JP2013155063A - 結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents

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暁仁 山田
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Abstract

【課題】耐熱性枠体への結晶性ガラス小体の充填の仕方を工夫することにより、例えば、建築物の内外装材として利用可能な、高品質の結晶化ガラスを効率よく製造する技術を提供する。
【解決手段】耐熱性型枠50を準備する準備工程と、耐熱性型枠50の枠内に、残余結晶性ガラス小体S2を積層して第一層を形成する第一積層工程と、第一層の上に、熱分解可能な仕切材95を敷設する仕切工程と、仕切材95の上に、第一層を構成する残余結晶性ガラス小体S2とは粒度分布が異なる必須結晶性ガラス小体S1を積層して第二層を形成する第二積層工程と、第一層、仕切材95、及び第二層を含む耐熱性型枠50を、仕切材95の熱分解温度以上の温度域まで昇温して結晶性ガラス小体Sを融着させるとともに、融着した結晶性ガラス小体Sの表面から内部に向けて結晶を析出させる結晶析出工程と、を包含する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、建築物の内外装材として利用可能な結晶化ガラスの製造方法に関する。
近年、結晶化ガラスを、建材製品として使用するケースが増えている。結晶化ガラスは、化学的耐久性、機械的強度、熱衝撃強度に優れ、天然大理石のような模様を呈しつつ、表面に汚れが付着し難いという性質を有する。結晶化ガラスを内外装材として使用した建築物は、耐久性に優れるだけでなく、美しい外観が備わる。結晶化ガラスは高い反射率を有するため、ビル、オフィス、及び地下鉄構内等の壁や円柱に使用した場合、明るい空間を演出する。結晶化ガラスは、今後も建材製品として需要が増大すると見込まれる。
結晶化ガラスを工業的規模で製造するにあたっては、先ず、ガラス原料を溶融して、溶融ガラスとする。次に、この溶融ガラスを水中に投入して水砕した後、乾燥、分級し、粒径1〜6mm程度の結晶性ガラス小体を得る。この結晶性ガラス小体を、耐熱性型枠に充填し、表面を均した後、トンネル窯やローラーハースキルン等の焼成炉で加熱処理を行う。すると、結晶性ガラス小体が互いに融着し、一体化する。このとき、結晶性ガラス小体の表面(粒界面)側から結晶性ガラス小体の内部に向かって結晶(β−ウォラストナイト)が析出する。そして、そのまま加熱処理を継続すると、結晶がさらに成長し、一体化した結晶性ガラス小体の表面に天然大理石様パターンが形成される。結晶が十分に成長し、結晶化が完了したら、常温まで冷却する。その後、必要に応じて表面を研磨すると、製品としての結晶化ガラスが完成する。
美しい天然大理石様パターンを備えた高品質な結晶化ガラスを得るためには、原料となる結晶性ガラス小体のサイズ(粒径)が重要なファクターとなる。例えば、粒径の小さい結晶性ガラス小体を使用して結晶化ガラスを製造すると、析出する結晶のサイズが小さくなり、コントラストが現れ難い。その結果、生成した結晶化ガラスの表面には天然大理石様パターンがほとんど発現せず、単純で特徴のない外観を呈することになる。一方、粒径の大きい結晶性ガラス小体を使用すると、析出する結晶のサイズが大きくなり、独特の模様が形成されるが、同時に白色度が低下するため、生成した結晶化ガラスの表面にムラが発生し易い。また、粒径の大きい結晶性ガラス小体は、結晶化後もその粒径に起因する凹凸が残存するため、結晶化ガラスの表面が平滑になり難い。このため、後の研磨工程に時間を要したり、結晶化ガラスとしての製品化自体が困難となる場合もある。
従って、結晶化ガラスの表面に美しい天然大理石様パターンを形成しながら、良好な平滑性を有する結晶化ガラスを製造するためには、適切な粒径を有する結晶性ガラス小体を選択することが重要である。ところが、溶融ガラスから得られる結晶性ガラス小体の粒径にはある程度の分布が存在する。粒度分布を有する結晶性ガラス小体の群から所望の粒径の結晶性ガラス小体のみを選択して結晶化ガラスを製造すると、使用できない結晶性ガラス小体が多量に発生し、結晶化ガラスの生産効率の悪化、及び生産コストの増大を招く。従って、良好な品質と安価な製造コストとを両立させながら工業的に結晶化ガラスを製造するためには、所望の粒径の結晶性ガラス小体だけでなく、所望でない粒径の結晶性ガラス小体についても有効に活用しながら結晶化ガラスを製造することが望まれる。
