JP2013153916A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊技制御装置に遊技チップを有し、払出制御装置に払出チップを有する。遊技チップと払出チップとはそれぞれ互いに送受信が可能である。遊技チップは、チップIDを有しそれを払出チップへ送信する。また、遊技チップは検出可能な遊技機状態を外部装置へ出力する。払出遊技チップもチップIDを有する。払出チップは、遊技チップから遊技チップIDを受信し、受信したチップIDとともに自らの払出チップのチップIDをも遊技機外のホールコンピュータに出力するための出力制御をし、その出力制御が終了すると受信完了コマンドを遊技チップへ返す。遊技チップは、受信完了コマンドを受信したことに基づいて遊技制御の実行を開始する。また、遊技チップは、遊技機状態を出力させる場合には遊技チップIDを出力する指示情報を払出チップへ送信する。
【選択図】図4
Description
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、
当該遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を少なくとも記憶保持する受信情報記憶部と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行なう個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を前記遊技演算処理装置に送信し、
前記遊技演算処理装置は、
前記払出送受信制御手段から前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を受信したことに基づいて前記遊技制御の実行を開始するようにするとともに、
前記遊技機状態信号を出力させる場合には、前記遊技個体識別情報の出力を指示するための前記制御情報を、前記遊技機状態信号に対応させて前記遊技送受信制御手段により前記払出制御装置に送信するようにしたことを特徴とする。
払出演算処理装置は、払出制御装置を構成する演算処理装置(払出用マイコン、払出チップ)であって、CPU、RAM、ROM、送受信回路等を有する。
個体識別情報とは、当該マイコンを他のマイコンと識別するためのチップIDコード(チップID)であって、同じチップIDコードを有するものはほかになく、また、書き換えられることがないものである。
遊技個体識別情報は、遊技演算処理装置の個体識別情報(遊技チップのチップID)である。
払出個体識別情報は、払出演算処理装置の個体識別情報(払出チップのチップID)である。
外部装置は、情報収集端末、管理装置(ホールコンピュータ)等である。
また、遊技機状態信号に対応させて遊技個体識別情報が出力されるので、外部装置(管理装置)は、送られてくる遊技個体識別情報と対応する遊技機状態信号の整合が容易に取れるので、遊技機の状況が把握し易くなり、不正が発生した場合の対策が取り易くなる。
払出演算処理装置に記憶保持した遊技個体識別情報を外部装置に出力するので、遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図1及び図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14(透明部材)を備えたガラス枠15が取り付けられている。
ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。枠装飾装置18は、半透明なプラスチックなどで形成され前面枠のほぼ全域にわたって発光可能に構成されているとともに、内蔵ランプには3原色である赤、青、緑それぞれの色を発光可能なLEDがセット(組)でマトリックス状に配置されたものが使用され、多色カラー発光が可能にされている。
さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機(カードユニット4)から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、カードユニット4からプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部29が設けられている。なお、排出ボタン28は、カードユニット4に設けてもよい。
カードユニット4は、紙幣挿入口41、カード挿入口42、状態表示ランプ43、情報表示装置44、遊技球払出口45等を備えている。
紙幣挿入口41は、カードユニット4の前面上部に設けられている。紙幣挿入口41には、紙幣が挿入される。
カード挿入口42は、カードユニット4の前面下部に設けられている。カード挿入口42には、会員カードや非会員用のプリペイドカード等が挿入される。
状態表示ランプ43は、紙幣挿入口41の上方に設けられ、カードユニット4による球貸が可能か否かを示す。例えば、会員カード又はプリペイドカードが挿入されて球貸が可能な状態となっている場合には状態表示ランプ43は緑色に点灯し、会員カード又はプリペイドカードが挿入されておらず球貸ができない状態である場合には赤色に点灯する。
表示部441には、カード挿入口42に挿入された会員カードやプリペイドカードに記憶された情報(会員情報等)、遊技機10において所定期間の間に実行された特図変動表示ゲームの回数及び特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった回数、カード挿入口42に挿入された会員カード又はプリペイドカードに記憶された残高や貯球数、紙幣挿入口41に挿入された紙幣の金額情報等が表示される。なお、カードの残高は、遊技機10の残高表示部29にも連動して表示される。
操作部442は、貯球払出スイッチ等を備えている。貯球払出ボタンは、遊技者が貯球した(遊技場に預け入れた)遊技球を再度使用する場合に用いられる。
また、遊技機10の球貸ボタン27が操作されると、払出制御装置300によって制御される払出ユニットから上皿球出口(図示省略)を介して上皿21に貸球が払い出される。
なお、球貸ボタン27が操作された場合、遊技球払出口45から貸球を上皿21に払い出すようにしてもよい。
具体的には、カードユニット4は、カード挿入口42に会員カード又はプリペイドカードが挿入されたときに、挿入されたカードに記憶された情報を読み取り、その情報をカード情報として出力する。
また、カードユニット4は、紙幣挿入口41に紙幣が挿入される毎に、挿入された紙幣の金額を識別し、その金額等を入金情報として出力する。
また、カードユニット4は、操作部442の貯球払出スイッチが操作されたときに、払い出した貯球数等を貯球払出情報として出力する。
また、カードユニット4は、所定数の遊技球を貸し出す毎に球貸情報(例えば、25個で一回のパルス信号)を出力する。なお、球貸情報は、球貸ボタン27が操作される毎に遊技機10側から出力してもよい。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための一般入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口35〜38などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示ランプ(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示ランプ(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
下皿23の下方には、各台計数器182が設けられている。各台計数器182は、下皿23から排出された遊技球を回収し、カードユニット4内の計数器183で貯球として計数する。計数器183は、得られた計数球数を計数情報(例えば10個で一回のパルス信号)として外部に出力する。
アウトタンク181で計数された回収球及びカードユニットの計数器183で計数された計数球は、図示しない補給回収機構によって島設備内に回収される。
図3に示すように、演出制御装置300のうち、表示装置41における表示データなど機種に依存するデータが記憶されたROMが設けられた基板は、遊技盤30の裏面側であって(前面枠本体の裏面側に取り付けられた)裏面構成部材160の開口部に臨む位置に取り付けられ、さらにその後側に遊技を制御する遊技制御装置100がボックスに収納された状態で取り付けられている。そして、演出制御装置300のうち複数の機種で共通使用可能な回路を有する基板は、裏面構成部材160に取り付けられている。また、排出装置190による賞球の払い出しを制御する払出制御装置200、遊技機10内の各装置に電力を供給する電源装置400は、それぞれボックスに収納された状態で、前面枠本体の裏面側であって開口部の下側となる位置に取り付けられている。外部情報端子板500は、貯留タンク192の(遊技機裏面から見て)右側であって、前面枠本体の上端に近い部分に取り付けられている。発射制御装置600、カードユニット接続基板700、操作パネル基板710(図4参照)も前面枠本体に取り付けられている。
すなわち、機種に依存して異なる内容を有する基板は遊技盤30に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な基板は前面枠本体もしくは裏面構成部材160に取り付けられている。よって、遊技盤30を変更することにより機種に依存する基板のみが交換され、遊技機10の遊技内容を変更することが可能である。遊技制御装置100は、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111の中のROM111Bに遊技プログラムが記憶されていて、その内容は遊技機の機種ごとに異なるものであるので、機種に依存して異なる内容を有する基板である。
裏面構成部材160の前面の左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機10の裏面側から見て右側の側部に設けられた取付部材にヒンジ機構を介して回動可能に軸支されており、前面枠本体に形成された開口部の上側略半分を裏面側から覆って遊技盤30の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して開口部の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。
本体部には、裏面構成部材160が遊技盤30の裏面に臨む状態において、前面側(遊技盤30の裏面に臨む側)に開口する矩形箱状の凹部である表示ユニット配設部が形成されている。また、裏面構成部材160の裏面側から見て、表示ユニット配設部の右側に隣接して、裏面側に開口する矩形箱状の凹部である排出装置配設部が形成されている。
遊技機10は遊技制御装置100を備える。遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、CPU、RAM、ROM等を有する遊技用マイクロコンピュータ(以下、図4において遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部と、入力ポートを有する入力部と、出力ポートやドライバなどを有する出力部、CPU部と入力部と出力部との間を接続するデータバスなどからなる。CPUは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAMは、普通変動入賞装置37内に設けられた始動口センサのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPUの作業領域等を備えている。ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図の変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図の変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
出力部におけるインタフェースには、CPUから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38の駆動手段としての各種開閉ソレノイド37c、38b、演出制御装置300、一括表示装置50、賞球の払出を制御する払出制御装置200などに出力されている。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路608(図5参照)と、発振回路からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路608の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータ609(図5参照)を備えている。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路を設けずに直接遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/Fは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/Fには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポートが保持しているデータは、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が第2入力ポートに割り当てられているアドレスをデコードし、イネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
