以下に、開示するリソース管理装置、リソース管理システム、リソース管理方法およびリソース管理プログラムの実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例により開示の発明が限定されるものではない。また、各実施例は、適宜組み合わせることができる。
図1は、実施例1に係るインタークラウドサーバの構成の一例を示す図である。以下、インタークラウドサーバを、リソース管理装置とも呼ぶ。インタークラウドは、複数のクラウドシステムの連携により実現され、それぞれのクラウドシステムにより提供されるリソースを縦断的に利用することを可能にする。ここで、インタークラウドは、プライベートクラウド、パブリッククラウド等のシステムを連携させることにより実現される。ただし、本発明は、所謂インタークラウドのみならず、個別にリソースを管理する複数のシステムを連携させることによって実現される任意のシステムに適用できる。図1中、インタークラウドサーバ100は、管理装置200およびユーザ端末300と接続される。管理装置200およびユーザ端末300はそれぞれリソース400と接続されている。
インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300からの各種要求に応じて、管理装置200が管理するリソース400をユーザ端末300に割り当てる。インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300に対して複数のリソース400を割り当てる場合、ユーザ端末300からの要求に含まれる、複数のリソース間の接続関係に関する接続関係情報と、実際に割り当てる複数のリソース400の接続関係との対応を示す対応情報を生成する。そして、インタークラウドサーバ100は、生成した対応情報をユーザ端末300に通知する。
例えば、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300からの新規割当要求を受け付けると、当該新規割当要求に応じて、管理装置200から、リソース400の利用状況に関する情報を収集する。ここで、収集とは、所定の情報を要求する通知を発行し、当該通知に対応した情報を受信し、集積することをいう。すなわち、インタークラウドサーバ100は、管理装置200に対してリソース400の利用状況に関する情報を要求する通知を発行する。そして、管理装置200は、通知に応じた情報を生成し、インタークラウドサーバ100に送信する。インタークラウドサーバ100は、複数の管理装置200から送信される情報を受信し集積する。こうして収集した情報に基づき、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300に対して割り当てるリソース400を決定する。そして、インタークラウドサーバ100は、管理装置200に対してリソース400の割当を指示する。さらに、インタークラウドサーバ100は、新規割当要求に含まれた接続関係情報と、実際に割り当てる複数のリソース400間の接続関係との対応を示す対応情報を生成する。そして、生成した対応情報をユーザ端末300に送信する。
また、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300からの増設・減設要求を受け付けると、当該増設・減設要求に応じて、管理装置200から、リソース400の利用状況に関する情報を収集する。すなわち、インタークラウドサーバ100は、管理装置200に対して情報を要求する通知を送信し、管理装置200が生成した利用情報を受信することによって、各管理装置200のリソースの利用状況に関する情報を収集する。こうして収集した情報に基づき、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300に対する割当を増設・減設するリソース400を決定する。そして、インタークラウドサーバ100は、管理装置200に対してリソース400の割当または解放を指示する。増設・減設要求がリソース間の接続関係の変更を伴う場合は、インタークラウドサーバ100はさらに、増設・減設要求に含まれた接続関係情報と、増設・減設したリソース400間の接続関係との対応を示す対応情報(後述する図3−2を参照)を生成する。そして生成した対応情報をユーザ端末300に送信する。
なお、増設・減設要求は、常に接続関係情報を含むようしてもよいし、要求するリソース間の接続関係に変更が生じる場合のみ接続関係情報を含むようにしてもよい。増設・減設要求が常に接続関係情報を含むようにした場合は、インタークラウドサーバ100は、接続関係情報の変更の有無に関係なく、常に対応情報を生成してユーザ端末300に送信するものとしてもよい。または、新規割当要求時に、接続関係情報を後述する記憶部110に記憶しておき、その後の増設・減設要求時には、インタークラウドサーバ100が、記憶部110から接続関係情報を読み出して、増設・減設要求に含まれる接続関係情報と比較してもよい。そして、接続関係情報に変更があった場合のみ、対応情報を生成してユーザ端末300に送信してもよい。
また、増設・減設要求が、接続関係情報に変更がある場合のみ接続関係情報を含むようにした場合は、インタークラウドサーバ100は、増設・減設要求が接続関係情報を含むか否かを判定するものとしてもよい。この場合は、インタークラウドサーバ100は、接続関係情報を含むと判定した場合のみ、対応情報を生成してユーザ端末300に送信する。
また、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300からの過不足判定要求を受け付けると、当該過不足判定要求に応じて、管理装置200から、リソース400の利用状況に関する情報を収集する。すなわち、インタークラウドサーバ100は、管理装置200に対して情報を要求する通知を送信し、管理装置200が生成した利用情報を受信することによって、各管理装置200のリソースの利用状況に関する情報を収集する。収集した情報に基づき、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300に対して割り当てられたリソースに過不足がないかを判定する。過不足判定の場合は、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300に対して、過不足判定の結果のみを通知してもよい。また、過不足が発生した結果、割り当てられているリソース400の接続関係を変更することが望ましいと判定した場合、変更した接続関係に応じた対応情報をあわせて通知してもよい。
なお、過不足判定は、ユーザ端末300から過不足判定要求を受け付けた場合に行うものとしてもよいし、インタークラウドサーバ100に予めクロックを設けて所定期間ごとに過不足判定を行うものとしてもよい。また、そのいずれの場合にも過不足判定を行うものとしてもよい。
さらに、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300から割当廃止要求を受け付けた場合は、該当する管理装置200に対して当該ユーザ端末300に割り当てていたリソースを解放するよう指示する。なお、割当廃止時に、新たにリソースの利用状況に関する情報を収集して、他のユーザ端末へのリソース割当の調整をおこない、新たな割当リソースや対応情報を適宜送信してもよいし、この時点では特に調整はおこなわず、過不足判定を行うときに併せてリソース割当を調整するものとしてもよい。
なお、ここでは、ユーザ端末300からの各種要求に、要求する複数リソース間の接続関係に関する接続関係情報が含まれるものとして説明したが、接続関係情報は要求自体とは別に送信されるものとしてもよい。
管理装置200は、インタークラウドサーバ100およびリソース400と接続される。管理装置200は、リソース400を管理する。また、管理装置200は、インタークラウドサーバ100の要求に応じて、リソース400の利用状況に関する情報を収集する。すなわち、インタークラウドサーバ100は、管理装置200に対して情報を要求する通知を送信し、管理装置200が生成した利用情報を受信することによって、各管理装置200のリソースの利用状況に関する情報を収集する。一つのリソース400を一つの管理装置200が管理してもよく、複数のリソース400をまとめて一つの管理装置200が管理してもよい。また、種類の異なるリソースごとに別の管理装置200を設けてもよい。例えば、一つのクラウドシステムの中で、一つの管理装置が網リソースを管理し、別の管理装置が計算リソースを管理するものとしてもよい。また、異なるクラウドシステムのリソース400を異なる管理装置200が管理するものとしてもよく、異なるクラウドシステムのリソース400を一つの管理装置200がまとめて管理するものとしてもよい。さらに、管理装置200は、複数のサーバのリソース400が集合したデータセンタ単位でリソース400を管理してもよい。図1では、異なるクラウドシステムのリソースごとに一つの管理装置200が設けられている。
