JP2013153706A - イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との検出チップ及びそれを用いた検出方法 - Google Patents

イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との検出チップ及びそれを用いた検出方法 Download PDF

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美恵子 小木
Anna Takishita
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Abstract

【課題】播種前の種子や苗からのイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌を、多数の検体であっても高感度・高特異的に高精度で検出でき、検出標的DNA部位に応じて確実に検知し同時に検出して判別できるイネの細菌病菌由来DNA配列検出用のプローブによる検出チップの提供。
【解決手段】イネの細菌病菌の検出チップは、特定な配列からなる塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有してイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌とを検出するプローブが、基材上に固定されている検出チップ。
【選択図】図1

Description

本発明は、イネもみ枯細菌病菌(Burkholderia glumae)とイネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii)とを検出するためのもので、それらイネの細菌病菌由来DNA配列検出用のプローブを利用した検出チップ、及びそれを用いた検出方法である。
イネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌は何れも、イネの育苗期に全国的に発生する種子伝染性の細菌病菌であり、好気性の桿菌である。イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との両細菌病菌は、特に育苗時に発生し、苗の褐編や腐敗や枯死の症状を引き起こし、苗供給の重大な障害を生じさせている。これら両方のイネの細菌病菌は、1970年代に普及した機械移植栽培及びそれに伴う箱育苗が流行の原因と言われており、現在でも日本における水稲の主要な伝染病として挙げられている。
これら両方のイネの細菌病菌を始めとする様々な細菌病菌の同定法や検出法が、これまでに研究、開発されてきた。その検出法として、選択培地や識別培地を用いた培養による方法、血清学的性質を利用した方法、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応:Polymerase chain amplification reaction)法などがある。比較的新しい方法としてはマルチプレックスPCR法や、LAMP(ループ形成等温増幅:Loop-Mediated Isothermal Amplification)法がある。
このような検出法のうち、これら両方のイネの細菌病菌の16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子間の配列における配列一部を利用する方法としては、例えば非特許文献1に、PCR法が開示され、特許文献1にLAMP法が開示されている。
従来のPCR法やLAMP法は、同一チップ上でプローブスポット箇所の仕方や使用するプローブ種を選択することで複数サンプルを同時に検出するような大量処理不能なものであり、選択的培地培養による方法は、判定まで数日を要するものであり、血清学的性質を用いた方法は、哺乳動物にこれらイネの細菌病菌の抗血清を産生させ抗原抗体反応を観察する面倒なものである。何れの方法も、迅速性・大量処理能力性・簡便性・経済性等の観点から、生産ラインでのこれら両方のイネの細菌病菌の検出に不向きである。
食の安全・採算性の観点から、日本人の主食となるコメを減農薬・無農薬で生育することが望まれる。しかし現状ではこれら両方のイネの細菌病菌を生産現場で検知して取り除くことが事実上出来ないことから、これら両方のイネの細菌病菌の防除対策として、已むを得ず全育苗箱に農薬による種子消毒が行われている。
種子消毒を行わずとも、これらイネの細菌病菌を、同時に直接、検出したり判別したりして細菌病菌感染の種子や苗を迅速に選別するのに適している簡易で大量処理可能なDNAチップを使用したイネの細菌病菌の検出法は、未だに無い。
日本植物病理学会報、第63巻、p.455−462、1997年
特開2008−220228号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、播種前の種子や苗からのイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌を、多数の検体であっても高感度・高特異的に高精度で検出でき、さらにこれら両方のイネの細菌病菌を、それらの検出標的DNA部位に応じて確実に検知し同時に検出して判別できるイネの細菌病菌由来DNA配列検出用のプローブによる検出チップ、及びそれを用いた検出方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載のイネの細菌病菌の検出チップは、下記[塩基配列1〜9]
ctcctttctcgagcttattccgcatacattgagc ・・・[塩基配列1]
cggaacacctgggtagtctctgtagggaagggggcat ・・・[塩基配列2]
tgacaaacgttcagggatgctgagcagttgtcat ・・・[塩基配列3]
taacaatctggaagaagtagtaaagtggatagcg ・・・[塩基配列4]
ctcctttctcgagctaataccgcatacattgagc ・・・[塩基配列5]
cggaaacctgagacgtctctgtacatgggggcat ・・・[塩基配列6]
taaagaaggcttggaccaaggttgcttggtgccgaggtttccttat ・・・[塩基配列7]
tcagaggataagtcagaagtagcacttatcggct ・・・[塩基配列8]
taacaatctagaagaagtagtaatttggatagcg ・・・[塩基配列9]
の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出するプローブが、基材上に固定されていることを特徴とする。
請求項2に記載のイネの細菌病菌の検出チップは、請求項1に記載されたもので、前記DNA配列が、前記[塩基配列1、4、5、8及び9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基配列を有するものであって前記イネもみ枯細菌病菌と前記イネ苗立枯細菌病菌との両方を検出するものであり、又は
前記DNA配列が、前記[塩基配列2及び3]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基配列を有するものであって前記イネもみ枯細菌病菌を検出するものであり、又は
前記DNA配列が、前記[塩基配列6及び7]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基配列を有するものであって前記イネ苗立枯細菌病菌を検出するものであることを特徴とする。
請求項3に記載のイネの細菌病菌の検出チップは、請求項1〜2の何れかに記載されたもので、前記DNA配列が、5’末端にアミノ標識されたオリゴDNA配列であることを特徴する。
請求項4に記載のイネの細菌病菌の検出チップは、請求項1〜3の何れかに記載されたもので、イネの検体の検出標的DNA配列が、蛍光標識及び/又はビオチン標識されていることを特徴とする。