粒度分布を有する結晶性ガラス小体を無駄なく使用するためには、耐熱性型枠に充填する結晶性ガラス小体を所望の粒径群と所望でない粒径群との二つの群に予め分級し、これらを二層に配置することが考えられる。具体的には、結晶性ガラス小体を耐熱性型枠に投入する場合、先ず、所望でない粒径群の結晶性ガラス小体を投入して下層とし、その後に所望の粒径群の結晶性ガラス小体を投入して上層とする。このとき、所望の粒径群の結晶性ガラス小体によって構成される上層を結晶化ガラスの表面側とする。そうすると、完成した結晶化ガラスの表面は、所望の粒径群の結晶性ガラス小体からの結晶析出によって、確実に天然大理石様パターンが形成されると同時に、下層は所望でない粒径群の結晶性ガラス小体が充填されていることにより、結晶化ガラスを所定の厚みまで増大することが可能となる。
このように、結晶化ガラスの表面に天然大理石様パターンを確実に形成するためには、結晶化ガラスの表面側である上層に所望の粒径の結晶性ガラス小体のみを配置する必要がある。ところが、耐熱性型枠に充填する結晶性ガラス小体を二層とすると、各層の表面を均す工程を実行する際に、下層を構成する所望でない粒径群の結晶性ガラス小体が結晶化ガラスの表面側である上層に移動する虞がある。その結果、所望の粒径群の結晶性ガラス小体と所望でない粒径群の結晶性ガラス小体とが混合し、結晶化ガラスの表面の外観模様や平滑性等に悪影響を及ぼし得る。
二層構造の結晶化ガラスを製造するに際し、上層と下層との混合を防止する技術として、上層と下層との境界に低灰分性シートを挿入する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1によれば、結晶性ガラス小体に着色顔料を添加し焼成する結晶化ガラスの製造方法において、結晶性ガラス小体を耐熱性型枠に投入する場合、所定の顔料濃度を有する上層と顔料濃度が上層より小さい下層とを形成し、上層と下層との境界に低灰分性シートを挿入し、この状態で焼成を行っている。これにより、上層と下層とが混合しないので、結晶化ガラスの表面に色調ムラが生じ難く、品質が安定する、とされている。
結晶化ガラスの原料となる結晶性ガラス小体の粒径に着目した技術として、完成後の結晶化ガラスの表面側と裏面側とで粒径を異ならせる方法も知られている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2によれば、結晶性ガラス小体を耐熱性型枠に投入する場合、結晶化ガラスの裏面側となる上層には最大径が5mm以下の結晶性ガラス小体を充填し、表面側となる下層には上層の結晶性ガラス小体よりも最大径及び平均径が大きい結晶性ガラス小体を充填している。これにより、結晶化ガラスの表面に所望の模様パターンを形成しながら、従来は廃棄物として処分していた粒径の小さい結晶性ガラス小体を有効利用することが出来る、とされている。
特開平6−199542号公報 特開平6−056444号公報
ところが、特許文献1に記載されている結晶化ガラスの製造方法は、結晶性ガラス小体の粒径に着目した技術ではない。従って、特許文献1においては、結晶性ガラス小体の粒径に関連付けて、天然大理石様パターンを形成するという技術思想はそもそも存在しない。
一方、特許文献2に記載されている結晶化ガラスの製造方法では、結晶化ガラスの表面側となる下層に粒径の大きい結晶性ガラス小体を積層している。この場合、完成した結晶性ガラスの表面の白色度が低下するため、外観模様にムラが発生し、且つ平滑性が悪化する虞がある。また、下層は耐熱性型枠の内部底面と接触しているため、完成した結晶化ガラスの表面に結晶性ガラス小体の粒径に起因する凹凸が残存し易く、その後に研磨処理を施したとしても、当該凹凸を完全に除去することは困難である。従って、耐熱性型枠に充填する結晶性ガラス小体を二層とする場合、結晶化ガラスの表面に天然大理石様パターンを確実に形成するためには、耐熱性型枠の内部底面と接触する下層を表面側とすることは望ましくない。
ちなみに、特許文献2では、気泡に起因する結晶化ガラスの表面の荒れを防止するため、粒径の大きい結晶性ガラス小体を下層に充填している。従って、上述の表面を均す工程を実行しても、粒径の大きい結晶性ガラス小体は比較的下層に留まり易い。つまり、特許文献2においては、結晶性ガラス小体が上下層で混合するという問題は生じ難いため、当該混合を防止するという技術思想は見られない。
このように、現状においては、外観模様及び表面の平滑性等を良好に維持しながら、生産効率に優れた結晶化ガラスの製造方法に関する技術は未だ開発されていない。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、耐熱性枠体への結晶性ガラス小体の充填の仕方を工夫することにより、例えば、建築物の内外装材として利用可能な、高品質の結晶化ガラスを効率よく製造する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る結晶化ガラスの製造方法の特徴構成は、
耐熱性型枠を準備する準備工程と、
前記耐熱性型枠の枠内に、結晶性ガラス小体を積層して第一層を形成する第一積層工程と、
前記第一層の上に、熱分解可能な仕切材を敷設する仕切工程と、
