JP2013154010A - 電気化学センサの製造方法、及び電気化学センサ - Google Patents

電気化学センサの製造方法、及び電気化学センサ Download PDF

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Abstract

【課題】電極の形成において要求される公差の制限を小さくすることで、センサ全体を小型化してもセンサ感度を十分に維持できる程度の大きさの電極面積を確保し、また、センサ全体の大きさを変えない、或いは、センサの幅を小さくしない場合であっても電極面積を大きくすることができる電気化学センサの製造方法、及び電気化学センサを提供することを目的とする。
【解決手段】検体中に含まれる物質を測定する電気化学センサの製造方法であって、基板上に形成した導電性の第一の層の表面に、前記第一の層に所定の機能を付与する第二の層を形成し、前記第二の層の表面側から、前記基板上に形成された前記第一の層および前記第二の層を既定のパターンに従って除去し、前記基板上に電極およびリードを形成する。
【選択図】 図3

Description

本願は、ヒトや動物の体液に含まれる特定の基質を測定する電気化学センサの製造方法、及び電気化学センサを開示する。
被験者の腹部や腕部に植え込んだ電気化学センサを利用して、血液や尿、間質液のような体液中の被検物質に関する数値情報、例えば、被検者の間質液中のグルコース濃度(いわゆる血糖値)を連続的に測定する技術が知られている。電気化学センサは、電気化学反応を利用して微量な電流を検出可能なセンサであり、酸化還元反応を生じる微量な化学物質の検出に適している。
例えば、グルコース濃度を測定するセンサの場合、一般に、作用極と対極とを設け、作用極には酵素(例えば、グルコース酸化酵素)を固定化する。グルコース濃度は、作用極と対極との間に電圧を印加した場合に得られる応答電流に基づいて測定することができる。
このような電気化学センサを製造する技術としては、例えば、特許文献1−3に開示されているように、スクリーン印刷を各層について繰り返し施す方法が知られている。すなわち、用意した基板にマスキングを施して金属層(金など)をスクリーン印刷した後、マスキングを除去することにより、パターニングされた金属層を形成する。次に、再びマスキングを施し、金属層の表面のうち、作用極とする部分にはカーボン層、対極となる部分には銀塩化銀層をスクリーン印刷する。次に、金属層等を形成した基板の表面を絶縁性の材料でコーティングした後、電極上の絶縁膜をレーザやフォトレジスト等によって除去する。次に、基板を生体適合性を有する材料でコーティングする。このように、スクリーン印刷を各層にて各層を形成する際には、マスキングを施してスクリーン印刷し、パターニングして下層を形成した後、更に再度マスキングを施し、下層の上にスクリーン印刷して上層を形成することで、作用極や対極(或いは参照極)を設けている。
米国特許公報第6413393号公報 米国特許公報第6103033号公報 米国特許公報第5391250号公報
皮下に植え込んで使用する電気化学センサは、植え込みの際、被験者に痛みや恐怖心などの精神的負担を与える場合がある。このため、センサ全体を小型化し、植え込みの際の精神的負担を軽減することが望まれる。ところが、センサを小型化すれば、確保できる電極面積も小さくなるため、センサ全体の大きさを小型化しつつも十分な大きさの電極面積を確保する技術が望まれる。ここで、特許文献1〜2に開示されているような方法で製造する場合、下層の面積が小さいと、上層は下層よりも更に小さい面積に印刷する事になるので、求められる公差も厳しくなり、製造条件が厳しくなる。
そこで、本願は、電極の形成において要求される公差の制限を小さくすることで、センサ全体を小型化してもセンサ感度を十分に維持できる程度の大きさの電極面積を確保し、また、センサ全体の大きさを変えない、或いは、センサの幅を小さくしない場合であっても電極面積を大きくすることができる電気化学センサの製造方法、及び電気化学センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、各層を形成した後にパターニングを行い、電極やリードを形成することにした。
詳細には、検体中に含まれる物質を測定する電気化学センサの製造方法であって、基板上に形成した導電性の第一の層の表面に、前記第一の層に所定の機能を付与する第二の層を形成し、前記第二の層の表面側から、前記基板上に形成された前記第一の層および前記第二の層を既定のパターンに従って除去し、前記基板上に電極およびリードを形成する。