管理装置200は、インタークラウドサーバ100からの要求を受け取ると、要求に応じて、管理するリソース400の利用状況に関する情報を収集し、インタークラウドサーバ100に通知する。例えば、管理装置200は、リソース400の空き状況を示す空きリソース情報とリソース400の利用状況を示す利用状況情報を収集し、インタークラウドサーバ100に通知する。
また、管理装置200は、インタークラウドサーバ100からの割当通知や割当廃止通知を受けて、ユーザ端末300に新たにリソース400を割り当てたり、それまで割り当てていたリソース400を解放したりする。また、管理装置200は、インタークラウドサーバ100からの増設・減設通知を受けて、ユーザ端末300に割り当てるリソース400を増減させる。そのために、管理装置200は、割当部201を備える。割当部201は、インタークラウドサーバ100からの通知の内容に応じて、リソース400をユーザ端末300に割り当て、割り当てたリソースを解放し、割り当てたリソースを増減させる。
ユーザ端末300は、例えば、ASP(Application Service Provider)運用者の端末である。ユーザ端末300を操作するユーザは、提供するサービスの内容に応じて、要求するリソースの数やリソースの構成を決定し、インタークラウドサーバ100に対してリソースの割当を要求する新規割当要求を送る。また、ユーザ端末300は、リソースがいったん割り当てられた後に、リソースの増減を要求する増設・減設要求をインタークラウドサーバ100に送る。また、ユーザ端末300は、いったん割り当てられたリソースに過不足がないか判定することを要求する過不足判定要求をインタークラウドサーバ100に送る。さらに、ユーザ端末300は、割り当てられたリソースの割当廃止を要求する割当廃止要求をインタークラウドサーバ100に送る。なお、インタークラウドサーバ100は、リソースの割り当て後、ユーザ端末300からの要求がなくても、一定時間ごとにリソースの過不足判定を行い、必要に応じてリソースの再割当を行うよう構成してもよい。
リソース400は、インタークラウドシステムにおいて利用される資源である。例えば、計算リソース、記憶リソース、網リソース等がリソースに該当する。例えば、計算リソースとしては、仮想マシン(Virtual Machine)、サーバ、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ディスク等が挙げられる。また、記憶リソースとしては、ストレージ装置等が挙げられる。さらに、網リソースとしては、ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、光ファイバー、光パス、IPネットワーク、イーサネット(登録商標)、トンネルネットワーク等が挙げられる。
図2を参照し、実施例1における管理装置とリソースとユーザ端末との関係をさらに詳細に説明する。図2は、実施例1における管理装置とリソースとユーザ端末との関係の一例を示す図である。
図2においては、インタークラウドサーバ100は、複数のクラウドシステムのリソースを管理する6つの管理装置200−1〜200−6と接続される。管理装置200−1〜200−3はそれぞれ、リソースとしてサーバ401−1〜401−3、サーバ401−4〜401−6、サーバ401−7〜401−9を管理する。また、管理装置200−4〜200−6はそれぞれ、リソースとしてネットワーク402−1、402−2、402−3を管理する。ユーザ端末300−1〜300−3は、それぞれが利用するリソースと接続される。例えば、ユーザ端末300−1は、管理装置200−4が管理するネットワーク402−1を介して管理装置200−3が管理するサーバ401−7と接続される。ユーザ端末300−2は、管理装置200−5が管理するネットワーク402−2を介して、管理装置200−2が管理するサーバ401−5および管理装置200−3が管理するサーバ401−9と接続される。ユーザ端末300−3は、管理装置200−6が管理するネットワーク402−3を介して、管理装置200−1が管理するサーバ401−1および管理装置200−2が管理するサーバ401−6と接続される。
図2には示していないが、各ユーザ端末300−1〜300−3はインタークラウドサーバ100と接続されており、インタークラウドサーバ100に対して、リソースの新規割当要求等を行う。新規割当要求に応じてインタークラウドサーバ100は、管理装置200−1〜200−6から空きリソース情報および利用状況情報を収集する。そして、インタークラウドサーバ100は、収集した空きリソース情報および利用状況情報に基づき、各ユーザ端末300−1〜300−3に割り当てるリソースを決定する。また、インタークラウドサーバ100は、該当する管理装置にリソースの割当通知を出し、該当する管理装置は、割当通知に応じて各ユーザ端末300−1〜300−3にリソースを割り当てる。また、インタークラウドサーバ100は、新規割当要求に含まれる接続関係情報と割り当てたリソースの接続関係との対応情報を生成し、ユーザ端末300−1〜300−3に送信する。その結果、ユーザ端末300−1〜300−3は、適切に要求に応じたリソースを構成してリソースを利用することができる。
このように、インタークラウドサーバ100と、複数のクラウドシステムのリソースであるサーバ401−1〜401−9およびネットワーク402−1〜402−3を管理する複数の管理装置200−1〜200−6とを接続する。そして、各管理装置から収集した空きリソース情報および利用状況情報を一括して、ユーザ端末の新規割当要求と照合することにより、異なるクラウドシステムの様々な種類のリソースを適切にユーザ端末に割り当てることができる。このため、ユーザ端末は、複数のクラウドシステムのリソースであることを意識することなく、複数のクラウドシステムのリソースを簡単に組み合わせて利用することができる。
また、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300からの要求に含まれた接続関係情報と、割り当てたリソース400の接続関係との対応を示す対応情報を生成してユーザ端末300に送信する。このため、ユーザ端末300は、自らリソース400の構成を判断する必要なく、適切にリソース400を構成して利用することができる。
[実施例1に係るインタークラウドサーバの構成]
図1に戻り、実施例1に係るインタークラウドサーバ100の構成につきさらに詳細に説明する。図1に示すように、インタークラウドサーバ100は、通信部101と、記憶部110と、制御部120とを備える。通信部101は、インタークラウドサーバ100と、その外部の装置との通信を行う。図1中、通信部101は、管理装置200とユーザ端末300とからの情報を受信し、インタークラウドサーバ100内の機能部から出力される情報を、管理装置200およびユーザ端末300に送信する。記憶部110は、インタークラウドサーバ100内での処理に利用される情報や処理の結果生成された情報を記憶する。例えば、記憶部110は、ユーザ端末300から送信される新規割当要求に含まれる、要求するリソースの制約条件等を記憶する。制御部120は、管理装置200からの情報収集処理やユーザ端末300へのリソース割当処理を制御する。記憶部110および制御部120における処理の詳細については、以下にさらに詳細に説明する。
[記憶部の構成]
記憶部110は、インタークラウドサーバ100内での処理に利用される情報や処理の結果生成された情報を記憶する。図1の例では、記憶部110は、対応情報記憶部111を備える。対応情報記憶部111は、ユーザ端末300からの新規割当要求に応じてインタークラウドサーバ100がリソース400を割り当てる際に生成する、新規割当要求に含まれる接続関係情報と割当リソースの接続関係との対応を示す対応情報を記憶する。図1においては、対応情報記憶部111のみを示しているが、記憶部110はこのほかの情報を記憶する機能部も備えてよい。例えば、ユーザ端末300からの新規割当要求に含まれる、要求するリソースの種別、数、属性等に関する情報を記憶する記憶部を備えてもよい。また、管理装置200から送信される空きリソース情報や利用状況情報を記憶する記憶部を備えてもよい。
図3−1を参照して、記憶部110に格納される情報の一例を説明する。図3−1は、実施例1に係るインタークラウドサーバ100の記憶部110に格納される情報の一例を示す図である。図3−1に示すように、記憶部110には、各ユーザ端末300を一意に識別するユーザIDに対応付けて、当該ユーザ端末が利用中のリソース、当該ユーザ端末が要求するリソースの制約条件、当該ユーザ端末が要求するリソース間の接続関係と割当リソースとの対応を示す対応情報が格納される。なお、図3−1に示す格納情報は一例であって、これ以外の情報を記憶部110に格納してよい。
図3−1中、例えば、図2のユーザ端末300−1を一意に示すユーザID「001」に対応づけて、「利用中のリソース」としてネットワーク402−1の識別子「N01」と、サーバ401−7の識別子「S07」とが格納されている。また、「リソース制約条件」として、ネットワークの帯域「150Mbps」と遅延「10ms」とが格納されている。さらに、「リソース制約条件」として、サーバの所在地「東京」が格納されている。さらに、「対応情報」として、新規割当要求においてユーザ端末300−1が要求したリソースである「ネットワークN1」と「サーバS1」との接続関係と、割当リソースである「ネットワークN01」と「サーバS07」との接続関係との対応を示す情報が、「(N1−S1)=(N01−S07)」として格納されている。