前記仕切材の上に、前記第一層を構成する結晶性ガラス小体とは粒度分布が異なる結晶性ガラス小体を積層して第二層を形成する第二積層工程と、
前記第一層、前記仕切材、及び前記第二層を含む前記耐熱性型枠を、前記仕切材の熱分解温度以上の温度域まで昇温して前記結晶性ガラス小体を融着させるとともに、融着した結晶性ガラス小体の表面から内部に向けて結晶を析出させる結晶析出工程と、
を包含することにある。
上記課題で説明したように、従来においては、外観模様及び表面の平滑性等を良好に維持しながら、効率良く結晶化ガラスを製造することは困難であった。これは、原料となる結晶性ガラス小体の性状について何ら考慮しないまま、結晶化ガラスの表面に発現し得る外観模様のムラを解消しようとしていたためである。
この点、本構成の結晶化ガラスの製造方法では、第一積層工程、仕切工程、及び第二積層工程を実行することによって、第一層の結晶性ガラス小体と第二層の結晶性ガラス小体との間に設けられた仕切材が、両者の混合を確実に防止する。第二層の結晶性ガラス小体は、第一層を構成する結晶性ガラス小体とは粒度分布が異なるため、第二層の結晶性ガラス小体の粒度分布を所望のものとすれば、表面に天然大理石様パターンを発現しつつ、平滑性にも優れた結晶化ガラスを得ることができる。また、粒度分布が所望でない結晶性ガラス小体を第一層に充填することで、当該所望でない粒度分布を有する結晶性ガラス小体を有効に活用することが出来る。結晶析出工程では、仕切材の熱分解温度以上の温度域まで昇温するため、仕切材の残渣によるコンタミを確実に防止することができる。その結果、完成した結晶化ガラスは機械的強度に優れ、かつ表面に美しい天然大理石様パターンが確実に形成される。このように、本構成の結晶化ガラスの製造方法によれば、高品質の結晶化ガラスを、効率よく製造することが可能となる。
本発明の結晶化ガラスの製造方法において、
前記第二層を構成する前記結晶性ガラス小体の粒度分布は、単一ピークを有することが好ましい。
本構成の結晶化ガラスの製造方法では、第二層を構成する結晶性ガラス小体の粒度分布は、単一ピークを有する。このため、結晶性ガラス小体の粒径のバラツキが少なくなる。その結果、結晶化ガラスの表面側において粒径のバラツキに起因する外観模様のムラが発生し難い。なお、結晶性ガラス小体の粒度分布が単一ピークを有するとともに、当該粒度分布を所望の範囲とすれば、結晶化ガラスの表面の平滑性が向上し、より高品質な結晶化ガラスを製造することが可能となる。
本発明の結晶化ガラスの製造方法において、
前記第二層を構成する前記結晶性ガラス小体は、粒径が1〜5mmの範囲に粒度分布を有することが好ましい。
本構成の結晶化ガラスの製造方法では、第二層を構成する結晶性ガラス小体は、粒径が1〜5mmの範囲に粒度分布を有する。この範囲であれば、結晶化ガラス表面に天然大理石様パターンをより確実に形成することが可能となる。また、完成した結晶化ガラスは、外観模様にムラが少なく、平滑性にも優れている。従って、より高品質の結晶化ガラスを製造することが可能となる。粒径が1mm未満である場合、当該結晶性ガラス小体を使用した領域には天然大理石様パターンがほとんど発現しない。粒径が5mmより大きい場合、当該結晶性ガラス小体を使用した領域の白色度が低下するため、結晶化ガラスの表面の外観模様にムラが発生し易い。また、結晶性ガラス小体が一体化しても粒径に起因する凹凸が残存し、表面が平滑になり難い。
本発明の結晶化ガラスの製造方法において、
前記第一層及び前記第二層を構成する前記結晶性ガラス小体の最大粒径は、6mm以下であることが好ましい。
本構成の結晶化ガラスの製造方法では、第一層及び第二層を構成する結晶性ガラス小体の最大粒径を、6mm以下としている。このため、外観模様のムラが発生し難く、且つ平滑性がより向上する。その結果、より高品質な結晶化ガラスを製造することが可能となる。最大粒径が6mmより大きい場合、完成した結晶性ガラスの表面の白色度が低下し、外観模様のムラや凹凸等の問題が発生する虞がある。
本発明の結晶化ガラスの製造方法において、
前記第一層を構成する前記結晶性ガラス小体の最大粒径は、前記結晶析出工程を経て得られた結晶化ガラスの厚みの1/2以下であることが好ましい。
本構成の結晶化ガラスの製造方法では、第一層を構成する結晶性ガラス小体の最大粒径は、結晶析出工程を経て得られた結晶化ガラスの厚みの1/2以下である。このため、結晶化ガラスの表面側に発現する美しい天然大理石様パターンが第一層によって損なわれることがない。第一層を構成する結晶性ガラス小体の最大粒径が、結晶化ガラスの厚みの1/2より大きくなると、粒径の大きな結晶性ガラス小体に起因した好ましくない模様が表面側に現れる可能性があり、外観模様のムラが発生する虞がある。
本発明の結晶化ガラスの製造方法において、
前記仕切材の熱分解温度は、前記結晶性ガラス小体が融着を開始する温度未満であることが好ましい。