一方、シュミットトリガ回路によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部を介さずに直接中継基板に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、中継基板を介してリセット信号RSTを試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部の各ポートには供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111によって出力部の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部の各ポートから遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が読み込んだデータは、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111のリセットによって廃棄されるためである。
さらに、出力部には、データバスに接続された認定機関の試射試験装置99へ中継基板を介して、変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを出力するバッファが実装可能に構成されている。このバッファは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/Fから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファを通さずに中継基板を介して試射試験装置へ供給される。
外部情報信号は、具体的には、磁石、大入賞口、普電不正エラー信号(セキュリティ信号)、扉又は枠開放信号、大当り信号、始動口入賞信号、図柄確定回数信号であり、これらがどのようにして編集処理がなされるかについては、図17,18等を参照しつつ後述する。
また、図4には遊技制御装置100と払出制御装置200との間に、受信完了コマンドが描かれている。これは、遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報であって、払出用マイコンから遊技用マイコンへと送信されるものである(図6のステップS07、図11のステップS1108、図16のH1606、Y1602、図23のステップT3参照。)
払出制御装置200の入力部には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ(ガラス枠開放SW)63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ(前面枠開放SW)64からの信号、異常な電波を検出するセンサ66からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ68からの信号(シュート球切れSW)、払い出された球を検出する払出球検出SW67からの信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ65からの信号を取り込んでデータバスを介して払出用マイコン211に供給する入力ポートが設けられている。オーバーフロースイッチ65は、貯留タンク192(又は下皿23)に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出するスイッチである。
払出用マイコン211(払出演算処理装置) は、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111と同様にアミューズチップと呼ばれるワンチップマイコンを用いることができる。したがって、上述した遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が有する入力部、出力部と同様の構成を払出マイコン211も有して、同様の作用をすることができる。
また、このとき、カードユニット4が遊技チップID、払出チップIDの正当性を判定した結果、不正が行われている可能性が高いと判定する場合には、カードユニット4からの遊技球の貸出を停止するようにしてもよい。
上述の各制御基板や、遊技機100に備えられた各装置には、電源回路としての電源装置400から電力が供給されるようになっている。
演出制御装置300は、演出の制御内容を記憶した制御ROM、画像や映像データが記憶されたCGROM、音データが記憶された音データROMなどの遊技機の機種に依存する記憶内容を有する各種ROMを備えている。
また、制御装置としてのCPU、RAMや、表示装置41における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、グラフィックプロセッサとしてのVDP(video display processor)などを含むビデオ回路、音の出力を制御する音源LSI等の複数の機種において共通使用可能な汎用回路をも備えている。これら演出制御装置300のうち、複数の機種において共通使用可能な回路を有する基板と、機種に依存し機種によって異なる内容をもつ各種ROMを有する基板とを別個に切り離して設けることも可能である。
この演出制御装置300は、遊技制御装置100から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置100の制御の下に)照明装置16,16などによる枠装飾装置18(図4の装LED141)の制御、表示装置41、表示装置41のバックライトの制御、スピーカ19a、19bによる音の出力の制御、エラー報LED241(図4参照)の制御を行う。
主制御用マイコン(1stCPU)は、遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコンへ出力映像の内容を指示し、音源LSIへの再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)と映像制御用マイコン(2ndCPU)の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)と映像制御用マイコン(2ndCPU)との間、主制御用マイコン(1stCPU)と音源LSIとの間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)との間、主制御用マイコン(1stCPU)とVDPとの間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDPには、画像ROMから読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)や、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路などが設けられている。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)には、主制御用マイコン(1stCPU)よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置を駆動制御する盤装飾LED制御回路、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路(装LED)141、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記照明装置16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路は、アドレス/データバスを介して主制御用マイコン(1stCPU)と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチや上記盤演出装置内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)へ検出信号を入力するスイッチ入力回路、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路が設けられている。
RAMクリアスイッチ440は、遊技制御装置100内のRAM及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化するスイッチである。初期化スイッチ信号はRAMクリアスイッチ440がオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111内のRAM111C及び払出用マイコン211内のRAM(受信情報記憶部)211Cに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれる。停電監視信号は遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン、映像制御用マイコン、VDP、音源LSI、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路、スピーカを駆動するアンプ回路に供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコンの有する汎用のポートを利用して、VDPに対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコンとVDPの動作の連携性を向上させることができる。
遊技ブロック600Aは、CPUコア601、ユーザープログラムROM602、ユーザーワークRAM604、外部バスインターフェース606、バス切換え回路607、復号化・ROM書込み回路614、ミラードRAM605、ブートブロック613、リセット割込み制御回路610、アドレスデコーダ611、出力制御回路612、クロックジェネレータ609、乱数生成回路608及びHWパラメータROM603などの機能ブロックを含む。これらの機能ブロックおよび管理ブロック110B間は、CPUバス615によって接続されている。
ユーザーワークRAM604は、CPUコア601の主記憶に相当し、例えば、S−RAM等の高速半導体デバイスで構成される。また、ユーザーワークRAM604は、遊技ブロック600Aにおける遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。なお、ユーザーワークRAM604は、遊技用マイクロコンピュータ600の端子群の一つに割り当てられた専用の端子を用いてバッテリバックアップ機能を付与できるようになっており、遊技機10の電源オフ後もその記憶内容を保持する。また、ユーザーワークRAM604は、そのチップイネーブルの禁止及び許可が、図示しないプロテクト回路によってコントロールされるようになっており、チップイネーブルの禁止状態中(遊技機10への電源非供給時)は読み出しおよび書き込みのいずれも行うことができない。
ミラードRAM605は、クロックの立ち下がり時にユーザーワークエリアに記憶された情報を複製した情報を記憶する(CPUコアがZ80の場合には、クロックの立ち上がり時に処理を実行するため、同期して動くことがないようにしている)。
リセット割込制御回路610は、外部からの割込み要求信号に応答してCPUコア601に対して割込み要求を行ったり、チップ内部の回路(例えば乱数生成回路)に対して制御信号を送ったり、外部から入力されるリセット信号に応答してCPUコア601をシステムリセットするとともに、遊技用マイクロコンピュータ600の内部の各種リソースを初期状態に設定する信号を生成する回路である。また、リセット割込制御回路610は、ウォッチドッグタイマ(WDT)を含んでいる。リセット割込み制御回路610は、電源装置400の制御信号生成部430が発するリセット信号を受け取るRST端子を有している。
アドレスデコーダ611は、CPUバス615のアドレス情報をデコードして、そのデコード結果に応じて、出力制御回路612を制御する。内蔵デバイス及び内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式及びI/OマップドI/O方式によりデコードする。
出力制御回路612はアドレスデコーダ611からの信号制御を行って外部端子より8ビットのチップセレクト信号(CS0〜CS7)を外部に出力する。
クロックジェネレータ609は、外部から供給されるシステムクロックMCLKと乱数用のクロックEXCLKに基づいて、CPUコア601を含む遊技用マイクロコンピュータ600内の各ブロックに供給する動作クロックとカウンタ用のクロックを生成する。クロックジェネレータ609は、カウンタタイマサーキット(CTC)を含んでいる。
シリアル送受信回路631及び暗号化送受信回路632は、例えば、遊技制御装置100と払出制御装置200との間で送受信する際に用いられる回路である。SIO接続により非暗号化信号のやりとりを行なうときには、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有するシリアル送受信回路631を用い、暗号化接続により暗号化信号のやりとりを行なうときには、暗号化送受信回路632を用いる。