請求項5に記載のイネの細菌病菌の検出チップは、請求項1〜4の何れかに記載されたもので、前記プローブが、前記基材にスポットされて前記固定がされていることを特徴とする。
請求項6に記載のイネの細菌病菌の検出チップは、請求項1〜5の何れかに記載されたもので、前記基材が、ガラスチップ、プラスチックチップ、又はナイロンメンブレンチップであることを特徴とする。
請求項7に記載のイネの細菌病菌の検出チップは、請求項1〜6の何れかに記載されたもので、前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなる前記DNA配列を含有する前記プローブの異なる複数が、基材上に固定されていることを特徴とする。
請求項8に記載のイネの細菌病菌の検出方法は、前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出するプローブが、基材上に固定されているこれらイネの細菌病菌の検出チップに、イネの検体を載せ、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、検出することにより、前記イネの細菌病菌を同定することを特徴とする。
請求項9に記載のイネの細菌病菌の検出方法は、請求項8に記載されたもので、イネの検体の検出標的DNA配列が蛍光標識されており、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、その蛍光標識による蛍光部位の視認及び/又は蛍光波長の相違の検知により、検出することを特徴とする。
請求項10に記載のイネの細菌病菌の検出方法は、請求項8に記載されたもので、イネの検体の検出標的DNA配列がビオチン標識されており、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、そのビオチン標識に反応する酵素反応に応じた発色により、検出することを特徴とする。
請求項11に記載のイネの細菌病菌の検出方法は、請求項8〜10の何れかに記載されたもので、前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなる前記DNA配列を含有する前記プローブの異なる複数が、基材上に固定されていることによって、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、検出することを特徴とする。
請求項12に記載のイネの細菌病菌の検出プローブは、前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出することを特徴とする。
請求項13に記載のイネの細菌病菌の検出プローブは、請求項12に記載されたもので、前記DNA配列が、5’末端にアミノ標識されたオリゴDNA配列であることを特徴する。
請求項14に記載のDNA配列は、前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるもので、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかに結合することを特徴とする。
本発明のイネの細菌病菌の検出チップは、播種前の種子中や苗中のイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌とを、高感度・高特異的に高精度で簡易に、目視又は光学的検出機器で検出できるものである。この検出チップは、これら両方のイネの細菌病菌の検出標的DNA部位へ、検出チップに付されたイネの細菌病菌由来DNA配列検出用のプローブが相補的に結合して、複合体を形成することに応じて、生化学的な手法による蛍光発色や着色のような色調などの変化で、確実に検知して同時に検出して判別できるものである。
この検出チップは、とりわけイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との両細菌病菌中の16SrRNA遺伝子−23SrRNA遺伝子間の配列に由来する細菌特異的DNA配列をプローブとして有することによって、これらイネの細菌病菌を検出することができるものである。この検出チップは、同一チップ上でプローブスポット箇所の仕方や使用するプローブ種を選択することで複数サンプルを同時に検出して、イネの種や苗がこれらイネの細菌病菌に感染しているかを解析できるものである。このような検出チップは、従来のイネの細菌病菌の検出法にないタイプのものであり、迅速に大量処理が可能なものである。
この検出チップを用いたイネの細菌病菌の検出方法によれば、イネの種子や苗などの多数の検体であっても、簡易かつ迅速に、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌とを検出することができる。しかも、この検出チップのプローブを単数又は適宜複数用いることにより、これら両方のイネの細菌病菌を同時に検出でき、また何れのイネの細菌病菌であるかの種判別をすることが、できる。
この検出チップに付されるプローブは、イネもみ枯細菌病菌基準株とイネ苗立枯細菌病菌基準株とを基にして、確実にこれらイネの細菌病菌を検出できる前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなる前記DNA配列を含有し、検体となるこれらイネの細菌病菌中の検出標的DNA部位との相同性が高いものであるから、検出に誤差や誤認を生じない。
また、この検出チップに付されるプローブを構成するDNA配列は、最少で17塩基〜最大でも46塩基というものであり、DNA自動合成装置で簡易・簡便にかつ迅速・正確に、高純度で得られるから、この検出チップによるイネの細菌病菌の検出方法の際に、誤差や誤認や検出ミスを生じない。
本発明を適用するイネの細菌病菌の検出チップに付されるプローブを構成するDNA配列となり得る塩基配列と、イネもみ枯細菌病菌基準株及びイネ苗立枯細菌病菌基準株のそれぞれの16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子間の全塩基配列との関係を示した図である。 発明を適用するイネの細菌病菌の検出チップを用いたイネの細菌病菌の検出方法で、検出するのに供したイネもみ枯細菌病菌の登録株の16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子間の全塩基配列を示した図である。 発明を適用するイネの細菌病菌の検出チップを用いたイネの細菌病菌の検出方法で、検出するのに供したイネ苗立枯細菌病菌の登録株の16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子間の全塩基配列を示した図である。 発明を適用するイネの細菌病菌の検出チップを用いたイネの細菌病菌の検出方法で、検出するのに供した別なイネ苗立枯細菌病菌の登録株の16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子間の全塩基配列を示した図である。 本発明を適用するイネの細菌病菌の検出チップを用いた検出方法に用いられるイネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌の夫々の検出標的DNA含有フラグメントの電気流動の結果を示す図である。 本発明を適用するイネの細菌病菌の検出チップを用いた検出方法により、イネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌を検出した結果を示す図である。 本発明を適用する別なイネの細菌病菌の検出チップを用いた検出方法により、イネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌を検出した結果を示す図である。 本発明を適用する別なイネの細菌病菌の検出チップを用いた検出方法により、イネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌を検出した結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のイネの細菌病菌の検出チップは、下記[塩基配列1〜9](配列表の配列番号1〜9)