本構成の結晶化ガラスの製造方法では、仕切材の熱分解温度は、結晶性ガラス小体が融着を開始する温度未満である。このため、結晶性ガラス小体が融着する前に仕切材は完全に分解し、残渣によるコンタミを確実に防止することが出来る。その結果、結晶化ガラスの機械的強度の低下を防止すると同時に、気泡に起因する表面の荒れが発生し難くなり、結晶化ガラスの表面の平滑性がより向上する。仕切材の熱分解温度が、結晶性ガラス小体が融着を開始する温度以上である場合、仕切材が完全に熱分解されない虞がある。その結果、完成した結晶化ガラス中に残渣が混入し、結晶化ガラスの機械的強度の低下を招くことがある。
本発明の結晶化ガラスの製造方法において、
前記仕切材の厚みは、1mm以下であることが好ましい。
本構成の結晶化ガラスの製造方法では、仕切材の厚みを、1mm以下としている。このため、仕切材は、結晶析出工程において確実に熱分解し、残渣によるコンタミをより確実に防止することが出来る。仕切材の厚みが1mmより大きい場合、仕切材が完全に熱分解されない虞がある。その結果、完成した結晶化ガラス中に残渣が混入し、結晶化ガラスの機械的強度の低下を招くことがある。
図1は、本発明の結晶化ガラスの製造方法の手順を示す説明図である。 図2(A)は、ローラーハースキルンの物品搬送方向における断面図、図2(B)は、ローラーハースキルンの内部雰囲気の温度プロフィールの一例を示したグラフ、図2(C)は、ローラーの各位置に載置された結晶性ガラス小体の表面状態を表したイメージ図である。
以下、本発明に係る結晶化ガラスの製造方法を、図1及び図2に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<結晶性ガラス小体の作製>
本発明の結晶化ガラスは、結晶性ガラス小体を所定の温度で加熱し、結晶化することにより製造されるものである。結晶性ガラス小体は、ガラス原料を調合することにより所望の組成に調製される。本実施形態では、結晶性ガラス小体の組成が、重量百分率表示でSiO 50〜75%、Al 1〜15%、CaO 6〜18%、LiO 0.1〜5%、B 0〜1.5%、ZnO 2.5〜12%、BaO 0〜12%、NaO+KO 0.1〜15%、As+Sb 1%以下、SrO+MgO 2%以下、Fe+NiO+CoO+MnO+CuO 0〜12%、TiO+ZrO 1.5%以下となるように、ガラス原料を調合する。調合したガラス原料を、ガラス溶融炉(図示せず)において、1000℃〜1600℃で10〜30時間溶融し、溶融ガラスとする。この溶融ガラスを水中に投入して水砕した後、乾燥、分級し、粒径1〜6mm程度の粒度分布を有する結晶性ガラス小体を得る。図1は、本発明の結晶化ガラスの製造方法の手順(a)〜(f)を示す説明図である。
<準備工程>
結晶化ガラスは、耐熱性型枠で結晶性ガラス小体を熱処理することによって製造される。そこで、熱処理に先立ち、準備工程として結晶性ガラス小体を充填する耐熱性型枠を作製する。手順(a)は、耐熱性型枠50の断面図を示してある。耐熱性型枠50は複数の部材で構成される。本実施形態では、耐熱結晶化ガラス(日本電気硝子株式会社製 商品名:ネオセラム(登録商標))で構成されるセッター60を耐熱性型枠50のベースとして使用する。ネオセラム(登録商標)は、熱膨張係数が小さい耐熱性結晶化ガラスであり、熱衝撃に強く、機械的強度にも優れているため、セッター60として好適である。セッター60の上に、主成分がアルミナ−シリカである厚さ6mmの耐熱ボード70を敷き並べ、さらにその上に、セラミックペーパー80を敷設する。セラミックペーパー80は、耐熱ボード70を保護する役割を担う。さらに、セラミックペーパー80の中央部を取り囲むようにムライトコージュライト製の側壁90を設け、結晶性ガラス小体の収容空間を形成する。収容空間内部の結晶性ガラス小体が接する箇所には、予め離型剤としてアルミナスラリーを塗布しておくことが好ましい。
<第一積層工程>
第一積層工程として、手順(b)に示すように、耐熱性型枠50の枠内に結晶性ガラス小体Sを積層して第一層を形成する。耐熱性型枠50は、内部底面側が完成後の結晶化ガラスの裏面側となる。上述のように、結晶性ガラス小体Sは粒度分布を有している。そこで、種々の粒径を有する結晶性ガラス小体Sを無駄なく使用するためには、耐熱性型枠50に充填する結晶性ガラス小体Sを、天然大理石様パターンの形成に関与する所望の粒径群(以下、「必須結晶性ガラス小体S1」と称す。)と、天然大理石様パターンの形成に関与しない所望でない粒径群(以下、「残余結晶性ガラス小体S2」と称す。)との二つの群に予め分級しておく。分級は、上述の「結晶性ガラス小体の作製」で得られた粒度分布を有する結晶性ガラス小体Sを篩分けすることによって行われる。必須結晶性ガラス小体S1は、粒径が1〜5mmの範囲、好ましくは2〜4mmの範囲に粒度分布を有し、さらには、その粒度分布が単一ピークを有することが好ましい。残余結晶性ガラス小体S2は、作製した結晶性ガラス小体Sの全体から必須結晶性ガラス小体S1を除いたものである。すなわち、篩分けにより選別されなかった結晶性ガラス小体が残余結晶性ガラス小体S2となる。残余結晶性ガラス小体S2は、例えば、1mm未満の小径粒子と5mmを超える大径粒子との混合物から構成される。第一積層工程では、空の状態の耐熱性型枠50に残余結晶性ガラス小体S2を投入し、表面を均して下層(第一層)とする。第一層は、完成した結晶化ガラスの裏面側となる。このように、残余結晶性ガラス小体S2を有効に活用することにより、結晶化ガラスを所定の厚みまで増大することが可能となる。