前述したように、HWパラメータROM603に書き込まれたチップIDコードとROMコメントには、CPUコア601が直接アクセスできない。CPUコア601がROMコメントを扱う手続には管理ブロック600Bの関与が必要となる。ブートブロック613に格納されたブートプログラムが実行される際(電源起動時、システムリセット時)にブートプログラムにより、後述する管理ブロック600BのIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 にHWパラメータROM603の内容がコピーされて、記憶される。そして、ブートプログラムの実行が終わって、ユーザープログラムが起動した後、所定のレジスタを介してCPUコア601がユーザープログラムを実行することによりROMコメントの内容を取得可能となる。
管理用ワークRAM619は、バスモニタ回路618を介して読み込まれた遊技ブロック600Aの情報を一時的に保持するための記憶領域として使用される。バスモニタ回路618は、CPUバス615の状態を監視し、CPUバス615がCPUコア601によって使用されていないときは、必要に応じてCPUバス615を介して遊技ブロック600AのユーザープログラムROM602やユーザーワークRAM604等をアクセスし、所要のデータ(遊技プログラムやユーザーワークRAM604の内容等)を管理ブロック600Bに取り込む。
また、IDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 には、この固有IDに加えて、遊技種別コード、ランクコード、メーカ番号、機種コード及び検査番号等の各情報が書き込まれている。なお、遊技種別コードは、パチンコ遊技機やスロットルマシン等を区別するための情報であって、例えば、パチンコ遊技機の場合は"P"、スロットルマシンの場合は"G"で表される。ランクコードは、遊技機1の機種ランクコード(第1種、第2種等を区別するためのコード)、メーカ番号当該遊技機1の製造メーカを識別するためのメーカID(又はメーカコード)である。機種コードは、製造メーカが設定する当該遊技機1の製品コードである。検査番号(又は検定コード)は、第三者機関による検査に合格した遊技機1に付与される番号である。
外部通信制御回路621は、遊技機の外部に設けられた情報収集端末装置やID検査装置と通信を行う。例えば、情報収集端末装置が接続されている場合は、その情報収集端末装置からの要求に応答して、管理用ワークRAM619やIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 の記憶内容を要求元の情報収集端末装置に転送し、ID検査装置が接続されている場合は、そのID検査装置からの要求に応答して、少なくともIDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)617 に記憶されている固有IDの情報を要求元のID検査装置に転送する。
次に、遊技制御装置100により行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、一括表示装置50に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、一括表示装置50に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
さらに、遊技制御装置100は、高確率状態を、特別遊技状態の終了後所定回数(例えば36回)の特図変動表示ゲームの実行期間に制限する制御(ST制御)を行うようにすることができる。
具体的には、電サポ状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの当り発生確率が通常の遊技状態より高くなるように制御される。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
さらに、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)ようにしてもよい。また、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回ではなく、2回以上の複数回に設定されても良い。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数を複数回とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。
本発明の課題である「不正の可能性が高いことを外部に報知可能な遊技機を提供する」という観点から見るとき重要な役割を果たす制御装置は、遊技制御装置100と払出制御装置200とである。図4に描かれるように、外部情報端子板500を介して管理装置(外部装置) 800にチップIDを含めた情報を送信するのは、遊技制御装置100及び払出制御装置200だからである。
次に、上述の装置における制御について、図6から図22までを参照しつつ、実施形態1として説明する。なお、実施形態1(図6−22)を述べた後に、実施形態2(図23)、変形例1(図24−25)、変形例2(図26−29)と順次述べるが、これらの違いはいずれもチップIDの外部への送信に関連する制御の手順についてのものであって、ハードウェア構成、遊技処理の内容などに関してはすべて同じである。
上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について図6から図10までを参照しつつ説明し、上記払出制御装置200の払出用マイコン211によって実行される制御について図11から図15までを参照しつつ説明する。
なお、ここにいうメイン処理、タイマ割り込み処理のいずれも遊技用マイコン111のユーザープログラムROM602に格納されたユーザープログラム(遊技制御プログラム)をCPUコア601が必要に応じて読み込んで実行することにより実現される処理である。
遊技制御装置側のメイン処理は、電源が投入され、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111のブートプログラムが簡易チェック、管理ブロックへのチップIDコード・ROMコメントのコピー、セキュリティの設定などの処理を実行して、遊技用マイコン内部の回路がすべてCPUコア601の制御対象となって機能する準備ができた後に、遊技プログラム(ユーザープログラム)の所定アドレスに処理が渡され、必要なユーザープログラムが読み込まれることによって開始される。
このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行なってから、CPUの初期設定処理を行う(ステップS2)。CPUの初期設定処理は、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定を含む。
次に、払出制御装置200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS3)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS4)、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS5)。
次に、固有情報送信処理を実行する(S6)。固有情報は、電源投入時(停電復旧時)にあっては、メーカーコード、製品コード、チップコード(個体識別情報、遊技用マイコンのチップIDコード)を含む情報であって、図7の固有情報送信例の左半分に記載されるように20バイトからなる情報である。そして、遊技機状態信号出力時(枠開放時、大当り時等)にあっては、チップコード(個体識別情報)を含む情報であって、図7の固有情報送信例の右半分に記載されるように7バイトからなる情報である。
電源投入時の固有情報の送信フォーマットは、20バイトから構成され、最初の1バイトはスタートコード、次の1バイトは区分識別コードである。区分識別コードは次の区分がメーカーコード区分であって3バイト構成であることを意味する。次の3バイトはメーカーコード1,2,3である。遊技機メーカを特定するのにこの3つのバイトを用いる。次の1バイトには区分識別コードがくる。この区分識別コードは次の区分が製品コード区分であって8バイト構成であることを意味する。そして、次の8つのバイトを用いて製品を特定する。ここでいう製品の特定は、遊技機の機種を特定するだけでなく、その機種が多くのシリーズ展開をしている場合には、その詳細に至るまで特定するものである。すべてのバイトを使用する必要のない場合には不要な桁を「0」又は「F」で埋めることとする。製品コード区分の次には、「遊技チップコード区分が4バイト構成であること」を示す区分識別コードが来て、その後の4つのバイトを用いてチップコード1,2,3,4を表す。この4つのバイトにより当該遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111が唯一無二のものとして個体識別するように(ユニークに)特定される。最後の20バイト目はエンドコードである。ここで、遊技チップとは、遊技制御装置側の遊技用マイコン(アミューズチップ)のことを意味する。
なお、後述する遊技機状態信号出力時(枠開放時、大当り時等)に送信する固有情報のフォーマットは、図7の右半分に示すように最初の1バイトがスタートコード、次の1バイトが区分識別コード(次に来る遊技チップコード区分が4バイト構成であることを示すコード)、次の4バイトがチップコード1,2,3,4、そして最後にエンドコードという7バイト構成となっており、この順序に送信される。
ここで、ステップS803におけるメーカーコードは、CPUブロック図(図5)の説明において前述したように、CPU111Aが所定のレジスタを読み込むことによりIDプロパティメモリ617に記憶されたメーカーコードを取得するものである。ステップS805における製品コードの取得、ステップS807における遊技チップIDコードの取得についても同様である。
ステップS801からステップS808までの処理はCPU111のCPUコア601がシリアル送受信回路631(図5参照)内の送信バッファに送信内容をセットする処理である。CPU111のシリアル送受信回路631は送信バッファに書き込まれた送信内容を、払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置、CPU)211のシリアル送受信回路631に向けて送信する。CPU211のシリアル送受信回路631がそれを受けてCPU211のCPUコア601に渡すと、CPU211は外部装置(管理装置)へ固有情報を送信すべく送信バッファに書き込み、その後CPU211のCPUコア601は受信完了コマンドをCPU111側に送り返す(図16参照)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS8)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS8;No)と判定すると、ステップS9で、RWM内の停電検査領域1、2の値がすべて正常な停電検査領域チェックデータ1、2であるかチェックする(ステップS9)。正常と判定すると(ステップS9;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS10)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して、一致するかを判定する(ステップS11)。そして、一致する場合(ステップS11;Yes)は、停電から正常に復旧した場合の処理、すなわち停電復旧時の初期値設定(ステップS12)及び特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS13)を実行する。
ここでRWMのうちのRAM111cには、(例えば停電検査領域1に)停電フラグ(停電確認情報)が格納されている。後述するステップS24において停電発生があったと判断された場合に、電源断処理のステップS27においてRAM111cに格納されたフラグである。ステップS9のチェックにおいては、この停電フラグをチェックして、この電源投入が停電から復旧するものであることを意味する場合には、正常であるとして、ステップS10のチェックサム算出処理以降へと進む。停電フラグのチェックの結果、この電源投入が停電から復旧するものでない場合には、ステップS9又はステップS11で正常でないと判断して図6のステップS14へ進み電源投入時の初期化の処理、すなわち使用するすべてのRWMを0クリアし(ステップS14)、初期値の必要な領域に初期値をセーブし(ステップS15)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する(ステップS16)処理を実行する。
また、初期化スイッチがオン(ステップS10;Yes)と判定された場合、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS9;No)、チェックサムが正常でない(ステップS11;No)と判定された場合は、図6のステップS14へ移行して初期化の処理(ステップS14〜S16)を実行する。