ctcctttctcgagcttattccgcatacattgagc ・・・[塩基配列1;配列番号1]、
cggaacacctgggtagtctctgtagggaagggggcat ・・・[塩基配列2;配列番号2]、
tgacaaacgttcagggatgctgagcagttgtcat ・・・[塩基配列3;配列番号3]、
taacaatctggaagaagtagtaaagtggatagcg ・・・[塩基配列4;配列番号4]、
ctcctttctcgagctaataccgcatacattgagc ・・・[塩基配列5;配列番号5]、
cggaaacctgagacgtctctgtacatgggggcat ・・・[塩基配列6;配列番号6]、
taaagaaggcttggaccaaggttgcttggtgccgaggtttccttat・・・[塩基配列7;配列番号7]、
tcagaggataagtcagaagtagcacttatcggct ・・・[塩基配列8;配列番号8]、
taacaatctagaagaagtagtaatttggatagcg ・・・[塩基配列9;配列番号9]
の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出するプローブが、ガラスチップ、プラスチックチップ、又はナイロンメンブレンチップ製の基材上に固定されたものである。
検出チップは、それの基材として例えばDNAチップ用の基板が用いられたものである。プローブは、前記DNA配列を含有しており、イネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌の基準株の16SrRNAと23SrRNA遺伝子間に存在する[塩基配列1〜9]の連続する少なくとも17塩基、好ましくは20塩基以上、一層好ましくは25塩基以上、より一層好ましくは30塩基以上を使ったこれらイネの細菌病菌の特異的検出用プローブDNAを、含有するものである。
検出チップは、これら[塩基配列1〜9]の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによって、これらイネの細菌病菌を特異的に検出することができるようになっている。イネの細菌病菌に感染しているか否か検知すべきイネの種子や苗の検出標的DNAとして、イネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌の16SrRNAと23SrRNA遺伝子間に存在する塩基配列を増幅し、検出標的DNA含有フラグメントである検体とする。
この検出チップは、その検体と、プローブとを、ハイブリダイゼーション反応させ、必要に応じ検出標的DNAへ蛍光物質を予め標識しておくことで、何れかのイネの細菌病菌に感染しているかを判別できるようになっている。必要に応じ2種の検出標的DNAへ種類ごとに異なる蛍光物質を標識することでこれらイネの細菌病菌の何れに感染しているかの精度を上げて判別できるようになっている。
検出チップは、単一のプローブを有するものであってもよいが、これらイネの細菌病菌の両方を同時に検出できるように、またこれらイネの細菌病菌の種判別ができるように、複数のプロープを有していてもよい。
図1に、イネもみ枯細菌病菌検出用及びイネ苗立枯細菌病菌検出用のプローブに用いられるもので連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を成すための[塩基配列1〜9]と、それらイネの細菌病菌の基準株の16SrRNA及び23SrRNA遺伝子間に存在する全塩基配列との関係を、示す。
図1の通り、独立行政法人農業生物資源研究所(NIAS)の農業生物資源ジーンバンクで公表されたデータベースによるイネもみ枯細菌病菌基準株(MAFF301169)とイネ苗立枯細菌病菌基準株(MAFF301723)とにおけるこれら2細菌の16SrRNA及び23SrRNA遺伝子間に存在する塩基配列を並べると、かなりの相同性が認められる。なお、図1中、配列の相同性の比較のために塩基配列の数を120塩基ずつ便宜的に示してある。
ところで、イネもみ枯細菌病菌には、16SrRNA及び23SrRNA遺伝子間に存在する塩基配列に多型が無く、一方、イネ苗立枯細菌病菌には、16SrRNA及び23SrRNA遺伝子間に存在する塩基配列に多型が存在することが、非特許文献1に記載の通り、公知である。
本発明者らは、図1に示すように、これらのイネの細菌病菌基準株の16SrRNA及び23SrRNA遺伝子間に存在する塩基配列中で、ハイブリダイゼーションすることができそれを検出できるプローブとなり得る部位を、種々検討したところ、[塩基配列1〜9]が、見出された。
このようなプローブとなり得る部位は、前記データベースで公表されたこれらイネもみ枯細菌病菌基準株とイネ苗立枯細菌病菌基準株の2細菌を並べて記載した図1を参照して説明すると、イネもみ枯細菌病菌検出用プローブとなり得る配列として2箇所あり夫々[塩基配列2及び3]として見出された部位であり、イネ苗立枯細菌病菌検出プローブとなるDNA配列は2箇所あり夫々[塩基配列6及び7]として見出された部位である。このように、試行錯誤の末に漸く見出されたこれらの部位のうち連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出することが、できる。
これらに含まれる各塩基配列[塩基配列2又は3]若しくは[塩基配列6又は7]の少なくとも17塩基配列を含有するプローブを作製する場合、スポットされたプローブ[塩基配列2又は3、塩基配列6又は7]に対してハイブリダイゼーションさせる細菌種が、約80%以下の相同性を持つ相対する他方の細菌病菌の場合にはクロスハイブリダイゼーションが起こらず、スポットされたプローブに対する種特異的なイネの細菌病菌を検出できるプローブ用DNA配列として、イネの細菌病菌の検出チップに使用できる(図1参照)。従って、その相同性は、基材や測定条件によって多少の変動はあるものの、約80%を越えることが好ましく、100%であれば一層好ましい。なお、このような率の相同性を表す比率は、ハイブリダイゼーションの際の実験系での条件、例えば温度やDNA濃度や塩濃度やpHなどに影響を受け易いが、後述する実施例の条件において、求められた値である。
また、このようなプローブとなり得る別な部位は、前記のようにこれらイネもみ枯細菌病菌基準株とイネ苗立枯細菌病菌基準株の2細菌を並べて記載した図1を参照して説明すると、イネもみ枯細菌病菌検出用とイネ苗立枯細菌病菌検出用とを兼ねるプローブとなり得るDNA配列として5箇所あり夫々、[塩基配列1、4、5、8及び9]として見出された部位である。このように、試行錯誤の末に漸く見出されたこれらの部位のうち連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との両方を検出することが、できる。
これらに含まれる各塩基配列[塩基配列1、4、5、8及び9]の少なくとも17塩基配列を含有するプローブを作製する場合、プローブ配列に対して約86%以上の相同性を持つ細菌病菌の場合にはこれらの種間及び/又は株間に関わらずイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌の両方を検出チップに使用できる。なお、このような率の相同性を表す比率も前記同様に、後述する実施例の条件において、求められた値である。
このような相同性は、例えば30塩基のDNA配列を含有するプローブの場合、4塩基程度の違いでも、これら2細菌とも検出できる。
一方、多型が存在するイネ苗立菌枯細菌病菌であっても、[塩基配列7]のみ又は[塩基配列8]のみ、若しくは[塩基配列7及び8]の配列の少なくとも17塩基配列からなるDNA配列を含有するプローブを作製すれば、イネ苗立菌枯細菌病菌を検出できるプローブ用DNA配列として、イネの細菌病菌の検出チップに使用できる。現在知られているイネ苗立菌枯細菌病菌は、如何なる多型であっても、[塩基配列7]と[塩基配列8]との両配列の少なくとも17塩基配列からなるDNA配列を有する二つのプローブを付したイネの細菌病菌の検出チップにすれば、何れかのプローブで検出できるので、イネ苗立菌枯細菌病菌の検出漏れが生じない。