<仕切工程>
仕切工程として、手順(c)に示すように、残余結晶性ガラス小体S2からなる下層(第一層)の上に、仕切材95を敷設する。仕切材95は、熱分解可能な素材で構成され、例えば、樹脂フィルム、紙、天然繊維又は合成繊維から作製された織物や不織布等を使用することができる。仕切材95の熱分解温度は、結晶性ガラス小体Sが融着を開始する温度未満のものが選択される。この場合、結晶性ガラス小体Sが融着する前に仕切材95は完全に分解し、残渣によるコンタミを確実に防止することが出来る。その結果、完成後の結晶化ガラスの機械的強度の低下を防止すると同時に、気泡に起因する表面の荒れが発生し難くなり、結晶化ガラスの表面の平滑性がより向上する。仕切材95の熱分解温度が、結晶性ガラス小体Sが融着を開始する温度以上である場合、仕切材95が完全に熱分解されない虞がある。その結果、完成した結晶化ガラス中に残渣が混入し、結晶化ガラスの機械的強度の低下を招くことがある。また、仕切材95の厚みdは、1mm以下とすることが好ましく、0.3mm以下がより好ましい。これにより、結晶析出工程において確実に熱分解し、残渣によるコンタミをより確実に防止することが出来る。仕切材95の厚みdが1mmより大きい場合、仕切材95が完全に熱分解されない虞がある。
<第二積層工程>
第二積層工程として、手順(d)に示すように、仕切材の上に、第一層を構成する残余結晶性ガラス小体S2とは粒度分布が異なる必須結晶性ガラス小体S1を積層し、表面を均して上層(第二層)を形成する。第二層は、完成した結晶化ガラスの表面側となる。手順(d)の拡大円は、第一層、仕切材95、及び第二層の積層状態を示したものである。また、手順(d)には、第一層を構成する残余結晶性ガラス小体S2の粒度分布、及び第二層を構成する必須結晶性ガラス小体S1の粒度分布も合わせて図示してある。ただし、これら手順(d)に図示されている必須結晶性ガラス小体S1及び残余結晶性ガラス小体S2のサイズ、形状、位置関係、並びに粒度分布のプロフィールは、説明の便宜のためのイメージ図であり、実際の状態を反映したものではない。
上記の第一積層工程及び第二積層工程において、第一層を構成する残余結晶性ガラス小体S2、及び第二層を構成する必須結晶性ガラス小体S1の最大粒径は、夫々6mm以下とすることが好ましく、4mm以下がより好ましい。この場合、外観模様のムラが発生し難く、且つ平滑性がより向上する。その結果、より高品質な結晶化ガラスを製造することが可能となる。最大粒径が6mmより大きい場合、完成した結晶性ガラスの表面の白色度が低下し、外観模様のムラや凹凸等の問題が発生する虞がある。
<結晶析出工程>
結晶析出工程として、残余結晶性ガラス小体S2からなる第一層、仕切材95、及び必須結晶性ガラス小体S1からなる第二層を含む耐熱性型枠50を、仕切材95の熱分解温度以上の温度域まで昇温して結晶性ガラス小体Sを融着させるとともに、融着した結晶性ガラス小体Sの表面から内部に向けて結晶を析出させる。結晶析出工程の手順(e)は、図2で詳細に説明する。結晶析出工程では、ローラーハースキルンを使用し、後述の「加熱処理工程(結晶生成工程、及び保持工程)」、並びに「冷却工程」の各工程を実行することにより、結晶化ガラスの表面に天然大理石様パターンをなす結晶を析出させている。
〔ローラーハースキルンの構成〕
ローラーハースキルンの構成について説明する。図2(A)は、結晶析出工程を実行するために使用するローラーハースキルン100の物品搬送方向における断面図である。「物品搬送方向」とは、ローラーハースキルン100の内部を貫通するローラー10の上に載置された物品(耐熱性型枠50)が進行する方向であり、図2(A)では紙面左から右へ向かう方向(矢印方向)である。図2(B)は、ローラーハースキルン100の内部雰囲気の温度プロフィールの一例を示したグラフである。図2(C)は、ローラー10の各位置に載置された耐熱性型枠50内の結晶性ガラス小体の表面状態を表したイメージ図である。
ローラーハースキルン100は、工業的生産を行うための焼成炉の一つであり、主に、ローラー10、熱源20、及び制御装置30等から構成されている。本実施形態では、ローラーハースキルン100の内部に区画部材40が設けられている。加熱対象物となる物品は、ローラーハースキルン100を貫通するローラー10上に載置され、ローラーハースキルン100の入口100aから内部に進入し、後述する加熱領域x及び非加熱領域yを順次通過し、出口100bに向けて搬送される。この間、熱源20からの放射熱、又は熱源20により熱せられた内部雰囲気の対流により、物品への加熱が行われる。