正常に停電復旧した場合には、ステップS13からステップS17へ進む。電源投入時の初期化処理を行った場合には、ステップS16からステップS17へ進む。
ステップS17では、セキュリティ信号制御タイマの初期値をセットする(ステップS17)。ここで、セキュリティ信号とは、後述する図21,24,28のタイミングチャートにおいて磁石、大入賞口、普電不正エラー時の遊技機エラー状態信号として出力されているものである。図4を参照しつつ前述したように様々な不正についてはセンサで検出し、その結果が払出用マイコン(払出演算処理装置)211を介して遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111へ送られる。それらのエラー信号をどれだけの時間の長さだけ出力するかは、そのエラーの内容によって異なる。その長さを制御するのがセキュリティ信号制御タイマである。
セキュリティ信号制御タイマの初期値をセットした(ステップS17)後、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111内に設けられたクロックジェネレータ609(図5参照)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う(ステップS18)。CTC回路は乱数発生にも割込み処理にも必要であるので、ステップS19、ステップS20の前に起動する必要がある。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111内のクロックジェネレータに設けられているが、クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS21)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路608において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS20)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
上記ステップS24において、停電が発生していると判定した場合(ステップS24;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS25)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS26)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS27)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出してチェックサム領域にセーブする処理(ステップS28)を行なった後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS29)を行なって、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン(遊技演算処理装置)111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図9のフローチャートに記載したタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58、図9)の詳細について、図10を用いて説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図10に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
さらに、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
その後、分岐処理で準備したテーブルの各データを作業領域にセーブした(ステップA16)後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、ステップA17へ進む。
特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を終えると、タイマ割り込み処理(図9)へ戻り、普図ゲーム処理(S59)へ進む。
図11〜15を参照しつつ、払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置)211(図4のCPU211A、図5のCPUコア601)が実行する処理について説明する。
まず、図11,12のフローチャートに基づき、遊技機10に電源が投入されたとき(停電から復旧したとき、システムリセットによりリスタートしたときを含む。)に払出制御装置200が実行を開始するメイン処理について説明する。メイン処理は、CPUコア601がブートブロック613に記憶されたブートプログラムをロードして実行し、各周辺回路がCPUコア601の制御下に入った後、ユーザープログラムROM602に記憶された払出制御プログラムが読み込まれてCPUコア601が当該プログラムを実行することで開始される。
そして、受信割込み許可を設定する(ステップS1105)。ここで、受信割込みを許可するのは、払出制御装置200の払出用マイコン(払出演算処理装置)211が電源投入時の 固有情報受信(遊技演算処理装置が払出演算処理装置へ向けてチップIDを含む情報を送信するのを受信すること)を行う処理が図13に示すように割込み処理として構成されているからである。
受信割込み処理は、固有情報受信割込み信号がCPU211Aに入力されることで開始される。払出用マイコン(払出演算処理装置)211において受信割込みが発生すると、図13のフローチャートに記載した受信割込み処理が開始される。
受信割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWM(RAM211C)に移すレジスタ退避の処理(ステップS1301)を行う。なお、実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、固有情報受信割込み要求をクリアする(ステップS1302)。そして、シリアル受信バッファのデータを読み込む(ステップS1303)。
固有情報解析処理(ステップS1311)の詳細は、図14のフローチャートに記載されている。まず、最初の識別コードが受信済みであるか否かを判定する(ステップS1401)。ここで「最初の識別コード」とは、図7に示されている固有情報の送信フォーマットにあるように2バイト目の区分識別コードのことをいう。そして、ここでの受信済みとは、図13のステップS1303からステップS1310までの、バッファのデータを読み込んでセーブする処理が済んでいるか否かを意味する。1バイト目のスタートコードを受信済みであるが、2バイト目の区分識別コードをまだ受信していない段階では(ステップS1401;No)、図13へ戻り、ステップS1312へ進んで受信バッファが空か否かを判定する。空でない場合には(ステップS1312;No)、シリアル受信バッファのデータを読み込んで(ステップS1303)、固有情報受信継続中のフラグが立っているか否かを判定する(ステップ1304)。スタートコードを読み込んだ段階で固有情報受信継続中フラグが立っているから(ステップS1304;Yes)、受信カウンタに対応する固有情報記憶領域のアドレスを算出し(ステップS1308)、算出後のアドレスに受信データをセーブし(ステップS1309)、受信カウンタを更新し(ステップS1310)てから、固有情報解析処理(ステップ1311)に再び入る。
これらの処理により、払出演算処理装置から管理装置(外部装置)へ向けて固有情報を送信する際にも、図7に示したものと同様のフォーマットにより固有情報の送信ができることとなる。
なお、スタートコードを受信できなくて(ステップS1305;No)、固有情報受信継続中フラグを立てられない場合には、ステップS1312でNoと判定され、ステップ1303を経てステップ1304でNoと判定された結果、再びステップS1305でNoと判定されるという無限ループに陥る。このとき遊技制御演算処理装置111へ受信完了コマンドが送られないので遊技制御も開始されないまま待機状態となる(図6のステップS7)。この場合には何らかの不正が行われた可能性があるので、遊技場の従業員が当該遊技機へ行ってメンテナンス作業を行うこととなる。
図13の受信割込み処理から図11のメイン処理へ戻ると、エンドコードを受信済みか否か(ステップS1106)と、固有情報受信継続中フラグがクリアされたか否か(ステップ1107)との二つの判定を続けて実行する。遊技制御演算処理装置からの固有情報受信を正常に終了しないうちは、払出制御を進行させないためである。これらの二つの判定のうちの一つでもNoである場合には、当該判定を繰り返すループ処理を行う。また、エンドコードを受信したにもかかわらず、固有情報受信継続中(固有情報受信継続中フラグが立てられたまま)であれば、払出制御の進行を行わない。
エンドコードを受信済みであり(ステップS1106;Yes)、かつ、固有情報受信継続中フラグがクリアされている(ステップS1107;Yes)の場合にのみ、受信完了コマンド(遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報)を送信する(ステップS1108)。一方、遊技制御演算処理装置は、この受信完了コマンドを受けると、図6のステップS8以降の停電復旧処理又は初期化処理に進む。
受信完了コマンドを送信した後、電源装置400に設けられたRAMクリアSW(スイッチ)440(図4参照)がONになって払出制御装置200のRAMを初期化する操作が行われたか否かを判定し(ステップS1109)、RAMクリアSW440がONでないと判定された場合には、停電からの復旧であることを示す停電復旧情報がRAMに設定されているか否かを判定することによって、停電復旧時の電源投入であるか否かを判定する(ステップS1110)。また、停電復旧時の電源投入であると判定された場合には、RAMに記憶されているデータが壊れている否かを判定するために、チェックサムが正常であるか否か調べる(ステップS1111,S1112)。具体的には、停電があった際にRAMに記憶されていたデータのチェックサムと、RAMに現在記憶されているデータのチェックサムとが一致するか否かを判定する。このとき、固有情報を記憶しているRAM領域はチェックサムの算出から除外される。チェックサムが正常であると判定された場合、すなわちRAMに記憶されているデータが正常であると判定された場合には、停電復旧処理を実行してRAMに停電復旧時の初期値を設定する(ステップS1113)。
一方、ステップS1109にてRAMクリアSW440がONであると判定された場合、またはステップS1110にて停電復旧時の電源投入でないと判定された場合、またはステップS1112にてチェックサムが異常であると判断された場合には、使用する全てのRAMに記憶されているデータをクリアした(ステップS1114)後に、RAMへ電源投入時の初期値を設定し(ステップS1115)、払出制御装置200のRAM211Cの初期化を実行する。
タイマ割込み許可を設定した後、カードユニット4が払出制御装置210に接続されているか否かを判定し(ステップS1201)、接続されていると判定した場合には、発射制御装置600に遊技球の発射を許可する発射許可信号をON(発射許可状態)に設定する(ステップS1202)。接続されていない(ステップS1201;No)と判定した場合には、発射制御装置600に遊技球の発射を許可しない状態(発射許可信号OFF状態)に設定する(ステップS1203)。発射制御装置600は、発射モータ610を制御する装置であり、遊技制御装置100からの発射許可信号がONであり、かつ払出制御装置200からの発射許可信号がONであるときに発射モータ610が遊技球を発射できるよう制御する。
次に、払出制御モードがいずれであるかの情報を取得する(ステップS1204)。そして、取得された払出制御モード(モード0,モード1,モード2)によって処理を分岐させる(ステップS1205)。モード0の場合には、遊技球が過剰に払い出されているか否かを監視する払出過剰エラー監視処理を実行する(ステップS1206)。そして、実際に遊技球を払い出させる処理を開始させるために、払出装置制御開始判定処理を実行する(ステップS1209)。
モード2の場合には、貸球として払い出す遊技球の数を設定する球貸し制御処理を実行し(ステップS1208)、払出モータ191を制御する払出制御処理を実行して、遊技球を貸球として払い出す(ステップS1210)。
各モードに対応する処理を実行したならば、遊技球の払出動作時に発生したエラーの報知の編集を行うエラー報知編集処理(ステップS1211)を実行する。エラー報知はエラーナンバー表示器298へ出力することにより行なわれる。
ステップS1212で停電が発生していないと判定した場合(ステップS1212;No)には、ステップS1201の処理に戻り、ステップ1201からステップS1212までの処理を繰り返し実行する。