なお、[塩基配列8]に対応するイネもみ枯細菌病菌のDNA配列[塩基配列A]は、イネもみ枯細菌病菌基準株とイネ苗立枯細菌病菌基準株とであれば2細菌病菌の相同性が86.6%以上となるが、イネ苗立枯細菌病菌の多型である別な個体次第では相同性が86.6%未満(例えば、30塩基のDNA配列を含有するプローブの場合、5塩基の違い程度)となり誤検出の恐れがあるので、イネの細菌病菌の検出チップのプローブとして用いるのは、好ましくない。(図1参照)
イネの細菌病菌の検出チップは、DNA配列が、5’末端にアミノ標識されたオリゴDNA配列をプローブとして用いるものであってもよい。アミノ標識する基としてH2N(CH2)6−のようなアミノアルキレン基が挙げられる。
イネの細菌病菌の検出チップは、プローブを、ガラスチップ、プラスチックチップ、又はナイロンメンブレンチップ製の基材上に固定することによって、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との判別の際に、これら細菌の増幅した検出標的DNA部位を、種別に異なった蛍光波長の蛍光標識物質で直接標識し、又は蛍光標識化合物と化学的及び/又は生物学的に反応して発色し得る標識性官能基などで適宜標識することで、検出結果の精度を、格段に向上させることができる。
このような標識物質として、一般的にDNAチップに汎用されている蛍光色素、例えばcy3やcy5(何れもGEヘルスケア社の商品名)、フルオレセイン(FITC)、Alexa Fluor488やAlexa Fluor546(何れもモレキュラー プローブズ社の商品名)が挙げられる。
また、イネの細菌病菌の検出チップは、プローブを、ナイロンメンブレンチップ製の基材上に固定することによって、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との判別の際に、これら細菌の増幅した検出標的DNA部位を、ビオチン標識することで、酵素反応に基づく発色を利用して検出結果の精度を、格段に向上させることができる。このような発色には、アルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジンの発色性基質であるブロモクロロインドリルリン酸(BCIP)と発色剤であるニトロブルーテトラゾリウム(NBT)を用いた方法や、ペルオキシターゼ標識ストレプトアビジンとペルオキシターゼと反応すると酸化し発色するテトラメチルベンシジン(TMB)を用いた方法などが挙げられる。
イネの細菌病菌の検出チップは、例えばプローブを、基材に付すことにより作製される。具体的には、スポット方法を利用するものでピン先端の固相への機械的な接触によるピン方式(より具体的には後述の実施例参照)、インクジェットプリンタの原理を利用するものでインクジェット方式、スポッター内に加熱によって泡を生じさせ、その圧力を利用してサンプルを噴出させるバブルジェット方式(バブルジェットは登録商標)、毛細管によるキャピラリー方式などの方式を使用して、プローブを基板にスポットし、固定させることにより、作製される。
このようなイネの細菌病菌の検出チップを用いたイネの細菌病菌の検出方法は、この検出チップのプローブ側に、イネに由来する検体、例えばPCR増幅し標識した部分DNAのような検体を載せ、プローブとイネの細菌病菌に由来する検出標的DNA部位との結合の有無を、目視又は光学的検出機器で検出することにより、イネの細菌病菌を同定するというものである。
その検出方法の一例は、以下の通りである。イネもみ枯細菌病菌及びイネ苗立枯細菌病菌を検出する場合を例に説明する。
イネもみ枯細菌病菌の検出標的DNA部位は、16SrRNA及び23SrRNA遺伝子間の塩基配列に含まれており(図1参照)、その全塩基配列は、配列表の配列番号10に記載されている。
例えば、[塩基配列2]の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有するプローブを用いて、イネもみ枯細菌病菌のみの感染を検出する場合、検出標的DNA部位は、配列番号10の5’末端側から1〜280塩基(以下、この検出標的DNA含有フラグメントやその部位をGL−F1と略記する)に含まれており、[塩基配列3]の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有するプローブを用いて、イネもみ枯細菌病菌を検出する場合、検出標的DNA部位は、配列番号10の5’末端側から283〜448塩基(以下、この検出標的DNA含有フラグメントやその部位をGL−F2と略記する)に含まれているので、それを利用する(図1参照)。
また、[塩基配列6]の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有するプローブを用いて、イネ苗立枯細菌病菌のみの感染を検出する場合、検出標的DNA部位は、配列番号11の5’末端側から1〜280塩基(以下、この検出標的DNA含有フラグメントやその部位をBP−F1と略記する)に含まれており、[塩基配列7]の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有するプローブを用いて、イネ苗立枯細菌病菌のみの感染を検出する場合、検出標的DNA部位は、配列番号10の5’末端側から283〜448塩基(以下、この検出標的DNA含有フラグメントやその部位をBP−F2と略記する)に含まれている。イネ苗立枯細菌病菌を検出するには、BP−F1とBP−F2との何れか一方又は両方を利用する(図1参照)。
また、[塩基配列1]又は[塩基配列5]の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有するプローブを用いて、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れか一方の感染を検出する場合、検出標的DNA部位は、前記のGL−F1・BP−F1に含まれており、これを利用して、これらイネの細菌病菌の何れか一方に感染していることを、検出することができる。[塩基配列4]、[塩基配列8]、[塩基配列9]の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有するプローブを用いて、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れか一方の感染を検出する場合、検出標的DNA部位は、前記のGL−F2・BP−F2に含まれおり、これを利用して、これらイネの細菌病菌の何れか一方に感染していることを、検出することができる。(図1参照)。
検出標的DNA含有部位GL−F1とBP−F1とであるF1(図1参照)は、表1の配列番号12及び13に記載のプライマーを、夫々フォワードプライマー(Fプライマー)及びリバースプライマー(Rプライマー)として用いて、PCR法により増幅して用いる。検出標的DNA含有部位GL−F2とGL−F2とであるF2(図1参照)は、表1の配列番号14及び15に記載のプライマーを夫々フォワードプライマー及びリバースプライマーとして用いて、PCR法により増幅して用いる。
PCR法により増幅した検体である検出標的DNA含有フラグメント(GL−F1、GL−F2、BP−F1及び/又はBP−F2)を、イネの細菌病菌の検出チップに付し、チップ上のプローブとイネの細菌病菌に由来する検出標的DNA含有部位との結合の有無を、蛍光標識の目視又は光学的蛍光検出などによって検出することにより、イネの細菌病菌が同定される。
以下、本発明のイネの細菌病菌の検出チップを用いたイネの細菌病菌の検出方法の具体的な実施例を、実施例1〜3に示す。
(実施例1)
本発明のイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との種判別用プローブを用いたイネの細菌病菌の検出チップを、使用して両細菌病菌を、同時に検出した例を示す。