上記製造方法においては、第二の層を形成した後、第一の層と第二の層とを既定のパターンに従って一体的に除去している。このため、第一の層の寸法と第二の層の寸法とが必然的に一致することになり、各層間に公差を確保する必要が無くなる。各層間に公差を確保する必要が無くなるため、センサの幅を小さくしても電極部分の面積を十分に確保することができる。また、センサ全体の大きさを変えない、或いは、センサの幅を小さくしない場合でも、従来の電極面積よりも大きな面積を確保できるため、センサ感度を向上させることができる。
なお、前記基板上に前記電極およびリードを形成する工程では、前記第二の層の表面側から、前記基板上に形成された前記第一の層および前記第二の層を、電極および前記電極のリードを前記電気化学センサの長手方向に延在させる前記既定のパターンに従って除去するものであってもよい。
上記製造方法によれば、各層間に公差を確保する必要が無いので、センサの幅を小さくしても電極部分の面積を十分に確保することが可能である。よって、複数の電極が長手方向に並んだセンサの製造に用いることで、電極部分の面積を十分に確保しつつ、センサの幅を十分に小さくした電気化学センサを製造することができる。また、センサ全体の大きさを変えない、或いは、センサの幅を小さくしない場合でも、従来の電極面積よりも大きな面積を確保できるため、センサ感度を向上させることができる。
また、前記既定のパターンは、前記基板上に、複数個分の電気化学センサの電極およびリードを形成させるものであり、前記第二の層を形成する工程では、前記基板上に前記電極およびリードを形成する際、前記基板上に複数個形成されることになる各電気化学センサの少なくとも電極の部位を横断するように前記第二の層を形成するものであってもよい。
基板上に、複数個分の電気化学センサの電極およびリードを形成することとし各電気化学センサの少なくとも電極の部位を横断するように第二の層を形成すれば、各層間の公差を無くしてセンサの幅を小さくしつつも、電気化学センサを大量に生産可能となり、生産効率の向上を図ることができる。
また、前記第二の層は、カーボン層、または銀塩化銀層であってもよい。
通常、このようなカーボン層あるいは銀塩化銀層は、第一の層のうち特に電極を形成する部位にのみ形成し、リードを形成する部位といった第二の層を形成不要な箇所については、カーボンや銀塩化銀を付着させないようにするのが通常である。しかしながら、上記製造方法は、このような第二の層を形成不要な箇所を敢えて排除することなく、第二の層を形成した後に第一の層と第二の層とを既定のパターンに従って一体的に除去することで、各層間の公差を不要にしてセンサの幅を小さくし、また、センサ全体の大きさを変えない、或いは、センサの幅を小さくしない場合でも、従来の電極面積よりも大きな面積を確保できるため、センサ感度を向上させることができる。
また、前記基板上に形成された前記第一の層および前記第二の層を前記既定のパターンに従って除去して、前記基板上に前記電極および前記リードを形成した後は、基板上に絶縁膜を形成してもよい。ここで、絶縁膜は、少なくともリード上に形成する。電極上に形成された絶縁膜については、絶縁膜を形成した後に除去するようにしてもよいが、絶縁膜を、電極上を除く基板上に形成するようにしてもよい。
なお、絶縁膜の形成前または形成後には、生体触媒で電極を覆うようにしてもよい。また、絶縁膜の形成後には、少なくとも電極上を外層膜で覆うようにしてもよい。この外層膜は、生体触媒を含むものであってもよい。
また、上記電気化学センサが生体の皮下に植え込むものである場合、センサは横幅を可能な限り小さくすることが求められるが、上記製造方法によれば、各層間に公差を確保する必要が無いので、センサの幅を小さくしても電極部分の面積を十分に確保することが可能である。よって、生体の皮膚に突き刺して、複数の電極が長手方向に並んだ前記基板を皮下に植え込むセンサの製造に用いることで、電極部分の面積を十分に確保しつつ、センサの幅を十分に小さくした電気化学センサを製造することができる。また、センサの幅を小さくしない場合でも、従来の電極面積よりも大きな面積を確保できるため、センサ感度を向上させることができる。
なお、本発明は、物の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、上記製造方法によって製造された電気化学センサであってもよい。
本発明によれば、電極の形成において要求される公差の制限を小さくしているので、センサ全体を小型化してもセンサ感度を十分に維持できる程度の大きさの電極面積を確保し、また、センサ全体の大きさを変えない、或いは、センサの幅を小さくしない場合であっても電極面積を大きくすることができる。