ローラー10は、耐熱性の金属やセラミック等からなる多数のころ10aを連設して構成される。ころ10aを回転させることにより、ローラー10上に載置された物品は、入口100aがある上流側から出口100bがある下流側に搬送される。ローラー10は、加熱条件や生産個数に応じて、複数列設置しても構わない。
熱源20は、本実施形態では、複数のガスバーナー20aから構成される。その他の熱源20として、セラミックヒーター、赤外線ヒーター等を使用しても構わない。熱源20は、ローラー10の上下に配置されているので、ローラーハースキルン100の内部を効率よく加熱することが出来る。図示しないが、物品搬送方向から見てローラー10の左右にも熱源20を配置しても構わない。熱源20の配置間隔や設置個数等は、生産規模、加熱対象物の特性、加熱条件等に応じて、適宜変更することが出来る。
制御装置30は、熱源20の出力(発熱量)、及びローラー10の動作を制御する。ローラーハースキルン100の内部雰囲気の温度プロフィールは、制御装置30が各ガスバーナー20aの火力を調整することにより達成される。さらに、制御装置30がローラー10の搬送速度を調整することにより、加熱対象物の昇温速度を間接的に制御することが出来る。制御装置30には、汎用のコンピュータを使用することが出来る。
区画部材40は、ローラーハースキルン100の内部を加熱領域xと非加熱領域yとに分けて、夫々の領域が他方の領域から受ける影響を低減する役割を担う。図2(A)において、区画部材40より上流側の加熱領域xには複数のガスバーナー20aが配置されており、雰囲気温度が高温に維持される。一方、区画部材40より下流側の非加熱領域yにはガスバーナー20aが配置されておらず、加熱領域xよりも低温状態になっている。区画部材40は、加熱領域xの高温の空気が非加熱領域yへと流入することを抑制するため、非加熱領域yにおいて物品を徐冷することが出来る。
〔加熱処理工程〕
加熱処理工程は、ローラーハースキルン100の加熱領域xにおいて実行される。具体的には、結晶性ガラス小体を充填した耐熱性型枠50を、ローラーハースキルン100を貫通するローラー10に載置する。耐熱性型枠50は、ローラーハースキルン100の入口100aから内部に搬送される。耐熱性型枠50が加熱領域xを矢印方向に進行する過程において、耐熱性型枠50に充填された結晶性ガラス小体が加熱される。
耐熱性型枠50は、ローラー10上に連続的に複数載置することが出来、図2(A)では、ローラー10上に耐熱性型枠50a乃至50fが配置されている。各耐熱性型枠50の配置場所における温度は、図2(B)の内部雰囲気の温度に対応している。従って、図2(B)で温度が上昇している範囲に配置されている耐熱性型枠50a乃至50eは、その記載順で徐々に高温状態となっている。
本実施形態におけるガラス原料の組成の場合、結晶性ガラス小体を加熱すると、約800℃で結晶性ガラス小体が互いに融着し、一体化する。次いで、約850℃から結晶(針状のβ―ウォラストナイト)の析出が開始し、結晶性ガラス小体の表面(粒界面)側から内部に向かって結晶が成長する。さらに加熱を続けると、約1050℃で結晶化が略完了し、一体化した結晶性ガラス小体全体に天然大理石様パターンが形成される。加熱処理工程では、常温のガラス材料(結晶性ガラス小体)を加熱して結晶を生成する結晶生成工程と、当該結晶生成工程を経たガラス材料を所定条件で保持する保持工程とを実行する。
<結晶生成工程>
加熱処理工程の前半の結晶生成工程では、昇温速度を170℃/hr以上400℃/hr未満に設定している。これにより、結晶性ガラス小体の軟化変形が十分に進行し、融着した夫々の結晶性ガラス小体の表面(粒界面)側から結晶が成長する。その結果、より外観模様にムラの少ない高品質の結晶化ガラスを工業的に製造することが可能となる。また、上記昇温速度の範囲であれば、結晶性ガラス小体を効率よく加熱することが可能となり、高い生産速度を維持しながら、結晶の析出と結晶性ガラス小体の軟化変形のタイミングとのバランスも崩れないため、十分に結晶を成長させることが出来る。従って、外観模様にムラの少ない結晶化ガラスを、効率よく、しかも大量に製造することが可能となる。昇温速度が170℃/hrより小さいと、結晶化が完了するまでにある程度の時間を要するため、生産効率が悪化する。一方、昇温速度を400℃/hr以上とすると、結晶の析出と結晶性ガラス小体の軟化変形のタイミングとのバランスが崩れ、その結果、一部の結晶性ガラス小体で白色度が低下し、外観模様にムラが発生する。結晶生成工程におけるより好ましい昇温速度は、200℃/hr以上400℃/hr未満である。