なお、図3−1では、リソース制約条件として、ネットワークの帯域と遅延、サーバの所在地のみを示したが、他に種々のリソース制約条件が格納されうることは言うまでもない。例えば、後述するリソース属性情報に相当する情報がリソース制約条件として格納されうる。
[制御部の構成]
再び図1を参照し、制御部120の構成について詳細に説明する。図1に示すように、制御部120は、受付部121、抽出部122、収集部123、決定部124、通知部125、生成部126、出力部127を備える。受付部121は、ユーザ端末300から送信される新規割当要求、割当廃止要求、増設・減設要求、過不足判定要求等を、通信部101を介して受け付ける。受付部121は、受け付けた情報の種類を判定し、種類に応じて、記憶部110、抽出部122、収集部123および通知部125に送信する。
抽出部122は、受付部121から情報を受信し、当該情報からユーザ端末300が要求するリソースの属性情報と要求するリソースの数を抽出する。リソースの属性情報とは、例えば、リソースが計算リソースであれば、処理性能(ベンチマーク結果)、CPU(Central Processing Unit)種別、CPUコア数、CPUコアクロック、メモリ種別、メモリ容量、オペレーションシステム(OS)の種別とバージョン、アプリケーションの種別とバージョン等である。また、リソースが記憶リソースであれば、その容量、スループット、インタフェース種別、冗長種別(RAID種別)等である。また、リソースが網リソースであれば、その距離(許容最大値や許容最低値)、遅延(最大遅延時間や平均遅延時間)、帯域(物理帯域保証通信速度、最大通信速度)、パケット損失率、起点、終点、接続形態(バス、スター、P2P、リング、メッシュ)等である。
収集部123は、ユーザ端末300からの情報に応じて、管理装置200からリソースの利用状況に関する情報を収集する。例えば、収集部123は、管理装置200にアクセスして、管理装置200が管理するリソース400の空きリソース情報とユーザごとの利用状況情報を収集する。空きリソース情報としては、例えば、リソース400の総量と、割り当てられていないリソース400についての情報とを収集する。また、収集部123は、リソース400の利用料金の値や、リソース400の属性などを収集する。また、収集部123は、利用状況情報として、割り当てられたリソース400のうち、実際に利用されているリソース400についての情報と、利用されていないリソース400についての情報とを収集する。収集した情報はその都度、記憶部110に格納し更新してもよい。
決定部124は、収集部123が収集したリソース400に関する情報と、抽出部122が抽出したユーザ端末300が要求するリソースの属性情報および数とに基づいて、ユーザ端末300に割り当てるリソース400を割当リソースとして決定する。また、決定部124は、収集部123が収集したリソース400に関する情報と、記憶部110に格納された情報に基づき、ユーザ端末300に割り当てられているリソースに過不足がないかを判定する。リソースに過不足が生じていると判定した場合は、さらに、新たな割当リソースを決定してもよい。
通知部125は、決定部124が決定した割当リソースを、通信部101を介して管理装置200に通知し、割当を実行するよう指示する。また、決定部124がリソースに過不足が生じていると判定した場合は、通知部125は、過不足判定結果をユーザ端末300に通知する。さらに、通知部125は、過不足が生じた結果、新たな割当リソースが決定された場合は、当該割当リソースを、管理装置200に通知する。
生成部126は、受付部121が受け付けた、ユーザ端末300からの要求に含まれる、要求するリソースの接続関係を示す接続関係情報と、決定部124が決定した割当リソースの接続関係との対応を示す対応情報を生成する。例えば、図3−1に示す「対応情報」に相当する情報を生成する。対応情報の具体的構成は、図3−1の例には限定されない。ユーザ端末300が要求するリソース間の接続関係と、実際に割り当てられたリソース間の接続関係との対応を示す情報であれば、対応情報の具体的構造は特に限定されない。生成部126が生成した対応情報は、記憶部110および出力部127に送られる。
図3−2を参照して、対応情報をさらに具体的に説明する。例えば、ユーザが4つの計算リソースC1,C2,C3,C4と、2つの網リソースN1,N2と、1つの記憶リソースS1と、それらの間の図3−2の下部分に示す接続関係とを要求したとする。そして、割当リソースとして、データセンタDC1により実現される計算リソースC01,C02,C03,C04と、網リソースN04、WANにより実現される網リソースN03、データセンタDC2により実現される記憶リソースS05とが割り当てられたとする。この場合、対応情報は、計算リソースC01,C02,C03,C04がそれぞれ、ユーザが要求した接続関係を有するC1,C2,C3,C4に対応することを示す。また、網リソースN04,N03がそれぞれ、ユーザが要求した接続関係を有するN1,N2に対応することを示す。また、記憶リソースS05が、ユーザが要求したS1に対応することを示す。
出力部127は、生成部126が生成した対応情報を、通信部101を介してユーザ端末300に送信する。送信する対応情報の形式は特に限定されないが、ユーザ端末300において図式的に表示できる情報であることが好ましい。例えば、図3−2に示すような図をユーザ端末300に表示するようにしてもよい。
[実施例1のインタークラウドサーバによるリソース割当処理]
次に、実施例1に係るインタークラウドサーバ100におけるリソース割当処理について図4乃至図7を参照して説明する。
[新規割当要求時の処理]
図4は、実施例1に係るインタークラウドサーバにおける新規割当要求時のリソース割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、インタークラウドサーバ100は稼動状態にある間、常時ユーザ端末300からの要求を受け付けている。ユーザ端末300からの要求の受付がない場合(ステップS401、否定)は、インタークラウドサーバ100はステップS401を繰り返す。
インタークラウドサーバ100において、受付部121がユーザ端末300からの要求を受け付けると(ステップS401、肯定)、当該要求が新規割当要求であるか否かを判定する(ステップS402)。当該要求が新規割当要求ではないと判定されると(ステップS402、否定)、後述する図5の処理に進む。当該要求が新規割当要求であると判定されると(ステップS402、肯定)、抽出部122が、当該要求から、要求するリソースの属性情報と、要求するリソースの数とを抽出する(ステップS403)。次に、収集部123が、管理装置200にアクセスして、インタークラウドシステム内のリソースの利用状況に関する情報を収集する(ステップS404)。具体的には、空きリソース情報や利用状況情報を収集する。そして、決定部124が、収集部123が収集した情報と、抽出部122が抽出した情報とに基づき、ユーザ端末300に割り当てるリソースを決定する(ステップS405)。そして、通知部125が、決定部124により決定された割当リソースを管理装置200に通知する(ステップS406)。さらに、割当リソースに関する情報は、生成部126に送られ、生成部126は、新規割当要求に含まれる、要求するリソースの接続関係を示す接続関係情報と、決定した割当リソースの接続関係との対応を示す対応情報を生成する(ステップS407)。そして、出力部127は、生成部126が生成した対応情報をユーザ端末300に対して出力し(ステップS408)、処理を終了する。
[増設・減設時の処理]
次に、図5を参照して、実施例1に係るインタークラウドサーバにおける増設・減設要求時のリソース割当処理の流れを説明する。図5は、実施例1に係るインタークラウドサーバにおける増設・減設要求時のリソース割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図4のステップS402において受け付けた要求が新規割当要求ではないと判定された場合(ステップS402、否定)、受付部121は、当該要求が増設・減設要求であるか否かを判定する(ステップS501)。増設・減設要求ではないと判定された場合(ステップS501、否定)、後述する図6の処理に進む。増設・減設要求であると判定された場合(ステップS501、肯定)、抽出部122が、当該要求から、増設・減設を要求するリソースの属性情報および数を抽出する(ステップS502)。次に、収集部123が、管理装置200にアクセスして、インタークラウドシステム内のリソースの利用状況に関する情報を収集する(ステップS503)。そして、決定部124が、収集部123が収集した情報と、抽出部122が抽出した情報とに基づき、ユーザ端末300に対する割当を増設・減設するリソースを決定する(ステップS504)。そして、通知部125が、決定部124により増設・減設を決定された割当リソースを管理装置200に通知する(ステップS505)。さらに、割当リソースに関する情報は、生成部126に送られ、生成部126は、割当リソース、記憶部110に格納された情報、増設・減設要求に含まれる情報、収集部123が収集した情報等に基づいて、ユーザ端末300に割り当てるリソースの接続関係が変化したか否かを判定する(ステップS506)。生成部126が、接続関係が変化していないと判定した場合、処理は終了する。生成部126が接続関係は変化したと判定した場合、生成部126は、ユーザ端末300が要求しているリソース間の接続関係と、新しく割り当てるリソース間の接続関係との対応情報を生成する(ステップS507)。そして、出力部127は、生成部126が生成した対応情報を出力し(ステップS508)、処理を終える。