以上、図6から図10までを参照しつつ遊技制御装置側の処理を説明し、図11から図15までを参照しつつ払出制御装置側の処理を説明した。ここで、遊技制御装置と払出制御装置との間、払出制御装置と管理装置(情報収集装置)との間のデータやコマンドの流れを、電源投入時について図16を参照しつつ説明する。図16は、電源投入時の各装置間の流れを示すフローチャートである。ここで、電源投入には遊技店における一日の最初の稼働時のみならず、システムリセットがかかって再起動する場合、停電復旧の場合などを含む。「管理装置(情報処理装置)」と記載してあるのは、通常の場合、遊技機に1対1に対応する情報収集装置が設けられて遊技機の遊技機情報等を収集し、収集された情報は島(遊技機が多数列設される場合のまとまり)ごとに設けられた中継装置を通じて管理装置(ホールコンピュータ)に集められるからである。図7に示した固有情報の送信フォーマットではスタートコード、区分識別コード、エンドコードを含むが、図16のフローチャートではそれらを省略して記載する。
遊技制御装置100から払出制御装置200への送信は、本実施形態においてはシリアル送受信回路631を用いる。遊技用マイコン111(遊技チップ)は、シリアル送受信回路631の送信バッファに送るべき情報を設定する。そしてCPUコア601からのコマンドによりシリアル送受信回路631が当該情報を払出制御装置200に送信する。
払出制御装置200は電源投入時のメイン処理(図11のステップS1105〜S1108、図13の受信割り込み処理、図14の固有情報解析処理)において、受信バッファからメーカーコード、製品コード、遊技チップIDコードを取得する(ステップH1601)。そして、取得したメーカーコード、製品コード、遊技チップIDコードを払出用マイコン211側のシリアル送受信回路631の送信バッファに設定する(ステップH1602)。管理装置(外部装置)へ出力するためである。ここで、取得した情報を送信バッファに設定するのみならず、払出用マイコン211のRAM211Cに記憶し保持することとしてもよい。
払出マイコン211が送信開始を設定する(ステップH1605)と、シリアル送受信回路631が管理装置へメーカーコード、製品コード、遊技チップIDコード、払出チップIDコードを送信する。
ここで、払出制御装置200において、遊技制御装置側から送られた固有情報に、払出チップIDを付け加えて管理装置へ送ることとしたが、払出チップIDを加えずに遊技制御装置側から送られた固有情報のみを管理装置へ送ることとしてもよい。
遊技制御装置100では、払出制御装置200から受信完了コマンドを受信すると(ステップY1602)、遊技制御処理を開始する(ステップY1603)。遊技制御処理は、図6の遊技制御装置側のメイン処理におけるステップS8以降の処理、すなわち停電復旧又は電源投入時の初期化処理、セキュリティ信号制御タイマの初期値設定、CTCの起動、乱数回路の初期設定及び起動、割込み許可、初期値乱数更新処理、停電検出処理、電源断処理などである。
次に、図9に示した遊技制御装置側のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS62)の詳細について、図17〜図19を参照しつつ説明する。外部情報(信号)は、具体的には、磁石、大入賞口、普電不正エラー信号(セキュリティ信号)、扉又は枠開放信号、大当り信号、始動口入賞信号、図柄確定回数信号である。これらは遊技者により不正が行われることを検出するのに役立つ信号である。磁石、大入賞口、普電不正エラー信号、扉又は枠開放信号はより直接的に不正を行う行為そのものの検出に役立つ信号であり、大当り信号、始動口入賞信号、図柄確定回数信号は、不正が行われた結果、遊技者が不自然な利益状態を得ている状態を検出するのに役立つ信号である。
図16まででは、電源投入時にチップIDなどの固有情報を管理装置へ送ることを主眼としていたが、図17以降は外部情報の出力タイミングとの関係でチップIDなどの固有情報を管理装置へ送ることを主眼とするものである。
そして、この外部情報編集処理を終えると、割込み要求をクリアし(ステップS63)、レジスタを復帰し(ステップS64)、割込みを許可して(ステップS65)、タイマ割込み処理を終えてメイン処理のループ(ステップS21〜ステップS23)へ戻る。なお、図9のフローチャートについては、「遊技制御装置側のタイマ割込み処理」の項において前述した。
そして、図17の外部情報編集処理で設定編集された出力データは、繰り返し何度も実行されるタイマ割込み処理のうち、次回の割り込み時に実行される出力処理(図9のS53)において出力される。
なお、遊技制御装置100から払出制御装置200を通過して管理装置800へ送られる外部情報は5本の信号線によりパラレルに送られる5ビットの信号であるが、払出制御装置200から賞球信号が送られるので、それをも合わせると6ビット分のパラレルに送られる信号となる。ここで、賞球信号は、本実施形態にあっては10個賞球に対して4パルスの信号を出力するものである。
図19のフローチャートのステップS1904で、固有情報送信指令を払出制御装置に送信すべく送信バッファにセットした後には、図17のステップS1702へ進む。また、出力要求フラグが立っていない場合(ステップS1902;No)にも、図17のステップS1702へ進む。
図17のステップS1702〜S1704において、磁石不正発生中か否か(ステップS1702)、大入賞口不正発生中か否か(ステップS1703)、普電不正発生中か否か(ステップS1704)が判定される。これらの判定は、図9のタイマ割込み処理の入力処理(ステップS52)、入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)、磁気エラー監視処理(ステップS61)の結果、取得した情報に基づいてなされる。
ここで、不正エラーとは、磁石不正、大入賞口不正、普電不正の三つを総称する概念である。前述したように本実施形態にあっては、5本ある信号線のうちの1本目でこの3つのエラー信号を送る。したがってこれらの三つを総称して不正エラーと呼ぶ。
次に、不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットする(ステップS1707)。この出力要求済みフラグはステップS1705にて判定対象となり、ステップS1710にてクリアの対象となる。
その後、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1708)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知ONデータを設定する(ステップS1709)。ここで、遊技機エラー状態信号は、遊技制御装置100から払出制御装置200をスルーして外部情報端子板500を介して管理装置800に出力される外部情報である。遊技状態報知LEDは、遊技制御装置100の出力信号に基づき一括表示装置50の表示領域の一部にエラー報知するもの(図4参照)である。
ステップS1705の不正エラーでの固有情報出力要求済みか否かの判定で出力要求済みであると判定した場合(ステップS1705;Yes)には、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1708)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知ONデータを設定する(ステップS1709)。
図17のフローチャートのステップS1709、又はステップS1712で、遊技状態報知LEDの不正エラー報知データを設定した後には、図17のステップS1713へ進む。
図17のステップS1713において、扉又は枠の開放中か否か(ステップS1713)が判定される。この判定は、図9のタイマ割込み処理の入力処理(ステップS52)の結果、ガラス枠開放SW63、前面枠開放SW64の信号を払出用マイコン211が取得し、遊技用マイコン111と払出用マイコン211の間の通信により、遊技用マイコン111が取得した情報に基づいてなされる(図4、図9参照)。
ここで、扉・枠開放(ガラス枠開放、前面枠開放)は、遊技者の側から遊技盤、遊技制御装置などに手を加えようとする際に考えられる事象の一つである。したがって、本実施形態にあっては、5本ある信号線のうちの2本目でこの扉・枠開放の信号を送る。
次に、扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをセットする(ステップS1716)。この出力要求済みフラグはステップS1714にて判定対象となり、ステップS1719にてクリアの対象となる。
その後、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1717)、遊技状態報知LEDの開放エラー報知ONデータを設定する(ステップS1718)。ここで、遊技機エラー状態信号は、遊技制御装置100から管理装置800に出力される外部情報である。遊技状態報知LEDは、遊技制御装置100の出力信号に基づき一括表示装置50の表示領域の一部にエラー報知するもの(図4参照)である。このとき払出制御装置200の出力信号に基づきエラーナンバーを表示するエラーナンバー表示器298にも開放エラーのデータを設定してもよい。
ステップS1714の扉・枠開放での固有情報出力要求済みか否かの判定で出力要求済みであると判定した場合(ステップS1714;Yes)には、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定し(ステップS1717)、遊技状態報知LEDの開放エラー報知ONデータを設定する(ステップS1718)。
図17のフローチャートのステップS1718、又はステップS1721で、遊技状態報知LEDの開放エラー報知データを設定した後には、図18のステップS1801へ進む。
図18のステップS1801において、大当り動作中か否か(ステップS1801)が判定される。この判定は、例えば図10の特図ゲーム処理の特図普段処理(ステップA9)において設定された大当りフラグが立っているか否かによってなされる(図10参照)。大当りか否かの定義は、それぞれの遊技機の遊技プログラムによっては異なる場合もあるが、遊技プログラムのいずれかで大当りフラグを立てるのが一般的である。ステップS1801の判定はその大当りフラグが設定されているときに大当り動作中であるとする。
ここで、大当りは、遊技者が利益を得る場合として考えられる事象の一つである。したがって、本実施形態にあっては、5本ある信号線のうちの一つでこの大当りのタイミングの信号を送り、管理装置での監視を可能とする。
次に、大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットする(ステップS1804)。この出力要求済みフラグはステップS1802にて判定対象となり、ステップS1807にてクリアの対象となる。
その後、大当り信号ONの出力データを設定し(ステップS1805)、遊技状態報知LEDの大当り報知ONデータを設定する(ステップS1806)。遊技機エラー状態信号は、遊技制御装置100から管理装置800に出力される外部情報である。遊技状態報知LEDは、遊技制御装置100の出力信号に基づき一括表示装置50の表示領域の一部にエラー報知するもの(図4参照)である。このとき払出制御装置200の出力信号に基づきエラーナンバーを表示するエラーナンバー表示器298にもデータを設定してもよい。
ステップS1802の大当りでの固有情報出力要求済みか否かの判定で出力要求済みであると判定した場合(ステップS1802;Yes)には、大当り信号ONの出力データを設定し(ステップS1805)、遊技状態報知LEDの大当り報知ONデータを設定する(ステップS1806)。
上述の不正エラーについての処理(ステップS1702〜S1712)、扉又は枠の開放についての処理(ステップS1713〜S1721)、大当り動作中についての処理(ステップS1801〜S1809)の次に、始動口信号編集処理(ステップS1810)を実行する。始動口信号編集処理は、始動口信号を外部情報として管理装置に向けて出力すべく設定編集する処理である。始動口信号は、始動口1SW36a、始動口2SW37aなどの始動口SWで検出した信号を遊技用マイコン111が取り込み、遊技制御装置側のタイマ割込み処理の複数の処理のうちの一つである外部情報編集処理(図17)において、外部情報として管理装置に向けて出力すべく設定編集する。
具体的な処理の詳細は、遊技機制御装置側のタイマ割込み処理の一部である特図ゲーム処理の始動口スイッチ監視処理(図10のステップA1)に基づいて、始動口SWの検出結果を取得し、当該検出ある場合に始動口信号を外部情報(管理装置に出力する情報)として設定する処理である。
なお、不正エラー、扉又は枠の開放、大当りについては、その状態が続く限りはON信号を出力する状態を続け、その状態でなくなったときにOFF信号を出力するものであったので、出力要求フラグ及び出力要求済みフラグと二種類のフラグを用いたが、始動口信号については当該事象が生じた際にパルス出力をすることで足りるので出力要求フラグのみを用いる(出力要求済みフラグは用いない)。遊技制御装置側のタイマ割込み処理の一部である外部情報編集処理のステップS1810において始動口信号での固有情報信号の出力要求フラグをセットし、固有情報設定処理(ステップS1701)のステップS1901、S1902でフラグがセットされているか否かを判定し、ステップS1903でフラグをクリアし、固有情報送信指令を払出制御装置に送信すべく送信バッファにセットする(ステップS1904)。