図2(C)の50a´、50b´、50c´及び50d´は、図2(A)の50a、50b、50c及び50dの各段階における結晶性ガラス小体の表面状態を示したイメージ図である。50a´は、各結晶性ガラス小体がまだ融着しておらず、且つ結晶も析出していない状態を示している。50b´は、各結晶性ガラス小体の軟化変形が十分に進行した結果、互いに融着し、一体化した状態を示している。耐熱性型枠50の内部に敷設した第一層と第二層とを仕切る仕切材95は、50b(50b´)の状態に達する前に完全に熱分解する。従って、後の完成した結晶化ガラス中に、仕切材95に起因する残渣が混入することはない。50c´は、融着した結晶性ガラス小体の表面(粒界面)側から結晶が成長し始めた状態を示している。50d´は、結晶の成長がさらに進行した状態を示している。
<保持工程>
加熱処理工程の後半の保持工程では、保持温度を1060〜1140℃、保持時間を20〜60分に設定している。これにより、結晶化ガラスの表面が十分に馴らされ、且つ表面に気泡等に起因する荒れが発生し難い。従って、結晶化ガラスの表面の平滑性が向上する。その結果、より外観模様にムラの少ない高品質の結晶化ガラスを工業的に製造することが可能となる。保持温度が1060℃よりも低い場合、又は保持時間が20分より短い場合、結晶性ガラス小体の軟化変形に必要な熱量が十分に供給されないため、所望の平滑性が得られず、凹凸のある表面になり易い。一方、保持温度が1140℃より高い場合、又は保持時間が60分より長い場合、結晶性ガラス小体が著しく軟化するため、表面に気泡が生じ、表面が荒れる。保持工程におけるより好ましい保持温度は、1070〜1130℃であり、より好ましい保持時間は、25〜55分である。
図2(C)の50e´は、図2(A)の50eの段階における結晶性ガラス小体の表面状態を示したイメージ図である。50e´は、結晶化が完了した状態を示している。保持工程を経験すると、結晶化ガラスは表面が平滑となり、結晶性ガラス小体の表面(粒界面)側から内部に結晶が成長してなる天然大理石様パターンが形成される。
〔冷却工程〕
冷却工程は、図2(A)において、ローラーハースキルン100の非加熱領域yにおいて実行される。具体的には、加熱処理された耐熱性型枠50が、区画部材40を通過し、下流側の非加熱領域yに進入する。非加熱領域yには熱源20が設置されていないため、耐熱性型枠50が矢印方向に進行するにつれて、生成した結晶化ガラスの温度が徐々に低下する。結晶化ガラスの冷却効果を高めるため、非加熱領域yに冷却ファンや通風口を設けても構わない。
図2(C)の50f´は、図2(A)の50fの段階における結晶性ガラス小体の表面状態を示したイメージ図である。50f´は、融着した結晶性ガラス小体が完全に固化して結晶化ガラスとなり、表面の天然大理石様パターンが固定された状態を示している。
冷却工程後、耐熱性型枠50から結晶化ガラスGを取り出す。取り出した結晶化ガラスGを、図1の手順(f)に示してある。ここで、結晶化ガラスGの厚みをL2とすると、手順(d)の拡大円中に示す第一層を構成する残余結晶性ガラス小体S2の最大粒径L1は、L2の1/2以下とすることが好ましい。この場合、結晶化ガラスGの表面側に発現する美しい天然大理石様パターンが第一層によって損なわれることがない。L1がL2の1/2より大きくなると、粒径の大きな残余結晶性ガラス小体S2に起因した好ましくない模様が表面側に現れてくる可能性があり、外観模様のムラが発生する虞がある。
冷却後の結晶化ガラスGに対し、必要に応じて、ガラス表面を研磨する研磨処理工程を実行する。研磨処理工程は、図示しない研磨装置を用いて実行される。研磨処理工程を行うことで、光沢を有する結晶化ガラスを得ることが出来る。研磨処理が施された結晶化ガラスは、結晶化ガラス建材として出荷される。
次に、本発明の結晶化ガラスの製造方法によって製造した結晶化ガラスに関する実施例について説明する。
実施例では、仕切材、第一層の結晶性ガラス小体の平均粒径、第二層の結晶性ガラス小体の最大粒径、及び結晶析出後の結晶化ガラスの厚みが夫々異なる2つの実施例(実施例1及び2)、及び4つの比較例(比較例1〜4)について、得られた結晶化ガラスの外観模様、表面の平滑性、及び残渣の有無を評価した。
実施例で使用する結晶性ガラス小体を得るために、先ず、重量百分率表示でSiO 62%、Al 6%、CaO 16%、LiO 0.5%、B 0.3%、ZnO 4%、BaO 6%、NaO+KO 5%、Sb 0.2%の組成となるように、ガラス原料を調合した。調合したガラス原料を、ガラス溶融炉において、1300℃〜1500℃で15〜24時間溶融し、1200℃以上の溶融ガラスとした。この溶融ガラスを水中に投入して水砕した後、乾燥、分級し、結晶性ガラス小体を得た。当該結晶性ガラス小体は、分級により、粒径が1〜5mmの範囲にあり、単一のピークを有する必須結晶性ガラス小体と、1mm未満の小径粒子と5mm超の大径粒子との混合物から構成される残余結晶性ガラス小体とに分けられている。