なお、図5の例では、接続関係に変化がない場合は、対応情報の生成・出力は行わないものとしたが、接続関係に変化がない場合も、対応情報を生成・出力するものとしてもよい。
[過不足判定時の処理]
次に、図6を参照して、実施例1に係るインタークラウドサーバにおける過不足判定要求時のリソース割当処理の流れを説明する。図6は、実施例1に係るインタークラウドサーバにおける過不足判定要求時のリソース割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図5のステップS501において、受け付けた要求が増設・減設要求ではないと判定された場合(ステップS501、否定)、受付部121は、当該要求が過不足判定要求であるか否かを判定する(ステップS601)。過不足判定要求ではないと判定された場合(ステップS601、否定)、後述する図7の処理に進む。過不足判定要求であると判定された場合(ステップS601、肯定)、収集部123が、管理装置200にアクセスして、インタークラウド内のリソースの利用状況に関する情報を収集する(ステップS602)。次に、決定部124が、収集部123が収集した情報と記憶部110から読み出した当該ユーザ端末300に関する情報とに基づき、当該ユーザ端末300に割り当てたリソースの過不足を判定する(ステップS603)。なお、ここでは、決定部124が過不足判定を行うものとしたが、決定部124と別に過不足判定を行う機能部を設けてもよい。決定部124は、過不足判定を行うとともに、過不足が生じた結果、リソース割当を変更する場合、変更後の割当リソースを決定する(ステップS604)。そして、通知部125が割当リソースを管理装置200に通知する(ステップS605)。さらに、決定部124は、割当変更の結果として、ユーザ端末300が要求するリソースの接続関係と割当リソースの接続関係との対応情報に変更があるか否かを判定する(ステップS606)。対応情報に変更がない場合(ステップS606、否定)、通知部125は、過不足判定結果をユーザ端末300に通知して(ステップS609)、処理を終了する。対応情報に変更がある場合(ステップS606、肯定)、生成部126は、新しい対応情報を生成し(ステップS607)、出力部127が、対応情報をユーザ端末300に対して出力して(ステップS608)、処理を終わる。
なお、図6の例では、決定部124が、過不足判定とともに割当変更の要否を判定し、必要に応じて新しい割当リソースを決定するものとした。しかし、過不足判定時は、割当変更や新しい割当リソースの決定等は行わず、過不足判定結果を出力して処理を終えるものとしてもよい。また、対応関係に変更があるか否かの判定は行わず、常に対応情報を送信するものとしてもよい。
[割当廃止時の処理]
次に、図7を参照して、実施例1に係るインタークラウドサーバにおける割当廃止要求時のリソース割当処理の流れを説明する。図7は、実施例1に係るインタークラウドサーバにおける割当廃止要求時の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図6のステップS601において、受け付けた要求が過不足判定要求ではないと判定された場合(ステップS601、否定)、受付部121は、当該要求が割当廃止要求であるか否かを判定する(ステップS701)。割当廃止要求ではないと判定された場合(ステップS701、否定)、処理を終了する。割当廃止要求であると判定された場合(ステップS701、肯定)、通知部125が管理装置200に対して割当廃止通知を送る(ステップS702)。そして、割当廃止要求を出したユーザ端末300に対応して格納された、記憶部110内の情報を更新して(ステップS703)、処理を終える。
なお、割当廃止時には、併せて、他のユーザに割り当てられたリソース配分を見直し、各ユーザに対して新規割当リソースと対応情報を通知するものとしてもよい。
このように、新規割当要求、増設・減設要求、過不足判定要求を受け付けた場合、インタークラウドサーバ100は、適宜、要求を出したユーザ端末300に割り当てるリソース400間の接続関係と、ユーザ端末300が要求したリソース間の接続関係との対応関係を判定して対応情報を生成する。そして、生成した対応情報をユーザ端末300に送信する。このため、ユーザ端末300において、割当リソースの接続関係をユーザが判定する必要がなく、容易にリソースを用いたサービスを構築しリソースを利用することができる。
[実施例1の効果]
上述の通り、実施例1によれば、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300から、当該ユーザ端末300が割当を要求するリソース間の接続関係に関する情報を含む要求を受け付ける。そして、当該要求に応じて割当リソースを決定し、リソース400を管理する管理装置200に対して、リソース400をユーザ端末300に割り当てるよう通知する。さらに、インタークラウドサーバ100は、割当リソース間の接続関係と、ユーザ端末300が要求するリソース間の接続関係との対応を示す対応情報を生成する。そして、生成した対応情報をユーザ端末300に対して送信する。このため、ユーザ端末300のユーザは、提供元が異なるリソース400を簡単に組み合わせて利用することができる。また、ユーザ端末300のユーザは、要求したどのリソースと、どの割当リソースとが対応するのかを、対応情報によって判断することができるため、割り当てられたリソースをどのように構成すべきかを自分で判断する必要がなく、容易に割当リソースを構成してサービスを提供することができる。
また、実施例1によれば、インタークラウドサーバ100は、ユーザ端末300からリソースの増設・減設要求を受け付ける際も、必要に応じて、ユーザ端末300から要求されたリソース間の接続関係と割当リソースの接続関係との対応を示す対応情報をユーザ端末300に送信する。したがって、ユーザは、容易に割当リソースを構成してサービスを提供することができる。
また、実施例1によれば、インタークラウドサーバ100は、複数のクラウドシステムにより提供されるリソースの利用状況をシステム縦断的に収集して、ユーザ端末300にリソースを割り当てることができる。したがって、ユーザは、複数のクラウドシステムを含むインタークラウドシステムの複雑な構成を意識することなく、容易に割当リソースを構成してサービスを提供することができる。
実施例2では、インタークラウドサーバの詳細について更に説明する。実施例2では、インタークラウドサーバ500にインストールされたプログラムが一連の処理を実行することで、異なるクラウドシステムにより提供されるリソースを割り当てる場合を用いて説明する。より詳細には、インタークラウドサーバ500が、ネットワークのリソースと、データセンタのリソースとを割り当てる場合を用いて説明する。
なお、以下では、クラウドシステムにより提供されるリソースが、ASP(Application Service Provider)運用者に割り当てられ、ASP運用者により提供されるサービスをユーザが利用する場合を用いて説明する。
図8は、実施例2に係るインタークラウドサーバの概略図である。実施例2に係るインタークラウドサーバ500は、データセンタのリソースやネットワークのリソースを提供するクラウドシステム各々について、リソースの状況を示す情報を収集し、異なるクラウドシステムに属するリソースをASP運用者に割り当てる。例えば、実施例2に係るインタークラウドサーバ500は、異なるクラウドシステムにより提供されるリソースを組み合わせて提供することで、スケールアウト等のマイグレーションを支援する。
実施例2に係るインタークラウドサーバは、リソースの割当に関する条件を記憶する制約条件データベース(DB)511と、リソースに関する管理情報を記憶する管理情報DB512とを備える。制約条件DB511および管理情報DB512は、実施例1のインタークラウドサーバ100が備える記憶部110に相当する。
制約条件DB511は、インタークラウドシステムにより提供されるリソースが割り当てられるASP運用者を識別するユーザIDと、当該ASP運用者が要求するリソースに関する情報(以下、制約条件とも呼ぶ)とを対応づけて記憶する。例えば、制約条件DB511は、以下に説明するサービス構成情報、リソース割当情報、リソース・サービス構成情報などを記憶する。