始動口信号編集処理(ステップS1810)の次に、図柄確定回数信号編集処理(ステップS1811)を実行する。図柄確定回数信号編集処理は、特図1ゲーム又は特図2ゲームにおいて左図柄、右図柄、中図柄のすべてが停止し、変動表示が停止すること(図柄確定)を事象として捉え、その事象が発生するたびにパルス信号を外部情報として管理装置に向けて出力すべく設定編集する処理である。図柄確定回数信号は、図柄確定の回数を遊技制御装置側でカウントして出力することを想定したネーミングであるが、回数情報を含まないパルスを図柄確定ごとに1パルスずつ出力して、外部装置の側でカウントすることとしてもよい。
上述した図17〜図19に示す遊技制御装置100側のタイマ割込み処理の一部としての外部情報編集処理により遊技制御装置100からは外部情報として不正エラー、扉・枠開放エラー、大当り信号、始動口信号、図柄確定回数信号が管理装置800に向けて出力され(ステップS1708、S1717、S1805)、その後、当該処理を実行した割込み処理から一旦抜けてメイン処理の初期値乱数更新処理と停電監視処理のループ(図6のステップS21〜S23)に戻った後、次の割り込み処理のタイミングで外部情報編集処理のステップS1701の固有情報設定処理のステップS1904において、固有情報送信指令を払出制御装置に送信すべく送信バッファにセットする。
払出制御装置側がこの固有情報送信指令を受信して当該処理をすることによって固有情報の管理装置へ向けての送信が完了することになる。図20に示す払出制御装置側の固有情報送信処理がその機能を果たすものである。
遊技チップIDを管理装置へ送ることによって、管理装置(ホールコンピュータ)が遊技チップIDの同一性を監視できるので、遊技チップの交換、遊技チップを含む基板の交換などの不正を監視することができる。払出チップIDをも管理装置に送ることによって遊技チップの交換、遊技制御装置の基板交換のみならず、払出チップ(払出制御装置)側のチップ交換、基板交換を不正に行う行為をも監視することが可能となる。
図21は、個体識別情報(チップID)を出力するタイミングを例えば管理装置800側でとらえて示している。
図21(a)に示すように、遊技機10の電源投入時には、図7の左半分に示す送信フォーマットで「スタートコード」に始まり「エンドコード」に終わる20バイトの情報が送られ、管理装置800がそれを受信する。管理装置800では、受信した情報を解析して遊技機のメーカーコード、製品コード、チップコード(遊技チップのIDコード)を取得して記憶し、その後の監視に用いる基準の値とする。
そしてそれとほぼ同じタイミングで遊技制御装置100は払出制御装置200に対して固有情報の送信指令を送るべく送信バッファにセットし(図19のステップS1904)、払出制御装置200は、管理装置800に向けて固有情報(チップID)を送信する(図20)。その信号を示すのが図21(b2)である。この個体識別情報は、遊技チップIDのみを送信する際には図7の右側に示す送信フォーマット、すなわちスタートコード、区分識別コード、チップコード、エンドコードからなる7バイトの信号である。遊技チップIDのみならず、払出チップIDをも送信する場合には、スタートコード、区分識別コード、遊技チップコード、区分識別コード、払出チップコード、エンドコードからなる12バイトの信号である。
この遊技機エラー状態信号(枠開放信号)の発生とほぼ同じタイミングで遊技制御装置100は払出制御装置200に対して固有情報の送信指令を送るべく送信バッファにセットし(図19のステップS1904)、払出制御装置200は、管理装置800に向けて固有情報(チップID)を送信する(図20)。その信号を示すのが図21(c2)である。この個体識別情報は、(b2)と同様に遊技チップIDのみを送信する際には7バイトの信号であり、遊技チップIDのみならず、払出チップIDをも送信する場合には、12バイトの信号である。
この大当り信号の発生とほぼ同じタイミングで遊技制御装置100は払出制御装置200に対して固有情報の送信指令を送るべく送信バッファにセットし(図19のステップS1904)、払出制御装置200は、管理装置800に向けて固有情報(チップID)を送信する(図20)。その信号を示すのが図21(d2)である。この個体識別情報は、(b2)、(c2)と同様に遊技チップIDのみを送信する際には7バイトの信号であり、遊技チップIDのみならず、払出チップIDをも送信する場合には、12バイトの信号である。
なお、図21には始動口信号(図18のステップS1810)、図柄確定回数信号(図18のステップS1811)を描くのを省略したが、それらについても同様である。
図22は、遊技機状態信号出力時の各装置間の信号の流れを示すフローチャートである。まず、遊技制御装置100から管理装置(ホールコンピュータ)800へ向けて遊技機状態信号(セキュリティ信号、枠開放信号、大当り信号、始動口信号、図柄確定信号)を出力する(図22のステップY2201)。図22で遊技制御装置100から払出制御装置200を通過して管理装置800へと向かう実線矢印は、その遊技機状態信号が払出制御装置200の基板上の配線パターンを単にスルーして、外部情報端子板500を介して(情報収集端末、中継装置をさらに介して)管理装置800へと送られることを意味する。図4を参照しつつ前述したように遊技制御装置100から送り出される遊技機状態信号は5本の信号線を用いてシリアル通信で送られる。
一方、前述したフローチャートでは割愛したが、遊技制御装置100は、払出制御装置200が賞球信号を管理装置800へと送るように指示する情報を払出制御装置200に送る。それを受けて払出制御装置200は賞球信号を管理装置800へと送る。この賞球信号は6本目の信号線を用いてシリアル通信で送られる。図22の破線矢印は、このことを表現している。
払出用マイコン211(のCPU211A)は、払出用マイコン211のRAM211Cに記憶されている遊技チップIDコードを取得し(ステップH2201)、取得した遊技チップIDコードを送信バッファに設定し(ステップH2202)、RAMに記憶されている払出チップIDコードを取得し(ステップH2203)、取得した払出チップIDコードを送信バッファに設定し(ステップH2204)、送信開始を設定する(ステップH2205)。ここでステップH2203において「RAMに記憶されている払出チップIDコード」と書いたが、払出用マイコンとして図5に記載したアミューズチップを用いる場合には、チップコードレジスタ633にチップIDコードが記憶されている。そして、チップコードレジスタ633には、払出用マイコン211のCPU211Aは直接アクセスすることが禁止されている。そこで、チップのブートプログラムを実行する際にチップコードレジスタ633から管理ブロック600BのIDプロパティメモリ617にコピーされたチップIDコードを、所定のレジスタにアクセスすることによってCPU211Aが取得するという手続をとることになる。
払出制御装置200から管理装置800へ送られたチップIDコードを管理装置800は受信し、取得した遊技チップIDコード、払出チップIDコードによる不正判定をする(ステップK2201)。
上述の実施形態1(図6から図22まで)では、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行されるメイン処理は、図6に示されるフローチャートであった。実施形態2は、図6のフローチャートの代わりに、図23に示すフローチャートを遊技制御装置のメイン処理として実行するものである。
実施形態2は、図6のフローチャートが図23のフローチャートに置き換わるのが異なる点であり、そのほかは実施形態1と同一である。
また、図6のフローチャートと図23のフローチャートとは、その半分以上が共通する。そこで、異なる点を浮き彫りにすべく図6と同一のステップ番号については図23でも同一のステップ番号を付し、新設したステップについてはステップT1、ステップT2、ステップT3とした。
第一に、実施形態1では、固有情報送信処理(ステップS6)の直後に受信完了コマンドを受信したか否かの判定(ステップS7)をし、受信がなされて初めて次のステップS8以降の停電復旧又は初期化処理に進んでいたのに対し、実施形態2では、固有情報送信処理(ステップS6)の直後での受信完了コマンド受信判定(ステップS7)をやめたこと。
第二に、実施形態1では、停電復旧又は初期化処理(ステップS8からステップS16まで)の直後に、遊技開始準備処理(ステップS17からステップS20まで)を実行していたのに対し、実施形態2では、停電復旧又は初期化処理(ステップS8からステップS16まで)と、遊技開始準備処理(ステップS17からステップS20まで)との間に停電検出処理(ステップT1)、停電発生判定処理(ステップT2)、受信完了コマンド受信判定(ステップT3)の三つのステップを新たに設けたこと。
第四に、実施形態1では、固有情報送信処理の後の受信完了コマンド受信があって(ステップS7でYes)はじめて停電復旧又は初期化処理(ステップS8からステップS16まで)に進んだのに対し、実施形態2では、受信完了コマンドの受信を条件とせずに停電復旧又は初期化処理(ステップS8からステップS16まで)を実行し、受信完了コマンドの受信を待って(ステップT3でYes)、遊技開始準備処理(ステップS17からステップS20まで)へ進むこと。
停電発生判定処理(ステップT2)は、停電検出処理(ステップT1)で停電が検出されたか否かを判定する処理である。ステップT2で停電が発生した場合には(ステップT2でYes)、停電検査領域1,2に復旧確認用のチェックデータをセーブし(ステップS27)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサム領域にセーブし(ステップS28)、RWMアクセスを禁止し(ステップS29)、電源が切れるのを待つ。すなわち、ステップT2で停電が発生した場合には、電源断処理(ステップS27からステップS29まで)を実行する。
一方、停電発生判定処理(ステップT2)で停電が発生していないと判定されると(ステップT2でNo)、受信完了コマンド受信判定(ステップT3)へ進む。受信完了コマンド受信判定(ステップT3)は、固有情報送信処理(ステップS6)でCPU111からCPU211へ向けてチップIDを送信したことを受けて、CPU211が管理装置等の外部装置へ出力し、その出力が完了した旨をCPU211がCPU111へ向けて発した受信完了コマンド(遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報)をCPU111が受信したか否かの判定である。受信した場合は(ステップT3でYes)、遊技開始準備処理(ステップS17からステップS20まで)に進む。受信していない場合は(ステップT3でNo)、停電検出処理(ステップT1)へ戻り、受信完了コマンドを受信するまで、ステップT1、ステップT2、ステップT3のループ処理を繰り返す。なお、この間に停電が発生すると(ステップT2でYes)、前述したように電源断処理(ステップS27からステップS29まで)を実行する。
実施形態2の主な効果は、受信完了コマンド受信までに停電が起こった場合の正常復旧にある。実施形態1では、受信完了コマンドの受信までに停電が発生すると、電源断処理(ステップS27からステップS29まで)を行わずに電源が切れてしまうので、停電復旧の際にRAMの内容に食い違いが生じるため、ステップS9からステップS13までの停電復旧処理が正常にできないという不具合が生じる可能性があった。それに対して、実施形態2では、受信完了コマンドの受信を待つループ処理に停電検出処理を組み込んで停電発生の場合には電源断処理を行えるようにしたので、正常に停電復旧ができることとなる。
また、副次的効果として、遊技開始準備処理(ステップS17以降)の直前まで進んでから、受信完了コマンドの受信を待つようにしたので、遊技開始までの遊技者の待ち時間が短くなることが期待できる。
なお、実施形態1では受信完了コマンドを受信しないうちは遊技制御を行わないこととし、受信完了コマンド受信後に「停電復旧又は初期化処理(ステップS8からステップS16まで)」、「遊技開始準備処理(ステップS17からステップS20まで)」、「ゲームを行うためのループ処理(ステップS21からステップS24まで)」を行うこととしていた。しかし、遊技者に利益を与える可能性のあるのは「ゲームを行うためのループ処理(ステップS21からステップS24まで)」における割込み処理として実行されるものであるから、受信完了コマンドを受信する前に「停電復旧又は初期化処理(ステップS8からステップS16まで)」を実行してもセキュリティ(不正の取り締まり)上、問題はないことから受信完了コマンドの受信を待つループを配置する箇所をステップS17の直前にしたものである。
以下、変形例について述べる前提として、遊技機状態信号を発生すべき事象が同時に複数発生する場合について説明する。上述した遊技機状態信号を発生すべき事象は、5つあった。すなわち、不正エラー(磁石不正、大入賞口不正、普電不正)、扉又は枠の開放、大当り、始動口、図柄確定、の5つである。これらのうちの二つ以上が同時に生じた場合について図17〜19及び図25(a)を参照しつつ説明する。