(1)DNAチップ基板として、スライド基板と、ハイブリダイゼーションカバーと、スポッティング液やブロッキング液やハイブリダイゼーションバッファー液、その他各種試薬とからなるオリゴ固定化基板Iキット(住友ベークライト株式会社製;製品番号BS-11607)を使用した。
(2)イネの細菌病菌の検出チップを作製するに当たり、先ず、塩基配列2、3、6、7の各塩基配列の内の連続する30塩基からなるDNA配列を含有するプローブを調製した。
調製したDNA配列を表2に示す。
調製すべき所望のDNA配列は、塩基配列2の内の連続する30塩基(30mer)からなるDNA配列である塩基配列16及び17、塩基配列3の内の連続する30塩基からなるDNA配列である塩基配列18及び19、塩基配列6の内の連続する30塩基からなるDNA配列である塩基配列20及び21、塩基配列7の内の連続する30塩基からなるDNA配列である塩基配列22及び23である。これら所望のDNA配列は、各配列番号2,3,6,7における塩基配列に由来する30塩基の5’末端アミノ修飾オリゴDNAとして合成して、調製されたものである。それらは、市販のDNA自動合成装置を用いてその取扱説明書の手順に従って合成され、次いで、通常用いられる方法(例えば、高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)、より具体的にはカラムは逆相HPLC用カラムを用いて溶出)によって精製して、得たものである。
(3)オリゴ固定化基板Iキットの仕様に従って、スライド基板(住友ベークライト株式会社製)上に、調製DNA配列(塩基配列16〜23:配列番号16〜23)を、スポットして付した。具体的には、先ず、各調製DNA配列をプローブ用DNA配列となるように、オリゴ固定化基板Iキットに添付のスポット液によって、夫々10μMに調整した。その後、下記表3の通り縦4段×横6列の24スポットとなるように、レイアウトし、ピン型スポッター(高電工業株式会社製;商品名MARKS-I)を使ってスライド基板に、スポットサイズを直径0.2mmとしスポット間隔を0.3mmにして、スポットした。
(4)スポット後、得られたスライド基板を、80℃で1時間加熱することにより、プローブをスライド基板表面に固定化した。その後、0.1N−NaOH水溶液に浸漬してから、沸騰水に2分浸水後、風乾し、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との検出チップを得た。
(5)検出の対象となる供試験株として、イネもみ枯細菌病菌は独立行政法人農業生物資源研究所(NIAS)の農業生物資源ジーンバンクの登録株であり水稲由来のMAFF106713株、イネ苗立枯細菌病菌は同登録株であり水稲由来のMAFF106672株とMAFF106721株とを使用した。
(6)イネもみ枯細菌病菌の1株とイネ苗立枯細菌病菌の2株との夫々における検出標的DNA含有部位を、表1に記載のフォワードプライマー及びリバースプライマーによるPCR法により、以下のようにして、増幅した。
GL−F1及びBP−F1を増幅する場合は、表1で示した17Fプライマーと277Rプライマーを使用し、GL−F2およびBP−F2を増幅する場合は280Fプライマーと457Rプライマーを使用して、夫々次の組成の反応液を、最終的な全量を50μlとし、以下の反応プログラムを行なった。
〔反応液組成〕全量50μl
・10×EXbuffer(タカラバイオ株式会社製) 5μl
・デオキシリボヌクレオシド三リン酸類:dNTPs(dATP、dCTP、dGTP、dTTP混合物)(タカラバイオ株式会社製) 4μl
・ExTaq polymerase(タカラバイオ株式会社製) 0.25μl
・10μMファワードプライマー(17F又は280F) 1μl
・10μMリバースプライマー (19F又は456R) 1μl
・菌液もしくは菌由来DNA(菌由来DNAはコロニーPCR産物およびDNA抽出キット等を使用して得たDNA) 1μl
・滅菌蒸留水 37.75μl
〔反応プログラム〕
最初に94℃で2分間変性した後、熱変性:94℃で30秒間と、アニーリング:45℃で30秒間と、ポリメラーゼ伸長反応:72℃で1分間とからなる1サイクルとして、計30サイクル行なった後、72℃で5分間伸長反応を行った。その反応装置はTaKaRa PCR Thermal Cycker Dise Standard(タカラバイオ株式会社製;商品名)を使用した。
なお、イネもみ枯細菌病菌(MAFF106713株)、及びイネ苗立枯細菌病菌(MAFF106672株とMAFF106721株)の16SrRNA遺伝子と23SrRNA遺伝子間の全塩基配列を、夫々図2〜4に示す(配列番号24〜26)。
(7)図2〜4に示すように、前記PCR法によって増幅した3株毎の検出標的DNA含有フラグメント(図1のF1及びF2に対応)を、以下のようにして精製して調製した。
先ず、PCR産物をPCR産物精製キットであるQIA quick PCR Purification Kit(QIAGEN社製;商品名)を使用し、キット付属のカラムへのDNA吸着と洗浄を行い、滅菌蒸留水によって精製された検出標的DNAの溶出を行なって、精製した各標的検出DNAを、2μgずつ調製した。
(8)図2〜4に示すように、イネもみ枯細菌病菌(MAFF106713株)から得た検出標的DNA含有フラグメント(図1のF1及びF2に対応:夫々GL−F1、GL−F2)と、イネ苗立枯細菌病菌(MAFF106672株、MAFF106721株)から得た検出標的DNA含有部位(図1のF1及びF2に対応:夫々BP−F1、BP−F2)を、2%アガロースゲルで電気泳動を行い、SYBER Gold S11494(Invtrogen社製;商品名)で染色後紫外線を照射することによって、検出標的DNAのバンドを確認した。その結果を図5に示す。図5から明らかな通り、検出標的DNA含有フラグメントが得られていることを、確認できた。
(9)前記(7)で得た各検出標的DNA含有フラグメントに対して、ULYSIS核酸標識キット(Molecular Probes社製;商品名ULYSIS Nucleic Acid Labeling Kits;商品番号U21650及びU21652)を用いて、そのプロトコールに従い、以下のように蛍光標識した。ULYSIS核酸標識キットに付属のLabeling bufferの20μlに、前記(7)で得た各検出標的DNA含有フラグメント2μgを置換し、95℃で5分間変性した後、イネもみ枯細菌病菌の検出標的DNA含有フラグメントの2μgに対して、緑色に蛍光発色するAlexa Fluor488(Ex492,Em520)(Molecular Probes社製;商品名ULYSIS Nucleic Acid Labeling Kits U21650)また、イネ苗立枯細菌病菌の検出標的DNA含有フラグメントの2μgに対して、赤色に蛍光発色するAlexa Fluor546(Ex555,Em570)(Molecular Probes社製;商品名ULYSIS Nucleic Acid Labeling Kits U21652)を用い、夫々を加え、80℃で15分間インキュベートさせることによって、各検出標的DNA含有フラグメントを、直接蛍光標識した。標識後余分な標識物質を取り除くために、それを精製用スピンカラム(PRINCETON社製;商品名CENTRE-SEP(PRINCETON SEPARATION CS901))に通し、蛍光標識検出標的DNA含有フラグメントの約2μg相当を含む溶液10μlを、得た。
(10)イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との夫々の蛍光標識された検出標的DNA含有フラグメントを5μlずつ混合し、2細菌病菌由来のF1フラグメント同士又はF2フラグメント同士が混在したDNAサンプルを作製し、2×ハイブリダイゼーションバッファー(オリゴ固定化基板Iキット添付)の12.5μlに加え、ハイブリダイゼーション液を調製した。