管理情報DB512は、リソースを管理する管理装置についての管理情報を記憶する。例えば、DC−OPS603−1についての管理情報を記憶し、NW−OPS604−1についての管理情報を記憶する。管理情報とは、例えば、管理装置の識別名や管理装置にアクセスする際に用いられるURL、管理装置にアクセスする際に用いられるパスワードなどが該当する。
図8に示す例では、インタークラウドサーバ500に加えて、オペレータ端末601と、ASP端末602と、DC−OPS(Data Center-Operation System)603−1〜603−4と、NW−OPS(Network-Operation System)604−1〜604−4と、DC(Data Center、データセンタ)605−1〜605−4と、R(Router、ルータ)606−1〜606−4と、ユーザ端末607−1〜607−3とを示す。
オペレータ端末601は、インタークラウドサーバ500と接続される。オペレータ端末601は、インタークラウドサーバ500を管理するオペレータにより用いられる。オペレータ端末601は、Webブラウザを有する。例えば、オペレータ端末601は、インタークラウドサーバ500の設定や運用、管理等を行うためのインタフェースをWebブラウザ上に表示する。
ASP端末602は、インタークラウドサーバ500と接続される。ASP端末602は、クラウドシステムにより提供されるリソースを用いてサービスを提供するASP運用者により用いられる。ASP端末602は、Webブラウザを有する。例えば、ASP端末602は、インタークラウドサーバ500の設定や運用、管理等を行うためのインタフェースをWebブラウザ上に表示する。
R606−1〜606−4は、NW−OPS604−1〜604−4及びDC605−1〜605−4、ユーザ端末607−1〜607−3と接続される。R606−1〜606−4は、ネットワーク装置であり、例えば、ルータである。R606−1〜606−4は、ネットワークを形成する。なお、R606−1〜606−4により形成されるネットワーク608により、DC605−1〜605−4とユーザ端末607−1〜607−3とが接続され、複数あるDC605−1〜605−4各々が接続される。R606−1〜606−4は、NW−OPS604−1〜604−4により管理される。
DC605−1〜605−4は、DC−OPS603−1〜603−4及びR606−1〜606−4と接続される。DC605−1〜605−4は、仮想マシンサービスを提供する。DC605−1〜605−4は、DC−OPS603−1〜603−4により管理される。なお、仮想マシン(VM、Virtual Machine)とは、ソフトウェアによって提供される仮想的なPCを示す。
DC−OPS603−1〜603−4は、インタークラウドサーバ500及びDC605−1〜605−4と接続される。DC−OPS603−1〜603−4は、DC605−1〜605−4のリソースを管理する管理装置である。具体的には、DC−OPS603−1〜603−4は、DC605−1〜605−4の利用状況情報をASP運用者毎に把握し、DC605−1〜605−4各々の空きリソース情報を把握する。例えば、DC−OPS603−1は、DC605−1〜605−4の内1つ又は複数のDCを管理する。
NW−OPS604−1〜604−4は、インタークラウドサーバ500及びR606−1〜606−4と接続される。NW−OPS604−1〜604−4は、R606−1〜606−4を管理する管理装置である。具体的には、NW−OPS604−1〜604−4は、R606−1〜606−4により形成されるネットワーク608について、ネットワーク608の利用状況情報をASP運用者毎に把握し、R606−1〜606−4により形成されるネットワーク608について空きリソース情報を把握する。例えば、NW−OPS604−1は、R606−1〜606−4の内1つ又は複数のRを管理する。
なお、図8に示す例では、説明の便宜上、オペレータ端末が1つあり、ASP端末が1つあり、DC−OPSが4つあり、NW−OPSが4つあり、DCが4つあり、Rが4つあり、ユーザ端末が3つある場合を示した。ただし、これに限定されるものではなく、各装置の数は任意であって良い。例えば、ASP端末が2つ以上あっても良く、DC−OPSやNW−OPS、DC、Rなどが3つ以下でも良く、5つ以上でも良い。
また、図8に示す例では、オペレータ端末601と、ASP端末602と、ユーザ端末607とが別装置である場合を例に示したが、これに限定されるものではない。例えば、オペレータ端末601と、ASP端末602と、ユーザ端末607とのうち、任意の装置を組み合わせて1つの装置としても良い。
インタークラウドサーバ500は、各種のハードウェアを有し、OSやミドルウェアなどの各種プログラムが予めインストールされる。具体的には、インタークラウドサーバ500は、詳細については後述するように、インタークラウドサーバ500が有する各種のハードウェアにより実行されるプログラムとして、ICSソフトウェア501と、RAF(リソース要件推定アルゴリズム)502とを実行する。
なお、ICSソフトウェア501は、実施例1における制御部120の各部により実行される処理を実行する。また、RAF502は、ASP運用者に割り当てられているリソースについての利用状況情報と制約条件とに基づいて、ASP運用者に割り当てることが推奨されるリソースのリソース要件を推定する。例えば、RAF502は、利用状況情報を解析することで、ASP運用者が必要とするリソース量を推定し、制約条件に合致して推定したリソース量を満たすリソース要件を推定する。なお、RAF502による推定処理は、任意の手法を用いて良い。また、リソースの割当に用いる手法については、特に限定されず、任意の手法を用いて良い。
また、実施例2におけるICSソフトウェア501は、後述するように、ASP端末602からサービス構成情報の入力を受け付ける。そして、ASP端末602が要求するリソースの属性情報と、リソースの数とを、サービス構成情報から抽出する。そしてDC−OPS603−1〜603−4およびNW−OPS604−1〜604−4から、リソースであるDC605−1〜605−4およびR606−1〜606−4に関する情報を収集する。そして、抽出したリソースの属性情報と数と、収集した情報とに基づいて、ASP端末602に対して割り当てるリソースを決定する。決定した割当リソースについて、DC−OPS603−1〜603−4およびNW−OPS604−1〜604−4のうち、割当リソースを管理するシステムに対して通知する。そして、ASP端末602から入力されたサービス構成情報に含まれるリソース間の接続関係と、決定した割当リソースとの接続関係の対応を示す対応情報を生成する。ICSソフトウェア501はさらに、生成した対応情報と、サービス構成情報と、リソース割当情報と、を含むリソース・サービス構成情報を生成して、ASP端末602に送信する。ASP端末602においては、送信された情報を図式化してWebブラウザ上で視認することができる。
なお、サービス構成情報、リソース割当情報、リソース・サービス構成情報等、実施例2において用いる各種データの詳細については、後述する。
以下では、RAF502が、ICSソフトウェア501と同一のコンピュータにインストールされたプログラムである場合を用いて説明する。ただし、RAF502は、これに限定されるものではなく、ICSソフトウェア501とは別のコンピュータにインストールされても良く、インタークラウドサーバ500とは別の装置としても良い。
[実施例2において用いられる各種データのデータ構造の一例]
以下に、実施例2において用いられる各種データのデータ構造について説明する。
[サービス構成情報の一例]
実施例2のインタークラウドサーバ500は、ASP端末602からサービス構成情報の入力を受け付ける。図9を参照して、サービス構成情報の構造の一例を説明する。図9は、実施例2におけるサービス構成情報の一例を示す図である。サービス構成情報は、ASP端末602のユーザによって定義される情報である。サービス構成情報は、例えば、実施例1におけるリソースの新規割当要求や増設・減設要求に含まれ、接続関係情報を含む情報である。ASP端末602のユーザは、例えば、ASP端末602のWebブラウザ上に表示される画面からサービス構成情報を入力することができる。
図9に示すように、サービス構成情報は、「リソース種別」、「リソースの数」、「リソース間の接続関係」、「リソースの属性」を含む。「リソース種別」とは、リソースの種別を示す情報であり、例えば、「計算」「記憶」「網」等である。「リソースの数」とは要求するリソースのリソース種別ごとの数である。そして、「リソース間の接続関係」とは、要求する複数のリソースをどのように接続するかを示す情報である。「リソースの属性」は、各リソース種別ごとに予め定められているリソースの属性を示す情報である。例えば、計算リソースであれば、CPU種別やCPUコア数等である。また、記憶リソースであれば、容量やスループット等である。また、網リソースであれば、帯域や遅延等である。属性情報の詳細については、図9では図示を省略している。属性情報については、図10乃至図12を参照してさらに詳細に後述する。