電気化学センサの構成図である。 電気化学センサのセンサ部を拡大した図である。 電気化学センサの製造方法のフロー図である。 金属層を形成する工程を示した図である。 カーボン層および銀塩化銀層を形成する工程を示した図である。 カーボン層および銀塩化銀層を除去する工程を示した図である。 基板上に多数形成されたセンサ部を拡大した図である。 基板上に形成するセンサ部の変形例である。 従来技術に係る製造工程を示した図である。 本実施形態に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部と、従来技術に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部とを比較した図である。 カーボン層および銀塩化銀層を形成する工程の変形例を示した図である。 カーボン層および銀塩化銀層を除去する工程の変形例を示した図である。
上記発明の実施形態を以下に説明する。以下に示す実施形態は例示であり、本願で開示する発明の技術的範囲をこれらに限定するものではない。
本実施形態に係る電気化学センサの製造方法は、例えば、微小なセンサの形成に用いると好適である。このようなセンサとしては、例えば、図1に示すような電気化学センサを例示できる。電気化学センサ(バイオセンサ)1は、電気化学的反応を利用して生物または生物由来の被検物質を連続的に測定するものであり、生体の皮膚に突き刺して皮下に植え込んで使用する。これにより、例えば、動物の間質液中のグルコースの濃度といった体液中の特定の基質の物理量を連続的に測定できる。
間質液中のグルコースの濃度を測定するグルコースセンサの場合、例えば、図2に示すように、センサ部2の基材6にある、導電性の金属層の上にカーボンペーストをスクリーン印刷した作用極4、銀塩化銀インクを塗布又は印刷した参照極5、金属層を露出させた対極3を形成し、生体触媒である酵素で覆う。
以下、このような電気化学センサ1のセンサ部2を形成する場合を例に、本実施形態に係る電気化学センサの製造方法を、図3のフロー図に沿って説明する。
(ステップS101)本実施形態に係る電気化学センサの製造方法では、図4に示すように、基板7(基材6に対応)の片面に金属層8を形成する。金属層8は、100μm程度のフィルム状の基板7の片面に、金や白金、或いはアルミニウム等の金属を物理蒸着(PVD,例えばスパッタリング)、或いは化学蒸着(CVD)によって例えば30nm程度の厚さに成膜することで形成する。基板7の材料には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)のような熱可塑性樹脂,ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂のような、人体への害がなく、適当な絶縁性及び可撓性を有する樹脂を適用することができる。
(ステップS102)次に、図5に示すように、金属層8の上に、カーボン層9および銀塩化銀層10をストライプ状に形成する。カーボン層9は、カーボンペーストをスクリーン印刷し、乾燥させて例えば10μm程度の厚さに形成する。また、銀塩化銀層10は、銀塩化銀(Ag/AgCl)インクを塗布又は印刷し、乾燥させて形成する。
(ステップS103)次に、図6に示すように、基板7の上に形成した金属層8を、カーボン層9および銀塩化銀層10と共に一体的に除去し、電極およびリードを形成する。除去は、レーザトリミング、或いはハーフカット等により行なう。レーザによってトリミングを行なう場合、レーザ光の強度は、カーボン層9および銀塩化銀層10に覆われている金属層8が十分に除去されるように調整する。
ここで、図6に示すように、対極3、作用極4、参照極5は、センサ部2の長手方向に沿って配置されており、センサ部2の先端側から順に、第1の対極3、作用極4、参照極5の順番に並んでいる。また、これらの電極の脇には、リード13が形成されている。
図7は、基板7上に多数形成されたセンサ部2を拡大した図である。本実施形態に係る電気化学センサの製造方法では、基板7の上に形成した金属層8を、カーボン層9および銀塩化銀層10と共に一体的に除去しているため、図7の拡大図に示すように、リード13の一部がカーボン層9や銀塩化銀層10で覆われることになる。
なお、対極3や作用極4、参照極5は、必ずしもセンサ部2の長手方向に沿って配置される必要は無く、例えば、図8に示すように、長手方向に沿ってカーボン層や銀塩化銀層を形成し、破線で示した部分の周囲の金属層やカーボン層、或いは銀塩化銀層を除去することにより、電極が短手方向に並べてもよい。
また、対極3、作用極4、参照極5が並ぶ順序についても、必ずしも図7に示したような順に並ぶ必要は無い。
(ステップS104)次に、基板7の表面を絶縁性の材料でコーティングし、絶縁膜11を形成する。絶縁膜11は、例えば、絶縁性の材料で構成されるインクをスクリーン印刷した後に乾燥させるか、あるいは、紫外線硬化性の材料を塗布した後に紫外線を照射して硬化させることにより、形成することができる。絶縁膜11が形成されることにより、各電極やリード同士が電気的に絶縁される。