(11)ハイブリダイゼーション液を、95℃で5分間加熱し、変性させた。
(12)前記(4)で作製したイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との検出チップに、ハイブリダイゼーションカバーをかけ、そのカバーの隙間からハイブリダイゼーション液を加え、55℃で48時間インキュベートした。
(13)2×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸ナトリウム、pH7.4の緩衝液を1×SCCとし、その2倍の濃度である2×SSC即ち300mMのNaCl、30mMのクエン酸ナトリウム)+0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液、2×SSC、0.2×SSC、イオン交換水の順に検出チップを浸盪することによって洗浄し、その後、風乾した。
(14)落射型蛍光顕微鏡(株式会社ニコン製;商品名Nicon ECLIPSE 80i)を使用し検出チップ上のプローブスポットを観察し、併せて固体撮影素子(CCD)カメラ(浜松ホトニクス株式会社製)を使用して検出チップ表面の画像を全プローブスポットごと取得した。
(15)取得した画像は、画像解析ソフト(浜松ホトニクス株式会社製;商品名AQUA Cosmos Version2.63)を用い、同一箇所について異なった波長(緑色の蛍光用に527nm、赤色の蛍光用に586nm)で観測された画像を、重ね合わせた。その画像を図6に示し、併せてその結果を表4に示す。
図6写真(左)及び表4から明らかな通り、イネもみ枯細菌病菌由来で緑色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメント(GL−F1)及びイネ苗立枯細菌病菌由来で赤色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメント(BP−F1)とを混合した場合、この検出チップで、GL−F1検出用のプローブのみでGL−F1を検出し、BP−F1検出用のプローブのみでBP−F1を検出した。
図6写真(中)及び表4から明らかな通り、イネもみ枯細菌病菌由来で緑色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメント(GL−F2)及びイネ苗立枯細菌病菌由来で赤色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメント(BP−F2)とを混合した場合、この検出チップで、GL−F2検出用のプローブのみでGL−F2を検出し、BP−F2検出用のプローブのみでBP−F2を検出した。
図6写真(右)及び表4から明らかな通り、イネもみ枯細菌病菌由来で緑色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメント(GL−F1)及び別な個体であって変異型であるイネ苗立枯細菌病菌由来で赤色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメント(BP−F1)とを混合した場合、この検出チップで、GL−F1検出用のプローブのみでGL−F1を検出し、BP−F1検出用のプローブのみでBP−F1を検出した。
これらの結果から、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌とに由来する2種の検出標的DNA含有フラグメントが混在していても、確実にハイブリダイゼーションを起こすので蛍光観察により夫々検出できること、及び2種の標的DNA含有フラグメントが、GL検出用プローブとBP検出用プローブとに競合せず誤ったクロスハイブリダイゼーション(ミスハイブリダイゼーション)を引き起こすことなく、2細菌の何れであるかを正確に検出して種判別できることが、確かめられた。従って、この検出チップを用いたイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との検出方法によれば、これら2細菌の同時検出画像が目視で高感度・高精度で確認できた。なお、これら以外の変異型であるイネ苗立枯細菌病菌由来で赤色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメントであっても、検出可能である。
(実施例2)
本発明のイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との種判別用プローブを用いたイネの細菌病菌の検出チップを、使用して両細菌病菌の少なくとも何れかに感染したことを、検出した例を示す。
(1)下記表5に示す塩基配列を調製DNA配列として用いたことと、4スポット並べた検出チップにしたこと以外は、前記実施例1の(01)〜(06)までの工程を、同様に行った。
(2)実施例1の(7)〜(8)と同様にして、イネもみ枯細菌病菌(MAFF106713株)由来の検出標的DNA含有フラグメント(GL−F1、GL−F2)と、イネ苗立枯細菌病菌(MAFF106672株、MAFF106721株)由来の夫々検出標的DNA含有フラグメント(BP−F1、BP−F2)を得た。
(3)前記(2)で得た各検出標的DNA含有フラグメントに対して、ULYSIS核酸標識キット(Molecular Probes社製;商品名ULYSIS Nucleic Acid Labeling Kits U21652)を用いて、そのプロトコールに従い、赤色に蛍光発色するAlexa Fluor546(Ex555,Em570)を各検出標的DNA含有フラグメントに加え80℃で15分間インキュベートすることにより、蛍光標識し、それを精製用スピンカラム(CENTRE-SEP(PRINCETON SEPARATION CS901))を通し、およそ2μgを含む10μl溶液の蛍光標識された検出標的DNA含有フラグメントを得た。
(4)イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との蛍光標識された検出標的DNA含有フラグメントを、夫々別々に、10μl、2×ハイブリダイゼーションバッファー(オリゴ固定化基板Iキット添付)25μlと、ミリポア社製超純水製造装置MilliQで精製した滅菌水10μlとを加え、イネもみ枯細菌病菌(MAFF106713株)のみに由来の検出標的DNA含有フラグメントのハイブリダイゼーション液と、イネ苗立枯細菌病菌(MAFF106672株、MAFF106721株)のみに由来の検出標的DNA含有フラグメントのハイブリダイゼーション液とを、調製した。
(5)次いで、ハイブリダイゼーション液に対し、実施例1の(11)〜(14)と同様な工程を行った。
(6)取得した画像は、その画像をパーソナルコンピュータのディスプレイに映し出すための画像解析ソフト(AQUA Cosmos Version2.63)を用い、画像処理した。その観測された画像を、図7に示し、併せてその結果を表6に示す。
図7及び表6から明らかな通り、イネもみ枯細菌病菌由来又はイネ苗立枯細菌病菌由来で赤色の蛍光標識した検出標的DNA含有フラグメントは、この検出チップで、何れも検出することができた。この場合、図1の塩基配列6において、別なBP株での供試を行い続けているが、現在変異に関係なく検出されることから、イネ苗立枯細菌病菌が変異していても、変異に関係なく検出できることが分かった。
(実施例3)
イネもみ枯細菌病菌やイネ苗立枯細菌病菌を検出するプローブが、ナイロンメンブレン製の基材上に固定されている、別なイネの細菌病菌の検出チップの実施例を、示す。このイネの細菌病菌の検出チップを、使用して、イネの細菌病菌を、検出した例を以下に示す。
(1)イネの細菌病菌の検出チップの基材に使用したナイロンメンブレンは、バイオダインC(PALL社製)である。プローブをスポットする前に、16%EDC溶液(東京化成工業株式会社製;商品名EDC D1601)に15分間浸し、蒸留水で30秒間洗浄してから使用した。