インタークラウドサーバ500が受け付けたサービス構成情報は、例えば、図8に示す制約条件DB511に記憶される。制約条件DB511は、サービス構成情報を、ASP端末602を一意に識別するユーザIDと対応づけて記憶する。例えば、図9の例では、ユーザID「001」に対応づけて、当該IDによって識別されるASP端末602によって要求される計算リソース、記憶リソース、網リソースのそれぞれについての情報が記憶されている。例えば、ユーザID「001」のユーザは、「リソースの数」で示すように、計算リソースを3つ、記憶リソースを3つ、網リソースを2つ要求している。さらに、ユーザID「001」に対応付けて、リソースごとに、「リソース間の接続関係」が記憶されている。例えば、ユーザID「001」のユーザが要求する3つの計算リソースC1,C2,C3については、接続情報「C1(S1,R1)、C2(S2,R1,R2)、C3(S3,R2)」が記憶される。この接続情報は、計算リソースC1が、記憶リソースS1および網リソースR1と接続されることを示す。また、計算リソースC2が、記憶リソースS2および網リソースR1,R2と接続されることを示す。また、計算リソースC3が、記憶リソースS3および網リソースR2と接続されることを示す。
制約条件DB511はさらに、ユーザID「001」のASP端末602が要求する各リソースの属性についての情報を「リソースの属性」として記憶する。例えば、計算リソースを3つ要求している場合、各計算リソースには要求リソースID「C1」「C2」「C3」が自動的に付与され、各々の「リソースの属性」の情報が要求リソースIDに対応付けて格納される。属性情報については後述する。
[リソース属性情報の詳細]
ICSソフトウェア501は、サービス構成情報を受け付けると、サービス構成情報に含まれる「リソースの属性」と「リソースの数」を抽出する。サービス構成情報に含まれる「リソースの属性」を、リソース属性情報とも呼ぶ。以下、リソース属性情報について説明する。
なお、以下に説明するように、リソース属性情報は多種存在するが、ASP端末602がサービス構成情報を送信する際に、以下に説明する全ての属性に関する情報を入力しなければならないわけではない。例えば、インタークラウドシステムによって予め定められた属性のみがASP端末602のWebブラウザ上に表示され、プルダウンメニュー等によってASP運用者が属性を選択するものとしてもよい。また、ASP運用者が、特に指定したい属性のみを任意に指定することができるものとしてもよい。また、インタークラウドシステムによって予め定められた属性の組合せが、ASP端末602のWebブラウザ上に表示され、ASP運用者が表示された選択肢から適宜属性の組合せを選択するものとしてもよい。
[各リソースに共通の属性情報]
すべての種別のリソースに共通するリソース属性情報として、「価格」「SLA(Service Level Agreement)」「可用時間」「所在地」「冗長度」「多重度」「セキュリティレベル」「消費電力」等がある。例えば、「価格」とは、当該リソースの利用に対して発生する料金であり、「20万円」等である。「SLA」とは、通信サービスの事業者が利用者にサービスの品質を保証するために設定される品質であり、「サービス稼働率:99%」、「平均復旧時間:1時間」、「通信暗号化レベル:SSL」等が含まれる。「可用時間」とは、リソースを利用できる時間であり、「9:00〜20:00」等である。「所在地」とは、リソースの所在地を指し、例えば、「東京」等である。「冗長度」は、リソースの冗長度を指し、例えば、「2」等である。「多重度」は、リソースが許容する多重度を指し、例えば、「5」等である。「セキュリティレベル」は、リソースの安全度を示し、例えば、「4」等である。「消費電力」は、リソースが消費する電力量を示し、例えば「10W」等である。
[計算リソースの属性情報]
計算リソースの場合は、上記共通の属性情報に加えて、「処理性能(ベンチマーク結果)」「CPU種別」「CPUコア数」「CPUコアクロック」「メモリ種別」「メモリ容量」「OS種別およびOSバージョン」「アプリケーション種別およびバージョン」等が記憶される。サービス構成情報に含まれ、制約条件DB511に格納される、計算リソースの属性情報の一例を図10に示す。図10は、実施例2におけるサービス構成情報に含まれる計算リソースの属性情報の一例を示す図である。
図10に一例として、サービス構成情報においてユーザID「001」のASP端末602が、計算リソースを3つ要求していた場合に格納される計算リソースの属性情報を示す。3つの計算リソースには自動的に要求リソースID「C1」「C2」「C3」が付与される。例えば、要求リソースID「C1」の計算リソースについては、「処理性能(ベンチマーク結果)」として、所定の処理に要する時間である「30秒」が記憶される。さらに、「CPU種別」として、CPUの種別である「Corei7」が記憶される。また、「CPUコア数」として「8」が記憶される。さらに、「CPUコアクロック」「メモリ容量」としてそれぞれ、「3GHz」「16GB」が記憶される。
[記憶リソースの属性情報]
記憶リソースの場合は、上記共通の属性情報に加えて、「容量」「スループット」「インタフェース種別」「冗長種別(RAID種別)」等が記憶される。サービス構成情報に含まれ、制約条件DB511に格納される、記憶リソースの属性情報の一例を図11に示す。図11は、実施例2におけるサービス構成情報に含まれる記憶リソースの属性情報の一例を示す図である。
図11に一例として、ユーザID「001」のASP端末602が、記憶リソースを3つ要求していた場合に格納される記憶リソースの属性情報を示す。3つの記憶リソースには自動的に要求リソースID「S1」「S2」「S3」が付与される。例えば、要求リソースID「S1」の記憶リソースについては、「容量」として、そのリソースに要求される容量である「400GB」が記憶される。さらに、「スループット」として、処理能力「150Mbps」が記憶される。また、「インタフェース種別」として「ファイバチャネル」、「RAID種別」として「5」が記憶される。
[網リソースの属性情報]
網リソースの場合は、上記共通の属性情報に加えて、「距離(許容最大値、許容最低値)」「遅延(最大遅延時間、平均遅延時間)」「帯域(物理帯域保証通信速度、最大通信速度)」「パケット損失率」「起点」「終点」「接続形態」(バス、スター、P2P、リング、メッシュ等)等が記憶される。サービス構成情報に含まれ、制約条件DB511に格納される、網リソースの属性情報の一例を図12に示す。図12は、実施例2におけるサービス構成情報に含まれる網リソースの属性情報の一例を示す図である。
図12に一例として、ユーザID「001」のASP端末602が、網リソースを2つ要求していた場合に格納される網リソースの属性情報を示す。2つの網リソースには自動的に要求リソースID「R1」「R2」が付与される。例えば、要求リソースID「R1」の網リソースについては、「距離(許容最大値、許容最低値)」として、許容されるネットワークの距離の最大値と最低値が、「300m、100m」と記憶されている。また、「遅延(最大遅延時間、平均遅延時間)」として、そのネットワークでの最大遅延時間と平均遅延時間が、「10s、5s」と記憶されている。また、「帯域(物理帯域保証通信速度、最大通信速度)」として、そのネットワークの帯域が、「250kbps、1Mbps」と記憶されている。また、「パケット損失率」として、そのネットワークのパケット損失率「0.1%」が記憶されている。
[リソース割当情報の構造]
実施例2におけるICSソフトウェア501は、ASP端末602から受け付けたサービス構成情報からリソース属性情報とリソースの数とを抽出する。そして、DC−OPS603−1〜603−4およびNW−OPS604−1〜604−4にアクセスして、DC605−1〜605−4およびR606−1〜606−4の利用状況に関する情報を収集する。そして、収集した利用情報と、サービス構成情報から抽出したリソース属性情報およびリソース数に基づき、ASP端末602に割り当てるリソース、すなわち、DCとRとを決定する。
割り当てるリソースを決定すると、ICSソフトウェア501は、リソース割当情報を生成する。リソース割当情報とは、割り当てたリソースを一意に識別する情報を含む、割当リソースを識別するための情報である。例えば、リソース割当情報の一例を図13に示す。
図13は、実施例2におけるリソース割当情報の一例を示す図である。リソース割当情報は、例えば図13に示すように、ユーザIDに対応づけて、当該ユーザが要求したリソースに付与されたIDと、割り当てられたリソースのIDと、割り当てられたリソースを提供している業者のIDとを含む。まず、ユーザID「001」で識別されるユーザ端末が要求したリソースを識別するための、要求リソースID「C1,C2,C3,S1,S2,S3,R1,R2」が含まれる。そして、要求リソースIDそれぞれに対応づけて、「割当リソースID」が含まれる。「割当リソースID」は、割り当てたリソースを一意に識別する識別子(Identifier;ID)である。図13の例では、要求リソースID「C1」に、割当リソースID「C001」が対応付けられている。さらに、割当リソースIDに、「提供業者ID」が対応付けられている。「提供業者ID」は対応付けられた割当リソースを提供する業者を一意に識別する識別子である。図13の例では、割当リソースID「C001」に、提供業者ID「N105」が対応付けられている。