それに対して、固有情報設定処理において固有情報送信指令を払出制御装置に送信すべく送信バッファにセットする(図19のステップS1904)のは、一回のタイマ割込み処理において一回であり、また管理装置800に送る信号線は1本である。したがって、図25(a3)に示すように、先の(例えば電源投入時の)個体識別情報の出力が終わった後に、枠開放時の個体識別情報の出力がなされる。枠開放信号が終わってしまってから、それに関する個体識別情報が送られることになる。しかし、個体識別情報はそれが送られる原因となった事象がいずれであるかの情報をもたない。したがって、管理装置(ホールコンピュータ)側ではどの事象に関連付けて処理すべきであるかを認識できない。
そこで、変形例1では、遊技機状態信号を発生すべき事象が競合する場合に、先に発生した事象にだけ個体識別情報を出力すべく、図19の固有情報設定処理の替わりに図24の固有情報設定処理を用いることとする。図24の固有情報設定処理においては、個体識別情報の出力に比較的長い時間を要することに鑑みて、個体識別情報の出力が終わらない間(送信完了コマンドの受信がなされないうち)は、ほかの出力要求はすべてなくしてしまうこと(ステップS2308)を主眼とする。そのために固有情報送信指令を払出制御装置に送信した(ステップS2306)後、送信済みフラグを設定し(ステップS2307)、送信完了コマンドを受信して(ステップS2301)から、送信済みフラグをクリアする(ステップS2302)こととしている。ここで、送信完了コマンドは、払出制御装置が管理装置へ向けて固有情報を送信したことの送信完了を意味する送信完了コマンドであって、払出制御装置から遊技制御装置へ送られるコマンドである。
この戻りは図17の外部情報編集処理のステップS1702へ進むことを意味する。二つの出力要求フラグ(不正エラーに対応するものと、扉開放に対応するもの)が設定された状態で図23の固有情報設定処理に入ったという前提で図17の処理を終えて、ステップS1702へ進んだので、すでに前回のタイマ割込み処理において不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットしてある(ステップS1707)ので、ステップS1705でYes、ステップS1708、ステップS1709を経て、ステップS1714でYes、ステップS1717、ステップS1718、ステップS1801でNo、ステップS1807、ステップS1808、ステップS1809、ステップS1810、ステップ1811を経て、戻る。この戻りは、タイマ割込みの全体を描いたフローチャート(図9)への戻りである。一連のタイマ割込みが終わってメイン処理(図6)に戻って、ループ処理の中で再びタイマ割込み(図9)へはいり、外部情報編集処理(図9のS62)に入り、図7のステップS1701で固有情報設定処理(図24)に入る。
また、出力要求フラグが設定されていないとき(ステップ2304;No)には、図24の処理から抜けて、図17のステップ1702へ進む。
この場合、図25(a)に示すような実施形態では、1回目の個体識別情報の出力が終わってから二回目の個体識別情報の出力をした。それに対し、変形例1では、図25(b3)に示すように、1回目の個体識別情報のみ出力し、二回目の個体識別情報はしないこととする。つまり、枠開放が発生したときは、個体識別情報出力中なので枠開放に対応させた個体識別情報は出力されない。個体識別情報の出力が終わった後に、枠開放が発生すればそのときには個体識別情報が出力されることになる。個体識別情報の出力が終わっているかどうかを判断するためのフラグが図24の送信済みフラグ(ステップS2302、S2307)である。
なお、図25(b3)では、「電源投入時の個体識別情報の出力」とあるが、その後の遊技機中における遊技機状態信号の出力に対応する個体識別情報の出力にあっても同様である。
変形例2は、変形例1と同様に競合する遊技機状態信号の発生を処理することを主眼とする。変形例1においては競合する場合の二度目以降の個体識別情報の出力をなくすことで対処した。変形例2では、競合する遊技機状態信号の出力処理を繰り延べることで対処する。すなわち、個体識別情報の出力が遅れることを前提に、それに対応する遊技機状態信号の出力処理を繰り延べて遊技機状態信号の出力タイミングを遅らせることにより管理装置(ホールコンピュータ)側における対応関係を認識できるようにするものである。そのために用いる固有情報設定処理のフローチャートが図26であり、外部情報編集処理のフローチャートが図27,28であり、出力される信号のタイミングを説明するタイミングチャートが図29である。
図26、27、28のフローチャートを参照しつつ、ステップを追って説明する。いま、固有情報の送信がなされていない状態であり、前回の送信完了コマンド受信処理も終わっている状態で図26の固有情報設定処理に入ったものとする。まず、送信完了コマンド受信したか?の判定でNo(ステップS2501;No)と判定され、ステップS2503へ進む。送信済みか?の判定でNo(ステップS2503;No)と判定され、まだ出力要求フラグが設定されていないとすると、出力要求フラグあり?の判定でNo(ステップS2504;No)と判定され、図26の処理を抜けて図27のステップS2602へと進む。
次に、扉又は枠の開放中か否かの判定でYes(ステップS2613;Yes)と判定されて、ステップS2614に進むが、先ほどステップS2607で固有情報信号の出力要求済みフラグをセットしたので、「いずれかで固有情報出力要求済み?」でYes(ステップ2614;Yes)と判定されて、ステップS2618へスキップして遊技状態報知LEDの開放エラー報知ONデータを設定する(ステップS2618)。つまり、ここでステップS2617を実行しないので、扉開放の遊技機情報は出力しない。固有情報信号が出力できるタイミングで遊技機情報を出力するように処理を繰り延べるものである。
さきほど不正エラーでの固有情報信号の出力要求フラグをセットした(ステップS2606)が、まだ固有情報は送信されていないので、まだ送信完了コマンドを受信していない。したがって「送信完了コマンド受信?」の判定でNo(ステップS2501;No)となり、ステップS2503へ進む。「送信済みか否か?」(ステップS2503)の判定は送信済みフラグを見て判定するものであり、送信済みフラグはステップ2507で設定するものである。したがって、まだ送信済みフラグの設定はなされていないのでステップS2503でNoの判定となる。
この戻りは、ステップS2602へ進むことを意味する。このとき、不正エラーが検出される状態、扉開放が検出される状態、大当りではない状態が続いているとすると、ステップS2605で「いずれかで情報出力要求済み?」に対してYesと判定されて、ステップS2609にスキップして報知設定をし、ステップS2614で「いずれかで情報出力要求済み?」に対してYesと判定されて、ステップS2618にスキップして報知設定をし、その後「大当り動作中?」の判定でNoと判定され、ステップS2707、S2708、S2709、S2710、S2711と進み、戻る。ここでも扉・枠開放に基づく遊技機エラー状態信号の出力データの設定(ステップS2616)はスキップされる。不正エラーでの固有情報がまだ送信完了していないので、扉開放に対応する固有情報を出力できる準備が整わないからである。
遊技制御装置100が不正エラーの検出をしなくなると、ステップS2602でNo、ステップS2603でNo、ステップS2604でNoと判定された結果、不正エラーでの固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし(ステップS2610)、遊技機エラー状態信号OFFの出力データを設定し(ステップS2611)、遊技状態報知LEDの不正エラー報知OFFデータを設定し(ステップS2612)、扉開放の処理に進む。
何度かタイマ割込みに入ることを繰り返して、ステップS2501の処理に再びはいったときに、ステップ2501でNoとなり、ステップ2503でNo、出力要求フラグがあるかの判定(ステップ2504)でYes、扉開放に対応する出力要求フラグをクリアし(ステップS2505)、固有情報送信指令を払出制御装置に送信し(ステップS2506)、送信済みフラグを設定する(ステップS2307)。
図28(b1)、(b2)、(b3)の図を参照しつつ、この変形例2の処理の結果出力される信号について説明する。図28(b3)に描いたように個体識別情報の出力には一定の時間が必要である。個体識別情報の出力が始まって、それが終わるまでの時間内に、不正エラーによるセキュリティ信号(b1)と枠開放という事象(b2の破線)という二つの遊技機状態が生じた場合を図28(b)は描いている。
この場合、図28(a)に示すような実施形態では、1回目の個体識別情報の出力が終わってから二回目の個体識別情報の出力をした。それに対し、変形例2では、図28(b3)に示すように、1回目の個体識別情報が終わった後に、枠開放信号(遊技機状態信号)の出力もし、それに対応させて二回目の個体識別情報を出力する。つまり、枠開放が発生したとき(図28(b2)の破線)は、すでに不正エラー(セキュリティ信号)に対応する個体識別情報出力中なので枠開放に対応させた個体識別情報は出力されない。不正エラーに対応する個体識別情報の出力が終わった後に、枠開放信号を発生させる処理を繰り延べして実行し、それに対応する個体識別情報を合わせて出力する。
なお、図28(b3)では、「電源投入時の個体識別情報の出力」とあるが、その後の遊技機中における遊技機状態信号の出力に対応する個体識別情報の出力にあっても同様である。
以上の説明から、本出願には、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置に所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置を備え、
前記払出制御装置に所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を記憶保持する受信情報記憶部と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記遊技個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行なう個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を前記遊技演算処理装置に送信し、
前記遊技演算処理装置は、前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれていることがわかる。
これを発明1と呼ぶ。
払出演算処理装置は、払出制御装置を構成する演算処理装置(払出用マイコン、払出チップ)であって、CPU、RAM、ROM、送受信回路等を有する。
個体識別情報とは、当該マイコンを他のマイコンと識別するためのチップIDコード(チップID)であって、同じチップIDコードを有するものはほかになく、また、書き換えられることがないものである。
遊技個体識別情報は、遊技演算処理装置の個体識別情報(遊技チップのチップID)である。
払出個体識別情報は、払出演算処理装置の個体識別情報(払出チップのチップID)である。
外部装置は、情報収集端末、管理装置(ホールコンピュータ)等である。
また、遊技制御開始前に払出制御装置に遊技個体識別情報を送信し、払出制御装置から外部装置に遊技個体識別情報を出力するようにしたので、遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
さらに、本出願には、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、前記遊技制御装置と前記払出制御装置に電源を供給する電源供給装置と、を有し、
前記遊技制御装置に所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置を備え、
前記払出制御装置に所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
バックアップ電源によって停電時にも保持可能に構成され、遊技制御に関する情報を記憶するメモリと、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、該停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている前記遊技制御に関する情報をそのまま保持する一方、前記停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
前記払出演算処理装置は、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行う個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を前記遊技演算処理装置に送信し、
前記遊技演算処理装置は、
前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するための設定をした後は、前記払出送受信制御手段から前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を受信したか否かの判定と、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定とを繰り返し実行し、