(2)使用プローブは、塩基配列6(配列番号6)又は塩基配列2(配列番号2)に含まれるアミノ修飾プローブ30merの何れかである。具体的には、塩基配列6(配列番号6)の一部を有する塩基配列21(配列番号21)と、塩基配列2(配列番号2)の一部を有する塩基配列17(配列番号17)とを、夫々を、0.5M炭酸水素ナトリウム(pH8.4)で10μMに希釈して、スポット作製用の液を、調製した。
(3)そのスポットには、バキュームトランスファー装置(株式会社バイオクラフト社製;商品名BS-31)を用いた。その上に、前記(1)で調製した前処理済みのナイロンメンブレンチップを置き、各プローブ(5μΜ)5μlを、直接スポットした。
(4)スポットし、ナイロンメンブレンチップを乾燥させた後、0.1MのNaOH水溶液で10分間洗浄後、蒸留水で洗浄し、2×SSC+0.1%SDSに50℃で10分間浸し、20mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)に15分浸し、プローブを固定した。その後、ハイブリダイゼーション直前に、2×SSC+0.1%SDS中、50℃で10分間浸盪し、さらにブッロッキング液(2×SSC+3%BSA(ウシ血清))中、50℃で15分間浸とうしてブロッキングを行なって、イネの細菌病菌の検出チップを作製し、使用した。
(5)イネもみ枯細菌病菌(MAFF301169)とイネ苗立枯細菌病菌(MAFF301723)との夫々における検出標的DNA含有部位F1の増幅と標識は、TaKaRa ExTaq(タカラバイオ株式会社製;商品名)と、Biotin−16−dUTP(Roche社製;商品名Biotin-16-dUTP)とを使用することによって、同時に行なうPCRラベリング法により、行った。このような標識及び増幅反応液の組成は以下の通りとし、PCRを以下の反応プログラムに従って行なうことによって、ビオチン標識された検出標的DNAを得た。
〔反応組成〕全量50μl
・10×Exbuffer (タカラバイオ株式会社製) 5μl
・1mMのBiotin−16−dUTP(Roshe社製) 2.5μl
・10mM dCTP,dGTP,dATP(GEヘルスケア社製) 1μl
・10mM dTTP(GEヘルスケア社製) 0.6μl
・ExTaq polymerase(タカラバイオ株式会社製) 0.25μl
・10μMファワードプライマー(17F) 1μl
・10μMリバースプライマー (277R) 1μl
・菌液もしくは菌由来DNA 1μl
・滅菌蒸留水 37.75μl
〔反応プログラム〕
最初に94℃で2分間変性した後、熱変性:94℃で30秒間と、アニーリング:45℃で30秒間と、ポリメラーゼ伸長反応:72℃で1分間とからなる1サイクルとして、計30サイクル行なった後、72℃で5分間伸長反応を行った。反応装置はTaKaRa PCR Thermal Cycker Dise Standard(タカラバイオ株式会社製;商品名)を使用した。
(6)前記(5)で得たPCRラベリングした検出標的DNAフラグメントを、精製用スピンカラム(PRINCETON社製;商品名CENTRE-SEP(PRINCETON SEPARATION CS901))に通し、余分なビオチンを除去し、精製した検出標的DNAフラグメントを、2μg相当量を、得た。
(7)ハイブリダイゼーション直前に、ビオチン標識した検出標的DNAフラグメント2μgを2×SSC+0.1%SDSの150μlに加えたハイブリダイゼーション液を、調製し、そのハイブリダイゼーション液を100℃で10分間加熱することで検出標的DNAフラグメントを変性させた。
(8)変性した検出標的DNAフラグメントを含有するハイブリダイゼーション液に2×SSC+0.1%SDSを1ml追加し、メンブレン基材を有したイネの細菌病菌の検出チップとを、ビニール袋にパッキングし、ハイブリダイゼーションさせた。55℃のインキュベータ内で、左右に振盪又はローテーターで反転させながら、55℃で2時間、ハイブリダイゼーション反応を行った。
(9)ハイブリダイゼーション後、イネの細菌病菌の検出チップのナイロンメンブレンチップの洗浄は、TBS(100mMのTris−HCl,150mMのNaCl)+6%BSA中、50℃で30分間振盪後、さらにTBSに5分間振盪することにより、行った。
(10)スポットの発色の基質となるアルカリフォスファターゼを、各プローブに結合したビオチン標識検出標的DNAに結合させるために、TBSにAP標識ストレプトアビジン(KPL社製;商品名Alkaline Phosphatase Labeled Streptavidin 475−3000)を500分の1から1000分の1希釈した溶液と、ナイロンメンブレンインチップとを、ビニール袋にパッキングし、20分間左右に振盪又はローテーターで反転させた。
(11)余分なAP標識ストレプトアビジンを洗い落とすために、ナイロンメンブレンチップをTBSに10分間浸して洗浄し、発色の前処理としてAP Buffer(100mMのTris−HCl,150mMのNaCl,5mMのMgCl・6HO、pH9.5)中、10分間振盪した。
(12)乾いたバットにナイロンメンブレンチップを置き、BCIP/NBT(KPL社製;BCIP/NBT Phospatase Substrate 1-Component)をナイロンメンブレンチップの表面を覆うように、掛けた。30秒間程度で発色が始まり、3分間後に、蒸留水を流水することによって反応停止させた。
(13)イネの細菌病菌の検出チップのナイロンメンブレンチップ上に、約直径3mmの茶色のスポットが目視で観察できた。その結果を、図8に示す。図8から明らかな通り、塩基配列2(配列番号2)又は塩基配列6(配列番号6)に含まれるアミノ修飾プローブである塩基配列30merの何れかである塩基配列17(配列番号17)と塩基配列21(配列番号21)からなるプローブを使用して、イネもみ枯れ細菌病菌特異的検出とイネ苗立枯細菌病菌特異的検出とを、行うことができた。なお、この場合、プローブ配列に対して100%の相同性を持つ細菌病菌を検出したこととなる。
本発明のイネの細菌病菌の検出チップ及びそれを用いた検出方法によれば、特定のDNA配列を含有するプローブを用いることによって、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌とを、同時検出、種判別が可能となる。またこれら2細菌に共通の検出プローブ配置と、これら2種の何れかに特異的な検出プローブ配置とを、適宜使い分けることにより、これら2細菌の種判別を必要としないが何れかへの感染を検出する場合と、これら2細菌病菌の種別を特定したい場合との目的別の二タイプの検査チップを、作製できる。
本発明のイネの細菌病菌の検出チップ及びそれを用いた検出方法を用いれば、イネ苗生産の安定供給や農薬の軽減に、有用である。

Claims (14)

  1. 下記[塩基配列1〜9]
    ctcctttctcgagcttattccgcatacattgagc ・・・[塩基配列1]
    cggaacacctgggtagtctctgtagggaagggggcat ・・・[塩基配列2]
    tgacaaacgttcagggatgctgagcagttgtcat ・・・[塩基配列3]
    taacaatctggaagaagtagtaaagtggatagcg ・・・[塩基配列4]
    ctcctttctcgagctaataccgcatacattgagc ・・・[塩基配列5]
    cggaaacctgagacgtctctgtacatgggggcat ・・・[塩基配列6]
    taaagaaggcttggaccaaggttgcttggtgccgaggtttccttat ・・・[塩基配列7]
    tcagaggataagtcagaagtagcacttatcggct ・・・[塩基配列8]
    taacaatctagaagaagtagtaatttggatagcg ・・・[塩基配列9]
    の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出するプローブが、基材上に固定されていることを特徴とするイネの細菌病菌の検出チップ。