(ステップS105)次に、電極上の絶縁膜11を除去する。電極上の絶縁膜11は、レーザ光の照射によって除去できる他、絶縁膜11が感光性の樹脂の場合にはフォトレジスト法によって除去することもできる。電極上の絶縁膜11をレーザ光によって除去する場合には、金属層8およびカーボン層9あるいは銀塩化銀層10が除去されないようにレーザ光の強度を調整する。電極上の絶縁膜11が除去されることにより、対極3や作用極4、参照極5が露出した状態になる。
なお、上記ステップS104およびS105においては、電極も含めて絶縁膜11を形成した後、電極上の絶縁膜11を除去しているが、それ以外に、例えば、電極部分を予めマスクしてから絶縁膜11を形成してもよい。絶縁膜11は、少なくともリード13を覆うように形成する。
(ステップS106)次に、対極3や作用極4、参照極5、絶縁膜11が形成された基板7の表面を外層膜12でコーティングする。外層膜12は、生体適合性を有する材料、例えば、ポリウレタン、シリコン系ポリマー(ポリシロキサン)、セルロースアセテート、ハイドロゲル、ポリビニルアルコール、HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)あるいはこれらを含むコポリマー等で形成し、内部に検体が入り込む構造にする。これにより、外層膜12の表面に接触した検体が外層膜12の内部に浸透し、検体がカーボン層9に到達可能になる。そして、基板7上に多数形成された各センサ部2を切り取る。
なお、各電極を外層膜12で覆う際には、生体触媒である試薬酵素で各電極の表面を予め覆うか、或いは、試薬酵素を含有させた材料で外層膜12を形成する。試薬酵素としては、例えば、グルコースオキシダーゼ(GOD)又はグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を使用することができる。各電極に分注した試薬酵素の固定化方法としては、グルタルアルデヒドのような固定化物質で固定化する方法を採る事ができる。試薬酵素は、上記ステップS104およびステップS105のように絶縁膜11を形成した後に電極上の絶縁膜11を除去してから電極を覆うようにしてもよいし、電極部分を予めマスクしてから絶縁膜11を形成した後、マスクを除去してから電極を覆うようにしてもよいし、或いは、電極上にスポット的に試薬酵素を吐出して分注してから電極部分をマスクし、その後に絶縁膜11を形成してもよい。
以上のような製造工程を経ることによって形成された電気化学センサ1のセンサ部2であれば、図9に示すように、金属層8をトリミングした後にカーボン層9や銀塩化銀層10を形成する従来の製造工程を用いる場合に比べて、センサ部2の幅を変えることなく各電極の大きさを大きくすることができる。
本実施形態に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部と、従来技術に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部とを比較した図を図10に示す。従来技術に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部は、カーボン層や銀塩化銀層10をスクリーン印刷する際のスクリーン版の精度やパターンの位置合わせの精度の関係上、図10に示すように、公差をミクロンサイズオーダーあるいはサブミクロンサイズオーダーにて設ける必要がある。このため、カーボン層や銀塩化銀層10が、金属層に形成されたパターンよりも不可避的に狭くなり、電極面積の確保の観点から不利である。また、公差が大きいと量産時の歩留まりが悪化し、製造単価の増大に繋がる。また、精度の高いスクリーン印刷を施すことはスクリーン版が高価になるなど、コスト的にも不利である。
一方、本実施形態に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部は、金属層とカーボン層あるいは銀塩化銀層を一体的にレーザトリミングあるいはハーフカットによって除去するため、金属層とカーボン層あるいは銀塩化銀層との間で公差を設ける必要が無く、電極面積の確保や歩留まりの向上等の観点からも有利である。また、金属層やカーボン層、銀塩化銀層の印刷は、ベタ印刷に近いパターンで実施できるため、高精度な刷版の必要が無く、コスト面でも有利である。トリミングを施す際の加工精度を考慮すると、従来よりも小さい加工精度が要求される微小な電極の製造にも対応することができる。
本実施形態に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部の電極の寸法と、従来技術に係る製造方法によって作成される電気化学センサのセンサ部の電極の寸法とを比較すると、本実施形態に係る製造方法の場合、金属層とカーボン層あるいは銀塩化銀層との間で設けていたミクロンサイズオーダーあるいはサブミクロンサイズオーダーの公差が不要なため、センサ部2の幅を変えることなく、絶縁膜11の開口部から露出する対極3や作用極4、参照極5の寸法をその分大きくすることができる。作用極3の寸法が大きくなることにより、検出される信号のシグナルが強くなり、感度が高くなる。