耐熱性型枠の枠内に、本発明の結晶化ガラスの製造方法の手順に従って、残余結晶性ガラス小体(第一層)、仕切材、必須結晶性ガラス小体(第二層)を、各層を均しながら順次積層し、積層後の耐熱性型枠をローラーハースキルンに導入し、下流側に搬送しながら加熱した。本実施例では、図1に示した耐熱性型枠50、及び図2に示したローラーハースキルン100と同タイプの装置を使用した。実施例及び比較例の条件を表1に、評価結果を表2に夫々まとめた。
樹脂フィルムの熱分解温度は、約200〜500℃である。再生紙の熱分解温度は、約300〜500℃である。実施例1及び2は、すべて本発明の範囲を満たす条件で実施したものである。すなわち、第一層と第二層との間に熱分解可能な仕切材を設け、第一層及び第二層の粒度分布が異なり、さらに、第一層を構成する結晶性ガラス小体の最大粒径は結晶化ガラスの厚みの1/2を超えない。一方、比較例1〜4は、少なくとも一部の条件が本発明の範囲から外れている。すなわち、比較例1は、第一層と第二層との間に仕切材を設けておらず、且つ第一層及び第二層の粒度分布が同じである。比較例2は、第一層及び第二層の粒度分布が同じである。比較例3は、第一層及び第二層の粒度分布が同じであり、且つ第一層を構成する結晶性ガラス小体の最大粒径が結晶化ガラスの厚みの1/2を超えている。比較例4は、仕切材として結晶化ガラスの製造工程中は熱分解しないアルミナペーパーを使用したものである。
外観模様の評価は、外観模様のムラの有無を目視にて確認し、判定した。表面の平滑性の評価は、突起及び泡の有無を目視にて確認した。高さが0.5mmを超える突起又は開放泡が存在する場合、表面の平滑性が悪いと判定した。残渣の有無は、目視にて確認した。
実施例及び比較例の結果は、以下の通りである。
(1)実施例1及び実施例2は、外観模様、及び表面の平滑性が良好であり、結晶化ガラス中に残渣の残存も見られなかった。実施例1及び実施例2の製造条件であれば、高品質の結晶性ガラスを工業的に生産することが出来ることが判明した。
(2)比較例1〜3は、外観模様に大きなムラが発生し、表面の平滑性も不十分であった。このため、商品とすることが出来なかった。
(3)比較例4は、外観模様及び表面の平滑性において良好であったが、仕切材としてアルミナペーパーを使用したため、結晶化ガラス中にアルミナペーパーの破片が残渣として残存していた。
以上より、本発明に係る結晶化ガラスの製造方法であれば、外観模様にムラの無い高品質な結晶化ガラスを、効率よく工業的に生産することが可能である。
本発明の結晶化ガラスの製造方法によって得られる結晶化ガラスは、建築物の内外装材に利用可能である。
50 耐熱性型枠
60 セッター
70 耐熱ボード
80 セラミックペーパー
90 側壁
95 仕切材
100 ローラーハースキルン
S 結晶性ガラス小体
S1 必須結晶性ガラス小体
S2 残余結晶性ガラス小体
G 結晶化ガラス

Claims (7)

  1. 耐熱性型枠を準備する準備工程と、
    前記耐熱性型枠の枠内に、結晶性ガラス小体を積層して第一層を形成する第一積層工程と、
    前記第一層の上に、熱分解可能な仕切材を敷設する仕切工程と、
    前記仕切材の上に、前記第一層を構成する結晶性ガラス小体とは粒度分布が異なる結晶性ガラス小体を積層して第二層を形成する第二積層工程と、
    前記第一層、前記仕切材、及び前記第二層を含む前記耐熱性型枠を、前記仕切材の熱分解温度以上の温度域まで昇温して前記結晶性ガラス小体を融着させるとともに、融着した結晶性ガラス小体の表面から内部に向けて結晶を析出させる結晶析出工程と、
    を包含する結晶化ガラスの製造方法。
  2. 前記第二層を構成する前記結晶性ガラス小体の粒度分布は、単一ピークを有する請求項1に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  3. 前記第二層を構成する前記結晶性ガラス小体は、粒径が1〜5mmの範囲に粒度分布を有する請求項1又は2に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  4. 前記第一層及び前記第二層を構成する前記結晶性ガラス小体の最大粒径は、6mm以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  5. 前記第一層を構成する前記結晶性ガラス小体の最大粒径は、前記結晶析出工程を経て得られた結晶化ガラスの厚みの1/2以下である請求項1〜4の何れか一項に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  6. 前記仕切材の熱分解温度は、前記結晶性ガラス小体が融着を開始する温度未満である請求項1〜5の何れか一項に記載の結晶化ガラスの製造方法。
  7. 前記仕切材の厚みは、1mm以下である請求項1〜6の何れか一項に記載の結晶化ガラスの製造方法。
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