なお、割当リソースIDと提供業者IDとは別々に構成されている必要はなく、割当リソースおよびその提供業者を識別するための一つの識別子を、要求リソースIDやユーザIDと組み合わせて、リソース割当情報としてもよいことはいうまでもない。
[リソース・サービス構成情報の構造]
実施例2におけるICSソフトウェア501は、割当リソースを決定してリソース割当情報を生成すると、次に、リソース・サービス構成情報を生成する。
リソース・サービス構成情報とは、ASP端末602等のリソース割当を要求する端末が、要求時に提示した所望のリソース間の接続関係と、実際に割り当てられるリソース間の接続関係との対応付けに関する情報を含む情報である。例えば、実施例1の対応情報を含む情報である。具体的には、リソース・サービス構成情報は、上述したサービス構成情報と、リソース割当情報と、サービス構成情報内のリソースとリソース割当情報内の割当リソースとの対応関係の情報を含む。
図14を参照し、リソース・サービス構成情報の構造につき説明する。図14は、実施例2におけるリソース・サービス構成情報の一例を示す図である。なお、リソース・サービス構成情報に含まれるサービス構成情報は、図9に示したものと同じであるため、図14においては図示を省略する。
図14に示すように、リソース・サービス構成情報においては、ユーザIDと各種情報が対応付けられている。例えば、図14においては、ユーザID「001」と、サービス構成情報およびリソース割当情報とが対応づけられている。ユーザID「001」と、図9に示したようなサービス構成情報、具体的には、「リソース種別」、「リソース数」、「リソース間の接続関係」、「リソースの属性」等とが対応付けられる。また、ユーザID「001」と、リソース割当情報、具体的には、図13に示したような「要求リソースID」、「割当リソースID」、「提供業者ID」とが対応付けられる。この場合、対応情報は、リソース割当情報において「要求リソースID」と「割当リソースID」とが対応付けられ、サービス構成情報において「リソース間の接続関係」が示されていることによって実質的にリソース・サービス構成情報に含まれている。このため、図14の例では、サービス構成情報とリソース割当情報とは別に、対応情報の項目は示していない。ただし、リソース・サービス構成情報の構成は、図14に示すように、ユーザが要求したリソースの属性等とリソース間の接続関係、割当リソースの情報、要求リソースの接続関係と割当リソースの接続関係との対応に関する情報を含んでいれば、図14に示す例に限定されない。
[実施例2に係るインタークラウドサーバのリソース割当処理の概要]
実施例2に係るインタークラウドサーバ500によるリソース割当処理の動作概要について説明する。まず、ASP運用者に新規にリソースを割り当てる新設時における動作概要を、次に、ASP運用者に割り当てられたリソースを増減する増設・減設時における動作概要を、最後に、ASP運用者に割り当てられたリソースを解放する廃止時における動作概要を順に説明する。
[新設時における動作概要]
次に、図15を参照し、実施例2における新規割当時の動作概要について説明する。図15は、実施例2におけるASP運用者に新規にリソースを割り当てる際の動作概要を示す図である。
まず、ASP端末602からインタークラウドサーバ500に対して、新規割当要求が送られる(図15の(1))。新規割当要求は図9に示すサービス構成情報を含む。新規割当要求を受信したインタークラウドサーバ500は、当該要求からリソース種別、リソース数、リソースの属性等の制約条件を制約条件DB511に格納する。また、インタークラウドサーバ500のICSソフトウェア501は、受信した新規割当要求を解析し、ASP端末602が要求しているリソースの属性や数を抽出する。そして、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソースの利用状況に関する情報を要求する(図15の(2))。これに応じて各装置は、リソースの利用状況に関する情報をインタークラウドサーバ500に送る。そして、ICSソフトウェア501は、各ユーザに対するリソース配分を計算して、ASP端末602に対する割当リソースを決定する(図15の(3))。また、ICSソフトウェア501は、割当リソースを一意に識別する割当リソースIDを含むリソース割当情報を生成する。生成したリソース割当情報は、制約条件DB511に格納される。そして、ICSソフトウェア501は、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソース配分を指示する(図15の(4))。さらに、ICSソフトウェア501は、ASP端末602から送信された新規割当要求中のサービス構成情報に含まれたリソース間の接続関係を参照して、割当リソースの接続関係との対応情報を生成する。そして、ICSソフトウェア501は、サービス構成情報と、リソース割当情報と、対応情報とを統合して、リソース・サービス構成情報を生成し、ASP端末602に対して出力する(図15の(5))。生成したリソース・サービス構成情報は、制約条件DB511に格納する。そして、ICSソフトウェア501は、リソース・サービス構成情報をユーザに通知する(図15の(6))。
[増設・減設時における動作概要]
次に、図16を参照し、実施例2における増設・減設時の動作概要について説明する。図16は、実施例2における増設・減設時の処理を説明するための図である。
まず、インタークラウドサーバ500が、ASP端末602のユーザから増設・減設要求を受信する(図16の(1))。増設・減設要求を受信したインタークラウドサーバ500は、当該要求に含まれるサービス構成情報を制約条件DB511に格納する。そして、ICSソフトウェア501は、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソースの利用状況に関する情報を要求する(図16の(2))。これに応じて各装置は、リソースの利用状況に関する情報をインタークラウドサーバ500に送る。そして、ICSソフトウェア501は、各ユーザに対するリソース配分を計算して、ASP端末602に対する割当リソースを決定する(図16の(3))。また、ICSソフトウェア501は、割当リソースを一意に識別する割当リソースIDを含むリソース割当情報を生成する。生成したリソース割当情報は、制約条件DB511に格納される。そして、ICSソフトウェア501は、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソース配分を指示する(図16の(4))。さらに、ICSソフトウェア501は、制約条件DB511に格納された情報を参照して、リソース間の接続関係に変更があるか否かを判定する(図16の(5))。そして、接続関係に変更がある場合は、ICSソフトウェア501は、新たにリソース・サービス構成情報を生成する(図16の(6))。そして、ICSソフトウェア501は、生成されたリソース・サービス構成情報をユーザに通知する(図16の(7))。リソース・サービス構成情報は、制約条件DB511に格納される。
なお、図16の(5)において接続関係の変更がないと判定された場合には、(6)および(7)の処理は行わなくても良い。
[過不足判定時における動作概要]
次に、図17を参照して、実施例2における過不足判定時の動作概要について説明する。図17は、実施例2における過不足判定時の処理を説明するための図である。
まず、インタークラウドサーバ500が、オペレータ端末601またはASP端末602から、過不足判定要求を受信する(図17の(1))。過不足判定要求は、インタークラウドシステムを運用する業者がオペレータ端末601を通じて送信してもよいし、ASP運用者がシステム管理のためにASP端末602から送信してもよい。
過不足判定要求を受信すると、ICSソフトウェア501は、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソースの利用状況に関する情報を要求する。(図17の(2))。要求する情報は、過不足判定要求の内容に応じて、単一のユーザの利用状況に関する情報であってもよいし、インタークラウドシステムを利用する所定のユーザの利用状況に関する情報であってもよい。これに応じて各装置は、指定されたユーザによるリソースの利用状況に関する情報をインタークラウドサーバ500に送る。
そして、ICSソフトウェア501は、RAF502に対して指定されたユーザの利用状況と制約条件を通知して、過不足判定を行う(図17の(3))。過不足があると判定された場合、ICSソフトウェア501は、さらに、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、各リソースの利用状況についての情報を要求する(図17の(4))。