また、本実施形態に係る製造方法であれば、同等の検出性能を持つセンサ部を従来技術に係る製造方法で製造する場合に比べて、センサ部の幅を小さくすることができるので患者に与える痛みや恐怖心を抑制することができる。また、センサ全体の大きさを変えない、或いは、センサの幅を小さくしない場合であっても、従来の電極面積よりも大きな面積を確保できるため、センサの感度が向上する。
また、本実施形態に係る製造方法は、上記のように、カーボン層9や銀塩化銀層10をストライプ状に形成するものに限定されるものではない。本実施形態に係る製造方法は、例えば、図11に示すように、ステップS102の処理で作用極4、参照極5を形成する部分とその周辺部分のみを覆うようにカーボン層9や銀塩化銀層10を形成した後、図12に示すように、ステップS103の処理でカーボン層および銀塩化銀層を既定のパターンに従って除去するようにしてもよい。また、本実施形態に係る製造方法は、上記のように、複数のセンサ部2を同時に製造するものである必要はなく、例えば、基板7に対して一つのセンサ部2を製造するものであってもよい。
このようにして製造された電気化学センサ1は、被検者の所定位置(腹部或いは腕部など)に装着されることにより、センサ部2が間質液中に浸漬される。そして、作用極4へ所定の電圧を印加して応答電流のデータを採取する。その電流成分のデータに基づいてグルコース濃度を得ることができる。
1・・・電気化学センサ,2・・・センサ部,3・・・対極,4・・・作用極,5・・・参照極,6・・・基材、7・・・基板,8・・・金属層,9・・・カーボン層,10・・・銀塩化銀層,11・・・絶縁膜,12・・・外層膜,13・・・リード

Claims (13)

  1. 検体中に含まれる物質を測定する電気化学センサの製造方法であって、
    基板上に形成した導電性の第一の層の表面に、前記第一の層に所定の機能を付与する第二の層を形成し、
    前記第二の層の表面側から、前記基板上に形成された前記第一の層および前記第二の層を既定のパターンに従って除去し、前記基板上に電極およびリードを形成する、
    電気化学センサの製造方法。
  2. 前記基板上に前記電極およびリードを形成する工程では、前記第二の層の表面側から、前記基板上に形成された前記第一の層および前記第二の層を、電極および前記電極のリードを前記電気化学センサの長手方向に延在させる前記既定のパターンに従って除去する、
    請求項1に記載の電気化学センサの製造方法。
  3. 前記既定のパターンは、前記基板上に、複数個分の電気化学センサの電極およびリードを形成させるものであり、
    前記第二の層を形成する工程では、前記基板上に前記電極およびリードを形成する際、前記基板上に複数個形成されることになる各電気化学センサの少なくとも電極の部位を横断するように前記第二の層を形成する、
    請求項1または2に記載の電気化学センサの製造方法。
  4. 前記第二の層は、カーボン層、または銀塩化銀層である、請求項1から3の何れか一項に記載の電気化学センサの製造方法。
  5. 前記基板上に形成された前記第一の層および前記第二の層を前記既定のパターンに従って除去して、前記基板上に前記電極および前記リードを形成した後、前記基板上に絶縁膜を形成する、請求項1から4の何れか一項に記載の電気化学センサの製造方法。
  6. 前記絶縁膜を形成する工程では、前記絶縁膜を少なくとも前記リード上に形成する、請求項5に記載の電気化学センサの製造方法。
  7. 前記絶縁膜を形成した後、前記電極上に形成された絶縁膜を除去する、請求項5または6に記載の電気化学センサの製造方法。
  8. 前記絶縁膜を形成する工程では、前記絶縁膜を、前記電極上を除く前記基板上に形成する、請求項6または7に記載の電気化学センサの製造方法。
  9. 前記絶縁膜の形成前または形成後に、生体触媒で前記電極を覆う、請求項5から8の何れか一項に記載の電気化学センサの製造方法。
  10. 前記絶縁膜の形成後に、少なくとも前記電極上を外層膜で覆う、請求項5から9の何れか一項に記載の電気化学センサの製造方法。
  11. 前記外層膜は、生体触媒を含む、請求項10に記載の電気化学センサの製造方法。
  12. 前記電気化学センサは、生体の皮下に植え込むものである、請求項1から11の何れか一項に記載の電気化学センサの製造方法。
  13. 請求項1から12の何れか一項に記載の製造方法により製造された、電気化学センサ。
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