こらないので、チャギング発生のリスクはない。
図6のように、液体酸素の温度を更に130Kにすると、飽和蒸気圧は、1.749MPaとなる。この場合、推力を25%程度に低域制御するまで、本発明によって流量の安定化を図ることが可能で、(Pinj(Ps,keep)−Pc)/Pc=0.26を確保できる。また燃焼圧が10%上方に変動しても、噴射オリフィスの縮流部の下流は飽和蒸気圧以下なので、流量の変動は全く生じない。
次に、自燃性推進薬エンジンにおける実施例について説明する。自燃性推進薬の具体的な例として、ヒドラジン/NTOの貯蔵温度を大気常温(25℃)とした場合を取り上げる。ヒドラジンにはいくつかの種類があるが、それらの大気常温における飽和蒸気圧は、N24では0.0019MPa、MMHでは0.0074MPa、UDMHでは0.023MPaである。一方、N24では、0.12MPaである。これらの推進薬を用いたタンク式エンジンの通常の定格燃焼圧は、0.5〜1MPaである。推力制御時の燃焼圧は、30%の低減推力なら0.15〜0.3MPa、10%の低減推力なら0.05〜0.1MPaとなる。低減推力時に、噴射器オリフィスがキャビテーションオリフィスとして機能する推進薬は、10%低減推力時のN24だけとなる。
いま、本発明を適用すると、UDMHの場合50℃まで昇温すると飽和蒸気圧は0.062MPaとなり、燃焼圧0.05MPa程度までなら本発明が適用できる。MMHの場合、79℃まで昇温すると、飽和蒸気圧は0.071MPaとなり、燃焼圧0.05MPa程度までなら本発明が適用できる。N24では、常温(25℃)で飽和蒸気圧が0.12MPaなので、そのままで燃焼圧0.1MPaまでは使用できるが、30℃まで昇温すると、飽和蒸気圧は0.15MPaとなり、燃焼圧0.12MPa程度までなら本発明が適用できる。
以上の計算は、噴射オリフィスをノズルとした場合に対応するが、もしも噴射オリフィスをベンチュリとする場合には、ベンチュリで圧力を回復することにより、適用する燃焼圧を更に高くして低周波振動燃焼に対する安定範囲を拡大することが可能である。
以上は、ロケットエンジンへの適用について説明したが、それ以外にも、例えば、重油などの液体燃料を焚くボイラにおいて、燃料を噴射弁を通して噴霧する燃焼装置を用い、負荷を広い範囲で変えることが要求される装置では、負荷を小さくした場合に、ロケットエンジンにおける燃焼と同様に低周波振動燃焼が発生するリスクがある。このような場合に、本発明を利用することによりそのリスクを除去できる。
本発明を液体酸素/液体水素を推進薬とするガス発生器サイクル方式のロケットエンジンに適用した実施例を図7に示す。液体水素はエンジンインターフェースからLH2ポンプに流入して昇圧された後、推力室の壁を冷却し、その後に大半は推力室で液体酸素と共に燃焼に供されて推力の発生に寄与し、一部はガス発生器に供給されて少量の液体酸素と共に燃焼させてタービンを駆動するガスを発生し、このガスは液体水素と液体酸素のターボポンプを駆動してから定格運転では投棄されるが、推力の低域制御を行う際には熱交換器を経由して投棄される。熱交換器で必要な熱量が不足する場合には、ガス発生器からのガスを、タービンをバイパスしてタービン駆動後のガスと混合する。液体酸素はエンジンインターフェースからLOXポンプに流入して昇圧された後、定格運転では推力室とガス発生器に所定の割合で供給され、燃焼に供されるが、推力の低減制御を行う際には熱交換器で所定の温度に昇温してから推力室とガス発生器に供給され、燃焼に供される。