ICSソフトウェア501は、各装置から送信された情報に基づき、各ユーザに対するリソースの配分を計算する(図17の(5))。そして、ICSソフトウェア501は、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソース配分を指示する(図17の(6))。また、ICSソフトウェア501は、割当リソースを一意に識別する割当リソースIDを含むリソース割当情報を生成する。生成したリソース割当情報は、制約条件DB511に格納される。そして、さらに、ICSソフトウェア501は、制約条件DB511に格納された情報を参照して、リソース間の接続関係に変更があるか否かを判定する(図17の(7))。そして、接続関係に変更がある場合は、ICSソフトウェア501は、新たにリソース・サービス構成情報を生成する(図17の(8))。そして、ICSソフトウェア501は、過不足判定結果と、生成されたリソース・サービス構成情報とをユーザに通知する(図17の(9))。リソース・サービス構成情報は、制約条件DB511に格納される。
なお、図17においては、過不足判定に伴ってリソース配分の変更があれば、接続関係の変更の有無を判定して、再度リソース・サービス構成情報を生成するものとしたが、過不足判定時は、リソース配分の変更は行わず、過不足判定結果のみをユーザに送信するものとしてもよい。
[廃止時における動作概要]
次に、図18を参照して、実施例2における割当廃止時の動作概要について説明する。図18は、実施例2における割当廃止時の処理を説明するための図である。
まず、インタークラウドサーバ500が、ASP端末602から割当廃止要求を受信する(図18の(1))。割当廃止要求を受信すると、ICSソフトウェア501は、割当廃止要求に応じて、制約条件DB511に格納された、当該ASP端末602についての情報を更新する。そして、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソースの利用状況に関する情報を要求する。(図18の(2))。これに応じて各装置は、リソースの利用状況に関する情報をインタークラウドサーバ500に送る。
ICSソフトウェア501は、各装置から送信された情報に基づき、各ユーザに対するリソースの配分を計算する(図18の(3))。そして、ICSソフトウェア501は、DC−OPS603−1、603−2、NW−OPS604−1等のインタークラウドシステムのリソースを管理する装置に対して、リソース配分を指示する(図18の(4))。また、ICSソフトウェア501は、割当リソースを一意に識別する割当リソースIDを含むリソース割当情報を生成する。生成したリソース割当情報は、制約条件DB511に格納される。そして、さらに、ICSソフトウェア501は、制約条件DB511に格納された情報を参照して、リソース間の接続関係に変更があるか否かを判定する(図18の(5))。そして、接続関係に変更がある場合は、ICSソフトウェア501は、新たにリソース・サービス構成情報を生成する(図18の(6))。そして、ICSソフトウェア501は、生成されたリソース・サービス構成情報をユーザに通知する(図18の(7))。リソース・サービス構成情報は、制約条件DB511に格納される。
なお、図18においては、割当廃止要求があった場合は、他のユーザに対するリソース配分を見直して、リソース・サービス構成情報を適宜送信するものとした。しかし、割当廃止要求時には特にリソースの再配分は行わず、過不足判定要求等の他の要求に応じて行うものとしてもよい。
[実施例2に係るインタークラウドサーバの効果]
上述の通り、実施例2に係るインタークラウドサーバ500によれば、インタークラウドシステムのリソースを利用するユーザに対して、要求したリソースの接続関係と、実際に割り当てたリソースの接続関係との対応情報を、リソース・サービス構成情報として通知する。このため、インタークラウドシステムのユーザは、容易に割当リソースを構成してサービスを提供することができる。
また、実施例2に係るインタークラウドサーバ500は、複数のクラウドシステムにより提供されるリソースの各々を一意に識別できる割当リソースIDを含むリソース・サービス構成情報をユーザに通知する。したがって、ユーザは、複数のクラウドシステムを含むインタークラウドシステムの複雑な構成を意識することなく、容易に割当リソースを構成してサービスを提供することができる。
また、実施例2に係るインタークラウドサーバ500は、新規割当要求、増設・減設要求、過不足判定要求、割当廃止要求等、種々の要求を受け付けた際に、適宜リソース・サービス構成情報を生成してユーザにリソースの接続関係について通知することができる。このため、ユーザは、特別な処理を行わなくても、適宜割当リソースの接続関係について通知を受けることができ、容易に割当リソースを構成してサービスを提供することができる。
これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、その他の実施例にて実施されてもよい。以下に、その他の実施例を説明する。
[ログイン機能]
例えば、インタークラウドサーバは、アクセス時に、パスワードを要求してもよい。すなわち、システムの使用時に許可されたオペレータのみがログインできるように、ログイン時にユーザ名とパスワードとを用いて認証処理を実行してもよい。
[システム構成]
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上述文書中や図面中に示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図1に示す例では、記憶部110をインタークラウドサーバ100の内部に配置したが、記憶部110をインタークラウドサーバ100の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、例えば、図1に示す例において、制御部120が、決定部124とは別に、ユーザ端末に割り当てたリソースの過不足を判定する過不足判定部を含んでもよく、また、抽出部122を受付部121に統合してもよい。
[プログラム]
図19は、インタークラウドサーバによる一連の処理を実行するプログラムであるリソース管理プログラムによる情報処理が、コンピュータを用いて具体的に実現されることを示す図である。図19に例示するように、コンピュータ3000は、例えば、メモリ3010と、CPU(Central Processing Unit)3020と、ハードディスクドライブ3080と、ネットワークインタフェース3070とを有する。コンピュータ3000の各部はバス3100によって接続される。
メモリ3010は、図19に例示するように、ROM3011およびRAM3012を含む。ROM3011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。
ここで、図19に例示するように、ハードディスクドライブ3080は、例えば、OS3081、アプリケーションプログラム3082、プログラムモジュール3083、プログラムデータ3084を記憶する。すなわち、開示の技術に係るリソース管理プログラムは、コンピュータによって実行される指令が記述されたプログラムモジュール3083として、例えばハードディスクドライブ3080に記憶される。例えば、制御部120の各部と同様の情報処理を実行する手順各々が記述されたプログラムモジュール3083が、ハードディスクドライブ3080に記憶される。
また、記憶部110に記憶されるデータのように、リソース管理プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータ3084として、例えばハードディスクドライブ3080に記憶される。そして、CPU3020が、ハードディスクドライブ3080に記憶されたプログラムモジュール3083やプログラムデータ3084を必要に応じてRAM3012に読み出し、各種の手順を実行する。
なお、リソース管理プログラムに係るプログラムモジュール3083やプログラムデータ3084は、ハードディスクドライブ3080に記憶される場合に限られない。例えば、プログラムモジュール3083やプログラムデータ3084は、着脱可能な記憶媒体に記憶されてもよい。この場合、CPU3020は、ディスクドライブなどの着脱可能な記憶媒体を介してデータを読み出す。また、同様に、更新プログラムに係るプログラムモジュール3083やプログラムデータ3084は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。この場合、CPU3020は、ネットワークインタフェース3070を介して他のコンピュータにアクセスすることで各種データを読み出す。
[その他]
なお、本実施例で説明したリソース管理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、リソース管理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読取可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。