  2. 前記DNA配列が、前記[塩基配列1、4、5、8及び9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基配列を有するものであって前記イネもみ枯細菌病菌と前記イネ苗立枯細菌病菌との両方を検出するものであり、又は
    前記DNA配列が、前記[塩基配列2及び3]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基配列を有するものであって前記イネもみ枯細菌病菌を検出するものであり、又は
    前記DNA配列が、前記[塩基配列6及び7]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基配列を有するものであって前記イネ苗立枯細菌病菌を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載のイネの細菌病菌の検出チップ。
  3. 前記DNA配列が、5’末端にアミノ標識されたオリゴDNA配列であることを特徴する請求項1〜2の何れかに記載のイネの細菌病菌の検出チップ。
  4. イネの検体の検出標的DNA配列が、蛍光標識及び/又はビオチン標識されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のイネの細菌病菌の検出チップ。
  5. 前記プローブが、前記基材にスポットされて前記固定がされていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のイネの細菌病菌の検出チップ。
  6. 前記基材が、ガラスチップ、プラスチックチップ、又はナイロンメンブレンチップであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のイネの細菌病菌の検出チップ。
  7. 前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなる前記DNA配列を含有する前記プローブの異なる複数が、基材上に固定されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のイネの細菌病菌の検出チップ。
  8. 下記[塩基配列1〜9]
    ctcctttctcgagcttattccgcatacattgagc ・・・[塩基配列1]
    cggaacacctgggtagtctctgtagggaagggggcat ・・・[塩基配列2]
    tgacaaacgttcagggatgctgagcagttgtcat ・・・[塩基配列3]
    taacaatctggaagaagtagtaaagtggatagcg ・・・[塩基配列4]
    ctcctttctcgagctaataccgcatacattgagc ・・・[塩基配列5]
    cggaaacctgagacgtctctgtacatgggggcat ・・・[塩基配列6]
    taaagaaggcttggaccaaggttgcttggtgccgaggtttccttat ・・・[塩基配列7]
    tcagaggataagtcagaagtagcacttatcggct ・・・[塩基配列8]
    taacaatctagaagaagtagtaatttggatagcg ・・・[塩基配列9]
    の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出するプローブが、基材上に固定されているこれらイネの細菌病菌の検出チップに、イネの検体を載せ、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、検出することにより、前記イネの細菌病菌を同定することを特徴とするイネの細菌病菌の検出方法。
  9. イネの検体の検出標的DNA配列が蛍光標識されており、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、その蛍光標識による蛍光部位の視認及び/又は蛍光波長の相違の検知により、検出することを特徴とする請求項8に記載のイネの細菌病菌の検出方法。
  10. イネの検体の検出標的DNA配列がビオチン標識されており、イネの検体の検出標的DNA配列がビオチン標識されており、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、そのビオチン標識に反応する酵素反応に応じた発色により、検出することを特徴とする請求項8に記載のイネの細菌病菌の検出方法。
  11. 前記[塩基配列1〜9]の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなる前記DNA配列を含有する前記プローブの異なる複数が、基材上に固定されていることによって、前記プローブと前記イネの細菌病菌との結合の有無を、検出することを特徴とする請求項8〜10の何れかに記載のイネの細菌病菌の検出方法。
  12. 下記[塩基配列1〜9]
    ctcctttctcgagcttattccgcatacattgagc ・・・[塩基配列1]
    cggaacacctgggtagtctctgtagggaagggggcat ・・・[塩基配列2]
    tgacaaacgttcagggatgctgagcagttgtcat ・・・[塩基配列3]
    taacaatctggaagaagtagtaaagtggatagcg ・・・[塩基配列4]
    ctcctttctcgagctaataccgcatacattgagc ・・・[塩基配列5]
    cggaaacctgagacgtctctgtacatgggggcat ・・・[塩基配列6]
    taaagaaggcttggaccaaggttgcttggtgccgaggtttccttat ・・・[塩基配列7]
    tcagaggataagtcagaagtagcacttatcggct ・・・[塩基配列8]
    taacaatctagaagaagtagtaatttggatagcg ・・・[塩基配列9]
    の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるDNA配列を含有することによってイネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかを検出することを特徴とするイネの細菌病菌の検出プローブ。
  13. 前記DNA配列が、5’末端にアミノ標識されたオリゴDNA配列であることを特徴する請求項12に記載のイネの細菌病菌の検出プローブ。
  14. 下記[塩基配列1〜9]
    ctcctttctcgagcttattccgcatacattgagc ・・・[塩基配列1]
    cggaacacctgggtagtctctgtagggaagggggcat ・・・[塩基配列2]
    tgacaaacgttcagggatgctgagcagttgtcat ・・・[塩基配列3]
    taacaatctggaagaagtagtaaagtggatagcg ・・・[塩基配列4]
    ctcctttctcgagctaataccgcatacattgagc ・・・[塩基配列5]
    cggaaacctgagacgtctctgtacatgggggcat ・・・[塩基配列6]
    taaagaaggcttggaccaaggttgcttggtgccgaggtttccttat ・・・[塩基配列7]
    tcagaggataagtcagaagtagcacttatcggct ・・・[塩基配列8]
    taacaatctagaagaagtagtaatttggatagcg ・・・[塩基配列9]
    の何れかの塩基配列の内の連続する少なくとも17塩基からなるもので、イネもみ枯細菌病菌とイネ苗立枯細菌病菌との少なくとも何れかに結合することを特徴とするDNA配列。
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