推力室の燃焼室に液体酸素を噴射する噴射器の噴射要素の液体酸素側のオリフィスは、ノズルまたはベンチュリの形式であり、定格から中域推力制御では液体酸素が相変化せずに噴射されるが、推力の低減制御においては、噴射圧を所定圧へ低下させることに伴い、キャビテーションが発生してスロート部の圧力が飽和蒸気圧を保ち、燃焼圧の変動による流量の変動がなくなる。実施例に係る本説明はガス発生器サイクルについてのものであるが、液体酸素を所定温度に昇温する熱源が存在するなら、本質的にエンジンサイクルによる違いはない。
従来技術を液体酸素/液体水素を推進薬とするガス発生器サイクル方式のロケットエンジンに適用した場合の例を図8に示す。本発明の実施例との違いは、熱交換器の位置にキャビテーティングベンチュリを挿入することである。キャビテーションはこのキャビテーティングベンチュリにおいて発生し、流量の安定化に寄与することを狙いとする。しかし、キャビテーティングベンチュリ上流の流量は安定化を図れるが、下流ではキャビテーション気泡による圧縮性の挙動が現れるために流量変動の抑制効果は限定的である。そのために低周波振動燃焼のリスクを除去しきれない。
またキャビテーティングベンチュリによらない場合は、単に、定格運転時の噴射差圧を高く設計するだけである。そのために、エンジンシステムの違いによって、もっとも多用する定格運転時における性能の損失やターボポンプ重量の増加などを招く。

Claims (8)

  1. 噴射オリフィスを通して燃焼室に液体推進薬を噴射する液体ロケットエンジンの推力制御装置において、
    前記噴射オリフィスの上流側において、前記液体推進薬の温度を制御する温度制御手段を備え、
    エンジンの推力低減制御時に、前記液体推進薬の飽和蒸気圧が当該低減制御に必要な燃焼圧よりも高くなるよう、前記温度制御手段によって前記液体推進薬を昇温することを特徴とする液体ロケットエンジンの推力制御装置。
  2. 前記温度制御手段は、前記燃焼室の周囲に設けられた冷却ジャケットにおける燃焼ガスとの熱交換を熱源として前記液体推進薬の温度を昇温する熱交換器である、請求項1に記載の液体ロケットエンジンの推力制御装置。
  3. 前記温度制御手段は、エンジンに設けられたターボポンプのタービン駆動に用いる高エンタルピガス流から前記液体推進薬に熱を供給するものである、請求項1に記載の液体ロケットエンジンの推力制御装置。
  4. 前記温度制御手段は、エンジンに設けられたターボポンプの吐出側から吸い込み側に還流することによって前記液体推進薬の単位流量当たりのポンプ仕事を増加させて前記液体推進薬を昇温するものである、請求項1に記載の液体ロケットエンジンの推力制御装置。
  5. 噴射オリフィスを通して燃焼室に液体推進薬を噴射する液体ロケットエンジンを推力低減制御する液体ロケットエンジンの制御方法において、
    前記噴射オリフィスの上流側に前記液体推進薬の温度を制御する温度制御手段を設け、エンジンの推力低減制御時に、前記液体推進薬の飽和蒸気圧が当該低減制御に必要な燃焼圧よりも高くなるよう、前記温度制御手段によって前記液体推進薬を昇温することを特徴とする液体ロケットエンジンの推力制御方法。
  6. 前記温度制御手段は、前記燃焼室の周囲に設けられた冷却ジャケットにおける燃焼ガスとの熱交換を熱源として前記液体推進薬の温度を昇温する熱交換器である、請求項5に記載の液体ロケットエンジンの推力制御方法。
  7. 前記温度制御手段は、エンジンに設けられたターボポンプのタービン駆動に用いる高エンタルピガス流から前記液体推進薬に熱を供給するものである、請求項5に記載の液体ロケットエンジンの制御方法。
  8. 前記温度制御手段は、エンジンに設けられたターボポンプの吐出側から吸い込み側に還流することによって前記液体推進薬の単位流量当たりのポンプ仕事を増加させて前記液体推進薬を昇温するものである、請求項5に記載の液体ロケットエンジンの推力制御方法。
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