前記払出送受信制御手段から前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれていることがわかる。
これを発明2と呼ぶ。
また、遊技個体識別情報を払出制御装置へ送信した後は、払出送受信制御手段から受信完了コマンド(遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報)を受信したか否かの判定を繰り返し行うとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行するようにしたので、受信完了コマンドの受信する前に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
さらに、本出願には、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置に所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置を備え、
前記払出制御装置に所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、
当該遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を記憶保持する受信情報記憶部と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記遊技個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行なう個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記遊技演算処理装置は、
前記遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合に、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号にのみ前記遊技個体識別情報の出力を指示するための制御情報を対応させて送信するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれていることがわかる。
これを発明3と呼ぶ。
また、遊技機状態が重複して発生した場合、先に発生した遊技機状態を外部装置側へ報知する遊技機状態信号にのみ遊技個体識別情報を対応させて出力制御するようにしたので、遊技機状態との対応が不明な遊技個体識別情報の出力が行われることがなく効率的な不正報知が行える。
さらに、本出願には、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を少なくとも記憶保持する受信情報記憶部と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行なう個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を前記遊技演算処理装置に送信し、
前記遊技演算処理装置は、前記払出送受信制御手段から前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれていることがわかる。
これを発明4と呼ぶ。
さらに、本出願には、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、
当該遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を少なくとも記憶保持する受信情報記憶部と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行なう個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を前記遊技演算処理装置に送信し、
前記遊技演算処理装置は、
前記払出送受信制御手段から前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を受信したことに基づいて前記遊技制御の実行を開始するようにするとともに、
前記遊技機状態信号を出力させる場合には、前記遊技個体識別情報の出力を指示するための前記制御情報を、前記遊技機状態信号に対応させて前記遊技送受信制御手段により前記払出制御装置に送信するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれていることがわかる。
これを発明5と呼ぶ。
また、遊技機状態信号に対応させて遊技個体識別情報が出力されるので、外部装置(管理装置)は、送られてくる遊技個体識別情報と対応する遊技機状態信号の整合が容易に取れるので、遊技機の状況が把握し易くなり、不正が発生した場合の対策が取り易くなる。
払出演算処理装置に記憶保持した遊技個体識別情報を外部装置に出力するので、遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
さらに、本出願には、
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置に所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置を備え、
前記払出制御装置に所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行う個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す完了指令を前記制御情報として送信し、
前記遊技演算処理装置は、前記払出送受信制御手段から前記完了指令を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれていることが分かる。
これを発明6と呼ぶ。
また、遊技制御開始前に払出制御装置に遊技個体識別情報を送信し、払出制御装置から外部装置に遊技個体識別情報を出力するようにしたので、遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
前記払出演算処理装置は、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を記憶保持する受信情報記憶部を有し、
前記遊技演算処理装置から送信される前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記受信情報記憶部に記憶されている前記遊技個体識別情報を前記個体識別情報出力制御手段によって遊技機外の外部装置に出力し、
前記遊技演算処理装置は
当該遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段を有し、
前記遊技機状態信号に対応させて前記遊技個体識別情報の出力を指示するための前記制御情報を前記遊技送受信制御手段により前記払出制御装置に送信するようにした発明が含まれている。
また、払出演算処理装置に記憶保持した遊技個体識別情報を外部装置に出力するので、遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
前記遊技演算処理装置は、
前記遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合に、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号にのみ前記遊技個体識別情報の出力を指示するための制御情報を対応させて送信することを特徴とする発明が含まれている。
また、直近で同じ値であるはずの遊技個体識別情報を受けなくて済むので、ホールコン等(管理装置等)の負担を軽減することができる。
前記遊技演算処理装置は、
前記遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合に、先に発生した遊技機状態を報知する先遊技機状態信号に対応させて前記遊技個体識別情報の出力を指示するための前記制御情報を送信し、
前記先遊技機状態信号に対応する前記遊技個体識別情報の出力制御が終了するまでは、後に発生した遊技機状態を報知する後遊技機状態信号の出力を保留し、
さらに、前記先遊技機状態信号に対応する前記遊技個体識別情報の出力制御が終了したことに基づいて、前記保留した後遊技機状態信号の出力を開始させ、
前記後遊技機状態信号の出力に対応させて前記個体識別情報の出力を指示するための制御情報を送信することを特徴とする発明が含まれている。
さらに、本出願には、
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報記憶部が記憶する前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行う個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す完了指令を前記制御情報として送信し、
前記遊技演算処理装置は、前記払出送受信制御手段から前記完了指令を受信したことに基づいて、前記遊技制御の実行を開始するようにしたことを特徴とする遊技機の発明が含まれている。
この発明を発明7と呼ぶ。
また、遊技制御開始前に払出制御装置に遊技個体識別情報を送信し、払出制御装置から外部装置に遊技個体識別情報を出力するようにしたので、電源投入後においても外部装置へ遊技個体識別情報を出力する必要があるような場合に遊技演算処理装置の負担を軽減することができる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 遊技機
30 遊技盤
31 ガイドレール
34 普図始動ゲート
36 始動入賞口
37 普通変動入賞装置
38 特別変動入賞装置(大入賞口)
40 センターケース
41 表示装置
100 遊技制御装置
111 遊技用マイコン(遊技演算処理装置、遊技送受信制御手段、遊技機状態信号出力制御手段)
200 払出制御装置
211 払出用マイコン(払出演算処理装置、払出送受信制御手段、個体識別情報出力制御手段)
211c RAM(受信情報記憶部)
300 演出制御装置
400 電源装置
500 外部情報端子板
603 HWパラメータROM
617 IDプロパティメモリ(個体識別情報記憶部)
631 シリアル送受信回路
633 チップコードレジスタ(個体識別情報記憶部)
800 管理装置(外部装置)
Claims (1)
- 遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には所定の遊技プログラムに基づいて遊技制御を実行する遊技演算処理装置と、
前記払出制御装置には所定の払出プログラムに基づいて遊技球の払出制御を実行する払出演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技演算処理装置は、
当該遊技演算処理装置であることを識別可能な遊技個体識別情報が記憶される遊技個体識別情報記憶部と、
前記遊技個体識別情報記憶部に記憶された前記遊技個体識別情報を前記払出制御装置へ送信するとともに、前記払出制御装置から送信される所定の制御情報を受信可能な遊技送受信制御手段と、
当該遊技演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段と、を備え、
前記払出演算処理装置は、
当該払出演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
前記遊技送受信制御手段から送信された前記遊技個体識別情報を受信するとともに、前記遊技制御装置に所定の制御情報を送信する払出送受信制御手段と、
前記遊技演算処理装置から受信した前記遊技個体識別情報を少なくとも記憶保持する受信情報記憶部と、
前記払出送受信制御手段が受信した前記遊技個体識別情報の出力を指示する制御情報を受信すると、前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を遊技機外の外部装置に出力するための出力制御を行なう個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記個体識別情報出力制御手段による前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了した場合に、前記遊技制御装置に前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を前記遊技演算処理装置に送信し、
前記遊技演算処理装置は、
前記払出送受信制御手段から前記遊技個体識別情報と前記払出個体識別情報を出力するための出力制御が終了したことを示す制御情報を受信したことに基づいて前記遊技制御の実行を開始するようにするとともに、
前記遊技機状態信号を出力させる場合には、前記遊技個体識別情報の出力を指示するための前記制御情報を、前記遊技機状態信号に対応させて前記遊技送受信制御手段により前記払出制御装置に送信するようにしたことを特徴とする遊技機。
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JP6060353B2 (ja) | 2017-01-18 |
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